JP6163903B2 - 加飾成型用フィルムおよび加飾成型体の製造方法 - Google Patents
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[1]接着層(A)および接着層(A)に積層される層(B)を含む少なくとも2層以上からなる加飾成型用フィルムであって、接着層(A)はオレフィン系樹脂およびNCO含有率が0.01〜1.6質量部であるイソシアネート基を有するイソシアネート化合物を含んでなり、かつ、層(B)に含まれる樹脂がヒドロキシ基を有することを特徴とする加飾成型用フィルム。
[2]前記層(B)がポリカーボネート骨格を有するポリウレタン樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の加飾成型用フィルム。
[3]前記接着層(A)に含まれるイソシアネート基がブロック変性体でブロック化されたブロックイソシアネートを含むことを特徴とする[1]または[2]に記載の加飾成型用フィルム。
[4]前記接着層(A)が顔料および/または金属薄膜細片を含むことを特徴とする[3]に記載の加飾成型用フィルム。
[5]前記接着層(A)を塗工・乾燥により形成するに際し、ブロックイソシアネートのブロック体が脱離するよりも低い温度で乾燥することを特徴とする[3]または[4]に記載の加飾成型用フィルムの製造方法。
[6][3]または[4]に記載の加飾成型用フィルムをブロックイソシアネートのブロック体が脱離するよりも高い温度で、被成型体に加熱成型し、貼り付ける加飾成型体の製造方法。
カラム:「Guardcolumn HXL−H」(1本)、「TSKgel GMHXL」(2本)[いずれも東ソー(株)製]
試料溶液:0.25質量部のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:100μl
流量:1ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリスチレン。
TOM成形機(布施真空株式会社製、NGF0406−T)を用いて、加飾成型用フィルムの接着層側と被加飾成型体の一番面積の大きい面とが相対するようにフィルムをセットし、以下の条件で成型を行い、加飾成型体を作製した。
成型温度:110℃
ヒーター出力:急加熱時 200%、通常加熱時 80%
急加熱時間:10秒
圧空圧力:300kPa
圧空時間:15秒
微量開放:2秒
加飾フィルムの延伸倍率については、TOM成型機の箱型の窪みの深さを調整することにより実施した。具体的には、窪みの深さを85mmとした。被加飾成型体としては、ポリオレフィン樹脂(TSOP GP6BS、プライムポリマー社製)からなる、長さ250mm×幅100mm×厚さ3mmの平板状の樹脂成型体を用いた。
1.接着層(A)および層(B)の密着性
JIS K 5400:1990の碁盤目セロハンテープ剥離試験により評価した。すなわち、加飾成型体の加飾塗膜側にカッターナイフで1mm間隔の碁盤目状の切込みを入れ、セロハンテープを貼り付けた後剥離した。剥離後の跡を確認し、次の基準で評価した。AおよびBのものを密着性が問題ないとし、Cのものを密着性が不良であるとした。
A:層(B)にはがれが無い
B:層(B)のはがれの数が1カ所以上4カ所以下
C:層(B)のはがれの数が5カ所以上。
加飾成型体の加飾塗膜側を、マイクロウェーブスキャンT(BYK−Gardner社製)を用いて、各うねり波長W1〜W4におけるうねりの強度を測定し、次の基準で評価した。AおよびBのものを成型外観が良好であるとした。
A:すべてのうねりの強度が30未満である。
B:30以上35未満のうねりの強度となるものがあり、35以上のうねりの強度となるものがない。
C:35以上のうねりの強度となるものがある。
ここで、各うねり波長W1〜W4におけるうねりの強度は、レーザービームを試料表面に照射しながら走査し、その反射ビームの強度(拡散、集光)をセンサーで検出、解析し数値化したものであり、数値が小さい程各うねり波長W1〜W4に対応するうねりが少なく、試料表面が平滑であることを表す。各うねり波長の値を以下に示す。
うねり波長W1(波長 2.4mm以上 )
うねり波長W2(波長 0.8mm以上 2.4mm未満)
うねり波長W3(波長 0.32mm以上0.8mm未満)
うねり波長W4(波長 0.32mm未満 )。
加飾成型体の加飾塗膜側に0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、液滴の蒸発を防ぐために滴下点を直径5cmのシャーレで覆い、55℃で4時間静置した後、液滴を布で吸収して除去し、加飾塗膜の外観を次の基準で目視評価した。AまたはBのものを加飾成型体の耐薬品性が良好であるとした。
