JP6172748B2 - 電気触覚提示装置およびプログラム並びに記録媒体 - Google Patents

電気触覚提示装置およびプログラム並びに記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、電気触覚ディスプレイに関するものである。
従来、スマートタッチと呼ばれる電気触覚ディスプレイが知られている(例えば非特許文献1参照)。スマートタッチの使用例を図1に示した。200はユーザの指、210はスマートタッチ、220は対象となる表面、例えば紙である。スマートタッチ210は、紙220に描かれた黒い点や線を電気刺激で指200に伝える。例えば、紙220に黒い点が描かれている場合、スマートタッチ210は指200に点状の電気刺激を与える。また、紙220に黒い線が描かれている場合、スマートタッチ210は指200に線状の電気刺激を与える。このように、スマートタッチ210は、対象としている表面、紙220に描かれている情報を電気刺激に変換して指200に伝えるデバイスである。
図2は、スマートタッチ210の概略構成図である。300は指に電気刺激を与える電極、301は電極部を固定する基盤、302は電極301への電流を制御する開閉用集積回路、303は光センサの出力を選択するチャンネル選択部、304はチャンネル選択部303を固定する基盤、305は光を集光し、その光量に応じた電圧を出力する光センサアレイである。また、図中に記されていないがスマートタッチに電力を供給する電力源,光センサアレイの出力をチャンネル選択部を介して受け取り電気刺激信号に変換するメインコントローラが存在する。次に、スマートタッチ210の動作についてその概要を説明する。まず、光センサアレイ305は集光した光量に応じて出力電圧を変化させる。次に、チャンネル選択部303は光センサアレイ回路305の1チャンネルを選択し,電圧値をメインコントローラに送信する。開閉用集積回路302はメインコントローラが設定した電圧を電極300へ供給する。最後に電極300はその電圧を指200へ伝える。
このスマートタッチ210をスマートフォンのディスプレイ部に設置したデバイスは、視覚障害者が利用可能なデバイスとなる。図3はスマートタッチ210をスマートフォンのディスプレイ部に設置した様子を表している。306はスマートフォンのディスプレイ部、307はスマートフォンの筐体、308はカメラである。図4は使用例である。309はスマートフォンである。ユーザはスマートタッチ210を通じて、スマートフォン309のディスプレイに描画された濃淡情報を電気刺激として知覚する。
図5は、このスマートタッチ210をスマートフォンのディスプレイ部に設置したデバイスの機能ブロック図である。このデバイスは、スマートフォン400と、スマートタッチ407で構成されている。さらにスマートフォン400を構成する401はスマートフォンの撮像部、402は401が撮影した画像に対して処理を施す画処理部である。403はユーザの指などの接触を検出し、その接触状況を後述404へ送信する接触検出部、404は403から送られてくる情報に応じてアプリケーションの処理内容を変更するアプリ部である。405はアプリ部404からの情報と、画処理部402からの画像情報を合成する画像合成部、406は画像合成部が合成した画像を表示する液晶ディスプレイなどで構成された表示部である。408は表示部406が表示する情報を取得する光センサアレイなどで構成された撮像部である。409は撮像部408が撮影した情報に処理を施す処理部である。410は処理部409が生成する情報に応じて電気刺激を提示する提示部である。
次に、図7に示したフローチャートを参照して、スマートタッチ210をスマートフォンのディスプレイ部に設置したデバイスの動作の流れを説明する。処理が開始されると(S400)、撮像部400は外界をビット深度8ビットで撮影し(S401)、画処理部402はその撮影した画像を現像する(S402)。次に、接触検出部403は外界からの接触状況を検出し(S403)、アプリ部404は接触検出部403から送信される情報に応じて文字列等を生成する(S404)。画像合成部405は、アプリ部404から送信される文字列等と、画処理部402から送信される画像を合成する。例えば画像上に文字列を合成する(S405)。そして、表示部406は画像合成部から送信される画像をディスプレイに表示する(S406)。ここまでが、スマートフォンの動作の流れである。次に、スマートタッチの動作の流れを説明する。撮像部408は表示部406に表示された画像情報を光センサアレイで取得する(S407)。そして、処理部409は取得した情報を電気刺激情報に変換する(S408)、最後に提示部410は、処理部409が送信する情報に応じて電気刺激を提示し、ユーザはこの電気刺激を知覚する事で画像情報を指先で感じる(S409)。そして、処理が終了する(S400)。以上が、スマートタッチ210をスマートフォンのディスプレイ部に設置したデバイスの動作の流れである。
Kajimoto, Inami, Kawakami, Tachi, "SmartTouch: Electric Skin to Touch the Untouchable," IEEE Computer Graphics & Applications Magazine, pp.36-43, Vol. Jan-Feb, 2004.
