JP6153731B2 - 菌測定方法、抗菌性及び/又は菌減少性評価方法、及び保持材 - Google Patents

菌測定方法、抗菌性及び/又は菌減少性評価方法、及び保持材 Download PDF

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Description

本発明は、菌測定方法、抗菌性及び/又は菌減少性評価方法、及び保持材に関する。
近年、菌による被害が多く報告されるようになった。菌による被害としては、例えば、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)、多剤耐性緑膿菌(MDRP)などの薬剤耐性菌による院内感染、大腸菌O−157による食中毒などが挙げられる。医療機関やそれに準ずる施設、高齢者介護施設、幼児施設、公共機関など(以下、説明の便宜上、単に「医療機関等」という。)では、易感染者や高齢者、幼児が、前記した薬剤耐性菌だけでなく一般的な細菌や真菌による日和見感染を引き起こす場合もあり、効果的な対策が求められている。
前記した菌の感染経路として、空気感染、飛沫感染、接触感染がある。これらのうちでも、接触感染は感染経路として大きなウェイトを占めている。接触感染の予防策として、手洗いによる手指衛生や環境表面の清掃が行われている。また、菌の接触感染の感染リスク低減のため、抗菌物質を使用した製品の開発も行われている。
抗菌物質を使用した製品を使用するためには、抗菌性能を評価する必要がある。そのため、さまざまな評価法が提案されている。例えば、特許文献1に記載の評価法、JIS Z 2801に規定の評価法(規格名称:抗菌加工製品―抗菌性試験方法・抗菌効果)、JIS L 1902に規定の評価法(規格名称:繊維製品の抗菌性試験方法及び抗菌効果)などが提案されている。
特許文献1には、抗菌加工製品の抗菌性能評価方法であって、特定細菌専用の培地を用いて細菌液を調整し、これを、抗菌加工を施した抗菌加工試験片と、抗菌加工を施していない抗菌無加工試験片と、に所定量各々接種し、被覆フィルムを被せて所定温度で所定時間保管し、これらの試験及び被覆フィルムに付着している前記細菌液を洗浄して第一の培地と第二の培地に接種し、所定温度で所定時間保管した後、前記第一の培地と、前記第二の培地と、に各々出現した前記特定細菌のコロニー数を比較することを特徴とする抗菌加工製品の抗菌性能評価方法が記載されている。
JIS Z 2801に規定の評価法は、フィルム密着法とも呼ばれている。JIS Z 2801には、試験菌液を試験片に滴下した後、滴下した試験菌液の上に被覆フィルムを載せて試験菌液の蒸発を抑制し、シャーレ内で35℃、90%RH(相対湿度)以上という条件で24時間保存した後の抗菌加工試験片の生菌数と無加工試験片の生菌数との差を抗菌活性値として算出する旨記載されている。
JIS L 1902に規定の評価法には、評価を行うための定量試験の一つとして菌転写法が挙げられている。菌転写法は、外衣やカーテン、カーペットなどのあまり水分が関与しない低湿潤状態下での抗菌加工繊維製品の評価法として確立されたものである。この菌転写法によれば、試験菌液をメンブレンフィルター上に捕集し、高湿潤状態下、被検物に転写装置を使って転写した後、寒天培地入りシャーレに入れて20℃、70%RH以上という条件で1〜4時間保存し、標準布上の生菌数との差を菌減少値として算出することで、低湿潤状態下での抗菌加工繊維製品の評価を行うことができる。
特許第3440192号公報
既に説明したように、感染経路として大きなウェイトを占める接触感染は、罹患者との直接接触を除けば、ドアノブ、手すり、ベッド周りなど(以下、説明の便宜上、単に「ドアノブ等」という。)を介して、間接的に行われる。ドアノブ等は、材料表面が低湿潤状態乃至乾燥状態であるため、抗菌物質の効果が発揮され難い状態である反面、菌にとって厳しいものであり、菌の数は右肩下がりに減少し易いと推察される。
これに対して、特許文献1に記載の評価法やJIS Z 2801に規定の評価法は、液体を吸収しない疎水性表面を有する材料等からなる試験片上に試験菌液を滴下した後、試験菌液の蒸発等に起因する細菌の死滅や減少を防ぐため、被覆フィルムを載せて材料表面が高湿潤状態を維持するようにしている。
高湿潤状態は、抗菌物質の効果が発揮され易い状態である反面、菌が増殖し易いと推察される。つまり、特許文献1に記載の評価法やJIS Z 2801に規定の評価法は、高湿潤状態下で右肩上がりに増殖している菌をどの程度抑制することができるか、ということを評価していることになる。
従って、これらの評価法は、実際に使用される環境状態、すなわち、材料表面が低湿潤状態乃至乾燥状態と乖離した状態における抗菌性能を評価していることになる。さらに、これらの評価法は、被検物が平滑面の場合には適用できるが、例えば屈曲面や球面などの場合には、菌液を滴下する際に流れ落ちてしまい、また被覆フィルムが密着できず剥がれてしまうため、屈曲面や球面などに適用するのは困難である。
また、JIS L 1902に規定の評価法によれば、材料表面が低湿潤状態下における抗菌加工繊維製品の評価を行うことは可能である。しかしながら、液体を吸収しない疎水性表面を有する材料に対しては、試験菌液がはじかれてしまうため、被検物への細菌の転写が困難となる。そのため、抗菌性能を評価することができない。つまり、実際に使用される環境に近い状態を模擬して評価することができない。
また、例えば、医療施設のドアノブや手すり、ベッド周りなどは患者や患者と接触した医療従事者が頻繁に接触する場所であり、手指から分泌される汗や皮脂の付着が起こる。皮脂成分は、菌の付着性、菌の増殖に影響を与える一方で、抗菌性にも影響を与える要因となり得る。しかし、前記したいずれの評価法も被検物に付着する皮脂成分の影響をまったく考慮していない。従って、いずれの評価法も、この点でも実際に使用される環境状態と乖離した状態を評価していることになる。
