JP6154264B2 - 機器動作解析システムおよび情報通信システム - Google Patents
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Description
図1は、本発明の実施形態にかかる情報通信システムの概要の説明図である。この情報通信システムは、機能的には、自家発電電力制御システムVと、自家発電電力スケジューリングQと、機器動作による行動判定Xと、ECHONET−Liteでの機器動作解析Wと、DR平準化調整Yと、スマートメーターでの機器動作解析Zとを備える。この図に示すように、自家発電電力スケジューリングQと、機器動作による行動判定Xと、ECHONET−Liteでの機器動作解析Wは、自家発電電力制御システムVの一部の機能として実現される。
自家発電電力制御システムVでは、電力供給が不安定な分散電源により自家発電された電力(例えば、太陽光発電装置の余剰電力)を有効に活用することを目的とする。そこで、PV発電量予測と電力消費量履歴に基づき、家庭の負荷を制御しながらPV発電で自家発電される電力を有効活用する(蓄電池も利用する)。これにより、行動状態に従った優先度を設定することが可能となる。
自家発電電力スケジューリングQでは、複数機器があったとき、人間の要望も含め負荷形成のための制御スケジュールを調整することを目的とする。そこで、スケジュール上で優先のルールを決め、それに従って人間の希望を含めスケジュール調整する。これにより、調整ルールに従って人の希望と負荷形成を加味した最適な制御が可能となる。
機器動作による行動判定Xでは、機器の操作から行動を予測すること(これにより、デマンドレスポンス制御などに繋げること)を目的とする。そこで、行動状態に合わせ、機器の優先度の順位、売買電の条件を変化させる。これにより、電力の買取を抑えながら余った電力を活用することが可能となる。
ECHONET−Liteでの機器動作解析Wでは、ある機器がある時間帯で電力利用が支配的であった場合に簡易に温度設定(ピークカット)することを目的とする。そこで、ある機器の気温と湿度と設定温度を説明変数とする重回帰解析後の関数を使って、電力使用予測量で抑えたところの設定温度候補を抽出する。これにより、ある機器(または機器群)の電力がその時間帯でほぼ大部分を占める場合に、過去の機器の設定温度を推定することが可能となる。
DR平準化調整Yでは、帰宅時間などの行動を予測できればそれを使って電力平滑化(デマンドレスポンス)することを目的とする。そこで、外出情報としてみなす場合の時間帯の詳細時間(例えば30分単位)によって、外出から帰宅時間を推測し、帰宅時間から制御情報で選ばれたタイマー機器を管理サーバーからの指示で各々ある時間差で動かす。これにより、デマンドレスポンスを実行することが可能となる。
スマートメーターでの機器動作解析Zでは、スマートメーター値を使って契約したい家庭がDRによる削減効果が高いかどうかを判定することを目的とする。そこで、過去のスマートメーターの電力消費量値の履歴から電力消費量値の集合を抽出し、集合数を機器数と仮定して、その集合の取り得る分布の状態によって、デマンドレスポンスの制御での電力消費量の削減効果が高いかどうかを判定する。これにより、デマンドレスポンスに都合が良い家庭だけを抽出し、そのDR制御の集合体を構成することができ、効率の良いアグリゲーション制御が可能となる。
以下、本発明の実施形態にかかる機器動作解析システムについて詳細に説明する。機器動作解析システムはスマートメーターでの機器動作解析Zに相当するシステムであるため、以下の説明では、同じ符号を用いて「機器動作解析システムZ」という場合がある。また、自家発電電力制御システムVは、機器動作解析システムZと関連の深い機能であるため、自家発電電力制御システムVについても詳細に説明する。
図2は、本発明の実施形態にかかる情報通信システムの全体構成図である。また、図3〜図5は、本発明の実施形態にかかる情報通信システムの機能ブロック図である。
管理サーバー1は、Cルートを介して携帯端末6と互いに通信する。また、管理サーバー1は、Cルートおよびルーター9を介してHEMS5と互いに通信する。さらに、管理サーバー1は、Aルートを介してスマートメーター7と互いに通信する。
