JP6171944B2 - 情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム - Google Patents

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Description

本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
従来、例えばスマートフォンなどの携帯端末において、内蔵されている加速度センサなどを利用して、自律型の位置推定を行う測位技術が開発されている。このような自律型の測位技術では移動に伴い誤差が蓄積するという問題があるので、近年、誤差を補正するための技術も提案されている。
例えば、特許文献1には、車両に積載された車載機が車両の相対経路を算出するとともに、路上に設置された光ビーコンの直下を車両が通過するたびに光ビーコンから絶対位置座標を受け取ることにより、絶対位置2点と当該絶対位置を測位した時点における相対位置2点との関係から補正値を算出し、当該補正値と相対経路とから、絶対座標上における車両の絶対移動経路を算出する技術が開示されている。
特開2010−122034号公報
ところで、測位される状況や環境によっては、一定の範囲内で同一の位置情報が取得される場面も想定される。
このような場面に特許文献1に記載の技術を適用することを想定すると、特許文献1に記載の技術では、不適切な補正値が算出される恐れがある。例えば、特許文献1に記載の技術では、測位に用いられる光ビーコン間の距離を考慮せずに補正値を算出する。このため、仮に光ビーコンから位置座標を受け取る際の車両の位置が光ビーコンの位置からズレている場合には、光ビーコン間の距離が短いほど、算出される補正値に含まれる誤差は相対的に大きくなるので、補正値が不適切な値になる恐れがある。
そこで、本開示では、一定の範囲内で同一の位置情報が取得される場面において適応的に方位情報を補正することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提案する。
上記課題を解決するために、本開示のある観点によれば、対象物に関する第1の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記対象物に関する第2の位置情報が取得された際の、前記第1の位置情報を基準とする、前記対象物の動きに基づく仮の位置情報および仮の方位情報を取得する仮位置方位情報取得部と、前記第1の位置情報、前記第2の位置情報および前記仮の位置情報に基づいて、前記第1の位置情報と前記第2の位置情報との距離に応じた、前記仮の方位情報を補正する方位補正量を算出する方位補正部と、を備える、情報処理装置が提供される。
また、上記課題を解決するために、本開示の別の観点によれば、対象物に関する第1の位置情報を取得することと、前記対象物に関する第2の位置情報が取得された際の、前記第1の位置情報を基準とする、前記対象物の動きに基づく仮の位置情報および仮の方位情報を取得することと、前記第1の位置情報、前記第2の位置情報および前記仮の位置情報に基づいて、前記第1の位置情報と前記第2の位置情報との距離に応じた、前記仮の方位情報を補正する方位補正量をプロセッサにより算出することと、を備える、情報処理方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本開示の別の観点によれば、コンピュータを、対象物に関する第1の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記対象物に関する第2の位置情報が取得された際の、前記第1の位置情報を基準とする、前記対象物の動きに基づく仮の位置情報および仮の方位情報を取得する仮位置方位情報取得部と、前記第1の位置情報、前記第2の位置情報および前記仮の位置情報に基づいて、前記第1の位置情報と前記第2の位置情報との距離に応じた、前記仮の方位情報を補正する方位補正量を算出する方位補正部、として機能させるためのプログラムが提供される。
以上説明したように本開示によれば、一定の範囲内で同一の位置情報が取得される場面において適応的に方位情報を補正することができる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
本開示の各実施形態に共通する情報処理システムの基本構成を示した説明図である。 同実施形態による情報処理装置10のハードウェア構成を示した説明図である。 本開示の第1の実施形態による情報処理装置10の構成を示した機能ブロック図である。 同実施形態による自律位置方位情報特定部102による自律位置情報の特定の一例を示した説明図である。 同実施形態による発信機データベース132の構成例を示した説明図である。 同実施形態による方位補正部108による自律方位情報の補正の一例を示した説明図である。 同実施形態による位置情報補正部110による自律位置情報の補正の一例を示した説明図である。 同実施形態による動作を示したフローチャートである。 同実施形態によるシミュレーションの例を示した説明図である。 同実施形態によるシミュレーションの例を示した説明図である。 同実施形態によるシミュレーションの例を示した説明図である。 本開示の第2の実施形態による方位補正部108による自律方位情報の補正の一例を示した説明図である。 同実施形態による方位補正部108による自律方位情報の補正の一例を示した説明図である。 同実施形態による方位補正部108による自律方位情報の補正の誤差の最大量を示した説明図である。 同実施形態による動作の一部を示したフローチャートである。 本開示の第3の実施形態による自律位置方位情報特定部102による自律位置情報の特定の一例を示した説明図である。 同実施形態による動作の一部を示したフローチャートである。 本開示の第4の実施形態による自律位置方位情報特定部102による自律位置情報の特定の一例を示した説明図である。 同実施形態による自律方位情報の補正時の誤差が大きくなる場合の例を示した説明図である。 同実施形態による動作の一部を示したフローチャートである。 本開示の第5の実施形態による自律位置方位情報特定部102による自律位置情報の特定の一例を示した説明図である。 同実施形態による動作の一部を示したフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、以下に示す項目順序に従って当該「発明を実施するための形態」を説明する。
1.背景
2.情報処理システムの基本構成
2−1.情報処理装置10
2−2.発信機20
3.各実施形態の詳細な説明
3−1.第1の実施形態
3−2.第2の実施形態
3−3.第3の実施形態
3−4.第4の実施形態
3−5.第5の実施形態
4.変形例
<<1.背景>>
本開示は、一例として「3−1.第1の実施形態」〜「3−5.第5の実施形態」において詳細に説明するように、多様な形態で実施され得る。最初に、本開示の特徴を明確に示すために、本開示による情報処理装置を創作するに至った背景について説明する。
従来、例えばスマートフォンなどの携帯端末において、内蔵されている加速度センサなどを利用して、自律型の位置推定を行う測位技術が開発されている。しかしながら、このような自律型の測位技術では移動に伴い誤差が蓄積するという課題がある。
また、従来、屋内における位置情報を取得するための技術として屋内絶対測位技術が開発されている。屋内絶対測位技術は、例えばBluetooth(登録商標)、Wi−Fi(登録商標)、IMES(Indoor MEssaging System)、RFID(Radio Frequency IDentificatiion)などを用いて絶対位置情報を取得する技術である。この屋内絶対測位技術では、例えば携帯端末などの受信機が、発信機により発信される当該発信機の位置情報を伝達する電波を受信することにより、絶対位置情報を取得することが可能である。
ところで、コストの観点から発信機を屋内に多数設置することは望ましくない。また、仮に発信機の電波を強くする場合には、電波の到達範囲が広がり、測位可能なエリアは広がるが、一方で、測位の精度が下がり、かつ、消費電力も大きくなるというデメリットがある。
そこで、測位可能範囲の広さとコストの減少という2つの観点から、以下のような情報処理システムを構成することが望ましい。まず、発信機に関しては、電波の到達範囲を狭め、かつ発信機の位置情報そのものを電波で送信する。また、受信機に関しては、センサを用いて自律測位を行うとともに、特定した自律位置情報および自律方位情報を、発信機から受信される位置情報に基づいて適切に補正可能であることが望ましい。
