JP6171011B2 - 熱エネルギーから有用なエネルギーを生成する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱エネルギーから有用なネエルギーを生成する方法に関する。
本願の発明者による特許文献1には、本発明に関連する作動原理に基づいた方法及び装置が開示されているが、遠心力場にのみ適用可能な方法に限定され、しかも、その遠心力場が働きかける流体は理想気体または理想液体の状態でなければならない。
特許文献2及び特許文献3には、本発明に関連する作動原理に基づいた方法が開示されているが、重力場にのみ適用可能な方法に限定され、しかも、その重力場が働きかける流体は理想気体または理想液体の状態でなければならない。
特許文献4には、公知の熱源、ヒートシンクおよび負荷を用いた方法が開示されている。同文献では、電場が、回転テーブルやリボン等の作業物体の運動を引き起こす。そして、この機械エネルギーが有用な仕事として出力される。具体的に述べると、前記作業物体の運動は、加熱/冷却サイクルを介してその作業物体の誘電率を操作することにより引き起こされる。この誘電率の調整の際には、熱を加える/取り出すことにより、前記作業物体の各構成要素に固有な誘電特性を調整する。これにより、前記電場と強く相互作用する物質と前記電場に反発するか又はその影響を受けない物質との2種類の物質を形成する。同文献の発明者は、このようなプロセスを同文献のクレーム中(同文献の第2頁第30行)において「熱誘電泳動効果」と明確に定義している。
本明細書中で提案する方法は、特許文献4の技術とは違って熱で各粒子の型または特性(type)を変えないので、高温/低温サイクル全体を通して各粒子の保存力場(例えば、電場など)との相互作用は同一のままである。本明細書中で提案する方法での加熱/冷却過程は、粒子間の平均距離(すなわち、密度)を調整するものであり、つまり粒子自体ではなく、その定常状態における粒子全体の分布に影響を与える。
さらに、特許文献4の方法は、各構成要素が一種の物質として一方向に移動するが、電場内での強力な力(F)と距離(S)とによる位置エネルギーを他種の機械エネルギーに変換し(物質の実際の特性が変化しているので)、先程と同じ距離をかけて元の位置に戻るまでのあいだ、抗力を全く受けないか又は弱い効力しか受けない。したがって、特許文献4の方法におけるサイクルは、本明細書中で提案する方法とは異なり、保存的ではなく、サイクル毎に、電場に対して正味の入力エネルギー寄与が存在する。
本発明にかかる方法では、各粒子が、定常状態サイクル全体をとおして往路と復路との同じ距離で同一の力を受ける。すなわち、サイクル毎の、各粒子に対する力場の正味のエネルギー寄与がゼロなので、各粒子のサイクル全体が保存的になる。保存的な力場(保存力場)の影響下では、閉じた流れの回路内で、負荷を通過することによりその粒子分布が均等化されて熱により不均等分布の再構築がなされる。このようにして、定常状態の安定した粒子分布が維持される。
特許文献5にも、公知の熱源、ヒートシンクおよび負荷を用いた別の方法が開示されている。特許文献5の方法は、同文献のクレーム中に記載されているように、2種類の金属間または2つのチャネル型間の接合部で生じる、ゼーベック/ペルチェ効果に係る効果を利用することにより、温度差を変換して有用な出力電気エネルギーを生成する(その逆も然り)。これとは異なり、本明細書中で提案する方法は、接合部やチャネル型の違いに関係するものでない。さらに、特許文献5の方法は可変電場を使用しているが、本明細書中で提案する方法は、特許文献5とは異なる目的で且つ異なる構成である。特許文献5の方法は、電場を用いて急速な遮断−導通電流を印加し、電流経路をランダムにすることで「コールドスポット」の発生の問題を解決し、効率を向上させるものである。
国際公開第2010/115654号 独国特許出願公開第10234568号明細書 国際公開第2010/097260号 米国特許第7486000号明細書 欧州特許出願公開第0369670号明細書
本発明の目的は、前述した方法を、さらに他の種類の力場、材料、材料状態、物理形態および使用状況に拡張させて改良することである。
本発明にかかる方法は、請求項1に記載されている。
(本発明にかかる方法の目的および作用原理)
本発明にかかる方法は、熱を受け取り、必要に応じて冷却を行い、有用なエネルギーを生成する。本発明にかかる方法は、閉じた回路を形成する可動粒子(以降では「流体」とも称する)の集団全体を、保存的な力場(保存力場)および選択的な加熱/冷却に曝す。これらのパラメータの組合せにより、当該回路内の粒子の全集団が、全体としてその閉じた回路に沿って自発的に加速する傾向を示す。定常状態において、このような流体の流れのエネルギー、さらに、その結果として得られる定常状態のエネルギー出力は、力場を生成する生成源に由来せず、入力熱に由来する。
このような流体回路に沿った循環加速傾向は、前記方法の定常状態において、一方の密度が他方の密度よりも高い2種類の流体の副集団が常に存在することで得られる。保存力によって高密度の流体副集団に働く積算力(accumulative force)は、保存力によって低密度の流体副集団に働く積算力よりも大きい。これにより、前記回路の接線方向に、それに等価な正味の力が生じ、流体全体の流れを引き起こす。
このような密度差は、前記回路の高温な体積部分と低温な体積部分との間で生じる。定常状態では、入力熱と有用な出力エネルギーと必要に応じて熱出力との組合せにより、粒子の集団全体が、異なる平均温度及び異なる密度を有する2種類の別個の(distinct separate)流体の副集団として安定化することにより、前記密度差が生じる。これらは、座標系において不動の低温領域と不動の高温領域のように表れる。
前記回路に沿った流体質量全体の循環加速傾向は、負荷の両端間で負荷により有用な出力仕事へ変換されるエネルギー密度差を形成する。長期的にみると(over time)力場内での質量分布は変化しないので、定常状態では流体の流れと力場との間に正味のエネルギー交換が存在せず、つまり、定常状態では正味の熱流量(熱流入量−熱流出量)と仕事出力のみで平衡して釣り合う。
本発明にかかる方法の最も重要な特徴は、熱入力が直接、ポテンシャルエネルギーの増加分及び他形態のエネルギーに変換され、かつ、このポテンシャルエネルギーの増加分及び他形態のエネルギーが合わさって、出力に変換される点である。前記閉じた回路などにおける当該系の定常状態では、前記方法のパラメータにもよるが、前記流体副集団はそれぞれ、同じ基準点に対するポテンシャルエネルギーが互いに異なる。これは、保存力場内での各副集団の質量中心のエネルギーの高さ(energetic center of mass heights)に起因する。これにより、当該系に存在する流体全体が、全体として循環ポテンシャルエネルギーの差を形成するように振る舞う。このような循環ポテンシャルエネルギーの差は、循環の非対称的な慣性のかたちで現れるので、定常状態では、流体の質量分布に関連した変動が起きない。このようにして、前記流体は、全体として、流路に沿った循環運動で自発的に加速する傾向を示す。これが指向性の力となり、結果として、前記負荷で圧力差及びエネルギー密度差となる。
(本発明にかかる方法の説明のあらすじ)
技術背景として、本発明にかかる方法が利用する様々な既知の現象(例えば、エネルギー保存の法則、質量保存の法則など)のうち、2つの現象について説明する。第1の現象は、保存力場に置かれた粒子が、その力場から加わる力により、ニュートンの第二法則にしたがい、力線方向に加速するという現象である。つまり、そのような粒子は、ゼロでない保存力場(力線を有する保存力場)が存在する所与の座標系において、非対称的な慣性挙動を示す。そのような粒子が力線で表される力場のみに曝されていることを前提として、当該粒子は、その力線方向に自発的に加速し、自身の質量中心の位置が変化すると共に力場からエネルギーを受け取る。このような力場では、各粒子が、基準位置に対して正または負のポテンシャルエネルギーを有する。力の方向と同じ方向の粒子の運動は、粒子のポテンシャルエネルギーを減少させてこの減少分を仕事、他形態のエネルギーまたは複数の形態のエネルギーの組合せに変換する。逆に、力の方向に抗する方向の運動は、他形態のエネルギーまたは複数の形態のエネルギー(およびその組合せ)を減少させると共に粒子のポテンシャルエネルギーを増加させる。このような系では、粒子のポテンシャルエネルギーの変化が、当該粒子の質量中心の、基準位置に対する物理的位置の変化に(経路非依存で)関係する。第2の現象は、熱エネルギー(本質的には、電磁エネルギー)が、粒子と衝突するなどして相互作用するまで電磁波の形態としてのみで、何もない空間を移動するという現象である。一旦、熱エネルギーが粒子に受け渡されると、その粒子がエネルギーを有するようになり、粒子間の運動エネルギーとポテンシャルエネルギー(内部エネルギー)として粒子間を伝播し、周囲に対して仕事を行い、体積空間を占める。内部エネルギーとは、各粒子の種類(type)、その環境およびその粒子固有の自由度により決まる、各種の内部運動エネルギー及び内部ポテンシャルエネルギーのことを意味する。帯電した粒子の場合には、例えば電場及び磁場も、前記伝播のパターンおよび平衡状態での粒子分布にも影響する。結果として、これらのことは粒子間の平均距離に影響を及ぼし、すなわち、所与の一定の体積空間内における粒子の数(つまり、密度)に影響する。
しかし、このような温度−密度の相関関係は、粒子の種類および粒子が曝される条件によって変わる。例えば、理想気体の場合には、この関係は明確である。圧力が一定の時、温度が上昇すると気体の密度が減少し、その逆も然りである。一方で、縮退気体(例えば、金属中の自由電子などもそうである)の場合には、この関係の明確性は大きく低下し、金属の種類によってはその関係が反転し、すなわち、温度が上昇すると密度も増加するということになり得る。液体や固体についても、この関係の明確性は理想気体に比べて大きく低下(much lesser extent)し、粒子の種類、粒子の温度等の特定のパラメータしだいでその関係が反転し得る。
