JP6174364B2 - 円筒搬送装置、未加硫タイヤの製造装置及び未加硫タイヤの製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、シェーピングドラム(又はカーカスドラム)にサイドウォールやインナーライナを直接巻き付け、その上にプライを巻き付けるが、プライを巻き付ける際に、プライをエア抜きローラで押さえつけることでエアを抜きながら巻き付けを行っている。
この方法では、エア抜きと巻き付けを同時に行うことで、未加硫タイヤのタクトタイムの短縮を図っている。
ところで、サイドウォールを薄ゲージ化するという要請に応えるためには、プライの端部同士を突き合わせて接合するいわゆるバットジョイントを行うことが必須であるが、この方法では、プライをバットジョイントできないという問題がある。
この方法では、まずプライを成型ドラムに巻き付け、その端部同士を接合して円筒状のプライ(円筒状プライ)を成型する。次に成型した円筒状プライを、円筒搬送装置により外周側から吸着保持して、インナーライナを外周に巻き付けた成型ドラムまで搬送し、そこで、円筒状プライをインナーライナの外周に装着する。
この円筒搬送装置の1例として例えば特許文献1に記載されたものが知られている。
円筒搬送装置1は、円筒状プライを保持する保持部5と、保持部5を支持する搬送部6とから成っている。保持部5には、図示のように、全体として円状を呈する、複数の吸着パッド18aを有する6つの円弧状の把持セグメント18が60度毎に配設されている。把持セグメント18には、図示しない孔が設けられ、この孔が排気管18bを介して図示しない真空装置に接続されている。
また、保持部5は、図示しない昇降駆動手段の作動に基づいて、上昇、及び下降変位する。
なお、この従来の円筒搬送装置1では、その高さ調整は、成型ドラム2Sへの移動中に、昇降駆動手段の作動に基づき、円筒搬送装置1の保持部5を下降変位させることによって行う。これにより、保持部5の昇降変位に伴ってタクトタイムが増大するのは防止できる。
しかし、従来の装置を用いて未加硫タイヤを製造する場合、タイヤ構成用のシート状部材上へのビード部材の配置と、シート状部材の搬送は別工程で行うことになる。即ち、未加硫タイヤの製造におけるタクトタイムを短縮することは従来から重要な課題であるが、この従来の装置を用いた場合にはタクトタイムが増大することはないが、タクトタイムを短縮する点については、とくに考慮されていない。
(2)本発明は、(1)に記載された円筒搬送装置と、タイヤ構成用のシート状部材を巻き付けて円筒状の前記第1のシート状部材を成型する第1の成型ドラムと、タイヤ構成用の前記円筒状に成型した第2のシート状部材を巻き付ける第2の成型ドラムであって、前記円筒搬送装置で搬送された前記第1のシート状部材を前記第2のシート状部材に外嵌してシェーピングを行う前記第2の成型ドラムと、を有する未加硫タイヤの製造装置である。
(3)本発明は、(1)に記載された円筒搬送装置を用いて行う未加硫タイヤの製造方法であって、第1の成型ドラムにタイヤ構成用のシート状部材を巻き付けて円筒状の第1のシート状部材を成型する工程と、前記円筒搬送装置で前記第1のシート状部材にビード部材を載置した状態で保持する工程と、前記円筒搬送装置で、保持した前記第1のシート状部材を第2の成型ドラムに巻き付けたタイヤ構成用の円筒状に成型した第2のシート状部材に外嵌する位置まで搬送する工程と、前記第1のシート状部材を前記第2のシート状部材に外嵌する工程と、前記第1のシート状部材と前記第2のシート状部材を接合した後、前記第2の成型ドラムでシェーピングを行う工程と、を有する未加硫タイヤの製造方法である。
図1は、本実施形態の未加硫タイヤの製造装置を概略的に示す図である。本実施形態に係る未加硫タイヤの製造装置は、図示のように、巻き付けたシート状部材であるプライの端部同士を接合するいわゆるバットジョイントを行うための拡縮可能な第1の成型ドラムであるプライ専用ドラム20Pと、バットジョイントにより円筒状に成型したタイヤ構成用の第1のシート状部材であるプライ21(図3)を、その円筒形状を維持した状態で次工程の第2の成型ドラムであるシェーピングドラム20Sまで搬送する円筒搬送装置1と、シェーピングドラム20Sからなっている。
円筒状に成型されたプライを搬送する円筒搬送装置1’の構造自体は本発明を構成するものではなく任意の構成を採用できる。ここでは、基本的には既に説明した従来の円筒搬送装置1と同じでもよいため、従来の円筒搬送装置1を用いるものとして説明する。したがって、従来の円筒搬送装置1と同じ部分には同じ番号を付し説明を省略する。
なお、プライ21は、後工程において真空吸引することで、プライ21とインナーライナ22(図4)間に残留するエアを排気するための貫通孔が多数設けられている。
