上述した課題の少なくとも1つに対処するため、以下、本発明に係る、無線通信システム、無線通信方法、及び、無線局、の各実施形態について図1〜図51を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
図1に示したように、第1実施形態に係る無線通信システム1000は、第1の無線局1100と、第2の無線局1200と、第3の無線局1300と、を備える。
第1の無線局1100及び第2の無線局1200のそれぞれは、一例として、端末である。また、第1の無線局1100及び第2の無線局1200のそれぞれは、移動局であってもよい。また、第1の無線局1100及び第2の無線局1200のそれぞれは、無線端末又はユーザ端末と呼ばれてもよい。第3の無線局1300は、一例として、基地局である。また、第3の無線局1300は、無線装置と呼ばれてもよい。
図2に示したように、第1の無線局1100は、制御部(第1の制御部)1101と通信部(第1の通信部)1102とを備える。制御部1101は、第1の無線局1100を制御する。通信部1102は、他の無線局1200,1300と無線通信を行なう。
図3に示したように、第2の無線局1200は、制御部1201と通信部1202とを備える。制御部1201は、第2の無線局1200を制御する。通信部1202は、他の無線局1100,1300と無線通信を行なう。
図4に示したように、第3の無線局1300は、制御部(第2の制御部)1301と通信部(第2の通信部)1302とを備える。制御部1301は、第3の無線局1300を制御する。通信部1302は、他の無線局1100,1200と無線通信を行なう。
以下、図5及び図6を参照しながら、無線通信システム1000の第1の作動を説明することにより、無線通信システム1000の第1の機能を説明する。
先ず、第1の無線局1100の通信部1102は、第1の信号を第3の無線局1300へ送信する(図6のステップS1001)。第1の信号は、第1の無線局1100と第2の無線局1200との間の直接の通信である直接通信を要求する情報である。第1の信号は、第1の通信要求情報と呼ばれてもよい。本例では、第1の信号は、第2の無線局1200を識別するための無線局識別情報を含む。本例では、無線局識別情報は、第1の無線局1100及び第2の無線局1200からなる第1無線局群において、1つの無線局を識別(特定)するための情報である。
第3の無線局1300の通信部1302は、第1の信号を受信すると、第2の信号を、第1の信号の送信元である第1の無線局1100へ送信する(図6のステップS1002)。第2の信号は、第3の無線局1300が直接通信を許可する旨を表す情報である。第2の信号は、第1の通信応答情報、直接通信に関する情報、又は、D2D受入情報と呼ばれてもよい。
これにより、第1の無線局1100の通信部1102は、第2の信号を受信する。そして、第1の無線局1100の制御部1101は、送信タイミングを取得する。送信タイミングは、第4の信号(図示せず)を第2の無線局1200へ送信するタイミングである。第4の信号は、第3の無線局1300が第2の無線局1200と通信する旨を表す情報である。また、第4の信号は、第3の無線局1300が第2の無線局1200と通信する用意がある旨を表す情報であってもよい。第4の信号は、第1の通知情報と呼ばれてもよい。
次いで、第1の無線局1100の通信部1102は、取得された送信タイミングにて、第3の信号を第2の無線局1200へ送信する(図6のステップS1003)。第3の信号は、第1の無線局1100が第2の無線局1200と直接通信を実施する旨を表す情報である。また、第3の信号は、第1の無線局1100が第2の無線局1200と直接に通信する用意がある旨を表す情報であってもよい。第3の信号は、第2の通知情報と呼ばれてもよい。
これにより、第2の無線局1200の通信部1202は、第3の信号を受信する。そして、第1の無線局1100の通信部1102及び第2の無線局1200の通信部1202は、直接通信を実行する(図6のステップS1004)。
次に、図7及び図8を参照しながら、無線通信システム1000の第2の作動を説明することにより、無線通信システム1000の第2の機能を説明する。なお、無線通信システム1000は、第1の機能及び第2の機能のいずれか一方のみを有していてもよい。また、無線通信システム1000は、第1の機能及び第2の機能の両方を有していてもよい。
以下、無線通信システム1000の第2の作動について、第1の作動との相違点を説明する。
第3の無線局1300の通信部1302は、第1の信号を受信すると、第2の信号を、第1の信号の送信元である第1の無線局1100へ送信する(図8のステップS1002)。これにより、第1の無線局1100の通信部1102は、第2の信号を受信する。
そして、第3の無線局1300の制御部1301は、送信タイミングを取得する。次いで、第3の無線局1300の通信部1302は、取得された送信タイミングにて、第3の信号を第2の無線局1200へ送信する(図8のステップS1005)。
これにより、第2の無線局1200の通信部1202は、第3の信号を受信する。そして、第1の無線局1100の通信部1102及び第2の無線局1200の通信部1202は、直接通信を実行する(図8のステップS1004)。
以上、説明したように、第1実施形態に係る無線通信システム1000によれば、無線通信システム1000は、第3の無線局1300が第4の信号を第2の無線局1200へ送信するタイミングである送信タイミングを取得する。更に、第1の無線局1100は、取得された送信タイミングにて、第3の信号を第2の無線局1200へ送信する。
これによれば、第4の信号が送信される送信タイミングにて、第3の信号が送信される。これにより、第4の信号のための送信タイミングと異なるタイミングにて第3の信号が送信される場合と比較して、第2の無線局1200が消費する電力を低減することができる。または、無線通信システム1000は、直接通信を効果的に開始することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態を具象化した実施形態として捉えてもよい。よって、第1実施形態で開示した通信方式の特徴は本実施形態で開示する方法と組み合わせて使用することができる。また、第1実施形態で開示した装置の特徴は、本実施形態で開示する装置においても具備することが許される。
図9に示したように、第2実施形態に係る無線通信システム1は、複数の無線局10−1,10−2,…,20−1,20−2,…を備える。
また、以下において、無線局10−i(ここで、iは、自然数)は、区別する必要がない場合、単に無線局10と表記され得る。同様に、無線局20−j(ここで、jは、自然数)は、区別する必要がない場合、単に無線局20と表記され得る。
本例では、無線局20−1は、第1の無線局の一例であり、無線局20−2は、第2の無線局の一例であり、無線局10−1は、第3の無線局の一例である。なお、無線局10の数は、1つであってもよい。
無線局10−1,10−2,…は、通信網NWを介して互いに通信可能に接続されている。
各無線局10は、少なくとも1つのセルを有する。各無線局10は、自局10が有する(提供する)セル内に位置する無線局20と無線通信可能に構成される。各無線局10は、一例として、基地局である。また、各無線局10は、無線装置と呼ばれてもよい。
各無線局20は、自局20の位置を含むセルを有する無線局10と無線通信可能に構成される。更に、各無線局20は、他の無線局20と無線により直接に通信を実行可能に構成される。各無線局20は、一例として、端末である。また、各無線局20は、移動局であってもよい。また、各無線局20は、無線端末又はユーザ端末と呼ばれてもよい。なお、端末は、携帯電話機、スマートフォン、センサ、又は、メータ(測定器)等のデバイスである。端末は、ユーザによって携帯されていてもよいし、車両等の移動体に搭載されていてもよいし、固定されていてもよい。
図10に示したように、無線局10−1は、制御部(第2の制御部)101と通信部(第2の通信部)102とを備える。制御部101は、無線局10−1を制御する。通信部102は、無線局20−1,20−2,…と無線通信を行なう。
なお、無線局10−1以外の無線局10(無線局10−2,…)も、無線局10−1と同様の機能を有する。
図11に示したように、無線局20−1は、制御部(第1の制御部)201と通信部(第1の通信部)202とを備える。制御部201は、無線局20−1を制御する。通信部202は、自局20−1以外の無線局(無線局10−1,10−2,…,20−2,…)と無線通信を行なう。
なお、無線局20−1以外の無線局20(無線局20−2,…)も、無線局20−1と同様の機能を有する。
以下、図12及び図13を参照しながら、無線通信システム1の作動を説明することにより、無線通信システム1の機能を説明する。
本例では、無線局20−1及び無線局20−2の両方が無線局10−1と無線通信可能に接続されている場合を想定する。
先ず、無線局20−1の通信部202は、第1の信号を無線局10−1へ送信する(図13のステップS101)。第1の信号は、無線局20−1と無線局20−2との間の直接の通信である直接通信を要求する情報である。直接通信は、無線局20−1,20−2,…からなる第1無線局群を構成する無線局20間の直接の通信であると捉えられてもよい。第1の信号は、第1の通信要求情報と呼ばれてもよい。本例では、第1の信号は、無線局20−2を識別するための無線局識別情報を含む。本例では、無線局識別情報は、第1無線局群において、1つの無線局を識別(特定)するための情報である。
無線局10−1の通信部102は、第1の信号を受信すると、第2の信号を、第1の信号の送信元である無線局20−1へ送信する(図13のステップS102)。第2の信号は、無線局10−1が直接通信を許可する旨を表す情報である。第2の信号は、第1の通信応答情報、直接通信に関する情報、又は、D2D受入情報と呼ばれてもよい。
これにより、無線局20−1は、第2の信号を受信する。そして、無線局20−1の制御部201は、送信タイミングを取得する。送信タイミングは、無線局10−1が第4の信号を無線局20−2へ送信するタイミングである。第4の信号は、無線局10−1が無線局20−2と通信する旨を表す情報である。また、第4の信号は、無線局10−1が無線局20−2と通信する用意がある旨を表す情報であってもよい。第4の信号は、第1の通知情報と呼ばれてもよい。
例えば、基礎情報のすべてが無線局10−1によって報知される場合、無線局20−1は、報知された基礎情報と、無線局20−2を識別するための無線局識別情報と、に基づいて送信タイミングを取得してもよい。基礎情報は、送信タイミングを決定する基礎となる情報である。基礎情報は、あるネットワークノードによって端末に対し個別に送信されてもよいし、無線局10(例えば、無線局10−1等)によって報知されてもよい。
また、基礎情報の一部が報知されない場合、無線局10−1は、基礎情報のうちの報知されない情報を、第2の信号に含ませることにより無線局20−1へ送信してもよい。この場合、無線局20−1は、受信された基礎情報の一部と、報知された基礎情報の他部(残余の部分)と、無線局20−2を識別するための無線局識別情報と、に基づいて送信タイミングを取得する。
また、無線局10−1は、送信タイミングを表す送信タイミング情報を第2の信号に含ませることにより無線局20−1へ送信してもよい。この場合、無線局20−1は、受信された送信タイミング情報が表す送信タイミングを取得する。
次いで、無線局20−1の通信部202は、取得された送信タイミングにて、第3の信号を無線局20−2へ送信する(図13のステップS103)。第3の信号は、無線局20−1が無線局20−2と直接通信を実施する旨を表す情報である。また、第3の信号は、無線局20−1が無線局20−2と直接に通信する用意がある旨を表す情報であってもよい。第3の信号は、第2の通知情報と呼ばれてもよい。
これにより、無線局20−2は、第3の信号を受信する。そして、無線局20−1の通信部202及び無線局20−2の通信部202は、直接通信を実行する(図13のステップS104)。
以上、説明したように、第2実施形態に係る無線通信システム1によれば、無線局20−1は、無線局10−1が第4の信号を無線局20−2へ送信するタイミングである送信タイミングを取得する。更に、無線局20−1は、取得された送信タイミングにて、第3の信号を無線局20−2へ送信する。
これによれば、第4の信号が送信される送信タイミングにて、第3の信号が送信される。これにより、第4の信号のための送信タイミングと異なるタイミングにて第3の信号が送信される場合と比較して、無線局20−2が消費する電力を低減することができる。
なお、無線局20−2の通信部202は、第3の信号を受信した場合、第5の信号を無線局20−1へ送信してもよい。第5の信号は、直接通信の開始を要求する情報である。第5の信号は、第2の通知応答情報と呼ばれてもよい。この場合、無線局20−1の通信部202は、第5の信号を受信した場合に、直接通信を実行する。
なお、第2実施形態に係る無線通信システム1は、無線局20−1の代わりに無線局10−1が、第3の信号を無線局20−2へ送信するように構成されていてもよい。
<第3実施形態>
第3実施形態は、第1実施形態又は第2実施形態を具象化した実施形態として捉えてもよい。よって、第1実施形態又は第2実施形態で開示した通信方式の特徴は本実施形態で開示する方法と組み合わせて使用することができる。また、第1実施形態又は第2実施形態で開示した装置の特徴は、本実施形態で開示する装置においても具備することが許される。
(概要)
第3実施形態に係る無線通信システムは、複数の無線局を備える。第1の無線局は、第3の無線局が第2の無線局と通信する旨を表す第1の通知情報を当該第2の無線局へ送信するタイミングである送信タイミングを取得する。更に、第1の無線局は、取得された送信タイミングにて、第1の無線局が第2の無線局と直接通信を実施する旨を表す第2の通知情報を当該第2の無線局へ送信する。
第2の無線局は、送信タイミングにて、第1の通知情報又は第2の通知情報を受信する。第2の無線局は、第3の無線局から第1の通知情報を受信した場合、第3の無線局と通信する。また、第2の無線局は、第1の無線局から第2の通知情報を受信した場合、第1の無線局と直接通信を実施する。
なお、送信タイミングは、複数、存在していてもよい。また、第2の通知情報は、送信タイミングであれば任意のタイミングにて送信されてもよい。
上記のように構成された無線通信システムによれば、第1の通知情報が送信される送信タイミングにて、第2の通知情報が送信される。これにより、第1の通知情報のための送信タイミングと異なるタイミングにて第2の通知情報が送信される場合と比較して、第2の無線局が消費する電力を低減することができる。
以下、第3実施形態について詳細に説明する。
(構成)
図14に示したように、第3実施形態に係る無線通信システム1Aは、複数の無線局10A−1,10A−2,…,20A−1,20A−2,…を備える。
また、以下において、無線局10A−i(ここで、iは、自然数)は、区別する必要がない場合、単に無線局10Aと表記され得る。同様に、無線局20A−j(ここで、jは、自然数)は、区別する必要がない場合、単に無線局20Aと表記され得る。
本例では、無線局20A−1は、第1の無線局の一例であり、無線局20A−2は、第2の無線局の一例であり、無線局10A−1は、第3の無線局の一例である。なお、無線局10Aの数は、1つであってもよい。
無線通信システム1Aは、移動体通信システムを構成する。本例では、無線通信システム1Aは、LTE(Long Term Evolution)に従った通信を行なうように構成される。なお、無線通信システム1Aは、LTE以外の通信方式(例えば、LTE−Advanced、WiMAX、3G(3rd Generation)、2G(2nd Genaration)等)に従った通信を行なうように構成されていてもよい。WiMAXは、Worldwide Interoperability for Microwave Accessの略記である。
本例では、各無線局10Aは、基地局である。各無線局10Aは、eNB(Evolved Node B)とも表記される。なお、各無線局10Aは、NB(Node B)、フェムト基地局、マクロ基地局、又は、ホーム基地局(Home eNB又はHome NB)であってもよい。更に、各無線局10Aは、中継局(Relay Node)であってもよい。また、各無線局10Aは、無線装置と呼ばれてもよい。
また、本例では、各無線局20Aは、端末である。各無線局20Aは、ユーザ端末(UE;User Equipment)又は無線端末と呼ばれてもよい。また、各無線局20Aは、移動局であってもよい。なお、端末は、携帯電話機、スマートフォン、センサ、又は、メータ(測定器)等のデバイスである。端末は、ユーザによって携帯されていてもよいし、車両等の移動体に搭載されていてもよいし、固定されていてもよい。