以下では、本発明にかかる方法について、図面に示す様々な構成に基づいて説明する。
本発明にかかる方法の第1の実施形態を示す概略図である。 本発明にかかる方法の第2の実施形態を示す概略図である。 本発明にかかる方法の第1の実施形態の変形例を示す概略図である。 本発明にかかる方法の第2の実施形態の変形例を示す概略図である。 従来技術のように重力場を保存力場とした場合の概略図である。 電場を保存力場とした本発明にかかる方法の概略図である。 従来技術のように遠心力場を保存力場とした場合の概略図である。 磁場を保存力場とした本発明にかかる方法の概略図である。
(本発明にかかる方法の例示的構成)
本発明にかかる方法は、様々な構成で実施することができる。本発明にかかる方法の十分な概要を示すために、本明細書において、2つの代表的な構成例を用いて当該方法を説明する。一方の構成例(第1の例示的構成)では、回路チャネル2−3で加熱が行われ、回路チャネル4−1で放熱すなわち冷却が行われ、それら以外は全て断熱されている(図1)。他方の構成例(第2の例示的構成)では、回路チャネル33−33’で加熱が行われ、回路チャネル31−32で冷却が行われ、それら以外は断熱されている(図3)。負荷は、回路チャネル3’−4または回路チャネル33’−34に位置する。実際の方法での加熱構成は、例示であるこれらの図示の構成と異なっていてもよく、これら2つの例示的構成を組み合わせたものに基づくものであってもよい。
(第1の例示的構成)
本発明にかかる方法を概括的な基本形態で表すと、図1に示すように、例えば導通チャネルの閉じた回路1,2,3,3’,4,1内に閉じ込められた可動粒子で構成される。帯電した粒子の場合には、その導通チャネルの外皮内部又は外皮周辺に前記可動粒子が分布する。当該系は、図示のように保存力場に曝される。その力線は、図示の縦(上下)方向カラムと平行であり、当該力線の方向は、符号1から符号2の方向および符号3’から符号3の方向である。説明を分かり易くするために、前記回路は、ステーション2とステーション3との間の当該回路外部の高温の環境から加熱される熱交換領域と、必要に応じて設けられるステーション4とステーション1との間の当該回路外部の低温の環境により冷却される熱交換領域とを除いて、完全に断熱されている。前記回路は、さらに、粒子の流れから受け取るエネルギーを有用な出力エネルギーに変換する負荷を、符号3’−符号4間に含む。前記保存力場は、当該方法において存在する一部又は全ての可動粒子に対して図示の方向に力を加える保存力場であれば、どのような保存力場であってもよい。この保存力場は、電場、磁場またはその他の力場とされ得る。力場の種類によっては、後で詳述するように、特定の条件下のみで事実上の保存力場になるものもある。前記可動粒子は、当該方法における前記チャネル1−2−3−3’−4−1内を自由に循環的に移動する粒子である。前記可動粒子は、特に、帯電又は非帯電の粒子、例えば電子、イオン、電気的に中性な原子、分子等の任意の種類であってよく、(例えば、リング/ベルト状などの)理想気体、縮退気体、液体、固体、半固体、プラズマ、超伝導体等の任意の状態であってよい。符号3’−符号4の前記負荷は、前記可動粒子のエネルギーを有用な出力に変換できれば、前記回路の状況に適応させるどのようなデバイスであってもよく、例えば、発電機を活性化させるプロペラやピストン、(当該系から熱出力を得る)電気抵抗、電気モータ等でありうる。
以下では、当該方法における定常状態のサイクルを、最も簡略的な形態で表現して説明する。定常状態のサイクルにおいて、流体は、符号1から符号2に流れる際にその流れと同じ方向の力場に曝される。流体は、符号1から符号2に流れる際に、ポテンシャルエネルギーを失うと共に他形態の複数種の全合計のエネルギーが(それら他形態のエネルギーの個々の種類の詳細にかかわらず)増加する。前記チャネルの壁を介した外部との正味のエネルギー交換が存在しない断熱的な流れの場合、所与の(given)質量m(t)のポテンシャルエネルギーと他形態の全種類のエネルギーとの合計は、符号1から符号2間の流路に沿ったどの位置においても一定である。符号2から符号3間において、流体は、力場に対して垂直に流れ、入力熱を受け取る。符号3から符号3’間において、加熱後の流体は、前記力場に抗して流れる。流体は、符号3から符号3’に流れる際に、(いかなる所定の(any given)固定基準位置に対する)ポテンシャルエネルギーを得ると共に他形態の複数種のエネルギーの全合計が(それら他形態のエネルギーの個々の種類の詳細にかかわらず)減少する。外部との正味のエネルギー交換が存在しない断熱的な流れの場合、質量m(t)の有するポテンシャルエネルギーと他形態の全種類のエネルギーとの合計は、符号3から符号3’の流路に沿ったどの位置においても一定である。符号3’から符号4間において、流体は、前記負荷を通過する。この負荷では、その流体のエネルギーが有用な形態に変換されて当該系から出力される。符号4から符号1間において、流体は、定常状態を維持するのに必要なエネルギーレベルでステーション1に達するように、その要求に応じて冷却されて(すなわち放熱して)、符号3’から符号4間で有用な出力に変換されなかった入力熱の一部を当該系の外部に出力する。これら符号3’から符号1にかけて、流体は、力場に対して垂直に流れる。最適化された方法では、チャネル1−2とチャネル3−3’は、力場の力線に沿って互いに同じ長さに設定される。説明を分かり易くするために、当該方法の基本形態において、流体のどの粒子にも、一定かつ同一の力ベクトル(方向および大きさに関して)が働くものとする。なお、本明細書では当該方法を長方形状のチャネル構造に基づいて説明するが、実際には、環体(リング)を形成する円形状のチャネル構造または循環的なその他の形状のチャネル構造にも同様の内容が当てはまることに留意されたい。また、前記流体は、温度が上昇すると密度が減少する流体であると仮定する。さらに、チャネルのどの部分の断面積も同一であるとし、これにより、符号1から符号2の体積と符号3から符号3’の体積が互いに同一である。これらの仮定は必須条件ではないものの、当該方法を簡略的に且つ概括的に説明することを可能にする。また、チャネルの流れ損失および熱損失を無視する。
定常状態において、当該系のチャネルに充填された流体は流動して巡っている。当該方法の熱力学的分析を、前記流体の、所与の力場でのエネルギーとエネルギー分布とに基づいて行う。一般的な(generic)種類の流体が一般的な保存力場に曝されていることを考慮して、当該方法にどのような種類のエネルギーが関係するのかを考える。当該方法における所与のどの部分の流体質量も、各種関連エネルギー(例えば、エンタルピー、流動運動エネルギーなど)の任意の組合せとして、その可動粒子の種類及び状態に応じて、細部において、様々な量(degree)で表現することができる。これに加えて、そのような質量は、保存力場内で、基準点に対してポテンシャルエネルギーを有する。例えば、ステーション1からステーション2までのチャネル1−2内に位置する流体質量は、ステーション1からステーション2に向かう方向の加速度ベクトルを有するので、そのポテンシャルエネルギーはステーション2に対しては正(高)になり、ステーション1に対しては負(低)になる。同じことが符号3’−符号3内に位置する流体にも当てはまり、この流体質量のポテンシャルエネルギーはステーション3に対して正になり、ステーション3’に対して負になる。
(エネルギー成分)
この分析では、流体または流体の一部を「系」として、この系が有する関連エネルギーを、2種類の成分の組合せとして表現することができる。そのうちの一方の成分は、周辺の系内の基準点に対するポテンシャルエネルギーであり、他方の成分は、その系に起因したその他のあらゆる種類の関連エネルギーの組合せ(Eotherと称する)である。詳細には、このエネルギー成分Eother自体も、2種類の成分の組合せとして表現することができる。そのうちの一方の成分は、選択された基準座標系(chosen reference frame)における周辺の系内に対する指向性の運動エネルギー(directional kinetic energy)であり、他方の成分は、流体質量のうちの各部分に相関する各系に起因したその他のあらゆる種類の関連エネルギーである。後者の成分(流体質量のうちの各部分に相関する各系に起因したその他のあらゆる種類の関連エネルギー)は、系の総エンタルピーまたは総エンタルピーの一部に等しく、2種類の成分にさらに分けることができる。そのうちの一方の成分は、その系を生み出すのに必要なエネルギーである内部エネルギー(内部運動エネルギーや内部ポテンシャルエネルギー)であり、さらなる他方の成分は、環境を変位させてその系の空間を形成するのに必要な量のエネルギーであって、その系の体積及び圧力を確立するエネルギー(以下では「圧力−体積エネルギー」と称する場合もある。)である。これらの内容は、次式で表すことができる。:Eother=H+EKin=U+PV+EKin=KPV+EKin(式中、Hはエンタルピーであり、Uは内部エネルギーであり、PVは圧力−体積エネルギーであり、Pは圧力又は圧力−体積エネルギー密度であり、Vはその系の体積であり、EKinは系の運動エネルギーであり、Kはエンタルピーと圧力−体積エネルギーとの比である。)Kは平衡状態から別の平衡状態へ変化し得る(一部の系では大きく変化し得る)が、本明細書では、式を簡略化するために、Kを一定であると見なす。これは、系のパラメータの変動が比較的に小さい状況の多くで、Kがほぼ一定になるからである。ただし、当該方法を利用する現実的な各装置において、Kが無視できない数値を有する場合には、正確な結果を得るために、このパラメータの動的挙動を考慮に入れる。