図3Aは始動状態にある未加硫タイヤの製造装置を概略的に示した図であって、第1の成型ドラムであるプライ専用ドラム20Pと、プライ専用ドラム20Pに巻回された円筒状のプライ21と、円筒搬送装置1’と、円筒搬送装置1’の長手方向端部、即ちその把持セグメント18の外端部に設けたマグネット26に把持されたビード部材30と、第2の成型ドラムであるシェーピングドラム20Sのそれぞれの配置状態を示している。
円筒搬送装置1’は、その把持セグメント18がプライ専用ドラム20P上のプライ21に外嵌して、即ちその外周に位置整合して停止する。円筒搬送装置1’が停止すると、プライ専用ドラム20Pを拡径して、プライ21の外周面を把持セグメント18の内周面の吸着パッド18aに当接させる。その際、ビード部材30は、その金属ワイヤーがマグネット26で吸着された状態で、プライ21の外周面上に配置される。
シェーピングドラム20Sには、図示のように、その縮径した外周面には第2のシート状部材、ここではインナーライナ22及びその両側部にサイドゴム(サイドゴムは、プライ21と組み合わさったときプライ21上のビード部材30の内側に配置される)24が巻回されている。
続いて、シェーピングドラム20Sを少し拡径して、シェーピングドラム20S上に巻回されたインナーライナ22をプライ21の内周面に押し付けて密着し、また、シェーピングドラム20Sに設けたビードロック(図示せず)を拡径してサイドゴム24及びプライ21を介して、ビード部材30に押し付けてロックする。プライ21がインナーライナ22に密着すると、プライ21とインナーライナ22間の残留したエアは、プライ21に設けた複数の貫通孔を通して吸着パッド18aで吸引されて排気される。
また、ビード部材30の把持は、ビード部材把持手段としてマグネット26を用いれば、ビード部材30をマグネット26に当接するだけで、ワンタッチで容易に装着可能である。
なお、ビード部材30の把持手段は、必ずしもマグネットに限定されず例えば機械的な把持手段などの他の把持手段を用いることもできる。
したがって、従来のステッチングローラ等による残留エアの排気工程も省略することができる。そのために、未加硫タイヤ製造における全体のタクトタイムを一層短縮することができる。
以上述べたように、本実施形態により、未加硫タイヤ製造におけるタクトタイムをさらに短縮することができる。
また、ビード部材把持手段は、保持手段の軸方向端部に一体に取り付けられた構造であるため、前記ビード部材把持手段取付用の特別な取付手段を要せず、全体構造を単純化することができ、既存の円筒搬送装置に容易に適用できる。したがって、低廉なコストでビード部材把持手段付きの円筒搬送装置を得ることができる。
Claims (5)
- 円筒状に成型したタイヤ構成用の第1のシート状部材を次工程に搬送する円筒搬送装置であって、
前記第1のシート状部材の外周をその幅方向所定長さで保持する保持手段と、
前記保持手段の前記第1のシート状部材の幅方向両端部に備えられビード部材を把持するビード部材把持手段と、
を備え、
前記保持手段は、前記第1のシート状部材の外周をバキュームで吸着保持する吸着手段であり、
前記吸着手段は、前記タイヤ構成用の前記第1のシート状部材を、円筒状に成型した第2のシート状部材に外嵌したとき、前記第1及び第2のシート状部材間に残留するエアを、前記第1のシート状部材に設けた複数の貫通孔を介して排気する円筒搬送装置。 - 請求項1に記載された円筒搬送装置において、
前記ビード部材把持手段は、前記保持手段の軸方向端部に一体に取り付けられている円筒搬送装置。 - 請求項1または2に記載された円筒搬送装置と、タイヤ構成用のシート状部材を巻き付けて円筒状の前記第1のシート状部材を成型する第1の成型ドラムと、タイヤ構成用の前記円筒状に成型した第2のシート状部材を巻き付ける第2の成型ドラムであって、前記円筒搬送装置で搬送された前記第1のシート状部材を前記第2のシート状部材に外嵌してシェーピングを行う前記第2の成型ドラムと、を有する未加硫タイヤの製造装置。
- 請求項1または2に記載された円筒搬送装置を用いて行う未加硫タイヤの製造方法であって、
第1の成型ドラムにタイヤ構成用のシート状部材を巻き付けて円筒状の第1のシート状部材を成型する工程と、
前記円筒搬送装置で前記第1のシート状部材にビード部材を載置した状態で保持する工程と、
前記円筒搬送装置で、保持した前記第1のシート状部材を第2の成型ドラムに巻き付けたタイヤ構成用の円筒状に成型した第2のシート状部材に外嵌する位置まで搬送する工程と、
前記第1のシート状部材を前記第2のシート状部材に外嵌する工程と、
前記第1のシート状部材と前記第2のシート状部材を接合した後、前記第2の成型ドラムでシェーピングを行う工程と、
を有する未加硫タイヤの製造方法。 - 請求項4に記載された未加硫タイヤの製造方法において、
前記第1のシート状部材を前記第2のシート状部材に接合するとき、前記第1及び第2のシート状部材間に残留するエアを、前記第1のシート状部材に設けた複数の貫通孔を介して排気する工程、
を有する未加硫タイヤの製造方法。
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