JP6151149B2 - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、誘導加熱調理器の火力制御に関するものである。
誘導加熱調理器に用いるインバータは、加熱コイルに流れる電流を制御することによって、負荷(鍋)に発生させる電力を制御することができる。制御方法としては、インバータ自体の動作周波数を変化させる周波数制御方式と、インバータに印加される電圧を変化させる電圧制御方式に大別される。
近年実用化されたオールメタル対応インバータは、従来加熱できなかったアルミや銅などの低抵抗低透磁率の負荷を加熱できるように改良されている。
アルミ等の負荷は等価抵抗が低いために共振の鋭さを表すQが高いため、周波数を変化させて電力を制御することが難しい。所定の周波数でインバータ駆動を行いつつ前記略安定化直流電源の電圧を変化させることにより電力制御を行っている。
その所定の周波数は負荷(鍋)、加熱コイル、共振コンデンサで構成される共振回路の共振周波数に近く、かつ、高い周波数を設定しており、インバータ駆動信号に対してインバータ電流の位相遅れが所定の範囲になるよう設定される。
最初は共振周波数が不明な状態であるから、通電開始時のインバータ駆動周波数はあらかじめ想定される標準的な負荷における共振周波数よりもはるかに高い周波数に設定される。Qが高いことから、通電開始時には共振周波数から離れた周波数で駆動されることからインバータ電流が非常に小さくなる。インバータ駆動周波数を下げて共振周波数に近づける際、急速に近づくと高いQにより急激にインバータ電流が流れて過大な状態となりインバータ回路に使用している素子(スイッチング素子や共振コンデンサなど)に過負荷がかかり、素子の破壊に至るものである。
そこで、特許文献1には、低抵抗非磁性金属負荷を加熱する場合にインバータ駆動周波数を設定して電力を設定時にはインバータ手段に印可する電圧を低く設定して過大なインバータ電流が流れないように徐々に駆動周波数を変更していき、所定の位相差になるような駆動周波数になった後にインバータ手段に印可する電圧を高めていく制御が提案されている。
また、特許文献2には、通電開始する方法としては、インバータ駆動信号とインバータ電流の位相差が所定の範囲になるまで周波数を変化させたのち、直流電源電圧を可変する手順が提案されている。
特許第4521338号公報 特開2005−93089号公報
前記した従来の誘導加熱調理器では、使用者が非磁性低抵抗金属負荷(鍋)を用いて調理するとき、目標とする電力になるまで時間がかかり、鍋振りして炒め物調理をする場合、加熱コイルから鍋が離れたり近づいたりするため、加熱と加熱停止しを繰り返すので、鍋に合った目標電力に到達しないで、設定された火力が鍋に印加されない問題がある。
本発明の目的は、前記の問題点を解決するもので、使用者が非磁性低抵抗金属負荷(鍋)を用いて調理するとき、通電開始から短い時間で目標とする電力に到達し優れた調理性能が得られる誘導加熱調理器を提供することにある。
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、請求項1においては、金属の負荷に渦電流を生じて加熱する加熱コイルと、前記負荷を加熱する火力などの設定操作をする操作部と、供給される直流電圧を可変して出力する直流電源手段と、共振コンデンサとスイッチング素子を有し、前記加熱コイルと前記共振コンデンサと前記スイッチング素子とで共振回路を構成し、前記直流電源手段より供給される直流電源から前記加熱コイルに高周波電流を供給するため前記スイッチング素子を駆動して電力を供給するインバータ手段と、前記加熱コイルに流れる電流を検出するインバータ電流検出手段と、前記スイッチング素子の駆動タイミングと前記インバータ電流検出手段の検出した電流波形から検出する位相差と該位相差が最適値になったときに位相差限界信号とを出力する位相差検出手段と、前記操作部に設定された火力と前記負荷に応じて前記直流電源手段の出力電圧と前記スイッチング素子の駆動周波数を制御する制御手段とを備え、該制御手段には、前記負荷の加熱開始後は、前記スイッチング素子の駆動周波数を高い値から低い値へ周波数を逐次変更し、前記インバータ電流検出手段が特定の電流レベルを検出した後は、前記位相差検出手段より前記位相差限界信号が検出されるまで前記周波数の変更の度合いを小さく制御するものである。