無線局10A−1,10A−2,…は、通信網NWを介して互いに通信可能に接続されている。本例では、無線局10A−1,10A−2,…のそれぞれは、有線通信可能に通信網NWに接続されている。なお、無線局10A−1,10A−2,…の少なくとも1つは、有線通信に代えて無線通信を実行可能に通信網NWに接続されていてもよい。
また、無線局10A−1,10A−2,…、及び、無線通信システム1Aのうちの無線局10A−1,10A−2,…よりも通信網NW(即ち、上位)側の部分は、E−UTRANと呼ばれてもよい。なお、E−UTRANは、Evolved Universal Terrestrial Radio Access Networkの略記である。
各無線局10Aは、少なくとも1つのセルを有する。本例では、セルは、マクロセル、マイクロセル、ナノセル、ピコセル、フェムトセル、ホームセル、又は、セクタセル等である。各無線局10Aは、自局10Aが有する(提供する)セル内に位置する無線局20Aと無線通信可能に構成される。
具体的には、各無線局10Aは、自局10Aが有するセルにおいて無線リソース(本例では、時間スロット及び周波数帯域)を提供する。各無線局10Aは、自局10Aが有するセル内に位置する無線局20Aと、当該セルにおいて提供されている無線リソースを用いることにより通信を行なう。なお、本例では、無線局10Aが有するセルにおいて提供されている無線リソースを用いることにより、無線局20Aが無線局10Aと通信可能であることは、無線局20Aが無線局10Aに接続されていることの一例である。
各無線局20Aは、自局20Aの位置を含むセルを有する無線局10Aと無線通信を行なう。更に、各無線局20Aは、自局20A以外の無線局20A(他の無線局20A)と無線により直接に通信を行なう。本例では、各無線局20Aは、自局20Aが接続されている無線局10Aが有するセルにおいて提供されている無線リソースを用いることにより、他の無線局20Aと通信を行なう。
図15に示したように、無線局10A−1は、バスBS1を介して互いに接続された、アンテナ11と、無線通信装置12と、有線通信装置13と、制御装置14と、記憶装置15と、を備える。
無線通信装置12は、アンテナ11を介して、無線局10A−1が有するセル内に位置する無線局20Aと無線通信を行なう。
有線通信装置13は、通信ケーブルを接続可能な通信ポートを備える。有線通信装置13は、通信ケーブルを介して通信網NWに接続されることにより、通信網NWに接続された他局(自局10A−1以外の無線局10A−2,…、又は、図示しない交換局等)と通信を行なう。なお、無線局10A−1は、無線により通信網NWと接続されていてもよい。
制御装置14は、後述する機能を実現するために、無線局10A−1が備える各装置を制御する。本例では、制御装置14は、LSI(Large Scale Integration)により構成される。なお、制御装置14は、プログラム可能な論理回路装置(PLD;Programmable Logic Device)により構成されていてもよい。また、制御装置14は、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置を備え、処理装置が記憶装置15に記憶されているプログラムを実行することにより、後述する機能を実現してもよい。
記憶装置15は、情報を読み書き可能に記憶する。例えば、記憶装置15は、RAM、ROM、HDD、SSD、半導体メモリ、及び、有機メモリの少なくとも1つを備える。RAMは、Random Access Memoryの略記である。ROMは、Read Only Memoryの略記である。HDDは、Hard Disk Driveの略記である。SSDは、Solid State Driveの略記である。なお、記憶装置15は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の記録媒体と、記録媒体から情報を読み取り可能な読取装置と、を備えていてもよい。
なお、無線局10A−1以外の無線局10A−2,…も、無線局10A−1と同様に構成される。
図16に示したように、無線局20A−1は、バスBS2を介して互いに接続された、アンテナ21と、無線通信装置22と、制御装置23と、記憶装置24と、を備える。
アンテナ21は、アンテナ11と同様に構成される。無線通信装置22は、無線通信装置12と同様に構成される。無線通信装置22は、無線局10A−1,10A−2,…、及び、自局20A−1以外の無線局20A−2,…と通信する。制御装置23は、制御装置14と同様に、後述する機能を実現するために、無線局20A−1が備える各装置を制御する。記憶装置24は、記憶装置15と同様に構成される。
なお、無線局20A−1以外の無線局20A−2,…も、無線局20A−1と同様に構成される。
(機能)
以下、図17乃至図20を参照しながら、無線通信システム1Aの機能について説明する。
図17及び図20に示したように、無線局10A−1の機能は、制御部(第2の制御部)101Aと、通信部(第2の通信部)102Aと、を備える。本例では、通信部102Aは、アンテナ11及び無線通信装置12により構成される。また、本例では、制御部101Aは、制御装置14及び記憶装置15により構成される。
制御部101Aは、自局10A−1を制御する。通信部102Aは、自局10A−1以外の無線局10A−2,…、無線局20A−1,20A−2,…、及び、交換局との間で、情報及び信号を送受信する。
制御部101Aは、自局10A−1に対して設定された基礎情報を予め記憶している。基礎情報は、送信タイミングを決定する基礎となる情報である。基礎情報は、無線局10A−1,10A−2,…からなる第2無線局群を構成する無線局毎に設定される。なお、基礎情報は、無線局10A−1の管理者によって入力されることにより設定されてもよいし、他の装置から受信されることにより設定されてもよい。
制御部101Aは、自局10A−1に接続されている無線局20Aのそれぞれに対して、記憶されている基礎情報と、当該無線局20Aを識別するための無線局識別情報と、に基づいて、送信タイミングを決定する。無線局識別情報は、無線局20A−1,20A−2,…からなる第1無線局群において、1つの無線局を識別(特定)するための情報である。具体的には、制御部101Aは、予め定められた決定方式(例えば、3GPP TS36.304に記載された方式等)に従って、送信タイミングを決定する。3GPP TSは、Third Generation Partnership Project Technical Specificationの略記である。例えば、無線局識別情報は、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)である。
本例では、送信タイミングは、ページング・フレーム(PF;Paging Frame)と、ページング・オケージョン(PO;Paging Occasion)と、により特定される。
PFは、下記の数式1を満足するSFN(System Frame Number)により識別される無線フレームである。
[数式1]
SFN mod T=(T div N)・(UE_ID mod N)
UE specific DRXが無線局20Aに割り当てられた場合、Tは、defaultPagingCycleの値、及び、UE specific DRXの値のうちの、小さい方の値に対応付けられた値である。一方、UE specific DRXが無線局20Aに割り当てられていない場合、Tは、defaultPagingCycleの値である。
本例では、defaultPagingCycleは、無線フレームの数を表し、Tは、defaultPagingCycleに対応する時間を表す。また、UE specific DRXは、不連続(又は、間欠)受信(DRX;Discontinuous Reception)周期を表す。DRX周期は、一例として、ページング信号を監視する時間間隔である。
また、N及びUE_IDは、下記の数式2及び数式3により表される。また、nBは、4・T、2・T、T、T/2、T/4、T/8、T/16、又は、T/32である。
[数式2]
N=min(T,nB)
[数式3]
UE_ID=IMSI mod 1024
POは、Nsと、i_sと、POと、を予め対応付けたテーブルに基づいて決定される。Ns及びi_sは、下記の数式4及び数式5により表される。
[数式4]
Ns=max(1,nB/T)
[数式5]
i_s=floor(UE_ID/N) mod Ns
従って、UE specific DRXが無線局20Aに割り当てられた場合、基礎情報は、defaultPagingCycle(第1の要素情報)、nB(第2の要素情報)、及び、UE specific DRX(第3の要素情報)である。一方、UE specific DRXが無線局20Aに割り当てられていない場合、基礎情報は、defaultPagingCycle(第1の要素情報)、及び、nB(第2の要素情報)である。
通信部102Aは、自局10A−1に接続されている無線局20Aへ、第1の要素情報及び第2の要素情報を送信する。本例では、通信部102Aは、自局10A−1に接続されている無線局20Aへ、共通する(即ち、同一の)無線リソースを用いることにより、共通する報知情報を送信する。ここで、報知情報は、第1の要素情報及び第2の要素情報を含む。即ち、第1の要素情報及び第2の要素情報は、無線局10A−1からの報知情報によって無線局20Aに通知される。
一方、UE specific DRX(第3の要素情報)は、ネットワークノードから個別制御信号によって無線局20Aに通知されることにより、当該無線局20Aに割り当てられる。例えば、ネットワークノードは、上位の交換局又はMME等である。MMEは、Mobility Management Entityの略記である。
通信部102Aは、制御部101Aによって、送信対象局としての無線局20A−2に対して決定された送信タイミングにて、当該無線局20A−2へ第1の通知情報を送信する。第1の通知情報は、無線局10A−1が無線局20A−2と通信する旨を表す情報である。また、第1の通知情報は、無線局10A−1が無線局20A−2と通信する用意がある旨を表す情報であってもよい。
本例では、第1の通知情報は、送信対象局20A−2以外の無線局20A−1,…、無線局10A−1以外の無線局10A−2,…、又は、交換局が無線局10A−1を介して送信対象局20A−2と通信する旨を表す情報である。例えば、第1の通知情報は、送信対象局20A−2を呼び出すページング信号である。
即ち、通信部102Aは、送信対象局20A−2以外の無線局20A−1,…、無線局10A−1以外の無線局10A−2,…、又は、交換局から、無線局10A−1に接続されている送信対象局20A−2へのページング信号の送信が指示された場合、送信タイミングにて、送信対象局20A−2へページング信号を送信する。
なお、通信部102Aは、無線局20A−2へ第1の通知情報を送信する場合と同様に、無線局20A−2以外の無線局20A−1,…へも第1の通知情報を送信し得る。
制御部101Aは、自局10A−1に接続されている無線局20A−1から第1の通信要求情報が受信された場合、所定の第1の実行条件が成立するか否かを判定する。ここで、第1の通信要求情報は、無線局20A−1と無線局20A−2との間の直接の通信である直接通信を要求する情報である。直接通信は、第1無線局群を構成する無線局20A間の直接の通信であると捉えられてもよい。本例では、第1の通信要求情報は、無線局20A−2を識別するための無線局識別情報を含む。また、本例では、第1の通信要求情報は、RRC D2D Setup Requestと呼ばれるメッセージである。RRCは、Radio Resource Controlの略記である。また、D2Dは、Device−to−Deviceの略記である。
例えば、第1の実行条件は、無線局20A−2へ第1の通知情報を送信する予定でない、という条件である。なお、第1の実行条件は、他の条件であってもよい。例えば、第1の実行条件は、自局10A−1が有するセルにおいて、新たに使用可能な無線リソースの量が所定の閾値以上である、という条件であってもよい。
他の例としては、通信に関する情報(例えば、QoS(Quality of Service)、又は、通信を実施するベアラやサービスの種類・種別を表す情報)が所定の基準を満足する(例えば、QoSが所定の基準を満足する、又は、ベアラやサービスが直接通信を実施するための基準を満足する)、という条件であってもよい。このような条件設定によって、直接通信を行う無線局を適切に選択することができる。
ところで、第1の実行条件は、無線局20A−2へ第1の通知情報を送信する予定ではない、という条件であることは説明した。このような条件を設定することによって、無線局20A−2は、無線局20A−1が送信する通知情報と、無線局10A−1が送信する通知情報を同時に受信しなくてよいことになる。よって、無線局20A−2の信号処理が軽減できる。
なお、無線局20A−2が、無線局20A−1が送信する通知情報を受信するには、無線局20A−1がどのような周波数を使用しているかが関わる。例えば、無線局20A−1が、無線局10A−1によって割り当てられている下りの周波数を使用する場合、上述のようなページングの重複処理が必要となる。この理由は、無線局20A−2は、無線局10A−1が送信している下り信号を常時モニタしているためである。
他方、無線局20A−1が、無線局10A−1によって割り当てられている上りの周波数を使用する場合、上述のようなページングの重複処理は生じない。この理由は、無線局10A−1が上りの周波数を用いて、無線局20A−2に無線信号を送信することはないためである。このような周波数割当を用いる場合、通知情報に関し、無線局10A−1と無線局20A−1は、無線局20A−2に対し同時進行的に通知情報を送信しても問題はない。このとき、無線局20A−2は、上りの周波数をモニタしている場合には無線局20A−1からの通知情報を受信し、下りの周波数をモニタしている場合には、無線局10A−1からの通知情報を受信することになる。
制御部101Aは、第1の実行条件が成立する場合、無線局20A−1から受信された第1の通信要求情報に含まれる無線局識別情報により識別される無線局20A−2に対応付けて記憶されている基礎情報を取得する。
制御部101Aは、取得された基礎情報と、無線局20A−1から受信された第1の通信要求情報に含まれる無線局識別情報と、に基づいて、無線局20A−2に対する送信タイミングを取得する。加えて、通信部102Aは、直接通信を許可することを表す第1の通信応答情報を、第1の通信要求情報の送信元である無線局20A−1へ送信する。第1の通信応答情報は、取得された送信タイミングを表す送信タイミング情報を含む。本例では、直接通信を許可することを表す第1の通信応答情報は、RRC D2D Setupと呼ばれるメッセージである。
一方、通信部102Aは、第1の実行条件が成立しない場合、直接通信を拒否することを表す第1の通信応答情報を無線局20A−1へ送信する。本例では、直接通信を拒否することを表す第1の通信応答情報は、RRC D2D Rejectと呼ばれるメッセージである。
制御部101Aは、自局10A−1に接続されている無線局20A−2から第2の通信要求情報が受信された場合、所定の第2の実行条件が成立するか否かを判定する。ここで、第2の通信要求情報は、直接通信を要求する情報である。本例では、第2の通信要求情報は、後述する第2の通知情報に含まれる無線局識別情報(即ち、無線局20A−1を識別するための無線局識別情報)を含む。また、本例では、第2の通信要求情報は、RRC D2D Setup Requestと呼ばれるメッセージである。
例えば、第2の実行条件は、自局10A−1が有するセルにおいて、新たに使用可能な無線リソースの量が所定の閾値以上である、という条件である。なお、第2の実行条件は、上述のような他の条件であってもよい。
通信部102Aは、第2の実行条件が成立する場合、直接通信を許可することを表す第2の通信応答情報を、第2の通信要求情報の送信元である無線局20A−2へ送信する。本例では、直接通信を許可することを表す第2の通信応答情報は、RRC D2D Setupと呼ばれるメッセージである。
一方、通信部102Aは、第2の実行条件が成立しないとき、直接通信を拒否することを表す第2の通信応答情報を、第2の通信要求情報の送信元である無線局20A−2へ送信する。本例では、直接通信を拒否することを表す第2の通信応答情報は、RRC D2D Rejectと呼ばれるメッセージである。
通信部102Aは、無線局20A−2から、後述する第2の要求完了情報が受信された場合、通信準備通知情報を無線局20A−1及び無線局20A−2のそれぞれへ送信する。本例では、通信準備通知情報は、直接通信を識別するための直接通信識別情報を含む。例えば、直接通信識別情報は、DD−RNTIとも呼ばれる。DD−RNTIは、Device−to−Device Radio Network Temporary Identifierの略記である。本例では、通信準備通知情報は、RRC D2D Inviteと呼ばれるメッセージである。
