JP6177850B2 - ポンプ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、吸入口から吐出口まで液体が通過する流路部と、往復動作によって流路部の容積を変化させる駆動部と、を備えたポンプ装置に関する。
一般に、ポンプ室の容積を変化させることで吸入口から液体を吸入して吐出口から吐出するポンプ装置において、液体に気体が混入することにより、吐出量が低下してしまったり、液体を吐出できなくなってしまったり(ガスロック)する場合があった。即ち、気体は液体よりも膨張及び収縮しやすいことから、ポンプ室の容積変化を気体が吸収してしまい、ポンプ室の加圧によって液体を吐出口側に送り出したり、減圧によって液体を吸入口側から吸入したりしにくくなってしまう。従って、ポンプ室を有する流路部から気体を除去することが求められていた。
そこで、ガス抜き機構が設けられた往復動ポンプ(ポンプ装置)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された従来の往復動ポンプでは、ポンプ室の上方且つ吐出口側に設けられた通路に、上方に延びるガス抜き用の通路と、水平方向に延びる吐出用の通路と、が接続されている。ガス抜き用の通路には、液体及び気体を排出可能な弁が設けられており、流路から気体が除去され、液体及び気体が吸入側のタンクに回収されるようになっている。
特開平9−203380号公報
しかしながら、特許文献1に記載の往復動ポンプでは、気体の混入時だけでなく非混入時であってもガス抜き用の通路から液体が排出されて回収されてしまうため、吐出効率(即ち、ポンプ室の容積変化に対する液体の吐出量)が低下してしまうという不都合があった。従って、流路部から気体を除去することと、吐出効率を向上させることと、を両立させることは困難であった。
本発明の目的は、吐出効率を向上させるとともに流路部から気体を除去することができるポンプ装置を提供することにある。
本発明のポンプ装置は、下方側の吸入口から上方側の吐出口まで液体が通過する流路部と、往復動作によって前記流路部の容積を変化させる駆動部と、を備えて液体を吸入及び吐出するポンプ装置であって、前記流路部は、前記吸入口から上方側に延びる吸入流路と、吸入側逆止弁を介して前記吸入流路に接続されるポンプ室と、前記ポンプ室に対して前記駆動部の動作方向に並ぶように接続される気体保持室と、吐出側逆止弁を介して前記気体保持室の上端に接続されるとともに前記吐出口に向かって上方側に延びる吐出流路と、を有し、前記ポンプ室は、前記駆動部の往復動作に従動する壁部を有するとともに、前記壁部が前記気体保持室に最も近付いた際に最収縮状態となり、前記気体保持室から最も遠ざかった際に最膨張状態となるように容量が可変に形成され、前記気体保持室には、前記壁部と対向するとともに前記ポンプ室側を閉位置として前記動作方向に沿って開閉可能な中間逆止弁が設けられ、前記壁部と前記中間逆止弁との間には、前記中間逆止弁を開動作させるための弁開部が設けられ、前記閉位置に位置づけられた前記中間逆止弁と、前記最膨張状態における前記壁部と、の間隔が、前記弁開部の前記動作方向の寸法よりも大きく、且つ、当該間隔と前記弁開部の前記動作方向の寸法との差が、前記壁部の前記動作方向におけるストローク長よりも小さいことを特徴とする。
以上のような本発明によれば、閉位置に位置づけられた中間逆止弁と、最膨張状態における壁部と、の間隔が、弁開部の動作方向寸法よりも大きいことで、ポンプ室内における気体の量が充分に少ない場合(気体が存在しない場合を含む)、ポンプ室の収縮時に液体の圧力によって中間逆止弁が開動作し、ポンプ室と気体保持室とが連通して液体が気体保持部に送り出される。
