JP6176985B2 - 鉄資源の再生処理方法 - Google Patents
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Description
この熱間圧延加工では主に圧延ロールと鋼帯との摩擦の緩和、鋼帯の冷却を目的として大量の潤滑油、冷却水を使用するので、熱間圧延で生じたスケールは油分及び水分を多く含有している。
また、含油含水スケールを転炉で再利用する場合、スケールが粉状では舞ってしまい排ガスとともに外部に排出されてしまうため、含油含水スケールをペレット状又はブリケット状に製団加工(造粒)する必要があるが、含有している水分のためにうまく製団加工することができなかった。
また、特許文献2においては、水分と油分を含むスラッジ(汚泥)に生石灰を混合して、脱水及び油分の除去を行っている。混合する生石灰の量は、スラッジの水分質量に対して0.5〜1.5倍としている。
そして、第二混合工程で第一生成物に苛性ソーダと水を添加して混合し第二生成物を生成する。
そして、製団工程で、第二生成物を加圧してブリケットに製団加工する。
この発明では、第二混合工程において苛性ソーダが水と反応することで発熱し、それに伴い含油スケールから油分が滲み出るので、生石灰のみを混合した場合に比べて、油分が分解されるまでの時間が短縮される。
ここで、この粒度の生石灰を含油含水スケールと混合した場合、生石灰の粒度が大きいので、混合してもその生石灰の粒の内部には水分と未反応のままの生石灰成分が残存する。よって、この混合物を製団加工しても、十分な強度のブリケットが得られないという問題点がある。
また、未反応の生石灰が少ないので、生石灰に無駄がなくコストが低廉である。
すなわち、第一混合工程では含油含水スケールに生石灰を混合することで、含油含水スケールに対して脱水とともに油分の除去を行っているが、生石灰を混合するだけの油分除去には限界があるので、第一生成物中には油分が残存している。この油分が残存した第一生成物に、油分を含有しないスケールを混合することで相対的に油分の割合を低減させることができるので、ペレット又はブリケットの強度が向上する。
さらに、第二混合工程において含油含水スケールとは異なるスケールを使用するので、他工程で生じた油分を含有しないスケールを含油含水スケールと同時にリサイクル可能であり、効率がよい。
この鉄資源の再生処理方法は、酸化鉄が主成分であって油分及び水分を含有する含油含水スケールをリサイクルする方法であって、第一混合工程100、第二混合工程200、製団工程300、乾燥工程400、再使用工程500を備える。
この生石灰の粒度はほぼ全てが200μm以下である。
また、生石灰の混合量は、含油含水スケールの含水量の100質量%(同量)とした。
この第一混合工程100は脱水工程であり、生石灰と水分との反応熱により含水量を低減させる。この第一混合工程の結果生成された第一生成物の含水率は9%程度である。
また、含水量の低減と同時に油分も低減する。
ここで混合されるスケールは、熱間圧延で製造される鋼帯とは別の製品の製造工程で生じるスケールであって、油分を含有していない。また、このスケールの含水率は10%程度である。
また、第一生成物と、油分を含有しないスケールは同量(同質量)とした。
これら第一混合工程100から乾燥工程400で、含油含水スケールをブリケットに再生する工程は完了する。
まず、第一混合工程100において、従来通り含油含水スケールに粒度が3mm以下である粗い生石灰及び200μm以下である細かい生石灰の混合量を変えて、それに伴うブリケットの強度を評価した(実験No.1〜6)。
この実験の前段階として含油含水スケールの含水率を分析すると実験No.1〜3のものは29%で、実験No.4〜6のものは34%であった。よって、実験No.1〜3、及び実験No.4〜6の含油含水スケール20kgにおける含水量はそれぞれ5.8kg、及び6.8kgであることがわかる。
したがって、含油含水スケールの含水量に対する生石灰の割合は、実験No.1では69wt%、実験No.2では103wt%、実験No.3では155wt%、実験No.4では66wt%、No.5では100wt%、No.6では150wt%である。
