JP6160046B2 - 液体収容容器 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばインクなどの液体が収容される液体収容容器に関する。
従来、液体収容容器の一種であるインクカートリッジとしては、カートリッジ本体内のインク収容室にインクが収容されるものが知られている(例えば、特許文献1)。こうしたインクカートリッジは、通常、インクジェット式プリンター(液体噴射装置)に装着されて、インク収容室に収容されたインクが用紙などの印刷に使用される。
そして、インクジェット式プリンターでインクが消費されると、インクカートリッジのインク収容室に収容されたインクが当該インク収容室と連通する連通孔から下流側のインク供給孔へと流れ、当該インク供給孔からインクジェット式プリンター側へインクが供給される。
特開2010−284901号公報
ところで、上述のようなインクカートリッジでは、インク供給孔からインクジェット式プリンター側へのインクの供給に伴って、インク収容室に収容されたインクが当該インク収容室と連通する連通孔からインク供給孔側へ流出される。しかしながら、インク収容室の内壁面にはインクが付着しやすいため、使用済みのインクカートリッジにおいても、こうしたインクが残留インクとして使われないまま残ってしまう。このため、インクカートリッジには残留インクの量を考慮したインクが注入されているが、いずれにせよインク収容室内にインクが残留したまま廃棄されるので、インクに無駄が生じてしまうという問題がある。
なお、こうした問題は、インク以外の液体を収容する液体収容容器においても、概ね共通したものとなっている。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、液体収容室に残る残留液体を低減することが可能な液体収容容器を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する液体収容容器は、液体を収容可能な液体収容室を備える液体収容容器であって、前記液体収容室には、前記液体収容室から前記液体を流出可能とする流出口と、前記流出口と繋がる凹溝とが形成されている。
上記構成によれば、液体収容室内に収容された液体が残り僅かとなった場合でも、当該液体が凹溝によって流出口へ導かれる。このため、液体収容室に残る残留液体を低減することが可能となる。
上記液体収容容器において、前記凹溝の第1の位置における重力方向の断面積は、前記第1の位置よりも前記流出口から遠い第2の位置における重力方向の断面積より小さいことが好ましい。
上記構成によれば、凹溝に流入した液体を毛細管力によって流出口側へ導くことが可能となる。
上記液体収容容器において、前記液体収容室は、第1液体収容室と第2液体収容室とを備え、前記第1液体収容室の底面に形成された第1凹溝と前記第1液体収容室を形成する前記底面に交差する側面との距離は、前記第2液体収容室の底面に形成された第2凹溝と前記第2液体収容室を形成する前記底面に交差する側面との距離よりも短くなっており、前記第1凹溝における当該第1凹溝と繋がる流出口から所定距離だけ離れた位置における重力方向の断面積は、前記第2凹溝における当該第2凹溝と繋がる流出口から所定距離だけ離れた位置における重力方向の断面積よりも大きいことが好ましい。
液体収容室の底面を形成する壁部は、通常、当該底面と交差する側面から遠い位置ほど強度が低くなっている。この点、上記構成によれば、側面からの距離が第2凹溝に比べて短い第1凹溝の重力方向の断面積が、第2凹溝の重力方向の断面積よりも大きいため、液体収容室の底面を形成する壁部の強度が低下することを抑制することが可能となる。
上記液体収容容器において、前記液体収容室は、底面と、当該底面と交差する側面とを備えており、前記凹溝は、前記底面と前記側面とにより形成されていることが好ましい。
上記構成によれば、凹溝が液体収容室の底面と側面とで形成されるため、凹溝の形成によって液体収容室の底面を形成する壁部の強度が低下することを抑制することが可能となる。
上記液体収容容器において、前記凹溝の少なくとも一部は、前記流出口側が低くなるように傾斜していることが好ましい。
上記構成によれば、凹溝に流入した液体を重力によって流出口へ導くことが可能となる。
上記液体収容容器において、前記液体収容室内の底面には、ブロック部材が設けられ、当該ブロック部材における前記底面と交差する側面には、前記凹溝に交差する方向に延びる溝が形成されていることが好ましい。
上記構成によれば、液体収容室内で凹溝に対してブロック部材を挟んで反対側に位置する液体を、溝によって凹溝側へ導くことが可能となる。
上記液体収容容器において、前記ブロック部材は、複数設けられており、前記凹溝の少なくとも一部は、前記各ブロック部材に形成されているそれぞれの溝の間に位置することが好ましい。
上記構成によれば、凹溝に対して各ブロック部材を挟んで反対側に位置するそれぞれの液体を、各溝によって凹溝側へ導くことが可能となる。
実施形態のインクカートリッジを上側から見たときの斜視図。 図1のインクカートリッジを下側から見たときの斜視図。 同インクカートリッジを右側から見たときの分解斜視図。 同インクカートリッジを左側から見たときの分解斜視図。 同インクカートリッジのケース内に補強部材を配置したときの斜視図。 同インクカートリッジのケースの斜視図。 図6の要部拡大斜視図。 図7の断面図。 同インクカートリッジをカートリッジホルダーに装着するときの状態を前側から見たときの斜視図。 同インクカートリッジをカートリッジホルダーに装着するときの状態を後側から見たときの斜視図。 同インクカートリッジの第1インク室の拡大斜視図。 同インクカートリッジの第2インク室の拡大斜視図。 同インクカートリッジのケースの左側面図。 同インクカートリッジのケースの右側面図。 同インクカートリッジのケースの平面図。 同インクカートリッジのケースの底面図。 同インクカートリッジの補強部材を下側から見たときの斜視図。 同インクカートリッジの補強部材を上側から見たときの斜視図。
以下、液体収容容器を、液体噴射装置の一種であるインクジェット式プリンター(以下、「プリンター」と略称する)に装着されて使用されるインクカートリッジに具体化した一実施形態を図面に従って説明する。なお、以下の説明において、「前後方向」、「左右方向」、「上下方向」をいう場合は図1に矢印で示す前後方向、左右方向、上下方向をそれぞれ示すものとする。
図1及び図4に示すように、液体収容容器の一例としてのインクカートリッジ11は、合成樹脂(本実施形態では、ポリプロピレン(PP))によって構成され、左側面(一側面)に開口部12を有する略矩形箱状をなすケース13を備えている。ケース13内における上下方向のほぼ中央部から上側には、後側から前側に向かって第1空気室14、第1インク室15(第1液体収容室)、及び第3インク室16が順に並ぶように且つ互いに同じ高さとなるようにそれぞれ側壁(隔壁)によって区画形成されている。
一方、ケース13内における上下方向のほぼ中央部から下側には、後側から前側に向かって第2空気室17及び第2インク室18(第2液体収容室)が順に並ぶように且つ互いに同じ高さとなるようにそれぞれ側壁(隔壁)によって区画形成されている。すなわち、第1空気室14の下側に第2空気室17が形成され、第1インク室15及び第3インク室16の下側に第2インク室18が配置されている。
また、図2及び図4に示すように、第2インク室18における第2空気室17側の端部であって且つ、第2インク室18の底面側の端部には、第3空気室36が設けられている。第3空気室36は、インクカートリッジ11内にインクが充填される際に用いられる。具体的には、インクカートリッジ11は、インクが充填される際に、内部が減圧される。この第3空気室36は、減圧ポンプ(図示略)が接続される減圧孔35と第2空気室17との間に位置し、第2空気室17を介してインクカートリッジ11内を減圧するために用いられる。
そして、インクカートリッジ11内にインクが注入された後には、後述する第2封止フィルム28の溶着により、第2空気室17と第3空気室36との間に設けられた凹凸部分とケース13の開口部12とが塞がれる。したがって、インクカートリッジ11内にインクが注入された後の第3空気室36は、減圧孔35を介して外部と連通するが、インクカートリッジ11(各インク室15,18,16)内とは連通しない部屋となっている。
