JP6164218B2 - 薄膜トランジスタ - Google Patents

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Description

本発明は、薄膜トランジスタに係り、さらに詳しくは、移動度が高く、オン/オフ比が大きく、リーク電流の小さい薄膜トランジスタに関する。
近年、有機材料を用いた有機TFT(薄膜トランジスタ)に関する研究が盛んに行われている。このような薄膜トランジスタは、たとえば、基板の表面に、ゲート電極、ゲート絶縁膜、半導体層、ソース電極、およびドレイン電極を形成することで構成される。
このような薄膜トランジスタにおいて、半導体層として、有機半導体膜を用いる技術が知られている(特許文献1参照)。しかしながら、このような有機半導体膜を用いた薄膜トランジスタは、キャリア移動度が低く、応答性が低いため、このような有機半導体膜を用いた薄膜トランジスタを、ディスプレイ等に用いた場合に、画面にチラツキ等が発生してしまい、鮮明性が低下してしまうという課題がある。これに対して、半導体層として、スパッタリング法により形成されたインジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)等のアモルファス酸化物半導体を用いる技術が検討されている。
特開2007−251093号公報
しかしながら、IGZO等のアモルファス酸化物半導体からなる半導体膜を、スパッタリング法により形成する際には、半導体膜の下側に位置することとなるゲート絶縁膜が高温条件やプラズマ発生環境下に晒されることとなるため、半導体膜を形成する際に発生する熱やプラズマの影響により、ゲート絶縁膜が劣化してしまい、結果として、オン/オフ比が小さくなったり、リーク電流が増大してしまうという課題がある。
本発明は、移動度が高く、オン/オフ比が大きく、リーク電流の小さい薄膜トランジスタを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、ゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜上に形成される半導体層とを備える薄膜トランジスタにおいて、半導体層を、特定のアモルファス酸化物半導体からなるスパッタ膜で構成するとともに、ゲート絶縁膜を、プロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体と、プロトン性極性基と反応するエポキシ基を分子内に2以上有するエポキシ系架橋剤とを含有する樹脂組成物で構成することにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明によれば、ゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成される半導体層とを備える薄膜トランジスタであって、前記半導体層が、In、Ga、およびZnのうち少なくとも1種の元素を含むアモルファス酸化物半導体からなるスパッタ膜から構成され、前記ゲート絶縁膜が、プロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体(A)と、前記プロトン性極性基と反応するエポキシ基を分子内に2以上有するエポキシ系架橋剤(B)とを含有する樹脂組成物から構成されることを特徴とする薄膜トランジスタが提供される。
好ましくは、前記樹脂組成物中における、前記エポキシ系架橋剤(B)の含有量が、前記環状オレフィン重合体(A)100重量部に対して、10〜100重量部である。
好ましくは、前記樹脂組成物が、前記エポキシ系架橋剤(B)として、異なる2種類以上の化合物を含有する。
好ましくは、前記樹脂組成物が、メラミン系架橋剤(C)をさらに含有する。
好ましくは、前記樹脂組成物中における、前記メラミン系架橋剤(C)の含有量が、前記環状オレフィン重合体(A)100重量部に対して、10〜50重量部である。
また、本発明においては、薄膜トランジスタを、基板上に設けられるゲート電極と、前記ゲート電極を覆うように設けられるゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の表面に設けられる半導体層と、前記半導体層の表面に設けられるソース電極およびドレイン電極とを備え、前記半導体層が、In、Ga、およびZnのうち少なくとも1種の元素を含むアモルファス酸化物半導体からなるスパッタ膜から構成され、前記ゲート絶縁膜が、プロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体(A)と、前記プロトン性極性基と反応するエポキシ基を分子内に2以上有するエポキシ系架橋剤(B)とを含有する樹脂組成物から構成されるものとすることができる。
あるいは、本発明においては、薄膜トランジスタを、基板上に設けられるゲート電極と、前記ゲート電極を覆うように設けられるゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の表面のうち一部を覆うように設けられるソース電極およびドレイン電極と、前記ゲート絶縁膜、ソース電極およびドレイン電極の表面に跨って設けられる半導体層とを備え、前記半導体層が、In、Ga、およびZnのうち少なくとも1種の元素を含むアモルファス酸化物半導体からなるスパッタ膜から構成され、前記ゲート絶縁膜が、プロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体(A)と、前記プロトン性極性基と反応するエポキシ基を分子内に2以上有するエポキシ系架橋剤(B)とを含有する樹脂組成物から構成されるものとすることができる。
さらに、本発明においては、薄膜トランジスタを、基板上に設けられるゲート電極と、前記ゲート電極を覆うように設けられるゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜の表面に設けられる半導体層と、前記半導体層の表面の一部に設けられるエッチストッパーと、前記半導体層の表面および前記エッチストッパーの表面の一部に設けられるソース電極およびドレイン電極とを備え、前記半導体層が、In、Ga、およびZnのうち少なくとも1種の元素を含むアモルファス酸化物半導体からなるスパッタ膜から構成され、前記ゲート絶縁膜が、プロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体(A)と、前記プロトン性極性基と反応するエポキシ基を分子内に2以上有するエポキシ系架橋剤(B)とを含有する樹脂組成物から構成されるものとすることができる。
本発明によれば、移動度が高く、オン/オフ比が大きく、リーク電流の小さい薄膜トランジスタを提供することができる。
図1は、本発明に係る薄膜トランジスタの一例を示す断面図である。 図2は、本発明に係る薄膜トランジスタの他の例(第2の例)を示す断面図である。 図3は、本発明に係る薄膜トランジスタの製造方法を示す図である。 図4は、本発明に係る薄膜トランジスタの他の例(第3の例)を示す断面図である。
本発明の薄膜トランジスタは、ゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成される半導体層とを備える薄膜トランジスタであって、前記半導体層が、In、Ga、およびZnのうち少なくとも1種の元素を含むアモルファス酸化物半導体からなるスパッタ膜から構成され、前記ゲート絶縁膜が、プロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体(A)と、前記プロトン性極性基と反応するエポキシ基を分子内に2以上有するエポキシ系架橋剤(B)とを含有する樹脂組成物から構成されることを特徴とする。
以下においては、まず、本発明で用いるゲート絶縁膜を形成するための樹脂組成物について説明する。
(樹脂組成物)
本発明で用いるゲート絶縁膜を形成するための樹脂組成物は、プロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体(A)と、プロトン性極性基と反応するエポキシ基を分子内に2以上有するエポキシ系架橋剤(B)とを含有する。
(プロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体(A))
本発明で用いるプロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体(A)(以下、単に「環状オレフィン重合体(A)」とする。)は、1または2以上の環状オレフィン単量体の重合体、または、1または2以上の環状オレフィン単量体と、これと共重合可能な単量体との共重合体が挙げられるが、本発明においては、環状オレフィン重合体(A)を形成するための単量体として、少なくともプロトン性極性基を有する環状オレフィン単量体(a)を用いることが好ましい。
ここで、プロトン性極性基とは、周期律表第15族又は第16族に属する原子に水素原子が直接結合している原子を含む基をいう。周期律表第15族または第16族に属する原子のなかでも、周期律表第15族または第16族の第1または第2周期に属する原子が好ましく、より好ましくは酸素原子、窒素原子又は硫黄原子であり、特に好ましくは酸素原子である。
このようなプロトン性極性基の具体例としては、水酸基、カルボキシ基(ヒドロキシカルボニル基)、スルホン酸基、リン酸基等の酸素原子を有する極性基;第一級アミノ基、第二級アミノ基、第一級アミド基、第二級アミド基(イミド基)等の窒素原子を有する極性基;チオール基等の硫黄原子を有する極性基;等が挙げられる。これらの中でも、酸素原子を有するものが好ましく、より好ましくはカルボキシ基である。
本発明において、プロトン性極性基を有する環状オレフィン樹脂に結合しているプロトン性極性基の数に特に限定はなく、また、相異なる種類のプロトン性極性基が含まれていてもよい。
プロトン性極性基を有する環状オレフィン単量体(a)(以下、適宜、「単量体(a)」という。)の具体例としては、2−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−メチル−2−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−カルボキシメチル−2−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2,3−ジヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニル−3−ヒドロキシカルボニルメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、3−メチル−2−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、3−ヒドロキシメチル−2−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシカルボニルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3,8−ジエン、4−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−メチル−4−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4,5−ジヒドロキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−カルボキシメチル−4−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、N−(ヒドロキシカルボニルメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ヒドロキシカルボニルエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ヒドロキシカルボニルペンチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ジヒドロキシカルボニルエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ジヒドロキシカルボニルプロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ヒドロキシカルボニルフェネチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ヒドロキシカルボニルフェネチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−(4−ヒドロキシフェニル)−1−(ヒドロキシカルボニル)エチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ヒドロキシカルボニルフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド等のカルボキシ基含有環状オレフィン;2−(4−ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−メチル−2−(4−ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、4−(4−ヒドロキシフェニル)テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−メチル−4−(4−ヒドロキシフェニル)テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、2−ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ヒドロキシエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−メチル−2−ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2,3−ジヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−(ヒドロキシエトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−メチル−2−(ヒドロキシエトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−(1−ヒドロキシ−1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−(2−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロピル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、3−ヒドロキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−4,8−ジエン、3−ヒドロキシメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−4,8−ジエン、4−ヒドロキシテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−ヒドロキシメチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4,5−ジヒドロキシメチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−(ヒドロキシエトキシカルボニル)テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−メチル−4−(ヒドロキシエトキシカルボニル)テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、N−(ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ヒドロキシフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、等の水酸基含有環状オレフィン等が挙げられる。これらのなかでも、得られるゲート絶縁膜の密着性が高くなるという点より、カルボキシ基含有環状オレフィンが好ましく、4−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エンが特に好ましい。これら単量体(a)は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
環状オレフィン重合体(A)中における、単量体(a)の単位の含有割合は、全単量体単位に対して、好ましくは10〜90モル%であり、より好ましくは20〜80モル%、さらに好ましくは30〜70モル%である。単量体(a)の単位の含有割合を上記範囲とすることにより、環状オレフィン重合体(A)の極性溶剤への溶解性を十分なものとしながら、ゲート絶縁膜とした場合における強度および絶縁性を良好なものとすることができる。
また、本発明で用いる環状オレフィン重合体(A)は、プロトン性極性基を有する環状オレフィン単量体(a)と、これと共重合可能な単量体(b)とを共重合して得られる共重合体であってもよい。このような共重合可能な単量体としては、プロトン性極性基以外の極性基を有する環状オレフィン単量体(b1)、極性基を持たない環状オレフィン単量体(b2)、および環状オレフィン以外の単量体(b3)(以下、適宜、「単量体(b1)」、「単量体(b2)」、「単量体(b3)」という。)が挙げられる。
プロトン性極性基以外の極性基を有する環状オレフィン単量体(b1)としては、たとえば、N−置換イミド基、エステル基、シアノ基またはハロゲン原子を有する環状オレフィンが挙げられる。
N−置換イミド基を有する環状オレフィンとしては、たとえば、下記式(1)で表される単量体、または下記式(2)で表される単量体が挙げられる。
Figure 0006164218
(上記式(1)中、Rは水素原子もしくは炭素数1〜16のアルキル基またはアリール基を表す。nは1ないし2の整数を表す。)
Figure 0006164218
(上記式(2)中、Rは炭素数1〜3の2価のアルキレン基、Rは、炭素数1〜10の1価のアルキル基、または、炭素数1〜10の1価のハロゲン化アルキル基を表す。)
上記式(1)中において、Rは炭素数1〜16のアルキル基又はアリール基であり、アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基等の直鎖アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基、ノルボルニル基、ボルニル基、イソボルニル基、デカヒドロナフチル基、トリシクロデカニル基、アダマンチル基等の環状アルキル基;2−プロピル基、2−ブチル基、2−メチル−1−プロピル基、2−メチル−2−プロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−メチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、4−メチルヘプチル基、1−メチルノニル基、1−メチルトリデシル基、1−メチルテトラデシル基などの分岐状アルキル基;などが挙げられる。また、アリール基の具体例としては、ベンジル基などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性および極性溶剤への溶解性により優れることから、炭素数6〜14のアルキル基およびアリール基が好ましく、炭素数6〜10のアルキル基およびアリール基がより好ましい。炭素数が4以下であると極性溶剤への溶解性に劣り、炭素数が17以上であると耐熱性に劣るという問題がある。
上記式(1)で表される単量体の具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−シクロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−シクロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−アダマンチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルブチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−メチルブチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルペンチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−メチルペンチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−エチルブチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−エチルブチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−メチルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−メチルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−ブチルペンチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−ブチルペンチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルヘプチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−メチルヘプチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−メチルヘプチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルヘプチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−エチルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−エチルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−プロピルペンチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−プロピルペンチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルオクチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−メチルオクチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−メチルオクチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルオクチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−エチルヘプチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−エチルヘプチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−エチルヘプチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−エチルヘプチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−プロピルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−プロピルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−プロピルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルノニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−メチルノニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−メチルノニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルノニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(5−メチルノニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−エチルオクチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−エチルオクチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(3−エチルオクチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−エチルオクチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルデシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルドデシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルウンデシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルドデシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルトリデシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルテトラデシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(1−メチルペンタデシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−フェニル−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボキシイミド、N−(2,4−ジメトキシフェニル)−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボキシイミド等が挙げられる。なお、これらはそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、上記式(2)において、Rは炭素数1〜3の2価のアルキレン基であり、炭素数1〜3の2価のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基およびイソプロピレン基が挙げられる。これらの中でも、重合活性が良好であるため、メチレン基およびエチレン基が好ましい。
また、上記式(2)において、Rは、炭素数1〜10の1価のアルキル基、または、炭素数1〜10の1価のハロゲン化アルキル基である。炭素数1〜10の1価のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基およびシクロヘキシル基などが挙げられる。炭素数1〜10の1価のハロゲン化アルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基およびパーフルオロペンチル基などが挙げられる。これら中でも、極性溶剤への溶解性に優れるため、Rとしては、メチル基およびエチル基が好ましい。
なお、上記式(1)、(2)で表される単量体は、たとえば、対応するアミンと、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物とのアミド化反応により得ることができる。また、得られた単量体は、アミド化反応の反応液を公知の方法で分離・精製することにより効率よく単離できる。
エステル基を有する環状オレフィンとしては、例えば、2−アセトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−アセトキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−プロポキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−メチル−2−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−メチル−2−エトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−メチル−2−プロポキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−メチル−2−ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−メチル−2−シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−メチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、4−アセトキシテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−メトキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−エトキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−プロポキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−ブトキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−メチル−4−メトキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−メチル−4−エトキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−メチル−4−プロポキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−メチル−4−ブトキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン等が挙げられる。
シアノ基を有する環状オレフィンとしては、例えば、4−シアノテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−メチル−4−シアノテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4,5−ジシアノテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、2−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−メチル−2−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2,3−ジシアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、等が挙げられる。
酸無水物基を有する環状オレフィンとしては、例えば、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、2−カルボキシメチル−2−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン無水物、等が挙げられる。
ハロゲン原子を有する環状オレフィンとしては、例えば、2−クロロビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−クロロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、2−(クロロフェニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン、4−クロロテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−メチル−4−クロロテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン等が挙げられる。
これら単量体(b1)は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
極性基を持たない環状オレフィン単量体(b2)としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(「ノルボルネン」ともいう。)、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−3,8−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、テトラシクロ[10.2.1.02,11.04,9]ペンタデカ−4,6,8,13−テトラエン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン(「テトラシクロドデセン」ともいう。)、9−メチル−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチル−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−メチリデン−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチリデン−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−ビニル−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−プロペニル−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、ペンタシクロ[9.2.1.13,9.02,10.04,8]ペンタデカ−5,12−ジエン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、インデン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン、9−フェニル−テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、テトラシクロ[9.2.1.02,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン、ペンタシクロ[9.2.1.13,9.02,10.04,8]ペンタデカ−12−エン等が挙げられる。
これら単量体(b2)は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
環状オレフィン以外の単量体(b3)の具体例としては、エチレン;プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素数2〜20のα−オレフィン;1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン等の非共役ジエン、およびこれらの誘導体;等が挙げられる。これらの中でも、α−オレフィン、特にエチレンが好ましい。
これら単量体(b3)は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これら単量体(b1)〜(b3)のなかでも、本発明の効果がより一層顕著となるという観点より、プロトン性極性基以外の極性基を有する環状オレフィン単量体(b1)が好ましく、N−置換イミド基を有する環状オレフィンが特に好ましい。
環状オレフィン重合体(A)中における、共重合可能な単量体(b)の単位の含有割合は、全単量体単位に対して、好ましくは10〜90モル%、より好ましくは20〜80モル%、さらに好ましくは30〜70モル%である。共重合可能な単量体(b)の単位の含有割合を上記範囲とすることで、環状オレフィン重合体(A)の極性溶剤への溶解性を十分なものとしながら、ゲート絶縁膜とした場合における強度および絶縁性を良好なものとすることができる。