本発明によれば、使用者が非磁性低抵抗金属負荷(鍋)を用いて調理するとき、通電開始から短い時間で目標とする電力に到達し、優れた調理性能が得られる。
一実施例の誘導加熱調理器の組み込状態を示す斜視図 同誘導加熱調理器の要部ブロック図 同誘導加熱調理器の負荷材質別のインバータ手段の駆動周波数とインバータ電流検出手段の出力の関係を示す図(a)磁性金属、(b) 非磁性低抵抗金属 同誘導加熱調理器のインバータ手段の駆動信号とインバータ電流を示す図(a) 位相差大、(b)位相差適正 (b) 位相差小 同誘導加熱調理器の位相差と位相差限界信号の出力を示す図 同誘導加熱調理器のインバータ手段の駆動周波数の設定手段を示す図 同誘導加熱調理器のSET値と出力の関係を拡大して示す図 同誘導加熱調理器の直流電源手段のインバータ手段への出力電圧ごとのインバータ手段の駆動周波数とインバータ電流検出手段の出力の関係を示す図 同誘導加熱調理器のインバータ手段の駆動周波数とインバータ電流の経計変化を示す図(a)一実施例(b)他の実施例 従来の誘導加熱調理器のインバータ手段の駆動周波数とインバータ電流の電流を経計変化を示す図
以下、誘導加熱調理器を例に、本発明の実施例を、図1から図10を用いて説明する。
図1において、101はキッチンキャビネットで本体102を組み込み、上面は周囲をプレート枠120で囲んだガラス製のプレート103を備えている。プレート103には鍋などを載置する載置部106と、鍋を加熱する火力などの設定操作を行う上面操作部109と状態を表示する上面表示部110を設けている。載置部106は前側左右の載置部左106b、載置部右106aと奥側中央の載置部中央106cを備える。載置部106の全部またはいずれかに加熱コイル5(図2)を備える。いずれかの載置部106に設けた加熱コイル5でアルミや銅などの非磁性低抵抗金属負荷を誘導加熱する。また、前面側にはオーブン104とその操作部105を備える。
図2において、1は商用交流電源で、後述する制御回路111に電力を供給する。商用交流電源1から供給される電力を整流回路2で直流化する。3は、整流回路2に接続して電源電圧を可変して出力する直流電源手段である。4は、直流電源手段3に接続して共振コンデンサ4cとスイッチング素子4aを備えて加熱コイル5に高周波電流を出力するインバータ手段である。5は、載置部に載置した鍋などの負荷6に、誘導加熱によって渦電流を生じさせて自己発熱させる加熱コイルである。
次に、本体102の内部に備える制御回路111について、その構成をブロック図により説明する。8は、商用交流電源1の入力電圧K2を検出する電源電圧検出手段。10は、商用交流電源1の入力電流Kを検出する電源電流検出手段。12は、インバータ手段4から加熱コイル5に流れるインバータ電流Pを検出するインバータ電流検出手段である。7は制御手段で、電源電圧検出手段8から商用交流電源1の入力電圧K2を検出した出力である検出信号Vinが入力され、電源電流検出手段10から電流センサ9で入力電流Kを検出した出力である電流検出信号Iinが入力される。
また、制御手段7は、使用者が設定する火力に応じて、直流電源手段3の電圧設定信号Vsetと、インバータ手段4の駆動信号Gateを操作して電力制御を行う。
また、制御手段7は、インバータ電流検出手段12から、電流センサ11で加熱コイル5に流れるインバータ電流Pを検出した出力ILが入力され、電源電流検出手段10から負荷の状態(有無・材質等)を検出した出力電流検出信号Iinが入力され、インバータ手段4の後述する回路構成または駆動周波数などを適切に選択する。