また、閉位置に位置づけられた中間逆止弁と最膨張状態における壁部との間隔と、弁開部の動作方向寸法と、の差が、壁部の動作方向におけるストローク長よりも小さいことで、ポンプ室に気体が流入し、ポンプ室の収縮時に液体の圧力によって中間逆止弁が開動作しない場合であっても、壁部が弁開部を介して中間逆止弁を押圧し、中間逆止弁が開動作する。このとき、壁部が気体保持室に向かって動作する勢いにより、気体の少なくとも一部が気体保持室に送り込まれる。ポンプ室が再び膨張していくと、中間逆止弁が壁部によって押圧されなくなり、中間逆止弁が閉位置に位置づけられ、ポンプ室と気体保持室とが区画された状態となる。このとき、気体保持室に送り込まれた気体は上方側に向かい、気体保持室の上端(即ち、吐出側逆止弁の下方)に滞留する。
上記の動作が繰り返され、気体保持室の上端に滞留した気体が増えていくと、気体によって吐出側逆止弁が持ち上げられ、この気体が吐出流路に移動し、吐出口から吐出される。尚、上記の動作1回のみで充分な量の気体が気体保持室に移動し、吐出側逆止弁が持ち上げられてもよい。また、弁開部は、壁部又は中間逆止弁に固定されたり一体に形成されたりしてもよいし、壁部及び中間逆止弁と別体に形成されて固定されていなくてもよい。
以上のように、ポンプ室に気体が流入した場合であっても、この気体が、ポンプ室から気体保持室に送り込まれ、気体保持室から吐出流路に移動することで、流路部から気体を除去することができる。このとき、気体は吐出口から排出されることから、ガス抜きのために液体を吸入口側に回収する構成と比較して、吐出効率を向上させることができる。
この際、本発明のポンプ装置では、前記気体保持室は、前記吐出側逆止弁に向かって上方側に延びる滞留部を有することが好ましい。このような構成によれば、上方側に向かって延びる滞留部に気体を集積して滞留させやすくし、滞留した気体が吐出側逆止弁を持ち上げ、気体保持室内の気体を吐出流路に移動させやすくすることができる。
また、本発明のポンプ装置では、前記ポンプ室は、前記壁部によって一面が形成されるポンプ室本体と、該ポンプ室本体における前記壁部との対向面の中心部から前記気体保持室に向かって延びるとともに前記弁開部を収容する弁開部収容部と、前記対向面の上方部分と前記弁開部収容部とを接続するバイパス部と、を有することが好ましい。このような構成によれば、ポンプ室本体の対向面における上方部分と、弁開部収容部と、がバイパス部によって接続されていることで、ポンプ室本体の上方側の空間に滞留した気体が、バイパス部を通って弁開部収容部に移動しやすくなり、この気体を気体保持室に送り込みやすくなる。このとき、バイパス部が斜め下方に延びている、即ち、バイパス部の下端が、弁開部収容部において対向面よりも気体保持室側の部位に接続されていることがより好ましく、このような構成によれば、バイパス部を通過して弁開部収容部に移動した気体をさらに気体保持室に送り込みやすくすることができる。
さらに、本発明のポンプ装置では、前記ポンプ室は、前記吸入側逆止弁を介して前記吸入流路に接続されるとともに上方側に向かって延びて前記弁開部収容部に接続される鉛直部をさらに有することが好ましい。このような構成によれば、吸入流路からポンプ室に流入した気体は、鉛直部を通過して弁開部収容部に移動する。弁開部収容部は気体保持室に向かって延びており、弁開部収容部の内側に位置する気体は気体保持室に移動しやすい。従って、ポンプ室から気体をさらに除去しやすくすることができる。
また、本発明のポンプ装置では、前記駆動部は、コイルに通電することで磁力によって動作するソレノイド式の動作機構を有することが好ましい。このような構成によれば、駆動部の1往復(特にポンプ室が収縮する際の動作)に要する時間が短くなり、中間逆止弁を勢いよく開動作させるとともに、ポンプ室から気体保持室に勢いよく液体を送り込むことができる。従って、液体とともに気体も気体保持室に移動しやすくなり、ポンプ室から気体をより一層除去しやすくすることができる。