スマートメーター7は、Bルートを介してHEMS5と互いに通信する。HEMS5は、蓄電池3、PV2、携帯端末6、および負荷機器群と通信する。具体的には、HEMS5は、電力消費量履歴を管理し、PV発電量を予測し、蓄電池3の充放電を制御し、負荷機器4を制御する。パワコンを蓄電池3と共有する創蓄連携なら、HEMS5はPV2と通信しなくてもよい。また、HEMS5は、Cルートを介して携帯端末6(遠隔通信)および管理サーバー1と通信する。PV2は太陽光発電装置であり、分散電源の一例である。分散電源は系統電源以外の電源であり、太陽光発電装置の他、風力発電装置なども該当する。負荷機器4は、遠隔操作が可能である。
図6は、本発明の実施形態にかかる情報通信システムにおける電力需給構成図である。図6に示すように、スマートメーター7は、1台または複数台の負荷機器4、携帯端末6、およびHEMS5に分電盤10を経由して接続し、電源供給を行う。PV2は、太陽光発電で得られた電気を蓄電池3に蓄電する。蓄電池3は、HEMS5の情報配線からの指示に従って、スマートメーター7、1台または複数台の負荷機器4、携帯端末6、およびHEMS5に分電盤10を経由して接続し、電源供給を行う。スマートメーター7を経由して系統側へ電源供給を行うことを「系統側への逆潮流」と呼ぶ。
蓄電池3とPV2が異なるパワコンを持ち電力を交流で渡す独立型と、同じパワコン下で電力を直流で渡す直流配電(創蓄連携型)とがあるが、ここでは直流配電の場合を示す。電力を交流で渡す独立型の場合、HEMS5からPV2単体への制御が行われる。直流配電の場合、PV2の制御は、蓄電池3またはPV2に属する単一のパワコンから行われる。単一の場合は、図6に示すように、蓄電池3側に属するパワコンを制御すれば分電盤10への電源供給を制御できる。
管理サーバー1は、発電所の系統運用を行う電力会社が管理している。各家庭には、スマートメーター7とHEMS5のそれぞれが少なくとも1台設置されている。HEMS5は、スマートメーター7と定期的に通信することが許される。ただし、場合によっては家庭の需要家がスマートメーター7を所有し、電力会社に電力の検針をさせる場合もある。
図7は、本発明の実施形態にかかる自家発電電力制御システムVの制御フロー図である。自家発電電力制御システムVは、下記の各処理V1のための計算資源をHEMS5自身が持つか、あるいは管理サーバー1のクラウド上(またはPCなど)に置くことにより実現することができる。例えば、図8に示すように、制御HEMSだけでなく重回帰解析の計算もHEMS5で行うようにしてもよい。また、図9に示すように、制御HEMSと重回帰解析の計算はクラウドで行うようにしてもよい。さらに、図10に示すように、制御HEMSと重回帰解析の計算はPCで行うようにしてもよい。尚、図8〜図10のW、D、Sは、それぞれ、図16の日射量、機器ID、時間帯でのスマートメーター7の積算電力消費量を示す。これらを用いて図8〜図10の各計算資源で重回帰解析の計算をすることで、目的関数の係数と残差を抽出することができる。図16では電力消費予測、図17では同様に発電予測を行う。
1.電力消費予測V001、発電量予測V002、蓄電量予測V003を行う。
2.制御機器候補V004では、予測したい日の時間帯(朝、昼、晩、夜間)で予測された利用可能な自家発電由来の電力量に収まるように、過去の履歴から動作が予測される負荷機器群を抽出する。
3.機器優先度選択V005では、負荷機器4に所定の候補選択の優先度が設定してあれば、そこで動作させたい負荷機器4の候補が絞られる。
4.稼動機器選定V006では、自家発電電力で動作させたい負荷機器4が決定される。
5.稼動スケジュールV007では、予測した日の時間帯(朝、昼、晩、夜間)で自家発電の電力予測量と過去の運転履歴を由来として負荷機器群を抽出し、それらを自動で動作することを「ある意味勝手」にスケジュール運転する。そのため、ここでは、HEMS5が選んだ負荷機器群およびその運転を設定したスケジュールについて、住戸の人間が携帯端末等を用いて確認と調整を行うことも可能とする。HEMS5が選んだ機器に対して運転時間(タイムスロット)の調整だけを行うことも可能であるが、オプションとして、携帯端末の画面設定等で機器を選ぶ優先度マップV010を設定者が直接書き換えることも可能である。