そこで、上記事情を一着眼点にして本開示による情報処理装置10を創作するに至った。情報処理装置10は、一定の範囲内で同一の位置情報が取得される場面において適応的に方位情報を補正することができる。
<<2.情報処理システムの基本構成>>
次に、各実施形態において共通する情報処理システムの基本構成について図1を参照して説明する。図1に示したように、各実施形態による情報処理システムは、情報処理装置10、および発信機20を含む。
<2−1.情報処理装置10>
情報処理装置10は、本開示における対象物および情報処理装置の一例である。情報処理装置10は、例えば利用者が携帯可能であるなど、可搬性が高い装置である。例えば、情報処理装置10は、スマートフォンなどの携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルコンピュータ、ゲーム機などであってもよい。
この情報処理装置10は、後述する加速度センサ166およびジャイロスコープ168による測定結果に基づいて自律測位することが可能である。
[2−1−1.ハードウェア構成]
なお、情報処理装置10は、例えば図2に示すようなハードウェア構成を有する。図2に示したように、情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)150、ROM(Read Only Memory)152、RAM(Random Access Memory)154、内部バス156、インターフェース158、出力装置160、ストレージ装置162、通信装置164、加速度センサ166、ジャイロスコープ168、GNSS受信機170、および屋内絶対位置情報受信装置172を備える。
(2−1−1−1.CPU150)
CPU150は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置10内の動作全般を制御する。また、CPU150は、情報処理装置10において制御部100の機能を実現する。なお、CPU150は、マイクロプロセッサなどのプロセッサにより構成される。
(2−1−1−2.ROM152)
ROM152は、CPU150が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データなどを記憶する。
(2−1−1−3.RAM154)
RAM154は、例えば、CPU150により実行されるプログラムなどを一時的に記憶する。
(2−1−1−4.インターフェース158)
インターフェース158は、出力装置160、ストレージ装置162、通信装置164、加速度センサ166、ジャイロスコープ168、GNSS受信機170、および屋内絶対位置情報受信装置172を、内部バス156と接続する。例えば出力装置160は、このインターフェース158および内部バス156を介して、CPU150などとの間でデータをやり取りする。
(2−1−1−5.出力装置160)
出力装置160は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置およびランプなどの表示装置を含む。この表示装置は、CPU150により生成された画像などを表示する。
さらに、出力装置160は、スピーカーなどの音声出力装置を含む。この音声出力装置は、音声データ等を音声に変換して出力する。
(2−1−1−6.ストレージ装置162)
ストレージ装置162は、後述する記憶部130として機能する、データ格納用の装置である。ストレージ装置162は、例えば、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置、または記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含む。
(2−1−1−7.通信装置164)
通信装置164は、例えば公衆網やインターネットなどの通信網に接続するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。また、通信装置164は、無線LAN対応通信装置、LTE(Long Term Evolution)対応通信装置、または有線による通信を行うワイヤー通信装置であってもよい。
(2−1−1−8.加速度センサ166)
加速度センサ166は、情報処理装置10の加速度を測定する。この加速度センサ166は、後述する測定部120として機能する。
(2−1−1−9.ジャイロスコープ168)
ジャイロスコープ168は、情報処理装置10の角速度を測定する。このジャイロスコープ168は、後述する測定部120として機能する。
(2−1−1−10.GNSS受信機170)
GNSS受信機170は、例えばGPS(Global Positioning System)、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、ガリレオ、北斗、みちびきなどの測位衛星から測位信号を受信して、現在位置を測位する。なお、GNSS受信機170は、一種類の衛星から測位信号を受信することも可能であるし、複数の種類の衛星による測位信号を受信し、受信された信号を組合わせて測位することも可能である。このGNSS受信機170は、後述する発信機情報受信部122として機能する。
(2−1−1−11.屋内絶対位置情報受信装置172)
屋内絶対位置情報受信装置172は、例えばBluetoothアクセスポイント、Wi−Fiアクセスポイント、またはRFIDタグなどから、発信機IDを受信する機能を有する。この屋内絶対位置情報受信装置172は、後述する発信機情報受信部122として機能する。
なお、情報処理装置10のハードウェア構成は、上述した構成に限定されない。例えば、情報処理装置10は、通信装置164を備えなくてもよい。
<2−2.発信機20>
発信機20は、発信機に関する情報を電波により周囲に伝達する。ここで、発信機に関する情報は、例えば緯度および経度のような、発信機20が設置されている位置の位置情報であったり、または、発信機IDなどである。なお、発信機20は、基本的には、屋内に設置されることが想定されるが、屋外に設置されることも可能である。
<<3.実施形態の詳細な説明>>
以上、各実施形態に共通する情報処理システムの基本構成について説明した。続いて、各実施形態について詳細に説明する。
<3−1.第1の実施形態>
[3−1−1.情報処理装置10の構成]
まず、第1の実施形態による情報処理装置10の構成について詳細に説明する。図3は、第1の実施形態による情報処理装置10の構成を示した機能ブロック図である。図3に示したように、情報処理装置10は、制御部100、測定部120、および発信機情報受信部122を有する。
(3−1−1−1.制御部100)
制御部100は、情報処理装置10に内蔵されるCPU150、RAM154などのハードウェアを用いて、情報処理装置10の動作を全般的に制御する。また、図3に示したように、制御部100は、自律位置方位情報特定部102、発信機位置情報特定部104、絶対位置情報取得部106、方位補正部108、および位置情報補正部110を有する。
(3−1−1−2.自律位置方位情報特定部102)
自律位置方位情報特定部102は、本開示における仮位置方位情報取得部および相対位置方位情報特定部の一例である。自律位置方位情報特定部102は、後述する測定部120による測定結果に基づいて情報処理装置10の自律位置情報および自律方位情報を特定する。ここで、自律位置情報は、本開示における仮の位置情報の一例であり、また、自律方位情報は、本開示における仮の方位情報の一例である。
より具体的には、自律位置方位情報特定部102は、後述する絶対位置情報取得部106により取得された絶対位置情報を基準とし、測定部120により測定される情報処理装置10の動きの測定結果に基づいて相対的な位置情報および相対的な方位情報を特定することが可能である。
ここで、図4を参照して、上記の機能についてより詳細に説明する。図4は、自律位置方位情報特定部102による自律位置情報および自律方位情報の特定の一例を示した説明図である。なお、図4に示した初期位置Bは、後述する絶対位置情報取得部106により取得された位置情報に対応する位置である。また、初期方位Dは、例えば予め定められている所定の方位情報に対応する方位である。
図4に示したように、例えば、自律位置方位情報特定部102は、所定の時間間隔ごとに、情報処理装置10の動きの測定結果に基づいて、初期位置Bの位置情報からの相対的な位置情報として、自律位置A、A、…の順に、自律位置情報を特定する。また、自律方位Dに示したように、自律位置方位情報特定部102は、初期方位Dの方位情報からの相対的な方位情報として、各自律位置における自律方位情報を特定する。
