JP5707461B2 - 映像品質推定装置、映像品質推定方法及びプログラム - Google Patents

映像品質推定装置、映像品質推定方法及びプログラム Download PDF

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本発明は、映像品質推定装置、映像品質推定方法及びプログラムに関し、例えば、 IP(Internet Protocol)ネットワークを介して行われる映像配信サービスや映像コミュニケーションサービスにおける映像通信の品質を推定する映像品質推定技術に関する。
光回線、第3世代(3G)携帯電話回線、無線LAN(Wireless Local Area Network)などのネットワーク環境を用いた映像配信サービスが近年急速に普及している。
インターネットは必ずしも通信帯域を保証しないネットワークであるため、映像メディアを用いて通信を行う場合、ユーザ端末間のネットワークの回線帯域が狭かったり、回線が輻輳したりすると、受信した映像メディアなどに対してユーザが知覚する品質(ユーザ体感品質)が低下してしまう。例えば、映像データのダウンロードと並列して映像の再生を行うプログレッシブダウンロード(PDL)型映像配信サービスでは、映像の再生ビットレート以上の通信帯域が確保できない場合、映像を一時停止しバッファに映像データを蓄積(リバッファリング)する。このとき、ユーザの意図しない映像の一時停止が発生することにより、ユーザ体感品質が低下してしまう。このようなリバッファリングがユーザ体感品質に与える影響は大きい(非特許文献1)。リバッファリングの発生を防ぐため、一部のPDL型映像配信サービス(アダプティブストリーミング)では通信帯域に応じて動的に映像品質(ビットレート、解像度、フレームレート)を切り替える品質制御を行っている(非特許文献2)。
前述のように、ネットワークなどの状態により変化する品質を監視するためには、ユーザ体感品質を定量化するユーザ体感品質推定技術が必要である。また、動的にユーザ体感品質を最大化する品質制御を行うためには映像の切り替え前後のユーザ体感品質を比較し、品質制御を行うことが理想的である。このようにユーザ体感品質に基づいた品質制御を実現するためにはユーザ体感品質を推定可能なユーザ体感品質推定技術が必要となる。
さらに、前述の通り、PDL型映像配信サービス等のユーザ体感品質に影響を与える解像度、フレームレート、ビットレート、リバッファリングなどの品質要因を考慮してユーザ体感品質を推定するユーザ体感品質推定技術が必要である。
このような品質要因を捉える技術として、ITU-T(International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector)勧告P.1201.1(非特許文献3)及びP.1201.2(非特許文献4)において、映像品質客観評価法が規定されている。勧告P.1201.1は低解像度(QCIF、QVGA、HVGA)映像を対象にし、勧告P.1201.2は高解像度(SD、HD)映像を対象としている。勧告P.1201.1はビットレート、フレームレート、パケット損失、リッバッファリングの変動に対する映像品質を評価可能なモデルを定義している。勧告P.1201.2はビットレート、フレームレート、パケット損失の変動に対する映像品質を評価可能なモデルを定義している。
高解像度映像を対象とした勧告P.1201.2は、PDL型映像配信等における主要品質要因であるリバッファリングにより影響を受けた映像品質を推定することができない。また、勧告P.1201.1およびP.1201.2は解像度毎に定義されたモデルであり(つまり、モデルの数式は解像度によらず同一であるが、解像度毎にモデル係数が異なっている)、任意の解像度の映像を符号化するアダプティブストリーミングの映像品質推定には適用できない。更に、勧告P.1201.1およびP.1201.2に定義されたモデルは解像度の異なる映像品質推定には適用できない。
そこで、本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、映像配信サービスの品質要因の影響を考慮した映像品質推定技術を提供することを目的とする。さらに、品質要因の一つである解像度の影響を考慮して、異なる任意の解像度に対する映像品質を同一の指標で推定可能な映像品質推定技術を提供することを目的とする。
本発明の一形態に係る映像品質推定装置は、
符号化された映像の映像品質を推定するための映像品質推定装置であって、
映像品質に関するパラメータに基づいて符号化による品質劣化を考慮した映像品質である符号化品質を推定し、リバッファリングに関するパラメータに基づいてリバッファリングによる品質劣化量を推定する品質要因推定部と、
