JP6153693B1 - 誘導装置及びカプセル型医療装置誘導システム - Google Patents

誘導装置及びカプセル型医療装置誘導システム Download PDF

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Abstract

誘導装置は、被検体内に導入され、内部に磁石を有するカプセル型医療装置を磁界によって誘導する誘導装置において、前記カプセル型医療装置を誘導するために、前記磁石に作用させる磁界を発生する磁界発生部と、前記磁界発生部が発生する前記磁界を遮蔽する磁界遮蔽部と、前記カプセル型医療装置の位置及び姿勢を誘導するための目標位置又は目標姿勢の少なくとも一方の入力を受け付ける操作入力部と、前記カプセル型医療装置を前記目標位置又は前記目標姿勢の少なくとも一方に誘導する際に、前記磁界遮蔽部が前記カプセル型医療装置の位置又は姿勢に与える影響を相殺又は低減するように補正した磁界を発生させるよう、前記磁界発生部を制御する制御部と、を備える。これにより、磁界遮蔽部を備えるカプセル型医療装置の誘導装置において、カプセル型医療装置を目標とする位置及び姿勢に誘導することができる誘導装置を提供する。

Description

本発明は、誘導装置及びカプセル型医療装置誘導システムに関する。
従来、被検体内に導入されて被検体内に関する種々の情報を取得する、或いは、被検体内に薬剤等を投与するといったカプセル型医療装置が開発されている。一例として、被検体の消化管内に導入可能な大きさに形成されたカプセル型内視鏡が知られている。
カプセル型内視鏡は、カプセル形状をなす筐体の内部に撮像機能及び無線通信機能を備えたものであり、被検体に嚥下された後、蠕動運動等によって消化管内を移動しながら撮像を行い、被検体の臓器内部の画像(以下、体内画像ともいう)の画像データを順次、無線送信する。無線送信された画像データは、被検体外に設けられた受信装置によって受信され、さらに、ワークステーション等の画像表示装置に取り込まれて所定の画像処理が施される。それにより、画像表示装置の画面に、被検体の体内画像を静止画表示又は動画表示することができる。
近年では、被検体内に導入されたカプセル型内視鏡を磁界によって誘導する誘導装置を備えた誘導システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。一般に、このような誘導システムにおいては、カプセル型内視鏡の内部に永久磁石を設ける一方、誘導装置に電磁石や永久磁石等の磁界発生部を設け、被検体の胃等の消化管内に水等の液体を導入してカプセル型内視鏡をこの液体に浮遊させた状態で、磁界発生部が発生する磁界により、被検体内部のカプセル型内視鏡を誘導する。この誘導システムに、カプセル型内視鏡が取得した画像データを受信して体内画像を表示する表示部を設けることにより、ユーザは、表示部に表示された体内画像を参照しつつ、誘導装置に設けられた操作入力部を用いてカプセル型内視鏡の誘導を操作することができる。
国際公開第2005/122866号
ところで、磁界発生部が発生する磁界が各種機器や医師等のユーザに与える影響を低減させるため、磁界発生部の周囲に強磁性体からなる磁界遮蔽部を配置する場合がある。このような誘導装置では、磁界発生部が磁界遮蔽部に近いほど、磁界発生部が発生する磁界に対して磁界遮蔽部が大きな影響を及ぼし、カプセル型内視鏡が目標とする位置及び姿勢からずれる場合があるという課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、磁界遮蔽部を備えるカプセル型医療装置の誘導装置において、カプセル型医療装置を目標とする位置及び姿勢に誘導することができる誘導装置及びカプセル型医療装置誘導システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る誘導装置は、被検体内に導入され、内部に磁石を有するカプセル型医療装置を磁界によって誘導する誘導装置において、前記カプセル型医療装置を誘導するために、前記磁石に作用させる磁界を発生する磁界発生部と、前記磁界発生部が発生する前記磁界を遮蔽する磁界遮蔽部と、前記カプセル型医療装置の位置及び姿勢を誘導するための目標位置又は目標姿勢の少なくとも一方の入力を受け付ける操作入力部と、前記カプセル型医療装置を前記目標位置又は前記目標姿勢の少なくとも一方に誘導する際に、前記磁界遮蔽部が前記カプセル型医療装置の位置又は姿勢に与える影響を相殺又は低減するように補正した磁界を発生させるよう、前記磁界発生部を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る誘導装置は、前記制御部は、前記カプセル型医療装置を前記目標位置に誘導する際に、前記磁界遮蔽部が前記カプセル型医療装置の位置又は姿勢に与える影響を相殺又は低減するように補正した磁界を発生させるよう、前記目標位置に対する前記磁界発生部の位置を変化させることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る誘導装置は、前記制御部は、前記カプセル型医療装置を前記目標位置に誘導する際に、前記目標位置を前記磁界遮蔽部に近づけるに従って、前記磁界発生部を前記磁界遮蔽部に向かって移動させる移動量を大きくすることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る誘導装置は、前記制御部は、前記カプセル型医療装置を前記目標位置に誘導する際に、前記目標位置を前記磁界遮蔽部に近づけるに従って、前記磁界発生部を重力方向と逆方向に向かって移動させる移動量を大きくすることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る誘導装置は、前記制御部は、前記カプセル型医療装置を前記目標位置に誘導する際に、前記磁界発生部を前記磁界遮蔽部に近づける場合には、前記磁界発生部を加速させるように移動させ、前記磁界発生部を前記磁界遮蔽部から遠ざける場合には、前記磁界発生部を減速させるように移動させることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る誘導装置は、前記制御部は、前記カプセル型医療装置を前記目標位置に誘導する際に、前記目標位置を重力方向に移動させるに従って、前記磁界発生部を前記磁界遮蔽部に向かって移動させる移動量を大きくすることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る誘導装置は、前記制御部は、前記カプセル型医療装置を前記目標位置に誘導する際に、前記目標位置を重力方向に移動させるに従って、前記磁界発生部を重力方向に移動させる移動量を小さくすることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る誘導装置は、前記制御部は、前記カプセル型医療装置を前記目標位置に誘導する際に、前記磁界遮蔽部が前記カプセル型医療装置の位置又は姿勢に与える影響を相殺又は低減するように補正した磁界を発生させるよう、前記カプセル型医療装置に対する前記磁界発生部の角度を変化させることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る誘導装置は、前記制御部は、前記カプセル型医療装置を前記目標位置に誘導する際に、前記目標位置を前記磁界遮蔽部に近づけるに従って、重力方向に直交する面に対する前記磁界発生部の磁極の方向の傾きを大きくすることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る誘導装置は、前記制御部は、前記カプセル型医療装置を前記目標位置に誘導する際に、前記目標位置を重力方向に移動させるに従って、重力方向に直交する面に対する前記磁界発生部の磁極の方向の傾きを大きくすることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る誘導装置は、前記制御部は、前記カプセル型医療装置を前記目標位置に誘導する際に、前記目標位置を前記磁界遮蔽部に近づけるに従って、前記磁界発生部の磁極の方向を、重力方向に直交する面内における前記磁界発生部に最も近接した前記磁界遮蔽部に向けていくことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る誘導装置は、前記制御部は、前記カプセル型医療装置を前記目標姿勢に誘導する際に、前記磁界遮蔽部が前記カプセル型医療装置の位置又は姿勢に与える影響を相殺又は低減するように補正した磁界を発生させるよう、前記カプセル型医療装置に対する前記磁界発生部の角度を変化させることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る誘導装置は、前記制御部は、前記カプセル型医療装置を前記目標姿勢に誘導する際に、重力方向に直交する面に対する前記磁界発生部の磁極の方向の傾きを大きくするに従って、前記磁界発生部の磁極の方向を、重力方向に直交する面内における前記磁界発生部に最も近接した前記磁界遮蔽部に向けていくことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る誘導装置は、前記制御部は、前記カプセル型医療装置を前記目標姿勢に誘導する際に、前記磁界遮蔽部が前記カプセル型医療装置の位置又は姿勢に与える影響を相殺又は低減するように補正した磁界を発生させるよう、前記目標位置に対する前記磁界発生部の位置を変化させることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る誘導装置は、前記制御部は、重力方向に直交する面内における前記カプセル型医療装置の長軸の方向を360度回転させるよう前記磁界発生部を制御する際に、重力方向に直交する面内において前記磁界発生部を所定の曲線状に2周移動させることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る誘導装置は、前記制御部は、前記カプセル型医療装置が前記目標姿勢になるように、前記磁界