JP6159495B2 - 浮上式分離装置 - Google Patents
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Description
なお、本発明の「上部」とは、少なくとも上下方向中間部より上方を意図する。本発明の「下部」とは、少なくとも上下方向中間部より下方を意図する。そして、より具体的な位置は、浮上式分離装置に求められる具体的な製品仕様により決定されるものである。
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。なお、各図に付された方向を示す矢印等は、各図相互の関係を理解し易くするために記載したものであり、本発明は、各図に付された方向に限定されるものではない。少なくとも符号を付して説明した部材又は部位は、「複数」や「2つ以上」等の断りをした場合を除き、少なくとも1つ設けられている。
1.浮上式分離装置
1.1 概要
浮上式分離装置1は、図1に示すように、すくなとも排水処理部3及び気泡発生装置20等を有している。排水処理部3は排水から懸濁物質を分離処理する。気泡発生装置20は分離処理に用いる気泡を発生させる。
排水処理部3は、少なくとも、第1滞留槽7、第2滞留槽9、第1浮上筒11及び第2浮上筒13等を有している。
第1滞留槽7は、懸濁物質を含む排水等(以下、第1原水という。)と気泡とが混合した第1処理水が滞留する処理槽である。第1原水中に浮遊する懸濁物質の多くは、第1滞留槽7にて気泡に吸着されて気泡と共に浮上した後、第1処理水の水面に溜まってスポンジ状のスカムとなる。
第1浮上筒11内は、少なくとも第1原水が下方側から上方側に流通する流路である。そして、第1浮上筒11は第1排出部11Cを有している。第1排出部11Cは、第1原水に気泡が混交された第1処理水を第1滞留槽7の上部に排出する。
すなわち、第1ケーシング11Dは第1浮上筒11の外殻を構成する。第1ケーシング11D内には、第1ケーシング11D内を原水路11Aと第1気泡供給部11Bとに仕切る仕切板11Eが設けられている。第1排出部11Cは、第1ケーシング11Dの上端側に設けられている。
第2滞留槽9は、図1に示すように、第1滞留槽7から取水された水と気泡とが混合した第2処理水が滞留する槽である。第2処理水中に浮遊する懸濁物質の多くは、第2滞留槽9にて気泡に吸着されて気泡と共に浮上した後、第2処理水の水面に溜まってスカムとなる。
第2浮上筒13は、第1滞留槽7の下部から取水した水を第2滞留槽9上部に排出するための流路である。すなわち、第2ケーシング13Aは、上下方向に延びて当該流路を構成するとともに、第1滞留槽7と第2滞留槽9とを区画する。
気泡発生装置20は、第1気泡供給部11B及び第2気泡供給部13Dに気泡を供給する。第1調整弁21Aは、第1気泡供給部11Bに供給する気泡量を調節するためのバルブである。第2調整弁21Bは、第2気泡供給部13Dに供給する気泡量を調節するためのバルブである。
細砕器20Bは、ポンプ20Aから吐出された気泡を砕いて微粒化することにより、微細な気泡を生成する。なお、本実施形態に係る細砕器20Bは、ベンチェリー効果を利用して気液二相状態の水を加速するとともに、その際に発生する乱流により空気と水と混合しながら気泡を砕いて微粒化する。
スカム回収装置30は、第1処理水及び第2処理水の水面に溜まったスカムをスカム受槽5に移送する。そして、本実施形態に係るスカム回収装置30は、スカムワイパー30A、チューン又は無端ベルト等の駆動体30B、及び駆動体30Bを回転させる電動モータ等の駆動源30C等を有している。
本実施形態では、第2浮上筒13内を流通する第2原水の流速が、第1浮上筒11内を流通する第1原水の流速より大きいことを特徴としている。
ところで、本願発明においては、第2浮上筒13内の流速を第1浮上筒11内の流速以上とするためのポンプを用いてもよい。
また、本実施形態では、第1浮上筒11は、原水が上昇しながら流通する原水路11Aと気泡が供給される第1気泡供給部11Bとに分離されており、さらに、気泡と第1原水とが混合する混合部11Gは、原水路11Aの終端部に設けられていることを特徴とする。
すなわち、第1原水中を浮遊する懸濁物質の大きさが過度に小さいと、懸濁物質に気泡が吸着し難くなり、懸濁物質の分離能力が低下するおそれがある。
しかし、第1原水と気泡とを予め混合させた処理水を第1浮上筒11に流通させると、懸濁物質が、大きくなることなく、むしろ、拡散してより一層小さくなる可能性がある。したがって、本実施形態によれば、効果的に懸濁物質を浮上分離することができる。
これにより、本実施形態では、気泡と懸濁物質とは、第2浮上筒13で混合することとなる。取水口13Bから取水された第2原水に浮遊する懸濁物質の多くは、第1滞留槽7の下部に既に沈殿していた懸濁物質である。このため、取水された水に浮遊する懸濁物質の多くは、既に大きくなっている。
