JP6146006B2 - 撮像装置及びステレオカメラ - Google Patents

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Description

本発明は、撮像装置及びステレオカメラに関する。
撮像装置には、偏光方向が互いに異なる偏光成分を夫々撮像して、偏光画像を取得するものである。特許文献1には、2つの撮像部(撮像素子)を用いて、第1の撮像部で検知されるS偏光成分(又はP偏光成分)と第2の撮像部で検知されるS偏光成分(又はP偏光成分)からステレオ画像(視差画像)を生成し、被写体の位置を検出する技術を開示している。
特許文献1に開示されている技術では、第1の撮像部又は第2の撮像部の撮像素子の配列に対応した領域分割フィルタを用いて、一の方向の偏光成分(例えばS偏光成分)の光又は一の方向に直交する他の方向の偏光成分(例えばP偏光成分)の光を透過する。また、特許文献1に開示されている技術では、透過した偏光成分の光をそれぞれ受光する。すなわち、特許文献1に開示されている技術では、領域分割フィルタを用いて、ピクセル毎に照射される光の偏光方向を変えるため、ピクセル毎に入射される光の光路が異なる。このため、特許文献1に開示されている技術では、同じ位置(光路)の光から所望の偏光成分の光を得ることが出来ない場合があった。
具体的には、例えば図15に示す撮像装置100Eは、S偏光成分(一の方向の偏光成分)の光を透過する領域分割フィルタ21fsEを備え、光Lt1のS偏光成分を領域分割フィルタ21fsEで透過し、撮像素子11Eで受光する。また、撮像装置100Eは、P偏光成分(他の方向の偏光成分)の光を透過する領域分割フィルタ21fpEを備え、光Lt2のP偏光成分を領域分割フィルタ21fpEで透過し、撮像素子11Eで受光する。このため、同一の光路から入射される光のS偏光成分及びP偏光成分を受光(取得)できない場合があった。また、同一の光路から入射される光のS偏光成分及びP偏光成分を受光(取得)できない場合には、例えば偏光画像の生成時に、画像が平坦でない部分(エッジ部分、テクスチャ部分など)で誤差の増加が顕著となる場合があった。更に、従来の偏光を用いた単眼のカメラの場合には、同じ位置での入射光の偏光成分を用いて偏光比を計算するのではなく、異なる位置の入射光の偏光成分を用いて偏光比を計算するときに、エッジ部やテクスチャ部分において偏光比に誤差が生じる場合があった。
本発明は、上記の課題に鑑み、同一の光路から入射された光の一の方向の偏光成分及び一の方向に直交する他の方向の偏光成分を夫々受光することによって、取得される偏光画像の精度を向上することができる撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の一の態様に係る撮像装置によれば、一の方向の偏光成分及び前記一の方向に直交する他の方向の偏光成分を夫々受光する撮像装置であって、同一の光路から入射された光を前記一の方向の偏光成分と前記他の方向の偏光成分とに分岐する複屈折板と、前記複屈折板の入射側に配置された光学的ローパスフィルタと、前記一の方向の偏光成分の光のみを透過する一の偏光子領域と前記他の方向の偏光成分の光のみを透過する他の偏光子領域とに分割された領域分割フィルタと、複数の受光素子が2次元に配置され、三色のカラーフィルタをベイヤ型に配置したカラーフィルタを備えた撮像素子とを有し、前記領域分割フィルタは、複数の前記一の偏光子領域を前記ベイヤ型カラーフィルタの同じ色のフィルタが配置された受光素子の一方の受光素子に対応して配置すると共に、前記他の偏光子領域を前記ベイヤ型に配置したカラーフィルタの残りのフィルタが配置された受光素子に対応して配置し、前記光学的ローパスフィルタにより、同一の光路から入射された光を複数の方向に分離し、前記複屈折板により分離された光の前記一の方向の偏光成分を前記光学的ローパスフィルタにより分離した方向と45度異なる方向に屈折させ、前記複屈折板が屈折させた前記一の方向の偏光成分の光及び前記他の方向の偏光成分の光を前記一の偏光子領域及び前記他の偏光子領域で夫々透過し、前記撮像素子は、前記領域分割フィルタを透過した前記一の方向の偏光成分の光又は前記他の方向の偏光成分の光を複数の前記受光素子で夫々受光する、ことを特徴とする。
本発明に係る撮像装置によれば、同一の光路から入射された光の一の方向の偏光成分及び一の方向に直交する他の方向の偏光成分を夫々受光することによって、取得される偏光画像の精度を向上することができる。
本発明の実施形態に係る撮像装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る撮像装置の一例を示す概略平面図である。 本発明の実施形態に係る撮像装置の動作の一例を説明する図である。 本発明の実施形態に係る撮像装置を用いて撮像した結果(偏光画像)の一例を説明する図である。 本発明の実施例1に係る撮像装置の動作の一例を説明する図である。 本発明の実施例1の変形例に係る撮像装置の動作の一例を説明する図である。 本発明の実施例2に係る撮像装置の動作の一例を説明する図である。 本発明の実施例2の変形例に係る撮像装置の動作の一例を説明する図である。 本発明の実施例3に係る撮像装置の動作の一例を説明する図である。 本発明の実施例4に係る撮像装置の動作の一例を説明する図である。 本発明の実施例5に係る撮像装置の動作の一例を説明する図である。 本発明の実施例5の変形例に係る撮像装置の動作の一例を説明する図である。 本発明の実施例6に係るステレオカメラの一例を示す概略構成図である。 本発明の実施例6に係るステレオカメラの動作の一例を説明する図である。 比較例に係る撮像装置の動作の一例を説明する図である。
光の一の方向の偏光成分及び一の方向に直交する他の方向の偏光成分を夫々受光する撮像装置を用いて、本発明の限定的でない例示の実施形態を説明する。本発明は、以後に説明する撮像装置以外でも、光学系、光学部材、プリズム及びミラー、並びに、画像形成装置、記録装置、被写機、複合機、プリンタ、スキャナ若しくはプロジェクタなどに内蔵する光を偏光する部品(機器、部材、ユニット、システムなど)に用いることができる。
