JP6162596B2 - 品質推定装置、方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、配信コンテンツの品質推定技術に関し、特にIP(Internet Protocol)ネットワークを介して提供される音声・映像配信サービスや音声・映像コミュニケーションサービスにおける音響・映像通信の品質を推定する品質推定技術に関する。
光回線、3G回線、無線LAN(Local Area Network)などのネットワーク環境を用いた映像配信サービスや音声・音楽配信サービスが近年急速に普及している。
インターネットは必ずしも通信帯域を保証しないネットワークであるため、音響・映像メディアを用いて通信を行う場合、ユーザ端末間のネットワークの回線帯域が狭かったり、回線が輻輳したりすると、音響・映像メディアなどに対してユーザが知覚する品質(ユーザ体感品質)が低下してしまう。例えば、音響・映像データのダウンロードと並列して音響・映像の再生を行うプログレッシブダウンロード(PDL)型音響・映像配信サービスでは、音響・映像の再生ビットレート以上の通信帯域が確保できない場合、音響・映像を一時停止し、バッファに音響・映像データを蓄積(リバッファリング)する。このとき、ユーザの意図しない音響・映像の一時停止が発生することにより、ユーザ体感品質が低下してしまう。このような再生停止がユーザ体感品質に与える影響は大きいことが知られている(非特許文献1)。再生停止の発生を防ぐため、一部のPDL型音響・映像配信サービス(アダプティブストリーミング)では、通信帯域に応じて動的に映像品質(解像度、フレームレート、ビットレート)及び音響品質(ビットレート)を切り替える品質制御を行っている(非特許文献2)。
前述のように、ネットワークなどの状態により変化する品質を監視するため、ユーザ体感品質を定量化するためのユーザ体感品質推定技術が必要とされる。また、動的にユーザ体感品質を最大化する品質制御を行うためには、品質(ビットレート等)の切り替え前後のユーザ体感品質を比較し、品質制御を行うことが理想的である。このようにユーザ体感品質に基づいた品質制御を実現するためには、ユーザ体感品質を推定することを可能にするユーザ体感品質推定技術が必要となる。PDL型音響・映像配信サービスの品質は、映像の符号化品質、音響の符号化品質、再生停止の影響を受けるため、これらの品質要因を考慮したユーザ体感品質推定技術が必要とされる。
このような品質要因を捉える技術として、ITU-T(International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector)勧告P.1201.1(非特許文献3)及びP.1201.2(非特許文献4)において、音響・映像品質客観評価法が規定されている。勧告P.1201.1は、低解像度(QCIF、QVGA、HVGA)映像を対象とし、勧告P.1201.2は、高解像度(SD,HD)映像を対象としている。勧告P.1201.1は、ビットレート、フレームレート、パケット損失、再生停止に対する映像品質を評価可能なモデルを定義している、勧告P.1201.2は、ビットレート、フレームレート、パケット損失の変動に対する映像品質を評価可能なモデルを定義している。
勧告P.1201.1(非特許文献3)及び勧告P.1201.2(非特許文献4)は、短時間の音響品質、映像品質及び音響と映像を総合したオーディオビジュアル(AV)品質を推定する技術に関するものであり、当該技術によると、動的に音響品質・映像品質が変化する音声・映像配信サービスに対する長時間の音響品質、映像品質及びAV品質は推定できない。また、勧告P.1201.1では、再生停止に対する品質劣化量の推定において停止時間の平均値や発生間隔の平均値等を用いており、ユーザ体感品質に影響を与える忘却効果を考慮できていない。さらに、勧告P.1201.2では、再生停止に対する品質劣化量の推定方法が定められていない。
特許文献1は、短時間の品質から忘却効果等の人間の評価特性を考慮して長時間の音響品質・映像品質を推定する技術に関するものである。しかしながら、特許文献1では、品質要因としてビットレート変動等を想定しており、再生停止の影響は考慮できていない。
上記問題点に鑑み、本発明の課題は、忘却効果等の人間の評価特性を考慮して音響の符号化、映像の符号化及び再生停止に対する長時間の音響・映像品質を推定することを可能にする品質推定技術を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、映像コンテンツの映像品質を推定する映像品質推定装置であって、前記映像コンテンツの短時間の映像符号化品質を推定する短時間映像符号化品質推定部と、前記短時間の映像符号化品質に基づき、前記映像コンテンツの長時間の映像符号化品質を推定する長時間映像符号化品質推定部と、前記映像コンテンツの1回の再生停止に対する映像品質劣化量である単一通信劣化量を推定する単一通信劣化量推定部と、所定の期間における前記単一通信劣化量に基づき、前記映像コンテンツの再生停止に対する品質劣化量である総通信劣化量を推定する総通信劣化量推定部と、前記長時間の映像符号化品質と前記総通信劣化量とに基づき、前記映像コンテンツの映像品質を推定する映像品質推定部とを有し、前記単一通信劣化量推定部は、前記映像コンテンツの再生停止の再生停止時間長に基づき前記単一通信劣化量を推定し、前記総通信劣化量推定部は、前記所定の期間における前記映像コンテンツの各再生停止の前記再生停止時間長、前記単一通信劣化量及び再生停止時刻に基づき、忘却効果を考慮して前記総通信劣化量を推定する映像品質推定装置に関する。
本発明の他の態様は、音響コンテンツの音響品質を推定する音響品質推定装置であって、前記音響コンテンツの短時間の音響符号化品質を推定する短時間音響符号化品質推定部と、前記短時間の音響符号化品質に基づき、前記音響コンテンツの長時間の音響符号化品質を推定する長時間音響符号化品質推定部と、前記音響コンテンツの1回の再生停止に対する音響品質劣化量である単一通信劣化量を推定する単一通信劣化量推定部と、所定の期間における前記単一通信劣化量に基づき、前記音響コンテンツの再生停止に対する品質劣化量である総通信劣化量を推定する総通信劣化量推定部と、前記長時間の音響符号化品質と前記総通信劣化量とに基づき、前記音響コンテンツの音響品質を推定する音響品質推定部とを有し、前記単一通信劣化量推定部は、前記音響コンテンツの再生停止の再生停止時間長に基づき前記単一通信劣化量を推定し、前記総通信劣化量推定部は、前記所定の期間における前記音響コンテンツの各再生停止の前記再生停止時間長、前記単一通信劣化量及び再生停止時刻に基づき、忘却効果を考慮して前記総通信劣化量を推定する音響品質推定装置に関する。
本発明の他の態様は、オーディオビジュアル(AV)コンテンツのAV品質を推定するAV品質推定装置であって、前記AVコンテンツの短時間のAV符号化品質を推定する短時間AV符号化品質推定部と、前記短時間のAV符号化品質に基づき、前記AVコンテンツの長時間のAV符号化品質を推定する長時間AV符号化品質推定部と、前記AVコンテンツの1回の再生停止に対するAV品質劣化量である単一通信劣化量を推定する単一通信劣化量推定部と、所定の期間における前記単一通信劣化量に基づき、前記AVコンテンツの再生停止に対する品質劣化量である総通信劣化量を推定する総通信劣化量推定部と、前記長時間のAV符号化品質と前記総通信劣化量とに基づき、前記AVコンテンツのAV品質を推定するAV品質推定部とを有し、前記単一通信劣化量推定部は、前記AVコンテンツの再生停止の再生停止時間長に基づき前記単一通信劣化量を推定し、前記総通信劣化量推定部は、前記所定の期間における前記AVコンテンツの各再生停止の前記再生停止時間長、前記単一通信劣化量及び再生停止時刻に基づき、忘却効果を考慮して前記総通信劣化量を推定するAV品質推定装置に関する。

本発明によると、忘却効果等の人間の評価特性を考慮した映像の符号化、音響の符号化及び再生停止に対する長時間の音響・映像品質を推定することが可能となり、これにより、短時間の音響・映像品質の単純な平均より精度の高い品質推定が可能となる。
