JP6168403B2 - トランスファptoの切換制御装置 - Google Patents
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Description
すなわち、バスやトラック等の大型車では、価格が安く、燃費のよい手動変速機と同様の構造の機械式変速機に、クラッチを自動的に断続可能な自動クラッチ装置や自動的に変速段を選択する自動変速装置等を組み合わせて用いている。
このAMTでは、変速時のみならず、発進時及び停止時にも自動的にクラッチの断続を行うように制御されており、例えば、発進時には、アクセルペダルを踏込み、アクセルオン状態となれば、自動的にクラッチを接続するように制御しており、停止時には、アクセルペダルの踏込みが無くなり、アクセルオフ状態となり、またはエンジン回転数が所定回転数より小さくなれば、自動的にクラッチを切断するようにして、発進時及び停止時の制御を行っている。発進時は、アクセル開度(アクセルペダルの踏込量)に応じて、燃料噴射量がエンジンに噴射されてエンジンの回転数が上昇し、エンジンの回転数の上昇に応じて、自動的にクラッチが接続される。
これにより、PTO動作時に、機関と変速機とが直結するので、流体継手における動力損失を低減させることができるとしている。
これにより、通常の自動変速装置において油圧制御バルブを設けるだけでPTO使用時のトルクコンバータによる駆動力のロスをなくすことができるとしている。
これにより、車輌の普通走行時は通常の機械駆動であり、作業時のみ油圧駆動であり、無段階変速が可能なため、作業に最適な速度を選択することができるとしている。
そのために、駆動装置を備えた自動車トルク・トランスファ・ケース・ポンプ駆動装置を、トルク・トランスファ・ケースの前部に取付け、補助流体圧ポンプを直接にトランスファ・ケースから駆動して補助流体圧ポンプの駆動に動力取出し装置(PTO)アダプタの必要をなくすことができる。
このように動力取出し装置(PTO)アダプタの必要をなくすことにより、自動車両内のトルク・トランスファ・ケースの装備を簡略化し、空間の問題のある用途においても補助流体圧ポンプの使用ができるとしている。
これにより、駆動源に結合された変速装置の出力軸と、左右駆動輪のためのデファレンシャルギア装置の入力軸とを同一軸線上に配置して主伝動軸線とし、主伝動軸線沿いの伝動を含む動力伝達を行なうトランスファ装置を備え、トランスファ装置を出力軸及び入力軸に脱着可能に結合した構造を有するので、トランスアクスルの仕様変更が容易であり、必要な機能を備えたトランスファ装置を簡便に設定することができるとしている。
また、変速機はロックアップ制御装置や、トルクコンバータを用いたものであり、何れもPTO作業時と一般走行時と選択する際に、誤って操作した際には、一般走行のための駆動輪に動力が伝わって、意図せずして車輌が動き出すという虞があった。
本発明は上記課題を改善するために提案されたものであって、機械式自動変速装置(AMT)車輌に、動力を切り換えるトランスファPTOを搭載したトランスファPTO搭載車において、誤操作で意図せず車輌が動き出すことのないように、安全性を充分に確保した、トランスファPTOの切換制御装置を提供することを目的とする。
トランスファPTOの切換制御部は、パーキングスイッチオン、且つ機械式自動変速機のニュートラル位置において、機械式自動変速機の出力軸を介して伝わるエンジンからの動力を、作業機構部へ伝達するようにトランスファPTOを切り換えることができる。
次いで、切換制御部は、機械式自動変速機のニュートラル位置からのドライブ位置への切換え操作で初めてエンジンからの動力を、走行機構部へ伝達するようにトランスファPTOを切換えることができる。
また、トランスファPTOスイッチの操作ありの判定、且つAMT操作有無判定部による、パーキングスイッチおよび機械式自動変速機のニュートラル操作なしの判定で通常走行モードに切り換えられる。
一方、PTOスイッチ操作有無判定部によるトランスファPTOスイッチの操作ありの判定で、AMT操作有無判定部による、パーキングスイッチおよび機械式自動変速機のニュートラル操作ありとの判定でトランスファPTO制御モード実行部でトランスファPTO制御モードに切り換えられる。
また、第2段階実行部において、機械式自動変速機のギヤ段をニュートラル位置からドライブ位置に切り換えてトランスファPTOの駆動ギヤ段を入れ換え、トランスファPTO接続中であるとして表示手段により表示することができる。
さらに、第3段階実行部において、トランスファPTOのギヤ切換え完了およびクラッチ接続完了状態であるとしてトランスファPTOのギヤ段を表示手段により表示することができる。
このように、各実行段階において、それぞれ表示手段により表示することができるので、これによりドライバは操作の進行状態を容易に把握することができる。
