以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMの正面図及び背面図を図1及び図2に示しており、まず、この図を参照して、ぱちんこ遊技機PMの全体構成について概要説明する。なお、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PMは、従来の第1種ぱちんこ遊技機に相当する機能を二つ混在した機種であり、第1の遊技(第1特別図柄遊技)と第2の遊技(第2特別図柄遊技)との両立を実現している。
[ぱちんこ遊技機の基本構成]
始めに、図1を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの正面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機PMは、図1に示すように、外郭方形枠サイズに構成された縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載枠をなす前枠2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構3により横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側縁部に設けられたダブル錠と称される施錠装置4を利用して常には外枠1と係合連結された閉鎖状態に保持される。
前枠2には、この前枠2の上部前面域に合わせた方形状のガラス枠5が上下のヒンジ機構3を利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられ、施錠装置4を利用して常には前枠2の前面を覆う閉鎖状態に保持される。前枠2には、遊技盤20が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス枠5の複層ガラスを通して遊技盤20の正面の遊技領域PAを視認可能に臨ませるようになっている。
ガラス枠5の前面側には、遊技の展開状況に応じて発光する枠ランプ(LEDランプ)10や、遊技の展開状況に応じて効果音を発生するスピーカ11が設けられている。ガラス枠5の下部には遊技球を貯留する上下の球皿(上球皿8及び下球皿9)が設けられており、上球皿8の正面中央には遊技者によって押圧操作される演出ボタン15が設けられ、下球皿9の正面右側には遊技球の発射操作を行う発射ハンドル12が設けられている。
遊技盤20は、ルータ加工等を施した矩形状の積層合板に、所定の図柄が印刷されたセルを貼り付けて成型される化粧板を基板として構成される。遊技盤20の前面には、外レール及び内レールが円弧状に固設されて遊技球が転動可能な略円形の遊技領域PAが区画形成され、この遊技領域PAに風車や多数本の遊技釘とともに、第1始動口61、第2始動口62、作動ゲート63、大入賞口64、などの各種入賞口の他、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、第1特図保留ランプ73、第2特図保留ランプ74、普通図柄表示装置75、普図保留ランプ76などの各種表示装置が設けられている。遊技領域PAの略中央にはセンター飾り22が配設されており、このセンター飾り22の中央開口を通して演出表示装置70の画面が視認可能に設けられている。遊技領域PAの下端には各入賞口に入球せずに転動流下した遊技球を遊技盤20の裏側へ排出するアウト口
29が設けられている。以下、遊技盤20に設けられた各構成要素を順番に説明する。
第1始動口61は、第1特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第1始動口スイッチ611を備えている。第1始動口61への遊技球の入球は、第1特別図柄抽選の契機となる。
第2始動口62は、第2特別図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の入球を検出するための第2始動口スイッチ621を備えている。第2始動口62への遊技球の入球は、第2特別図柄抽選の契機となる。また、第2始動口62は、普通電動役物622と、この普通電動役物622を開閉駆動させるための普通電動役物ソレノイド623とを備える。普通電動役物622は、第2始動口62へ遊技球が入球し難い閉鎖状態と該状態よりも遊技球が入球し易い開放状態とに可変する。ここで、第2始動口62は、普通電動役物622が開放されなければ、遊技球が入球し難い構造となっている。一方、普通電動役物622が開放されると、第2始動口62への入球容易性が高まる。
作動ゲート63は、普通図柄遊技に対応する始動入賞口として設けられており、遊技球の通過を検出するための作動ゲートスイッチ631を備えている。なお、作動ゲート63への遊技球の通過は、第2始動口62の普通電動役物622を拡開させるか否かを決定するための普通図柄抽選の契機となる。
大入賞口64は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選で大当り又は小当りとなった場合に開放状態となる、横長方形状をなし遊技領域PAの下方に位置した入賞口である。大入賞口64は、遊技球の入球を検出するための大入賞口スイッチ641を備えるとともに、いわゆるアタッカー装置と称される特別電動役物642と、この特別電動役物642を開閉駆動させるための大入賞口ソレノイド643をとを備えている。特別電動役物642は、大入賞口64に遊技球が入球不能又は入球困難な通常状態と遊技球が入球可能又は入球容易な開放状態とに可変する。
第1特別図柄表示装置71は、遊技球が第1始動口61に入球したことを契機として、第1特別図柄の変動表示および確定表示を行う。この第1特別図柄表示装置71は、例えば8個のLEDランプから構成され、第1特別図柄の変動表示は当該ランプの点滅パターンに従って表現され、当該ランプの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第1特別図柄が確定表示される。
第2特別図柄表示装置72は、遊技球が第2始動口62に入球したことを契機として、第2特別図柄の変動表示および確定表示を行う。この第2特別図柄表示装置72は、例えば8個のLEDランプから構成され、第2特別図柄の変動表示は当該ランプの点滅パターンに従って表現され、当該ランプの点滅が停止して点灯表示に切り替わることで第2特別図柄が確定表示される。
第1特図保留ランプ73および第2特図保留ランプ74は、例えば2個のLEDランプからそれぞれ構成され、当該ランプの点灯・点滅表示によって第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数(最大4個)を表現する。第1特別図柄の作動保留球数は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中あるいは特別遊技の実行中に、第1始動口61への入球に基づき取得した乱数値に係る数であり、当該取得した乱数値を保留する、すなわち、当該取得した乱数値について当否判定許可条件(変動開始条件)を充足するまで当否判定が一旦保留されることになった数を示している。第2特別図柄の作動保留球数は、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動中あるいは特別遊技の実行中に、第2始動口62への入球に基づき取得した乱数値に係る数であり、当該取得した乱数値を保留する、すなわち、当該取得した乱数値について当否判定許可条件(変動開始条件)を充足するまで当否判定が一
旦保留されることになった数を示している。
普通図柄表示装置75は、例えば2個のLEDランプから構成され、普通図柄の変動表示及び確定表示を行う。普図保留ランプ76は、例えば4個のランプから構成され、当該ランプの点灯個数が普通図柄変動の保留数(まだ実行されていない普通図柄変動の数)に相当する。なお、普通図柄表示装置75の左側には、特別遊技におけるラウンド遊技の回数(ラウンド数:特別電動役物642が連続して作動する回数)を表示するラウンド表示器77が設けられている。
演出表示装置70は、主として、第1特別図柄又は第2特別図柄と連動して変動表示・停止する装飾図柄や予告演出を含む演出画像を表示するとともに、第1特別図柄および第2特別図柄の保留表示を行う。具体的には、演出表示装置70の画面上に、装飾図柄の変動表示や予告演出表示などが実行される装飾図柄表示部700と、第1特図保留ランプ73と同期して第1特別図柄の保留表示が実行される第1特図保留表示部701と、第2特図保留ランプ74と同期して第2特別図柄の保留表示が実行される第2特図保留表示部702と、が設けられている。本実施形態では、演出表示装置70として、液晶表示装置を採用している。装飾図柄表示部700には、所定の有効ライン(不図示)上に、装飾図柄の変動表示領域となる三列の表示領域(左表示領域Z1、中表示領域Z2、右表示領域Z3)が設けられており、左表示領域Z1に対応して装飾図柄の左図柄、中表示領域Z2に対応して装飾図柄の中図柄、右表示領域Z3に対応して装飾図柄の右図柄がそれぞれ停止表示されるようになっている。特図保留表示部701,702には、通常の表示態様では、特別図柄の作動保留球が生起されると白丸印の保留画像が表示される一方、当該作動保留球が消化されると対応する保留画像が消失される。この保留画像は、特別図柄の作動保留球の発生順(入球順)に従って順番に表示され、各保留表示部701,702に最大で4個ずつ表示が可能である。
センター飾り22は、演出表示装置70の周囲に設置され、遊技球の流路、演出表示装置70の画面の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り22には、遊技の展開状況に応じた演出動作を実行する複数の可動役物24(24A,24B,24C)が設けられている。各可動役物24は、駆動源としてモータM(例えば、ステッピングモータ)を備えて構成されている。また、センター飾り22には、遊技の展開状況に応じて発光する盤ランプ(LEDランプ)25が設けられている。以下の説明では、便宜上、枠ランプ10および盤ランプ25を総称して「演出ランプLP」とも称する。
続いて、図2を参照しながら、ぱちんこ遊技機PMの背面側の基本構造を説明する。前枠2の背面側には、中央に前後連通する窓口を有して前枠2よりも幾分小型の矩形枠状に形成された基枠体をベースとしてなる裏セット盤30が、上下のヒンジ機構3を介して前枠2後方に横開き開閉及び着脱が可能に連結されている。この裏セット盤30には、前面開放の矩形箱状をなす裏セットカバー30Cが着脱自在に装着されており、常には前枠2に取り付けられた遊技盤20の裏面側を覆って配設されている(これにより後述する主制御基板100、演出制御基板200、画像制御基板300が裏セットカバー30Cにより覆われる)。
裏セット盤30の各部には、多数個の遊技球を貯留する貯留タンク31、貯留タンク31から右方に緩やかな下り傾斜を有して延びるタンクレール32、タンクレール32の右端部に繋がり下方に延びる球供給通路部33、球供給通路部33により導かれた遊技球を払い出す賞球払出ユニット34、賞球払出ユニット34から払い出された遊技球を上球皿6に導くための賞球通路部35などが設けられている。
遊技盤10の背面側には、ぱちんこ遊技機PMの作動を統括的に制御する主制御基板1
00や、演出全般の制御を行う演出制御基板200、遊技展開に応じた画像表示、効果音の制御を行う画像制御基板300、などが取り付けられている。これに対して、裏セット盤30の背面側には、遊技球の発射及び払い出しに関する制御を行う払出制御基板400や、遊技施設側から受電して各種制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板500などが取り付けられている。なお、これらの制御基板は、不正改造防止のため、カシメ構造及び封印シール構造を有する透明樹脂製の基板ケースに収容されたアッセンブリ状態で遊技盤20背面又は裏セット盤30背面の所定位置にそれぞれ配設される。これらの制御基板とぱちんこ遊技機PM各部の電気・電子部品とがハーネス(コネクタケーブル)を介して相互に接続されて、ぱちんこ遊技機PMが作動可能に構成されている。
<ぱちんこ遊技機の制御構成>
次に、図3を追加参照して、本実施形態に係るぱちんこ遊技機PMに搭載された各制御基板について説明する。図3は、ぱちんこ遊技機PMの制御構成を示す制御ブロック図である。
主制御基板100は、遊技に関する各種の演算処理を行うメインCPU101と、制御プログラムや各種データ等を記憶したROM102と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM103と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路104とを備えて構成された主制御マイコン(ワンチップマイコン)110を搭載しており、メインCPU101がROM102に記憶された制御プログラムに従って遊技進行に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、主制御基板100には、図示省略するが、水晶発振器からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成するクロック回路、メインCPU101が誤動作や暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させるWDT回路、リアルタイム割込みの発生や時間計測を可能とするCTC回路、メインCPU101によるプログラム処理(ソフトウェア乱数)とは別系統として動作して所定の乱数(内蔵乱数)を生成する乱数生成回路などが搭載されており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
メインCPU101は、各スイッチからの検出情報などに基づき、ROM102に格納された各種の制御プログラムを読み出して演算処理を行うことで、遊技の主制御に係る各種処理を実行する。RAM103は、電源基板500において生成されるバックアップ電源(VBB)によってバックアップされる不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。RAM103のバックアップ領域は、電源断が生じた場合、当該電源断時に保持していたスタックポインタや各レジスタ等のデータを記憶しておくためのエリアとなっており、電源投入時(電源断復帰時)には当該バックアップ領域の情報に基づいて遊技機の状態が電源断前の状態に復帰されるようになっている。
また、主制御基板100は、第1始動口スイッチ611、第2始動口スイッチ621、作動ゲートスイッチ631、大入賞口スイッチ641などと電気的に接続されており、I/Oポート回路104を介して、各種スイッチからの検出信号をメインCPU101に入力する。また、主制御基板100は、第1特別図柄表示装置71、第2特別図柄表示装置72、第1特図保留ランプ73、第2特図保留ランプ74、普通図柄表示装置75および普図保留ランプ76に電気的に接続され、さらに、普通電動役物ソレノイド623および特別電動役物ソレノイド643に電気的に接続されており、I/Oポート回路104を介して、メインCPU101からの制御信号を各種表示手段および各種ソレノイドに送信する。
主制御基板100と演出制御基板200との間は、8本のパラレル信号線および1本のストローブ線で接続されており、主制御基板100から演出制御基板200へと向かう単一方向のみで通信可能に接続され、主制御基板100から演出制御基板200へ各種の演
出制御コマンドが送信される。演出制御基板200から主制御基板100へデータを送信することはできず、また、主制御基板100に対してデータの送信を要求することはできない。
演出制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づき遊技演出に関する各種の演算処理を行うサブメインCPU201、演出制御プログラムや各種データ等を記憶したROM202、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM203と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポート回路204とを備えて構成された演出制御マイコン(ワンチップマイコン)210を搭載しており、サブメインCPU201がROM202に記憶された制御プログラムに従って遊技演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、演出制御基板200には、図示省略するが、水晶発振器からのクロック信号を分周して内部システムクロックを生成するクロック回路、サブメインCPU201が誤動作や暴走状態となったときにリセットをかけて正常な状態に復帰させるWDT回路、システムクロックに基づき各種信号を出力するTPU回路、TPU回路からの信号などに基づきタイマ割込み等の各種割込みを起動させる割込みコントローラ、シリアルデータを入出力するためのシリアル通信回路などが搭載されており、これらが内部バスを介して相互に接続されている。
演出制御基板200は、主制御基板100からの演出制御コマンドに基づく演出制御処理にて、画像制御基板300へ画像および音響を指示する画像制御コマンド、ランプ接続基板91を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)、モータドライバ92を制御するための駆動制御信号(駆動データ)などを生成する。演出制御基板200は、画像制御基板300と双方向通信が可能に接続されており、画像および音響に関する画像制御コマンドが演出制御基板200から画像制御基板300へ送信される一方、その応答として、この画像制御コマンドを正常に受信できた旨を示す応答コマンド(ACKコマンド)が画像制御基板300から演出制御基板200へ送信される。
また、演出制御基板200は、複数のLEDドライバを搭載したランプ接続基板91と電気接続されており、シリアル通信回路を介して、ランプ接続基板91を制御するためのランプ制御信号(ランプデータ)を送信する。なお、本例では、演出制御基板200とランプ接続基板91とは、クロック同期式のシリアル通信が採用されており、ランプデータ伝送用のデータ線とは別の信号線(クロック線)で送信されるクロック信号に同期して、ランプ制御信号が当該データ線を介して1ビットずつ送信される。ランプ接続基板91は、演出制御基板200から送信されるLED駆動用のランプ制御信号を受けて機能するLEDドライバを内蔵しており、このランプ制御信号に基づき回路内のスイッチをオン/オフ切り替えることにより、演出ランプLPに対して駆動電流を供給又は遮断して、演出ランプLPを点灯又は消灯させる制御を行う。
さらに、演出制御基板200は、複数のモータドライバ92と電気接続されており、I/Oポート回路204を介して、モータドライバ92を制御するための駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバ92へ送信する。モータドライバ92は、演出制御基板200から送信される役物駆動用の駆動制御信号に基づき回路内のスイッチをオン/オフ切り替えることにより、各可動役物24のステッピングモータに対して駆動電流を供給又は遮断して、各可動役物24を動作させる制御を行う。なお、モータドライバ92へのデータ送信はパラレル通信方式が採用されている。
画像制御基板300は、演出制御基板200からの画像制御コマンドに基づき画像演出に関する各種の演算処理を行うサブサブCPU301と、画像制御プログラムや各種データ等を記憶したROM302と、一時記憶領域となるワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM303と、周辺基板や各デバイスとの間の信号を入出力するI/Oポー
ト回路304とを備えて構成された画像制御マイコン(ワンチップマイコン)310を搭載しており、サブサブCPU301がROM302に記憶された制御プログラムに従って画像演出に係る主要な制御を実行するように構成されている。その他、画像制御基板300には、図示省略するが、サブサブCPU301から取得した制御信号に基づき演出内容に沿った画像データを生成するVDPと、サブサブCPU301から取得した制御信号に基づき演出内容に沿った音響データを生成する音源ICとを搭載している。VDPは、いわゆる画像プロセッサであり、サブサブCPU301からの指示に応じて画像ROMに記憶された画像データを読み込み、これを画像処理して生成した映像信号(画像データ)を演出表示装置に送信する。このVPDには、画像ROMから読み出された画像データの展開・加工に使用される高速のVRAMが接続されている。音源ICは、サブサブCPU301からの指示に応じて音声ROMに記憶された音響データを読み込み、これを合成処理して生成した音響データを増幅器(デジタルアンプ)を介してスピーカ11に出力する。
払出制御基板400は、払出CPU401、ROM402およびRAM403を主体として構成されている。払出制御基板400は、主制御基板100と双方向通信可能に接続されており、主制御基板100からの払出制御コマンドに基づいて賞球払出ユニット34を駆動させて賞球を払い出すための制御を実行するとともに、発射ハンドル12の操作量に基づき球送り機構13と発射機構14とを同期的に駆動させて遊技球の発射の制御を実行する。
電源基板500は、詳細図示を省略するが、遊技島の電源設備から供給される一次電源を基に、各制御基板で使用される通常時の電源を生成するための通常電源回路と、バックアップ電源(VBB)を生成するためのバックアップ電源回路と、電圧低下による電源断を監視するための電源断監視回路と、を具備して構成され、各制御基板や遊技用機器等の電子・電気部品に必要な電源を供給する。電源基板500には、電源回路を起動させるための電源スイッチが接続されており、遊技島の電源装置から1次電源が供給されていることを前提として、該電源スイッチがオンになると、電源基板500の通常電源回路から各制御基板などに所定の電源が供給される。電源基板500は、遊技島の電源装置からの電源供給が遮断されたことを検出可能に構成されており、電源断の検出時にはその旨を報知する電源断信号(NMI信号)を主制御基板100、演出制御基板200、払出制御基板400に送信する。なお、バックアップ電源回路は、遊技島の電源装置からぱちんこ遊技機PMに電源が供給されているときに充電される仕組みとなっている。また、電源基板500には、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時に、主制御基板100のRAM103の一時記憶内容を一旦消去して初期値を設定するためのRAMクリアスイッチ(図示せず)が接続されている。なお、RAMクリアスイッチは、電源基板500ではなく、例えば主制御基板100に接続される構成であってもよい。
<ぱちんこ遊技機の基本動作>
以上のように構成される、ぱちんこ遊技機PMは、外枠1が遊技施設の遊技島に固定設置され、前枠2、ガラス枠5、球皿ユニット6等が閉鎖施錠された状態で遊技に供され、上球皿8に遊技球を貯留させて発射ハンドル12を回動操作することにより遊技が開始される。発射ハンドル12が回動操作されると、上球皿8に貯留された遊技球が、ガラス枠5の背面側に配設される球送り機構13(図3を参照)によって1球ずつ発射機構14(図3を参照)に送り出され、該発射機構14により遊技領域PAに打ち出される。
遊技領域PAを転動流下する遊技球が、第1始動口61、第2始動口62、大入賞口64いずれかに入球すると、その入賞口の種別に応じた賞球が賞球払出ユニット33により上球皿8又は下球皿9に払い出される。また、遊技球が第1始動口61又は第2始動口62に入球すると、特別図柄の抽選乱数値が取得され、当該乱数値を所定の上限個数まで特別図柄の保留球として一時記憶する。そして、所定の始動条件が成立する場合に、最先の
保留球に係る抽選乱数値に対して特別図柄の当否判定、図柄判定、変動パターン判定を行い、この判定結果に応じた態様で、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72において特別図柄が変動表示されるとともに、演出表示装置70において装飾図柄が変動表示される。特別図柄および装飾図柄の変動表示は、前記選択された変動パターンに応じた変動時間の経過後に同期的に停止表示される。
第1特別図柄又は第2特別図柄が大当りを示す停止態様で確定表示された場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、大入賞口64の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する態様である。本実施形態では、特別遊技として、ラウンド遊技が16回(16ラウンド)に設定された16R特別遊技と、ラウンド遊技が8回(8ラウンド)に設定された8R特別遊技と、ラウンド遊技が2回(2ラウンド)に設定された2R特別遊技とが設けられている。
本実施形態では、16R特別遊技、8R特別遊技および2R特別遊技のいずれに移行されたとしても、特別遊技の終了後から特別図柄の変動回数が所定の終期回数に達するまで、特別図柄の確率変動機能が一律に作動する。すなわち、本実施形態に係るぱちんこ遊技機PMは、確変突入率が100%の回数切り確変機、所謂「ST機」と称される遊技機である。従って、本実施形態では、特別図柄の確率変動機能が作動中の状態(「特別図柄確変状態」とも称する)が次の大当りの発生まで継続するのではなく、特別図柄の確変状態が維持される期間(「ST期間」とも称する)が所定の終期回数(「ST回数」とも称する)に達するまでの間に限定されている。特別図柄の確率変動機能が作動した場合には、通常の確率状態よりも特別図柄の大当り確率が高い抽選が行われるため、比較的早期に新たな特別遊技が発生するようになる。
一方、特別遊技が終了した後は、特別図柄の確率変動機能に付随して、又は、特別図柄の確率変動機能と独立して、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する場合がある。特別図柄の変動時間短縮機能が作動中の状態(「特別図柄時短状態」とも称する)では、特別図柄及び装飾図柄の平均的な変動時間が通常状態よりも短縮される傾向となり、通常状態よりも単位時間当たりの当否抽選回数が向上する(単位時間当たりの大当りの獲得容易性を高めることができる)。
特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、これに付随して、いわゆる電チューサポート機能が作動した状態(「入球容易状態」と称する)へ移行する。入球容易状態は、電チューサポート機能の一例として、普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、普通電動役物622の開放延長機能が作動することにより、第2始動口62への入球容易性が高められる状態である。この入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常よりも増加する可能性が高まる上、第2始動口62への入球容易性も高まるため、第2始動口62への入球数が増加する可能性も向上する。普通図柄の確率変動機能が作動すると、普通図柄の当選確率が通常の確率状態よりも高まる状態となる。普通図柄の変動時間短縮機能が作動すると、普通図柄の変動時間が通常よりも短縮される状態となる。普通電動役物622の開放時間延長機能が作動すると、普通電動役物622の開放時間が通常よりも延長された状態となる。したがって、特別図柄の変動時間短縮機能及び電チューサポート機能の作動により、その期間中は第2始動口62への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち球をほとんど減らさずに遊技を継続することが可能となる。
以下では、説明の便宜上、特別図柄の確率変動機能、特別図柄の変動時間短縮機能、および電チューサポート機能が作動した遊技状態を単に「確変状態」とも称し、特別図柄の確率変動機能のみが作動した遊技状態を「潜伏確変状態(潜伏状態)」とも称し、いずれ
の機能も作動しない状態を「通常状態」とも称する。
<ぱちんこ遊技機の主要な機能構成>
次に、図4の機能ブロック図を追加参照しながら、本実施形態に係る、ぱちんこ遊技機PM(主として、主制御基板100/演出制御基板200)の各種機能について説明する。
主制御基板100は、図4に示すように、入球判定手段110、遊技抽選乱数発生手段120、保留制御手段130、事前判定手段135、特別図柄抽選処理手段140、普通図柄抽選処理手段145、特別遊技制御手段150、図柄表示制御手段155、電動役物制御手段160、遊技状態制御手段165、エラー監視制御手段170、メイン情報記憶手段180、コマンド送受信手段190、を含む。なお、主制御基板100における上述の各手段は、主制御基板100上に設けられたメインCPU101、ROM102、RAM103、電子回路等のハードウェア及びROM102等に格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
入球判定手段110は、第1始動口スイッチ611、第2始動口スイッチ621、作動ゲートスイッチ631、大入賞口スイッチ641などからの検出信号に基づき、各入賞口への遊技球の入球を判定する。
遊技抽選乱数発生手段120は、主制御マイコン110の乱数生成回路で生成した内蔵乱数をソフトウェアで取り込み、これに後述の特別図柄当りソフト乱数を加算することで、特別図柄の当否抽選に使用される特別図柄当り乱数を生成する。また、遊技抽選乱数発生手段120は、メインCPU101のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数を生成するための乱数カウンタを備えている。これらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、前述の内蔵乱数に加算されて特別図柄当り乱数をなす特別図柄当りソフト乱数、特別図柄当りソフト乱数の初期値および終了値を決定するための特別図柄当りソフト初期値乱数、特別図柄の停止図柄として当り図柄(条件装置を作動させることとなる図柄の組合せ)の決定に使用する特別図柄停止図柄乱数、特別図柄停止図柄乱数の初期値および終了値を決定するための特別図柄停止図柄初期値乱数、特別図柄の変動パターンの選択に使用するための特別図柄変動パターン乱数、普通図柄の当否抽選に使用するための普通図柄当り乱数、普通図柄当り乱数の初期値および終了値を決定するための普通図柄当り初期値乱数、普通図柄の変動パターンの選択に使用するための普通図柄変動パターン乱数などが含まれる。これらのソフトウェア乱数の更新時期としては、タイマ割込み処理が発生する毎に1回更新し、また、初期値乱数についてはタイマ割込み処理を実行していない間(ループ処理中)も割込み周期の残余時間を利用して更新する。
保留制御手段130は、特別図柄保留制御手段131、普通図柄保留制御手段132、を含む。
特別図柄保留制御手段131は、第1始動口61又は第2始動口62への遊技球の入球を契機として、特別図柄遊技に係る抽選乱数値である、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を取得して、当該乱数値を第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報として管理する。特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球情報をそれぞれ所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域に一時記憶する。
第1特別図柄保留格納領域および第2特別図柄保留格納領域には、各始動口61,62
への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)、がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、作動保留球情報として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。作動保留球情報は、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に格納される一方、保留1記憶領域、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域の順に消化される(先入れ先出しの原則)。また、保留1記憶領域の作動保留球情報が消化されると、保留2記憶領域、保留3記憶領域、保留4記憶領域に格納された作動保留球情報を下位の番号の記憶領域にそれぞれシフトするとともに、保留4記憶領域の内容をゼロクリアする。
また、特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1特別図柄保留球数カウンタ、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2特別図柄保留球数カウンタ、を有している。特別図柄保留制御手段131は、特別図柄の作動保留球数の更新処理として、特別図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
また、特別図柄保留制御手段131は、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数を更新(加算又は減算)したとき、当該保留球数の更新情報を含む演出制御コマンド(「図柄記憶数コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に一時記憶する。この1コマンドには、第1特別図柄の作動保留球数と第2特別図柄の作動保留球数との両方の情報が含まれている。なお、原則として、各特別図柄の作動保留球は入球した順番に消化されることになるが、本実施形態では、第1特別図柄よりも第2特別図柄の変動表示を優先的に実行する、いわゆる優先消化を採用するため、第2特別図柄遊技に係る作動保留球が存在する間は、第1特別図柄遊技に係る作動保留球の存在に関係なく、第2特別図柄遊技に係る作動保留球を優先的に消化するように構成されている。なお、この優先消化の下では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合は、第1特別図柄の作動保留球が存在していたとしても、第1特別図柄の作動保留球の消化が保留されることになる。
普通図柄保留制御手段132は、作動ゲート63への遊技球の入球を契機として、普通図柄遊技に係る抽選乱数値である、普通図柄当り乱数値、普通図柄当り図柄乱数値、普通図柄変動パターン乱数値、を取得して、当該乱数値を普通図柄の作動保留球情報として管理する。普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球情報を所定の上限個数(4個)まで、当該保留球の入球順序と結合したかたちでメイン情報記憶手段180の普通図柄保留格納領域に一時記憶する。また、普通図柄保留制御手段132は、普通図柄の作動保留球数をカウントするための普通図柄保留球数カウンタを有している。普通図柄保留制御手段132は、作動普通図柄の保留球数の更新処理として、普通図柄の作動保留球を1個取得するごとに対応するカウンタを1加算し、作動保留球が1個消化されるごとに対応するカウンタを1減算する。
事前判定手段135は、所定の事前判定タイミングにて特別図柄の作動保留球を取得した場合、当該作動保留球を対象として先読み予告のための事前判定を実行する。事前判定タイミングの一例としては、(1)当り待ち中、且つ、電チューサポート機能が未作動中に第1特別図柄の作動保留球を取得した場合、(2)当り待ち中、かつ、電チューサポート機能が作動中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、(3)大当り中又は小当り中に第2特別図柄の作動保留球を取得した場合、のうちのいずれかの条件を充足するときである。具体的には、事前判定手段135は、今回取得した作動保留球に対応する乱数値をメイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域又は第2特別図柄保留格納領域
から読み出して、当否抽選に係る事前判定(当否事前判定)、図柄抽選に係る事前判定(図柄事前判定)、変動パターン抽選に係る事前判定(変動パターン事前判定)を順次実行する。各事前判定で用いられる事前判定テーブルについては、図示省略するが、後述の抽選テーブル(特別図柄当否抽選テーブル、特別図柄当り図柄テーブル、変動パターンテーブル)と同様の区切り方で、乱数の総数に相当する領域が複数の領域に区画され、この領域(判定値数)ごとに、抽選IDが割り当てられている。この抽選IDには、各事前判定の結果を示す番号(「事前判定番号」とも称する)として、当否事前判定番号、図柄事前判定番号、変動パターン事前判定番号がそれぞれ設定される。この事前判定番号の具体例については、後で詳述する。そして、事前判定手段135は、この事前判定結果(事前判定番号)の情報を含む演出制御コマンド(「事前判定コマンド」と称する)を順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄当否判定手段141、特別図柄停止図柄判定手段412、特別図柄変動パターン判定手段143、を含む。特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄の変動開始条件が成立したとき、メイン情報記憶手段180における特別図柄保留格納領域の最先の記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、これをメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。ここで、「特別図柄の変動開始条件が成立する」とは、その一例として、(1)大当り又は小当り中ではないこと、(2)第1特別図柄および第2特別図柄のいずれも変動待機中であること、(3)第1特別図柄および第2特別図柄の少なくとも一方に作動保留球が存在すること、の全ての条件を満足したときであり、その結果として、特別図柄が変動開始可能な状態であると判断される。
特別図柄当否判定手段141は、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、大当り、小当り、はずれ、のいずれに該当するかを決定する。この当否判定の結果は、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに一時記憶され(例えば、大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)、以降の処理で使用された後、特別図柄の変動停止時にクリアされる。特別図柄当否判定手段141は、この当否判定の際に参照される特別図柄当否抽選テーブルを保持する。
ここで、図5は、特別図柄当否抽選テーブルを模式的に示す図であり、(A)は通常状態(低確率状態)で参照され、(B)は確変状態(高確率状態)で参照される。この特別図柄当否抽選テーブルには、特別図柄当り乱数値と、大当り、小当り、はずれの判定結果とが対応付けられており、この対応付けられた乱数範囲に応じて大当りおよび小当りの当選確率が定まる。図5からも分かるように、特別図柄遊技の当否抽選において、通常状態(低確率状態)では乱数値が「0〜217」の範囲に該当したときのみ大当りとなる。一方、確変状態(高確率状態)では大当りの範囲が拡大され、乱数値が「0〜217」の範囲に該当する場合だけでなく、「218〜2170」の範囲に該当する場合にも大当りとなる。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、大当りの抽選確率が低確率状態(約1/300)から高確率状態(約1/30)に変動する。このように大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化するが、第1特別図柄の当否抽選と第2特別図柄の当否抽選とで大当りの当選確率は等しい。ここで、特別図柄当り乱数値が大当りの範囲に該当しない場合であっても、所定の範囲に該当する場合には小当りとなる。本例では、第1特別図柄の当否抽選のみ小当りが存在するように構成しているが、例えば、第2特別図柄の当否抽選にも小当りを設けて、第2特別図柄の当否抽選よりも第1特別図柄の当否抽選のほうが高い確率で小当りとなるように構成してもよい。
特別図柄停止図柄判定手段142は、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否抽選の結果
に基づいて、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止図柄を決定する。特別図柄停止図柄判定手段142は、第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄を決定する際に参照される第1特別図柄停止図柄テーブルおよび第2特別図柄停止図柄テーブルを有している。
図6(A)は第1特別図柄停止図柄テーブルの一例を模式的に示す図である。第1特別図柄停止図柄テーブル(大当り図柄用)には、特別図柄停止図柄乱数値に対して、三種類の停止図柄(大当り図柄)「A」,「B」,「C」が割り当てられている。なお、本例では、説明の便宜上、各大当り図柄に対して、大当りの内容(特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能の作動回数、大入賞口64の作動パターン)も付記している。なお、括弧内の数値「84」は、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能の作動回数、すなわち、ST回数を意味する。このテーブルでは、第1特別図柄の停止図柄「A」〜「C」が大当りの種別に応じて区分されている。具体的には、図柄「A」には16R特定時短有図柄、図柄「B」には8R特定時短有図柄、図柄「C」には2R特定時短無図柄がそれぞれ対応付けられている。変形例としては、「A−1」、「A−2」、「A−3」や、「B−1」、「B−2」、「C−1」、「C−2」等といったように、同じ大当り種別に属していても、互いに異なる大当り図柄が複数用意されていてもよい。なお、本実施形態において、「特定図柄」とは特別遊技の終了後に特別図柄の確率変動機能を作動させることとなる図柄、「時短有図柄」とは特別遊技の終了後に特別図柄の変動時間短縮機能(および電チューサポート機能)を作動させることとなる図柄、「時短無図柄」とは特別遊技の終了後に特別図柄の変動時間短縮機能(および電チューサポート機能)を作動させることのない図柄である(後述する第2特別図柄についても同様である)。ここで、特別図柄の時短状態(電チューサポート状態)において図柄Cで大当りした場合は当該図柄を時短有図柄としてもよく(特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能を作動させてもよく)、又は、潜伏確変状態において図柄Cで大当りした場合は当該図柄を時短有図柄としてもよい(特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能を作動させてもよい)。