しかしながら、従来技術では、画面に表示される情報が複雑である。その結果、視覚しょうがい者は指の先で情報を知覚できないという問題が生じる。例えば、図7はカメラが撮影したリンゴを表した図である。リンゴ500の表面の色は、光の加減によって領域毎に異なる色合いとなる。スマートタッチは、スマートフォンに描画された領域ごとに変わる色の変化を電気刺激で表現する。しかし、その変化を元に生成された電気刺激は複雑すぎる為、視覚しょうがい者は指の先で情報を知覚できないのである。
また、従来技術では、視覚しょうがい者は電極を通じてスマートフォンに指示を送れないという問題が生じる。スマートタッチはディスプレイに表示された情報を入手する仕組みのみを保持しているのである。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、視覚しょうがい者向けのスマートタッチを実現する電気触覚提示装置および方法並びにプログラムを提供することを目的とする。
本発明の電気触覚提示装置は、
光を集光し、その光量に応じた電圧を出力する光センサアレイ(305)と、
光センサアレイの出力を選択するチャンネル選択部(303)と、
光センサアレイの出力に応じて生成された電圧を供給する開閉用集積回路(302)と、
指に電気刺激を与える電極部(300)と、
を備える電気触覚提示装置において、
光センサアレイと対向するように配置されたスマートフォン等のタブレット端末のLCD画面から光センサアレイが受光するLCD画面の濃淡情報に空間的な低域通過フィルタを施す、光センサアレイの前面に配置された透明な板(601)と、
光センサアレイに届く光量が少ない非自発光型のディスプレイや、紙などの情報を取得する際に使用する補助光部(602)と、
透明な板(601)がタブレット端末のLCD画面に傷が付けぬようにする緩衝材部(6030)と、
ユーザと電極部との接触情報を静電容量分布の変化に変換することで、その接触情報を、前記タブレット端末の静電容量方式タッチパネルへの接触情報として伝播させる静電容量変更部(600)と、
を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、スマートフォン内に新設されたHamsa画像処理部とHamsaアプリ部、Hamsa第二画処理部と、スマートタッチ内に新設されたHamsaTouch処理部が、電気刺激として提示する情報を加工する事で、視覚しょうがい者が知覚しやすい情報を提示する事することが可能になる。
先行技術であるスマートタッチの利用例 先行技術であるスマートタッチの概略構成図 先行技術であるスマートタッチをスマートフォンに装着したデバイスの概略構成図 図3のデバイスの利用例 先行技術であるスマートタッチをスマートフォンに装着したデバイスを実現する構成およびデータの流れを模式的に示したブロック図 先行技術スマートタッチをスマートフォンに装着したデバイスの処理の流れを示したフローチャート図 リンゴの画像 リンゴの画像から生成したエッジ画像 本発明の実施の形態となる静電容量変更部と透明板、緩衝材が導入されたHamsaTouchシステムの概略構成図 本発明のHamsaTouchをスマートフォンに装着したデバイスの構成およびデータの流れを模式的に示したブロック図 本発明のHamsaTouchをスマートフォンに装着したデバイスの処理の流れを示したフローチャート 本発明のHamsa画像処理の構成およびデータの流れを模式的に示したブロック図 本発明のHamsa画像処理の処理の流れを示したフローチャート 本発明のHamsa画像処理を構成するエッジ処理の構成およびデータの流れを模式的に示したブロック図 本発明のHamsa画像処理を構成するエッジ処理の処理の流れを示したフローチャート 本発明のHamsa画像処理を構成する、複数枚の画像から画像中の奥行き情報を抽出する処理の構成およびデータの流れを模式的に示したブロック図 本発明のHamsa画像処理を構成する、複数枚の画像から画像中の奥行き情報を抽出する処理の流れを示したフローチャート カメラを移動した時の、被写体とカメラの位置関係を示した図 カメラを右に移動させながら三角形の静止した被写体を撮影した写真の変化を示した図 スマートフォンを右に移動しながら三角形の静物を撮影した時に、探索すべき方向を示した図 動きベクトルから奥行き情報を生成する過程を表した図 動きベクトルから奥行き情報を生成する別の過程を表した図 本発明のHamsa画像処理を構成する空間対応処理の構成およびデータの流れを模式的に示したブロック図 本発明のHamsa画像処理を構成する空間対応処理の処理の流れを示したフローチャート スマートフォンの画角とユーザが知覚する画角の差を示した図 本発明のHamsa画像処理を構成する指かかり警告処理の構成およびデータの流れを模式的に示したブロック図 本発明のHamsa画像処理を構成する指かかり警告処理の処理の流れを示したフローチャート 本発明のHamsaTouch処理部の構成およびデータの流れを模式的に示したブロック図 本発明のHamsaTouch処理部の処理の流れを示したフローチャート 本発明の導光路を持った透明板の概略構成図 本発明の実施の形態となる静電分布変換部と抵抗値取得部が導入されたHamsaTouch処理部の構成およびデータの流れを模式的に示したブロック図 本発明の実施の形態となる静電分布変換部と抵抗値取得部が導入されたHamsaTouch処理部の処理の流れを示したフローチャート