流体が流動している系の定常状態において、所与のステーションでの、所与の流体質量のエネルギー、温度、エネルギー密度等は、長期的にみて一定である。つまり、ステーション1での流体の例えばその温度は、長期的にみて一定である。しかも、流れる流体のパラメータは、各ステーションにおいて、長期的にみて一定であり、相互に依存するので、互いの関係も長期的にみて一定である。すなわち、例えばステーション1での運動エネルギーとステーション2でのエネルギー密度との2つのパラメータを無作為に選出したとして、これらのパラメータは安定した全体的な平衡状態の一部をなす。したがって、定常状態における各ステーションでの流体のパラメータは、このような全体的な平衡状態を背景として且つその結果として定量化する必要がある。この点を鑑みて、当該方法を分析する選択した方法では、そのような全体的な平衡状態をベースとした上で、各ステーション間の関連パラメータを分析する。
定常状態において、チャネル3−3’(「高温カラム」とも称される)内に存在する流体全体としての、符号1および符号3’に対する所与の時点での関連エネルギーの合計は:
1. EH1=EH other−EPH1=EH other−mah
で表されうる。
定常状態において、チャネル1−2(「低温カラム」とも称される)内に存在する流体全体としての、符号1および符号3’に対する所与の時点での関連エネルギーの合計は:
2. EC1=EC other−EPC1=EC other−mah
で表されうる。
定常状態において、チャネル3−3’ 内に存在する流体全体としての、符号3および符号2に対する所与の時点での関連エネルギーの合計は:
3. EH2=EH other+EPH2=EH other+ma(R−h
で表されうる。
定常状態において、チャネル1−2内に存在する流体全体としての、符号2および符号3に対する所与の時点での関連エネルギーの合計は:
4. EC2=EC other+EPC2=EC other+ma(R−h
で表されうる。
符号1から符号2内に存在する流体全体としての、符号2に対するエネルギー密度と、符号3から符号3’内に存在する流体全体としての、符号3(および符号2)に対するエネルギー密度とは:
5. EH2/V=EC2/V
で表されるとおり互いに等しい。これは、定常状態において、長期的にみて双方の流体のパラメータ(圧力、温度等)が安定しており、かつ、符号2と符号3との間に負荷がないので、エネルギー密度差を維持できるからである。既述したように、各種損失については無視する。
以上の式から:
6. [EH other+ma(R−h)]/V=[EC other+ma(R−h)]/V
となり、この式から:
7. EC other=EH other+ρVa(R−h)−ρVa(R−h)、
(m=ρV、m=ρV)
が導き出される。
これらの式中、−EPH1は、符号3から符号3’内に存在する流体全体としての、ステーション1(またはステーション3’)に対するポテンシャルエネルギー成分であり、−EPC1は、符号1から符号2内に存在する流体全体としての、ステーション1(またはステーション3’)に対するポテンシャルエネルギー成分である。EPH2は、符号3から符号3’内に存在する流体全体としての、ステーション2(またはステーション3)に対するポテンシャルエネルギー成分であり、EPC2は、符号1から符号2内に存在する流体全体としての、ステーション2(またはステーション3)に対するポテンシャルエネルギー成分である。なお、これらの数値は、各カラムにおける流体エネルギーの質量中心(fluid’s energetic center of mass)に基づいた数値である。
H1は、高温カラム3−3’内に存在する流体の、ステーション1(またはステーション3’)に対する関連エネルギーの合計である。EH2は、高温カラム3−3’内に存在する流体の、ステーション2(またはステーション3)に対する関連エネルギーの合計である。EH otherは、高温カラム3−3’内に存在する流体の、周辺の系内の基準点に対するポテンシャルエネルギー以外の、その他のあらゆる種類のエネルギーが結合された合計である。EC1は、低温カラム1−2内に存在する流体の、ステーション1(またはステーション3’)に対する関連エネルギーの合計(総エネルギー)である。EC2は、低温カラム1−2内に存在する流体の、ステーション2(またはステーション3)に対する関連エネルギーの合計である。EC otherは、低温カラム1−2内に存在する流体の、周辺の系内の基準点に対するポテンシャルエネルギー以外の、その他のあらゆる種類のエネルギーが結合された合計である。
aは、保存力場により引き起こされる、流体粒子の単位質量あたりの力線方向(符号1から符号2への方向および符号3’から符号3への方向)の加速度である。Vは、高温カラムの体積でもあり低温カラムの体積でもある。mは、高温カラム3’−3内に存在する流体全体の質量である。mは、低温カラム1−2内に存在する流体全体の質量である。Rは、チャネル1−2の全長でもありチャネル3−3’の全長でもある。hは、ステーション3’から高温カラム3−3’内に存在する流体の質量(m)の質量中心までの距離である。hは、ステーション1から低温カラム1−2内に存在する流体の質量(m)の質量中心までの距離である。ρは、符号3から符号3’内に存在する流体の平均密度であり、m/Vとして定義される。ρは、符号1から符号2内に存在する流体の平均密度であり、m/Vとして定義される。Uは、高温カラム内に存在する流体全体の総内部エネルギーである。uは、高温カラム内に存在する流体の、質量中心での速度である。Pは、高温カラム内に存在する流体全体としてのEH otherのうちの、圧力−体積部分の圧力または密度である。
当該方法の入力/出力に関して述べると、時間(t)のあいだの符号3’から符号1間のエネルギーは、符号3’から符号4間の仕事出力と、定常状態を維持するために必要に応じて行われる、符号4から符号1間の熱出力による追加の冷却との合計であるE3’−1(t)で表される。E3’−1(t)は、時間(t)のあいだに高温カラムから流体が受け取るエネルギーから、同じ時間(t)のあいだに低温カラムに存在する同じ質量の流体のエネルギーを減算したものとして定量化される:
8. E3’−1(t)=EH1(t)−EC1(t)
この式中、E3’−1(t)は、時間(t)のあいだに流体が符号3’から符号4を流れることで行われる総出力仕事と、定常状態を維持するために必要に応じて行われる同じ時間(t)のあいだの符号4から符号1間の総熱流出量との合計である。EH1(t)は、時間(t)のあいだに高温カラム3−3’からカラム3’−1に入る質量m(t)の高温流体の、符号3’または符号1に対するエネルギーである。EC1(t)は、同じ時間(t)のあいだにカラム3’−1から低温カラム1−2に入る同じ質量m(t)の低温流体の、符号1(または符号3’)に対するエネルギーである。
長期的にみて当該系内の各位置におけるエネルギーレベルが変わらず、かつ、チャネル3−3’及びチャネル1−2が外部から断熱されていることにより、時間(t)のあいだに高温カラム3−3’からカラム3’−1に入る流体のエネルギーであるEH1(t)と、高温カラム内に存在する流体の総エネルギーEH1との比は、同じ時間(t)のあいだに高温カラム3−3’を通過する質量m(t)と、高温カラム3−3’内に存在する流体の総質量mとの比に等しい:
9. (EH1(t)/EH1)=(m(t)/m
同様に、時間(t)のあいだにカラム3’−1から低温カラム1−2に入る流体のエネルギーであるEC1(t)と、低温カラム1−2内に存在する流体の総エネルギーEC1との比は、同じ時間(t)のあいだに低温カラム1−2に入る質量m(t)と、低温カラム1−2内に存在する流体の総質量mとの比に等しい。よって次式が成り立つ:
10. (EC1(t)/EC1)=(m(t)/m
これらの式を組み合わせると、
11. E3’−1(t)=(m(t)/m)[EH other−mah]−(m(t)/m)[EC other−mah
12. E3’−1(t)=(m(t)/V)(ρ −1H other−ρ −1C other]−m(t)a(h−h
が導き出される。
さらに式7を組み合わせることにより、
13. E3’−1(t)=(m(t)/V)(ρ −1H other−ρ −1(EH other+ρVa(R−h)−ρVa(R−h))−m(t)a(h−h)=m(t)(1−ρ/ρ)[a(R−h)+m −1H other]=m(t)(1−ρ/ρ)[m −1H other−ah]+m(t)(1−ρ/ρ)aR
が導き出され、さらに、前述の「エネルギー成分」で説明した内容を踏まえると、
14. EH other=U+PV+EHKin=KV+m /2
であるから、
15. E3’−1(t)=m(t)(1−ρ/ρ)[K(P/ρ)+a(R−h)+u /2]
となる。
一方で、エネルギー平衡状態において、時間(t)のあいだに加熱により受け取る正味の熱エネルギーQ2−3(t)は:
16. Q2−3(t)=Qin(t)=E3’−1(t)=m(t)(1−ρ/ρ)[a(R−h)+m −1H other]=m(t)(1−ρ/ρ)[m −1H other−ah]+m(t)(1−ρ/ρ)aR=m(t)(1−ρ/ρ)[K(P/ρ)+a(R−h)+u /2]
で表される。
式15及び式16から、当該系への入力熱のエネルギーが、当該系のエンタルピーとポテンシャルエネルギーと指向性の運動エネルギーとの3種類の関連エネルギー成分を増加させること、さらに、符号3’から符号1間の出力がそれらを減少させることが分かる。そして、その配分(split)の割合は、前述した式中の各成分同士の相対的な大きさに依存する。
次に、負荷による当該系からの有用なエネルギー出力を算出する。