また、ドライバが誤って機械式自動変速機がドライブ位置でトランスファPTOスイッチに触れてPTOスイッチオンとなっても、ドライバの意に反してクラッチが繋がり車輌が動き出すという危険性を回避することができる。
トランスファPTO搭載の車輌1は、エンジン2からの動力を走行機構部3の他、走行以外の目的で利用して作業を実行する作業機構部4を備えている。
エンジン2は、周知のディーゼルエンジンで回転力が機械式自動変速機5(AMT)の出力軸を介して取出されるようになっている。
走行機構部3は、ここでは走行に必要な構成で実質的には、駆動力伝達軸(後述)により差動ギヤ機構(図示省略)を介して回転力が伝達されて回転する車輪部3t(タイヤ)からなる。
作業機構部4は、ここでは、例えばコンクリートポンプを例示している。
そして、トランスファPTO搭載の車輌1は、エンジン2からの動力を機械式自動変速機5の出力軸を介して走行機構部3と作業機構部4とに切換えて伝達する動力分配機構であるトランスファPTO6を備えている。なお、トランスファPTO6は図1ではT/Fと表記している。
すなわち、この車輌1では、エンジン2とトランスファPTO6とは、機械式自動変速機5(AMT)の出力軸とフロントプロペラシャフトfpsを介して動力的に接続され、トランスファPTO6は、走行機構部3とリアプロペラシャフトrpsを介し、作業機構部4とPTOプロペラシャフトppsを介し接続されている。
そして、トランスファPTO6と作業機構部4とは、PTOプロペラシャフトppsとトランスファPTO6の特定のギヤ段(ギヤ比が高い)、例えば11速で動力伝達可能に結合(直結)するようになっている。
また、パワーリレー12rlと切換スイッチ13とは、マグネットバルブ13mv(図2中ではM/V)を介して電気的に接続されている。
マグネットバルブ13mvは、電磁駆動切換弁(三方弁)でエアタンクからの作動エアを選択的に出力する2つの出力管a1、a2を有している。
切換スイッチ13は、シリンダ13cとシリンダ13c内を軸方向に進退動するシフトロッド13rとを具備する。シフトロッド13rはシリンダ13c内を軸方向に摺動するピストン13rhを有し、かかるピストン13rhを挟んで、マグネットバルブ13mvの出力管a1、a2をシリンダ13c内に連通させている。そして、シフトロッド13rには軸直交方向から押圧接触する接触スイッチLsw1、Lsw2が配設されている。シフトロッド13rには凹部13rdが設けられ、シフトロッド13rが軸方向に移動することで、接触スイッチLsw1、Lsw2が凹部13rdに係合離脱してオンオフするようになっている。
また、かかる接触スイッチLsw1、Lsw2にはそれぞれトランスファPTOスイッチ12のオンオフ状態を点滅で示すインジケータランプL1、L2が接続されている。
また、接触スイッチLsw2の出力側には、接触スイッチLsw2に連動して作動する常開のパワーリレー14rlが接続されている。
そして、パワーリレー14rlには、切換制御部7(ECU7)が接続されている。
切換制御部7は、操作指令部10におけるトランスファPTOスイッチ12のPTOスイッチ操作有無判定部Aと、パーキングスイッチ11および機械式自動変速機5のニュートラル操作のAMT操作有無判定部Bと、PTOスイッチ操作有無判定部AによるトランスファPTOスイッチ12の操作なしの判定か、またはトランスファPTOスイッチ12の操作ありの判定、且つAMT操作有無判定部Bによる、パーキングスイッチ11および機械式自動変速機5のニュートラル操作なしの判定で切換えて実行される通常走行モード実行部Cと、PTOスイッチ操作有無判定部AによるトランスファPTOスイッチ12の操作ありの判定で、AMT操作有無判定部Bによる、パーキングスイッチ11および機械式自動変速機5のニュートラル操作ありとの判定で切換えて実行されるトランスファPTO制御モード実行部Dと、を具備する。なお、PTOスイッチ操作有無判定部Aは、トランスファPTOスイッチ12の操作有無判定部であり、トランスファPTOスイッチ操作有無判定部Aを、PTOスイッチ操作有無判定部Aと簡略化して表記している。
すなわち切換制御部7は、操作指令部10におけるトランスファPTOスイッチ12オン、パーキングスイッチ11オンで、且つ機械式自動変速機5のニュートラル位置においてエンジン2からの動力を、トランスファPTO6を介して、作業機構部4に伝達するように切換えるトランスファPTO制御モード実行部Dと、トランスファPTO制御モードにおいて機械式自動変速機5のニュートラル位置からのドライブ位置への切換え操作でエンジン2からの動力を、トランスファPTO6を介して走行機構部3に伝達するように切換える通常走行モード実行部Cとを切換え実行するようになっている。
ドライバがトランスファPTO搭載の車輌1のエンジン2を始動させるときは、運転席におけるパーキングブレーキ(図示省略)を引いた状態で、キャビン内のエンジンキースイッチ(図示省略)を回し操作し、始動させる。