6.機器タイマー設定V008では、HEMS5と負荷機器群とが制御ネットワークを介して接続されているため、通信処理によって稼動時間のタイマーの設定が可能である。また、熱機器であれば、設定温度等のパラメーター設定が可能である。例えば、ある稼働時間帯(晩)で自家発電の電力を使ってエアコンを動かしたいのであれば、HEMS5が通信制御によってタイマーを設定することができる。HEMS5は、スケジュール機能などの事前設定機能を負荷機器4が備えている場合は、極力その事前設定機能を利用するが、事前設定機能を負荷機器4が備えていない場合は、時間帯を覚えていてその時間まで待って直接制御することも可能である。
7.機器温度設定V009では、HEMS5と負荷機器群とが制御ネットワークを介して接続されているため、通信処理によって特にエアコンなどの熱源機器への温度設定や除湿、送風等のパラメーター設定が可能である。例えば、ある稼働時間帯(晩)で自家発電の電力を使ってエアコンを動かしたいのであれば、HEMS5が通信制御によって温度等を設定することができる。HEMS5は、スケジュール機能などの事前設定機能を負荷機器4が備えている場合は、極力その事前設定機能を利用するが、事前設定機能を負荷機器4が備えていない場合は、時間帯を覚えていてその時間まで待って直接制御することも可能である。
8.優先度マップV010では、表1(図11参照)のように、機器名称(機器IDでもよい)とその最大または平均の消費電力(kW)等のテーブルを持つ。この機器名称(機器ID)に対して機器優先度設定V021で携帯端末等を使って優先度を設定することができる。機器優先度選択V005で抽出された負荷機器群をさらにこの優先度マップで選別する(図12、図13参照)。
9.優買電売電選択V031を含む場合は、表1にあるように、{買電、売電}の項目を設け、下記の9−1〜9−4のように処理する。
電力消費予測V001では、電力消費量の目的関数(式1)を導出する(図15参照)。具体的には、HEMS5または管理サーバー1の計算資源を用い、過去のスマートメーター7の電力消費量の履歴を目的変数とし、ある時間帯(t)での気象情報および過去の制御情報を説明変数とする(図16参照)。気象情報は、{気温、湿度、日射量、天気情報}などである。制御情報は、{機器ID、機器状態、付加情報}などである。{説明変数の数}だけ係数を増やすこともできる。
発電量予測V002では、電力発電量の目的関数(式2)を導出する(図15参照)。具体的には、HEMS5または管理サーバー1の計算資源を用い、PV2の電力発電量を目的変数とし、ある時間帯(t)での気象情報を説明変数とする(図17参照)。上記同様、気象情報は、{気温、湿度、日射量、天気情報}などである。{説明変数の数}だけ係数を増やすこともできる。
蓄電量予測V003では、式3によって{蓄電池3の残量、付加情報}を説明変数とし、式1,2の情報を使って蓄電残量予測をすることができる。付加情報には、蓄電池3の{温度、使用頻度}なども含めることができる。{説明変数の数}だけ係数を増やすこともできる。
ある家庭の{PV発電量予測}をした場合(1日単位)、{PV発電予測}と{電力消費量履歴}から蓄電残量予測(%)を計算する。蓄電残量予測(%)は、PV発電予測値[kWh]と蓄電残量[kWh]から消費電力量予測値[kWh]を減算し、最大蓄電容量値[kWh]で割った値に100を掛算(%換算)することで得られる(図20参照)。
制御機器候補V004では、電力消費予測V001、発電量予測V002、蓄電量予測V003で得た目的関数の式1〜式3を用いて、制御機器の候補を抽出する。図21に示すように、ある気象予測情報Xに基づいて、目的関数式1,2の組合せの制約α1X+β1x2+ε1<y2に当てはまる負荷機器群x2の中から、条件に当てはまる負荷機器Dの集合を抽出する。これにより、ある気象条件が予測された際に、過去のデータに基づいて重回帰解析で導出した目的関数を利用して、過去のケースに照らしてどの機器が動いていたかを示す機器リストを抽出することができる。
以下、式1と式1−1をより具体的に説明する。既に説明した通り、式1と式1−1の一般形は次の通りであり、これを表にすると、図22のようになる。
