JP6172173B2 - 草本系バイオマス固形燃料の製造方法 - Google Patents

草本系バイオマス固形燃料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、草本系バイオマス由来の固形燃料の製造方法に係り、特にイネ科植物を出発原料とする草本系バイオマス固形燃料の製造方法に関する。
バイオマスは、エネルギー源として利用可能な、化石燃料ではない動植物に由来する有機物である。特に、植物系バイオマスは、化石燃料との代替性と貯蔵性を有する再生可能な有機性資源であり、カーボンニュートラルであるという利点がある。植物系バイオマスの種類は多岐に亘るが、恒常的に一定量のバイオマスを供給できる草本系バイオマスが注目されている。
草本系バイオマスとは、イネ科植物やマメ科植物等の草本に由来するバイオマスである。草本系バイオマスは、炭素、水素、酸素、窒素、硫黄、リン等の元素によって構成され、燃焼することにより二酸化炭素や水蒸気などの気体となって散逸するが、微量に含有するカリウム、カルシウム、マグネシウムなどの金属元素及びその化合物等が灰分として残る。
例えば、草本系バイオマスを固形燃料化してボイラー燃料として利用する場合、塩素やカリウム等の不純物が多いと、ボイラーの壁に灰分が付着したり、ボイラーを腐食させたりするなどの問題がある。このような草本系バイオマスにカリウムが含まれることに起因する問題の発生を防ぐための草本系バイオマスの前処理方法が開示されている(例えば、下記特許文献1を参照)。
特許文献1に記載された草本系バイオマスの前処理方法は、草本系バイオマスを圧搾脱水する第一圧搾脱水工程と、第一圧搾脱水工程で圧搾脱水された脱水草本系バイオマスに加水する加水工程と、加水工程で加水された加水草本系バイオマスを再び圧搾脱水する第二圧搾脱水工程とを有している。この前処理方法により、特許文献1では、草本系バイオマス中のカリウムを大幅に低減し、支障なく円滑に燃焼し熱回収することができる、としている。
特開2012−153790号公報
特許文献1に記載された草本系バイオマスの前処理方法では、圧搾脱水工程を複数回に亘って繰り返すだけでなく、さらに加水工程を含むため、エネルギー消費量が多くなるという課題がある。また、本発明の発明者らは、実験の結果、特許文献1に記載された草本系バイオマスの前処理方法では、加水工程を行うことによって、草本系バイオマス固形燃料の発熱量が低下することを見出した。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、草本系バイオマス固形燃料の製造工程におけるエネルギー消費量を低減するとともに、草本系バイオマス固形燃料の発熱量を増加させることができる草本系バイオマス固形燃料の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の発明者らは、鋭意研究の結果、草本系バイオマスの一種であるイネ科植物は、草本系バイオマス固形燃料の製造工程において圧搾工程を一回だけ行うことで、燃焼時の発熱量の低下を抑制しつつ、含有するカリウム等の水溶性の不純物を十分に除去できることを見出した。
生育しているイネ科植物は、例えば60%から90%程度の高い含水率を有しており、収穫して乾燥させる前に圧搾することで、含有する水分が搾取されて繊維分を得ることができる。このとき搾取される水分は、イネ科植物が含有するカリウム、塩素、硫黄等の不純物を含んでいる。本発明の発明者らは、実験の結果、含水率の高いイネ科植物は、複数回の圧搾工程や加水工程を行うことなく、一回の圧搾工程のみで、含有するカリウムを、含有する水分とともに、十分に除去できるという知見を得た。
さらに、本発明の発明者らは、鋭意研究の結果、特許文献1に記載されているようにイネ科植物を一回目の圧搾工程で圧搾した後に加水すると、圧搾後の繊維分に含まれるカリウムが減少するだけでなく、セルロース等の炭素成分も減少することを見出した。その結果、加水後の二回目の圧搾工程を経て得られる草本系バイオマス固形燃料の発熱量が低下し、相対的に灰分の割合が増加して、燃料としての品質が低下するという知見を得て、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の草本系バイオマス固形燃料の製造方法は、イネ科植物を出発原料とする草本系バイオマス固形燃料の製造方法であって、前記出発原料を圧搾して繊維分を得る一回の圧搾工程と、前記繊維分を乾燥させて固形燃料を得る乾燥工程と、を有することを特徴とする。