第1空気室14、第2空気室17、第1インク室15、第3インク室16、及び第2インク室18は、全て開口部12において開口している。第1空気室14の前後方向の幅は、第2空気室17の前後方向の幅と同じになっている。第1インク室15の前後方向の幅は、第3インク室16の前後方向の幅よりも大きくなっている。第1インク室15の前後方向の幅と第3インク室16の前後方向の幅との和は、第2インク室18の前後方向の幅と同じになっている。
図6に示すように、第2インク室18を形成する収容室形成凹部19内の底部には、第2インク室18よりも容積が小さい小液体収容室の一例としての第4インク室20を形成する小収容室形成凹部21が設けられている。小収容室形成凹部21は、開口部12側となる左側に開口している。したがって、第4インク室20は、第2インク室18内に配置されている。
また、収容室形成凹部19の深さ方向である左右方向を高さ方向とした場合、収容室形成凹部19の側壁の高さは、小収容室形成凹部21の側壁の高さよりも高くなっている。なお、ケース13内に形成される第1〜第4インク室15,18,16,20は、連通しているとともに、液体の一例としてのインクが収容可能な液体収容室を構成している。
図3及び図6に示すように、小収容室形成凹部21の下面(側壁の内面)には、ケース13の下面まで延びる略矩形状の収容孔22が形成されている。収容孔22には、ケース13の下面側から、光学部材の一例としてのプリズム部材23が嵌合された状態で溶着されている。
プリズム部材23は、ケース13を構成する材料と同じポリプロピレン(PP)によって構成され、三角柱状のプリズム部23aと、プリズム部23aを下側から支持する矩形板状のプリズム支持部23bとを備えている。この場合、プリズム部23aとプリズム支持部23bとは一体形成されている。
図5、図7及び図8に示すように、プリズム部材23をケース13に溶着した状態では、プリズム部23aが収容孔22に収容されるとともに、プリズム支持部23bが収容孔22の下端側の開口をケース13の下面側から閉塞する。したがって、収容孔22とプリズム支持部23bとによってプリズム部23aを収容する光学部材収容室の一例としての収容凹部24が形成される。すなわち、収容凹部24にプリズム部23aが配置される。
この場合、プリズム支持部23bの下面からはプリズム部23aの一部が露出している。そして、このプリズム部23aにおけるプリズム支持部23bの下面から露出した部分は、光が照射される光照射面23cとされている。すなわち、光照射面23cには、インクカートリッジ11が装着されたプリンター(図示略)から光が照射され、その照射された光の反射状態に基づいて収容凹部24内のインクの有無又は量がプリンターによって検出される。
また、収容凹部24はその上方において小収容室形成凹部21と連通するとともに、収容凹部24の容積は小収容室形成凹部21の容積よりも小さくなっている。収容凹部24の深さは、その内部に収容されるプリズム部23aの高さ以上に設定される。本実施形態では、収容凹部24の深さは、プリズム部23aの高さよりも若干深くなるように設定されている。
換言すれば、インクカートリッジ11がプリンター(図示略)に装着された状態において、収容凹部24を形成する壁(第4壁)の底面18aからの高さはプリズム部材23の底面18aからの高さよりも高く、収容凹部24はプリズム部材23の最も高い位置よりも上方で小収容室形成凹部21(第2インク室20)と連通する。
図4〜図6に示すように、小収容室形成凹部21の開口は、第1封止部材(封止部材)の一例としての矩形状の第1封止フィルム25を小収容室形成凹部21の側壁の先端面26に溶着することによって封止される。したがって、小収容室形成凹部21の側壁の先端面26は、第1封止フィルム25の第1溶着部として機能する。また、ケース13における第1空気室14、第2空気室17、第1インク室15、第3インク室16、及び第2インク室18の側壁の先端面には凸条27が形成されている。
そして、ケース13の開口部12は、第2封止部材(封止部材)の一例としての矩形状の第2封止フィルム28を凸条27に溶着することによって封止される。したがって、凸条27は、第2封止フィルム28の第2溶着部として機能する。この場合、小収容室形成凹部21の側壁の先端面26の幅は、凸条27の幅よりも大きい。
すなわち、小収容室形成凹部21の側壁の厚さは、凸条27の厚さよりも厚い。したがって、第1封止フィルム25の小収容室形成凹部21の側壁の先端面26に対する溶着強度は、第2封止フィルム28の凸条27に対する溶着強度よりも強い。
本実施形態における第1封止フィルム25は、ポリプロピレン(PP)層と、ポリエチレンテレフタレート(PET)層と、ポリアミド(ナイロン)層とを含む多層フィルムによって構成されている。一方、本実施形態における第2封止フィルム28は、ポリプロピレン(PP)層と、ポリエチレンテレフタレート(PET)層と、ポリアミド(ナイロン)層と、印刷層と、インクの蒸発抑制機能を有するバリア層とを含む多層フィルムによって構成されている。
図4及び図5に示すように、収容室形成凹部19内(第2インク室18)には、ケース13を補強するための補強部材29が配置される。補強部材29は、図17及び図18に示すように、V字板状の補強部29aと、補強部29aの内側間に架設された板状の梁部29bとを備えている。補強部材29は、収容室形成凹部19内に配置された状態では、収容室形成凹部19における上側に位置する前後の両コーナー部と、収容室形成凹部19の下面(側壁の内面)における前後方向の中央部との3箇所において当接する。
そして、ケース13には、第1封止フィルム25が溶着されて補強部材29が取着された後に、第2封止フィルム28が溶着される。その後、ケース13には、開口部12全体を第2封止フィルム28の上から覆うように略矩形板状の蓋部材30が着脱可能に取着される。
図1、図2及び図4に示すように、蓋部材30は、矩形板状の蓋本体31と、蓋本体31の前端縁から右方向へ直角に延びる矩形板状の前舌片部32と、蓋本体31の後端縁から右方向へ直角に延びる矩形板状の後舌片部33と、蓋本体31の下端縁から右方向へ直角に延びる矩形板状の下舌片部34とを備えている。
前舌片部32及び後舌片部33の高さは蓋本体31の高さの半分強に設定され、下舌片部34の幅(前後方向の長さ)は、蓋本体31の幅(前後方向の長さ)と同じになっている。前舌片部32及び後舌片部33の下端は、下舌片部34の前後方向の両端とそれぞれ連結されている。
そして、この蓋部材30がケース13に取り付けられたインクカートリッジ11は、図1及び図2に示されている。インクカートリッジ11は、プリズム部材23が設けられた第1面(下面)と、第1面と交差する第2面(左側面)と、第1面と交差し且つ第2面と対向する第3面(右側面)と、第1面、第2面、及び第3面と交差する第4面(後側面)と、第4面と対向する第5面(前側面)と、第1面と対向する第6面(上面)とを有している。
すなわち、第2面は蓋本体31によって構成され、開口部12はインクカートリッジ11の第2面に対応する。また、前舌片部32は第5面の一部を構成し、後舌片部33は第4面の一部を構成し、下舌片部34は第1面の一部を構成している。
図2及び図3に示すように、プリズム部材23は、ケース13の下面の前端部における右端部(右前のコーナー部)において一部が露出するように配置されている。換言すれば、プリズム部材23は、第1面において、第1面と第2面とにより形成される端部よりも、第1面と第3面とにより形成される端部に近い位置に、その一部が露出するように配置されていると言える。また、プリズム部材23は、第1面において、第1面と第4面とにより形成される端部よりも、第1面と第5面とにより形成される端部に近い位置に、その一部が露出されるように配置されていると言える。
ケース13の下面におけるプリズム部材23の一部が露出した部分に対して後側で隣り合う位置には、ケース13内のインク流路(液体流路)の一部を形成する流路形成凹部40が形成されている。ケース13の下面には、流路形成凹部40を封止する矩形状の下フィルム41が貼着されている。