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
<実施形態1>
図9は、本発明の実施形態1に係るハードウエアの機能構成を示す機能ブロック図である。スマートタッチが抱える課題を解決する為に、本発明に係る装置はスマートタッチと600,601,602,603で構成されている。以下、本発明に係る装置の名称をHamsaTouchとする。即ち、HamsaTouchは300,301,302,303,304,305,306,307,308と600,601,602,603及び後述の処理部100、切替部101、Hamsa第二画処理部102、Hamsaアプリ部103、HamsaTouch処理104で構成されている。600は、ユーザと電極の接触情報を静電容量分布の変化に変換する事で、ユーザの指示内容をスマートフォンへ送信する静電容量変更部、601は、光センサアレイが受光するLCD画面の濃淡情報に空間的な低域通過フィルタを施す透明な板である。602は、光センサアレイに届く光量が少ない非自発光型のディスプレイや、紙などの情報を取得する際に使用する補助光部である。603は、透明な板601がスマートフォンのディスプレイに傷が付けぬようにする緩衝材部である。緩衝材部603或は、透明板601の一部は光の透過率が低い素材で出来ており、スマートフォン側の測光部を覆い隠す。尚、スマートフォンのLCD画面の画素数或は画素ピッチの方が、光センサのセンサ数(センサの大きさ)より大きい。
図10は、HamsaTouchに係るソフトウエア機能構成を示す機能ブロック図である。HamsaTouchは、スマートタッチをスマートフォンのディスプレイに装着した構成に加えて、100,102,103を保持している。100は、カメラが撮影した情報を視覚しょうがい者向けに加工するHamsa画処理部、101は、通常の画像情報とHamsa画処理部が送信する画像情報を切り替える切替部である。102は、画像合成部405から送信される視覚しょうがい者向けに既に加工され、他の情報を合成された画像に再度処理を施すHamsa第二画処理部である。例えば、フレームレートを下げたり、インターレース表示する。103は、接触検出部403を通じて受信した指示に応じて、Hamsa第二画処理部に処理方法を知らせるHamsaアプリ部である。104は、ユーザの指などと提示部410の接触状況と、撮像部408からの情報に応じて情報を生成し、その情報を接触検出部403へ送信するHamsaTouch処理部である。
図11は、本発明の実施形態1に係るHamsaTouchをスマートフォンに装着したデバイスの処理の流れを説明するフローチャートである。この処理は図10に示す機能ブロック図に従って実行される。
図11に示したフローチャートを参照して、HamsaTouch407をスマートフォンのディスプレイ部に設置したデバイスの動作の流れを説明する。処理が開始されると(S400)、撮像部400は外界を撮影し(S401)、画処理部402はその撮影した画像を現像する(S402)。Hamsa画処理部100は、後述のHamsaアプリ部103の情報に従い、撮像部401が撮影した画像に対して、視覚しょうがい者用の画像処理を施す(S100)。切替部101は、Hamsa画処理部100の指示に従い、Hamsa画処理部100の出力画像を画像合成部405に送信する(S101)。
HamsaTouch処理部104が、ユーザの指などと提示部410の接触状況と、撮像部408が送信する情報を元に、スマートフォンへ送信する情報を生成し、接触検出部403へ放射される静電分布を変更する(S102)。次に、接触検出部403は外界からの接触状況を検出し(S403)、アプリ部404は接触検出部403から送信される情報に応じて文字列等を生成する(S404)。画像合成部405は、アプリ部404から送信される文字列等と、画処理部402から送信される画像を合成する。例えば画像上に文字列を合成する(S405)。Hamsaアプリ部103は、接触検出部403の情報を参照して、画像合成部405が送信画像情報への追加処理方針を決定する(S103)。