3’−4(t)、すなわち、Eout(t)は、時間tのあいだの負荷による当該系からの出力仕事である。E3’(t)は、ステーション3’での質量m(またはm(t))あたりの総エネルギー量であり、E4(t)は、ステーション4での質量mあたりの総エネルギー量である。符号3’から符号4間は力場に対して垂直なので、E3’(t)とE4(t)とは、互いに同一のポテンシャルエネルギー成分Eを有する。前述の(エネルギー成分)の所で説明した、E3’(t)のエネルギー及びE4(t)のエネルギーは、下記のように表すことができる。初めに、U3’(t),U4(t)は、それぞれステーション3’、ステーション4での流体mあたりの内部エネルギーである。P3’,Pは、それぞれステーション3’の圧力、ステーション4の圧力である。V3’(t),V4(t)は、それぞれステーション3’、ステーション4でのmあたりの体積である。K3’,Kは、それぞれステーション3’、ステーション4での流体のエネルギーのうちの、エンタルピー成分と圧力−体積エネルギー成分との比である。係数K3’,Kは、流体の種類(および流体の粒子の自由度)に依存し(inherent)、かつ、当該方法において有効な当該流体の各種パラメータに左右される(inherent)。理想気体、理想液体等の数多くの状況下で、条件が大きく変動しない場合には、係数K3’,Kを一定とみなせる。KKin3’,KKin4は、それぞれステーション3’、ステーション4での流体mあたりの、その流れ方向への指向性の運動エネルギー成分である。ρ,ρは、それぞれステーション3’、ステーション4での流体mあたりの密度である。本明細書において効率ηは、同じ時間tのあいだの熱入力に対する有用な出力仕事の比:E3’−4(t)/Q2−3(t)として定義される。
すると:
17. E3’−4(t)=Eout(t)=E3’(t)−E4(t)
18. E3’(t)=U3’(t)+P3’3’(t)+EKin3’+E=K3’3’3’(t)+EKin3’+E
(U3’(t)+P3’3’(t)=K3’3’3’(t)
19. E4(t)=U4(t)+P4(t)+EKin4+E=K4(t)+EKin4+E
(U4(t)+P4(t)=K4(t)
となる。
上記の式を分かり易く表現するためにK3’=K=K=Kであると仮定し、さらに、質量が保存されることを踏まえると:
20. m(t)=V3’(t)ρ3’=V4(t)ρ=VC(t)ρ
と表せるので、
21. E3’−4(t)=(KP3’3’(t)+EKin3’+E)−(KP4(t)+EKin4+E)=V3’(t)(KP3’+ρ3’3’ /2)−V4(t)(KP+ρ /2)
と書き換えられる。
符号3’での質量m(t)あたりのエネルギー密度と符号1での質量m(t)あたりのエネルギー密度との差(エネルギー密度差)が、カラム間のエネルギー密度差と同一であると仮定すると:
22. EH1/V−EC1/V=E3’(t)/V3’(t)−E1(t)/V1(t)=E3’(t)/V3’(t)−E4(t)/V4(t)(符号4から符号1間には負荷がなく、さらに、定常状態では長期的にみて流体の各種パラメータが一定であるため。)
を導き出せる。
式7を組み合わせると:
23. E3’(t)/V3’(t)−E4(t)/V4(t)=[EH other−mah]/V−[EC other−mah]/V=[EH other−ρVah−EH other−ρVa(R−h)+ρVa(R−h)+ρVah]/V=(ρ−ρ)aR=(1−ρ/ρ)ρaR=(KP3’+ρ3’3’ /2)−(KP+ρ /2)
24. E3’−4(t)=V3’(t)(KP3’+ρ3’3’ /2)−V4(t)(KP3’+ρ3’3’ /2−(1−ρ/ρ)ρaR)=(KP3’+ρ3’3’ /2)(V3’(t)−V4(t))+(1−ρ/ρ)ρaR)V4(t)=m(t)(1−ρ3’/ρ)(KP3’/ρ3’+u3’ /2)+(ρ/ρ)m(t)(1−ρ/ρ)aR
となる。
また、式16から:
25. Q2−3(t)=E3’−1(t)=m(t)(1−ρ/ρ)(K/ρ−ah+u /2)+m(t)(1−ρ/ρ)aR
である。したがって:
26. η=E3’−4(t)/Q2−3(t)=[m(t)(1−ρ3’/ρ)(KP3’/ρ3’+u3’ /2)+(ρ/ρ)m(t)(1−ρ/ρ)aR]/[m(t)(1−ρ/ρ)(KP/ρ−ah+u /2)+m(t)(1−ρ/ρ)aR]
が導き出される。
高温カラムの質量中心における、符号3’に対する質量m(t)のエネルギーが保存されること、つまり、それがステーション3’での質量m(t)の、符号3’に対するエネルギーと同一であることを踏まえると:
27. m(t)(KP3’/ρ3’+u3’ /2)=m(t)(KP/ρ−ah+u /2)
が成り立つ。
すると:
28. η=E3’−4(t)/Q2−3(t)=[m(t)(1−ρ3’/ρ)(KP/ρ−ah+u /2)+(ρ/ρ)m(t)(1−ρ/ρ)aR]/[m(t)(1−ρ/ρ)(KP/ρ−ah+u /2)+m(t)(1−ρ/ρ)aR]
と書き換えられる。
負荷で流体が膨張することにより(1−ρ3’/ρ)は負になるので、上記の式における第1の要素:m(t)(1−ρ3’/ρ)(KP/ρ−ah+u /2)は負になる。この要素は、次に述べる2種類の反作用に支配される。第1に、膨張によってρ<ρ3’となる一方で、エネルギーの有用な出力が生じることに起因した冷却により密度が増加する。これにより、ρ3’とρとの間の密度減少を抑えることができる。このように流体全体としての密度が増加することにより、ρ3’/ρの比は1に向かう傾向を示し、同比が1に近くなって極めて高密度となる傾向となる。第2に、この第1の要素の数値は、場が強くなることで負のポテンシャルエネルギー:−m(t)ahをさらに負にすることにより、なおいっそう減少する。すなわち、保存力場の力を強くし、かつ、密度を増加させることにより、第1の要素:m(t)(1−ρ3’/ρ)(KP/ρ−ah+u /2)を小さくすることができる。上記の各種パラメータへの当該方法の効率の依存性を分析した結果、密度を増加させて、場の力を強くし、エンタルピー(および温度)を低くすることにより、効率を向上できることが分かる。このように極めて高密度に、さらに、場の力を極めて強く設定することにより、第1の要素:m(t)(1−ρ3’/ρ)(KP/ρ−ah+u /2)を無視することができ、かつ、ρ/ρが1に近付くので、おおよその理論的な効率として:
29. η=E3’−4(t)/Q2−3(t)=[m(t)(1−ρ/ρ)aR]/[m(t)(1−ρ/ρ)[(KP/ρ−ah+u /2)+(aR)]]
が得られる。
KP/ρ−ah+u /2=TOTと定義すると、TOTは、場の力が強くなるにつれて小さくなる(しかし、決して0以下にはならない。なぜなら、流体の回路が成立しなくなるからである)。つまり:
30. 最大で、η=(aR)/(TOT+aR)<1
となる。
以上の定義によると、当該方法の効率は、そのより完全な式(式28)であろうと近似式(式30)であろうと、力場の強さと高温の流体の総エネルギーとの比に依存する。ただし、この結論は、カラム間の、符号3’ならびに符号1(および符号4)に対するエネルギー密度差が、符号3’での質量m(t)あたりのエネルギー密度と符号1(および符号4)での質量m(t)あたりのエネルギー密度との差に等しいことに基づく。
ステーション1(またはステーション4)からステーション3’までの流れの質量m(t)について、その質量と力場とのエネルギー交換を分析するにあたって、以下のことが考慮される。
エネルギー保存の法則により、チャネル1−2内に存在する所与の質量m(t)の流体は、当該チャネル1−2のどのステーションにおいても、符号1(または符号3’)に対して、一定のエネルギーを有する。同じことが、符号3から符号3’内に存在する流体にも当てはまる。
他形態の複数種のエネルギーの合計(ポテンシャルエネルギーを除く)+ポテンシャルエネルギー=総エネルギーなので:
31. E=(m(t)/m)[EC other−mah]−0=(m(t)/m)[EC other−mah
32. E=(m(t)/m)[EC other+ma(R−h)]−maR=(m(t)/m)[EC other−mah
33. E=(m(t)/m)[EH other+ma(R−h)]−maR=(m(t)/m)[EH other−mah
34. E3’=(m(t)/m)[EH other−mah]−0=(m(t)/m)[EH other−mah
ステーション−ステーション間に注目すると、ステーション1からステーション2まで加算結合された、「他形態のエネルギー」(すなわち、当該系内の基準点に対するポテンシャルエネルギーを除くあらゆる形態のエネルギーの合計)は、−maR(具体的な数値としてm(t)ドロップを考慮するとき)である(ステーション3からステーション3’までの間では、同じくmaRである)。チャネル2−3内を流れる所与の流体質量およびチャネル3’−1内を流れる所与の流体質量の場合には、力線に対して垂直に流れるので、基準位置に対するポテンシャルエネルギーが変わらない。つまり、各サイクルにおける各流体質量は、符号1から符号2まで移動する際に受け取ったmaRを、符号3から符号3’の間で力場に返すので、保存力場との正味のエネルギー交換はゼロである。なお、定常状態では、所与の各時点における力線方向に流れる質量と力線方向に抗して流れる質量は互いに同一であるが、質量が保存されることを踏まえると、低温の流体は、高温の流体よりも高密度で且つそれに比例して高温の流体よりも低速で流れることになる。
保存力場およびカラム間の変化の結果としての、流体全体のポテンシャルエネルギーは、当該方法における重要な因子であり、以下で述べるようにして定量化することができる。符号1から符号2に沿った無作為のどの位置での各質量m(t)は、ステーション1から距離hC’の位置に質量中心を持ち、ポテンシャルエネルギーを除く複数種のエネルギー形態を互いに足し合わせた合計:EC’(t)otherを有する。このような質量m(t)は、ポテンシャルエネルギーを有する点では、ステーション2を基準としたエネルギー量とステーション1を基準としたエネルギー量とが、以下に示すように互いに異なる:
35. EC’(t)=m(t)[EC’(t)other−ahC’](ステーション1を基準とした場合)
36. EC’(t)=m(t)[EC’(t)other+a(R−hC’)](ステーション2を基準とした場合)
37. 式35と式36とでは、m(t)aRの差が存在する。
同じことが、符号3から符号3’間の無作為の位置での質量であって、ステーション3’から距離hH’の位置に質量中心を持つ質量にも当てはまる:
38. EH’(t)=m(t)[EH’(t)other−ahH’](ステーション3’を基準とした場合)
39. EH’(t)=m(t)[EH’(t)other+a(R−hH’)](ステーション3を基準とした場合)
40. 式38と式39とでは、m(t)aRの差が存在する。
なお、下付き文字H’C’を有する符号で表される数値は、いずれも、所与の無作為のステーションについての数値とする。
したがって、上記の差は、ステーション−ステーション間の流路1−2、または流路3−3’に沿ったどの位置においても変わらない。しかしながら、符号1から符号2間の流体全体は、mのうちのm/m単位で構成され、符号3から符号3’の流体全体は、mのうちのm/m単位で構成される。
このように、符号1から符号2間の流体全体としての、符号2を基準とした場合の総エネルギーと符号1を基準とした場合の総エネルギーとの差はmaRであり、符号3から符号3’間の流体全体としての、符号3を基準とした場合の総エネルギーと符号3’を基準とした場合の総エネルギーとの差はmaRである。
このことは、当該系内の各可動粒子の各位置が、保存力場の条件と、温度差に起因する密度差の条件とに影響されることに由来する。
つまり、符号3’を基準とした場合のポテンシャルエネルギーと、符号1を基準とした場合のポテンシャルエネルギーとの間にも、以下のポテンシャルエネルギー差が存在する:
41. maR−maR=maR(1−m/m)=maR(1−ρ/ρ)、
あるいは、別の次式で表される。
42. maR−maR=maR(m/m−1)=maR(ρ/ρ−1)
このポテンシャルエネルギーは、特定の粒子や質量に起因するものではなく、流体全体の質量および循環流路に沿ったその質量分布に起因するものである。そのため、m(t)部分(このm(t)はその位置およびその体積も包含している)に適用できるポテンシャルエネルギーの値を表現しようとすると、どのm(t)を基準に選択するのかによってその値が変化する。ここで、m(t)は、高温カラム内に存在するmのうちのm(t)、あるいは、低温カラム内に存在するmのうちのm(t)、あるいは、流体質量全体のうちのm(t)である。
前述の式15において、質量のうちのm(t)部分について、高温カラム内に存在する流体のエネルギーを基準として符号3’から符号1間の出力エネルギーを表現した場合:
43. m(t)aR(1−ρ/ρ
となる。
同じ表現のE3’−1(t)を、高温カラム内に存在する流体のエネルギーではなく、低温カラム内に存在する流体のエネルギーを基準として計算すると:
3’−1(t)=m(t)(ρ/ρ−1)[m −1C other−ah]+m(t)(ρ/ρ−1)aR
となり、この場合のポテンシャルエネルギー成分は:
44. m(t)aR(ρ/ρ−1)
である。
aR(1−ρ/ρ)は、流体全体に起因するポテンシャルエネルギーであり、当初(original)の保存場の方向ではなく、当該方法の循環路1−2−3−3’−4−1に沿って巡り回って蓄えられるポテンシャルエネルギーである。このポテンシャルエネルギーは、流体全体が循環運動で自発的に加速する傾向として現れる。すなわち、言い換えるとこのポテンシャルエネルギーは、基準座標系に対する流体の循環の非対称的な慣性として現れる(当該方法において、この循環の非対称的な慣性は、定常状態を達成するように負荷によって減少される(countered))。負荷が符号3’と符号4との間に位置しているので、この慣性は符号3’と符号1との間のポテンシャルエネルギー差として定量化することができる。このポテンシャルエネルギーを通じて、入力熱により、1−2−3−3’内に存在する流体は、符号3’から符号4間の流体に対して正味のエネルギー密度差を有する。負荷が、定常状態を持続させるためのエネルギー密度勾配をもたらす乱れ(disruption)となる。したがって、その正味のエネルギー密度差は、符号3’から符号4でのエネルギー密度差(結果として、圧力差)として表れる。そして、このエネルギー密度差は:maR/V−maR/V=(1−ρ/ρ)ρaRとなる。このようなエネルギー密度差は、当該方法の回路に沿った、負荷が設けられるいかなる位置にも存在しうる。
当該方法の環境において、その熱エネルギーは、粒子間のミクロレベルの対称性衝突であって、全体として特定の方向を有さないランダムな衝突として表すことができる。これは、上記のメカニズムを介して直接、当該回路の接線方向であって、特定の循環方向に働く正味の力を生成するエネルギー(及びエネルギー密度差)に変換される。そして、その流体全体またはそのうちのm部分のポテンシャルエネルギーの大きさは、力場の強さに依存するaRと、高温の流体/低温の流体の密度比に依存する(1−ρ/ρ)との2つの要素に依存する。このうちの2つ目の要素は、その高温の流体/低温の流体の温度比に、当該方法の各種パラメータによる係数を乗算したものに由来する。
出力/入力エネルギーは:Q2−3(t)/m(t)=E3’−1(t)/m(t)=(1−ρ/ρ)[m −1H other−ah]+(1−ρ/ρ)aRで表される。入力熱がその合成された「他形態の複数種のエネルギー」を増加し、低温カラムから高温カラムへの間である符号2−符号3間を通過する各m(t)のポテンシャルエネルギーを増加する。そして、出力仕事(および必要に応じて熱流出の量)により、その合成された「他形態の複数種のエネルギー」が減少し、高温カラムから低温カラムへの間である符号3’−符号1間を通過する各m(t)のポテンシャルエネルギーが減少する。力場の強さが、各入力熱あたりの、ポテンシャルエネルギー成分への配分と「他形態の複数種のエネルギー」成分への配分との配分割合に影響する。所与の単位エネルギー入力あたりにつき、場の力が強くなると、aRが増加し(−ahがさらに負になる)、ポテンシャルエネルギー成分部分の増加が得られると共に「他形態の複数種のエネルギー」部分の増加が減少し、入力熱に対する有用な出力の比(すなわち、効率)が向上する。ステーション−ステーション間の当該方法の挙動を理解し易くするために、流動運動エネルギーの変化による当該方法の温度分布への影響が無視可能な程度のものであることを考慮すると、hから符号3’までの距離のほうが符号1からhまでの距離よりも短いことから、符号3から符号3’間の流体全体としての温度(質量のエネルギー中心hでの温度)(TH)と符号1から符号2間の流体全体としての温度(質量のエネルギー中心hでの温度)(T)との温度差は、符号2−符号3間での温度上昇の量よりも低いと言える。また、定常状態において、符号3’から符号1間での温度低下の量は、符号2から符号3間での温度上昇の量に等しい。さらに、符号3と符号3’との間の温度差は、符号1と符号2との間の温度差に等しい。「他形態の複数種のエネルギー」成分:(1−ρ/ρ)[m −1H other−ah]のうちの「−ah」要素は、流体のうちの所与のm(t)部分各々がステーション3’の負荷に達する前に、そのポテンシャルエネルギー:m(t)ahを当該系に返すことが、その存在理由であると言える。つまり、符号3−符号3’間の高温流体の質量中心において前記「他形態の複数種のエネルギー」成分の数値は:m −1H otherとなる。このことは、前述の式39を用いてE3’を定量化した場合の結果からも明らかである。
(第2の例示的構成)
図3に示すように、この構成は、加熱/冷却源(加熱/冷却環境)の位置および断熱/熱伝導領域の位置を除いて第1の例示的構成と同一である。この構成の説明においても、損失については無視する。また、寸法比や力場については第1の例示的構成と同じである。説明を分かり易くするために、この回路は、ステーション33−ステーション33’間の加熱用の熱交換領域と、ステーション31−32間の必要に応じて設けられる冷却用の別の熱交換領域とを除いて完全に断熱されている。前記回路は、さらに、粒子の流れから受け取るエネルギーを有用な出力エネルギーに変換する、前述した符号3’から符号1間の負荷と同様であり、断熱された負荷を、符号33’−符号34に含む。したがって高温カラムでの加熱、および必要に応じておこる低温カラムでの冷却は、以下で述べる順番で行われる:まず、第1の例示的構成では、符号33から符号33’(符号3から符号3’)間を上方向に流れる質量m(t)のエネルギーは、流路に沿った任意の位置において合計が一定になり、各エネルギー成分がその流路に沿って徐々に互いに値が変化するものであった。しかし、前記合計が一定とならない第2の例示的構成では状況が異なる:第2の例示的構成では、第1の例示的構成において一定であったm(t)のエネルギーの合計に対し、非断熱の(断熱されていない)壁からの入力熱が加わる。この入力熱は、m(t)のエネルギーレベルに対して徐々に加算される。その中でステーション33の入力からステーション33’(負荷に進入する入力ポイントでもある)の出力までに質量m(t)に加わる熱の合計は、第1の例示的構成のQ2−3(t)に対応して比較可能なようにQin(t)と定義する。