前記品質要因推定部で推定された前記符号化品質及び前記リバッファリングによる品質劣化量に基づいて映像品質を推定する映像品質推定部と、
を有し、
前記品質要因推定部は、符号化された映像のビットレート、フレームレート及び解像度から1画素あたりのビット量に関するパラメータを算出し、当該1画素あたりのビット量に関するパラメータに基づいて符号化品質を推定する符号化品質推定部を有することを特徴とする。
また、本発明の一形態に係る映像品質推定方法は、
符号化された映像の映像品質を推定するための映像品質推定装置における映像品質推定方法であって、
前記映像品質推定装置における品質要因推定部が、映像品質に関するパラメータに基づいて符号化による品質劣化を考慮した映像品質である符号化品質を推定し、リバッファリングに関するパラメータに基づいてリバッファリングによる品質劣化量を推定するステップと、
前記映像品質推定装置における映像品質推定部が、推定された前記符号化品質及び前記リバッファリングによる品質劣化量に基づいて映像品質を推定するステップと、
を有し、
前記符号化品質は、符号化された映像のビットレート、フレームレート及び解像度から算出された1画素あたりのビット量に関するパラメータに基づいて推定されることを特徴とする。
また、本発明の一形態に係るプログラムは、
符号化された映像の映像品質を推定するための映像品質推定装置として、コンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該コンピュータを、
映像品質に関するパラメータに基づいて符号化による品質劣化を考慮した映像品質である符号化品質を推定し、リバッファリングに関するパラメータに基づいてリバッファリングによる品質劣化量を推定する品質要因推定手段、及び
前記品質要因推定手段で推定された前記符号化品質及び前記リバッファリングによる品質劣化量に基づいて映像品質を推定する映像品質推定手段、
として機能させ
前記品質要因推定手段は、符号化された映像のビットレート、フレームレート及び解像度から1画素あたりのビット量に関するパラメータを算出し、当該1画素あたりのビット量に関するパラメータに基づいて符号化品質を推定する符号化品質推定手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、映像配信サービスの品質要因の影響を考慮することにより、映像品質の推定精度を向上させることが可能になる。
本発明の第1実施形態に係る映像品質推定装置の構成を示す図 リバッファリングの概念図 本発明の第1実施形態に係る映像品質推定方法のフローチャート 本発明の第2実施形態に係る映像品質推定装置の構成を示す図 本発明の第2実施形態に係る映像品質推定方法のフローチャート
本発明の実施形態では、符号化された映像の映像品質を推定するための映像品質推定装置について説明する。
以下に説明するように、映像品質推定装置は、映像品質に関するパラメータに基づき符号化による品質劣化を考慮した映像品質(符号化品質)を推定すると共に、リバッファリングに関するパラメータに基づいてリバッファリングによる品質劣化量(リバッファリング劣化量)を推定する。そして、これらの符号化品質およびリバッファリング劣化量に基づいて映像品質評価値を推定する。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は本発明の第1実施形態に係る映像品質推定装置10の構成図である。図1に示すように映像品質推定装置10は、符号化品質推定部11と、リバッファリング劣化量推定部12からなる品質要因推定部と、映像品質推定部13より構成されている。
品質要因推定部は、符号化品質推定部11から出力される符号化品質MOSCとリバッファリング劣化量推定部12から出力されるリバッファリング劣化量DRからなる品質要因を出力として映像品質推定部13に送る。
符号化品質推定部11は、映像品質に関するパラメータとして少なくともビットレートBr、フレームレートFr、解像度Rsを考慮して、符号化品質MOSCを算出し、符号化品質MOSCを映像品質推定部13へ入力する。ここで、符号化品質とは符号化映像に対する符号化による劣化を考慮した映像品質であり、ビットレートとは符号化映像データの一秒あたりのビット量、フレームレートとは符号化映像の1秒あたりのフレーム数、解像度とは符号化映像の1フレームあたりの画素数である。ビットレート、フレームレート、解像度は、ネットワーク内や映像表示端末において映像データのパケットから推定してもよいし、他の方法(例えば、サーバまたは端末の再生アプリケーションから映像ファイルのプロパティとして情報を取得)を用いても良い。符号化品質推定部11では1画素あたりのビット量に関するパラメータNBrを
