JP6168988B2 - バイパス管及びこれを備えた真空式液体収集システム - Google Patents

バイパス管及びこれを備えた真空式液体収集システム Download PDF

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Description

本発明は真空式液体収集システムに係り、特に、真空管路に接続される改良されたバイパス管及びこれを備えた真空式液体収集システムに関するものである。
従来から、家庭や施設から排出される液体(例えば、生活排水などの汚水や工場排水)を収集する液体収集システムが存在している。液体収集システムとしては、単純な勾配を利用した自然流下式の液体収集システムの他、真空管路と真空ステーションを備えた真空式液体収集システムがある(特許文献1)。
図6(A)は、汚水を収集する場合の真空式液体収集システムの全体構成を例示する図である。図6(A)に示すように、各家庭130から排出された汚水は、地中の自然流下式汚水管131を通って地下の汚水ます132に流れ込む。汚水がこの汚水ます132の下部に一定量溜まると、汚水ます132内の上部に取り付けた真空弁133が開き、汚水ます132内の汚水は吸込管134に吸い込まれる。
吸込管134に吸い込まれた汚水は、真空弁133を経て、地中に張り巡らした真空管路101に入り、真空ステーション140の集水タンク141内に集められる。集水タンク141に溜った汚水は、圧送ポンプ142によって下水処理場などへ送られる。なお集水タンク141の内部及び真空管路101の内部を負圧にするために、集水タンク141には真空ポンプ143が接続されている。
図6(B)は、この真空式液体収集システムに用いられる真空管路101の接続状態を示す概略図である。同図に示すように、集水タンク141には1本または複数本の本管101−1が取り付けられ、この本管101−1には多数の枝管101−2が接続され、さらにこれら本管101−1や枝管101−2には真空弁133を取り付けた取り付け管101−3が接続され、全体としては木の枝状に敷設されている。
ところで、真空式液体収集システムにおいては、真空管路の破損などを想定して、真空管路網の合流部(あるいは、分岐部)などに区間弁を設置している。ここで「区間弁」とは、真空管路の途中に配置され、液体の流れを許容するか又は遮断するための開閉弁である。例えば、区間弁が開かれた状態の真空管路において、真空管路の途中に亀裂や穴あきが発生したり、真空管路の接続部で真空漏れなどの損傷が生じる場合がある。このような場合には、各部に設けられた区間弁を様々な組み合わせで開閉することで破損部を特定した上で、破損部の下流側に位置する区間弁を閉じる。これにより、破損部およびその上流側の真空管路網を液体収集システムから一時的に切り離すと共に、当該区間弁の下流側の液体収集システムを運転しながら、破損部を修理することが可能となる。
特開平3−87432号公報
しかしながら、上述のような真空式液体収集システムでは、以下に述べるような問題があった。図7は、真空管路101が木の枝状に敷設された状態を示す概略図である。このうち、図7(A)は真空管路101に破損が生じておらず、正常に運転されている。この
図7(A)では、すべての真空管路101の内部を液体が正常に流れている。
一方、図7(B)は、真空管路網の上流部の1箇所で破損が生じた状態を示している。図示の例のように、破損部Dが真空ステーション140から比較的遠い上流部であれば、液体収集システムから切り離される真空管路網の範囲R1は狭く限定されるので、大きな問題とはならない。図7(C)に示すように、破損部Dが真空ステーション140に比較的近い場合には、真空ステーション140に近い位置に設置された区間弁107が閉じられるため、真空管路網の大部分の範囲R2が液体収集システムから切り離されてしまう。その結果、真空管路101の破損時に正常運転できる真空管路網の範囲が極めて狭くなるという問題があった。