遮蔽部が前記カプセル型医療装置の位置又は姿勢に与える影響を相殺又は低減するように補正した磁界を発生させるよう、重力方向に直交する面内における前記磁界発生部に最も近接した前記磁界遮蔽部に向かう方向に対する前記磁界発生部の磁極の方向の角度を算出し、前記磁界発生部の磁極の方向が算出した前記角度と合致する場合に、前記カプセル型医療装置が前記目標位置に移動するように、前記磁界遮蔽部が前記カプセル型医療装置の位置又は姿勢に与える影響を相殺又は低減するように補正した磁界を発生させるよう、前記磁界発生部の位置を算出し、算出した前記角度及び前記位置に前記磁界発生部を移動させることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る誘導装置は、前記制御部は、前記カプセル型医療装置が前記目標姿勢になるように、前記磁界遮蔽部が前記カプセル型医療装置の位置又は姿勢に与える影響を相殺又は低減するように補正した磁界を発生させるよう、重力方向に直交する面に対する前記磁界発生部の磁極の方向の角度を算出し、前記磁界発生部の磁極の方向が算出した前記角度と合致する場合に、前記カプセル型医療装置が前記目標位置に移動するように、前記磁界遮蔽部が前記カプセル型医療装置の位置又は姿勢に与える影響を相殺又は低減するように補正した磁界を発生させるよう、前記磁界発生部の位置を算出し、算出した前記角度及び前記位置に前記磁界発生部を移動させることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る誘導装置は、前記磁界遮蔽部が与える影響により、前記カプセル型医療装置の位置及び姿勢がずれる量を記憶した記憶部を備えることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る誘導装置は、被検体内における前記カプセル型医療装置の位置及び姿勢を検出する位置及び姿勢検出部を備えることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る誘導装置は、前記磁界発生部は、永久磁石であることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る誘導装置は、前記磁界発生部は、電磁石であることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る誘導装置は、前記磁界遮蔽部は、強磁性体からなり、平板状をなすことを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るカプセル型医療装置誘導システムは、上記の誘導装置と、磁石が内部に配置されたカプセル型医療装置と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係るカプセル型医療装置誘導システムは、前記カプセル型医療装置は、被検体内に導入可能なカプセル型筐体と、前記カプセル型筐体に内包された永久磁石と、を備え、前記永久磁石は、当該カプセル型医療装置の重心と前記カプセル型筐体の幾何学的中心とが異なるように配置され、前記永久磁石の磁極の方向は、当該カプセル型医療装置の重心と前記カプセル型筐体の幾何学的中心とを結ぶ直線と異なる方向であることを特徴とする。
本発明によれば、磁界遮蔽部を備えるカプセル型医療装置の誘導装置において、カプセル型医療装置を目標とする位置及び姿勢に誘導することができる誘導装置及びカプセル型医療装置誘導システムを実現することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る誘導装置及びカプセル型医療装置誘導システムの一構成例を示す図である。 図2は、図1に示すカプセル型内視鏡の内部構造の一例を示す模式図である。 図3は、図1に示す誘導装置の外観の一構成例を示す模式図である。 図4は、図1に示す体外永久磁石の設置状態を説明するための模式図である。 図5は、記憶部のデータベースを利用して、強磁性体の位置及び姿勢を補正する方法の一例を示す図である。 図6は、図1に示すカプセル型医療装置誘導システムの動作を示すフローチャートである。 図7は、実施例1に係る誘導装置の体外永久磁石の制御方法を説明するための図である。 図8は、実施例2に係る誘導装置の体外永久磁石の制御方法を説明するための図である。 図9は、実施例2における目標位置及び姿勢入力部への入力と体外永久磁石の速度とカプセル型内視鏡の速度との関係を表す図である。 図10は、実施例2における目標位置及び姿勢入力部への入力と体外永久磁石の速度とカプセル型内視鏡の速度との関係を表す図である。 図11は、実施例3に係る誘導装置の体外永久磁石の制御方法を説明するための図である。 図12は、実施例4に係る誘導装置の体外永久磁石の制御方法を説明するための図である。 図13は、実施例5に係る誘導装置の体外永久磁石の制御方法を説明するための図である。 図14は、実施例6に係る誘導装置の体外永久磁石の制御方法を説明するための図である。 図15は、実施例7に係る誘導装置の体外永久磁石の制御方法を説明するための図である。 図16は、実施例8に係る誘導装置の体外永久磁石の制御方法を説明するための図である。 図17は、実施例9に係る誘導装置の体外永久磁石の制御方法を説明するための図である。 図18は、実施例9に係る誘導装置の体外永久磁石の制御方法を説明するための図である。 図19は、実施例10に係る誘導装置の体外永久磁石の制御方法を説明するための図である。 図20は、実施例11に係る誘導装置の体外永久磁石の制御方法を説明するための図である。 図21は、実施例12に係る誘導装置の体外永久磁石の制御方法を説明するための図である。
以下に、本発明の実施の形態に係る誘導装置及びカプセル型医療装置誘導システムについて、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明においては、本実施の形態に係るカプセル型医療装置誘導システムが誘導対象とするカプセル型医療装置の一形態として、被検体内に経口にて導入されて被検体の消化管内を撮像するカプセル型内視鏡を例示するが、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。即ち、本発明は、例えば被検体の食道から肛門にかけて管腔内を移動するカプセル型内視鏡や、被検体内に薬剤等を配送するカプセル型医療装置や、被検体内のpHを測定するpHセンサを備えるカプセル型医療装置など、カプセル型をなす種々の医療装置の誘導に適用することが可能である。
また、以下の説明において、各図は本発明の内容を理解でき得る程度に形状、大きさ、及び位置関係を概略的に示してあるに過ぎない。従って、本発明は各図で例示された形状、大きさ、及び位置関係のみに限定されるものではない。なお、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る誘導装置及びカプセル型医療装置誘導システムの一構成例を示す図である。図1に示すように、本実施の形態におけるカプセル型医療装置誘導システム1は、被検体の体腔内に導入されるカプセル型医療装置であって、内部に永久磁石が設けられたカプセル型内視鏡10と、磁界を発生して、被検体内に導入されたカプセル型内視鏡10を誘導する誘導装置20と、を備える。
カプセル型内視鏡10は、経口摂取等によって所定の液体とともに被検体の臓器内部に導入された後、消化管内部を移動して、最終的に、被検体の外部に排出される。カプセル型内視鏡10は、その間、被検体の胃等の臓器内部に導入された液体中を漂い、磁界によって誘導されつつ体内画像を順次撮像し、撮像によって取得した体内画像に対応する画像データを順次無線送信する。
図2は、図1に示すカプセル型内視鏡の内部構造の一例を示す模式図である。図2に示すように、カプセル型内視鏡10は、被検体の臓器内部に導入し易い大きさに形成された外装であるカプセル型筐体100と、被検体内を撮像した画像信号を出力する撮像部11と、撮像部11が出力した画像信号を処理するとともに、カプセル型内視鏡10の各構成部を制御する制御部15と、制御部15によって処理された画像信号をカプセル型内視鏡10の外部に無線送信する無線通信部16と、カプセル型内視鏡10の各構成部に電力を供給する電源部17と、誘導装置20による誘導を可能にするための永久磁石18と、当該カプセル型内視鏡10の位置検出に用いられる磁界である位置検出用磁界を発生する位置検出用磁界発生部19と、を備える。
カプセル型筐体100は、被検体の臓器内部に導入可能な大きさに形成された外装ケースであり、筒状筐体101とドーム状筐体102、103とを有し、筒状筐体101の両側開口端をドーム状筐体102、103によって塞ぐことによって構成される。筒状筐体101及びドーム状筐体103は、可視光に対して略不透明な有色の筐体である。また、ドーム状筐体102は、可視光等の所定波長帯域の光に対して透明なドーム形状の光学部材である。このようなカプセル型筐体100は、図2に示すように、撮像部11と、制御部15と、無線通信部16と、電源部17と、永久磁石18と、位置検出用磁界発生部19と、を液密に内包する。
撮像部11は、LED等の照明部12と、集光レンズ等の光学系13と、CMOSイメージセンサ又はCCD等の撮像素子14と、を有する。照明部12は、撮像素子14の撮像視野に白色光等の照明光を発光して、ドーム状筐体102越しに撮像視野内の被検体を照明する。光学系13は、この撮像視野からの反射光を撮像素子14の撮像面に集光して結像させる。撮像素子14は、撮像面において受光した撮像視野からの反射光を電気信号に変換し、画像信号として出力する。
制御部15は、撮像部11及び無線通信部16の各動作を制御するとともに、これらの各構成部間における信号の入出力を制御する。具体的には、制御部15は、照明部12が照明した撮像視野内の被検体を撮像素子14に撮像させ、撮像素子14から出力された画像信号に所定の信号処理を施す。さらに、制御部15は無線通信部16に、信号処理を施した上記画像信号を時系列に沿って順次無線送信させる。
