JP6142296B1 - バリの発生を抑制して貫通孔を形成する方法 - Google Patents

バリの発生を抑制して貫通孔を形成する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】バリの発生を抑制し、生産性の向上とコストダウンを図り、かつ製品品質の向上を可能とする。【解決手段】基部1aと中実の軸部1cまたは中空の軸部1cを有して、基部の軸部と反対側に突出する少なくとも2つ以上の角(つの)部1bにバリの発生を抑制して貫通孔1b1を形成する方法であり、少なくとも2つ以上の突出する角部の外側から内側に向けてプレス加工にて少なくとも2つ以上の角部に貫通孔を打ち抜き形成する孔加工工程Aと、角部の内側から貫通孔の内側端面にプレス加工にて面取りを行う面取り加工工程Bと、面取りされた貫通孔の孔内壁を角(つの)部の外側から切削加工する切削加工工程Cとを有する。【選択図】図1

Description

この発明は、基部と軸部を有して、基部の軸部と反対側に突出する少なくとも2つ以上の角(つの)部にバリの発生を抑制して貫通孔を形成する方法に関するものである。
従来から機械・自動車部品などを製造するための加工方法として、例えばステアリングを構成する部品であり、図18に示すように、基部と軸部または中心くり抜きの軸部(以下、まとめて軸部と言う)を有して基部の軸部と反対側に突出する一対の対向して突出する角(つの)部を有する継ぎ手を製造したものがあり、この製造では継ぎ手の軸孔を機械穿削でなく、プレス加工によることとして、製品品質の安定化とバリ取り不要を実現するものが提案されている(特許文献1)。
この継ぎ手の角(つの)部のような貫通孔を加工する方法として、たとえば、図19に示すように、鍛造加工あるいは切削加工等により製造された穿孔前品の一対の対向して突出する角(つの)部に貫通孔を形成する場合に、まず角(つの)部の外側壁から下孔切削を行い、次いで同様に角(つの)部の外側壁から仕上げ切削を行い、貫通孔の内側壁端面に発生するバリ取りを行って完成品を得ている。
このバリ取り加工は、図20及び図21に示すように、特殊な専用工具によって行われていた。図20は裏側のバリを自動面取りする工具(市販品)100を用いた例であり、工具100には、切刃101aを有するブレード101が支持軸102に回動可能に設けられ、ブレード101はボール状ガイド103によって回動し、バネ104によって初期位置に復帰可能に構成されている。
この工具100を用いた貫通孔の両端面のバリ取り加工は、図20(c)に示すように、工具100の先端部を貫通孔に挿入し、ボール状ガイド103がヨークに接触すると、ブレード101とバネ104によって切刃101aが貫通孔の一方の端面に接触するようになり、この状態で工具100を軸回転させてバリ取り加工を行う。さらに、工具100の先端部を貫通孔に挿入させると、ボール状ガイド103により貫通孔の内壁を保護するようにしてヨークを貫通し、ブレード101がバネ104によって回転して初期位置に復帰する。そして、工具100を引き抜くようにすると、ブレード101とバネ104によって切刃101aが貫通孔の他方の端面に接触するようになり、この状態で工具100を軸回転させてバリ取り加工を行い、貫通孔の両端面のバリ取り加工が完了する。
図21は表側と裏側のバリを自動面取りする工具(市販品)200を用いた例であり、工具200には、切刃201aとガイド面01bを有するブレード201が出没可能に設けられている。
この工具200を用いた貫通孔の両端面のバリ取り加工は、図21(e)に示すように、工具200を軸回転させながら先端部を貫通孔に挿入し、ブレード201の切刃201aがヨークに接触すると、切刃201aが貫通孔の一方の端面のバリ取り加工を行い、このバリ取り加工と同時にガイド面01bによってブレード201が押し込まれながらスライドしてエッジ加工を行う。さらに、工具200の軸回転を停止して先端部を貫通孔に挿入させて貫通すると、ブレード201が突出して初期位置に復帰する。そして、工具200を軸回転させながら引き抜くようにすると、切刃201aが貫通孔の他方の端面のバリ取り加工を行い、このバリ取り加工と同時にガイド面01bによってブレード201が引き抜かれながらスライドしてエッジ加工を行い、面取り加工が完了する。