図1は、本発明の一実施例による映像品質推定装置の構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の一実施例による短時間映像符号化品質及び長時間映像符号化品質の推定に関する概念図である。 図3は、本発明の一実施例による映像品質推定装置の再生停止に関する概念図である。 図4は、本発明の一実施例による映像品質推定装置における処理を示すフローチャートである。 図5は、本発明の他の実施例による映像品質推定装置の構成を示すブロック図である。 図6は、本発明の他の実施例による映像品質推定装置における処理を示すフローチャートである。 図7は、本発明の一実施例による音響品質推定装置の構成を示すブロック図である。 図8は、本発明の一実施例による短時間音響符号化品質及び長時間音響符号化品質の推定に関する概念図である。 図9は、本発明の一実施例による音響品質推定装置の再生停止に関する概念図である。 図10は、本発明の一実施例による音響品質推定装置における処理を示すフローチャートである。 図11は、本発明の一実施例によるAV品質推定装置の構成を示すブロック図である。 図12は、本発明の一実施例による短時間AV符号化品質及び長時間AV符号化品質の推定に関する概念図である。 図13は、本発明の一実施例によるAV品質推定装置の再生停止に関する概念図である。 図14は、本発明の一実施例によるAV品質推定装置における処理を示すフローチャートである。 図15は、本発明の他の実施例によるAV品質推定装置の構成を示すブロック図である。 図16は、本発明の他の実施例によるAV品質推定装置における処理を示すフローチャートである。 図17は、本発明の他の実施例によるAV品質推定装置の構成を示すブロック図である。 図18は、本発明の他の実施例によるAV品質推定装置における処理を示すフローチャートである。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
[映像品質推定装置]
図1〜6を参照して、本発明の第1実施例による映像品質推定装置を説明する。
図1は、本発明の一実施例による映像品質推定装置の構成を示すブロック図である。図1に示されるように、映像品質推定装置100は、短時間映像符号化品質推定部110と、長時間映像符号化品質推定部120と、単一通信劣化量推定部130と、総通信劣化量推定部140と、映像品質推定部150とを有する。
短時間映像符号化品質推定部110は、映像コンテンツの短時間映像符号化品質を推定し、推定した短時間映像符号化品質を長時間映像符号化品質推定部120に提供する。一実施例では、短時間映像符号化品質推定部110は、映像解像度Rs、映像フレームレートFr、映像ビットレートBr及び映像特徴量Irに基づき、短時間映像符号化品質V_MOSCSを算出し、算出した短時間映像符号化品質V_MOSCSを長時間映像符号化品質推定部120に出力する。
ここで、短時間映像符号化品質とは、短時間(例えば、数秒から数十秒程度の所定の期間)の映像データに対する符号化による劣化を考慮した映像品質である。ここでは、短時間映像符号化品質推定部110は、T秒間の映像品質を推定するものとする。また、映像解像度とは、符号化映像の1フレームあたりの画素数であり、映像フレームレートとは、符号化映像の1秒あたりのフレーム数であり、映像ビットレートとは、符号化映像データの一秒あたりのビット量であり、映像特徴量とは、Iフレームの平均ビット量である。これらの映像解像度、映像フレームレート、映像ビットレート及び映像特徴量は、ネットワーク内や映像表示端末において映像データのパケットから推定・取得してもよい。
短時間映像符号化品質推定部110における短時間映像符号化品質の具体的な算出について、例えば、ITU-T勧告P.1201.1(非特許文献3)やP.1201.2(非特許文献4)に定められている方法を用いて算出することができる。
一実施例では、ITU-T勧告P.1201.1を拡張した下記の方法を利用して、以下のようにして短時間映像符号化品質V_MOSCSを算出してもよい。まず、映像ビットレートBr及び映像特徴量(Iフレームの平均ビット量)ABIFを用いて、
Figure 0006162596
を算出する。ここで、Minは、引数として与えられた値のうち小さい方の値を返す関数であり、例えば、Min(1,2)=1である。上記映像特徴量ABIFは、パケットなどの情報から推定可能であり、何れか適切な方法が利用されてもよい。
次に、1画素あたりのビット量に関するパラメータNBrが、
Figure 0006162596
により算出される。しかしながら、NBrは上記の式に限定されず、主観品質評価特性に合った式を用いればよく、例えば、
Figure 0006162596
として算出されてもよいし、その他の式により算出されてもよい。パラメータv11, v12は、予め定められた係数であり、主観品質実験等によりサービス事業者が決めてよい。
次に、短時間映像符号化品質推定部110は、映像ビットレートBr、映像フレームレートFr、映像解像度Rs及び算出された映像特徴量CCFに基づき、符号化劣化量DCを算出する。例えば、符号化劣化量DCは、上記で算出されたNBr及びCCFに基づき、
Figure 0006162596
により算出されてもよい。ここで、パラメータA1, A2, v21-24は、予め定められる係数であり、サービス事業者が決めてよい。
短時間映像符号化品質V_MOSCSは、算出された符号化劣化量DC及び閾値Th1, Th2を用いて、
Figure 0006162596
により算出されてもよい。ここで、パラメータA3、閾値Th1, Th2及び係数v25-29は、所定の定数であり、主観品質実験等によりサービス事業者が決めてよい。だたし、上記の短時間映像符号化品質V_MOSCSの算出において、閾値Th1, Th2を用いることなく、
Figure 0006162596
の何れかにより算出してもよい。
長時間映像符号化品質推定部120は、推定された短時間映像符号化品質に基づき、映像コンテンツの長時間映像符号化品質を推定し、推定した長時間映像符号化品質を映像品質推定部150に提供する。一実施例では、長時間映像符号化品質推定部120は、短時間映像符号化品質推定部110から受信した短時間映像符号化品質に基づき、映像コンテンツの長時間映像符号化品質を推定する。
ここで、長時間映像符号化品質とは、例えば、数分から数十分程度の映像符号化品質である。ここでは、長時間映像符号化品質推定部120は、短時間映像符号化品質について設定されたT秒間に対して、
Figure 0006162596
秒間の映像品質を推定するものとする(Nは1以上の整数)。長時間映像符号化品質V_MOSCLは、短時間映像符号化品質推定部110が所定の期間内に出力したM個の各T秒間の品質値
Figure 0006162596
のうち、直近のN個を単純に平均して、
Figure 0006162596
により求められてもよい。
図2は、本発明の一実施例による短時間映像符号化品質及び長時間映像符号化品質の推定に関する概念図である。図2に示されるように、V_MOSCS(1)は、最近に出力された短時間映像符号化品質であり、V_MOSCS(i)は、再生停止がない場合には、V_MOSCS(1)から
Figure 0006162596
秒前に出力された短時間映像符号化品質である。
しかしながら、長時間映像符号化品質は、上記の式に限定されるものでなく、他の実施例では、長時間映像符号化品質推定部120は、短時間映像符号化品質に基づき、忘却効果を考慮して映像コンテンツの長時間映像符号化品質を推定してもよい。例えば、長時間映像符号化品質は、忘却効果や品質変化に対する品質評価特性(品質が変化した時にその変化を劣化として知覚する)を考慮して、
Figure 0006162596
により求められてもよい。ここで、第1項は、視聴直後のものはよく覚えているので影響は大きいが、時間が経過すると忘れていく忘却効果を示しており、第2項は、品質の変化が発生すると"変化"の絶対値が劣化として感じられ、それは視聴直後であるほど強いことを表している。パラメータA4,A5は、予め定められた係数であり、サービス事業者が決めてよい。また、w1(i)は重み関数であり、例えば係数v30を用いて、
Figure 0006162596
で計算されてもよい。
単一通信劣化量推定部130は、映像コンテンツの1回の再生停止に対する映像品質劣化量である単一通信劣化量を推定し、推定した単一通信劣化量を総通信劣化量推定部140に提供する。一実施例では、単一通信劣化量推定部130は、映像コンテンツの再生停止の再生停止時間長に基づき単一通信劣化量を推定し、例えば、映像が停止した時間長である再生停止時間長RLに基づき、その再生停止による映像品質の劣化量である単一通信劣化量DRS(RL)を推定する。
図3は、本発明の一実施例による映像品質推定装置の再生停止に関する概念図である。図3に示されるように、再生停止発生時刻を現在時刻TNOWに近い方からST1, ST2, ...とし、再生停止時間長もそれに対応してRL1, RL2, ...としている。単一通信劣化量DRS(RL)は、例えば、閾値Th3を用いて、
Figure 0006162596