なお、自律位置情報および自律方位情報の特定に関しては、自律位置方位情報特定部102は、例えば以下のような方法により特定する。まず、自律位置方位情報特定部102は、加速度センサ166により測定される情報処理装置10の鉛直方向の振動に基づいて情報処理装置10を携帯する人物の歩数を算出し、所定の歩幅データと乗算することにより、初期位置からの移動距離を算出する。また、自律位置方位情報特定部102は、ジャイロスコープ168により検出される角速度に基づいて、初期方位からの相対的な移動方位を算出する。そして、自律位置方位情報特定部102は、初期位置の位置情報、算出した移動距離、および移動方位に基づいて、自律位置情報および自律方位情報を特定する。
(3−1−1−3.発信機位置情報特定部104)
発信機位置情報特定部104は、発信機20から後述する発信機情報受信部122により受信される発信機に関する情報に基づいて、発信機20の位置情報を特定する。より具体的には、発信機位置情報特定部104は、発信機20から受信される例えば緯度・経度などの位置情報を発信機20の位置情報として特定することが可能である。
また、発信機位置情報特定部104は、発信機20から発信機IDが受信された場合には、後述する発信機データベース132を参照することにより、受信された発信機IDに対応する位置情報を発信機20の位置情報として特定することが可能である。
なお、発信機データベース132は、本開示におけるデータベースの一例である。ここで、図5を参照して、発信機データベース132の構成例について説明する。図5に示したように、発信機データベース132では、例えば発信機ID1320、緯度1322、および経度1324が対応づけて記録される。例えば、図5における1レコード目は、発信機IDが「ABC001」である発信機20は、緯度「35.690」、経度「139.694」の位置に設置されていることを示している。
(3−1−1−4.絶対位置情報取得部106)
絶対位置情報取得部106は、本開示における位置情報取得部の一例である。絶対位置情報取得部106は、発信機位置情報特定部104により特定された発信機20の位置情報を情報処理装置10の絶対位置情報として取得する。
また、絶対位置情報取得部106は、発信機20から発信機に関する情報が発信機情報受信部122により受信されない間は、情報処理装置10の絶対位置情報を取得しないことも可能である。
(3−1−1−5.方位補正部108)
方位補正部108は、自律位置方位情報特定部102により特定された自律位置情報、および絶対位置情報取得部106により前回取得された位置情報である前回絶対位置情報を結ぶ直線と、絶対位置情報取得部106により今回取得された位置情報である今回絶対位置情報および前回絶対位置を結ぶ直線とがなす角度に基づいて、自律方位情報を補正するための方位補正量を算出する。ここで、前回絶対位置情報は、本開示における第1の位置情報の一例であり、また、今回絶対位置情報は、本開示における第2の位置情報の一例である。
ここで、図6を参照して、上記の機能についてより詳細に説明する。図6は、方位補正部108による方位補正量の算出例を示した説明図である。なお、図6では、点Bが前回絶対位置、点Bが今回絶対位置、点Aが自律位置、矢印Dが、点Aにおける自律方位をそれぞれ表している。
方位補正部108は、まず、図6において方位誤差30aとして示した角度、すなわち、自律位置Aの位置情報および前回絶対位置Bの位置情報を結ぶ直線と、今回絶対位置Bの位置情報および前回絶対位置Bの位置情報を結ぶ直線とがなす角度である∠ABの大きさを算出する。この方位誤差30aは、点Bにおける初期方位のズレを原因とする、自律方位Dの誤差に相当する。従って、方位補正部108は、算出した∠ABを、自律方位Dの方位情報を補正するための方位補正量とする。さらに、方位補正部108は、以下の数式(1)により、自律方位Dの方位情報を方位D’の方位情報に補正する。
Figure 0006171944
(3−1−1−6.位置情報補正部110)
位置情報補正部110は、絶対位置情報取得部106により取得された今回絶対位置情報に基づいて、自律位置方位情報特定部102により特定された自律位置情報を補正する。
ここで、図7を参照して、上記の機能についてより詳細に説明する。図7は、位置情報補正部110による自律位置情報の補正の一例を示した説明図である。なお、図7では、点Aが自律位置、点Bが今回絶対位置をそれぞれ表している。
図7において破線の矢印で示したように、例えば、位置情報補正部110は、自律位置Aの位置情報を今回絶対位置Bの位置情報に補正する。
(3−1−1−7.測定部120)
測定部120は、例えば加速度センサ166およびジャイロスコープ168により構成される。測定部120は、例えば情報処理装置10の加速度や角速度の変化などを測定する。
(3−1−1−8.発信機情報受信部122)
発信機情報受信部122は、本開示における受信部の一例である。発信機情報受信部122は、発信機20から発信機に関する情報を受信する。
(3−1−1−9.記憶部130)
記憶部130は、例えば発信機データベース132など、各種のデータを記憶する。
なお、第1の実施形態による情報処理装置10の構成は、上述した構成に限定されない。例えば、情報処理装置10は、他の装置と通信するための通信部をさらに備えてもよい。また、発信機データベース132は情報処理装置10に含まれず、情報処理装置10と通信可能な他の装置に備えられてもよい。
[3−1−2.動作]
以上、第1の実施形態による構成について説明した。続いて、第1の実施形態による動作について説明する。
図8は、第1の実施形態による動作を示したフローチャートである。図8に示したように、まず、情報処理装置10の自律位置方位情報特定部102は、測定部120による情報処理装置10の動きの検出結果および前回特定した自律位置情報に基づいて、現在の自律位置情報(以下、今回自律位置情報と称する)および現在の自律方位情報(以下、今回自律方位情報と称する)を特定する(S101)。
続いて、制御部100は、発信機情報受信部122により発信機20から発信機に関する情報が受信されているか否かを確認する(S102)。発信機に関する情報が受信されていない場合には(S102:No)、制御部100は、S101で特定した今回自律位置情報を現在位置情報として例えば表示画面に出力させる(S103)。
一方、発信機に関する情報が受信されている場合には(S102:Yes)、発信機位置情報特定部104は、受信された発信機に関する情報に基づいて、発信機20の位置情報を特定する。そして、絶対位置情報取得部106は、特定された発信機20の位置情報を情報処理装置10の絶対位置情報(以下、今回絶対位置情報とも称する)として取得する(S104)。
続いて、方位補正部108は、絶対位置情報取得部106により前回取得された絶対位置情報である前回絶対位置情報、今回自律位置情報、および今回絶対位置情報に基づいて、方位補正量(ΔD)を算出する(S105)。
続いて、方位補正部108は、S105で算出したΔDを用いて、今回自律方位情報を補正する(S106)。
続いて、位置情報補正部110は、S101で算出した今回自律位置情報を今回絶対位置情報に補正する(S107)。
続いて、絶対位置情報取得部106は、今回絶対位置情報を記憶部130に記憶させる(S108)。
その後、制御部100は、S107で補正した今回自律位置情報を現在位置情報として例えば表示画面に出力させる(S109)。
[3−1−3.効果]
以上、例えば図3、図6、図8等を参照して説明したように、第1の実施形態による情報処理装置10は、今回絶対位置情報を取得した場合には、今回自律位置情報および前回絶対位置情報を結ぶ直線と、今回絶対位置情報および前回絶対位置情報を結ぶ直線とがなす角度に基づいて、自律方位情報を補正するための方位補正量を算出する。このため、情報処理装置10は、今回絶対位置情報を取得した際に、自律方位情報を即時的かつ適切に補正することが可能となる。
(3−1−3−1.シミュレーション例)
ここで、上記の効果を具体的に説明するために、図9〜図11を参照して、第1の実施形態によるシミュレーションの例について説明する。図9は、情報処理装置10の真の移動軌跡を示したグラフ50である。なお、図9では、破線の矢印で示したように、情報処理装置10が、原点(0,0)を始点として時計回りに移動する例を示している。
また、図10は、各点に関して、直前の位置情報からの相対的な移動量および移動方向を、図9に示した真の移動軌跡と同様にして、自律位置方位情報特定部102により特定された自律位置情報の点列を示したグラフ52である。なお、図10では、原点(0,0)を始点として、かつ、初期方位としてDが設定された場合における自律位置情報の特定例を示している。