さらに、ケース13の下面(第1面)には、露出したプリズム部材23の一部と下フィルム41とを覆うように、矩形板状のカバー部材42が取着されている。カバー部材42におけるプリズム部材23の光照射面23cと対応する位置には、略正方形状をなす貫通孔42aが形成されている。このため、カバー部材42をケース13の下面に取着した状態では、貫通孔42aからプリズム部材23の光照射面23cが露出する。
したがって、カバー部材42は、プリズム部材23の光照射面23cの周囲全体を囲むようにケース13の下面に取着されている。すなわち、プリズム部材23は、ケース13の下面に取着されるカバー部材42によって部分的に覆われている。
図2、図4及び図5に示すように、プリズム部材23は、ケース13の下面におけるプリズム部材23の露出位置が、ケース13におけるケース13に対する蓋部材30の取着方向(左右方向)の中央部よりも当該取着方向において蓋部材30から離れた側となるように配置されている。すなわち、プリズム部材23は、ケース13の下面において、ケース13における蓋部材30が取着される左側とは反対側となる右端部で露出するように配置されている。
ケース13の下面(第1面)における開口部12側(第2面側)となる左側の端部(第1面と第2面とにより形成される端部)には、前後一対の凸部43が形成されている。各凸部43は、ケース13の下面における前後方向の両端部(第1面と第4面とにより形成される端部、及び第1面と第5面とにより形成される端部)にそれぞれ配置されている。
この場合、各凸部43は、ケース13に対する蓋部材30の取着方向(左右方向又は第2面から第3面に向かう方向)において、プリズム部材23(光照射面23c)と対向しない非対向となる位置に配置される。すなわち、各凸部43は、左右方向においてプリズム部材23(光照射面23c)と対応しない位置に配置される。
蓋部材30の下舌片部34における各凸部43と対応する位置には、蓋部材30をケース13に取着した際に各凸部43と嵌合される凹部34aがそれぞれ形成されている。各凹部34aは、下舌片部34を左右方向に切り欠くことによって形成される。また、蓋部材30の前舌片部32は、蓋部材30をケース13に取着した際に、ケース13における開口部12と隣接する前後の両側面のうちプリズム部材23(光照射面23c)側となる前側面の左端部に重なるように配置されている。
換言すれば、前舌片部32は、第5面であって、第5面と第3面とにより形成される端部よりも、第5面と第2面とにより形成される端部に近い位置に形成されていると言える。また、前舌片部32は、第5面であって、第5面と第6面とにより形成される端部よりも、第5面と第1面とにより形成される端部に近い位置にその大部分が設けられている。ここで、大部分とは前舌片部32の面積の50%以上をいう。
図9及び図10に示すように、前舌片部32の外側(前側)の面には、インクカートリッジ11をプリンター(図示略)が有するキャリッジ44に一体形成された装着部の一例としてのカートリッジホルダー45に誤装着されることを抑制するための被嵌合部の一例としての嵌合凸条32aが設けられている。
嵌合凸条32aは、所謂誤挿入防止部材であり、インクカートリッジ11を正しい姿勢向きでカートリッジホルダー45に上側から挿入して装着する際に、カートリッジホルダー45内における嵌合凸条32aと対応する位置に設けられた嵌合部の一例としての嵌合凹条46と嵌合する。換言すれば、嵌合凸条32aは、インクカートリッジ11がプリンター(図示略)に装着されてインクを供給している姿勢において、プリンター側に設けられた嵌合凹条46と嵌合する。
インクカートリッジ11の嵌合凸条32aは、例えば使用される国ごとに形状が異なっており、同じ国で使用されるプリンターのカートリッジホルダー45の嵌合凹条46としか嵌合されないようになっている。したがって、例えば日本で販売されるインクカートリッジ11がアメリカで販売されるプリンターのカートリッジホルダー45に装着できないようになっている。なお、キャリッジ44は、左右方向に往復移動可能になっている。
図2及び図4に示すように、ケース13における開口部12と隣接する前後の両側面のうちプリズム部材23(光照射面23c)側となる前側面の右端部(プリズム部材23側の端部)における上端部には、凹部又は凸部である凹凸部47が形成されている。
換言すれば、凹凸部47は、第5面であって、第5面と第1面とが形成する端部よりも、第5面と第6面とが形成する端部に近い位置に形成されているといえる。また、凹凸部47は、第5面であって、第5面と第2面とが形成する端部よりも、第5面と第3面とが形成する端部に近い位置に形成されているといえる。この凹凸部47は、ユーザーがインクカートリッジ11を持つ際に指を掛けることで、滑り止めとして機能しうる。
図11に示すように、第1インク室15内の下端部の前端部における右端部には、第1インク室15内に収容されたインクを下流側へ流出可能とする流出口50が形成されている。第1インク室15内の底面15aにおける前端部には、左右方向に延びるように凹溝51(第1凹溝)が形成されている。
すなわち、凹溝51は、第1インク室15内の底面15aの前端部における左端から右端に位置する流出口50に向かって延びているとともに、流出口50と繋がっている。そして、凹溝51は、凹溝51に流入したインクを流出口50まで導くようになっているため、インク(液体)を誘導する液体誘導部として機能する。
また、凹溝51は流出口50に近い側の断面積が流出口50から遠い側の断面積よりも小さくなっている。これは、凹溝51の第1の位置における重力方向の断面積は、第1の位置よりも流出口50から遠い第2の位置における重力方向の断面積より小さいとも表現することができる。なお、凹溝51は、左側から右側へ向かうにつれて、すなわち、流出口50に近づくにつれて徐々に断面積が小さくすることもできる。さらに、凹溝51は少なくとも一部が流出口50に向かうほど低くなるように傾斜している。
またさらに、凹溝51は、第1インク室15内の底面15aと壁面52a(側面)が交差する第1インク室15の前側の側壁52に隣接している。すなわち、凹溝51は、側壁52の壁面52aに沿って流出口50まで延びている。これは、インク室15を形成する底面15aと壁面52aによって、凹溝51が形成されているとも表現することができる。
図6及び図12に示すように、第2インク室18内の底面18aの前後方向の中央部における右端部には、第2インク室18内に収容されたインクを下流側へ流出可能とする流出口53が形成されている。第2インク室18内の底面18aにおける前後方向の中央部には、左右方向に延びるように凹溝54(第2凹溝)が形成されている。
すなわち、凹溝54は、第2インク室18内の底面18aの前後方向の中央部における左端から右端に位置する流出口53に向かって延びている。そして、凹溝54は、凹溝54に流入したインクを流出口53まで導くようになっているため、インク(液体)を誘導する液体誘導部として機能する。
また、凹溝54は流出口53に近い側の断面積が流出口53から遠い側の断面積よりも小さくなっている。すなわち、凹溝54は、左側から右側へ向かうにつれて、すなわち、流出口53に近づくにつれて徐々に断面積が小さくなっている。さらに、凹溝54は流出口53に向かうほど低くなるように傾斜している。
図11及び図12に示すように、第2インク室18の凹溝54は、第1インク室15の凹溝51よりも断面積が小さくなっている。すなわち、第2インク室18の底面18aを形成する壁部の前後方向の中央部から凹溝54までの距離は、第1インク室15の底面15aを形成する壁部の前後方向の中央部から凹溝51までの距離よりも短くなっている。
換言すれば、両凹溝51,54のうち、第2インク室18の底面18aを形成する壁部の前後方向の中央部に近い側の凹溝54の断面積は、第1インク室15の底面15aを形成する壁部の前後方向の中央部から遠い側の凹溝51の断面積よりも小さくなっている。