無線通信部16は、撮像部11が出力した体内画像の画像信号を制御部15から取得し、該画像信号に対して変調処理等を施して無線信号を生成する。無線通信部16は、無線信号を送信するためのアンテナ16aを備え、このアンテナ16aを介して、生成した無線信号を無線送信する。
電源部17は、ボタン型電池やキャパシタ等の蓄電部であって、磁気スイッチや光スイッチ等のスイッチ部を有する。電源部17は、磁気スイッチを有する構成とした場合には、外部から印加された磁界によって電源のオンオフ状態を切り替える。電源部17は、オン状態の場合には蓄電部の電力をカプセル型内視鏡10の各構成部、即ち、撮像部11、制御部15、及び無線通信部16の各々に適宜供給する。また、電源部17は、オフ状態の場合にはカプセル型内視鏡10の各構成部への電力供給を停止する。
永久磁石18は、後述する磁界発生部25が発生した磁界によるカプセル型内視鏡10の誘導を可能にするためのものである。永久磁石18は、カプセル型内視鏡10の重心とカプセル型筐体100の幾何学的中心とが異なるように配置される。また、永久磁石18は、磁極の方向Ymが長軸Laに対して傾きを持つように、カプセル型筐体100の内部に固定配置される。すなわち、永久磁石18の磁極の方向は、カプセル型内視鏡10の重心とカプセル型筐体100の幾何学的中心とを結ぶ直線と異なる方向である。本実施の形態においては、永久磁石18を、磁極の方向Ymが長軸Laに対して直交するように配置している。永久磁石18は、外部から印加された磁界に追従して動作し、この結果、磁界発生部25によるカプセル型内視鏡10の誘導が実現する。
位置検出用磁界発生部19は、共振回路の一部をなし、電流が流れることにより磁界を発生するマーカコイル19aと、該マーカコイル19aとともに共振回路を形成するコンデンサ19bとを含み、電源部17からの電力供給を受けて所定の周波数の位置検出用磁界を発生する。
再び図1を参照すると、誘導装置20は、カプセル型内視鏡10との間で無線通信を行い、カプセル型内視鏡10から送信された画像信号を含む無線信号を受信する受信部21と、カプセル型内視鏡10の位置検出用磁界発生部19が発生した位置検出用磁界に基づいて、被検体内におけるカプセル型内視鏡10の位置及び姿勢を検出する位置及び姿勢検出部22と、受信部21が受信した無線信号から画像信号を取得し、該画像信号に所定の信号処理を施して体内画像を表示するとともに、被検体内におけるカプセル型内視鏡10の位置及び姿勢等の情報を表示する表示部23と、カプセル型医療装置誘導システム1における各種操作を指示する情報等の入力を受け付ける操作入力部24と、カプセル型内視鏡10を誘導するための磁界を発生する磁界発生部25と、これらの各部を制御する制御部26と、体内画像の画像データ等を記憶する記憶部27と、を備える。
図3は、図1に示す誘導装置の外観の一構成例を示す模式図である。図3に示すように、誘導装置20には、被検体2が載置される載置台として、ベッド20aが設けられている。このベッド20aの下部に、少なくとも、磁界を発生する磁界発生部25と、位置検出用磁界発生部19が発生した位置検出用磁界を検出する複数のセンスコイル22aとが配置される。なお、検出対象空間Rとして、被検体2内でカプセル型内視鏡10が移動可能な範囲(即ち、観察対象の臓器の範囲)を含む3次元的な閉じた領域が予め設定されている。
受信部21は、複数の受信アンテナ21aを備え、これらの受信アンテナ21aを介してカプセル型内視鏡10からの無線信号を順次受信する。受信部21は、これらの受信アンテナ21aの中から最も受信電界強度の高いアンテナを選択し、選択したアンテナを介して受信したカプセル型内視鏡10からの無線信号に対して復調処理等を行うことにより、無線信号から画像信号を抽出し、表示部23に出力する。
複数のセンスコイル22aは、ベッド20aの上面と平行に配置された平面状のパネル上に配置されている。各センスコイル22aは、例えばコイルバネ状の筒型コイルであり、カプセル型内視鏡10の位置検出用磁界発生部19が発生した磁界を受信して検出信号を出力する。
位置及び姿勢検出部22は、複数のセンスコイル22aからそれぞれ出力された複数の検出信号を取得し、これらの検出信号に対し、波形の整形、増幅、A/D変換、FFT等の信号処理を施すことにより、位置検出用磁界の振幅及び位相等の磁界情報を抽出する。さらに、位置及び姿勢検出部22は、この磁界情報に基づいてカプセル型内視鏡10の位置及び姿勢を算出し、位置情報として出力する。
なお、カプセル型内視鏡10の位置及び姿勢の検出方法は、上述した位置検出用磁界を用いる方法に限定されない。例えば、受信部21が受信した無線信号の強度分布に基づいて、カプセル型内視鏡10の位置及び姿勢を検出しても良い。一例として、特開2007−283001号公報に開示されているように、カプセル型内視鏡10の位置の初期値を適宜設定し、ガウス−ニュートン法により位置の推定値を算出する処理を、算出した推定値と前回の推定値とのずれ量が所定値以下となるまで反復することにより、カプセル型内視鏡10の位置を求めることができる。
表示部23は、液晶ディスプレイ等の各種ディスプレイからなる画面を有し、受信部21から入力された画像信号に基づく体内画像や、カプセル型内視鏡10の位置情報や、その他各種情報を画面に表示する。
操作入力部24は、ユーザにより外部からなされる操作に応じて、操作入力情報を制御部26に入力する。操作入力部24は、カプセル型内視鏡10の位置及び姿勢を制御するための指示情報である目標位置及び目標姿勢の入力を受け付ける目標位置及び姿勢入力部24aを有する。操作入力部24は、ジョイスティック、各種ボタン及び各種スイッチを備えた操作卓、キーボード等の入力デバイス等によって構成される。
磁界発生部25は、カプセル型内視鏡10に設けられた永久磁石18に作用させることによりカプセル型医療装置を誘導する磁界を発生する。具体的には、磁界発生部25は、被検体2内に導入されたカプセル型内視鏡10の位置、傾斜角、及び方位角を、被検体2に対して相対的に変化させるための磁界を発生する。磁界発生部25は、磁界を発生する体外永久磁石25aと、該体外永久磁石25aの位置及び姿勢を変化させる平面位置変更部25b、鉛直位置変更部25c、仰角変更部25d、及び旋回角変更部25eと、を有する。
図4は、図1に示す体外永久磁石の設置状態を説明するための模式図である。図4に示すように、体外永久磁石25aは、例えば直方体形状を有する棒磁石によって構成される。体外永久磁石25aは、初期状態において、自身の磁極の方向と平行な4つの面の内の1つの面が、重力方向と直交する面である水平面(XY面)と平行になるように配置される。以下、体外永久磁石25aが初期状態にあるときの体外永久磁石25aの配置を基準配置という。また、自身の磁極の方向と平行な4つの面の内の1つであって、カプセル型内視鏡10と対向する面を、カプセル対向面PLともいう。以下本明細書において、重力方向と直交する面内の方向を水平方向、重力方向を鉛直方向、重力方向に直交する面に対する角度を仰角、重力方向に直交する面内における角度を旋回角という。
平面位置変更部25bは、体外永久磁石25aを水平面内において並進させる。即ち、体外永久磁石25aにおいて磁化された2つの磁極の相対位置が確保された状態のままで水平面内に移動を行う。
鉛直位置変更部25cは、体外永久磁石25aを鉛直方向(Z方向)に沿って並進させる並進機構である。即ち、体外永久磁石25aにおいて磁化された2つの磁極の相対位置が確保された状態のままで鉛直方向に沿って移動を行う。
仰角変更部25dは、体外永久磁石25aの磁極の方向を含む鉛直面内において、体外永久磁石25aを回転させることにより、水平面に対する磁極の方向の角度を変化させる回転機構である。言い換えると、仰角変更部25dは、カプセル対向面PLと平行且つ磁極の方向と直交し、体外永久磁石25aの中心を通るY方向の軸Yに対して体外永久磁石25aを回転させる。以下、体外永久磁石25aと水平面とのなす角度を仰角とする。
旋回角変更部25eは、体外永久磁石25aの中心を通る鉛直軸Zに対して体外永久磁石25aを旋回させる。以下、鉛直軸Zに対する体外永久磁石25aの回転運動を旋回運動という。また、基準配置に対して体外永久磁石25aが旋回した角度を旋回角とする。
また、体外永久磁石25aの周囲には、体外永久磁石25aが発生する磁界を遮蔽して弱める磁界遮蔽部としての強磁性体25fが配置されている。強磁性体25fは、体外永久磁石25aと被検体2とが対向する方向を除き、底面を含む各方向に配置されており、体外永久磁石25aが発生する磁界が各種機器や医師等のユーザ等に与える影響を低減する。各面の強磁性体25fは、平板状、もしくは平板に持ち手部分の穴があってもよい。また、強磁性体25fには、補強及び磁界の遮蔽性を高めるため、くぼみや凹凸が形成されていてもよい。なお、強磁性体25fは、少なくとも1方向に配置されていればよく、例えばベッド20aの長辺方向に沿って体外永久磁石25aを挟んで対向するように2面だけ配置されていてもよい。
制御部26は、位置及び姿勢検出部22から入力されたカプセル型内視鏡10の位置情報や、操作入力部24から入力された操作入力情報に基づいて磁界発生部25の各部の動作を制御することにより、体外永久磁石25aと被検体2との相対的な位置や、体外永久磁石25aとカプセル型内視鏡10との間の距離や、体外永久磁石25aの基準配置からの回転角度、即ち仰角及び旋回角を変化させることにより、カプセル型内視鏡10を誘導する。このとき、体外永久磁石25aが発生した磁界は、強磁性体25fによって歪み、カプセル型内視鏡10を目標位置及び目標姿勢に誘導することができない場合がある。そこで、制御部26は、強磁性体25fによるカプセル型内視鏡10の目標位置及び目標姿勢からのずれを相殺又は低減するように補正した磁界を発生させるよう、体外永久磁石25aを制御する。より具体的には、目標位置は目標水平位置と目標鉛直位置とからなり、平面位置変更部25bがカプセル型内視鏡10を目標水平位置に移動させるよう体外永久磁石25aを制御し、鉛直位置変更部25cがカプセル型内視鏡10を目標鉛直位置に移動させるよう体外永久磁石25aを制御する。目標姿勢は目標仰角と目標旋回角とからなり、仰角変更部25dがカプセル型内視鏡10を目標仰角になるように体外永久磁石25aを制御し、旋回角変更部25eがカプセル型内視鏡10を目標旋回角になるように体外永久磁石25aを制御する。なお、これらの制御は、制御部26がカプセル型内視鏡10の目標位置及び目標姿勢に応じて記憶部27のデータベースから制御に用いる情報を読み出すことにより実行される。