すなわち、加圧方式の気泡発生装置では、非加圧方式の気泡発生装置20に比べて、気泡と共に供給される水の圧力が大きく変動する可能性が高い。このため、本実施形態のごとく、第1浮上筒11及び第2浮上筒13内の流速を流路断面積に調整する方式では、当該流速を適切な範囲に維持することが難しい。
これにより、本実施形態では、原水路11Aのうち原水供給部11Fより下側にある第1原水を気泡筒11Hに誘導することができ得るので、原水路11Aに第1原水が滞留することを抑制できる。
しかし、本実施形態では、高架槽から第1原水を落下させて原水路11Aに第1原水を供給している。このため、仮に、上記構成とすると、配管の曲がりが大きくなり、圧力損失が大きくなる可能性が高い。
(第2実施形態)
上述の実施形態では、第1浮上筒11内を流通する第1原水の流速との関係で、第2浮上筒13内を流通する第2原水の流速を規定した。
上述の実施形態では、第2浮上筒13の流路断面積は、第1浮上筒11の流路断面積未満であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第2浮上筒13の流路断面積を第1浮上筒11の流路断面積以下として、第2浮上筒13内の流速を第1浮上筒11内の流速より大きくするためのポンプを用いてもよい。
7… 第1滞留槽 9… 第2滞留槽 9A… 集水部 11… 第1浮上筒
11C… 第1排出部 11A… 原水路 11B… 第1気泡供給部
11D… 第1ケーシング 11E… 仕切板 11G… 混合部
11F… 原水供給部 11H… 気泡筒 11J… 連通部 13… 第2浮上筒
13A… 第2ケーシング 13B… 取水口 13C… 第2排出部
13D… 第2気泡供給部 15… 排水槽 20… 気泡発生装置
20A… ポンプ 20B… 細砕器 21A… 第1調整弁
21B… 第2調整弁 30… スカム回収装置
30A… スカムワイパー 30B… 駆動体
Claims (8)
- 水中に浮遊する懸濁物質を気泡に吸着させて当該懸濁物質を分離する浮上式分離装置において、
懸濁物質を含む原水と気泡とが混合した第1処理水が滞留する第1滞留槽と、
前記第1滞留槽の上部に前記第1処理水を排出する第1排出部を有する浮上筒であって、少なくとも前記原水が下方側から上方側に流通する原水路、及び仕切板により当該原水路と仕切られた気泡筒を有する第1浮上筒と、
前記第1滞留槽から取水された水と気泡とが混合した第2処理水が滞留する第2滞留槽と、
前記第1滞留槽の下部に向けて開口した取水口、及び前記取水口から取水した水を前記第2滞留槽の上部に排出する第2排出部を有する浮上筒であって、流速が前記第1浮上筒内の流速より大きい第2浮上筒と、
前記気泡筒の下方側に設けられ、気泡と水とを同時に供給する第1気泡供給部と、
前記原水路の下方側に設けられ、前記原水路に原水を供給する原水供給部と、
前記仕切板の上端と前記第1排出部との間に設けられ、前記第1気泡供給部により供給された気泡及び水と前記原水とが混合する混合部と
を備えることを特徴とする浮上式分離装置。 - 前記第2浮上筒の流路断面積は、前記第1浮上筒の流路断面積以下であることを特徴とする請求項1に記載の浮上式分離装置。
- 前記取水口から取水した水に気泡を供給する第2気泡供給部は、前記第2浮上筒に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の浮上式分離装置。
- 水に空気を加圧溶解させることなく、気泡を発生させる気泡発生装置を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の浮上式分離装置。
- 前記第1滞留槽より高い位置に設けられた高架槽から落下する原水の落下水圧を利用して原水を前記第1浮上筒に供給することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の浮上式分離装置。
- 前記気泡筒を挟んで両側に前記原水路が設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の浮上式分離装置。
- 前記第1気泡供給部側と前記原水路とを連通させる連通部が、前記原水供給部より下方側に設けられていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の浮上式分離装置。
- 前記第2浮上筒内の流速は、3mm/秒以上であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の浮上式分離装置。
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