なお、以後の説明において、添付の全図面の記載の同一又は対応する部材又は部品には、同一又は対応する参照符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面は、部材もしくは部品間の相対比を示すことを目的としない。したがって、具体的な寸法は、以下の限定的でない実施形態に照らし、当業者により決定することができる。
(撮像装置の構成)
図1及び図2を用いて、本発明の実施形態に係る撮像装置100を説明する。
図1(a)に示すように、撮像装置100は、光を受光する撮像部材10と、入射された光の特性を変化させる光学フィルタ20と、を有する。
撮像部材10は、光を受光して撮像データを取得する(以下、「撮像する」という。)部材である。撮像部材10は、複数の受光素子を有する撮像素子11と、撮像素子11を保持する基板12と、を備える。撮像部材10は、本実施形態では、撮像素子11を用いて光を受光し、その光の像を撮像する。
撮像素子11は、入射表面に複数の受光素子11px(図2(a))を2次元に配置されている。撮像素子11は、本実施形態では、光学フィルタ20(後述する領域分割フィルタ21f)が透過した一の方向の偏光成分(例えばS偏光成分)の光及び一の方向に直交する他の方向の偏光成分(例えばP偏光成分)の光を複数の受光素子11pxで夫々受光する。撮像素子11は、例えばCCD( Charge Coupled Device )、CMOS( Complementary Metal Oxide Semiconductor )などを用いることができる。なお、本実施形態に係る撮像素子11(受光素子11px)としてモノクロ(白黒)のセンサを説明するが、撮像素子11はモノクロのセンサに限定されるものでない。すなわち、本発明を用いることができる撮像素子は、カラーセンサ(例えばRCCC配列、ベイヤ配列など)であってもよい。
光学フィルタ20は、入射された光を透過及び/又は反射させて、光の特性を変化させるものである。光学フィルタ20は、本実施形態では、入射された光を偏光する偏光フィルタ層21と、偏光フィルタ層21を保護する保護基板22と、偏光フィルタ層21と保護基板22とを接合する充填層23と、を備える。光学フィルタ20は、入射された光を一の方向の偏光成分の光と一の方向に直交する他の方向の偏光成分の光とに偏光する。光学フィルタ20は、本実施形態では、偏光フィルタ層21で光を透過することによって、入射された光をS偏光成分の光とP偏光成分の光とに偏光する。
偏光フィルタ層21は、入射された光を一の方向の偏光成分と一の方向に直交する他の方向の偏光成分(例えばS偏光成分とP偏光成分と)に分岐する複屈折板(偏光子)21poと、一の方向の偏光成分の光のみを透過する一の偏光子領域と他の方向の偏光成分の光のみを透過する他の偏光子領域とに分割された領域分割フィルタ21fと、を備える。
複屈折板21poは、同一の光路から入射された光を分岐するものである。複屈折板21poは、本実施形態では、入射された光を互いに直交した偏光成分である例えばS偏光成分とP偏光成分とに分離(分岐)する(後述する図3)。複屈折板21poは、例えば水晶や方解石などの部材を用いることができる。なお、複屈折板21poが光を分岐する方向(以下、「屈折方向」という。)及び分岐する距離(以下、「シフト量」という。)は、領域分割フィルタ21fの領域分割に対応した屈折方向及びシフト量とすることができる。また、複屈折板21poの屈折方向及びシフト量は、その結晶軸及びその厚み等を適宜変更することで調整することができる。
領域分割フィルタ21fは、入射された光を選択的に透過するものである。領域分割フィルタ21fは、図1(b)に示すように、本実施形態では、一の方向のS偏光成分の光のみを透過するS偏光子領域21fs(図2(b))と他の方向のP偏光成分の光のみを透過するP偏光子領域21fp(図2(c))とに分割されている。なお、本実施形態に係る撮像装置100は光学フィルタ20に領域分割フィルタ21fを内蔵するが、本発明を用いることができる撮像装置100は撮像部材10(撮像素子11)の受光面に領域分割フィルタ21fを配置するものでもよい。
本実施形態に係る領域分割フィルタ21fは、複数の受光素子11pxの格子縞状(図2(a))に対応して複数のS偏光子領域21fs及び複数のP偏光子領域21fpを配置する。すなわち、領域分割フィルタ21fは、撮像素子11の画素サイズ(受光素子11pxのサイズ、ピクセル)に対応した複数の偏光子で形成されている。ここで、領域分割フィルタ21fは、複数のS偏光子領域21fs及びP偏光子領域21fpを行状(例えば後述する図5(b))若しくは列状(図5(d))、又は、交互(図6(b))若しくは斑状(図7(b)、図10(b)など)に配置することができる。
保護基板22は、偏光フィルタ層21(複屈折板21po及び領域分割フィルタ21f)を保護する基板である。また、保護基板22は、偏光フィルタ層21に入射する光を透過する透明な基板である。なお、保護基板22は、その材料として、使用帯域(例えば可視光域と赤外域)の光を透過可能な透明材料を用いることができる。透明材料は、例えばガラス、サファイア若しくは水晶、又は、石英ガラス、テンパックスガラス、プラスチック、エンジニアリングプラスチック若しくは合成樹脂などである。
充填層23は、複屈折板21poを保護層22(及び撮像部材10)に固定するものである。すなわち、充填層23は、図1(a)に示すように、複屈折板21poを覆うように形成される。なお、充填層23は、透光性、ガラス接着性、精密性が良好な接着剤などを用いてもよい。
本実施形態に係る撮像装置100は、複屈折板21poを用いて、同一の光路から入射された光をS偏光成分の光及びP偏光成分の光に分岐(分離)する。また、本実施形態に係る撮像装置100は、領域分割フィルタ21fを用いて、複屈折板21poが分岐したS偏光成分の光及びP偏光成分の光をS偏光子領域21fs又はP偏光子領域21fpで夫々透過する。これにより、撮像装置100は、撮像素子11の複数の受光素子11pxを用いて、同一の光路から入射された光のS偏光成分(一の方向の偏光成分)の光又はP偏光成分(他の方向の偏光成分)の光のみを受光素子11px(撮像素子11)で受光することができる。