さらに、凹溝51と、底面15aに交差する側壁52との距離は、凹溝54と、底面18aに交差する側壁(第2インク室18を形成する側壁)との距離よりも短くなっている。すなわち、凹溝51における流出口50から所定距離だけ離れた位置の重力方向の断面積は、凹溝54における流出口53から同じ所定距離だけ離れた位置の重力方向の断面積よりも大きいと表現することもできる。
図12に示すように、第2インク室18の底面18a上には、流出口53を前後方向において挟むように、2つの四角柱状のブロック部材55が設けられている。この場合、各ブロック部材55は、第2インク室18の底面18aと小収容室形成凹部21の側壁とを繋ぐように設けられている。各ブロック部材55の底面18aと交差する側面における底面18aと隣接する位置には、底面18aに沿って延びる溝55aが凹溝54に向けて形成されている。
図1及び図3に示すように、ケース13の右側面には、当該右側面全体を覆うように矩形状の右フィルム60が貼着されている。また、ケース13の上面における右端部には、帯状の上フィルム61が貼着されている。ケース13の後側面の上端部における右端部からは弾性変形可能に形成された係合レバー62が後斜め上方に向けて延設され、その係合レバー62の表面となる後側面の中央部には、係止爪62aが水平方向に沿うように突設されている。
したがって、インクカートリッジ11は、図9及び図10に示すように、プリンター(図示略)のカートリッジホルダー45に装着された場合に、係合レバー62が弾性変形するとともに、その係止爪62aがカートリッジホルダー45内の係止爪62aと対応する位置に設けられた係止凹部63に係止するようになっている。そして、係止爪62aが係止凹部63に係止することで、インクカートリッジ11がカートリッジホルダー45に対して位置決め状態で係止されるようになっている。
図3、図9及び図10に示すように、ケース13の後側面における係合レバー62よりも下側の位置には、半導体記憶素子を実装した回路基板64が設けられ、その半導体記憶素子には、インクカートリッジ11に関する各種情報(例えば、インク残量情報など)が記憶されている。
そして、回路基板64は、その表面に露出した端子64aが、インクカートリッジ11がプリンター(図示略)のカートリッジホルダー45に装着された際に、そのカートリッジホルダー45に設けられた接続端子65と接触することにより、プリンター側の制御装置(図示略)との間で各種情報を受け渡しする。
ケース13の上面には、ケース13内に大気中から空気を導入するための大気開放孔66が設けられている。一方、ケース13の下面には、インクカートリッジ11がプリンター(図示略)のカートリッジホルダー45に装着された際に、カートリッジホルダー45に設けられたインク供給針(図示略)が嵌入される供給口67が開口形成されている。
すなわち、インクカートリッジ11は、大気開放孔66からケース13内に空気を導入しつつ、供給口67からインクをケース13の外方であるプリンター(図示略)側に導出して供給する開放型のインクカートリッジとして構成されている。
大気開放孔66は、フィルム68により封止されている。このフィルム68は、インクカートリッジ11をプリンター(図示略)のカートリッジホルダー45に装着して使用状態とする前に、ユーザーによって剥がされる。そして、このフィルム68の剥離により、大気開放孔66が外部に露出し、インクカートリッジ11のケース13内が大気に連通される。
また、同様に供給口67もフィルム69により封止されている。そして、このフィルム69は、インクカートリッジ11がプリンター(図示略)のカートリッジホルダー45に装着された際に、そのカートリッジホルダー45に設けられたインク供給針(図示略)によって突き破られる。
供給口67内には、カートリッジホルダー45側のインク供給針(図示略)の供給口67内への嵌入を許容するエラストマー等からなる環状のシール部材70と、このシール部材70に着座する供給弁71と、この供給弁71をシール部材70に向けて付勢するコイルばね72とが収容されている。すなわち、供給口67は、コイルばね72に付勢された供給弁71がシール部材70に圧接することにより、常にケース13外へのインクの流出が規制された閉塞状態となっている。
その一方、カートリッジホルダー45側のインク供給針(図示略)が供給口67内に嵌入された場合には、そのインク供給針に押されて供給弁71がコイルばね72の付勢力に抗して供給口67の内奥へ移動してシール部材70から離間する。これにより、供給口67は、ケース13外へのインクの流出が許容された開放状態となる。
供給口67が開放状態になると、インクカートリッジ11内のインクは、供給口67内に形成されたキー溝(図示略)等を通りインク供給針に供給される。このキー溝は、周知の溝構成を採用することができる(例えば、特開2010−284901号公報の図9で示す溝55)。また、特開2010−284901号公報では、キー溝を一つとしている構成であるが、本実施形態では、圧力損失を抑制するためにキー溝を二つ以上設けることとしてもよい。キー溝を二つ以上設ける場合には、180度間隔で設けることにより効率的に圧力損失を抑制することができる。
図3及び図13に示すように、ケース13の右面側には、差圧弁73を収容する円形凹状の差圧弁収容室74と、矩形凹状の気液分離室75とが形成されている。差圧弁収容室74内には、弾性変形可能な略円板状の弁体76と、差圧弁収容室74の開口を覆う弁蓋77と、この弁蓋77と弁体76との間に介在されるコイルばね78とが収容されている。差圧弁収容室74は第4インク室20と供給口67との間に位置しているため、差圧弁73は、第4インク室20と供給口67との間を連通するインク流路(液体流路)の途中に介在することになる。
気液分離室75の内底面には、その内側面に沿って矩形環状の突条79が形成され、この突条79の頂部に整合するように矩形状をなす気液分離膜80が貼着されている。この気液分離膜80は、気体を通過させる一方で、液体の通過は遮断する素材からなり、気体(空気)と液体(インク)とを分離する機能を有している。すなわち、この気液分離膜80は、大気開放孔66(図9参照)と第1インク室15との間を連通する通路の途中に介在して、第1インク室15内のインクが大気開放孔66からケース13外へ流出しないようにしている。
次に、図13〜図16を参照しながら、大気開放孔66から第1インク室15内に至るまでの大気連通路の通路構造について説明する。
図14及び図15に示すように、ケース13における大気開放孔66の下側には、一端側が大気開放孔66と連通するとともに他端側がケース13の右側面における前上端部に開口する通路90が形成されている。ケース13の右側面における通路90の後側には、蛇行状の細溝91が、通路90と気液分離室75とを連通するように形成されている。
気液分離室75の後上端部には貫通孔92が形成され、この貫通孔92はケース13の上面に形成された通路93と連通している。ケース13の右側面における貫通孔92の後側には貫通孔94が形成され、この貫通孔94は通路93と連通している。
図13及び図14に示すように、ケース13の右側面における貫通孔94の後斜め下方には貫通孔95が形成され、貫通孔94と貫通孔95とはケース13の右側面に形成された逆L字状をなす通路96を介して連通している。貫通孔95は、ケース13の左側面における第1空気室14と連通している。第1空気室14の前下端部には、貫通孔97が形成されている。
貫通孔97はケース13の右側面に開口しており、ケース13の右側面における貫通孔97の下側には貫通孔98が形成されている。貫通孔97と貫通孔98とはケース13の右側面に形成された略逆U字状をなす通路99を介して連通している。貫通孔98は、ケース13の左側面における第2空気室17と連通している。第2空気室17の後下端部には貫通孔100が形成され、この貫通孔100はケース13の右側面における後下端部において開口している。
ケース13の右側面における差圧弁収容室74の後斜め上方には貫通孔101が形成され、貫通孔100と貫通孔101とはケース13の右側面に形成された略クランク状をなす通路102を介して連通している。そして、貫通孔101は、ケース13の左側面に形成された第1インク室15と連通している。
次に、図13〜図16を参照しながら、第1インク室15から供給口67に至るまでのインク流路(液体流路)の構成について説明する。