また、図11は、図10と同様に自律位置情報を特定するとともに、図9に示した絶対位置Bおよび絶対位置Bにおいて、自律位置情報および自律方位情報をそれぞれ補正した場合における位置情報の点列を示したグラフ54である。図11に示したように、グラフ54は、区間[B,B]ではグラフ50と差異が生じているが、例えば区間[B,B]など、位置Bでの補正後の区間では、グラフ50と同一の軌跡になっている。このように、第1の実施形態によれば、絶対位置情報が取得された場合に、自律位置情報および自律方位情報を真の位置情報および真の方位情報に一致するように即時的に補正することが可能となる。
(3−1−3−2.効果2)
また、情報処理装置10は、例えば屋内のような、GPSを用いた測位が難しい場所においても、自律位置情報および自律方位情報を適切に補正することが可能になる。このため、屋内において、ナビゲーションシステムのように、ユーザを目的地に適切に案内し続ける技術を実現できる。
(3−1−3−3.効果3)
また、屋内においても精度高く自律位置情報および自律方位情報を補正することができるので、補正後の位置情報を記憶し続けることにより、ユーザのライフログとして活用することができる。
(3−1−3−4.効果4)
また、従来、屋内に関する位置情報のデータベースの作成が望まれていたが、例えばGPSを用いた測位が難しい領域が存在したり、自律測位だけでは測位の精度が低い等の理由により、作成されていない。第1の実施形態によれば、屋内においても精度高く自律位置情報を補正することができるので、情報処理装置10を所持したユーザに屋内を歩いてもらうことにより、屋内に関する位置情報のデータベース化が可能になる。
<3−2.第2の実施形態>
以上、第1の実施形態について説明した。続いて、第2の実施形態について説明する。上述したように、第1の実施形態では、情報処理装置10は、発信機20からの発信機に関する情報の受信可能範囲では、発信機20が設置されている位置の位置情報を現在位置情報として取得することにより、方位補正量を算出する。このため、情報処理装置10の真の位置情報と発信機20の位置情報が離れている場合には方位補正量に誤差が含まれることが想定される。特に、隣接する発信機20間の距離が短い場合には、この誤差が相対的に大きくなる。後述するように、第2の実施形態によれば、発信機20間の距離が短い場合であっても、方位補正量に含まれる誤差が小さくなるように、方位補正量を算出することができる。
[3−2−1.情報処理装置10の構成]
第2の実施形態による情報処理装置10の構成要素は、第1の実施形態と同様である。以下では、第1の実施形態と異なる機能を有する構成要素についてのみ説明を行う。
(3−2−1−1.方位補正部108)
第2の実施形態による方位補正部108は、今回絶対位置情報の取得時における自律位置情報および前回絶対位置情報を結ぶ直線と、今回絶対位置情報および前回絶対位置情報を結ぶ直線とがなす角度(以下、観測方位誤差角とも称する)を今回絶対位置情報と前回絶対位置情報との距離に基づいて調整することにより、方位補正量を算出する。
より具体的には、方位補正部108は、前回絶対位置情報と今回絶対位置情報との距離に応じた値を観測方位誤差角に乗じることにより、方位補正量を算出することが可能である。
ここで、図12を参照して、上記の機能についてより詳細に説明する。図12では、Bが前回絶対位置情報の取得時における発信機20の位置、Bが今回絶対位置情報の取得時における発信機20の位置をそれぞれ示している。また、Cが前回絶対位置情報の取得時における情報処理装置10の真の位置、Cが今回絶対位置情報の取得時における情報処理装置10の真の位置をそれぞれ示している。また、矢印40が自律位置方位情報特定部102により特定された自律位置情報の軌跡であり、矢印42が情報処理装置10の真の移動軌跡を示している。
図12に示した例において、絶対位置情報取得部106は、前回取得時において、情報処理装置10がC、つまりBに位置する発信機20の受信可能範囲内に位置するので、前回絶対位置情報をBの位置情報として取得する。同様に、絶対位置測位部106は、今回取得時において、情報処理装置10がC、つまりBに位置する発信機20の受信可能範囲内に位置するので、今回絶対位置情報をBの位置情報として取得する。このため、方位補正部108は、∠ABを観測方位誤差角30として算出する。
ところで、前回取得時における真の位置はCであり、今回取得時における真の位置はCであるので、厳密には、真の方位誤差角は角度32である。このように、観測方位誤差角30は、真の方位誤差角32との間で誤差を含んでいることになる。
ここで、図13を参照して、上記の内容についてより詳細に説明する。図13は、図12をより簡略化した説明図である。図13に示したように、観測方位誤差角30は、真の方位誤差角32との間で、角度θだけ誤差を含む。
ここで、さらに図14を参照して、この観測方位誤差角の誤差34が最大となる状況について説明する。図14は、観測方位誤差角の誤差34が最大となる状況を示した説明図である。図14では、Lが隣接する発信機20間の距離、Rが各発信機20の受信可能範囲を示している。なお、ここでは、説明を簡単にするため、Bに位置する発信機20の受信可能範囲と、Bに位置する発信機20の受信可能範囲とは同一、つまり半径がともにRとしている。
図14に示したように、観測方位誤差角の誤差34の大きさが最大となるのは、情報処理装置10の真の位置CおよびCが、それぞれ発信機20の受信可能範囲の円周上に位置するときである。そして、この場合において、観測方位誤差角の誤差34の大きさは、以下の数式(2)により算出される。
Figure 0006171944
数式(2)のように、観測方位誤差角の誤差34は、発信機20間の距離に応じた値となる。このため、観測方位誤差角の誤差34を一定の値以下に抑えるために、方位補正部108は、発信機20間の距離に応じた値を観測方位誤差角に乗じることにより、方位補正量を算出する。より具体的には、方位補正部108は、発信機20間の距離が小さいほど、方位補正量が小さくなるように方位補正量を算出する。例えば、方位補正部108は、以下の計算式により、方位補正量を算出する。
方位補正量 = 観測方位誤差角×L/100[m]
または、方位補正部108は、発信機20間の距離と、発信機20の受信可能範囲の半径との比に応じて観測方位誤差角を調整することにより方位補正量を算出することも可能である。例えば、方位補正部108は、以下の計算式により、方位補正量を算出する。
方位補正量 = 観測方位誤差角×(1 − 2×R/L)
なお、前回絶対位置情報と今回絶対位置情報との距離が十分大きい場合には、発信機20の位置情報と情報処理装置10の真の位置情報との差が相対的に十分小さくなるので、観測方位誤差角の誤差は極めて小さくなると想定される。このため、変形例として、方位補正部108は、前回絶対位置情報と今回絶対位置情報との距離が所定の距離以上である場合には、観測方位誤差角をそのまま方位補正量として算出することも可能である。
[3−2−2.動作]
以上、第2の実施形態による構成について説明した。続いて、第2の実施形態による動作について説明する。
図15は、第2の実施形態による動作を示したフローチャートである。なお、S101〜S105の動作は第1の実施形態と同様であるので、図15では記載を省略している。
図15に示したように、S105の後、方位補正部108は、発信機20間の距離、つまり前回絶対位置情報と今回絶対位置情報との距離が100m以上であるか否かを判定する(S201)。発信機間の距離が100m以上である場合には(S201:Yes)、方位補正部108は、S105で算出したΔD、つまり観測方位誤差を用いて、今回自律方位情報を補正する(S202)。なお、S202の後の動作は、第1の実施形態におけるS107以降の動作と同様である。
一方、発信機間の距離が100m未満である場合には(S201:No)、方位補正部108は、以下の計算式により、方位補正量を算出する(S203)。
方位補正量 = S105で算出したΔD×発信機間の距離[m]/100[m]
そして、方位補正部108は、S202で算出したΔDを用いて、今回自律方位情報を補正する(S204)。
なお、S204の後の動作は、第1の実施形態におけるS107以降の動作と同様である。
[3−2−3.効果]
以上、図12〜図15を参照して説明したように、第2の実施形態による情報処理装置10は、前回絶対位置情報と今回絶対位置情報との距離に応じた値を観測方位誤差角に乗じることにより、自律方位情報を補正するための方位補正量を算出する。例えば、情報処理装置10は、前回絶対位置情報と今回絶対位置情報との距離が小さいほど、方位補正量が小さくなるように方位補正量を算出する。