として算出できる。ここで、パラメータv31-33は、予め定められた係数であり、サービス事業者が決めてよい。上記のRL<Th3であるときは、再生停止を知覚してからある秒数(例えば、1秒程度)までは急激に品質が劣化し、その後Th3(例えば、Th3=2秒)まではあまり品質が変化しないことを表している。他方、RL≧Th3であるときは、RLがTh3秒経過した後、緩やかに品質が低下していくことを表している。
DRS(RL)の算出は、上記の式に限定されず、例えば、
Figure 0006162596
として算出されてもよい。あるいは、Th3を用いずに、
Figure 0006162596
として算出されてもよい。ただし、パラメータv34-39は、v31-33と同様に予め定められた係数である。
総通信劣化量推定部140は、所定の期間において推定された複数の単一通信劣化量に基づき、映像コンテンツの再生停止に対する品質劣化量である総通信劣化量を推定し、推定した総通信劣化量を映像品質推定部150に提供する。一実施例では、総通信劣化量推定部140は、所定の期間における映像コンテンツの各再生停止の再生停止時間長、単一通信劣化量及び再生停止時刻に基づき、忘却効果を考慮して総通信劣化量を推定する。例えば、総通信劣化量推定部140は、再生停止が発生した時刻の系列
Figure 0006162596
と、単一通信劣化量推定部130が算出した単一通信劣化量の系列
Figure 0006162596
とに基づき、所定の期間内に発生した再生停止に対する品質劣化量である総通信劣化量DRMを推定する。ここで、パラメータPは、所定の期間内に発生した再生停止の回数である。総通信劣化量DRMは、
Figure 0006162596
により算出できる。ここで、w2は重み関数であり、例えば、係数v41,v42を用いて、
Figure 0006162596
などとして算出できる。しかしながら、重み関数w2は、上記の式に限定されず、例えば、0より大きく1以下の定数v43を用いて、
Figure 0006162596
として算出されてもよい。重み関数の積は、何回も前の再生停止や、発生後に時間が経過している再生停止が最近発生した再生停止よりも映像品質に与える影響が小さいこと(忘却効果)を表している。総通信劣化量の算出は、上記の式に限定されず、例えば、現在時刻TNOWを用いて、
Figure 0006162596
として算出してもよい。w3は、w2と同様の重み関数であり、忘却効果を表している。
映像品質推定部150は、長時間映像符号化品質と総通信劣化量とに基づき、映像コンテンツの映像品質を推定する。一実施例では、映像品質推定部150は、長時間映像符号化品質推定部120が算出した長時間映像符号化品質V_MOSCLと、総通信劣化量推定部140が算出した総通信劣化量DRMとに基づき、映像品質V_MOSを推定する。映像品質V_MOSは、例えば、
Figure 0006162596
により算出できる。ここで、パラメータA4は、予め定められた係数であり、サービス提供者が決めてよい。
しかしながら、映像品質V_MOSの算出は、上記の式に限定されず、例えば、係数A5を用いて、
Figure 0006162596
として算出されてもよい。
図4は、本発明の一実施例による映像品質推定装置における処理を示すフローチャートである。図4に示されるように、当該処理は、映像解像度、映像フレームレート、映像ビットレート、映像特徴量、再生停止時間長及び再生停止時刻の入力に応答して開始される。
ステップS101において、短時間映像符号化品質推定部110は、入力された映像解像度、映像フレームレート、映像ビットレート及び映像特徴量から、上述された算出方法の何れかに従って短時間映像符号化品質を算出し、算出した短時間映像符号化品質を長時間映像符号化品質推定部120に提供する。
ステップS102において、長時間映像符号化品質推定部120は、上述された算出方法の何れかに従って、受信した短時間映像符号化品質に基づき長時間映像符号化品質を推定する。
ステップS103において、単一通信劣化量推定部130は、上述された算出方法の何れかに従って、入力された再生停止時間長に基づき各再生停止について単一通信劣化量を算出し、算出した単一通信劣化量を総通信劣化量推定部140に提供する。
ステップS104において、総通信劣化量推定部140は、上述された算出方法の何れかに従って、受信した単一通信劣化量、入力された再生停止時間長及び再生停止時刻に基づき総通信劣化量を算出し、映像品質推定部150に提供する。
なお、図示されるように、ステップS101,S102とステップS103,S104とはパラレルに実行されてもよい。
ステップS105において、映像品質推定部150は、上述された算出方法の何れかに従って、受信した長時間映像符号化品質及び総通信劣化量に基づき映像品質を算出し、算出した映像品質評価値を出力する。その後、映像品質推定装置100は当該処理を終了する。
本実施例によると、再生停止に対する品質劣化量の算出は忘却効果を考慮して行われ、長時間の映像符号化品質と合わせて長時間の映像視聴に対する総合的な映像品質の推定を行うことができる。これにより、再生停止時間の単純な平均値等による算出に比べ、高精度な映像品質推定が可能となる。
[映像品質推定装置の変形例]
図5は、本発明の他の実施例による映像品質推定装置の構成を示すブロック図である。本実施例による映像品質推定装置は、映像特徴量を使用せず、映像解像度、映像フレームレート及び映像ビットレートに基づき映像コンテンツの映像品質を推定する。
図5に示されるように、映像品質推定装置100'は、短時間映像符号化品質推定部110'と、長時間映像符号化品質推定部120と、単一通信劣化量推定部130と、総通信劣化量推定部140と、映像品質推定部150とを有する。本実施例による映像品質推定装置100'は、映像特徴量(図1の実施例のIフレームの平均ビット量)が入力されない点で、図1に示された映像品質推定装置100と異なり、短時間映像符号化品質推定部110'における短時間映像符号化品質の算出方法が、図1に示された短時間映像符号化品質推定部110と異なる。このため、ここでは短時間映像符号化品質推定部110'の処理について説明し、長時間映像符号化品質推定部120、単一通信劣化量推定部130、総通信劣化量推定部140及び映像品質推定部150は、映像品質推定装置100のものと同じであるため、これらの説明は省略する。
短時間映像符号化品質推定部110'は、映像解像度Rs、映像フレームレートFr及び映像ビットレートBrに基づき、映像コンテンツの短時間映像符号化品質V_MOSCSを算出し、算出された短時間映像符号化品質MOSCSを長時間映像符号化品質推定部120に出力する。図1の短時間映像符号化品質推定部110と同様に、短時間映像符号化品質推定部110'は、映像解像度Rs、映像フレームレートFr及び映像ビットレートBrに基づき1画素あたりのビット量に関するパラメータNBrを算出し、算出したNBrに基づきDCを、例えば、
Figure 0006162596
により算出する。パラメータA6, A7, v51, v52は、予め定められた係数であり、主観品質実験等によりサービス事業者が決めてよい。
短時間映像符号化品質V_MOSCSは、符号化劣化量DC及び閾値Th4, Th5を用いて、
Figure 0006162596
により算出されてもよい。ここで、閾値Th4, Th5及び係数v53-57は、定数であり、主観品質実験等によりサービス事業者が決めてよい。ただし、上記の短時間映像符号化品質V_MOSCSの算出において、閾値Th4, Th5を用いることなく
Figure 0006162596
の何れかにより算出してもよい。
また、短時間映像符号化品質の算出は、上記の方法に限定されず、例えば、上記のNBrを用いて下記のようにして求めることもできる。
Figure 0006162596
ここで、パラメータA9,v61-69は、予め定められた係数であり、主観品質実験等によりサービス事業者が決めてよい。
図6は、本発明の一実施例による映像品質推定装置における処理を示すフローチャートである。図6に示されるように、当該処理は、映像解像度、映像フレームレート、映像ビットレート、再生停止時間長及び再生停止時刻の入力に応答して開始される。
ステップS101'において、短時間映像符号化品質推定部110'は、入力された映像解像度、映像フレームレート及び映像ビットレートから、上述された算出方法の何れかに従って短時間映像符号化品質を算出し、算出した短時間映像符号化品質を長時間映像符号化品質推定部120に提供する。
ステップS102において、長時間映像符号化品質推定部120は、上述された算出方法の何れかに従って、受信した短時間映像符号化品質に基づき長時間映像符号化品質を推定する。