なお、本発明においては、プロトン性極性基を有しない環状オレフィン系重合体に、公知の変性剤を利用してプロトン性極性基を導入することで、環状オレフィン重合体(A)としてもよい。
プロトン性極性基を有しない重合体は、上述した単量体(b1)および(b2)のうち少なくとも一種と、必要に応じて単量体(b3)とを任意に組み合わせて重合することによって得ることができる。
プロトン性極性基を導入するための変性剤としては、通常、一分子内にプロトン性極性基と反応性の炭素−炭素不飽和結合とを有する化合物が用いられる。
このような化合物の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、アンゲリカ酸、チグリン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、ブラシジン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、アトロパ酸、ケイ皮酸等の不飽和カルボン酸;アリルアルコール、メチルビニルメタノール、クロチルアルコール、メタリルアルコール、1−フェニルエテン−1−オール、2−プロペン−1−オール、3−ブテン−1−オール、3−ブテン−2−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、2−メチル−3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、4−メチル−4−ぺンテン−1−オール、2−ヘキセン−1−オール等の不飽和アルコール;等が挙げられる。
これら変性剤を用いた重合体の変性反応は、常法に従えばよく、通常、ラジカル発生剤の存在下で行われる。
なお、本発明で用いる環状オレフィン重合体(A)は、上述した単量体を開環重合させた開環重合体であってもよいし、あるいは、上述した単量体を付加重合させた付加重合体であってもよいが、本発明の効果がより一層顕著になるという点より、開環重合体であることが好ましい。
開環重合体は、プロトン性極性基を有する環状オレフィン単量体(a)および必要に応じて用いられる共重合可能な単量体(b)を、メタセシス反応触媒の存在下に開環メタセシス重合することにより製造することができる。製造方法としては、たとえば、国際公開第2010/110323号の[0039]〜[0079]に記載されている方法等を用いることができる。
本発明で用いる環状オレフィン重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、通常、1,000〜1,000,000、好ましくは1,500〜100,000、より好ましくは2,000〜10,000の範囲である。
また、環状オレフィン重合体(A)の分子量分布は、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)比で、通常、4以下、好ましくは3以下、より好ましくは2.5以下である。なお、環状オレフィン重合体(A)の重量平均分子量(Mw)や分子量分布(Mw/Mn)は、テトラヒドロフラン等の溶媒を溶離液としたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算値として求められる値である。
(エポキシ基を分子内に2以上有するエポキシ系架橋剤(B))
本発明で用いるゲート絶縁膜を形成するための樹脂組成物は、上述した環状オレフィン重合体(A)に加えて、環状オレフィン重合体(A)のプロトン性極性基と反応するエポキシ基を分子内に2以上有するエポキシ系架橋剤(B)(以下、単に「エポキシ系架橋剤(B)」とする。)を含有する。
本発明においては、ゲート絶縁膜を形成するための樹脂組成物として、環状オレフィン重合体(A)およびエポキシ系架橋剤(B)を含有するものを用いることにより、得られるゲート絶縁膜の耐熱性および耐プラズマ性を向上させることができ、これにより、半導体膜を形成するためにスパッタリングを行った際においても、スパッタリングを行った際に発生する熱やプラズマに起因する、ゲート絶縁膜の劣化を有効に防止することができる。そして、これにより、得られる薄膜トランジスタを、移動度が高く、オン/オフ比が大きく、リーク電流の小さいものとすることができる。
本発明で用いるエポキシ系架橋剤(B)としては、環状オレフィン重合体(A)のプロトン性極性基と反応するエポキシ基を分子内に2以上有する化合物であればよく、特に限定されない。また、エポキシ基としては、末端エポキシ基、脂環式エポキシ基のいずれでもよい。
このようなエポキシ系架橋剤(B)としては、たとえば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ポリフェノール型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエーテル化合物、エポキシアクリレート重合体等が挙げられる。
エポキシ系架橋剤(B)の具体例としては、ジシクロペンタジエンを骨格とする3官能性のエポキシ化合物(商品名「XD−1000」、日本化薬社製)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物(シクロヘキサン骨格および末端エポキシ基を有する15官能性の脂環式エポキシ樹脂、商品名「EHPE3150」、ダイセル化学工業社製)、エポキシ化3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ビス(3−シクロヘキセニルメチル)修飾ε−カプロラクトン(脂肪族環状3官能性のエポキシ樹脂、商品名「エポリードGT301」、ダイセル化学工業社製)、エポキシ化ブタンテトラカルボン酸テトラキス(3−シクロヘキセニルメチル)修飾ε−カプロラクトン(脂環式エポキシ基を有する脂肪族環状4官能性のエポキシ樹脂、商品名「エポリードGT401」、ダイセル化学工業社製)等の脂環構造を有するエポキシ化合物;
芳香族アミン型多官能エポキシ化合物(商品名「H−434」、東都化成工業社製)、クレゾールノボラック型多官能エポキシ化合物(商品名「EOCN−1020」、日本化薬社製)、フェノールノボラック型多官能エポキシ化合物(エピコート152、154、ジャパンエポキシレジン社製)、ナフタレン骨格を有する多官能エポキシ化合物(商品名EXA−4700、大日本インキ化学株式会社製)、鎖状アルキル多官能エポキシ化合物(商品名「SR−TMP」、阪本薬品工業株式会社製)、多官能エポキシポリブタジエン(商品名「エポリードPB3600」、ダイセル化学工業社製)、グリセリンのグリシジルポリエーテル化合物(商品名「SR−GLG」、阪本薬品工業株式会社製)、ジグリセリンポリグリシジルエーテル化合物(商品名「SR−DGE」、阪本薬品工業株式会社製、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル化合物(商品名「SR−4GL」、阪本薬品工業株式会社製)等の脂環構造を有さないエポキシ化合物;を挙げることができる。
エポキシ系架橋剤(B)の中でも、得られるゲート絶縁膜の耐熱性の向上効果が高いという点より、脂環構造を有する化合物が好ましく、かつ、脂環構造を有し、かつ、エポキシ基が3個以上である化合物がより好ましい。
また、本発明においては、得られるゲート絶縁膜の耐熱性および耐プラズマ性をより向上させることができ、これにより、半導体膜を形成するためにスパッタリングを行った際における、スパッタリングを行った際に発生する熱やプラズマに起因する、ゲート絶縁膜の劣化の抑制効果をより高めることができるという点より、エポキシ系架橋剤(B)として、異なる2種以上の化合物を組み合わせて用いることが好ましい。なお、この場合における、異なる2種以上の化合物としては、その化学構造が実質的に異なると判断できるような2種以上の化合物を組み合わせて用いればよく、たとえば、上述した化合物を適宜組み合わせて用いることができるが、耐熱性の向上効果をより高めることができるという点より、分子量(Mw)が1,000未満(好ましくは800以下)の化合物と、分子量(Mw)が1,000以上(好ましくは2000以上)の化合物とを組み合わせて用いることが好ましい。あるいは、同様に、耐熱性および耐プラズマ性の向上効果をより高めることができるという点より、末端エポキシ基を有する化合物と、脂環式エポキシ基を有する化合物とを組み合わせて用いることも好ましい。
本発明で用いる樹脂組成物中におけるエポキシ系架橋剤(B)の含有量は、環状オレフィン重合体(A)100重量部に対して、好ましくは10〜100重量部、より好ましくは20〜70重量部であり、より好ましくは40〜60重量部である。エポキシ系架橋剤(B)の含有量を上記範囲とすることにより、得られるゲート絶縁膜の耐熱性および耐プラズマ性を適切に高めることができる。
(メラミン系架橋剤(C))
本発明で用いるゲート絶縁膜を形成するための樹脂組成物は、上述した環状オレフィン重合体(A)およびエポキシ系架橋剤(B)に加えて、メラミン系架橋剤(C)をさらに含有していることが好ましい。メラミン系架橋剤(C)をさらに含有させることにより、得られるゲート絶縁膜の耐熱性および耐プラズマ性をより向上させることができ、これにより、半導体膜を形成するためにスパッタリングを行った際における、スパッタリングを行った際に発生する熱やプラズマに起因する、ゲート絶縁膜の劣化の抑制効果をより高めることができる。
本発明で用いるメラミン系架橋剤(C)としては、メラミン骨格を有し、かつ、環状オレフィン重合体(A)と反応して環状オレフィン重合体(A)間に架橋構造を形成するものであればよいが、本発明においては、下記式(3)で表される化合物を好適に用いることができる。
Figure 0006164218
上記式(3)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子または−CH2OR10基(ただし、R10は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基)を示し、R〜Rのうち、少なくとも1つは−CH2OR10基である。R〜Rは、同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。また、上記式(3)において、−CH2OR10で表される炭素数1〜6のアルコキシメチル基のなかでも、R10の炭素数が炭素数1〜4であるアルコキシメチル基が好ましく、具体的にはメトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基が好ましく、特にメトキシメチル基が好ましい。
メラミン系架橋剤(C)の具体例としては、N,N,N’,N’,N’’,N’’−(ヘキサアルコキシアルキル)メラミン等のメチロール基やイミノ基等を有していてもよいメラミン類(商品名「サイメル303、サイメル325、サイメル350、サイメル370、サイメル232、サイメル235、サイメル272、サイメル212、マイコート506」{以上、サイテックインダストリーズ社製}等のサイメルシリーズ、マイコートシリーズ)などが挙げられる。
本発明で用いる樹脂組成物中におけるメラミン系架橋剤(C)の含有量は、環状オレフィン重合体(A)100重量部に対して、好ましくは10〜100重量部、より好ましくは10〜50重量部、さらに好ましくは20〜50重量部である。また、メラミン系架橋剤(C)の含有量は、上述したエポキシ系架橋剤(B)の含有量との関係で、「エポキシ系架橋剤(B):メラミン系架橋剤(C)」の重量比で、1:3〜3:1の範囲であることが好ましく、1:2〜2:1の範囲であることがより好ましい。メラミン系架橋剤(C)の含有量を上記範囲とすることにより、得られるゲート絶縁膜の耐熱性および耐プラズマ性を適切に高めることができる。
(その他の配合剤)