また、本発明のポンプ装置では、前記液体は、発泡性を有することが好ましい。このような構成によれば、発泡性を有する液体(例えば次亜塩素酸ナトリウムや過酸化水素等を含む水溶液)が分解して酸素等の気体が発生しても、ポンプ室から気体を除去することができる。
以上のような本発明のポンプ装置によれば、ポンプ室と気体保持室とが中間逆止弁を介して接続されるとともに、中間逆止弁を開動作させる弁開部が設けられることで、吐出効率を向上させるとともに流路部から気体を除去することができる。
本発明の実施形態に係るポンプ装置を示す断面図である。 前記ポンプ装置のポンプ室が最膨張状態となった様子を示す断面図である。 前記ポンプ室に気体が存在しない場合に、当該ポンプ室が前記最膨張状態よりも収縮した様子を示す断面図である。 前記ポンプ室に気体が存在しない場合に、当該ポンプ室が最収縮状態となった様子を示す断面図である。 前記ポンプ室に気体が存在する場合に、当該ポンプ室が前記最膨張状態よりも収縮した様子を示す断面図である。 前記ポンプ室に気体が存在する場合に、当該ポンプ室が図5に示す状態よりもさらに収縮した様子を示す断面図である。 前記ポンプ室に気体が存在する場合に、当該ポンプ室が図6に示す状態よりもさらに収縮した様子を示す断面図である。 変形例のポンプ装置の要部を示す断面図である。 他の変形例のポンプ装置の要部を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態のポンプ装置1は、図1に示すように、下方側の吸入口11から上方側の吐出口12まで液体が通過する流路部10と、水平方向に沿った往復動作によって流路部10の後述するポンプ室4の容積を変化させる駆動部20と、を備える。吸入口11には図示しないチューブの一端が接続されるとともに、チューブの他端が液体を貯蔵するタンク等に接続されている。吐出口12には図示しないチューブの一端が接続されるとともに、チューブの他端が液体供給先に設けられている。従って、ポンプ装置1は、吸入口11から液体を吸入して吐出口12から吐出することにより、タンクから液体供給先に液体を供給するように構成されている。ポンプ装置1による液体の吐出量は、例えば10〜30ml/minに設定されている。尚、本実施形態において、駆動部20が往復動作する方向を「動作方向」とする。
ポンプ装置1が吸入及び吐出する液体は、例えば次亜塩素酸ナトリウム水溶液である。次亜塩素酸ナトリウムは、分解されて気体としての酸素を発生しやすく、温度が高い場合にこの分解反応が進みやすい。また、ポンプ装置1が次亜塩素酸ナトリウム水溶液を吸入及び吐出する場合、液体供給先は、水道施設やプール、浴場の浴槽等に水又は湯を供給するための流水路が例示される。
流路部10は、下方側から順に、吸入流路2と、2つの吸入側逆止弁3A、3Bと、ポンプ室4と、気体保持室5と、吐出側逆止弁6と、吐出流路7と、逆止弁8と、を有し、全体として上下方向に沿って延びている。
吸入流路2は、吸入口11から上方側に向かって筒状に延びている。吸入側逆止弁3A、3Bは、吸入流路2の上端に設けられるとともに、それぞれ、球状の弁体31及び弁座32を有している。2つの吸入側逆止弁3A、3Bは上下方向に並んで直列に接続されているが、1つの吸入側逆止弁のみが設けられる構成としてもよい。吸入側逆止弁3A、3Bにおいて、弁体31の密度は、液体の密度よりも高くなっており、弁体31に生じる重力と浮力との差を弁閉力として弁を閉じるように構成されている。また、弁体31は、液体の逆流を充分に抑制するとともに、後述するようなポンプ室4の膨張によって容易に開動作するような密度を有しているものとする。