上記問題を解決するために、図8(A)に示すように、並列敷設される真空管路101a,101bの間にバイパス管103を接続し、そのバイパス管に区間弁108を設置する方法が考えられる。バイパス管103を用いることによって、液体収集システムから切り離される範囲を限定することができる。しかしながら、図8(B)に示すように、並列敷設された2本の真空管路101a,101bの敷設高さは必ずしも同じというわけではない。特に、2本の真空管路101a,101bの相互間距離100Lが大きい場合には、敷設高さが大きく異なる場合が多い。このため、バイパス管103を単純に真空管路101a,101bに接続するだけでは、方向P1へは下り勾配となって液体は円滑に流れるが、その逆の方向P2へは昇り勾配となって、液体が円滑に流れないという問題があった。
また、図9(A)は、主要道路に面した住宅団地の造成などで、主要道路に真空管路の本管121が敷設されている場合に、住宅団地内に真空管路の枝管122a、122bを敷設した例である。この図9(A)では、それぞれa系統(部位A→B)及びb系統(部位C→D)に3つの真空弁125が設けられている。各枝管122a,122bの下流側端部は真空管路の本管121に接続されている。図9(B)は、図9(A)の枝管122a,122bの縦断形状を示す図であり、何れの系統も単純な下り勾配となっている。図10は、図9に示す真空管路網で損傷が発生した場合を示す。部位B近傍で枝管122aの損傷が発生した場合、区間弁107が閉じられると、a系統の枝管122aはすべて液体収集システムから切り離されてしまう(点線範囲内)。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、真空式液体収集システムにおける真空管路が破損した場合であっても、真空管路網の運転を広範囲に維持でき、且つバイパス管内での双方向の液体の円滑な流れを可能とするバイパス管及びこれを備えた真空式液体収集システムを提供する。なお、本発明が解決しようとする課題はこれに限定されるものではなく、本発明の構成によって解決される他の課題も当然に含まれるものである。
上記課題を解決するために、第1の手段は、真空式液体収集システムの真空管路に接続されるバイパス管であって、前記真空管路の少なくとも2箇所に接続されると共に、中間部が最高位点となっており、上り勾配と下り勾配が交互に連続した階段状の縦断形状を有している、という構成を採っている。このような構成を採ることで、バイパス管は以下のように機能する。すなわち、バイパス管内の液体の流れの方向は、破損箇所に応じて決定される。このとき、バイパス管の両端部の高さ位置は必ずしも同じではない。しかしながら、バイパス管が階段状の縦断形状を有していることから、高い位置から低い位置に向かう方向はもちろん、低い位置から高い位置に向かう方向でも液体が円滑に流れる。
第2の手段は、第1の手段に加え、バイパス管には少なくとも1つの区間弁が設けられている、という構成を採っている。また、第3の手段は、第2の手段に加え、バイパス管
の両端部近傍に区間弁が設けられている、という構成を採っている。このような構成を採ることにより、真空管路からバイパス管への意図しない液体の流入を防いだり、バイパス管に破損が生じた場合に区間弁を閉じることで、バイパス管の一部を真空管路から切り離すことが可能である。
第4の手段は、第1から第3の手段の何れかに加え、バイパス管に少なくとも1つの真空弁が設けられる、という構成を採っている。こうすることで、バイパス管も真空管路と同様に、真空弁から汚水等の液体を吸い込み、これを真空管路に流すことができる。
第5の手段は、真空管路に接続される第1から第4の手段の何れかのバイパス管に加え、真空管路と、前記真空管路に接続される真空ステーションと、を備えた真空式液体収集システム、という構成を採っている。このような構成を採ることで、真空管路の何れかの部位において損傷が発生した場合でも、バイパス管を通して液体を収集することができる。特に、真空ステーションの近傍である下流側で損傷が発生した場合でも、バイパス管を介して他の真空管路で液体を収集できるため、運転停止の範囲を狭い範囲に限定することができる。