Figure 0005707461
として算出する。ただし、NBrは上記の式に限らず、主観品質評価特性に合った式を用いればよく、例えば係数v11、v12を用いて
Figure 0005707461
として算出してもよく、その他の式で算出してもよい。次に、符号化品質MOSCを
Figure 0005707461
と算出し、符号化品質MOSCを映像品質推定部13に出力する。ここで、A1、v13、v14、v15は予め定められた係数であり、サービス事業者が決めてよい。A1及び後述するA2、A3、A4は、最低品質や最高品質に関する係数で、0以上の整数が用いられることが多い。
リバッファリング劣化量推定部12はリバッファリング長{RLi}に基づいてリバッファリング劣化量DRを算出し、リバッファリング劣化量DRを映像品質推定部13へ入力する。ここで、リバッファリング劣化量とはリバッファリングに対する品質の低下量である。図2に、リバッファリングの概念図を示す。図2に示すように、リバッファリング長{RLi}とはこれまでに発生したリバッファリングに対するリバッファリングの時間長であり、リバッファリング発生時刻とリバッファリング終了時刻との差分である。図2の例においては、リバッファリング長は{RL1, RL2}である。リバッファリング長は映像表示端末において映像停止時間より取得してもよいし、パケット情報等から推定した値でもよい。リバッファリング長の算出方法には他の方法を用いても良い。第1実施形態においては、総リバッファリング長TRLを
Figure 0005707461
により算出する。ただし、NREはリバッファリングが発生した回数である。リバッファリング劣化量DRは、
Figure 0005707461
で算出する。ここで、v16、v17、v18は予め定められる係数であり、サービス事業者が決めてよい。
映像品質推定部13は前記符号化品質MOSC及び前記リバッファリング劣化量DRに基づき映像品質MOSを算出し、出力する。ここで、映像品質とは符号化及びリバッファリングによる品質劣化を考慮した映像品質である。映像品質MOSは
Figure 0005707461
で算出される。
次に、図3を参照して本発明の第1実施形態における映像品質推定装置の動作の例について説明する。図3は本発明の第1実施形態に係る映像品質推定方法のフローチャートである。
映像品質算出装置10は、ビットレート、解像度、フレームレート、リバッファリング長の入力に応じて、映像品質算出の手順を開始する。
まず、符号化品質算出部11は入力されたビットレート、解像度、フレームレートから符号化品質MOSCを算出し、映像品質推定部13に入力する(S11)。
リバッファリング劣化量推定部12は入力されたリバッファリング長に基づいて総リバッファリング長を算出し(S12)、総リバッファリング長に基づいてリバッファリング劣化量DRを算出し、映像品質推定部13に入力する(S13)。
映像品質推定部13は入力された前記符号化品質MOSCおよび前記リバッファリング劣化量DRに基づいて映像品質MOSを算出し、出力する(S14)。
これにより、一連の映像品質推定処理を終了する。
このように第1実施形態では、任意の解像度に対して同一の映像品質推定モデルで映像品質を推定が可能であり、異なる解像度の映像に対しても同一の指標で品質を比較することが可能となる。
<第2実施形態>
図4は本発明の第2実施形態に係る映像品質推定装置20の構成を示す図である。図4に示すように映像品質推定装置20は、符号化品質推定部21と、リバッファリング劣化量推定部22からなる品質要因推定部と、映像品質推定部23より構成されている。
品質要因推定部は、符号化品質推定部21から出力される符号化品質MOSCとリバッファリング劣化量推定部22から出力されるリバッファリング劣化量DRからなる品質要因を出力として映像品質推定部23に送る。
符号化品質推定部21はビットレートBr、フレームレートFr、解像度Rs、映像特徴量CCFを入力とし、符号化品質MOSCを算出し、符号化品質MOSCを映像品質推定部23に入力する。ここで、映像特徴量とは符号化映像の符号化の難しさを表す特徴量である。例えば、ビットレートBr及びIフレームの平均ビット量ABIFを用いて、
Figure 0005707461