図柄A,Bは、特別遊技の終了後の遊技状態を特別図柄確変状態(高確率状態)へ移行させる、いわゆる「確変大当り」を示す特定図柄であり、特別図柄の変動回数がST回数内で大当りを発生させることなく終了するまでの間、あるいは、ST回数内で次回の大当りが発生するまでの間に限定して、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能が付与されることになる。図柄Aについては、特別遊技の規定ラウンド数は16ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。図柄Bについては、特別遊技の規定ラウンド数は8ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。
図柄Cは、特別遊技の終了後に遊技状態を特別図柄確変状態(高確率状態)へ移行させる一方で、特別図柄時短状態および入球容易状態へ移行させない、いわゆる「潜伏確変大当り」を示す特定図柄であり、特別図柄の変動回数がST回数内で大当りを発生させることなく終了するまでの間、あるいは、ST回数内で次回の大当りが発生するまでの間に限定して、特別図柄の確率変動機能のみが付与されることになる(特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能は付与されない)。図柄Cについては、特別遊技の規定ラウンド数は2ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約0.05秒である。
一方、第1特別図柄停止図柄テーブル(はずれ図柄用)には、特別図柄停止図柄乱数値に対して、三種類の停止図柄(はずれ図柄)「HA」、「HB」、「HC」が割り当てられている。すなわち、本実施形態では、第1特別図柄のはずれ図柄として、複数のはずれ図柄「HA」、「HB」、「HC」が用意されている。
また、第1特別図柄停止図柄テーブル(小当り図柄用)には、特別図柄停止図柄乱数値に対して、単一の停止図柄(小当り図柄)「K」のみが一義的に割り当てられている。なお、小当りの場合には、遊技状態および変動パターン選択状態の変更の契機とはならず、当否抽選の前後で当該遊技状態および変動パターン選択状態が維持される。変形例として、1)複数種の小当り図柄を設ける、2)小当り図柄が停止したことを契機として小当り遊技以降の変動パターン選択状態を変更する、3)上記の1・2を組み合わせて、小当り図柄の種類に応じた変動パターン選択状態(小当り前の通常変動パターン選択状態とは異なる特殊変動パターン選択状態)となる、ようにしてもよい。
図6(B)は第2特別図柄停止図柄テーブルの一例を模式的に示す図である。第2特別図柄停止図柄テーブル(大当り図柄用)には、特別図柄停止図柄乱数値に対して、二種類の停止図柄(大当り図柄)「D」,「E」が割り当てられている。なお、本例では、説明の便宜上、各大当り図柄に対して、大当りの内容(特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能の作動回数、大入賞口64の作動パターン)も付記している。なお、括弧内の数値「84」は、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能の作動回数、すなわち、ST回数を意味する。このテーブルでは、第2特別図柄の停止図柄「D」,「E」が大当りの種別に応じて区分されている。具体的には、図柄「D」には16R特定時短有図柄、図柄「E」には8R特定時短有図柄がそれぞれ対応付けられている。変形例としては、「D−1」、「D−2」、「D−3」や、「E−1」、「E−2」等といったように、同じ大当り種別に属していても、互いに異なる大当り図柄が複数用意されていてもよい。
図柄D,Eは、特別遊技の終了後の遊技状態を特別図柄確変状態(高確率状態)へ移行させる、いわゆる「確変大当り」を示す特定図柄であり、特別図柄の変動回数がST回数内で大当りを発生させることなく終了するまでの間、あるいは、ST回数内で次回の大当りが発生するまでの間に限定して、特別図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに電チューサポート機能が付与されることになる。図柄Dについては、特別遊技の規定ラウンド数は16ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。図柄Eについては、特別遊技の規定ラウンド数は8ラウンドで、1回のラウンド遊技における大入賞口64の最大開放時間は約30秒である。
また、第2特別図柄停止図柄テーブル(はずれ図柄用)には、特別図柄停止図柄乱数値に対して、三種類の停止図柄(はずれ図柄)「HD」、「HE」、「HF」が割り当てられている。すなわち、本実施形態では、第2特別図柄のはずれ図柄として、複数のはずれ図柄「HD」、「HE」、「HF」が用意されている。
ここで、本実施形態では、上記のように、大当り種別として、16R大当り(16R特定時短有図柄)と8R大当り(8R特定時短有図柄)と2R大当り(2R特定時短無図柄)との3種類が設けられている。そして、特別遊技における賞球獲得の期待値(賞球獲得期待値)は、16R大当り>8R大当り>2R大当りとなっている。そして、前述の説明からも分かるように、第1特別図柄の当否抽選で大当りになった場合には、30%の確率で16R大当りが選択されるのに対して、第2特別図柄の当否抽選で大当りになった場合には、60%の確率で16R大当りが選択されることにより、第1始動口61に入賞するよりも第2始動口62に入賞した方が、多くの出玉を獲得できる点で遊技者に有利である。
特別図柄変動パターン判定手段143は、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、特別図柄の変動パターンを決定する。ここで、特別図柄変動パターン判定手段143は、図7〜図10に示すように、特別図柄の変動パターンを選択する際に参照される複数種の変動パターンテーブルを保持している。特別図柄変動パターン判定手段143は、現在の変動パターン選択状態と当否抽選の結果とに基づき、複数種の変動パターンテーブルの中から
いずれかの変動パターンテーブルを選択する。なお、変動パターン選択状態と変動パターンテーブルとの関係については後述する。各変動パターンテーブルには、複数種の変動パターンが規定されている。各図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には特別図柄変動パターン乱数値に応じて、変動パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、変動パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、変動パターンが決定されるようになっている。各種の変動パターンは、その図柄変動の終了条件として当該変動パターンごとに変動時間が定められており、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。なお、本例では、説明の便宜上、複数種の変動パターンのみを例に挙げて説明するが、実際には100種類以上の変動パターンが存在する。
本実施形態では、変動パターン選択状態として、「低確率通常変動状態α」、「高確率短縮変動状態β」、「高確率通常変動状態γ」などの3種類が存在する。ここで、低確率通常変動状態αとは、遊技状態が通常状態のときに選択される通常変動パターンテーブル(図7,8)を参照して特別図柄の変動パターンを選択する状態である。高確率短縮変動状態βとは、遊技状態が確変状態のときに選択される短縮変動パターンテーブル(図9,10)を参照して特別図柄の変動パターンを選択する状態である。高確率通常変動状態γとは、遊技状態が潜伏状態のときに選択される通常変動パターンテーブル(図7,8)を参照して特別図柄の変動パターンを選択する状態である。このように本例では、変動パターン選択状態が低確率通常変動状態である場合と高確率通常変動状態である場合、すなわち、遊技状態が通常状態である場合と潜伏確変状態である場合とで選択される変動パターンテーブル(図7,8)は共通である。なお、必ずしも通常状態と潜伏確変状態とで変動パターンテーブルを共通にしなくてもよい。つまり、互いに異なる変動パターンテーブルを用意して、例えば、通常状態のときよりも潜伏確変状態のときの方が大当り期待度の高いリーチ種別(本例では、スーパーリーチ1、スーパーリーチ2)が選択され易いように設定してもよい。更には、互いに異なる変動パターンテーブルを設定した場合であっても、その演出傾向(例えば背景表示など)が一部において同一であってもよい一方で、潜伏確変状態(潜伏中)であることを遊技者に対して明示するために、潜伏確変状態のときしか出現しない演出やリーチを設けてもよい。
特別図柄変動パターン判定手段143は、通常変動パターンテーブルと、短縮変動パターンテーブルとを保持する。各変動パターンテーブルは、当否抽選の結果(大当り・小当り・はずれ)および停止図柄に応じて異なり得るものとなっている。また、各変動パターンテーブルは、第1特別図柄用と第2特別図柄用とで相違しており、同一の特別図柄変動パターン乱数値を取得したとしても、互いに異なる変動パターンが選択され得るように構成されている。また、各図に記載されている「保留球数」とは、第1特別図柄の変動パターンテーブルであれば第1特別図柄の作動保留球数を意味し、第2特別図柄の変動パターンテーブルであれば第2特別図柄の作動保留球数を意味する。本例では、第1特別図柄の変動開始条件充足時に現存する第1特別図柄の作動保留球数に依存して変動パターンが決定される場合と、第2特別図柄の変動開始条件充足時に現存する第2特別図柄の作動保留球数に依存して変動パターンが決定される場合とがある。なお、各図の変動パターンテーブルでは、作動保留球数に応じてテーブルの内容を切り替えている場合があるが、作動保留球数の記載がない場合には当該保留球数に限らず共通のテーブルの内容であることを意味する。それでは、各変動パターンテーブルについて詳述する。
(通常変動パターンテーブル:第1特別図柄用)
図7は、第1特別図柄における通常変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1特別図柄における大当り・小当り用の通常変動パターンテーブルでは、大当り図柄および小当り図柄の種類に応じて各種の変動パターンが割り当てられている。具体的には、大当り図柄「A」又は「B」(16R大当り又は8R大当り)である場合、変動パターンP
X3(ノーマルリーチ1)、変動パターンPX4(スーパーリーチ1)、変動パターンPX5(スーパーリーチ2)のいずれかが選択される。また、大当り図柄「C」又は小当り図柄「K」(2R大当り又は小当り)である場合は、変動パターンPX3(ノーマルリーチ1)が選択される。このように、通常状態において、第1特別図柄における当否判定の結果が大当り又は小当りとなった場合には、非リーチ態様の変動パターンが選択されることはなく、必ずリーチ態様の変動パターンが選択される。なお、詳細後述するが、リーチ種別としてスーパーリーチ1には、「スーパーリーチA演出」又は「スーパーリーチB演出」が対応付けられ、スーパーリーチ2には、「スーパーリーチC演出」が対応付けられている。変形例として、所定のリーチが出現して大当りすれば16R大当り(最大利益大当り)が確定するという仕様としてもよく、一例としては、大当り用の変動パターンテーブルにおいて、スーパーリーチ2に対する判定値数(乱数)を大当り図柄A(第2特別図柄の場合も同様に大当り図柄D)のみに振り分けることで、スーパーリーチ2で大当りすれば16R大当り確定とするように構成してもよい。
一方、第1特別図柄におけるはずれ用の通常変動パターンテーブルでは、はずれ図柄の種類に応じて各種の変動パターンが割り当てられている。具体的には、はずれ図柄「HA」である場合は、変動パターンPH1(非リーチ1)、変動パターンPH2(非リーチ2)、変動パターンPH3(ノーマルリーチ1)のいずれかが選択される。はずれ図柄「HB」である場合は、変動パターンPH4(スーパーリーチ1)のみが選択される。はずれ図柄「HC」である場合は、変動パターンPH5(スーパーリーチ2)のみが選択される。
ここで、はずれ図柄「HA」である場合は、相対的に短時間の変動パターン(大当り期待度が相対的に低い変動パターン)が選択され易くなっている。一方、はずれ図柄「HB」又は「HC」である場合は、相対的に長時間の変動パターン(大当り期待度が相対的に高い変動パターン)が選択され易くなっている。
また、はずれ図柄「HA」である場合は、作動保留球数に応じて参照先のテーブル内容を切り替える(本例では、作動保留球数が0〜1個の場合と、作動保留球数が2〜3個の場合とで、参照先のテーブル内容を変更する)ようになっており、作動保留球数が増加するほど相対的に短い変動時間(本例では「5秒」)が選択される割合を高く設定している。すなわち、はずれ図柄「HA」である場合は、保留消化時の作動保留球数に応じて変動時間が相違し得る(保留消化時まで変動時間が不確定となり得る)一方で、はずれ図柄「HB」又は「HC」である場合は、保留消化時の作動保留球数に依存せず変動時間が確定され得るよう構成されている。
(通常変動パターンテーブル:第2特別図柄用)
図8は、第2特別図柄における通常変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第2特別図柄における大当り・小当り用の通常変動パターンテーブルでは、大当り図柄の種類に応じて各種の変動パターンが割り当てられている。具体的には、大当り図柄「D」又は「E」(16R大当り又は8R大当り)である場合、変動パターンPX3(ノーマルリーチ1)、変動パターンPX4(スーパーリーチ1)、変動パターンPX5(スーパーリーチ2)のいずれかが選択される。このように、通常状態において、第2特別図柄における当否判定の結果が大当りとなった場合には、非リーチ態様の変動パターンが選択されることはなく、リーチ態様の変動パターンが選択され得る。
一方、第2特別図柄におけるはずれ用の通常変動パターンテーブルでは、はずれ図柄の種類に関わりなく共通の変動パターンが同一の選択率のもとでそれぞれ割り当てられている。具体的には、はずれ図柄「HD」、「HE」、「HF」のいずれが選択された場合でも、保留消化時の作動保留球数に依存せず、変動パターンPH1(非リーチ1)、変動パ
ターンPH2(非リーチ2)、変動パターンPH3(ノーマルリーチ1)のいずれかが選択される。
このように、通常状態において、第2特別図柄における当否判定の結果がはずれとなった場合には、スーパーリーチ態様の変動パターンが選択されることはなく、非リーチ態様およびノーマルリーチ態様の変動パターンが選択され得る。そのため、この第2特別図柄における通常変動パターンテーブルでは、大当り時とはずれ時とで選択される変動パターンがスーパーリーチとなるか否かという点で明確に区別されており、スーパーリーチの変動態様が出現した場合には大当り当選が確定的となる。そのため、詳細後述するが、遊技状態が通常状態である場合は、第2特別図柄側の変動表示の過程において、スーパーリーチ1(スーパーリーチA演出、スーパーリーチB演出)又はスーパーリーチ2(スーパーリーチC演出)に発展した時点で大当り当選が確定的となる。変形例として、スーパーリーチ1,2に発展した時点で大当り確定とまではせずとも、スーパーリーチ1,2の選択率を薄くしておき、通常状態において第2特別図柄の変動表示にてスーパーリーチ1,2が出現すれば、第1特別図柄の変動表示にてスーパーリーチ1,2が出現するよりも大当り期待度が非常に高くなるという構成にしてもよい。
(短縮変動パターンテーブル:第1特別図柄用)
図9は、第1特別図柄における短縮変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第1特別図柄における当り用の短縮変動パターンテーブルでは、大当り図柄および小当り図柄の種類に応じて各種の変動パターンが割り当てられている。具体的には、大当り図柄「A」又は「B」(16R大当り又は8R大当り)である場合、変動パターンPX3(ノーマルリーチ1)、変動パターンPX4(スーパーリーチ1)、変動パターンPX5(スーパーリーチ2)、のいずれかが選択される。また、大当り図柄「C」又は小当り図柄「K」(2R大当り又は小当り)である場合は、変動パターンPX3(ノーマルリーチ1)のみが選択される。このように、確変状態において、第1特別図柄における当否判定の結果が大当りとなった場合には、非リーチ態様の変動パターンが選択されることはなく、リーチ態様の変動パターンが選択され得る。
一方、第1特別図柄におけるはずれ用の短縮変動パターンテーブルでは、はずれ図柄の種類に関わりなく共通の変動パターンが同一の選択率のもとでそれぞれ割り当てられている。具体的には、はずれ図柄「HA」、「HB」、「HC」のいずれが選択された場合でも、保留消化時の作動保留球数に依存せず、変動パターンPH1(非リーチ1)、変動パターンPH2(非リーチ2)、変動パターンPH3(ノーマルリーチ1)、変動パターンPH4(スーパーリーチ1)、変動パターンPH5(スーパーリーチ2)のいずれかが選択される。
ここで、はずれ図柄「HD」である場合は、相対的に短時間の変動パターン(大当り期待度が相対的に低い変動パターン)が選択され易くなっている。一方、はずれ図柄「HE」又は「HF」である場合は、相対的に長時間の変動パターン(大当り期待度が相対的に高い変動パターン)が選択され易くなっている。
なお、この第1特別図柄の短縮変動パターンテーブルにおいても、前述の第2特別図柄における通常変動パターンテーブルの場合と同様に、はずれ図柄の種類に関わりなく、また、作動保留球数に依存せずに、変動パターンの選択傾向を共通にしている。これは、上記の事前判定のタイミングにて説明したとおり、通常状態では第1特別図柄の作動保留球、確変状態では第2特別図柄の作動保留球が事前判定の対象となり、この事前判定の対象となる特別図柄の変動パターン抽選では、はずれ図柄の種類に応じて、且つ、作動保留球数に依存して又は依存せずに変動パターンの選択傾向が異なるが、事前判定の対象とならない特別図柄の抽選では、はずれ図柄の種類に関係なく、また、作動保留球数に依存せず
、変動パターンの選択傾向が共通となっている。その理由としては、詳細後述するように、はずれ図柄の種類に基づく事前判定結果を先読み予告抽選にて活用するためであり、遊技状態に応じて事前判定(先読み予告)の対象とはならない場合には、当然ながらはずれ図柄の特性を活用する必要がないからである。
(短縮変動パターンテーブル:第2特別図柄用)
図10は、第2特別図柄における短縮変動パターンテーブルを模式的に示す図である。第2特別図柄における当り用の短縮変動パターンテーブルでは、大当り図柄の種類に応じて各種の変動パターンが割り当てられている。具体的には、大当り図柄「A」又は「B」(16R大当り又は8R大当り)である場合、変動パターンPX3(ノーマルリーチ1)、変動パターンPX4(スーパーリーチ1)、変動パターンPX5(スーパーリーチ2)、のいずれかが選択される。確変状態においては、第2特別図柄における当否判定の結果が大当りとなった場合には、非リーチ態様の変動パターンが選択されることはなく、リーチ態様の変動パターンが選択され得る。
一方、第2特別図柄におけるはずれ用の短縮変動パターンテーブルでは、はずれ図柄の種類に応じて各種の変動パターンが割り当てられている。具体的には、はずれ図柄「HD」である場合は、変動パターンPH1(非リーチ1)、変動パターンPH2(非リーチ2)、変動パターンPH3(ノーマルリーチ1)のいずれかが選択される。また、はずれ図柄「HE」である場合は、変動パターンPH4(スーパーリーチ1)のみが選択される。また、はずれ図柄「HF」である場合は、変動パターンPH5(スーパーリーチ2)のみが選択される。
ここで、はずれ図柄「HD」である場合は、相対的に短時間の変動パターン(大当り期待度が比較的に低い変動パターン)が選択され易くなっている。一方、はずれ図柄「HE」又は「HF」である場合は、相対的に長時間の変動パターン(大当り期待度が比較的に高い変動パターン)が選択され易くなっている。
また、はずれ図柄「HD」である場合は、作動保留球数に応じて参照先のテーブル内容を切り替える(本例では、作動保留球数が0〜1個の場合と、作動保留球数が2〜3個の場合とで、参照先のテーブル内容を変更する)ようになっており、作動保留球数が増加するほど相対的に短い変動時間(本例では「5秒」)が選択される割合を高く設定している。すなわち、はずれ図柄「HD」である場合は、保留消化時の作動保留球数に応じて変動時間が相違し得る(保留消化時まで変動時間が不確定となり得る)一方で、はずれ図柄「HE」又は「HF」である場合は、保留消化時の作動保留球数に依存せず変動時間が確定され得るよう構成されている。なお、短縮変動パターンテーブル(図9、図10)の変形例として、該テーブルではノーマルリーチを選択候補としない、又は、選択率をゼロにする、としてもよい。つまり、確変中は、リーチとなれば、スーパーリーチに発展することが確約されるように構成してもよい。また、少なくともはずれとなる場合(はずれ図柄「HA〜HC」又は「HD」となる場合)は、通常変動パターンと比べて、ノーマルリーチの選択率を低減させてもよい。つまり、リーチとなれば、スーパーリーチに発展しやすくなるように設定してもよく、更には、これらのはずれ図柄ではノーマルリーチになり難いようにしてもよい。換言すれば、通常状態ではノーマルリーチが多く発生するが、確変状態ではあまり発生しないとしてもよい。また、本実施形態では、通常状態と確変状態とで選択され得る変動パターン候補を同一としたが、通常状態と確変状態とで選択され得る変動パターン候補を互いに異なるように設定してもよい(その場合には、変動パターン候補の全てを相違させても、一部を相違させてもよい)。このとき、通常状態のときよりも確変状態のときの方が、比較的短時間の変動パターンが選択候補となるようにして、図柄の変動効率を向上させるものとする。
なお、前述のように、遊技状態が通常状態の場合と潜伏状態の場合では、共通の通常変動パターンテーブルが参照される(演出パターンの選択傾向が同一である)ため、潜伏確変で大当りした場合には、特別遊技終了後の確率状態が高確率状態である低確率状態であるかを秘匿することができる。なお、通常状態(非時短状態)で潜伏確変大当り又は小当りとなった場合は、その特別遊技の前後において、遊技状態が高確率状態となるか低確率状態となるかで相違するものの、共に非時短状態が継続するという点で共通している。
また、特別図柄抽選処理手段140は、特別図柄の変動パターンを選択した後、演出制御基板200に対して装飾図柄の変動開始を指示するため、特別図柄の変動パターン情報を含む演出制御コマンド(「変動パターン指定コマンド」と称する)、特別図柄および遊技状態の情報を含む演出制御コマンド(「図柄指定コマンド」と称する)等を生成して(以降、これらの演出制御コマンドを纏めて「変動開始コマンド」とも称する)、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄当否判定手段146と、普通図柄停止図柄判定手段147と、普通図柄変動パターン判定手段148と、を有する。普通図柄抽選処理手段145は、普通図柄の変動開始条件が充足したとき、普通図柄保留格納領域における最先の記憶領域に格納された普通図柄当り乱数値、普通図柄変動パターン乱数値を読み出して、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域、普通図柄変動パターン判定領域にそれぞれ格納する。
普通図柄当否判定手段146は、メイン情報記憶手段180の普通図柄当否判定領域から普通図柄当り乱数値を読み出して当否判定を実行し、当該判定結果が、当り、はずれ、のいずれに該当するかを決定する。この当否抽選の結果は、メイン情報記憶手段180の普通図柄判定フラグに一時記憶され、以降の処理で使用された後、普通図柄の変動停止時にクリアされる。普通図柄当否判定手段146は、この当否抽選の際に参照される普通図柄当否抽選テーブルを保持しており、通常状態(低確率状態)においては例えば「160/283」の確率で当りとなる普通図柄当否抽選テーブルを参照し、普通図柄の確変状態(高確率状態)においては、例えば「282/283」の確率で当りとなる普通図柄当否抽選テーブルを参照して、普通図柄の当否抽選を実行する。
普通図柄停止図柄判定手段147は、図柄抽選テーブルを参照して、当否抽選の結果が当りである場合には所定の当り図柄を割り当てる一方、はずれである場合には所定のはずれ図柄を割り当てるようになっている。
普通図柄変動パターン判定手段148は、メイン情報記憶手段180の普通図柄変動パターン判定領域から普通図柄変動パターン乱数値を読み出すとともに、普通図柄変動パターンテーブルを参照して、通常状態における普通図柄の変動表示においては、相対的に長い変動時間を選択する(例えば「4秒・5秒・6秒・7秒・8秒・9秒・10秒」の7種類をそれぞれ均一的に選択する)。一方、普通図柄の時短状態(入球容易状態)では相対的に短い変動時間(例えば「0.5秒」)を選択する。
特別遊技制御手段150は、当否抽選の結果が大当りである場合、前記決定された大当り図柄に応じて、特別遊技中に演出表示装置70等に表示される開始デモ演出および終了デモ演出に係るデモ演出時間を決定する。また、特別遊技制御手段150は、演出制御基板200側に対して、開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り開始デモコマンド」と称する)と、終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「大当り終了デモコマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。なお、大当り開始デモコマンドは、演出制御基板200側において、特別遊技中に展開される一連の大当り演出(開始デモ演出、ラウンド演出、終了デモ演
出)の内容を決定するための契機ともなる。また、特別遊技制御手段150は、特別遊技中の各ラウンド遊技において、各ラウンド遊技に対応したラウンド演出の開始を指示するための演出制御コマンド(「ラウンド演出指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。このラウンド演出指定コマンドには、現在のラウンド数の情報および大入賞口スイッチ641の検出の情報などが含まれる。なお、特別遊技に関する実行時間に関して、1)開始デモ時間を大当り図柄の停止時〜最初のラウンド遊技の開始時までの所定時間、2)終了デモ時間を最後のラウンド遊技終了時〜特別遊技の終了時(大当り終了後の最初の変動開始直前)までの所定時間、とする一方で、3)大当り変動時の状態に応じて、その大当りに係る開始デモ時間および終了デモ時間の少なくとも一方を可変させてもよい。いずれかのデモ時間を可変させる場合は、確変状態(入球容易状態)で大当りした方がデモ時間を短くすることが好適である。また、同じ大当り図柄であっても、前述したように、通常状態で大当りするか、確変状態で大当りするかによって、デモ時間が可変するようにしてもよい。
また、特別遊技制御手段150は、当否抽選の結果が小当りの場合、小当り遊技中に演出表示装置70等に表示される小当り開始デモ演出および小当り終了デモ演出に係るデモ演出時間を決定する。また、特別遊技制御手段150は、小当り開始デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り開始デモコマンド」)と、小当り終了デモ演出の実行を指示する演出制御コマンド(「小当り終了デモコマンド」)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
図柄表示制御手段155は、特別図柄表示制御手段156、普通図柄表示制御手段157、を含む。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第1特別図柄を第1特別図柄表示装置71に変動表示させるとともに、該変動表示後に第1特別図柄を確定表示させる。また、特別図柄表示制御手段156は、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)に従って、第2特別図柄を第2特別図柄表示装置72に変動表示させるとともに、該変動表示後に第2特別図柄を確定表示させる。特別図柄表示制御手段156は、第1特別図柄および第2特別図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマを有している。第1特別図柄表示装置71および第2特別図柄表示装置72の動作状態は、メイン情報記憶手段180の特別図柄遊技ステイタスに基づき監視される。特別図柄表示制御手段156は、特別図柄の変動停止の際に(すなわち、特別図柄遊技タイマの値が「0」となるタイミングで)、演出制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を要求するための演出制御コマンド(「変動停止コマンド」と称する)を生成する。普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の変動パターン(変動時間)に従って、普通図柄を普通図柄表示装置75に変動表示させるとともに、該変動表示後に普通図柄を確定表示させる。普通図柄表示制御手段157は、普通図柄の表示に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための普通図柄遊技タイマを有している。普通図柄表示装置75の動作状態は、メイン情報記憶手段180の普通図柄遊技ステイタスに基づき監視される。
電動役物制御手段160は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、特別遊技処理として、特別電動役物ソレノイド643に制御信号を出力し、特別電動役物642を所定の作動パターンに従って開放させる。特別遊技は、特別電動役物642の1回の開閉動作を1回のラウンド遊技とし、当該ラウンド遊技を規定ラウンド数(本例では、16R,8R,2R)だけ連続して実行するものである。電動役物制御手段160は、特別電動役物642の作動回数(すなわち、実行中のラウンド数)を格納するための大入賞口開放カウンタを保持する。ここで、大当り種別がいわゆる16R大当り(図柄A,D)又は8R大当り(図柄B,E)である場合には、1回のラウンド遊技において大入賞口64を最大で約30秒間開放させる。他方、大当り種別がいわゆる2R大当り(図柄C)である場合には、1回のラウンド遊技において大入賞口64を最大で
約0.05秒間開放させる。ここで、特別遊技における大入賞口64の閉鎖条件(単位遊技の終了条件)とは、規定カウント数の遊技球の入賞又は規定秒数の開放可能期間の経過である。
また、電動役物制御手段160は、特別図柄の当否抽選の結果が小当りとなった場合、特別図柄の確定表示後に、小当り遊技処理として、特別電動役物ソレノイド643に制御信号を出力し、特別電動役物642を短期間だけ開放させる。小当り遊技は1回のラウンド遊技で構成される点で、複数回のラウンド遊技で構成される特別遊技とは区別される。ここで、前述した2R特別遊技と小当り遊技とを比較すると、内部的には相違するものの、1回の開閉時間(0.05秒)が同じ点及び開閉回数が同一である点(前者が1ラウンド当たり1開閉を2ラウンドの2回、後者が1ラウンド当たり2開閉を1ラウンドの2回)で共通するので、見た目上は近似した開放時間・開放パターンの遊技が繰り広げられる。
また、電動役物制御手段160は、普通図柄の当否抽選に当選した場合、普通電動役物ソレノイド623に制御信号を出力して、所定の開放時間だけ普通電動役物622を開放させる。ここで、電動役物制御手段160は、通常状態では普通電動役物622を極短時間(例えば0.2秒間)だけ開放させるのに対し、入球容易状態(電チューサポート状態)では普通電動役物622を通常状態と比較して相対的に長い時間(例えば4秒間)に亘り開放させる。
遊技状態制御手段165は、特別図柄の当否抽選の結果が大当りである場合に、当該大当り図柄の種類に基づき、特別遊技後の遊技状態を決定するとともに、特別遊技後の遊技状態を切り替える。本実施形態では、前述のとおり、回数切りの所謂ST機であるため、特別遊技後の遊技状態は、特別図柄の変動回数が特別遊技の終了時点から数えて所定の終期回数、すなわちST回数に到達するまでの間、特別図柄確変状態が継続する(但し、ST回数内で次回の大当りが発生した場合には当該変動にて特別図柄確変状態は終了する)。なお、ST期間中に小当りとなった場合には、ST回数がゼロリセット(復活)されることはなく、小当り発生の前後でST回数は継続してカウントされている。本実施形態では、ST回数は84回に設定されているが、他の回数に設定されてもよいことは勿論である。なお、前述したように、本実施形態では、特別図柄の確率変動機能に付随して特別図柄の変動時間短縮機能および電チューサポート機能が作動した状態である「確変状態」と、特別図柄の確率変動機能のみが作動した状態である「潜伏確変状態(潜伏状態)」と、いずれの機能も作動しない状態である「通常状態」との間で遊技状態が遷移する。このとき、遊技状態が確変状態又は潜伏確変状態である場合は大当り当選確率が高確率状態(特別図柄確変状態)であり、遊技状態が通常状態である場合は大当り当選確率が低確率状態(特別図柄非確変状態)である。なお、各遊技状態については既に説明しているため、ここでは重複説明を省略する。ここで、特別図柄の当否抽選の結果が大当りである場合には、当該大当り前の遊技状態が通常状態および特別図柄確変状態(確変状態又は潜伏確変状態)のいずれであっても、特別遊技の実行中は通常状態であり且つ特別遊技の終了後はST回数を限度として一律に特別図柄確変状態(確変状態又は潜伏確変状態)となる。一方、特別図柄の当否抽選の結果が小当りであれば、当該小当り前の遊技状態が通常状態であった場合、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も通常状態となる。また、当該小当り前の遊技状態が特別図柄確変状態(確変状態又は潜伏確変状態)であった場合には、小当り遊技中および小当り遊技後の遊技状態も特別図柄確変状態(確変状態又は潜伏確変状態)となる。
また、遊技状態制御手段165は、当否抽選の結果が大当りである場合に、当該大当りの種別(大当り図柄A〜Eの種類)に基づき、特別遊技後の変動パターン選択状態を決定するとともに、特別遊技後の変動パターン選択状態を切り替える。変動パターン選択状態
とは、前述の変動パターンテーブルを選択する際に参照される条件の一つである。変動パターン選択状態の切り替え時期は、特別遊技の終了時又は変動パターン選択状態の終期回数を満了したときである。本実施形態では、前述したように、変動パターン選択状態として、「低確率通常変動状態α」、「高確率短縮変動状態β」、「高確率通常変動状態γ」などの3種類が存在する。なお、各変動パターン選択状態については既に説明しているため、ここでは重複説明を省略する。そして、遊技状態制御手段165は、現在の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(「遊技状態指定コマンド」と称する)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する。
エラー監視制御手段170は、I/Oポート回路104の入力情報を監視し、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板200にエラー状態演出を指示すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を要求する。なお、図3では記載を省略しているが、扉開放スイッチはガラス枠5が開放されているか否かの検出手段であり、枠開放スイッチは前枠2が開放されているか否かの検出手段であり、裏セット開放スイッチは裏セット盤30が開放されているか否かの検出手段である。また、磁気センサおよび電波センサはいわゆるゴト行為を発見するための検出手段である。
メイン情報記憶手段180は、特別図柄遊技および普通図柄遊技にて取得した乱数値情報、特別図柄および普通図柄の作動保留球情報、特別図柄遊技および普通図柄遊技に関する遊技状態(確変状態、時短状態、入球容易状態)の情報、変動パターン選択状態に関する情報、当否抽選の結果情報(当り、小当り、はずれ)、特別図柄や普通図柄に係る停止図柄および変動パターンの情報、特別遊技に関する情報(ラウンド数、開放時間、開放態様(1ラウンド遊技あたりの開放回数)など)、特別図柄表示装置71,72の動作状態を示すステイタス情報、特別電動役物642の動作状態を示すステイタス情報、演出制御コマンドデータの情報等を一時記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。
コマンド送受信手段190は、コマンド送信要求があった場合に、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納された各種の演出制御コマンドデータをパラレル伝送方式にて演出制御基板200に送信するように構成されている。なお、各演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含んだ2バイト構成となっており、MODEとEVENTを区別するために、MODデータのBit7は「1」、EVENTデータのBit7は「0」としている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、MODEおよびEVENTの各々に対してストローブ信号が出力される。各処理で発生した演出制御コマンドは、原則として、メイン情報記憶手段180のコマンド格納領域にセットされた順番に従って割込み周期毎に1コマンド送信される。
演出制御基板200は、図4に示すように、演出抽選乱数発生手段210、演出統括手段220、ランプ演出制御手段230、役物演出制御手段240、エラー演出制御手段250、サブメイン情報記憶手段260、コマンド送受信手段270、を含む。なお、演出制御基板200における上述の各手段は、演出制御基板200上に配されたサブメインCPU201、ROM202、RAM203、電子回路等のハードウェア及びROM202に格納された制御プログラム等のソフトウェアにより構成されるものを機能的に表現したものである。
演出抽選乱数発生手段210は、サブメインCPU201のプログラム処理によって各種のソフトウェア乱数(演出抽選乱数)を生成するための乱数カウンタを備えている。こ
れらの乱数カウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を担っている。このソフトウェア乱数としては、先読み予告演出の実行可否の抽選に使用する先読み予告抽選乱数、先読み予告パターンの選択に使用する先読み予告パターン乱数、装飾図柄の停止図柄の選択に使用する装飾図柄乱数、装飾図柄の変動演出パターンの選択に使用する変動演出パターン乱数、予告演出パターンの選択に使用する予告演出パターン乱数、大当り演出パターンの選択に使用する大当り演出パターン乱数、演出ステージの移行抽選に使用するステージ判定乱数などが含まれる。これらの乱数の更新時期としては、後述の演出制御側メイン処理内でコマンド解析が行われなかった場合の残余時間を利用して更新する。
演出統括手段220は、演出モード制御手段221、保留情報表示制御手段222、先読み予告制御手段223、装飾図柄決定手段224、変動演出決定手段225、予告演出決定手段226、大当り演出決定手段227、を含む。
保留情報表示制御手段222は、第1特別図柄の作動保留球数をカウントするための第1保留球数カウンタ、第2特別図柄の作動保留球数をカウントするための第2保留球数カウンタを有している。保留情報表示制御手段222は、主制御基板100からの図柄記憶数コマンドを受信すると、この図柄記憶数コマンドに含まれる作動保留球数の情報に基づき、第1保留球数カウンタおよび第2保留球数カウンタの値を更新する。また、保留情報表示制御手段222は、第1保留球数カウンタおよび第2保留球数カウンタの値に基づいて、演出表示装置70の保留表示部701,702に、第1特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像と、第2特別図柄の作動保留球数に対応する数の保留画像とを表示する制御を行う。通常の表示態様では、特別図柄の作動保留球が生起されると白色表示の保留画像が表示される一方、次述する先読み予告(保留変化先読み予告)が実行される場合には、先読み予告の対象となった保留画像が通常の表示態様(表示色)の「白色」から特殊な表示態様(表示色)として「青色」、「緑色」、「赤色」、「虹色」のうちのいずれかを取り得る。上記4種類の特殊な表示態様は、抽選結果が大当りとなる信頼度(「大当り信頼度」と称する)と関係しており、「青色」<「緑色」<「赤色」<「虹色」の順に1段階ずつ大当り信頼度が高くなるように設定されている。本例では、先読み対象の保留画像が「虹色」に変化した場合には、当該先読み対象の作動保留球が消化された際の図柄変動において大当りが確定的となる。なお、保留変化先読み予告演出において、保留画像の表示態様の変化を表示色ではなく、形状や模様等で表現してもよい。