(撮像装置の動作)
図3及び図4を用いて、撮像装置100が偏光画像を撮像する動作を説明する。
図3に示すように、撮像装置100は、先ず、複屈折板21poに光Ltを入射される。このとき、撮像装置100は、複屈折板21poで光Ltを透過することによって、光LtをS偏光成分とP偏光成分とに分岐する。複屈折板21poは、本実施形態では、同一の光路から入射された光Ltを偏向方向Xpに分離(分岐)する。すなわち、複屈折板21poは、S偏光成分の光をそのまま透過し、P偏光成分の光を偏向方向Xpに屈折(透過)する。
次に、撮像装置100は、領域分割フィルタ21fにS偏光成分の光及びP偏光成分の光を夫々入射することによって、S偏光成分の光又はP偏光成分の光を撮像素子11に入射する。ここで、撮像装置100は、領域分割フィルタ21fのS偏光子領域21fs及びP偏光子領域21fpを用いて、撮像素子11の受光素子11px毎にS偏光成分の光又はP偏光成分の光を選択して入射することができる。
次いで、図4に示すように、撮像装置100は、撮像素子11を用いて、光学フィルタ20(複屈折板21po)を透過した光を受光する。ここで、撮像素子11は、入力画像全体として、受光素子11px毎(ピクセル毎)にS偏光成分又はP偏光成分のみの光を夫々受光する。
その後、撮像装置100は、出力画像として、受光素子11px毎に受光したS偏光成分の光のみ又はP偏光成分の光のみの撮像データを用いて、S画像(S偏光画像)とP画像(P偏光画像)とを生成する。ここで、撮像装置100は、同一の光路から入射された光LtのS画像とP画像とを生成することができる。このため、撮像装置100は、生成したS画像とP画像との同一の光路に対応するピクセル間の輝度比を演算することができるので、画像の平坦な部分だけでなく、エッジ部分やテクスチャ部分などの不連続な部分でも正確に偏光比などを取得(演算)することができる。
撮像装置100は、生成したS画像及び/又はP画像を用いて、色画像又は輝度画像を算出してもよい。撮像装置100は、例えばカラーフィルタを備える撮像素子11を用いた場合に、P偏光又はS偏光の画素のみを取り出し、その画素の単純平均や重みづけ平均などで輝度値(例えば見掛けの輝度値)を算出してもよい。なお、撮像装置100をステレオカメラ(例えば実施例6)に用いる場合には、生成したS画像及びP画像を視差画像(差分画像、視差を有する画像)として利用することができる。
以上により、本発明の実施形態に係る撮像装置100によれば、同一の光路から入射された光の一の方向の偏光成分(例えばS偏光成分)の光及び一の方向に直交する他の方向の偏光成分(例えばP偏光成分)の光を夫々受光することができる。また、本実施形態に係る撮像装置100によれば、同一の光路から入射された光の一の方向の偏光成分の光及び他の方向の偏光成分の光を夫々受光することができるので、取得される偏光画像の精度を向上することができる。
実施例に係る撮像装置を用いて、本発明を説明する。なお、実施例に係る撮像装置の構成等は実施形態に係る撮像装置100の構成等と基本的に同様のため、異なる部分を主に説明する。
(実施例1)
図5を用いて、撮像素子(撮像部材)としてモノクロセンサを用いた実施例1に係る撮像装置を説明する。
(撮像装置の構成)
本実施例に係る撮像装置の要部の側面断面図及び平面図を図5(a)及び図5(b)に示す。図5(b)に示すように、本実施例に係る撮像装置は、領域分割フィルタのS偏光子領域21fs及びP偏光子領域21fpを行状(横ストライブ模様)に配置している。
(撮像装置の動作)
図5(a)に示すように、本実施例に係る撮像装置は、先ず、複屈折板21po1aに光Ltを入射される。このとき、複屈折板21po1aは、同一の光路から入射された光Ltを分岐する。すなわち、複屈折板21po1aは、S偏光成分の光をそのまま透過し、P偏光成分の光を偏向方向Xp1a(図5(b)の屈折方向Mb)に屈折(透過)する。
次に、撮像装置は、領域分割フィルタのS偏光子領域21fs及びP偏光子領域21fpを用いて、S偏光成分の光又はP偏光成分の光のみを撮像素子の受光素子11px毎に選択して入射する。これにより、撮像装置は、撮像素子を用いて、受光素子11px毎(ピクセル毎)に同一の光路から入射された光LtのS偏光成分の光又はP偏光成分の光のみを受光(撮像)することができる。
具体的には、本実施例に係る撮像装置は、図5(b)の矢印Mbの矢印元の座標及び矢印先の座標の受光素子(ピクセル)で、同一の光路から入射された光のS偏光成分の光及びP偏光成分の光を受光することができる。また、撮像装置は、矢印Mbの矢印元の座標及び矢印先の座標の受光素子で受光した光の輝度比などを算出することで偏光比などを取得することができる。
なお、図5(c)及び図5(d)に示す領域分割フィルタ21fのS偏光子領域21fs及びP偏光子領域21fpを列状(縦ストライブ模様)に配置している例は、上記の図5(a)及び図5(b)の例と基本的に同様のため、説明を省略する。
(変形例)
図6を用いて、実施例1に係る撮像装置の変形例を説明する。
(撮像装置の構成)
本変形例に係る撮像装置の要部の側面断面図及び平面図を図6(a)及び図6(b)に示す。図6(b)に示すように、本変形例に係る撮像装置は、領域分割フィルタのS偏光子領域21fs及びP偏光子領域21fpを交互(市松模様)に配置している。
(撮像装置の動作)
図6(a)に示すように、本変形例に係る撮像装置は、先ず、複屈折板21po1aに光Ltを入射される。このとき、複屈折板21po1aは、同一の光路から入射された光Ltを分岐する。すなわち、複屈折板21po1aは、S偏光成分の光をそのまま透過し、P偏光成分の光を偏向方向Xp1a(図6(b)の屈折方向Mb)に屈折(透過)する。