ポンプ室4は、2つの吸入側逆止弁3A、3Bを介して吸入流路2に接続され、上方側の吸入側逆止弁3Bの上端から動作方向の一方側(後述するダイヤフラム部46側)に向かって延びる筒状の水平部41と、水平部41の一方側端部から上方側に向かって延びる筒状の鉛直部42と、鉛直部42の上端から動作方向の両側に延びる筒状の弁開部収容部43と、弁開部収容部43における動作方向の一方側端部に接続されるポンプ室本体44と、弁開部収容部43とポンプ室本体44とを接続するバイパス部45と、を有して構成されている。
弁開部収容部43には、動作方向に沿って延びる棒状の弁開部40が収容されている。弁開部40は、円柱状の本体部40Aと、本体部40Aの動作方向における一方側端部に設けられるとともに本体部40Aよりも大きな外径を有する円盤部40Bと、を有する。また、弁開部収容部43は、弁開部40が動作方向に沿って移動することを案内するように、本体部40Aの外径よりも若干大きい内径を有するとともに、動作方向の一方側において円盤部40Bに合わせて内径が拡大されている。
ポンプ室本体44は、動作方向の一方側の面を底面として他方側の面を天面とする円筒状(即ち、動作方向から見て略円形)に形成され、底面が壁部としてのダイヤフラム部46によって形成されるとともに、ダイヤフラム部46との対向面である天面441の中心部に弁開部収容部43が接続されている。ダイヤフラム部46は、例えばゴム等の弾性部材によって膜状に形成されるとともに、その中央部に駆動部20が一体的に固定されることにより、駆動部20の往復動作に従動する。即ち、ダイヤフラム部46は、駆動部20が往復動作することにより、その中心部が面直方向(動作方向)に沿って移動するように変形し、天面441に近づいたり離れたりする。
バイパス部45は、ポンプ室本体44の天面441のうち弁開部収容部43との接続部分441Aよりも上方に位置する上方部分441Bから斜め下方(下方側且つ他方側)に延びる筒状に形成され、弁開部収容部43の動作方向における略中央部に接続されている。弁開部収容部43に対するバイパス部45の接続位置は、鉛直部42の上方に位置している。
以上のようなポンプ室4は、駆動部20が動作方向の一方側に動作し、図2に示すようにダイヤフラム部46がポンプ室本体44の天面441から最も離れて最膨張位置に位置づけられた際に、その容積が最も大きくなって最膨張状態となる。また、ポンプ室4は、駆動部20が動作方向の他方側に動作し、ダイヤフラム部46がポンプ室本体44の天面441に最も近付いて最収縮位置(図2に一点鎖線で図示)Aに位置づけられた際に、その容積が最も小さくなって最収縮状態となる。
気体保持室5は、ポンプ室4に対して動作方向の他方側に並ぶように接続され、弁開部収容部43に接続されるとともに他方側に向かって延びる筒状の逆止弁収容部51と、逆止弁収容部51の一方側端部から吐出側逆止弁6に向かって下方側から上方側に延びる筒状の滞留部52と、を有する。
逆止弁収容部51には、中間逆止弁53が設けられている。中間逆止弁53は、逆止弁収容部51の動作方向における一方側端部に設けられた弁座531と、弁座531に対して動作方向の他方側に設けられる弁体532と、弁体532を弁座531に対して圧接するように付勢するバネ部材533と、を備える。バネ部材533は、動作方向を軸方向とするコイル状の圧縮バネであって、筒状の逆止弁収容部51に収容される。また、バネ部材533が弁体532に加える付勢力(弁閉力)は、液体の逆流を充分に抑制することができる程度に大きく、且つ、ポンプ室4の容積変化によって生じる力よりも小さく設定されている。
吐出側逆止弁6は、気体保持室5の滞留部52の上端に設けられ、吸入側逆止弁3A、3Bと同様に、弁体61及び弁座62を有する。
吐出流路7は、下方側の第1流路71と、上方側の第2流路72と、を有し、第1流路71と第2流路72との間には、弁体81及び弁座82を有する逆止弁8が設けられている。第1流路71は、吐出側逆止弁6から上方側に向かって延びる筒状の流路本体711と、流路本体711の略中央部から動作方向の両側に向かって延びる手動ガス抜き流路712と、を有する。
