JP6168643B2 - 照明システム - Google Patents

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Description

本発明は、太陽光発電体を用いた照明システムに関し、さらに詳しくは太陽光発電体からの出力によって照明光の光量を変化させる照明システムに関する。
近年、発光ダイオード(以下、「LED」という)の研究、開発が急速に進み、様々なタイプのLEDが開発・製品化され、幅広い分野で使用されている。LEDはその低消費電力、長寿命、小型といった特徴により、従来から電子機器等の動作表示灯として用いられてきた。これらのLEDは、例えば液晶パネル用バックライト、各種の表示板、電光掲示板、電飾装置などにおいて多く使用されているが、照明分野においても使用されるようになってきている。この照明分野では、例えば、管内にLEDを組み込んで蛍光灯と同様に使用し得るようにした照明装置、内部にLEDを組み込んだ電球状照明装置、自動車用ヘッドライトないしテールライトへ複数のLEDを組み込んだ面状照明装置等に使用されている。
また、地球温暖化や環境破壊への対策として、自然エネルギーによる電気エネルギーを用いた照明装置も多く使用され始めている。例えば、太陽光発電や風力発電、潮力発電などである。このような様々な自然エネルギーを利用した発電において、太陽光が照射される箇所であればどこでも発電可能であるという利便性から、太陽光発電体が広く利用されている。また、太陽光発電は直流電圧を出力するため、交流電圧から直流電圧に変換しなければならない発電方法と比べ、直流電圧でないと使用できないLEDと相性がよい。
下記特許文献1は太陽光発電体を用いたLED照明システムについての発明である。下記特許文献に記載された電源系統装置及び照明システムは、LED照明器具と、太陽電池パネルで発電された直流電圧をLED照明器具にとって適正な直流電圧に変換して出力する第1直流電源装置と、交流電圧をLED照明器具にとって適正な直流電圧に変換して出力する第2直流電源装置と、第1直流電源装置と第2直流電源装置のそれぞれから入力された電流及び電圧に基いて、各電源装置の出力電圧を制御する制御装置と、LED照明器具が取り付けられている定電流回路とを備えており、制御装置によって、太陽電池パネルで発電された直流電圧を優先的に出力することで、太陽電池パネルで発電された直流電圧を最大限に活用することができる照明システムである。
特開2011−217555号公報 特開2005−268104号公報 特開平5−54976号公報
上記特許文献1に記載されている照明システムでは、太陽電池とLED照明との間に電力制御装置である第1直流電源装置が介在している。第1直流電源装置は太陽電池で出力された直流電圧の大きさを一定にするための装置である。LEDは所定以上の電圧をかけないと光らないため、所定の電圧よりも高くする必要があるためである。電圧を一定とするとLED照明の照度も一定となってしまうが、通常使用する部屋内照明であれば照度が一定であればよい。
ところで、最近では自宅の周りの建物が高層化、密集化することによって、窓を介して部屋に差し込む太陽光が減ってしまい、日中であっても常に薄暗い部屋が増えてきている。また、地下室等のように最初から窓を設けていない部屋もあり、このような部屋は照明をつけていなければ日中であっても常に暗いままである。
このような照明を付けていないなければ薄暗い状態の部屋にいると、日差しや外の天候状態を実感することなく生活することになるので、精神的にあまり好ましいものではない。特に子供や高齢者のような、あまり時計を見ないような人にとっては、日差しによる時間の変化を感じることもできない。したがって、太陽光が当たり難い薄暗い部屋において、外界と同様な変化を演出できる照明が要望されている。
また、照明を付けていなければ暗い状態の部屋では、室内に人がいなければ通常薄暗い状態のままなので、周囲の人間は心理的に不安を感じることがある。一方で、暗い状態の部屋に周囲の人間が不安を感じるからっといって、照明をつけていると無駄な費用がかかってしまう。
上記観点から、例えば、特許文献2のような自然光を利用した照明装置の開発も進んでいる。特許文献2に記載された発明である光ダクト装置は、建物内にダクトを設置しておき、採光した自然光をこのダクトを通じて室内まで導いて照明に利用するものである。このような光ダクト装置を用いることによって、太陽光が当たり難い薄暗い部屋においても、自然光を取り入れて外界と同様な変化を演出することができる。