制御部101Aは、無線局20A−1から、後述するリソース割当要求情報が受信された場合、自局10A−1が有するセルにおいて提供される無線リソースを直接通信に割り当てる。リソース割当要求情報が受信されることは、無線局20A−2から第2の通信要求情報が受信された場合において、第2の実行条件が成立することの一例である。
通信部102Aは、制御部101Aによって割り当てられた無線リソースを特定するリソース特定情報を、無線局20A−1及び無線局20A−2のそれぞれへ送信する。
具体的には、通信部102Aは、割り当てられた無線リソースを特定するリソース特定情報に対するスクランブル処理に関し、上記通信準備通知情報に含まれる直接通信識別情報を用いてリソース特定情報をマスクすることにより実行する。更に、通信部102Aは、スクランブル処理の実行後のリソース特定情報を、無線局20A−1及び無線局20A−2のそれぞれへ送信する。無線局20A−1及び無線局20A−2は、直接通信識別情報をモニタ(ブラインドデコード)し、受信したリソース特定情報が直接通信識別情報によってマスクされていれば、自身宛てのリソース特定情報であると判断し、リソース特定情報に従って受信処理を行なう。
リソース特定情報は、一例として、PDCCHを介して伝送される。PDCCHのCRC部をDD−RNTIによってマスクすることは、直接通信識別情報を用いてリソース特定情報をマスクすることの一例である。
本例では、通信部102Aは、UL(Uplink) Grantと呼ばれるメッセージ、又は、DL(Downlink) Assignmentと呼ばれるメッセージを送信することにより、リソース特定情報を送信する。即ち、これらのメッセージのそれぞれは、リソース特定情報を含む。本例では、リソース特定情報は、PDCCHを介して送信される。
無線局20A−1及び無線局20A−2のそれぞれは、無線局10A−1から受信されたリソース特定情報に対して、受信された通信準備通知情報に含まれる直接通信識別情報に基づいてデスクランブル処理(デマスク処理、デマスキング処理)を実行する。更に、無線局20A−1及び無線局20A−2のそれぞれは、デスクランブル処理の実行後のリソース特定情報により特定される無線リソースを用いることにより、データの送受信を含む直接通信を行なう。本例では、無線局20A−1及び無線局20A−2は、直接通信識別情報を用いることにより直接通信を行なう。
なお、制御部101A及び通信部102Aは、無線局20A−1に対する機能と同様に、無線局20A−1以外の無線局20A−2,…に対しても機能する。
また、制御部101A及び通信部102Aは、無線局20A−2に対する機能と同様に、無線局20A−2以外の無線局20A−1,…に対しても機能する。
無線局20A−1及び無線局20A−2は、無線局10A−1から受信されたリソース特定情報により特定される無線リソースを用いることにより、直接通信を行なう。
なお、無線局10A−1以外の無線局10A−2,…も、無線局10A−1と同様の機能を有する。
図18及び図20に示したように、無線局20A−1の機能は、制御部(第1の制御部)201Aと、通信部(第1の通信部)202Aと、を備える。本例では、通信部202Aは、アンテナ21及び無線通信装置22により構成される。また、本例では、制御部201Aは、制御装置23及び記憶装置24により構成される。
制御部201Aは、自局20A−1を制御する。通信部202Aは、自局20A−1が接続されている無線局10A−1、及び、自局20A−1以外の無線局20A−2,…との間で、情報及び信号を送受信する。
通信部202Aは、第1の通信要求情報を無線局10A−1へ送信する。本例では、通信部202Aは、無線局20A−1のユーザによって、直接通信を表す情報が無線局20A−1に入力された場合、入力された情報に対応付けられた無線局識別情報を含む第1の通信要求情報を無線局10A−1へ送信する。本例では、第1の通信要求情報が、無線局20A−2を識別するための無線局識別情報を含む場合を想定する。
制御部201Aは、第1の通知情報を無線局20A−2へ送信するタイミングである送信タイミング(即ち、無線局20A−2に対する送信タイミング)を取得する。本例では、制御部201Aは、無線局10A−1から受信された第1の通信応答情報に含まれる送信タイミング情報が表す送信タイミングを取得する。
通信部202Aは、無線局10A−1から、直接通信を許可することを表す第1の通信応答情報が受信された場合、第1の要求完了情報を無線局10A−1へ送信する。第1の要求完了情報は、直接通信のための準備が完了した旨を表す情報である。本例では、第1の要求完了情報は、RRC D2D Setup Completeと呼ばれるメッセージである。
制御部201Aは、通信部202Aにより第1の要求完了情報が送信された場合、自局20A−1の状態を直接通信待機状態に設定する。本例では、直接通信待機状態は、RRC D2D IDLEモードとも呼ばれる。本例では、制御部201Aは、通信部202Aにより第1の要求完了情報が送信された時点にて、自局20A−1の状態を直接通信待機状態に設定する。
RRC D2D IDLEモードは、少なくともビーコン信号をモニタし、且つ、D2D通信を実行するために必要となるPDCCH(CRC部が後述するD2D−RNTIでマスクされている情報を伝送する通信チャネル)をモニタしないモードである。PDCCHは、Physical Downlink Control Channelの略記である。CRCは、Cyclic Redundacy Checkの略記である。D2D−RNTIは、Device−to−Device Radio Network Temporary Identificationの略記である。
例えば、RRC D2D IDLEモードは、D2D通信に必要な下りデータ割当(DL assignment)、及び、上りデータ送信許可(UL grant)を受信しなくてもよいモードである。なお、RRC D2D IDLEモードは、マクロ基地局との通信に必要な各種手順(報知情報の取得、及び、CRSのモニタ等)を実施するモードである。
更に、通信部202Aは、第1の要求完了情報を送信した場合、制御部201Aによって取得された送信タイミングにて、第2の通知情報を無線局20A−2へ送信する。第2の通知情報は、無線局20A−1が無線局20A−2と直接通信を実施する(即ち、D2D通信を行なう)旨を表す情報である。また、第2の通知情報は、無線局20A−1が無線局20A−2と直接に通信する用意がある旨を表す情報であってもよい。本例では、第2の通知情報は、無線局20A−1を識別するための無線局識別情報を含む。
具体的には、通信部202Aは、第1の要求完了情報を送信してから、所定の送信終了時点までの間、予め設定された第1の送信周期が経過する毎に、第2の通知情報を無線局20A−2へ繰り返し送信する。
なお、所定の送信終了時点は、無線局10A−1によって設定されてもよい。また、所定の送信終了時点は、通信規格等により予め規定されていてもよい。
また、通信部202Aは、第1の要求完了情報を受信した時点、又は、第2の通知情報の送信を開始した時点から経過した時間を測定し、測定された時間が所定の閾値以上となった時点を送信終了時点として用いてもよい。
本例では、送信終了時点は、第1の要求完了情報が送信された時点から予め設定された送信期間が経過した時点である。また、送信終了時点は、後述する通信準備通知情報が無線局10A−1から受信された時点でもよい。
なお、後述する通信部204Aは、無線局20A−1から第2の通知情報を受信した場合に、第4の通信要求情報を無線局20A−1へ送信するように構成されていてもよい。この場合、送信終了時点は、無線局20A−2から受信した情報に基づいて無線局20A−2が識別された時点であってもよい。
一方、通信部202Aは、無線局10A−1から、直接通信を拒否することを表す第1の通信応答情報が受信された場合、第1の要求完了情報を無線局10A−1へ送信しない。更に、この場合、通信部202Aは、第2の通知情報を無線局20A−2へ送信しない。
また、通信部202Aは、第1の要求完了情報を送信した場合、第1のビーコン信号を送信する。第1のビーコン信号は、無線局20A−2との間で通信を同期するために用いられる。なお、第1のビーコン信号は、無線局20A−2が無線通信可能な領域内に存在することを検出するために用いられてもよい(これをプロキシミティと呼んでもよい)。第1のビーコン信号は、Discovery信号とも呼ばれる。本例では、第1のビーコン信号は、送信元である無線局20A−1を識別するための無線局識別情報を含む。
具体的には、通信部202Aは、第1の要求完了情報を送信してから、予め設定された第2の送信周期が経過する毎に、第1のビーコン信号を繰り返し送信する。即ち、通信部202Aは、第1の要求完了情報を送信した後に、第1のビーコン信号の送信を開始する。
なお、通信部202Aは、RRCプロトコルに従った制御信号、MACプロトコルに従った制御信号、又は、PDCCHを介した制御信号等が受信された場合に、第1のビーコン信号の送信を開始してもよい。MACは、Medium Access Controlの略記である。
制御部201Aは、無線局10A−1から通信準備通知情報が受信された場合、自局20A−1の状態を直接通信接続状態に設定する。本例では、直接通信接続状態は、RRC D2D CONNECTEDモードとも呼ばれる。本例では、制御部201Aは、無線局10A−1から通信準備通知情報が受信された時点にて、自局20A−1の状態を直接通信接続状態に設定する。 RRC D2D Connectedモードは、少なくともビーコン信号をモニタし、且つ、D2D通信を実行するために必要となるPDCCH(CRC部がD2D−RNTIでマスクされている情報を伝送する通信チャネル)をモニタするモードである。
更に、通信部202Aは、無線局10A−1から通信準備通知情報が受信された場合、通信準備完了情報を無線局10A−1へ送信する。通信準備完了情報は、直接通信の準備が完了した旨を表す情報である。また、通信準備完了情報は、直接通信識別情報が正しく受信された旨を表す情報であってもよい。本例では、通信準備完了情報は、RRC D2D Invite Completeと呼ばれるメッセージである。
加えて、通信部202Aは、無線局10A−1から通信準備通知情報が受信された場合、リソース割当要求情報を無線局10A−1へ送信する。リソース割当要求情報は、無線リソースの割り当てを要求する情報である。本例では、リソース割当要求情報は、スケジューリング要求(Scheduling Request)と呼ばれる信号である。本例では、リソース割当要求情報は、無線局20A−1に割り当てられたPUCCHを介して送信される。PUCCHは、Physical Uplink Control Channelの略記である。
なお、制御部201A及び通信部202Aは、自局20A−1が無線局10A−1以外の無線局10A−2,…に接続されている場合も、自局20A−1が無線局10A−1に接続されている場合と同様に機能する。
図18乃至図20に示したように、無線局20A−2の機能は、制御部203Aと、通信部204Aと、を備える。本例では、通信部204Aは、アンテナ21及び無線通信装置22により構成される。また、本例では、制御部203Aは、制御装置23及び記憶装置24により構成される。
制御部203Aは、自局20A−2を制御する。通信部204Aは、自局20A−2が接続されている無線局10A−1、及び、自局20A−2以外の無線局20A−1,…との間で、情報及び信号を送受信する。
通信部204Aは、無線局10A−1から第1の通知情報が受信された場合、所定の第3の通信要求情報を無線局10A−1へ送信する。本例では、第3の通信要求情報は、無線局10A−1と無線局20A−2との間の通信の開始を要求する情報である。
通信部204Aは、無線局20A−1から第2の通知情報が受信された場合、第2の通信要求情報を無線局10A−1へ送信する。なお、第2の通知情報が受信されなかった場合、直接通信は成立しないため、第2の通信要求情報を無線局10A−1へ送信することはないので、直接通信は失敗する。
この場合、無線局10A−1が、直接通信が失敗したことを把握してもよい。具体的には、無線局10A−1は、無線局20A−1が直接通信を行いたいことを把握した後(例えば、第1の通信要求情報を受信した後、又は、第1の要求完了情報を受信した後)タイマを始動する。無線局10A−1は、タイマが満了するまでに、無線局20A−2から第2の通信要求情報を受信しない場合、直接通信に失敗したと判断し、第2の通知情報の送信を停止するように無線局20A−1を制御する。この制御は、例えば、直接通信を非設定(de−configure)にすることで実施できる。
通信部204Aは、無線局10A−1から、直接通信を許可することを表す第2の通信応答情報が受信された場合、第2の要求完了情報を無線局10A−1へ送信する。第2の要求完了情報は、直接通信のための準備が完了した旨を表す情報である。本例では、第2の要求完了情報は、RRC D2D Setup Completeと呼ばれるメッセージである。
制御部203Aは、通信部204Aにより第2の要求完了情報が送信された場合、自局20A−2の状態を直接通信待機状態に設定する。本例では、制御部203Aは、通信部204Aにより第2の要求完了情報が送信された時点にて、自局20A−2の状態を直接通信待機状態に設定する。
また、通信部204Aは、第2の要求完了情報を送信した場合、第2のビーコン信号を送信する。第2のビーコン信号は、無線局20A−1との間で通信を同期するために用いられる。なお、第2のビーコン信号は、無線局20A−1が無線通信可能な領域内に存在することを検出するために用いられてもよい。第2のビーコン信号は、Discovery信号とも呼ばれる。本例では、第2のビーコン信号は、送信元である無線局20A−2を識別するための無線局識別情報を含む。
具体的には、通信部204Aは、第2の要求完了情報を送信してから、予め設定された第3の送信周期が経過する毎に、第2のビーコン信号を繰り返し送信する。即ち、通信部204Aは、第2の要求完了情報を送信した後に、第2のビーコン信号の送信を開始する。なお、通信部204Aは、RRCプロトコルに従った制御信号、MACプロトコルに従った制御信号、又は、PDCCHを介した制御信号等が受信された場合に、第2のビーコン信号の送信を開始してもよい。
通信部202A及び通信部204Aは、第1のビーコン信号及び第2のビーコン信号に基づいて、無線局20A−1と無線局20A−2との間の通信を同期する。
なお、第1のビーコン信号及び第2のビーコン信号は、直接通信の品質を測定するために用いられてもよい。また、無線局20A−2が第1のビーコン信号を検出できない場合、又は、無線局20A−2によって検出される第1のビーコン信号の強度が所定の閾値以下である場合、無線局20A−2は、直接通信を実行しないように制御されてもよい。同様に、無線局20A−1が第2のビーコン信号を検出できない場合、又は、無線局20A−1によって検出される第2のビーコン信号の強度が所定の閾値以下である場合、無線局20A−1は、直接通信を実行しないように制御されてもよい。
制御部203Aは、無線局10A−1から通信準備通知情報が受信された場合、自局20A−2の状態を直接通信接続状態に設定する。本例では、制御部203Aは、無線局10A−1から通信準備通知情報が受信された時点にて、自局20A−2の状態を直接通信接続状態に設定する。
なお、制御部203A及び通信部204Aは、自局20A−2が無線局10A−1以外の無線局10A−2,…に接続されている場合も、自局20A−2が無線局10A−1に接続されている場合と同様に機能する。
なお、無線局20A−1は、図18に示した機能に加えて、図19に示した無線局20A−2と同様の機能も有する。また、無線局20A−2は、図19に示した機能に加えて、図18に示した無線局20A−1と同様の機能も有する。また、無線局20A−1及び無線局20A−2以外の無線局20Aも、無線局20A−1及び無線局20A−2と同様の機能を有する。なお、無線局20A−1は、図18に示した機能のみを有し、無線局20A−2は、図19に示した機能のみを有していてもよい。
(作動)
次に、上述した無線通信システム1Aの作動について、図21及び図22を参照しながら説明する。
本例では、無線局20A−1及び無線局20A−2の位置が、無線局10A−1が有するセルに含まれるとともに、無線局10A−1に、無線局20A−1及び無線局20A−2の両方が接続されている場合を想定する。
先ず、無線局20A−2以外の無線局20A−1,…の1つである無線局20A(他の無線局20A)が無線局10A−1を介して無線局20A−2を呼び出すページング信号の送信を無線局10A−1が指示された場合を想定する。この場合、無線局10A−1は、第1の通知情報としてのページング信号を、無線局20A−2に対する送信タイミングにて無線局20A−2へ送信する(図21のステップS201)。
これにより、無線局20A−2は、無線局10A−1から第1の通知情報を受信する。そして、無線局20A−2のユーザにより入力された情報に基づいて、無線局20A−2は、第3の通信要求情報を無線局10A−1へ送信する(図21のステップS202)。本例では、第3の通信要求情報は、RRC Setup Requestと呼ばれるメッセージである。これにより、無線局10A−1は、無線局20A−2から第3の通信要求情報を受信する。