同じことが、低温カラム内に存在する流体にも当てはまる:まず、第1の例示的構成では、符号31から符号32間を下方向に流れる質量m(t)のエネルギーは、流路に沿った任意の位置において合計が一定になり、各エネルギー成分がその流路に沿って徐々に互いに値が変化するものであった。しかし、前記合計が一定とならない第2の例示的構成では状況が異なる:第2の例示的構成では、第1の例示的構成において一定であったm(t)のエネルギーの合計から、非断熱の(断熱されていない)壁からの出力熱が取り除かれる。この出力熱は、m(t)のエネルギーレベルから徐々に取り除かれる。その中でステーション31(負荷から脱出するポイントでもある)の入力からステーション32までの質量m(t)からの熱出力の合計は、第1の例示的構成のQ4−1(t)に対応して比較可能なようにQout(t)と定義する。第2の例示的構成では、力場に対して垂直な符号32−符号33間が断熱されており、ステーション32でのm(t)のエネルギーはステーション33でのm(t)のエネルギーに等しい。
各カラムでのエネルギーは、熱流により、流路に沿って変化し得るものの、定常状態では、所与の時点における各カラム内の流体全体としてのエネルギーの合計が、以下のように定量化可能である:
なお、以下に述べる式中、EH31,EC31,EH32,EC32,EH other,EC other,EPH31,EPH32,m,m,R,a,V,P33’31,ρ33’34,K,P,V33’(t),V34(t),EKin33’,EKin34,u33’,ρ33’,ρ34,P33’,P34は、第1の例示的構成の加熱の場合と同じ意味を持つ。hは、ステーション31から低温カラム内に存在する流体の質量中心(m)までの距離であって、符号31に対する当該mのポテンシャルエネルギーを定量化するのに利用可能な距離である。hは、ステーション33’から高温カラム内に存在する流体の質量中心(m)までの距離であって、符号33’に対する当該mのポテンシャルエネルギーを定量化するのに利用可能な距離である。EH31(t)は、高温カラム内に存在する質量m(t)部分の、符号31(または符号33’)に対する平均エネルギー値である。EC31(t)は、低温カラム内に存在する質量m(t)部分の、符号31(または符号33’)に対する平均エネルギー値である。Eout(t) theoreticalは、定常状態において当該方法のエネルギーが平衡状態であること、さらに、符号33’と符号31との間にエネルギー保存の法則が適用されることに基づいて算出される、符号33’でのm(t)のエネルギーと符号31でのm(t)のエネルギーとのエネルギー差である。これは、E33’−31(t)の算出値及びE33’−34(t)の算出値でも同じである。Eout(t)realは、負荷でエネルギー密度が低下すること、さらに、定常状態の当該方法において符号33’と符号31との間にエネルギー保存の法則が適用されることに基づいて算出される、符号33’でのm(t)のエネルギーと符号31でのm(t)のエネルギーとのエネルギー差である。これは、E33’−31(t)の算出値及びE33’−34(t)の算出値でも同じである。Qin(t)は、符号33−符号33’間で流体に加わる熱入力であり、定常状態におけるステーション33での質量m(t)とステーション33’での質量m(t)とのエネルギー差である。Qout(t)は、符号31−符号32間で流体から取り除かれる熱出力であり、定常状態におけるステーション31での質量m(t)とステーション32での質量m(t)とのエネルギー差である。ρは、低温カラム内に存在するmの平均密度である。ρHは、高温カラム内に存在するmの平均密度である。ηは、当該方法の効率であり、時間tのあいだの熱入力Qinに対する、同じ時間tのあいだの有用な出力仕事Eout(t)の比として定義される。
チャネル33−33’(「高温カラム」とも称される)内に存在する流体全体としての、符号31および符号33’に対するエネルギーの合計は:
45. EH31=EH other−EPH31=EH other−mah
で表される。
チャネル31−32(「低温カラム」とも称される)内に存在する流体全体としての、符号31および符号33’に対するエネルギーの合計は:
46. EC31=EC other−EPC31=EC other−mah
で表される。
チャネル33−33’内に存在する流体全体としての、符号33および符号32に対するエネルギーの合計は:
47. EH32=EH other+EPH32=EH other+ma(R−h
で表される。
チャネル31−32内に存在する流体全体としての、符号32および符号33に対するエネルギーの合計は:
48. EC32=EH other+EPC32=EC other+ma(R−h
で表される。
符号31−符号32間に存在する流体全体としての、符号32に対するエネルギー密度と、符号33−符号33’間に存在する流体全体としての、符号33(および符号32)に対するエネルギー密度とは:
49. EH32/V=EC32/V
で表されるとおり等しい。これは、エネルギー密度差を引き起こす負荷がないからである。
式47〜式49から:
50. [EH other+ma(R−h)]/V=[EC other+ma(R−h)]/V
となり、この式から:
51. EC other=EH other+ρVa(R−h)−ρVa(R−h)、
(∵m=ρV、m=ρV)
が導き出される。
52. EH31/V−EC31/V=E3’(t)/V33’(t)−E34(t)/V4(t)=[EH other−mah]/V−[EC other−mah]/V=[EH other−ρVah−EH other−ρVa(R−h)+ρVa(R−h)+ρVah]/V=(ρ−ρ)aR=(1−ρ/ρ)ρaR
53. E33’−31(t)=E33’−34(t)=E33’(t)−E31(t)
54. E32−33(t)=0;E32(t)=E33(t)
高温カラム内に存在する質量m(t)部分の、ステーション31(またはステーション33’)に対する平均エネルギー値は:
55. EH31(t)=EH31(m(t)/m
である。
低温カラム内に存在する質量m(t)部分の、ステーション31(またはステーション33’)に対する平均エネルギー値は:
56. EC31(t)=EC1(m(t)/mC
である。
各カラムに沿った熱流入/熱流出パターンは複雑であり、多数の変数に依存する。したがって、説明を簡略化するために、まず、この入力熱の量が、このカラム内に存在するm(t)の平均エネルギーに対し、ZQin(t)を含むことができるレートで、流路33−33’間におけるm(t)に加えられると仮定する。低温カラムについても同様の仮定を行う:またその出力熱が、このカラム内に存在するm(t)の平均エネルギーに、−ZQout(t)を含めることができるレートで流路31−32間におけるm(t)から取り除かれると仮定する。Zは1未満の正の整数であり、各カラムの熱流パターンを表す:熱伝達の大半が、カラム流入後に当該カラムの入力点近傍で起きる場合には、Zの数値は高くなる(その逆も然り)。熱流入/熱流出は、符号33から符号33’間付近の外部の高温環境および符号31から符号32間付近の必要に応じて設けられる外部の低温環境により起こる。
以上を踏まえて:
57. Eout(t)=E33’−31(t)=E33’(t)−E31(t)
58. E31(t)−Qout(t)+Qin(t)=E33’(t)
となる。したがって:
59. Eout(t)=Qin(t)−Qout(t)
である。
60. EH31(t)=E33(t)+ZQin(t)
61. EC31(t)=E31(t)−ZQout(t)=E32(t)+(1−Z)Qout(t)=E33(t)+(1−Z)Qout(t)
62. EH31(t)−EC31(t)=Z(Qin(t)−Qout(t))+(2Z−1)Qout(t)
なので、定常状態の流れでは:
63. Eout(t) theoretical=(1/Z)[(EH31(t)−EC31(t))−(2Z−1)Qout(t)]=(1/Z)[(m(t)/V)(ρ −1H other−ρ −1C other)−m(t)a(h−h)−(2Z−1)Qout(t)]=(1/Z)[m(t)(1−ρ/ρ)[K(P/ρ)+a(R−h)+u /2]−(2Z−1)Qout(t)
となる。
この式から、Zが1に等しい場合は、前述した第1の例示的構成と同一条件になることが分かる。すなわち、各方法のサイクル毎に、ステーション33から高温カラムに入る前に流体の加熱が全て行われると共に、ステーション31から低温カラムに入る前に流体の冷却が全て行われるからである。つまり、第1の例示的構成は、それ自体、第2の例示的構成の個別の例(private case)であるとも言える。その場合:
64. Qin(t)−Qout(t)=(1/1)[m(t)(1−ρ/ρ)[K(P/ρ)+a(R−h)+u /2]−(2−1)Qout(t)
65. Qin(t)=[m(t)(1−ρ/ρ)[K(P/ρ)+a(R−h)+u /2]
となる。
当然ながら、Zを、熱入力に関する変数と熱出力に関する変数との2種類の異なる変数であって、実際の当該方法の性能を最適化するように別個に調節可能な2種類の異なる変数に「変更(tweak)」してもよい。以下では、効率に関する説明を簡略化するために、一例として、双方のカラムに関して共通にZ=0.5とした場合を考える。その場合:
66. Eout(t) theoretical=2(EH31(t)−EC31(t))=2(m(t)/V)(ρ −1H other−ρ −1C other)−m(t)a(h−h)=2m(t)(1−ρ/ρ)[K(P/ρ)+a(R−h)+u /2]
となる。
この算出値に関して、エネルギー保存の法則および負荷でのエネルギー密度の低下を踏まえると、実際の有用な出力は:
67. Eout(t)real=E33’(t)−E31(t)=(KP33’33’(t)+EKin33’+E)−(KP3434(t)+EKin34+E)=V33’(t)(KP33’+ρ33’33’ /2)−V4(t)(KP+ρ3434 /2)=V33’(t)(KP33’+ρ33’33’ /2)−V34(t)(KP33’+ρ33’33’ /2−(1−ρ/ρ)ρaR)= =(KP33’+ρ33’33’ /2)(V33’(t)−V34(t))+(1−ρ/ρ)ρaR)V34(t)=m(t)(1−ρ3’/ρ)(KP33’/ρ33’+u33’ /2)+(ρ/ρ34)m(t)(1−ρ/ρ)aR