前記したように、抗菌物質を使用した製品を使用するためには、抗菌性能を評価する必要があるが、実際に使用される環境に近い状態を模擬して評価できる適当な評価法がないのが現状である。
本発明は前記状況に鑑みてなされたものであり、材料表面の低湿潤状態や皮脂成分の付着など、実際に使用される環境に近い状態を模擬して評価することが可能な菌測定方法、抗菌性及び/又は菌減少性評価方法、及び保持材を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、トリグリセリド、不飽和脂肪酸、脂肪酸エステル、スクワレン、脂肪族炭化水素、コレステロール、コレステロールエステルから選択される一又は二以上を含有する皮脂成分と、特定の菌を含有する試験液と、を基材に含ませてなる保持材を、被検物と接触させる接触工程と、前記被検物に付着した前記特定の菌の数又は数に相関する指標の測定を行う測定工程と、を含むことを特徴とする菌測定方法である。
なお、特定の菌数に相関する指標は、細胞内に存在するATP量又は菌由来の遺伝子量を測定対象としたが、これに限らず、他の菌量評価値を用いてもよい。
このような構成とすれば、前記した保持材から皮脂成分と菌を含有する試験液とを低湿潤状態で被検物に移行させることが可能となる。そのため、実際に使用される環境に近い状態、つまり、皮脂成分の付着及び低湿潤状態下で菌を評価することができる。
本発明においては、前記測定工程は、生菌数測定法、ATP測定法及び遺伝子定量法のうちの少なくとも一つで前記特定の菌の数又は数に相関する指標の測定を行うのが好ましい。
このような構成とすれば、菌の数又は数に相関する指標の測定を適切に行うことができる。
請求項2に係る発明は、抗菌性及び/又は菌減少性を評価する抗菌性及び/又は菌減少性評価方法であって、トリグリセリド、不飽和脂肪酸、脂肪酸エステル、スクワレン、脂肪族炭化水素、コレステロール、コレステロールエステルから選択される一又は二以上を含有する皮脂成分と、特定の菌を含有する試験液と、を基材に含ませてなる保持材を、抗菌性が付与されていない第1の被検物及び抗菌性が付与された第2の被検物のそれぞれに、個別に接触させる接触工程と、前記第1の被検物及び前記第2の被検物に付着した前記特定の菌の数又は数に相関する指標の測定を行う測定工程と、前記測定工程で測定された結果から前記第2の被検物の抗菌性及び/又は菌減少性を評価する評価工程と、を含み、前記指標は、ATP量又は遺伝子量であり、前記測定工程では、前記第1の被検物に前記保持材を接触させた直後に前記特定の菌の数又は数に相関する指標の測定を行って、その結果をMaとし、前記第1の被検物に前記保持材を接触させた後、当該被検物を所定温度で所定時間保管した後に前記特定の菌の数又は数に相関する指標の測定を行って、その結果をMbとし、前記第2の被検物に前記保持材を接触させた直後に前記特定の菌の数又は数に相関する指標の測定を行って、その結果をMcとし、前記第2の被検物に前記保持材を接触させた後、当該被検物を所定温度で所定時間保管した後に前記特定の菌の数又は数に相関する指標の測定を行って、その結果をMdとしたとき、前記評価工程で、(Mc−Md)−(Ma−Mb)、Ma−Md及びMb−Mdのうちの少なくとも一つの式を用いて前記第2の被検物の抗菌性及び/又は菌減少性を評価することを特徴とする抗菌性及び/又は菌減少性評価方法である。
このような構成とすれば、実際に使用される環境に近い状態、つまり、皮脂成分の付着及び低湿潤状態下で菌を評価することができるとともに、被検物の抗菌性及び/又は菌減少性を示す客観的な指標を得ることができる。そのため、抗菌性及び/又は菌減少性の絶対評価及び相対評価が可能となる。
請求項3に係る発明においては、前記基材は、前記第1の被検物及び前記第2の被検物に重なる部分がなく密着して貼りつけることができる形状であるのが好ましい。
このような構成とすれば、第1及び第2の被検物の形状に関わらず、異なる形状の被検物を同時に評価して、比較することができる。さらに、被検物が平滑面以外の例えば屈曲面や球面などの場合にも、前記形状の基材に皮脂成分及び特定の菌を含有する試験液を含ませてなる保持材を接触させることによって、被検物の抗菌性及び/又は菌減少性を示す客観的な指標を得ることができる。また、基材と第1及び第2の被検物との間で接触しない部分が生じないため、より正確に抗菌性及び/又は菌減少性の評価をすることができる。
請求項4に係る発明は、請求項1に係る菌測定方法、又は請求項2若しくは請求項3に係る抗菌性及び/又は菌減少性評価方法に用いる保持材であって、トリグリセリド、不飽和脂肪酸、脂肪酸エステル、スクワレン、脂肪族炭化水素、コレステロール、コレステロールエステルから選択される一又は二以上を含有する皮脂成分を含む基材と、前記基材に含浸させた試験液と、を有する保持材であって、前記基材は、被検物に重なる部分がなく密着して貼りつけることができる形状であり、前記試験液は、特定の菌を含有することを特徴とする保持材である。
このような構成の保持材を被検物に貼り付けると、皮脂成分と試験液とを同時に被検物に移行させることができる。
本発明においては、前記皮脂成分の含有量が0.05〜5.0mg/cm2であるのが好ましく、前記試験液の含有量が10〜40μL/cm2であるのが好ましい。
このような構成とすれば、より確実に、低湿潤状態で皮脂成分と試験液とを被検物に移行させることができるようになる。
また、本発明においては、皮脂成分を含有する溶剤を基材に含浸させる溶剤含浸工程と、前記基材から前記溶剤を除去する溶剤除去工程と、前記溶剤を除去した基材に、特定の菌を含有する試験液を含浸させる試験液含浸工程と、を含むことを特徴とする保持材製造方法である。
このような構成とすれば、前記した保持材を確実に製造することができる。
本発明によれば、実際に使用される環境に近い状態を模擬して評価することが可能な菌測定方法、抗菌性及び/又は菌減少性評価方法、及び保持材を提供することができる。