しかしながら、この光ダクト装置では建物内に太陽光を導光するダクトの設置スペースが必要になってしまうので、一般の住宅では設置が難しい。
また、特許文献3のように、色彩色差計等の各種センサを用いて、各種センサの出力を基に、屋外の環境をデータ化し、このデータに基づいて、光源を制御する室内照明システムも知られている。しかしながら、複雑なシステムが必要になるとともに、人が不在の状態でこのような照明システムを用いると、システムを稼働させるために無駄な電力を消費してしまい、電気代も必要になってしまうことになる。
本発明は上記のような問題点を解決すべく完成されたものであって、太陽光発電体から発生する電力の出力に応じて変化するLED光をそのまま照明として使用することによって、太陽光の強さの変化に対応した光を部屋内照明として利用することができ、また、太陽光が直接当たらない空間においても、外界と似た明るさを感じることができるようにする照明システムを提供することを目的とする。
つまり、本発明はダクトのような大掛かりな部材を建物内に設置することなく、室内において簡単に外界と同様の明るさの変化を演出できるとともに、無駄な電力を消費しない照明システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様における照明システムは、太陽光発電体と、照明装置と、を有し、前記太陽光発電体と前記照明装置とが電気的に接続された照明システムであって、前記照明装置の照度は前記太陽光発電体の出力に対応して外界の明るさの変化と似た変化をしており、更に、前記太陽光発電体と並列に接続された直流電源と、前記照明装置を、前記太陽光発電体との電気的接続、或いは前記直流電源との電気的接続の何れかへ切り替える切替えスイッチと、を備えていることを特徴とする。
本発明の第1の態様における照明システムによれば、太陽光発電体によって出力された直流電源をそのまま照明装置の電源として利用することで、太陽光発電体に照射される太陽光の照射量、照射角度の違いによって生じる出力によって照明装置の照度の違いを出すことができ、太陽光が直接当たらない空間においても、外界の明るさの変化に似た明るさを感じることができるようになる。
つまり、本発明の照明システムは、照明装置の照度が太陽光発電体によって発生した出力に略比例して変化することで、外界の明るさの変化を演出できる照明システムを実現することができる。また、本発明の照明システムは、太陽光発電体と照明装置とが電気的に接続されるだけなので、ダクトのような大掛かりな部材を建物内に設置する必要もない。また、本発明の照明システムは、太陽光発電体による出力変化に応じた明るさを照明装置で実現するだけなので、太陽光発電体を用いて常時一定の明るさを実現するような構成も不要なので、非常に簡単な構成の照明システムとなる。
また、本発明の照明システムによれば、例えば、室内で何かの作業を行う際等、太陽光発電体の出力に応じた明るさだけでは不十分な場合に、照明装置の電源を太陽光発電体から、直流電源側へ切り替えることで、安定かつ十分な明るさを得ることができる。また、本発明の照明システムによれば、夜間等、太陽光発電体の出力がない状況でも、直流電源側を電源として利用することで、照明装置を使用することができる。
また、本発明の第2の態様における照明システムは、第1の態様における照明システムにおいて、前記太陽光発電体による出力が所定以上の場合には、前記太陽光発電体を前記照明装置の電源として用いるように前記切替えスイッチを切り替え、前記太陽光発電体による出力が所定以下の場合には、前記直流電源を前記照明装置の電源として用いるように前記切替えスイッチを切り替える制御部を備えていることを特徴とする。
本発明の第2の態様における照明システムによれば、太陽光発電体による出力が十分な状況では、外界の明るさの変化を演出できる照明システムとして利用し、太陽光発電体による出力が低下することで、照明としての明るさが不十分な状況になると、照明装置の電源を太陽光発電体から、直流電源側へ切り替わるので、一定の明るさを常に得ることのできる照明システムとして利用することができる。このような照明システムは、特にオフィス等、多くの人が利用する場所の照明システムとして用いることで、太陽光発電体の出力が十分な時間帯は電気代や余計な電力を節約することができ、また、外界の変化を感じることができるので非常に心地よい明るさを提供することができる。
また、本発明の第3の態様における照明システムは、第1または第2の態様における照明システムにおいて、前記直流電源は、交流電圧を直流電圧に変換するものであることを特徴とする。