先読み予告制御手段223は、主制御基板100から事前判定コマンドを受信したことを契機として、先読み予告の実行可否を抽選にて決定する。先読み予告制御手段223は、第1特別図柄の事前判定結果の情報と第2特別図柄の事前判定結果の情報とを区別して、それぞれ所定の上限個数(4個)まで、作動保留球の入球順序と結合したかたちでサブメイン情報記憶手段260の先読み情報格納領域に一時記憶する。この先読み情報格納領域は、主制御基板100の保留記憶領域と同様の構成となっており、各始動口61,62への入球順に、保留1記憶領域(1個目の保留記憶領域)、保留2記憶領域(2個目の保留記憶領域)、保留3記憶領域(3個目の保留記憶領域)、保留4記憶領域(4個目の保留記憶領域)がそれぞれ設けられている。各保留記憶領域は、当否事前判定結果の情報、図柄事前判定結果の情報、変動パターン事前判定結果の情報を1組セットとしてそれぞれ記憶可能である。
先読み予告制御手段223は、先読み予告の実行可否を判定するとき、主制御基板100による事前判定結果に基づき、この先読み予告の対象となる作動保留球に対して先読み的な判定(「先読み判定」とも称する)を実行する。先読み予告は、装飾図柄の連続的な複数回の変動表示に亘って大当り当選又は高期待度演出(例えばスーパーリーチ演出)発生の可能性を予告するいわゆる連続予告演出の一態様として発生される。先読み予告演出
(連続予告演出)を実行可と判定した場合は、主制御基板100からの事前判定コマンドの情報(事前判定の結果)および図柄記憶数コマンドの情報(現存する作動保留球数)を解析して、今回の先読み予告演出の発生契機となる作動保留球(「トリガ保留」と称する)を対象として連続的な複数回の変動表示に亘る先読み予告演出パターンを抽選で決定する。なお、先読み予告には、保留変化先読み予告の他にも、例えば、チャンス目先読み予告、背景変化先読み予告、保留内連荘先読み予告など、各種のバリエーションが存在する。
演出モード制御手段221は、主制御基板100からの遊技状態指定コマンドに基づき、主制御基板100側で管理された遊技状態および変動パターン選択状態との整合性をとるかたちで、演出モードの移行制御を実行する。本実施形態では、3種類の演出モードとして、通常演出モードMα、確変演出モードMβ、潜伏演出モードMγが含まれており、主制御基板100から指示された特別図柄の変動パターンが同一であっても、演出モード毎に図柄変動演出の具体的内容を特定する変動演出パターン(詳細後述)が異なるように設定されている。演出表示装置70には、現在滞在中の演出モードに対応した演出モード報知画像(本例では、装飾図柄の背面表示となる背景画像)が表示され、この背景画像は演出モード毎に互いに異なるよう設定されているため、背景画像の種類から、現在滞在中の演出モードがいずれであるかを遊技者が認識し得るようになっている。なお、前述したように、小当り図柄の種類に応じた変動パターン選択状態(小当り特有の特殊変動パターン選択状態)を設けた場合は、該変動パターン選択状態に対応した特定の演出モードに移行するように構成してもよい。
各演出モードについて概説する。まず、通常演出モードMαは、主制御基板100側の変動パターン選択状態として、低確率通常変動状態αが選択されている場合に設定され、その背景画像として「通常背景」が表示される。確変演出モードMβは、主制御基板100側の変動パターン選択状態として、高確率短縮変動状態βが選択されている場合に設定され、その背景画像として「確変背景」が表示される。潜伏演出モードMγは、主制御基板100側の変動パターン選択状態として、高確率通常変動状態γが選択されている場合に設定され、遊技状態が特別図柄確変状態(高確率状態)であることを秘匿するため、その背景画像として「通常背景」が表示される(すなわち、通常演出モードMαと共通の背景画像が表示される)。
また、通常演出モードMαおよび潜伏演出モードMγは、さらに複数の演出ステージに分類されている。演出モードMα,Mγには、演出の種類が異なる複数の演出ステージ(第1ステージS1、第2ステージS2)が設定されており、予め定められた所定の図柄変動回数(本例では20回)毎に実施されるステージ移行抽選処理に当選した場合に演出ステージが相互に切り替えられる。演出モードMα,Mγにおける背景画像(「通常背景」)は、移行先の演出ステージに応じて演出内容が相互に異なり、第1ステージS1(例えば、昼ステージ)に滞在中のときは「通常背景1」、第2ステージS2(例えば、夜ステージ)に滞在中のときは「通常背景2」が表示される。
一方、確変演出モードMβには、演出の種類が異なる複数の演出モード(第1モードMβ1、第2モードMβ2)が用意されており、通常状態において大当り(初当り)が発生した場合に、遊技者自身が演出モードを選択可能になっている。演出モードの選択は、当該大当り演出における終了デモ演出中に、所定のモード選択画面が表示されることで行われる。このモード選択画面の表示中に、演出ボタン15の操作を有効とする操作有効期間が設定される。モード選択画面では、演出表示装置70の表示領域が左右に二分割され、左側の領域に第1演出モードMβ1の名前が関連画像とともに表示され、右側の領域に第2演出モードMβ2の名前が関連画像とともに表示される。そして、操作有効期間中に演出ボタン15にて選択された演出モードMβ1,Mβ2が設定される。なお、操作有効期
間中に操作がされなかった場合には、内部抽選にていずれかの演出モードが設定される。
装飾図柄決定手段224は、主制御基板100からの変動開始コマンドに含まれる情報(変動パターン情報、停止図柄情報、遊技状態情報)に基づき、装飾図柄の最終的な停止図柄の組み合わせ(左図柄・中図柄・左図柄)を抽選により決定する。本例では、複数種類の装飾図柄を含む3つの図柄列が構成される。この装飾図柄は、例えば、数字又は文字からなる識別要素により形成されている。本例では、識別要素として、数字「1」〜「9」の全9種類が設定されている。各装飾図柄は図柄列の配列に従って「1」→「2」→「3」→・・・→「8」→「9」→「1」の順序で各表示領域Z1,Z2,Z3にて巡回表示される。
また、装飾図柄決定手段224は、装飾図柄の停止図柄の組合せ(「停止図柄パターン」ともいう)を抽選で決定する際に参照される複数種の停止図柄パターンテーブルを保持している。この複数種のテーブルとしては、大当り用の停止図柄パターンテーブル、小当り用の停止図柄パターンテーブル、リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブル、非リーチはずれ用の停止図柄パターンテーブルなどがある。装飾図柄の停止図柄は、3つの図柄の組み合わせとして形成され、「大当りを示す停止図柄(大当り図柄)」と、「小当りを示す停止図柄(小当り図柄)」と、「はずれを示す停止図柄(はずれ図柄)」とを含む。特定大当り(確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の奇数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば「7・7・7」)となる。通常大当り(非確変大当り)を示す大当り図柄は、同一の偶数数字の図柄が3つ揃った停止態様の組合せ(例えば、「2・2・2」)となる。はずれ図柄は、3つの図柄のうちの少なくとも1つが他の数字と異なる数字の図柄となる停止態様の組合せ(例えば「1・3・8」)となる。ここで、はずれ図柄のうちリーチはずれ図柄は、左図柄と右図柄とが一致している状態で中図柄のみが前後に数コマずれた停止態様の組合せ(例えば「3・1・3」)となる。なお、小当り図柄や、大当り図柄であっても2R大当り図柄などの場合は、例えば「3・5・7」のような所定の停止態様の組み合わせとなる場合がある。
なお、装飾図柄を停止させるための停止順序は、次述の変動演出パターン毎に予め定められており、本実施形態では原則として、左図柄→右図柄→中図柄の順に停止させる。但し、変動時間の極短い変動演出パターンである場合には、左図柄・中図柄・右図柄をほぼ同時に停止させ、特殊の変動演出パターンである場合には、右図柄→中図柄→左図柄の順に停止させることもできる。このとき、上記原則の停止順序(左図柄→右図柄→中図柄)でない場合は、大当り期待度が相対的に高くなる傾向となる。
変動演出決定手段225は、主制御基板100からの変動開始コマンドに含まれる情報(変動パターン情報)に基づき、装飾図柄の変動表示における変動開始から停止までの変動過程(演出過程)を規定した変動演出パターンを決定する。本実施形態では、リーチ表示後に行われる図柄変動演出(リーチ演出)として、演出内容が単純なリーチ演出(ノーマルリーチ演出)と、演出内容が途中で発展するリーチ演出(スーパーリーチ演出)とが含まれる。変動演出決定手段225は、変動演出パターンを選択する際に参照される複数種の変動演出パターンテーブルを保持しており、これら複数種の変動演出パターンテーブルの中から特別図柄の変動パターン(変動時間)に対応した変動演出パターンテーブルを選択するようになっている。変動演出パターンテーブルでは、特別図柄の変動パターン抽選の結果(すなわち、リーチ種別)に応じて、変動演出パターン乱数値と変動演出パターンとが対応付けられている。ここで、主制御基板100側では図柄変動の基本パターン(例えば「スーパーリーチ1」など)が定まるのに対して、演出制御基板200側では当該基本パターンを基に演出表示過程のシナリオを詳細に規定した図柄変動の詳細パターン(例えば、「スーパーリーチA,B…」など)が定まる。このように装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち、装飾図柄の変動開始から変動終了まで
の一連の演出表示過程のシナリオが定義されており、当該表示過程中の各段階においてチャンスアップ演出および予告演出を発生させるタイミングなどもタイムスケジュールとして規定されている。また、この装飾図柄の変動演出パターンについては、特別図柄の変動パターンが同一であっても(同一情報の変動開始コマンドを受信した場合でも)、滞在中の演出モード又は演出ステージを異にすれば、互いに演出内容の異なる変動演出パターンが選択され得ることになる。すなわち、変動演出パターンテーブルは、滞在中の演出モードおよび演出ステージごとに用意されている。
図11は、変動演出パターンテーブルの一例を模式的に示す図である。ここでは、説明の便宜上、スーパーリーチ種別の変動演出パターンテーブルのみを示し、非リーチ種別およびノーマルリーチ種別の変動演出パターンテーブルについては省略する。スーパーリーチ用の変動演出パターンは、スーパーリーチ演出の内容とチャンスアップ演出の内容とを特定するものとなっている。なお、図11では、変動演出パターン番号を省略しているが、実際には上記特定された変動演出パターンに対応した変動演出パターン番号が選択される。変動演出パターンテーブルでは、大当りの変動パターンとはずれの変動パターンに対して、複数種のスーパーリーチ演出のうちのいずれかを選択可能なように乱数の値が割り振られている。具体的には、スーパーリーチ1を特定する変動パターンPX4に対しては「スーパーリーチA演出」と「スーパーリーチB演出」とが対応付けられ、スーパーリーチ2を特定する変動パターンPX5に対しては「スーパーリーチC演出」が対応付けられている。なお、各図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には変動演出パターン乱数値に応じて、変動演出パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、変動演出パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、変動パターンが決定されるようになっている。
ここで、各スーパーリーチ演出について説明する。図12は、スーパーリーチ演出の内容を示す説明図である。スーパーリーチ演出を伴う図柄変動演出は、大別的にはリーチ前演出とリーチ後演出とからなり、図柄の変動表示が開始されてから停止するまでの期間にて、リーチ前演出、リーチ後演出の順に各演出が実行される。そして、リーチ後演出では、ノーマルリーチ演出を経由した後にスーパーリーチ演出が実行される。スーパーリーチA演出は、キャラクタAに因んだストーリーが展開されるストーリー系リーチ演出である。スーパーリーチB演出は、キャラクタBに因んだストーリーが展開されるストーリー系リーチ演出である。スーパーリーチA演出とスーパーリーチB演出は、互いに異なる演出内容が異なるものの、リーチ発展後の演出尺として同一時間値(30秒)が設定されている。スーパーリーチC演出は、実写系リーチ演出であり、スーパーリーチA演出およびスーパーリーチB演出とは異なる演出内容であるとともに、リーチ発展後の演出尺として相対的に長い時間値(60秒)が設定されている。なお、リーチ後演出であるスーパーリーチA演出とスーパーリーチB演出とがそれぞれ前半演出と後半演出とに分かれていてもよく、前半演出から後半演出に発展した方が大当り期待度が高くなるようにしてもよい。このとき、後半演出に発展しない場合は、前半演出の所定タイミングでチャンスアップ演出を発生させる可能性があり、後半演出に発展する場合は、前半演出の所定タイミングではチャンスアップ演出を発生させずに後半演出の所定タイミングでチャンスアップ演出を発生させるようにしてもよい。その場合に、リーチ後演出の導入部にてタイトルを共通態様で表示してもよい。
図11に示すように、スーパーリーチA演出とスーパーリーチB演出との関係で言えば、大当りの変動パターンPX4に対しては、スーパーリーチA演出とスーパーリーチB演出とで同数の乱数値が割り振られている一方で、はずれの変動パターンPH4に対しては、スーパーリーチA演出の方がスーパーリーチB演出よりも多数の乱数値が割り振られているため、スーパーリーチA演出よりもスーパーリーチB演出の方が大当り期待度は高く設定されている。また、スーパーリーチA演出およびスーパーリーチB演出とスーパーリ
ーチCとの関係で言えば、図7等に示すように、大当りの変動パターンPX4,PX5に対しては、スーパーリーチ1(スーパーリーチA演出、スーパーリーチB演出)とスーパーリーチ2(スーパーリーチC演出)とで同数の乱数値が割り振られている一方で、はずれの変動パターンPH4,PH5に対しては、スーパーリーチ1(スーパーリーチA演出、スーパーリーチB演出)の方がスーパーリーチ2(スーパーリーチC演出)よりも多数の乱数値が割り振られているため、スーパーリーチA演出およびスーパーリーチB演出よりもスーパーリーチC演出の方が大当り期待度は高く設定されている。そのため、スーパーリーチ演出に関しては、スーパーリーチA演出<スーパーリーチB演出<スーパーリーチC演出の順に、大当り期待度が高くなるように設定されている。
また、各スーパーリーチ演出には、チャンスアップ演出が付随される場合がある。本例における「チャンスアップ演出」とは、リーチ発展後の所定タイミングにて表示された演出内容によって大当り期待度の高さを示唆又は報知する演出である。このチャンスアップ演出は、スーパーリーチ演出の内容と密接に関連したものとなっており、例えば、スーパーリーチ演出の演出過程に組み込まれた所定の演出画像の表示態様が通常態様から特殊態様に変化した場合にチャンスアップ演出となり得る。一方、所定の演出画像の表示態様が通常態様である場合はチャンスアップ演出へと発展しない。このようにリーチ発展後の演出過程において、チャンスアップ演出が実行される場合とチャンスアップ演出が実行されない場合とがある。チャンスアップ演出としては、種々の演出態様が適用可能であるが、本例では、スーパーリーチ演出に発展した後の所定タイミングにてスーパーリーチ演出の内容に関連した名称(タイトル)を報知するタイトル演出を例に挙げて説明する。このタイトル演出は、タイトルの表示色として複数種の表示色が用意されており、このタイトルの「表示色」に応じて大当り期待度を予告するものとなっている。チャンスアップ演出とは、タイトル演出が発生した場合に、タイトル画像が通常態様の表示色(白)ではなく特殊態様の表示色(赤色、虹色)で登場した場合を意味する。ここで、本例では、白色<赤色<虹色の順に大当り期待度が高くなるように設定されている。具体的には、チャンスアップ演出が実行されない場合は、タイトル画像の表示色は通常態様の「白色」であり、チャンスアップ演出CUAが実行される場合は、タイトル画像の表示色は特殊態様の「赤色」であり、チャンスアップ演出CUBが実行される場合は、タイトル画像の表示色は特殊態様の「虹色」である。
図11では、大当りの変動パターンとはずれの変動パターンに対して、「チャンスアップ演出なし」、「チャンスアップ演出CUA」、「チャンスアップ演出CUB」のいずれかを選択可能なように、乱数の値が割り振られている。「チャンスアップ演出なし」は大当りの変動パターンの場合よりもはずれの変動パターンの場合の方が選択率が高いのに対して、「チャンスアップ演出CUA」は大当りの変動パターンの場合よりもはずれの変動パターンである場合の方が選択率が低くなっている。なお、「チャンスアップ演出CUB」は、大当りの変動パターンに対しては一定数(選択率5%)の乱数値が割り振られている一方で、はずれの変動パターンに対しては乱数値が全く割り振られていないため、大当り確定演出となる。これにより、チャンスアップ演出に関しては、「チャンスアップ演出なし」<「チャンスアップ演出CUA」<「チャンスアップ演出CUB」の順に、大当り期待度は高くなるといえる。
このように、各スーパーリーチ演出は、チャンスアップ演出CUA,CUBが実行されない場合(CUなし)、チャンスアップ演出CUAが実行される場合(CUAあり)、チャンスアップ演出CUBが実行される場合(CUBあり)の3つに分類されるが、スーパーリーチA演出とスーパーリーチB演出との関係で言えば、チャンスアップ演出が実行されない場合のスーパーリーチA演出(CUなし)よりも、チャンスアップ演出CUAが実行される場合のスーパーリーチB演出(CUAあり)の方が大当り期待度は高く設定されている。すなわち、スーパーリーチA演出(CUなし)は、大当りの場合の選択率(30
/100)よりも、はずれの場合の選択率(50/100)の方が高いのに対して、スーパーリーチB演出(CUAあり)は、大当りの場合の選択率(15/100)よりも、はずれの場合の選択率(5/100)の方が低く設定されているからである。反対に、チャンスアップ演出が実行されない場合のスーパーリーチB演出(CUなし)よりも、チャンスアップ演出CUAが実行される場合のスーパーリーチA演出(CUAあり)の方が大当り期待度は高く設定されている。すなわち、スーパーリーチB演出(CUなし)は、大当りの場合の選択率(30/100)よりも、はずれの場合の選択率(35/100)の方が高いのに対して、スーパーリーチA演出(CUAあり)は、大当りの場合の選択率(15/100)よりも、はずれの場合の選択率(10/100)の方が低く設定されているからである。
なお、本例では、チャンスアップ演出として、タイトル画像の表示色を「白色」、「赤色」、「虹色」の三段階のみで設定しているが、これに限定されるものではなく、更に複数の段階に設定してもよい。例えば、タイトル画像の表示色として、「白色」、「青色」、「緑色」、「赤色」、「キリン柄」、「虹色」などを採用することができる。このとき、チャンスアップ演出(タイトル画像)が登場した場合、その大当り期待度を、例えば「☆」の画像の個数によって示唆又は報知してもよい。具体的には、タイトル画像が「青色」であれば「☆」の画像を1つ、「緑色」であれば「☆」の画像を2つ、「赤色」であれば「☆」の画像を3つ、「キリン柄」であれば「☆」の画像を4つ、「虹色」であれば「☆」の画像を5つ、それぞれ表示してもよい。これにより、「☆」の画像の個数に応じて、各スーパーリーチ演出の大当り期待度を遊技者に直観的に教示し得るようになる。
ところで、前述したように、通常演出モードMα又は潜伏演出モードMγに滞在中は、演出傾向の異なる二つの演出ステージS1,S2が用意されており、各図柄変動演出のうちスーパーリーチA演出およびスーパーリーチB演出は演出ステージに対応した演出内容を取り得る。すなわち、滞在中の演出ステージに応じて、スーパーリーチA演出は、ストーリー系リーチA1演出とストーリー系リーチA2演出とに分類され、スーパーリーチB演出は、ストーリー系リーチB1演出とストーリー系リーチB2演出とに分類される。ストーリー系リーチA1演出とストーリー系リーチA2演出は、互いに演出内容が異なるものの、リーチ演出にかかる時間が同一とされた同一系統のスーパーリーチ演出(スーパーリーチA演出)として分類される。同様に、ストーリー系リーチB1演出とストーリー系B2演出は、互いに演出内容が異なるものの、リーチ演出にかかる時間が同一とされた同一系統のスーパーリーチ演出(スーパーリーチB演出)として分類される。そのため、本実施形態では、ストーリー系リーチA1演出およびストーリー系リーチA2演出を総称して「スーパーリーチA演出」とも称し、ストーリー系リーチB1演出およびストーリー系リーチB2演出を総称して「スーパーリーチB演出」とも称する。一方、スーパーリーチC演出である場合は、演出ステージに依存しない全ステージ共通の実写系リーチC1演出となる。
一方、確変演出モードMβに滞在中は、演出傾向の異なる二つの演出モードMβ1,Mβ2が用意されており、各図柄変動演出のうちスーパーリーチA演出およびスーパーリーチB演出は演出モードβ1,β2に対応した演出内容を取り得る。すなわち、滞在中の演出モードに応じて、スーパーリーチA演出は、ストーリー系リーチA3演出とストーリー系リーチA4演出とに分類され、スーパーリーチB演出は、ストーリー系リーチB3演出とストーリー系リーチB4演出とに分類される。ストーリー系リーチA3演出とストーリー系リーチA4演出は、互いに演出内容が異なるものの、リーチ演出にかかる時間が同一とされた同一系統のスーパーリーチ演出(スーパーリーチA演出)として分類される。同様に、ストーリー系リーチB1演出とストーリー系B2演出は、互いに演出内容が異なるものの、リーチ演出にかかる時間が同一とされた同一系統のスーパーリーチ演出(スーパーリーチB演出)として分類される。そのため、本実施形態では、ストーリー系リーチA
3演出およびストーリー系リーチA4演出を総称して「スーパーリーチA演出」とも称し、ストーリー系リーチB1演出およびストーリー系リーチB2演出を総称して「スーパーリーチB演出」とも称する。一方、スーパーリーチC演出である場合は、演出ステージに依存しない全ステージ共通の実写系リーチ演出となる。なお、演出モード(確変演出モード、通常演出モード)に応じて、全く異なるスーパーリーチ演出を用意してもよい。具体的には、確変演出モードである第1モードや第2モードのときはスーパーリーチD演出やスーパーリーチE演出、スーパーリーチF演出を設け、通常演出モードのときとは演出態様や時間値が異なるストーリー系リーチや実写系リーチとしてもよい。
(リーチ演出監視処理)
変動演出決定手段225は、複数種のリーチ演出を監視対象として、リーチ演出監視処理を実行する。リーチ演出監視処理とは、或る図柄変動において特定のリーチ演出が発生してはずれとなった場合、その後の図柄変動において該変動回数が予め定められた規定回数経過するまでは、他のリーチ演出を挟むことなく、特定のリーチ演出(前回と同一のリーチ演出)を再度発生させない処理である。同一のリーチ演出で連続してはずれになると、当該リーチ演出が発生したときの遊技者の期待感および高揚感が減殺され、当該リーチ演出に対する信頼性が低下することから、原則として同一のリーチ演出を連続発生させないという趣旨である。このリーチ演出監視処理では、前回と同一のリーチ演出が選択された場合は、このリーチ演出の替わりとして予め用意された別のリーチ演出(「代替リーチ演出」とも称する)に差し替えることにより、同一のリーチ演出が連続発生する事態を防止する。
「特定のリーチ演出」とは、予め定められた特定のリーチ種別に属するスーパーリーチ演出を意味する。本例では、特定のリーチ種別として「スーパーリーチ1」に属するスーパーリーチA演出およびスーパーリーチB演出が特定のリーチ演出に該当する。これに対して、特定のリーチ種別以外のリーチ種別「スーパーリーチ2」に属するスーパーリーチC演出は特定のリーチ演出には該当しない。リーチ演出監視処理では、複数種のスーパーリーチ演出のうち、スーパーリーチA演出の連続発生およびスーパーリーチB演出の連続発生を禁止する一方で、スーパーリーチC演出の連続発生は許容される。
「同一のリーチ演出」とは、狭義には前回発生した特定のリーチ演出と同一のリーチ演出を意味するが、広義には前回発生した特定のリーチ演出と同一性のあるリーチ演出内容を含むリーチ演出を意味する。そのため、同一のリーチ演出が連続発生するとは、前回発生した特定のリーチ演出と同一性があることを遊技者が認識可能なものであればよく、該同一性を逸脱しない範囲であればその具体的な演出内容に多少の差異があっても構わない。また、前回の特定のリーチ演出に対してチャンスアップ演出の内容が異なっていても、同一のリーチ演出となり得る。すなわち、「同一のリーチ演出」に該当するためには、前回の特定のリーチ演出に対してチャンスアップ演出の有無および演出態様まで同一である必要はなく、チャンスアップ演出として「CUなし」、「CUAあり」、「CUBあり」のいずれを付随するものであっても、同一のリーチ演出として取り扱われる。なお、スーパーリーチA演出とスーパーリーチB演出は、同一のリーチ種に属するものの、互いに演出内容が異なるため、スーパーリーチA演出とスーパーリーチB演出との間での連続発生は許容される。
「他のリーチ演出」とは、前回発生した特定のリーチ演出と異なるリーチ演出を意味する。そのため、前回発生した特定のリーチ演出がスーパーリーチA演出であれば、スーパーリーチB演出およびスーパーリーチC演出が他のリーチ演出となり、前回発生した特定のリーチ演出がスーパーリーチB演出であれば、スーパーリーチA演出およびスーパーリーチC演出が他のリーチ演出となる。なお、本例では、他のリーチ演出には、ノーマルリーチ演出は含まれず、スーパーリーチ演出のみに限られる。そのため、前回のスーパーリ
ーチ演出と今回のスーパーリーチ演出との間に、ノーマルリーチ演出を挟んでいても、同一のスーパーリーチ演出が連続発生したことになり得る。
スーパーリーチ演出の履歴に関する情報(「リーチ履歴情報」と称する)は、サブメイン情報記憶手段260のリーチ履歴記憶領域に一時記憶される。このリーチ履歴情報は、少なくとも前回選択されたスーパーリーチ演出を特定可能な情報であればよい。そして、今回選択されたスーパーリーチ演出が前回選択されたスーパーリーチ演出と同一であるか否かは、このリーチ履歴情報の内容に基づいて判定される。なお、遊技中は、このリーチ履歴情報に基づき、演出表示装置70の画面の端の方に前回出現したスーパーリーチ演出の名称が表示される(図44等を参照)。
「規定回数」とは、同一のスーパーリーチ演出の発生を原則的に禁止する図柄変動回数の期間(「同一リーチ禁止期間」とも称する)である。この規定回数経過前における同一のスーパーリーチ演出の発生を禁止して、短期間内で同一のスーパーリーチ演出で何度もはずれとなることを防止することで、スーパーリーチ演出に対する遊技者の信頼性を維持するものである。本例では、この規定回数(図柄変動回数)として、例えば「20回転」に設定するが、これに限定されるものではない。例えば、スーパーリーチ演出ごとに異なる回数を設定してもよく、相対的に発生頻度の高いリーチ演出ほど低回数に設定し、相対的に発生頻度の高いリーチ演出ほど高回数に設定してもよい。この場合、該規定回数(規定回数以下の回数)を経過することで、演出ステージが第1ステージと第2ステージとの間で相互に切り替わってもよい。このように演出ステージが切り替われば、必然的に切替前の演出ステージに対応したリーチ演出(スーパーリーチA演出、スーパーリーチB演出)が今回の演出ステージでは出現しないので、違和感なく本例の法則性を遵守できる。
同一リーチ禁止期間内での図柄変動回数は、サブメイン情報記憶手段260のリーチ監視カウンタによりカウントされる。リーチ監視カウンタは、(1)次回のスーパーリーチ演出が選択されたとき、(2)大当りが発生したとき、(3)規定回数までカウントアップしたとき、のいずれかに該当した場合にゼロクリアされる。
ここまで説明したように、本例におけるリーチ監視処理では、特定のリーチ演出として、スーパーリーチA演出およびスーパーリーチB演出のうちの一方のリーチ演出が発生した場合は、代替リーチ演出として、スーパーリーチA演出およびスーパーリーチB演出のうちの他方のリーチ演出が発生し得ることになる。
このとき、スーパーリーチA演出とスーパーリーチB演出は、同一の変動パターン(PX4,PH4)に対応するスーパーリーチ演出として分類されており、リーチ発展後の演出尺として同一の時間値が設定されている。そのため、図12に示すように、スーパーリーチA演出とスーパーリーチB演出とを相互に差し替えたとしても、当該演出尺内にスーパーリーチ演出が時間的に過不足なく収まるため、いずれのスーパーリーチ演出が実行されても違和感なく演出が行われるようになっている。
(法則崩れ演出)
他方、リーチ演出監視処理として「或る図柄変動において特定のリーチ演出が発生してはずれとなった場合、その後の図柄変動において該変動回数が予め定められた規定回数経過するまでは、他のリーチ演出を挟むことなく、特定のリーチ演出(前回と同一のリーチ演出)を再度発生させない」という法則が崩れた場合、すなわち、いわゆる法則崩れが発生した場合は、大当り当選が確定的となる。この法則崩れを換言すれば、当否判定の結果が大当りとなる場合には、規定回数経過前であっても、当該大当り変動において前回と同一のスーパーリーチ演出の連続発生が許容されるということである。このように法則崩れの発生から大当り当選に繋がるという遊技性により、法則崩れが発生するか否かに遊技者
の関心を惹きつけて、スーパーリーチ演出の演出効果を高めることができる。本例では、法則崩れ演出として、スーパーリーチA演出又はスーパーリーチB演出が連続発生した場合に、大当り当選が確定的となる。
一方、スーパーリーチC演出は「特定のリーチ演出」に該当しないため、スーパーリーチC演出が連続発生した場合でも、法則崩れ演出(大当り確定演出)とはならず、本来の大当り期待度が維持される。これは、スーパーリーチC演出は、スーパーリーチA演出およびスーパーリーチB演出と比べて発生頻度も相対的に低く抑えられ、所定回数経過前に再度発生するのは稀であり、本来の大当り期待度についても他のスーパーリーチA演出およびスーパーリーチB演出と比べて相対的に高く設定されているため、スーパーリーチC演出本来の大当り期待度に対して十分な期待感を得ることができるからである。
また、リーチ演出監視処理では、規定回数経過前に、演出モード又は演出ステージが移行した場合、リーチ監視カウンタおよびリーチ履歴情報がクリアされる。すなわち、演出モード又は演出ステージの移行の前後を跨いで、同一のスーパーリーチ演出を連続発生することは許容され、また、同一のスーパーリーチA演出が連続発生したとしても法則崩れは成立しない。具体的には、同じスーパーリーチA演出であっても、第1ステージS1におけるストーリー系リーチA1演出と第2ステージS2におけるストーリー系リーチA2演出とが連続した場合(異なる演出ステージに跨る場合)には、ストーリー系リーチA1演出とストーリー系リーチA2演出とでは背景表示(演出ステージ)に応じたストーリーが展開されることで演出内容が相互に異なるため、両者を同一のスーパーリーチ演出と取り扱うことが適当でないからである。
また、リーチ演出監視処理では、規定回数経過前に、大当りが発生した場合には、リーチ監視カウンタおよびリーチ履歴情報がクリアされる。すなわち、特別遊技(大当り演出)の前後を跨いで、同一のスーパーリーチ演出を連続発生することは許容され、また、同一のスーパーリーチ演出が連続発生したとしても法則崩れは成立しない。つまり、先後のスーパーリーチ演出の間に特別遊技が介在することで、もはや同一のスーパーリーチ演出であることを遊技者は認識し難いからである。
なお、本実施形態では、各遊技状態(通常状態、確変状態、潜伏状態)で、リーチ演出監視処理が実行される。すなわち本例では、いずれの遊技状態であっても、特定のリーチ演出(スーパーリーチA演出、スーパーリーチB演出)が用意されており、原則的には特定のリーチ演出が連続発生するのを防止する一方で、それに反して特定のリーチ演出が連続発生した場合にはその時点で大当り当選が確定的となる。また、本実施形態では、遊技状態が通常状態又は潜伏状態であるときは、同一のスーパーリーチ演出の連続発生に係る法則崩れ演出は、第1特別図柄の変動表示においてのみ適用され、第2特別図柄の変動表示においては適用されない。前述したように、第2特別図柄の変動パターンとして、スーパーリーチA演出又はスーパーリーチ演出Bは、当否判定結果が大当りとなった場合にのみ選択されるため、同一のスーパーリーチ演出が発生したにも関わらず、はずれとなる事態は生じないからである。このように、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで演出の趣向をがらりと変えることで、遊技の趣興のメリハリを生じさせることができる。より具体的には、通常状態にて第1特別図柄の変動表示でスーパーリーチA演出ではずれとなった後、1以上の所定回数以内にスーパーリーチA演出が発生していない状況においては、第2特別図柄の変動表示にてスーパーリーチA演出又はスーパーリーチB演出が発生しようが、スーパーリーチC演出が発生しようが、大当り当選が確定的となる(又は大当り期待度が非常に高くなる)。
ここで、リーチ監視処理における法則崩れが発生した場合の大当り期待度について説明する。図13は、前回のスーパーリーチ演出と今回のスーパーリーチ演出との関係で大当
り期待度を纏めた表である。本例では、第1特別図柄で抽選した場合の大当り期待度を示す。本表における左側の欄は、前回発生したスーパーリーチ演出の内容を示し、右側の欄は今回発生したスーパーリーチ演出の内容を示している。なお、前回のスーパーリーチ演出と今回のスーパーリーチ演出との間に、他のスーパーリーチ演出は介在していないものとする。また、本表において、括弧外の数値は通常状態(低確率状態)での大当り期待度を表し、括弧外の数値は確変状態又は潜伏状態(高確率状態)での大当り期待度を表している。なお、各スーパーリーチ演出の大当り期待度は、大当り時のスーパーリーチ演出の出現率とはずれ時のスーパーリーチ演出の出現率を合算した全体の出現率に対する大当り時のスーパーリーチ演出の出現率によって規定される。図13では、今回のスーパーリーチ演出が前回のスーパーリーチ演出と同一か否かに応じて、今回のスーパーリーチ演出の大当り期待度が本来の大当り期待度から特別の大当り期待度に変化し得ることを示している。なお、本例では、特別の大当り期待度として大当り当選となる「100%」に設定しているが、必ずしも「100%」とする必要はなく、相対的に大当り期待度が高くなるものであれば適宜設定が可能である。また、図13に記載した大当り期待度の数値はあくまで一例であり、適用される遊技機等に応じて適宜の数値が設定可能である。なお、以下に、本実施形態における、大当り期待度に関するスーパーリーチ演出同士の対応関係(1)〜(3)について説明する。なお、下記の対応関係(1)〜(3)は、「スーパーリーチA演出」を「スーパーリーチB演出」に読み替え、且つ、「スーパーリーチB演出」を「スーパーリーチA演出」に読み替えても成立するものである。
まず、スーパーリーチA演出とスーパーリーチB演出との関係で、本来のスーパーリーチ演出の大当り期待度に関しては、チャンスアップ演出CUAを伴うスーパーリーチB演出(CUAあり)が発生した場合よりも、チャンスアップ演出を伴わないスーパーリーチA演出(CUなし)が発生した場合の方が大当り期待度は低く設定されている。ところが、法則崩れとして同一のスーパーリーチ演出が連続発生した場合は、上記の大当り期待度の高低が逆転し得る。すなわち、「(1)或る図柄変動においてスーパーリーチA演出(CUなし)が発生してはずれとなった場合、その後の図柄変動において該変動回数が規定回数経過するまでの期間内では、他のスーパーリーチ演出を挟むことなく、チャンスアップ演出CUAを伴うスーパーリーチB演出(CUAあり)が発生する場合よりも、チャンスアップ演出を伴わないスーパーリーチA演出(CUなし)が発生した場合の方が大当り期待度は高くなる」という対応関係が成立する。換言すれば、「(1)或る変動表示時にてスーパーリーチA演出(CUなし)が表示されたにもかかわらず特別遊技に移行せず、且つ当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN(N≧1)回分の変動表示にていずれのスーパーリーチ演出も表示されなかった場合、当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN+1回目の変動表示においては、スーパーリーチB演出(CUAあり)が表示される場合よりもスーパーリーチA演出(CUなし)が表示される場合の方が大当り期待度は高くなる」という対応関係が成立する。従って、本来であれば、スーパーリーチB演出が発生した場合よりもスーパーリーチA演出が発生した場合の方が大当り期待度は相対的に低くなるものであっても、前回のスーパーリーチ演出と同一のスーパーリーチ演出が発生した場合には、法則崩れの発生により、上記の大当り期待度の高低が逆転するため、大当り期待度の低いスーパーリーチ演出が出現することで遊技者を落胆させてしまう事態を抑制できるとともに、スーパーリーチ演出が発生したときの付加価値をより一層高めることができる。また、同一のスーパーリーチ演出が連続するか否かという遊技要素に加えて、このスーパーリーチ演出に対するチャンスアップ要素を絡めることで、その場面に応じてスーパーリーチ演出の大当り期待度が多様に変化するため、複雑且つ興味溢れる遊技性を実現することができる。なお、同一のスーパーリーチ演出が連続発生したとしても、その間に他のスーパーリーチ演出を挟んでいる場合には、上記の対応関係(1)は成立せず、原則通り、本来のスーパーリーチ演出の大当り期待度が維持された対応関係となる。
一方、スーパーリーチA演出とスーパーリーチB演出との関係で、本来のスーパーリー
チ演出の大当り期待度に関しては、チャンスアップ演出CUBを伴うスーパーリーチB演出(CUBあり)が発生した場合よりも、チャンスアップ演出を伴わないスーパーリーチA演出(CUなし)が発生した場合の方が大当り期待度は低く設定されている。このとき、法則崩れとして同一のスーパーリーチ演出が連続発生した場合であっても、大当り期待度の高低が逆転するとは限らない。すなわち、「(2)或る図柄変動においてスーパーリーチA演出(CUなし)が発生してはずれとなった場合、その後の図柄変動において該変動回数が規定回数経過するまでの期間内では、他のスーパーリーチ演出を挟むことなく、チャンスアップ演出CUBを伴うスーパーリーチB演出(CUBあり)が発生する場合よりも、チャンスアップ演出を伴わないスーパーリーチA演出(CUなし)が発生した場合の方が大当り期待度は高くならない」という対応関係が成立する。換言すれば、「(2)或る変動表示時にてスーパーリーチA演出(CUなし)が表示されたにもかかわらず特別遊技に移行せず、且つ当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN(N≧1)回分の変動表示にていずれのスーパーリーチ演出も表示されなかった場合、当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN+1回目の変動表示においては、スーパーリーチB演出(CUBあり)が表示される場合よりもスーパーリーチA演出(CUなし)が表示される場合の方が大当り期待度は高くない又は大当り期待度は同一である」という対応関係が成立する。すなわち、本例では、いずれの場合も大当り当選が確定的となる大当り期待度「100%」に設定されているからである。従って、前回のスーパーリーチ演出と同一のスーパーリーチ演出に発展しなかった場合でも、これに付随するチャンスアップ演出の種類によっては、法則崩れした場合と同等の利益を得られるため、スーパーリーチ演出の種類および演出過程に注目させて、大当りに対する期待感をより一層高めることができる。
続いて、スーパーリーチA演出とスーパーリーチC演出との関係で、本来のスーパーリーチ演出の大当り期待度に関しては、チャンスアップ演出を伴わないスーパーリーチC演出(CUなし)が発生した場合よりも、チャンスアップ演出を伴わないスーパーリーチA演出(CUなし)が発生した場合の方が大当り期待度は低く設定されている。ところが、法則崩れ演出として同一のスーパーリーチ演出が発生する場合は、上記の大当り期待度の高低が逆転する。すなわち、「(3)或る図柄変動においてスーパーリーチC演出(CUなし)が発生してはずれとなった場合に、その後の図柄変動において該変動回数が規定回数経過するまでの期間内で、他のスーパーリーチ演出を挟むことなく、スーパーリーチC演出(CUなし)が発生する場合よりも、或る図柄変動においてスーパーリーチA演出(CUなし)が発生してはずれとなった場合に、その後の図柄変動において該変動回数が規定回数経過するまでの期間内で、他のスーパーリーチ演出を挟むことなく、スーパーリーチA演出(CUなし)が発生する場合の方が大当り期待度は高くなる」という対応関係が成立する。換言すれば、「(3)或る変動表示時にてスーパーリーチC演出(CUなし)が表示されたにもかかわらず特別遊技に移行せず、且つ当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN(N≧1)回分の変動表示にていずれのスーパーリーチ演出も表示されなかった場合、当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN+1回目の変動表示において、スーパーリーチC演出(CUなし)が表示される場合よりも、或る変動表示時にてスーパーリーチA演出(CUなし)が表示されたにもかかわらず特別遊技に移行せず、且つ当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN(N≧1)回分の変動表示にていずれのスーパーリーチ演出も表示されなかった場合、当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN+1回目の変動表示において、スーパーリーチA演出(CUなし)が表示される場合の方が、大当り期待度は高くなる」という対応関係が成立する。そのため、複数種のリーチ演出のうち特定のリーチ演出であるか否かに応じて、同一のリーチ演出が連続した場合であっても、法則崩れから大当り当選に繋がる場面と法則崩れの対象外となり本来度の大当り期待度が維持される場面とが現出するため、複雑且つ多様性のある遊技を実現することができる。また、同一のスーパーリーチ演出が連続することで法則崩れの対象となるスーパーリーチ演出を大当り期待度が相対的に低いスーパーリーチ演出に対して適用することで、スーパーリーチ演出に対する興趣の低下を抑制することができる。