図13及び図14に示すように、第1インク室15の流出口50は、ケース13の右側面における細溝91の下方に開口している。ケース13の右側面における流出口50の前側には貫通孔110が形成され、流出口50と貫通孔110とはケース13の右側面に形成されたU字状をなす流路111を介して連通している。貫通孔110は、ケース13の左側面に形成された第3インク室16と連通している。
第3インク室16の下端部には貫通孔112が形成され、貫通孔112はケース13の右側面における貫通孔110の前側に開口している。ケース13の右側面における貫通孔112の下側には貫通孔113が形成され、貫通孔112と貫通孔113とはケース13の右側面に形成された直線状の流路114を介して連通している。貫通孔113は、ケース13の左側面に開口するとともに、ケース13の左側面に形成された流路115を介して第2インク室18と連通している。
図13及び図16に示すように、第2インク室18の流出口53は、ケース13の下面に形成された流路116と連通している。図14及び図16に示すように、流路116は貫通孔117と連通しており、貫通孔117はケース13の右側面における差圧弁収容室74の前斜め下方に形成された貫通孔118と連通している。ケース13の右側面における貫通孔118の上方には貫通孔119が形成され、貫通孔118と貫通孔119とはケース13の右側面に形成された流路120を介して連通している。
貫通孔119は、ケース13の左側面に形成された第4インク室20と連通している。第4インク室20と連通する収容凹部24内には貫通孔121が形成され、貫通孔121はケース13の右側面における前下端部に開口している。ケース13の右側面における貫通孔121の後方には貫通孔122が形成され、貫通孔121と貫通孔122とはケース13の右側面に形成された直線状の流路123を介して連通している。
図13、図14及び図16に示すように、貫通孔122はケース13の下面に形成された流路124と連通し、流路124はケース13の下面に形成された流路125と連通している。流路125は、ケース13の左側面に形成されたクランク状の流路126と連通している。流路126はケース13の左側面に形成された貫通孔127と連通しており、貫通孔127はケース13の右側面における差圧弁収容室74と連通している。
貫通孔127は、差圧弁収容室74の中心部に形成された貫通孔128と、差圧弁収容室74に形成された流路129を介して連通している。貫通孔128はケース13の左側面に開口している。貫通孔128はケース13の左側面に形成されたL字状の流路130を介してケース13の下面に形成された流路131と連通している。流路131はケース13の下面に形成された流路132と連通しており、流路132はケース13の右側面に形成された貫通孔133と連通している。
ケース13の右側面における貫通孔133の後方には貫通孔134が形成され、貫通孔133と貫通孔134とはケース13の右側面に形成された直線状の流路135を介して連通している。そして、貫通孔134は、ケース13の下面に形成された供給口67と連通している。
図4、図6及び図13に示すように、流路126及び流路130は、第2インク室18のインクを供給口67へ導くインク流路(液体流路)の一部を構成している。このインク流路(液体流路)は、当該インク流路の底壁及び側壁を形成する流路形成溝Mと、流路形成溝Mの開口を塞ぐ第1封止フィルム25とによって構成されている。したがって、流路形成溝Mは、流路126及び流路130を構成している。
また、収容室形成凹部19の深さ方向である左右方向を高さ方向とした場合、流路形成溝Mにおけるプリズム部23a(プリズム部材23)よりも下流側の側壁(第1壁;流路126及び流路130の側壁)の高さは、収容室形成凹部19の側壁(第2壁)の高さよりも低く且つ小収容室形成凹部21の側壁(第3壁)の高さと同じになっている。そして、小収容室形成凹部21の開口は、流路形成溝Mの開口とともに、第1封止フィルム25によって封止される。なお、第4インク室20は、インク流路(液体流路)におけるプリズム部23a(プリズム部材23)が配置された位置(収容凹部24)から上流側に形成されている。
次に、インクカートリッジ11において、ケース13に蓋部材30を組み付ける際の作用について説明する。
図2及び図4に示すように、ケース13に蓋部材30を組み付ける場合には、蓋部材30をケース13の開口部12を塞ぐようにケース13に組み付ける。すると、蓋部材30は、蓋本体31がケース13の開口部12を塞ぎ、前舌片部32がケース13の前側面における左端部に重なり、後舌片部33がケース13の後側面における左端部に重なり、下舌片部34がケース13の下面における左端部に重なる。
このとき、蓋部材30の下舌片部34に形成された各凹部34aは、ケース13の下面に形成された各凸部43とそれぞれ嵌合する。これにより、ケース13に蓋部材30が組み付けられる。この場合、プリズム部材23は、ケース13の下面における下舌片部34から離れた位置(ケース13の下面における開口部12側とは反対側の右端部)で露出しているため、下舌片部34と接触して傷つくことが抑制される。
また、上述のケース13への蓋部材30の組み付け作業において、蓋部材30を誤ってケース13における開口部12とは反対側の右側面に組み付けようとした場合であっても、蓋部材30の下舌片部34に形成された各凹部34aは、ケース13への蓋部材30の取着方向(左右方向)においてプリズム部材23の露出位置と対応していない。このため、下舌片部34に形成された各凹部34aがプリズム部材23と接触することが抑制される。
この場合、たとえ各凹部34aがプリズム部材23と接触したとしても、各凹部34aは突出部を有していないため、各凹部34aがプリズム部材23を傷つけることが抑制される。したがって、プリズム部材23は、ケース13への蓋部材30の組み付け作業において、好適に保護される。
次に、インクカートリッジ11をカートリッジホルダー45に装着する際の作用について説明する。
図9及び図10に示すように、インクカートリッジ11をカートリッジホルダー45に装着する場合には、まず、インクカートリッジ11を正しい姿勢向きでプリンター(図示略)のカートリッジホルダー45に挿入する。すると、回路基板64の端子64aが接続端子65と接触するとともに嵌合凸条32aが嵌合凹条46と嵌合した状態で、係合レバー62の係止爪62aが係止凹部63に係止される。これにより、インクカートリッジ11のカートリッジホルダー45への装着が完了する。
因みに、インクカートリッジ11を誤って前後逆向きでカートリッジホルダー45に挿入すると、インクカートリッジ11の前側面に配置された嵌合凸条32aがカートリッジホルダー45の側壁に当たるため、インクカートリッジ11の前側が浮き上がるように傾いた状態となる。このため、インクカートリッジ11の下面における前端部で露出するプリズム部材23がカートリッジホルダー45の奥へ入り込むことが抑制される。したがって、プリズム部材23がカートリッジホルダー45内の部材と接触して傷つくことが抑制される。
また、カートリッジホルダー45に装着されている状態のインクカートリッジ11をカートリッジホルダー45から取り出す場合には、まず、ユーザーが親指を凹凸部47に掛けながら人差し指で係合レバー62を押さえる。すると、係合レバー62が弾性変形することで、係止凹部63による係止爪62aの係止状態が解除される。この状態で、インクカートリッジ11を上方へ引き抜くと、カートリッジホルダー45がカートリッジホルダー45から取り出される。
このとき、インクカートリッジ11と親指との間の摩擦力は、凹凸部47によって高められるため、インクカートリッジ11に対して親指が滑りにくくなる。したがって、ユーザーがインクカートリッジ11を安定して持つことができる。
このとき、ユーザーがインクカートリッジ11を持つ際に親指及び人差し指で触る凹凸部47及び係合レバー62はインクカートリッジ11の右端部に位置し、且つプリズム部材23はインクカートリッジ11の下面における右端部で露出している。このため、インクカートリッジ11がユーザーの親指及び人差し指を回転軸として例えば90度程度回転した場合であっても、プリズム部材23の高さは維持される。このため、このインクカートリッジ11の回転によって、プリズム部材23が他の物にぶつかることが抑制される。