次に、撮像装置は、領域分割フィルタのS偏光子領域21fs及びP偏光子領域21fpを用いて、S偏光成分の光又はP偏光成分の光のみを撮像素子の受光素子11px毎に選択して入射する。これにより、撮像装置は、撮像素子を用いて、受光素子11px毎(ピクセル毎)に同一の光路から入射された光LtのS偏光成分の光又はP偏光成分の光のみを受光(撮像)することができる。
具体的には、本変形例に係る撮像装置は、図6(b)の矢印Mbの矢印元の座標及び矢印先の座標の受光素子(ピクセル)で、同一の光路から入射された光のS偏光成分の光及びP偏光成分の光を受光することができる。
なお、図6(c)及び図6(d)に示す撮像装置の例は、偏向方向Xp1cが異なるのみでその他の部分は図6(a)及び図6(b)の例と同様のため、説明を省略する。
以上のとおり、本発明の実施例1に係る撮像装置によれば、実施形態に係る撮像装置100と同様の効果を得ることができる。
(実施例2)
図7を用いて、撮像素子(撮像部材)としてカラーセンサを用いた実施例2に係る撮像装置を説明する。本実施例では、カラーセンサとして、RCCC(レッド・クリア・クリア・クリア)配列の例を説明する。なお、本発明の撮像素子に用いることができるカラーセンサは、RCCC配列に限定されるものではない。すなわち、本発明に用いることができるカラーセンサは、RGB(レッド・グリーン・ブルー)配列、RGBG(レッド・グリーン・ブルー・グリーン)配列及びその他複数の色に対応する配列のものでもよい。
クリアピクセル(クリア受光素子)は、カラーフィルタによって感度が低下することに対応して、カラーフィルタを付加しない画素の撮像データを取得するために用いられる。また、RCCC配列は、例えば車載のカメラ用に本実施例に係る撮像装置を用いた場合に、前方車両のテールランプの赤を区別するためにモノクロセンサにレッド画素のみを付加したものである。
(撮像装置の構成)
本実施例に係る撮像装置の要部の側面断面図及び平面図を図7(a)及び図7(b)に示す。本実施例に係る撮像装置は、領域分割フィルタのS偏光子領域21fs及びP偏光子領域21fpをカラーセンサの配列に対応して斑状に配置している。
具体的には、本実施例に係る領域分割フィルタは、図7(b)に示すように、カラーセンサのR配列にP偏光子領域21fp(図中のP/R)を配置している。領域分割フィルタは、カラーセンサの2つのC配列にP偏光子領域21fp(図中のP/C)を配置し、1つのC配列にS偏光子領域21fs(図中のS/C)を配置している。
(撮像装置の動作)
図7(a)に示すように、本実施例に係る撮像装置は、先ず、複屈折板21po2aに光Ltを入射される。このとき、複屈折板21po2aは、本実施例では、同一の光路から入射された光Ltを分岐する。すなわち、複屈折板21po2aは、S偏光成分の光をそのまま透過し、P偏光成分の光を偏向方向Xp2a(図7(b)の屈折方向Mb)に屈折(透過)する。
次に、撮像装置は、領域分割フィルタのS偏光子領域21fs及びP偏光子領域21fpを用いて、S偏光成分の光又はP偏光成分の光のみを撮像素子の受光素子11px毎に選択して入射する。これにより、撮像装置は、撮像素子を用いて、受光素子11px毎(ピクセル毎)にS偏光成分の光又はP偏光成分の光のみを受光(撮像)することができる。
なお、図7(c)及び図7(d)に示す撮像装置の例は、偏向方向Xp2cが異なるのみでその他の部分は上記の図7(a)及び図7(b)の例と同様のため、説明を省略する。
(変形例)
図8を用いて、実施例2に係る撮像装置の変形例を説明する。
(撮像装置の構成)
本変形例に係る撮像装置の要部の側面断面図及び平面図を図8(a)及び図8(b)に示す。図8(a)に示すように、本変形例に係る撮像装置は、複屈折板21po2aCの入射側に光学的ローパスフィルタ21po2aA、21po2aBを更に有する。ここで、光学的ローパスフィルタ21po2aA、21po2aBは、画像のエリアシングノイズを除去するために用いられる。
(撮像装置の動作)
図8(a)に示すように、本変形例に係る撮像装置は、先ず、複屈折板21po2aA、21po2aBに光Ltを入射される。このとき、複屈折板21po2aA等は、本変形例では、同一の光路から入射された光Ltを2回分岐する。すなわち、複屈折板21po2aAは、45度軸がずれた複屈折軸Xp2aA(図8(b)の屈折方向Ma)で入射された光Ltを二重像に分離する。次いで、複屈折板21po2aBは、135度の複屈折軸Xp2aB(図8(b)の屈折方向Mb)で、さらに二重像に分離する。これにより、撮像装置は、入射された光Ltを4点に分離し、光学的ローパスフィルタを実現する。
次に、撮像装置は、複屈折板21po2aCを用いて、S偏光成分の光をそのまま透過し、P偏光成分の光を偏向方向Xp2aC(図8(b)の屈折方向Mc)に屈折(透過)する。
その後、撮像装置は、領域分割フィルタのS偏光子領域21fs及びP偏光子領域21fpを用いて、S偏光成分又はP偏光成分のみの光を撮像素子の受光素子11px毎に選択して入射する。これにより、撮像装置は、撮像素子を用いて、受光素子11px毎(ピクセル毎)にS偏光成分又はP偏光成分のみの光を受光(撮像)することができる。
なお、図8(c)及び図8(d)に示す撮像装置の例は、複屈折板21po2cCの偏向方向Xp2cCが異なるのみでその他の部分は上記の図8(a)及び図8(b)の例と同様のため、説明を省略する。
以上のとおり、本発明の実施例2に係る撮像装置によれば、実施形態に係る撮像装置100と同様の効果を得ることができる。
(実施例3)
図9を用いて、撮像素子(撮像部材)としてカラーセンサを用いた実施例3に係る撮像装置を説明する。本実施例に係る撮像装置は、カラーセンサとして、RCCC(レッド・クリア・クリア・クリア)配列を用いる。また、本実施例に係る撮像装置は、複屈折板21po3Cを用いて、撮像素子の受光素子の配列に対して45度方向に光を偏光する。