インバータ手段4の回路構成については、加熱コイル5と共振コンデンサ1個の共振回路(直列接続体)を電源端子間に接続するスイッチング素子の直列接続体の中点と電源端子の基準点に接続したSEPP(Single-Ended Push-Pull)構成と、共振コンデンサを2個にし、片側を電源端子の高電圧側出力端に接続したものである。この場合、SEPP構成に対して共振コンデンサ1個あたりの静電容量は半分となり、電流分担も半分となるHB(Half Bridge)構成と、スイッチング素子の直列接続体を2組用い、共振回路を双方の中点に接続したものである。スイッチング素子の数量は倍となるものの共振回路に印加される電圧は倍となるので電力としては4倍を得ることが可能となるFB(Full Bridge)構成である。
また、制御手段7は、位相差検出手段13によって、インバータ手段4を駆動する駆動信号Gateとインバータ電流検出手段12の出力ILより検出した位相差信号θ(位相差R)と位相差限界信号θLimを入力し、適切な位相状態を設定するようにインバータ駆動信号の周波数を設定する。
さらに、制御手段7は、出力電圧可変手段20と後述する離散的周波数設定手段16と電流レベル設定手段21と限界信号出力手段22とを備えている。出力電圧可変手段20は、直流電源手段3の出力電圧Nを可変するための電源設定信号Vsetを出力するものである。
そして、制御手段7は、電源電圧検出手段8からの検出信号Vinおよび電源電流検出手段10から電流検出信号Iinを入力し、使用者が設定する火力に応じて直流電源手段3の電圧設定信号Vsetとインバータ手段4の駆動信号Gateを操作して直流電源手段3の出力電圧Nとインバータ手段4に備えるスイッチング素子4aの駆動周波数Fをそれぞれ可変し加熱コイル5に投入する電力を制御するものである。
なお、位相差検出手段13には、インバータ手段4を駆動する制御手段7から発する駆動信号Gateとインバータ電流検出手段12の出力ILによりその位相差R(図4)を検出し、位相差Rが位相差信号θと所定の位相差S(図示せず)未満になった場合に位相差限界信号θLimを出力する限界信号出力手段19を備えている。
離散的周波数設定手段16は、インバータ手段4を駆動する駆動信号Gateの駆動周波数Fを決定するものである。電流レベル設定手段21は電源電流検出手段10で検出する入力電流Kまたはインバータ電流Pに対して定格電力通電時よりも低く、かつ、段階的電力の最低電力よりも高いレベルの電流レベルLを設定するものである。
前記設定される電流レベルLは、例えば、最小電力100W、最大電力3000Wとすると、電流検出レベルは500W相当程度とし、最大電力の1/4〜1/10程度としている。これは、アルミ材質の鍋が大きな電力を投入すると浮力が大きくなって鍋が浮いたり移動したりすることで正確なインバータ電流が検出できなくなるのを防止するためである。底径200mmのアルミ鍋であれば水などの内容物が無い場合は約500Wを越えると移動する可能性がある。
図3は、負荷6の材質別に示したインバータ手段4の駆動周波数Fとインバータ電流検出手段12の出力ILとの関係を示す図である。(a)は磁性金属、(b)は非磁性低抵抗金属の図である。
図3(a)は、インバータ手段4の共振回路における抵抗成分が大きくなる負荷の場合で、磁性金属である鉄や磁性ステンレスなどが相当する。
加熱に適した材質の負荷6を使用した場合には、使用者が設定した火力を得るときにインバータ手段4は、共振周波数f0に近い周波数で加熱するものである。そのため、インバータ手段4は、加熱コイル5に高周波電流の出力を開始する場合、駆動周波数Fを高い値から下げて出力を高くするものである。それは負荷6の材質によって負荷6が加熱に適さない場合に、使用者が設定した火力を得るようにするとインバータ手段4に負担がかかる為である。
そして、駆動周波数Fに対してインバータ電流Pの変化の大きさを示し、共振の鋭さを表すQが、変化の大きいものを共振が鋭い、Qは大きい、という。また変化の小さいものを共振が鈍いQは小さい、という。
