JP6162389B2 - イソマルターゼ - Google Patents
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Description
例えば、Geobacillus thermoglucosidasius由来のオリゴ−1,6−グルコシダーゼは耐熱性に優れ、イソマルターゼ活性を有することから、デンプンからグルコースを生産するためのイソマルターゼとして期待されている(非特許文献1、2)。
従って、本発明の課題は、グルコース濃度が高い条件下でもイソマルトースをグルコースに分解する新たな酵素、及びデンプンからグルコースの工業的生産方法を提供することにある。
[1]配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるイソマルターゼ、又は配列番号1で表されるアミノ酸配列において1〜数個のアミノ酸残基が欠失、置換又は挿入されているイソマルターゼにおいて、アミノ酸番号200〜300のアミノ酸の1又は2以上がイソロイシン、トリプトファン及びグルタミン酸から選ばれるアミノ酸に変異したイソマルターゼ。
[2]アミノ酸変異が、アミノ酸番号200〜300のアミノ酸の中のメチオニン、グルタミン、グリシン及びアルギニンから選ばれる1又は2以上が、イソロイシン、トリプトファン及びグルタミン酸から選ばれるアミノ酸に変異したものである[1]記載のイソマルターゼ。
[3]アミノ酸変異が、M203W、Q216E、G259E及びR298Iから選ばれる1〜4個である[1]又は[2]記載のイソマルターゼ。
[4][1]〜[3]のいずれかに記載のイソマルターゼをコードする遺伝子。
[5][4]記載の遺伝子を有する組み換えベクター。
[6][5]記載の組み換えベクターで形質転換した形質転換体。
[7][6]記載の形質転換体を培養して、該培養物からイソマルターゼを採取することを特徴とするイソマルターゼの製造法。
[8]デンプンに、α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、イソアミラーゼ及びプルラナーゼから選ばれる酵素と、[1]〜[3]のいずれかに記載のイソマルターゼとを作用させることを特徴とするグルコースの製造法。
さらに好ましいアミノ酸変異は、M203W、Q216E、G259E及びR298Iから選ばれる1〜4個である。さらに、グルコース耐性の点から、Q216E、G259E、R298I、G259E/R298I(2重変異)、M203W/G259E/R298I(3重変異)、及びM203W/Q216E/G259E/R298I(4重変異)が好ましい。
従って、デンプンに、α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、イソアミラーゼ及びプルラナーゼから選ばれる酵素と、本発明のイソマルターゼを作用させれば、グルコースが高収率で製造できる。ここで、α−アミラーゼとしては、例えばクライスターゼT10(大和化成株式会社)を用いることができる。グルコアミラーゼとしては、例えばGODO−ANGH(合同酒精株式会社)を用いることができる。イソアミラーゼとしては、例えばGODO−FIA(合同酒精株式会社)を用いることができる。プルラナーゼとしては、例えばプルラナーゼ「アマノ」3(天野エンザイム株式会社)を用いることができる。
(Geobacillus thermoglucosidasius由来のイソマルターゼ遺伝子のクローニングと発現)
イソマルターゼ遺伝子の発現には、発現ベクターとしてプラスミドpHY300PLK(ヤクルト社製)、および発現の宿主としてBacillus subtilis ISW1214株(ヤクルト社製)をそれぞれ用いた。
Geobacillus thermoglucosidasius NCIMB 11955株を培養し、全ゲノムを抽出した。ゲノム中に含まれるイソマルターゼ遺伝子(gtagl)をPCRにより増幅した。PCRの際に、制限酵素サイトが導入されるように設計した。
pHY300PLKのマルチクローニングサイトに、Bacillus subtilis の蛋白質高発現プロモーターを導入し、さらにその下流側に、PCRにより増幅したgtagl配列を導入し、イソマルターゼ発現用のプラスミドpHY300PLK−GTALを調製した。調製した発現用プラスミドpHY300PKL−GTAGLをBacillus subtilis ISW1214株へ、エレクトロポレーション法により導入し、組換えGTAGL生産系を構築した。
得られたイソマルターゼ遺伝子の塩基配列及び対応するアミノ酸配列を配列番号1に示す。
(イソマルターゼ遺伝子に対する変異導入)
PrimeSTARTM Mutagenesis Kit(TAKARA)を使用し、PCR法を利用した変異導入を行った。PCRに用いた部位特異的変異導入用のプライマー配列を表1に示した。
Q216E遺伝子の塩基配列及び対応するアミノ酸配列を配列番号3に示す。G259E遺伝子の塩基配列及び対応するアミノ酸配列を配列番号4に示す。R298I遺伝子の塩基配列及び対応するアミノ酸配列を配列番号5に示す。G259E/R298I遺伝子の塩基配列及び対応するアミノ酸配列を配列番号6に示す。M203W/G259E/R298I遺伝子の塩基配列及び対応するアミノ酸配列を配列番号7に示す。M203W/Q216E/G259E/R298I遺伝子の塩基配列及び対応するアミノ酸配列を配列番号8に示す。