なお、実施例2に係る撮像装置では、光学的ローパスフィルタによって分離される光の位置が隣接する4つのピクセルにばらけるのではなく、平行四辺形の形に分離されていた。このため、実施例2に係る撮像装置では、エリアシングノイズを防止するためのローパスフィルタの特性として望ましい形ではなく、像が必要以上に暈けたり、又は、エリアシングノイズが残留する場合があった。
(撮像装置の構成)
本実施例に係る撮像装置の要部の側面断面図及び平面図を図9(a)及び図9(b)に示す。本実施例に係る撮像装置は、領域分割フィルタのS偏光子領域21fs及びP偏光子領域21fpをカラーセンサの配列に対応して斑状に配置している。また、図9(a)に示すように、本実施例に係る撮像装置は、複屈折板21po3Cの入射側に光学的ローパスフィルタ21po3A、21po3Bを更に有する。
具体的には、領域分割フィルタは、図9(b)に示すように、カラーセンサのR配列にP偏光子領域21fp(図中のP(C)/R)を配置している。領域分割フィルタは、カラーセンサの2つのC配列にP偏光子領域21fp(図中のP(C)/C)を配置し、1つのC配列にS偏光子領域21fs(図中のS(C)/C)を配置している。
(撮像装置の動作)
図9(a)に示すように、本実施例に係る撮像装置は、先ず、複屈折板21po3A、21po3Bに光Ltを入射される。このとき、複屈折板21po3A等は、本実施例では、同一の光路から入射された光Ltを2回分岐する。すなわち、複屈折板21po3Aは、複屈折軸Xpo3A(図9(b)の屈折方向Ma)で入射された光Ltを二重像に分離する。次いで、複屈折板21po3Bは、複屈折軸Xpo3B(図9(b)の屈折方向Mb)で、さらに二重像に分離する。これにより、撮像装置は、入射された光Ltを4点に分離し、光学的ローパスフィルタを実現する。
次に、撮像装置は、複屈折板21po3Cを用いて、S偏光成分の光をそのまま透過し、P偏光成分の光を45度ずれた偏向方向Xpo3C(図9(b)の屈折方向Mc)に屈折(透過)する。
その後、撮像装置は、領域分割フィルタのS偏光子領域21fs及びP偏光子領域21fpを用いて、S偏光成分又はP偏光成分のみの光を撮像素子の受光素子11px毎に選択して入射する。これにより、撮像装置は、撮像素子を用いて、受光素子11px毎(ピクセル毎)にS偏光成分又はP偏光成分のみの光を受光(撮像)することができる。
上記のように、複屈折板21po3Cの偏光方向を撮像素子の受光素子の配列に対して45度方向にすることで、図9(b)の矢印Mcに示すように、隣り合う4ピクセルに光を分散でき、理想的な光学的ローパスフィルタを実現することができる。また、本実施例に係る撮像装置は、図9(b)の矢印Maの矢印元の座標及び矢印Mcの矢印先の座標の受光素子(ピクセル)で、同一の光路から入射された光のS偏光成分の光及びP偏光成分の光を受光することができる。このため、撮像装置は、矢印Maの矢印元の座標及び矢印Mcの矢印先の座標の受光素子で受光した光の輝度比などを算出することで偏光比などを取得することができる。
以上のとおり、本発明の実施例3に係る撮像装置によれば、実施形態に係る撮像装置100と同様の効果を得ることができる。
(実施例4)
図10を用いて、撮像素子(撮像部材)としてカラーセンサを用いた実施例4に係る撮像装置を説明する。本実施例では、カラーセンサとして、RGB(レッド・グリーン・ブルー)配列(ベイヤ配列)の例を説明する。
(撮像装置の構成)
本実施例に係る撮像装置の要部の側面断面図及び平面図を図10(a)及び図10(b)に示す。図10(b)に示すように、本実施例に係る撮像装置は、領域分割フィルタのS偏光子領域21fs及びP偏光子領域21fpをカラーセンサの配列に対応して斑状に配置している。また、図10(a)に示すように、本実施例に係る撮像装置は、複屈折板21po4Bの入射側に光学的ローパスフィルタ21po4Aを更に有する。
具体的には、領域分割フィルタは、カラーセンサのR配列にP偏光子領域21fp(図中のP/R)を配置している。領域分割フィルタ21fは、カラーセンサの2つのG配列にP偏光子領域21fp(図中のP/G)及びS偏光子領域21fs(図中のS/G)を配置している。領域分割フィルタは、カラーセンサのB配列にP偏光子領域21fp(図中のP/B)を配置している。
(撮像装置の動作)
図10(a)に示すように、本実施例に係る撮像装置は、先ず、複屈折板21po4Aに光Ltを入射される。このとき、複屈折板21po4Aは、本実施例では、同一の光路から入射された光Ltを分岐する。すなわち、複屈折板21po4Aは、S偏光成分の光をそのまま透過し、P偏光成分の光を偏向方向Xpo4A(図10(b)の屈折方向Ma)に屈折(透過)する。
次に、撮像装置は、複屈折板21po4Bを用いて、S偏光成分の光をそのまま透過し、P偏光成分の光を偏向方向Xpo2aC(図10(b)の屈折方向Mb)に屈折(透過)する。
その後、撮像装置は、領域分割フィルタのS偏光子領域21fs及びP偏光子領域21fpを用いて、S偏光成分又はP偏光成分のみの光を撮像素子の受光素子11px毎に選択して入射する。これにより、撮像装置は、撮像素子を用いて、受光素子11px毎(ピクセル毎)にS偏光成分又はP偏光成分のみの光を受光(撮像)することができる。
以上のとおり、本発明の実施例4に係る撮像装置によれば、実施形態に係る撮像装置100と同様の効果を得ることができる。
(実施例5)
図11を用いて、撮像素子(撮像部材)としてカラーセンサを用いた実施例5に係る撮像装置を説明する。本実施例では、カラーセンサとして、RGB(レッド・グリーン・ブルー)配列(ベイヤ配列)の例を説明する。
(撮像装置の構成)
本実施例に係る撮像装置の要部の側面断面図及び平面図を図11(a)及び図11(b)に示す。図11(b)に示すように、本実施例に係る撮像装置は、領域分割フィルタのS偏光子領域21fs及びP偏光子領域21fpをカラーセンサの配列に対応して斑状に配置している。また、図11(a)に示すように、本実施例に係る撮像装置は、複屈折板21po5Cの入射側に光学的ローパスフィルタ21po5A、21po5Bを更に有する。