この図3(a)の場合は、共振の鋭さを表すQが小さいので、インバータ駆動周波数Fの変化に対してインバータ電流Pの変化が大きくないので、インバータ電流検出手段12の出力ILは大きくない。このため、駆動周波数Fが、高い周波数から序所に共振周波数f0に近づく過程においても、インバータ電流Pは相対的に急激な変化が発生しにくいため出力ILも相対的に急激な変化は発生しにくい。
例えば、共振周波数f0から離れたf1からΔfだけ共振周波数f0に近づいたときの出力変化分ΔIL1と、共振周波数f0に近いf2からΔfだけ共振周波数f0に近づいたときの出力変化分ΔIL2は数倍の差が発生する。これは共振周波数f0に近づいたときには、共振周波数f0から遠い場合に比べて数倍微細な周波数変化をすれば制御可能となるものである。そのため、これらは、磁性金属である鉄や磁性ステンレスを加熱する誘導加熱に用いる制御方法である。
図3(b)は、アルミ、銅、非磁性ステンレスによる非磁性低抵抗金属を示す。これは、インバータ手段4の共振回路における抵抗成分が小さくなる負荷の場合で、非磁性金属であるアルミ、銅、非磁性ステンレスなどが相当する。
この図3(b)の場合は、Qは大きくなるために駆動周波数Fの変化に対してインバータ電流Pの変化は、共振周波数f0に近づくと急激に増加し、出力ILも、共振周波数f0に近づくと急激に増加する。
例えば、図3(a)と同様の周波数変化をさせたとき、出力変化分ΔIL1はほとんど変化せず、ΔIL2は非常に大きな変化を示す。したがって、駆動周波数Fのみを変化させて電力制御させる場合は、周波数制御を10〜100倍などの高精細で行う必要がある。さらに、アルミ等の加熱を行う場合には、駆動周波数Fを60〜90kHz程度に設定して負荷6の表皮抵抗を大きくする必要があるため、さらに高精細な周波数制御が要求され現実的ではない。そのため、周波数制御とインバータ手段4に印加する電圧制御を併用して安定に電力制御する方法で、非磁性低抵抗金属であるアルミ、銅、非磁性ステンレスを加熱する誘導加熱に用いる制御方法である。
図4はインバータ手段4の駆動信号Gate(スイッチング素子4aの上アーム駆動信号Gate1と下アーム駆動信号Gate2)に対するインバータ電流Pの状態を示した図である。
図4(a)は、共振周波数f0に対してインバータ手段4の駆動周波数Fが高いためインバータ手段4の駆動信号Gateの周波数が高く、かつ、共振周波数f0と駆動周波数Fとの差が大きい図3(b)のf3の状態ある。なお且つ上アーム駆動信号Gate1がオンになるタイミングとインバータ電流Pが負から正方向に切り替わる点(ゼロクロス点)の期間(位相差)が大きく、この図4(a)の状態は、共振周波数f0から駆動周波数Fが離れているためにインバータ電流Pが流れにくく、負荷6に電力を投入しにくい。
図4(b)は、電力制御をして駆動信号Gateの上アーム駆動信号Gate1がオンになるタイミングとインバータ電流Pが負から正方向に切り替わる点(ゼロクロス点)の期間が適正で、インバータ電流Pを検出するインバータ電流検出手段12の出力ILと駆動信号Gateの位相差Rが適正となるように設定した状態を示している。そのため、上アーム駆動信号Gate1がオンになるのに対して、スイッチング素子4aにかかる電圧がほぼゼロボルトのタイミングでスイッチング素子4aがオンするように設定するゼロボルトスイッチ(図示せず)である。
図4(c)は、上記(b)の状態よりもインバータ手段4の駆動周波数Fが共振周波数f0に近づいた図3(b)のf4の状態で、あり、位相差Rはさらに小さくなる。この状態では上記(b)の状態のゼロボルトスイッチに設定できなくなっている。スイッチング素子4aに並列に接続するスナバコンデンサ(図示せず)に電荷が残留するために、スイッチング素子4aがオンすることで大きなスナバコンデンサ放電/充電電流が流れるために損失が増大するのでこの状態は避けるものである。