本実施形態に係る保持材の構成を示す概念図である。 (a)〜(d)は、本実施形態に係る保持材を被検物に貼り付ける様子を説明する斜視図である。 (a)、(b)は、本実施形態に係る保持材を被検物に貼り付ける様子を説明する斜視図である。 (a)、(b)は、本実施形態に係る保持材を被検物に貼り付ける様子を説明する斜視図である。 本実施形態に係る保持材製造方法の内容を説明するフローチャートである。 本実施形態に係る菌測定方法の内容を説明するフローチャートである。 (a)〜(c)は、保持材と被検物を接触させる態様を説明する概念図である。 本実施形態に係る抗菌性及び/又は菌減少性評価方法内容を説明するフローチャートである。 実施例1と比較例1の試験片当たりの生菌数を示すグラフである。縦軸は生菌数(対数値)を示す。 実施例2の試験片当たりの生菌数の経時変化を示すグラフである。横軸は保存時間(h)を示し、縦軸は生菌数(対数値)を示す。 比較例2の試験片当たりの生菌数の経時変化を示すグラフである。横軸は保存時間(h)を示し、縦軸は生菌数(対数値)を示す。
以下、適宜図面を参照して本発明に係る菌測定方法、抗菌性及び/又は菌減少性評価方法、及び保持材を実施するための形態(実施形態)について詳細に説明する。
なお、本発明では、「抗菌」とは、細菌の増殖を抑制する状態と定義し、「抗菌性」とは、細菌の増殖を抑制する性質と定義して、発明の詳細を述べる。
本実施形態に係る菌測定方法、及び抗菌性及び/又は菌減少性評価方法を説明する前に、説明の便宜上、これらに用いる保持材の一実施形態について説明する。
[保持材]
図1に示すように、本実施形態に係る保持材1は、皮脂成分2を含む基材3と、基材3に含浸させた試験液4と、を有する。そして、この基材3は、被検物に重なる部分がなく密着して貼りつけることができる形状であり、この試験液4は、特定の菌を含有している。
かかる保持材1を被検物と接触させると、保持材1に含有されている皮脂成分2と試験液4を同時に被検物へ移行させることができる。前記したように、皮脂成分2は、菌の付着性、菌の増殖に影響を与える一方で、抗菌性にも影響を与える要因となり得る。従って、皮脂成分2と試験液4を同時に被検物へ移行させることによって、実際に使用される環境に近い状態を模擬することができる。
特に、皮脂成分2が複数種の成分を含有している場合には、被検物との親和性が高い成分ほどより多く移行し、残存することになる。そのため、より実際に使用される環境に近い状態を模擬することができる。なお、基材3に皮脂成分2を染み込ませただけでは、皮脂成分2の被検物への移行は殆ど起こらないおそれがある。また、基材3に試験液4を染み込ませただけでは、金属、樹脂、セラミックなど(以下、単に「金属等」ということもある。)の疎水性表面を有する被検物の表面で試験液4がはじかれて均一に広がらないおそれがある。
皮脂成分2は、例えば、トリグリセリド、不飽和脂肪酸、脂肪酸エステル、スクワレン、脂肪族炭化水素、コレステロール、コレステロールエステルなどから選択される一又は二以上を含有したものを用いることができる。なお、皮脂成分2に含有される成分はこれらに限定されるものではなく、ヒトの接触によって被検物に移行し得るものであれば、前記した成分以外の成分を含有させることができる。皮脂成分2が複数種の成分を含有していると、被検物との親和性が高い成分ほどより多く被検物へ移行し、残存することになる。従って、複数種の成分を含有する皮脂成分2を使用すると、実際に使用される環境により近い状態を模擬することが可能となる。また、このようにすると、被検物ごとに人の接触により移行する皮脂成分の種類と量を調べ、それぞれを付着させた被検物を調製する必要がないので、そのための手間と労力を省くことができる。なお、皮脂成分2は、ヒトの皮脂成分を分析し、その分析結果を基に再現すると、実際に使用される環境にさらに近い状態を模擬することができるので好ましい。
被検物の材質などによって、ヒトから移行する皮脂成分の種類や量が異なる場合がある。被検物に応じて皮脂成分2の含有量を変更することで、ヒトから移行する皮脂成分の種類や量を異ならしめることも可能である。このようにしても、より実際に使用される環境に近い状態を模擬することが可能である。
皮脂成分2の含有量は、例えば、0.05〜5.0mg/cm2とすることができる。皮脂成分2の含有量がこの数値範囲内にあると、実際に使用される環境に近い状態を模擬することができる。
皮脂成分2の含有量が0.05mg/cm2よりも少ないと、金属等の疎水性表面を有する被検物の場合に、試験液4がはじかれて均一に広がらないおそれがある。他方、皮脂成分2の含有量が5.0mg/cm2よりも多いと、皮脂成分2の被検物への移行量が多くなりすぎる結果、実際に使用される環境状態と乖離した状態となってしまうおそれがある。
特定の菌とは、後記する菌測定方法においては、測定することを目的として予め選定された菌のうちの少なくとも一方をいい、後記する抗菌性及び/又は菌減少性評価方法においては、抗菌性及び/又は菌減少性を評価することを目的として予め選定された菌のうちの少なくとも一方をいう。特定の菌は、ヒト、ウシ、ブタ、イヌ、ネコなどの哺乳類に疾患を引き起こす病原体となることが多い。特定の菌としては、細菌及び真菌が挙げられる。細菌としては、例えば、大腸菌、大腸菌O−157、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、腸炎ビブリオ、サルモネラ、セレウス菌、ウェルシュ菌、カンピロバクター菌、リステリア菌、エルシニア菌、エロモナス菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)、多剤耐性緑膿菌(MDRP)、緑膿菌、セパシア菌、セラチア菌、クロストリジウム菌、アシネトバクター菌、ヘリコバクター菌、レジオネラ菌、レンサ球菌、ブレバンディモナス属に属する菌、腸球菌、枯草菌、耐熱性好酸性菌、ジンジバリス菌、ストレプトコッカス菌、アクネ菌、マラセチア菌、トリコフィトン菌、白癬菌、表皮ブドウ球菌、メチロバクテリウムなどが挙げられる。また、真菌としては、例えば、クロカビ、黒色酵母、エクソフィアラ、クロコウジカビ、アオカビ、ケタマカビ、カンジダ、サッカロミセス、赤色酵母、耐浸透圧性酵母などが挙げられる。なお、特定の菌はこれらに限定されるものではなく、接触感染によって感染し得るものであればどのようなものも対象となる。また、例えば、菌が完全に同定されていなくても、性状、形態、遺伝子情報などで特定できれば、対象菌とすることができる。特定の菌は、前記した選択肢から適宜に選択される一種類のみを用いることができるが、二種以上を適宜に組み合わせて用いることもできる。二種以上を適宜に組み合わせた場合、菌の複合的な挙動を把握することが可能になる。