Hamsa第二画処理部102は、Hamsaアプリ部103の指示に従い、画像合成部405から送信される画像に追加処理を施す(S104)。そして、表示部406はHamsa第二画処理部102から送信される画像をディスプレイに表示する(S406)。ここまでが、スマートフォン側の動作の流れである。撮像部408は表示部406に表示された画像情報を光センサアレイで取得する(S407)。そして、処理部409は取得した情報を電気刺激情報に変換する(S408)、最後に提示部410は、処理部409が送信する情報に応じて電気刺激を提示し、ユーザはこの電気刺激を知覚する事で画像情報を指先で感じる(S409)。そして処理が終了する(S409)。以上が、HamsaTouch407をスマートフォンのディスプレイ部に設置したデバイスの動作の流れである。
<Hamsa画処理部100の詳細>
次に、図12を用いてHamsa画処理部100の詳細を説明する。Hamsa画処理部100は、環境情報取得部700と、環境解析部702と、第一画像処理部701で構成されている。図13のフローチャートを参照し、Hamsa画処理部100の処理の流れを説明する。処理が開始されると(S501)、環境情報取得部700は、Hamsaアプリ部103からの情報と、スマートフォンに内蔵されている測光部や加速度計部、方位磁石部、角度センサなどからの情報を取得する(S502)。次に、環境解析部702は、環境情報取得部からの情報(例えば測光部からの光量が少ないという情報)に従い視覚しょうがい者向け処理の実行許可を検討し、結果を切替部101へ送信する(S503)。そして、第一画処理部701は、撮像部401からの送信される画像に対して、環境情報取得部700の情報に応じて画像処理を施す(S504)。処理が終了する(S505)。
<第一画処理部701の詳細>
図14に示すように第一画処理部701は、エッジ処理部800で構成されている。図15のフローチャートを参照して、第一画処理部701の処理の流れを説明する。処理が開始されると(S601)、エッジ処理部800は、環境情報取得部700から送信されるユーザ指示に応じて抽出するエッジ抽出の強度を決定する(S602)。次に、エッジ処理部800は撮像画像401から送信される画像から、決定済みエッジ抽出強度に応じてCanny法として知られるJohn F. Cannyのエッジ抽出を利用してエッジを抽出する(S603)。最後に、エッジ処理部800は抽出したエッジ画像(図8に示したような輪郭画像)を切替部101へ送信し(S604)、処理を終了する(S605)。以上が、画像処理部701の詳細な説明である。
本実施形態では、エッジ抽出の手法としてJohn F. Cannyのエッジ抽出を採用したが、Sobel型や、Prewitt型、物体抽出、ノイズリダクションなど画像の特徴を抽出する画像処理であればどのような処理でも構わない。
<HamsaTouch処理部104の詳細>
図28はHamsaTouch処理部104の構成を示している。HamsaTouch処理部104は、信号解析部1300とLED発光部1301で構成されている。図29のフローチャートを参照して、HamsaTouch処理部104の動作の流れを説明する。処理が開始すると(S1000)、LED発光部1301がLEDを発光させる(S1001)。次に、信号解析部1300が撮像部408からの信号を解析し、スマートフォンが装着されているかどうか判定する。例えば、撮像部408が一定量の以上の光量を集光している場合や、スマートフォンのディスプレイが表示する時空間的符号化情報を信号解析部1300が復号した結果、予め決定していた情報と符合した場合にスマートフォンが装着されていると判定する。時空間的符号化情報とは送りたい情報を直行変換した情報や、スペクトル拡散した情報など、復号が必要な情報であればどのような形態でも良い(S1002)。次に、信号解析部1300はスマートフォンの装着を検出した時にのみ、LEDを消灯する(S1003)。こうして処理を終了する(S1004)。
上述の例とは反対に、処理開始時にLEDが消灯していても良い。その場合、撮像部408が集光している光量が一定量以下の場合、信号解析部1300はLED発光部1301のLEDを発光させる。また、LEDの光を効率よく伝播させる為に、図30に示した通り透明板601に導波路1401を用意しても良い。
Hamsa画処理部100と切替部101、Hamsa第二画処理部102、Hamsaアプリ部103は、スマートフォンのメモリに格納されたプログラムをスマートフォンのCPUの制御で実行することにより実現され、HamsaTouch処理部104は、デバイスのメモリに格納されたプログラムをデバイスのCPUの制御で実行することにより実現される。これらのプログラムは、外部のサーバの記憶装置からインターネット経由でダウンロードされたものをインストールしてもよいし、DVD等の記録媒体からインストールしてもよい。