そのため、適正な位相差Rを検出するために位相差検出手段13において、適正位相差からさらに位相差Rが小さい状態を検出するために限界信号出力手段19によって位相差限界信号θLimを出力する。
図5は限界信号出力手段19の位相差限界信号θLimの出力例である。横軸は位相差R、縦軸は位相差限界信号θLimで、図5の(a)、(b)、(c)の夫々は、上記した図4(a)、図4(b)、図4(c)における状態を示すものである。
位相差Rが(d)点以上に大きな場合は、位相差限界信号θLimは、一定値Aを出力する。そして、(d)点未満に小さい場合は、位相差限界信号θLimは、一定値Bを出力する。位相差限界信号θLimは、一定値Aは一定値Bより大きい値である。(d)点は(b)と(c)の間で (b)寄りである。
そのため、位相差限界信号θLimが一定値Aとなるのは、(a)(b)が含まれ、位相差Rが(a)から(b)の間は、位相差に余裕が有るものである。(c)は、位相差に余裕が無く限界未満である。
なお、位相差R自体の検出方法は、多種の方法があり、次のいずれでもかまわない。各々の信号タイミングを基準として充放電回路を構成し、その電圧を検出して相対的に位相差を求めて判定する。また、各タイミング間をハードウェアタイマカウンタで数値に変換して判定する。
図6はインバータ手段4の駆動周波数Fの設定手段を示している。図6は一般的な組み込み用マイクロコンピュータを用いた方法であり、カウンタタイマ30は、基準クロックφがカウントソースとして利用し、ソフトウェアによりSET値を設定することで出力Sfを出力する。出力Sfにより駆動周波数Fが制御される。このような設定手段はPWM(pulse width modulation)と呼ばれ、出力Sfは、基準クロックφの精度に依存し、出力Sfの周期やパルスデューティを任意に設定できる。
図7はSET値Stに対する出力Sfの周波数の変化例を示したものである。
出力Sfは、周波数であるため、基準クロックφの精度に依存した周期の逆数となるため、高い周波数域では低い周波数域よりも分解能が劣るものであり、SET値Stは離散的に設定されるため、拡大部Wに示すようにSET値Stに対して階段状に出力Sfが変化する。
図8は直流電源手段3のインバータ手段4への出力電圧N(VDC1〜VDC4)ごとに、インバータ手段4の駆動周波数Fに対するインバータ電流Pを検出するインバータ電流検出手段12の出力ILの変化を示すものである。
加熱コイル5、負荷6、共振コンデンサ4cで構成される共振周波数をf0、最適な位相差R状態のときのインバータ手段4の駆動周波数Fをfc、インバータ手段4に印加する直流電源手段3の出力電圧NをVDC1〜VDC4(VDC1<VDC2<VDC3<VDC4)とする。
基本的な動作としては、インバータ手段4の駆動周波数Fを高い状態から徐々にf0に近づけていき、最適な位相差Rを検出したところで駆動周波数Fをfcに固定し、直流電源手段3の出力電圧Nを変化させて目標となる電力になるよう設定する。
このとき、図示するようなインバータ手段4の駆動周波数Fと直流電源手段3のインバータ手段4への出力電圧Nの組み合わせからインバータ電流Pが決まり、インバータ電流Pを検出するインバータ電流検出手段12の出力ILが変化する。
しかし、最適な位相差Rとなる駆動周波数Fは通電開始前には分からないものである。通電開始後もインバータ手段4の駆動周波数Fを変化させて位相差Rの状態を検出することにより駆動周波数Fを検出するものである。そのため通電開始直後からインバータ手段4へ直流電源手段3の高い出力電圧Nをインバータ手段4に印加すると共振周波数f0に近づくに連れてインバータ電流Pが急激に大きくなり、インバータ手段4に用いている素子を破壊するおそれがあるので、経過時間に対して、駆動周波数Fの変化する割合を小さくし、変化速度を小さくして、ゆっくりと変化させる。
例えば、図8のある出力ILがIL1に到達するときの直流電源手段3の出力電圧Nと駆動周波数Fの関係は、過電流を発生させるような状況には至らない。しかし、直流電源手段3の出力電圧Nが異なる状態で駆動周波数Fを変化させると、周波数fcに近づくにつれてそれぞれ流れるインバータ電流Pの大きさが大きく異なるため、