本発明で用いる樹脂組成物には、さらに、溶剤が含有されていてもよい。溶剤としては、特に限定されず、樹脂組成物の溶剤として公知のもの、例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−オクタノン、3−オクタノン、4−オクタノンなどの直鎖のケトン類;n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、シクロヘキサノールなどのアルコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのアルコールエーテル類;ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチルなどのエステル類;セロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテートなどのセロソルブエステル類;プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどのプロピレングリコール類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルなどのジエチレングリコール類;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−カプリロラクトンなどの飽和γ−ラクトン類;トリクロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミドなどの極性溶媒などが挙げられる。これらの溶剤は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。溶剤の含有量は、環状オレフィン重合体(A)100重量部に対して、好ましくは10〜10000重量部、より好ましくは50〜5000重量部、さらに好ましくは100〜1000重量部の範囲である。なお、樹脂組成物に溶剤を含有させる場合には、溶剤は、通常、ゲート絶縁膜形成後に除去されることとなる。
また、本発明で用いる樹脂組成物は、本発明の効果が阻害されない範囲であれば、所望により、酸化防止剤、界面活性剤、酸性基又は熱潜在性酸性基を有する化合物、カップリング剤又はその誘導体、増感剤、光安定剤、消泡剤、顔料、染料、フィラー等のその他の配合剤;等を含有していてもよい。これらのうち、たとえばカップリング剤又はその誘導体、増感剤、光安定剤は、特開2011−75609号公報に記載されたものなどを用いることができる。
酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、通常の重合体に使用されている、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤等が使用できる。酸化防止剤を含有させることにより、得られるゲート絶縁膜の耐光性、耐熱性を向上させることができる。
フェノール系酸化防止剤としては、従来公知のものが使用でき、例えば、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−[1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル]フェニルアクリレートなどの特開昭63−179953号公報や特開平1−168643号公報に記載されているアクリレート系化合物;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン− ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(6−t −ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、3,9−ビス〔2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、ペンタエリズリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、トリエチレングリコール ビス[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、トコフェロールなどのアルキル置換フェノール系化合物;6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビス−オクチルチオ−1,3,5−トリアジン、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルアニリノ)−2,4−ビス−オクチルチオ−1,3,5−トリアジン、6−(4−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビス−オクチルチオ−1,3,5−トリアジン、2−オクチルチオ−4,6−ビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリアジンなどのトリアジン基含有フェノール系化合物;などを用いることができる。
リン系酸化防止剤としては、一般の樹脂工業で通常使用されているものであれば格別な制限はなく、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(シクロヘキシルフェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10 −(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレンなどのモノホスファイト系化合物;4,4’−ブチリデン− ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4’−イソプロピリデン−ビス[フェニル−ジ−アルキル(C12 〜C15)ホスファイト]、4,4’−イソプロピリデン−ビス[ジフェニルモノアルキル(C12 〜C15)ホスファイト]、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−トリデシルホスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(イソデシルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(ノニルフェニルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジメチルフェニルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト)などのジホスファイト系化合物などを用いることができる。これらの中でも、モノホスファイト系化合物が好ましく、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどが特に好ましい。
イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル 3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル 3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル 3,3’−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル 3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオネート)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどを用いることができる。
これらの中でもフェノール系酸化防止剤が好ましく、なかでも、ペンタエリズリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]がより好ましい。
これらの酸化防止剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で用いる樹脂組成物中における酸化防止剤の含有量は、環状オレフィン重合体(A)100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部であり、より好ましくは1〜5重量部である。酸化防止剤の含有量が上記範囲にあると、得られるゲート絶縁膜の耐光性および耐熱性を良好なものとすることができる。
界面活性剤は、ストリエーション(塗布筋あと)の防止等の目的で使用される。界面活性剤としては、例えば、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ポリオキシアルキレン系界面活性剤、メタクリル酸共重合体系界面活性剤、アクリル酸共重合体系界面活性剤などを挙げることができる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、「SH28PA」、「SH29PA」、「SH30PA」、「ST80PA」、「ST83PA」、「ST86PA」、「SF8416」、「SH203」、「SH230」、「SF8419」、「SF8422」、「FS1265」、「SH510」、「SH550」、「SH710」、「SH8400」、「SF8410」、「SH8700」、「SF8427」(以上、東レ・ダウコーニング株式会社製)、商品名「KP−321」、「KP−323」、「KP−324」、「KP−340」、「KP−341」(以上、信越化学工業株式会社製)、商品名「TSF400」、「TSF401」、「TSF410」、「TSF4440」、「TSF4445」、「TSF4450」、「TSF4446」、「TSF4452」、「TSF4460」(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)、商品名「BYK300」、「BYK301」、「BYK302」、「BYK306」、「BYK307」、「BYK310」、「BYK315」、「BYK320」、「BYK322」、「BYK323」、「BYK331」、「BYK333」、「BYK370」「BYK375」、「BYK377」、「BYK378」(以上、ビックケミー・ジャパン社製)などを挙げることができる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、フロリナート「FC−430」、「FC−431」(以上、住友スリーエム株式会社製)、サーフロン「S−141」、「S−145」、「S−381」、「S−393」(以上、旭硝子株式会社製)、エフトップ(登録商標)「EF301」、「EF303」、「EF351」、「EF352」(以上、株式会社ジェムコ製)、メガファック(登録商標)「F171」、「F172」、「F173」、「R−30」(以上、DIC株式会社製)などを挙げることができる。
ポリオキシアルキレン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレートポリオキシエチレンジアルキルエステル類などを挙げることができる。
これらの界面活性剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で用いる樹脂組成物中における界面活性剤の含有量は、環状オレフィン重合体(A)100重量部に対して、好ましくは0.01〜0.5重量部であり、より好ましくは0.02〜0.2重量部である。界面活性剤の含有量が上記範囲にあると、ストリエーション(塗布筋あと)の防止効果をより高めることができる。
酸性基又は熱潜在性酸性基を有する化合物は、酸性基または加熱により酸性基を生じる熱潜在性酸性基を有するものであればよく、特に限定されないが、好ましくは脂肪族化合物、芳香族化合物、複素環化合物であり、さらに好ましくは芳香族化合物、複素環化合物である。
これらの酸性基又は熱潜在性酸性基を有する化合物は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸性基又は熱潜在性酸性基を有する化合物の酸性基および熱潜在性酸性基の数は、特に限定されないが、合計で2つ以上の酸性基および/又は熱潜在性酸性基を有するものが好ましい。酸性基又は熱潜在性酸性基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