ステップS103において、単一通信劣化量推定部130は、上述された算出方法の何れかに従って、入力された再生停止時間長に基づき各再生停止について単一通信劣化量を算出し、算出した単一通信劣化量を総通信劣化量推定部140に提供する。
ステップS104において、総通信劣化量推定部140は、上述された算出方法の何れかに従って、受信した単一通信劣化量、入力された再生停止時間長及び再生停止時刻に基づき総通信劣化量を算出し、映像品質推定部150に提供する。
なお、図示されるように、ステップS101',S102とステップS103,S104とはパラレルに実行されてもよい。
ステップS105において、映像品質推定部150は、上述された算出方法の何れかに従って、受信した長時間映像符号化品質及び総通信劣化量に基づき映像品質を算出し、算出した映像品質評価値を出力する。その後、映像品質推定装置100'は当該処理を終了する。
本実施例によると、図1の映像品質推定装置100より少ない入力パラメータによって、再生停止に対する品質劣化量の算出は忘却効果を考慮して行われ、長時間の映像符号化品質と合わせて長時間の映像視聴に対する総合的な映像品質の推定を行うことができる。これにより、再生停止時間の単純な平均値等による算出に比べ、より少ない入力パラメータによって高精度な品質推定が可能になる。
[音響品質推定装置]
図7〜10を参照して、本発明の第2実施例による音響品質推定装置を説明する。
図7は、本発明の一実施例による音響品質推定装置の構成を示すブロック図である。図7に示されるように、音響品質推定装置200は、短時間音響符号化品質推定部210と、長時間音響符号化品質推定部220と、単一通信劣化量推定部230と、総通信劣化量推定部240と、音響品質推定部250とを有する。
短時間音響符号化品質推定部210は、音響コンテンツの短時間の音響符号化品質を推定する。一実施例では、短時間音響符号化品質推定部210は、音響コンテンツの音響ビットレートに基づき音響コンテンツの短時間音響符号化品質を推定し、例えば、音響ビットレートA_Brに基づき短時間音響符号化品質A_MOSCSを算出し、算出した短時間音響符号化品質A_MOSCSを長時間音響符号化品質推定部220に出力する。
ここで、短時間音響符号化品質とは、短時間(例えば、数秒から数十秒程度の所定の期間)の音響データに対する符号化による劣化を考慮した音響品質である。ここでは、短時間音響符号化品質推定部210は、音響コンテンツのT秒間の音響品質を推定するものとする。音響ビットレートは、ネットワーク内やユーザ利用端末において音響データのパケットから推定・取得してもよい。短時間音響符号化品質推定部210における短時間音響符号化品質の具体的な算出方法については、例えば、ITU-T勧告P.1201.1(非特許文献3)に定められている方法を用いて算出することができる。
長時間音響符号化品質推定部220は、短時間音響符号化品質推定部210が出力した短時間音響符号化品質に基づき長時間音響符号化品質を推定する。長時間音響符号化品質とは、例えば、数分から数十分程度の音響コンテンツの音響符号化品質である。ここでは、長時間音響符号化品質推定部220は、
Figure 0006162596
秒間の音響品質を推定するものとする(Nは1以上の整数)。長時間音響符号化品質A_MOSCLは、短時間音響符号化品質推定部210が所定の期間内に出力した各T秒間の音響品質値
Figure 0006162596
のうち、直近のN個を単純に平均して、
Figure 0006162596
により求めてもよい。
図8は、本発明の一実施例による短時間音響符号化品質及び長時間音響符号化品質の推定に関する概念図である。図8に示されるように、A_MOSCS(1)は、最近出力された短時間音響符号化品質であり、A_MOSCS(i)は、再生停止がない場合には、A_MOSCS(1)から
Figure 0006162596
秒前に出力された短時間音響符号化品質である。
しかしながら、長時間音響符号化品質は、上記の式に限定されるものでなく、長時間音響符号化品質推定部220は、短時間音響符号化品質に基づき、忘却効果を考慮して音響コンテンツの長時間音響符号化品質を推定してもよい。例えば、長時間音響符号化品質は、忘却効果や品質変化に対する品質評価特性(品質が変化した時にその変化を劣化として知覚する)を考慮して、
Figure 0006162596
により求められてもよい。第1項は、聴いた直後のものはよく覚えているので影響は大きいが、時間が経過すると忘れていく忘却効果を示しており、第2項は、品質の変化が発生すると"変化"の絶対値が劣化として感じられ、それは聴いた直後であるほど強いことを表している。パラメータA4,A5は、予め定められた係数であり、サービス事業者が決めてよい。w1(i)は重み関数であり、例えば、係数v30を用いて、
Figure 0006162596
により計算できる。
単一通信劣化量推定部230は、音響コンテンツの1回の再生停止に対する音響品質劣化量である単一通信劣化量を推定する。一実施例では、単一通信劣化量推定部230は、再生が停止した時間長である再生停止時間長RLに基づき、その再生停止による音響品質の劣化量である単一通信劣化量DRS(RL)を推定する。
図9は、本発明の一実施例による音響品質推定装置の再生停止に関する概念図である。図9に示されるように、再生停止時刻を現在時刻TNOWに近い方からST1, ST2, ...とし、再生停止時間長もそれに対応してRL1, RL2, ...としている。
単一通信劣化量DRS(RL)は、例えば、閾値Th3を用いて、
Figure 0006162596
により算出できる。ここで、パラメータv31-33は、予め定められた係数であり、サービス事業者が決めてよい。上記のRL<Th3であるときは、再生停止を知覚してからある秒数(例えば、1秒程度)までは急激に品質が劣化し、その後Th3(例えばTh3=2秒)まではあまり品質が変化しないことを表している。他方、RL≧Th3であるときは、RLがTh3秒経過した後、緩やかに品質が低下していくことを表している。
しかしながら、DRS(RL)の算出は、上記の式に限定されず、例えば、
Figure 0006162596
により算出されてもよい。
また、閾値Th3を用いることなく、
Figure 0006162596
により算出されてもよい。ただし、パラメータv34-39は、v31-33と同様に予め定められた係数である。
総通信劣化量推定部240は、所定の期間において推定された各単一通信劣化量に基づき、音響コンテンツの再生停止に対する品質劣化量である総通信劣化量を推定する。一実施例では、総通信劣化量推定部240は、音響コンテンツの再生停止が発生した時刻の系列
Figure 0006162596
と、単一通信劣化量推定部230が算出した単一通信劣化量の系列
Figure 0006162596
とに基づき、所定の期間内に発生した再生停止に対する音響品質劣化量である総通信劣化量DRMを推定する。ここで、パラメータPは、所定の期間内に発生した再生停止の回数である。
一実施例では、総通信劣化量推定部240は、所定の期間における音響コンテンツの各再生停止の再生停止時間長、単一通信劣化量及び再生停止時刻に基づき、忘却効果を考慮して総通信劣化量を推定してもよい。例えば、総通信劣化量DRMは、
Figure 0006162596
により算出されてもよい。ここで、w2は重み関数であり、例えば、係数v41,v42を用いて、
Figure 0006162596
などにより算出できる。
しかしながら、重み関数は、上記の式に限定されず、例えば、0より大きく1以下の定数v43を用いて、
Figure 0006162596
として算出されてもよい。重み関数の積は、何回も前の再生停止や、発生後に時間が経過している再生停止は、最近発生した再生停止よりも品質に与える影響が小さいこと(忘却効果)を表している。
また、総通信劣化量の算出は、上記の式に限定されず、例えば、現在時刻TNOWを用いて、
Figure 0006162596
により算出されてもよい。w3は、w2と同様の重み関数であり、忘却効果を表している。
音響品質推定部250は、長時間音響符号化品質と総通信劣化量とに基づき、音響コンテンツの音響品質を推定する。一実施例では、音響品質推定部250は、長時間音響符号化品質推定部220が算出する長時間音響符号化品質A_MOSCLと、総通信劣化量推定部240が算出する総通信劣化量DRMとに基づき、音響品質A_MOSを推定する。音響品質A_MOSは、例えば、
Figure 0006162596
により算出できる。ここで、パラメータA4は、予め定められた係数であり、サービス提供者が決めてよい。