手動ガス抜き流路712は、手動弁73によって閉塞され、手動弁73を緩めることにより外気に対して開放されるようになっている。
逆止弁8は、第1流路71の流路本体711の上端に設けられるとともに、吸入側逆止弁3A、3B及び吐出側逆止弁6と同様に、弁体81及び弁座82を有している。第2流路72は、逆止弁8から吐出口12に向かって上方側に延びる筒状に形成されている。
駆動部20は、一般的なソレノイド式の動作機構を有するものであって、ダイヤフラム部46に固定された駆動本体部と、マグネットと、ソレノイドコイルと、スプリングと、電力供給部と、を有する。例えば、駆動本体部がスプリングによって動作方向の一方側に付勢され、電力供給部によってソレノイドコイルに通電することでソレノイドコイルとマグネットとの間に磁力(反発力又は吸引力)が生じ、バネの付勢力に逆らって駆動本体部が他方側に移動するようになっている。電力供給部は、ソレノイドコイルに対してパルス的に電流を流すように構成され、その連続通電時間は例えば70〜80msecとされており、駆動本体部が動作方向に一往復するのに要する時間は、例えば約0.2secとされている。また、単位時間当たりの通電回数(往復回数)は、ポンプ装置1の吐出量に応じて可変に構成されている。ここで、駆動部20の動作方向における動作範囲の両端間の距離をストローク長と呼び、駆動部20のストローク長とダイヤフラム部46のストローク長(動作方向における最膨張位置と最収縮位置Aとの間の距離)とは略等しい。
ここで、ダイヤフラム部46と弁開部40と中間逆止弁53の弁体532との詳細な位置関係について、図2に基づいて説明する。尚、図2は、弁体532が閉位置に位置づけられるとともに、ポンプ室4が最膨張状態となってダイヤフラム部46が最膨張位置に位置づけられた様子を示している。また、以下では説明の都合上、弁開部40の他方側端部が常に弁体532に当接しているものとするが、実際には弁開部40は弁体532に固定されておらず、弁体532とダイヤフラム部46との間において自由に動くことができる。このように弁開部40の他方側端部が弁体532に当接しているという仮定の下では、弁体532が閉位置に位置づけられている際には、弁開部40も閉位置となる。
最膨張位置に位置づけられたダイヤフラム部46と、閉位置に位置づけられた弁開部40と、の動作方向における間隔をL1とし、ダイヤフラム部46のストローク長をXとすると、0<L1<Xの関係が成立する。即ち、閉位置に位置づけられた弁体532と、最膨張位置に位置づけられたダイヤフラム部46と、の動作方向における間隔をL2とし、弁開部40の動作方向寸法をL3とすると、0<L2−L3<Xの関係が成立する。ここで、ダイヤフラム部46が最膨張位置から他方側に間隔L1だけ移動した位置を強制開閉位置(図2に二点鎖線で図示)Bとする。
以下、駆動部20及びダイヤフラム部46が往復動作することによってポンプ装置1が液体を吸入及び吐出する際の各部の動作について説明する。以下の説明においても上記と同様に弁開部40の他方側端部が常に弁体532に当接しているものとする。まず、液体に気体が混入していないか、或いは、気体の混入量が充分に小さい場合について考える。駆動部20及びダイヤフラム部46が一方側に向かって動作してポンプ室4が膨張すると、ポンプ室4内の液体が減圧され、ポンプ室4は吸入流路2から液体を吸引しようとする。この吸引力が吸入側逆止弁3A、3Bの弁体31の弁閉力よりも大きくなった時点で吸入側逆止弁3A、3Bが開き、吸入流路2の液体がポンプ室4内に流入する。同時に、吸入口11を通じて外部のタンクから吸入流路2に液体が吸入される。