次いで、無線局10A−1は、通信を許可する旨を表す第3の通信応答情報を無線局20A−2へ送信する(図21のステップS203)。本例では、通信を許可する旨を表す第3の通信応答情報は、RRC Setupと呼ばれるメッセージである。これにより、無線局20A−2は、無線局10A−1から、通信を許可する旨を表す第3の通信応答情報を受信する。
次いで、無線局20A−2は、第3の要求完了情報を無線局10A−1へ送信する(図21のステップS204)。本例では、第3の要求完了情報は、RRC Setup Completeと呼ばれるメッセージである。これにより、無線局10A−1は、無線局20A−2から、第3の要求完了情報を受信する。そして、上記他の無線局20Aは、無線局10A−1を介して無線局20A−2と通信(非直接通信)を行なう(図21のステップS205)。非直接通信は、第1無線局群を構成する無線局20A間の、第2無線局群を構成する無線局10A−1を介した通信であると捉えられてもよい。
その後、無線局20A−1のユーザは、無線局20A−2との間の直接通信を希望する場合、当該直接通信を表す情報を無線局20A−1に入力する。なお、無線局20A−1のユーザが、無線局20A−2との間の直接通信を希望する状況としては、下記の、第1の状況及び第2の状況が想定され得る。第1の状況は、無線局20A−1のユーザが、自身と十分に近い位置に無線局20A−2のユーザが位置していることを認識している状況である。第2の状況は、無線局20A−1のユーザが、無線局20A−2のユーザの位置を認識することなく、無線局20A−2のユーザとの会話を希望している状況である。
これにより、無線局20A−1は、ユーザにより入力された情報に対応付けられた無線局識別情報(即ち、無線局20A−2を識別するための無線局識別情報)を含む第1の通信要求情報を無線局10A−1へ送信する(図21のステップS206)。
無線局10A−1は、第1の通信要求情報を受信すると、第1の実行条件が成立するか否かを判定する。本例では、第1の実行条件は、無線局20A−2へ第1の通知情報を送信する予定でない、という条件である。
第1の実行条件が成立する場合、無線局10A−1は、無線局20A−1から受信された第1の通信要求情報に含まれる無線局識別情報により識別される無線局20A−2に対応付けて記憶されている基礎情報を取得する。
そして、無線局10A−1は、取得された基礎情報と、無線局20A−1から受信された第1の通信要求情報に含まれる無線局識別情報と、に基づいて、無線局20A−2に対する送信タイミングを取得する。次いで、無線局10A−1は、取得された送信タイミングを表す送信タイミング情報を含み且つ直接通信を許可することを表す第1の通信応答情報を、第1の通信要求情報の送信元である無線局20A−1へ送信する(図21のステップS207)。
これにより、無線局20A−1は、無線局10A−1から、直接通信を許可することを表す第1の通信応答情報を受信する。そして、無線局20A−1は、第1の要求完了情報を無線局10A−1へ送信する(図21のステップS208)。更に、無線局20A−1は、第1の要求完了情報を送信した時点(図21のステップS208)にて、自局20A−1の状態を直接通信待機状態に設定する。加えて、無線局20A−1は、第1の要求完了情報を送信した時点にて、第1のビーコン信号の送信を開始する。
具体的には、無線局20A−1は、期間TP21,TP22において、予め設定された第2の送信周期が経過する毎に、第1のビーコン信号を繰り返し送信する。これにより、無線局20A−2は、第1のビーコン信号を受信する。本例では、期間TP21は、無線局20A−1が第1の要求完了情報を送信した時点にて開始する。なお、期間TP21は、無線局20A−1が第1の要求完了情報を送信した時点から所定の時間だけ後の時点から開始してもよい。また、期間TP21は、直接通信を許可することを表す第1の通信応答情報が受信された時点にて開始してもよい。
更に、無線局20A−1は、直接通信を許可することを表す第1の通信応答情報を受信した後、受信された第1の通信応答情報に含まれる送信タイミング情報が表す送信タイミングを取得する。次いで、無線局20A−1は、自局20A−1を識別するための無線局識別情報を含む第2の通知情報の送信を開始する(図21のステップS209)。
具体的には、無線局20A−1は、上述した送信終了時点までの間、予め設定された第1の送信周期が経過する毎に、取得された送信タイミングにて、第2の通知情報を無線局20A−2へ繰り返し送信する。本例では、第2の通知情報の送信は、無線局20A−1が第1の要求完了情報を送信した時点にて開始する。なお、第2の通知情報の送信は、無線局20A−1が第1の要求完了情報を送信した時点から所定の時間だけ後の時点から開始してもよい。また、第2の通知情報の送信は、第1の通信応答情報が受信された時点にて開始してもよい。
これにより、無線局20A−2は、第2の通知情報を受信する。そして、無線局20A−2は、第2の通知情報を受信すると、自局20A−2を識別するための無線局識別情報を含む第2の通信要求情報を無線局10A−1へ送信する(図21のステップS210)。
これにより、無線局10A−1は、無線局20A−2から、第2の通信要求情報を受信する。そして、無線局10A−1は、第2の通信要求情報を受信すると、第2の実行条件が成立するか否かを判定する。
第2の実行条件が成立する場合、無線局10A−1は、直接通信を許可することを表す第2の通信応答情報を、第2の通信要求情報の送信元である無線局20A−2へ送信する(図21のステップS211)。
これにより、無線局20A−2は、直接通信を許可することを表す第2の通信応答情報を受信する。そして、無線局20A−2は、第2の要求完了情報を無線局10A−1へ送信する(図21のステップS212)。更に、無線局20A−2は、第2の要求完了情報を送信した時点(図21のステップS212)にて、自局20A−2の状態を直接通信待機状態に設定する。加えて、無線局20A−2は、第2の要求完了情報を送信した時点にて、第2のビーコン信号の送信を開始する。
具体的には、無線局20A−2は、期間TP31,TP32において、予め設定された第3の送信周期が経過する毎に、第2のビーコン信号を繰り返し送信する。これにより、無線局20A−1は、第2のビーコン信号を受信する。本例では、期間TP31は、無線局20A−2が第2の要求完了情報を送信した時点にて開始する。なお、期間TP31は、無線局20A−2が第2の要求完了情報を送信した時点から所定の時間だけ後の時点から開始してもよい。また、期間TP31は、直接通信を許可することを表す第2の通信応答情報が受信された時点にて開始してもよい。
これにより、無線局10A−1は、無線局20A−2から第2の要求完了情報を受信する。そして、無線局10A−1は、通信準備通知情報を無線局20A−1及び無線局20A−2のそれぞれへ送信する(図21のステップS213)。これにより、無線局20A−1及び無線局20A−2のそれぞれは、無線局10A−1から通信準備通知情報を受信する。
無線局20A−1は、通信準備通知情報を受信した時点(図21のステップS213)にて、自局20A−1の状態を直接通信接続状態に設定する。同様に、無線局20A−2は、通信準備通知情報を受信した時点にて、自局20A−2の状態を直接通信接続状態に設定する。
そして、無線局20A−1は、通信準備完了情報を無線局10A−1へ送信する(図21のステップS214)。同様に、無線局20A−2は、通信準備完了情報を無線局10A−1へ送信する(図21のステップS215)。
次いで、無線局20A−1は、リソース割当要求情報を無線局10A−1へ送信する(図22のステップS216)。これにより、無線局10A−1は、無線局20A−1からリソース割当要求情報を受信する。
そして、無線局10A−1は、リソース割当要求情報を受信すると、自局10A−1が有するセルにおいて提供される無線リソースを直接通信に割り当てる。そして、無線局10A−1は、割り当てられた無線リソースを特定するリソース特定情報に対するスクランブル処理に関し、ステップS213にて送信した通信準備通知情報に含まれる直接通信識別情報を用いてリソース特定情報をマスクすることにより実行する。次いで、無線局10A−1は、スクランブル処理の実行後のリソース特定情報を、無線局20A−1及び無線局20A−2のそれぞれへ送信する(図22のステップS217)。
なお、「それぞれへ送信する」ことは、物理レイヤにおいて、リソース特定情報を別々のチャネル(PDCCH)を使用して送信することであってもよい。また、「それぞれへ送信する」ことは、物理レイヤにおいて、リソース特定情報を単一のチャネル(PDCCH)を使用して送信することであってもよい。例えば、報知情報の送信方法と同様に、無線局10A−1は、リソース特定情報を、一つのチャネル(PDCCH)を使用して送信してもよい。この場合、受信側となる無線局20はそのチャネルをモニターすることによって、リソース特定情報を同時に検出できる。
例えば、ある無線局20において、一つのチャネルにて送信されたリソース特定情報を受信した区間(サブフレーム)が、対向無線局20からの信号を受信する区間(サブフレーム)である場合を想定する。この場合、受信されたリソース特定情報は、そのリソース特定情報により特定される無線リソースを用いて、対向無線局20からのデータを受信すること(即ち、UL grant)を意味する。
逆に、対向無線局20にとっては、そのリソース特定情報を受信した区間(サブフレーム)は、対向無線局20からの信号を送信する区間(サブフレーム)である。この場合、受信されたリソース特定情報は、そのリソース特定情報により特定される無線リソースを用いて、対向無線局20へのデータを送信すること(即ち、DL assignment)を意味する。
本例では、無線局10A−1は、上りデータ送信許可(UL grant)としてのリソース特定情報を無線局20A−1へ送信し、且つ、下りデータ割当(DL assignment)としてのリソース特定情報を無線局20A−2へ送信する。なお、無線局10A−1は、下りデータ割当としてのリソース特定情報を無線局20A−1へ送信し、且つ、上りデータ送信許可としてのリソース特定情報を無線局20A−2へ送信してもよい。
これにより、無線局20A−1及び無線局20A−2のそれぞれは、無線局10A−1からリソース特定情報を受信する。その後、無線局20A−1及び無線局20A−2のそれぞれは、受信されたリソース特定情報に対して、受信された通信準備通知情報に含まれる直接通信識別情報に基づいてデスクランブル処理を実行する。
次いで、無線局20A−1及び無線局20A−2のそれぞれは、デスクランブル処理の実行後のリソース特定情報により特定される無線リソースを用いることにより、データの送受信を含む直接通信を行なう。具体的には、無線局20A−1は、データ信号を無線局20A−2へ送信する(図22のステップS218)。
無線局20A−2は、無線局20A−1から受信したデータ信号に対する再送制御信号を無線局20A−1へ送信する(図22のステップS219)。再送制御信号は、データ信号が正しく受信されたか否かを表す情報を含む。例えば、再送制御信号は、ACK(Acknowledgement)信号又はNACK(Negative ACK)信号である。
その後、無線局20A−2は、リソース割当要求情報を無線局10A−1へ送信する(図22のステップS220)。これにより、無線局10A−1は、無線局20A−2からリソース割当要求情報を受信する。
そして、無線局10A−1は、リソース割当要求情報を受信すると、ステップS217と同様に、自局10A−1が有するセルにおいて提供される無線リソースを直接通信に割り当てる。更に、無線局10A−1は、スクランブル処理の実行後のリソース特定情報を、無線局20A−1及び無線局20A−2のそれぞれへ送信する(図22のステップS221)。
本例では、無線局10A−1は、上りデータ送信許可(UL grant)としてのリソース特定情報を無線局20A−2へ送信し、且つ、下りデータ割当(DL assignment)としてのリソース特定情報を無線局20A−1へ送信する。なお、無線局10A−1は、下りデータ割当としてのリソース特定情報を無線局20A−2へ送信し、且つ、上りデータ送信許可としてのリソース特定情報を無線局20A−1へ送信してもよい。
これにより、無線局20A−1及び無線局20A−2のそれぞれは、無線局10A−1からリソース特定情報を受信する。その後、無線局20A−2は、データ信号を無線局20A−1へ送信する(図22のステップS222)。無線局20A−1は、無線局20A−2から受信したデータ信号に対する再送制御信号を無線局20A−2へ送信する(図22のステップS223)。
なお、無線局10A−1が第1の通信要求情報を受信した時点にて、第1の実行条件が成立しない場合、無線局10A−1は、直接通信を拒否することを表す第1の通信応答情報を無線局20A−1へ送信する。これにより、無線局20A−1は、直接通信を拒否することを表す第1の通信応答情報を受信する。この場合、無線局20A−1は、第2の通知情報を送信しない。即ち、直接通信は実行されない。
また、無線局10A−1が第2の通信要求情報を受信した時点にて、第2の実行条件が成立しない場合、無線局10A−1は、直接通信を拒否することを表す第2の通信応答情報を無線局20A−2へ送信する。これにより、無線局20A−2は、直接通信を拒否することを表す第2の通信応答情報を受信する。更に、この場合、無線局10A−1は、通信準備通知情報を送信しない。即ち、直接通信は実行されない。
なお、無線局20A−1と無線局20A−2との間でデータ信号が送受信されることは、無線局20A−1と無線局20A−2とが直接通信を実施することの一例である。
以上、説明したように、第3実施形態に係る無線通信システム1Aによれば、無線局20A−1は、無線局10A−1が第1の通知情報を無線局20A−2へ送信するタイミングである送信タイミングを取得する。更に、無線局20A−1は、取得された送信タイミングにて、第2の通知情報を無線局20A−2へ送信する。
これによれば、第1の通知情報が送信される送信タイミングにて、第2の通知情報が送信される。これにより、第1の通知情報のための送信タイミングと異なるタイミングにて第2の通知情報が送信される場合と比較して、無線局20A−2が消費する電力を低減することができる。
更に、第3実施形態に係る無線通信システム1Aによれば、無線局20A−1は、第1の通信要求情報を無線局10A−1へ送信する。更に、無線局10A−1は、無線局20A−1から第1の通信要求情報が受信された場合において、第1の実行条件が成立するとき、直接通信を許可することを表す第1の通信応答情報を無線局20A−1へ送信する。一方、無線局10A−1は、無線局20A−1から第1の通信要求情報が受信された場合において、第1の実行条件が成立しないとき、直接通信を拒否することを表す第1の通信応答情報を無線局20A−1へ送信する。加えて、無線局20A−1は、無線局10A−1から、直接通信を許可することを表す第1の通信応答情報が受信された場合、第2の通知情報を無線局20A−2へ送信する。一方、無線局20A−1は、無線局10A−1から、直接通信を拒否することを表す第1の通信応答情報が受信された場合、第2の通知情報を送信しない。
これによれば、第1の実行条件の成立の可否に基づいて、第2の通知情報を送信するか否かが制御される。この結果、第2の通知情報の送信の可否を柔軟に制御することができる。例えば、第1の通知情報を送信する予定でない、という条件を第1の実行条件として設定することにより、第1の通知情報と第2の通知情報とが同時に送信されることを回避できる。
また、無線局10A−1は、第2の通知情報が送信される前に、第1の通信要求情報を受信する。従って、無線局10A−1は、無線局20A−1が第2の通知情報を送信タイミングにて送信することを、予め認識することができる。この結果、例えば、第2の通知情報が送信される場合に、第1の通知情報の送信を中止(停止)できる。
更に、第3実施形態に係る無線通信システム1Aによれば、第1の通知情報は、無線局20A−2以外の無線局20A−1,…の1つが無線局10A−1を介して無線局20A−2と通信する旨を表す。ところで、無線通信システム1Aは、第1の通知情報を予め定められた送信タイミングにて送信するように構成される。従って、上記のように構成された無線通信システム1Aによれば、第2の通知情報を送信するタイミングを確実に確保しながら、無線局20A−2が消費する電力を低減することができる。
更に、第3実施形態に係る無線通信システム1Aによれば、無線局20A−2は、無線局20A−1から第2の通知情報が受信された場合、直接通信を要求する第2の通信要求情報を無線局10A−1へ送信する。
これによれば、無線局10A−1は、第2の通知情報の送信が終了することを、予め認識することができる。この結果、例えば、第1の通知情報と第2の通知情報とが同時に送信されることを回避しながら、第1の通知情報の送信が無駄に待機させられることを回避できる。