一例として、目標位置は目標水平位置と目標鉛直位置とからなり、平面位置変更部25bは、強磁性体25fによるカプセル型内視鏡10の目標水平位置からのずれを相殺又は低減するように体外永久磁石25aを補正制御し、カプセル型内視鏡10を目標水平位置に移動させる。また、他の一例として、鉛直位置変更部25cは、強磁性体25fによるカプセル型内視鏡10に作用する磁力の低下を相殺又は低減するように体外永久磁石25aを補正制御し、カプセル型内視鏡10を目標鉛直位置に移動させる。また、他の一例として、目標姿勢は目標仰角と目標旋回角とからなり、仰角変更部25dは、強磁性体25fによるカプセル型内視鏡10の目標仰角からのずれを相殺又は低減するように体外永久磁石25aを補正制御し、カプセル型内視鏡10を目標仰角に移動させる。また、他の一例として、旋回角変更部25eは、強磁性体25fによるカプセル型内視鏡10の目標旋回角からのずれを相殺又は低減するように体外永久磁石25aを補正制御し、カプセル型内視鏡10を目標旋回角に移動させる。
また、さらなる変形例として、強磁性体25fによるカプセル型内視鏡10の目標水平位置からのずれを相殺又は低減するように、平面位置変更部25b、鉛直位置変更部25c、仰角変更部25d又は旋回角変更部25eのいずれか1つ、又は複数を組み合わせて、カプセル型内視鏡10を目標水平位置に移動させてもよい。すなわち、例えば、制御部26は、強磁性体25fによるカプセル型内視鏡10の目標水平位置からのずれを相殺又は低減するように、平面位置変更部25b、鉛直位置変更部25c、仰角変更部25d、及び旋回角変更部25eを補正制御し、カプセル型内視鏡10を目標水平位置に移動させるように体外永久磁石25aの水平位置、鉛直位置、仰角、及び旋回角を制御する。
同様に、強磁性体25fによるカプセル型内視鏡10の目標鉛直位置、目標仰角、又は目標旋回角からのずれを相殺又は低減するように、平面位置変更部25b、鉛直位置変更部25c、仰角変更部25d又は旋回角変更部25eのいずれか1つ、又は複数を組み合わせて、カプセル型内視鏡10を目標水平位置、目標仰角、又は目標旋回角に移動させてもよい。すなわち、例えば、制御部26は、強磁性体25fによるカプセル型内視鏡10の目標仰角からのずれを相殺又は低減するように、仰角変更部25d、及び旋回角変更部25eを補正制御し、カプセル型内視鏡10を目標仰角に移動させるように体外永久磁石25aの仰角、及び旋回角を制御する。なお、制御部26における制御の具体例は、後述する各実施例で詳細に説明する。
記憶部27は、フラッシュメモリ又はハードディスク等の書き換え可能に情報を保存する記憶メディア及び該記憶メディアに対して情報の書き込み及び読み取りを行う書込読取装置を用いて構成される。記憶部27は、カプセル型内視鏡10によって撮像された被検体2の体内画像群の画像データの他、制御部26が誘導装置20の各部を制御するための各種プログラムや各種パラメータ等の情報を記憶する。
さらに、記憶部27は、強磁性体25fが与える影響により、カプセル型内視鏡10の水平方向の位置、鉛直方向の位置、仰角、旋回角がどの程度ずれるかをデータベースとして保持している。図5は、記憶部のデータベースを利用して、強磁性体25fの位置及び姿勢を補正する方法の一例を示す図である。図5に示すように、記憶部27は、例えばデータベースDB1〜DB4を有する。データベースDB1〜DB4は、強磁性体25fを実際の構成と同様に配置したと仮定して、磁界歪み量を考慮した磁界シミュレーションを行った結果に基づいて予め構築したデータベースである。制御部26は、入力情報に応じて、記憶部27のデータベースDB1〜DB4から適宜制御に用いる情報を読み出す。
データベースDB1は、カプセル型内視鏡10が目標水平位置、目標鉛直位置、目標仰角、目標旋回角にある場合における、強磁性体25fによるカプセル型内視鏡10の旋回角の目標旋回角からのずれを相殺又は低減する体外永久磁石25aの旋回角である補正旋回角を記憶している。
データベースDB2は、カプセル型内視鏡10が目標水平位置、目標鉛直位置、目標仰角にあり、かつ体外永久磁石25aが補正旋回角にある場合(すなわち、体外永久磁石25aの旋回角が補正旋回角に合致する場合)における、強磁性体25fによるカプセル型内視鏡10の仰角の目標仰角からのずれを相殺又は低減する体外永久磁石25aの仰角である補正仰角を記憶している。
データベースDB3は、カプセル型内視鏡10が目標水平位置、目標鉛直位置にあり、かつ体外永久磁石25aが補正仰角、補正旋回角にある場合における、強磁性体25fによるカプセル型内視鏡10の鉛直位置の目標鉛直位置からのずれを相殺又は低減する体外永久磁石25aの鉛直位置である補正鉛直位置を記憶している。
データベースDB4は、カプセル型内視鏡10が目標水平位置にあり、かつ体外永久磁石25aが補正鉛直位置、補正仰角、補正旋回角にある場合における、強磁性体25fによるカプセル型内視鏡10の水平位置の目標水平位置からのずれを相殺又は低減する体外永久磁石25aの水平位置である補正水平位置を記憶している。なお、これらのデータベースは、強磁性体25fがカプセル型内視鏡10の位置又は姿勢に与える影響を実測することにより予め構築されていてもよい。
以上説明したように、本実施の形態に係る誘導装置20は、カプセル型内視鏡10を目標位置及び目標姿勢に誘導する際に、強磁性体25fがカプセル型内視鏡10の位置又は姿勢に与える影響を相殺又は低減するように補正した磁界を体外永久磁石25aに発生させる。その結果、誘導装置20は、強磁性体25fを備え、かつカプセル型医療装置を目標とする位置及び姿勢に誘導することができる誘導装置である。
次に、カプセル型医療装置誘導システム1の動作について説明する。図6は、図1に示すカプセル型医療装置誘導システムの動作を示すフローチャートである。
カプセル型医療装置誘導システム1がカプセル型内視鏡10の誘導を開始すると、まず、ユーザが操作入力部24の目標位置及び姿勢入力部24aから目標位置及び目標姿勢の入力を行う(ステップS101)。目標位置(目標水平位置及び目標鉛直位置)及び目標姿勢(目標仰角及び目標旋回角)の入力を受け付けた目標位置及び姿勢入力部24aは、制御部26に所定の制御信号を出力する。
まず、制御部26は、体外永久磁石25aの旋回角を補正するか否かを判定する(ステップS102)。制御部26により旋回角を補正すると判定された場合(ステップS102:Yes)、制御部26は、図5に示すように、データベースDB1から補正旋回角を読み出す(ステップS103)。一方、制御部26により旋回角を補正しないと判定された場合(ステップS102:No)、補正旋回角の読み出しは行わず次のステップに進む。
続いて、制御部26は、体外永久磁石25aの仰角を補正するか否かを判定する(ステップS104)。制御部26により仰角を補正すると判定された場合(ステップS104:Yes)、制御部26は、図5に示すように、データベースDB2から補正仰角を読み出す(ステップS105)。一方、制御部26により仰角を補正しないと判定された場合(ステップS104:No)、補正仰角の読み出しは行わず次のステップに進む。
さらに、制御部26は、体外永久磁石25aの鉛直位置を補正するか否かを判定する(ステップS106)。制御部26により鉛直位置を補正すると判定された場合(ステップS106:Yes)、制御部26は、図5に示すように、データベースDB3から補正鉛直位置を読み出す(ステップS107)。一方、制御部26により鉛直位置を補正しないと判定された場合(ステップS106:No)、補正鉛直位置の読み出しは行わず次のステップに進む。
そして、制御部26は、体外永久磁石25aの水平位置を補正するか否かを判定する(ステップS108)。制御部26により水平位置を補正すると判定された場合(ステップS108:Yes)、制御部26は、図5に示すように、データベースDB4から補正水平位置を読み出す(ステップS109)。一方、制御部26により水平位置を補正しないと判定された場合(ステップS108:No)、補正水平位置の読み出しは行わず次のステップに進む。
その後、制御部26は、平面位置変更部25b、鉛直位置変更部25c、仰角変更部25d、及び旋回角変更部25eを、体外永久磁石25aが補正水平位置、補正鉛直位置、補正仰角、補正旋回角に配置されるように制御する(ステップS110)。そして、カプセル型医療装置誘導システム1がカプセル型内視鏡10の誘導を終了する所定の入力が行われている場合(ステップS111:Yes)、カプセル型医療装置誘導システム1の動作は終了する。一方、カプセル型医療装置誘導システム1がカプセル型内視鏡10の誘導を終了する所定の入力が行われていない場合(ステップS111:No)、ステップS101に戻り動作が継続される。
なお、上述した制御フローにおいて、操作入力部24の目標位置及び姿勢入力部24aへの目標位置及び目標姿勢の入力は、例えば、ジョイスティックから入力される。ジョイスティックが所定の方向に傾けられた状態が続いていることは、その時点のカプセル型内視鏡10の位置から所定の距離だけ離れた目標位置、もしくは所定の角度を変化させた目標姿勢の入力が繰り返し行われていることに相当する。そして、この間、カプセル型内視鏡10は、ジョイスティックが傾けられた方向に等速で移動する。また、上述した制御フローにおいて、操作入力部24の目標位置及び姿勢入力部24aへの目標位置及び目標姿勢の入力は、例えば、表示部23上の位置をマウスでクリックすることによって入力されてもよい。この場合、目標位置の入力が一回だけ行われたことになり、上述した制御フローが一回だけ実行される。
また、上述した制御フローでは、補正旋回角、補正仰角、補正鉛直位置、補正水平位置の順に算出したが、算出する順番は特に限定されない。例えば、補正仰角を算出し、その後補正旋回角を算出する構成であってよい。また、例えば、補正水平位置を算出し、その後補正鉛直位置を算出する構成であってよい。