酸性基としては、酸性の官能基であればよく、その具体例としては、スルホン酸基、リン酸基等の強酸性基;カルボキシ基、チオール基およびカルボキシメチレンチオ基等の弱酸性基;が挙げられる。これらの中でも、カルボキシ基、チオール基又はカルボキシメチレンチオ基が好ましく、カルボキシ基が特に好ましい。また、これらの酸性基の中でも、酸解離定数pKaが3.5以上5.0以下の範囲にあるものが好ましい。なお、酸性基が2つ以上ある場合は第一解離定数pKa1を酸解離定数とし、第一解離定数pKa1が上記範囲にあるものが好ましい。また、pKaは、希薄水溶液条件下で、酸解離定数Ka=[H][B]/[BH]を測定し、pKa=−logKaにしたがって、求められる。ここでBHは、有機酸を表し、Bは有機酸の共役塩基を表す。
なお、pKaの測定方法は、例えばpHメータを用いて水素イオン濃度を測定し、該当物質の濃度と水素イオン濃度から算出することができる。
また、熱潜在性酸性基としては、加熱により酸性の官能基を生じる基であればよく、その具体例としては、スルホニウム塩基、ベンゾチアゾリウム塩基、アンモニウム塩基、ホスホニウム塩基、ブロックカルボン酸基等が挙げられる。これらの中でも、ブロックカルボン酸基が好ましい。なお、ブロックカルボン酸基を得るために用いられるカルボキシ基のブロック化剤は特に限定されないが、ビニルエーテル化合物であることが好ましい。
さらに、酸性基又は熱潜在性酸性基を有する化合物は、酸性基および熱潜在性酸性基以外の置換基を有していてもよい。
このような置換基としては、アルキル基、アリール基等の炭化水素基のほか、ハロゲン原子;アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ヘテロ環オキシ基;アルキル基又はアリール基又は複素環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基;アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基;等のプロトンを有しない極性基、これらのプロトンを有しない極性基で置換された炭化水素基、等を挙げることができる。
このような酸性基又は熱潜在性酸性基を有する化合物のうち、酸性基有する化合物の具体例としては、メタン酸、エタン酸、プロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、グリコール酸、グリセリン酸、エタン二酸(「シュウ酸」ともいう。)、プロパン二酸(「マロン酸」ともいう。)、ブタン二酸(「コハク酸」ともいう。)、ペンタン二酸、ヘキサン二酸(「アジピン酸」ともいう。)、1、2―シクロヘキサンジカルボン酸、2−オキソプロパン酸、2−ヒドロキシブタン二酸、2−ヒドロキシプロパントリカルボン酸、メルカプトこはく酸、ジメルカプトこはく酸、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、1,2,3−トリメルカプトプロパン、2,3,4−トリメルカプト−1−ブタノール、2,4−ジメルカプト−1,3−ブタンジオール、1,3,4−トリメルカプト−2−ブタノール、3,4−ジメルカプト−1,2−ブタンジオール、1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン等の脂肪族化合物;
安息香酸、p−ヒドロキシベンゼンカルボン酸、o−ヒドロキシベンゼンカルボン酸、2−ナフタレンカルボン酸、メチル安息香酸、ジメチル安息香酸、トリメチル安息香酸、3−フェニルプロパン酸、ジヒドロキシ安息香酸、ジメトキシ安息香酸、ベンゼン−1,2−ジカルボン酸(「フタル酸」ともいう。)、ベンゼン−1,3−ジカルボン酸(「イソフタル酸」ともいう。)、ベンゼン−1,4−ジカルボン酸(「テレフタル酸」ともいう。)、ベンゼン−1,2,3−トリカルボン酸、ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸、ベンゼン−1,3,5−トリカルボン酸、ベンゼンヘキサカルボン酸、ビフェニル−2,2’−ジカルボン酸、2−(カルボキシメチル)安息香酸、3−(カルボキシメチル)安息香酸、4−(カルボキシメチル)安息香酸、2−(カルボキシカルボニル)安息香酸、3−(カルボキシカルボニル)安息香酸、4−(カルボキシカルボニル)安息香酸、2−メルカプト安息香酸、4−メルカプト安息香酸、ジフェノール酸、2−メルカプト−6−ナフタレンカルボン酸、2−メルカプト−7−ナフタレンカルボン酸、1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,4−ナフタレンジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、2,6−ナフタレンジチオール、2,7−ナフタレンジチオール、1,2,3−トリメルカプトベンゼン、1,2,4−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトエチル)ベンゼン等の芳香族化合物;
ニコチン酸、イソニコチン酸、2−フロ酸、ピロール−2,3−ジカルボン酸、ピロール−2,4−ジカルボン酸、ピロール−2,5−ジカルボン酸、ピロール−3,4−ジカルボン酸、イミダゾール−2,4−ジカルボン酸、イミダゾール−2,5−ジカルボン酸、イミダゾール−4,5−ジカルボン酸、ピラゾール−3,4−ジカルボン酸、ピラゾール−3,5−ジカルボン酸等の窒素原子を含む五員複素環化合物;チオフェン−2,3−ジカルボン酸、チオフェン−2,4−ジカルボン酸、チオフェン−2,5−ジカルボン酸、チオフェン−3,4−ジカルボン酸、チアゾール−2,4−ジカルボン酸、チアゾール−2,5−ジカルボン酸、チアゾール−4,5−ジカルボン酸、イソチアゾール−3,4−ジカルボン酸、イソチアゾール−3,5−ジカルボン酸、1,2,4−チアジアゾール−2,5−ジカルボン酸、1,3,4−チアジアゾール−2,5−ジカルボン酸、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−チアジアゾール、2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、3,5−ジメルカプト−1,2,4−チアジアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、3−(5−メルカプト−1,2,4−チアジアゾール−3−イルスルファニル)こはく酸、2−(5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール−2−イルスルファニル)こはく酸、(5−メルカプト−1,2,4−チアジアゾール−3−イルチオ)酢酸、(5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール−2−イルチオ)酢酸、3−(5−メルカプト−1,2,4−チアジアゾール−3−イルチオ)プロピオン酸、2−(5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール−2−イルチオ)プロピオン酸、3−(5−メルカプト−1,2,4−チアジアゾール−3−イルチオ)コハク酸、2−(5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール−2−イルチオ)コハク酸、4−(3−メルカプト−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)チオブタンスルホン酸、4−(2−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール−5−イル)チオブタンスルホン酸等の窒素原子と硫黄原子を含む五員複素環化合物;
ピリジン−2,3−ジカルボン酸、ピリジン−2,4−ジカルボン酸、ピリジン−2,5−ジカルボン酸、ピリジン−2,6−ジカルボン酸、ピリジン−3,4−ジカルボン酸、ピリジン−3,5−ジカルボン酸、ピリダジン−3,4−ジカルボン酸、ピリダジン−3,5−ジカルボン酸、ピリダジン−3,6−ジカルボン酸、ピリダジン−4,5−ジカルボン酸、ピリミジン−2,4−ジカルボン酸、ピリミジン−2,5−ジカルボン酸、ピリミジン−4,5−ジカルボン酸、ピリミジン−4,6−ジカルボン酸、ピラジン−2,3−ジカルボン酸、ピラジン−2,5−ジカルボン酸、ピリジン−2,6−ジカルボン酸、トリアジン−2,4−ジカルボン酸、2−ジエチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、2−ジプロピルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、2−ジブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、2−アニリノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン等の窒素原子を含む六員複素環化合物;が挙げられる。
これらの中でも、得られるゲート絶縁膜の密着性をより高めることができるという観点から、酸性基を有する化合物における酸性基の数は、2つ以上であることが好ましい。
また、酸性基又は熱潜在性酸性基を有する化合物のうち、熱潜在性酸性基を有する化合物の具体例としては、前述の酸性基有する化合物の酸性基を熱潜在性酸性基に変換した化合物を挙げられる。例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸のカルボキシ基をブロックカルボン酸基に変換して得られる1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリス(1−プロポキシエチル)などを熱潜在性酸性基を有する化合物として用いることができる。得られるゲート絶縁膜の密着性をより高めることができるという観点から、熱潜在性酸性基を有する化合物における熱潜在性酸性基の数は、2つ以上であることが好ましい。
本発明で用いる樹脂組成物中における酸性基又は熱潜在性酸性基を有する化合物の含有量は、環状オレフィン重合体(A)100重量部に対して、好ましくは0.1〜50重量部、より好ましくは1〜45重量部、さらに好ましくは2〜40重量部、さらに好ましくは3〜30重量部の範囲である。酸性基又は熱潜在性酸性基を有する化合物の使用量を上記範囲とすることで、樹脂組成物を液状安定性に優れたものとすることができる。
本発明で用いる樹脂組成物の調製方法は、特に限定されず、樹脂組成物を構成する各成分を公知の方法により混合すればよい。
混合の方法は特に限定されないが、樹脂組成物を構成する各成分を溶剤に溶解又は分散して得られる溶液又は分散液を混合するのが好ましい。これにより、樹脂組成物は、溶液又は分散液の形態で得られる。
樹脂組成物を構成する各成分を溶剤に溶解又は分散する方法は、常法に従えばよい。具体的には、攪拌子とマグネティックスターラーを使用した攪拌、高速ホモジナイザー、ディスパー、遊星攪拌機、二軸攪拌機、ボールミル、三本ロール等を使用して行なうことができる。また、各成分を溶剤に溶解又は分散した後に、例えば、孔径が0.5μm程度のフィルター等を用いて濾過してもよい。
(薄膜トランジスタ)
次いで、本発明の薄膜トランジスタについて、説明する。本発明の薄膜トランジスタは、上述した樹脂組成物からなるゲート絶縁膜と、該ゲート絶縁膜上に形成される半導体層とを有し、前記半導体層が、In、Ga、およびZnのうち少なくとも1種の元素を含むアモルファス酸化物半導体からなるスパッタ膜から構成されるものである。図1に、本発明の薄膜トランジスタの一例としての薄膜トランジスタ1の断面図を示す。図1に示すように、薄膜トランジスタ1は、基板2上に、ゲート電極3、上述した樹脂組成物からなるゲート絶縁膜4、半導体層5、ソース電極6およびドレイン電極7を有する、ボトムゲートトップコンタクト型の薄膜トランジスタである。なお、図1においては、単一の薄膜トランジスタ1を示したが、基板2上に複数の薄膜トランジスタ1が形成されているような構成(たとえば、アクティブマトリックス基板など)であってもよい。また、図1に示す薄膜トランジスタ1は、本発明の薄膜トランジスタの一例であり、以下においては、図1に示す薄膜トランジスタ1を例示して説明を行なうが、本発明の薄膜トランジスタは、図1に示す構成に何ら限定されるものではない。