特開平8−270669
貫通孔を機械穿削でなく、プレス加工により形成する場合でも、ファインブランキング法(拘束精密せん断法)では無い特許文献1のようなプレス打ち抜き工法では同文献には記載されていないが、現実的には「かえり」と呼ばれるバリが発生し、製品品質の向上を図るために、バリ取りが要求されていた。また、特許文献1は、プレス加工で穴抜きし、その後は機械穿削等での精密仕上げ工程が無いため、あくまでもせん断面と破断面で構成される断面のままであり、穴直径精度は悪い(例えば、4/100mmの実現は不可能)。
また、図20及び図21に示すような従来の自動面取りする工具は、高価であり、しかもφ10mm程度の小さい径の孔に限定され、φ10mmより大きい径の孔を加工する工具は特注で求める必要があった。さらに、継ぎ手のように、一対の対向して突出する角(つの)部に貫通孔を形成する場合には、角(つの)部の外側壁から下孔切削、仕上げ切削を行い、さらに角(つの)部の外側壁からバリ取りを行うため、バリ取り作業が困難で生産性の向上が進展せず、コストダウンが図れない面があった。
この発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、バリ取り工程が不要で、生産性の向上とコストダウンを図るバリの発生を抑制して貫通孔を形成する方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
請求項1に記載の発明は、基部と中実の軸部または中空の軸部を有して、前記基部の前記軸部と反対側に突出する少なくとも2つ以上の角(つの)部にバリの発生を抑制して貫通孔を形成する方法であり、
前記少なくとも2つ以上の突出する角(つの)部の外側から内側に向けてプレス加工にて前記少なくとも2つ以上の角(つの)部に貫通孔を打ち抜き形成する孔加工工程と、
前記角(つの)部の内側から前記貫通孔の内側端面にプレス加工にて面取りを行う面取り加工工程と、
面取りされた前記貫通孔の孔内壁を前記角(つの)部の外側から一方向で前記面取り面の一部を残して切削加工する切削加工工程とを有し、
前記面取り加工工程は、
前記軸部の軸方向に働く加工押圧力を、前記貫通孔の軸方向に変換する変換機構を備え、
加工押圧力を前記変換機構により前記貫通孔の軸方向に変換して前記貫通孔の内側端面にプレス加工にて面取りを行うことを特徴とするバリの発生を抑制して貫通孔を形成する方法である。
請求項2に記載の発明は、前記面取り加工工程に備える前記変換機構の構成は、
前記少なくとも2つ以上の突出する角(つの)部の内側に対向して面取り工具を配置し、
前記面取り工具の間に押圧工具を配置し、
プレスのスライドに取り付けたパンチを降下させることで、前記押圧工具に前記パンチを接触させ、前記プレスの下向き押圧力とは垂直な方向により押圧力の方向を変換し、前記垂直な方向押圧力により前記面取り工具を前記貫通孔の中心軸上を側内壁側から外側方向に移動させて前記貫通孔の側内壁端面にプレス加工にて面取りを行うことを特徴とする請求項1に記載のバリの発生を抑制して貫通孔を形成する方法である。
請求項3に記載の発明は、前記面取り加工工程に備える前記変換機構の構成は、
前記貫通孔の側内壁端面に対向して拡開可能な面取り部を有する工具を配置し、
前記面取り部の間に押圧工具を配置し、
前記垂直な方向押圧力により前記面取り部を前記貫通孔の中心軸上を側内壁側から外側方向に拡開させて前記貫通孔の側内壁端面にプレス加工にて面取りを行うことを特徴とする請求項1に記載のバリの発生を抑制して貫通孔を形成する方法である。
前記構成により、この発明は、以下のような効果を有する。