特定の菌は、American Type Culture Collection(ATCC)、World Federation for Culture Collections(WFCC)、日本微生物資源学会(JSCC)、NITE生物遺伝資源部門(NBRC)、理化学研究所バイオリソースセンター微生物材料開発室(JCM)、農業生物資源研究所ジーンバンク微生物遺伝資源部門(NIAS−MAFF)、国立環境研究所微生物系統保存施設(NIES)、NITE特許微生物寄託センター(NPMD)などから入手することができる。また、環境中から単離した菌を用いることもできる。
試験液4は、前記した特定の菌を含有している。
特定の菌として細菌及び/又は真菌を用いる場合は、細菌及び/又は真菌を前培養し、低濃度培地(菌液調製溶液)で希釈して105〜109個/mLに調製したものを用いるのが好ましいが、菌の種類によって変更できる。細菌を培養する培地としては、ニュートリエント培地、ニュートリエント寒天培地、普通寒天培地、普通ブイヨン培地などが挙げられる。また、真菌を培養する培地としては、麦芽エキス寒天培地、サブロー寒天培地などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
前培養条件としては、ニュートリエント寒天培地(37℃、24〜48時間)、ニュートリエント培地(37℃、18〜24時間)、ニュートリエント培地(37℃、2〜4時間)の順で培養したり、普通寒天培地(35℃、16〜24時間)、普通寒天培地(35℃、16〜20時間)の順で培養したり、ニュートリエント寒天培地(37℃、16〜24時間)、ニュートリエント寒天培地(37℃、16〜20時間)の順で培養したりすることができるが、これらに限定されるものではない。
菌液調製液としては、1/20〜1/200濃度のニュートリエント培地、1/20〜1/500濃度の普通ブイヨン培地などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
基材3に含有させる試験液4の含有量は、基材3の保持力(保水力)に大きく左右される。試験液4は、基材3の保持力が高いほど多くの量を含有させることができる。試験液4は、保持材1を垂直な面に貼り付けたときに流れ落ちない量を上限とすることができる。これは、菌液が流れ落ちると移行量が変動し、正確な評価ができなくなることを考慮したものである。
試験液4の含有量は、例えば、10〜40μL/cm2とすることができる。試験液4の含有量がこの範囲内であれば、高湿潤状態となり難いので、実際に使用される環境に近い状態(低湿潤状態)を模擬することができる。試験液4の含有量が10μL/cm2よりも低くなると、被検物への菌の移行が困難になるおそれがある。他方、試験液4の含有量が40μL/cm2よりも高くなると、高湿潤状態になり易く、実際に使用される環境状態と乖離した状態となってしまうおそれがある。
なお、試験液4の含有量は、用いる菌に応じて適宜変更することができる。例えば、乾燥に強いMRSAや黄色ブドウ球菌などは15〜20μL/cm2とするのが好ましく、乾燥に弱い緑膿菌や大腸菌などは、30〜35μL/cm2とするのが好ましい。
また、試験液4の含有量は、前記数値範囲内において、基材3に含ませる前に測定した菌の濁度や単位数量当たりの菌数に基づいて適宜に調整するとよい。このようにすると、保持材1に含まれる菌数のばらつきが少なくなり、サンプル間の比較が容易となる。
基材3は、皮脂成分2と試験液4を含むことができるものであればよく、柔軟性のあるものが好ましい。このような基材3としては、例えば、ろ紙、布、不織布、メンブレンフィルターなどが挙げられる。このような基材3を用いているので、保持材1は、皮脂成分2と試験液4を保持できるだけでなく、被検物の形状に追従させて貼り付けることも可能となる。本発明は、所定量の皮脂成分2と所定量の試験液4を含む、面積が定まった柔軟性のある保持材1を用いることによって、単位面積当たりの皮脂量及び菌量が定まるとともに、金属、樹脂、セラミックなどの疎水性表面を有する被検物が平滑面であっても、屈曲面や球面であっても貼り付けることができ、塗布面全体に(被検物の表面全体に)皮脂成分2と試験液4を移行させることができる。従って、例えば、図2〜4に示す例は従来では困難であったが、本発明では保持材1を被検物に貼り付け、評価することができる。具体的には以下のとおりである。
図2(a)は、被検物として、面積の大きい樹脂製のオーバーテーブル5aを例示しており、(b)は、被検物として、面積の小さい金属板5bを例示しており、(c)は、被検物として、直径の大きい樹脂製の円柱状の手すり5cを例示しており、(d)は、被検物として、直径の小さい金属製の円柱状のドアノブ5dを例示しており、それらにそれぞれ保持材1を貼り付けている。なお、図2(a)及び(b)では、保持材1を円形としており、(c)及び(d)では、保持材1を矩形としている。また、(a)及び(c)と、(b)及び(d)はそれぞれの保持材1の面積が同一である。