次に、カートリッジホルダー45に装着されたインクカートリッジ11の使用時の作用について説明する。
図13に示すように、インクカートリッジ11内のインクは、供給口67からカートリッジホルダー45に設けられたインク供給針(図示略)を介してプリンター(図示略)側へと供給される。そして、インクカートリッジ11内のインクは、プリンター(図示略)でのインクの消費に伴って、第1インク室15のインク、第3インク室16のインク、第2インク室18のインク、第4インク室20のインクの順で、順次減っていく。
すなわち、第1インク室15のインクがなくなると、第3インク室16のインクが減り始め、第3インク室16のインクがなくなると、第2インク室18のインクが減り始め、第2インク室18のインクがなくなると、第4インク室20のインクが減り始める。
そして、図11に示すように、第1インク室15のインクが流出口50から下流側へ流出して残り少なくなると、インクは底面15a上を伝って凹溝51に流れ込む。このとき、凹溝51は、流出口50に近い側の断面積が流出口50から遠い側の断面積よりも小さくなっており、且つ流出口50に向かうほど低くなるように傾斜しているため、凹溝51に流れ込んだインクは、毛細管力と重力とによって効率よく流出口50へ導かれる。したがって、第1インク室15に残る残留インクが低減される。
また、図12に示すように、第2インク室18のインクが流出口53から下流側へ流出して残り少なくなると、インクは底面18a上を伝って凹溝54に流れ込む。このとき、凹溝54は、上記凹溝51と同様に、流出口53に近い側の断面積が流出口53から遠い側の断面積よりも小さくなっており、且つ流出口53に向かうほど低くなるように傾斜しているため、凹溝54に流れ込んだインクは、毛細管力と重力とによって効率よく流出口53へ導かれる。
さらに、第2インク室18の底面18a上には、流出口53を前後方向において挟むように、2つの四角柱状のブロック部材55が設けられているが、各ブロック部材55の側面にはそれぞれ溝55aが凹溝54に向かって延びるように(凹溝54に交差する方向に延びるように)形成されている。換言すれば、凹溝54の少なくとも一部は、各ブロック部材55に形成されたそれぞれの溝55aの間に位置するといえる。このため、第2インク室18の底面18a上における凹溝54に対して各ブロック部材55を挟んで反対側に位置するそれぞれのインクは、溝55aによって凹溝54側へ導かれた後、凹溝54によって流出口53へ導かれる。したがって、第2インク室18に残る残留インクが低減される。
また、図6及び図13に示すように、プリンター(図示略)でインクが消費されて第4インク室20のインクがなくなると、プリズム部23aを収容する収容凹部24内のインクが減り始める。そして、プリンター(図示略)からプリズム部23aに光が照射され、その照射された光の反射状態に基づいて収容凹部24内のインクがプリンターによって無いものと検出されるレベルまで収容凹部24内のインクが減少すると、収容凹部24内よりも下流側に残っている残留インクは使用できなくなる。このため、この残留インクは、このまま使用済みのインクカートリッジ11とともに廃棄される。
この点、本実施形態のインクカートリッジ11では、収容室形成凹部19の深さ方向である左右方向を高さ方向とした場合、プリズム部23aを収容する収容凹部24よりも下流側のインク流路の一部を構成する流路126及び流路130の側壁の高さは、収容室形成凹部19の側壁の高さよりも格段に低くなっている。このため、流路126及び流路130の側壁の高さを収容室形成凹部19の側壁の高さと同じにする場合に比べて、流路126及び流路130の容積が格段に小さくなる。
したがって、プリンター(図示略)によって収容凹部24内のインクが無いものと検出された時点での収容凹部24内よりも下流側のインク流路に残る残留インクが低減される。この結果、インクカートリッジ11とともに廃棄される残留インクの量が低減される。
以上、詳述した実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)ケース13内の第1インク室15内の底面15a及び第2インク室18内の底面18aには、流出口50,53に向かって延びる凹溝51,54がそれぞれ形成されている。このため、第1及び第2インク室15,18内に収容されたインクが残り僅かとなった場合でも、インクを凹溝51,54によってそれぞれ流出口50,53へ導くことができる。したがって、使用済みとなったインクカートリッジ11の第1及び第2インク室15,18に残る残留インクを低減することができる。
(2)ケース13内の第1及び第2インク室15,18に形成された凹溝51,54は、それぞれ流出口50,53に近い側の断面積が流出口50,53から遠い側の断面積よりも小さくなっている。このため、凹溝51,54に流入したインクを毛細管力によって流出口50,53側へ効果的に導くことができる。
(3)通常、ケース13における壁部は隣接する他の壁部と交差する角部から最も離れた中央部ほど強度が低くなっている。この点、本実施形態では、ケース13内の第1及び第2インク室15,18の凹溝51,54のうち、第2インク室18の底面18aを形成する壁部の前後方向の中央部に近い側の凹溝54の断面積は、第1インク室15の底面15aを形成する壁部の前後方向の中央部から遠い側の凹溝51の断面積よりも小さくなっている。このため、ケース13における第2インク室18の底面18aを形成する壁部の強度が低下することを抑制することができる。
(4)ケース13内の第1インク室15の凹溝51は、第1インク室15の底面15aにおける第1インク室15の前側の側壁52に隣接する位置に形成されている。このため、第1インク室15の底面15aを形成する壁部が凹溝51の形成によって強度が低下することを、側壁52に隣接する位置に凹溝51を形成することによって抑制することができる。
(5)ケース13内の第1及び第2インク室15,18に形成された凹溝51,54は、流出口50,53に向かうほど低くなるように傾斜しているため、凹溝51,54に流入したインクを重力によって流出口50,53へ導くことができる。
(6)ケース13内の第2インク室18内の底面18a上には、ブロック部材55が設けられ、ブロック部材55の底面18aと交差する側面における底面18aと隣接する位置には、底面18aに沿って延びる溝55aが凹溝54に向けて形成されている。このため、第2インク室18内における凹溝54に対してブロック部材55を挟んで反対側に位置するインクを、溝55aによって凹溝54側へ導くことができる。
(7)第2インク室18内には、底面18a上において凹溝54を前後方向に挟むように、2つのブロック部材55が設けられている。このため、第2インク室18内における凹溝54に対して各ブロック部材55を挟んで反対側に位置するそれぞれのインクを、各ブロック部材55に形成された溝55aによって凹溝54側へ導くことができる。
(8)インクカートリッジ11のプリズム部材23は、ケース13の下面におけるケース13に対する蓋部材30の取着方向(左右方向)において蓋部材30から離れた側となる右端部で露出している。このため、ケース13に蓋部材30を取着する際にプリズム部材23が蓋部材30と接触して傷つくことを抑制することができる。
(9)インクカートリッジ11のプリズム部材23はケース13の下面に取着されるカバー部材42によって部分的に覆われているため、カバー部材42によってプリズム部材23を保護することができる。また、カバー部材42は蓋部材30とは別体であるため、蓋部材30とカバー部材42とを一体形成する場合に比べて蓋部材30を小さくすることができる。
(10)ケース13の下面における開口部12側の端部(左端部)には、凸部43が形成され、蓋部材30には蓋部材30をケース13に取着した際に凸部43と嵌合可能な凹部34aが形成されている。このため、ケース13における開口部12とは反対側(右側)に蓋部材30を取着しようとして凹部34aがプリズム部材23に接触した場合でも、蓋部材30に凹部34aの代わりに凸部を設けて当該凸部がプリズム部材23に接触する場合に比べて、プリズム部材23が傷つくことを抑制することができる。