式1−1: y0=a0+a1x1+a2x2+・・・+ap-1xp-1
気象情報は、{気温、湿度、日射量、天気情報}のうちの1個または複数個の組合せである。図22では簡単のため、気象情報は1個(説明変数x1=気温)とし、時間帯別(朝、昼、晩、夜)で重回帰解析を分けている。図22の内容を係数、説明変数毎に整理すると、図23のようになる。
図26に示すように、機器優先度を示した表の制約の下で、抽出した機器(候補)リストからさらにリストを絞り込み、自家発電電力で起動する機器リストとしてもよい。これにより、過去に使った機器リストから優先順位で選別することで、より有効な自家発電電力の利用が可能となる。
図27に示すように、抽出した電力発電(予測)量に売買電量加えた値を制約条件とすることで、自家発電電力で起動する機器リストとしてもよい(式5)。これにより、電力の売買条件を加え、機器稼動に柔軟性を持たせることで、より有効な自家発電電力の利用が可能となる。
図28に示すように、機器優先度を示した表、および売買設定の制約の下で、抽出した機器(候補)リストからさらにリストを絞り込み、自家発電電力で起動する機器リストとしてもよい(式6)。これにより、過去に使った機器リストから優先順位および売買設定で選別することで、売買を含めたより有効な自家発電電力の利用が可能となる。
図29に示すように、機器条件(行動状態に対しては機器条件)、電力状態(行動状態の時の電力消費量)を説明変数としてもよい。また、行動情報(状態)を示す目的関数(式7)を導出し、式1に行動情報を説明変数として加えた電力消費量を示す目的関数(式8)を導出してもよい。さらに、抽出した電力発電(予測)量に売買電量加えた値を制約条件とすることで、自家発電電力で起動する機器リストとしてもよい(式9)。ある電力消費量(売買時を含む)または発電予測量での行動状態を特定する。これにより、電力量情報から行動状態の推測が可能となる。
図30に示すように、機器の優先度は機器名、機器の消費電力(kW)、売買電の有無を含み、消費電力量が所定の制約に収まるようにしてもよい。これにより、過去に使った機器リストから機器毎に優先順位で選別することで、より有効な自家発電電力の利用が可能となる。
次に、図31、図32を用いて、スマートメーターでの機器動作解析Zについて説明する。
V 自家発電電力制御システム
1 管理サーバー
4 負荷機器
5 HEMS機器(HEMS)
7 スマートメーター
Claims (4)
- 分散電源により自家発電された電力を制御する自家発電電力制御システムと通信可能に接続された管理サーバーが機器の動作を解析する機器動作解析システムであって、
前記管理サーバーは、過去のスマートメーターの電力消費量値の履歴から電力消費量値の集合を抽出し、抽出した集合が含む電力消費量値の数が多く、かつ、当該電力消費量値の電力消費量軸における分布が均等であるほど、デマンドレスポンスの制御により適していると判定することを特徴とする機器動作解析システム。 - 分散電源により自家発電された電力を制御する自家発電電力制御システムと通信可能に接続された管理サーバーが機器の動作を解析する機器動作解析システムであって、
前記管理サーバーは、過去のスマートメーターの電力消費量値の履歴から電力消費量値の集合を抽出し、抽出した集合が含む電力消費量値の数が少なく、かつ、制御可能な機器が持つ電力消費量が大きいほど、デマンドレスポンスの制御により適していると判定することを特徴とする機器動作解析システム。 - 前記分散電源は太陽光発電装置であり、
前記管理サーバーは、前記太陽光発電装置の余剰電力予想に基づいて機器の動作を解析することを特徴とする請求項1または2に記載の機器動作解析システム。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の処理を行う管理サーバーと、
家庭の機器と、
前記機器を制御するHEMS機器と、
系統電源以外の電源である分散電源と、
前記管理サーバーおよび前記HEMS機器と通信可能に接続されたスマートメーターと
を備えることを特徴とする情報通信システム。
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