本発明の草本系バイオマス固形燃料の製造方法では、一回の圧搾工程のみで、出発原料が含有する不純物を、出発原料が含有する水分とともに排出することができ、加水工程を省略して圧搾工程後の繊維分に含まれる炭素成分が減少するのを防止することができる。したがって、本発明の草本系バイオマス固形燃料の製造方法によれば、加水工程を省略し、かつ圧搾工程の回数を削減することで、エネルギー消費量を従来よりも低減することができる。また、草本系バイオマス固形燃料に含まれる炭素成分の割合を増加させ、草本系バイオマス固形燃料の発熱量を従来よりも増加させることができる。
また、草本系バイオマス固形燃料に含まれる炭素成分の割合が従来よりも増加することで、不純物の割合が相対的に減少する。これにより、不純物による影響を低減して、例えば、バイオマス発電の効率を上げるために、草本系バイオマス固形燃料をより高温で燃焼させることができる。また、草本系バイオマス固形燃料の発熱量を増加させることで、例えば、草本系バイオマス固形燃料を燃焼させるボイラーを小型化することができ、草本系バイオマス固形燃料の保管スペースを削減することもできる。
さらに、圧搾工程で出発原料から水分とともに灰分の主成分であるカリウム、カルシウム、ケイ素等が排出され、草本系バイオマス固形燃料に含まれる不純物の割合が減少する。これにより、草本系バイオマス固形燃料の燃焼後の灰分が減少し、灰分の除去等の処理や、ボイラーの腐食等の灰分の影響を低減することができる。なお、草本系バイオマス固形燃料の灰分の主成分は、例えば、カリウム、カルシウム、ケイ素等の元素であり、マグネシウム、アルミニウム、鉄、亜鉛、ナトリウム、銅などの金属元素が含まれることもある。これらの元素は、灰分中で酸化物や炭酸塩として存在しており、水に溶かすと強いアルカリ性を示す。
本発明の草本系バイオマス固形燃料の製造方法において、前記出発原料は、先端部が除去されたイネ科植物の茎下部であってもよい。ここで、先端部とは、例えば、茎の先端の穂の部分、或いは、茎の先端から茎の全長の1/2以下、1/3以下、又は1/5以下の部分とすることができる。イネ科植物の茎下部は、先端部と比較して、カリウム、塩素、ケイ素等の含有量及び燃焼後の灰分が少なく、発熱量が高い。しがたって、草本系バイオマスの出発原料としてイネ科植物の茎下部を用いることで、不純物及び灰分が少なく、発熱量が高い草本系バイオマス固形燃料が得られる。
本発明の草本系バイオマス固形燃料の製造方法において、前記出発原料は、含水率が70%以上であることが好ましい。出発原料が70%以上の高い含水率を有することで、一回の圧搾工程のみで、出発原料から排出される不純物を増加させ、草本系バイオマス固形燃料の燃焼後の灰分をより効果的に減少させることができる。
本発明の草本系バイオマス固形燃料の製造方法において、前記出発原料は、ネピアグラス(Pennisetum purpureum)であってもよい。稲、麦、トウモロコシ、ソルガムなどの作物もイネ科植物であり、草本系バイオマスに含まれるが、作物を出発原料として用いる場合、食料及び飼料の価格や供給への影響がある。しかし、ネピアグラスであれば、食料生産に適さない土地での栽培が可能であるため、食料及び飼料の価格や供給への影響が少なく、単位面積当りの生産量が高いという利点がある。また、収穫後の乾燥前のネピアグラスの含水率は、例えば、70%から80%程度であり、含有する水分とともにカリウム等の不純物を除去しやすい。
本発明の草本系バイオマス固形燃料の製造方法は、前記固形燃料を成型してペレットを得る成型工程をさらに含んでもよい。草本系バイオマス固形燃料をペレット化することで、輸送や保管等の取り扱いが容易になり、さらに燃料として容易に燃焼させることができる。
以上の説明から理解できるように、本発明の草本系バイオマス固形燃料の製造方法によれば、草本系バイオマス固形燃料の製造工程におけるエネルギー消費量を低減するとともに、草本系バイオマス固形燃料の発熱量を増加させることができる。