図2(a)及び(b)と、(c)及び(d)のように保持材1の形状が同じで面積が異なる場合であっても、保持材1に含有する単位面積当たりの皮脂量及び菌量を同一にすることができるため、被検物も単位面積当たりの値として比較することができる。また、(a)及び(c)と、(b)及び(d)のように、保持材1の面積が同じで形状が異なる場合であっても、同じように貼り付けることができるため、被検物当たりや被検物単位面積当たりの値として比較することができる。さらに、(a)及び(d)や、(b)及び(c)のように保持材1の面積及び形状が異なる場合であっても、同じように貼り付けることができ、被検物の単位面積当たりの値として比較することができる。
また、図3(a)は、被検物として、複雑な形状の受話器5eを例示しており、(b)は、被検物として、球面を有する球体5fを例示している。図3(a)に示すように、保持材1は、音声を拾うマイク部分を切り取って略D字形状とし、受話器5eに貼り付けることができる。また、図3(b)に示すように、保持材1は、球体5fに貼り付けたときに球面と接しない部分が生じないよう、保持材1の中心近傍から四隅にかけて保持材1の一部を切り取って貼り付けることができる。これらのようにすると、被検物と接触しない部分を無くすことができ、保持材1の全体を被検物の表面に確実に接触させて皮脂成分2と試験液4を確実に移行することができる。そのため、より正確に菌の測定を行うことが可能となる。さらに、保持材1に含有する単位面積当たりの皮脂量及び菌量を同一にすることができるため、受話器5eと球体5fを単位面積当たりの値として比較することもできる。
また、樹脂製の円柱形状の手すりの一部(直径大)及び金属製の円柱形状のドアノブの一部(直径小)を比較する場合には、同一面積で形状の異なる保持材1を用いることができる。手すりに合わせた保持材1をより直径の小さいドアノブに適用すると、一周以上の貼り付けとなり、重なり部分が生じるおそれがあるため、長手方向を長くする。さらに、2枚に分けて貼り付けてもよい。このようにすることによって、直径や材質が異なる円柱形状の手すりと、ドアノブの比較が可能となる。
以上に説明した本実施形態に係る保持材1によれば、基材3に皮脂成分2と、特定の菌を含有する試験液4とを含んでいるので、実際に使用される環境に近い状態を模擬することができる。
そのため、従来行われてきたような、被検物に試験液を滴下してコンラージ棒などで塗り広げる態様では抗菌性の評価が困難とされてきた被検物、具体的には、金属等の疎水性表面を有する被検物や、表面が繊維のような、親水性や吸水性の高い被検物に対しても、実際に使用される環境に近い状態を模擬して評価することが可能となる。
[保持材製造方法]
次に、図5を参照して、前記した保持材1を製造する保持材製造方法の一実施形態について説明する。
図5に示すように、本実施形態に係る保持材製造方法は、溶剤含浸工程S12と、溶剤除去工程S13と、試験液含浸工程S15と、を含んでおり、少なくともこれらの工程をこの順序で行う。
(溶剤含浸工程)
溶剤含浸工程S12は、皮脂成分2を含有する溶剤(図示せず)を基材3に含浸させる工程である。
皮脂成分2については既に詳述しているので、ここでの説明は省略する。皮脂成分2には疎水性の有機化合物が含まれている。従って、皮脂成分2を基材3に含浸させる場合、任意の溶剤に溶かし込んだ人工皮脂溶液を用いるのが好ましい。このようにすると、皮脂成分2を基材3に均一に含有させることができる。任意の溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、アセトンなどの有機溶剤及び水又はこれらの混合液が挙げられる。後記する溶剤除去工程S13での溶剤の除去効率を考慮すると、容易に揮発して水よりも除去が簡単な有機溶剤を用いるのが好ましい。
基材3への、皮脂成分2を含有する溶剤の含浸は、保持材1から被検物の表面への移行に必要な所定量の皮脂成分2を含む液量の浸漬、塗布、滴下、噴霧、スプレーなどにより行うことができる。
基材3の形状は、皮脂成分2を含浸させる前に、予め所定の大きさ及び形状に成形しておくのが好ましい。
また、皮脂成分2や溶剤は、フィルターろ過等により滅菌しておくのが好ましく、基材3もオートクレーブ等により滅菌しておくのが好ましい。
(溶剤除去工程)
溶剤除去工程S13は、基材3から溶剤を除去する工程である。
皮脂成分2を溶かし込む溶剤、特に、有機溶剤は、試験液4に含有されている菌に悪影響を与えることが多い。試験液4に含有される菌は、生きた状態で被検物に移行させる必要があることから、有機溶剤と菌を接触させないようにするのが好ましい。そのため、特に有機溶剤は、試験液4を含浸させる前に基材3から除去するのが好ましい。
溶剤の除去は、例えば、減圧乾燥、自然乾燥、凍結乾燥、熱風乾燥などにより好適に行うことができる。
(試験液含浸工程)
試験液含浸工程S15は、特定の菌を含有する試験液4を、溶剤を除去した基材3に、含浸させる工程である。
試験液4については既に詳述しているので、ここでの説明は省略する。基材3への試験液4の含浸は、クリーンベンチなどを使用して雑菌の混入を防止した状態で行うのが好ましい。また、基材3への試験液4の含浸は、滅菌済みのチップを取り付けたピペッターを使用し、所定容量滴下させて行うと、操作が簡便且つ雑菌の混入を防止することができるので好ましい。
保持材1を使用する度に、溶剤含浸工程S12と、溶剤除去工程S13と、試験液含浸工程S15とを行って、逐次、保持材1を製造することもできるが、操作が煩雑となってしまう。そのため、溶剤含浸工程S12と、溶剤除去工程S13とを行い、基材3に皮脂成分2のみを含浸させたプレ保持材(図示せず)を作製し、無菌状態で保存しておくとよい。このようにすると、ユーザは、使用時にプレ保持材を取り出して試験液4を含浸させる(試験液含浸工程S15)だけで、容易に保持材1を得ることができる。プレ保持材の保存方法は、個別に無菌包装しておくこともできるが、複数個をまとめて無菌包装しておくこともできる。