(11)ケース13の凸部43は、ケース13に対する蓋部材30の取着方向(左右方向)においてプリズム部材23の露出位置とは非対向となる位置に配置されている。すなわち、蓋部材30の凹部34aは、ケース13に対する蓋部材30の取着方向において、ケース13の凸部43と対向する位置に設けられるものの、プリズム部材23の露出位置とは非対向となる位置に設けられている。このため、ケース13における開口部12とは反対側(右側)に蓋部材30を取着しようとした場合に、凹部34aがプリズム部材23に接触することを回避させることができる。
(12)カバー部材42は、プリズム部材23の光照射面23cの周囲全体を囲むようにケース13の下面に取着されているため、カバー部材42によってプリズム部材23の光照射面23cを複数方向からの外力に対して効果的に保護することができる。
(13)プリズム部材23は、ケース13の下面における右前のコーナー部において露出している。そして、蓋部材30には、蓋部材30をケース13に取着した際にケース13における開口部12と隣接する前側面に重なるように配置され、蓋部材30が取着されたケース13を正しい姿勢向きでカートリッジホルダー45に挿入して装着する際にカートリッジホルダー45側に設けられた嵌合凹条46に嵌合される嵌合凸条32aが設けられている。このため、インクカートリッジ11を誤って姿勢向きを前後逆にしてカートリッジホルダー45に挿入しようとした場合には、嵌合凸条32aが嵌合凹条46に嵌合せずに、カートリッジホルダー45の側壁に当たるようになる。したがって、ケース13におけるプリズム部材23側(前側)の部分が誤った姿勢向きのままでカートリッジホルダー45に挿入されることを回避することができる。よって、インクカートリッジ11をカートリッジホルダー45に誤装着しようとした場合でも、嵌合凸条32aによってプリズム部材23がカートリッジホルダー45内の部材にぶつかることを抑制することができるので、プリズム部材23を保護することができる。
(14)ケース13における開口部12と隣接する前側面(プリズム部材23側の側面)の右端部(プリズム部材23側の端部)における上端部には、凹凸部47が形成されている。このため、ユーザーがインクカートリッジ11を持つ際に凹凸部47に指を掛けることで、指が滑り難くなるので、インクカートリッジ11を安定して持つことができる。
(15)インクカートリッジ11では、収容室形成凹部19の深さ方向である左右方向を高さ方向とした場合、プリズム部23aを収容する収容凹部24よりも下流側のインク流路の一部を構成する流路126及び流路130の側壁の高さは、収容室形成凹部19の側壁の高さよりも低くなっている。このため、流路126及び流路130の側壁の高さを収容室形成凹部19の側壁の高さと同じにする場合に比べて、流路126及び流路130の容積を小さくすることができる。したがって、プリンター(図示略)によってプリズム部23aが収容された収容凹部24内のインクが無いものと検出された時点での収容凹部24内よりも下流側のインク流路に残る残留インクを低減することができる。
(16)ケース13内のインク流路におけるプリズム部23aが配置された位置から上流側には、第2インク室18よりも容積の小さい第4インク室20が形成されている。そして、左右方向を高さ方向とした場合に、第4インク室20を形成する小収容室形成凹部21の側壁の高さは、流路126及び流路130を形成する流路形成溝Mの側壁の高さと同じになっており、小収容室形成凹部21の開口は、流路形成溝Mとともに第1封止フィルム25によって封止されている。このため、プリズム部材23が第2インク室18よりも容積の小さい第4インク室20に配置されるため、プリズム部材23を第2インク室18に配置する場合に比べて、プリズム部材23の位置でインクが無いものと検出された後に残る残留インクを低減することができる。
(17)ケース13内において第4インク室20は第2インク室18内に配置されているため、第4インク室20を第2インク室18の外に配置する場合に比べて、ケース13を小さくすることができる。
(18)ケース13内において小収容室形成凹部21には小収容室形成凹部21よりも小さい収容凹部24が形成され、収容凹部24にプリズム部23aが配置されている。このため、プリズム部23a(プリズム部材23)を小収容室形成凹部21に配置する場合に比べて、プリズム部23aの位置でインクが無いものと検出された後に残る残留インクをより一層低減することができる。
(19)収容凹部24の深さはプリズム部23aの高さよりも深いため、プリズム部23aを収容凹部24によって完全に収容することができる。
(20)収容凹部24は、その上方において小収容室形成凹部21(第4インク室20)と連通している。このため、小収容室形成凹部21内のインクが無くなってから収容凹部24のインクが無くなるので、収容凹部24にプリズム部23aを収容することで、ケース13内のインクの有無又は量を精度よく検出することができる。
(21)小収容室形成凹部21の開口は第1封止フィルム25を溶着することによって封止され、収容室形成凹部19の開口(開口部12)は、第2封止フィルム28を溶着することによって封止されている。そして、小収容室形成凹部21の側壁における第1封止フィルム25が溶着される先端面26は、第2封止フィルム28が溶着される収容室形成凹部19(第2インク室18)の側壁の先端面の凸条27よりも厚さが厚くなっている。このため、小収容室形成凹部21の側壁の先端面26に対する第1封止フィルム25の溶着強度を、収容室形成凹部19の側壁の先端面の凸条27に対する第2封止フィルム28の溶着強度よりも高くすることができる。
(変更例)
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・2つのブロック部材55は必ずしも凹溝54を挟むように配置する必要はなく、凹溝54の一方側に2つのブロック部材55を配置するようにしてもよい。
・2つのブロック部材55のうち少なくとも一方の溝55aを省略してもよい。
・2つのブロック部材55のうち少なくとも一方を省略してもよい。
・各ブロック部材55は、必ずしも四角柱状に構成する必要はなく、例えば円柱状に構成してもよい。そして、各ブロック部材55は、溝55aが凹溝54に向かって延びるように配置されている部材(壁など)によって構成されることが好ましい。
・凹溝51,54は、必ずしも流出口50,53に向かうほど低くなるように傾斜させる必要はない。
・凹溝51は、必ずしも第1インク室15の底面15aにおける第1インク室15の前側の側壁52に隣接する位置に形成する必要はない。
・ケース13内の第1及び第2インク室15,18の凹溝51,54のうち、第2インク室18の底面18aを形成する壁部の前後方向の中央部に近い側の凹溝54の断面積は、必ずしも第1インク室15の底面15aを形成する壁部の前後方向の中央部から遠い側の凹溝51の断面積よりも小さくする必要はない。
・凹溝51,54は、必ずしも流出口50,53に近い側の断面積が流出口50,53から遠い側の断面積よりも小さくなるようにする必要はない。凹溝51,54は、断面積が全て一定であってもよいし、流出口50,53に近い側の断面積が流出口50,53から遠い側の断面積よりも大きくなっていてもよい。
・第1インク室15内の底面15aを、流出口50側に向かうほど低くなるように傾斜させるようにしてもよい。
・2つの凹溝51,54のうち少なくとも一方を凸条に変更してもよい。この場合、凸条が流出口50,53へインク(液体)を誘導する液体誘導部として機能する。
・第3及び第4インク室16,20の底面上に、貫通孔112及び収容凹部24に向かって延びる凹溝をそれぞれ形成するようにしてもよい。このようにすれば、第3及び第4インク室16,20の底面上のインクを凹溝によって貫通孔112及び収容凹部24へそれぞれ導くことができる。
・第1〜第4インク室15,18,16,20は、互いの大小関係を任意に変更してもよい。
・ケース13内に形成される液体収容室の数は、1つ以上であれば任意に変更してもよい。