なお、本例では、前回のスーパーリーチ演出と今回のスーパーリーチ演出とが同一となる法則崩れ演出が発生する場合は、今回のスーパーリーチ演出においてのみ、特殊演出が出現するようになっている。特殊演出としては、前回と同一のスーパーリーチ演出が発生したことを遊技者に連想させるような演出画像(例えば「アゲイン」や「リターン」という文字画像)を表示することが例示される(図44等を参照)。また、特殊演出として、前述したような、画面の端に表示されたリーチ履歴情報(前回のスーパーリーチ演出の名称)に対して、その文字色を通常態様の「白色」から特殊態様の「虹色」に変更したり、その文字のサイズを拡大したり、その文字の周囲にエフェクトを表示させるようにして、今回のスーパーリーチ演出が前回のスーパーリーチ演出と同じであることを遊技者に教示してもよい。
予告演出決定手段226は、上述した変動演出パターンのシナリオに沿って装飾図柄の変動過程の各段階で実行される予告演出の内容を規定した予告演出パターンを決定する。予告演出パターンには、特定のキャラクタの画像、アニメーションなどを一時的又は段階的に画像表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターン、可動役物を動作させる演出パターン等が含まれる。予告演出は、装飾図柄の変動表示と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する大当り信頼度が高いことを予告的に示唆するものである。予告演出には、装飾図柄の変動過程においてリーチ状態が発生する前(リーチ発生時を含む)に実行される予告演出と、リーチ状態が発生した後に実行される予告演出とがある。予告演出はそれぞれ大当り信頼度が異なるものとなっており、基本的には、リーチ発生前に表示される予告演出よりも、リーチ発生後に表示される予告演出の方が相対的に大当り信頼度は高くなっている。予告演出決定手段226は、予告演出パターンを選択する際に参照される予告演出パターンテーブルを予告演出の種類別に保持しており、変動演出パターンのシナリオに沿って発生する予告演出の種類に応じた予告演出パターンテーブルを選択するようになっている。予告演出決定手段226は、上記で選択された予告演出パターンテーブルを参照して、演出抽選乱数発生手段210から取得した予告演出パターン乱数値に基づき、抽選によって、複数種の予告演出パターンの中からいずれかを選択する。なお、具体的な予告演出パターンの種類としては、コメント予告演出パターン、背景予告演出パターン、SU(ステップアップ)予告演出パターン、群予告演出パターン、役物予告演出パターン、などが用意されている。この予告演出は、基本的には、演出表示装置70での装飾図柄の変動表示に、1又は複数の予告演出の表示を合成することによって行われる。そのため、同一の変動演出パターンによる装飾図柄の変動表示であっても、1又は複数の予告演出との組み合わせによって多彩な演出態様を発生させることが可能となる。
本実施形態において、各種の予告演出は、大当り期待度に応じて、「弱ランク」、「中ランク」、「強ランク」に分類される。本例では、「弱ランク」<「中ランク」<「強ランク」の順に、大当り期待度は高くなる。ここで、大当り期待度が「強ランク」となる予告演出(「高期待度予告演出」とも称する)としては、役物予告演出および特殊柄予告演出が用意されている。役物予告演出は、装飾図柄の変動表示過程の所定タイミング(例えば、装飾図柄の停止表示直前)で可動役物24を演出表示装置70の前面に出現させる演出である。特殊柄予告演出は、装飾図柄の変動表示過程の所定タイミングで演出表示装置70の画面の一部領域を特殊柄(例えば、キリン柄)に変更する演出である。これは、特殊柄(キリン柄)という属性(色、表示態様)自体が高ランクであり、様々な予告演出に付帯している場合は、大当り期待度が高くなる。これらの高期待度予告演出は、通常のはずれ変動演出パターンが選択される場合よりも、スーパーリーチ演出や即当り演出(超短縮変動演出)などの特殊の変動演出パターンが選択されている場合の方が相対的に高い確率で出現するようになっている。本実施形態では、一の図柄変動の過程において、同一の高期待度予告演出が二度発生した場合、大当り当選が確定的となる。なお、「高期待度予
告演出が二度発生する」には、特定属性(高期待度属性)が二度発生した場合、すなわち、特定属性が付帯した予告演出又は特定属性に係る予告演出が、その予告演出種別を問わずに(例えばステップアップ予告かコメント予告かを問わずに)二度出現した場合(例:キリン柄のステップアップ予告が出現して更にキリン柄のコメント予告が出現する、キリン柄のコメント予告が出現して更にキリン柄のリーチタイトルが出現するなど)等も含むものである。そのため、スーパーリーチB演出を伴う図柄変動の過程で、同一の高期待度予告演出が二度発生することが予定されている場合には、「或る図柄変動においてスーパーリーチA演出(CUなし)が発生してはずれとなった場合、その後の図柄変動において該変動回数が規定回数経過するまでの期間内では、他のスーパーリーチ演出を挟むことなく、チャンスアップ演出CUAを伴うスーパーリーチB演出(CUAあり)が発生する場合よりも、チャンスアップ演出を伴わないスーパーリーチA演出(CUなし)が発生した場合の方が大当り期待度は高くなる」という対応関係(1)は適用されない。換言すれば、上記の事象の場合には、「或る変動表示時にてスーパーリーチA演出(CUなし)が表示されたにもかかわらず特別遊技に移行せず、且つ当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN(N≧1)回分の変動表示にていずれのスーパーリーチ演出も表示されなかった場合、当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN+1回目の変動表示においては、スーパーリーチB演出(CUAあり)が表示される場合よりもスーパーリーチA演出(CUなし)が表示される場合の方が大当り期待度は高くなる」という対応関係(1)は適用されない。つまり、このような場合、或る図柄変動においてスーパーリーチA演出(CUなし)が発生してはずれとなった場合、その後の図柄変動において該変動回数が規定回数経過するまでの期間内では、他のスーパーリーチ演出を挟むことなく、チャンスアップ演出CUBを伴うスーパーリーチB演出(CUBあり)が発生しても大当り当選が確定的となる。すなわち、いずれの場合にも、大当り当選が確定するからである。但し、一の図柄変動の過程において、互いに異なる高期待度予告演出が発生した場合、具体的には役物予告演出と特殊柄予告演出とが一度ずつ発生した場合には、必ずしも大当り当選するとは限らない。
また、前述したように、予告演出には、装飾図柄の変動過程においてリーチ状態が発生する前に実行される予告演出(リーチ前予告演出)と、リーチ状態が発生した後に実行される予告演出(リーチ後予告演出)とがあるが、前回と同一のスーパーリーチ演出が発生する場合(大当り当選が確定的になる場合)には、リーチ状態が発生する前において、高期待度予告演出が発生する割合が相対的に高く設定されている一方で、前回と異なるスーパーリーチ演出が発生する場合(大当り当選するか不確定の場合)には、リーチ状態が発生する前において、高期待度予告演出が発生する割合が相対的に低く設定されている。すなわち、前回と同一のスーパーリーチ演出が連続発生するか否かに応じて、今回のリーチ前予告演出において相対的に大当り期待度の高い予告演出の出現率が異なるようになっている。このように、法則崩れとして同一のスーパーリーチ演出が連続発生する場合は、当該リーチに発展する前の段階で、敢えて激熱の予告演出(高期待度予告演出)を発生させることで、以降の展開に対して遊技者の期待感を煽ることができる。
大当り演出決定手段227は、特別遊技中であることを報知する大当り演出の内容(大当り演出パターン)を決定する。大当り演出は、特別遊技の開始を報知する開始デモ演出と、ラウンド遊技中であることを報知するラウンド演出と、特別遊技の終了を報知する終了デモ演出とを含む。大当り演出決定手段227は、主制御基板100から大当り開始デモコマンドを受信した場合、サブメイン情報記憶手段260に格納された大当り種別の情報などに基づき、大当り演出パターン(開始デモ演出パターン、ラウンド演出パターン、終了デモ演出パターン)を決定する。この大当り演出パターンには、大当り種別に応じて、大当り開始デモ演出時間とラウンド演出時間(大入賞口64の開放パターンに応じた演出時間)と大当り終了デモ演出時間とが設定されるとともに、その時間軸に沿って一連の演出内容が設定されている。また、大当り演出決定手段227は、大当り演出パターンに
従って、主制御基板100から大当り開始デモコマンドを受信したことを契機として開始デモ演出を実行し、ラウンド演出指定コマンドを受信したことを契機として各ラウンド演出を実行し、大当り終了デモコマンドを受信したことを契機として終了デモ演出を実行する。大当り開始デモ演出では、例えば画面上に「大当り開始」の文字が表示されて、特別遊技の開始が告げられる。また、ラウンド演出では、例えば画面上の現在実行中のラウンド数や獲得賞球数が表示されるとともに、特別遊技を盛り上げる各種画像(アニメーション画像など)が表示される。そして、大当り終了デモ演出では、例えば画面上に「大当り終了」の文字が表示されて、特別遊技の終了が告げられる。
以上、演出統括手段220は、前記決定された演出内容(先読み演出パターン、連荘演出パターン、変動演出パターン、予告演出パターン、停止図柄パターン、大当り演出パターンなど)に基づき画像および音響に関する画像制御コマンドを生成して、これをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する。
ランプ演出制御手段230は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って演出ランプの点灯や発光色等を制御する。ランプ演出制御手段230は、演出ランプLP(枠ランプ10、盤ランプ25)を点灯制御するための複数種のランプデータ(ランプパターンデータ)を保持しており、前記決定した演出パターンに応じたランプデータを読み出して、このランプ制御信号(ランプデータ)をランプ接続基板91へ送信する。
役物演出制御手段240は、演出統括手段220にて設定された演出内容に従って各可動役物24の駆動を制御する。役物演出制御手段240は、可動役物24を駆動制御するための複数種の駆動データを保持しており、前記決定した演出パターンに応じた駆動制御信号(駆動データ)をモータドライバ92へ送信する。
エラー演出制御手段250は、主制御基板100からエラー演出指定コマンドを受信した場合にエラー演出パターンを決定し、遊技機にエラー状態が発生したことを当該エラー演出パターンに従って報知するように構成されている。
サブメイン情報記憶手段260は、装飾図柄の情報、変動演出パターンの情報、予告演出パターンの情報、制御コマンドの情報等を一時記憶するように構成されており、各情報を記憶するための所定の記憶領域を備えている。例えば、コマンド格納領域には、主制御基板100からの演出制御コマンドを格納するための演出制御コマンドバッファ、画像制御基板300への画像制御コマンドを格納するための画像制御コマンドバッファ、画像制御基板300からのACKコマンドを格納するためのACKコマンドバッファを含む。各コマンドバッファはそれぞれリングバッファから構成されており、所定数の演出制御コマンド、画像制御コマンド、ACKコマンドをそれぞれ格納可能である。
コマンド送受信手段270は、主制御基板100から送信された演出制御コマンドを受信し、この演出制御コマンドを演出制御コマンドバッファに格納するように構成されている。コマンド送受信手段270は、主制御基板100からの前述のストローブ信号の入力に基づき割込みを発生させて演出制御コマンドの受信割込み処理(詳細後述)を実行し、この割込み処理において各種の演出制御コマンドを取得するようになっている。なお、コマンド送受信手段270は、ストローブ信号を受信した場合には、この演出制御コマンドの受信割込み処理を他の割込み処理(後述する優先レベル7未満の割込み処理)よりも優先的に行うようになっている。
また、コマンド送受信手段270は、演出統括手段220にて設定された演出内容(変動演出パターン情報、予告演出パターン情報、装飾図柄情報など)の実行を指示すべく、サブメイン情報記憶手段260に格納された画像制御コマンドをシリアル通信方式にて画
像制御基板300へ送信する。画像制御コマンドは、原則として、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域にセットされた順番に従って所定の周期(本例では500μs)毎に送信される。これにより、画像制御基板300は、演出制御基板200から送信された各種の画像制御コマンドを解析し、変動演出パターンのシナリオに沿って演出表示装置70に装飾図柄を含む演出画像を変動表示させるとともに、変動表示過程の各段階で図柄変動の演出に重畳させたかたちで予告演出を表示させる。さらに、コマンド送受信手段270は、画像制御基板300から送信されたACKコマンドを受信し、このACKコマンドをACKコマンドバッファに格納するようになっている。
なお、本例では、主制御基板100には、バックアップ機能が搭載されているため、電源断時にもRAM(メイン情報記憶手段)の記憶内容が保存されるが、演出制御基板200には、バックアップ機能が搭載されていないため、電源断時にはRAM(サブメイン情報記憶手段)の記憶内容はクリアされる。そのため、演出制御基板200側では、電源断復帰時に、主制御基板100からの演出制御コマンドを受信することで、電源遮断前の状態に復帰する(後述の図14のS15を参照)。しかしながら、リーチ演出監視処理に関する情報(リーチ履歴情報など)に関しては、演出制御基板200側でのみ保存されていた情報であるため、電源断復帰時に当該情報が回復することない。そのため、電源断復帰時には、前回までのリーチ履歴情報がクリアされた状態で、改めてリーチ監視処理が再開されることになる。ここで、原則として、電源断後又はRAMクリア後に初めてスーパーリーチ演出(複数の高期待度演出のうちのいずれか)が表示される或る図柄変動表示においては、当該或る図柄変動表示にて表示されるスーパーリーチ演出(高期待度演出)として、チャンスアップ演出CUAを伴うスーパーリーチB演出(第2高期待度演出B)が表示される場合よりも、チャンスアップ演出CUA,CUBを伴わないスーパーリーチA演出(第1高期待度演出A)が表示される場合の方が大当り期待度(特別遊技移行期待度)は相対的に低くなるよう設定されている。一方、電源断後又はRAMクリア後に初めてスーパーリーチ演出(複数の高期待度演出のうちのいずれか)が表示される状況下における或る図柄変動表示において、チャンスアップ演出CUA,CUBを伴わないスーパーリーチA演出(第1高期待度演出A)が表示されたにもかかわらず特別遊技に移行せず、且つ当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN(N≧1)回分の変動表示にていずれのスーパーリーチ演出(高期待度演出)も表示されなかった場合、当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN+1回目の変動表示においては、例外として、チャンスアップ演出CUAを伴うスーパーリーチB演出(第2高期待度演出B)が表示される場合よりもチャンスアップ演出CUA,CUBを伴わないスーパーリーチA演出(第1高期待度演出A)が表示される場合の方が特別遊技移行期待度は高くなる。なお、演出制御基板200でも、バックアップ機能が搭載されたRAMを用いてもよく、電源断の前後に跨って、リーチ演出監視処理を継続するものとしてもよい。
<主制御基板側の処理>
次に、図14〜図28のフローチャートを参照しながら、主制御基板100における動作処理の手順について説明する。主制御基板100側の処理は、主制御側メイン処理と、主制御側タイマ割込み処理と、を含んで構成される。
《主制御側メイン処理》
図14〜図15は主制御基板100の主制御側メイン処理を示すフローチャートである。この主制御側メイン処理では、電源投入時のリセットによりメインCPU101のセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、S1以降の処理が開始される。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定するとともに(S1)、RAM103のアクセス許可を行う(
S2)。続いて、タイマ割込みが発生した場合に処理するプログラムの先頭アドレスが格納されたベクタテーブルを設定し(S3)、メインCPU101の内蔵レジスタに初期値を設定する(S4)。
続いて、RAMクリアスイッチがオンされているか否かを判定する(S5)。RAMクリアスイッチがオンされている場合(S5:YES)には、後述するS9でRAM103の全領域がゼロクリアされる。他方、RAMクリアスイッチがオンされていない場合(S5:NO)には、電源断情報フラグの値を読み込んで、電源断正常の情報が保存されているか否かを判定する(S6)。
ここで、電源断正常の情報が保存されている場合(S6:YES)には、RAM103の所定領域を対象としてチェックサムを算出する(S7)。そして、このチェックサムが0であるか否か、すなわち、チェックサムが正常であるか否かを判定する(S8)。なお、ここで算出される電源投入時のチェックサムには、後述の電源断時処理で算出されるチェックサムの補数が含まれているため、正常にバックアップされていれば、電源投入時のチェックサムは「0」となる。このように、電源断前にRAM103に記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源投入時に判断する。このとき、チェックサムが正常である場合(S8:YES)には、電源断前の状態に復帰すべく、後述するS12に移行する。他方、チェックサムが異常である場合に(S8:NO)には、RAM103の全領域をゼロクリアする(S9)。次に、RAM103に電源投入時の初期化データを設定する(S10)。続いて、演出表示装置70の初期化、演出ランプLPの初期化などを行うため、演出制御基板200への演出制御コマンド(「演出初期コマンド」)を要求する(S11)。
次に、電源断復帰設定処理において、RAM103における、電源投入正常情報の設定、各種エラーの初期設定、払出制御基板400との通信初期設定を順に行う(S12)。ここで、電源投入正常情報の設定としては、電源投入が正しく行われたことを保存するため、電源断情報フラグに電源投入正常データを格納するとともに、電源断発生の情報を初期化するため、電源断確認フラグをオフにする。次に、データ転送元アドレス、データ転送先アドレス、転送バイト数、をセットして、転送バイト数分のデータを転送する(S13)。そして、電源断時における特別図柄遊技ステイタスの値を読み込んで、特別図柄遊技に係る電源断復帰処理を行う(S14)。
続いて、主制御基板100と演出制御基板200との電源断復帰時の演出制御コマンド(「電源断復帰コマンド」)の送信要求を行う(S15)。この電源断復帰コマンドには、通信線の検査、特別図柄の作動状態、確率変動回数、時短回数、入球容易状態回数、変動パターン選択状態、エラー状態に関する情報が含まれている。なお、電源断前の未送信分のコマンド要求はクリアされる。次に、図柄記憶数コマンド要求処理において、電源断時の第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を読み込み、この作動保留球数の情報を含む演出制御コマンドを要求する(S16)。
続いて、普通電動役物622を電源断前の状態(例えば、第2始動口62を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(S17)。さらに、特別電動役物642を電源断前の状態(例えば、大入賞口64を開放状態)に戻すための復帰設定を行う(S18)。続いて、特別図柄モードフラグの値を読み込み、電源断時における特別図柄の確率変動機能の作動状態を設定する(S19)。なお、特別図柄モードフラグとは、特別図柄遊技の作動確率(高確率又は低確率)を設定するためのフラグである。次いで、タイマ割込みを起動させるため、主制御マイコン110のCTC回路の初期設定として、所定のカウント値を設定して、タイマ割込みを4ms毎に発生させる(S20)。続いて、タイマ割込み処理の発生を禁止すべく割込み禁止を設定する(S21)。そして、ウォッチドッグタイマのリス
タート準備として、クリアワード1(「55H」)を設定する(S22)。
次に、電源断の発生を判定するため、電源断確認フラグの値を読み込み、電源断が発生しているか否かを判定する(S23)。電源断が発生していない場合には、初期値乱数更新処理を実行する(S24)。この初期値乱数更新処理では、この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数および特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ割込み処理の発生を許可すべく割込み許可を設定して(S25)、上述の割込みを禁止する処理(S21)に戻り、S21〜S25のループ処理を繰り返し実行する。ここで、タイマ割込み処理は所定の周期ごとに定期的に実行されるが、前回の割込み処理が完了してから次回の割込み処理が発生するまでの間の残余時間を利用して、S21〜S25までの処理を繰り返す。そして、割込み禁止状態において割込み要求があった場合には、S25で割込み許可となったときにタイマ割込み処理が起動することとなる。他方、S23で電源断確認フラグがオンとなっている場合、すなわち、電源断が発生している場合には、S26に移行して、次述する電源断時処理を実行する。
次に、電源断時処理(S26〜S32)として、まず、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(S26)。次に、電源断情報フラグの内容が電源投入正常データであるか否かを判定する(S27)。電源投入正常情報である場合(S27:Yes)には、電源断情報フラグに電源断正常データを設定する(S28)。他方、電源投入正常情報でない場合(S27:No)には、電源断情報フラグに電源断異常データを設定して(S29)、S32に移行する。
次に、RAM103の所定領域(チェックサム領域を除く)に対してチェックサムを算出する(S30)。そして、チェックサムデータに対する補数を算出し、この補数の結果値をRAM103のチェックサム領域に設定する(S31)。続いて、RAM103のアクセス禁止設定をして(S32)、電源が落ちるまで処理をループする。
《主制御側タイマ割込み処理》
次に、主制御基板100の主制御側タイマ割込み処理を説明する。図16は、主制御基板100のタイマ割込み処理を示すフローチャートである。このタイマ割込み処理は、遊技制御マイコン110のCTC回路からの一定時間(例えば4ms)毎のクロックパルスにより起動され、上述の主制御側メイン処理に割り込むかたちで実行される。なお、以下で使用する用語として、「条件装置」および「役物連続作動装置」という用語は概念上の制御機器を意味しており、「条件装置」とは、特別図柄遊技で大当りが発生した場合に作動するものであり、「役物連続作動装置」とは、特別電動役物642を連続して複数回作動させることができるものである。
まず、このタイマ割込みが発生すると、メインCPU101内のレジスタの内容をRAM103のスタック領域に退避させた後、割込み動作条件を設定する(S51)。
次に、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、クリアワード2(「AAH」)を設定する(S52)。このとき、予め設定されたタイムアウト時間内に、CPU101のWDTクリアレジスタに、クリアワード1、クリアワード2が順に書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。すなわち、メインCPU101がプログラムを正常に実行しているときは、定期的にクリアワード1,2が設定されることにより、ウォッチドッグタイマがタイムアウトする前にクリアおよびリスタートされることとなる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発
生する。
次に、入力処理を実行する(S53)。この入力処理では、主制御基板100に接続されている各種スイッチとして、RAMクリアスイッチ以外のスイッチの情報が読み込まれる。すなわち、第1始動口スイッチ611、第2始動口スイッチ621、作動ゲートスイッチ631、大入賞口スイッチ641、扉開放スイッチ、枠開放スイッチ、裏セット開放スイッチ、磁気センサ、電波センサ、などの入力情報を読み込み、それらの状態判定を行ったうえで、これらの検出情報を格納する。
次に、各種乱数更新処理を実行する(S54)。この各種乱数更新処理では、普通図柄変動パターン乱数および特別図柄変動パターン乱数を更新する。普通図柄変動パターン乱数については、乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。他方、特別図柄変動パターン乱数については、前回の乱数から所定値(例えば3511)を減算する。なお、減算した結果が0未満の場合には、減算した結果に所定値(例えば50000)を加算する。
次に、初期値更新型乱数更新処理を実行する(S55)。この初期値更新型乱数更新処理では、普通図柄当り乱数、特別図柄当りソフト乱数および特別図柄当り図柄乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。また、カウンタの数値が1周した場合には、対応する初期値乱数の値を初期値として設定する。
次に、初期値乱数更新処理を実行する(S56)。この初期値乱数更新処理では、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当りソフト初期値乱数および特別図柄当り図柄初期値乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値である「0」に戻す。
次に、タイマ減算処理を実行する(S57)。このタイマ減算処理では、ぱちんこ遊技機PMの遊技動作制御に用いる各種タイマの値を減算更新する。例えば、各種タイマの値を割込み周期(本例では4ms)ずつ減算する。なお、各種タイマには、特別図柄表示装置71,72に係る時間(変動時間、確定表示時間)を管理するための特別図柄遊技タイマ、などが含まれる。
次に、第2始動口有効期間設定処理を実行する(S58)。この第2始動口有効期間設定処理では、第2始動口62の入賞有効期間および入賞無効期間を判定し、この判定結果として、第2始動口62の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、入賞監視処理を実行する(S59)。この入賞監視処理では、前記入力処理(S53)での第1始動口スイッチ611、第2始動口スイッチ621、作動ゲートスイッチ631、大入賞口スイッチ641の検出情報に基づき、遊技球のスイッチ通過検査を行い、その結果、遊技球が各スイッチを通過したと判断した場合、遊技球が各スイッチを通過したことを示す情報を含む演出制御コマンドの送信要求、などを行う。
次に、賞球制御処理を実行する(S60)。この賞球制御処理では、入賞の種別に対応する賞球個数の指示をすべく払出制御コマンドを払出制御基板400へ送信するとともに、払出制御基板400からの受信データを監視して払出制御基板400との通信検査を行う。
次に、普通図柄作動ゲート監視処理を実行する(S61)。この普通図柄作動ゲート監視処理では、遊技球の作動ゲート63への通過を監視し、作動ゲート63を通過している
と判断した場合、普通図柄抽選に係る乱数を作動保留球情報として取得して、最大4個を限度として作動保留球数の更新を行うとともに、普通図柄抽選に係る乱数の記憶を行う。
次に、普通図柄制御処理を実行する(S62)。この普通図柄制御処理では、普通図柄表示装置75又は普通電動役物622に係る一連の処理を行うため、普通図柄遊技ステイタスの値に応じて、普通図柄変動中処理、普通図柄停止図柄表示中処理、普通電動役物作動中処理、普通電動役物作動終了デモ中処理、などを実行する。なお、普通図柄変動中処理では、普通図柄を変動表示又は確定表示させるべく、普通図柄の表示パターン番号データを作成(更新)する。
次に、普通図柄変動開始監視処理を実行する(S63)。この普通図柄変動開始監視処理では、普通図柄の作動状態を監視して、普通図柄の変動開始条件を充足していると判断したとき、普通図柄作動保留球数を1個消化して、普通図柄の当否判定、図柄の判定、変動パターンの判定、変動時間の設定、などを順に行う。
次に、始動口監視制御処理を実行する(S64)。この始動口監視制御処理では、遊技球の第1始動口61および第2始動口62への入賞を監視して、遊技球の入賞があった場合、保留球数の更新、特別図柄抽選に係る乱数記憶、先読み予告演出判定、図柄記憶数のコマンド要求、などを順に行う。
次に、特別図柄制御処理を実行する(S65)。この特別図柄制御処理では、特別図柄表示装置71,72に係る一連の処理として、特別図柄遊技ステイタスの値に応じて、詳細後述する特別図柄変動開始処理(S420)、特別図柄変動中処理(S430)、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)、などを実行する。
次に、特別電動役物制御処理を実行する(S66)。この処理では、特別図柄の抽選結果が「大当り」又は「小当り」となった場合に、特別電動役物642に係る動作処理として、特別電動役物642の作動開始および作動終了の設定、大入賞口64の開放時間および開放回数の更新、確率変動機能の作動開始設定、変動時間短縮機能の作動開始設定、変動パターン選択状態の設定、などを順に実行する。
次に、大入賞口有効期間設定処理を実行する(S67)。この大入賞口有効期間設定処理では、大入賞口64の入賞有効期間および入賞無効期間を判定し、この判定結果として大入賞口64の有効期間データ又は無効期間データを設定する。
次に、特別図柄変動開始監視制御処理を実行する(S68)。この特別図柄変動開始監視制御処理では、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球が存在する場合、保留球数を1個消化して、図柄記憶数のコマンド要求、特別図柄の当否判定、特別図柄の図柄判定、確率変動機能の判定、時間短縮機能の判定、特別電動役物の作動パターンの設定、デモ演出時間の設定、などを順に行う。
次に、異常検知処理を実行する(S69)。この異常検知処理では、前記入力処理(S53)での入力情報に基づき、磁気センサによる磁気検知信号、断線短絡電源異常信号、電波センサによる電波検知信号、扉・枠開放信号などを順に検査して、遊技機がエラー状態であるか否かを判定する。エラー状態である場合には、演出制御基板200にエラー表示を要求すべく、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)を生成する。
次に、入球通過時間異常検出処理を実行する(S70)。この入球通過時間異常検出処理では、入賞検出スイッチのオン信号が連続して所定時間以上検出された場合に、入球通
過時間異常を設定して、当該エラー情報を含む演出制御コマンド(「エラー演出指定コマンド」)の要求を行うとともに、外部端子へ出力するためのセキュリティ信号の出力要求を行う。
次に、遊技状態表示処理を実行する(S71)。この遊技状態表示処理では、特別電動役物642が連続して作動する回数(規定ラウンド数)、普通図柄および特別図柄の作動保留球数、などの表示データを作成する。また、前記の異常検知処理で検出したエラー状態の情報を主制御基板100の状態表示灯に表示させるための表示データを作成する。
次に、LED出力処理を実行する(S73)。このLED出力処理では、特別図柄および普通図柄の表示、保留球数の表示、特別電動役物が連続して作動する回数、エラーの表示などを行うべく、前記の特別図柄制御処理(S65)、異常検知処理(S69)、遊技状態表示処理(S71)等で作成された表示データを、各特別図柄表示装置71,72、普通図柄表示装置75、各特図保留ランプ73,74、普図保留ランプ76、主制御基板100の状態表示灯などに出力するとともに、これら各種表示装置における表示の初期化を行う。
次に、発射制御信号出力処理を実行する(S73)。この発射制御信号出力処理では、払出制御基板400との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されていない場合に、払出制御基板400に対して発射許可の信号を出力し、遊技球の発射を許可する。他方、払出制御基板400との通信異常又は断線短絡電源異常が検出されたいる場合には、払出制御基板400に対して発射禁止の信号を出力し、遊技球の発射を禁止する。
次に、ソレノイド出力処理を実行する(S74)このソレノイド出力処理では、各電動役物622,642を作動させるべく、前記の普通図柄制御処理(S62)および特別電動役物制御処理(S66)において取得した制御データに基づき、各電動役物ソレノイド623,643に対して励磁信号を出力する。
次に、演出制御コマンド送信処理を実行する(S75)。この演出制御コマンド送信処理では、前記の処理でメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域(リングバッファ)に格納された演出制御コマンドの中から、ポインタで指定された演出制御コマンドを読み出して、この演出制御コマンドを演出制御基板200に対して送信する。
次に、外部情報出力処理を実行する(S76)。この外部情報出力処理では、外部端子板を介して、遊技機の動作状態情報を外部情報としてホールコンピュータ等の外部装置に出力する。
次に、退避していたレジスタの内容を復帰させて、メインCPU101を割込み許可状態に設定する(S77)。これにより、主制御側タイマ割込み処理を終了して上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割込みが発生するまで主制御側メイン処理を実行する。
なお、主制御側メイン処理中又は割込み処理中に、主制御基板100が電源断(所定の閾値に基づき供給電圧の低下)を検出すると、ノンマスカブル割込みを発生させて、電源断確認フラグをオンにする。そして、元の処理に戻ったうえで、前述の電源断時処理(S
26〜S32)を実行することとなる。
≪特別図柄遊技処理≫
次に、主制御側タイマ割込み処理内の特別図柄遊技に係る一連の処理について説明する。特別図柄遊技に係る処理には、前述の始動口監視制御処理(S64)、特別図柄制御処理(S65)、特別電動役物制御処理(S66)、特別図柄変動開始監視制御処理(S6
8)、などが該当する。
(始動口監視制御処理)
始めに、始動口監視制御処理(S64)について説明する。図17は、始動口監視制御処理(S64)の詳細を示すフローチャートである。
まず、第1始動口61への遊技の入賞を検出したか否かを判定する(S201)。第1始動口61への入賞を検出した場合(S201:YES)には、第1特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(S202)。
第1特別図柄の作動保留球数が4未満である場合(S202:YES)には、第1特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値、を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第1特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(S203)。そして、第1特別図柄の作動保留球数の更新として、第1特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(S204)、第1始動口61の入賞チェックを終了する。
続いて、第2始動口62への遊技の入賞を検出したか否かを判定する(S205)。第2始動口62への入賞を検出した場合(S205:YES)には、第2特別図柄の作動保留球数が上限数の4未満であるか否かを判定する(S206)。第2特別図柄の作動保留球数が4未満である場合(S206:YES)には、第2特別図柄遊技に係る抽選乱数値として、特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値、を取得して、各乱数値を入球順に応じて、メイン情報記憶手段180の第2特別図柄保留格納領域(保留n記憶領域)に格納する(S207)。そして、第2特別図柄の作動保留球数の更新として、第2特別図柄保留球数カウンタの値を1加算して(S208)、第2始動口62の入賞チェックを終了する。
続いて、第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数の更新があったか否か、すなわち、S204又はS208にて第1特別図柄又は第2特別図柄の作動保留球数が加算されたか否かを判定する(S209)。作動保留球数の更新があった場合(S209:YES)には、第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S210)。
次いで、遊技機の状態を確認し、事前判定タイミングであるか否かを判定する(S211)。事前判定タイミングである場合(S211:YES)には、保留n記憶領域の当り乱数バッファから特別図柄当り乱数値を読み出して、当否事前判定を行う(S212)。そして、この事前判定結果の情報(当否事前判定番号)を含む当否事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S213)。
また、保留n記憶領域の当り図柄乱数バッファから特別図柄当り図柄乱数値を読み出して、図柄事前判定を行う(S214)。そして、この事前判定結果の情報(図柄事前判定番号)を含む図柄事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S215)。さらに、保留n記憶領域の変動パターン乱数バッファから特別図柄変動パターン乱数値を読み出して、変動パターン事前判定を行う(S216)。そして、この事前判定結果の情報(変動パターン事前判定番号)を含む変動パターン事前判定コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S217)。
ここで、事前判定番号について簡単に説明する。当否事前判定については、当否判定の
結果がはずれである場合は「0」、低確率状態でははずれ、高確率状態では大当りである場合は「1」、いずれの状態でも大当りである場合は「2」を当否事前判定番号とする。図柄事前判定については、大当り図柄A,D(16R大当り)であれば「1」、大当り図柄B,E(8R大当り)であれば「2」、大当り図柄Cであれば「3」、小当り図柄「K」であれば「4」、はずれ図柄「HA」〜「HF」であれば「5」〜「10」を図柄事前判定番号とする。
(特別図柄変動開始監視制御処理)
次に、特別図柄変動開始監視制御処理(S68)について説明する。図18は特別図柄変動開始監視制御処理(S68)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄変動監視監視制御処理(S68)では、第1特別図柄および第2特別図柄のうち、変動開始条件を充足している方の特別図柄側に対して、後述の特別図柄変動開始監視処理(S310)を実行する。なお、第1特別図柄および第2特別図柄の双方が変動開始条件を充足している場合には、前述したように、第2特別図柄側の処理が優先的に実行される。
まず、大当り中又は小当り中であるか否かを判定する(S301)。続いて、第1特別図柄および第2特別図柄の双方が変動待機中であるか、すなわち、第1特別図柄遊技ステイタスおよび第2特別図柄遊技ステイタスが共に「00H(変動待機中)」であるか否かを判定する(S302)。
続いて、第2特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定して(S303)、当該保留球数が「0」でない場合(S303:NO)には、第2特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第2特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定したうえで(S304)、第2特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(S310)に移行する。すなわち、本実施形態では、第2特別図柄の作動保留球が存在する場合には、第1特別図柄の作動保留球の存在の有無に拘わらず、第2特別図柄の作動保留球が優先的に消化されるようになっている。この特別図柄変動開始監視処理(S310)の詳細は図19を用いて後述する。
他方、第2特別図柄の作動保留球数が「0」である場合(S303:YES)には、第1特別図柄の作動保留球数が「0」であるか否かを判定する(S305)。ここで、当該保留球数が「0」でない場合(S305:NO)には、第1特別図柄の変動開始条件が成立しているとみなし、第1特別図柄変動開始監視テーブルのアドレス(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定したうえで(S306)、第1特別図柄側の特別図柄変動開始監視処理(S310)に移行する。
なお、第1特別図柄および第2特別図柄の変動開始条件が共に成立していない場合(S301:YES,S302:NO,S305:YES)には、特別図柄変動開始監視処理(S310)をスキップする。
(特別図柄変動開始監視処理)
次に、特別図柄変動開始監視処理(S310)について説明する。図19は、特別図柄変動開始監視処理(S310)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄変動開始監視処理(S310)では、上述のS304又はS306で設定された第1特別図柄変動開始監視テーブル又は第2特別図柄変動開始監視テーブルを参照して、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の処理が実行されることとなるが、第1特