また、試験液含浸工程S15まで行った保持材1は、数時間乃至2週間程度の短時間であれば4℃で保存することも可能であり、それ以上の保存期間の場合には−20℃乃至−80℃で保存しておくことも可能である。このようにすると、ユーザは、保持材1の使用時に冷蔵庫又は冷凍庫に保存しておいた保持材1を常温に戻すだけでその後の操作を容易に行うことが可能となる。
本実施形態に係る保持材製造方法は、溶剤含浸工程S12と、溶剤除去工程S13と、試験液含浸工程S15とを、この順序で行えばよいが、溶剤含浸工程S12の前、溶剤除去工程S13と試験液含浸工程S15との間、及び試験液含浸工程S15の後に、必要に応じて適宜の工程を行うこともできる。
溶剤含浸工程S12の前に行う工程としては、例えば、前記したように、基材3の形状を予め所定の大きさ及び形状に成形しておく基材成形工程S11が挙げられる。
溶剤除去工程S13と試験液含浸工程S15との間に行う工程としては、例えば、前記したように、皮脂成分2を含有させ、溶剤を除去したプレ保持材を無菌状態で保存しておくプレ保持材保存工程S14が挙げられる。
そして、試験液含浸工程S15の後に行う工程としては、例えば、前記したように、皮脂成分2と試験液4を含浸させた保持材1を冷蔵又は冷凍して保存しておく保持材保存工程S16が挙げられる。
[菌測定方法]
次に、図6を参照して、本実施形態に係る菌測定方法について説明する。
図6に示すように、本実施形態に係る菌測定方法は、接触工程S21と、測定工程S22と、を含んでおり、少なくともこれらの工程をこの順序で行う。
(接触工程)
接触工程S21は、保持材1を被検物と接触させる工程である。保持材1と被検物を接触させる時間は例えば、30〜180秒などとすることができるが、これに限定されない。
当該接触工程S21で保持材1を被検物に接触させる場合、何ら圧力を加えることなく、単に保持材1を被検物に貼り付けるのみとすることもできるが、図7に示すようにして適度な圧力を加えることもできる。ヒトがドアノブ等を握ったり、オーバーテーブルに手を載せたりすると圧力が加わり、手のひらとドアノブ等との密着性が増すが、保持材1に圧力を加えれば、実際の使用状態を再現することができるので、より実環境に近い状態を模擬することが可能となる。また、保持材1が剥がれ易い形状及び/又は材質の被検物であっても、保持材1を確実に被検物と接触させることができ、菌を移行させることができる。
なお、図7(a)は、図2(c)に示した手すり5cと保持材1を、圧力を加えて接触させる一態様を示し、図7(b)は、図3(a)に示した受話器5eと保持材1を、圧力を加えて接触させる一態様を示し、図7(c)は、図2(c)に示した手すり5cと保持材1を、圧力を加えて接触させる他の態様を示している。
図7(a)及び(b)に示すように、手すり5cや受話器5eに圧力を加えるにあたって、ウレタンフォームなどの低反発素材6を備えたシート状治具7を用いるのが好ましい。シート状治具7に備えられた低反発素材6を保持材1に当ててシート状治具7の両端を引っ張ると、低反発素材6によって保持材1全体を万遍なく均一に圧力を加えることができる。また、被検物の形状が予め決まっている場合は、図7(c)に示すように、手すり5cの形状と合致する形状を有する押当材8を用いることもできる。押当材8を押圧することにより、保持材1全体を万遍なく均一に圧力を加えることができる。なお、保持材1と対向する面の裏面を平らにしておくと、所定重量の重りを載せることができ、画一的な試験等が可能となるので好ましい。重りは、例えば、300グラム(g)などとすることができるが、任意に変更可能である。
(測定工程)
測定工程S22は、被検物に付着した特定の菌の数又は数に相関する指標の測定を行う工程である。なお、この指標は、ATP量又は遺伝子量である。
測定工程S22では、生菌数測定法、ATP測定法及び遺伝子定量法のうちの少なくとも一つで特定の菌の数又は数に相関する指標の測定を行うのが好ましい。これらの測定法によれば特定の菌の数又は数に相関する指標を正確に得ることができる。また、これらの測定法を複数併用すると正確性が増すので好ましい。
ここで、生菌数測定法は、試料中にある生きた菌の数を測定する方法である。生菌数測定法は、対象となる試料から菌を取り出し、培養してコロニーの数などを数えて、もとの試料の中の菌数を測定する方法である。本実施形態においては、滅菌した所定量の液体培地(例えば、SCDLP培地)や生理食塩水などで、保持材1が接触した被検物の表面全体を洗い出し、任意の寒天培地などに接種してコロニー数を測定するとよい(寒天平板法、寒天平板混釈法、寒天平板表面塗沫法)。生菌数測定法は、細菌や真菌が測定対象である場合に好適である。なお、生菌数測定法としては、前記した以外にも、メンブレンフィルター法、最確数法(MPN法)、フローサイトメトリー法、蛍光抗体法などが挙げられる。
ATP測定法とは、細胞内に存在するATP(アデノシン三リン酸)を、ルシフェラーゼなどを用いて発光させ、その発光量(Relative Light Unit;RLU)を測定する方法をいう。ATP測定法は、細胞内に存在するATP量を測定することから、細菌や真菌が測定対象である場合に好適である。ATP測定法は、市販されているATP測定キットで容易に実施できる。本実施形態においては、滅菌した所定量の液体培地や生理食塩水などで、保持材1が接触した被検物の表面全体を洗い出し、遠心分離等で濃縮したものに対してATP測定法を行うとよい。
遺伝子定量法とは、菌に含まれている特定の塩基配列からなる遺伝子の量を測定する方法をいう。遺伝子はDNAからなるものでもよいし、RNAからなるものでもよい。遺伝子定量法としては、例えば、定量的リアルタイムPCR(Polymerase Chain Reaction)法、LAMP(Loop-Mediated Isothermal Amplification)法、競合的PCR法、細胞内遺伝子増幅法、FISH(Fluorescence in situ Hybridization)法、活性染色法、T−RFLP(Terminal Restriction Fragment Length Polymorphism)法などが挙げられる。本実施形態の場合、滅菌した所定量の液体培地や生理食塩水などで、保持材1が接触した被検物の表面全体を洗い出し、任意の手法で菌のDNAやRNAを得た後、前記したいずれかの手法にて遺伝子量を測定するとよい。