イソマルターゼ活性は、GOD法により測定した。20mMリン酸緩衝液(pH7.0)に対して、最終濃度が0.041%GOD、0.01%POD、0.5%O−ジアニシジンとなるように添加・混合し、GOD試薬とした。20mg/mLイソマルトース10μl、200mMリン酸緩衝液(pH7.0)5μlの混合液に、酵素溶液5μlを加え反応液とした(全量20μl)。また、酵素溶液を蒸留水にした溶液をコントロールとした。酵素反応液を、60℃で10分間インキュベートした。酵素反応液を100℃で3分間処理した後、GOD試薬200μl加えて30℃で10分間インキュベートした。4N HClを4μl加えた後、400nmにおける吸光度から、活性を測定した。(以下、「GOD法」)。また、各試験により、反応溶液のpHおよび反応温度を変化させた。GOD法の原理については以下の通りである。
(変異イソマルターゼの特性)
(1)耐熱性
20mg/mLイソマルトース10μl、200mMリン酸緩衝液(pH7.0)5μlの混合液に、各温度(4、30、40、50、60、70、80℃)で10分間加熱処理をした酵素溶液5μlを加え反応液とし、GOD法によりイソマルターゼ活性を測定した。(全量20μl)。
その結果、図1に示すように、GTAGLとその4重変異体は70℃でおよそ60%の活性を維持した。
20mg/mLイソマルトース10μl、200mMリン酸緩衝液(pH7.0)5μlの混合液に、酵素溶液5μlを加え反応液とした(全量20μl)。反応液を4〜80℃の温度で10分間インキュベートし、GOD法によって活性を測定した。
その結果、図2に示すようにGTAGLとその4重変異体は60℃で最高の活性を示した。
20mg/mLのイソマルトース10μl、200mMの各種pHの緩衝液5μlの混合液に、酵素溶液5μlを加え反応液とした(全量20μl)。反応液を、60℃で10分間インキュベートし、GOD法によって活性を測定した。
その結果、GTAGLでは、pH7.0で最高の活性を示した。4重変異体ではpH6.0で最高の活性を示した。
TLCにて、GTAGL、GTAGL−4重変異体の基質特異性および転移反応について確認した。2%基質の3種に対して、60℃、24時間の条件でGTAGLおよびその4重変異体を作用させた。展開溶媒はイソプロパノール/n−ブタノール/水(10/5/4)で、展開後、風乾し、アンスロン硫酸液を噴霧し、105℃で加熱して発色させた。その結果、図3に示すように、GTAGL、4重変異体ともに目立った糖転移反応は示さなかった。
イソマルトース濃度を1%とし、グルコース濃度が2%になる基質条件で、60℃におけるGTAGLとその変異体の反応性を調べた。反応液中の酵素活性は0.5U/mLで反応を行った。経時的にサンプリングを行い、液体クロマトグラフィーによりイソマルトースの分解を確認した(〜20時間)。イソマルターゼの分解反応が進行しなくなった時のグルコース濃度を確認し、その数値をグルコース耐性の値とした。
その結果、表2及び図4に示すように、4重変異体では最大2.7%グルコース存在下での反応が可能であることが示された。
(糖化工程サンプルへの応用例)
溶性デンプンを濃度30%(w/w)となるように、0.1M 酢酸緩衝液(pH4.2)に加熱溶解した。溶性デンプン液50mLに対して、市販糖化用酵素OPTIMAX 4060(グルコアミラーゼ・プルラナーゼ混合酵素)を40μL加え、60℃にて16時間酵素反応を行った。反応後、試料を100℃加熱し、酵素反応を停止させた(デンプン分解物)。
デンプン分解物を0.1Mリン酸緩衝液(pH6.8)にて、グルコース濃度が2.5%になるように希釈した後、実施例1または実施例2により得られたGTAGLおよびその4重変異体を加え、60℃で20時間反応させた。反応後、シリカゲルTLCに供して分析した。展開溶媒はイソプロパノール/n−ブタノール/水(10/5/4)で、展開後、風乾し、アンスロン硫酸液を噴霧し、105℃で加熱して発色させた。
その結果、2.7%のグルコース存在下でも反応可能なGTAGL−4重変異体のみで、デンプン分解物中に見られるイソマルターゼを分解することが可能であった(図5)。
Claims (6)
- 配列番号1で表される塩基配列がコードするアミノ酸配列からなるイソマルターゼにおいて、アミノ酸変異が、M203W、Q216E、G259E及びR298Iから選ばれる1〜4個であるイソマルターゼ変異体。
- 請求項1に記載のイソマルターゼ変異体をコードする遺伝子。
- 請求項2記載の遺伝子を有する組み換えベクター。
- 請求項3記載の組み換えベクターで形質転換した形質転換体。
- 請求項4記載の形質転換体を培養して、該培養物からイソマルターゼ変異体を採取することを特徴とするイソマルターゼ変異体の製造法。
- デンプンに、α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、イソアミラーゼ及びプルラナーゼか
ら選ばれる酵素と、請求項1記載のイソマルターゼ変異体とを作用させることを特徴とするグルコースの製造法。
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