本発明の第3の態様における照明システムによれば、商用電源である交流電源を用いて直流電源を実現することができるので、安定した電源を非常に簡単に実現することができる。
本発明の第1の実施形態に係る照明システムの回路図である。 本発明の第1の実施形態にかかる照明システムの概略斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る照明システムの回路図である。 本発明の第3の実施形態に係る照明システムの回路図である。 本発明の第4の実施形態に係る照明システムの回路図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための太陽光発電体を用いた照明システムを例示するものであって、本発明をこれらに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも均しく適応し得るものである。
図1、図2を参照して、本発明の第1の実施形態に係る照明システムを説明する。なお、図1は本発明の第1の実施形態に係る照明システムに用いられている回路図、図2は本発明の第1の実施形態にかかる照明システムの概略斜視図である。
第1の実施形態の照明システム1は、建築物2の屋根に取り付けられた太陽光発電体3と、この太陽光発電体3と電気的に接続している複数のLED管4と、太陽光発電体3と各LED管4との間に直列に接続されたスイッチ5及び抵抗素子6とを有している。
建築物2内には壁で仕切られた少なくとも1つの部屋21が設けられている。第1の実施形態では部屋21は2つ設けられている。なお、第1の実施形態では建築物2は地上のみに建築されているが、部屋21が地下や半地下となるように、地下に掘り下げられて建築されていても問題ない。
太陽光発電体3は、建築物2の屋根であって、太陽光の照射量が多い黄道側、北半球であれば南側、に取り付けられている。太陽光発電体3は従来よく使用されている太陽光発電体を使用し、説明を省略する。
そして、各部屋21の天井にはLED管4がそれぞれ取り付けられている。LED管4はLEDからなる照明装置の一例である。そして、LED管4は円筒形状のガラス管の内部に複数のLED41を直列に接続したものである。また、LED管4は円筒形状の両端にそれぞれプラグを有している。
スイッチ5は、上記のように太陽光発電体3と、LED管4との電気的接続を行うものであり、太陽光発電体3とLED管4との間をつなぐ回路上に設けられるとともに、各々のLED管4に対して設けられている。したがって、照明システム4は、スイッチ5により、複数のLED管4の中から任意のLED管4だけを点灯・消灯することができる。
抵抗素子6は、LED管4へ流れる電流を制限するためのものであり、太陽光発電体3とLED管4との間において直列に接続されるとともに、各々のLED管4に対して接続れている。
第1の実施形態では各部屋21に1つずつLED管4を取り付けており、これらのLED管4は並列に接続している。なお、各部屋21に取り付けられているLED管4は1つではなく、複数個取り付けられていてもよい。また、必ずしも各部屋21の天井ではなく、各部屋21の側壁にLED管4が取り付けられていてもよい。また、LED管4は、建築物2の部屋21だけでなく、廊下や階段に取り付けてもよい。
更に、LEDからなる照明装置はLED管4に限定されるものではなく、LEDからなる電球形状の照明装置等でも構わない。また、棒状であるLED管4の形状に限られるわけではなく、U字型円筒形状、ドーナツ形状など、様々な形状を選択できる。
また、LEDを被覆する部材もガラスに限られず、プラスチックなど、光学的に透明な部材であり、一定の強度を有する部材であればどのようなものでもよい。
また、LEDから発せられる光には指向性があるため、その指向性を緩和して万遍なく被照射方向に均一に光を拡散、または光を視認的に柔らかくするために、照明装置は、LEDを被覆する部材を半透明光拡散材料で構成したり、光拡散シートと組み合わせることもできる。また、LEDを被覆する部材に強度を必要としない場合、照明装置は半透明光拡散材料からなるシートそのものを被覆材料としてもよい。半透明光拡散材料は、具体的なものとして、樹脂フィルム、紙等がある。そして、例えば、和紙を使用した場合、照明装置は、和風の柔らかな雰囲気を醸し出すことができ、照明システム1の室内デザインへの応用幅を広げることができる。