しかしながら、音響品質A_MOSの算出は、上記の式に限定されず、例えば、係数A5を用いて、
Figure 0006162596
により算出されてもよい。
図10は、本発明の一実施例による音響品質推定装置における処理を示すフローチャートである。図10に示されるように、当該処理は、音響ビットレート、再生停止時間長及び再生停止時刻の入力に応答して開始される。
ステップS201において、短時間音響符号化品質推定部210は、入力された音響ビットレートから、上述された算出方法の何れかに従って短時間音響符号化品質を算出し、算出した短時間音響符号化品質を長時間音響符号化品質推定部220に提供する。
ステップS202において、長時間音響符号化品質推定部220は、上述された算出方法の何れかに従って受信した短時間音響符号化品質に基づき長時間音響符号化品質を推定し、推定した長時間音響符号化品質を音響品質推定部250に提供する。
ステップS203において、単一通信劣化量推定部230は、上述された算出方法の何れかに従って、入力された再生停止時間長に基づき各再生停止について単一通信劣化量を算出し、算出した単一通信劣化量を総通信劣化量推定部240に提供する。
ステップS204において、総通信劣化量推定部240は、上述された算出方法の何れかに従って、受信した単一通信劣化量、入力された再生停止時間長及び再生停止時刻に基づき総通信劣化量を算出し、音響品質推定部250に提供する。
なお、図示されるように、ステップS201,S202とステップS203,S204とはパラレルに実行されてもよい。
ステップS205において、音響品質推定部250は、上述された算出方法の何れかに従って、受信した長時間音響符号化品質及び総通信劣化量に基づき音響品質を算出し、算出した音響品質評価値を出力する。その後、音響品質推定装置200は当該処理を終了する。
本実施例によると、再生停止に対する品質劣化量の算出は忘却効果を考慮して行われ、長時間の音響符号化品質と合わせて長時間の音響聴取に対する総合的な音響品質の推定を行うことができる。これにより、再生停止時間の単純な平均値等による算出に比べ、高精度な音響品質推定が可能となる。
[AV品質推定装置]
図11〜18を参照して、本発明の第3実施例によるAV品質推定装置を説明する。
図11は、本発明の一実施例によるAV品質推定装置の構成を示すブロック図である。図11に示されるように、AV品質推定装置300は、短時間AV符号化品質推定部310と、長時間AV符号化品質推定部320と、単一通信劣化量推定部330と、総通信劣化量推定部340と、AV品質推定部350とを有する。また、短時間AV符号化品質推定部310は、短時間音響符号化品質推定部311と、短時間映像符号化品質推定部312と、短時間AV符号化品質算出部313とを有する。
短時間AV符号化品質推定部310は、AVコンテンツの短時間のAV符号化品質を推定する。一実施例では、短時間AV符号化品質推定部310は、音響ビットレートA_Br、映像解像度Rs、映像フレームレートFr、映像ビットレートBr及び映像特徴量Irに基づき、短時間AV符号化品質AV_MOSCSを算出し、短時間AV符号化品質AV_MOSCSを長時間AV符号化品質推定部320に出力する。
ここで、短時間AV符号化品質とは、短時間(例えば、数秒から数十秒程度の所定の期間)の音響データ及び映像データに対する符号化による劣化を考慮したAV品質である。ここでは、短時間AV符号化品質推定部310は、T秒間のAVコンテンツのAV品質を推定するものとする。
短時間音響符号化品質推定部311は、音響品質推定装置200の短時間音響符号化品質推定部210と同様のものであり、音響ビットレートに基づきAVコンテンツの音響データの短時間音響符号化品質を推定する。説明の重複を避けるため、さらなる詳細はここでは省略される。
短時間映像符号化品質推定部312は、映像品質推定装置100の短時間映像符号化品質推定部110と同様のものであり、映像解像度、映像フレームレート、映像ビットレート及び映像特徴量に基づき、AVコンテンツの映像データの短時間映像符号化品質を推定する。あるいは、他の実施例では、短時間映像符号化品質推定部312は、映像品質推定装置100'の短時間映像符号化品質推定部110'と同様のものであってもよく、映像解像度、映像フレームレート及び映像ビットレートに基づき、AVコンテンツの映像データの短時間映像符号化品質を推定してもよい。
短時間AV符号化品質算出部313は、推定された短時間音響符号化品質及び短時間映像符号化品質に基づき、AVコンテンツの短時間AV符号化品質を推定する。短時間AV符号化品質の算出は、例えば、ITU-T勧告P.1201.1(非特許文献3)やP.1201.2(非特許文献4)に定められている方法により算出することができる。
長時間AV符号化品質推定部320は、短時間AV符号化品質に基づきAVコンテンツの長時間AV符号化品質を推定する。一実施例では、長時間AV符号化品質推定部320は、短時間AV符号化品質推定部310が出力した短時間AV符号化品質に基づき、AVコンテンツの長時間AV符号化品質を推定する。
ここで、長時間AV符号化品質とは、例えば、数分から数十分程度の所定の期間におけるAVコンテンツのAV符号化品質である。ここでは、長時間AV符号化品質推定部320は、
Figure 0006162596
秒間のAV品質を推定するものとする(Nは1以上の整数)。例えば、長時間AV符号化品質AV_MOSCLは、短時間AV符号化品質推定部310が所定の期間内に出力した各T秒間のAV品質値
Figure 0006162596
のうち、直近のN個を単純に平均して、
Figure 0006162596
により求められてもよい。
図12は、本発明の一実施例による短時間AV符号化品質及び長時間AV符号化品質の推定に関する概念図である。図12に示されるように、AV_MOSCS(1)は、最近出力された短時間AV符号化品質であり、AV_MOSCS(i)は、再生停止がない場合には、AV_MOSCS(1)から
Figure 0006162596
秒前に出力された短時間AV符号化品質である。長時間AV符号化品質推定部320は、上記の式に限定されず、短時間AV符号化品質に基づき、忘却効果を考慮してAVコンテンツの長時間AV符号化品質を推定してもよい。例えば、長時間AV符号化品質は、忘却効果や品質変化に対する品質評価特性(品質が変化した時にその変化を劣化として知覚する)を考慮して、
Figure 0006162596
により求められてもよい。第1項は、視聴直後のものはよく覚えているので影響は大きいが、時間が経過すると忘れていく忘却効果を示しており、第2項は、品質の変化が発生すると"変化"の絶対値が劣化として感じられ、それは視聴直後であるほど強いことを表している。パラメータA4,A5は、予め定められた係数であり、サービス事業者が決めてよい。w1(i)は重み関数であり、例えば、係数v30を用いて、
Figure 0006162596
により計算できる。
単一通信劣化量推定部330は、AVコンテンツの1回の再生停止に対するAV品質劣化量である単一通信劣化量を推定する。一実施例では、単一通信劣化量推定部330は、映像が停止した時間長である再生停止時間長RLに基づき、その再生停止によるAV品質の劣化量である単一通信劣化量DRS(RL)を推定する。
図13は、本発明の一実施例によるAV品質推定装置の再生停止に関する概念図である。図13に示されるように、再生停止時刻を現在時刻TNOWに近い方からST1, ST2, ...とし、再生停止時間長もそれに対応してRL1, RL2, ...としている。単一通信劣化量DRS(RL)は、
例えば、閾値Th3を用いて、
Figure 0006162596
により算出できる。ここで、パラメータv31-33は、予め定められた係数であり、サービス事業者が決めてよい。上記のRL<Th3であるときは、再生停止を知覚してからある秒数(例えば、1秒程度)までは急激に品質が劣化し、その後Th3(例えば、Th3=2秒)まではあまり品質が変化しないことを表している。他方、RL≧Th3であるときは、RLがTh3秒経過した後、緩やかに品質が低下していくことを表している。DR_S (RL)の算出は、上記の式に限定されず、例えば、
Figure 0006162596
により算出されてもよく、Th3を用いることなく、
Figure 0006162596
を用いて算出されてもよい。ただし、パラメータv34-39は、v31-33と同様に予め定められた係数である。
総通信劣化量推定部340は、所定の期間において推定された単一通信劣化量に基づき、AVコンテンツの再生停止に対する品質劣化量である総通信劣化量を推定する。一実施例では、総通信劣化量推定部340は、再生停止が発生した時刻の系列