更に、第3実施形態に係る無線通信システム1Aによれば、無線局10A−1は、無線局20A−1から受信された第1の通信要求情報に含まれる無線局識別情報に基づいて、無線局20A−2が接続された無線局10A−1に設定された基礎情報を取得する。加えて、無線局10A−1は、取得された基礎情報と無線局識別情報とに基づいて送信タイミングを取得する。更に、無線局10A−1は、取得された送信タイミングを表す送信タイミング情報を含む第1の通信応答情報を無線局20A−1へ送信する。加えて、無線局20A−1は、無線局10A−1から受信された第1の通信応答情報に含まれる送信タイミング情報が表す送信タイミングを取得する。
ところで、無線局20A−1は、自局20A−1以外の無線局20Aである無線局20A−2にUE specific DRXが割り当てられているか否かを認識することができない。一方、無線局10A−1は、無線局20A−2にUE specific DRXが割り当てられているか否かを認識することができる。従って、上記構成によれば、無線局20A−1は、送信タイミングを確実に取得することができる。
更に、第3実施形態に係る無線通信システム1Aによれば、無線局20A−1は、第1の送信周期が経過する毎に、第2の通知情報を繰り返し送信し、且つ、所定の送信終了時点にて第2の通知情報の送信を終了する。
これによれば、無線局20A−2が無線局20A−1から第2の通知情報を受信した後に、無線局20A−1が第2の通知情報を無駄に送信することを回避できる。
更に、第3実施形態に係る無線通信システム1Aによれば、無線局10A−1は、無線リソースを直接通信に割り当てる。加えて、無線局10A−1は、割り当てられた無線リソースを特定するリソース特定情報に対するスクランブル処理に関し、直接通信識別情報を用いてリソース特定情報をマスクすることにより実行する。更に、無線局10A−1は、実行後のリソース特定情報を無線局20A−1及び無線局20A−2のそれぞれへ送信する。加えて、無線局20A−1及び無線局20A−2のそれぞれは、無線局10A−1から受信されたリソース特定情報に対して、受信された通信準備通知情報に含まれる直接通信識別情報に基づいてデスクランブル処理を実行する。更に、無線局20A−1及び無線局20A−2のそれぞれは、実行後のリソース特定情報により特定される無線リソースを用いることにより、データの送受信を含む直接通信を行なう。
これによれば、無線局10A−1は、直接通信に割り当てた無線リソースを特定するリソース特定情報を、当該直接通信を行なう無線局である、無線局20A−1及び無線局20A−2にのみ伝達することができる。この結果、無線局20A−1及び無線局20A−2は、直接通信を確実に実行することができる。
更に、第3実施形態に係る無線通信システム1Aによれば、無線局20A−1は、第1の要求完了情報を送信した後に、無線局20A−2との間で通信を同期するための第1のビーコン信号の送信を開始する。
ところで、第1の要求完了情報が送信される前の時点においては、無線局20A−1と無線局20A−2との間で通信を同期する必要がない。このため、第1の要求完了情報が送信される前の時点においては、第1のビーコン信号が送信されても、その第1のビーコン信号が使用されない。従って、上記構成によれば、第1のビーコン信号が無駄に送信されることを回避できる。
更に、第3実施形態に係る無線通信システム1Aによれば、無線局20A−2は、第2の要求完了情報を送信した後に、無線局20A−1との間で通信を同期するための第2のビーコン信号の、無線局20A−1への送信を開始する。
ところで、第2の要求完了情報が送信される前の時点において、第2のビーコン信号が送信されても、その第2のビーコン信号が使用されないことが多い。従って、上記構成によれば、第2のビーコン信号が無駄に送信されることを回避できる。
なお、第3実施形態に係る無線通信システム1Aは、第1の通信応答情報が送信タイミング情報を含むように構成されていたが、第1の通信応答情報が基礎情報のすべてを含むように構成されていてもよい。この場合、無線局20A−1は、第1の通信応答情報に含まれる基礎情報と無線局識別情報とに基づいて無線局20A−2に対する送信タイミングを取得する。
また、第3実施形態に係る無線通信システム1Aは、第1の通信応答情報が送信タイミング情報を含むように構成されていたが、第1の通信応答情報がUE specific DRX(第3の要素情報)を含むように構成されていてもよい。この場合、無線局20A−1は、第1の通信応答情報に含まれる第3の要素情報と、報知情報に含まれる、第1の要素情報及び第2の要素情報と、無線局識別情報とに基づいて無線局20A−2に対する送信タイミングを取得する。
また、第3実施形態に係る無線通信システム1Aは、第1の通信応答情報が送信タイミング情報を含むように構成されていたが、第1の通信応答情報が送信タイミング情報及び要素情報のいずれも含まないように構成されていてもよい。この場合、無線局20A−1は、報知情報に含まれる、第1の要素情報及び第2の要素情報と、無線局識別情報とに基づいて無線局20A−2に対する送信タイミングを取得する。特に、無線局20A−2にUE specific DRXが割り当てられていない場合には、このように構成された場合であっても、無線局20A−1は、無線局20A−2に対する送信タイミングを正しく取得できる。
なお、無線通信システム1Aは、無線局20A−1の代わりに無線局10A−1が、第2の通知情報を無線局20A−2へ送信するように構成されていてもよい。
また、第3実施形態に係る無線通信システム1Aにおいて、無線局20A−1は、通信を許可する旨を表す第1の通信応答情報が受信された場合、第1の要求完了情報を無線局10A−1へ送信しないように構成されていてもよい。同様に、第3実施形態に係る無線通信システム1Aにおいて、無線局20A−2は、通信を許可する旨を表す第2の通信応答情報が受信された場合、第2の要求完了情報を無線局10A−1へ送信しないように構成されていてもよい。
また、第3実施形態に係る無線通信システム1Aは、第2の通知情報の送信元である無線局20A−1が、第2の通知情報の送信先である無線局20A−2に先だって、リソース割当要求情報を無線局10A−1へ送信するように構成されている。ところで、無線通信システム1Aは、第2の通知情報の送信先である無線局20A−2が、第2の通知情報の送信元である無線局20A−1に先だって、リソース割当要求情報を無線局10A−1へ送信するように構成されていてもよい。
また、無線通信システム1Aは、第2の通知情報の送信元である無線局20A−1のみがリソース割当要求情報を無線局10A−1へ送信するように構成されていてもよい。また、無線通信システム1Aは、第2の通知情報の送信先である無線局20A−2のみがリソース割当要求情報を無線局10A−1へ送信するように構成されていてもよい。
また、上記第3実施形態に係る無線通信システム1Aは、図23に示したように、無線局20A−2が第2の通知情報を受信した(ステップS209)直後に、ステップS401〜S404の処理を実行するように構成されていてもよい。ステップS401〜S404の処理は、競合ベースのランダムアクセス手順(Contention Based Random Access Procedure)を構成する。
具体的には、無線局20A−2は、第2の通知情報を受信する(図23のステップS209)と、第1のRA(Random Access)手順情報を無線局20A−1へ送信する(図23のステップS401)。第1のRA手順情報は、Random Access Preambleと呼ばれるメッセージである。第1のRA手順情報は、PRACHを介して送信される。PRACHは、Physical Random Access Channelの略記である。即ち、無線局20A−2に、PUCCHが割り当てられていない場合であっても、無線局20A−2は、第1のRA手順情報を送信することができる。
これにより、無線局20A−1は、無線局20A−2から第1のRA手順情報を受信する。次いで、無線局20A−1は、第1のRA手順情報を受信すると、第2のRA手順情報を無線局20A−2へ送信する(図23のステップS402)。第2のRA手順情報は、Random Access Responseと呼ばれるメッセージである。これにより、無線局20A−2は、無線局20A−1から第2のRA手順情報を受信する。
次いで、無線局20A−2は、第2のRA手順情報を受信すると、第3のRA手順情報を無線局20A−1へ送信する(図23のステップS403)。第3のRA手順情報は、Scheduled Transmission、又は、RRC Connection Establishment Requestと呼ばれるメッセージである。これにより、無線局20A−1は、無線局20A−2から第3のRA手順情報を受信する。
次いで、無線局20A−1は、第3のRA手順情報を受信すると、第4のRA手順情報を無線局20A−2へ送信する(図23のステップS404)。第4のRA手順情報は、Contention Resolutionと呼ばれるメッセージである。これにより、無線局20A−2は、無線局20A−1から第4のRA手順情報を受信する。
この場合、ランダムアクセス手順において、無線通信の最適化、及び、無線局識別情報の通知が行われてもよい。
また、無線通信システム1Aは、競合ベースのランダムアクセス手順に代えて、非競合ベースのランダムアクセス手順(Non−Contention Based Random Access Procedure)を実行してもよい。
更に、無線局20A−2は、第4のRA手順情報を受信した後、第2の通信要求情報を無線局10A−1へ送信する(図23のステップS210)。
なお、送信終了時点は、無線局20A−1がRA手順の相手である無線局20A−2を識別した時点である。例えば、送信終了時点は、第3のRA手順情報が受信された時点、又は、第3のRA手順情報が受信された時点と第4のRA手順情報が送信される時点との間の時点である。
また、上記第3実施形態に係る無線通信システム1Aは、図24に示したように、図22のステップS216の処理に代えて、ステップS501〜S504の処理を実行し、且つ、図22のステップS220の処理に代えて、ステップS505〜S508の処理を実行するように構成されていてもよい。ステップS501〜S504の処理は、競合ベースのランダムアクセス手順を構成する。同様に、ステップS505〜S508の処理も、競合ベースのランダムアクセス手順を構成する。
具体的には、無線局20A−1は、通信準備完了情報を送信する(図24のステップS214)と、第1のRA手順情報を無線局10A−1へ送信する(図24のステップS501)。第1のRA手順情報は、PRACHを介して送信される。即ち、無線局20A−1に、PUCCHが割り当てられていない場合であっても、無線局20A−1は、第1のRA手順情報を送信することができる。
これにより、無線局10A−1は、無線局20A−1から第1のRA手順情報を受信する。この場合、第1のRA手順情報は、リソース割当要求情報の一例である。
次いで、無線局10A−1は、第1のRA手順情報を受信すると、第2のRA手順情報を無線局20A−1へ送信する(図24のステップS502)。これにより、無線局20A−1は、無線局10A−1から第2のRA手順情報を受信する。
次いで、無線局20A−1は、第2のRA手順情報を受信すると、第3のRA手順情報を無線局10A−1へ送信する(図24のステップS503)。これにより、無線局10A−1は、無線局20A−1から第3のRA手順情報を受信する。
次いで、無線局10A−1は、第3のRA手順情報を受信すると、第4のRA手順情報を無線局20A−1へ送信する(図24のステップS504)。これにより、無線局20A−1は、無線局10A−1から第4のRA手順情報を受信する。
この場合、ランダムアクセス手順において、無線通信の最適化、及び、無線局識別情報の通知が行われてもよい。
なお、無線通信システム1Aは、競合ベースのランダムアクセス手順としてのステップS501〜S504の処理に代えて、非競合ベースのランダムアクセス手順を実行してもよい。
そして、無線局10A−1は、第4のRA手順情報を送信した後、リソース特定情報を、無線局20A−1及び無線局20A−2のそれぞれへ送信する(図24のステップS215)。
その後、無線局20A−1は、データ信号を無線局20A−2へ送信する(図24のステップS218)。次いで、無線局20A−2は、無線局20A−1から受信したデータ信号に対する再送制御信号を無線局20A−1へ送信する(図24のステップS219)。
その後、無線局20A−2は、第1のRA手順情報を無線局10A−1へ送信する(図24のステップS505)。第1のRA手順情報は、PRACHを介して送信される。即ち、無線局20A−2に、PUCCHが割り当てられていない場合であっても、無線局20A−2は、第1のRA手順情報を送信することができる。
これにより、無線局10A−1は、無線局20A−2から第1のRA手順情報を受信する。この場合、第1のRA手順情報は、リソース割当要求情報の一例である。
次いで、無線局10A−1は、第1のRA手順情報を受信すると、第2のRA手順情報を無線局20A−2へ送信する(図24のステップS506)。これにより、無線局20A−2は、無線局10A−1から第2のRA手順情報を受信する。
次いで、無線局20A−2は、第2のRA手順情報を受信すると、第3のRA手順情報を無線局10A−1へ送信する(図24のステップS507)。これにより、無線局10A−1は、無線局20A−2から第3のRA手順情報を受信する。
次いで、無線局10A−1は、第3のRA手順情報を受信すると、第4のRA手順情報を無線局20A−2へ送信する(図24のステップS508)。これにより、無線局20A−2は、無線局10A−1から第4のRA手順情報を受信する。
この場合、ランダムアクセス手順において、無線通信の最適化、及び、無線局識別情報の通知が行われてもよい。
なお、無線通信システム1Aは、競合ベースのランダムアクセス手順としてのステップS505〜S508の処理に代えて、非競合ベースのランダムアクセス手順を実行してもよい。
そして、無線局10A−1は、第4のRA手順情報を送信した後、リソース特定情報を、無線局20A−1及び無線局20A−2のそれぞれへ送信する(図24のステップS221)。
その後、無線局20A−2は、データ信号を無線局20A−1へ送信する(図24のステップS222)。次いで、無線局20A−1は、無線局20A−2から受信したデータ信号に対する再送制御信号を無線局20A−2へ送信する(図24のステップS223)。
また、上記第3実施形態に係る無線通信システム1Aは、図25に示したように、図21のステップS207及びステップS208の処理に代えて、ステップS601〜S604の処理を実行するように構成されていてもよい。ステップS601〜S604の処理は、第1の通信応答手順を構成する。
具体的には、無線局10A−1は、無線局20A−1から第1の通信要求情報を受信する(図25のステップS206)と、第1の通信応答手順情報を無線局20A−1へ送信する(図25のステップS601)。本例では、第1の通信応答手順情報は、RRC D2D Setupと呼ばれるメッセージである。これにより、無線局20A−1は、無線局10A−1から第1の通信応答手順情報を受信する。
次いで、無線局20A−1は、無線局10A−1から第1の通信応答手順情報を受信すると、第2の通信応答手順情報を無線局10A−1へ送信する(図25のステップS602)。本例では、第2の通信応答手順情報は、RRC D2D Setup Completeと呼ばれるメッセージである。これにより、無線局10A−1は、無線局20A−1から第2の通信応答手順情報を受信する。
そして、無線局10A−1は、無線局20A−1から第2の通信応答手順情報を受信すると、第3の通信応答手順情報を無線局20A−1へ送信する(図25のステップS603)。本例では、第3の通信応答手順情報は、送信タイミング情報を含む。本例では、第3の通信応答手順情報は、RRC Connection Reconfigurationと呼ばれるメッセージである。これにより、無線局20A−1は、無線局10A−1から第3の通信応答手順情報を受信する。この場合、第3の通信応答手順情報は、通信を許可する旨を表す第1の通信応答情報の一例である。
次いで、無線局20A−1は、無線局10A−1から第3の通信応答手順情報を受信すると、第4の通信応答手順情報を無線局10A−1へ送信する(図25のステップS604)。本例では、第4の通信応答手順情報は、RRC Connection Reconfiguration Completeと呼ばれるメッセージである。これにより、無線局10A−1は、無線局20A−1から第4の通信応答手順情報を受信する。
本例では、第2の通知情報の送信は、無線局20A−1が第4の通信応答手順情報を送信した時点から開始する。なお、第2の通知情報の送信は、第1の通信応答手順情報が受信された時点、第2の通信応答手順情報が送信された時点、又は、第3の通信応答手順情報が受信された時点にて開始してもよい。