第6の手段は、第5の手段に加え、前記バイパス管は、並列敷設された2本の前記真空管路に接続されている、という構成を採っている。このような構成を採ることで、真空管路に損傷が発生した場合であっても、バイパス管を介して2本の真空管路の何れか一方を使って液体の収集を継続することができる。
第7の手段は、第5の手段に加え、前記バイパス管が前記真空管路の異なる2箇所に接続されてループ状の管路を形成している、という構成を採っている。このような構成を採ることで、ループ状の管路の何れかの部位で損傷が発生した場合でも、バイパス管を介して液体を収集することができるため、損傷部位以外の部分での液体収集を継続することが可能である。
第8の手段は、第5から第7の手段の何れかに加え、前記真空管路が、上り勾配と下り勾配が交互に連続した階段状の縦断形状を有している、という構成を採っている。このような構成を採ることで、仮に真空管路において液体を下方から上方に向かって流す必要が生じた場合でも、上述のバイパス管と同様に円滑に液体を流すことが可能である。
第9の手段は、第5から第8の手段の何れかに加え、前記バイパス管の内径は、接続される前記真空管路の内径以下である、という構成を採っている。真空管路にはバイパス管との接続部において、真空管路の上流側からの液体とバイパス管からの液体が合流するが、このような構成を採ることで、バイパス管の内径が真空管路の内径以下であるため、真空管路が上流側からの液体とバイパス管から流れ込む液体を併せて円滑に流すことができる。
第10の手段は、第5から第9の手段の何れかに加え、前記バイパス管は、前記真空管路における同じ内径を有する2箇所に接続される、という構成を採っている。このような構成を採ることで、バイパス管内の液体の流れ方向が、真空管路の破損部位に応じて逆になっても、真空管路とバイパス管の管径を同一とすることで、いずれの方向の流れも同一の条件にすることが可能である。
第11の手段は、第5から第9の手段の何れかに加え、前記真空管路には、前記バイパス管との接続部の下流側に区間弁が設けられている、という構成を採っている。このような構成を採ることで、接続部の下流側で真空管路の損傷が発生した場合でも、区間弁を閉じて下流側のみを液体収集システムから切り離し、残りの部分はバイパス管を介して液体
の収集を継続することができる。
本発明の一実施形態に係るバイパス管およびこれを備える真空式液体収集システムを示す概略図であり、図1(A)は正常運転状態を示し、図1(B)は真空管路の一部に損傷が発生している状態を示す。 図1に開示したバイパス管の縦断形状を説明するための図であり、図2(A)は真空式液体収集システムを示す概略図であり、図2(B)は図2(A)に開示したバイパス管の全体の縦断形状を示し、図2(C)はバイパス管の一部を拡大した図である。 図1に開示した真空式液体収集システムの各種運転状態を説明するための概略図であり、図3(A)は正常運転の場合を示し、図3(B)はa系統の真空管路の上流部で損傷が生じた場合を示し、図3(C)はa系統の真空管路の下流部で損傷が生じた場合を示し、図3(D)はb系統の真空管路の下流部で損傷が生じた場合を示す。 真空管路の本管に対してループ状の枝管が接続されて、この枝管にバイパス管が接続された真空式液体収集システムを示す図であり、図4(A)は概略図を示し、図4(B)は枝管とバイパス管の縦断形状を示す。 図4に開示した真空式液体収集システムの運転状態を示す概略図であり、図5(A)は部位Aの近傍で損傷が発生した場合であり、図5(B)は部位Dの近傍で損傷が発生した場合である。 真空式液体収集システムの従来例を示す図であり、図6(A)は液体収集システム全体の概略図であり、図6(B)は真空ステーション近傍の構成を示す概略斜視図である。 従来の木の枝状の真空管路網を持つ真空式液体収集システムにおける各種運転状態を示す概略図であり、図7(A)は正常運転の場合を示し、図7(B)は上流部で損傷が生じた場合を示し、図7(C)は真空ステーション近傍の下流部で損傷が生じた場合を示す。 