68. Qin(t)=Eout(t)+Qout(t)=2(EH31(t)−EC31(t))+Qout(t)
となる。
実際の条件下での効率を定量化するにあたって、符号31−符号32間の出力熱Qout(t)が当該方法の定常状態を維持するのに必要なレベルであるようにされて、Eout(t)realは常にEout(t)theoreticalに等しくなる。ただし、効率=100%となる理論的な方法に対して、その条件はEout(t) theoretical=Qin(t)である。このとき、その理論的方法に対して、Qout(t)=0となる。
この点を踏まえると、効率は、次に述べるように実際の有用な出力エネルギーと理論的な最良の効率が得られる方法の入力熱Qin(t)との比であるとも定義できる:
69. η=Eout(t)real/Qin(t)={m(t)(1−ρ33’/ρ34)(KP33’/ρ33’+u33’ /2)+(ρ/ρ34)m(t)(1−ρ/ρ)aR}/{2m(t)(1−ρ/ρ)[K(P/ρ)+a(R−h)+u /2]}、あるいは、第1の例示的な構成で説明した近似式のように:
70. (Z=1/2のとき)η=aR/{2(m −1H other+a(R−h))}=aR/2(Tot+aR)<1/2
となる。
(当該方法を実際の装置で最適に再現するための幾つかの主な要件の概要)
−符号1から符号2間の流体副集団が曝される場の強さおよび符号3から符号3’間の流体副集団が曝される場の強さ、あるいは、符号31から符号32間の流体副集団が曝される場の強さおよび符号33から符号33’間の流体副集団が曝される場の強さを、互いに同一に設定する必要がある。保存力場による累積力は、装置毎に固有であるが、符号1から符号2の方向および符号3’から符号3の方向、ならびにそれら各々に対応して保存力場によって符号31から符号32の方向および符号33’から符号33の方向であり、流体副集団を構成する可動粒子の数と相関して変化し、または、その数に比例する。場の最大強度。;
−当該流体の温度は、流体の密度に影響を与える;
−符号1−符号2と符号3−符号3’とが互いに等しいこと、符号31−符号32と符号33−符号33’とが互いに等しいこと;
−適切な負荷が符号3’と符号4との間に設けられていること、適切な負荷が符号33’と符号34との間に設けられていること;
−可動粒子の流れに対する抵抗が最小限に抑えられた導通チャネルであって、かつ、本明細書におけるその他の要件も満たす導通チャネル;さらに、
−定常状態における可動粒子の流れと力場との間の、正味の相互作用がゼロであること。
(当該方法を実際の保存力場および実質上の(effectively)保存力場に適用するための要件)
当該方法は、可動粒子をゼロでない保存力場(力線を有する保存力場)に曝すことを前提とする。一部の種類の場、例えば一定の電場、一定の重力場などは、複雑ではなくまた真っ直ぐであり(straight-forward)、慣性座標系で表すことができる。別の種類の場、例えば遠心力場、磁場(可変磁場、移動電荷に作用する磁場等)などの場合には、そうした力場に保存性を実現するための、当該方法に係る特定の条件を満たす必要がある。ただし、当該条件が満たされた場合には、その場を、当該方法における実質上の保存力場として見なすことができる。
そのような条件を満たすことにより、本明細書で説明する原理にしたがい、当該方法を実施することができる。
図5〜図8に、4種類の異なる力場をそれぞれ用いた、当該方法の4つの具体例を示す。これらは、従来技術のように重力場に当該方法を適用する場合と(図5)、従来技術のように遠心力場に当該方法を適用する場合と(図7)、電場に当該方法を適用する場合と(図6)、磁場に当該方法を適用する場合(図8)とである。これら4つの図のどの具体例も、当該方法を、それぞれ適切な座標系で表している:重力場と電場については慣性座標系で表し、遠心力場については回転座標系で表し、磁場については並進座標系で表している。並進座標系とは、ここでは慣性座標系であり、チャネルが磁場の力線に対して垂直な所与の並進速度を有する座標系のことである。このように磁場に対して当該座標系を選択しているが、これは数多くの選択肢のうちの一つに過ぎない。というのも、当該方法であれば、当該系が並進運動を行う場合も、回転運動を行う場合も、その他の運動を行う場合も、さらには、当該系が動かない系(固定された系)である場合(その場合、この電磁場の強さは経時的に波状に変化し得る)にも、電磁場を実質上の保存力場とすることができるからである。
これらの具体例における回路1−2−3−3’−4内の全ての粒子は、それぞれの適切な座標系で、保存力場に曝されている。これにより、各粒子は、符号1から符号2に流れる際に、さらには、符号3から符号3’に流れる際に、その座標系内の位置(point)に対するポテンシャルエネルギーが変化するが、1つのフルサイクルが一旦終了すると(例えば、符号1から前記回路を巡って再び符号1に戻った際には)、粒子のポテンシャルエネルギーに変化はない。
図7及び図8に示す2種類の具体例では、場により、流れにそった方向又は流れと反対方向に作用する保存力場成分(element)に加えて、流れ方向に対して垂直な方向への前記チャネルの運動を(当該チャネル内に存在する流体の流れ方向に応じて)減速させるか又は加速させる力が働く。定常状態では、一方に移動する質量と他方に移動する質量とが同一であり、かつ、当該系における質量分布が長期的にみて変化しないことにより、上記一方の力と他方の力とが互いに完全に相殺し合う。
保存力により、2種類の副集団のうちの一方の副集団にはその流れ方向に力が働き、他方の副集団にはその流れ方向に抗する方向に力が働く。これらの力の強さは、それぞれの集団に含まれる粒子の総数、すなわち、密度に依存する。ここで、カラム間の密度差がゼロではないことから、前記2種類の力の合計はゼロにならない。
流れ方向に対して垂直な方向に働く力の場合、これら互いに反対方向に働く力は、密度に依存するだけでなく、速度にも依存し、さらに、質量が保存されるので、互いに完全に相殺し合う。このことは、全ての個別例(private cases)に当てはまる。一方の集団は前記チャネルの流速を遅らせ、他方の副集団は当該チャネルの流速を速めることから、総合的な作用はゼロになる。
どのような動作状況であっても、つまり、電磁場に曝す構成が、チャネルが動く構成のものであっても、動かないチャネルであっても、低温の流体の集団を含んで一方に流れるチャネルと高温の流体の副集団を含んで他方に流れるチャネルは、互いに同じサイズのチャネルとされる。
2種類の副集団間において、単位時間あたりに各方向に流れる質量が等しい、相対する方向の流体の流れでは、流れによる力場(又は当該力場の生成源)とのエネルギー交換量の合計はゼロになる。この原理が一旦成立すると、前記力場は、その選ばれた座標系において、回路1−2−3−3’−4−1(最適の性能を有するようにチャネル1−2の長さとチャネル3−3’の長さは互いに同一に設定されている)内の可動粒子に作用する指向性の保存力場として分析可能である。また、流れ方向に対して垂直な方向に働く前記力は、チャネルの断面積に沿った粒子分布にまさに影響を及ぼす。この粒子分布は、チャネルの有効断面積Aに影響する因子であり、チャネル損失に影響し得る。しかしながら、この影響は、一度考慮に入れてしまえば無視可能なものである。いずれにせよ、定常状態において、この影響は、前述した互いに反対方向に働く力同士による相殺を変えるものでもなければ、流体の流れと力場との正味のエネルギー交換量がゼロであることを変えるものでもない。本明細書では、各回路に適用可能な保存力を一般式:F=maで表すが、その各具体例の場合において、力場/粒子の種類に応じて、例えばF=qE+qBu、F=mΩr、F=mgなどの式に変更され得る。
第1及び第2の例示的構成での効率は、力場での流体全体としての循環加速特性の観点から分析可能であるが、条件しだいでは不安定な挙動となる:
第1の例示的構成(図1)の場合、流体全体が、座標系に対して循環の非対称的な慣性挙動を表すので、その回路に沿った循環運動で加速する傾向を示す。そのため、定常状態を達成するには、負荷により、指向性の運動エネルギーの変化の影響にかかわらず、流体を加速させる力と同等の抗力を生成する必要があり、つまり、圧力差(カラム間の圧力差に等しい)を生成する必要がある。なぜなら、定常状態では、ステーション−ステーション間の運動エネルギーの変化は、回路1−2−3−3’−4内の流体を全体として加速させたり減速させたりする影響を持たないからである。これらを踏まえて、効率の計算は以下のようになる:
当該方法の状況において、エネルギー密度差:EH1/V−EC1/Vは、(1−ρ/ρ)ρaRに等しい。さらに、このエネルギー密度差は、保存力場により流体副集団が受ける静的な力の結果なので、以下のように純粋な圧力差となる:
71. ΔF3’1=ΔF3’4=ma−ma=m(1−ρ/ρ)a=ρV(1−ρ/ρ)a
72. ΔP3’1=ΔP3’4=(ma−ma)/A=(m(1−ρ/ρ)a)/A=(ρV(1−ρ/ρ)a)/A=(1−ρ/ρ)ρaR
上記の力の差および結果的に圧力差は、流体全体集団としての循環加速傾向全体をゼロにするのに必要な力の差/圧力差である。これは、安定した流速を持つ定常状態を得るための要件である。定常状態では、ステーション−ステーション間で指向性の運動エネルギーが変化しても、長期的にみて流体全体としての流れのどのパラメータにも変化はなく、つまり、前記力との相互作用はないので、前記力の差に影響は及ばない。したがって、この力は、当該方法の座標系からみて、保存力場により、流体全体に対して働く流路回路の接線方向の静的な力となる。
符号3’に存在する質量m(t)の流体は、4−1−2−3−3’の範囲(band)における流体(符号3’に向かって加速する傾向を示す流体)と負荷との相互作用の結果としての圧力を有する。