第1の実施形態の照明システム1では、太陽光発電体3から出力された直流電圧を、昇圧装置や定電圧装置などを介さず、出力された電圧そのままでLED管4の電圧として利用する。このため、第1の実施形態の照明システム1によれば、太陽光発電体3の太陽光の照射量や照射角度によって、出力される電圧に変化が生じる。LEDは入力される電圧によって照度が変化するため、昼などの明るい時期は照度が高くなり、朝夕や悪天候などの暗い時期は照度が低くなり、電圧が所定以下となった場合、照明が切れる。
この照度変化を利用することによって、太陽光の入射が少ない部屋、例えば近くに高層建築物が建築されてしまい、日照量が減少してしまった家屋や、あるいは太陽光の入射がない部屋、例えば、地下室、半地下室でも、外界の天気や時間の移り変わりによる太陽光照射量の変化を感じることができる。
また、太陽光発電体3からの出力をそのまま利用して、外界と同様な変化を演出する照明を実現しているので、従来のような昇圧装置や定電圧装置による無駄な電力の損失もなく、構成も簡単であり、また商用電源からの電力を必要としないので、照明のための余計な電力消費を必要としない。特に、照明システム1は、誰も居ない場所や、不特定の時間に使用される場所(例えば、家の廊下や公共施設)で発光していた場合に、仮に人が不在の状況でも、商用電源からの電力を消費することもなく電気代もかからない。
第1の実施形態の照明システム1によれば、太陽光発電体3からの出力があれば、この出力に応じた明るさの光が、常にLED管4から発せられることになる。したがって、例えば日中に部屋21で眠りたいような場合であっても、室内が明るいままなので、このような場合には、照明システム1は、スイッチ5により、太陽光発電体3とLED管4との電気的接続を絶ち、室内を暗くするようにしてもよい。
更に、スイッチ5と抵抗素子6とに換えて、抵抗値を所定値から無限大に変更可能な可変抵抗スイッチを利用することもできる。このような可変抵抗スイッチを利用した場合、太陽光発電体3の発電量内でのLED管4の照度調整が可能となるので、照明システム1はより使いやすいものとなる。
また、第1の実施形態の照明システム1は、太陽光発電体3からの出力に応じた明るさを実現するという補助的な照明システムである。したがって、例えば、夕方に部屋21で読書をしたいような場合には、室内が薄暗いこともあるので、室内に照明システム1とは別に、商用の交流電源を用いて必要な場合に点灯させる一般的な照明システムが備わっていてもよい。
或いは、この照明システムを利用して、外界と同様な変化を演出する補助的な照明システムと、商用の交流電源を用いて必要な場合に点灯させる一般的な照明システムとを実現してもよい。次にこの具体例を説明する。
図3は、本発明の第2の実施形態に係る照明システムの回路図を示している。なお、第1の実施形態と同じ構成の箇所には同じ符号を付し、説明を省略する。
第2の実施形態の照明システム1Aは、LED管4の電源として太陽光発電体3だけではなく、太陽光発電体3と並列に接続された定電圧を発生する直流電源を備えるものである。その際、図3に示すように、直流電源は、商用電源である交流電源7と、AC−DCコンバータ8により実現されたもので、交流電圧を直流電圧に変換するものである。この直流電源は、太陽光発電体3からなる電源とは異なる第2の電源となる。
LED管4を、太陽光発電体3と、第2の電源のどちらと接続して照明として利用するのかは、切替スイッチ9Aによって、ユーザが簡単に切り替えることができる。また、切替スイッチ9Aは、LED管4毎に設けられている。したがって、あるLED管4は太陽光発電体3を電源として用い、別のLED管4は第2の電源を電源として用いる、ということも照明システム1Aにおいては可能となる。
例えば、照明システム1Aは、あるLED管4を備える室内では、日中、切替えスイッチ9Aを太陽光発電体3側へ接続しておくことにより、室内に人が居る、居ないに関わらず、無駄な電力を消費することなく、LED管4を用いて常時外界と同じ明るさの変化を実現することができる補助的な照明として利用できる。
一方、照明システム1Aは、別のLED管4を備える室内では、太陽光発電体3が発電できない時間帯や、太陽光発電体3による明るさでは室内の明るさが不十分である場合に、切替えスイッチ9Aを第2の電源側である交流電源7側の方へ接続することにより、LED管4が常に一定の明るさ発光するので、一般的な照明として利用できる。
なお、第2の電源の構成は、交流電源7とAC−DCコンバータ8に限るものではなく、例えば第2の電源として充電池等を用いても構わない。