バイパス管の一般的な敷設構造を説明する図であり、図8(A)はバイパス管を含む真空式液体収集システムの概略図であり、図8(B)は図8(A)に開示したバイパス管の縦断形状を示す。 真空管路の枝管を備える従来の真空式液体収集システムを示す図であり、図9(A)は概略図であり、図9(B)は各系統の真空管路の縦断形状を示す。 図9(A)に示す真空式液体収集システムにおいて、a系統の真空管路の枝管の下流部に損傷が生じた場合を示す概略図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、当該実施形態はあくまでも本発明の一例であって、本発明が当該実施形態に限定されるものではない。また、本実施形態に係る以下の説明においては、種々の構成要素について個別に説明するが、それぞれの構成要素は単独であるいは任意の組み合わせで発明が成立するものであれば、本発明の技術思想にすべて含まれるものである。このため、異なる実施形態にそれぞれ記載されている個別の構成要素であっても、それらを組み合わせて成立する発明は、本発明の範囲に含まれるものである。
[全体概要]
以下、図1から図3を参照しながら、本実施形態について説明する。図1は、真空管路1を備える真空式液体収集システムVを示す概略図である。そして、本実施形態に係る発明は、真空式液体収集システムVの真空管路1a,1bに接続されるバイパス管3である。バイパス管3は、真空管路1a,1bの少なくとも2箇所に接続されると共に、途中が最高位点となっており、上り勾配と下り勾配が交互に連続した階段状の縦断形状を有している。
[各構成要素]
図1(A)に示すように、本実施形態に係る真空式液体収集システムVにおいては、a系統の真空管路1aとb系統の真空管路1bが並列敷設されている。各真空管路1a,1bは真空ステーション5に接続され、真空ステーション5によって作られる負圧によって、真空管路1a,1bの上流側から下流側に向かって液体が流れるようになっている。そして、2本の真空管路1a,1bの間にバイパス管3が接続されている。尚、本実施形態では一例として1本のバイパス管3を示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、一つの真空式液体収集システムに複数のバイパス管を設けることで、損傷部の位置に応じてそれぞれのバイパス管を柔軟に活用することができる。
各真空管路1a,1bには、バイパス管3との接続部の近傍と真空ステーション5の近傍に、それぞれ区間弁7a1,7a2,7b1,7b2が設けられている。この区間弁7a1,7a2,7b1,7b2は、外部からの操作によって、真空管路1a,1b内での液体の流れを許容するか又は遮断するものである。なお、区間弁7a2,7b2は、真空管路1a,1bとバイパス管3との接続部よりも下流側(真空ステーション側)に設置されている。また、バイパス管3の両端部近傍(真空管路1a,1bとの接続部の近傍)にも、区間弁8a,8bが設けられている。これは、正常運転時に真空管路1a,1bからバイパス管3へ液体が流れ込まないようにするためのものである。このため、バイパス管3のこれらの区間弁8a,8bは、真空管路1a,1bに設置される区間弁7a1,7a2,7b1,7b2と同様の機能を有する。更に、バイパス管3の中間部分に区間弁8cを設けてもよい。これは、バイパス管3自体に損傷が発生した場合に、損傷部位に応じてバイパス管3内の液体の流れを許容又は遮断するためのものである。
図1(B)は、b系統の真空管路1bの一部に損傷が生じている場合を示している。この例では、区間弁7b1,7b2の間の真空管路1bが損傷している。ここでいう損傷とは、真空管路に亀裂や穴あきが発生し、外部から空気を吸い込んでしまう状態が典型的な例である。また、真空管路同士の連結部での真空漏れや、区間弁7b1〜7b2の区間に真空弁が接続されている場合に、真空弁が故障して閉じなくなることによる真空漏れも、ここで言う損傷に含まれる。このような損傷が発生した場合、何らの対策も施さない場合、b系統の損傷部から多量の空気を吸い込んでしまい、損傷部よりも上流部にある液体に対する収集性能が低下してしまう。