本発明の草本系バイオマス固形燃料の製造方法の実施形態に係るフロー図。 圧搾機の一例であるローラープレスの模式的な斜視図。 本発明の実施例1の草本系バイオマス固形燃料と、比較例1の草本系バイオマス固形燃料の測定結果を示すグラフ。
以下、図面を参照して本発明の草本系バイオマス固形燃料の製造方法を説明する。草本系バイオマスは、化石燃料との代替性と貯蔵性を有する草本に由来する再生可能な有機性資源である。以下では、イネ科植物を出発原料とする草本系バイオマス固形燃料の製造方法について説明する。
イネ科植物には、稲、麦、トウモロコシ、ソルガムなどの作物も含まれるが、草本系バイオマス固形燃料の出発原料としては、食料や飼料の価格や供給への影響の少ないものを用いることが好ましい。本実施形態の草本系バイオマス固形燃料の製造方法では、食料生産に適さない土地での栽培が可能であり、食料や飼料の価格や供給への影響が少なく、単位面積当りの生産量が高い、ネピアグラスを出発原料として用いる。
図1は、本実施形態の草本系バイオマス固形燃料の製造方法を示すフロー図である。本実施形態の草本系バイオマス固形燃料の製造方法は、イネ科植物を出発原料とする草本系バイオマス固形燃料の製造方法であって、出発原料を圧搾して繊維分を得る一回の圧搾工程S1と、繊維分を乾燥させる乾燥工程S2と、を有している。また、本実施形態の草本系バイオマス固形燃料の製造方法は、乾燥工程S2で得られた固形燃料を成型してペレットを得る成型工程S3をさらに含んでいる。なお、本実施形態の草本系バイオマスの製造方法において、成型工程S3は必須ではなく、省略することも可能である。
図2は、図1に示す圧搾工程S1で用いられる圧搾機10の一例を示す模式的な斜視である。本実施形態の圧搾機10は、複数のローラーを備えるローラープレスである。本実施形態において、圧搾機10は、第1ローラー11、第2ローラー12、及び第3ローラー13の三つのローラーを備えている。各ローラーの回転軸は平行であり、第2ローラー12は、第1ローラー11の斜め上方に配置され、第3ローラー13は、第2ローラー12の斜め下方に、第1ローラー11と横方向に並んで配置されている。すなわち、横方向に並んだ第1ローラー11と第3ローラー13との間で、これらの上方に第2ローラー12が配置されている。
第1ローラー11と第2ローラー12との間隔、及び第2ローラー12と第3ローラー13との間隔は、イネ科植物、例えば、ネピアグラスの圧搾に適した間隔に設定されている。本実施形態の圧搾機10では、例えば、第1ローラー11が反時計回りに回転し、第2ローラー12が時計回りに回転し、第3ローラー13が反時計回りに回転する。これにより、圧搾機10は、ネピアグラスを第1ローラー11と第2ローラー12との間に引き込んで圧搾し、さらに第2ローラー12と第3ローラー13との間に引き込んで圧搾する。
圧搾工程S1では、収穫後の乾燥前のネピアグラスが圧搾機10によって圧搾され、ネピアグラスから水分が搾取されて圧搾機10からネピアグラスの繊維分が排出される。生育しているイネ科植物は、例えば60%から90%程度の高い含水率を有し、収穫後の乾燥前のネピアグラスの含水率は、例えば70%から80%程度である。高い含水率を有するイネ科植物を圧搾することで、イネ科植物が含有するカリウム、塩素、硫黄、ケイ素等の不純物を含む水分が繊維分から分離され、圧搾後の繊維分に含まれるこれらの不純物を十分に減少させることができる。すなわち、一回の圧搾工程のみで、出発原料から排出される不純物を増加させ、草本系バイオマス固形燃料の燃焼後の灰分をより効果的に減少させるためには、出発原料は、例えば70%以上の高い含水率であることが好ましい。
なお、圧搾工程S1の前にネピアグラスの先端部を除去し、圧搾工程S1で先端部が除去されたネピアグラスの茎下部のみを出発原料として圧搾するようにしてもよい。ここで、先端部とは、例えば、茎の先端の穂の部分、或いは、茎の先端から茎の全長の1/2以下、1/3以下、又は1/5以下の部分とすることができる。
乾燥工程S2では、圧搾工程S1で得られたネピアグラスの繊維分を乾燥させ、繊維分の含水率を低下させる。乾燥方法は特に限定されないが、例えば、天日乾燥を行うことができる。ネピアグラスの繊維分は、圧搾工程S1を経て含水率が50%程度まで減少しているだけでなく、圧搾工程S1前のネピアグラスよりも表面積が増加している。そのため、圧搾工程S1後の繊維分は、生育しているネピアグラスを収穫して圧搾工程S1を経ずに乾燥させた場合と比較して、短時間で乾燥させることができる。