で算出したCCFを映像特徴量としてもよい。ここで、Minは与えられた値のうち小さい方の値を返す関数であり、例えばMin(1,2)=1である。上記映像特徴量はパケットなどの情報から推定すれば良く、いかなる方法を用いても良い。第2実施形態においては、符号化品質推定部21はビットレートBr、フレームレートFr、解像度Rs、映像特徴量CCFに基づいて符号化劣化量DCを算出する。例えば、本発明における第1実施形態と同様に1画素あたりのビット量に関するパラメータNBrをBr、Fr、Rsに基づいて算出し、NBr及びCCFに基づいて
Figure 0005707461
でDCを算出してもよい。ここで、A2、A3、v21、v22、v23、v24は予め定められる係数であり、サービス事業者が決めてよい。符号化品質MOSCは、符号化劣化量DC及び閾値Th1、Th2を用いて、
Figure 0005707461
と算出してもよい。ここで、閾値Th1、Th2及び係数v25、v26、v27、v28、v29は定数であり、サービス事業者が決めてよい。だたし、上記の符号化品質MOSCの算出において、閾値Th1、Th2を用いずに、常に、MOSC=A2-DCまたはMOSC=(A2-DC)・DSのどちらかで算出してもよい。また、DSの算出方法は、上記の式に限らなくてよく、例えば、映像特徴量CCFは用いずに、
Figure 0005707461
で算出してもよい。
リバッファリング劣化量推定部22は入力されるリバッファリング発生時刻{STi}と、リバッファリング長{RLi}に基づいてリバッファリング劣化量DRを算出し、リバッファリング劣化量DRを映像品質推定部23に入力する。図2に示すように、リバッファリング発生時刻{STi}とはこれまでに発生したリバッファリングの発生時刻であり、リバッファリング長{RLi}とはこれまでに発生したリバッファリングに対するリバッファリングの時間長である。図2の例において、リバッファリング発生時刻は{ST1, ST2}であり、リバッファリング長は{RL1, RL2}である。リバッファリング発生時刻及びリバッファリング長は、映像表示端末において映像の停止時間を測定し取得してもよく、パケット情報等から推定した値でもよい。リバッファリング発生時刻やリバッファリング長の算出には他の方法を用いても良い。第2実施形態では、まず、リバッファリング発生回数NRE、リバッファリング平均時間ARL、リバッファリング発生平均間隔MREEFを算出する。リバッファリング発生回数NREはリバッファリングの発生回数であり、リバッファリングの発生回数{RLi}の個数である。リバッファリング平均時間ARLは一定の測定期間(図2のT秒間)に発生したリバッファリング長の平均であり、
Figure 0005707461
で算出できる。ただし、NREが0であるときARLも0とする。リバッファリング発生平均間隔MREEFはリバッファリングが終了してから次のリバッファリングが発生するまでの間隔の平均であり、
Figure 0005707461
で計算できる。ここで、j=i+1である。ただし、NREが2より小さい時にはMREEF=0とする。次に、リバッファリング発生回数NRE、リバッファリング平均時間ARL、リバッファリング発生平均間隔MREEFに基づいてリバッファリング劣化量DRを算出し、リバッファリング劣化量DRを映像品質推定部23に入力する。リバッファリング劣化量DRは、例えば、
Figure 0005707461
で算出する。ここで、v30、v31、v32、v33、v34、v35は予め定められる係数であり、サービス事業者が決めてよい。
映像品質推定部23は前記符号化品質MOSC及び前記リバッファリング劣化量DRに基づいて映像品質MOSを出力する。映像品質MOSは前記符号化品質MOSC及び前記リバッファリング劣化量DRに基づいて、例えば、
Figure 0005707461
で算出できる。
次に、図5を参照して本発明の第2実施形態における映像品質推定装置の動作の例について説明する。図5は本発明の第2実施形態に係る映像品質推定方法のフローチャートである。
映像品質算出装置20はビットレート、解像度、フレームレート、リバッファリング発生時刻、リバッファリング長の入力に応じて、映像品質算出の手順を開始する。
まず、符号化品質算出部21は、入力されたビットレート、解像度、フレームレートから符号化品質MOSCを算出し、映像品質推定部23に入力する(S21)。
リバッファリング劣化量推定部22は、入力されたリバッファリング発生時刻及びリバッファリング長に基づいて、リバッファリング発生回数NRE、リバッファリング平均時間ARL、リバッファリング発生平均間隔MREEFを算出する(S22)。次に、リバッファリング発生回数NRE、リバッファリング平均時間ARL及びリバッファリング発生平均間隔MREEFに基づいてリバッファリング劣化量DRを算出し、映像品質推定部23に入力する(S23)。