また、上述した制御フローでは、体外永久磁石25aの水平方向の位置、鉛直方向の位置、仰角、旋回角の全て値を補正するよう制御したが、これに限られない。体外永久磁石25aの水平方向の位置、鉛直方向の位置、仰角、旋回角のうちのいずれか1つ又はいくつかの組み合わせを補正し、それ以外の値は補正しない構成であってもよい。
また、上述した制御フローでは、カプセル型内視鏡10の目標旋回角からのずれを体外永久磁石25aの旋回角で補正し、カプセル型内視鏡10の目標仰角からのずれを体外永久磁石25aの仰角で補正し、カプセル型内視鏡10の目標鉛直位置からのずれを体外永久磁石25aの鉛直位置で補正し、カプセル型内視鏡10の目標水平位置からのずれを体外永久磁石25aの水平位置で補正する構成を説明したがこれに限られない。例えば、カプセル型内視鏡10の目標水平位置のみが入力され、カプセル型内視鏡10を水平方向に移動させる場合に、カプセル型内視鏡10の目標水平位置からのずれを体外永久磁石25aの旋回角、仰角、水平位置により適宜補正する構成であってよい。同様に、例えば、カプセル型内視鏡10の目標仰角のみが入力され、カプセル型内視鏡10の仰角のみを変更する場合に、カプセル型内視鏡10の目標仰角からのずれを体外永久磁石25aの旋回角、仰角により適宜補正する構成であってよい。さらに、例えば、カプセル型内視鏡10の目標水平位置及び目標仰角のずれを体外永久磁石25aの仰角のみにより補正する構成であってよい。
また、上述した制御フローでは、制御部26が記憶部27から補正水平位置、補正鉛直位置、補正仰角、補正旋回角を読み出す構成を説明したがこれに限られない。例えば、制御部26は、記憶部27から強磁性体25fが与える影響によるカプセル型内視鏡10の目標位置及び目標姿勢からのずれ量を読み出し、制御部26が補正水平位置、補正鉛直位置、補正仰角、補正旋回角を算出する構成であってもよい。
(実施例1)
次に、実施例1に係る誘導装置20の制御部26による体外永久磁石25aの制御方法を説明する。図7は、実施例1に係る誘導装置の体外永久磁石の制御方法を説明するための図である。以下本明細書において、図7のようにカプセル型内視鏡10の位置をカプセル位置A111等と表記し、体外永久磁石25aの位置を磁石位置B111等と表記する。その際、カプセル型内視鏡10及び体外永久磁石25aの符号は適宜表記を省略する。
図7に示すように、実施例1に係る誘導装置20では、強磁性体25fがカプセル型内視鏡10の水平位置に与える影響を相殺又は低減するように体外永久磁石25aの水平方向の位置を補正している。具体的には、カプセル型内視鏡10をカプセル位置A111から目標位置であるカプセル位置A112に移動させる(水平方向に移動)場合に、体外永久磁石25aを磁石位置B111から強磁性体25fが与える影響(水平方向の位置ずれ)を相殺又は低減するように補正した磁石位置B112に移動させる。
すなわち誘導装置20では、カプセル型内視鏡10の水平方向の目標位置を強磁性体25fに近づける際に、体外永久磁石25aと強磁性体25fとが近づいて強磁性体25fが与える影響が大きくなると、カプセル型内視鏡10よりも体外永久磁石25aを強磁性体25fに水平方向に近づける。
次に、実施例1に係る誘導装置20の動作を説明する。まず、カプセル型内視鏡10をカプセル位置A111から目標水平位置であるカプセル位置A112に移動させるとする。このとき、強磁性体25fが与える影響を考慮しないと、体外永久磁石25aを磁石位置B111から磁石位置B113に移動させることになる。しかしながら、この場合、強磁性体25fが与える影響により、実際のカプセル型内視鏡10の位置は水平方向にずれ、カプセル位置A113になる。この水平方向の位置のずれ量を補正する体外永久磁石25aの補正水平位置(磁石位置B112)は、記憶部27のデータベースに予め記録されている。そのため、制御部26は、記憶部27から補正水平位置を読み出し、平面位置変更部25bを制御して、体外永久磁石25aを磁石位置B111から磁石位置B112に移動させる。その結果、カプセル型内視鏡10は、カプセル位置A111からカプセル位置A112に移動する。
実施例1のように、カプセル型内視鏡10を水平方向に移動させるに従って、強磁性体25fによって磁界が歪むことにより、カプセル型内視鏡10の水平方向の位置がずれる場合がある。この場合、体外永久磁石25aの水平方向の位置を補正することにより、カプセル型内視鏡10を目標位置に誘導することができる。
このように、強磁性体25fが与える影響が大きくなるに従って、体外永久磁石25aが強磁性体25fに向かう移動量を大きくすることにより水平方向の位置ずれを補正することができる。
(実施例2)
実施例2に係る誘導装置20の制御部26による体外永久磁石25aの制御方法を説明する。図8は、実施例2に係る誘導装置の体外永久磁石の制御方法を説明するための図である。図8に示すように、実施例2に係る誘導装置20では、カプセル型内視鏡10をカプセル位置A121とカプセル位置A122との間で移動させるため、体外永久磁石25aを磁石位置B121と磁石位置B122との間で移動させる。図9、図10は、実施例2における目標位置及び姿勢入力部への入力と体外永久磁石の速度とカプセル型内視鏡の速度との関係を表す図である。図9は、カプセル位置A121からカプセル位置A122への移動M1に対応し、図10は、カプセル位置A122からカプセル位置A121への移動M2に対応する。
まず、図9では、目標位置及び姿勢入力部24aにカプセル型内視鏡10を強磁性体25fに近づける(図8の紙面左方向に移動させる)方向に一定の入力が行われる。これは、カプセル型内視鏡10から所定の距離だけ強磁性体25fに近い目標水平位置の入力が繰り返し行われていることに相当する。このとき、誘導装置20は、実施例1の場合と同様に、強磁性体25fがカプセル型内視鏡10の水平位置に与える影響を相殺又は低減するように体外永久磁石25aの水平方向の位置を補正している。すなわち、誘導装置20は、強磁性体25fが与える影響を相殺する分だけ、体外永久磁石25aをより強磁性体25fに近づける側(図8のより左側)に移動させる。また、カプセル型内視鏡10を強磁性体25fに近づける際の体外永久磁石25aの補正量は、体外永久磁石25aが強磁性体25fに近いほど大きくなる。従って、カプセル型内視鏡10を一定速度で強磁性体25fに接近させる場合、強磁性体25fに近くなるほど体外永久磁石25aの速度を速くする。これは、体外永久磁石25aが強磁性体25fに近いほど、強磁性体25fが与える影響が大きいためである。
ここで、目標水平位置の入力が1回行われてカプセル型内視鏡10を目標水平位置に移動させるまでの速度は一定とされているから、図9に示すように、カプセル型内視鏡10を強磁性体25fに近づけるほど、体外永久磁石25aの速度を速くする。
次に、図10では、目標位置及び姿勢入力部24aにカプセル型内視鏡10を強磁性体25fから遠ざける(図8の紙面右方向に移動させる)方向に一定の入力が行われる。このとき、図9の場合と逆の制御が行われるから、図10に示すように、カプセル型内視鏡10を一定速度で強磁性体25fに遠ざける場合、強磁性体25fから遠くなるほど体外永久磁石25aの速度を遅くする。
以上説明したように、実施例2に係る誘導装置20は、体外永久磁石25aを強磁性体25fに近づける場合には、体外永久磁石25aを加速させるように移動させ、体外永久磁石25aを強磁性体25fから遠ざける場合には、体外永久磁石25aを減速させるように移動させる。その結果、ユーザは、体外永久磁石25aと強磁性体25fとの相対的な位置にかかわらず、カプセル型内視鏡10を一定の速度で操作することができ、操作性がよい。
(実施例3)
実施例3に係る誘導装置20の制御部26による体外永久磁石25aの制御方法を説明する。図11は、実施例3に係る誘導装置の体外永久磁石の制御方法を説明するための図である。図11に示すように、実施例3に係る誘導装置20では、強磁性体25fがカプセル型内視鏡10の鉛直位置に与える影響を相殺又は低減するように体外永久磁石25aの鉛直方向の位置を補正している。具体的には、カプセル型内視鏡10をカプセル位置A131から目標位置であるカプセル位置A132に移動させる(水平方向に移動)場合に、体外永久磁石25aを磁石位置B131から強磁性体25fが与える影響(磁力の変化)を相殺又は低減するように補正した磁石位置B132に移動させる。
すなわち誘導装置20では、カプセル型内視鏡10を水平方向に強磁性体25fに近づける際に、体外永久磁石25aと強磁性体25fとが近づいて強磁性体25fが与える影響が大きくなると、カプセル型内視鏡10と体外永久磁石25aとの距離を近づける。
次に、実施例3に係る誘導装置20の動作を説明する。まず、カプセル型内視鏡10をカプセル位置A131から目標位置であるカプセル位置A132に移動させるとする。このとき、強磁性体25fが与える影響を考慮しないと、体外永久磁石25aを磁石位置B131から磁石位置B133に移動させることになる。しかしながら、この場合、強磁性体25fが与える影響により、カプセル型内視鏡10の作用する磁力が低下し、実際のカプセル型内視鏡10の位置は鉛直方向(図11の例では重力方向と逆方向)に浮き上がり、カプセル位置A133になる。この鉛直方向の磁力の変化量を補正する体外永久磁石25aの補正鉛直位置(磁石位置B132)は、記憶部27のデータベースに予め記録されている。そのため、制御部26は、記憶部27から補正鉛直位置を読み出し、平面位置変更部25b及び鉛直位置変更部25cを制御して、体外永久磁石25aを磁石位置B131から磁石位置B132に移動させる。その結果、カプセル型内視鏡10は、カプセル位置A131からカプセル位置A132に移動する。
実施例3のように、カプセル型内視鏡10を水平方向に移動させるに従って、強磁性体25fがカプセル型内視鏡10の鉛直位置に与える影響が変化することにより、カプセル型内視鏡10が鉛直方向にずれる場合がある。この場合、体外永久磁石25aの鉛直方向の位置を補正することにより、カプセル型内視鏡10を目標位置に誘導することができる。