以上説明したように本実施形態1によれば、環境情報取得部700と、環境解析部702、エッジ処理部800により複雑な画像情報の中から特徴を抽出し、その特徴だけを提示する事で、視覚しょうがい者は画像中の情報をより簡単に知覚できるようになるという効果がある。また、透明板601を設置した事で、光センサアレイが受光するLCD画面の濃淡情報に空間的な低域通過フィルタが施され、スマートフォンとHamsaTouchの間で行われる光通信においてエイリアシングを除去できるようになる。さらに、プラスチック板の前面に緩衝材603を置く事で、透明板によってLCD面が傷つく事を防ぎ、光通信が良好な状態で行われるようになる効果がある。さらに、スマートフォン側の測光部を覆い隠す事で、スマートフォンにHamsaTouchが装着されている事を検出できるようになり、自動的に複雑な画像情報の中から特徴を抽出する処理を実行できる。さらに、補助光部602, 信号解析部1300, LED発光部1301を設けた事で、光量が足らない場合でもHamsaTouchを駆動させる事ができるようになる。また、HamsaTouch側に装備されている補助光部602を自動的に点灯・非点灯する仕組みを設ける事で、スマートフォンだけではなく、紙に描かれた情報もHamsaTouchで適用できるようになる。
<実施形態2>
実施形態2は、図16に示した通り前述の実施形態1のエッジ処理部800がデバイス運動計算部900と動き検出初期ベクトル決定部901、奥行き情報生成部902、奥行き画像生成部903になっている。従って、前述の実施形態1とは、エッジ処理部800以外は同じ構成なので、デバイス運動計算部900と動き検出初期ベクトル決定部901、奥行き情報生成部902、奥行き画像生成部903の構成について、図16を参照して説明し、他の部分の説明を省略する。
実施形態2は、ユーザに被写体の奥行き情報を提示する。異なる時刻に撮影された同一被写体の画像内における移動距離から、三角測量の原理を利用して奥行きを算出し、その情報をユーザに提示する。
図16は、本発明の実施形態2に係る第一画像処理部701の構成を説明する機能ブロック図である。900は環境情報取得部700から送信されるスマートフォン内蔵の加速度センサ,角速度センサ,方位センサ情報を参照し、スマートフォンが動いている方向と加速度および角速度を計算するデバイス運動計算部である。901はデバイス運動計算部900から送信されるスマートフォンの方向と加速度および角速度から、後述902で利用される初期動きベクトルを決定する動き検出初期ベクトル決定部である。902は、撮像部401が送信する二枚以上の画像群から基準画像を選択肢選択し、その基準画像内の輝度分布に関して、動き検出初期ベクトル決定部が送信する初期動きベクトルの方向に向かって動き探索を実行する奥行き情報生成部である。903は、奥行き情報生成部902が送信する奥行き情報から奥行き画像を生成する奥行き画像生成部である。
図17のフローチャートを参照して、本実施例おける第一画処理部701の処理の流れを説明する。処理を開始すると(S701)、デバイス運動計算部900は、環境情報取得部700からスマートフォン内蔵の加速度センサ,角速度センサ,方位センサ情報を取得し、スマートフォンが次の撮影タイミングで移動していると予測される画像上の位置を算出する(S702)。例えば、図18はスマートフォンを右に移動させながら三角形の静止した被写体を撮影する様子を示している。静止した三角形の物体1000をスマートフォンでビデオ撮影し、1001の位置と1002の位置で撮影したとする。その結果得られた画像は図19に表されている。1001の位置で撮影した画像は時刻T0の上に示されている。一方1002の位置で撮影された画像はT1の上に示されている。ここで、時刻T0の画像中の三角形が、次の時刻T1の時、どのように動いたのか、その動きベクトルを計算する例を説明する。時刻T1の三角形の位置が時刻T0の画像中のどこに存在するのかを探索する場合、もっとも原始的な方法は時刻T1の三角形をテンプレートにして、時刻T0の画面内をテンプレートマッチングする方法である。しかしこの場合、以下のような問題が生じる。