一般的に、前回絶対位置情報と今回絶対位置情報との距離が小さいほど、発信機20の位置情報と情報処理装置10の真の位置情報との差が相対的により大きくなるので、観測方位誤差角に含まれ得る誤差はより大きくなる。このため、情報処理装置10は、例えば前回絶対位置情報と今回絶対位置情報との距離が小さいほど方位補正量が小さくなるように方位補正量を算出することにより、方位補正量に含まれる誤差を小さい値に抑えることができる。このため、自律方位情報を適当な量だけ補正することができる。
また、第2の実施形態による情報処理装置10は、絶対位置情報が取得される度に方位補正量が観測方位誤差角以下となるように方位補正量を算出する。このため、方位情報の補正を繰り返すことにより、自律方位情報の誤差の原因である初期方位のズレが緩やかに解消されていく。従って、例えば第1の実施形態と比べて、自律方位情報を安定的に補正することが可能になる。
<3−3.第3の実施形態>
以上、第2の実施形態について説明した。続いて、第3の実施形態について説明する。後述するように、第3の実施形態によれば、発信機20からの受信可能範囲内で絶対位置情報を複数回取得した場合において、絶対位置情報に対応する自律位置情報としてより適切な自律位置情報を選定することができる。
[3−3−1.情報処理装置10の構成]
第3の実施形態による情報処理装置10の構成要素は、第1の実施形態と同様である。以下では、第1の実施形態と異なる機能を有する構成要素についてのみ説明を行う。
(3−3−1−1.自律位置方位情報特定部102)
第3の実施形態による自律位置方位情報特定部102は、発信機20から発信機に関する情報が受信されている間において複数の自律位置情報を特定した場合には、特定された複数の自律位置情報のうちいずれかを今回自律位置情報と定める。
ここで、図16を参照して、上記の機能についてより詳細に説明する。図16は、情報処理装置10が矢印42のように移動した場合において、受信可能範囲内で複数の自律位置情報が特定された例を示した説明図である。なお、C、C、…Cは、それぞれ受信可能範囲内で例えば所定の時間間隔ごとに特定された自律位置を示している。
例えば、自律位置方位情報特定部102は、図16におけるCのような、特定された複数の自律位置情報のうち、特定時刻の平均値に最も近い時刻に特定された自律位置情報、つまり特定時刻が中央に相当する位置を今回自律位置情報として定める。または、自律位置方位情報特定部102は、図16におけるCのような、特定された複数の自律位置情報のうち、複数の自律位置情報を平均した位置情報、つまり情報処理装置10の移動距離において中央に相当する位置情報を今回自律位置情報として定める。
[3−3−2.動作]
以上、第3の実施形態による構成について説明した。続いて、第3の実施形態による動作について説明する。
図17は、第3の実施形態による動作を示したフローチャートである。なお、S101〜S104の動作は第1の実施形態と同様であるので、図17では記載を省略している。
図17に示したように、S104の後、絶対位置情報取得部106は、S104で取得した今回絶対位置情報を記憶部130に記憶させる(S301)。
続いて、自律位置方位情報特定部102は、S101で特定された今回自律位置情報を記憶部130に記憶させる(S302)。
続いて、制御部100は、発信機20からの信号を受信中であるか否か、つまり情報処理装置10が発信機20からの受信可能範囲内に留まっているか否かを判定する(S303)。信号を受信中である場合には(S303:Yes)、制御部100は、さらに、所定の時間が経過したか否かを判定する(S304)。所定の時間が経過していない場合には(S304:No)、制御部100は、S303の動作を再び行う。
一方、所定の時間が経過した場合には(S304:Yes)、自律位置方位情報特定部102は、S101と同様に、測定部120による情報処理装置10の動きの検出結果および前回特定した自律位置情報に基づいて、現在の自律位置情報(つまり、今回自律位置情報)および自律方位情報を特定する(S305)。その後、自律位置方位情報特定部102は、再びS302の動作を行う。
S303において、情報処理装置10が信号を受信していない場合には(S303:No)、自律位置方位情報特定部102は、記憶部130に記憶されている1以上の自律位置情報の中からいずれかを今回自律位置情報として選定する(S306)。
続いて、方位補正部108は、S306で選定した自律位置情報、前回絶対位置情報、および今回絶対位置情報に基づいて、方位補正量(ΔD)を算出する(S307)。
続いて、方位補正部108は、S307で算出したΔDを用いて、S306で選定した自律位置情報に対応する自律方位情報を補正する(S308)。
続いて、位置情報補正部110は、S306で選定した自律位置情報を今回絶対位置情報に補正する(S309)。
続いて、位置情報補正部110は、S306で選定した自律位置情報以外の自律位置情報をそれぞれ前回絶対位置情報を中心としてΔDだけ回転させることにより、位置情報を補正する(S310)。
続いて、制御部100は、S309で補正した自律位置情報を現在位置情報として例えば表示画面に出力させる(S311)。なお、変形例として、制御部100は、例えば図16に示したCのような、直前に特定された自律位置情報がS309またはS310で補正された位置情報を現在位置情報として表示画面に出力させてもよい。
その後、制御部100は、記憶されている自律位置情報を記憶部130に消去させる(S312)。
[3−3−3.効果]
以上、図16および図17を参照して説明したように、第3の実施形態による情報処理装置10は、発信機20から発信機に関する情報が受信されている間において複数の自律情報が特定された場合には、特定された複数の自律位置情報のうち、特定時刻または移動距離において中央に相当する位置情報を今回自律位置情報と定める。このため、発信機20からの受信可能範囲内で複数回取得した場合において、絶対位置情報に対応する自律位置情報としてより適切な自律位置情報を選定することができるので、方位補正量の誤差がより小さくなるように方位補正量を算出することができる。
<3−4.第4の実施形態>
以上、第3の実施形態について説明した。続いて、第4の実施形態について説明する。
最初に、第4の実施形態を創作するに至った背景について図18を参照して説明する。図18は、隣接する発信機20が短い間隔で設置されている状況において、情報処理装置10が複数の発信機20の受信可能範囲を移動しながら位置情報を取得した例を示した説明図である。なお、図18では、情報処理装置10が例えば自律位置Cの位置情報を特定する時点では、Bに位置する発信機20の受信可能範囲内に位置し、また、自律位置Ct+1の位置情報を特定する時点では、Bに位置する発信機20の受信可能範囲内に位置するように、情報処理装置10が自律位置情報を特定する時点でそれぞれ異なる発信機20の受信可能範囲内に位置する例を示している。
図18に示したような、受信可能範囲の広さに比べて、発信機20の間隔が相対的に短い場合には、観測方位誤差角に含まれ得る誤差が大きくなる。ここで、さらに図19を参照して、上記の内容についてより詳細に説明する。図19は、図14に示した観測方位誤差角の誤差34が最大となる場合の例図を、図14よりも発信機20間の距離(L)を短くして描いた図である。図19に示したように、受信可能範囲が同一(つまりR)の場合において、発信機20間の距離Lが図14におけるLよりも短くなると、観測方位誤差角の誤差θmaxは、図14よりも大きくなる。
後述するように、第4の実施形態によれば、図18に示したような、受信可能範囲の広さに比べて、発信機20の間隔が相対的に短い場合であっても、方位補正量の誤差が小さくなるように方位補正量を算出することができる。
[3−4−1.情報処理装置10の構成]
第4の実施形態による情報処理装置10の構成要素は、第1の実施形態と同様である。以下では、第1の実施形態と異なる機能を有する構成要素についてのみ説明を行う。
(3−4−1−2.方位補正部108)
第4の実施形態による方位補正部108は、絶対位置測位部106により今回絶対位置情報が取得された際に、前回絶対位置情報と今回絶対位置情報との距離が所定の距離未満である場合には、事前に発信機位置情報特定部104により特定された1以上の発信機20の位置情報の中から、今回絶対位置情報から所定の距離以上離れた位置情報を選定し、そして、選定した発信機20の位置情報を前回絶対位置情報として扱うことが可能である。
図18に示した例では、今回絶対位置がBである場合には、方位補正部108は、Bの位置情報から所定の距離以上離れた例えばBの位置情報を前回絶対位置情報として扱う。また、今回絶対位置がBである場合には、方位補正部108は、Bの位置情報から所定の距離以上離れた例えばBの位置情報を前回絶対位置情報として扱う。