A:変化なし
B:僅かに跡が残る
C:著しく跡が残る、または、被加飾成型体が露出する。
基材フィルムとして、厚さ100μmの未延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(FL10、東レ社製)を用いた。基材フィルムに、ポリオレフィン塗料(DX−526、東洋紡社製)100質量部に対してイソシアネート塗料(TPA−100、旭化成ケミカルズ社製)0.5質量部を添加・混合したものを、乾燥後の厚さが40μmとなるようアプリケーター法により塗布した後、80℃で10分間乾燥し、接着層を形成した。得られた加飾成型用フィルムを用いて加飾成型体を得た。得られた加飾成型体の評価結果を表1に示す。
撹拌機および加熱装置を備えた簡易加圧反応装置に、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび1,6−ヘキサンジオールの混合物(モル比50:50)とエチレンカーボネートとの反応より得られたMn900のポリカーボネートジオール185.9質量部および1,4−ブタンジオールおよび1,6−ヘキサンジオールの混合物(モル比70:30)とエチレンカーボネートとの反応により得られたMn1,000のポリカーボネートジオール67.4質量部、カルボキシル基含有ポリオールおよびその塩として2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)52.4質量部、鎖伸張剤としてエチレングリコール2.53質量部、有機ポリイソシアネート成分としての4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)180.9部および反応溶剤としてのメチルエチルケトン490.1質量部を仕込んで90℃で24時間攪拌してウレタン化反応を行い、分子内にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂溶液U1を得た。得られた、ポリウレタン樹脂中のカルボキシル基の含有量は、0.8mmol/gであった。次いで、成型用フィルム1として、厚さ100μmの未延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、FL10)と厚さ40μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(東セロ社製、SC)とをウレタン系接着剤を用いてドライラミネートしたものを用いた。基材フィルムのポリプロピレンフィルム側に、ポリウレタン樹脂溶液U1を用いて乾燥後の厚さが40μmとなるようアプリケーター法により塗布した後、80℃で10分間乾燥し、保護層を形成した。次いで、保護層上に、ポリオレフィン塗料(DX−526、東洋紡社製)100質量部に対してイソシアネート塗料(TPA−100、旭化成ケミカルズ社製)0.5質量部を添加・混合したものを、乾燥後の厚さが20μmとなるようアプリケーター法により塗布した後、80℃で10分間乾燥し、接着層を形成した。得られた加飾成型用フィルムを用いて加飾成型体を得た。得られた加飾成型体の評価結果を表1に示す。
成型用フィルム1として、厚さ100μmの未延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、FL10)と厚さ40μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(東セロ社製、SC)とをウレタン系接着剤を用いてドライラミネートしたものを用いた。基材フィルムのポリプロピレンフィルム側に、ポリウレタン樹脂溶液U1を乾燥後の厚さが40μmとなるようアプリケーター法により塗布した後、80℃で10分間乾燥し、保護層を形成した。次いで、保護層上に着色層を形成するためバインダー塗料(R2325、日本ビー・ケミカル社製)100質量部にアルミペースト(0300M、東洋アルミ社製)をバインダー塗料の固形分に対する顔料濃度が15質量部となるように添加・混合したものを、乾燥後の厚さが40μmとなるようアプリケーター法により塗布した後、80℃で10分間乾燥し、着色層を形成した。次いで、着色層上に、ポリオレフィン塗料(DX−526、東洋紡社製)100質量部に対してイソシアネート塗料(TPA−100、旭化成ケミカルズ社製)0.5質量部を添加・混合したものを、乾燥後の厚さが20μmとなるようアプリケーター法により塗布した後、80℃で10分間乾燥し、接着層を形成した。得られた加飾成型用フィルムを110℃に加熱した状態で被加飾体に貼り付けて加飾成型をした。加飾成型体を真空成型機から取りだし、基材フィルムを剥離して加飾成型体を作製した。得られた加飾成型体の評価結果を表1に示す。