請求項1乃至請求項3に記載の発明では、基部と中実の軸部または中空の軸部を有して、基部の軸部と反対側に突出する少なくとも2つ以上の角(つの)部の外側から内側に向けてプレス加工にてそれぞれの角(つの)部に貫通孔を打ち抜き形成し、軸部の軸方向に働く加工押圧力を、貫通孔の軸方向に変換する変換機構を備え、加工押圧力を変換機構により貫通孔の軸方向に変換し、角(つの)部の内側から貫通孔の内側端面にプレス加工にて面取りを行い、貫通孔の孔内壁を切削加工し、簡単な構成で容易に面取りを行うことで、生産性の向上とコストダウンを図り、かつバリの発生を抑制できるなど製品品質の向上が可能である。
バリの発生を抑制して貫通孔を形成する方法の1例を説明する図である。 面取りプレス金型の斜視図である。 金型作動時の斜視図である。 金型作動時の正面図である。 金型作動時の平面図である。 金型作動時の側面図である。 金型作動時の正面の断面図である。 面取り部の拡大図である。 解析モデルの斜視図である。 解析モデルの断面図である。 解析結果示す図である。 押圧工具の移動量と面取り荷重の関係を示す図である。 面取りプレス金型の斜視図である。 金型作動を示す図である。 比較例に示す図である。 比較例に示す図である。 実施形態の製造方法により製造される貫通穴を有する加工品を示す図である。 使用例を示す図である。 従来の貫通穴を有する加工品の製造工程を示す図である。 特殊な専用工具によって行われるバリ取り加工を示す図である。 特殊な専用工具によって行われるバリ取り加工を示す図である。
以下、この発明のバリの発生を抑制して貫通孔を形成する方法の実施の形態について説明する。この発明の実施の形態は、発明の最も好ましい形態を示すものであり、この発明はこれに限定されない。
(バリの発生を抑制して貫通孔を形成する方法の構成)
このバリの発生を抑制して貫通孔を形成する方法の実施の形態を、図1に基づいて説明する。図1はバリの発生を抑制して貫通孔を形成する方法の1例を説明する図である。この実施の形態は、基部と中実の軸部または中空の軸部を有して、基部の軸部と反対側に突出する角(つの)部にバリの発生を抑制して貫通孔を形成する方法であり、孔加工工程Aと、面取り加工工程Bと、切削加工工程Cとを有する。鍛造品1は、基部1aと、貫通孔1b1を有する一対の対向して突出する角(つの)部1bと、軸部1cが一体形成されてなり、この鍛造品1は、機械加工やダイカスト等の他加工法で加工されたものでもよく、鍛造加工に限定されない。
[孔加工工程A]
孔加工工程Aは、貫通孔を加工する工程であり、一対の対向して突出する角(つの)部1bの外側から内側に向けてプレス加工にてそれぞれの角(つの)部1bに貫通孔1b1を打ち抜き形成する。打ち抜き加工は、従来のパンチ金型を用いた加工であり、特に限定されない。
[面取り加工工程B]
面取り加工工程Bは、孔加工工程Aによって得られた一対の対向して突出する角(つの)部1bに形成された貫通孔1b1に対して面取りを行う加工工程であり、角(つの)部1bの内側から貫通孔1b1にプレス加工にて面取りを行う。この面取りは、面取りプレス金型を用いた加工であり、以下、面取りプレス金型を用いた実施の形態1,2を説明する。
[切削加工工程C]
切削加工工程Cは、面取り加工工程Bによって一対の対向して突出する角(つの)部1bの内側端面を面取りされた貫通孔1b1の孔内壁を切削する加工工程である。この切削加工は、従来の切削ドリルを用いて一対の対向して突出する角(つの)部1bの外側から一方向で面取り面の一部を残して行い、この切削加工によってバリの発生を抑制する貫通孔の形成が完了する。
「面取りプレス金型を用いた実施の形態1」
面取りプレス金型の構成を、図2乃至図8に基づいて説明する。図2は面取りプレス金型の斜視図、図3は金型作動時の斜視図、図4は金型作動時の正面図、図5は金型作動時の平面図、図6は金型作動時の側面図、図7は金型作動時の断面図、図8は面取り部の拡大図である。