ここでキャビン内のトランスファPTOスイッチ12をオン操作しなければ、操作指令部10において、パーキングスイッチ11オンでパーキングリレー11rlが閉成されても、トランスファPTOスイッチ12がオフでパワーリレー12rlは励磁されず、したがってマグネットバルブ13mvも励磁されない。エアタンクからの作動エアは2つの出力管a1、a2のうちの出力管a1を通じてシリンダ13c内に送り込まれ、PTOsw側の接触スイッチLsw2がオフのままで、インジケータランプL2が点灯することはなく、パワーリレー14rlは励磁されない。これにより、ECU7には、トランスファPTOスイッチ12はオフのままであるとして、ECU7での制御手順が実行される。
このとき操作指令部10において、パーキングスイッチ11オンでパーキングリレー11rlが閉成される。そしてトランスファPTOスイッチ12がオンでパワーリレー12rlが閉成されるため、パワーリレー12rlに連動するマグネットバルブ13mvが励磁される。このため、エア流路が切り換って、エアタンクからの作動エアが2つの出力管a1、a2のうちの出力管a2を通じてシリンダ13c内に送り込まれる。このため、PTOsw側の接触スイッチLsw2がオンとなり、インジケータランプL2が点灯すると共に、パワーリレー14rlが励磁される。これにより、ECU7には、トランスファPTOスイッチ12がオンとなった旨の信号が送られ、ECU7での制御手順が実行される。
このように、パーキングスイッチ11オンで機械式自動変速機5をニュートラル位置に切り換えられていることで初めてトランスファPTO制御モード実行部Dへ移行することができるので、ドライバが誤ってドライブ位置でトランスファPTOスイッチ12に触れてオンとしても、ドライバの意図に反してクラッチが繋がり、車輌が動き出すことを防止することができる。
トランスファPTO制御モード実行部Dは、機械式自動変速機5がニュートラル位置でクラッチを接続し、機械式自動変速機5のニュートラル位置を表示手段により表示するPTOスタンバイ状態を示す第1段階実行部と、機械式自動変速機5のギヤ段をニュートラル位置からドライブ位置に切り換えてトランスファPTOの駆動ギヤ段を入れ換え、トランスファPTO接続中であるとして表示手段により表示する第2段階実行部と、トランスファPTOのギヤ切換え完了およびクラッチ接続完了状態であるとしてトランスファPTOのギヤ段を表示手段により表示する第3段階実行部と、からなる。
すなわち、PTOスイッチ操作有無判定部AにおいてトランスファPTOスイッチ12がオンとなったこと、AMT操作有無判定部Bにおいてパーキングスイッチ11オンで機械式自動変速機5がニュートラル位置に切り換えられていることが認識されると(ステップS3)、機械式自動変速機5をニュートラル位置でクラッチを接続操作する。この操作状態をトランスファPTOスタンバイ状態にある第1段階実行部として、例えばギヤシフトインジケータ(図示省略)のNの点滅により状態表示することができる(ステップS4)。
ステップS6において、機械式自動変速機5がドライブ位置にシフトされたと判定されると、トランスファPTO6のギヤ段(例えば11速)をギヤシフトインジケータに点滅表示して、トランスファPTO接続中である第2段階実行部として状態表示することができる(ステップS7)。なお、ステップS6において、機械式自動変速機5がドライブ位置にシフトされていないと判定されると、ステップS4の第1段階実行部であるトランスファPTOスタンバイ状態に戻る。
ステップS9の確認がなされば次にトランスファPTO駆動ギヤ段(例えば11速)への変速完了後、クラッチの接続が完了したか否かが確認される(ステップS10)。完了していなければ、ステップS7の第2段階実行部であるトランスファPTO接続中に戻る。
ステップS10が確認されれば、変速後のトランスファPTO駆動ギヤ段の表示がなされ、第3段階実行部のトランスファPTO作業可能状態に入ったとして状態表示することができる(ステップS11)。
かかる状態において、エンジン2からの動力は、機械式自動変速機5の出力軸、フロントプロペラシャフトfps、トランスファPTO6の11段、PTOプロペラシャフトppsを介して作業機構部4に直結的に伝達される。
これにより、作業機構部4の負荷が大きくても、作業機構部4を駆動するだけの動力を取り出すことができる。
そして、その後の操作で機械式自動変速機5がドライブ位置にあるか、パーキングスイッチ11オンか、トランスファPTOスイッチ12がオンか否かの確認がなされる(ステップS12)。確認がされなければステップS4のトランスファPTOスタンバイ状態に戻り、再度、順次、上記手順で実行される。
さらに、トランスファPTO作業中に誤ってトランスファPTOスイッチ12をオフとしても、そのまま走行することはなく、少なくとも機械式自動変速機5をニュートラル位置からドライブ位置にシフトしない限り、車輌は走行できないため、意図せず車輌が動き出すという不測の事態を避けることができる。