(実施例4)
実施例4に係る誘導装置20の制御部26による体外永久磁石25aの制御方法を説明する。図12は、実施例4に係る誘導装置の体外永久磁石の制御方法を説明するための図である。図12に示すように、実施例4に係る誘導装置20では、強磁性体25fがカプセル型内視鏡10の仰角に与える影響を相殺又は低減するように体外永久磁石25aの仰角を補正している。具体的には、カプセル型内視鏡10をカプセル位置A141から目標位置及び目標姿勢であるカプセル位置A142に移動させる(水平方向に移動)場合に、体外永久磁石25aを磁石位置B141から強磁性体25fが与える影響(仰角のずれ)を相殺又は低減するように補正した磁石位置B142に移動させる。
すなわち、誘導装置20では、カプセル型内視鏡10を目標位置及び目標姿勢に誘導する際に、体外永久磁石25aと強磁性体25fとが近づいて強磁性体25fが与える影響が大きくなると、水平面に対する体外永久磁石25aの磁極の方向の傾きを大きくする。具体的には、体外永久磁石25aを磁極の方向を方向C143から方向C142に回転させる。
次に、実施例4に係る誘導装置20の動作を説明する。まず、カプセル型内視鏡10をカプセル位置A141から目標位置及び目標姿勢であるカプセル位置A142に移動させるとする。このとき、強磁性体25fが与える影響を考慮しないと、体外永久磁石25aを磁石位置B141から磁石位置B143に移動させることになる。しかしながら、この場合、強磁性体25fが与える影響により、実際のカプセル型内視鏡10の姿勢は仰角がずれ、カプセル位置A143になる。この仰角のずれ量を補正する体外永久磁石25aの補正仰角(方向C142)は、記憶部27のデータベースに予め記録されている。そのため、制御部26は、記憶部27から補正仰角を読み出し、平面位置変更部25b及び仰角変更部25dを制御して、体外永久磁石25aを磁石位置B141から磁石位置B142に移動させる。その結果、カプセル型内視鏡10は、カプセル位置A141からカプセル位置A142に移動する。
実施例4のように、カプセル型内視鏡10を水平方向に移動させるに従って、強磁性体25fが与える影響が変化することにより、カプセル型内視鏡10の仰角がずれる場合がある。この場合、体外永久磁石25aの仰角を補正することにより、カプセル型内視鏡10を目標姿勢に誘導することができる。
(実施例5)
実施例5に係る誘導装置20の制御部26による体外永久磁石25aの制御方法を説明する。図13は、実施例5に係る誘導装置の体外永久磁石の制御方法を説明するための図である。図13は、カプセル型内視鏡10及び体外永久磁石25aを上方から見た図である。図13に示すように、実施例5に係る誘導装置20では、強磁性体25fがカプセル型内視鏡10の旋回角に与える影響を相殺又は低減するように体外永久磁石25aの旋回角を補正している。具体的には、カプセル型内視鏡10をカプセル位置A151から目標位置及び目標姿勢であるカプセル位置A152に移動させる(水平方向に移動)場合に、体外永久磁石25aを磁石位置B151から強磁性体25fが与える影響(旋回角のずれ)を相殺又は低減するように補正した磁石位置B152に移動させる。
すなわち、誘導装置20では、カプセル型内視鏡10を目標位置及び目標姿勢に誘導する際に、体外永久磁石25aと強磁性体25fとが近づいて強磁性体25fが与える影響が大きくなると、体外永久磁石25aの磁極の方向を強磁性体25fの方に向ける(図13の紙面左方向に向ける)。具体的には、体外永久磁石25aの磁極の方向を方向C153から方向C152に回転させる。
次に、実施例5に係る誘導装置20の動作を説明する。まず、カプセル型内視鏡10をカプセル位置A151から目標位置及び目標姿勢であるカプセル位置A152に移動させるとする。このとき、強磁性体25fが与える影響を考慮しないと、体外永久磁石25aを磁石位置B151から磁石位置B153に移動させることになる。しかしながら、この場合、強磁性体25fが与える影響により、実際のカプセル型内視鏡10の姿勢は旋回角がずれ、カプセル位置A153になる。この旋回角のずれ量を補正する体外永久磁石25aの補正旋回角(方向C152)は、記憶部27のデータベースに予め記録されている。そのため、制御部26は、記憶部27から補正旋回角を読み出し、平面位置変更部25b及び旋回角変更部25eを制御して、体外永久磁石25aを磁石位置B151から磁石位置B152に移動させる。その結果、カプセル型内視鏡10は、カプセル位置A151からカプセル位置A152に移動する。
実施例5のように、カプセル型内視鏡10を水平方向に移動させるに従って、強磁性体25fが与える影響が変化することにより、カプセル型内視鏡10の旋回角がずれる場合がある。この場合、体外永久磁石25aの旋回角を補正することにより、カプセル型内視鏡10を目標姿勢に誘導することができる。
(実施例6)
実施例6に係る誘導装置20の制御部26による体外永久磁石25aの制御方法を説明する。図14は、実施例6に係る誘導装置の体外永久磁石の制御方法を説明するための図である。図14に示すように、実施例6に係る誘導装置20では、強磁性体25fがカプセル型内視鏡10の水平位置に与える影響を相殺又は低減するように体外永久磁石25aの水平方向の位置を補正している。具体的には、カプセル型内視鏡10をカプセル位置A161から目標位置であるカプセル位置A162に移動させる(鉛直方向に移動)場合に、体外永久磁石25aを磁石位置B161から強磁性体25fが与える影響(水平方向の位置ずれ)を相殺又は低減するように補正した磁石位置B162に移動させる。
すなわち誘導装置20では、カプセル型内視鏡10を鉛直方向に移動させる際に、強磁性体25fが与える影響が大きくなると、体外永久磁石25aを強磁性体25fに近づける。
次に、実施例6に係る誘導装置20の動作を説明する。まず、カプセル型内視鏡10をカプセル位置A161から目標位置であるカプセル位置A162に移動させるとする。このとき、強磁性体25fが与える影響を考慮しないと、体外永久磁石25aを磁石位置B161から磁石位置B163に移動させることになる。しかしながら、この場合、強磁性体25fが与える影響により、実際のカプセル型内視鏡10の位置は水平方向にずれ、カプセル位置A163になる。この水平方向の位置のずれ量を補正する体外永久磁石25aの補正水平位置(磁石位置B162)は、記憶部27のデータベースに予め記録されている。そのため、制御部26は、記憶部27から補正水平位置を読み出し、平面位置変更部25b及び鉛直位置変更部25cを制御して、体外永久磁石25aを磁石位置B161から磁石位置B162に移動させる。その結果、カプセル型内視鏡10は、カプセル位置A161からカプセル位置A162に移動する。
実施例6のように、カプセル型内視鏡10を鉛直方向に移動させるに従って、強磁性体25fが与える影響が変化することにより、カプセル型内視鏡10の水平方向の位置がずれる場合がある。この場合、カプセル型内視鏡10を鉛直下方に移動させるにつれて、体外永久磁石25aを強磁性体25fに近づけることにより、カプセル型内視鏡10を目標位置に誘導することができる。
(実施例7)
実施例7に係る誘導装置20の制御部26による体外永久磁石25aの制御方法を説明する。図15は、実施例7に係る誘導装置の体外永久磁石の制御方法を説明するための図である。図15に示すように、実施例7に係る誘導装置20では、強磁性体25fによってカプセル型内視鏡10へ作用する磁力の変化を相殺又は低減するように体外永久磁石25aの鉛直方向の位置を補正している。具体的には、カプセル型内視鏡10をカプセル位置A171から目標位置であるカプセル位置A172に移動させる(鉛直方向に移動)場合に、体外永久磁石25aを磁石位置B171から強磁性体25fによってカプセル型内視鏡10へ作用する磁力の変化を相殺又は低減するように補正した磁石位置B172に移動させる。
すなわち誘導装置20では、カプセル型内視鏡10を鉛直方向に沿って下方に移動させる際に、強磁性体25fが与える影響が大きくなると、カプセル型内視鏡10と体外永久磁石25aの距離を近づける。
次に、実施例7に係る誘導装置20の動作を説明する。まず、カプセル型内視鏡10をカプセル位置A171から目標位置であるカプセル位置A172に移動させるとする。このとき、強磁性体25fが与える磁力の変化を考慮しないと、体外永久磁石25aを磁石位置B171から磁石位置B173に移動させることになる。しかしながら、この場合、強磁性体25fが与える磁力の変化により、実際のカプセル型内視鏡10は鉛直方向に沈み、カプセル位置A173になる。この鉛直方向の磁力の変化を補正する体外永久磁石25aの補正鉛直位置(磁石位置B172)量は、記憶部27のデータベースに予め記録されている。そのため、制御部26は、記憶部27から補正鉛直位置を読み出し、鉛直位置変更部25cを制御して、体外永久磁石25aを磁石位置B171から磁石位置B172に移動させる。その結果、カプセル型内視鏡10は、カプセル位置A171からカプセル位置A172に移動する。
実施例7のように、カプセル型内視鏡10を鉛直方向に移動させるに従って、強磁性体25fが与える影響が変化することにより、カプセル型内視鏡10の鉛直方向の位置がずれる場合がある。この場合、カプセル型内視鏡10を鉛直下方に移動させるにつれて、カプセル型内視鏡10と体外永久磁石25aとの距離を短くすることにより、カプセル型内視鏡10を目標位置に誘導することができる。
(実施例8)
実施例8に係る誘導装置20の制御部26による体外永久磁石25aの制御方法を説明する。図16は、実施例8に係る誘導装置の体外永久磁石の制御方法を説明するための図である。図16に示すように、実施例8に係る誘導装置20では、強磁性体25fがカプセル型内視鏡10の仰角に与える影響を相殺又は低減するように体外永久磁石25aの仰角を補正している。具体的には、カプセル型内視鏡10をカプセル位置A181から目標位置及び目標姿勢であるカプセル位置A182に移動させる(鉛直方向に移動)場合に、体外永久磁石25aを磁石位置B181から強磁性体25fが与える影響(仰角のずれ)を相殺又は低減するように補正した磁石位置B182に移動させる。