同様に、本例では、無線局20A−1の状態が直接通信待機状態に設定される期間TP21は、無線局20A−1が第4の通信応答手順情報を送信した時点から開始する。なお、期間TP21は、第1の通信応答手順情報が受信された時点、第2の通信応答手順情報が送信された時点、又は、第3の通信応答手順情報が受信された時点にて開始してもよい。
また、第3実施形態に係る無線通信システム1Aは、無線局10A−1が第2の通信要求情報を受信した後、図21のステップS211及びステップS212の処理に代えて、図25のステップS601〜S604と同様の処理を実行するように構成されていてもよい。この場合、無線局20A−2の状態が直接通信待機状態に設定される期間TP31は、無線局20A−2が第4の通信応答手順情報を送信した時点から開始することが好適である。なお、期間TP31は、第1の通信応答手順情報が受信された時点、第2の通信応答手順情報が送信された時点、又は、第3の通信応答手順情報が受信された時点にて開始してもよい。
また、第3実施形態に係る無線通信システム1Aにおいて、無線局20A−1及び無線局20A−2のそれぞれは、通信準備通知情報が受信された場合、通信準備完了情報を無線局10A−1へ送信しないように構成されていてもよい。
また、第3実施形態に係る無線通信システム1Aは、DS(Dynamic Scheduling)方式に従って、直接通信に無線リソースを割り当てるように構成されている。ところで、無線通信システム1Aは、SPS(Semi−Persistent Scheduling)方式に従って、直接通信に無線リソースを割り当てるように構成されていてもよい。
この場合、無線通信システム1Aは、図26に示したように、図22のステップS216〜S217の処理に代えて、ステップS701〜S705の処理を実行し、図22のステップS220〜S221の処理を省略し、且つ、図22のステップS223の後にステップS706の処理を実行するように構成されていてもよい。ステップS701〜S704の処理は、競合ベースのランダムアクセス手順を構成する。
具体的には、無線通信システム1Aは、通信準備完了情報が送信される(図26のステップS214,S215)と、図23のステップS401〜ステップS404と同様に、第1のRA手順情報〜第4のRA手順情報を送受信する(図26のステップS701〜ステップS704)。
そして、無線局10A−1は、リソース有効化情報を、無線局20A−1及び無線局20A−2のそれぞれへ送信する(図26のステップS705)。リソース有効化情報は、SPS方式に従って割り当てられた無線リソースの使用を許可する旨を表す情報である。本例では、リソース有効化情報は、D2D−SPS activationと呼ばれるメッセージである。
なお、無線通信システム1Aは、ステップS215の処理と、ステップS705の処理と、の間の期間にて、SPS方式に従って割り当てられた無線リソースが使用される周期を設定してもよい。例えば、無線局10A−1は、無線局20A−1及び無線局20A−2のそれぞれへ、上記周期を表す情報を送信してもよい。
その後、無線局20A−1は、データ信号を無線局20A−2へ送信する(図26のステップS218)。次いで、無線局20A−2は、無線局20A−1から受信したデータ信号に対する再送制御信号を無線局20A−1へ送信する(図26のステップS219)。
次いで、無線局20A−2は、データ信号を無線局20A−1へ送信する(図26のステップS222)。そして、無線局20A−1は、無線局20A−2から受信したデータ信号に対する再送制御信号を無線局20A−2へ送信する(図26のステップS223)。
その後、無線局10A−1は、リソース無効化情報を、無線局20A−1及び無線局20A−2のそれぞれへ送信する(図26のステップS706)。リソース無効化情報は、SPS方式に従って割り当てられた無線リソースの使用を中止(又は、停止)する旨を表す情報である。本例では、リソース無効化情報は、D2D−SPS deactivationと呼ばれるメッセージである。
また、第3実施形態に係る無線通信システム1Aにおいて、無線局20A−1は、自局20A−1の状態が直接通信待機状態から直接通信接続状態へ切り替わった時点にて、第1のビーコン信号の送信を終了してもよい。同様に、無線局20A−2は、自局20A−2の状態が直接通信待機状態から直接通信接続状態へ切り替わった時点にて、第2のビーコン信号の送信を終了してもよい。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る無線通信システムについて説明する。
第4実施形態は、第1実施形態、又は、第2実施形態を具象化した実施形態として捉えてもよい。よって、第1実施形態、又は、第2実施形態で開示した通信方式の特徴は本実施形態で開示する方法と組み合わせて使用することができる。また、第1実施形態、又は、第2実施形態で開示した装置の特徴は、本実施形態で開示する装置においても具備することが許される。
第4実施形態に係る無線通信システムは、上記第3実施形態に係る無線通信システムに対して、第1の無線局と第2の無線局との間の通信の品質が低い場合、第2の通知情報の送信を中止する点にて相違している。即ち、相違点以外の部分では、第4実施形態に係る無線通信システムは、第3実施形態に係る無線通信システムと同様に構成される。以下、かかる相違点を中心として説明する。なお、第4実施形態の説明において、上記第3実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又はほぼ同様のものである。
図27に示したように、第4実施形態に係る無線通信システム1Cは、第3実施形態に係る無線局10Aに代えて、無線局10Cを備えるとともに、無線局20Aに代えて、無線局20Cを備える。本例では、無線局20C−1は、第1の無線局の一例であり、無線局20C−2は、第2の無線局の一例であり、無線局10C−1は、第3の無線局の一例である。
図28に示したように、無線局10Cの機能は、第3実施形態に係る無線局10Aの機能の、制御部101Aを制御部101Cに置換し、且つ、通信部102Aを通信部102Cに置換した機能である。制御部101Cは、直接通信品質が所定の閾値よりも低いか否かを判定する点を除いて、制御部101Aと同様の機能を有する。通信部102Cは、測定指示情報を送信する点、及び、通信設定情報を送信する点を除いて、通信部102Aと同様の機能を有する。なお、相違点については後述する。
図29に示したように、無線局20C−1の機能は、第3実施形態に係る無線局20A−1の機能の、制御部201Aを制御部201Cに置換し、且つ、通信部202Aを通信部202Cに置換した機能である。制御部201Cは、直接通信品質を測定する点を除いて、制御部201Aと同様の機能を有する。通信部202Cは、通信品質情報、指示応答情報、及び、設定応答情報を送信する点、並びに、第2の通知情報を送信するための条件が相違する点を除いて、通信部202Aと同様の機能を有する。なお、相違点については後述する。
図30に示したように、無線局20C−2の機能は、第3実施形態に係る無線局20A−2の機能の、制御部203Aを制御部203Cに置換し、且つ、通信部204Aを通信部204Cに置換した機能である。制御部203Cは、制御部203Aと同様の機能を有する。通信部204Cは、通信品質情報、指示応答情報、及び、設定応答情報を送信する点を除いて、通信部204Aと同様の機能を有する。なお、相違点については後述する。
以下、各機能の上記相違点について主に説明する。
通信部102Cは、第1の要求完了情報を受信した場合、直接通信品質を測定(メジャーメント)することを指示する測定指示情報(メジャーメントコントロール)を無線局20C−1及び無線局20C−2のそれぞれへ送信する。一方、通信部102Cは、第1の要求完了情報を受信しない場合、測定指示情報を送信しない。
直接通信品質は、無線局20C−1と無線局20C−2との間の直接の通信の品質である。測定指示情報は、直接通信品質を測定するための設定を行なうことを指示する情報である。本例では、測定指示情報は、RRC Connection Reconfigurationと呼ばれるメッセージである。なお、測定指示情報は、送信タイミング情報を含んでいてもよい。
例えば、直接通信品質は、CQI、RSRP、SINR、パスロス(Path Loss)、又は、RSRQ等である。CQIは、Channel Quality Indicatorの略記である。RSRPは、Reference Signal Received Powerの略記である。SINRは、Signal to Interference plus Noise Power Ratioの略記である。RSRQは、Reference Signal Received Qualityの略記である。また、直接通信品質は、RSRP、SINR、パスロス、CQI、及び、RSRQの任意の組み合わせであってもよい。
通信部202Cは、無線局10C−1から測定指示情報が受信された場合、指示応答情報を無線局10C−1へ送信する。指示応答情報は、直接通信品質を測定するための設定を完了した旨を表す情報である。本例では、指示応答情報は、RRC Connection Reconfiguration Completeと呼ばれるメッセージである。
更に、制御部201Cは、無線局10C−1から測定指示情報が受信された場合、予め設定された第1の測定周期が経過する毎に、直接通信品質を繰り返し測定する。具体的には、制御部201Cは、無線局20C−2により送信される第2のビーコン信号に基づいて直接通信品質を測定する。
本例では、第1のビーコン信号が送信される期間は、無線局20C−1が無線局10C−1から測定指示情報を受信した時点から開始する。なお、この期間は、測定指示情報が受信された時点から所定の時間だけ後の時点、無線局20C−1が第1の要求完了情報を送信した時点、又は、無線局20C−1が第1の通信応答情報を受信した時点から開始してもよい。
通信部202Cは、制御部201Cにより直接通信品質が測定される毎に、測定された直接通信品質を表す通信品質情報を無線局10C−1へ送信する。
通信部204Cは、無線局10C−1から測定指示情報が受信された場合、通信部202Cと同様に、指示応答情報を無線局10C−1へ送信する。
更に、制御部203Cは、無線局10C−1から測定指示情報が受信された場合、予め設定された第2の測定周期が経過する毎に、直接通信品質を繰り返し測定する。具体的には、制御部203Cは、無線局20C−1により送信される第1のビーコン信号に基づいて直接通信品質を測定する。
本例では、第2のビーコン信号が送信される期間は、無線局20C−2が無線局10C−1から測定指示情報を受信した時点から開始する。なお、この期間は、測定指示情報が受信された時点から所定の時間だけ後の時点から開始してもよい。
通信部204Cは、制御部203Cにより直接通信品質が測定される毎に、測定された直接通信品質を表す通信品質情報を無線局10C−1へ送信する。
更に、制御部101Cは、無線局20C−1及び無線局20C−2のそれぞれから通信品質情報が受信された場合、受信された通信品質情報が表す直接通信品質が所定の閾値よりも低いか否かを判定する。通信部102Cは、直接通信品質が閾値よりも低い場合、直接通信を中止することを表す通信設定情報を無線局20C−1,20C−2のそれぞれへ送信する。通信設定情報は、直接通信を実行するか否かの設定を行なうことを指示する情報である。直接通信を中止することを表す通信設定情報は、第2の通知情報の送信を中止する旨を指示する情報であると捉えてもよい。
本例では、通信設定情報は、RRC Connection Reconfigurationと呼ばれるメッセージである。
一方、通信部102Cは、直接通信品質が閾値よりも高い場合、直接通信を許可することを表す通信設定情報を無線局20C−1,20C−2のそれぞれへ送信する。直接通信を許可することを表す通信設定情報は、第2の通知情報の送信を許可する旨を指示する情報であると捉えてもよい。
通信部202Cは、無線局10C−1から通信設定情報が受信された場合、設定応答情報を無線局10C−1へ送信する。設定応答情報は、直接通信を実行するか否かの設定を完了した旨を表す情報である。本例では、設定応答情報は、RRC Connection Reconfiguration Completeと呼ばれるメッセージである。
通信部204Cは、無線局10C−1から通信設定情報が受信された場合、通信部202Cと同様に、設定応答情報を無線局10C−1へ送信する。
なお、本例では、通信部202Cは、無線局10C−1から、第1の通信応答情報、及び、直接通信を許可することを表す通信設定情報の両方が受信された場合、制御部201Cによって取得された送信タイミングにて、第2の通知情報を無線局20C−2へ送信する。一方、通信部202Cは、無線局10C−1から、第1の通信応答情報、及び、直接通信を許可することを表す通信設定情報の少なくとも一方が受信されなかった場合、第2の通知情報を送信しない。
(作動)
次に、上述した無線通信システム1Cの作動について、図31を参照しながら説明する。
本例では、無線局20C−1及び無線局20C−2の位置が、無線局10C−1が有するセルに含まれるとともに、無線局10C−1に、無線局20C−1及び無線局20C−2の両方が接続されている場合を想定する。
この場合、無線局10C−1は、第1の要求完了情報を受信した(図31のステップS208)後、測定指示情報を無線局20C−1及び無線局20C−2のそれぞれへ送信する(図31のステップS801)。これにより、無線局20C−1及び無線局20C−2のそれぞれは、無線局10C−1から測定指示情報を受信する。
この場合、図31に示したように、無線局20C−1は、無線局10C−1から測定指示情報を受信した時点(図31のステップS801)にて、第1のビーコン信号の送信を開始する。具体的には、無線局20C−1は、期間TP40において、予め設定された第2の送信周期が経過する毎に、第1のビーコン信号を繰り返し送信する。
同様に、無線局20C−2は、無線局10C−1から測定指示情報を受信した時点(図31のステップS801)にて、第2のビーコン信号の送信を開始する。具体的には、無線局20C−2は、期間TP50において、予め設定された第3の送信周期が経過する毎に、第2のビーコン信号を繰り返し送信する。
そして、無線局20C−1は、指示応答情報を無線局10C−1へ送信する(図31のステップS802)。同様に、無線局20C−2は、指示応答情報を無線局10C−1へ送信する(図31のステップS803)。
なお、無線局20C−1は、指示応答情報を送信した時点にて、第1のビーコン信号の送信を開始してもよい。同様に、無線局20C−2は、指示応答情報を送信した時点にて、第2のビーコン信号の送信を開始してもよい。
そして、無線局20C−1は、無線局20C−2により送信された第2のビーコン信号に基づいて直接通信品質を測定し、測定された直接通信品質を表す通信品質情報を無線局10C−1へ送信する(図31のステップS804)。同様に、無線局20C−2は、無線局20C−1により送信された第1のビーコン信号に基づいて直接通信品質を測定し、測定された直接通信品質を表す通信品質情報を無線局10C−1へ送信する(図31のステップS805)。
これにより、無線局10C−1は、無線局20C−1及び無線局20C−2のそれぞれから通信品質情報を受信する。そして、無線局10C−1は、受信された通信品質情報が表す直接通信品質が所定の閾値よりも低いか否かを判定する。
直接通信品質が閾値よりも高い場合、無線局10C−1は、直接通信を許可することを表す通信設定情報を無線局20C−1,20C−2のそれぞれへ送信する(図31のステップS806)。
そして、無線局20C−1は、設定応答情報を無線局10C−1へ送信する(図31のステップS807)。同様に、無線局20C−2は、設定応答情報を無線局10C−1へ送信する(図31のステップS808)。
そして、無線局20C−1は、無線局20C−2への第2の通知情報の送信を開始する(図31のステップS209)。
一方、直接通信品質が閾値よりも低い場合、無線局10C−1は、直接通信を中止することを表す通信設定情報を無線局20C−1,20C−2のそれぞれへ送信する。これにより、無線局20C−1は、無線局10C−1から、直接通信を中止することを表す通信設定情報を受信する。この場合、無線局20C−1は、無線局20C−2へ第2の通知情報を送信しない。即ち、直接通信は実行されない。
以上、説明したように、第4実施形態に係る無線通信システム1Cによれば、第3実施形態に係る無線通信システム1Aと同様の作用及び効果を奏することができる。
更に、第4実施形態に係る無線通信システム1Cによれば、無線局20C−1及び無線局20C−2は、直接通信品質を測定し、測定された直接通信品質を表す通信品質情報を無線局10C−1へ送信する。更に、無線局10C−1は、通信品質情報が受信された場合において、当該通信品質情報が表す直接通信品質が所定の閾値よりも低いとき、直接通信を中止することを表す通信設定情報を無線局20C−1へ送信する。
これによれば、直接通信品質が閾値よりも低い場合において、直接通信が実行されることを回避することができる。