このため、本実施形態においては、真空ステーション5の上流近傍の区間弁7b1とバイパス管3との接続部の下流近傍の区間弁7b2が閉じられる。これによって、区間弁7b1と区間弁7b2との間は液体収集システムから切り離される(図の点線部分)。それと同時に、バイパス管3に設置された各区間弁8a,8b,8cが開放される。これにより、b系統の真空管1bの上流から流れてくる液体がバイパス管3の内部に流れ込むことが可能となる。従って、a系統の真空管路1aだけではなく、b系統の真空管路1bの上流部も液体収集システムから切り離されることなく、真空管路網の広い範囲を運転状態に保つことができる。
図2は、図1に開示したバイパス管3の縦断形状を説明するための図である。図2(A)に示すように、バイパス管3は並列敷設された2本の真空管路1a,1bの間に接続されている。図2(B)は、バイパス管3の全体の縦断形状を示している。この図2(B)は、a系統の真空管路1aの方がb系統の真空管路1bよりも高い位置に敷設されている例である。この図2(B)に示すように、バイパス管3は一定の勾配で敷設されているのではなく、階段状に敷設されている。ここで「階段状」とは、昇り勾配と下り勾配とが交互に現れるような形状をいう。但し、一部に水平部を含んでいたとしても、本発明の技術思想の範囲に含まれるものである。
より具体的に「階段状」とは、図2(C)に示すように、a系統の真空管路1aとの接続部から最高位点11の方向へ、0.1%以上(0.1%と同等かそれよりも大きな傾斜)の下り勾配で一定距離(L)だけ延びて下り落差(H1)を設ける。そして次に、その下り落差(H1)より大きな、リフトと呼ばれる急な昇り勾配(水平に対し45°程度)の落差(H2)を設ける。これにより、下っては昇り、下っては昇りを繰り返して、最高位点11へ到達することになる。これは、b系統の真空管路1bとの接続部から最高位点11へ向かう方向についても同様である。以上より、a系統の真空管路1aから最高位点11までは全体的に昇り勾配となり、逆に最高位点11からb系統の真空管路1bまでは全体として下り勾配となる。a系統の真空管路1aから最高位点11までの区間では、落差の関係はH1<H2となっていればよく、それぞれの落差の値は地形条件に合わせて決定すればよい。また、それぞれ下り勾配と昇り勾配を構成する配管の長さは任意であり、バイパス管3のそれぞれの端部から最高位点11までの水平方向距離などに応じて適切に設定すればよい。
以上のように、バイパス管3を階段状に構成することで、以下に述べるような利点が得られる。すなわち、図2(C)に示すように、下り勾配と昇り勾配が切り替わる位置は、中間最下点12となる。このため、この中間最下点12に液体が滞留しても、仮に昇り勾配の側から真空によって液体が引かれると、液体は確実に昇り勾配を上昇し、次の下り勾配を流れ下ることができる。このことは、a系統の真空管路1aから、最高位点11まで液体を確実に引き上げることができることを意味している。一方、最高位点11からb系統の真空管路1bの方向へは、全体として下り勾配となっているので、液体は円滑に流れる。以上の説明は、aの系統の真空管路1aからb系統の真空管路1bに向かって液体が流れる場合である。
逆に、b系統の真空管路1bからa系統の真空管路1aに向かって液体を流す場合も、b系統の真空管路1bから最高位点11に向かって下り勾配と昇り勾配が交互に設けられているため、上記の説明と同様に、確実に液体を最高位点11まで引き上げることができる。更に、最高位点11からa系統の真空管路1aへは全体として下り勾配となっているため、液体は円滑に流れる。そのため、本方法ではバイパス管3において双方向に流送しても、いずれも円滑に液体を流すことができる。