面取りプレス金型は、受金型20と、パンチ金型30を有する。受金型20は、ボルスター21と、ボルスター21に固定された一対の受圧板22を有し、一対の受圧板22は対向する位置でボルスター21に固定されている。一対の受圧板22の間には、面取りスライド板23が配置され、この面取りスライド板23はボルスター21に固定されている。一対の受圧板22の間には、一対の面取り工具24が対向して配置され、この一対の面取り工具24は面取りスライド板23上をスライド可能になっている。ボルスター21には、4個のスプリング止め25が一対の面取り工具24に対向して固定され、このそれぞれのスプリング止め25と一対の面取り工具24の間には、4個のスプリング26が配置されている。4個のスプリング26は、一対の面取り工具24を常に初期位置へ復帰させるように付勢している。
一対の面取り工具24の間には、押圧工具27が配置され、この押圧工具27は、ボルスター21に固定された工具ホルダー28により移動可能に保持されている。押圧工具27の押圧力により一対の面取り工具24は、それぞれスプリング26の付勢力に抗して離間する方向に移動する構成である。工具ホルダー28には、一対のストローク調整治具29が設けられ、一対のストローク調整治具29の長さを調整することで押圧工具27の移動量を規制し、一対の面取り工具24の面取りストロークを調整する。
この実施形態の1例である貫通孔形成前の鍛造品1は、一対の対向して突出する角(つの)部1bがそれぞれ一対の受圧板22と一対の面取り工具24の間に位置し、一対の対向して突出する角(つの)部1bの間に一対の面取り工具24と押圧工具27が位置するようにセットされる。
パンチ金型30は、パンチ31と、加工品保持ホルダー32を有する。パンチ31は、押圧工具27を押動するように構成される。加工品保持ホルダー32は、パンチ31に移動可能に取り付けられ、加工品保持ホルダー32の先端部に鍛造品1を保持可能に構成されている。加工品保持ホルダー32の基部には、スプリング33が組み付けられ、このスプリング33の付勢力によって加工品保持ホルダー32が鍛造品1を保持する。
押圧工具27は、断面が楔形状に形成されており、一対のテーパ面27aは面取り工具24のテーパ面24aに当接している。面取り工具24は、面取り面24bを有し、この面取り面24bが角(つの)部1bの内側から貫通孔1b1の端面に当接している。
プレスのスライドへ締結したパンチ金型30の下降作動でパンチ31が押圧工具27を押動すると、この押圧工具27の押圧力により一対の面取り工具24がスライド板23上を貫通孔1b1の内側から外側に向けて移動する。このように、一対の面取り工具24が貫通孔1b1の軸方向に移動することで、一対の面取り工具24の面取り面4bが角(つの)部1bの内側から貫通孔1b1の端面に押圧され、このプレス加工にて貫通孔1b1の内側端面の面取りを行う。
次に、この実施の形態の面取り加工を解析モデルに基づいて説明する。図9は解析モデルの斜視図、図10は解析モデルの断面図、図11は解析結果を示す図、図12は押圧工具の移動量と面取り荷重の関係を示す図である。
この解析モデルは、面取り加工工程において、鍛造品の一対の対向して突出する角(つの)部を有し、一対の対向して突出する角(つの)部の内側に対向して一対の面取り工具を配置し、一対の面取り工具の間に押圧工具を配置し、一対の対向して突出する角(つの)部の外側にはそれぞれ受圧板を配置した構成である(図10(a))。
この解析モデルにおいて、プレス可動部を降下させてそれに取り付けられたパンチ31により押圧工具を押すことで、この押圧工具の押圧力により一対の面取り工具を鍛造品の貫通孔の内側端面から外側に向けて孔軸方向に移動する。一対の面取り工具が面取りスライド板上をスライドして移動することで、この一対の面取り工具は、角(つの)部の内側から貫通孔にプレス加工にて面取りを行う(図10(b))。
この面取りは、押圧工具の移動量がD1からD2の間では、面取り荷重がほぼ一定となって安定し(図12)、面取りプレス加工部は、塑性変形した永久ひずみが生じたことで面取りが可能であることを裏付けている(図11)。
「面取りプレス金型を用いた実施の形態2」
面取りプレス金型の構成を、図13及び図14に基づいて説明する。図13は面取りプレス金型の斜視図、図14は金型作動を示す図である。