2 エンジン
3 走行機構部
3t車輪部
4 作業機構部
5 機械式自動変速機
6 トランスファPTO
7 切換制御部(ECU)
10操作指令部
11パーキングスイッチ
11rlパーキングリレー
12トランスファPTOスイッチ
12rlパワーリレー
13切換スイッチ
13mvマグネットバルブ
13cシリンダ
13rロッド
13rhピストン
13rd凹部
14rlパワーリレー
fpsフロントプロペラシャフト
rpsリアプロペラシャフト
ppsPTOプロペラシャフト
a1、a2出力管
Lsw1、Lsw2接触スイッチ
L1、L2インジケータランプ
A PTOスイッチ操作有無判定部
B AMT操作有無判定部
C 通常走行モード実行部
D トランスファPTO制御モード実行部
Claims (8)
- エンジンからの動力を、機械式自動変速機の出力軸を介して走行機構部および走行以外の作業機構部に切換えて伝達するトランスファPTOの切換制御装置において、
前記トランスファPTOは、パーキングスイッチと、トランスファPTOスイッチとを備えた操作指令部と、
該操作指令部におけるパーキングスイッチがオンであり、前記トランスファPTOスイッチがオンであり、且つ前記機械式自動変速機がニュートラル位置にあることを条件に、前記作業機構部へ前記エンジンからの動力を伝達するように切換え、前記機械式自動変速機の前記ニュートラル位置からドライブ位置への切換え操作で前記エンジンからの動力を前記走行機構部へ伝達するように切換える切換制御部と、
を備え、
前記切換制御部は、
前記トランスファPTOスイッチがオフである場合、または、前記トランスファPTOスイッチがオンであり、且つ、前記パーキングスイッチがオフであるか前記機械式自動変速機がニュートラル位置にないかの少なくとも一方が成立する場合に、前記エンジンからの動力を前記走行機構部に伝達する通常走行モードを実行し、
前記トランスファPTOスイッチがオンであり、前記パーキングスイッチがオンであり、且つ、前記機械式自動変速機がニュートラル位置にある場合に前記エンジンからの動力を前記作業機構部に伝達するトランスファPTO制御モードを実行し、
前記トランスファPTO制御モードでは、
前記機械式自動変速機がニュートラル位置にある場合に前記トランスファPTOのクラッチを接続し、前記機械式自動変速機のニュートラル位置を表示手段により表示するPTOスタンバイ状態を示す第1段階が実行され、
前記機械式自動変速機がニュートラル位置からドライブ位置に切り換えられた場合に、前記トランスファPTOの変速制御を実施し、トランスファPTO接続中である旨を前記表示手段により表示する第2段階が実行され、
前記トランスファPTOの前記変速制御が完了した場合に、前記トランスファPTOのギヤ段を前記表示手段により表示する第3段階が実行されることを特徴とするトランスファPTOの切換制御装置。 - 前記第1段階では、前記機械式自動変速機をニュートラルに切り換えることにより、前記エンジンからの動力伝達が遮断される、ことを特徴とする請求項1記載のトランスファPTOの切換制御装置。
- 前記第1段階では、前記トランスファPTOスイッチがオフにされ、且つ、前記機械式自動変速機がニュートラル位置になった場合に、前記トランスファPTO制御モードから前記通常走行モードに戻ることを特徴とする請求項1または2項に記載のトランスファPTOの切換制御装置。
- 前記第3段階では、前記作業機構部は、前記機械式自動変速機がドライブ位置に切り換えられた際に前記エンジンと動力的に接続されることにより駆動可能である、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のトランスファPTOの切換制御装置。
- 前記第3段階から前記通常走行モードに移行する場合に、前記第1段階を経由することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のトランスファPTOの切換制御装置。
- 前記表示手段は、ギヤインジケータ表示部であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のトランスファPTOの切換制御装置。
- 前記表示手段は、ステータス表示部であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のトランスファPTOの切換制御装置。
- 前記ギヤインジケータ表示部において、前記第1段階ではN点滅、前記第2段階ではギヤ段点滅、前記第3段階ではギヤ段点灯が行われる、ことを特徴とする請求項6に記載のトランスファPTOの切換制御装置。
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