図2(C)では、a系統の真空管路1aから最高位点11までについて、バイパス管3の縦断形状の具体的な数値の例を示している。この例では、a系統の真空管路1aから最高位点11までの水平方向の距離が約100mである。そして、真空管路1aとの接続部から0.1%の下り勾配で水平方向に約50m延びている。このため、下りの落差H1は5cmとなる。一方、昇り勾配の落差H2は10cmとなっている。このため、一組の下り勾配と昇り勾配とで、5cm昇ることとなる。本実施形態では、更にもう一組の下り勾配と昇り勾配が設けられ、合計で10cm昇ることとなる。この10cm昇った高さ位置に最高位点11がある。なお、上記数値はあくまでも一例であって、本発明をこの数値に限定する趣旨ではない。また、図2(C)における水平方向と鉛直方向の寸法比は説明の便宜のためであり、水平方向に比べて鉛直方向の寸法を強調している。
最高位点11でのバイパス管3は、本実施形態では水平方向に敷設されている。但し、この水平方向敷設は本発明に必須な構成ではない。すなわち、昇り勾配あるいは下り勾配の配管でバイパス管3の最高位点11を構成してもよい。バイパス管3の途中には、真空弁25を接続してもよい。この真空弁25は、家庭などから排出される液体(汚水等)を排出する際に開く弁である。その場合は、パイパス管3の中間部に1箇所以上の区間弁8cを設置することが好ましい。その区間弁8cを閉じることで、バイパス管3を2分割してそれぞれの端部へ向けて汚水を流すことができる。但し、当該区間弁8cも本発明に必
須なものではない。
本発明のような真空式液体収集システムVの真空管路1a,1bやバイパス管3は、一般的に直径75mm、100mm、150mm、200mm、250mm等の管径のものが用いられる。この点に関し、本実施形態では、バイパス管3の管径は各真空管路1a,1bの管径と同一径となっている。これは、バイパス管3内の液体の流れ方向が、真空管路1a,1bの破損部位に応じて逆になる場合があるからである。すなわち、例えば、真空管路1aの破損状況によっては、a系統の真空管路1aからバイパス管3を通ってb系統の真空管路1bに液体が流れる場合と、逆にb系統の真空管1bからバイパス管3を通ってa系統の真空管1aに液体が流れる場合がある。真空管路1a,1bとバイパス管3の管径を同一とすることで、いずれの方向の流れも同一の条件にすることが可能である。但し、仮に真空管路1a,1bとバイパス管3との管径が異なっていたとしても、真空式液体収集システムVとして機能しない訳ではないので、バイパス管1a,1bの管径と真空管路3の管径を同一とすることは、本発明に必須の条件ではない。
また、バイパス管3が各系統の真空管路1a,1bに接続される場合に、真空管路1a,1bにおける管径が同一の2地点で接続されている。これは、例えば、接続部におけるa系統の真空管路1aの管径とb系統の真空管路1bの管径が異なる場合に、液体がバイパス管3内を流れる方向によって、流れ条件が変化してしまうからである。但し、仮に接続部における2つの真空管路1a,1bの管径が相互に異なっていたとしても、真空式液体収集システムVとして機能しない訳ではないので、同一の管径を有する真空管路の部位にバイパス管を接続することは、本発明に必須の条件ではない。
また、バイパス管3の途中に、空気吸引弁13を設けてもよい。この空気吸引弁13は、空気だけを吸い込む弁ユニットであり、バイパス管3の内部に滞留する液体等をフラッシングするためのものである。この空気吸引弁13を開放することにより、勢いよく吸入された空気がバイパス管3内をフラッシングして、バイパス管3内に滞留している液体を確実に真空管路1a又は1bへ流すことができる。
[バイパス管の作用]
次に、図3に基づいて、本実施形態に係るバイパス管3及び真空式液体収集システムVの作用について説明する。図3(A)は真空式液体収集システムVが正常運転されており、バイパス管3が使用されていない状態を示している。これは、バイパス管3に設けられている区間弁8a,8b,8cが閉じていることで実現されている。この図3(A)に示すように、a系統の真空管路1aとb系統の真空管路1bはそれぞれ独立して液体を収集している。