なお、第4実施形態に係る無線通信システム1Cにおいて、無線局20C−1は、測定指示情報が受信された場合、指示応答情報を無線局10C−1へ送信しないように構成されていてもよい。同様に、無線局20C−2は、測定指示情報が受信された場合、指示応答情報を無線局10C−1へ送信しないように構成されていてもよい。
なお、無線局20C−2による測定指示情報の受信(ステップS801)を、無線局20C−2が、直接通信を開始する必要がある、というトリガとして捉えることも可能である。具体的には、ステップS801にて測定指示情報を受信することによって、無線局20C−1と無線局20C−2は直接通信を実施するように制御される。
例えば、直接通信が、無線局10C−1が使用している上りの周波数で実施される場合を想定する。この場合、無線局20C−1は、無線局20C−2が送信する信号を無線局10C−1の上り周波数でモニタする。つまり、無線局20C−1は、受信部(RF部)がモニタすべき周波数帯を、下りの周波数から上りの周波数に切り替える。他方、無線局20C−2は、受信部(RF部)がモニタすべき周波数帯を、下りの周波数帯から上りの周波数帯に切り替える。ステップS801の処理は、このような切替処理のトリガとして使用されてもよい。
なお、上記のような周波数帯の切り替えは、ステップS801の処理によってトリガされることには限られない。例えば、ステップS801の処理の前後で、直接通信を実施するのに必要な無線局10C−1からの制御が、別の信号を用いて行われてもよい。例えば、その信号は、直接通信をアクティベーション(有効化)するL1制御信号(PDCCH)で実施されてもよいし、L2制御信号(MAC Control Element、RLC Control Element、PDCP Control PDU)で実施されてもよい。また、L3制御信号(RRC signalling)や報知情報で制御されてもよい。
また、第4実施形態に係る無線通信システム1Cは、無線局20C−1及び無線局20C−2の両方が直接通信品質を測定するように構成されている。ところで、無線通信システム1Cは、無線局20C−1及び無線局20C−2のいずれか一方のみが直接通信品質を測定するように構成されていてもよい。
また、第4実施形態に係る無線通信システム1Cにおいて、無線局10C−1は、通信設定情報を、無線局20C−1,20C−2のそれぞれへ送信するように構成されている。ところで、無線通信システム1Cにおいて、無線局10C−1は、第1の通信要求情報の送信元である無線局20C−1のみへ通信設定情報を送信するように構成されていてもよい。
また、第4実施形態に係る無線通信システム1Cは、複数の異なる時点にて測定された直接通信品質に基づいて、第2の通知情報の送信の可否を決定するように構成されていてもよい。例えば、無線通信システム1Cは、複数の異なる時点にて測定された直接通信品質を平均した値が閾値よりも低いか否かに基づいて第2の通知情報の送信の可否を決定してもよい。
なお、第4実施形態に係る無線通信システム1Cは、無線局20C−1の代わりに無線局10C−1が、第2の通知情報を無線局20C−2へ送信するように構成されていてもよい。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係る無線通信システムについて説明する。
第5実施形態は、第1実施形態、又は、第2実施形態を具象化した実施形態として捉えてもよい。よって、第1実施形態、又は、第2実施形態で開示した通信方式の特徴は本実施形態で開示する方法と組み合わせて使用することができる。また、第1実施形態、又は、第2実施形態で開示した装置の特徴は、本実施形態で開示する装置においても具備することが許される。
第5実施形態に係る無線通信システムは、上記第3実施形態に係る無線通信システムに対して、第1の無線局と第2の無線局との間の通信の品質が低い場合、第2の通知情報の送信を中止する点にて相違している。即ち、相違点以外の部分では、第5実施形態に係る無線通信システムは、第3実施形態に係る無線通信システムと同様に構成される。以下、かかる相違点を中心として説明する。なお、第5実施形態の説明において、上記第3実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又はほぼ同様のものである。
図32に示したように、第5実施形態に係る無線通信システム1Dは、第3実施形態に係る無線局10Aに代えて、無線局10Dを備えるとともに、無線局20Aに代えて、無線局20Dを備える。本例では、無線局20D−1は、第1の無線局の一例であり、無線局20D−2は、第2の無線局の一例であり、無線局10D−1は、第3の無線局の一例である。
図33に示したように、無線局10Dの機能は、第3実施形態に係る無線局10Aの機能の、制御部101Aを制御部101Dに置換し、且つ、通信部102Aを通信部102Dに置換した機能である。制御部101Dは、制御部101Aと同様の機能を有する。通信部102Dは、第2の通知情報を送信する点を除いて、通信部102Aと同様の機能を有する。なお、相違点については後述する。
図34に示したように、無線局20D−1の機能は、第3実施形態に係る無線局20A−1の機能の、制御部201Aを制御部201Dに置換し、且つ、通信部202Aを通信部202Dに置換した機能である。制御部201Dは、制御部201Aと同様の機能を有する。通信部202Dは、第2の通知情報を送信しない点を除いて、通信部202Aと同様の機能を有する。なお、相違点については後述する。
図35に示したように、無線局20D−2の機能は、第3実施形態に係る無線局20A−2の機能の、制御部203Aを制御部203Dに置換し、且つ、通信部204Aを通信部204Dに置換した機能である。制御部203Dは、制御部203Aと同様の機能を有する。通信部204Dは、通信部204Aと同様の機能を有する。
以下、各機能の上記相違点について主に説明する。
通信部102Dは、第1の要求完了情報を受信した場合、制御部101Dによって無線局20D−2に対して取得された送信タイミングにて、第2の通知情報を無線局20D−2へ送信する。本例では、通信部102Dは、送信タイミング情報を無線局20D−1へ送信しない。
また、本例では、図36に示したように、第2の通知情報は、直接通信を実行するためのページング信号であるか否かを表すフラグ情報を含む。フラグ情報は、無線局10D−1自身がページングをトリガしたか否かを表す情報であると捉えられてもよい。本例では、フラグ情報は、d2d−indicationと呼ばれる情報である。
本例では、通信部102Dは、上位の交換局又はMMEによってページング信号の送信が指示される(即ち、上位の交換局又はMMEがページングをトリガする)ことなく、直接通信のための第2の通知情報としてのページング信号を無線局20D−2へ送信する。
具体的には、通信部102Dは、第1の要求完了情報を受信してから、所定の送信終了時点までの間、予め設定された第1の送信周期が経過する毎に、第2の通知情報を無線局20D−2へ繰り返し送信する。本例では、所定の送信終了時点は、無線局20D−2から第2の通信要求情報を受信した時点である。
なお、所定の送信終了時点は、無線局10D−1によって設定されてもよい。また、所定の送信終了時点は、通信規格等により予め規定されていてもよい。
また、通信部102Dは、第1の要求完了情報を受信した時点、又は、第2の通知情報の送信を開始した時点から経過した時間を測定し、測定された時間が所定の閾値以上となった時点を送信終了時点として用いてもよい。
通信部202Dは、直接通信を許可することを表す第1の通信応答情報を無線局10D−1から受信した場合であっても、第2の通知情報を送信しない。
(作動)
次に、上述した無線通信システム1Dの作動について、図37を参照しながら説明する。
本例では、無線局20D−1及び無線局20D−2の位置が、無線局10D−1が有するセルに含まれるとともに、無線局10D−1に、無線局20D−1及び無線局20D−2の両方が接続されている場合を想定する。
この場合、無線局10D−1は、第1の要求完了情報を受信した(図37のステップS208)後、無線局10D−1は、第2の通知情報の送信を開始する(図37のステップS901)。
具体的には、無線局10D−1は、上述した送信終了時点までの間、予め設定された第1の送信周期が経過する毎に、取得された送信タイミングにて、第2の通知情報を無線局20D−2へ繰り返し送信する。本例では、第2の通知情報の送信は、無線局10D−1が第1の要求完了情報を受信した時点にて開始する。なお、第2の通知情報の送信は、無線局10D−1が第1の要求完了情報を受信した時点から所定の時間だけ後の時点から開始してもよい。また、第2の通知情報の送信は、直接通信を許可することを表す第1の通信応答情報が送信された時点にて開始してもよい。
これにより、無線局20D−2は、第2の通知情報を受信する。無線局20D−2は、第2の通知情報を受信した後、第2の通信要求情報を無線局10D−1へ送信する(図37のステップS210)。その後、無線通信システム1Dは、図21のステップS211以降の処理と同様の処理を実行する。
なお、直接通信を実施するためには、無線局20D−1と無線局20D−2との間の距離(プロキシミティ)等を測定する必要がある。このため、無線通信システム1Dは、ステップS208の処理と、ステップS901の処理と、の間にて、直接通信品質を測定し、測定結果に基づいて直接通信を実施可能か否かを判定することが好適である。なお、直接通信品質は、無線局20D−1と無線局20D−2との間の直接の通信の品質である。
更に、この場合、無線通信システム1Dは、測定された直接通信品質が所定の閾値以上である場合に第2の通知情報を送信し、直接通信品質が閾値よりも低い場合に第2の通知情報を送信しないことが好適である。
以上、説明したように、第5実施形態に係る無線通信システム1Dによれば、第3実施形態に係る無線通信システム1Aと同様の作用及び効果を奏することができる。
更に、無線局20D−1が第2の通知情報を送信しなくてもよいので、無線局20D−1が消費する電力を低減することができる。
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態に係る無線通信システムについて説明する。
第6実施形態は、第1実施形態を具象化した実施形態として捉えてもよい。よって、第1実施形態で開示した通信方式の特徴は本実施形態で開示する方法と組み合わせて使用することができる。また、第1実施形態で開示した装置の特徴は、本実施形態で開示する装置においても具備することが許される。
第6実施形態に係る無線通信システムは、上記第2実施形態に係る無線通信システムに対して、第1の無線局が接続されている第3の無線局と異なる第4の無線局に第2の無線局が接続されている場合に第1の無線局が第2の無線局に対する送信タイミングを取得する点にて相違している。即ち、相違点以外の部分では、第6実施形態に係る無線通信システムは、第2実施形態に係る無線通信システムと同様に構成される。以下、かかる相違点を中心として説明する。なお、第6実施形態の説明において、上記第2実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又はほぼ同様のものである。
図38に示したように、第6実施形態に係る無線通信システム1Eは、第2実施形態に係る無線局10に代えて、無線局10Eを備えるとともに、無線局20に代えて、無線局20Eを備える。本例では、無線局20E−1は、第1の無線局の一例であり、無線局20E−2は、第2の無線局の一例であり、無線局10E−1は、第3の無線局の一例であり、無線局10E−2は、第4の無線局の一例である。
各無線局10Eは、一例として、基地局である。また、各無線局10Eは、無線装置と呼ばれてもよい。各無線局20Eは、一例として、端末である。また、各無線局20Eは、移動局であってもよい。また、各無線局20Eは、無線端末又はユーザ端末と呼ばれてもよい。なお、端末は、携帯電話機、スマートフォン、センサ、又は、メータ(測定器)等のデバイスである。端末は、ユーザによって携帯されていてもよいし、車両等の移動体に搭載されていてもよいし、固定されていてもよい。
図39に示したように、無線局10E−1の機能は、第2実施形態に係る無線局10の機能の、制御部101を制御部101Eに置換し、且つ、通信部102を通信部102Eに置換した機能である。
制御部101Eは、制御部101と同様の機能を有する。通信部102Eは、自局10E−1以外の無線局10E−2,…との間で基礎情報を送受信する点を除いて、通信部102と同様の機能を有する。なお、相違点については後述する。
図40に示したように、無線局20E−1の機能は、第2実施形態に係る無線局20−1の機能の、制御部201を制御部201Eに置換し、且つ、通信部202を通信部202Eに置換した機能である。制御部201Eは、制御部201と同様の機能を有する。通信部202Eは、通信部202と同様の機能を有する。
以下、図41及び図42を参照しながら、無線通信システム1Eの作動を説明することにより、無線通信システム1Eの機能を説明する。
本例では、無線局20E−1が無線局10E−1と無線通信可能に接続され、且つ、無線局20E−2が無線局10E−2と無線通信可能に接続されている場合を想定する。
無線局10E−1の通信部102Eは、第1の信号を受信した(図42のステップS101)後、第1の信号に含まれる無線局識別情報により識別される無線局20E−2が接続された無線局10E−2へ、第6の信号を送信する(図42のステップS105)。第6の信号は、無線局20E−1と無線局20E−2との間の直接の通信である直接通信を要求する情報である。第6の信号は、第4の通信要求情報と呼ばれてもよい。本例では、第6の信号は、無線局20E−2を識別するための無線局識別情報を含む。本例では、無線局識別情報は、無線局20E−1,20E−2,…からなる第1無線局群において、1つの無線局を識別(特定)するための情報である。
これにより、無線局10E−2は、第6の信号を受信する。そして、無線局10E−2は、第6の信号に含まれる無線局識別情報により識別される無線局20E−2と対応付けられた基礎情報を含む第7の信号を、第6の信号の送信元である無線局10E−1へ送信する(図42のステップS106)。第7の信号は、無線局10E−2が直接通信を許可する旨を表す情報である。第7の信号は、第4の通信応答情報、直接通信に関する情報、又は、D2D受入情報と呼ばれてもよい。
これにより、無線局10E−1は、無線局10E−2から第7の信号を受信する。そして、無線局10E−1は、第7の信号に含まれる基礎情報を取得する。次いで、無線局10E−1は、取得された基礎情報と、無線局20E−1から受信された第1の信号に含まれる無線局識別情報と、に基づいて、無線局20E−2に対する送信タイミングを取得する。
そして、無線局10E−1は、取得された送信タイミングを表す送信タイミング情報を含む第2の信号を、第1の信号の送信元である無線局20E−1へ送信する(図42のステップS102)。
その後、無線通信システム1Eは、図42に示したように、図13のステップS103以降の処理と同様の処理を実行する。
以上、説明したように、第6実施形態に係る無線通信システム1Eによれば、無線局20E−1は、無線局10E−2が第4の信号を無線局20E−2へ送信するタイミングである送信タイミングを取得する。更に、無線局20E−1は、取得された送信タイミングにて、第3の信号を無線局20E−2へ送信する。
これによれば、第4の信号が送信される送信タイミングにて、第5の信号が送信される。これにより、第4の信号のための送信タイミングと異なるタイミングにて第5の信号が送信される場合と比較して、無線局20E−2が消費する電力を低減することができる。
なお、第6実施形態に係る無線通信システム1Eにおいて、無線局10E−2は、無線局20E−2に対する送信タイミングを取得し、取得された送信タイミングを表す送信タイミング情報を第7の信号に含ませることにより無線局10E−1へ送信してもよい。
また、第6実施形態に係る無線通信システム1Eは、無線局10E−1が、送信タイミングを取得することなく、基礎情報を含む第2の信号を無線局20E−1へ送信し、無線局20E−1が基礎情報に基づいて送信タイミングを取得してもよい。
なお、第6実施形態に係る無線通信システム1Eは、無線局20E−1の代わりに無線局10E−2が、第3の信号を無線局20E−2へ送信するように構成されていてもよい。
<第7実施形態>
次に、本発明の第7実施形態に係る無線通信システムについて説明する。
第7実施形態は、第1実施形態、又は、第6実施形態を具象化した実施形態として捉えてもよい。よって、第1実施形態、又は、第6実施形態で開示した通信方式の特徴は本実施形態で開示する方法と組み合わせて使用することができる。また、第1実施形態、又は、第6実施形態で開示した装置の特徴は、本実施形態で開示する装置においても具備することが許される。