なお、基材3を所定の形状に成形している場合は、生菌数、ATP量、遺伝子量を単位面積当たりの数値に換算すると、他の被検物との比較が容易である。
本実施形態に係る菌測定方法は、接触工程S21と、測定工程S22と、をこの順序で行えばよいが、接触工程S21と測定工程S22との間に、必要に応じて適宜の工程を行うこともできる。
接触工程S21と測定工程S22との間に行う工程としては、例えば、接触工程S21で保持材1と接触させた被検物を無菌条件下、一般的な環境である20〜28℃、40〜65%RHで任意の時間保存する保存工程(図示せず)を挙げることができる。なお、保存時間は、例えば、1〜48時間とすることができるが、これに限定されない。
ここで、被検物が光触媒を含む場合、光照射下での保存及び暗所下での保存を行い、比較することによって光触媒による抗菌効果及び/又は菌減少効果を比較することができる。光照射条件としては、紫外光応答型光触媒の場合には、紫外光下で放射照度0.001〜0.25mW/cm2とするのが好ましく、可視光応答型光触媒の場合には、可視光下で200〜1000ルクス(lx)とするのが好ましい。
なお、接触工程S21の直後に測定工程S22を行い、後記する評価工程S33によって評価することによって、被検物への菌の移行量を明らかにできるとともに、菌が付着し易い材質か否かを確認することも併せて評価することができる。
[抗菌性及び/又は菌減少性評価方法]
次に、図8を参照して、本実施形態に係る抗菌性及び/又は菌減少性評価方法(以下、単に「評価方法」ということもある。)について説明する。
図8に示すように、本実施形態に係る評価方法は、接触工程S31と、測定工程S32と、を行った後に評価工程S33を行う。
前記した接触工程S31及び測定工程S32は、既に説明した接触工程S21及び測定工程S22と同様であるが、本実施形態に係る評価方法を実施するにあたって、次のようにするのが好ましい。
(接触工程)
接触工程S31では、保持材1を抗菌性が付与されていない第1の被検物及び抗菌性が付与された第2の被検物のそれぞれに、個別に接触させる。
ここで、抗菌性の付与は、被検物の表面に抗菌物質を塗布、メッキ、コーティング、焼き付けしたり、材料中に配合したりすることで行うことができる。
抗菌物質としては、例えば、銀や銅、ニッケル、亜鉛などの抗菌金属、酸化チタンに代表される光触媒、白金、銅、銀、鉄などを修飾した光触媒、ピリジン系抗菌剤、ヒノキチオールなどの天然系抗菌剤を用いることができる。
(測定工程)
測定工程S32では、
〔1〕第1の被検物に保持材1を接触させた直後に菌の数又は数に相関する指標の測定を行って、その結果をMaとし、
〔2〕第1の被検物に保持材1を接触させた後、当該被検物を所定温度で所定時間保管した後に菌の数又は数に相関する指標の測定を行って、その結果をMbとし、
〔3〕第2の被検物に保持材1を接触させた直後に菌の数又は数に相関する指標の測定を行って、その結果をMcとし、
〔4〕第2の被検物に保持材1を接触させた後、当該被検物を所定温度で所定時間保管した後に菌の数又は数に相関する指標の測定を行って、その結果をMdとする。
前記したMa、Mb、Mc、Mdは、対数値とするとよい。生菌数の把握が容易となり、抗菌性の評価も容易となる。
前記した〔1〕及び〔3〕における直後とは、5分以内をいう。
前記した〔2〕及び〔4〕における所定温度としては、例えば、20〜28℃とすることができ、所定時間としては、例えば、1〜48時間とすることができる。また、湿度は、40〜65%RHとすることができる。なお、これらの温度、時間、湿度はこれらに限定されるものではなく、任意に変更可能である。
(評価工程)
そして、測定工程S32に続けて行う評価工程S34では、(Mc−Md)−(Ma−Mb)、Ma−Md及びMb−Mdのうちの少なくとも一つの式を用いて第2の被検物の抗菌性及び/又は菌減少性を評価する。このようにすると、第2の被検物の抗菌性及び/又は菌減少性を示す客観的な指標を得ることができる。そのため、抗菌性及び/又は菌減少性の絶対評価及び相対評価が可能となる。
次に、本発明の効果を確認した実施例について説明する。
[1]皮脂成分の有無による緑膿菌の定着状況について
はじめに、保持材に皮脂成分が含まれるか否かによって、緑膿菌の定着状況に差異が生じるか否か、次のようにして確認した。
(1)試験液(菌液)の調製
緑膿菌を普通寒天培地で35℃、20時間培養したものを1/20濃度の普通ブイヨン培地に懸濁し、菌液を調製した。なお、普通ブイヨン培地への接種濃度は108/mLとした。
(2)人工皮脂溶液の調製
成分割合が、オレイン酸41%、トリオレイン41%、スクアレン8%の成分割合となる皮脂成分をエタノールに溶解し、人工皮脂溶液を調製した。
(3)保持材の調製
φ50mmのろ紙に皮脂成分の含有量が2mg/cm2となるように塗布し、エタノールを揮発させた後、0.3mLの菌液を添加して保持材を調製した(実施例1)。
また、φ50mmのろ紙に0.3mLの菌液(低湿潤状態を実現する場合の液量)を添加して保持材を調製した(比較例1)。
(4)菌液と試験片の接触
試験片として、抗菌剤を使用していない樹脂製板を2枚用意し、それぞれの平滑面に実施例1に係る保持材及び比較例1に係る保持材を載せた。この状態で30秒間静置した後、それぞれの保持材を剥がして菌液及び皮脂成分を試験片に移行させた。
(5)生菌数測定
試験片に菌を移行させた直後に、SCDLP培地10mLを用いてピペットで洗い出し、それぞれ生菌数測定を行った。生菌数測定は、標準寒天培地を用いた混釈平板培養法(35℃、40〜48時間培養)で行った。その結果を図9に示す。
(6)考察