Figure 0006162596
と、単一通信劣化量推定部330が算出した単一通信劣化量の系列
Figure 0006162596
とに基づき、所定の期間内に発生した再生停止に対するAV品質劣化量である総通信劣化量DRMを推定する。ここで、パラメータPは、所定の期間内に発生した再生停止の回数である。
一実施例では、総通信劣化量推定部340は、所定の期間におけるAVコンテンツの各再生停止の再生停止時間長、単一通信劣化量及び再生停止時刻に基づき、忘却効果を考慮して総通信劣化量を推定してもよい。例えば、総通信劣化量DRMは、
Figure 0006162596
により算出できる。ここで、w2は重み関数であり、例えば、係数v41,v42を用いて、
Figure 0006162596
などとして算出できる。しかしながら、重み関数は上記の式に限定されず、例えば、0より大きく1以下の定数v43を用いて、
Figure 0006162596
として算出されてもよい。重み関数の積は、何回も前の再生停止や、発生後に時間が経過している再生停止は、最近発生した再生停止よりも品質に与える影響が小さいこと(忘却効果)を表している。
また、総通信劣化量の算出は、上記の式に限定されず、例えば、現在時刻TNOWを用いて、
Figure 0006162596
として算出されてもよい。w3は、w2と同様の重み関数であり、忘却効果を表している。
AV品質推定部350は、長時間AV符号化品質と総通信劣化量とに基づき、AVコンテンツのAV品質を推定する。一実施例では、AV品質推定部350は、長時間AV符号化品質推定部320が算出した長時間AV符号化品質AV_MOSCLと、総通信劣化量推定部340が算出した総通信劣化量DRMとに基づき、AV品質AV_MOSを推定する。AV品質AV_MOSは、例えば、
Figure 0006162596
により算出できる。ここで、パラメータA4は、予め定められた係数であり、サービス提供者が決めてよい。しかしながら、映像品質AV_MOSの算出は、上記の式に限定されず、例えば、係数A5を用いて、
Figure 0006162596
により算出されてもよい。
図14は、本発明の一実施例によるAV品質推定装置における処理を示すフローチャートである。図14に示されるように、当該処理は、音響ビットレート、映像解像度、映像フレームレート、映像ビットレート、映像特徴量、再生停止時間長及び再生停止時刻の入力に応答して開始される。なお、短時間映像符号化品質推定部311が、短時間映像符号化品質推定部110'と同様のものである場合、映像特徴量の入力は必要とされない。
ステップS301において、短時間映像符号化品質推定部311は、入力された映像解像度、映像フレームレート、映像ビットレート及び映像特徴量から、上述された算出方法の何れかに従って短時間映像符号化品質を算出し、算出した短時間映像符号化品質を短時間AV符号化品質算出部313に提供する。
ステップS302において、短時間音響符号化品質推定部312は、入力された音響ビットレートから、上述された算出方法の何れかに従って短時間音響符号化品質を算出し、算出した短時間音響符号化品質を短時間AV符号化品質算出部313に提供する。
ステップS303において、短時間AV符号化品質算出部313は、ステップS301,S302において推定された短時間映像符号化品質と短時間音響符号化品質とから、上述された算出方法の何れかに従って短時間AV符号化品質を算出し、算出した短時間AV符号化品質を長時間AV符号化品質推定部320に提供する。
ステップS304において、長時間AV符号化品質推定部320は、ステップS303において算出された短時間AV符号化品質から、上述された算出方法の何れかに従って長時間AV符号化品質を推定し、推定した長時間AV符号化品質をAV品質推定部350に提供する。
ステップS305において、単一通信劣化量推定部330は、上述された算出方法の何れかに従って、入力された再生停止時間長に基づき各再生停止について単一通信劣化量を算出し、算出した単一通信劣化量を総通信劣化量推定部340に提供する。
ステップS306において、総通信劣化量推定部340は、上述された算出方法の何れかに従って、受信した単一通信劣化量、入力された再生停止時間長及び再生停止時刻に基づき総通信劣化量を算出し、算出した総通信劣化量をAV品質推定部350に提供する。
なお、図示されるように、ステップS301〜S304とステップS305,S306とはパラレルに実行されてもよい。
ステップS307において、AV品質推定部350は、上述された算出方法の何れかに従って、受信した長時間AV符号化品質及び総通信劣化量に基づきAV品質を算出し、算出したAV品質評価値を出力する。その後、AV品質推定装置300は当該処理を終了する。
本実施例によると、再生停止に対する品質劣化量の算出は忘却効果を考慮して行われ、長時間のAV符号化品質と合わせて長時間のAV視聴に対する総合的なAV品質の推定を行うことができる。これにより、再生停止時間の単純な平均値等による算出に比べ、高精度なAV品質推定が可能となる。
[AV品質推定装置の変形例]
図15は、本発明の他の実施例によるAV品質推定装置の構成を示すブロック図である。本実施例によるAV品質推定装置は、短時間AV符号化品質を推定せずに、短時間映像符号化品質及び短時間音響符号化品質からそれぞれ長時間映像符号化品質及び長時間音響符号化品質を推定し、推定した長時間映像符号化品質及び長時間音響符号化品質に基づき長時間AV符号化品質を推定する。
図15に示されるように、AV品質推定装置400は、短時間AV符号化品質推定部410と、長時間AV符号化品質推定部420と、単一通信劣化量推定部430と、総通信劣化量推定部440と、AV品質推定部450とを有する。また、短時間AV符号化品質推定部410は、短時間音響符号化品質推定部411と短時間映像符号化品質推定部412とを有し、長時間AV符号化品質推定部420は、長時間音響符号化品質推定部421と、長時間映像符号化品質推定部422と、長時間AV符号化品質算出部423とを有する。すなわち、短時間AV符号化品質推定部410は、短時間AV符号化品質算出部313を有しない点で、図11の短時間AV符号化品質推定部310と異なり、また、長時間AV符号化品質推定部420は、長時間音響符号化品質推定部421と、長時間映像符号化品質推定部422と、長時間AV符号化品質算出部423とを有する点で、図11の長時間AV符号化品質推定部320と異なる。
短時間AV符号化品質推定部410は、図11の短時間AV符号化品質推定部310と同様に、短時間音響符号化品質A_MOSCS及び短時間映像符号化品質V_MOSCSを推定する。短時間AV符号化品質推定部410は、推定した短時間音響符号化品質A_MOSCS及び短時間映像符号化品質V_MOSCSから短時間AV符号化品質を算出せず、短時間音響符号化品質A_MOSCS及び短時間映像符号化品質V_MOSCSを長時間AV符号化品質推定部420に出力する。
長時間AV符号化品質推定部420は、図7の音響品質推定装置200において短時間音響符号化品質から長時間音響符号化品質を推定した手順と同様に、長時間音響符号化品質推定部421を用いて短時間音響符号化品質から長時間音響符号化品質を推定すると共に、図1の映像品質推定装置100又は図6の映像品質推定装置100'において短時間映像符号化品質から長時間映像符号化品質を推定した手順と同様に、長時間映像符号化品質推定部422を用いて短時間映像符号化品質から長時間映像符号化品質を推定する。
長時間AV符号化品質推定部423は、受信した長時間音響符号化品質及び長時間映像符号化品質に基づき、長時間AV符号化品質を算出する。長時間AV符号化品質の具体的な算出方法について、例えば、ITU-T勧告P.1201.1(非特許文献3)やP.1201.2(非特許文献4)における音響品質及び映像品質からAV品質を算出する方法と同様の方法が利用されてもよい。ITU-T勧告P.1201.1に記載の方法に従うと、長時間AV符号化品質AV_MOSCLは、
Figure 0006162596
により算出される。ここで、パラメータv71-74は、予め定められた係数であり、サービス提供者が決めてよい。
単一通信劣化量推定部430、総通信劣化量推定部440及びAV品質推定部450は、AV品質推定装置300のものと同じであるため、これらの説明は省略する。
図16は、本発明の他の実施例によるAV品質推定装置における処理を示すフローチャートである。