ポンプ室4が最膨張状態となっている際、図2に示すように、中間逆止弁53の弁体532が閉位置に位置づけられ、弁が閉じた状態となる。また、ポンプ室4から吸入流路2に吸引力が生じなくなり、吸入側逆止弁3A、3Bが閉じられる。このような状態から駆動部20及びダイヤフラム部46が他方側に向かって動作してポンプ室4が収縮すると、ポンプ室4内の液体が加圧され、ポンプ室4は気体保持室5に液体を送り込もうとする。ポンプ室4と気体保持室5との圧力差による弁開力が中間逆止弁53の弁閉力よりも大きくなった時点で図3に示すように中間逆止弁53が開く。このとき、ダイヤフラム部46と弁開部40とは当接しない。
ポンプ室4の液体が気体保持室5に流れ込むことにより、気体保持室5内の圧力が上昇し、吐出側逆止弁6が開き、同様に、逆止弁8も開く。従って、ポンプ室4と気体保持室5と吐出流路7とが順次連通され、ポンプ室4の収縮によって吐出口12から液体が吐出される。また、ポンプ室4が最収縮状態となると、図4に示すように、ダイヤフラム部46と弁開部40とが当接する。尚、ダイヤフラム部46と弁開部40とは、ポンプ室4が最収縮状態となった際に離隔していてもよいし、手前(最収縮状態よりも膨張した状態)から当接してもよい。以上のように、ポンプ装置1では、ポンプ室4の膨張によって吸入口11から液体が吸引され、収縮によって吐出口12から液体が吐出される。
次に、吸入流路2やポンプ室4に気体が混入した場合について考える。駆動部20及びダイヤフラム部46が一方側に向かって動作してポンプ室4が膨張すると、上述のように吸入流路2内の液体がポンプ室4内に流れ込む。このとき、吸入流路2内の気体も同時にポンプ室4内に移動する。ポンプ室4内に気体が存在すると、ポンプ室4が膨張した際に気体も膨張し、液体が減圧されにくくなる。従って、ポンプ室4内の気体の量が多くなると、吸入側逆止弁3A、3Bが開かなくなり、吸入口11から液体が吸入されなくなる。
このようにポンプ室4内に気体が存在する状態において、ポンプ室4が図2に示す最膨張状態から収縮した場合、図5に示すように、ポンプ室4と気体保持室5との圧力差が中間逆止弁53の弁閉力よりも小さく、中間逆止弁53が開かない。ポンプ室4がさらに収縮し、図6に示すようにダイヤフラム部46が強制開閉位置Bに位置づけられると、ダイヤフラム部46が弁開部40に当接する。即ち、弁開部40がダイヤフラム部46と弁体532とによって挟まれた状態となる。
この状態からポンプ室4がさらに収縮すると、図7に示すように、弁体532が弁開部40を介してダイヤフラム部46によって他方側に押圧され、中間逆止弁53が開いてポンプ室4と気体保持室5とが連通される。このとき、ダイヤフラム部46の動作によって液体が他方側に向かって流れようとし、これに伴ってポンプ室4内の気体も他方側に移動しようとする。従って、ポンプ室4内の気体の少なくとも一部が気体保持室5に移動する。さらに、ポンプ室4内の気体はポンプ室本体44における上方の空間に滞留しやすいものの、天面441の上方部分441Bにバイパス部45が接続されていることで、滞留した気体がバイパス部45を通って気体保持室5に向かいやすくなっている。また、気体保持室5はポンプ室4と連通されても圧力がほとんど上昇しないため、吐出側逆止弁6は開かない。
気体保持室5に移動した気体は、滞留部52内において上方側に向かい、滞留部52の上端部に滞留して吐出側逆止弁6の弁体61を持ち上げようとする。上記のようなポンプ室4の膨張と収縮とを繰り返すことにより、滞留部52に滞留した気体の圧力が充分に高くなると、弁体61が持ち上げられて吐出側逆止弁6が開き、気体が第1流路71に移動する。同様に気体によって逆止弁8の弁体8が持ち上げられて弁が開き、気体が第2流路72に移動する。第2流路72に移動した気体は吐出口12から排出される。
上記のようにポンプ室4の膨張と収縮とを繰り返すことにより、ポンプ室4内の気体が充分に除去されると、ポンプ室4の膨張によって吸入口11から液体を吸入し、収縮によって吐出口12から液体を吐出することができるようになる。尚、以上の説明では弁開部40の他方側端部が常に弁体532に当接しているものとしたが、弁開部40が弁体532とダイヤフラム部46との間のどのような位置に設けられていたとしても、弁体532は上記と同様に開閉する。