図9に示すように、実施例1に係る保持材は皮脂成分を含んでいるので、皮脂成分を含んでいない比較例1に係る保持材よりも、試験片当たりの生菌数が対数値で3桁多いことが確認された。つまり、保持材に皮脂成分が含まれるか否かによって、緑膿菌の定着状況に差異が生じることが確認された。低湿潤状態乃至乾燥状態では細菌数が減少する可能性が高く、被検物への定着が対数値で2桁と低い比較例1では、抗菌剤の有無による評価が困難である。
[2]本発明に係る方法と従来法による緑膿菌の経時変化について
次に、本発明に係る方法と従来法による緑膿菌の経時変化を確認した。
(1)実施例2の準備
普通ブイヨン培地への接種濃度を109/mLとした以外は、実施例1と同様にして保持材を調製した(実施例2)。
そして、この実施例2に係る保持材を、抗菌剤を使用していない樹脂製板の平滑面に載せ、30秒間静置した後に剥がして菌液及び皮脂成分を試験片に移行させた。
(2)実施例2の生菌数測定
菌を移行させた直後の試験片と、温度28℃、湿度50%RH、無菌状態下で3時間保存した後の試験片と、同条件で6時間保存した後の試験片と、について、それぞれSCDLP培地10mLを用いてピペットで洗い出し、それぞれ生菌数測定を行った。生菌数測定は、標準寒天培地を用いた混釈平板培養法(35℃、40〜48時間培養)で行った。その結果を図10に示す。
(3)比較例2について
比較例2として、従来法であるJIS Z 2801に規定の方法に準拠して緑膿菌の生菌数を測定した。つまり、この比較例では皮脂成分を用いない。なお、普通ブイヨン培地への接種濃度を105/mLとした。生菌数は試験片への移行直後、6時間後、24時間後に測定した。なお、生菌数は試験片1cm2当たりの値ではなく、試験片当たりの値とした。その結果を図11に示す。
(4)考察
図10に示すように、実施例2では、保存時間が長くなるにつれて緑膿菌の生菌数が減少していた。これに対し、比較例2では、図11に示すように、保存時間が長くなるにつれて緑膿菌の生菌数が増加していた。
低湿潤状態乃至乾燥状態である材料表面で細菌数が増加するようなことはほぼ有り得ず、細菌数は減少するはずであるから、保存時間が長くなるにつれて緑膿菌の生菌数が減少する実施例2は、実際に使用される環境に近い状態を模擬できていることが確認された。
対象品が抗菌物質を使用した抗菌性製品の場合、図10に示すグラフの傾きはより大きくなり、その傾きを評価することで、抗菌性の評価を行うことが可能である。
1 保持材
2 皮脂成分
3 基材
4 試験液
S12 溶剤含浸工程
S13 溶剤除去工程
S15 試験液含浸工程
S21 接触工程
S22 測定工程
S31 接触工程
S32 測定工程
S33 評価工程

Claims (4)

  1. トリグリセリド、不飽和脂肪酸、脂肪酸エステル、スクワレン、脂肪族炭化水素、コレステロール、コレステロールエステルから選択される一又は二以上を含有する皮脂成分と、特定の菌を含有する試験液と、を基材に含ませてなる保持材を、被検物と接触させる接触工程と、
    前記被検物に付着した前記特定の菌の数又は数に相関する指標の測定を行う測定工程と、を含み、
    前記指標は、ATP量又は遺伝子量である
    ことを特徴とする菌測定方法。
  2. 抗菌性及び/又は菌減少性を評価する抗菌性及び/又は菌減少性評価方法であって、
    トリグリセリド、不飽和脂肪酸、脂肪酸エステル、スクワレン、脂肪族炭化水素、コレステロール、コレステロールエステルから選択される一又は二以上を含有する皮脂成分と、特定の菌を含有する試験液と、を基材に含ませてなる保持材を、抗菌性が付与されていない第1の被検物及び抗菌性が付与された第2の被検物のそれぞれに、個別に接触させる接触工程と、
    前記第1の被検物及び前記第2の被検物に付着した前記特定の菌の数又は数に相関する指標の測定を行う測定工程と、
    前記測定工程で測定された結果から前記第2の被検物の抗菌性及び/又は菌減少性を評価する評価工程と、を含み、
    前記指標は、ATP量又は遺伝子量であり、
    前記測定工程では、
    前記第1の被検物に前記保持材を接触させた直後に前記特定の菌の数又は数に相関する指標の測定を行って、その結果をMaとし、
    前記第1の被検物に前記保持材を接触させた後、当該被検物を所定温度で所定時間保管した後に前記特定の菌の数又は数に相関する指標の測定を行って、その結果をMbとし、
    前記第2の被検物に前記保持材を接触させた直後に前記特定の菌の数又は数に相関する指標の測定を行って、その結果をMcとし、
    前記第2の被検物に前記保持材を接触させた後、当該被検物を所定温度で所定時間保管した後に前記特定の菌の数又は数に相関する指標の測定を行って、その結果をMdとしたとき、
    前記評価工程で、
    (Mc−Md)−(Ma−Mb)、Ma−Md及びMb−Mdのうちの少なくとも一つの式を用いて前記第2の被検物の抗菌性及び/又は菌減少性を評価する
    ことを特徴とする抗菌性及び/又は菌減少性評価方法。
  3. 前記基材は、前記第1の被検物及び前記第2の被検物に重なる部分がなく密着して貼りつけることができる形状であることを特徴とする請求項2に記載の抗菌性及び/又は菌減少性評価方法。
  4. 請求項1に係る菌測定方法、又は請求項2若しくは請求項3に係る抗菌性及び/又は菌減少性評価方法に用いる保持材であって、
    トリグリセリド、不飽和脂肪酸、脂肪酸エステル、スクワレン、脂肪族炭化水素、コレステロール、コレステロールエステルから選択される一又は二以上を含有する皮脂成分を含む基材と、前記基材に含浸させた試験液と、を有する保持材であって、
    前記基材は、被検物に重なる部分がなく密着して貼りつけることができる形状であり、
    前記試験液は、特定の菌を含有することを特徴とする保持材。
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