具体的には、領域分割フィルタは、カラーセンサのR配列にP偏光子領域21fp(図中のP(C)/R)を配置している。領域分割フィルタ21fは、カラーセンサの2つのG配列にP偏光子領域21fp(図中のP(C)/G)及びS偏光子領域21fs(図中のS(C)/C)を配置している。領域分割フィルタは、カラーセンサのB配列にP偏光子領域21fp(図中のP(C)/B)を配置している。なお、上記のすべての例に関して、S偏光子領域とP偏光子領域とを反転させても良いし、各種複屈折板の積層順番を変えても良い。
(撮像装置の動作)
図11(a)に示すように、本実施例に係る撮像装置は、先ず、複屈折板21po5A、21po5Bに光Ltを入射される。このとき、複屈折板21po5A等は、本実施例では、同一の光路から入射された光Ltを2回分岐する。すなわち、複屈折板21po5Aは、複屈折軸Xpo5A(図11(b)の屈折方向Ma)で入射された光Ltを二重像に分離する。次いで、複屈折板21po5Bは、複屈折軸Xpo5B(図11(b)の屈折方向Mb)で、さらに二重像に分離する。これにより、撮像装置は、入射された光Ltを4点に分離し、光学的ローパスフィルタを実現する。
次に、撮像装置は、複屈折板21po5Cを用いて、S偏光成分の光をそのまま透過し、P偏光成分の光を45度ずれた偏向方向Xpo5C(図11(b)の屈折方向Mc)に屈折(透過)する。
その後、撮像装置は、領域分割フィルタのS偏光子領域21fs及びP偏光子領域21fpを用いて、S偏光成分又はP偏光成分のみの光を撮像素子の受光素子11px毎に選択して入射する。これにより、撮像装置は、撮像素子を用いて、受光素子11px毎(ピクセル毎)にS偏光成分又はP偏光成分のみの光を受光(撮像)することができる。
上記のように、複屈折板21po5Cの偏光方向を撮像素子の受光素子の配列に対して45度方向にすることで、図11(b)の矢印Mcに示すように、隣り合う4ピクセルに光を分散でき、理想的な光学的ローパスフィルタを実現することができる。また、本実施例に係る撮像装置は、図11(b)の矢印Maの矢印元の座標及び矢印Mcの矢印先の座標の受光素子(ピクセル)で、同一の光路から入射された光のS偏光成分の光及びP偏光成分の光を受光することができる。このため、撮像装置は、矢印Maの矢印元の座標及び矢印Mcの矢印先の座標の受光素子で受光した光の輝度比などを算出することで偏光比などを取得することができる。
(変形例)
図12を用いて、実施例5に係る撮像装置の変形例を説明する。
(撮像装置の構成)
本変形例に係る撮像装置の要部の側面断面図及び平面図を図12(a)及び図12(b)に示す。図12(a)に示すように、本変形例に係る撮像装置は、光学的ローパスフィルタ21po5Acを更に有する。
(撮像装置の動作)
図12(a)に示すように、本変形例に係る撮像装置は、先ず、複屈折板21po5Ac、21po5Bc、21po5Ccに光Ltを入射される。このとき、複屈折板21po5Ac等は、本変形例では、同一の光路から入射された光Ltを2回分岐する。すなわち、複屈折板21po5Acは、複屈折軸Xpo5Ac(図12(b)の屈折方向Ma)で入射された光Ltを二重像に分離する。次いで、複屈折板21po5Bcは、複屈折軸Xpo5Bc(図12(b)の屈折方向Mb)で、さらに二重像に分離する。これにより、撮像装置は、入射された光Ltを4点に分離する。また、本変形例では、撮像装置は、複屈折板21po5Ccを用いて、4点に分離された光を屈折方向Xpo5Cc(図12(b)の屈折方向Mc)に屈折する。
次に、撮像装置は、複屈折板21po5Dcを用いて、S偏光成分の光をそのまま透過し、P偏光成分の光を偏向方向Xpo5Dc(図9(b)の屈折方向Md)に屈折(透過)する。
その後、撮像装置は、領域分割フィルタのS偏光子領域21fs及びP偏光子領域21fpを用いて、S偏光成分又はP偏光成分のみの光を撮像素子の受光素子11px毎に選択して入射する。これにより、撮像装置は、撮像素子を用いて、受光素子11px毎(ピクセル毎)にS偏光成分又はP偏光成分のみの光を受光(撮像)することができる。
上記のように、本変形例に係る撮像装置は、図12(b)の矢印Maの矢印元の座標及び矢印Mdの矢印先の座標の受光素子(ピクセル)で、同一の光路から入射された光のS偏光成分の光及びP偏光成分の光を受光することができる。このため、撮像装置は、矢印Maの矢印元の座標及び矢印Mcの矢印先の座標の受光素子で受光した光の輝度比などを算出することで偏光比などを取得することができる。
以上のとおり、本発明の実施例5に係る撮像装置によれば、実施形態に係る撮像装置100と同様の効果を得ることができる。
(実施例6)
実施例6に係る撮像装置を用いて、本発明を説明する。本実施例では、撮像装置として、ステレオカメラ200の例を説明する。なお、本発明を用いることができる撮像装置は、本実施例に係るステレオカメラ200に限定されるものではない。すなわち、本発明を用いることができる撮像装置は、実施形態に係る撮像装置100と、光を受光する受光手段とを有するいずれの装置にも用いることができる。
以下の説明においては、本実施例に係るステレオカメラ200の構成が実施形態に係る撮像装置100の構成を含むため、異なる部分を主に説明する。
(ステレオカメラの構成)
図13に示すように、本実施例に係るステレオカメラ200は、レンズアレイ11LA及び撮像装置100を備える。また、ステレオカメラ200は、プリズムPrmとして、偏光ビームスプリッタSp及び偏光ミラーMrr1、Mrr2を備える。偏光ビームスプリッタSp及び偏光ミラーMrr1、Mrr2は、一対のレンズ(不図示)とレンズアレイ11LAとの間の光路に配置される。なお、偏光ビームスプリッタSpは、例えばPBS膜などの多層膜を用いることができる。また、偏光ビームスプリッタSpは、広範囲な入射角および入射波長に対して安定した性能を持つ偏光子(例えばワイヤーグリッド)を用いてもよい。