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。即ち、最膨張位置に位置づけられたダイヤフラム部46と、閉位置に位置づけられた弁開部40と、の動作方向における間隔をL1と、ダイヤフラム部46のストローク長をXと、が0<L1<Xの関係を有していることで、流路部10から気体を除去することができる。このとき、気体は吐出口12から排出されることから、ガス抜きのために液体を吸入口11側のタンクに回収する構成と比較して、吐出効率を向上させることができる。
さらに、気体保持室5が上方側に向かって延びる滞留部52を有することで、その上端に気体を集積して滞留させやすくし、気体が吐出側逆止弁6の弁体61を持ち上げ、気体保持室5内の気体を第1流路71に移動させやすくすることができる。
また、ポンプ室4が吸入側逆止弁3A、3B側から上方側に向かって延びて弁開部収容部43に接続される鉛直部42を有することで、吸入流路2からポンプ室4に流入した気体は、鉛直部42を通過して弁開部収容部43に移動する。弁開部収容部43は気体保持室5に向かって延びており、この内側に位置する気体は気体保持室5に移動しやすい。従って、ポンプ室4から気体をさらに除去しやすくすることができる。
さらに、駆動部20がソレノイド式の動作機構を有することで、駆動部20の1往復(特にポンプ室が収縮する際の動作)に要する時間が短くなり、中間逆止弁53の弁体532を勢いよく開動作させるとともに、ポンプ室4から気体保持室5に勢いよく液体を送り込むことができる。従って、液体とともに気体も気体保持室5に移動しやすくなり、ポンプ室4から気体をより一層除去しやすくすることができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。例えば、前記実施形態では、気体保持室5が上方側に向かって延びる滞留部52を有するものとしたが、逆止弁収容部51に滞留した気体が吐出側逆止弁を開くことができる場合には、滞留部52は省略されていてもよい。即ち、逆止弁収容部51の上端に吐出側逆止弁6が直接設けられていてもよい。
また、前記実施形態では、弁開部収容部43とポンプ室本体44とを接続するバイパス部45がポンプ室本体44の上方部分441Bから斜め下方に延びるものとしたが、バイパス部の形状はこれに限定されない。例えば、図8に示すように、ポンプ室本体44の上方部分441Bから動作方向に沿って他方側に延びた後、上下方向に沿って下方側に向かって延びて弁開部収容部43に接続されるバイパス部45Bとしてもよい。また、例えばポンプ室本体44と弁開部収容部43との内径の差が小さい場合や、図9に示すようにポンプ室本体44の上方部分441Bに弁開部収容部43が接続される場合等、ポンプ室本体44内の気体が気体保持室5に充分に移動しやすいように構成されていれば、バイパス部45は省略されていてもよい。
また、前記実施形態では、 鉛直部42が吸入側逆止弁3A、3B側から上方側に向かって延びて弁開部収容部43に接続されるものとしたが、鉛直部はポンプ室本体44に直接接続されてもよい。また、吸入側逆止弁3A、3B側から上下方向に対して傾斜を有して上方側に向かって延びる部分が、弁開部収容部43又はポンプ室本体44に接続される構成としてもよい。
また、前記実施形態では、弁開部40が中間逆止弁53の弁体532に固定されていないものとしたが、弁開部は、弁体に固定されたり一体に形成されたりしてもよい。また、弁開部は、弁体532に固定されたり一体に形成されたりせずに、ダイヤフラム部46に固定されたり、ダイヤフラム部46と一体に形成されたりしてもよい。このとき、閉位置に位置づけられた弁体532と、最膨張位置に位置づけられたダイヤフラム部46と、の動作方向における間隔をL2とし、弁開部40の動作方向寸法をL3とした場合に、0<L2−L3<Xの関係が成立していればよい。