インバータ電流Pを検出するインバータ電流検出手段12の出力ILの大きさが大きく異なっていくことが分かる。したがって、最適な位相差Rとなる駆動周波数Fを探索する場合は、直流電源手段3の出力電圧Nを十分に低くする。
そのため、前述の通り、十分に低い出力電圧Nのまま駆動周波数Fを変化させると、インバータ電流Pが過電流状態になることは防止できる。しかし、最適な位相差Rの状態をとなる駆動周波数Fを検出する時間が長くなる。
これを改善するために、出力電圧Nを低くしたまま駆動周波数Fの経過時間に対して駆動周波数Fの変化する割合を大きくすると、最適な位相差R状態となる駆動周波数Fであるfcよりも小さい値に超過するおそれがある。そのため、共振周波数f0に近づきすぎて過電流状態となり同様にインバータ手段4に用いている素子に負担がかかるおそれがある。
本実施例は上記のような問題点を解決するために、以下図9、図10を基に説明する。
まず、図10で従来の方法を説明する。横軸は時間t、左縦軸はインバー手段4の駆動周波数F、右縦軸はインバータ電流Pであり、細線は駆動周波数F、太線はインバータ電流Pの変化を示す。
従来の方法は、時間軸tの時刻tsから時刻t0まで駆動周波数Fを一定の傾きD1で周波数を低く変化させるものである。時刻t0で最適な位相差R状態になるものである。
図9で、本実施例の方法を説明する。横軸は時間t、左縦軸はインバー手段4の駆動周波数F、右縦軸はインバータ電流Pであり、細線は駆動周波数F、太線はインバータ電流Pの変化を示す。
(a)は、時間軸tの時刻tsから時刻t2まで駆動周波数Fを多段階の傾きで周波数を低く変化させるものである。時刻t2で最適な位相差R状態になる実施例である。
(b)は、時間軸tの時刻tsから時刻t2’まで駆動周波数Fを多段階の傾きで周波数を低く変化させると共にインバータ手段4に印加する直流電源手段3の出力電圧Nを変化させるものである。時刻t2’で最適な位相差R状態になる他の実施例である。
図9(a)は時刻tsからインバータ手段4の駆動周波数Fを従来の方法の傾きD1よりも大きい傾きE1で低くし、時刻t1でインバータ電流検出手段12によって所定の電流値(電流レベルL)に達したところで駆動周波数Fの傾きE1よりも小さいE2に低くする。時刻t2で位相差限界信号θLimを検出して従来の方法で得た同様の最適な位相差R状態に至る。
結果として、従来の方法で最適な位相差R状態に至る時間t0よりも本発明の方法によって最適な位相差R状態に至る時間t2のほうが短時間(t0>t2)となるので、最適な位相差Rとなる駆動周波数Fを設定した後に直流電源手段3の出力電圧Nを変化させる電力制御に移行するまでの時間が短く、目標とする電力に到達するまでの時間も短くなる。
図9(b)は時刻tsにおける直流電源電圧を例えば図8におけるVDC4に設定しインバータ駆動周波数を傾きE1よりも大きい傾きJ1で低くしていき、時刻t1’で電流検出手段によって所定の電流値に達したところで直流電源電圧をVDC3に設定し低くすると共にインバータ駆動周波数の傾きをJ1よりも小さいJ2で低くしていき、時刻t2’で最適な位相差Rの状態に至る。
結果として、図9(a)の方法で最適な位相差R状態に至る時間t2よりも、図9(b)の方法によって最適な位相差R状態に至る時間t2’のほうが短時間(t2>t2’)となる。
また、所定の電流値に達するごとに直流電源電圧を下げていく制御を併用することで、最適な位相差状態となる周波数fcに高速で近づけることができるとともに、共振周波数に近づくことによる電流増大を抑えることができ、過電流や過電圧の発生を防止することが可能となり安全性も高くなる。これにより(b)の方法で直流電源電圧をVDC4に設定した状態で最適位相差を検出するよりも短時間でインバータ駆動周波数を探索でき、直流電源電圧による電力制御に移行するまでの時間が短く、目標電力に到達するまでの時間を短くすることができる。