すなわち、誘導装置20では、カプセル型内視鏡10を目標位置及び目標姿勢に誘導する際に、体外永久磁石25aが鉛直下方に移動して強磁性体25fが与える影響が大きくなると、水平面に対する体外永久磁石25aの磁極の方向の傾きを大きくする。具体的には、体外永久磁石25aの磁極の方向を方向C183から方向C182に回転させる。
次に、実施例8に係る誘導装置20の動作を説明する。まず、カプセル型内視鏡10をカプセル位置A181から目標位置及び目標姿勢であるカプセル位置A182に移動させるとする。このとき、強磁性体25fが与える影響を考慮しないと、体外永久磁石25aを磁石位置B181から磁石位置B183に移動させることになる。しかしながら、この場合、強磁性体25fが与える影響により、実際のカプセル型内視鏡10の姿勢は仰角がずれ、カプセル位置A183になる。この仰角のずれ量を補正する体外永久磁石25aの補正仰角(方向C182)は、記憶部27のデータベースに予め記録されている。そのため、制御部26は、記憶部27から補正仰角を読み出し、鉛直位置変更部25c及び仰角変更部25dを制御して、体外永久磁石25aを磁石位置B181から磁石位置B182に移動させる。その結果、カプセル型内視鏡10は、カプセル位置A181からカプセル位置A182に移動する。
実施例8のように、カプセル型内視鏡10を鉛直方向に移動させるに従って、強磁性体25fが与える影響が変化することにより、カプセル型内視鏡10の仰角がずれる場合がある。この場合、体外永久磁石25aの仰角を補正することにより、カプセル型内視鏡10を目標姿勢に誘導することができる。
また、実施例8と同様に、カプセル型内視鏡10を鉛直方向に移動させるに従って、強磁性体25fが与える影響が変化することにより、カプセル型内視鏡10の旋回角がずれる場合がある。この場合、体外永久磁石25aの旋回角を補正することにより、カプセル型内視鏡10を目標姿勢に誘導することができる。
(実施例9)
実施例9に係る誘導装置20の制御部26による体外永久磁石25aの制御方法を説明する。図17、図18は、実施例9に係る誘導装置の体外永久磁石の制御方法を説明するための図である。カプセル型内視鏡10及び体外永久磁石25aを側方から見た図が図17、上方から見た図が図18である。図17、図18に示すように、実施例9に係る誘導装置20では、強磁性体25fがカプセル型内視鏡10の旋回角に与える影響を相殺又は低減するように体外永久磁石25aの旋回角を補正している。具体的には、カプセル型内視鏡10をカプセル位置A191から目標姿勢であるカプセル位置A192に移動させる(仰角を変更)場合に、体外永久磁石25aを磁石位置B191から強磁性体25fが与える影響(旋回角のずれ)を相殺又は低減するように補正した磁石位置B192に移動させる。
すなわち、誘導装置20では、カプセル型内視鏡10を目標姿勢に誘導する際に、水平面に対する体外永久磁石25aの磁極の方向の傾きが大きくなり、強磁性体25fが与える影響が大きくなると、体外永久磁石25aの磁極の方向を強磁性体25fの方に向ける(図18の紙面左方向に向ける)。具体的には、体外永久磁石25aの磁極の方向を方向C193から方向C192に回転させる。
次に、実施例9に係る誘導装置20の動作を説明する。まず、カプセル型内視鏡10をカプセル位置A191から目標姿勢であるカプセル位置A192に移動させるとする。このとき、強磁性体25fが与える影響を考慮しないと、体外永久磁石25aを磁石位置B191から磁石位置B193に移動させることになる。しかしながら、この場合、強磁性体25fが与える影響により、実際のカプセル型内視鏡10の姿勢は旋回角がずれ、カプセル位置A193になる。この旋回角のずれ量を補正する体外永久磁石25aの補正旋回角(方向C192)は、記憶部27のデータベースに予め記録されている。そのため、制御部26は、記憶部27から補正旋回角を読み出し、仰角変更部25d及び旋回角変更部25eを制御して、体外永久磁石25aを磁石位置B191から磁石位置B192に移動させる。その結果、カプセル型内視鏡10は、カプセル位置A191からカプセル位置A192に移動する。
実施例9のように、カプセル型内視鏡10の仰角を変更するに従って、強磁性体25fが与える影響が変化することにより、カプセル型内視鏡10の旋回角がずれる場合がある。この場合、体外永久磁石25aの旋回角を補正することにより、カプセル型内視鏡10を目標姿勢に誘導することができる。
また、実施例9と同様に、カプセル型内視鏡10の仰角を変更するに従って、強磁性体25fが与える影響が変化することにより、カプセル型内視鏡10の仰角がずれる場合がある。この場合、体外永久磁石25aの仰角を補正することにより、カプセル型内視鏡10を目標姿勢に誘導することができる。
さらに、実施例9と同様に、カプセル型内視鏡10の仰角を変更するに従って、強磁性体25fが与える影響が変化することにより、カプセル型内視鏡10の水平方向や鉛直方向の位置がずれる場合がある。この場合、体外永久磁石25aの水平方向や鉛直方向の位置を補正することにより、カプセル型内視鏡10を目標位置に誘導することができる。
また、カプセル型内視鏡10の旋回角を変更するに従って、強磁性体25fが与える影響が変化することにより、カプセル型内視鏡10の水平方向の位置、鉛直方向の位置、仰角、旋回角がずれる場合がある。この場合、実施例9と同様に、体外永久磁石25aの水平方向の位置、鉛直方向の位置、仰角、旋回角を補正することにより、カプセル型内視鏡10を目標位置及び目標姿勢に誘導することができる。
(実施例10)
実施例10に係る誘導装置20及びの制御部26による体外永久磁石25aの制御方法を説明する。図19は、実施例10に係る誘導装置の体外永久磁石の制御方法を説明するための図である。図19に示すように、実施例10に係る誘導装置20では、強磁性体25fがカプセル型内視鏡10の水平位置及び仰角に与える影響を相殺又は低減するように体外永久磁石25aの仰角を補正している。具体的には、カプセル型内視鏡10をカプセル位置A201から目標位置であるカプセル位置A202に移動させる(水平方向に移動)場合に、体外永久磁石25aを磁石位置B201か強磁性体25fが与える影響(水平方向の位置及び仰角のずれ)を相殺又は低減するように補正した磁石位置B202に移動させる。
すなわち、誘導装置20では、カプセル型内視鏡10を目標位置及び目標姿勢に誘導する際に、体外永久磁石25aと強磁性体25fとが近づいて強磁性体25fが与える影響が大きくなると、水平面に対する体外永久磁石25aの磁極の方向の傾きを大きくする。具体的には、体外永久磁石25aの磁極の方向を方向C203から方向C202に回転させる。
次に、実施例10に係る誘導装置20の動作を説明する。まず、カプセル型内視鏡10をカプセル位置A201から目標位置であるカプセル位置A202に移動させるとする。このとき、強磁性体25fが与える影響を考慮しないと、体外永久磁石25aを磁石位置B201から磁石位置B203に移動させることになる。しかしながら、この場合、強磁性体25fが与える影響により、実際のカプセル型内視鏡10の水平方向の位置及び仰角がずれ、カプセル位置A203になる。この水平方向の位置及び仰角のずれ量を補正する体外永久磁石25aの補正仰角(方向C202)は、記憶部27のデータベースに予め記録されている。そのため、制御部26は、記憶部27から補正仰角を読み出し、平面位置変更部25b及び仰角変更部25dを制御して、体外永久磁石25aを磁石位置B201から磁石位置B202に移動させる。その結果、カプセル型内視鏡10は、カプセル位置A201からカプセル位置A202に移動する。
実施例10のように、強磁性体25fが与える影響により、水平方向の位置及び仰角がずれる場合がある。このような場合に、体外永久磁石25aの仰角のみを補正してカプセル型内視鏡10を目標位置及び目標姿勢に誘導することができる。同様に強磁性体25fの水平方向の位置、鉛直方向の位置、仰角、旋回角のいずれか1つを補正することにより、2以上の複数の位置又は姿勢を補正する構成としてもよい。
(実施例11)
実施例11に係る誘導装置20の制御部26による体外永久磁石25aの制御方法を説明する。図20は、実施例11に係る誘導装置の体外永久磁石の制御方法を説明するための図である。図20は、カプセル型内視鏡10及び体外永久磁石25aを上方から見た図である。図20に示すように、実施例11に係る誘導装置20では、カプセル型内視鏡10の旋回角を一回転させる。具体的には、カプセル型内視鏡10をカプセル位置A211、A212、A213、A214、A215、A216、A211の順に回転させて一回転させる。このとき、強磁性体25fがカプセル型内視鏡10の水平位置に与える影響を考慮しない場合には、体外永久磁石25aを軌跡D1に沿って円形に移動させる。しかしながら、強磁性体25fがカプセル型内視鏡10の水平位置に与える影響により、カプセル型内視鏡10の水平方向の位置ずれが生じる。そのため、誘導装置20では、強磁性体25fが与える影響を相殺又は低減するように体外永久磁石25aの水平方向の位置を補正して軌跡D2に沿って移動させる。具体的には、体外永久磁石25aを磁石位置B211、B212、B213、B214、B215、B216、B211の順に移動させる。その結果、カプセル型内視鏡10の旋回角が360度回転する。
(実施例12)
実施例12に係る誘導装置20の制御部26による体外永久磁石25aの制御方法を説明する。図21は、実施例12に係る誘導装置の体外永久磁石の制御方法を説明するための図である。図21は、カプセル型内視鏡10及び体外永久磁石25aを上方から見た図である。図21に示すように、実施例12に係る誘導装置20では、実施例11と同様にカプセル型内視鏡10の旋回角を一回転させる。しかしながら、カプセル型内視鏡10及び体外永久磁石25aが強磁性体25fに近く、強磁性体25fがカプセル型内視鏡10の水平位置に与える影響が大きい場合には、軌跡D3のように体外永久磁石25aを図21に描いたような所定の曲線状に2周移動させる必要がある。具体的には、体外永久磁石25aを磁石位置B221、B222、B223、B224、B225、B226、B221の順に移動させる。その結果、カプセル型内視鏡10は、カプセル位置A221、A222、A223、A224、A225、A226、A211の順に回転し、旋回角が360度回転する。
