JP6151965B2 - 無線通信システム - Google Patents
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Description
近年の情報化社会の進展は実に目覚しく、多くの情報通信機器やサービスにおける通信方法として、有線通信のほかに、無線通信が利用されることも多くなっている。これに伴い、有限な資源である無線周波数の需要も増加の一途をたどっており、割当て可能な周波数の枯渇が世界各国で大きな問題となってきている。
例えば、ライセンスを受けている利用者(以下、「一次利用者」という)の既存システムの周波数使用への影響を十分回避しつつ、ライセンスを受けていない利用者(以下、「二次利用者」という)が柔軟にホワイトスペースの電波を利用するコグニティブ無線通信システムなどの研究開発が行われている(例えば、非特許文献1)。
このようなシステムでは、IPネットワーク上に、周波数の利用を管理するホワイトスペースデータベース(DB)や共存マネージャ(CM)(以下、「データベース等」という)を備え、各無線局は、データベース等にアクセスすることで、自局の位置情報に基づく送信可能周波数リストと最大許容送信電力とを取得する。
送信可能周波数リストは、一次利用者に干渉を与えることなく無線通信を行うことができる周波数のリストである。
そして、BSはこの送信可能周波数リストに基づき、自局の運用周波数を決定する。
各無線局は、スペクトルセンシングによって、決定された使用周波数が既存システム(一次利用者のシステム)によって使用されていることを検知すると、その情報をSMに通知する。すると、SMは送信可能周波数リストからこの周波数を除外するとともにデータベース等に報知する。
ところで、IEEE802.22では、スペクトラムセンシング機能を具備しないCPEが、自局の送信可能周波数を知るための手段について、明確な規定が存在しない。
IEEE 802.22のようなTDD(Time Division Duplex;時分割複信)システムの場合、CPEもBSと同一の周波数の電波を利用し無線通信を行う必要がある。
当該CPEにとって、この周波数が送信可能周波数であるかどうかはまだ不明であり、送信可能周波数ではない可能性がある。特に、スペクトラムセンシング機能を備えていないCPEの場合、近くの一次利用者が利用していたとしてもそれを認識できない。
従来の無線通信システムにおける周波数の利用パターンについて図5を用いて説明する。
図5は、従来の無線通信システムにおける周波数の利用パターンを示す模式説明図である。
ここでは、BSが管理する無線通信システム内にCPE21,22が存在し、CPE21は既に通信中であり、CPE22が新たに通信を開始するところを示している。
ここで、CPE22は、これからBSを介してDBから送信可能周波数のリストを取得するため、f1の使用が可能かどうか不明である。つまり、CPE22は、使用不可かもしれない周波数f1を用いて通信している。
その際、CPEはBSからの下り信号を受信して、それと同じ周波数で送信を行う。
そのため、BSが許可されている周波数であっても、CPEが一次利用者の近くに位置している場合には、当該CPEがその周波数を発射すると一次利用者への影響がある場合が考えられる。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る無線通信システムは、基地局及び端末局が、一次利用者に干渉を与えないことが保証されている特定の周波数を予め記憶しておき、基地局は、ホワイトスペースを利用するホワイトスペース通信期間と、当該特定の周波数を用いて通信を行うネットワークエントリ期間とを定期的に切り替えて通信を行い、新たにホワイトスペースを利用した通信を開始しようとする端末局は、ネットワークエントリ期間において、当該特定の周波数を用いて基地局と通信を行って、位置情報に基づく利用可能な周波数のリストを取得するものであり、新たに通信を開始しようとする端末局が、自己の位置情報に基づく送信可能周波数リストを取得する前に、当該端末局にとって送信可能ではない周波数の電波を発射するのを防ぎ、一次利用者に干渉を与えるのを防ぐことができるものである。
本発明の実施の形態に係る無線通信システムの構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムを含むシステム全体の説明図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る無線通信システム(本システム)1は、ホワイトスペースを利用する無線通信システムであり、戸別に設置される子局や携帯電話等の無線通信端末(端末局)であるCPE21及びCPE22と、これらの無線通信端末が接続する基地局であるBS10と、BS10のバックホール回線(Backhaul)30と、インターネット40と、ホワイトスペースデータベース(DB)(以下、「データベース」という)50と、ホワイトスペース共存マネージャ(CM)(以下、「共存マネージャ」という)60とを含んで構成される。
以下の説明においては、周波数f1およびf2の使用ライセンスを受けていない二次利用者が、周波数f1およびf2をホワイトスペースとして利用するものとする。
図1の例では、二次利用者として、本無線通信システム1と、別の二次利用システム3とがある。
[データベース(DB)50]
データベース50は、周波数の利用状況を管理するものであり、空間的・時間的に一次利用システムへ影響を与えずに無線通信に使用可能な周波数(送信可能周波数)の情報を記憶し、二次利用システムに提供する。