図16に示されるように、当該処理は、音響ビットレート、映像解像度、映像フレームレート、映像ビットレート、映像特徴量、再生停止時間長及び再生停止時刻の入力に応答して開始される。なお、短時間映像符号化品質推定部412が、短時間映像符号化品質推定部110'と同様のものである場合、映像特徴量の入力は必要とされない。
ステップS401において、短時間映像符号化品質推定部412は、入力された映像解像度、映像フレームレート、映像ビットレート及び映像特徴量から、上述された算出方法の何れかに従って短時間映像符号化品質を算出し、算出した短時間映像符号化品質を長時間AV符号化品質推定部420に提供する。
ステップS402において、長時間映像符号化品質推定部422は、ステップS401において算出された短時間映像符号化品質から、上述された算出方法の何れかに従って長時間映像符号化品質を推定し、推定した長時間映像符号化品質を長時間AV符号化品質算出部423に提供する。
ステップS403において、短時間音響符号化品質推定部411は、入力された音響ビットレートから、上述された算出方法の何れかに従って短時間音響符号化品質を算出し、算出した短時間音響符号化品質を長時間AV符号化品質推定部420に提供する。
ステップS404において、長時間音響符号化品質推定部421は、ステップS403において算出された短時間音響符号化品質から、上述された算出方法の何れかに従って長時間音響符号化品質を推定し、推定した長時間音響符号化品質を長時間AV符号化品質算出部423に提供する。
ステップS405において、長時間AV符号化品質算出部423は、受信した長時間映像符号化品質及び長時間音響符号化品質から、上述された算出方法の何れかに従って長時間AV符号化品質を算出し、AV品質推定部450に提供する。
ステップS406において、単一通信劣化量推定部430は、上述された算出方法の何れかに従って、入力された再生停止時間長に基づき各再生停止について単一通信劣化量を算出し、算出した単一通信劣化量を総通信劣化量推定部440に提供する。
ステップS407において、総通信劣化量推定部440は、上述された算出方法の何れかに従って、受信した単一通信劣化量、入力された再生停止時間長及び再生停止時刻に基づき総通信劣化量を算出し、算出した総通信劣化量をAV品質推定部450に提供する。
なお、図示されるように、ステップS401〜S405とステップS406,S407とはパラレルに実行されてもよい。
ステップS408において、AV品質推定部450は、上述された算出方法の何れかに従って、受信した長時間AV符号化品質及び総通信劣化量に基づきAV品質を算出し、算出したAV品質評価値を出力する。その後、AV品質推定装置400は当該処理を終了する。
本実施例によると、再生停止に対する品質劣化量の算出は忘却効果を考慮して行われ、長時間のAV符号化品質と合わせて長時間のAV視聴に対する総合的なAV品質の推定を行うことができる。これにより、再生停止時間の単純な平均値等による算出に比べ、高精度なAV品質推定が可能となる。
図17は、本発明の他の実施例によるAV品質推定装置の構成を示すブロック図である。本実施例によるAV品質推定装置は、映像ビットレートと音響ビットレートとを合わせたAVビットレートに基づき短時間AV符号化品質AV_MOSCSを推定する。
図17に示されるように、AV品質推定装置500は、短時間AV符号化品質推定部510と、長時間AV符号化品質推定部520と、単一通信劣化量推定部530と、総通信劣化量推定部540と、AV品質推定部550とを有する。本実施例によるAV品質推定装置500は、入力されたAVビットレートから短時間AV符号化品質推定を求める点で、図11に示されたAV品質推定装置300と異なり、短時間AV符号化品質推定部510における短時間AV符号化品質の算出方法が、図11に示された短時間AV符号化品質推定部310と異なる。このため、短時間AV符号化品質推定部510の処理について説明し、長時間AV符号化品質推定部520、単一通信劣化量推定部530、総通信劣化量推定部540及び映像品質推定部550は、AV品質推定装置300のものと同じであるため、これらの説明は省略する。
短時間AV符号化品質推定部510は、AVビットレートAV_Brに基づき、例えば、下記の式で短時間AV符号化品質を推定し、推定した短時間AV符号化品質を長時間AV符号化品質推定部520に提供する。
Figure 0006162596
ここで、パラメータv80-83は、予め定められた係数であり、サービス事業者が決めてよい。
また、短時間AV符号化品質の推定は、上記の式に限定されず、例えば、
Figure 0006162596
により推定されてもよい。ここで、パラメータv84-87は、予め定められた係数であり、サービス事業者が決めてよい。
図18は、本発明の他の実施例によるAV品質推定装置における処理を示すフローチャートである。図18に示されるように、当該処理は、AVビットレート、再生停止時間長及び再生停止時刻の入力に応答して開始される。
ステップS501において、短時間AV符号化品質推定部511は、入力されたAVビットレートから、上述された算出方法の何れかに従って短時間AV符号化品質を算出し、算出した短時間AV符号化品質を長時間AV符号化品質推定部520に提供する。
ステップS502において、長時間AV符号化品質推定部520は、ステップS501において算出された短時間AV符号化品質から、上述された算出方法の何れかに従って長時間AV符号化品質を推定し、推定した長時間AV符号化品質をAV品質推定部550に提供する。
ステップS503において、単一通信劣化量推定部530は、上述された算出方法の何れかに従って、入力された再生停止時間長に基づき各再生停止について単一通信劣化量を算出し、算出した単一通信劣化量を総通信劣化量推定部540に提供する。
ステップS504において、総通信劣化量推定部540は、上述された算出方法の何れかに従って、受信した単一通信劣化量、入力された再生停止時間長及び再生停止時刻に基づき総通信劣化量を算出し、算出した総通信劣化量をAV品質推定部550に提供する。
なお、図示されるように、ステップS501,S502とステップS503,S504とはパラレルに実行されてもよい。
ステップS505において、AV品質推定部550は、上述された算出方法の何れかに従って、受信した長時間AV符号化品質及び総通信劣化量に基づきAV品質を算出し、算出したAV品質評価値を出力する。その後、AV品質推定装置500は当該処理を終了する。
本実施例によると、再生停止に対する品質劣化量の算出は忘却効果を考慮して行われ、長時間のAV符号化品質と合わせて長時間のAV視聴に対する総合的なAV品質の推定を行うことができる。これにより、再生停止時間の単純な平均値等による算出に比べ、高精度なAV品質推定が可能となる。また、AVビットレートに基づき比較的単純な手順で短時間AV符号化品質を推定するため、高速処理が可能となる。
上述された映像品質推定装置、音響品質推定装置及びAV品質推定装置は、典型的には、補助記憶装置、メモリ装置、CPU(Central Processing Unit)、通信装置、インタフェース装置などの各種ハードウェアリソースから構成される。補助記憶装置は、ハードディスクやフラッシュメモリなどから構成され、当該装置における各種処理を実現するためのプログラムやデータを格納する。これらのプログラム及びデータは、例えば、ネットワーク上の各種サーバからダウンロードされてもよく、又は当該装置のインタフェースに接続された記憶媒体から提供されてもよい。メモリ装置は、RAM(Random Access Memory)などから構成され、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置からプログラムを読み出して格納する。CPUは、情報を処理するプロセッサとして機能し、メモリ装置に格納されたプログラムを実行することによって、当該装置における上述された各種機能を実現する。通信装置は、ネットワークを介しサーバなどの外部装置に接続するための各種通信回路から構成される。インタフェース装置は、外部装置とデータ及び情報をやりとりするためのインタフェース機能を実現する。なお、本発明による映像品質推定装置、音響品質推定装置及びAV品質推定装置は、上述したハードウェア構成に限定されるものでなく、後述される各種機能を実現する回路を備えるなどの他の何れか適切なハードウェア構成を有してもよい。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は上述された特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
100,100' 映像品質推定装置
110,110' 短時間映像符号化品質推定部