映像品質推定部23は、入力された前記符号化品質MOSC及び前記リバッファリング劣化量DRに基づいて映像品質MOSを算出し、出力する(S24)。
これにより、一連の映像品質推定処理を終了する。
このように第2実施形態では、任意の解像度に対して同一の映像品質推定モデルで映像品質を推定が可能であり、異なる解像度の映像に対しても同一の指標で品質を比較することが可能となる。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係る映像品質推定装置は、図1と同様に、符号化品質推定部11、リバッファリング劣化量推定部12、映像品質推定部13より構成されている。説明の便宜上、第3実施形態の構成及び動作について、図1を参照して説明するが、以下に説明するように第3実施形態に係る映像品質推定装置は図4と同様に構成されてもよい。第3実施形態は、符号化品質推定部11における符号化品質MOSCの算出方法が第1実施形態及び第2実施形態と異なる。
符号化品質推定部11はビットレートBr、フレームレートFr、解像度Rsを入力とし、符号化品質MOSCを算出する。符号化品質推定部11では、ビットレートBr、フレームレートFr、解像度Rsに基づいて、本発明における第1実施形態と同様に、1画素あたりのビット量に関するパラメータNBrを算出する。次に、符号化品質MOSCをNBr, Fr, Rsに基づいて、例えば、
Figure 0005707461
で算出する。ここで、A4、v41〜v49は予め定められた係数であり、サービス事業者が決めてよい。
リバッファリング劣化量推定部12は、本発明の第1実施形態または第2実施形態と同様にリバッファリング劣化量DRを算出する。リバッファリング劣化量の算出を第1実施形態と同様に行う場合には、リバッファリング劣化量推定部12はリバッファリング長に基づいて、リバッファリング劣化量の算出を行う。リバッファリング劣化量の算出を第2実施形態と同様に行う場合には、リバッファリング劣化量推定部12は、リバッファリング発生時刻、リバッファリング長および前記符号化品質に基づいてリバッファリング劣化量の算出を行う。
映像品質推定部13は、前記符号化品質および前記リバッファリング劣化量に基づき、本発明の第1実施形態または第2実施形態と同様に映像品質の推定を行う。
このように、第3実施形態において、リバッファリング劣化量推定部12は第1実施形態のリバッファリング劣化量推定部12または第2実施形態のリバッファリング劣化量推定部22に対応し、映像品質推定部13は第1実施形態の映像品質推定部13または第2実施形態の映像品質推定部13に対応する。第3実施形態が第1実施形態および第2実施形態2と異なる点は符号化品質推定部11における符号化品質の算出の過程である。
次に、本発明の第3実施形態における映像品質推定装置の動作の例について説明する。
映像品質算出装置は、本発明の第1実施形態または第2実施形態と同様に、ビットレート、解像度、フレームレート、リバッファリング発生時刻、リバッファリング発生時刻、リバッファリング長の入力に応じて、映像品質算出の手順を開始する。ただし、第3実施形態において、リバッファリング劣化量DRの算出を第1実施形態と同様に行う場合、リバッファリング発生時刻は入力されなくてもよい。
まず、符号化品質算出部11は、第1実施形態のS11、または、第2実施形態のS21と同様に、入力されたビットレート、解像度、フレームレートから符号化品質MOSCを算出し、映像品質推定部13に入力する。
リバッファリング劣化量推定部12は、第1実施形態のS12およびS13、または、第2実施形態のS22およびS23と同様に、リバッファリング劣化量DRを算出する。
映像品質推定部13は、第1実施形態のS14または第2実施形態のS24と同様に映像品質MOSを算出し、出力する。
これにより、一連の映像品質推定処理を終了する。
このように第3実施形態では、任意の解像度に対して同一の映像品質推定モデルで映像品質を推定が可能であり、異なる解像度の映像に対しても同一の指標で品質を比較することが可能となる。
本発明は、上記の第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態の組み合わせによって実施することも可能である。つまり、符号化品質MOSCの算出において第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態のいずれかと同様に実施し、リバッファリング劣化量DRの算出において第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態のいずれかと同様に実施し、映像品質MOSの算出において第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態3のいずれかと同様に実施する。