ポリオレフィン塗料(DX−526、東洋紡社製)100質量部に対して、イソシアネート塗料(TPA−100、旭化成ケミカルズ社製)6質量部を添加・混合したものを用いたこと以外は実施例2と同様の方法にて加飾成型体を得た。得られた加飾成型体の評価結果を表1に示す。
ポリオレフィン塗料(DX−526、東洋紡社製)100質量部に対して、イソシアネート塗料として、活性メチレンにてブロック化されたブロックイソシアネート塗料(MF−K60X、旭化成ケミカルズ社製)0.5質量部を添加・混合したものを用いたこと以外は実施例2と同様の方法にて加飾成型体を得た。得られた加飾成型体の評価結果を表1に示す。
ポリオレフィン塗料(DX−526、東洋紡社製)100質量部に対して、イソシアネート塗料として、活性メチレンにてブロック化されたブロックイソシアネート塗料(MF−K60X、旭化成ケミカルズ社製)0.5質量部、さらにアルミペースト(0300M、東洋アルミ社製)をポリオレフィン塗料の固形分に対する顔料濃度が15質量部となるように添加・混合したものを用いたこと以外は実施例2と同様の方法にて加飾成型体を得た。得られた加飾成型体の評価結果を表1に示す。
撹拌機および加熱装置を備えた簡易加圧反応装置に、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび1,6−ヘキサンジオールの混合物(モル比50:50)とエチレンカーボネートとの反応より得られたMn900のポリカーボネートジオール198.2質量部、1,4−ブタンジオールおよび1,6−ヘキサンジオールの混合物(モル比70:30)とエチレンカーボネートとの反応により得られたMn1,000のポリカーボネートジオール71.9質量部、カルボキシル基含有ポリオールおよびその塩としてDMPA23.4質量部、鎖伸張剤としてエチレングリコール14.9質量部、有機ポリイソシアネート成分としての水添MDI181.0部および反応溶剤としてのメチルエチルケトン490.1質量部を仕込んで90℃で24時間攪拌してウレタン化反応を行い、分子内にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂溶液U2を得た。得られたポリウレタン樹脂中のカルボキシル基の含有量は、0.36mmol/gであった。
接着層として、ポリオレフィン塗料(DX−526、東洋紡社製)100質量部のみを用いたこと以外は実施例2と同様の方法にて加飾成型体を得た。得られた加飾成型体の評価結果を表1に示す。
ポリオレフィン塗料(DX−526、東洋紡社製)100質量部に対して、イソシアネート塗料としてイソシアネート塗料(TPA−100、旭化成ケミカルズ社製)10質量部を添加・混合したものを用いたこと以外は実施例2と同様の方法にて加飾成型体を得た。得られた加飾成型体の評価結果を表1に示す。
2.基材フィルム
3.保護層
4.着色層
Claims (6)
- 接着層(A)および接着層(A)に積層される層(B)を含む少なくとも2層以上からなる加飾成型用フィルムであって、接着層(A)はオレフィン系樹脂およびNCO含有率が0.01〜1.6質量部であるイソシアネート基を有するイソシアネート化合物を含んでなり、かつ、層(B)に含まれる樹脂がヒドロキシ基を有することを特徴とする加飾成型用フィルム。
- 前記層(B)がポリカーボネート骨格を有するポリウレタン樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の加飾成型用フィルム。
- 前記接着層(A)に含まれるイソシアネート基がブロック変性体でブロック化されたブロックイソシアネートを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の加飾成型用フィルム。
- 前記接着層(A)が顔料および/または金属薄膜細片を含むことを特徴とする請求項3に記載の加飾成型用フィルム。
- 前記接着層(A)を塗工・乾燥により形成するに際し、ブロックイソシアネートのブロック体が脱離するよりも低い温度で乾燥することを特徴とする請求項3または4に記載の加飾成型用フィルムの製造方法。
- 請求項3または4に記載の加飾成型用フィルムをブロックイソシアネートのブロック体が脱離するよりも高い温度で、被成型体に加熱成型し、貼り付ける加飾成型体の製造方法。
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