別図柄側と第2特別図柄側とで処理の仕方は共通するので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。
まず、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の作動保留球数を1減算する(S311)。そして、減算後の第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数の情報を含む図柄記憶数コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S312)。続いて、今回の変動開始の対象となる特別図柄側の特別図柄保留格納領域にアクセスして、最先の保留記憶領域(保留1記憶領域)に格納された特別図柄当り乱数値、特別図柄当り図柄乱数値、特別図柄変動パターン乱数値を順に読み出し、これらの乱数値を、後述の特別図柄当否判定処理(S320)、図柄判定処理(S330)、変動パターン選択処理(S423)に使用するため、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域、特別図柄図柄判定領域、特別図柄変動パターン判定領域に転送する(S313)。また、保留記憶領域の更新として、保留2記憶領域〜保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の保留記憶領域にシフトするとともに、保留4記憶領域をゼロクリアする(S314)。
続いて、特別図柄当否判定処理を実行する(S320)。特別図柄当否判定処理(S320)では、まず、特別図柄当否抽選テーブルを取得する。このとき、遊技状態が特別図柄確変状態である場合は高確率の当否抽選テーブルを取得し、遊技状態が通常状態である場合は低確率の当否抽選テーブルを取得する。次いで、メイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域から特別図柄当り乱数値を読み出す。そして、特別図柄当否抽選テーブルを参照して、特別図柄当り乱数値に基づき、特別図柄の当否判定を実行する。また、この当否判定結果に対応した値(大当りデータ「55H」、小当りデータ「33H」、はずれデータ「00H」)をメイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに格納する。
続いて、図柄判定処理を実行する(S330)。図柄判定処理(S330)では、当否判定の結果に応じて、特別図柄の停止図柄、図柄群の種類、キャラクタ演出番号(変動付加図柄情報)を決定する。そして、今回決定した特別図柄の停止図柄、図柄群の種類、キャラクタ演出番号をメイン情報記憶手段180の図柄格納領域に格納する。なお、キャラクタ演出番号は、決定された図柄群の種類(図柄群A〜Gの7パターン)と、特別図柄および普通図柄の確率変動機能の作動状態(特別図柄の確変オン/特別図柄の確変オフ/普通図柄の確変オン/普通図柄の確変オフの4パターン)との組み合わせに基づき、計28パターンなかのいずれかが決定される。なお、当否判定の結果がはずれの場合には、キャラクタ演出番号「0」が決定される。
続いて、当否判定の結果が小当りに該当するか否かを判定するとともに(S341)、当否判定の結果が大当りに該当するか否かを判定する(S342)。当否判定の結果が小当りである場合(S341:YES)は、S347に移行し、当否判定の結果がはずれである場合(S341:NO,S342:NO)は、S349に移行する。
他方、当否判定の結果が大当りである場合(S341:NO,S342:YES)には、S330で決定された図柄群の種類(大当り種別)に基づき、特別遊技後の遊技状態として、特別図柄の確率変動機能を作動させるか否かを判定する(S343)。すなわち、図柄群の種類(大当り種別)が、特定図柄を示すものである場合には確率変動機能を付与することを決定し、図柄群の種類が通常図柄を示すものである場合には確率変動機能を付与しないことを決定する。この判定結果は、メイン情報記憶手段180の確率変動判定フラグに記憶される。
また、S330で決定された図柄群の種類(大当り種別)に基づき、特別遊技後の遊技
状態として、変動時間短縮機能の作動回数を決定するとともに(S344)、電チューサポート機能の作動回数を決定する(S345)。この判定結果(変動時間短縮機能の作動回数情報、電チューサポート機能の作動回数情報)は、メイン情報記憶手段180の時短回数格納領域および入球容易状態回数格納領域に記憶される。
続いて、S330で決定された図柄群の種類(大当り種別)に基づき、特別電動役物642の作動パターンを設定する(S346)。具体的には、特別電動役物642の作動パターンとして、ラウンド遊技の規定ラウンド数(本例では、16ラウンド、8ラウンド、2ラウンド)、大入賞口64の最大開放時間(本例では、30秒、0.05秒)などを設定する。
次いで、S330で決定された図柄群の種類と現在の遊技状態とに基づき、特別遊技終了後又は小当り遊技後の変動パターン選択状態を設定する(S347)。続いて、S330で決定された図柄群の種類に基づき、特別遊技又は小当り遊技のデモ演出時間(当り開始デモ時間および当り終了デモ時間)を設定する(S348)。次いで、前述の特別図柄当否判定処理(S320)および図柄判定処理(S330)で使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄当否判定領域および特別図柄図柄判定領域をクリアする(S349)。そして、今回の変動対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステイタスを「00H(待機中)」から「01H(変動開始)」に遷移する(S350)。
(特別図柄制御処理)
次に、特別図柄制御処理(S65)について説明する。図20は、特別図柄制御処理(S65)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物642が未作動中であるか否か、すなわち、特別電動役物遊技ステイタスが「00H(当り待ち状態)」であるか否かを判定する(S401)。続いて、特別電動役物642が未作動中である場合(S401:YES)には、第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」でないか否かを判定する(S402)。
第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」でない場合(S402:YES)には、第2特別図柄に係る処理を実行するため、第2特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定して(S403)、特別図柄制御汎用処理(S410)に移行する。他方、第2特別図柄遊技ステイタスが「00H(待機中)」である場合(S402:NO)には、第1特別図柄に係る処理を実行するため、第1特別図柄制御テーブル(以降の処理で使用される各種テーブルのアドレスおよびRAM記憶領域のアドレス)を設定して(S404)、特別図柄制御汎用処理(S410)に移行する。
なお、次述する特別図柄制御汎用処理(S410)では、上述のS403又はS404で設定された第1特別図柄制御テーブル又は第2特別図柄制御テーブルを使用して、今回の変動の対象となる特別図柄側の処理が実行されることとなるが、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで処理の仕方は共通するので、特段の場合を除き、第1特別図柄側の処理であるのか、第2特別図柄側の処理であるのかを区別せずに一纏めにして説明する。この特別図柄制御汎用処理(S410)の詳細は図21を用いて後述する。
(特別図柄制御汎用処理)
続いて、特別図柄制御汎用処理を実行する(S410)。ここで、図21は、特別図柄制御汎用処理(S410)の詳細を示すフローチャートである。
この特別図柄制御汎用処理(S410)では、特別図柄遊技ステイタスの値(「01H
」,「02H」,「03H」)に応じた処理に移行するための分岐処理(S411〜S414)を実行する。まず、今回の変動の対象となる特別図柄側の特別図柄遊技ステイタスが0でないか否かを判定する(S411)。特別図柄遊技ステイタスが「00H」でない場合(S411:YES)には、特別図柄遊技ステイタスが「01H(変動開始)」であるか否かを判定する(S412)。特別図柄遊技ステイタスが「01H」である場合(S412:YES)には、特別図柄変動開始処理(S420)に移行する。この特別図柄変動開始処理(S420)の詳細は図22を用いて後述する。一方、S412でNOの場合には、特別図柄遊技ステイタスが「02H(変動中)」であるか否かを判定する(S413)。特別図柄遊技ステイタスが「02H」である場合(S413:YES)には、特別図柄変動中処理(S430)に移行する。この特別図柄変動中処理(S430)の詳細は図23を用いて後述する。S413でNOの場合には、特別図柄遊技ステイタスが「03H(停止図柄表示中)」であるか否かを判定する(S414)。特別図柄遊技ステイタスが「03H」である場合(S414:YES)には、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)に移行する。この特別図柄停止図柄表示中処理(S440)の詳細は図24を用いて後述する。
(特別図柄変動開始処理)
次に、特別図柄変動開始処理(S420)について説明する。図22は、特別図柄変動開始処理(S420)の詳細を示すフローチャートである。
まず、当否抽選の結果および変動パターン選択状態等に基づき、特別図柄変動パターンテーブルを取得する(S421)。続いて、メイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域から特別図柄変動パターン乱数値を読み出す(S422)。そして、特別図柄変動パターンテーブルを参照して、特別図柄変動パターン乱数値に基づき、複数種の変動パターンの中からいずれかを選択する(S423)。
次いで、今回選択された変動パターンに対応する変動時間を設定する(S424)。そして、特別図柄の変動開始の設定として、図柄表示制御手段165の特別図柄遊技タイマに変動時間を格納するとともに(S425)、演出制御基板200への変動開始コマンドを生成する(S426)。変動開始コマンドとしては、演出表示装置70における図柄変動演出を開始させるべく、変動パターン指定コマンド、図柄指定コマンドを順に生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に記憶する。
続いて、変動パターンの決定に使用したメイン情報記憶手段180の特別図柄変動パターン判定領域の内容をクリアする(S427)。そして、特別図柄遊技ステイタスを「01H(変動開始)」から「02H(変動中)」に遷移する(S428)。
(特別図柄変動中処理)
次に、特別図柄変動中処理(S430)について説明する。図23は、特別図柄変動中処理(S430)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別図柄の変動表示を行うため、特別図柄の表示パターン番号切替処理を実行する(S431)。この表示パターン番号切替処理(S431)では、所定の切替時間毎に、特別図柄の表示パターン番号データを生成する。この表示パターン番号データは、特別図柄を変動表示又は確定表示させるべく、LED出力処理(S73)において、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装置72に出力される。
次いで、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄の変動時間が終了したか否かを判定する(S432)。特別図柄の変動時間が終了した場合(S432:YES)には、第1特別図柄表示装置71又は第2特別図柄表示装
置72に確定表示すべき特別図柄の停止図柄を設定する(S433)。続いて、演出制御基板200に対して装飾図柄の確定表示を指示するための変動停止コマンドを生成し、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S434)。
次いで、特別図柄遊技タイマに確定表示時間として「500(ms)」を格納する(S435)。なお、「確定表示時間」とは、特別図柄の変動停止の際に、停止図柄を確定的に停止表示させる時間である。そして、特別図柄遊技ステイタスを「02H(変動中)」から「03H(停止図柄表示中)」に遷移する(S436)。
(特別図柄停止図柄表示中処理)
次に、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)について説明する。図24〜図25は、特別図柄停止図柄表示中処理(S440)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別図柄遊技タイマが「0(タイムアウト)」となったか否か、すなわち、特別図柄(停止図柄)の確定表示時間が終了したか否かを判定する(S441)。ここで、特別図柄の確定表示時間が終了した場合(S441:YES)には、特別図柄遊技ステイタスを「03H(停止図柄表示中)」から「00H(待機中)」に遷移する(S442)。
続いて、メイン情報記憶手段180の特別図柄判定フラグに格納された当否判定データが大当りデータ「55H」であるか否かを判定する(S443)。当否判定データが大当りデータである場合(S443:YES)には、特別図柄の確率変動機能の作動停止(S444)、特別図柄の変動時間短縮機能の作動停止(S445)、電チューサポート機能の作動停止(S446)、を順に行う。具体的には、特別図柄モードフラグに「00H(未作動)」を設定するとともに、時短回数カウンタおよび入球容易状態回数カウンタに「00H」を設定してゼロクリアする。
次いで、特別遊技の開始デモ設定処理として、開始デモ表示時間を設定するとともに、開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(大当り開始デモコマンド)を生成する(S447)。続いて、変動パターン選択状態の実行回数(変動パターン選択状態回数カウンタ)をゼロクリアする(S448)。また、特別電動役物遊技ステイタスを「00H(当り待ち状態)」から「01H(特別遊技)」に遷移する(S449)。そして、当否判定フラグの内容をクリアするため、「00H」を設定する(S450)。
他方、当否判定データが大当りデータでない場合(S443:NO)には、特別図柄の確率変動機能が作動中であるか否かを判定する(S451)。特別図柄の確率変動機能が作動中である場合(S451:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタを1減算する(ステップS452)。続いて、確率変動回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS453)。確率変動回数カウンタがゼロである場合(S453:YES)には、特別図柄の確率変動機能の作動を停止する(S454)。減算後の確率変動回数カウンタがゼロでない場合(S453:NO)には、S454をスキップして、S455に移行する。
次いで、特別図柄の変動時間短縮機能が作動中であるか否かを判定する(S455)。特別図柄の変動時間短縮機能が作動中である場合(S455:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の時短回数カウンタを1減算する(ステップS456)。続いて、時短回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS457)。時短回数カウンタがゼロである場合(S457:YES)には、特別図柄時短状態の終了回数に到達したとして、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を停止する(S458)。減算後の時短回数カウンタがゼロでない場合(S457:NO)には、S458をスキップして、S459に移行する。
次いで、電チューサポート機能が作動中であるか否かを判定する(S459)。電チューサポート機能が作動中である場合(S459:YES)には、今回の特別図柄の変動回数の消化分として、メイン情報記憶手段180の入球容易状態回数カウンタを1減算する(ステップS460)。続いて、入球容易状態回数カウンタがゼロであるか否かを判定する(ステップS461)。入球容易状態回数カウンタがゼロである場合(S461:YES)には、入球容易状態の終了回数に到達したとして、電チューサポート機能の作動を停止する(S462)。減算後の入球容易状態回数カウンタがゼロでない場合(S461:NO)には、S462をスキップして、S463に移行する。
次いで、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを1減算する(S463)。そして、変動パターン選択状態を更新する(S464)。具体的には、メイン情報記憶手段180の変動パターン選択状態回数カウンタを参照し、現在の変動パターン選択状態の実行回数が予め設定された終了回数に達したか否かを判定し、終了回数に達している場合には、次に規定された変動パターン選択状態に切り替える。他方、終了回数に達していない場合には、現在の変動パターン選択状態を維持する。
次いで、前述のS451〜S464にて更新された現在の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S465)。なお、演出制御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、演出モードの設定および更新を実行する。
続いて、特別図柄判定フラグに小当りデータ「33H」が格納されているか否かを判定する(S466)。小当りデータが格納されている場合(S466:YES)には、小当り遊技の開始デモ設定処理として、開始デモ表示時間を設定するとともに、開始デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(小当り開始デモコマンド)を生成する(S467)。続いて、特別電動役物遊技ステイタスを「00H(当り待ち状態)」から「02H(小当り遊技)」に遷移する(S468)。そして、当否判定フラグの内容をクリアするため「00H」を設定する(S469)。
他方、特別図柄判定フラグに小当りデータ「33H」が格納されていない場合(S466:NO)、すなわち、、特別図柄判定フラグにはずれデータ「00H」が格納されている場合には、S467〜S469をスキップする。なお、特別図柄判定フラグがはずれデータである場合に、当該フラグの内容をクリアする処理をしなかったのは、もともとはずれデータとして「00H」が格納されているからである。
(特別電動役物制御処理)
次に、特別電動役物制御処理(S66)について説明する。図26〜図28は、電動役物制御処理(S66)の詳細を示すフローチャートである。
まず、特別電動役物遊技ステイタスが「01H(特別遊技)」であるか否かを判定する(S501)。特別電動役物遊技ステイタスが「01H」である場合(S501:YES)には、以降の処理において特別遊技処理を実行する。この特別遊技処理において、まず、特別電動役物642,652が作動中であるか否かを判定する(S502)。特別電動役物642,652が作動していない場合(S502:NO)には、特別電動役物642,652の作動開始時間であるか否かを判定する(S503)。特別電動役物642,652の作動開始時間とは、各ラウンド遊技おいて特別電動役物642,652の作動を開始するタイミングである。
特別電動役物642,652の作動開始時間である場合(S503:YES)には、ラウンド演出を開始させるべく演出制御コマンド(ラウンド演出指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S504)。なお、演出制御基板200側では、このラウンド演出指定コマンドの情報(現在のラウンド数などの情報)に基づき、特別遊技中における各ラウンド遊技に対応したラウンド演出を実行する。そして、特別電動役物642,652の作動を開始して(S505)、特別電動役物642,652の作動中の処理として、S506〜S510の処理を実行する。
特別電動役物642,652の作動中の処理として、大入賞口64,65に遊技球が最大入賞数だけ入賞したか否かを判定するとともに(S506)、特別電動役物642,652の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(S507)。このとき、大入賞口64,65に遊技球が最大入賞数だけ入賞した場合(S506:YES)又は特別電動役物642,652の作動時間が経過した場合(S507:YES)には、特別電動役物642,652の作動を停止させる(S507)。そして、特別電動役物642,652の連続作動回数が予め定められた規定ラウンド数に達したか否かを判定する(S509)。連続作動回数が規定ラウンド数に達していない場合(S509:NO)には、特別電動役物642,652の連続作動回数を1インクリメントする(S510)。
他方、特別電動役物642,652の連続作動回数が規定ラウンド数に達している場合(S509:YES)には、S511に移行して、特別遊技の当り終了デモ設定処理として、終了デモ表示時間を設定するとともに、終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(大当り終了デモコマンド)を生成する(S511)。
続いて、時短回数カウンタに、上記S344で設定した変動時間短縮回数情報を格納する(S512)。また、入球容易状態回数カウンタに、上記S345で設定した入球容易状態回数情報を格納する(S513)。
続いて、上記S343で設定された確率変動判定フラグの内容を参照して、条件装置の作動が特定図柄(いわゆる確変図柄)による作動であるか否かを判定する(S514)。特定図柄による条件装置の作動である場合(S514:YES)には、メイン情報記憶手段180の確率変動回数カウンタに作動時データ「7FH」を格納して、特別図柄の確率変動機能の作動を開始する(S515)。他方、特定図柄による条件装置の作動でない場合(S514:NO)には、確率変動回数カウンタに未作動時データ「00H」を格納して、S515をスキップする。
続いて、時短回数カウンタに記憶された変動時間短縮回数情報が変動時間短縮機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(S516)。変動時間短縮機能作動データである場合(S516:YES)には、特別図柄の変動時間短縮機能の作動を開始する(S517)。他方、変動時間短縮機能作動データでない場合(S516:NO)には、S517をスキップする。
続いて、入球容易状態回数カウンタに記憶された入球容易状態回数情報が電チューサポート機能作動データ(「00H」以外のデータ)であるか否かを判定する(S518)。電チューサポート機能作動データである場合(S518:YES)には、電チューサポート機能の作動を開始させる(S519〜S521)。すなわち、普通図柄の確率変動機能の作動開始(S519)、普通図柄の変動時間短縮機能の作動開始(S520)、普通電動役物622の開放延長機能の作動開始(S521)、を順に実行する。他方、電チューサポート機能作動データでない場合には、S519〜S521をスキップする。
次いで、上記S347で決定した変動パターン選択状態に切り替える(S522)。続
いて、前述のS512〜S522にて設定された特別遊技後の遊技状態情報および変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S523)。なお、演出制御基板200側では、この遊技状態指定コマンドの情報に基づき、特別遊技後の演出モードを設定する。そして、特別電動役物遊技ステイタスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移する(S524)。
他方、特別電動役物遊技ステイタスが「01H(特別遊技)」でない場合(S501:NO)には、S530に移行して、特別電動役物遊技ステイタスが「02H(小当り遊技)」であるか否かを判定する(S530)。特別電動役物遊技ステイタスが「02H」である場合(S530:YES)には、以降の処理で小当り遊技処理を実行する。
小当り遊技処理において、まず、特別電動役物642,652が作動中であるか否かを判定する(S531)。特別電動役物642,652が作動していない場合(S531:NO)には、特別電動役物642,652の作動を開始する(S532)。他方、特別電動役物642,652が作動中である場合(S531:YES)には、S532をスキップする。
続いて、特別電動役物642,652の作動中の処理として、大入賞口64,65に遊技球が最大入賞数だけ入賞したか否かを判定するとともに(S533)、特別電動役物642,652の作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定する(S534)。このとき、大入賞口64,65に遊技球が最大入賞数だけ入賞した場合(S533:YES)又は特別電動役物642,652の作動時間が経過した場合(S534:YES)には、特別電動役物642,652の作動を停止する(S535)。
続いて、小当り遊技の終了デモ設定処理として、終了デモ表示時間を設定するとともに、終了デモ演出の開始を指示する演出制御コマンド(小当り終了デモコマンド)を生成する(S536)。次いで、上記S347で決定した変動パターン選択状態に切り替える(S537)。続いて、上記S537にて設定された特別遊技後の変動パターン選択状態情報を含む演出制御コマンド(遊技状態指定コマンド)を生成して、これをメイン情報記憶手段180のコマンド格納領域に格納する(S538)。この遊技状態指定コマンドは、演出制御基板200側で、演出モードの移行契機の判定、移行先の演出モードの特定などに用いられる。そして、特別電動役物遊技ステイタスを「01H(特別遊技)」から「00H(当り待ち状態)」に遷移する(S538)。
<演出制御基板側の処理>
次に、図29〜図43のフローチャートを参照しながら、演出制御基板200における動作処理の手順について説明する。演出制御基板200側の処理は、電源投入後などサブメインCPU201がリセットされると実行されるリセット開始処理(演出制御側メイン処理を含む)と、一定周期毎に起動される演出制御側タイマ割込み処理と、主制御基板100からのストローブ信号に起因して起動される演出制御コマンドの受信割込み処理と、変動演出パターンのタイムスケジュールに規定された所定の発生時期の到来を契機として起動されるランプ演出割込み処理と、一定周期毎に起動される画像制御コマンドの送信割込み処理とを含んで構成される。
各割込み処理(例外処理)には、複数の割込み処理が発生したときの優先度を示す優先レベルが設定されている。本例では、「電源リセットによるリセット開始処理(図25):最優先」、「各種異常時によるリセット開始処理(図29):最優先」→「演出制御コマンドの受信割込み処理(図41):レベル7」→「WDT(暴走検知時)によるリセット開始処理(図29):レベル3」→「画像制御コマンドの送信割込み処理(図43):
レベル2」→「演出制御側タイマ割込み処理(図42):レベル1」などの順に、優先レベルの順位付けがされている。なお、「各種異常時によるリセット開始処理」は、例えば、CPU201が不正な命令を実行したとき、CPU201が不正な領域又は不正な方法にてアクセスしようとしたとき、DMA(Direct Memory Access)転送中のエラーが発生したときなどに起動する。本実施形態では、上記の複数種の割込み処理を例示しているが、実際にはその他の割込み処理も存在する。
演出制御側メイン処理内では、基本的には、全割込み禁止又は演出制御コマンド受信割込み以外の割込み禁止のいずれかの状態に設定したうえで処理が進められる。その上で、演出制御側メイン処理が割込み許可状態となった場合に、当該メイン処理を中断させるかたちで各割込み処理が起動される。各割込み処理では、当該割込み処理の実行中に他の割込み処理の要求があった(多重割込みが発生した)ときは、実行中の割込み処理よりも優先レベルの高い割込み処理であれば、原則的には当該割込み要求が許可される一方、実行中の割込み処理よりも優先レベルの低い又は優先レベルの同じ割込み処理である場合には当該割込み要求が禁止される。すなわち、各割込み処理は、優先レベルの同じ又は優先レベルの低い他の割込みを禁止した状態で処理が進められる。そして、各割込み処理から演出制御側メイン処理へは、全割込み許可の状態で戻ってくる。なお、このような割込み要因の優先順位(優先レベル)は、演出制御マイコン210(割込みコントローラ)のレジスタ設定によって規定される。
《リセット開始処理》
まず、演出制御基板200のリセット開始処理について説明する。図29は演出制御基板200のリセット開始処理を示すフローチャートである。このリセット開始処理では、電源投入時のリセット、各種異常時を起因としたリセット、WDT(暴走検知時)を起因としたリセットのいずれかにより起動し、サブメインCPU201のセキュリティチェックが行われた後、プログラムがスタートして、S601以降の処理が開始される。
まず、電源投入時に必要な初期設定として、スタックポインタにスタック領域の初期値として先頭アドレスを設定する(S601)。そして、各種初期設定が完了するまで全ての割込み処理を禁止する(S602)。
続いて、ハードウェアに関する基本的な設定として、サブメインCPU201内に設けられている内蔵レジスタに初期値を設定するとともに、I/Oポート回路204を初期化する(S603)。さらに、演出制御マイコン210のRAM203内のメモリ領域を初期化する(S604)。ここでは、初期値付きの変数には初期値を設定し、初期値なしの変数には0クリアによる初期化を行う。また、サブメインCPU201がROM202に記憶された制御プログラムをRAM203に適宜展開する。
続いて、演出制御コマンドの受信割込み処理以外の割込みを禁止する(S605)。次いで、予め各機種共通で設定された各種のエラーのうち、当該機種で有効とすべきエラーの種別を設定する処理を行う(S606)。さらに、演出ランプLP(枠ランプ10、盤ランプ25)を全消灯状態とするため消灯リクエストを行う(S607)。そして、サブメインCPU201の暴走を監視するためウォッチドッグタイマを起動する(S608)。
続いて、遊技演出の主たる処理として演出制御側メイン処理を実行する(S609)。この演出制御側メイン処理(S609)の詳細は図26を用いて後述する。なお、前記S609で演出制御側メイン処理へ移行すると、メイン処理から当該リセット開始処理へ復帰することは通常はあり得ないが、プログラムのバグ等の発生によって、万が一、この処理へ復帰してきた場合には、消費電力が通常作動時よりも低減された小消費電力モード(
スリープモード)へ遷移する。
《演出制御側メイン処理》
次に、演出制御基板200の演出制御側メイン処理(S609)について説明する。図30は演出制御側メイン処理(S609)を示すフローチャートである。
まず、演出制御側メイン処理内で制御プログラムがRAM203で正確に展開されているか否かのチェックを開始するためのアドレス(プログラムが展開された先頭アドレス)を取得する(S611)。続いて、全ての割込みを許可(各種の割込み処理の起動を許可)する(S612)。
次いで、デバイスの初期化動作を実行する(S613)。この初期化動作は、ぱちんこ遊技機PMの電源投入時(リセット開始時)に1度だけ実行される動作態様のことであり、モータ、ソレノイド等のデバイスによって可動役物24の動作を制御するために必要となる位置情報を確認することを目的として実行される。なお、初期化動作の終了時には、可動役物24は予め設定された初期位置(基準位置)に復帰する。
続いて、ウォッチドッグタイマをリスタートさせるべく、ウォッチドッグタイマをクリアする(S614)。このとき、サブメインCPU201がプログラムを正常に実行しているときは、予め設定されたタイムアウト時間内に、サブメインCPU201のWDTクリアレジスタに、所定のクリアワードが書き込まれることで、ウォッチドッグタイマがクリアされてリスタートされる。他方、ウォッチドッグタイマがタイムアウトすると、ユーザリセットが発生する。
続いて、入力ポートチェック処理を実行する(S615)。この入力ポートチェック処理では、後述のタイマ割込み処理におけるポート入出力処理S912でのI/Oポート回路204(入力ポート)の読み込みを割込み発生毎に監視して、複数回(例えば4回)の監視において入力ポートの状態が全て「1」の場合は信号レベルを「1(Hレベル)」、全て「0」の場合は信号レベルを「0(Lレベル)」、それ以外の場合は信号レベルを変化させない(これにより入力信号が確定される)。
続いて、エラー演出管理処理を実行する(S616)。このエラー演出管理処理では、後続のコマンド解析処理(S620)で設定されるエラー演出パターンに基づき、各種デバイスによるエラー演出を開始させる。さらに、エラー演出管理処理では、エラー管理タイマに初期値(エラー演出時間)を設定して、エラー演出の進行を管理する。このエラー管理タイマは、演出制御側タイマ割込み処理のエラー管理タイマ更新処理(S920)にて16ms周期で減算更新される。そして、エラー管理タイマがタイムアウトした場合は、当該エラー演出を終了させる。
続いて、演出ボタン監視制御処理を実行する(S617)。この演出ボタン監視制御処理では、図柄変動中にボタン予告演出を組み込んでいる場合に、操作有効時間内における演出ボタン15の入力状態を監視して、演出ボタン15の入力状態に関する情報を保持する。この演出ボタン監視制御処理(S617)の詳細は図40を用いて後述する。
続いて、予告抽選管理処理を実行する(S618)。この予告抽選管理処理では、後続のコマンド解析処理(S620)で選択される変動演出パターンのシナリオに沿って、装飾図柄の変動過程の各段階で発生する予告演出の内容を定めた予告演出パターン(予告演出番号)を抽選で決定する。ここで決定された予告演出番号は、サブメイン情報記憶手段260の予告演出番号格納領域に一時記憶される。また、この予告演出番号を画像制御基板300側へ指定するための画像制御コマンドを生成して、これをサブメイン情報記憶手
段260の画像制御コマンドバッファに設定する。このとき、予告演出パターンとして、役物予告演出パターン(役物予告演出番号)が選択された場合には、役物リクエストが発生し、後続のデバイス管理処理(S619)にて、可動役物24の駆動パターンが特定される。なお、本例では、装飾図柄の一変動内で発生する複数種の予告演出(予告演出パターン)の全てを、1回のメインループ処理内で抽選するのではなく、当該メインループ処理効率を向上させるため、予告演出の発生時期(例えば、変動開始段階、リーチ発生段階、変動停止段階)毎に分けて、複数回のメインループ処理に跨って抽選する構成となっている。その際、装飾図柄の変動開始段階で発生する予告演出については、装飾図柄の変動開始と同期をとる(画像制御コマンドを早急に送信する)必要があるので、先発のメインループ処理内で抽選を行うようになっている。
次に、デバイス管理処理を実行する(S619)。このデバイス管理処理では、後述のコマンド解析処理(S620)にて各種デバイスの動作要求(ランプリクエスト、役物リクエスト)があった場合、ROM203に記憶された複数種のパターンデータ(ランプパターン、駆動パターン)の中から、演出番号(ランプ演出番号、役物予告演出番号)に対応したパターンデータを特定して、対象デバイスの制御を開始する。演出ランプLPのランプパターンデータには、1フレーム時間(画像フレームを1回更新するのに要する時間:16ms)毎に対応付けられたランプデータがスケジュールデータとして格納されている。なお、本例において、1フレーム時間は、演出表示装置70において毎秒約60フレーム(=約60fps)で描画等する場合の1フレームの描画処理に要する時間と対応するものになっている。同様に、可動役物24の駆動パターンデータには、割込み周期(1ms)毎に対応付けられた駆動データがスケジュールデータとして格納されている。これにより、後述する演出制御側タイマ割込み処理にて、各制御データ(ランプデータ、駆動データ等)が対象デバイスに対して一定周期毎に出力され、対象デバイスの動作が開始されることになる。一方、後述の演出制御側タイマ割込み処理において、一連の制御データ(ランプデータ、駆動データ)の出力が全て完了した場合は、演出ランプLPを消灯させ、又は、可動役物24の動作を停止させ、対象デバイスの制御を終了する。
続いて、コマンド解析処理(S620)を実行する。このコマンド解析処理では、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されているか否かを監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。このコマンド解析処理(S620)の詳細は図31を用いて後述する。
そして、今回のループ処理中で、コマンド解析(演出制御コマンドの解析)を実行したか否かを判定する(S621)。コマンド解析直後の場合(S621:YES)は、S614に戻り、次のループ処理へ移行する。一方、コマンド解析を実行しなかった場合(S621:NO)には、演出抽選乱数更新処理を実行する(S622)。この演出抽選乱数更新処理では、先読み予告抽選乱数、装飾図柄乱数、変動演出パターン乱数、予告演出パターン乱数などの演出抽選乱数を更新する。具体的には、各乱数カウンタの数値を1加算して、数値が最大値を超えた場合には最小値に戻す。
(コマンド解析処理)
次に、コマンド解析処理(S620)について説明する。図31は、コマンド解析処理(S620)の詳細を示すフローチャートである。このコマンド解析処理では、主制御基板100からの演出制御コマンドがサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納されているか否かを監視して、格納された演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理を実行する。
まず、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に遊技状態指定コマンドが格
納されているか否かを判定する(S631)。遊技状態指定コマンドが格納されている場合(ステップS631:YES)には、演出状態移行処理(S632)へ移行する。演出状態移行処理(S632)では、遊技状態指定コマンドに含まれる変動パターン選択状態情報に基づき、演出モードを遷移する処理を実行する。この演出状態移行処理(S632)の詳細は図32を用いて後述する。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域にに保留関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S633)。ここで、保留関連コマンドには、図柄記憶数コマンド、事前判定コマンドが含まれる。この保留関連コマンドが格納されている場合(S633:YES)には、保留情報管理処理(S634)へ移行する。この保留情報管理処理(S634)では、サブメイン情報記憶手段260から図柄記憶数コマンド又は事前判定コマンドを読み出して、事前判定結果の情報に基づき先読み判定を実行するとともに、演出表示装置70の保留表示部701,702に表示される保留画像の表示個数および表示態様(表示色など)を更新するための処理を行う。この保留情報管理処理(S633)の詳細は図33を用いて後述する。
次いで、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に図柄変動関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S635)。ここで、図柄変動関連コマンドには、変動開始コマンド、変動停止コマンドが含まれる。図柄変動関連コマンドが格納されている場合(ステップS635:YES)には、変動演出内容決定処理(S636)へ移行する。この変動演出内容決定処理(S636)では、受信した図柄変動関連コマンドが変動開始コマンドである場合には図柄変動演出を開始させるための処理を実行し、受信した図柄変動関連コマンドが変動停止コマンドである場合には実行中の図柄変動演出を終了させるための処理を実行する。この変動演出内容決定処理(S636)の詳細は図35を用いて後述する。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域にに大当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S637)。ここで、大当り演出関連コマンドには、大当り開始デモ演出コマンド、ラウンド演出指定コマンド、大当り終了デモ演出コマンドを含む。大当り演出関連コマンドが格納されている場合(ステップS637:YES)には、大当り演出内容決定処理(S638)へ移行する。この大当り演出内容決定処理(S638)では、開始デモ演出、ラウンド演出、終了デモ演出を実行するための処理を行う。この大当り演出内容決定処理(S638)の詳細は図39を用いて後述する。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域にに小当り演出関連コマンドが格納されているか否かを判定する(S639)。ここで、小当り演出関連コマンドには、小当り開始デモ演出コマンド、小当り終了デモ演出コマンドを含む。小当り演出関連コマンドが格納されている場合(ステップS639:YES)には、小当り演出内容決定処理(S640)へ移行する。この小当り演出内容決定処理(S640)では、小当り開始デモ演出、小当り終了デモ演出を実行するための処理を行う。
続いて、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域ににエラー演出指定コマンドが格納されているか否かを判定する(S641)。このエラー演出指定コマンドが格納されている場合(S641:YES)には、エラー演出内容決定処理(S642)へ移行する。このエラー演出内容決定処理(S642)では、サブメイン情報記憶手段260からエラー演出指定コマンドを読み出して、演出表示装置70の画像表示や演出ランプLPの発光態様などによってエラー状態を報知するためのエラー演出パターンを決定する。