基板2としては、特に限定されず、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、脂環式オレフィンポリマーなどの柔軟性のあるプラスチックからなるフレキシブル基板、石英、ソーダガラス、無機アルカリガラスなどのガラス基板、シリコンウェハなどのシリコン基板などを挙げることができる。
ゲート電極3は、導電性材料で形成されている。導電性材料としては、例えば、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ・アンチモン、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペーストおよびカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム/チタン混合物、モリブデン/チタン混合物等が挙げられる。またドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマー、例えば導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン(ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体など)が挙げられる。これらのなかでも、クロム、モリブデン、アルミニウム/チタン混合物、およびモリブデン/チタン混合物が好ましく、クロム、アルミニウム/チタン混合物、およびモリブデン/チタン混合物がより好ましく、アルミニウム/チタン混合物、およびモリブデン/チタン混合物が特に好ましい。ゲート電極3は、たとえば、上述した導電性材料を、スパッタリング法などにより基板2上に形成し、次いで、エッチング処理を行なうことにより、基板2上に所定パターンで形成される。
ゲート絶縁膜4は、上述した樹脂組成物から構成されるものであり、所定パターンでゲート電極3を形成した基板2上に、上述した樹脂組成物を塗布し、必要に応じて溶剤を除去した後に、硬化することにより形成される。樹脂組成物を塗布する方法としては、例えば、スプレー法、スピンコート法、ロールコート法、ダイコート法、ドクターブレード法、回転塗布法、バー塗布法、スクリーン印刷法等の各種の方法を採用することができる。また、硬化温度は、通常、100〜300℃、好ましくは100〜250℃、より好ましくは100〜150℃、硬化時間は、通常、0.5〜300分間、好ましくは1〜150分間、より好ましくは1〜60分間である。ゲート絶縁膜4の厚さは、特に限定されないが、好ましくは100〜400nm、より好ましくは100〜300nm、さらに好ましくは100〜200nmである。
半導体層5は、In、Ga、およびZnのうち少なくとも1種の元素を含むアモルファス酸化物半導体からなるスパッタ膜である。アモルファス酸化物半導体としては、In、Ga、およびZnのうち少なくとも1種の元素を含むものであればよいが、たとえば、酸化亜鉛(ZnO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、亜鉛スズ酸化物(ZTO)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO)、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)などが挙げられる。
半導体層5は、通常、スパッタリング法により形成される。具体的には、半導体層5を形成することとなる金属酸化物からなるターゲットをスパッタリングすることにより、ゲート絶縁膜4の表面に、金属酸化物(アモルファス酸化物半導体)からなるスパッタ膜として形成される。半導体層5の厚みは、好ましくは10〜100nm、より好ましくは20〜80nm、さらに好ましくは30〜50nmである。
ソース電極6およびドレイン電極7は、導電性材料で形成されている。導電性材料としては、上述のゲート電極3と同様のものを用いることができる。ソース電極6およびドレイン電極7は、たとえば、上述した導電性材料を、スパッタリング法などにより半導体層5上に形成し、次いで、エッチング処理を行なうことにより、半導体層5上に所定パターンで形成される。
なお、上記においては、薄膜トランジスタの一例として、図1に示すようなボトムゲートトップコンタクト型の薄膜トランジスタ1を例示したが、本発明に係る樹脂組成物からなるゲート絶縁膜は、図2に示すようなボトムゲートボトムコンタクト型の薄膜トランジスタ1aのゲート絶縁膜としても好適に用いることができ、薄膜トランジスタ1aにおいても、上記と同様にして得ることができる。なお、図2に示す薄膜トランジスタ1aにおいては、上述した薄膜トランジスタ1と同じ構成部材には同じ番号を付し、その説明を省略する。すなわち、図2に示す薄膜トランジスタ1aは、基板2上に、ゲート電極3、上述した樹脂組成物からなるゲート絶縁膜4、ソース電極6およびドレイン電極7を有し、ゲート絶縁膜4、ソース電極6およびドレイン電極7の上に、これらに跨って半導体層5が形成されてなる。
あるいは、本発明に係る樹脂組成物からなるゲート絶縁膜は、図4に示すようなエッチストップレイヤー型の薄膜トランジスタ1bのゲート絶縁膜としても好適に用いることができる。ここで、図4は、本発明に係る樹脂組成物からなるゲート絶縁膜を備えるエッチストップレイヤー型の薄膜トランジスタ1bを示す断面図であり、上述した薄膜トランジスタ1と同じ構成部材には同じ番号を付し、その説明を省略する。図4に示す薄膜トランジスタ1bは、チャンネル部9を覆うようにエッチストッパー8が形成されている。すなわち、図4に示すように、この薄膜トランジスタ1bにおいては、基板2上に、ゲート電極3、上述した樹脂組成物からなるゲート絶縁膜4、半導体層5が形成されており、半導体層5の上にエッチストッパー8が形成されており、半導体層5の端部付近及びエッチストッパー9の端部付近を覆うようにしてソース電極6及びドレイン電極7がそれぞれ設けられた構成となっている。
本発明においては、ゲート絶縁膜4を、上述した樹脂組成物で形成するものであり、該樹脂組成物は、環状オレフィン重合体(A)およびエポキシ系架橋剤(B)を含有し、耐熱性および耐プラズマ性に優れるものである。そのため、ゲート絶縁膜4上に半導体層5を形成する場合に、ゲート絶縁膜4が高温やプラズマに晒されるスパッタリング法により成膜しても、ゲート絶縁膜4の熱劣化やプラズマ劣化が有効に防止できる。それゆえ、有機半導体よりもキャリア移動度の高い材料であり、スパッタリング法による成膜が必要な、In、Ga、およびZnのうち少なくとも1種の元素を含むアモルファス酸化物半導体膜を半導体層5として用いることができる。
そのため、本発明によれば、スパッタリング時におけるゲート絶縁膜4の劣化を有効に防止することができることにより、得られる薄膜トランジスタを、オン/オフ比およびリーク電流特性に優れたものとすることができ、しかも、半導体層5を、キャリア移動度に優れたアモルファス酸化物半導体で形成することができるため、これにより、移動度が高く、オン/オフ比が大きく、リーク電流の小さい薄膜トランジスタを提供することができるものである。
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。各例中の部および%は、特に断りのない限り、重量基準である。
なお、各特性の定義および評価方法は、以下のとおりである。
<移動度>
得られた薄膜トランジスタの電気特性を大気下・暗室中にて、半導体パラメーターアナライザー(Agilent社製、4156C)を用いて評価した。その結果、得られた薄膜トランジスタは、p型のトランジスタ素子としての特性を示した。そして、ドレイン電圧Vdを、Vd=10Vに固定し、ゲート電圧(Vg)をVg=+20V〜−20Vまで変化させることによって、半導体パラメーターアナライザーを用いて、伝達特性の評価を行った。なお、得られた薄膜トランジスタは飽和領域を有するものであり、本実施例においては、この飽和領域から電界効果移動度を求めた。
また、薄膜トランジスタの電界効果移動度の算出には、以下の式を用いた。なお、移動度は高いほど好ましい。
Id=μCinW(Vg−Vth)/2L
(ただし、Cinはゲート絶縁膜の単位面積あたりの静電容量、Wはチャネル幅、Lはチャネル長、Vgはゲート電圧、Idはドレイン電流、μは移動度、Vthはチャネルが形成し始めるゲートの閾値電圧である。)
<オン/オフ比>
得られた薄膜トランジスタについて、半導体テスター(アドバンテスト社製、R6425)を用いて、オン時の電流と、オフ時の電流とを測定し、これらの比率を算出することにより、オン/オフ比(オン/オフ電流比率)の測定を行なった。オン/オフ比は高いほど好ましく、本実施例では、1×10以上を良好とした。
<リーク電流>
得られた薄膜トランジスタについて、大気下・暗室中にて、ソース電極とドレイン電極の間に20Vの電圧を印加し、ゲート電極に印加する電圧を+20V〜−20Vに変化させて、ソース電極とドレイン電極との間に流れる電流を、マニュアルプローバーおよび半導体パラメータアナライザー(Agilent社製、4156C)を用いて測定することで、リーク電流の測定を行なった。リーク電流は低いほど好ましく、本実施例では、1×10−12以下を良好とした。
《合成例1》
<環状オレフィン重合体(A−1)の調製>
N−(2−エチルヘキシル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド40モル%、および4−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン60モル%からなる単量体混合物100部、1,5−ヘキサジエン2部、(1,3−ジメシチルイミダゾリン−2−イリデン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ベンジリデンルテニウムジクロリド(Org.Lett.,第1巻,953頁,1999年 に記載された方法で合成した)0.02部、およびジエチレングリコールエチルメチルエーテル200部を、窒素置換したガラス製耐圧反応器に仕込み、攪拌しつつ80℃にて4時間反応させて重合反応液を得た。
そして、得られた重合反応液をオートクレーブに入れて、150℃、水素圧4MPaで、5時間攪拌して水素化反応を行い、環状オレフィン重合体(A−1)を含む重合体溶液を得た。得られた環状オレフィン重合体(A−1)の重合転化率は99.7%、ポリスチレン換算重量平均分子量は7,150、数平均分子量は4,690、分子量分布は1.52、水素添加率は、99.7%であった。また、得られた環状オレフィン重合体(A−1)の重合体溶液の固形分濃度は34.4重量%であった。
《実施例1》
<樹脂組成物の調製>
環状オレフィン重合体(A)として、合成例1で得られた環状オレフィン重合体(A−1)の重合体溶液291部(環状オレフィン重合体(A−1)として100部)、エポキシ系架橋剤(B)として、エポキシ化ブタンテトラカルボン酸テトラキス(3−シクロヘキセニルメチル)修飾ε−カプロラクトン(商品名「エポリードGT401」、ダイセル化学工業社製、環式エポキシ基を有する脂肪族環状4官能性のエポキシ樹脂、分子量(Mw)=730)30部、酸化剤として、ペンタエリズリトール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート](商品名「Irganox1010」、BASF社製)1.5部、界面活性剤として、シリコーン系界面活性剤(商品名「KP341」、信越化学工業社製)0.03部、および溶剤として、エチレングリコールジメチルエーテル100部を混合し、溶解させた後、孔径0.45μmのポリテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して樹脂組成物を調製した。
<薄膜トランジスタの作製>
次いで、上記にて得られた樹脂組成物を用いて図1に示す薄膜トランジスタ1を得た。なお、図3は、薄膜トランジスタ1の製造方法を示す図である。
(1)前処理
ガラス基板を準備し、準備したガラス基板を純水中で超音波洗浄し、エアーブロー乾燥後、100℃で1時間ベーキングした。
(2)ゲート電極の形成
次いで、図3(A)に示すように、上記にて前処理したガラス基板(基板2)上に、真空蒸着法によりアルミニウム層を形成し、このアルミニウム層をパターニングすることにより、ゲート電極3を形成した。なお、ゲート電極3の厚みは50nmとした。