なお、変形例として、方位補正部108は、今回絶対位置情報を取得した時刻から所定の時間以上前に発信機位置情報特定部104により特定された発信機20の位置情報を前回絶対位置情報として扱うことも可能である。または、方位補正部108は、今回絶対位置情報を取得した地点に到達するまでに情報処理装置10が移動した距離が所定の長さ以上となる過去の時点で発信機位置情報特定部104により特定された発信機20の位置情報を前回絶対位置情報として扱うことも可能である。
[3−4−2.動作]
以上、第4の実施形態による構成について説明した。続いて、第4の実施形態による動作について説明する。
図20は、第4の実施形態による動作を示したフローチャートである。なお、S101〜S104の動作は第1の実施形態と同様であるので、図20では記載を省略している。
図20に示したように、S104の後、方位補正部108は、S104で取得された今回絶対位置情報と前回絶対位置情報との距離が所定の距離未満であるか否かを判定する(S401)。今回絶対位置と前回絶対位置との距離が所定の距離以上である場合には(S401:No)、方位補正部108は、S105以降の動作を行う。
一方、今回絶対位置情報と前回絶対位置情報との距離が所定の距離未満である場合には(S401:Yes)、方位補正部108は、記憶部130に記憶されている、事前に取得された絶対位置情報の中から、今回絶対位置情報から所定の距離以上離れた位置情報を選定する(S402)。そして、方位補正部108は、選定した絶対位置情報を前回絶対位置情報として扱う(S403)。
なお、その後の動作は、第1の実施形態におけるS105以降の動作と同様である。
[3−4−3.効果]
以上、図18〜図20を参照して説明したように、第4の実施形態による情報処理装置10は、今回絶対位置情報が取得された際に、今回絶対位置情報と前回位置情報との距離が所定の距離未満である場合には、発信機位置情報特定部104により予め特定された発信機20の位置情報の中から、今回絶対位置情報から所定の距離以上離れた位置情報を選定し、そして、選定した発信機20の位置情報を前回絶対位置情報として扱う。このため、受信可能範囲の広さに比べて、発信機20の間隔が相対的に短い場合であっても、測位に用いられる発信機20間の距離は所定の距離以上確保することができるので、方位補正量の誤差を小さい値に抑えることができる。
<3−5.第5の実施形態>
以上、第4の実施形態について説明した。続いて、第5の実施形態について説明する。
最初に、第5の実施形態を創作するに至った背景について説明する。第1〜第4の実施形態では、自律方位情報の誤差の原因が初期方位情報の誤差であることを前提として、自律方位情報を補正する方法について説明した。一方、自律方位情報の誤差の原因として、他には、情報処理装置10に備えられるジャイロスコープ168のオフセット誤差が含まれることも想定される。
より具体的に説明すると、ジャイロスコープ168では、機器の制約上一定の測定誤差を含む可能性がある。例えば、本来、角加速度が「0」である場合をデジタル量として「5000」と計測するように設計されていたとしても、電圧の測定誤差により、「5010」として計測される可能性がある。そして、このような測定誤差は、情報処理装置10の移動に伴って蓄積されていくので、結果として、自律方位情報は、時間を経るごとに真の方位情報からよりズレていくことになる。
後述するように、第5の実施形態によれば、自律方位情報の誤差の原因としてジャイロスコープのオフセット誤差が含まれる場合において、方位補正量に含まれる誤差が小さくなるように、方位補正量を算出することができる。
[3−5−1.情報処理装置10の構成]
第5の実施形態による情報処理装置10の構成要素は、第1の実施形態と同様である。以下では、第1の実施形態と異なる機能を有する構成要素についてのみ説明を行う。
(3−5−1−1.方位補正部108)
第5の実施形態による方位補正部108は、観測方位誤差角が閾値より大きい場合には、今回絶対位置情報の取得時刻と前回絶対位置情報の取得時刻との差に基づいて観測方位誤差角を調整することにより、方位補正量を算出することが可能である。また、方位補正部108は、観測方位誤差角が閾値以下である場合には、観測方位誤差角を方位補正量として算出することが可能である。ここで、閾値は、観測方位誤差角に含まれ得る誤差の理論上の最大値である。
ここで、図21を参照して、上記の機能についてより詳細に説明する。図21は、情報処理装置10が移動軌道42のように移動した場合において、C、C、およびCの位置においてそれぞれ絶対位置情報を取得した例を示した説明図である。
最初に、図21に示したCの位置における観測方位誤差角について考察する。仮に、自律方位情報の誤差の原因が初期方位情報の誤差だけであると仮定すると、Cの位置において、前回絶対位置をB、今回絶対位置をBとした場合の観測方位誤差角に含まれ得る誤差の最大値は、以下の数式(3)で定められるθmax以下の値になるはずである。
Figure 0006171944
次に、Cの位置における自律方位情報の誤差について考察する。やはり、自律方位情報の誤差の原因が初期方位情報の誤差だけであると仮定すると、Cの位置において、前回絶対位置をB、今回絶対位置をBとした際の観測方位誤差角は、理論上、上記のθmax以下になるはずである。この理由は、Cの位置における補正により、初期方位情報の誤差が補正されたためである。
もし、Cの位置において実際に算出された観測方位誤差角が上記のθmaxよりも大きくなる場合には、自律方位情報の誤差の原因として初期方位情報の誤差の他に、ジャイロスコープ168のオフセット誤差が含まれていることが想定される。このため、Cの位置における観測方位誤差角が上記のθmaxよりも大きい場合には、方位補正部108は、ジャイロスコープ168のオフセット誤差を補正するために、以下の数式(4)により方位補正量(ΔD’)を算出する。
Figure 0006171944
なお、数式(4)では、ΔDを観測方位誤差角、Δtを今回絶対位置情報の取得時刻(つまりC地点の時刻)と前回絶対位置情報の取得時刻(つまりC地点の時刻)との差として定めている。
[3−5−2.動作]
以上、第5の実施形態による構成について説明した。続いて、第5の実施形態による動作について説明する。
図22は、第5の実施形態による動作を示したフローチャートである。なお、S101〜S105の動作は第1の実施形態と同様であるので、図22では記載を省略している。
図22に示したように、S105の後、方位補正部108は、S105で算出されたΔDが、上記の数式(3)に示したθmaxよりも大きいか否かを判定する(S501)。ΔDがθmax以下である場合には(S501:No)、方位補正部108は、S105で算出したΔDを用いて、今回自律方位情報を補正する(S504)。
一方、ΔDがθmaxよりも大きい場合には(S501:Yes)、方位補正部108は、上記の数式(4)により、ΔDを調整した方位補正量ΔD’を算出する(S502)。
そして、方位補正部108は、S502で算出したΔD’を用いて、今回自律方位情報を補正する(S503)。
なお、S503より後の動作は、第1の実施形態におけるS107以降の動作と同様である。
[3−2−3.効果]
以上、図21および図22を参照して説明したように、第5の実施形態による情報処理装置10は、観測方位誤差角が閾値より大きい場合には、今回絶対位置情報の取得時刻と前回絶対位置情報の取得時刻との差に応じた値を観測方位誤差角から減じることにより、方位補正量を算出する。このため、自律方位情報の誤差の原因として初期方位情報の誤差だけでなく、ジャイロスコープ168のオフセット誤差も含まれることが推定される場合において、方位補正量に含まれる誤差がより小さくなるように、方位補正量を算出することができる。
<<4.変形例>>
なお、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示はかかる例に限定されない。本開示の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
<4−1.変形例1>
例えば、上記の説明では、本開示における情報処理装置が携帯型の装置である例を中心として説明したが、本開示はかかる例に限定されない。変形例1として、本開示における情報処理装置がサーバ型の装置(以下、サーバ装置60と称する)であり、本開示における対象物が携帯型の装置(以下、携帯装置70と称する)であるような構成も適用可能である。
この変形例1では、例えば携帯装置70は、携帯装置70が有する加速度センサ166やジャイロスコープ168などにより自律位置情報および自律方位情報を特定し、特定した自律位置情報および自律方位情報を無線通信によりサーバ装置60へ送信する。さらに、携帯装置70は、携帯装置70が有するGNSS受信機170や屋内絶対位置情報受信装置172などにより、発信機20から発信機に関する情報を受信した場合に、受信した発信機に関する情報を無線通信によりサーバ装置60へ送信する。