共存マネージャ60は、二次利用システム間の干渉を避け、適切に無線通信が行われるよう周波数を割り当てる。
図1に示すように、ホワイトスペースを利用する別の二次利用システム3が無線通信システム1のサービスエリア内に存在する場合であっても、無線通信システム1と別の二次利用システム3が、それぞれ異なる周波数を二次利用することにより、互いに干渉することなく通信を行うことができる。
例えば、無線通信システム1が周波数f1を、別の二次利用システム3が周波数f2をそれぞれ利用して無線通信を行うよう、共存マネージャ60は、各無線局の送信可能周波数リストを再構築する。
BS10は、バックホール回線30を通してインターネット40に接続し、インターネット40上に存在するデータベース50、共存マネージャ60へのアクセスを行って使用可能周波数リストを取得し、運用周波数を決定して、当該運用周波数で無線通信システム1内のCPE21,22との通信を行う。
また、エントリ用周波数による通信では、伝搬特性や許容放射電力等は、ホワイトスペースにおけるそれらの特性とは大きく異なる場合がある。
CPE21,22は、センシング機能を持たず、BS10を介して送信可能周波数のリストを取得する。
本システムの特徴として、CPE21,22は、新たにホワイトスペースを利用した通信を開始する場合(新規通信参入時)には、上述した一次利用者(既存システム)に干渉を与えないことが保証されているエントリ用周波数でBS10と通信を行って、自己の位置情報に基づく送信可能周波数のリストを取得する。
または、CPE21,22は、エントリ用周波数が含まれる帯域を保持しておき、電源投入直後には当該帯域においてBS10からの下り信号をサーチすることで実現可能である。
尚、エントリ用周波数は複数あってもよく、いずれも一次利用者に影響を与えないことが保証された周波数とする。
本無線通信システムの動作の概略について図1を用いて説明する。
まず、BS10は、データベース50へアクセスし、自局の設置位置における送信可能周波数リスト及びその周波数に対応する最大許容送信電力を取得する。
最大許容送信電力とは、一次利用者に影響を与えない電力範囲の制限値である。
最大送信可能電力とは、装置として出力できる最大の電力と、最大許容送信電力の内、いずれか小さい方の電力である。
そして、BS10は当該運用チャネルを用いて無線通信システム1内のCPEとホワイトスペースを利用した通信を開始する。
そして、BS10は、定期的に運用チャネルとエントリ用周波数とを交互に切り替えて通信を行う。この動作については後述する。
次に、BS10の構成について図2を用いて説明する。図2は、BS10の構成ブロック図である。
図2に示すように、BS10は、電波の送受信を行うアンテナ101と、データの送受信を行うデータ伝送部102と、運用チャネルや送信可能周波数の管理を行うスペクトルマネージャ(SM)103と、自局全体の制御を行う主制御部104と、バックホール回線30や外部装置とのインターフェースとなるインターフェース部105と、バックホール回線や外部装置と接続するための端子106とを備える。
データ伝送部102は、RF部111と、ベースバンド(BB)信号処理部112と、MAC処理部113とを備える。
RF部111は、ベースバンドから無線周波数帯への周波数変換及び無線周波数帯からベースバンドへの周波数変換や、信号増幅等の処理を行う。
BB信号処理部112は、誤り訂正符号化・復号処理、および変復調処理などを行う。
MAC処理部113は、自局が使用する周波数やデータ送受信タイミングの制御、通信パケットへの自局識別子の付加、及びデータ送信元の無線装置の認識などの処理を行う。
周波数情報通信部121は、共存マネージャ60へ自局の位置情報等を送信し、共存マネージャ60から送信可能周波数リストを受信する。
更に、周波数情報管理部122は、エントリ用周波数(エントリ用チャネル)を記憶しており、予め設定されたタイミングで、特定時間毎に運用チャネルとエントリ用チャネルとを切り替えるよう、主制御部104を介してデータ伝送部102に通知する。
また、BB信号処理部122、MAC処理部123、およびSM103における処理は、たとえば、主制御部104のプロセッサがハードディスクやフラッシュメモリ等のデータ記憶装置に記憶されているプログラムをメモリ上に読み出して実行することにより実現することが可能である。
次に、端末局であるCPE21の構成について図3を用いて説明する。図3は、CPE21の構成ブロック図である。尚、CPE22もCPE21と同じ構成であり、説明は省略する。
図3に示すように、CPE21は、電波を送信及び受信するアンテナ201と、データの送受信を行うデータ伝送部202と、自局の使用する周波数を制御する使用周波数制御部203と、自局全体の制御を行う主制御部204と、外部回線や外部装置とのインターフェースとなるインターフェース部205と、外部回線や外部装置と接続するための端子206とを備える。
RF部211は、ベースバンドから無線周波数帯への周波数変換および無線周波数帯からベースバンドへの周波数変換や、信号増幅等の処理を行う。
BB信号処理部212は、誤り訂正符号化、復号処理、および変復調処理等を行う。
MAC処理部213は、自局が使用する周波数チャネルやデータ送受信タイミングの制御、パケットへの自局識別子の付加、及びデータ送信元の無線装置の認識等の処理を行う。
具体的には、送信可能周波数が判明した後は、使用周波数制御部203は、運用周波数とエントリ用周波数とを交互に切り替えて通信するよう制御する。