成型工程S3では、例えば、フラットダイ式の成型機を用いてペレットを成型する。本実施形態では、圧搾工程S1によって出発原料であるネピアグラスを破砕することができるため、成型工程S3前の破砕工程を省略することができる。
本実施形態の草本系バイオマス固形燃料の製造方法によれば、高い含水率を有するイネ科植物を圧搾することで、一回の圧搾工程S1のみで、出発原料が含有する不純物を、出発原料が含有する水分とともに排出して減少させることができる。また、カリウム等を減少させるための加水工程を省略して、圧搾工程S1後のネピアグラスの繊維分に含まれる炭素成分が減少するのを防止することができる。
したがって、本実施形態の草本系バイオマス固形燃料の製造方法によれば、加水工程を省略し、かつ圧搾工程S1の回数を削減することで、エネルギー消費量を従来よりも低減することができる。また、草本系バイオマス固形燃料に含まれる炭素成分の割合を増加させ、草本系バイオマス固形燃料の発熱量を従来よりも増加させることができる。さらに、草本系バイオマス固形燃料に含まれる不純物の割合が減少することで燃焼後の灰分が減少し、灰分の除去等の処理や、ボイラーの腐食等の灰分の影響を低減することができる。
また、イネ科植物の茎下部は、先端部と比較して、カリウム、塩素、ケイ素等の含有量及び燃焼後の灰分が少なく、発熱量が高い。そのため、本実施形態の草本系バイオマス固形燃料の製造方法において、出発原料を先端部が除去されたイネ科植物の茎下部とすることで、不純物及び灰分が少なく、発熱量が高い草本系バイオマス固形燃料を得ることができる。
また、ネピアグラスは、食料生産に適さない土地での栽培が可能である。そのため、本実施形態の草本系バイオマス固形燃料の製造方法において、出発原料をネピアグラスにすることで、食料及び飼料の価格や供給への影響が少なく、単位面積当りの生産量が高い出発原料を選択することが可能になる。
また、収穫後の乾燥前のネピアグラスの含水率は、例えば、70%から80%程度であり、含有する水分とともにカリウム等の不純物を除去しやすい。したがって、一回の圧搾工程S1のみで、出発原料が含有する不純物を、出発原料が含有する水分とともに排出して減少させることができる。ここで、ネピアグラス等のイネ科植物の含水率は、例えば、以下の式によって求めることができる。
含水率(%)={水分重量(kg)/総重量(kg)}×100
また、本実施形態の草本系バイオマス固形燃料の製造方法が、圧搾工程S1後のネピアグラスの繊維分、又は乾燥工程S2後の固形燃料を成型してペレットを得る成型工程S3を含んでいる場合には、草本系バイオマス固形燃料をペレット化することができる。これにより、草本系バイオマス固形燃料の輸送や保管等の取り扱いを容易にし、草本系バイオマス固形燃料の燃焼を容易にすることができる。
以上説明したように、本実施形態の草本系バイオマス固形燃料の製造方法によれば、草本系バイオマス固形燃料の製造工程におけるエネルギー消費量を低減するとともに、草本系バイオマス固形燃料の発熱量を増加させることができる。
以上、図面を用いて本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
[実施例1]
前述の実施形態で説明した草本系バイオマス固形燃料の製造方法において、成型工程を省略して実施例1の草本系バイオマス固形燃料を得た。また、前述の実施形態で説明した草本系バイオマス固形燃料の製造方法の圧搾工程を行うことなく、収穫したネピアグラスを粗粉砕して乾燥させることで、比較例1の草本系バイオマス固形燃料を得た。得られた実施例1及び比較例1の草本系バイオマス固形燃料のそれぞれについて、カリウム、塩素、硫黄、及びケイ素の含有量、発熱量、並びに、含水率が15%になるまでの乾燥期間を測定した。
結果を表1及び図3に示す。図3(a)はカリウム濃度(%)、図3(b)は塩素濃度(%)、図3(c)は硫黄濃度(%)、図3(d)は発熱量(kcal/kg)を示す。
Figure 0006172173