符号4に存在する同一の質量m(t)の流体は、先述と同じ4−1−2−3−3’ の範囲における流体(符号4から離れるように加速する傾向を示す流体)と負荷との相互作用の結果としての圧力を有する。これら2つのステーション間の圧力差は、(1−ρ/ρ)ρaRとなる。この数値は、定常状態において、温度の変化に依存せず、さらに、符号3’及び符号4に存在する特定の質量m(t)の体積又は流速にも依存せず、むしろ、当該方法の全体的な平衡状態に依存する。
よって、この要件を踏まえた上で、効率は:
73. η’=E3’−4(t)/Q2−3(t)=[(KP3’3’(t)+EKin3’+E)−(KP4(t)+EKin4+E)]/Q2−3(t)=[V3’(t)(KP3’+ρ3’3’ /2)−V4(t)(KP+ρ /2)]/Q2−3(t)=[V3’(t)(KP3’+ρ3’3’ /2)−V4(t)(K(P3’−(1−ρ/ρ)ρaR)+ρ /2)]/Q2−3(t)=[KP3’(V3’(t)−V4(t))+(ρ/ρ)Km(t)(1−ρ/ρ)aR+m(t)3’ /2−m(t) /2]/Q2−3(t)
となるので:
74. η’=[m(t)(1−ρ3’/ρ)(KP3’/ρ3’)+m(t)(1−ρ3’ /ρ )(u3’ /2)+(ρ/ρ)Km(t)(1−ρ/ρ)aR]/[m(t)(1−ρ/ρ)(KP/ρ−ah+u /2)+m(t)(1−ρ/ρ)aR]
である。
高圧高密度に設定し、さらに、場の力を強くすることにより、上記の近似式における要素:m(t)(1−ρ3’/ρ)(KP3’/ρ3’)+m(t)(1−ρ3’ /ρ )(u3’ /2)は小さくなる。そして、これらの条件により当該要素が無視可能となり、かつ、ρ/ρが1に近くなるので、上記のη’の近似式を:
75. η’=[KaR]/[TOT+aR]
とできる。
場の力が十分に強い条件の場合では、状態は、η’=1となる所定の(given)閾値レベルに達するまでは安定している。このレベルを超えると状態は不安定になり、見かけのη’>1を得るための過剰に要求されたエネルギーが不安定な遷移によって前記場及び流体から取り除かれる。そして、効率が下げられ定常状態に再び達するまで当該系の積極的な冷却が生じる。(実際の効率が平衡状態を超えることはない。非定常状態であるその遷移状態では、エネルギー入力において、外部の場の関与と熱入力前の流体エネルギーである。)このことは、前述のηの分析からみると一見必要であるようにも考えられ得る、外部の低温の環境による追加の冷却を必要としない、および/または、有用な出力エネルギーの一部を当該系の追加の冷却に使用する必要がない、実質上の単一源の系(one source system)を示している。そうした単一源(one source)は、熱力学第二法則に反することになる。
第2の例示的構成(図3)の場合、例えばZ=0.5であるとすると、効率は:
76. η’=[KaR]/2[TOT+aR]
となる。
当該方法では、可動粒子の温度−密度の関係が反転する条件、具体的には、流体の温度上昇と共に当該流体の密度が増加するという条件もあり得る。そのような条件下でも、当該方法は、力場の方向が反転する条件で同じ原理で機能する。重要な点としては、このような状況で、負荷での圧力損失による膨張作用がもたらす効果と、符号3’−符号4または符号33’−符号34でのエネルギー出力による温度低下がもたらす効果とが同一になる点が挙げられる。具体的に述べると、両者とも、密度を減少させるように作用する。
必要に応じて、符号4、符号24、符号34または符号44において、有用な出力エネルギーの一部を、可動粒子を冷却して定常状態を維持するようにフィードバックさせてもよい。
符号23’−符号24または符号43’−符号44において負荷を通過することで流体の冷却を十分に行える場合(図2及び図4)、さらにステーション24,34(または34に対応する44)の後に流体の冷却を行う必要はない。その場合、回路外部の低温の環境との熱交換による冷却が必要ないので、(各々、図1および図3の場合と比べて)区域24−21または41−42も断熱される。
なお、本発明は、実施の態様として以下の内容を含む。
[態様1]
熱エネルギーから有用なエネルギーを生成する方法であって、
導通チャネル(1−2−3−3’−4−1;31−32−33−33’−34−31)の一方向の流れの閉じた回路内に閉じ込められた可動粒子の集団全体(overall population of mobile particles)が、遠心力場又は重力場を除く保存力場に曝されており、あるいは、実質上の保存力場に曝されており、
前記回路は、2つの非並設の領域を除いて断熱されており、2つの領域のうち、第1の領域(2−3;33−33’)は、当該回路外部の高温の環境との熱交換による加熱(Qin)が可能であり、第2の領域(4−1;31−32)は、必要に応じて、当該回路外部の低温の環境との熱交換による冷却(QOUT)が可能であり、
前記閉じた回路には、前記可動粒子の流れから受け取るエネルギーを有用な出力エネルギーに変換する負荷(3’−4;33’−34)が設けられており、
前記負荷は、流れ方向において、非断熱の前記第1の領域(2−3;33−33’)の後に位置しており、
前記一方向の回路のうち、前記負荷の前に位置する部位(3−3’;33−33’)と前記負荷の後に位置する部位(1−2;31−32)との2つの部位における流速の方向が、前記保存力場または前記実質上の保存力場と平行であるか又はそれと平行な成分を有しており、これらの部位のうち、一方の部位には可動粒子が高温で流れ、他方の部位には可動粒子が低温で流れており、
前記保存力場の方向は、前記回路のうちの前記部位における前記低温の流体の前記流速方向又は前記低温の流体の流速方向の成分の方向に対して、選択された(chosen)前記可動粒子の密度が温度上昇と共に減少する場合には、同一方向であり、前記選択された前記可動粒子の密度が温度上昇と共に増加する場合には、逆方向である、方法。
[態様2]
態様1に記載の方法において、前記の非断熱の2つの領域のそれぞれの長さを、必要に応じて変化させる、方法。
[態様3]
態様1または2に記載の方法において、前記有用な出力エネルギーのうちの一部を、必要に応じて、前記可動粒子を冷却して定常状態を維持するためにフィードバックさせる、方法。
[態様4]
態様1から3のいずれか一態様に記載の方法において、前記可動粒子は、前記回路の前記チャネル内を自由に移動する粒子であり、帯電又は非帯電の、電子、イオン、電気的に中性な原子、分子のいずれかであり、理想気体、縮退気体、液体、固体、半固体、プラズマ、超伝導体のいずれかの状態である、方法。
[態様5]
態様1から4のいずれか一態様に記載の方法において、前記保存力場または前記実質上の保存力場が、電場(E)または磁場である、方法。

Claims (5)

  1. 熱エネルギーから有用なエネルギーを生成する方法であって、
    導通チャネル(1−2−3−3’−4−1;31−32−33−33’−34−31)の一方向の流れの閉じた回路内に閉じ込められた流体である可動粒子の集団全体(fluidic overall population of mobile particles)が、遠心力場又は重力場を除く保存力場に曝されており、あるいは、実質上の保存力場に曝されており、
    前記回路は、2つの非並設の領域を除いて断熱されており、2つの領域のうち、第1の領域(2−3;33−33’)は、当該回路外部の高温の環境との熱交換による加熱(Qin)が可能であり、第2の領域(4−1;31−32)は、必要に応じて、当該回路外部の低温の環境との熱交換による冷却(QOUT)が可能であり、
    前記閉じた回路には、前記可動粒子の流れから受け取るエネルギーを有用な出力エネルギーに変換する負荷(3’−4;33’−34)が設けられており、
    前記負荷は、流れ方向において、非断熱の前記第1の領域(2−3;33−33’)の後に位置しており、
    前記一方向の回路のうち、前記負荷の前に位置する部位(3−3’;33−33’)と前記負荷の後に位置する部位(1−2;31−32)との2つの部位における流速の方向が、前記保存力場または前記実質上の保存力場と平行であるか又はそれと平行な成分を有しており、これらの部位のうち、一方の部位には可動粒子が高温で流れ、他方の部位には可動粒子が低温で流れており、
    前記保存力場の方向は、前記回路のうちの前記部位における前記低温の流体の前記流速方向又は前記低温の流体の流速方向の成分の方向に対して、選択された(chosen)前記可動粒子の密度が温度上昇と共に減少する場合には、同一方向であり、前記選択された前記可動粒子の密度が温度上昇と共に増加する場合には、逆方向である、方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、前記の非断熱の2つの領域のそれぞれの長さを、必要に応じて変化させる、方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法において、前記有用な出力エネルギーのうちの一部を、必要に応じて、前記可動粒子を冷却して定常状態を維持するためにフィードバックさせる、方法。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の方法において、前記可動粒子は、前記回路の前記チャネル内を自由に移動する粒子であり、帯電又は非帯電の、電子、イオン、電気的に中性な原子、分子のいずれかであり、理想気体、縮退気体、液体、固体、半固体、プラズマ、超伝導体のいずれかの状態である、方法。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の方法において、前記保存力場または前記実質上の保存力場が、電場(E)または磁場である、方法。
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