そして、サーバ装置60は、携帯装置70から受信された発信機に関する情報に基づいて例えばサーバ装置60に備える発信機データベース132を参照することにより、発信機20の位置情報を特定し、そして、携帯装置70の位置情報を取得する。さらに、サーバ装置60は、取得した携帯装置70の絶対位置情報、および携帯装置70から受信される自律位置情報に基づいて、受信された自律方位情報を補正するための方位補正量を算出する。そして、サーバ装置60は、算出した方位補正量を携帯装置70へ送信することにより、携帯装置70に自律方位情報を補正させることが可能である。
この変形例1によれば、サーバ装置60が、携帯装置70の位置情報を取得するとともに、自律方位情報および自律位置情報の補正量を算出する。このため、携帯装置70は、自ら方位補正量を算出することなく、サーバ装置60により算出された方位補正量やサーバ装置60により取得された絶対位置情報を受信するだけで、自律方位情報および自律位置情報を補正することが可能となる。
<4−2.変形例2>
また、上記の説明では、情報処理装置10が、発信機20から例えばBluetoothやWi−Fiなどの規格に沿って電波を受信することにより絶対位置情報を取得する例について説明したが、かかる例に限定されない。例えば、情報処理装置10は、発信機20から可視光を受信することにより絶対位置情報を取得することも可能である。
<4−3.変形例3>
また、上記の説明では、情報処理装置10は、1台の発信機20から発信機に関する情報を受信することにより、当該発信機20の位置情報を情報処理装置10の絶対位置情報として取得する例について説明したが、かかる例に限定されない。情報処理装置10は、複数の発信機20から同時に受信される各発信機に関する情報に基づいて情報処理装置10の絶対位置情報を取得することも可能である。例えば、情報処理装置10は、複数の発信機20から各々の位置情報を受信した場合には、それぞれの受信電波の強度に基づいて三角測量を行うことにより情報処理装置10の絶対位置情報を取得することが可能である。
<4−3.変形例4>
また、本開示の各実施形態によれば、CPU150、ROM152、およびRAM154などのハードウェアを、上述した情報処理装置10の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも提供可能である。また、該コンピュータプログラムが記録された記録媒体も提供される。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
対象物に関する第1の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記対象物に関する第2の位置情報が取得された際の、前記第1の位置情報を基準とする、前記対象物の動きに基づく仮の位置情報および仮の方位情報を取得する仮位置方位情報取得部と、
前記第1の位置情報、前記第2の位置情報および前記仮の位置情報に基づいて、前記第1の位置情報と前記第2の位置情報との距離に応じた、前記仮の方位情報を補正する方位補正量を算出する方位補正部と、
を備える、情報処理装置。
(2)
前記方位補正部は、前記仮の位置情報および前記第1の位置情報を結ぶ直線と、前記第2の位置情報および前記第1の位置情報を結ぶ直線とがなす角度を前記第1の位置情報と前記第2の位置情報との距離に基づいて調整することにより、前記方位補正量を算出する、前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記方位補正部は、前記第1の位置情報と前記第2の位置情報との距離に応じた値を前記角度に乗じることにより、前記方位補正量を算出する、前記(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記方位補正部は、前記第1の位置情報と前記第2の位置情報との距離が所定の距離以上である場合には、前記角度を前記方位補正量として算出する、前記(2)または(3)に記載の情報処理装置。
(5)
前記対象物は、前記情報処理装置であり、
前記情報処理装置は、発信機から前記発信機に関する情報を受信する受信部と、
受信された前記発信機に関する情報に基づいて前記発信機の位置情報を特定する発信機位置情報特定部と、をさらに備え、
前記位置情報取得部は、前記発信機位置情報特定部により特定された前記発信機の位置情報を前記情報処理装置の位置情報として取得する、前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(6)
前記発信機に関する情報は、前記発信機の位置情報である、前記(5)に記載の情報処理装置。
(7)
前記発信機に関する情報は、前記発信機の識別情報であり、
前記発信機位置情報特定部は、発信機の識別情報と発信機の位置情報とが対応づけて記録されているデータベースから、受信された発信機の識別情報に対応する前記発信機の位置情報を特定する、前記(5)に記載の情報処理装置。
(8)
前記位置情報取得部は、前記発信機から前記発信機に関する情報が受信されない間は、前記情報処理装置の位置情報を取得しない、前記(5)〜(7)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(9)
前記情報処理装置は、前記情報処理装置の動きを測定する測定部と、
測定された前記情報処理装置の動きに基づいて、前記第1の位置情報を基準とした相対的な位置情報、および相対的な方位情報を特定する相対位置方位情報特定部と、をさらに備え、
前記仮位置方位情報取得部は、前記相対位置方位情報特定部により特定された、前記第2の位置情報が取得された際の相対的な位置情報および相対的な方位情報をそれぞれ前記仮の位置情報または前記仮の方位情報として取得する、前記(5)〜(8)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(10)
前記相対位置方位情報特定部は、前記相対的な位置情報および前記相対的な方位情報を複数回特定し、
前記仮位置方位情報取得部は、前記受信部により前記第2の位置情報が示す位置に設置された発信機から前記発信機に関する情報が受信されている間に前記相対位置方位情報特定部により複数の相対的な位置情報が特定された場合には、特定された前記複数の相対的な位置情報のうちいずれかを前記仮の位置情報として取得する、前記(9)に記載の情報処理装置。
(11)
前記仮位置方位情報取得部は、特定された前記複数の相対的な位置情報のうち、特定時刻の平均値に最も近い時刻に特定された相対的な位置情報を前記仮の位置情報として取得する、前記(10)に記載の情報処理装置。
(12)
前記仮位置方位情報取得部は、特定された前記複数の相対的な位置情報のうち、前記複数の相対的な位置情報を平均した位置情報に最も近い相対的な位置情報を前記仮の位置情報として取得する、前記(10)に記載の情報処理装置。
(13)
前記方位補正部は、前記第2の位置情報が取得された際に、前記第1の位置情報と前記第2の位置情報との距離が所定の距離未満である場合には、前記発信機位置情報特定部により予め特定された1以上の発信機の位置情報のうち、前記第2の位置情報から所定の距離以上離れている発信機の位置情報を前記第1の位置情報として扱う、前記(5)〜(12)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(14)
前記仮位置方位情報取得部は、前記対象物に関する第3の位置情報がさらに取得された際の、前記第2の位置情報を基準とする、前記対象物の動きに基づく第2の仮の位置情報および第2の仮の方位情報をさらに取得し、
前記方位補正部は、前記第2の仮の位置情報および前記第2の位置情報を結ぶ直線と、前記第3の位置情報および前記第2の位置情報を結ぶ直線とがなす第2の角度が閾値より大きい場合には、前記第3の位置情報の取得時刻と前記第2の位置情報の取得時刻との差に基づいて前記第2の角度を調整することにより、第2の方位補正量をさらに算出する、前記(1)〜(13)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(15)
前記方位補正部は、前記第2の角度が前記閾値以下である場合には、前記第2の角度を前記第2の方位補正量として算出する、前記(14)に記載の情報処理装置。
(16)
前記閾値は、前記第1の位置情報と前記第2の位置情報との距離および前記第1の位置情報が示す位置に設置された発信機からの前記発信機に関する情報の受信可能距離に応じた値である、前記(15)に記載の情報処理装置。
(17)