図3(B)は、a系統の真空管路1aの上流部で破損が生じた場合を示している。この場合、a系統の真空管路1aとバイパス管3の接続部の下流近傍に設置された区間弁7a2と、バイパス管3の区間弁8a,8b,8cが閉じられたままの状態となる。これにより、a系統の真空管路1aの上流部のみが液体収集システムから切り離され、他の領域においては正常に液体収集が行われる。
図3(C)は、a系統の真空管路1aの下流部で損傷が生じた場合を示している。この場合は、区間弁7a1,7a2が閉じられると共に、バイパス管3の区間弁8a,8b,8cが開放される。これにより、a系統の真空管路1aの上流から流れてきた液体は、バイパス管3に流れ込み、b系統の真空管路1bに合流して、真空ステーション5に収集される。すなわち、液体収集システムから切り離されるのは、a系統の真空管路1aの下流部だけであり(図3(C)の点線部分)、その他の部分は運転が継続される。
図3(D)は、b系統の真空管路1bの下流部で損傷が生じた場合を示している。この場合は、区間弁7b1,7b2が閉じられると共に、バイパス管3の区間弁8a,8b,8cが開放される。これにより、b系統の真空管路1bの上流から流れてきた液体は、バイパス管3に流れ込み、a系統の真空管路1aに合流して、真空ステーション5に収集される。すなわち、液体収集システムから切り離されるのは、b系統の真空管路1bの下流部だけであり(図3(D)の点線部分)、その他の部分は収集運転が継続される。
上述の図3(C)及び図3(D)の状態では、バイパス管3の内部を流れる液体の方向が相互に逆になっている。すなわち、図3(C)の場合にはa系統の真空管路1aからb系統の真空管路1bに向かう方向である。一方、図3(D)の場合にはb系統の真空管路1bからa系統の真空管路1aに向かう方向である。このように、損傷部位に応じてバイパス管3の内部の液体の流れる方向は反対であるが、図2(B),図2(C)に示すように、バイパス管3の縦断形状は階段状に形成されているので、何れの方向にも円滑に液体が流れる。
[ループ状の真空管路に用いられるバイパス管]
図4は、真空管路の本管21に接続されるループ状の枝管22a、22bを備える真空式液体収集システムV2を示している。この真空式液体収集システムV2では、部位Aと部位Cとの間にバイパス管23が設けられている点が、図9に示す従来の液体収集システムと異なる。この実施形態は、主要道路に面した住宅団地の造成などにおいて、主要道路に本管21が敷設されており、住宅団地内の枝管22a、22bをループ状に形成する場合等に適用することができる。
枝管22a、22bおよびバイパス管23には、各住戸に対応した複数組みの真空弁25と取出管26が接続されており、各接続部の間に区間弁27、28がそれぞれ設けられている。
図4(B)は、枝管22a,22bとバイパス管23の縦断形状を示す図である。この図4(B)に示す例では、部位Aと部位Cの間が最高位点となる。この最高位点にも区間弁28が設けられており、この最高位点の区間弁28は、正常運転の際には閉じられている。これは、枝管22a、22bを、部位Aから部位Bに延びるa系統の枝管22aと、部位Cから部位Dに延びるb系統の枝管22bに分けて、それぞれの系統から液体(汚水)を流すためである。そして、最高位点付近から両方向に向かって、下り勾配と昇り勾配が交互に現れ、最終的には真空管路の本管21に接続されている。なお、図4(B)では図示の便宜上の理由で枝管22a,22bの区間弁27は省略している。
図5は、図4(A)に開示した枝管22aに破損が生じた場合を示す概略図である。特に、図5(A)は、部位Aの上流近傍で破損が生じた場合を示している。この場合でも、破損部両側の上流近傍、下流近傍の区間弁27を閉じると共に最高位点の区間弁28を開放することで、破損部の領域(点線部分)を液体収集システムから切り離すことができる。このとき、部位Aの上流近傍の真空弁25から取り込まれた液体は、最高位点を左から右に流れる。また、部位Bの上流近傍の真空弁25から取り込まれた液体は、図の上方から下方に向かって流れる。このため、使用できなくなる真空弁25は1つに限定され、その他の部分は正常運転が維持される。