・ケース13に形成された凹凸部47は、省略してもよい。
・ケース13の下面におけるプリズム部材23の露出位置は、必ずしもコーナー部である必要はない。
・ケース13の下面におけるプリズム部材23の露出位置は、必ずしも嵌合凸条32a側の端部(前端部)である必要はない。
・カバー部材42は、必ずしもプリズム部材23の光照射面23cの周囲全体を囲むようにケース13の下面に取着する必要はない。すなわち、カバー部材42は、プリズム部材23の光照射面23cの周囲の一部を囲むようにケース13の下面に取着するようにしてもよい。
・ケース13の凸部43は、必ずしもケース13に対する蓋部材30の取着方向(左右方向)においてプリズム部材23の露出位置とは非対向となる位置に配置する必要はない。すなわち、ケース13の凸部43は、ケース13に対する蓋部材30の取着方向(左右方向)においてプリズム部材23の露出位置と対向する位置に配置するようにしてもよい。
・ケース13に形成された凸部43及び蓋部材30に形成された凹部34aは、省略してもよい。
・カバー部材42は、プリズム部材23の全体を覆うようにケース13の下面に取着してもよい。この場合、インクカートリッジ11をプリンター(図示略)のカートリッジホルダー45に装着した際に、プリンター側からプリズム部材23に光が照射されるように、カバー部材42を透光性の材料で構成することが好ましい。
・インクカートリッジ11のプリズム部材23は、ケース13の下面におけるケース13に対する蓋部材30の取着方向(左右方向)において中央部よりも蓋部材30から離れた側の位置であれば、任意の位置で露出するようにしてもよい。
・第1封止フィルム25は、ポリプロピレン(PP)層と、ポリエチレンテレフタレート(PET)層と、ポリアミド(ナイロン)層とを含む多層フィルムによって構成されているとしたが、ポリアミド層を省略した構成としてもよい。
・第1封止フィルム25は、上記実施形態の構成に加えて、さらに、印刷層と、インクの蒸発抑制機能を有するバリア層とのうち少なくとも一方を含むようにしてもよい。この場合、第1封止フィルム25は第2封止フィルム28と異なり、その両面がインクと接する配置であるため、第2封止フィルム28と異なる層構成とすることが好ましい。
・小収容室形成凹部21の側壁における第1封止フィルム25が溶着される先端面26の厚さは、必ずしも第2封止フィルム28が溶着される収容室形成凹部19(第2インク室18)の側壁の先端面の凸条27の厚さよりも厚くする必要はない。
・収容凹部24は、必ずしもその上方において小収容室形成凹部21(第4インク室20)と連通する必要はない。すなわち、収容凹部24は、例えば、その側方において小収容室形成凹部21(第4インク室20)と連通するようにしてもよい。
・収容凹部24の深さは、必ずしもプリズム部23aの高さよりも深くする必要はない。すなわち、収容凹部24の深さは、プリズム部23aの高さと同じであってもよいし、プリズム部23aの高さよりも浅くてもよい。
・収容凹部24を省略し、プリズム部23a(プリズム部材23)を小収容室形成凹部21に配置するようにしてもよい。
・第4インク室20は、ケース13内において、必ずしも第2インク室18内に配置する必要はない。すなわち、第4インク室20は、ケース13内における第2インク室18の外部に形成するようにしてもよい。
・左右方向を高さ方向とした場合に、第4インク室20を形成する小収容室形成凹部21の側壁の高さは、必ずしも流路126及び流路130を形成する流路形成溝Mの側壁の高さと同じにする必要はない。
・小収容室形成凹部21の側壁の先端面26の幅を凸条27の幅よりも大きい構成としたが、単純に第1壁の厚さが第2壁の厚さよりも厚い構成としてもよい。
・液体収容容器は、インクジェット式プリンターに装着されて使用されるインクカートリッジ11に限らず、例えば、ファクシミリや複写機等に用いられる印刷装置や、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、あるいは面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの液体を噴射する他の液体噴射装置に装着される液体収容容器に適用してもよい。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、さらには精密ピペットとしての試料噴射装置に装着されて使用される液体収容容器に適用してもよい。
11…液体収容容器の一例としてのインクカートリッジ、15…第1液体収容室(液体収容室)を構成する第1インク室、15a,18a…底面、16…液体収容室を構成する第3インク室、18…第2液体収容室(液体収容室)を構成する第2インク室、20…液体収容室を構成する第4インク室、50,53…流出口、51…凹溝(第1凹溝)、54…凹溝(第2凹溝)、52a…壁面(側面)、55…ブロック部材、55a…溝。

Claims (5)

  1. 液体を収容可能な液体収容室を備える液体収容容器であって、
    前記液体収容室には、
    前記液体収容室から前記液体を流出可能とする流出口と、
    前記流出口と繋がる凹溝と、
    前記液体収容容器を液体噴射装置に装着して使用される使用状態における底面と、前記底面と交差する側面とを備えており、
    前記凹溝は、前記底面と前記側面とにより形成されている
    ことを特徴とする液体収容容器。
  2. 液体を収容可能な液体収容室を備える液体収容容器であって、
    前記液体収容室は、第1液体収容室と第2液体収容室と、
    第1液体収容室と第2液体収容室からそれぞれ前記液体を流出可能とする第1流出口と第
    2流出口と、
    前記第1液体収容室と前記第2液体収容室のそれぞれの底面に形成され、前記第1流出口
    、第2流出口とそれぞれ繋がる第1凹溝、第2凹溝と、を備え、
    前記第1凹溝と前記第1液体収容室を形成する前記底面に交差する側面との距離は、
    前記第2凹溝と前記第2液体収容室を形成する前記底面に交差する側面との距離よりも短
    くなっており、
    前記第1凹溝における当該第1凹溝と繋がる第1流出口から所定距離だけ離れた位置にお
    ける重力方向の断面積は、
    前記第2凹溝における当該第2凹溝と繋がる第2流出口から前記所定距離だけ離れた位置
    における重力方向の断面積よりも大きいことを特徴とする液体収容容器。
  3. 液体を収容可能な液体収容室を備える液体収容容器であって、
    前記液体収容室は、第1液体収容室と第2液体収容室と、
    第1液体収容室と第2液体収容室からそれぞれ前記液体を流出可能とする第1流出口と第
    2流出口と、
    前記第1液体収容室と前記第2液体収容室のそれぞれの底面に形成され、前記第1流出口
    、第2流出口とそれぞれ繋がる第1凹溝、第2凹溝と、を備え、
    前記第1凹溝と前記第1液体収容室を形成する前記底面に交差する側面との距離は、
    前記第2凹溝と前記第2液体収容室を形成する前記底面に交差する側面との距離よりも短
    くなっており、
    前記第1凹溝における当該第1凹溝と繋がる第1流出口から所定距離だけ離れた位置にお
    ける重力方向の断面積は、
    前記第2凹溝における当該第2凹溝と繋がる第2流出口から前記所定距離だけ離れた位置
    における重力方向の断面積よりも大きく、
    前記第1凹溝または前記第2凹溝の少なくとも一部は、前記流出口側が低くなるように傾斜していることを特徴とする液体収容容器。
  4. 前記液体収容室内の底面には、ブロック部材が設けられ、
    当該ブロック部材における前記底面と交差する側面には、前記凹溝に交差する方向に延
    びる溝が形成されていることを特徴とする請求項1〜 請求項のうちいずれか一項に記
    載の液体収容容器。
  5. 前記ブロック部材は、複数設けられており、
    前記凹溝の少なくとも一部は、前記各ブロック部材に形成されているそれぞれの溝の間
    に位置することを特徴とする請求項に記載の液体収容容器。
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