<実施形態の効果>
本発明の実施形態によれば、映像配信サービスの品質要因の影響を考慮した精度の高い映像品質の推定が可能となる。さらに、異なる任意の解像度の映像に対して、同一の指標で映像品質を評価することができる。より具体的には、1画素あたりのビット量に関するパラメータNBrを算出し、NBrに基づいて符号化品質MOSCを推定するため、任意の解像度の映像に対して、同一の指標で映像品質を推定することができる。これにより、解像度が動的に変化する映像配信サービスのユーザ体感品質の監視や品質制御の実現に役立つ。
説明の便宜上、本発明の実施形態に係る映像品質推定装置は機能的なブロック図を用いて説明しているが、本発明の実施形態に係る映像品質推定装置は、ハードウェア、ソフトウェアまたはそれらの組み合わせで実現されてもよい。また、各機能部が必要に応じて組み合わせて使用されてもよい。また、本発明の実施形態に係る方法は処理の流れを示すフローチャートを用いて説明しているが、本発明の実施形態に係る方法は、実施形態に示す順序と異なる順序で実施されてもよい。
以上、映像配信サービスの品質要因の影響を考慮することにより、映像品質の推定精度を向上させるための手法について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々の変更・応用が可能である。
10、20 映像品質推定装置
11、21 符号化品質推定部
12、22 リバッファリング劣化量推定部
13、23 映像品質推定部

Claims (4)

  1. 符号化された映像の映像品質を推定するための映像品質推定装置であって、
    映像品質に関するパラメータに基づいて符号化による品質劣化を考慮した映像品質である符号化品質を推定し、リバッファリングに関するパラメータに基づいてリバッファリングによる品質劣化量を推定する品質要因推定部と、
    前記品質要因推定部で推定された前記符号化品質及び前記リバッファリングによる品質劣化量に基づいて映像品質を推定する映像品質推定部と、
    を有し、
    前記品質要因推定部は、符号化された映像のビットレート、フレームレート及び解像度から1画素あたりのビット量に関するパラメータを算出し、当該1画素あたりのビット量に関するパラメータに基づいて符号化品質を推定する符号化品質推定部を有する映像品質推定装置。
  2. 前記品質要因推定部は、リバッファリング発生時刻と、リバッファリングが発生してから終了するまでの時間とのうち少なくとも1つに基づいてリバッファリングによる品質劣化量を推定するリバッファリング劣化量推定部を有する、請求項に記載の映像品質推定装置。
  3. 符号化された映像の映像品質を推定するための映像品質推定装置における映像品質推定方法であって、
    前記映像品質推定装置における品質要因推定部が、映像品質に関するパラメータに基づいて符号化による品質劣化を考慮した映像品質である符号化品質を推定し、リバッファリングに関するパラメータに基づいてリバッファリングによる品質劣化量を推定するステップと、
    前記映像品質推定装置における映像品質推定部が、推定された前記符号化品質及び前記リバッファリングによる品質劣化量に基づいて映像品質を推定するステップと、
    を有し、
    前記符号化品質は、符号化された映像のビットレート、フレームレート及び解像度から算出された1画素あたりのビット量に関するパラメータに基づいて推定される映像品質推定方法。
  4. 符号化された映像の映像品質を推定するための映像品質推定装置として、コンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該コンピュータを、
    映像品質に関するパラメータに基づいて符号化による品質劣化を考慮した映像品質である符号化品質を推定し、リバッファリングに関するパラメータに基づいてリバッファリングによる品質劣化量を推定する品質要因推定手段、及び
    前記品質要因推定手段で推定された前記符号化品質及び前記リバッファリングによる品質劣化量に基づいて映像品質を推定する映像品質推定手段、
    として機能させ
    前記品質要因推定手段は、符号化された映像のビットレート、フレームレート及び解像度から1画素あたりのビット量に関するパラメータを算出し、当該1画素あたりのビット量に関するパラメータに基づいて符号化品質を推定する符号化品質推定手段を有するプログラム。
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