また、前記実施形態では、ポンプ装置1が次亜塩素酸ナトリウム水溶液を対象として吸入及び吐出するものとしたが、ポンプ装置1は、分解等によって気体を生じ得る(即ち発泡性を有する)他の液体を対象としてもよいし、吸入側のタンクに気体が混入しやすい場合には、気体を生じない液体を対象としてもよい。
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
1 ポンプ装置
10 流路部
11 吸入口
12 吐出口
2 吸入流路
3A、3B 吸入側逆止弁
4 ポンプ室
5 気体保持室
6 吐出側逆止弁
7 吐出流路
40 弁開部
42 鉛直部
43 弁開部収容部
44 ポンプ室本体
45 バイパス部
46 ダイヤフラム部(壁部)
441 天面(対向面)
52 滞留部
53 中間逆止弁

Claims (6)

  1. 下方側の吸入口から上方側の吐出口まで液体が通過する流路部と、往復動作によって前記流路部の容積を変化させる駆動部と、を備えて液体を吸入及び吐出するポンプ装置であって、
    前記流路部は、前記吸入口から上方側に延びる吸入流路と、吸入側逆止弁を介して前記吸入流路に接続されるポンプ室と、前記ポンプ室に対して前記駆動部の動作方向に並ぶように接続される気体保持室と、吐出側逆止弁を介して前記気体保持室の上端に接続されるとともに前記吐出口に向かって上方側に延びる吐出流路と、を有し、
    前記ポンプ室は、前記駆動部の往復動作に従動する壁部を有するとともに、前記壁部が前記気体保持室に最も近付いた際に最収縮状態となり、前記気体保持室から最も遠ざかった際に最膨張状態となるように容量が可変に形成され、
    前記気体保持室には、前記壁部と対向するとともに前記ポンプ室側を閉位置として前記動作方向に沿って開閉可能な中間逆止弁が設けられ、
    前記壁部と前記中間逆止弁との間には、前記中間逆止弁を開動作させるための弁開部が設けられ、
    前記閉位置に位置づけられた前記中間逆止弁と、前記最膨張状態における前記壁部と、の間隔が、前記弁開部の前記動作方向の寸法よりも大きく、且つ、当該間隔と前記弁開部の前記動作方向の寸法との差が、前記壁部の前記動作方向におけるストローク長よりも小さいことを特徴とするポンプ装置。
  2. 前記気体保持室は、前記吐出側逆止弁に向かって上方側に延びる滞留部を有することを特徴とする請求項1に記載のポンプ装置。
  3. 前記ポンプ室は、前記壁部によって一面が形成されるポンプ室本体と、該ポンプ室本体における前記壁部との対向面の中心部から前記気体保持室に向かって延びるとともに前記弁開部を収容する弁開部収容部と、前記対向面の上方部分と前記弁開部収容部とを接続するバイパス部と、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のポンプ装置。
  4. 前記ポンプ室は、前記吸入側逆止弁を介して前記吸入流路に接続されるとともに上方側に向かって延びて前記弁開部収容部に接続される鉛直部をさらに有することを特徴とする請求項3に記載のポンプ装置。
  5. 前記駆動部は、コイルに通電することで磁力によって動作するソレノイド式の動作機構を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポンプ装置。
  6. 前記液体は、発泡性を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のポンプ装置。
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