なお、サブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に演出制御コマンドが格納されていない場合(S631:NO、S633:NO、S635:NO、S637:NO、
S639:NO、S641:NO)は、何もせずコマンド解析処理を終了する。
(演出状態移行処理)
次に、演出状態移行処理(S632)について説明する。図32は、演出状態移行処理(S632)の詳細を示すフローチャートである。
まず、主制御基板100からの遊技状態指定コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる変動パターン選択状態に関する情報を取得する(S651)。続いて、上記S701で取得した変動パターン選択状態に関する情報に基づき、演出モードの移行契機が到来したか否かを判定する(S652)。演出モードの移行契機が到来している場合(S652:YES)には、S653以降で、所定の演出モードへの移行設定を行う。なお、演出モードの移行契機としては、原則的には変動パターン選択状態の移行契機と連動しており、例えば、特別遊技の終了時又は変動パターン選択状態の終期回数を満了したときなどである。なお、変動パターン選択状態の終期回数は、特別図柄の変動回数に係る回数である。
始めに、主制御基板100側で管理された変動パターン選択状態の移行先が、低確率通常変動状態αであるか否かを判定する(S653)。移行先が低確率通常変動状態αである場合(S653:YES)には、演出モードの移行先として通常演出モードMαをサブメイン情報記憶手段260の演出モード記憶領域に設定する(S654)。この通常演出モードMαに移行すると、サブメイン情報記憶手段260の背景データ格納領域に通常背景データ番号が設定される(S655)。そして、通常演出モードMαにおいて、次回の図柄変動から演出表示装置70上にて、「通常背景」が表示される。一方、移行先が低確率通常変動状態αではない場合(S653:NO)には、変動パターン選択状態の移行先が、高確率時短変動状態βであるか否かを判定する(S656)。移行先が高確率時短変動状態βである場合(S656:YES)には、演出モードの移行先として確変演出モードMβを演出モード記憶領域に設定する(S657)。この確変演出モードMβに移行すると、サブメイン情報記憶手段260の背景データ格納領域に確変背景データ番号が設定される(S658)。そして、確変演出モードMβにおいて、次回の図柄変動から演出表示装置70上にて、「確変背景」が表示される。なお、前述のように、ST期間中の確変演出モードMβとして、演出の種類が異なる複数種の演出モード(第1演出モードMβ1、第2演出モードMβ2)が用意されており、初当り時の特別遊技(大当り演出)の実行中に、特別遊技終了後の図柄変動演出の種類を特定するための演出モードを複数種の中から遊技者自身が演出ボタン15によって選択可能になっている。特別遊技の実行中に、遊技者によるボタン操作によっていずれかの演出モードが選択された場合は、確変演出モードMβのうち該選択された演出モードMβ1,Mβ2に移行する。
変動パターン選択状態の移行先が、高確率時短変動状態βでない場合(S656:NO)には、変動パターン選択状態の移行先が、高確率特殊変動状態γであるか否かを判定する(S659)。移行先が高確率通常変動状態γである場合(S659:YES)には、演出モードの移行先として潜伏演出モードMγを演出モード記憶領域に設定する(S660)。この潜伏演出モードMγに移行すると、サブメイン情報記憶手段260の背景データ格納領域に潜伏背景データ番号が設定される(S661)。そして、潜伏演出モードMγにおいて、次回の図柄変動から演出表示装置70上にて、通常背景(通常演出モードMγのときと実質的に同一の背景画像)が表示される。続いて、当該処理で決定した演出内容(背景画像)の表示を指示するための画像制御コマンドを生成し、これをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する(S662)。
(保留情報管理処理)
次に、保留情報管理処理(S634)について説明する。図33は、保留情報管理処理
(S634)の詳細を示すフローチャートである。
まず、サブメイン情報記憶手段260に図柄記憶数コマンドが格納されているか否かを判定する(S671)。図柄記憶数コマンドが格納されている場合(S671:YES)には、この図柄記憶数コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる第1特別図柄および第2特別図柄の作動保留球数情報を取得する(S672)。続いて、上記S612で取得した作動保留球数情報に基づき、第1保留球数カウンタ又は第2保留球数カウンタを更新する(S673)。これにより、演出制御基板200側で管理する特別図柄の作動保留球数情報が、主制御基板100側で管理する特別図柄の作動保留球数情報と一致することになる。次いで、上記S673で更新された第1保留球数カウンタおよび第2保留球数カウンタの数値に基づき、当該処理で決定した保留画像の個数を指示するための画像制御コマンドを生成し、これをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する(S674)。
一方、図柄記憶数コマンドが格納されていない場合(S671:NO)には、サブメイン情報記憶手段260に事前判定コマンドが格納されているか否かを判定する(S675)。事前判定コマンドが格納されている場合(S675:YES)には、この事前判定コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる事前判定結果情報を取得する(S616)。続いて、この事前判定結果情報を作動保留球の入球順序と結合したかたちでサブメイン情報記憶手段260の先読み情報格納領域に格納する(S677)。
続いて先読み予告演出判定処理を実行する(S680)。この先読み予告演出判定処理(S680)では、先読み予告演出(本例では、保留変化先読み予告演出)を実行可と判定した場合に、装飾図柄の複数回の変動表示に亘って、大当り当選又はスーパーリーチ演出発生の可能性を予告するための先読み予告パターン(連続予告演出パターン)を決定する。なお、先読み予告演出判定処理の詳細は図34を用いて後述する。次いで、上記S680で先読み予告演出を実行することが決定された場合、選択された先読み予告パターンの内容に基づき、該処理で決定した保留画像の内容(表示色)を指示するための画像制御コマンドを生成し、これをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する(S674)。
(先読み予告演出判定処理)
次に、先読み予告演出判定処理(S680)について説明する。ここで、図34は、先読み予告演出判定処理(S680)の詳細を示すフローチャートである。ここで、前述の事前判定処理との関係で、先読み予告の対象となるのは、通常状態であれば第1特別図柄側の事前判定結果(作動保留球情報)、確変状態であれば第2特別図柄側の事前判定結果(作動保留球情報)となる。
まず、サブメイン情報記憶手段260の連続予告カウンタがゼロであるか否かを判定する(S681)。連続予告カウンタとは、先読み予告演出の実行回数を管理するためのカウンタである。連続予告カウンタがゼロである場合(S681:YES)、すなわち、連続予告演出の実行中でない場合には、サブメイン情報記憶手段260の保留球数カウンタを参照して、特別図柄の作動保留球数が2以上であるか否かを判定する(S682)。ここでは、先読み予告の対象となる側の特別図柄の作動保留球が2以上であるか否か、具体的には、通常状態であれば第1特別図柄の作動保留球が2以上であるか、確変状態であれば第2特別図柄の作動保留球が2以上であるか否かを判定する。ここで、作動保留球数を2以上とするのは、連続予告演出を実行するためには、今回の先読み対象の作動保留球よりも前に、少なくとも1以上の作動保留球が現存している必要があるからである。
続いて、作動保留球数が2以上である場合(S682:YES)には、サブメイン情報
記憶手段260の先読み情報格納領域(事前判定結果)を参照して、今回の先読み対象の作動保留球が消化される以前に、大当り又はリーチ変動となる作動保留球が存在するか否かを判定する(S683)。これは、連続予告演出の実行中において、先読み対象となったトリガ保留が消化される以前に他のリーチ演出が割り込んでしまうと、先読み予告演出の連続性が損なわれ、その演出効果を十分に発揮できないからである。なお、上記S683において、リーチ変動となる作動保留球が存在しない場合という条件に替えて、例えば、変動態様がリーチ/非リーチに関わらず、所定時間以上の変動時間値に係る作動保留球が存在しない場合としてもよい。
次いで、先読み対象の作動保留球よりも前に大当り又はリーチ変動となる作動保留球が存在しない場合(S683:YES)には、サブメイン情報記憶手段260の先読み情報格納領域(事前判定結果)を参照して、先読み対象の作動保留球が大当りとなる作動保留球であるか否かを判定する(S684)。先読み対象が大当りとなる作動保留球である場合(S684:YES)には、先読み予告演出を実行するか否かを抽選にて決定するための先読み予告抽選処理1を実行する(S685)。この先読み予告抽選処理1では、不図示の先読み予告抽選テーブルを参照して、先読み予告抽選乱数値が「実行」、「非実行」のいずれかの判定値と一致した場合に実行の有無を決定する。本例では、例えば、50%の割合で実行、50%の割合で非実行を決定する。
なお、本例では、当否判定の事前判定情報として、「はずれ」である場合は「0」、低確率状態では「はずれ」となる一方で高確率状態では「大当り」である場合は「1」、低確率状態および高確率状態のいずれの状態でも「大当り」である場合は「2」を事前判定番号として設定しているため、この事前判定番号に基づき、先読み予告抽選処理1の実行可否を判定することができる。
一方、先読み対象が大当りとなる作動保留球ではない場合(S684:NO)には、サブメイン情報記憶手段260の先読み情報格納領域(事前判定結果)を参照して、この先読み対象の作動保留球がスーパーリーチ(はずれ)となる作動保留球であるか否かを判定する(S686)。先読み対象がスーパーリーチ(はずれ)となる作動保留球である場合(S686:YES)には、先読み予告演出を実行するか否かを抽選にて決定するための先読み予告抽選処理2を実行する(S687)。この先読み予告抽選処理2では、不図示の先読み予告抽選テーブルを参照して、先読み予告抽選乱数値が「実行」、「非実行」のいずれかの判定値と一致した場合に実行の有無を決定する。本例では、例えば、20%の割合で実行、80%の割合で非実行を決定する。
このとき、本例では、停止図柄(はずれ図柄)の事前判定情報として、大当り図柄A,D(16R大当り)であれば「1」、大当り図柄B,E(8R大当り)であれば「2」、大当り図柄Cであれば「3」、小当り図柄Kであれば「4」、はずれ図柄「HA」あれば「5」、はずれ図柄「HB」であれば「6」、はずれ図柄「HC」であれば「7」、はずれ図柄「HD」あれば「8」、はずれ図柄「HE」であれば「9」、はずれ図柄「HF」であれば「10」を事前判定番号として設定しているため、この事前判定番号に基づき、先読み予告抽選処理2の実行可否を判定することができる。すなわち、上記S686の処理では、事前判定番号が「6」、「7」、「9」、「10」のいずれかであるか否かに基づき(はずれ図柄「HB」、「HC」、「HE」、「HF」であるか否かに基づき)、事前判定結果がスーパーリーチ演出(はずれ)となるか否かを判定できるように構成されている。
このように、本実施形態では、複数種のはずれ図柄を用意して、はずれ図柄「HA」又は「HD」が選択された場合は、当該はずれ図柄に係る図柄変動時の作動保留球数によって変動態様が相違し得る、且つ、変動時間が相対的に短時間(非リーチ、ノーマルリーチ
)となるようにする一方で、はずれ図柄「HB」、「HC」、「HE」若しくは「HF」が選択された場合は、当該はずれ図柄に係る図柄変動時の作動保留球数によって変動態様が相違せず、且つ、変動時間が相対的に長時間(スーパーリーチ)となるように構成することで、選択されたはずれ図柄の種類に応じて変動態様の選択傾向を相違させることができるとともに、図柄事前判定情報によって先読み抽選の実行可否を判定することができ、データ容量の削減を図ることが可能になる。
なお、本例の先読み予告抽選処理では、当否事前判定の結果が「はずれ」よりも「大当り」の方が先読み予告抽選の当選確率が相対的に高確率となるが、さらに、現存する作動保留球数が多いほど、先読み予告抽選の当選確率が相対的に高確率としてもよい。これにより、先読み予告抽選に当選するか否かにより、大当りへの期待感が高まるとともに、先読み予告演出(連続予告演出)の実行回数が多いほど大当りへの期待感を得ることができる。また、本例では、事前判定結果が小当りの場合には、先読み予告演出を実行しないようになっている。これは、先読み予告演出が実行されたにも関わらず、小当りとなって、実質的に出玉を獲得できないことに加えて遊技状態も変化しないことで遊技者を落胆させるのを防止するためである。なお、当然ながら、小当りの場合でも先読み予告演出を行うように構成してもよい。
次いで、先読み予告抽選に当選したか否かを判定する(S688)。先読み予告抽選に当選した場合(S688:YES)には、今回の先読み対象の作動保留球を先読み予告演出の発生契機となる保留(「トリガ保留」)であると決定し、サブメイン情報記憶手段260の先読み予告フラグをオンにする(S689)。次いで、先読み予告演出の内容(複数回の変動におけるトリガ保留画像の表示色の変化の過程)を決定すべく、先読み予告パターン選択処理を実行する(S690)。この先読み予告パターン選択処理では、事前判定結果および作動保留球数に基づき、先読み予告パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から先読み予告パターン乱数値を取得して、複数種の先読み予告パターンの中から、いずれかの先読み予告パターンを抽選で選択する。なお、詳細図示を省略するが、先読み予告パターン(保留変化先読み予告パターン)は、最終の保留画像の表示色に応じて選択率(判定値)が割り振られており、事前判定の結果が大当りの場合には、最終的な表示態様(保留色)が、「青色」、「緑色」、「赤色」、「虹色」の順に選択率が高くなっているのに対して、事前判定の結果がはずれの場合には、最終的な表示態様(保留色)が、「青色」、「緑色」、「赤色」、「虹色」の順に選択率が低くなっている(はずれの場合には「虹色」は選択されない)。これにより、保留画像の最終的な表示態様が「青色」、「緑色」、「赤色」、「虹色」の順に大当り期待度は高くなるといえる。なお、選択された先読み予告パターンの番号は、サブメイン情報記憶手段260の先読み予告パターン格納領域に一時記憶される。続いて、連続予告カウンタに現在の作動保留球数の数値を設定する(S691)。
(変動演出内容決定処理)
次に、変動演出内容決定処理(S636)について説明する。図35は、変動演出内容決定処理(S636)の詳細を示すフローチャートである。
まず、サブメイン情報記憶手段260に変動開始コマンドが格納されているか否かを判定する(S701)。変動開始コマンドが格納されている場合(S701:YES)には、この変動開始コマンド(変動パターン指定コマンド、図柄指定コマンド)の内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる当否抽選の結果、停止図柄、変動パターン(変動時間)、遊技状態などを示す情報を取得する(S702)。なお、この取得情報は、サブメイン情報記憶手段260の変動演出内容判定領域に格納される。
続いて、変動演出パターン選択処理を実行する(S703)。この変動演出パターン選
択処理では、上記S732で取得した変動パターン情報などに基づき、変動演出パターンを抽選で決定する。ここで決定された変動演出パターン番号は、サブメイン情報記憶手段260の変動演出パターン格納領域に一時記憶される。なお、変動演出パターン選択処理(S703)の詳細は図36を用いて後述する。
次いで、装飾図柄停止図柄選択処理を実行する(S704)。この装飾図柄停止図柄選択処理では、上記S702で取得した図柄群情報と変動パターン情報に基づき、最終的に停止させる装飾図柄の停止図柄の組合せ(左図柄・中図柄・右図柄)をそれぞれ抽選で決定する。ここで決定された装飾図柄組合せ番号は、サブメイン情報記憶手段260の装飾図柄格納領域に一時記憶される。
続いて、サブメイン情報記憶手段260の先読み情報格納領域の更新として、保留2記憶領域〜保留4記憶領域に格納された保留球情報を下位の保留記憶領域にシフトするとともに、保留4記憶領域をゼロクリアする(S705)。
そして、上記S703〜S705で取得した演出情報に基づき、装飾図柄の変動開始に要する画像制御コマンド(変動演出開始コマンド)を生成し、この画像制御コマンドをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(S709)。
一方、変動開始コマンドが格納されていない場合(S701:NO)には、サブメイン情報記憶手段260に変動停止コマンドが格納されているか否かを判定する(S710)。変動停止コマンドが格納されている場合(S710:YES)には、変動停止コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる図柄停止情報を取得する(S711)。
続いて、演出ステージ移行処理を実行する(S712)。この演出ステージ移行処理では、通常演出モードMα又は潜伏演出モードMγに滞在している状況下で、図柄の変動回数が所定の契機回数に到達した場合に、演出ステージを移行させるか否かを抽選で決定する。なお、演出ステージ移行処理(S712)の詳細は図38を用いて後述する。
続いて、先読み予告フラグがオン(保留変化先読み予告演出の実行中)であるか否かを判定する(S713)。先読み予告フラグがオンである場合(S713:YES)には、今回の作動保留球の消化分として、連続予告カウンタを1減算する(S714)。続いて、連続予告カウンタがゼロであるか否かを判定する(S715)。連続予告カウンタがゼロである場合(S715:YES)、すなわち、予定された先読み予告演出が終了した場合には、保留変化先読み予告フラグをオフにする(S716)。そして、装飾図柄の変動停止に要する画像制御コマンド(変動演出停止コマンド)を生成し、この画像制御コマンドをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(S709)。
一方、変動開始コマンドが格納されていない場合(S710:NO)は、そのまま処理を終了する。また、先読み予告フラグがオフである場合(S713:NO)又は連続予告カウンタがゼロでない場合(S715:NO)は、そのまま処理を終了する。
(変動演出パターン選択処理)
次に、変動演出パターン選択処理(S703)について説明する。図36は、変動演出パターン選択処理(S703)の詳細を示すフローチャートである。
まず、演出抽選乱数発生手段210から変動演出パターン乱数値を取得する(S721)。次いで、上記S702で取得した変動パターン情報と上記S632の演出状態移行処理で設定された演出モード(更には演出ステージ)とに基づき、複数種の変動演出パターンテーブルの中からいずれかの変動演出パターンテーブルを取得する(S722)。
続いて、変動演出パターン乱数値と変動演出パターンテーブルとに基づき、複数種の変動演出パターンの中から、いずれかの変動演出パターンを抽選で決定する(S723)。変動演出パターンは、装飾図柄の変動態様、リーチ演出の種類・発生時期、予告演出の種類・発生時期などが規定された演出表示過程のシナリオを構成している。
次いで、同一のスーパーリーチ演出が連続発生するのを防止すべく、リーチ演出監視処理を実行する(S724)。なお、リーチ演出監視処理(S724)の詳細は図37を用いて後述する。
そして、上記S723又はS724で決定された変動演出パターン番号を、サブメイン情報記憶手段260の変動演出パターン格納領域に一時記憶する(S725)。また、選択された変動演出パターン番号に対応したランプ演出番号をリクエストして、このリクエストされたランプ演出番号をサブメイン情報記憶手段260のランプリクエスト記憶領域に設定する。
(リーチ演出監視処理)
次に、リーチ演出監視処理(S724)について説明する。図37は、リーチ演出監視処理(S724)の詳細を示すフローチャートである。
まず、サブメイン情報記憶手段260のリーチ監視カウンタのカウント値を「1」加算する(S731)。次いで、リーチ監視カウンタのカウント値が予め定められた規定値「20」以下であるか否かを判定する(S732)。カウント値が規定値以下である場合(S732:YES)には、上記S723で選択された変動演出パターンがスーパーリーチ演出を含む変動演出パターンであるか否かを判定する(S733)。スーパーリーチ演出が選択されている場合(S733:YES)には、該スーパーリーチ演出が特定のスーパーリーチ演出(スーパーリーチA演出又はスーパーリーチB演出)に該当するか否かを判定する(S734)。特定のスーパーリーチ演出である場合(S734:YES)は、サブメイン情報記憶手段260のリーチ履歴情報を参照して、今回のスーパーリーチ演出(特定のスーパーリーチ演出)が前回のスーパーリーチ演出と同一であるか否かを判定する(S735)。前回のスーパーリーチ演出と同一である場合(S735:YES)は、上記S702でサブメイン情報記憶手段260の変動演出内容判定領域に格納された情報(当否判定の結果)を解析して、今回の変動対象における当否判定の結果がはずれであるか否かを判定する(S736)。
当否判定の結果がはずれである場合(S736:YES)には、上記S723で選択された変動演出パターン(スーパーリーチA演出およびスーパーリーチB演出の一方)を別の変動演出パターン(スーパーリーチA演出およびスーパーリーチB演出の他方)に差し替える(S737)。つまり、前回のスーパーリーチ演出とは異なるスーパーリーチ演出に差し替えることで、同一のスーパーリーチ演出が連続発生してはずれとなる事態を防止する。そして、サブメイン情報記憶手段260のリーチ履歴情報(前回のスーパーリーチ演出に関する履歴情報)を、上記S737で差し替えられたスーパーリーチ演出に更新する(S738)。そして、サブメイン情報記憶手段260のリーチ監視カウンタのカウント値を「0」にする(S741)。
一方、当否判定の結果が大当りである場合(S736:NO)は、同一のスーパーリーチ演出を連続発生させる「法則崩れ演出」として、上記S723で選択された変動演出パターン(スーパーリーチA演出およびスーパーリーチB演出の一方)を維持する(S739)。そして、リーチ履歴情報をクリアするとともに(S740)、リーチ監視カウンタのカウント値を「0」にする(S741)。
一方、前回のスーパーリーチ演出と同一ではない場合(S735:NO)は、上記S738に移行して、サブメイン情報記憶手段260に格納されたリーチ履歴情報(前回のスーパーリーチ演出に関する履歴情報)を上記S723において選択されたスーパーリーチ演出に更新するとともに、リーチ監視カウンタのカウント値を「0」にする(S741)。
また、上記S723で選択された変動演出パターンがスーパーリーチ演出を含む変動演出パターンではない場合(S733:NO)、すなわち、非リーチ演出又はノーマルリーチ演出のみを含む変動演出パターンである場合には、そのまま処理を終了する。一方、上記S723で選択されたスーパーリーチ演出が特定のスーパーリーチ演出(スーパーリーチA演出又はスーパーリーチB演出)ではない場合、すなわち、スーパーリーチC演出である場合には、上記S738に移行する。そして、上記S738において、サブメイン情報記憶手段260に格納されたリーチ履歴情報(前回のスーパーリーチ演出に関する履歴情報)を上記S723において選択されたスーパーリーチC演出に更新する。そして、リーチ監視カウンタのカウント値を「0」にする(S741)。
なお、本処理にて設定されたリーチ履歴情報の表示を指示するための画像制御コマンドは、図柄変動停止時における前記S709の処理においてサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納される。そして、このリーチ履歴情報を含む画像制御コマンドが画像制御基板300側に送信されると、演出表示装置70の画面の端に、前回のスーパーリーチ演出の名称(例えば「○○リーチ」)が付記的に表示される(図44等を参照)。これにより、遊技者は今回のスーパーリーチ演出が前回のスーパーリーチ演出と同一であるか否か(すなわち、法則崩れ演出が発生しているか否か)を明瞭に認識することができ、法則崩れ演出の発生に対する期待感を向上させることができる。なお、上記のS733〜S736までの処理を以下のような変形例としてもよい。図示省略するが、まず、演出パターンがスーパーリーチ演出であるか否かを判定し(ST1)、スーパーリーチ演出であれば、当否判定の結果がはずれであるか否かを判定し(ST2)、はずれであれば、前回のスーパーリーチ演出がスーパーリーチA演出であるか否かを判定し(ST3)、前回がスーパーリーチA演出であれば、今回はスーパーリーチB演出を選択し、前回がスーパーリーチA演出でなければ、今回はスーパーリーチA演出を選択し(ST4)、その一方で、当否判定の結果が大当りであれば、今回のスーパーリーチ演出をスーパーリーチA演出とするかスーパーリーチB演出とするかを抽選にて決定し(ST5)する(この場合、前回がスーパーリーチA演出であった場合に今回もスーパーリーチA演出とする割合は、前回がスーパーリーチA演出であって場合に今回はスーパーリーチB演出とする割合よりも低くなるように判断したり、選択率を振ったりしてもよい)。
(演出ステージ移行処理)
次に、演出ステージ移行処理(S712)について説明する。図38は、演出ステージ移行処理(S712)の詳細を示すフローチャートである。
まず、現在の演出モードが通常演出モードα又は潜伏演出モードγであるか否かを判定する(S751)。通常演出モードα又は潜伏演出モードγである場合(S751:YES)は、サブメイン情報記憶手段260のステージカウンタを参照して、現在の演出ステージを読み出す(S752)。ステージフラグとは、演出ステージの種類(本例では、第1ステージS1、第2ステージS2)に対応付けられた値が設定されるフラグであり、演出ステージが移行される毎に更新されるようになっている。なお、本例では、ステージフラグには、第1ステージであることを示す「1」又は第2ステージであることを示す「2」が設定される。
続いて、サブメイン情報記憶手段260の演出ステージの残余回数カウンタのカウント値を「1」減算する(S753)。残余回数カウンタとは、演出ステージの移行契機を管理するためのカウンタである、この残余回数カウンタには、初期値として「10」が設定され、装飾図柄の変動表示が実行される毎に「1」だけ減算される。そして、残余回数カウンタを参照して、演出ステージの移行契機が到来したか否かを判定する(S754)。演出ステージの移行契機としては、現在滞在中の演出ステージにて図柄変動回数が予め設定された所定回数(例えば、10回)実行されることで、残余回数カウンタのカウント値が「0」になったときである。演出ステージの移行契機が到来している場合(S754:YES)には、演出ステージの移行抽選処理を実行する(S755)。この演出ステージの移行抽選処理では、不図示のステージ移行抽選テーブルを参照して、ステージ移行抽選乱数値が「実行(移行する)」、「非実行(移行しない)」のいずれかの判定値と一致した場合に実行の有無を決定する。本例では、例えば、30%の割合で実行、70%の割合で非実行を決定する。
続いて、演出ステージの移行抽選に当選したか否かを判定する(S756)。演出ステージの移行抽選に当選した場合(S756:YES)は、現在の演出ステージが第1演出ステージ(ステージフラグの値が「1」)であるか否かを判定する(S757)。ステージフラグが「1」ある場合(S757:YES)には、移行先の演出ステージとして第2ステージを設定する(S758)。具体的には、ステージフラグに移行先の第2演出ステージを示す「2」を設定する。この第2演出ステージに移行すると、サブメイン情報記憶手段260の背景データ格納領域に該第2演出ステージに対応した通常背景データ番号が設定される(S759)。
一方、ステージフラグが「2」である場合(S757:NO)には、移行先の演出ステージとして第1ステージを設定する(S760)。具体的には、ステージフラグに移行先の第1演出ステージを示す「1」を設定する。この第1演出ステージに移行すると、サブメイン情報記憶手段260の背景データ格納領域に該第1演出ステージに対応した通常背景データ番号が設定される(S761)。
続いて、リーチ履歴記憶領域に保持されたリーチ履歴情報をクリアするとともに(S762)、リーチ監視カウンタのカウント値に初期値「0」を設定する(S763)。その理由としては、前述のように、演出ステージを移行した場合は、リーチ監視期間の継続中又はリーチ履歴情報の有無に関わらず、リーチ監視期間を一旦終了して、該移行先の演出ステージにて改めてリーチ監視処理を再開するためである。また、サブメイン情報記憶手段260の残余回数カウンタに初期値として「10」を設定する(S764)。そして、当該処理で決定した演出内容(背景画像)の表示を指示するための画像制御コマンドを生成し、これをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する(S765)。
(大当り演出内容決定処理)
次に、大当り演出内容決定処理(S638)について説明する。図39は、大当り演出内容決定処理(S636)の詳細を示すフローチャートである。
まず、サブメイン情報記憶手段260に開始デモコマンドが格納されているか否かを判定する(S801)。開始デモコマンドが格納されている場合(S801:YES)には、開始デモコマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる大当り種別などを示す情報を取得する(S802)。なお、この取得情報は、サブメイン情報記憶手段260の大当り演出内容判定領域に格納される。続いて、連荘回数をカウントするための連荘回数カウンタを更新する(S803)。具体的には、今回の大当りが通常状態での大当り(「初当り」と称する)である場合は連荘回数カウンタに「1」をセットし、連荘である場
合は連荘回数カウンタを「1」加算する。
次いで、大当り演出パターン(開始デモ演出パターン、ラウンド演出パターン、終了デモ演出パターン)の内容を決定するための大当り演出パターン選択処理を実行する(S804)。この大当り演出パターン選択処理では、不図示の大当り演出パターンテーブルを取得するとともに、演出抽選乱数発生手段210から大当り演出パターン乱数値を取得して、複数種の大当り演出パターンの中から、いずれかの大当り演出パターンを抽選にて決定する。ここで決定された大当り演出パターン番号(開始デモパターン番号、ラウンド演出パターン番号、終了デモパターン番号)は、サブメイン情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時記憶される。
そして、上記S804でサブメイン情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時記憶した開始デモ演出パターン番号をサブメイン情報記憶手段260の開始デモ演出格納領域に転送して、開始デモ演出の開始を設定する(S807)。
続いて、サブメイン情報記憶手段260にラウンド演出指定コマンドが格納されているか否かを判定する(S811)。ラウンド演出指定コマンドが格納されている場合(S807:YES)には、ラウンド演出指定コマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれるラウンド数や、大入賞口64への入賞数を示す情報を取得する(S812)。なお、この取得情報は、サブメイン情報記憶手段260の大当り演出内容判定領域に格納される。続いて、上記S812で取得した情報に基づき、サブメイン情報記憶手段260のラウンド数カウンタを更新する(S813)とともに、サブメイン情報記憶手段260の大入賞数カウンタを更新する(S814)。なお、本例では、大入賞口64に遊技球が入賞する毎に「14」個の賞球が払い出されるため、大入賞口64への入賞数に「14」を乗算することで、獲得賞球数が算出される。
そして、上記S804,S806でサブメイン情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時記憶したラウンド演出パターン番号を、ラウンド数カウンタおよび大入賞数カウンタの数値とともに、サブメイン情報記憶手段260のラウンド演出格納領域に転送して、ラウンド演出の開始を設定する(S815)。
続いて、サブメイン情報記憶手段260に終了デモコマンドが格納されているか否かを判定する(S821)。終了デモコマンドが格納されている場合(S821:YES)には、終了デモコマンドの内容を解析し、このコマンドの内容に含まれる情報を取得する(S822)。なお、この取得情報は、サブメイン情報記憶手段260の大当り演出内容判定領域に格納される。次いで、サブメイン情報記憶手段260のラウンド数カウンタおよび大入賞数カウンタをクリアする(S823,S824)。
次いで、今回の大当りが初当りであるか否かを判定する(S825)。初当りである場合(S825:YES)には、遊技者による演出ボタン15の操作に応じて演出モード(ST期間中の確変演出モードMβ)を選択可能な状態とすべく、演出ボタン15の操作有効期間を計時するための操作有効期間タイマに所定値を設定する(S826)。なお、操作有効期間とは、演出ボタン15の操作入力が有効となる期間である。続いて、サブメイン情報記憶手段260の演出ボタン有効フラグをオンにする(S827)。演出ボタン有効フラグとは、演出ボタン15の操作が有効である状態のときにオンとなるフラグである。
続いて、リーチ履歴記憶領域に格納されたリーチ履歴情報をクリアするとともに(S828)、リーチ監視カウンタのカウント値を初期値「0」に設定する(S829)。前述のように、本例におけるリーチ演出監視処理は、特別遊技(大当り)を跨いで実行されず
、特別遊技の終了後は、リーチ監視カウンタおよびリーチ履歴情報が初期化された状態で改めてリーチ演出監視処理が再開されることになる。
そして、上記S804でサブメイン情報記憶手段260の大当り演出パターン格納領域に一時記憶した終了デモ演出パターン番号をサブメイン情報記憶手段260の終了デモ演出格納領域に転送して、終了デモ演出の開始を設定する(S830)。そして、上記S807,S815,S830で取得した演出情報に基づき、大当り演出に要する画像制御コマンドを生成し、この画像制御コマンドをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に設定する(S831)。
(演出ボタン監視制御処理)
続いて、演出ボタン監視制御処理(S617)について説明する。図40は、演出ボタン監視制御処理(S617)の詳細を示すフローチャートである。
まず、サブメイン情報記憶手段260の演出ボタン有効フラグがオンであるか否かを判定する(S851)。演出ボタン有効フラグがオンである場合(S851:YES)には、演出ボタン15の操作有効期間中であるか否か、すなわち、操作有効期間タイマが「0」でないか否かを判定する(S852)。操作有効期間タイマは、前述のように、初当り時における終了デモ演出の開始時に所定値が設定され、後述のタイマ割込み処理が発生する毎に1msずつ減算される。また、操作有効期間中は、上記S804で設定された終了デモ演出パターンに基づく演出画面(モード選択画面)が表示され、演出ボタン15の操作入力に基づき、確変演出モードMβにおける第1モードMβ1、第2Mモードβ2のうちのいずれかを選択可能となる。具体的には、図示省略するが、モード選択画面上に、各演出モードに対応した二つの選択画像を左右又は上下に表示して、操作有効期間中における一定時間ごとに選択画像の表示態様を順次切り替えることで、演出ボタン15の操作タイミングに応じて、これら二つの選択画像の中から一つを選択可能とし、この選択画像に対応した演出モードが設定されるものである。
ここで、演出ボタン15の操作有効期間中である場合(S852:YES)には、演出ボタン15の操作入力があったか否かを判定する(S853)。演出ボタン15の操作入力があった場合(S853:YES)には、演出ボタン15の操作入力情報をサブメイン情報記憶手段260に保存する(S854)。本例では、操作入力情報として、第1モードMβ1を選択操作した旨の情報と、第2モードMβ2を選択操作した旨の情報とがある。続いて、演出ボタン15の操作入力情報を画像制御基板300側へ指示するための画像制御コマンドを生成し、これをサブメイン情報記憶手段260のコマンド格納領域に格納する(S855)。また、このように演出ボタン15の操作入力があった場合には、操作有効期間の経過前であっても、前記操作入力を確定して操作有効期間の終了を設定すべく、操作有効フラグをオフにする(S856)。一方、操作有効期間中ではない場合(S952:NO)、すなわち、操作有効期間タイマが「0」である場合には、演出ボタン有効フラグをオフにする(S856)。なお、ここで設定された演出ボタン15の操作入力情報に基づき、上記の演出状態移行処理(図32)のS657において、確変演出モードMβの移行先として、第1モードMβ1又は第2モードMβ2が設定される。
《演出制御コマンドの受信割込み処理》
次に、演出制御コマンドの受信割込み処理を説明する。図41は、演出制御コマンドの受信割込み処理を示すフローチャートである。この演出制御コマンドの受信割込み処理では、前述したように、主制御基板100からのストローブ信号の入力に基づいて割込みが発生することで開始され、この割込み処理において各種の演出制御コマンドが取得されるようになっている。なお、演出制御コマンドは、1バイトのMODEデータと、1バイトのEVENTデータとを含む構成となっており、主制御基板100から演出制御基板20
0へ、MODEデータ、EVENTデータの順に送信される。以下では、説明の便宜上、MODEデータを「第1コマンド」、EVENTデータを「第2コマンド」とも称する。
まず、主制御基板100からのストローブ信号に基づく割込みが発生すると、演出制御コマンドの入力値が確定したか否かを判定する(S901)。具体的には、コマンドデータを最高5回まで読み込み、2回連続で同じ値が読み込まれた時点で入力値が確定となる。これはノイズ等により演出制御コマンドの読み取りが失敗するおそれがあるためであり、2回連続で同じ値が読み込まれるまでは入力値を確定とはしない。
続いて、今回受信したコマンドが第1コマンド(MODE)であるか否か、換言すれば、第1コマンド(MODE)であるか第2コマンド(EVENT)であるかを判定する(S902)。今回受信したコマンドが第1コマンドである場合(S902:YES)は、当該第1コマンドをテンポラリ領域に一時的に記憶する(S903)。そして、演出抽選乱数発生手段210から演出抽選乱数を取得して、この乱数情報をサブメイン情報記憶手段260の演出抽選乱数格納領域に一時記憶する(S904)。なお、演出抽選乱数の取得時期を、演出制御コマンドの受信時としているのは、演出制御コマンドは遊技球の始動入賞時や特別図柄の変動開始時など物理的に不規則なタイミングで送信されるため、それを契機とすることで取得時期に周期性を出さないようにするためである。このように演出抽選乱数の取得時期を不規則とすることで、各種の演出抽選においても、同一の演出が不自然に繰り返し選択されてしまう等の不都合が発生し難くなる。
一方、今回受信したコマンドが第2コマンドである場合(S902:NO)には、すでに第1コマンドを受信済であるか否かを判定する(S905)。すなわち、演出制御コマンドを第1コマンド(MODE)→第2コマンド(EVENT)の順に受信したか否か判定して、演出制御コマンドの組合せに矛盾がないかを確認する。演出制御コマンドの組合せに矛盾がない場合(S905:YES)は、ライトポインタ(書き込み用のポインタ)の示すアドレスを取得する(S906)。続いて、第1コマンドと第2コマンドとを、ライトポインタの指示するアドレスに従って、サブメイン情報記憶手段260の演出制御コマンドバッファ(リングバッファ)に保存する(S907)。保存されたコマンドデータは、メイン処理における前記のコマンド解析処理(S620)で読み出され、演出制御コマンドの種別に対応した演出制御処理が実行される。次いで、ライトポインタの示すアドレスを更新する(S908)。さらに、前記S903で一時記憶したコマンドデータ(第1コマンド)をクリアする(S909)。
《演出制御側タイマ割込み処理》
次に、演出制御側タイマ割込み処理を説明する。図42は、演出制御側タイマ割込み処理を示すフローチャートである。このタイマ割込み処理は、一定時間毎のクロックパルスにより起動され、上述の演出制御側メイン処理に割り込むかたちで実行される。
タイマ割込みが発生すると、サブメインCPU201内のレジスタの内容をRAM203のスタック領域に退避させた後、S911以降の処理を順次実行する。このタイマ割込み処理内では、主制御基板100からの演出制御コマンド受信割込み、ウォッチドッグタイマ割込み等、優先レベル2以上の割込みを許可する(S911)。
続いて、ポート入出力処理を実行する(S912)。このポート入出力処理では、I/Oポート回路204におけるポートデータの入力処理、出力処理を行う。入力処理では、I/Oポート回路204(入力ポート)に入力されている各種信号を読み取り、これを入力情報として記憶する。出力処理では、サブメイン情報記憶手段260に一時記憶されている各種制御信号(モータ制御信号)を読み出して、I/Oポート回路204(出力ポート)から出力する。