「自分の手が動いているために静止物に動きが生じているのか,対象が動いているのか」の区別が付かないのである。そこで、本実施例の奥行き情報生成部902では、動き検出初期ベクトル決定部901の結果に従い、時刻T1の三角形の動きを検出する時、時刻T0の画像においてスマートフォンが動いている方向に「だけ」相関計算を施す。その結果、スマートフォンと異なる方向に動いている物体を原理上検出しない。さらに、本来の二次元的な動きベクトル検出(O(N^4))よりも早く(O(N^2))動き検出が可能になる。尚、動きベクトルの検出方法は、例えば時刻T1の画像中で、動きベクトルを算出したい小矩形(3x3ピクセル)をテンプレートとして設定し、時刻T0の画像の中で、時刻T1における着目小矩形と空間的に対応する座標を起点として、スマートフォンの動きと同じ方向へテンプレートマッチングする。そして、着目小矩形とT0の画像における小矩形の空間的に対応する画素値の絶対和など小矩形内の相関を示す指標に応じて、着目小矩形の時刻 T0?T1間の移動距離を算出する(図20)。このようにして、画像を構成する全ピクセルあるいは、代表的な画素の動きベクトルを算出する(S703)。代表的な画素とは、エッジ検出処理を施した後に優位な信号が残っている画素、つまりエッジ画素などである。
次に、奥行き画像生成部903は、奥行き情報生成部902が生成した画素に対応する動きベクトルに応じて、二値画像もしくはグレー画像を生成する(S704)。以下に動きベクトル情報から奥行き画像を生成する方法を説明する。奥行き画像生成部903は動きベクトルの大きい画素に対しては大きな面積を持った大きな輝度値を与える。一方、動きベクトルが小さい画素に関しては、相対的に小さな面積を持った大きな輝度値を与える。
次に図21を利用して説明する。左の画像は動きベクトルを算出した後の画像である。画像には大きな動きベクトルを持った三角形の被写体と、小さな動きベクトルを持った四角形の被写体が存在する。この場合、大きなベクトルを持った三角形はエッジ抽出後、エッジの幅を拡大する処理を施す。例えば、エッジにローパス処理を施し、画像のビット震度が128以上の値を255、それ以下を0に設定する。或は、エッジ画像にモフォロジー画像処理を施し線の幅を太くしても良いし、ラベリング処理を施し、三角形を塗りつぶしても良い。一方、小さな動きベクトルを持つ四角形に関しては、大きな動きベクトル持っている三角形と比較して相対的に細い線にする。例えば、細線化処理を施す。細線化処理はHilditchの方法、田村の方法、Zhang Suenの方法など、線の幅が狭まる手法であればどのような処理でも構わない。以上のようにして、動きベクトルが大きいカメラの近傍に存在する被写体情報は太い線あるいは、ある面積を持った画素領域で示し、動きベクトルが小さい遠方に存在する被写体は、相対的に細い線の画素分布で示す。以上の手法は奥行き情報を画像上の線の空間的な太さで表現しているが、一方で時間方向の信号密度で表現しても良い。時間方向の信号密度で奥行き情報を表現する手法を、図22を利用して説明する。この図では、四つの連続する時刻に対応する画像が存在する。そして、動きベクトルが大きい三角形に関しては、エッジ画像が存在し続けている。一方で、動きベクトルが小さい四角形は、三角形と比較して相対的にエッジ画像の表示枚数が少ない。以上、奥行き画像生成部903が動きベクトル情報から奥行き画像を生成する過程を説明した。
以上説明したように本実施形態2によれば、デバイス運動計算部900、動き検出初期ベクトル決定部901、奥行き情報生成部902、奥行き画像生成部903によりスマートフォンが撮影した画像から奥行情報を生成し電気刺激で提示する事で、視覚しょうがい者は画像内の奥行き情報を知覚できるようになるという効果がある。
<実施形態3>
実施形態3は、前述の実施形態1のエッジ処理部800が空間対応処理1100になっている。従って、前述の実施形態1とは、エッジ処理部800以外は同じ構成なので、空間対応処理1100の構成について、図23を参照して説明し、他の部分の説明を省略する。
実施例3で解決する課題は図25に示した通り、スマートフォン内蔵のカメラが持つ画角とユーザが認識したい領域の画角の相違である。画角が違う事で、カメラが撮影している画像と、ユーザが電気刺激を通じて感じる空間に相違が出てくるのである。図25は、その相違を示している。図中の示された実線はカメラの画角、一方点線はHamsaTouchの電気刺激の面がもつ画角である。このようにそれぞれ異なる画角を持つ。
そこで、空間対応処理部1100は、実線の画角のから、HamsaTouchの画角に入っている画像領域を幾何学変換して生成する。次に、図24に示したフローチャートを参照して、空間対応処理部1100の処理の流れを説明する。処理を開始すると(S801)、まず空間対応処理部1100は画角の相違を解消する為に必要な幾何学変換の係数を予め蓄積していたメモリから環境情報取得部700を通じてロードする(S802)。次に、空間対応処理部1100はその係数を利用して撮像部401から送信される画像を幾何学変換する(S803)。最後に空間対応処理部1100は得られた画像を切替部101へ送信し(S804)、処理は終了する(S805)。