次に、図4は、本発明の第3の実施形態に係る照明システムの回路図を示している。なお、第1、第2の実施形態と同じ構成の箇所には同じ符号を付し、説明を省略する。また、図1に示した第1の実施形態は、互いに並列に接続されている複数のLED管4を3本だけ示し、それ以降に接続されているLED管4の図示を省略しているが、図4に示した第3の実施形態は、互いに並列に接続されているLED管4を3本示し、それ以降に接続されているLED管4の図示を省略するとともに、端部のLED管4(右端のLED管4)を図示している。
第3の実施形態の照明システム1Bは、図4に示されているように、LED管4の電源として太陽光発電体3だではなく、太陽光発電電体3と並列に接続された第2の直流電源と、第3の直流電源と、を備えるものである。この第2の直流電源は、第2の実施形態と同様に、商用電源である交流電源7と、AC−DCコンバータ8により実現されたものである。また、第3の直流電源は、充電池BCにより実現されたものである。そして、照明システム1Bは、LED管4の電源として、太陽光発電体3、交流電源7、充電池BCからなる3つの電源を切り替えることができるよう、切替えスイッチ9Bを備えて構成されている。
切替えスイッチ9Bは、例えば3つの接点a、b、cを持ったロータリースイッチで構成される。そして、接点aは太陽光発電体3からなる第1の電源と接続しており、接点bは交流電源7を用いる第2の電源と接続しており、接点cは充電池BCからなる第3の電源と接続している。また、照明システム1Bは、図4に示すように、太陽光発電体3と充電池BCとをダイオード11を介して接続する構成としている。
通常、照明システム1Bは、切替えスイッチ9Bの接点aを介してLED管4を太陽光発電体3側へ接続しておくことで、無駄な電力を消費することなく、外界と同じ明るさの変化を演出することのできる補助的な照明システムを実現することができる。この時、照明システム1Bにおいては、太陽光発電体3と充電池BCとが電気的に接続されている。したがって、太陽光発電体3によって発電された電力の内、LED管4の発光として使用される電力を除いた余剰の電力が、充電池BCへ充電されることになる。
一方、照明システム1Bは、切替えスイッチ9Bの接点bを介してLED管4を交流電源7側(第2の電源側)へ接続することにより(図4に示した状態)、LED管4を常に一定の明るさで発光させ、室内における一般的な照明システムを実現することができる。この時、照明システム1Bにおいては、太陽光発電体3によって発電された電力が全て充電池BCへ充電されることになる。
また、照明システム1Bは、切替えスイッチ9Bの接点cを介してLED管4を充電池BC側(第3の電源側)へ接続することにより、充電池BCを使ってLED管4を発光させることができる。夜間や天気の悪い日等、一定の明るさが必要な場合に商用電源を用いることなく照明が利用できるので、照明システム1Bは電気代を節約したり、省エネに資することができる。また、この時照明システム1Bは、太陽光発電体3と充電池BCとの間に逆流防止の目的でダイオード11を接続しており、このダイオード11により充電池BCから太陽光発電体3側へ電流が流れないようになっている。
そして、太陽光発電体3により発電された電力によって充電される充電池BCは、定電圧を発生する直流電源であり、照明システム1Bから取り外して、他の用途に(例えば、交流に変換して非常時の電源として)用いることもできる。
次に、図5は、本発明の第4の実施形態に係る照明システムの回路図を示している。なお、他の実施形態と同じ構成の箇所には同じ符号を付し、照明を省略する。
第4の実施形態の照明システム1Cは、図5に示されているように、LED管4が、制御装置10によって、第1の電源としての太陽光発電体3と、交流電源7とAC−DCコンバータ8とからなる第2の電源と、電気的な接続を行えるように構成されている。
この制御装置10は、太陽光発電体3からの発電による出力が所定以上の場合には、太陽光発電体3を電源としてLED管4を発光させ、太陽光発電体3からの発電による出力が所定以下になると、商用電源である交流電源7を電源としてLED管4を発光させるような制御を実現するものである。
そして、照明システム1Cは、制御装置10によってこのような制御を実現することで、日中は無駄な電力を消費することなく、室内において外界と同じ明るさの変化を演出できる照明として機能し、太陽光発電体3の出力が落ちる夕方等に、自動的に交流電源7を電源としてLED管4を発光させ、暗い室内を一定の明るさで照らす照明として機能する。