120 長時間映像符号化品質推定部
130 単一通信劣化量推定部
140 総通信劣化量推定部
150 映像品質推定部
200 音響品質推定装置
210 短時間音響符号化品質推定部
220 長時間音響符号化品質推定部
230 単一通信劣化量推定部
240 総通信劣化量推定部
250 音響品質推定部
300,400,500 AV品質推定装置
310,410,510 短時間AV符号化品質推定部
320,420,520 長時間AV符号化品質推定部
330,430,530 単一通信劣化量推定部
340,440,540 総通信劣化量推定部
350,450,550 AV品質推定部

Claims (10)

  1. 映像コンテンツの映像品質を推定する映像品質推定装置であって、
    前記映像コンテンツの短時間の映像符号化品質を推定する短時間映像符号化品質推定部と、
    前記短時間の映像符号化品質に基づき、前記映像コンテンツの長時間の映像符号化品質を推定する長時間映像符号化品質推定部と、
    前記映像コンテンツの1回の再生停止に対する映像品質劣化量である単一通信劣化量を推定する単一通信劣化量推定部と、
    所定の期間における前記単一通信劣化量に基づき、前記映像コンテンツの再生停止に対する品質劣化量である総通信劣化量を推定する総通信劣化量推定部と、
    前記長時間の映像符号化品質と前記総通信劣化量とに基づき、前記映像コンテンツの映像品質を推定する映像品質推定部と、
    を有し、
    前記単一通信劣化量推定部は、前記映像コンテンツの再生停止の再生停止時間長に基づき前記単一通信劣化量を推定し、
    前記総通信劣化量推定部は、前記所定の期間における前記映像コンテンツの各再生停止の前記再生停止時間長、前記単一通信劣化量及び再生停止時刻に基づき、忘却効果を考慮して前記総通信劣化量を推定する映像品質推定装置。
  2. 前記短時間映像符号化品質推定部は、前記映像コンテンツの映像解像度、映像フレームレート及び映像ビットレートに基づき、前記映像コンテンツの短時間の映像符号化品質を推定する、請求項記載の映像品質推定装置。
  3. 前記短時間映像符号化品質推定部はさらに、前記映像コンテンツの特徴を表す映像特徴量に基づき、前記映像コンテンツの短時間の映像符号化品質を推定する、請求項記載の映像品質推定装置。
  4. 前記長時間映像符号化品質推定部は、前記短時間の映像符号化品質に基づき、忘却効果を考慮して前記映像コンテンツの長時間の映像符号化品質を推定する、請求項1乃至何れか一項記載の映像品質推定装置。
  5. 映像コンテンツの映像品質を推定する装置における品質推定方法であって、
    前記映像コンテンツの短時間の映像符号化品質を推定するステップと、
    前記短時間の映像符号化品質に基づき、前記映像コンテンツの長時間の映像符号化品質を推定するステップと、
    前記映像コンテンツの1回の再生停止に対する映像品質劣化量である単一通信劣化量を推定するステップと、
    所定の期間における前記単一通信劣化量に基づき、前記映像コンテンツの再生停止に対する品質劣化量である総通信劣化量を推定するステップと、
    前記長時間の映像符号化品質と前記総通信劣化量とに基づき、前記映像コンテンツの映像品質を推定するステップと、
    を有し、
    前記単一通信劣化量を推定するステップは、前記映像コンテンツの再生停止の再生停止時間長に基づき前記単一通信劣化量を推定し、
    前記総通信劣化量を推定するステップは、前記所定の期間における前記映像コンテンツの各再生停止の前記再生停止時間長、前記単一通信劣化量及び再生停止時刻に基づき、忘却効果を考慮して前記総通信劣化量を推定する品質推定方法。
  6. 音響コンテンツの音響品質を推定する音響品質推定装置であって、
    前記音響コンテンツの短時間の音響符号化品質を推定する短時間音響符号化品質推定部と、
    前記短時間の音響符号化品質に基づき、前記音響コンテンツの長時間の音響符号化品質を推定する長時間音響符号化品質推定部と、
    前記音響コンテンツの1回の再生停止に対する音響品質劣化量である単一通信劣化量を推定する単一通信劣化量推定部と、
    所定の期間における前記単一通信劣化量に基づき、前記音響コンテンツの再生停止に対する品質劣化量である総通信劣化量を推定する総通信劣化量推定部と、
    前記長時間の音響符号化品質と前記総通信劣化量とに基づき、前記音響コンテンツの音響品質を推定する音響品質推定部と、
    を有し、
    前記単一通信劣化量推定部は、前記音響コンテンツの再生停止の再生停止時間長に基づき前記単一通信劣化量を推定し、
    前記総通信劣化量推定部は、前記所定の期間における前記音響コンテンツの各再生停止の前記再生停止時間長、前記単一通信劣化量及び再生停止時刻に基づき、忘却効果を考慮して前記総通信劣化量を推定する音響品質推定装置。
  7. 音響コンテンツの音響品質を推定する装置における品質推定方法であって、
    前記音響コンテンツの短時間の音響符号化品質を推定するステップと、
    前記短時間の音響符号化品質に基づき、前記音響コンテンツの長時間の音響符号化品質を推定するステップと、
    前記音響コンテンツの1回の再生停止に対する音響品質劣化量である単一通信劣化量を推定するステップと、
    所定の期間における前記単一通信劣化量に基づき、前記音響コンテンツの再生停止に対する品質劣化量である総通信劣化量を推定するステップと、
    前記長時間の音響符号化品質と前記総通信劣化量とに基づき、前記音響コンテンツの音響品質を推定するステップと、
    を有し、
    前記単一通信劣化量を推定するステップは、前記音響コンテンツの再生停止の再生停止時間長に基づき前記単一通信劣化量を推定し、
    前記総通信劣化量を推定するステップは、前記所定の期間における前記音響コンテンツの各再生停止の前記再生停止時間長、前記単一通信劣化量及び再生停止時刻に基づき、忘却効果を考慮して前記総通信劣化量を推定する品質推定方法。
  8. オーディオビジュアル(AV)コンテンツのAV品質を推定するAV品質推定装置であって、
    前記AVコンテンツの短時間のAV符号化品質を推定する短時間AV符号化品質推定部と、
    前記短時間のAV符号化品質に基づき、前記AVコンテンツの長時間のAV符号化品質を推定する長時間AV符号化品質推定部と、
    前記AVコンテンツの1回の再生停止に対するAV品質劣化量である単一通信劣化量を推定する単一通信劣化量推定部と、
    所定の期間における前記単一通信劣化量に基づき、前記AVコンテンツの再生停止に対する品質劣化量である総通信劣化量を推定する総通信劣化量推定部と、
    前記長時間のAV符号化品質と前記総通信劣化量とに基づき、前記AVコンテンツのAV品質を推定するAV品質推定部と、
    を有し、
    前記単一通信劣化量推定部は、前記AVコンテンツの再生停止の再生停止時間長に基づき前記単一通信劣化量を推定し、
    前記総通信劣化量推定部は、前記所定の期間における前記AVコンテンツの各再生停止の前記再生停止時間長、前記単一通信劣化量及び再生停止時刻に基づき、忘却効果を考慮して前記総通信劣化量を推定するAV品質推定装置。
  9. AVコンテンツのAV品質を推定する装置における品質推定方法であって、
    前記AVコンテンツの短時間のAV符号化品質を推定するステップと、
    前記短時間のAV符号化品質に基づき、前記AVコンテンツの長時間のAV符号化品質を推定するステップと、
    前記AVコンテンツの1回の再生停止に対するAV品質劣化量である単一通信劣化量を推定するステップと、
    所定の期間における前記単一通信劣化量に基づき、前記AVコンテンツの再生停止に対する品質劣化量である総通信劣化量を推定するステップと、
    前記長時間のAV符号化品質と前記総通信劣化量とに基づき、前記AVコンテンツのAV品質を推定するステップと、
    を有し、
    前記単一通信劣化量を推定するステップは、前記AVコンテンツの再生停止の再生停止時間長に基づき前記単一通信劣化量を推定し、
    前記総通信劣化量を推定するステップは、前記所定の期間における前記AVコンテンツの各再生停止の前記再生停止時間長、前記単一通信劣化量及び再生停止時刻に基づき、忘却効果を考慮して前記総通信劣化量を推定する品質推定方法。
  10. 請求項、又は請求項、又は請求項の品質推定方法を実施するためのプログラムであって、当該品質推定方法の当該ステップをプロセッサに実行させるプログラム。
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