以上説明したように本実施形態3によれば、空間対応処理1100を設ける事でスマートフォン内蔵のカメラが持つ画角とユーザが認識したい領域の画角の相関を高める事で、視覚しょうがい者が空間情報をより的確に知覚できるようになるという効果がある。
<実施形態4>
実施形態4は、前述の実施形態1のエッジ処理部800が指かかり検出部1200と警告提示部1201になっている。従って、前述の実施形態1とは、エッジ処理部800以外は同じ構成なので、指かかり検出部1200と警告提示部1201の構成について、図26を参照して説明し、他の部分の説明を省略する。
この実施例4では、ユーザの指がカメラを遮り、画像を取得できない時に警告を提示する例である。
指かかり検出部1200と警告提示部1201の処理の流れを図27に示したフローチャートを参照して説明する。処理を開始すると(S901)、指かかり検出部1200は、画像内で輝度値が20以下の画素の数を数え上げる(S902)。次に、指かかり検出部1200は数え上げた画素数が、画像全体の画素数の80%以上であれば警告提示部1201に制御信号を送信し、警告提示部1201は警告を提示する(S903)。警告とは、ビープ音やアラーム音など音声情報でも良いし、ディスプレイに表示される画像領域の多くが白くなるよう画像全体を高周波画像に変換してもよい。
以上説明したように本実施形態4によれば、指かかり検出部1200、警告提示部1201を利用しユーザの指がカメラを遮り、画像を取得できない時に警告を提示する事で、視覚しょうがい者がスマートフォンのカメラの適切な位置を握るようになるという効果がある。
<実施形態5>
実施形態5は、前述の実施形態1のHamsaTouch処理部104が、抵抗値取得部1500、静電分布変換部1501になっている。従って、前述の実施形態1とは、抵抗値取得部1500、静電分布変換部1501以外は同じ構成なので、抵抗値取得部1500、静電分布変換部1501について、図31を参照して説明し、他の部分の説明を省略する。
実施例5では、HamsaTouchを通じてスマートフォンに情報を伝達する仕組みを説明する。図32のフローチャートを参照して、実施例5におけるHamsaTouch処理部104の流れを説明する。処理が開始されると(S1000)、抵抗値取得部1500は電極部の抵抗値を取得する(S1001)。抵抗値は皮膚を接触させることによって変化するので,取得された抵抗値情報はユーザの接触情報になる。つまりタッチパネルとして利用できる。次に、静電分布変換部1501はその抵抗値を静電分布に変換し、静電容量変更部 600を通じて、指と電極の接触状況を接触検出部403へ伝える(S1002)。以上で処理を終了する(S1003)。
以上説明したように本実施形態5によれば、静電分布変換部1501と抵抗値取得部1500を利用して電極の抵抗値を計測し、その数値を静電分布としてスマートフォンの接触検出部に伝播させる事で、視覚しょうがい者が電極を通じてスマートフォンに情報を送信できるようになるという効果がある。
100 Hamsa 画処理部
101 切替部
102 Hamsa第二画処理部
103 Hamsaアプリ部
104 HamsaTouch処理部
200 ユーザの指
210 スマートタッチ
220 接触対象の表面、例えば紙
300 指に電気刺激を与える電極
301 電極部を固定する基盤
302 電流を制御する開閉用集積回路
303 光センサの出力を選択するチャンネル選択部
304 基盤
305 光センサアレイ
306 スマートフォンのディスプレイ部
307 スマートフォンの筐体
308 スマートフォン内蔵のカメラ
309 スマートフォン
400 スマートフォン
401 スマートフォンの撮像部
402 画処理部
403 接触検出部
404 アプリ部
405 画像合成部
406 表示部
407 スマートタッチ
408 撮像部
409 処理部
410 提示部
500 リンゴの画像
501 エッジ検出後のリンゴの画像
600 静電容量変更部
601 透明な板
602 補助光部
603 緩衝材部
700 環境情報取得部
701 第一画像処理部
702 環境解析部
800 エッジ処理部
1000 静止した三角形の物体
1001 カメラの位置
1002 移動後のカメラの位置
1100 空間対応処理
1200 指かかり検出部
1201 警告提示部
1300 信号解析部
1301 LED発光部
1400 導波路
1500 抵抗値取得部
1501 静電分布変換部

Claims (12)

  1. 光を集光し、その光量に応じた電圧を出力する光センサアレイと、
    前記光センサアレイの出力を選択するチャンネル選択部と、
    前記光センサアレイの出力に応じて生成された電圧を供給する開閉用集積回路と、
    指に電気刺激を与える電極部と、
    を備える電気触覚提示装置において、