続いて、デバイス制御データ出力処理を実行する(S913)。このデバイス制御データ出力処理では、前記のデバイス管理処理(S619)で特定した駆動パターンデータから所定時間分の駆動データを読み出してサブメイン情報記憶手段260の駆動データ記憶領域に設定する。この処理で設定される駆動データは、割込み周期に対応した1ms間の制御を示すデータである。この処理で駆動データが設定されると、次回のタイマ割込み処理にて、当該駆動データがI/Oポート回路204(出力ポート)からモータドライバ92へ出力される。従って、このデバイス制御データ出力処理では、駆動パターンデータに従って駆動データが割込み周期(1ms)毎に切り替えられることとなる。
次いで、演出用タイマ更新処理を実行する(S914)。この演出タイマ更新処理では、演出動作制御に用いる各種の演出用タイマの値を割込み周期(本実施形態では1ms)ずつ減算更新する。演出用タイマには、装飾図柄の変動時間を管理するためのタイマ、予告演出の発生タイミングを管理するためのタイマなどが含まれる。この演出用タイマによって、変動演出パターンにおけるタイムスケジュールが管理され、その時間軸上で可動役物24の駆動タイミングや演出ランプLPの点灯タイミング等の時間管理がされている。なお、演出用タイマは、この演出制御用タイマ割込み処理内のデバイス制御データ出力処理(S913)やランプデータ更新処理(S918)などにおいても利用される。
続いて、ボタン制御タイマ更新処理を実行する(S915)。演出ボタン15の操作有効時間を管理するための有効時間管理タイマの値を割込み周期(本実施形態では1ms)減算更新する。なお、操作有効時間とは、演出ボタン15の操作入力が有効となる時間である。
続いて、タスク制御カウンタ更新処理を実行する(S717)。このタスク制御カウンタ更新処理では、タイマ割込み毎にタスクカウンタの値(「0」〜「15」)を更新する。具体的には、タスクカウンタの値が「0」〜「14」であれば1インクリメントし、タスクカウンタの値が「15」となった場合には「0」に戻す。すなわち、このタスクカウンタは16msの循環周期を取り得る。そして、今回更新されたタスクカウンタの値に対応して各種のタスク(タスク処理)が割り当てられており、当該タスクカウンタの値に応じて、ランプ制御タスク(S718のランプデータ更新処理)、暴走監視タスク(S719の画像CPU暴走監視処理)、エラー管理タスク(S720のエラー管理タイマ更新処理)などの各処理を実行する。本例では、タスクカウンタの値(「0」〜「15」)のうち、或る1つの値がランプ制御タスクに割り当てられ、他の2つの値(互いに8ms間隔となる値)が暴走監視用タスクに割り当てられ、他の1つの値がエラー管理タスクに割り当てられている(その他のタスクの説明は省略する)。なお、前述のように、タスクカウンタの循環周期を16msに設定しているのは、演出ランプLPの切り換え制御の最小単位(16ms)と一致させるためである。そして、この演出ランプLPの切り換え制御の最小単位(16ms)は画像フレームの1フレーム時間と対応し、画像演出とランプ演出との同期を実現している。
続いて、ランプデータ更新処理を実行する(S918)。このランプデータ更新処理では、前記のデバイス管理処理(S619)等で特定したランプパターンデータから所定時間分のランプデータを読み出して設定する。この処理で設定されるランプデータは、演出ランプLPの切り換え制御の最小単位となる16ms間の点灯制御を示すデータである。ランプデータが設定されると、当該ランプデータが出力ポート(シリアルポート)からシリアル転送にてランプ接続基板91へ自動的に出力される。このランプデータの出力処理は、シリアル通信割込み処理として構成されており、シリアル通信回路の送信バッファにランプデータを順次書き込むことで実現される。シリアル通信回路は、送信バッファのランプデータを1バイト単位でシリアル変換して、シリアルクロックと同期したかたちで、
1ビット毎にランプ接続基板91に対して出力する。この処理では、送信バッファが空になるまで繰り返され、これにより送信バッファに格納された全てのランプデータ(全バイト)が出力されるようになっている。従って、このランプデータ更新処理では、ランプパターンに従ってランプデータが1フレーム時間(16ms)毎に切り替えられるとともに、このランプデータがランプ接続基板91に対してシリアル転送にて出力される。
続いて、画像CPU暴走監視処理を実行する(S919)。この画像CPU暴走監視処理では、画像制御基板300から入力されるトグル信号を監視して、当該トグル信号が1600ms(50〜100フレーム程度)の間、連続して変化しない場合に、画像制御基板300のサブサブCPU301が暴走していると判定し、演出制御基板200から画像制御基板300に対してリセット信号を送信する。これにより、画像制御基板300側はサブサブCPU301のリセット状態の発生によって、所定のリセット処理を実行する。なお、トグル信号とは、1フレーム時間毎にHレベル/Lレベルが交互に繰り返される波形の信号のことである。
次いで、エラー管理タイマ処理を実行する(S920)。このエラー管理タイマ処理では、前記のエラー演出管理処理(S617)でセットされたエラー演出時間を管理するためのエラー演出タイマの値を減算更新する。そして、全ての割込みを許可した状態にするとともに、退避していたレジスタの内容を復帰させた後、演出制御側タイマ割込み処理を終了して、割込み発生前の元の処理に戻る。
《画像制御コマンドの送信割込み処理》
次に、画像制御コマンドの送信割込み処理を説明する。図43は、画像制御コマンドの送信割込み処理を示すフローチャートである。この画像制御コマンドの送信割込み処理は、予め設定された一定間隔(500μs)毎に発生する。
この画像制御コマンドの送信割込み処理では、まず、サブメイン情報記憶手段260の画像制御コマンドバッファをチェックする(S931)。続いて、画像制御コマンドバッファにおいてリードポインタを取得する(S932)。次いで、画像制御コマンドバッファに画像制御コマンドが格納されているか否かを判定する(S933)。画像制御コマンドが格納されているか否かは、例えば、リードポインタとライトポインタによって確認でき、リードポインタとライトポインタとが一致している場合には、画像制御コマンドが格納されていないことになる。画像制御コマンドが格納されている場合(S933:YES)には、リードポインタが指す領域から画像制御コマンドを読み出す(S934)。この読み出した画像制御コマンドを、出力先として指定されたシリアル通信回路の出力バッファにセットする(S935)。これによりシリアルポートから画像制御コマンドが画像制御基板300に対してシリアル送信される。次いで、コマンドデータ(前記S935で送信したコマンドデータ)をクリアする(S936)。続いて、リードポインタを1インクリメントして更新する(S937)。そして、当該画像コマンドの送信割込み処理を終了して、割込み前の元の処理へ復帰する。
[作用]
次に、本実施形態の理解を容易なものとするために、ぱちんこ遊技機PMの特徴的作用について説明する。図44〜図46は、リーチ演出監視処理における具体的な演出例を示している。なお、本例においては、特段の場合を除き、遊技状態が通常状態であるときの図柄変動表示について説明する。そのため、以下では、第1特別図柄の変動表示と連動した装飾図柄の変動表示の過程においてリーチ演出が発生するものとする。なお、図44〜図46では、チャンスアップ演出におけるタイトル名称の色彩として、「白色」、「赤色」、「虹色」の3種類の表示態様を、「無地」、「塗り潰し」、「斜線」にてそれぞれ表現する。
(演出例1)
まず、図44を参照しながら、リーチ演出監視処理における演出例1について説明する。ここで、図中の(A1)〜(A4)では異なるリーチ演出が発生する過程を示し、図中の(B1)〜(B4)では同一のリーチ演出が発生する過程を示している。
それでは、時系列的に説明すると、まず、最先の作動保留球が消化されると、特別図柄の変動表示と略同期したかたちで、装飾図柄の変動表示が開始され、各図柄列において装飾図柄が表示画面上で上から下へスクロールするように巡回表示される。なお、今回の装飾図柄の変動表示を、便宜上、或る時点における1回目の変動表示とする。
図中(A−1)に示すように、1回目の変動表示の過程において、所定の段階でリーチに発展して、スーパーリーチA演出が開始される。なお、本例では、装飾図柄の変動表示中の態様が、「1」−「↓」−「1」となり、リーチ状態が発生していることを示している。なお、図中の「↓」は装飾図柄が変動中であることを示す。このとき、スーパーリーチA演出に発展した直後、このスーパーリーチA演出のタイトルの名称(例えば、キャラクタAの名称で呼ばれる「リーチA」)を報知するタイトル演出が表示される。本例では、タイトルの表示色は通常態様の「白色」であるため、チャンスアップ演出は実行されなかったことになる。図示を省略するが、当該変動にて、スーパーリーチA演出(ストーリー系リーチ演出)における当該ストーリーの内容が展開されていく。なお、画面の端には、リーチ履歴情報に基づき、前回のスーパーリーチ演出の名称が表示されるため、遊技者は今回のスーパーリーチ演出が前回のスーパーリーチ演出と同一であるか否か(すなわち、法則崩れが発生したか否か)を容易に認識でき、わざわざ遊技者自身が前回のスーパーリーチ演出の内容を覚えておく必要はない。
そして、図中(A−2)に示すように、スーパーリーチA演出が進行して、装飾図柄の変動終了時に、はずれ図柄(「1」−「3」−「1」)が停止表示される。この装飾図柄の停止表示時において、画面の端には、リーチ履歴情報として、前回のリーチ演出の名称(スーパーリーチC演出)が今回のリーチ演出の名称(スーパーリーチA演出)に更新される。変形例としては、リーチ履歴情報の表示はリーチ発生時に更新されるものでもよい。なお、その後、複数回の装飾図柄の変動表示を経て、スーパーリーチ演出は発生しなかったものとする。
続いて、図中(A−3)に示すように、N回目(規定回数以下)の変動表示において、所定の段階でリーチに発展して、スーパーリーチB演出が開始される。本例では、装飾図柄の変動表示中の態様が、「3」−「↓」−「3」となり、リーチ状態が発生していることを示している。このとき、スーパーリーチB演出に発展した直後、このスーパーリーチB演出のタイトルの名称(例えば、キャラクタBの名称で呼ばれる「リーチB」)を報知するタイトル演出が表示される。本例では、タイトルの表示色が通常態様の「白色」ではなく特殊態様の「赤色」で表示されており、チャンスアップ演出CUAが発生したことになる。このチャンスアップ演出CUAの出現により、遊技者に対して大当り期待度が向上したことが示唆される。また、このとき、画面の端に表示されたリーチ履歴情報に基づき、今回のスーパーリーチ演出が前回のスーパーリーチ演出と同一ではないことが遊技者に対して教示される。
そして、図中(A−4)に示すように、スーパーリーチB演出が進行して、装飾図柄の変動終了時に、はずれ図柄(「3」−「4」−「3」)が停止表示される。このように、今回のリーチ演出が前回のリーチ演出と異なる場合は、本来のスーパーリーチ演出の大当り期待度のもとで遊技者は大当りの発生を期待することになる。
一方、図中(B−1)に示すように、1回目の装飾図柄の変動表示の過程において、所定の段階でリーチに発展して、スーパーリーチA演出が開始される。このとき、スーパーリーチA演出に発展した直後、このスーパーリーチA演出のタイトルの名称を報知するタイトル演出が表示されるが、本例では、タイトルの表示色は通常態様の「白色」であるため、チャンスアップ演出は実行されなかったことになる。
そして、図中(B−2)に示すように、スーパーリーチA演出が進行して、装飾図柄の変動終了時に、はずれ図柄(「1」−「3」−「1」)が停止表示される。この装飾図柄の停止表示時において、画面の端には、リーチ履歴情報として、今回のリーチ演出の名称(スーパーリーチA演出)に更新される。なお、その後、複数回の装飾図柄の変動表示を経て、スーパーリーチ演出は発生しなかったものとする。
続いて、図中(B−3)に示すように、N回目(規定回数以下)の変動表示において、所定の段階でリーチに発展して、スーパーリーチA演出が開始される。本例では、装飾図柄の変動表示中の態様が、「7」−「↓」−「7」となり、リーチ状態が発生していることを示している。このとき、スーパーリーチA演出に発展した直後、このスーパーリーチA演出のタイトルの名称を報知するタイトル演出が表示される。本例では、タイトルの表示色が通常態様の「白色」で表示されており、残念ながら、チャンスアップ演出CUAが発生しなかったことになる。しかしながら、当該変動にて発生したリーチ演出は、前回発生したリーチ演出と同じであるため、他のスーパーリーチ演出を挟まずに同一のスーパーリーチ演出を連続発生させないという法則が崩れ、この時点で大当り当選が確定したことになる。このとき、画面の中央には、スーパーリーチ演出のタイトルの文字と連係してかたちで特殊演出(本例では「リターン」の文字画像)が表示されることで、同一のスーパーリーチ演出が連続発生していることを遊技者に直観的に分かり易く教示し得るようになっている。更には、画面の端において、リーチ履歴情報として、前回のスーパーリーチ演出の名称が表示されているため、当該変動にて発生したスーパーリーチ演出の名称と照らし合わせることで、同一のスーパーリーチ演出が連続発生していることを遊技者に明確に教示し得るようになっている。これにより、大当りへの強い期待感を遊技者に抱かせ、当該変動に対する興味を引き付けさせることができる。
そして、図中(B−4)に示すように、スーパーリーチB演出が進行して、装飾図柄の変動終了時に、大当り図柄(「7」−「7」−「7」)が停止表示される。
このように、図中(A−1)〜(A−4)の過程では、本来のスーパーリーチB演出の大当り期待度が維持されるが、図中(B−1)〜(B−4)の過程では、法則崩れの発生によって、本来のスーパーリーチA演出の大当り期待度から特別の大当り期待度に向上することになる。すなわち、「或る図柄変動においてスーパーリーチA演出(CUなし)が発生してはずれとなった場合、その後の図柄変動において該変動回数が規定回数経過するまでの期間内では、他のスーパーリーチ演出を挟むことなく、チャンスアップ演出CUAを伴うスーパーリーチB演出(CUAあり)が発生する場合よりも、チャンスアップ演出を伴わないスーパーリーチA演出(CUなし)が発生した場合の方が大当り期待度は高くなる」という上記の対応関係(1)が成立することになる。換言すれば、「或る変動表示時にてスーパーリーチA演出(CUなし)が表示されたにもかかわらず特別遊技に移行せず、且つ当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN(N≧1)回分の変動表示にていずれのスーパーリーチ演出も表示されなかった場合、当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN+1回目の変動表示においては、スーパーリーチB演出(CUAあり)が表示される場合よりもスーパーリーチA演出(CUなし)が表示される場合の方が大当り期待度は高くなる」という対応関係(1)が成立する。
(演出例2)
次に、図45を参照しながら、リーチ演出監視処理における演出例2について説明する。ここで、図中の(C1)〜(C4)では異なるリーチ演出が発生する過程を示し、図中の(D1)〜(D4)では同一のリーチ演出が発生する過程を示している。なお、図中の(D1)〜(D4)は、前述の図44の(B1)〜(B4)と同一の内容であるため、その説明を簡略化する。
それでは、時系列的に説明すると、まず、最先の作動保留球が消化されると、特別図柄の変動表示と略同期したかたちで、装飾図柄の変動表示が開始され、各図柄列において装飾図柄が表示画面上で上から下へスクロールするように巡回表示される。なお、今回の装飾図柄の変動表示を、便宜上、或る時点における1回目の変動表示とする。
図中(C−1)に示すように、1回目の装飾図柄の変動表示の過程において、所定の段階でリーチに発展して、スーパーリーチA演出が開始される。本例では、装飾図柄の変動表示中の態様が、「1」−「↓」−「1」となり、リーチ状態が発生していることを示している。このとき、スーパーリーチA演出に発展した直後、このスーパーリーチA演出のタイトルの名称を報知するタイトル演出が表示されるが、本例では、タイトルの表示色は通常態様の「白色」であるため、チャンスアップ演出は実行されなかったことになる。
そして、図中(C−2)に示すように、スーパーリーチA演出が進行して、装飾図柄の変動終了時に、はずれ図柄(「1」−「3」−「1」)が停止表示される。この装飾図柄の停止表示時において、画面の端には、リーチ履歴情報として、今回のリーチ演出の名称(スーパーリーチA演出)に更新される。なお、その後、複数回の装飾図柄の変動表示を経て、スーパーリーチ演出は発生しなかったものとする。
続いて、図中(C−3)に示すように、N回目(規定回数以下)の変動表示において、所定の段階でリーチに発展して、スーパーリーチB演出が開始される。本例では、装飾図柄の変動表示中の態様が、「3」−「↓」−「3」となり、リーチ状態が発生していることを示している。スーパーリーチB演出に発展した直後、このスーパーリーチB演出のタイトルの名称を報知するタイトル演出が表示される。このとき、画面の端に表示されたリーチ履歴情報に基づき、残念ながら、今回のスーパーリーチ演出が前回のスーパーリーチ演出と同一ではないことが遊技者に対して教示される。しかしながら、本例では、タイトルの表示色が通常態様の「白色」ではなく特殊態様の「虹色」で表示され、チャンスアップ演出CUBが発生したことになる。このチャンスアップ演出CUBの出現により、大当り当選が確定したことが遊技者に示唆される。このように、前回とは異なるスーパーリーチ演出に発展した場合であっても、大当り当選が確定的となる特別のチャンスアップ演出CUBを伴う場合もあるため、スーパーリーチ演出に対する遊技者の期待感を持続させることができる。
そして、図中(C−4)に示すように、スーパーリーチB演出が進行して、装飾図柄の変動終了時に、大当り図柄(「3」−「3」−「3」)が停止表示される。
一方、図中(D−1)に示すように、1回目の装飾図柄の変動表示の過程において、所定の段階でリーチに発展して、スーパーリーチA演出が開始される。このとき、タイトルの表示色は通常態様の「白色」であるため、チャンスアップ演出は実行されなかったことになる。
そして、図中(D−2)に示すように、スーパーリーチA演出が進行して、装飾図柄の変動終了時に、はずれ図柄(「1」−「3」−「1」)が停止表示される。なお、その後、複数回の装飾図柄の変動表示を経て、スーパーリーチ演出は発生しなかったものとする。
続いて、図中(D−3)に示すように、N回目(規定回数以下)の変動表示において、所定の段階でリーチに発展して、スーパーリーチA演出が開始される。このとき、タイトルの表示色が通常態様の「白色」で表示されており、残念ながら、チャンスアップ演出CUAが発生しなかったことになる。しかしながら、当該変動にて発生したリーチ演出は、前回発生したリーチ演出と同じであるため、他のスーパーリーチ演出を挟まずに同一のスーパーリーチ演出を連続発生させないという法則が崩れ、この時点で大当り当選が確定したことになる。
そして、図中(D−4)に示すように、スーパーリーチB演出が進行して、装飾図柄の変動終了時に、大当り図柄(「7」−「7」−「7」)が停止表示される。
このように、図中(C−1)〜(C−4)の過程では、本来のスーパーリーチB演出の大当り期待度が維持されるが、図中(D−1)〜(D−4)の過程では、法則崩れの発生によって、本来のリーチA演出の大当り期待度から特別の大当り期待度(大当り確定)に向上することになる。しかしながら、チャンスアップ演出CUBを伴うスーパーリーチB演出(CUBあり)は、その出現によって大当り当選が確定的となる演出であるため、本来のスーパーリーチB演出(CUBあり)の大当り期待度と、同一のスーパーリーチA演出が連続発生した場合の大当り期待度は同一である。すなわち、「或る図柄変動においてスーパーリーチA演出(CUなし)が発生してはずれとなった場合、その後の図柄変動において該変動回数が規定回数経過するまでの期間内では、他のスーパーリーチ演出を挟むことなく、チャンスアップ演出CUAを伴うスーパーリーチB演出(CUBあり)が発生する場合よりも、チャンスアップ演出を伴わないスーパーリーチA演出(CUなし)が発生した場合の方が大当り期待度は高くならない」という上記の対応関係(2)が成立することになる。換言すれば、「或る変動表示時にてスーパーリーチA演出(CUなし)が表示されたにもかかわらず特別遊技に移行せず、且つ当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN(N≧1)回分の変動表示にていずれのスーパーリーチ演出も表示されなかった場合、当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN+1回目の変動表示においては、スーパーリーチB演出(CUBあり)が表示される場合よりもスーパーリーチA演出(CUなし)が表示される場合の方が大当り期待度は高くない又は大当り期待度は同一である」という対応関係(2)が成立する。
(演出例3)
まず、図46を参照しながら、リーチ演出監視処理における演出例3について説明する。ここで、図中の(E−1)〜(E−4)では同一のリーチC演出が発生する過程を示し、図中の(F−1)〜(F−4)では同一のリーチA演出が発生する過程を示している。なお、図中の(F−1)〜(F−4)は、前述の図44の(B−1)〜(B−4)と同一の内容であるため、その説明を簡略化する。
それでは、時系列的に説明すると、まず、最先の作動保留球が消化されると、特別図柄の変動表示と略同期したかたちで、装飾図柄の変動表示が開始され、各図柄列において装飾図柄が表示画面上で上から下へスクロールするように巡回表示される。なお、今回の装飾図柄の変動表示を、便宜上、或る時点における1回目の変動表示とする。
図中(E−1)に示すように、1回目の変動表示の過程において、所定の段階でリーチに発展して、スーパーリーチC演出が開始される。なお、本例では、装飾図柄の変動表示中の態様が、「9」−「↓」−「9」となり、リーチ状態が発生していることを示している。このとき、スーパーリーチC演出に発展した直後、このスーパーリーチC演出のタイトルの名称を報知するタイトル演出が表示される。本例では、タイトルの表示色は通常態様の「白色」であるため、チャンスアップ演出は実行されなかったことになる。画面の端
には、リーチ履歴情報に基づき、前回のリーチ演出のタイトルの名称が表示されるため、遊技者は今回のリーチ演出が前回のリーチ演出が同一であるか否か(すなわち、法則崩れが発生したか否か)を容易に判断できる。
そして、図中(E−2)に示すように、スーパーリーチC演出が進行して、装飾図柄の変動終了時に、はずれ図柄(「9」−「8」−「9」)が停止表示される。この装飾図柄の停止表示時において、画面の端には、リーチ履歴情報として、前回のリーチ演出の名称(スーパーリーチB演出)が今回のリーチ演出の名称(スーパーリーチC演出)に更新される。なお、その後、複数回の装飾図柄の変動表示を経て、スーパーリーチ演出は発生しなかったものとする。なお、その後、複数回の装飾図柄の変動表示を経て、スーパーリーチ演出は発生しなかったものとする。
続いて、図中(E−3)に示すように、N回目(規定回数以下)の変動表示において、所定の段階でリーチに発展して、スーパーリーチC演出が開始される。本例では、装飾図柄の変動表示中の態様が、「3」−「↓」−「3」となり、リーチ状態が発生していることを示している。このとき、スーパーリーチC演出に発展した直後、このスーパーリーチC演出のタイトルの名称を報知するタイトル演出が表示される。本例では、タイトルの表示色が通常態様の「白色」で表示されており、チャンスアップ演出CUAが発生しなかったことになる。ここで、当該変動にて発生したスーパーリーチ演出は、前回発生したスーパーリーチ演出と同じであるため、他のスーパーリーチ演出を挟まずに、同一のスーパーリーチC演出が連続発生したことになる。しかしながら、スーパーリーチC演出は法則崩れの適用外であるため、残念ながら、スーパーリーチC演出が連続発生したとしても、大当り当選とはならず、本来の大当り期待度が維持される。
そして、図中(E−4)に示すように、スーパーリーチC演出が進行して、装飾図柄の変動終了時に、はずれ図柄(「3」−「2」−「3」)が停止表示される。このように、今回のスーパーリーチ演出が前回のスーパーリーチ演出と同一である場合であっても、当該スーパーリーチ演出がスーパーリーチC演出であるときは、本来のスーパーリーチ演出の大当り期待度のもとで遊技者は大当りの発生を期待することになる。
一方、図中(F−1)に示すように、1回目の装飾図柄の変動表示の過程において、所定の段階でリーチに発展して、スーパーリーチA演出が開始される。このとき、タイトルの表示色は通常態様の「白色」であるため、チャンスアップ演出は実行されなかったことになる。
そして、図中(F−2)に示すように、スーパーリーチA演出が進行して、装飾図柄の変動終了時に、はずれ図柄(「1」−「3」−「1」)が停止表示される。なお、その後、複数回の装飾図柄の変動表示を経て、スーパーリーチ演出は発生しなかったものとする。
続いて、図中(F−3)に示すように、N回目(規定回数以下)の変動表示において、所定の段階でリーチに発展して、スーパーリーチA演出が開始される。このとき、タイトルの表示色が通常態様の「白色」で表示されており、残念ながら、チャンスアップ演出CUAが発生しなかったことになる。しかしながら、当該変動にて発生したリーチ演出は、前回発生したリーチ演出と同じであるため、他のスーパーリーチ演出を挟まずに同一のスーパーリーチ演出を連続発生させないという法則が崩れ、この時点で大当り当選が確定したことになる。
そして、図中(F−4)に示すように、スーパーリーチA演出が進行して、装飾図柄の変動終了時に、大当り図柄(「7」−「7」−「7」)が停止表示される。
このように、図中(E−1)〜(E−4)の過程では、他のスーパーリーチ演出を挟まずに同一のスーパーリーチC演出が連続発生した場合であっても、本来のスーパーリーチC演出の大当り期待度が維持されるが、図中(F−1)〜(F−4)の過程では、他のスーパーリーチ演出を挟まずに同一のスーパーリーチA演出が連続発生した場合には、法則崩れの発生によって、本来のリーチA演出の大当り期待度から特別の大当り期待度(大当り確定)に向上することになる。すなわち、「或る図柄変動においてスーパーリーチC演出(CUなし)が発生してはずれとなった場合に、その後の図柄変動において該変動回数が規定回数経過するまでの期間内で、他のスーパーリーチ演出を挟むことなく、スーパーリーチC演出(CUなし)が発生する場合よりも、或る図柄変動においてスーパーリーチA演出(CUなし)が発生してはずれとなった場合に、その後の図柄変動において該変動回数が規定回数経過するまでの期間内で、他のスーパーリーチ演出を挟むことなく、スーパーリーチA演出(CUなし)が発生する場合の方が大当り期待度は高くなる」という上記の対応関係(3)が成立することになる。換言すれば、「或る変動表示時にてスーパーリーチC演出(CUなし)が表示されたにもかかわらず特別遊技に移行せず、且つ当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN(N≧1)回分の変動表示にていずれのスーパーリーチ演出も表示されなかった場合、当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN+1回目の変動表示において、スーパーリーチC演出(CUなし)が表示される場合よりも、或る変動表示時にてスーパーリーチA演出(CUなし)が表示されたにもかかわらず特別遊技に移行せず、且つ当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN(N≧1)回分の変動表示にていずれのスーパーリーチ演出も表示されなかった場合、当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN+1回目の変動表示において、スーパーリーチA演出(CUなし)が表示される場合の方が、大当り期待度は高くなる」という対応関係(3)が成立する。
以上、本実施形態によれば、同一のリーチ演出を連続発生させないという法則が崩れたとき、その法則崩れの発生から大当り当選(本来の大当り期待度から特別の大当り期待度に向上)に繋がるという遊技性に加えて、この法則崩れとの関係で、リーチ演出の過程で出現する各種のチャンスアップ要素や法則崩れの適用外となる遊技要素を付加することで、これらの要素の組み合わせからリーチ演出が発生したときの大当り期待度にバリエーションを持たせ、従来にない複雑且つ多様性のある遊技性を創出することができ、その結果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、本実施形態では、複数種のはずれ図柄を用意して、はずれ図柄「HA」又は「HD」が選択された場合は、当該はずれ図柄に係る図柄変動時の作動保留球数によって変動態様が相違し得る、且つ、変動時間が相対的に短時間(非リーチ、ノーマルリーチ)となるようにする一方で、はずれ図柄「HB」、「HC」、「HE」若しくは「HF」が選択された場合は、当該はずれ図柄に係る図柄変動時の作動保留球数によって変動態様が相違せず、且つ、変動時間が相対的に長時間(スーパーリーチ)となるように構成することで、選択されたはずれ図柄の種類に応じて変動態様の選択傾向を相違させることができるとともに、図柄事前判定情報によって先読み抽選の実行可否を判定することができ、データ容量の削減を図ることが可能になる。
さらに、本実施形態では、はずれ図柄「HB」又は「HE」である場合は、特定のスーパーリーチ演出(スーパーリーチA演出、スーパーリーチB演出)が選択されるように構成されているため、当該はずれ図柄「HB」又は「HE」に対する事前判定番号のみに基づき、先読み予告演出として、同一のスーパーリーチ演出が連続発生するか否か、すなわち、法則崩れ演出の発生の有無を予告的に報知又は示唆することができるため、先読み予告演出と法則崩れ演出との相乗効果によって演出効果をより一層高めることが可能になる。ここで、本例では、先読み予告に関しては、通常状態における第1特別図柄側の事前判
定情報であれば、はずれ図柄「HB」又は「HC」を先読み対象(トリガ保留の対象)とし、確変状態における第2特別図柄の事前判定情報であれば、はずれ図柄「HE」又は「HF」を先読み対象(トリガ保留の対象)としている。このとき、トリガ保留に到達するまでの1以上の図柄変動(先行変動)にて先読み予告演出(トリガ保留の変動結果を示唆する演出)を行う場合、その全ての先行変動におけるはずれ図柄が、第1特別図柄側であれば「HA」、第2特別図柄側であれば「HD」であることを条件として(全ての先行変動が時間尺が相対的に短い変動であることを条件として)、先読み予告演出が可能となっている。
なお、本実施形態では、特定のリーチ演出として、スーパーリーチ演出のみを適用したが、この構成に限定されるものではなく、ノーマルリーチ演出を含めてもよい。また、特定のリーチ演出として、2種類のスーパーリーチ演出(スーパーリーチA演出、スーパーリーチB演出)のみでなく、他のスーパーリーチ演出を含めてもよい。さらに、本実施形態では、特定のリーチ演出に属しないリーチ演出として、該特定のリーチ演出(スーパーリーチA演出、スーパーリーチB演出)よりも大当り期待度が相対的に高いスーパーリーチC演出のみを適用したが、この構成に限定されるものではなく、特定のリーチ演出(スーパーリーチA演出、スーパーリーチB演出)よりも大当り期待度が相対的に低いスーパーリーチ演出を含めてもよい。
また、本実施形態では、変動演出パターンの選択時に、前回のスーパーリーチ演出と同一のスーパーリーチ演出が選択された場合、当否判定の結果が大当りのときには、100%の割合で同一のスーパーリーチ演出を法則崩れとして発生させたが、この構成に限定されず、所定確率の抽選にて当選した場合にのみ、同一のスーパーリーチ演出を法則崩れとして発生させるものでもよい。
また、本実施形態では、1種類のチャンスアップ演出のみを用意したが、これに限定されるものではなく、演出内容および出現タイミングの異なる複数種のチャンスアップ演出を用意してもよい。すなわち、本実施形態では、チャンスアップ演出として、スーパーリーチ演出に発展した直後に表示されるタイトル演出を適用した場合を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、スーパーリーチ演出の前半部分と後半部分との分岐演出直前において、画面に表示された「ボタンを押せ!」との指示に従って、演出ボタン15を操作したときに表示されるカットイン演出などを適用してもよい。カットイン演出とは、例えば、リーチ演出に登場するキャラクタの画像(カットイン画像)を差し込み表示させ、該カットイン画像の表示態様に応じて大当り期待度の高さを示唆又は報知するものである。具体的には、カットイン画像の表示態様が通常態様から特殊態様に変化した場合にチャンスアップ演出となり得る一方で、その表示態様が通常態様である場合はチャンスアップ演出へと発展しない。カットイン画像の表示態様としては、上記のタイトル演出の場合と同様に、カットイン画像の表示色の他、カットイン画像のサイズ、種類、個数などが例示される。表示色を採用した場合は、例えば、通常態様の表示色として「白」、特殊態様の表示色として「青」、「緑」、「赤」、「金」、「キリン柄」、「虹色」などを採用することができる(虹色の場合のみ大当り確定)。また、複数種のチャンスアップ演出の相互間の関係で、例えば、一の図柄変動表示の過程で、タイトル画像とカットイン画像の両方が特定の表示態様(例えば、キリン柄)となった場合には、その時点で大当り当選が確定的となるように構成してもよい。無論、タイトル演出やカットイン演出以外の他の演出をチャンスアップ演出として適用してもよい。例えば、リーチ演出に登場するキャラクタの種類や人数などによって、チャンスアップ演出として大当り期待度の高さを示唆又は報知するようにしてもよい。
また、本実施形態では、装飾図柄の識別要素として「1」〜「9」の数字を用いているが、或る図柄変動においてスーパーリーチ演出ではずれとなった場合には、以降の図柄変
動において、装飾図柄の当該識別要素(数字)に前回のスーパーリーチ演出に関連した識別要素を付加することで、今回のスーパーリーチ演出が前回のスーパーリーチ演出と同一であるか否かを、この付加要素から直観的に教示し得るように構成してもよい。すなわち、数字の識別要素と当該付加要素との結合又は組合せにより装飾図柄を形成するものである。具体的には、その付加要素から遊技者が前回のスーパーリーチ演出の種類を連想することができるものであればよく、例えば、「A」という付加要素からキャラクタAを連想することで、リーチ演出としてキャラクタAが登場するスーパーリーチA演出(ストーリー系リーチA)を想起させるものであればよい。なお、付加要素としては、スーパーリーチ演出の種類(内容)を連想させるものであれば、その形態については特に限定されず、例えば、文字、数字、記号、色彩若しくはキャラクタ又はこれらの結合などによって構成されるものであればよい。
[第1実施形態−第1変形例]
次に、第1実施形態の第1変形例に係る遊技機について説明する。この第1変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
(発展型スーパーリーチ演出)
本変形例では、リーチ演出として、スーパーリーチA演出、スーパーリーチB演出、スーパーリーチC演出の他に、一のスーパーリーチ演出を開始した後に、所定の実行タイミングで他のスーパーリーチ演出に発展する発展型スーパーリーチ演出を含む。具体的には、スーパーリーチA演出からスーパーリーチC演出に発展する発展型スーパーリーチA演出と、スーパーリーチB演出からスーパーリーチC演出に発展する発展型スーパーリーチB演出とが用意されている。
スーパーリーチA演出からスーパーリーチC演出に発展するタイミングとしては、1)スーパーリーチA演出の前半部分を終了した後、2)スーパーリーチA演出の全てを終了した後、3)スーパーリーチA演出に組み込まれた所定の演出を終了した後、などが例示される。上記の「所定の演出」としては、例えば、スーパーリーチA演出の途中に分岐演出を設けて、通常のスーパーリーチA演出であれば、この分岐演出の終了後にスーパーリーチA演出の残余部分へ移行し、発展型スーパーリーチA演出であれば、この分岐演出の終了後にスーパーリーチC演出に移行するようにしてもよい。なお、スーパーリーチB演出についても同様であるため、重複説明を省略する。
ここで、大当り期待度に関して言えば、通常のスーパーリーチA演出よりも発展型スーパーリーチA演出の方が大当り期待度は高く、通常のスーパーリーチB演出よりも発展型スーパーリーチB演出の方が大当り期待度は高くなるように設定されている。つまり、スーパーリーチ演出における大当り期待度は、他のスーパーリーチ演出に発展しない場合よりも、発展した場合の方が高くなるように設定されている。そのため、大当り期待度が相対的に低いスーパーリーチ演出であっても、他のスーパーリーチ演出に発展すれば大当り期待度が向上するため、遊技者は大当り発生に対する期待感を持続させることができる。一方、大当り期待度が相対的に高いスーパーリーチC演出は、スーパーリーチA演出およびスーパーリーチB演出とは異なり、他のスーパーリーチ演出に発展することがないため、常に本来の大当り期待度が維持されることになる。このような条件の下で、本変形例では、リーチ演出における大当り期待度は、スーパーリーチA演出<スーパーリーチB演出<発展型スーパーリーチA演出<発展型スーパーリーチB演出<スーパーリーチC演出、の順に高くなるものとする。
続いて、本変形例におけるリーチ演出監視処理について説明する。前述のように、本変
形例では、スーパーリーチA演出又はスーパーリーチB演出からスーパーリーチC演出へ発展する発展型スーパーリーチ演出が用意されているが、発展型スーパーリーチA演出はスーパーリーチA演出の演出内容(全体又は一部)を包含し、発展型スーパーリーチB演出はスーパーリーチB演出の演出内容(全体又は一部)を包含している。そのため、スーパーリーチA演出と発展型スーパーリーチA演出とが他のスーパーリーチ演出を挟まずに連続した場合、又は、スーパーリーチB演出と発展型スーパーリーチB演出とが他のスーパーリーチ演出を挟まずに連続した場合においても、同一のスーパーリーチ演出が連続発生したものとして取り扱われる。従って、本変形例におけるリーチ演出監視処理の下では、スーパーリーチA演出と発展型スーパーリーチA演出との関係、および、スーパーリーチB演出と発展型スーパーリーチB演出との関係でも、同一のスーパーリーチ演出として取り扱われ、その連続発生が禁止される。これにより、スーパーリーチA演出と発展型スーパーリーチA演出とが連続発生した場合でも、法則崩れ演出として大当り当選が確定的になるとともに、スーパーリーチB演出と発展型スーパーリーチB演出とが連続発生した場合でも、法則崩れ演出として大当り当選が確定的となる。なお、発展型スーパーリーチ演出との関係でも、第1実施形態と同様に、法則崩れ演出が発生するときは、特殊演出(前回と同一のスーパーリーチ演出が発生したことを遊技者に連想させるような演出画像)が発生する。
一方、いずれの発展型スーパーリーチ演出においてもスーパーリーチC演出との関係では、同一のスーパーリーチ演出としての関係性を構築せず、また、たとえ発展型スーパーリーチ演出とスーパーリーチC演出とが他のスーパーリーチ演出を挟まずに連続発生したとしても法則崩れ演出(大当り確定演出)とはなり得ない。逆に、スーパーリーチC演出と発展型スーパーリーチC演出とが他のスーパーリーチ演出を挟まずに連続発生したとしても法則崩れ演出とはならない。これは前述の第1実施形態において、リーチC演出の連続発生は許容されることとの整合性を取るためと、発展型スーパーリーチ演出との関係では、当該発展型スーパーリーチ演出に包含されるスーパーリーチA演出とスーパーリーチC演出とのどちらの部分が連続発生しているものなのか、遊技者に疑義を生じさせるおそれがあるからである。
[第1実施形態−第2変形例]
次に、第1実施形態の第2変形例に係る遊技機について説明する。この第1変形例に係る遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
前述の第1実施形態では、前回のスーパーリーチ演出と今回のスーパーリーチ演出との間に大当りを挟んでいる場合は、当該スーパーリーチ演出が互いに同一であったとしても、法則崩れの適用外となっていたが、本変形例では、当該大当りが複数種の大当り種別のうち一部の大当り種別に属するものである場合には、当該大当りを挟んだ場合であっても法則崩れを適用させるよう構成する。
すなわち、本変形例では、複数種の大当り種別のうち、16R確変大当り又は8R確変大当りである場合は、原則通り、当該大当りの発生後、リーチ監視カウンタおよびリーチ履歴情報をクリアする一方で、2R確変大当り(潜伏確変大当り)又は小当りである場合には、当該大当りの前後に跨って、リーチ監視カウンタおよびリーチ履歴情報を維持する。
遊技状態が通常状態であるときに潜伏確変大当り又は小当りとなった場合は、その特別遊技又は小当り遊技の終了後、通常状態のときと同一又は類似の変動パターンテーブルが参照されるため(演出の傾向が共通するため)、当該大当り又は小当りの前後で同一のス
ーパーリーチ演出が発生する可能性もあり、当該大当り又は小当りの前後に跨って、リーチ監視処理を継続しても違和感は生じないからである。また、潜伏確変大当り又は小当りである場合は、その特別遊技又は小当り遊技における演出時間が相対的に短いため、大当り又は小当りの前後に跨って、原則的には同一のスーパーリーチ演出の連続発生を禁止する方が、リーチ監視処理の趣旨に合致するとともに、遊技演出の流れを阻害しないからである。