次に、本システムにおける周波数切り替えパターンの例について図4を用いて説明する。図4は、本システムにおける周波数切り替えパターンを示す模式説明図である。
上述したように、本システムのBS10は、定期的に運用周波数とエントリ用周波数とを切り替えて通信を行う。ここでは、運用周波数をf1とし、エントリ用周波数をf10としている。
また、図4では、BS10が管理する本システム内にCPE21,22が存在し、CPE21は既に通信中であり、CPE22が新たに通信を開始するところを示しており、CPE21は、f1が送信可能周波数であることを既に認識している。
ホワイトスペース通信期間とネットワークエントリ期間の時間は任意に設定可能であり、例えば、CPEの接続数やトラフィックに応じて可変としてもよく、各期間の長さは初期設定情報として各CPEに与えられる。
ホワイトスペース通信期間においては、新たに通信に参入しようとするCPE22は、エントリ用周波数f10以外の周波数は利用できないため、BS10との通信は行わない。
ネットワークエントリ期間になると、CPE21は、使用周波数をf1からf10に切り替え、引き続き通信を行う。
つまり、CPE21は、運用周波数であるf1と、エントリ用周波数であるf10をいずれも使用することができることを認識している為、ホワイトスペース通信期間ではf1を用いて送受信を行い、ネットワークエントリ期間においてはf10を用いて送受信を行う。
そのため、CPE22は、ネットワークエントリ期間においてf10を用いてBS10と送受信を行って、自局の位置情報に基づく送信可能周波数リストの取得を試みる。
このように、CPE22にとって運用周波数f1が使用可能か否かが不明な場合には、確実に送信可能であるエントリ用周波数f10を用いて通信を行うことにより、一次利用者に干渉を与えるのを未然に防ぐことができるものである。
図4の例では、この時点では、CPE22はまだ自局の位置情報に基づく送信可能周波数リストが取得できておらず、CPE21のみが運用周波数f1を用いて通信を行っている。
また、CPE22がf1を使用できないことが判明した場合、BS10は、自局の送信可能周波数リストの中からCPE21,22の両方が使用可能な周波数を選択し、これを運用周波数としてホワイトスペース通信期間の通信を行う。
このようにして、本システムにおける周波数の切り替えが行われるものである。
本発明の実施の形態に係る無線通信システムによれば、予めBS10及びCPE21,22が、一次利用者が使用しないことが保証されている特定の周波数をエントリ用周波数として記憶しておき、BS10は、送信可能周波数リストから選択した運用周波数を用いるホワイトスペース通信期間と、エントリ用周波数を用いるネットワークエントリ期間とを一定時間毎に切り替えて通信を行い、CPE21,22は、自局の位置情報に基づく送信可能周波数が不明な場合には、エントリ用周波数のみを使用し、自局の位置情報に基づく送信可能周波数リストの取得後は、ホワイトスペース通信期間においては運用周波数を用い、ネットワークエントリ期間においてはエントリ用周波数を用いて通信を行うようにしているので、基地局を経由しなければ送信可能周波数リストを取得できない端末局を用いて無線通信システムを構成する場合であっても、新たに通信に参入しようとするCPE21,22が、自己の位置情報に基づく送信可能周波数を把握するまでは、確実に一次利用者に影響を与えないエントリ用周波数を用いるようにして、送信可能か否かが不明である運用周波数で通信するのを防ぎ、周波数の有効利用を図りつつ、一次利用者に干渉を与えるのを防ぐことができる効果がある。
Claims (3)
- 基地局と端末局との間でホワイトスペースを利用して無線通信を行う無線通信システムであって、
前記基地局及び前記端末局が、一次利用者に干渉を与えないことが保証されている特定の周波数の情報を記憶しておき、
前記基地局が、ホワイトスペースを利用した運用周波数で通信を行う第1の期間と、前記特定の周波数で通信を行う第2の期間とを定期的に切り替えて通信を行い、
前記端末局が、前記運用周波数が自局の位置情報に基づく送信可能周波数であるかどうかを認識していない場合には、前記第2の期間において前記特定の周波数で前記基地局と通信を行い、前記運用周波数が前記自局の位置情報に基づく送信可能周波数であることを認識している場合には、前記第1の期間において前記運用周波数で前記基地局と通信を行うと共に、前記第2の期間において前記特定の周波数で前記基地局と通信を行うことを特徴とする無線通信システム。 - 基地局が、指示された周波数で無線通信を行うデータ伝送部と、
ホワイトスペースを利用した運用周波数の情報と、一時利用者に干渉を与えないことが保証されている特定の周波数の情報とを記憶しており、前記運用周波数と前記特定の周波数とを定期的に切り替えて前記データ伝送部に指示する周波数管理部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。 - 端末局が、指示された周波数で無線通信を行うデータ伝送部と、
一次利用者に干渉を与えないことが保証されている特定の周波数の情報を記憶し、自局の位置情報に基づく送信可能周波数を認識していない場合には、前記特定の周波数を前記データ伝送部に指示する使用周波数制御部とを備えたことを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
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