ここで、実験No.3及びNo.6では生石灰の量が多く飽和して無駄が多かったので、コスト面を考慮すると実験No.2及びNo.5の比率が好ましいことがわかった。
以上の結果から、第二混合工程200でバインダーのみを添加する場合、最も好ましいのは実験No.5の条件であることがわかる。
この実験結果から、第一生成物に対して油分を含有しないスケールを100〜200質量%混合するとよいことがわかる。
特に、実験No.8のように第一生成物と、油分を含有しないスケールを同量にしたときが最もブリケットの取扱い性に優れていた。
なお、従来は油分を含有しないスケールの混合量を増やせば増やすほど、ブリケットの強度が上昇すると考えられていたが、今回の実験のように含油含水スケール(含油スケール)と混合する場合には最適な混合割合(100〜200質量%)が存在することがわかった。
この結果、その割合が86wt%でもブリケットの強度は実験No.8と同様であって、取扱いに優れるものであった。
よって、水分と未反応のまま第一生成物の内部に残存する生石灰成分がほとんどないので、製団工程後のブリケットの強度が向上する。この結果、ブリケットがハンドリング時に割れず、運搬し易い。また、ブリケットが投入シュートで詰まらない。
このように、十分な強度のブリケットを得ることができる。
すなわち、第一混合工程100では含油含水スケールに生石灰を混合することで、含油含水スケールに対して脱水とともに油分の除去を行っているが、生石灰を混合するだけの油分除去には限界があるので、第一生成物中には油分が残存している。この油分が残存した第一生成物に、油分を含有しないスケールを混合することで相対的に油分の割合を低減させることができるので、ブリケットの強度が向上する。
さらに、第二混合工程200において含油含水スケールとは異なるスケールを使用するので、他工程で生じた油分を含有しないスケールを含油含水スケールと同時にリサイクル可能であり、効率がよい。
つまり、第一生成物と油分を含有しないスケールの合計重量がわかればそれらの含水量もわかるので、さらに加えるべき水分量を容易に把握できる。
また、生石灰の粒度を全て200μm以下としたが、これに限られるものではなく、生石灰のうち、200μm以下の粒度の生石灰の占める割合が90%以上であればよい。また、全ての生石灰の粒度が1mm以下であれば、従来よりも強度の高いブリケット等を得ることができる。
生石灰の混合量を含油含水スケールの含水量の80質量%以上とすることで、第一混合工程100において含油含水スケールを十分に脱水可能である。
また、生石灰の混合量を含油含水スケールの含水量の200質量%以下とすることで、コストを抑えることができるとともに、未反応の生石灰の割合が低くなり次工程である第二混合工程200での水分調節も容易となる。
また、第一生成物の含水率と、油分を含有しないスケールの含水率は異なっていてもよく、バインダーに必要な水分量を算出できればよい。
また、バインダーを3質量%加えるとしたが、4質量%でもよい。このとき、製団直後のブリケットの強度はさらに高くなる。但し、乾燥後のブリケットの強度は実験No.8の場合と同等であった。
200 第二混合工程
300 製団工程
400 乾燥工程
500 再使用工程
Claims (2)
- 酸化鉄が主成分であって油分及び水分を含有する含油含水スケールに生石灰を混合して第一生成物を生成する第一混合工程と、
前記第一生成物にバインダーを混合して第二生成物を生成する第二混合工程と、
前記第二生成物を加圧してペレット又はブリケットに製団加工する製団工程を備える鉄資源の再生処理方法であって、
前記生石灰の粒度が1mm以下であり、
前記第二混合工程において、前記第一生成物に対して100〜200質量%の、油分を含有しないスケールを前記バインダーとともに混合することを特徴とする鉄資源の再生処理方法。 - 前記第一生成物の含水率を前記油分を含有しないスケールの含水率と略等しくしたことを特徴とする請求項1に記載の鉄資源の再生処理方法。
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