    前記光センサアレイと対向するように配置されたタブレット端末のLCD画面から該光センサアレイが受光する濃淡情報に空間的な低域通過フィルタを施す、該光センサアレイの前面に配置された透明な板と、
    前記光センサアレイに届く光量が少ない非自発光型のディスプレイや、紙などの情報を取得する際に使用する補助光部と、
    前記透明な板が前記タブレット端末のLCD画面に傷が付けぬようにする緩衝材部と、
    ユーザと電極部との接触情報を静電容量分布の変化に変換することで、その接触情報を、前記タブレット端末の静電容量方式タッチパネルへの接触情報として伝播させる静電容量変更部と、
    を有することを特徴とする電気触覚提示装置。
  2. カメラが撮影した情報を視覚しょうがい者向けに加工するHamsa画処理部と、
    通常の画像情報とHamsa画処理部が送信する画像情報を切り替える切替部と、
    視覚しょうがい者向けの画像に再度処理を施すHamsa第二画処理部と、
    Hamsa第二画処理部に処理方法を知らせるHamsaアプリ部と、
    を前記タブレット端末に有することを特徴とする請求項1記載の電気触覚提示装置。
  3. ユーザの指などとの接触状況と、前記光センサアレイの情報に応じて情報を生成し、その情報を前記タブレット端末のタッチパネルへ伝えるHamsaTouch処理部を有することを特徴とする、
    請求項1記載の電気触覚提示装置。
  4. 前記Hamsa画処理部は、
    前記Hamsaアプリ部からの情報と、前記タブレット端末に予め内蔵されている測光部や加速度計部、方位磁石部、角度センサなどからの情報を取得する環境情報取得部と、
    前記タブレット端末内蔵のカメラから送信される画像に対して、前記環境情報取得部の情報に応じて画像処理を施す第一画処理部と、
    前記環境情報取得部からの情報(例えば測光部からの光量が少ないという情報)に従い視覚しょうがい者向け処理の実行許可を検討し、結果を切替部へ送信する環境解析部と、
    有することを特徴とする請求項2または3記載の電気触覚提示装置。
  5. 前記第一画処理は、
    エッジ処理であることを特徴とする請求項4記載の電気触覚提示装置。
  6. 前記第一画処理は、
    前記環境情報取得部から送信される前記タブレット端末内蔵の加速度センサ,角速度センサ,方位センサ情報を参照し、前記タブレット端末が動いている方向と加速度および角速度を計算するデバイス運動計算部と、
    前記デバイス運動計算部から送信される前記タブレット端末の方向と加速度および角速度から、初期動きベクトルを決定する動き検出初期ベクトル決定部と、
    二枚以上の画像群から基準画像を選択肢選択し、その基準画像内の輝度分布に関して、前記動き検出初期ベクトル決定部が送信する初期動きベクトルの方向に向かって動き探索を実行する奥行き情報生成部と、
    奥行き情報生成部の出力データを利用した奥行き画像を生成する奥行き画像生成部と、
    を有することを特徴とした、
    請求項4記載の電気触覚提示装置。
  7. 前記第一画処理は、
    カメラの画角と、ユーザ指で感じる空間の相違を調整する空間対応処理であることを特徴とする請求項4記載の電気触覚提示装置。
  8. 前記第一画処理は、
    ユーザの指がカメラを遮り、画像を取得できない状況を検出する指かかり検出部と、
    指がカメラを遮り、処理を正しく施せない事実をユーザへ伝える警告提示部と、
    を有することを特徴とする請求項4記載の電気触覚提示装置。
  9. 前記HamsaTouch処理部は、
    光センサアレイからの信号を解析し、前記タブレット端末が装着されているかどうか判定する信号解析部と、
    光量不足を補うLED発光部と、
    を有することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項記載の電気触覚提示装置。
  10. 前記HamsaTouch処理部は、
    電極の抵抗値を取得する抵抗値取得部と、
    その抵抗値を静電分布に変換し、静電容量変更部を通じて、指と電極の接触状況を前記タブレット端末に伝える静電分布変換部と、
    を有することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項記載の電気触覚提示装置。
  11. コンピュータを請求項1乃至10の何れか1項に記載の電気触覚提示装置の各部として機能させるためのプログラム。
  12. コンピュータを請求項1乃至10の何れか1項に記載の電気触覚提示装置の各部として機能させるためのプログラムを記憶したコンピュータに読み取り可能な記憶媒体。
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