実施例1の草本系バイオマス固形燃料は、比較例1の草本系バイオマス固形燃料と比較してカリウム、塩素、硫黄、ケイ素の含有率が低下し、発熱量が増加し、乾燥期間が短縮された。
[実施例2]
前述の実施形態で説明した草本系バイオマス固形燃料の製造方法において、成型工程を省略して実施例2の草本系バイオマス固形燃料を得た。また、前述の実施形態で説明した草本系バイオマス固形燃料の製造方法の圧搾工程を行うことなく、収穫したネピアグラスを粗粉砕して乾燥させることで、比較例2の草本系バイオマス固形燃料を得た。さらに、収穫したネピアグラスを前述の実施形態で説明した圧搾機で圧搾した後に加水し、その後、さらに同じ圧搾機で圧搾した後に乾燥させて比較例3の草本系バイオマス固形燃料を得た。得られた実施例2、比較例2及び比較例3の草本系バイオマス固形燃料を燃焼させ、灰分と発熱量を測定した。結果を表2に示す。
Figure 0006172173
実施例2の草本系バイオマス固形燃料は、圧搾工程を一回だけ行いかつ加水していないことで、圧搾を行っていない比較例2の草本系バイオマス固形燃料と比較して、灰分が減少し、発熱量が増加した。これは、実施例2の草本系バイオマス固形燃料は、一回の圧搾によって灰分の成分が減少したためである。一方、圧搾、加水、圧搾を行った比較例3の草本系バイオマス固形燃料は、圧搾を一度だけ行いかつ加水を行っていない実施例2の草本系バイオマス固形燃料、及び、圧搾及び加水を行っていない比較例2の草本系バイオマス固形燃料と比較して、灰分が増加し、発熱量が低下した。比較例3の草本系バイオマス固形燃料では、加水によってセルロース等の炭素成分が減少したため、相対的に灰分の割合が増加し、発熱量が低下したものと考えられる。
[実施例3及び実施例4]
前述の実施形態で説明した草本系バイオマス固形燃料の製造方法において、出発原料としてネピアグラスの茎の先端から茎の全長の1/3の部分を先端部として用い、成型工程を省略して実施例3の草本系バイオマス固形燃料を得た。また、前述の実施形態で説明した草本系バイオマス固形燃料の製造方法において、出発原料としてネピアグラスの茎の先端から茎の全長の1/3の部分を除去した茎下部を用い、成型工程を省略して実施例4の草本系バイオマス固形燃料を得た。得られた実施例3及び実施例4の草本系バイオマス固形燃料のそれぞれについて、カリウム、塩素、硫黄、及びケイ素の含有量、灰分、並びに、発熱量を測定した。結果を表3に示す。
Figure 0006172173
出発原料としてネピアグラスの茎下部を用いた実施例4の草本系バイオマス固形燃料は、出発原料としてネピアグラスの先端部を用いた実施例3の草本系バイオマス固形燃料と比較して、カリウム、塩素、硫黄、ケイ素、灰分が低下し、発熱量が増加した。これにより、出発原料としてネピアグラスの茎下部を用いることで、不純物が少なく、発熱量が高い草本系バイオマス固形燃料が得られることが確認できた。すなわち、ネピアグラス全体を用いてもよいが、茎下部を用いることが好ましいことが分かる。
S1 圧搾工程
S2 乾燥工程
S3 成型工程

Claims (4)

  1. イネ科植物を出発原料とする草本系バイオマス固形燃料の製造方法であって、
    前記出発原料を圧搾して繊維分を得る一回のみの圧搾工程と、前記繊維分を乾燥させて固形燃料を得る乾燥工程と、を有し、
    前記出発原料は、先端部が除去されたイネ科植物の茎下部であり、
    前記出発原料は、含水率が70%以上であり、
    加水工程を有しないことを特徴とする草本系バイオマス固形燃料の製造方法。
  2. 前記圧搾工程において、前記出発原料の含水率を20%以上減少させた前記繊維分を得ることを特徴とする請求項1に記載の草本系バイオマス固形燃料の製造方法。
  3. 前記出発原料は、ネピアグラスであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の草本系バイオマス固形燃料の製造方法。
  4. 前記固形燃料を成型してペレットを得る成型工程をさらに含むことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の草本系バイオマス固形燃料の製造方法。
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