(3)ゲート絶縁膜の形成
次いで、ゲート電極3を形成した基板2をスピンコータに設置し、ガラス基板2上に、上記にて得られた樹脂組成物を所定量滴下し、基板2を約2000rpmの回転速度で約60秒間回転させることにより、塗膜を形成した。その後、塗膜が形成された基板2をホットプレートで150℃の温度で約60分間ベーキングすることにより、図3(B)に示すように、ゲート絶縁膜4を形成した。なお、ゲート絶縁膜4の厚みは200nmとした。
(4)半導体活性層の形成
次いで、図3(C)に示すように、ゲート電極3およびゲート絶縁膜4を形成した基板2のゲート絶縁膜4上に、スパッタリング法により、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)のスパッタ膜からなる半導体層5を40nmの厚みで形成した。インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)のスパッタ膜は、スパッタリング装置(製品名「CFS−4EP−LL」、芝浦メカトロニクス社製」)を用いて、アルゴンガス存在下にて、出力300W、アルゴン流量10sccm、酸素流量10sccm、製膜圧0.6Paの条件にて形成した。なお、スパッタリングのターゲットとしては、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)を用いた。
(5) ソース電極およびドレイン電極の形成
次いで、ゲート電極3、ゲート絶縁膜4および半導体層5を形成した基板2の半導体層5上に、真空蒸着法によって金を堆積し、この金層をパターニングすることにより、ソース電極6およびドレイン電極7を形成することで、図3(D)に示す薄膜トランジスタ1を得た。なお、ソース電極6およびドレイン電極7の厚みは50nmとした。
そして、上記にて得られた薄膜トランジスタを用いて、移動度、ON/OFF比およびリーク電流の各評価を行った。結果を表1に示す。
《実施例2》
ゲート絶縁膜4を形成するための樹脂組成物を調製する際に、エポキシ系架橋剤(B)としてのエポキシ化ブタンテトラカルボン酸テトラキス(3−シクロヘキセニルメチル)修飾ε−カプロラクトンの配合量を30部から50部に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物および薄膜トランジスタを得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
《実施例3》
ゲート絶縁膜4を形成するための樹脂組成物を調製する際に、エポキシ系架橋剤(B)として、エポキシ化ブタンテトラカルボン酸テトラキス(3−シクロヘキセニルメチル)修飾ε−カプロラクトン30部の代わりに、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物(商品名「EHPE3150」、ダイセル化学工業社製、シクロヘキサン骨格および末端エポキシ基を有する15官能性の脂環式エポキシ樹脂、分子量(Mw)=2234)30部を使用した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物および薄膜トランジスタを得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
《実施例4》
ゲート絶縁膜4を形成するための樹脂組成物を調製する際に、エポキシ系架橋剤(B)として、エポキシ化ブタンテトラカルボン酸テトラキス(3−シクロヘキセニルメチル)修飾ε−カプロラクトン30部に加えて、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物30部をさらに使用した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物および薄膜トランジスタを得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
《実施例5》
ゲート絶縁膜4を形成するための樹脂組成物を調製する際に、メラミン系架橋剤(C)として、N,N,N’,N’,N’’,N’’−(ヘキサアルコキシアルキル)メラミンの部分メチロール置換体(商品名「サイメル350」、サイテックインダストリーズ社製)30部をさらに使用した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物および薄膜トランジスタを得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
《実施例6》
ゲート絶縁膜4を形成するための樹脂組成物を調製する際に、メラミン系架橋剤(C)として、N,N,N’,N’,N’’,N’’−(ヘキサアルコキシアルキル)メラミンの部分メチロール置換体(商品名「サイメル370」、サイテックインダストリーズ社製)30部をさらに使用した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物および薄膜トランジスタを得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
《比較例1》
ゲート絶縁膜4を形成するための樹脂組成物を調製する際に、エポキシ系架橋剤(B)としてのエポキシ化ブタンテトラカルボン酸テトラキス(3−シクロヘキセニルメチル)修飾ε−カプロラクトンを配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物および薄膜トランジスタを得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
《比較例2》
ゲート絶縁膜4を形成するための樹脂組成物を調製する際に、エポキシ系架橋剤(B)としてのエポキシ化ブタンテトラカルボン酸テトラキス(3−シクロヘキセニルメチル)修飾ε−カプロラクトンを配合しなかった以外は、実施例5と同様にして、樹脂組成物および薄膜トランジスタを得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
《比較例3》
ゲート絶縁膜4を形成するための樹脂組成物を調製する際に、エポキシ系架橋剤(B)としてのエポキシ化ブタンテトラカルボン酸テトラキス(3−シクロヘキセニルメチル)修飾ε−カプロラクトンを配合しなかった以外は、実施例6と同様にして、樹脂組成物および薄膜トランジスタを得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
《比較例4》
半導体層5を、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)のスパッタ膜に代えて、a−Si層(アモルファスシリコン層)で形成した以外は、比較例1と同様にして、薄膜トランジスタを得て、同様に評価を行った。なお、a−Si層(アモルファスシリコン層)は、CVD装置を用いて、100nmの厚みで形成した(後述する比較例5,6も同様。)。結果を表1に示す。
《比較例5》
半導体層5を、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)のスパッタ膜に代えて、a−Si層(アモルファスシリコン層)で形成した以外は、比較例2と同様にして、薄膜トランジスタを得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
《比較例6》
半導体層5を、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)のスパッタ膜に代えて、a−Si層(アモルファスシリコン層)で形成した以外は、比較例3と同様にして、薄膜トランジスタを得て、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006164218
表1に示すように、ゲート絶縁膜4を、環状オレフィン重合体(A)と、エポキシ系架橋剤(B)を含有する樹脂組成物を用いて形成するとともに、半導体層5を、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)のスパッタ膜で用いて形成した実施例1〜6では、得られる薄膜トランジスタは、移動度が高く、オン/オフ比が大きく、リーク電流の小さいものであった。特に、実施例1〜6においては、ゲート絶縁膜4を、環状オレフィン重合体(A)と、エポキシ系架橋剤(B)を含有する樹脂組成物で形成したため、半導体層5を形成した際に、スパッタリングを行った際に発生する熱やプラズマの影響による、ゲート絶縁膜4の劣化を有効に抑制することができ、これにより、得られる薄膜トランジスタを、移動度が高く、オン/オフ比が大きく、リーク電流の小さいものとすることが可能であった。また、実施例1〜6のなかでも、エポキシ系架橋剤(B)として、2種類の化合物を用いた実施例4、およびエポキシ系架橋剤(B)とメラミン系架橋剤(C)とを併用した実施例5,6は、移動度、オン/オフ比、リーク電流の各特性に特に優れる結果となった。
一方、ゲート絶縁膜4を、エポキシ系架橋剤(B)を含有しない樹脂組成物を用いて形成した比較例1〜3では、得られる薄膜トランジスタは、オン/オフ比およびリーク電流に劣るものであった。なお、比較例1〜3において、オン/オフ比およびリーク電流が低下した理由としては、ゲート絶縁膜4を形成した後、スパッタリング法により、半導体層5を形成した際に、スパッタリングを行った際に発生する熱やプラズマの影響により、ゲート絶縁膜4を構成する樹脂組成物が劣化してしまい、これにより、ゲート絶縁膜4の絶縁性が低下したことによると考えられる。
さらに、ゲート絶縁膜4を、エポキシ系架橋剤(B)を含有しない樹脂組成物を用いて形成し、かつ、半導体層5を、a−Si層(アモルファスシリコン層)で形成した比較例4〜6では、得られる薄膜トランジスタは、移動度が低く、オン/オフ比およびリーク電流に劣るものであった。
1,1a…薄膜トランジスタ
2…基板
3…ゲート電極
4…ゲート絶縁膜
5…半導体層
6…ソース電極
7…ドレイン電極

Claims (6)

  1. ゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成される半導体層とを備える薄膜トランジスタであって、
    前記半導体層が、In、Ga、およびZnのうち少なくとも1種の元素を含むアモルファス酸化物半導体からなるスパッタ膜から構成され、
    前記ゲート絶縁膜が、プロトン性極性基を有する環状オレフィン重合体(A)と、前記プロトン性極性基と反応するエポキシ基を分子内に2以上有するエポキシ系架橋剤(B)とを含有する樹脂組成物から構成され
    前記樹脂組成物が、前記エポキシ系架橋剤(B)として、異なる2種類以上の化合物を含有することを特徴とする薄膜トランジスタ。
  2. 前記樹脂組成物中における、前記エポキシ系架橋剤(B)の含有量が、前記環状オレフィン重合体(A)100重量部に対して、10〜100重量部であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ。
  3. 前記樹脂組成物が、前記エポキシ系架橋剤(B)として、分子量(Mw)が1,000未満の化合物と、分子量(Mw)が1,000以上の化合物とを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜トランジスタ。
  4. 前記樹脂組成物が、前記エポキシ系架橋剤(B)として、末端エポキシ基を有する化合物と、脂環式エポキシ基を有する化合物とを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
  5. 前記樹脂組成物が、メラミン系架橋剤(C)をさらに含有することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の薄膜トランジスタ。
  6. 前記樹脂組成物中における、前記メラミン系架橋剤(C)の含有量が、前記環状オレフィン重合体(A)100重量部に対して、10〜50重量部であることを特徴とする請求項に記載の薄膜トランジスタ。
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