上記機能を実現するため、制御装置10は、太陽光発電体3のからの発電による出力を監視するための電圧検出センサ等を備えている。また、制御装置10は、太陽光発電体3からの発電による出力が所定以下になるとLED管4と第2の電源とを電気的に接続するためのスイッチを備えている。この時、制御装置10は、例えば、リレーを用い、通常はLED管4と第2の直流電源とを非接続状態としておき、電圧検出センサによる検出値が所定値以下になると、リレーが働きLED管4と第2の電源とを接続状態にするようにすればよい。
なお、照明システム1Cは、第2の電源からの出力が太陽光発電体3側に流れないよう、またはその反対に、太陽光発電体3からの出力が第2の電源側に流れないよう、逆流防止のダイオード11をそれぞれの回路中に設けている。
また、照明システム1Cは、上記のように、制御装置10により、太陽光発電体3からの出力が所定以上の場合には、太陽光発電体3を電源としてLED管4を発光させ、太陽光発電体3からの出力が所定以下になると、第2の電源を電源としてLED管4を発光させるような制御を行っている。このような照明システムは、例えば、オフィスの照明システムとして利用すると、日中は太陽光発電体3による出力により室内を照らすので、電気代が不要で、また省エネにもなるので、非常に好ましい。
一方で、照明システム1Cをオフィスの照明システムとして利用するような場合、天気が不安定であって太陽光発電体3の出力が所定値を挟んで上下に頻繁に変位している状況だと、照明システム1Cは、LED管4の電源が太陽光発電体3の時と、第2の電源の時とで頻繁に変わるおそれがある。そして、このように頻繁に電源が変わると、照明システム1Cは、急激な明るさの変化が頻繁に発生してしまうおそれがあり、オフィス等の照明システムとしてはあまり好ましくない。そこで、照明システム1Cは、このような急激な明るさの変化が頻繁に生じないような制御を制御装置10において行ってもよい。
また、制御装置10は、太陽光発電体3の出力が落ちると、自動的に交流電源7を電源としてLED管4を発光するよう制御している。しかしながら、例えば天候の悪い日の日中、太陽光発電体3の出力だけでは、室内で作業を行うには、照明の明るさが不十分な場合もあるので、制御部10は、第2の実施形態の切替えスイッチ9Aのようなスイッチを設けておき、ユーザの切替えにより、LED管4を第2の電源側と接続状態にするよう制御しても構わない。
なお、上記実施形態において用いる照明装置は、何れもLEDからなる照明装置を用いて説明しているが、このLEDには当然ながら有機発光ダイオードと呼ばれる有機ELも含まれている。また、上記実施形態において用いる照明装置は、何れもLEDからなる照明装置を用いて説明しているが、照明装置はLEDからなるものに限定されるわけではなく電球等でも構わない。
また、上記のような照明システムは、単に室内や廊下の照明としてだけでなく、インテリア等の照明として用いることもできる。具体的には、照明システムを室内の壁等に設置し、この照明システムの前に模様が形成された板材を配置するなどして、壁そのものをインテリアのようにしてもよい。
1、1A、1B、1C 照明システム
2 建築物
21 部屋
3 太陽光発電体
4 LED管
41 LED
5 スイッチ
6 抵抗素子
7 交流電源
8 インバータ
9A、9B 切替スイッチ
10 制御装置
BC 充電池

Claims (3)

  1. 太陽光発電体と、照明装置と、を有し、前記太陽光発電体と前記照明装置とが電気的に接続された照明システムであって、
    前記照明装置の照度は前記太陽光発電体の出力に対応して外界の明るさの変化と似た変化をしており、
    更に、前記太陽光発電体と並列に接続された直流電源と、
    前記照明装置を、前記太陽光発電体との電気的接続、或いは前記直流電源との電気的接続の何れかへ切り替える切替えスイッチと、
    を備えていることを特徴とする照明システム。
  2. 前記太陽光発電体による出力が所定以上の場合には、前記太陽光発電体を前記照明装置の電源として用いるように前記切替えスイッチを切り替え、前記太陽光発電体による出力が所定以下の場合には、前記直流電源を前記照明装置の電源として用いるように前記切替えスイッチを切り替える制御部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の照明システム。
  3. 前記直流電源は、交流電圧を直流電圧に変換するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の照明システム。
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