ステレオカメラ200は、偏光ビームスプリッタSpと偏光ミラーMrr1、Mrr2を用いて、視差を有する2つの光路の光を合成する。また、ステレオカメラ200は、レンズアレイ(撮像レンズ)11LAを介して、合成した光を撮像装置100で受光(撮像)する。すなわち、本実施例に係るステレオカメラ200では、レンズアレイ11LAの前で完全に2つの光路の光を合成するため、1つのレンズ(レンズアレイ11LA)しか通らない。このため、ステレオカメラ200は、レンズの特性が温度でずれたり、レンズの位置がずれたり又はセンサの位置がずれた場合でも、両方の画像(合成前の夫々の光)が同じようにずれるので、ずれの影響をキャンセルすることができる。これにより、ステレオカメラ200は、耐環境性のあるステレオカメラを実現する。
また、ステレオカメラ200では、レンズ(レンズアレイ11LA)とセンサ(撮像装置100)が1つで済む。このため、ステレオカメラ200では、コストを低減することができる。
画角中央の光線(レンズアレイ11LA及び撮像装置100の中心軸)と偏光ビームスプリッタSp又は偏光ミラーMrr1、Mrr2との角度αは、45度より大きく設定することが望ましい。すなわち、図14に示すように、画角中央の光線と偏光ビームスプリッタSp又は偏光ミラーMrr1、Mrr2との角度を45度より大きく設定することで、プリズムPrmの大きさを小さくすることができる。
(ステレオカメラの動作)
図14に示すように、ステレオカメラ200は、撮像装置100で光Lt1、Lt2を受光して、被写体に関する画像(視差画像、差分画像、偏光画像など)を撮影する。
具体的には、ステレオカメラ200は、先ず、ミラーMrr1を用いて、+Z方向からの光Lt1のP偏光成分の光を+Y方向に偏光反射する。また、ステレオカメラ200は、ミラーMrr2を用いて、+Z方向からの光Lt2のS偏光成分の光を−Y方向に偏光反射する。
次に、ステレオカメラ200は、先ず、偏光ビームスプリッタSpを用いて、+Y方向のP偏光を反射し、−Y方向のS偏光を透過する。これにより、ステレオカメラ200は、+Y方向のP偏光画像と−Y方向のS偏光画像とからなる画像(以下、「偏光画像光」という。)を抽出することができる。
次いで、ステレオカメラ200は、レンズアレイ11LAを介して照射された偏光画像光を受光(撮像)する。ここで、撮像装置100はその表面に画素ごとに偏光子を有する領域分割フィルタ(不図示)を配置している。このため、撮像装置100は偏光画像光の偏光(P偏光又はS偏光)に対応する光を夫々受光することができる。
すなわち、本実施例に係るステレオカメラ200は、P偏光画像とS偏光画像を同時撮影することが可能である。また、本実施例に係るステレオカメラ200は、入射光Lt1、Lt2の光路(光軸)の間に一定の距離(基線長)を有するため、P偏光画像とS偏光画像とから視差を有する画像(視差画像、差分画像など)を撮像することができる。
また、本実施例に係るステレオカメラ200では、2つの撮像素子(例えばイメージセンサ)と2つの撮像素子に対応する2つの撮像レンズ(レンズアレイ)を備えるステレオカメラと比較して、撮像素子と撮像レンズとが1つで済むため、低コスト化を図れる。また、本実施例に係るステレオカメラ200では、撮像レンズは1つであり、かつ支持部材自体に対応するプリズム自体が金属に対して熱膨張率の小さいため、基線長変化の測距への影響も抑制することが可能である。
なお、本実施例に係るステレオカメラ200は、視差計算処理において、ブロックマッチング処理を用いることができる。ステレオカメラ200は、左右の画像に対象物の反射光自体の偏光比に基づく輝度差が入るため、例えばブロック内で正規化を行う方法が望ましい。これにより、ステレオカメラ200は、その反射光自体の偏光比に基づく輝度差の分をキャンセルし、模様だけを視差計算に用いることが可能である。ステレオカメラ200は、視差計算処理において、例えばSAD( Sum of Absolute Difference )、SSD( Sum of Squared Difference )、ZSAD( Zero mean Sum of Absolute Difference )、ZSSD( Zero mean Sum of Squared Difference )又はZNCC( Zero mean Normalized Cross Correlation )などを用いてもよい。
以上に示すとおり、本発明の実施例6に係るステレオカメラ200によれば、実施形態に係る撮像装置100と同様の効果を得ることができる。
また、本実施例に係るステレオカメラ200によれば、実施形態に係る撮像装置100を用いることによって、左右のカメラのピクセルのマッチングを高精度に行うことができる。また、本発明の実施例6に係るステレオカメラ200によれば、実施形態に係る撮像装置100を用いて高精度にピクセルのマッチングを行うことができるので、測距精度を飛躍的に向上することが出来る。
なお、領域分割フィルタは、水平垂直の画素の配列に対して45度方向の偏光透過角度を持たせる場合に、ステレオカメラ200の構成では偏光ビームスプリッタなどの左右の像を合波する偏光合波素子の軸方向も合わせて撮像素子の画素配列から45度ずらす必要がある。また、ステレオカメラでは、左右の対応画素の値が一致している必要があるが、ステレオカメラ200の構成ではS偏光とP偏光との偏光比が1でない場合に、対応位置の画素値が偏光比の影響でずれてしまう場合がある。このずれはステレオマッチング処理での精度を低下させ、測距精度の低下を招く。
すなわち、本実施例に係るステレオカメラ200は、偏光比が小さいことが望ましい。なお、偏光比は、例えばカメラに対して垂直の面又は水平の面の比に対応する。従って、斜めに偏光させる撮像装置では、偏光比が減少する。
また、本実施例に係るステレオカメラ200を車載カメラとして利用した場合には、撮像対象は路面の電柱や前方車両などの基本的に縦方向や横方向の面が多い。このため、ステレオカメラ200は、路面に対して、斜め方向には偏光比が小さくなる。ステレオカメラ200は、路面に対して平行に設置する場合に、本構成のように水平垂直の画素の配列に対して45度方向の偏光透過角度を持たせることによって(例えば実施例3)、ステレオカメラ200の測距精度を向上することができる。