第7実施形態に係る無線通信システムは、上記第3実施形態に係る無線通信システムに対して、第1の無線局が接続されている第3の無線局と異なる第4の無線局に第2の無線局が接続されている場合に第1の無線局が第2の無線局に対する送信タイミングを取得する点にて相違している。即ち、相違点以外の部分では、第7実施形態に係る無線通信システムは、第3実施形態に係る無線通信システムと同様に構成される。以下、かかる相違点を中心として説明する。なお、第7実施形態の説明において、上記第3実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又はほぼ同様のものである。
図43に示したように、第7実施形態に係る無線通信システム1Gは、第3実施形態に係る無線局10Aに代えて、無線局10Gを備えるとともに、無線局20Aに代えて、無線局20Gを備える。本例では、無線局20G−1は、第1の無線局の一例であり、無線局20G−2は、第2の無線局の一例である。同様に、無線局10G−1は、第3の無線局の一例であり、無線局10G−2は、第4の無線局の一例である。
以下、図44乃至図48を参照しながら、無線通信システム1Gの機能について説明する。
図44に示したように、無線局10G−1の機能は、第3実施形態に係る無線局10Aの機能の、制御部101Aを制御部101Gに置換し、且つ、通信部102Aを通信部102Gに置換した機能である。制御部101Gは、無線局10G−2から受信した基礎情報に基づいて送信タイミングを取得する点を除いて、制御部101Aと同様の機能を有する。通信部102Gは、無線局10G−2から基礎情報を受信する点を除いて、通信部102Aと同様の機能を有する。なお、相違点については後述する。
図45に示したように、無線局10G−2の機能は、第3実施形態に係る無線局10Aの機能の、制御部101Aを制御部103Gに置換し、且つ、通信部102Aを通信部104Gに置換した機能である。制御部103Gは、第4の通信要求情報を受信した場合に基礎情報を取得する点を除いて、制御部101Aと同様の機能を有する。通信部104Gは、基礎情報を無線局10G−1へ送信する点を除いて、通信部102Aと同様の機能を有する。なお、相違点については後述する。
図46に示したように、無線局20G−1の機能は、第3実施形態に係る無線局20A−1の機能の、制御部201Aを制御部201Gに置換し、且つ、通信部202Aを通信部202Gに置換した機能である。制御部201Gは、制御部201Aと同様の機能を有する。通信部202Gは、通信部202Aと同様の機能を有する。
図47に示したように、無線局20G−2の機能は、第3実施形態に係る無線局20A−2の機能の、制御部203Aを制御部203Gに置換し、且つ、通信部204Aを通信部204Gに置換した機能である。制御部203Gは、制御部203Aと同様の機能を有する。通信部204Gは、通信部204Aと同様の機能を有する。
以下、図48を参照しながら、各機能の上記相違点について主に説明する。
通信部102Gは、無線局20G−1から第1の通信要求情報が受信された場合、第1の通信要求情報に含まれる無線局識別情報により識別される無線局20G−2が接続されている無線局10G−2へ、第4の通信要求情報を送信する。本例では、第4の通信要求情報は、第1の通信要求情報に含まれる無線局識別情報を含む。本例では、第4の通信要求情報は、基礎情報の送信を要求する情報である。本例では、第4の通信要求情報は、RRC D2D Setup Requestと呼ばれるメッセージである。
また、制御部103Gは、自局10G−2以外の無線局10G−1,…から第4の通信要求情報が受信された場合、第4の通信要求情報に含まれる無線局識別情報により識別される無線局20G−2と対応付けて記憶されている基礎情報を取得する。通信部104Gは、取得された基礎情報を含む第4の通信応答情報を、第4の通信要求情報の送信元である無線局10G−1へ送信する。本例では、第4の通信応答情報は、RRC D2D Setupと呼ばれるメッセージである。
通信部102Gは、自局10G−1以外の無線局10G−2,…から第4の通信応答情報が受信された場合、第4の要求完了情報を、第4の通信応答情報の送信元である無線局10G−2へ送信する。本例では、第4の要求完了情報は、RRC D2D Setup Completeと呼ばれるメッセージである。
加えて、制御部101Gは、自局10G−1以外の無線局10G−2,…から第4の通信応答情報が受信された場合、第4の通信応答情報に含まれる基礎情報を取得する。制御部101Gは、取得された基礎情報と、無線局20G−1から受信された第1の通信要求情報に含まれる無線局識別情報と、に基づいて、無線局20G−2に対する送信タイミングを取得する。
(作動)
次に、上述した無線通信システム1Gの作動について、図49を参照しながら説明する。
本例では、無線局20G−1が無線局10G−1と無線通信可能に接続され、且つ、無線局20G−2が無線局10G−2と無線通信可能に接続されている場合を想定する。
無線局10G−1は、第1の通信要求情報を受信した(図49のステップS206)後、第1の通信要求情報に含まれる無線局識別情報により識別される無線局20G−2が接続された無線局10G−2へ、第4の通信要求情報を送信する(図49のステップS1201)。
これにより、無線局10G−2は、第4の通信要求情報を受信する。そして、無線局10G−2は、第4の通信要求情報に含まれる無線局識別情報により識別される無線局20G−2と対応付けられた基礎情報を含む第4の通信応答情報を、第4の通信要求情報の送信元である無線局10G−1へ送信する(図49のステップS1202)。
これにより、無線局10G−1は、無線局10G−2から第4の通信応答情報を受信する。次いで、無線局10G−1は、第4の通信応答情報の送信元である無線局10G−2へ、第4の要求完了情報を送信する(図49のステップS1203)。
そして、無線局10G−1は、第4の通信応答情報に含まれる基礎情報を取得する。次いで、無線局10G−1は、取得された基礎情報と、無線局20G−1から受信された第1の通信要求情報に含まれる無線局識別情報と、に基づいて、無線局20G−2に対する送信タイミングを取得する。
そして、無線局10G−1は、取得された送信タイミングを表す送信タイミング情報を含む第1の通信応答情報を、第1の通信要求情報の送信元である無線局20G−1へ送信する(図49のステップS207)。
その後、無線通信システム1Gは、図21のステップS208以降の処理と同様の処理を実行する。
以上、説明したように、第7実施形態に係る無線通信システム1Gによれば、無線局20G−1は、無線局10G−2が第1の通知情報を無線局20G−2へ送信するタイミングである送信タイミングを取得する。更に、無線局20G−1は、取得された送信タイミングにて、第2の通知情報を無線局20G−2へ送信する。
これによれば、第1の通知情報が送信される送信タイミングにて、第2の通知情報が送信される。これにより、第1の通知情報のための送信タイミングと異なるタイミングにて第2の通知情報が送信される場合と比較して、無線局20G−2が消費する電力を低減することができる。
なお、第7実施形態に係る無線通信システム1Gにおいて、無線局10G−2は、無線局20G−2に対する送信タイミングを取得し、取得された送信タイミングを表す送信タイミング情報を第4の通信応答情報に含ませることにより無線局10G−1へ送信してもよい。この場合、第4の通信要求情報は、送信タイミング情報の送信を要求する情報である、と言える。
また、第7実施形態に係る無線通信システム1Gは、無線局10G−1が、送信タイミングを取得することなく、基礎情報を含む第1の通信応答情報を無線局20G−1へ送信し、無線局20G−1が基礎情報に基づいて送信タイミングを取得してもよい。
また、第7実施形態に係る無線通信システム1Gにおいて、無線局10G−2は、第4の通信要求情報が受信された場合、所定の指示情報を無線局20G−2へ送信するように構成されていてもよい。例えば、無線局10G−2は、無線局20G−2に対する送信タイミングにて指示情報を送信する。この場合、無線局20G−2は、指示情報が受信された場合、自局20G−2の状態を直接通信待機状態から直接通信接続状態へ切り替えるように構成される。
更に、この場合、無線局20G−2は、指示情報が受信された場合、指示応答情報を無線局10G−2へ送信するように構成されていてもよい。この場合、無線局10G−2は、指示応答情報が受信された場合、第4の通信応答情報を無線局10G−1へ送信し、一方、指示応答情報が受信されなかった場合、第4の通信応答情報を送信しないように構成される。
なお、第7実施形態に係る無線通信システム1Gは、無線局20G−1の代わりに無線局10G−2が、第2の通知情報を無線局20G−2へ送信するように構成されていてもよい。
<第8実施形態>
次に、本発明の第8実施形態に係る無線通信システムについて説明する。
第8実施形態は、第1実施形態を具象化した実施形態として捉えてもよい。よって、第1実施形態で開示した通信方式の特徴は本実施形態で開示する方法と組み合わせて使用することができる。また、第1実施形態で開示した装置の特徴は、本実施形態で開示する装置においても具備することが許される。
第8実施形態に係る無線通信システムは、上記第2実施形態に係る無線通信システムと、上記第6実施形態に係る無線通信システムと、の両方の機能を有する。なお、第8実施形態の説明において、第2実施形態及び第6実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又はほぼ同様のものである。
図50に示したように、第8実施形態に係る無線通信システム1Hは、第2実施形態に係る無線局10に代えて、無線局10Hを備えるとともに、無線局20に代えて、無線局20Hを備える。本例では、無線局20H−1は、第1の無線局の一例であり、無線局20H−2は、第2の無線局の一例である。同様に、無線局10H−1は、第3の無線局の一例であり、無線局10H−2は、第4の無線局の一例である。
無線局10H−1は、無線局20H−1から第1の通信要求情報が受信された場合、第1の通信要求情報に含まれる無線局識別情報により識別される無線局20H−2が、自局10H−1に接続されているか否かを判定する。
無線局10H−1は、無線局20H−2が自局10H−1に接続されていると判定された場合、第2実施形態に係る無線通信システム1と同様に作動する。即ち、この場合、無線通信システム1Hは、図13に示した処理と同じ処理を実行する
無線局10H−1は、無線局20H−2が自局10H−1に接続されていない(即ち、自局10H−1以外の無線局10H−2,…に接続されている)と判定された場合、第6実施形態に係る無線通信システム1Eと同様に作動する。即ち、この場合、無線通信システム1Hは、図42に示した処理と同じ処理を実行する。
以上、説明したように、第8実施形態に係る無線通信システム1Hによれば、無線局20H−2が接続されている無線局10Hにかかわらず、無線局20H−1が送信タイミングを取得することができる。即ち、無線局20H−2が無線局20H−1と同一の無線局10H−1に接続されている場合、及び、無線局20H−2が無線局20H−1と異なる無線局10H−2に接続されている場合、の両方において、無線局20H−1が送信タイミングを取得することができる。
<第9実施形態>
次に、本発明の第9実施形態に係る無線通信システムについて説明する。
第9実施形態は、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第6実施形態、又は、第7実施形態を具象化した実施形態として捉えてもよい。よって、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第6実施形態、又は、第7実施形態で開示した通信方式の特徴は本実施形態で開示する方法と組み合わせて使用することができる。また、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第6実施形態、又は、第7実施形態で開示した装置の特徴は、本実施形態で開示する装置においても具備することが許される。
第9実施形態に係る無線通信システムは、上記第3実施形態に係る無線通信システムと、上記第7実施形態に係る無線通信システムと、の両方の機能を有する。なお、第9実施形態の説明において、第3実施形態及び第7実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又はほぼ同様のものである。
図51に示したように、第9実施形態に係る無線通信システム1Iは、第3実施形態に係る無線局10Aに代えて、無線局10Iを備えるとともに、無線局20Aに代えて、無線局20Iを備える。本例では、無線局20I−1は、第1の無線局の一例であり、無線局20I−2は、第2の無線局の一例である。同様に、無線局10I−1は、第3の無線局の一例であり、無線局10I−2は、第4の無線局の一例である。
無線局10I−1は、無線局20I−1から第1の通信要求情報が受信された場合、第1の通信要求情報に含まれる無線局識別情報により識別される無線局20I−2が、自局10I−1に接続されているか否かを判定する。
無線局10I−1は、無線局20I−2が自局10I−1に接続されていると判定された場合、第3実施形態に係る無線通信システム1Aと同様に作動する。即ち、この場合、無線通信システム1Iは、図21及び図22に示した処理と同じ処理を実行する。
無線局10I−1は、無線局20I−2が自局10I−1に接続されていない(即ち、自局10I−1以外の無線局10I−2,…に接続されている)と判定された場合、第7実施形態に係る無線通信システム1Gと同様に作動する。即ち、この場合、無線通信システム1Iは、図49に示した処理と同じ処理を実行する。
以上、説明したように、第9実施形態に係る無線通信システム1Iによれば、無線局20I−2が接続されている無線局10Iにかかわらず、無線局20I−1が送信タイミングを取得することができる。即ち、無線局20I−2が無線局20I−1と同一の無線局10I−1に接続されている場合、及び、無線局20I−2が無線局20I−1と異なる無線局10I−2に接続されている場合、の両方において、無線局20I−1が送信タイミングを取得することができる。
なお、無線通信システムは、第4実施形態に係る無線通信システム1Cと、第6実施形態に係る無線通信システム1E又は第7実施形態に係る無線通信システム1Gと、の両方の機能を有していてもよい。また、無線通信システムは、第5実施形態に係る無線通信システム1Dと、第6実施形態に係る無線通信システム1E又は第7実施形態に係る無線通信システム1Gと、の両方の機能を有していてもよい。
以上、上記実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細に、本願発明の範囲内において当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
上記実施形態においては、第1の通知情報は、第3の無線局が第2の無線局と通信する旨を表す情報である。なお、第1の通知情報は、第3の無線局が複数の無線局(例えば、第1無線局群を構成する無線局)へ、共通する無線リソースを用いることにより、共通する情報を送信する旨を表す情報であってもよい。
例えば、第1の通知情報は、SIB−13のように、ピアツーマルチキャスト通信に興味がある無線局が受信できる情報であってもよい。SIB−13は、MBMS(Multimedia Broadcast and Multicast Service)を制御するための情報である。SIBは、System Information Blockの略記である。
この場合、無線通信システムは、上記のような第1の通知情報を予め定められた送信タイミングにて送信するように構成される。従って、上記のように構成された無線通信システムによれば、第2の通知情報を送信するタイミングを確実に確保しながら、第2の無線局が消費する電力を低減することができる。
上記構成によれば、第1の無線局により送信される第2の通知情報は、第2の無線局を含む複数の無線局によって受信され得る。この場合、第1の無線局は、複数の無線局のそれぞれとの間で直接通信を同時に行なう。例えば、第1の無線局は、同一の情報を複数の無線局のそれぞれへ同時に送信する。即ち、無線通信システムは、ピアツーマルチキャスト通信を実行する、と言える。
なお、上記実施形態において、各無線局の各機能は、回路等のハードウェアにより実現されていた。ところで、各無線局は、処理装置と、プログラム(ソフトウェア)を記憶する記憶装置と、を備えるコンピュータを有するとともに、処理装置がそのプログラムを実行することにより、各機能を実現するように構成されていてもよい。この場合、プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。例えば、記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の可搬性を有する媒体である。
また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、上記実施形態の他の変形例として、上述した実施形態及び変形例の任意の組み合わせが採用されてもよい。