なお、磁界発生部25は、体外永久磁石25aの代わりに、複数の電磁石と、各電磁石に電力を供給する電源部と、制御部26の制御の下で各電磁石に流す電流を制御する電流制御部と、を備える構成であってもよい。この場合、磁界発生部25は、磁界遮蔽部が与える影響を相殺又は低減するように電磁石の位置を補正してもよいし、各電磁石に流す電流を補正してもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、以上のように表わしかつ記述した特定の詳細及び代表的な実施形態に限定されるものではない。従って、添付のクレーム及びその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神又は範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 カプセル型医療装置誘導システム
2 被検体
10 カプセル型内視鏡
11 撮像部
12 照明部
13 光学系
14 撮像素子
15 制御部
16 無線通信部
16a アンテナ
17 電源部
18 永久磁石
19 位置検出用磁界発生部
19a マーカコイル
19b コンデンサ
20 誘導装置
20a ベッド
21 受信部
21a 受信アンテナ
22 位置及び姿勢検出部
22a センスコイル
23 表示部
24 操作入力部
24a 目標位置及び姿勢入力部
25 磁界発生部
25a 体外永久磁石
25b 平面位置変更部
25c 鉛直位置変更部
25d 仰角変更部
25e 旋回角変更部
25f 強磁性体
26 制御部
27 記憶部
100 カプセル型筐体
101 筒状筐体
102、103 ドーム状筐体
A111、A112、A113、A121、A122、A131、A132、A133、A141、A142、A143、A151、A152、A153、A161、A162、A163、A171、A172、A173、A181、A182、A183、A191、A192、A193、A201、A202、A203、A211、A212、A213、A214、A215、A216、A221、A222、A223、A224、A225、A226 カプセル位置
B111、B112、B113、B121、B122、B131、B132、B133、B141、B142、B143、B151、B152、B153、B161、B162、B163、B171、B172、B173、B181、B182、B183、B191、B192、B193、B201、B202、B203、B211、B212、B213、B214、B215、B216、B221、B222、B223、B224、B225、B226 磁石位置
C142、C143、C152、C153、C182、C183、C192、C193、C202、C203 方向
D1、D2、D3 軌跡
M1、M2 移動
R 検出対象空間

Claims (20)

  1. 被検体内に導入され、内部に磁石を有するカプセル型医療装置を磁界によって誘導する誘導装置において、
    前記カプセル型医療装置を誘導するために、前記磁石に作用させる磁界を発生する磁界発生部と、
    前記磁界発生部が発生する磁界を遮蔽する磁界遮蔽部と、
    前記カプセル型医療装置の位置及び姿勢を誘導するための目標位置又は目標姿勢の少なくとも一方の入力を受け付ける操作入力部と、
    前記カプセル型医療装置を前記目標位置又は前記目標姿勢の少なくとも一方に誘導するための磁界を前記磁界遮蔽部が歪めることによる前記目標位置又は前記目標姿勢に対する前記カプセル型医療装置の位置又は姿勢のずれ量を相殺又は低減するように補正した磁界を発生させるよう、前記磁界発生部を制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする誘導装置。
  2. 前記制御部は、前記ずれ量を相殺又は低減するように補正した磁界を発生させるよう、前記目標位置に対する前記磁界発生部の位置を変化させることを特徴とする請求項1に記載の誘導装置。
  3. 前記制御部は、前記カプセル型医療装置を前記目標位置に誘導する際に、前記目標位置を前記磁界遮蔽部に近づけるに従って、前記磁界発生部を前記磁界遮蔽部に向かって移動させる移動量を大きくすることを特徴とする請求項2に記載の誘導装置。
  4. 前記制御部は、前記カプセル型医療装置を前記目標位置に誘導する際に、前記目標位置を前記磁界遮蔽部に近づけるに従って、前記磁界発生部を重力方向と逆方向に向かって移動させる移動量を大きくすることを特徴とする請求項2に記載の誘導装置。
  5. 前記制御部は、前記カプセル型医療装置を前記目標位置に誘導する際に、前記磁界発生部を前記磁界遮蔽部に近づける場合には、前記磁界発生部を加速させるように移動させ、
    前記磁界発生部を前記磁界遮蔽部から遠ざける場合には、前記磁界発生部を減速させるように移動させることを特徴とする請求項3に記載の誘導装置。
  6. 前記制御部は、前記カプセル型医療装置を前記目標位置に誘導する際に、前記目標位置を重力方向に移動させるに従って、前記磁界発生部を前記磁界遮蔽部に向かって移動させる移動量を大きくすることを特徴とする請求項2に記載の誘導装置。
  7. 前記制御部は、前記カプセル型医療装置を前記目標位置に誘導する際に、前記目標位置を重力方向に移動させるに従って、前記磁界発生部を重力方向に移動させる移動量を小さくすることを特徴とする請求項2に記載の誘導装置。
  8. 前記制御部は、前記ずれ量を相殺又は低減するように補正した磁界を発生させるよう、前記カプセル型医療装置に対する前記磁界発生部の角度を変化させることを特徴とする請求項1に記載の誘導装置。
  9. 前記制御部は、前記カプセル型医療装置を前記目標位置に誘導する際に、前記目標位置を前記磁界遮蔽部に近づけるに従って、重力方向に直交する面に対する前記磁界発生部の磁極の方向の傾きを大きくすることを特徴とする請求項8に記載の誘導装置。
  10. 前記制御部は、前記カプセル型医療装置を前記目標位置に誘導する際に、前記目標位置を重力方向に移動させるに従って、重力方向に直交する面に対する前記磁界発生部の磁極の方向の傾きを大きくすることを特徴とする請求項8に記載の誘導装置。
  11. 前記制御部は、前記カプセル型医療装置を前記目標位置に誘導する際に、前記目標位置を前記磁界遮蔽部に近づけるに従って、前記磁界発生部の磁極の方向を、重力方向に直交する面内における前記磁界発生部に最も近接した前記磁界遮蔽部に向けていくことを特徴とする請求項8に記載の誘導装置。
  12. 前記制御部は、前記ずれ量を相殺又は低減するように補正した磁界を発生させるよう、前記カプセル型医療装置に対する前記磁界発生部の角度を変化させることを特徴とする請求項1に記載の誘導装置。
  13. 前記制御部は、前記カプセル型医療装置を前記目標姿勢に誘導する際に、重力方向に直交する面に対する前記磁界発生部の磁極の方向の傾きを大きくするに従って、前記磁界発生部の磁極の方向を、重力方向に直交する面内における前記磁界発生部に最も近接した前記磁界遮蔽部に向けていくことを特徴とする請求項に記載の誘導装置。
  14. 前記制御部は、前記ずれ量を相殺又は低減するように補正した磁界を発生させるよう、前記目標位置に対する前記磁界発生部の位置を変化させることを特徴とする請求項1に記載の誘導装置。
  15. 前記制御部は、重力方向に直交する面内における前記カプセル型医療装置の長軸の方向を360度回転させるよう前記磁界発生部を制御する際に、重力方向に直交する面内において前記磁界発生部を所定の曲線状に2周移動させることを特徴とする請求項14に記載の誘導装置。
  16. 前記制御部は、
    前記カプセル型医療装置が前記目標姿勢になるように、前記ずれ量を相殺又は低減するように補正した磁界を発生させるよう、重力方向に直交する面内における前記磁界発生部に最も近接した前記磁界遮蔽部に向かう方向に対する前記磁界発生部の磁極の方向の角度を算出し、
    前記磁界発生部の磁極の方向が算出した前記角度と合致する場合に、前記カプセル型医療装置が前記目標位置に移動するように、前記ずれ量を相殺又は低減するように補正した磁界を発生させるよう、前記磁界発生部の位置を算出し、
    算出した前記角度及び前記位置に前記磁界発生部を移動させることを特徴とする請求項1に記載の誘導装置。
  17. 前記制御部は、
    前記カプセル型医療装置が前記目標姿勢になるように、前記ずれ量を相殺又は低減するように補正した磁界を発生させるよう、重力方向に直交する面に対する前記磁界発生部の磁極の方向の角度を算出し、
    前記磁界発生部の磁極の方向が算出した前記角度と合致する場合に、前記カプセル型医療装置が前記目標位置に移動するように、前記ずれ量を相殺又は低減するように補正した磁界を発生させるよう、前記磁界発生部の位置を算出し、
    算出した前記角度及び前記位置に前記磁界発生部を移動させることを特徴とする請求項1に記載の誘導装置。
  18. 被検体内における前記カプセル型医療装置の位置及び姿勢を検出する位置及び姿勢検出部を備えることを特徴とする請求項1に記載の誘導装置。
  19. 請求項1に記載の誘導装置と、
    磁石が内部に配置されたカプセル型医療装置と、
    を備えることを特徴とするカプセル型医療装置誘導システム。
  20. 前記カプセル型医療装置は、
    被検体内に導入可能なカプセル型筐体と、
    前記カプセル型筐体に内包された永久磁石と、を備え、
    前記永久磁石は、当該カプセル型医療装置の重心と前記カプセル型筐体の幾何学的中心とが異なるように配置され、
    前記永久磁石の磁極の方向は、当該カプセル型医療装置の重心と前記カプセル型筐体の幾何学的中心とを結ぶ直線と異なる方向であることを特徴とする請求項19に記載のカプセル型医療装置誘導システム。
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