また、図5(B)は、枝管22bの部位Dの上流近傍で破損が生じた場合を示している。この場合でも、破損部の両側の区間弁27を閉じると共に最高位点の区間弁28を開放することで、部位Dの近傍のみの領域(点線部分)を液体収集システムから切り離すことができる。そして、部位Bから部位C近傍までの区間に接続された真空弁25から液体が取り込まれ、その液体は最高位点を右から左へ流れ、部位Bの近傍で真空管路21に合流
する。その際、枝管22a、22b及び/またはバイパス管23は、下り勾配と昇り勾配が交互に現れる階段状になっているため、部位D側から部位Cに向かう方向でも液体が円滑に流れる。この点で、図10に示すようにa系統のすべての部分が使用できなくなってしまう従来例と比較して、大きな利点がある。
本発明は真空式汚水収集システムの真空管路に接続されるバイパス管に利用可能である。収集する対象となる液体としては汚水に限定されるものではなく、例えば工場廃水や実験廃水のような有害物質を含む液体収集システムなど、真空管路を使用するあらゆる種類の真空式液体収集システムに適用することができる。
1,1a,1b 真空管路
3、23 バイパス管
5 真空ステーション
7a1,7a2,7b1,7b2 区間弁
8a,8b,8c,27,28 区間弁
11 最高位点
13 空気吸引弁
21 真空管路(本管)
22a,22b 真空管路(枝管)
25 真空弁
101,101a,101b 真空管路
101−1 本管
101−2 枝管
101−3 取り付け管
103 バイパス管
107,108 区間弁
121 真空管路(本管)
122a,122b 真空管路(枝管)
125 真空弁
130 各家庭
131 汚水管
132 汚水ます
133 真空弁
134 吸込管
140 真空ステーション
141 集水タンク
142 圧送ポンプ
D 破損部
R1,R2 真空式液体収集システムから切り離される範囲
V,V2 真空式液体収集システム

Claims (11)

  1. 真空式液体収集システムの真空管路に接続されるバイパス管であって、
    前記真空管路の少なくとも2箇所に接続されると共に、中間部が最高位点となっており、上り勾配と下り勾配が交互に連続した階段状の縦断形状を有しているバイパス管。
  2. 少なくとも1つの区間弁が設けられた、請求項1に記載のバイパス管。
  3. 両端部近傍に区間弁が設けられた、請求項2に記載のバイパス管。
  4. 少なくとも1つの真空弁が設けられた、請求項1から3の何れか一項に記載のバイパス管。
  5. 真空管路と、前記真空管路に接続される真空ステーションと、前記真空管路に接続される請求項1から4の何れか一項に記載の少なくとも1つのバイパス管と、を備えた真空式液体収集システム。
  6. 前記バイパス管は、並列敷設された2本の前記真空管路に接続された、請求項5に記載の真空式液体収集システム。
  7. 前記バイパス管が前記真空管路の異なる2箇所に接続されてループ状の管路を形成した、請求項5に記載の真空式液体収集システム。
  8. 前記真空管路が、上り勾配と下り勾配が交互に連続した階段状の縦断形状を有している、請求項5から7の何れか一項に記載の真空式液体収集システム。
  9. 前記バイパス管の内径は、接続される前記真空管路の内径以下である、請求項5から8の何れか一項に記載の真空式液体収集システム。
  10. 前記バイパス管は、前記真空管路における同じ内径を有する2箇所に接続される、請求項5から9の何れか一項に記載の真空式液体収集システム。
  11. 前記真空管路には、前記バイパス管との接続部の下流側に区間弁が設けられている、請求項5から10の何れか一項に記載の真空式液体収集システム。
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