更に、従来の偏光を用いた単眼のカメラでは、同じ位置での入射光の偏光成分を用いて偏光比を計算するのではなく、異なる位置の入射光の偏光成分を用いて偏光比を計算するので、エッジ部やテクスチャ部分において偏光比に誤差が生じる場合がある。しかしながら、本実施例に係るステレオカメラ200によれば、同じ位置(光路)の光(入射光)の偏光成分に基づいた偏光比を取得することができるので、より正確な偏光比を取得することができるという有利な効果を有する。
以上により、本発明の好ましい撮像装置及びステレオカメラに係る実施形態及び実施例について説明したが、本発明は上述した実施形態及び実施例に制限されるものではない。また、本発明は、添付の特許請求の範囲に照らし、種々に変形又は変更することが可能である。
100 : 撮像装置
200 : ステレオカメラ
11 : 撮像素子
11px:受光素子
21f :領域分割フィルタ
21fs:S偏光子領域(一の偏光子領域)
21fp:P偏光子領域(他の偏光子領域)
21po,21po1a,21po1c,21po2a,21po2c,21po2aA,21po2aB,21po2aC,21po2cA,21po2cB,21po2cC,21po3A,21po3B,21po3C,21po4A,21po4B,21po4C,21po5A,21po5B,21po5C,21po5Ac,21po5Bc,21po5Cc,21po5Dc:複屈折板
特開2010−243463号公報

Claims (10)

  1. 一の方向の偏光成分及び前記一の方向に直交する他の方向の偏光成分を夫々受光する撮像装置であって、
    同一の光路から入射された光を前記一の方向の偏光成分と前記他の方向の偏光成分とに分岐する複屈折板と、
    前記複屈折板の入射側に配置された光学的ローパスフィルタと、
    前記一の方向の偏光成分の光のみを透過する一の偏光子領域と前記他の方向の偏光成分の光のみを透過する他の偏光子領域とに分割された領域分割フィルタと、
    複数の受光素子が2次元に配置され、三色のカラーフィルタをベイヤ型に配置したカラーフィルタを備えた撮像素子と
    を有し、
    前記領域分割フィルタは、複数の前記一の偏光子領域を前記ベイヤ型に配置したカラーフィルタの同じ色のフィルタが配置された受光素子の一方の受光素子に対応して配置すると共に、前記他の偏光子領域を前記ベイヤ型に配置したカラーフィルタの残りのフィルタが配置された受光素子に対応して配置し、前記光学的ローパスフィルタにより、同一の光路から入射された光を複数の方向に分離し、前記複屈折板により分離された光の前記一の方向の偏光成分を前記光学的ローパスフィルタにより分離した方向と45度異なる方向に屈折させ、前記複屈折板が屈折させた前記一の方向の偏光成分の光及び前記他の方向の偏光成分の光を前記一の偏光子領域及び前記他の偏光子領域で夫々透過し、
    前記撮像素子は、前記領域分割フィルタを透過した前記一の方向の偏光成分の光又は前記他の方向の偏光成分の光を複数の前記受光素子で夫々受光する、
    ことを特徴とする撮像装置。
  2. 前記光学的ローパスフィルタにより分離する方向は、前記受光素子の配列方向と同じであることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記光学的ローパスフィルタにより分離する方向は、前記受光素子の配列方向と45度異なることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  4. 前記領域分割フィルタは、前記一の偏光子領域及び前記他の偏光子領域を行状若しくは列状、又は、斑状若しくは交互に配置する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の撮像装置。
  5. 前記領域分割フィルタは、前記複屈折板と前記撮像素子との間の光路に配置されている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の撮像装置。
  6. 前記複屈折板は、2枚の複屈折板を組み合わせた形状であり、
    前記2枚の複屈折板は、屈折方向が90度異なる、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の撮像装置。
  7. 前記複屈折板の屈折方向は、前記受光素子の格子縞状の縦又は横に対して45度の方向である、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の撮像装置。
  8. 前記複屈折板の材料は水晶である、ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の撮像装置。
  9. 一対のレンズと、前記一対のレンズを透過した光が入射されるプリズムとを更に有し、
    前記プリズムは、前記一対のレンズを夫々透過した前記一の方向の偏光成分の光と前記他の方向の偏光成分の光とを合成して、合成光を生成し、
    前記複屈折板は、生成された前記合成光を入射され、
    前記領域分割フィルタは、前記合成光を前記一の方向の偏光成分と前記他の方向の偏光成分とに分岐し、
    前記撮像素子は、分岐された前記一の方向の偏光成分と前記他の方向の偏光成分とを夫々受光して、該一の方向の偏光成分に対応する画像と該他の方向の偏光成分に対応する画像とを視差画像として取得する、
    ことを特徴とする、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の撮像装置を含むステレオカメラ。
  10. 前記プリズムは、前記複屈折板の入射側の光路に配置され、偏光方向が異なり、且つ、視差を有する2つの光の光路を1つに重ね合わせ、
    前記視差の方向は、前記受光素子の格子縞状の縦又は横に対して45度の方向である、
    ことを特徴とする、請求項9に記載のステレオカメラ。
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