図9(a)および(b)の動作例では駆動周波数Fを2段階に傾きを変化させる例を示しているが、より多段階に変化させる制御でも有効である。
これは共振回路のQが高くなる負荷でさらに有効であり、最適な位相差Rに至る駆動周波数Fの検出をより早くできると同時に過電流の発生を抑制することが可能となる。
その結果、通電開始から目標とする電力に到達するまでの時間が短く、調理者が必要とする加熱電力に素早く到達することが可能となり、特に炒め物などの調理性能が向上するとともに、自動温度制御機能などを有する調理モードもより短時間で目標温度に到達させることができるようになる。
また、鍋振りして炒め物調理をする場合、負荷(鍋)が加熱コイルから距離が遠近変化して、鍋無し検知等が作動して一旦加熱を停止しても、短い時間で必要とする火力(電力)になる動作を繰り返す。そのため、実質的な調理火力が必要な電力まで到達し、短時間で大火力を要する炒め物調理の調理性能が得られ、調理物の仕上がりが向上する例えば野菜炒めのシャキシャキ感などである。
1 商用交流電源
3 直流電源手段
4 インバータ手段
4a スイッチング素子
5 加熱コイル
6 負荷
7 制御手段
8 電源電圧検出手段
10 電源電流検出手段
12 インバータ電流検出手段
13 位相差検出手段
16 離散的周波数設定手段
19 限界信号出力手段
20 出力電圧可変手段
21 電流レベル設定手段
22 限界信号出力手段
F 駆動周波数
Gate 駆動信号
H 初期電圧
Iin 電流検出信号
L 出力
K 入力電流
2 入力電圧
L 電流レベル設定
N 出力電圧
P インバータ電流
R 位相差
S 位相差
T 限界信号
U 駆動周波数変化率
Vin 検出信号
Vset 電源設定信号
θ 位相差信号
θLim 位相差限界信号

Claims (2)

  1. 金属の負荷に渦電流を生じて加熱する加熱コイルと、
    前記負荷を加熱する火力などの設定操作をする操作部と、
    供給される直流電圧を可変して出力する直流電源手段と、
    共振コンデンサとスイッチング素子を有し、
    前記加熱コイルと前記共振コンデンサと前記スイッチング素子とで共振回路を構成し、
    前記直流電源手段より供給される直流電源から前記加熱コイルに高周波電流を供給するた
    め前記スイッチング素子を駆動して電力を供給するインバータ手段と、
    前記加熱コイルに流れる電流を検出するインバータ電流検出手段と、
    前記スイッチング素子の駆動タイミングと前記インバータ電流検出手段の検出した電流
    波形から検出する位相差と該位相差が最適値になったときに位相差限界信号とを出力する
    位相差検出手段と、
    前記操作部に設定された火力と前記負荷に応じて前記直流電源手段の出力電圧と前記ス
    イッチング素子の駆動周波数を制御する制御手段とを備え、
    該制御手段には、
    前記負荷の加熱開始後は、前記スイッチング素子の駆動周波数を高い値から低い値へ周
    波数を逐次変更し、
    前記インバータ電流検出手段が特定の電流レベルを検出した後は、前記直流電源手段の出力電圧を下げた後、前記位相差検出手段より前記位相差限界信号が検出されるまで前記周波数の変更の度合いを小さく制御することを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 前記制御手段は、前記位相差限界信号が検出された後は、該位相差限界信号が入力され
    た際の前記駆動周波数に設定を固定してから前記直流電源手段の前記出力電圧を変化させ
    ることにより目標の電力になるよう制御することを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱調理器。
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