なお、本例では、図7等に示すように、2R確変大当り又は小当りである場合は、ノーマルリーチ演出のみが発生するため、前回のスーパーリーチ演出と今回のスーパーリーチ演出との間で、2R確変大当り又は小当りが発生したとしても、他のスーパーリーチ演出を挟むことにはならない。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る遊技機について説明する。第2実施形態の遊技機は、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第1実施形態の遊技機(ST機)では、特別遊技終了後の遊技状態が確変状態に移行したとき、すなわち、所定回数限定のST期間に移行したときは、このST期間の全期間を通じて、変動パターン選択状態が高確率短縮変動状態βであったが、第2実施形態の遊技機(ST機)では、ST期間中の変動パターン選択状態を、高確率短縮変動状態β1、高確率短縮変動状態β2、高確率短縮変動状態β3から構成し、特別図柄の変動回数に基づいて、変動パターン選択状態を複数段階で順番に切り替えられるよう構成されている。このST期間内において、高確率短縮変動状態β1は特別図柄の変動回数が1〜40回(第1ST期間)の場合に設定され、高確率短縮変動状態β2は特別図柄の変動回数が41〜80回(第2ST期間)の場合に設定され、高確率短縮変動状態β3は特別図柄の変動回数が81〜84回(第3ST期間)の場合に設定される。なお、本例では、ST期間内での特別図柄の変動回数は、サブメイン情報記憶手段260のST回数カウンタに基づきカウントされるものとする。
ST期間中に参照される短縮変動パターンテーブル(特別図柄の変動パターンテーブル)は、限定頻度テーブル1と、限定頻度テーブル2と、限定頻度テーブル3とから構成される。具体的には、変動パターン選択状態が高確率短縮変動状態β1のときは限定頻度テーブル1が参照され、高各地る短縮変動状態β2のときは限定頻度テーブル2が参照され、高確率短縮変動状態γのときは限定頻度テーブル3が参照される。すなわち、限定頻度テーブル1は、ST回数カウンタのカウント値が第1段階範囲(1〜40回)のときに参照され、限定頻度テーブル2は該カウント値が第2段階範囲(41〜80回)のときに参照され、限定頻度テーブル3は該カウント値が第3段階範囲(81〜84回)のときに参照される。つまり、特別遊技の終了後に確変状態(潜伏確変状態を除く)に移行した場合は、参照先の変動パターンテーブルは、特別図柄の変動回数(ST回数カウンタ)に基づいて、「限定頻度テーブル1→限定頻度テーブル2→限定頻度テーブル3」の順に切り替えられる。なお、本例では、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで各限定頻度テーブルを共通のテーブルとして構成しているが、第1特別図柄側と第2特別図柄側とで個別のテーブルとして構成してもよい。
(限定頻度テーブル1)
図47は、限定頻度テーブル1を模式的に示す図であり、(A)は大当り・小当りのときに参照され、(B)ははずれのときに参照される。
当り用の限定頻度テーブル1では、大当り図柄の種類に依存せず、1秒、3秒、5秒と
いう極短時間の変動パターンPX11(非リーチ1),PX12(非リーチ2)、PX13(非リーチ3)が選択される。
はずれ用の限定頻度テーブル1では、第1特別図柄用と第2特別図柄用とで個別のテーブル構成となっている。第1特別図柄用では、はずれ図柄の種類および第1特別図柄の作動保留球数に依存せず、変動パターンPH13(非リーチ3)が選択される。一方、第2特別図柄用では、はずれ図柄の種類に応じて各種の変動パターンが割り当てられている。具体的には、はずれ図柄「HD」である場合は、第2特別図柄の作動保留球数に応じて変動パターンPH11(非リーチ1)又はPH13(非リーチ3)が選択され、はずれ図柄「HE」又は「HF」である場合は、作動保留球数に依存せず変動パターンPH11(非リーチ1)又はPH12(非リーチ2)が選択される。
(限定頻度テーブル2)
図48は、限定頻度テーブル2を模式的に示す図であり、(A)は大当り・小当りのときに参照され、(B)ははずれのときに参照される。
当り用の限定頻度テーブル2では、大当り図柄および小当り図柄の種類に応じて各種の変動パターンが割り当てられている。具体的には、大当り図柄「A」又は「B」(16R大当り又は8R大当り)である場合、変動パターンPX15(ノーマルリーチ1)、変動パターンPX16(スーパーリーチ1)、変動パターンPX17(スーパーリーチ2)のいずれかが選択される。また、大当り図柄「C」又は小当り図柄「K」(2R大当り又は小当り)である場合は、変動パターンPX15(ノーマルリーチ1)のみが選択される。
はずれ用の限定頻度テーブル2では、第1特別図柄用と第2特別図柄用とで個別のテーブル構成となっている。第1特別図柄用では、はずれ図柄の種類および第1特別図柄の作動保留球数に依存せず、各種の変動パターンが選択される。一方、第2特別図柄用では、はずれ図柄の種類に応じて各種の変動パターンが割り当てられている。具体的には、はずれ図柄「HD」である場合は、変動パターンPH13(非リーチ3)、変動パターンPH14(非リーチ4)、変動パターンPH15(ノーマルリーチ1)のいずれかが選択される。また、はずれ図柄「HE」である場合は、変動パターンPH16(スーパーリーチ1)が選択される。また、はずれ図柄「HF」である場合は、変動パターンPH17(スーパーリーチ2)が選択される。なお、はずれ図柄「HD」である場合は、第2特別図柄の作動保留球数に応じて参照先のテーブル内容が切り替わる。
(限定頻度テーブル3)
図49は、限定頻度テーブル3を模式的に示す図であり、(A)は大当り・小当りのときに参照され、(B)ははずれのときに参照される。
当り用の限定頻度テーブル3では、大当り図柄の種類に依存せず、40秒という相対的に長時間の変動パターンPX8(スーパーリーチ3)のみが選択される。
はずれ用の限定頻度テーブル3では、はずれ図柄の種類に依存せず、大当りの場合と同様に、40秒という相対的に長時間の変動パターンPH8(スーパーリーチ3)のみが選択される。
このように、限定頻度テーブル1では、相対的に短時間(1秒、3秒、5秒)に定まった固定的な変動時間(不変的な変動時間)のみが選択され得るのに対し、限定頻度テーブル3では、相対的に長時間(40秒)に定まった固定的な変動時間(不変的な変動時間)のみが選択され得るよう構成される一方で、限定頻度テーブル2では、相対的に短時間〜長時間(5秒〜120秒)までの変化に富む変動時間が選択され得るように構成されてい
る。なお、上記の固定的な変動時間という意には、変動パターンが固定的という意味でもあり、また、作動保留球数に依存してテーブルの内容が切り替わらないので固定的という意味もある(第1特別図柄および第2特別図柄のいずれであっても、作動保留球数が0〜3個のいずれであっても、変動パターンの選択対象が一義的である)。この場合、限定頻度テーブル3において、変動パターンを単一(1パターン)とする必要はなく、例えば、他の変動パターンPX19(スーパーリーチ4)、変動時間60秒といったものを候補に追加してもよい。また、第1特別図柄用では、はずれ図柄の種類および作動保留球数に依存せずに変動パターンが選択されるのに対して、第2特別図柄では、はずれ図柄の種類および作動保留球数に応じて変動パターンが選択され得る。また、第2特別図柄用では、はずれ図柄「HD」である場合は、相対的に短時間の変動パターン(大当り期待度が比較的に低い変動パターン)が選択され易くなっている。一方、はずれ図柄「HE」、「HF」である場合は、相対的に長時間の変動パターン(大当り期待度が比較的に高い変動パターン)が選択され易くなっている。また、第2特別図柄用では、限定頻度テーブル3を参照する場合には、作動保留球数に関わらず変動パターン(変動時間)が決定され、限限定頻度テーブル1又は2を参照する場合には、作動保留球数に応じて変動パターン(変動時間)が決定されるようになっている。
このように構成することで、遊技状態が確変状態となるST期間中では、参照先の変動パターンテーブルを、限定頻度テーブル1→限定頻度テーブル2→限定頻度テーブル3に切り替えることで、図柄の変動時間が相対的に変化するため、大当りに当選するまでの時間に変化が生じ、遊技者の倦怠感を軽減することができる。ここで、限定頻度テーブル2と限定頻度テーブル3に着目すると、それぞれのテーブルの性質の差異として、以下のことが挙げられる。1)第一保留数(保留数0〜1)におけるはずれ変動表示期間の平均値と、第二保留数(保留数2〜3)におけるはずれ変動表示期間の平均値との差分について、限定頻度テーブル2の場合は所定期間分の差分があるが、限定頻度テーブル3の場合は所定期間分の差分がない。2)限定頻度テーブル3における作動保留数が多い場合での最頻はずれ変動表示期間は、限定頻度テーブル2における作動保留数が多い場合での最頻はずれ変動表示期間よりも長い。
続いて、第2実施形態における変動演出パターン(スーパーリーチ演出)について説明する。図50は、第2実施形態における変動演出パターンテーブルの一例を模式的に示す図である。ここでは、説明の便宜上、スーパーリーチ種別の変動演出パターンテーブルのみを示し、非リーチ種別およびノーマルリーチ種別の変動演出テーブルについては省略する。このスーパーリーチ用の変動演出パターンは、スーパーリーチ演出の内容とチャンスアップ演出の内容とを特定するものとなっている。変動演出パターンテーブルでは、大当りの変動パターンとはずれの変動パターンに対して、複数種のスーパーリーチ演出のうちのいずれかを選択可能なように乱数の値が割り振られている。具体的には、スーパーリーチ1を特定する変動パターンPX16対しては「スーパーリーチP演出」と「スーパーリーチQ演出」とが対応付けられ、スーパーリーチ2を特定する変動パターンPX17に対しては「スーパーリーチR演出」が対応付けられ、スーパーリーチ3を特定する変動パターンPX18に対しては「スーパーリーチS演出」が対応付けられている。なお、各図中では、説明の便宜上、「選択率」を表記しているが、実際には変動演出パターン乱数値に応じて、変動演出パターンを決定するための判定値(乱数値の範囲)が設定されており、変動演出パターン乱数値がいずれの判定値に属するかに基づき、変動パターンが決定されるようになっている。
スーパーリーチP演出は、キャラクタPに因んだストーリーが展開されるストーリー系リーチ演出である。スーパーリーチQ演出は、キャラクタQに因んだストーリーが展開されるストーリー系リーチ演出である。スーパーリーチP演出とスーパーリーチQ演出は、互いに演出内容が異なるものの、リーチ発展後の演出尺として同一時間値(60秒)が設
定されている。スーパーリーチR演出は、実写系リーチ演出であり、スーパーリーチP演出およびスーパーリーチQ演出とは異なる演出内容であるとともに、リーチ発展後の演出尺として相対的に長い時間値(90秒)が設定されている。
スーパーリーチS演出は、味方キャラクタPが敵キャラSと対決するバトル系リーチ演出である。スーパーリーチT演出は、味方キャラクタPが敵キャラTと対決するバトル系リーチ演出である。スーパーリーチS演出とスーパーリーチT演出は、互いに演出内容が異なるものの、リーチ発展後の演出尺として同一時間値(20秒)が設定されている。なお、限定頻度テーブル3にて選択される変動パターンの変形例として、スーパーリーチ3(スーパーリーチS演出、スーパーリーチT演出)ではなく、例えば、図柄変動をボタンで停止させるようなミッション演出を指定する変動パターンとして構成してもよい。上記のミッション演出とは、具体的には、三列の装飾図柄が変動中(「↓」−「↓」−「↓」)に、画面上に「ボタンを押して図柄を止めろ」という文字が表示されたことに基づき、ボタンを押すことで、三列の装飾図柄の全てをほぼ同一のタイミングで停止させる演出であることが好ましい。
続いて、第2実施形態におけるリーチ演出監視処理について説明する。第2実施形態におけるリーチ演出監視処理は、第1実施形態におけるリーチ演出監視処理と基本的には同じであるが、本例では、ST期間の各段階ごとに出現するスーパーリーチ演出の内容が相互に異なるため、監視対象のスーパーリーチ演出もST期間の各段階ごとに相違している。「特定のスーパーリーチ演出」とは、第2ST期間では、スーパーリーチP演出とスーパーリーチQ演出とが該当し、第3ST期間では、スーパーリーチS演出とスーパーリーチT演出とが該当する。そのため、第2実施形態では、第2ST期間では、スーパーリーチP演出の連続発生とスーパーリーチQ演出の連続発生とが禁止され、第3ST期間では、スーパーリーチS演出の連続発生とスーパーリーチT演出の連続発生とが禁止される。なお、第1ST期間では、スーパーリーチ演出が用意されていないため、リーチ演出監視処理の対象外となる。
他方、「他のスーパーリーチ演出を介在させることなく、同一のスーパーリーチ演出(特定のスーパーリーチ演出)を再度発生させない」という法則が崩れた場合、すなわち、いわゆる法則崩れが発生した場合は大当り当選が確定的となる。本例では、法則崩れ演出として、第2ST期間では、スーパーリーチP演出の連続発生又はスーパーリーチQ演出の連続発生が現出した場合に、大当り当選が確定的となる。一方、第3ST期間では、スーパーリーチS演出の連続発生又はスーパーリーチT演出の連続発生が現出した場合に、大当り当選が確定的となる。
ここで、第2実施形態においても、リーチ監視処理における法則崩れが発生した場合の関係(1)〜(3)が成立する。すなわち、第2ST期間では、「リーチP」を「リーチA」に読み替え、「リーチQ」を「リーチB」に読み替え、「リーチR」を「リーチC」に読み替えることで、上記関係(1)〜(3)が成立する。一方、第3ST期間では、「リーチS」を「リーチA」に読み替え、「リーチT」を「リーチB」に読み替えることで、上記関係(1)〜(2)が成立する。なお、第1ST期間では、前述したように、リーチ演出が選択されることはないため、リーチ演出に関する法則崩れは発生しない。
以上、第2実施形態によれば、同一のリーチ演出を連続発生させないという法則が崩れたとき、その法則崩れの発生から大当り当選(本来の大当り期待度から特別の大当り期待度に向上)に繋がるという遊技性に加えて、この法則崩れとの関係で、リーチ演出の過程で出現する各種のチャンスアップ要素や法則崩れの適用外となる遊技要素を付加することで、これらの要素の組み合わせからリーチ演出が発生したときの大当り期待度にバリエーションを持たせ、従来にない複雑且つ多様性のある遊技性を創出することができ、その結
果、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
また、第2実施形態では、複数種のはずれ図柄を用意して、はずれ図柄「HA」又は「HD」が選択された場合は、当該はずれ図柄に係る図柄変動時の作動保留球数によって変動態様が相違し得る、且つ、変動時間が相対的に短時間(非リーチ、ノーマルリーチ)となるようにする一方で、はずれ図柄「HB」、「HC」、「HE」若しくは「HF」が選択された場合は、当該はずれ図柄に係る図柄変動時の作動保留球数によって変動態様が相違せず、且つ、変動時間が相対的に長時間(スーパーリーチ)となるように構成することで、選択されたはずれ図柄の種類に応じて変動態様の選択傾向を相違させることができるとともに、図柄事前判定情報によって先読み抽選の実行可否を判定することができ、データ容量の削減を図ることが可能になる。
さらに、第2実施形態では、遊技状態が確変状態となるST期間を三段階(第1ST期間、第2ST期間、第3ST期間)に区分けして、各段階において参照先の変動パターンテーブルを、限定頻度テーブル1→限定頻度テーブル2→限定頻度テーブル3に切り替えることで、図柄の変動時間が相対的に変化するため、大当りに当選するまでの時間に変化が生じ、遊技者の倦怠感を軽減することができる。
なお、本発明は、上記実施形態および変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜改良可能である。また、上記実施形態および変形例に記載された各構成要素を適宜組み合わせたもの、あるいは、上記実施形態および変形例に記載された各構成要素のうち一部を削除又は周知・慣用技術等で転換したものについても、本発明の範囲に含まれるものである。
なお、本発明の技術的意義をより明瞭に把握し易くするために、以上説明した本実施形態に基づき、本発明を例示する態様の構成要件を挙げる。但し、以下に列記する構成要件はあくまで一例であり、これら列記した構成要件の結合や分離(上位概念化)は勿論のこと、以上の実施形態において示した更なる構成要件を、これら構成要件に付加してもよい。
本発明(1−1)を例示する態様のぱちんこ遊技機は、
遊技領域が形成された遊技盤と、
遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な始動口と、
始動口への遊技球の入球を契機として乱数値を取得する乱数取得手段と、
乱数値に基づき当否判定を実行する当否判定手段と、
当否判定の結果を示す特別図柄の停止表示態様を決定する特別図柄決定手段と、
特別図柄が変動表示および停止表示される特別図柄表示装置と、
当否判定の結果に応じて、特別図柄表示装置における特別図柄の変動時間を決定する変動時間決定手段と、
当否判定の結果が当選である場合、遊技者にとって有利な特別遊技へ移行し得る特別遊技実行手段と、
当否判定の結果を示すための演出を表示可能な演出表示装置と、
演出表示装置に表示させる演出の表示過程が定められた複数種の演出パターンを保持する演出パターン記憶手段と、
複数種の演出パターンの中からいずれかの演出パターンを選択する演出パターン決定手段と、
演出パターン決定手段により選択された演出パターンに応じた演出を演出表示装置に表示させる演出表示制御手段とを備え、
演出パターン決定手段は、演出パターンとして、特別遊技移行期待度が相対的に高い演出である高期待度演出の表示過程を定めた複数種の高期待度演出パターンを有し、
複数種の高期待度演出として、第1高期待度演出と、第2高期待度演出とを含み、
第1高期待度演出には、特別遊技移行期待度に応じて、互いに演出表示態様の少なくとも一部が異なる第1高期待度演出Aと第1高期待度演出Bとがあり、第1高期待度演出Bは第1高期待度演出Aよりも特別遊技移行期待度が高く、
第2高期待度演出には、特別遊技移行期待度に応じて、互いに演出表示態様の少なくとも一部が異なる第2高期待度演出Aと第2高期待度演出Bとがあり、第2高期待度演出Bは第2高期待度演出Aよりも特別遊技移行期待度が高く、
第2高期待度演出Bが表示される場合よりも第1高期待度演出Aが表示される場合の方が特別遊技移行期待度は相対的に低くなるよう設定されている一方で、
或る変動表示時にて第1高期待度演出Aが表示されたにもかかわらず特別遊技に移行せず、且つ当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN(N≧1)回分の変動表示にていずれの高期待度演出も表示されなかった場合、当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN+1回目の変動表示においては、第2高期待度演出Bが表示される場合よりも第1高期待度演出Aが表示される場合の方が特別遊技移行期待度は高くなるよう構成されていることを特徴とする、ぱちんこ遊技機である。
本発明(1−2)を例示する態様のぱちんこ遊技機は、
遊技領域が形成された遊技盤と、
遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な始動口と、
始動口への遊技球の入球を契機として乱数値を取得する乱数取得手段と、
乱数値に基づき当否判定を実行する当否判定手段と、
当否判定の結果を示す特別図柄の停止表示態様を決定する特別図柄決定手段と、
特別図柄が変動表示および停止表示される特別図柄表示装置と、
当否判定の結果に応じて、特別図柄表示装置における特別図柄の変動時間を決定する変動時間決定手段と、
当否判定の結果が当選である場合、遊技者にとって有利な特別遊技へ移行し得る特別遊技実行手段と、
当否判定の結果を演出的に示す複数の装飾図柄が変動表示および停止表示される演出表示装置と、
当否判定の結果が当選である場合は当選態様の装飾図柄組合せである当選態様図柄組合せを停止図柄として決定する一方、当否判定の結果が非当選である場合には非当選態様の装飾図柄組合せである非当選態様図柄組合せを停止図柄として決定する装飾図柄決定手段と、
演出表示装置に装飾図柄を変動表示させる変動演出の表示過程が定められ複数種の演出パターンを保持する演出パターン記憶手段と、
変動時間決定手段により決定された変動時間に基づいて、複数種の演出パターンの中からいずれかの演出パターンを選択する演出パターン決定手段と、
演出パターン決定手段により選択された演出パターンに従った演出を演出表示装置に表示させる演出表示制御手段とを備え、
演出パターン決定手段は、演出パターンとして、あと一つ図柄が揃えば当選態様図柄組み合わせとなり得るリーチ状態を経由する複数種のリーチ演出の表示過程を定めた複数種のリーチ演出パターンを有し、
複数種のリーチ演出として、第1リーチ演出と、第2リーチ演出とを含み、
各リーチ演出は、特別遊技移行期待度が相対的に高いことを示唆又は報知する特定演出を伴う場合があり、
特定演出を伴う第1リーチ演出が実行されるよりも特定演出を伴わない第1リーチ演出が実行される場合の方が特別遊技移行期待度は低く設定されるとともに、特定演出を伴う第2リーチ演出が実行される場合よりも特定演出を伴わない第1リーチ演出が実行される場合の方が特別遊技移行期待度は低く設定される一方で、
特定演出を伴わない第1リーチ演出が実行されて非当選態様図柄組合せが停止表示され
た場合は、当該非当選態様図柄組合せの停止表示の後、装飾図柄の変動表示回数が所定回数経過する前において、第1リーチ演出以外の他のリーチ演出が未だ実行されていない状況下では、特定演出を伴う第2リーチ演出が実行される場合よりも特定演出を伴わない第1リーチ演出が実行される場合の方が特別遊技移行期待度は高く設定されていることを特徴とする、ぱちんこ遊技機である。
本発明(2−1)を例示する態様のぱちんこ遊技機は、
遊技領域が形成された遊技盤と、
遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な始動口と、
始動口への遊技球の入球を契機として乱数値を取得する乱数取得手段と、
乱数値に基づき当否判定を実行する当否判定手段と、
当否判定の結果を示す特別図柄の停止表示態様を決定する特別図柄決定手段と、
特別図柄が変動表示および停止表示される特別図柄表示装置と、
当否判定の結果に応じて、特別図柄表示装置における特別図柄の変動時間を決定する変動時間決定手段と、
当否判定の結果が当選である場合、遊技者にとって有利な特別遊技へ移行し得る特別遊技実行手段と、
当否判定の結果を示すための演出を表示可能な演出表示装置と、
演出表示装置に表示させる演出の表示過程が定められた複数種の演出パターンを保持する演出パターン記憶手段と、
複数種の演出パターンの中からいずれかの演出パターンを選択する演出パターン決定手段と、
演出パターン決定手段により選択された演出パターンに応じた演出を演出表示装置に表示させる演出表示制御手段とを備え、
演出パターン決定手段は、演出パターンとして、特別遊技移行期待度が相対的に高い演出である高期待度演出の表示過程を定めた複数種の高期待度演出パターンを有し、
複数種の高期待度演出として、第1高期待度演出と、第2高期待度演出と、第3高期待度演出とを含み、
第1高期待度演出には、特別遊技移行期待度に応じて、互いに演出表示態様の少なくとも一部が異なる第1高期待度演出Aと第1高期待度演出Bとがあり、第1高期待度演出Bは第1高期待度演出Aよりも特別遊技移行期待度が高く、
第2高期待度演出には、特別遊技移行期待度に応じて、互いに演出表示態様の少なくとも一部が異なる第2高期待度演出Aと第2高期待度演出Bとがあり、第2高期待度演出Bは第2高期待度演出Aよりも特別遊技移行期待度が高く、
第3高期待度演出には、特別遊技移行期待度に応じて、互いに演出表示態様の少なくとも一部が異なる第3高期待度演出Aと第3高期待度演出Bとがあり、第3高期待度演出Bは第3高期待度演出Aよりも特別遊技移行期待度が高くなり、
第2高期待度演出Bが表示される場合よりも第1高期待度演出Aが表示される場合の方が特別遊技移行期待度は相対的に低くなるよう設定されている一方で、
或る変動表示時にて第1高期待度演出Aが表示されたにもかかわらず特別遊技に移行せず、且つ当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN(N≧1)回分の変動表示にていずれの高期待度演出も表示されなかった場合、当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN+1回目の変動表示においては、第2高期待度演出Bが表示される場合よりも第1高期待度演出Aが表示される場合の方が特別遊技移行期待度は高くなり、
第3高期待度演出Aが表示される場合よりも第1高期待度演出Aが表示される場合の方が特別遊技移行期待度は相対的に低くなるよう設定されている一方で、
或る変動表示時にて第3高期待度演出Aが表示されたにもかかわらず特別遊技に移行せず、且つ当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN(N≧1)回分の変動表示にていずれの高期待度演出も表示されなかった場合、当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN+1回目の変動表示において、第3高期待度演出Aが表示される場合よりも、
或る変動表示時にて第1高期待度演出Aが表示されたにもかかわらず特別遊技に移行せず、且つ当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN(N≧1)回分の変動表示にていずれの高期待度演出も表示されなかった場合、当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN+1回目の変動表示において、第1高期待度演出Aが表示される場合の方が、特別遊技移行期待度は高くなるよう構成されていることを特徴とする、ぱちんこ遊技機である。
本発明(2−2)を例示する態様のぱちんこ遊技機は、
遊技領域が形成された遊技盤と、
遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な始動口と、
始動口への遊技球の入球を契機として乱数値を取得する乱数取得手段と、
乱数値に基づき当否判定を実行する当否判定手段と、
当否判定の結果を示す特別図柄の停止表示態様を決定する特別図柄決定手段と、
特別図柄が変動表示および停止表示される特別図柄表示装置と、
当否判定の結果に応じて、特別図柄表示装置における特別図柄の変動時間を決定する変動時間決定手段と、
当否判定の結果が当選である場合、遊技者にとって有利な特別遊技へ移行し得る特別遊技実行手段と、
当否判定の結果を演出的に示す複数の装飾図柄が変動表示および停止表示される演出表示装置と、
当否判定の結果が当選である場合は当選態様の装飾図柄組合せである当選態様図柄組合せを停止図柄として決定する一方、当否判定の結果が非当選である場合には非当選態様の装飾図柄組合せである非当選態様図柄組合せを停止図柄として決定する装飾図柄決定手段と、
演出表示装置に装飾図柄を変動表示させる変動演出の表示過程が定められ複数種の演出パターンを保持する演出パターン記憶手段と、
変動時間決定手段により決定された変動時間に基づいて、複数種の演出パターンの中からいずれかの演出パターンを選択する演出パターン決定手段と、
演出パターン決定手段により選択された演出パターンに従った演出を演出表示装置に表示させる演出表示制御手段とを備え、
演出パターン決定手段は、演出パターンとして、あと一つ図柄が揃えば当選態様図柄組み合わせとなり得るリーチ状態を経由する複数種のリーチ演出の表示過程を定めた複数種のリーチ演出パターンを有し、
複数種のリーチ演出として、第1リーチ演出と、第2リーチ演出と、第3リーチ演出とを含み、
各リーチ演出は、特別遊技移行期待度が相対的に高いことを示唆又は報知する特定演出を伴う場合があり、
特定演出を伴う第1リーチ演出が実行されるよりも特定演出を伴わない第1リーチ演出が実行される場合の方が特別遊技移行期待度は低く設定されるとともに、特定演出を伴う第2リーチ演出が実行される場合よりも特定演出を伴わない第1リーチ演出が実行される場合の方が特別遊技移行期待度は低く設定される一方で、
特定演出を伴わない第1リーチ演出が実行されて非当選態様図柄組合せが停止表示された場合は、当該非当選態様図柄組合せの停止表示の後、装飾図柄の変動表示回数が所定回数経過する前において、第1リーチ演出以外の他のリーチ演出が未だ実行されていない状況下では、特定演出を伴う第2リーチ演出が実行される場合よりも特定演出を伴わない第1リーチ演出が実行される場合の方が特別遊技移行期待度は高く設定されており、
特定演出を伴わない第3リーチ演出が実行される場合よりも特定演出を伴わない第1リーチ演出が実行される場合の方が特別遊技移行期待度は低く設定される一方で、
特定演出を伴わない第3リーチ演出が実行されて非当選態様図柄組合せが停止表示された後、装飾図柄の変動表示回数が所定回数経過する前において、第3リーチ演出以外の他
のリーチ演出が未だ実行されていない状況下で、特定演出を伴わない第3リーチ演出が実行される場合よりも、
特定演出を伴わない第1リーチ演出が実行されて非当選態様図柄組合せが停止表示された後、装飾図柄の変動表示回数が所定回数経過する前において、第1リーチ演出以外の他のリーチ演出が未だ実行されていない状況下で、特定演出を伴わない第1リーチ演出が実行される場合の方が特別遊技移行期待度は高く設定されていることを特徴とする、ぱちんこ遊技機である。
本発明(3−1)を例示する態様のぱちんこ遊技機は、
遊技領域が形成された遊技盤と、
遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な始動口と、
始動口への遊技球の入球を契機として乱数値を取得する乱数取得手段と、
乱数値に基づき当否判定を実行する当否判定手段と、
当否判定の結果を示す特別図柄の停止表示態様を決定する特別図柄決定手段と、
特別図柄が変動表示および停止表示される特別図柄表示装置と、
当否判定の結果に応じて、特別図柄表示装置における特別図柄の変動時間を決定する変動時間決定手段と、
当否判定の結果が当選である場合、遊技者にとって有利な特別遊技へ移行し得る特別遊技実行手段と、
当否判定の結果を示すための演出を表示可能な演出表示装置と、
演出表示装置に表示させる演出の表示過程が定められた複数種の演出パターンを保持する演出パターン記憶手段と、
複数種の演出パターンの中からいずれかの演出パターンを選択する演出パターン決定手段と、
演出パターン決定手段により選択された演出パターンに応じた演出を演出表示装置に表示させる演出表示制御手段とを備え、
演出パターン決定手段は、演出パターンとして、特別遊技移行期待度が相対的に高い演出である高期待度演出の表示過程を定めた複数種の高期待度演出パターンを有し、
複数種の高期待度演出として、第1高期待度演出と、第2高期待度演出とを含み、
第1高期待度演出には、特別遊技移行期待度に応じて、互いに演出表示態様の少なくとも一部が異なる第1高期待度演出Aと第1高期待度演出Bと第1高期待度演出Cとがあり、第1高期待度演出Bは第1高期待度演出Aよりも特別遊技移行期待度が高く、第1高期待度演出Cは第1高期待度演出Bよりも特別遊技移行期待度が高くなり、
第2高期待度演出には、特別遊技移行期待度に応じて、互いに演出表示態様の少なくとも一部が異なる第2高期待度演出Aと第2高期待度演出Bと第2高期待度演出Cとがあり、第2高期待度演出Bは第2高期待度演出Aよりも特別遊技移行期待度が高く、第2高期待度演出Cは第2高期待度演出Bよりも特別遊技移行期待度が高くなり、
第2高期待度演出Bが表示される場合よりも第1高期待度演出Aが表示される場合の方が特別遊技移行期待度は相対的に低くなるよう設定されている一方で、
或る変動表示時にて第1高期待度演出Aが表示されたにもかかわらず特別遊技に移行せず、且つ当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN(N≧1)回分の変動表示にていずれの高期待度演出も表示されなかった場合、当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN+1回目の変動表示においては、第2高期待度演出Bが表示される場合よりも第1高期待度演出Aが表示される場合の方が特別遊技移行期待度は高くなり、
或る変動表示時にて第1高期待度演出Aが表示されたにもかかわらず特別遊技に移行せず、且つ当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN(N≧1)回分の変動表示にていずれの高期待度演出も表示されなかった場合、当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN+1回目の変動表示においては、第2高期待度演出Cが表示される場合よりも第1高期待度演出Aが表示される場合の方が特別遊技移行期待度は高くない又は特別遊技移行期待度は同一であるよう構成されていることを特徴とする、ぱちんこ遊技機である。
本発明(3−2)を例示する態様のぱちんこ遊技機は、
遊技領域が形成された遊技盤と、
遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な始動口と、
始動口への遊技球の入球を契機として乱数値を取得する乱数取得手段と、
乱数値に基づき当否判定を実行する当否判定手段と、
当否判定の結果を示す特別図柄の停止表示態様を決定する特別図柄決定手段と、
特別図柄が変動表示および停止表示される特別図柄表示装置と、
当否判定の結果に応じて、特別図柄表示装置における特別図柄の変動時間を決定する変動時間決定手段と、
当否判定の結果が当選である場合、遊技者にとって有利な特別遊技へ移行し得る特別遊技実行手段と、
当否判定の結果を演出的に示す複数の装飾図柄が変動表示および停止表示される演出表示装置と、
当否判定の結果が当選である場合は当選態様の装飾図柄組合せである当選態様図柄組合せを停止図柄として決定する一方、当否判定の結果が非当選である場合には非当選態様の装飾図柄組合せである非当選態様図柄組合せを停止図柄として決定する装飾図柄決定手段と、
演出表示装置に装飾図柄を変動表示させる変動演出の表示過程が定められ複数種の演出パターンを保持する演出パターン記憶手段と、
変動時間決定手段により決定された変動時間に基づいて、複数種の演出パターンの中からいずれかの演出パターンを選択する演出パターン決定手段と、
演出パターン決定手段により選択された演出パターンに従った演出を演出表示装置に表示させる演出表示制御手段とを備え、
演出パターン決定手段は、演出パターンとして、あと一つ図柄が揃えば当選態様図柄組み合わせとなり得るリーチ状態を経由する複数種のリーチ演出の表示過程を定めた複数種のリーチ演出パターンを有し、
複数種のリーチ演出として、第1リーチ演出と、第2リーチ演出とを含み、
各リーチ演出は、特別遊技移行期待度が相対的に高いことを示唆又は報知する特定演出を伴う場合があり、
特定演出には、通常特定演出と、通常特定演出よりも特別遊技移行期待度が相対的に高いことを示す特殊特定演出とを含み、
特定演出を伴う第1リーチ演出が実行されるよりも特定演出を伴わない第1リーチ演出が実行される場合の方が特別遊技移行期待度は低く設定されるとともに、特定演出を伴う第2リーチ演出が実行される場合よりも特定演出を伴わない第1リーチ演出が実行される場合の方が特別遊技移行期待度は低く設定される一方で、
特定演出を伴わない第1リーチ演出が実行されて非当選態様図柄組合せが停止表示された場合は、当該非当選態様図柄組合せの停止表示の後、装飾図柄の変動表示回数が所定回数経過する前において、第1リーチ演出以外の他のリーチ演出が未だ実行されていない状況下では、特定演出を伴う第2リーチ演出が実行される場合よりも特定演出を伴わない第1リーチ演出が実行される場合の方が特別遊技移行期待度は高く設定されており、
特定演出を伴わない第1リーチ演出が実行されて非当選態様図柄組合せが停止表示された場合は、当該非当選態様図柄組合せの停止表示の後、装飾図柄の変動表示回数が所定回数経過する前において、第1リーチ演出以外の他のリーチ演出が未だ実行されていない状況下では、特別特定演出を伴う第2リーチ演出が実行される場合よりも特定演出を伴わない第1リーチ演出が実行される場合の方が特別遊技移行期待度は高く設定されていないことを特徴とする、ぱちんこ遊技機である。
本発明(4−1)を例示する態様のぱちんこ遊技機は、
遊技領域が形成された遊技盤と、
遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な始動口と、
始動口への遊技球の入球を契機として乱数値を取得する乱数取得手段と、
乱数値に基づき当否判定を実行する当否判定手段と、
当否判定の結果を示す特別図柄の停止表示態様を決定する特別図柄決定手段と、
特別図柄が変動表示および停止表示される特別図柄表示装置と、
当否判定の結果に応じて、特別図柄表示装置における特別図柄の変動時間を決定する変動時間決定手段と、
当否判定の結果が当選である場合、遊技者にとって有利な特別遊技へ移行し得る特別遊技実行手段と、
当否判定の結果を示すための演出を表示可能な演出表示装置と、
演出表示装置に表示させる演出の表示過程が定められた複数種の演出パターンを保持する演出パターン記憶手段と、
複数種の演出パターンの中からいずれかの演出パターンを選択する演出パターン決定手段と、
演出パターン決定手段により選択された演出パターンに応じた演出を演出表示装置に表示させる演出表示制御手段とを備え、
演出パターン決定手段は、演出パターンとして、特別遊技移行期待度が相対的に高い演出である高期待度演出の表示過程を定めた複数種の高期待度演出パターンを有し、
複数種の高期待度演出として、第1高期待度演出と、第2高期待度演出とを含み、
第1高期待度演出には、特別遊技移行期待度に応じて、互いに演出表示態様の少なくとも一部が異なる第1高期待度演出Aと第1高期待度演出Bとがあり、第1高期待度演出Bは第1高期待度演出Aよりも特別遊技移行期待度が高く、
第2高期待度演出には、特別遊技移行期待度に応じて、互いに演出表示態様の少なくとも一部が異なる第2高期待度演出Aと第2高期待度演出Bとがあり、第2高期待度演出Bは第2高期待度演出Aよりも特別遊技移行期待度が高く、
第2高期待度演出Bが表示される場合よりも第1高期待度演出Aが表示される場合の方が特別遊技移行期待度は相対的に低くなるよう設定されている一方で、
或る変動表示時にて第1高期待度演出Aが表示されたにもかかわらず特別遊技に移行せず、且つ当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN(N≧1)回分の変動表示にていずれの高期待度演出も表示されなかった場合、当該或る変動表示の次の変動表示から起算してN+1回目の変動表示においては、第2高期待度演出Bが表示される場合よりも第1高期待度演出Aが表示される場合の方が特別遊技移行期待度は高くなり、
当否判定の結果が非当選である場合における特別図柄の停止表示態様に係る種類として、第1非当選停止表示態様と第2非当選停止表示態様とを少なくとも有しており、
特別図柄の停止表示態様が第1非当選停止表示態様となる場合における特別図柄の変動時間よりも、特別図柄の停止表示態様が第2非当選停止表示態様となる場合における特別図柄の変動時間の方が、相対的に長時間となるように定められ、
特別図柄の停止表示態様が第2非当選停止表示態様となる場合に、第1高期待度演出A、第1高期待度演出B、第2高期待度演出Aおよび第2高期待度演出Bのうちのいずれかが発生し得ることを特徴とする、ぱちんこ遊技機である。
本発明(4−2)を例示する態様のぱちんこ遊技機は、
遊技領域が形成された遊技盤と、
遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な始動口と、
始動口への遊技球の入球を契機として乱数値を取得する乱数取得手段と、
乱数値に基づき当否判定を実行する当否判定手段と、
当否判定の結果を示す特別図柄の停止表示態様を決定する特別図柄決定手段と、
特別図柄が変動表示および停止表示される特別図柄表示装置と、
当否判定の結果に応じて、特別図柄表示装置における特別図柄の変動時間を決定する変動時間決定手段と、
当否判定の結果が当選である場合、遊技者にとって有利な特別遊技へ移行し得る特別遊技実行手段と、
当否判定の結果を演出的に示す複数の装飾図柄が変動表示および停止表示される演出表示装置と、
当否判定の結果が当選である場合は当選態様の装飾図柄組合せである当選態様図柄組合せを停止図柄として決定する一方、当否判定の結果が非当選である場合には非当選態様の装飾図柄組合せである非当選態様図柄組合せを停止図柄として決定する装飾図柄決定手段と、
演出表示装置に装飾図柄を変動表示させる変動演出の表示過程が定められ複数種の演出パターンを保持する演出パターン記憶手段と、
変動時間決定手段により決定された変動時間に基づいて、複数種の演出パターンの中からいずれかの演出パターンを選択する演出パターン決定手段と、
演出パターン決定手段により選択された演出パターンに従った演出を演出表示装置に表示させる演出表示制御手段とを備え、
演出パターン決定手段は、演出パターンとして、あと一つ図柄が揃えば当選態様図柄組み合わせとなり得るリーチ状態を経由する複数種のリーチ演出の表示過程を定めた複数種のリーチ演出パターンを有し、
複数種のリーチ演出として、第1リーチ演出と、第2リーチ演出とを含み、
各リーチ演出は、特別遊技移行期待度が相対的に高いことを示唆又は報知する特定演出を伴う場合があり、
特定演出を伴う第1リーチ演出が実行されるよりも特定演出を伴わない第1リーチ演出が実行される場合の方が特別遊技移行期待度は低く設定されるとともに、特定演出を伴う第2リーチ演出が実行される場合よりも特定演出を伴わない第1リーチ演出が実行される場合の方が特別遊技移行期待度は低く設定される一方で、
特定演出を伴わない第1リーチ演出が実行されて非当選態様図柄組合せが停止表示された場合は、当該非当選態様図柄組合せの停止表示の後、装飾図柄の変動表示回数が所定回数経過する前において、第1リーチ演出以外の他のリーチ演出が未だ実行されていない状況下では、特定演出を伴う第2リーチ演出が実行される場合よりも特定演出を伴わない第1リーチ演出が実行される場合の方が特別遊技移行期待度は高く設定されており、
当否判定の結果が非当選である場合における特別図柄の停止表示態様に係る種類として、第1非当選停止表示態様と第2非当選停止表示態様とを少なくとも有しており、
特別図柄の停止表示態様が第1非当選停止表示態様となる場合における特別図柄の変動時間よりも、特別図柄の停止表示態様が第2非当選停止表示態様となる場合における特別図柄の変動時間の方が、相対的に長時間となるように定められ、
特別図柄の停止表示態様が第2非当選停止表示態様となる場合にのみ、第1リーチ演出および第2リーチ演出の一方が発生し得ることを特徴とする、ぱちんこ遊技機である。