前記情報処理装置は、前記第2の位置情報に基いて、前記仮の位置情報を補正する位置情報補正部をさらに備える、前記(1)〜(16)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(18)
前記位置情報補正部は、前記仮の位置情報を前記第2の位置情報に補正する、前記(17)に記載の情報処理装置。
(19)
対象物に関する第1の位置情報を取得することと、
前記対象物に関する第2の位置情報が取得された際の、前記第1の位置情報を基準とする、前記対象物の動きに基づく仮の位置情報および仮の方位情報を取得することと、
前記第1の位置情報、前記第2の位置情報および前記仮の位置情報に基づいて、前記第1の位置情報と前記第2の位置情報との距離に応じた、前記仮の方位情報を補正する方位補正量をプロセッサにより算出することと、
を備える、情報処理方法。
(20)
コンピュータを、
対象物に関する第1の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記対象物に関する第2の位置情報が取得された際の、前記第1の位置情報を基準とする、前記対象物の動きに基づく仮の位置情報および仮の方位情報を取得する仮位置方位情報取得部と、
前記第1の位置情報、前記第2の位置情報および前記仮の位置情報に基づいて、前記第1の位置情報と前記第2の位置情報との距離に応じた、前記仮の方位情報を補正する方位補正量を算出する方位補正部、
として機能させるためのプログラム。
10 情報処理装置
20 発信機
100 制御部
102 自律位置方位情報特定部
104 発信機位置情報特定部
106 絶対位置情報取得部
108 方位補正部
110 位置情報補正部
120 測定部
122 発信機情報受信部
130 記憶部
132 発信機データベース
150 CPU
152 ROM
154 RAM
156 内部バス
158 インターフェース
160 出力装置
162 ストレージ装置
164 通信装置
166 加速度センサ
168 ジャイロスコープ
170 GNSS受信機
172 屋内絶対位置情報受信装置

Claims (17)

  1. 屋内に設置された発信機から対象物が受信した前記発信機に関する情報に基づいて、前記屋内における前記対象物に関する第1の位置情報を取得する位置情報取得部と、
    前記屋内における前記対象物に関する第2の位置情報が取得された際の、前記第1の位置情報を基準とする、前記対象物の動きに基づく仮の位置情報および仮の方位情報を取得する仮位置方位情報取得部と、
    前記第1の位置情報、前記第2の位置情報および前記仮の位置情報に基づいて、前記第1の位置情報と前記第2の位置情報との距離に応じた、前記仮の方位情報を補正する方位補正量を算出する方位補正部と、
    を備える、情報処理装置。
  2. 前記方位補正部は、前記仮の位置情報および前記第1の位置情報を結ぶ直線と、前記第2の位置情報および前記第1の位置情報を結ぶ直線とがなす角度を前記第1の位置情報と前記第2の位置情報との距離に基づいて調整することにより、前記方位補正量を算出する、請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記方位補正部は、前記第1の位置情報と前記第2の位置情報との距離に応じた値を前記角度に乗じることにより、前記方位補正量を算出する、請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記方位補正部は、前記第1の位置情報と前記第2の位置情報との距離が所定の距離以上である場合には、前記角度を前記方位補正量として算出する、請求項2に記載の情報処理装置。
  5. 前記対象物は、前記情報処理装置であり、
    前記情報処理装置は、前記発信機から前記発信機に関する情報を受信する受信部と、
    受信された前記発信機に関する情報に基づいて前記発信機の位置情報を特定する発信機位置情報特定部と、をさらに備え、
    前記位置情報取得部は、前記発信機位置情報特定部により特定された前記発信機の位置情報を前記情報処理装置の位置情報として取得する、請求項1に記載の情報処理装置。
  6. 前記発信機に関する情報は、前記発信機の位置情報である、請求項5に記載の情報処理装置。
  7. 前記発信機に関する情報は、前記発信機の識別情報であり、
    前記発信機位置情報特定部は、発信機の識別情報と発信機の位置情報とが対応づけて記録されているデータベースから、受信された発信機の識別情報に対応する前記発信機の位置情報を特定する、請求項5に記載の情報処理装置。
  8. 前記位置情報取得部は、前記発信機から前記発信機に関する情報が受信されない間は、前記情報処理装置の位置情報を取得しない、請求項5に記載の情報処理装置。
  9. 前記情報処理装置は、前記情報処理装置の動きを測定する測定部と、
    測定された前記情報処理装置の動きに基づいて、前記第1の位置情報を基準とした相対的な位置情報、および相対的な方位情報を特定する相対位置方位情報特定部と、をさらに備え、
    前記仮位置方位情報取得部は、前記相対位置方位情報特定部により特定された、前記第2の位置情報が取得された際の相対的な位置情報および相対的な方位情報をそれぞれ前記仮の位置情報または前記仮の方位情報として取得する、請求項5に記載の情報処理装置。
  10. 前記相対位置方位情報特定部は、前記相対的な位置情報および前記相対的な方位情報を複数回特定し、
    前記仮位置方位情報取得部は、前記受信部により前記第2の位置情報が示す位置に設置された発信機から前記発信機に関する情報が受信されている間に前記相対位置方位情報特定部により複数の相対的な位置情報が特定された場合には、特定された前記複数の相対的な位置情報のうちいずれかを前記仮の位置情報として取得する、請求項9に記載の情報処理装置。
  11. 前記仮位置方位情報取得部は、前記対象物に関する第3の位置情報がさらに取得された際の、前記第2の位置情報を基準とする、前記対象物の動きに基づく第2の仮の位置情報および第2の仮の方位情報をさらに取得し、
    前記方位補正部は、前記第2の仮の位置情報および前記第2の位置情報を結ぶ直線と、前記第3の位置情報および前記第2の位置情報を結ぶ直線とがなす第2の角度が閾値より大きい場合には、前記第3の位置情報の取得時刻と前記第2の位置情報の取得時刻との差に基づいて前記第2の角度を調整することにより、第2の方位補正量をさらに算出する、請求項1に記載の情報処理装置。
  12. 前記方位補正部は、前記第2の角度が前記閾値以下である場合には、前記第2の角度を前記第2の方位補正量として算出する、請求項1に記載の情報処理装置。
  13. 前記閾値は、前記第1の位置情報と前記第2の位置情報との距離および前記第1の位置情報が示す位置に設置された発信機からの前記発信機に関する情報の受信可能距離に応じた値である、請求項1に記載の情報処理装置。
  14. 前記情報処理装置は、前記第2の位置情報に基いて、前記仮の位置情報を補正する位置情報補正部をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
  15. 前記位置情報補正部は、前記仮の位置情報を前記第2の位置情報に補正する、請求項1に記載の情報処理装置。
  16. 屋内に設置された発信機から対象物が受信した前記発信機に関する情報に基づいて、前記屋内における前記対象物に関する第1の位置情報を取得することと、
    前記屋内における前記対象物に関する第2の位置情報が取得された際の、前記第1の位置情報を基準とする、前記対象物の動きに基づく仮の位置情報および仮の方位情報を取得することと、
    前記第1の位置情報、前記第2の位置情報および前記仮の位置情報に基づいて、前記第1の位置情報と前記第2の位置情報との距離に応じた、前記仮の方位情報を補正する方位補正量をプロセッサにより算出することと、
    を備える、情報処理方法。
  17. コンピュータを、
    屋内に設置された発信機から対象物が受信した前記発信機に関する情報に基づいて、前記屋内における前記対象物に関する第1の位置情報を取得する位置情報取得部と、
    前記屋内における前記対象物に関する第2の位置情報が取得された際の、前記第1の位置情報を基準とする、前記対象物の動きに基づく仮の位置情報および仮の方位情報を取得する仮位置方位情報取得部と、
    前記第1の位置情報、前記第2の位置情報および前記仮の位置情報に基づいて、前記第1の位置情報と前記第2の位置情報との距離に応じた、前記仮の方位情報を補正する方位補正量を算出する方位補正部、
    として機能させるためのプログラム。
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