面取りプレス金型は、受金型40と、パンチ金型50を有する。受金型40は、固定台41を有し、この固定台41は鍛造品1を固定保持可能に構成されている。また、固定台41には、押圧工具42が一体に形成されている。
パンチ金型50は、拡開可能な一対の面取り部51aを有する工具51を有し、この一対の面取り部51aに対向して受圧板部52が設けられている。一対の面取り部51aには、円形状で突出する加工部51a1が形成されている。この加工部51a1は、面取り部51aの先端側51a11が低く、根本側51a12が高くなるように傾斜させて形成されており、一対の面取り部51aの面取り加工時の開き角度において、一対の面取り部51aの加工部51a1の加工面51a11が平行になるように構成されている。
面取り加工工程において、鍛造品1を受金型40の固定台41にセットし、プレスのスライドへ締結したパンチ金型50を下降させる(図14(a))。このパンチ金型50の下降によって、鍛造品1の一対の対向して突出する角(つの)部1bの内側に対向して拡開可能な一対の面取り部51aを有する工具51が下降し、一対の面取り部51aの間に押圧工具42が配置される(図14(b))。さらに、パンチ金型50を下降させることによって、一対の面取り部51aの間に押圧工具42が当接し、これによる押圧工具42の押圧力により一対の一対の面取り部51aを貫通孔1b1の軸方向に拡開させ、角(つの)部1bの内側から一対の面取り部51aの加工部51a1によって貫通孔1b1にプレス加工にて面取りを行う(図14(c))。
(バリ発生の抑制効果)
このバリの発生を抑制して貫通孔を形成する方法では、鍛造品は、一対の対向して突出する角(つの)部を有し、この角(つの)部の外側から内側に向けてプレス加工にてそれぞれの角(つの)部に貫通孔を打ち抜き形成し、角(つの)部の内側から貫通孔の内側端面にプレス加工にて面取りを行い、貫通孔の孔内壁を切削加工する簡単な構成で、一対の対向して突出する角(つの)部にバリ発生を抑制した貫通孔を形成することができる。このような工程で貫通孔を形成することで、生産性の向上とコストダウンを図り、かつ製品品質の向上が可能である。
[比較例1]
図15の比較例に示すように、鍛造品に一対の対向して突出する角(つの)部の外側からプレス加工によって貫通孔を打ち抜き形成すると、貫通孔の孔内壁面にビビり傷が生じ、内側端部に「かえり」と呼ばれるバリが生じる。このため、貫通孔の孔内壁面を切削加工してビビり傷を除去し、バリ取り加工を行うことになるが、一対の対向して突出する角(つの)部の内側からのバリ取り加工が困難であった。
[比較例2]
切削条件(回転数,刃数,送り速度,切削油の種類等)を絞り込むため、マシニングセンターを利用して、切削長さ28mmのA6061−T6材料を用い、ヨーク鍛造品の一対の対向して突出する角(つの)孔の精密切削を想定したテスト加工を実施した。穴開け工具は、リーマ工具(刃径26.5mm、刃径公差m5、刃長41mm、全長230mm、刃数6、ネジレ角30°)とした。図16(a)は切削加工の様子を示し、図16(b)は切削加工の結果を示し、図16(c)は、主軸回転数を3180rmp、送りF1590、穴開け前のC0.5面取り有りの条件で、穴の直径バラツキが最小となり、切り粉も孔内面に残存しない最適条件を絞り込むことができたが、切削加工後にバリが発生する様子を示したものである。図16(d)は面取りを行った後、面取り面の一部を残して切削孔空けするとバリが消滅することを示す図であり、切削加工のバリを消滅させるには、面取りを行った後、面取り面の一部を残して切削孔空けすればよいことが確認できた。
(適用例)
この実施形態により貫通孔を形成する鍛造品の例を図17に示し、図18に使用例を示すが、この発明の適用対象は、基部と軸部を有して、基部の軸部と反対側に一対の対向して突出する貫通孔を有する角(つの)部とが一体形成されてなるものであれば、特に限定されない。
図17及び図18に示す鍛造品は、自動車におけるステアリングを構成する継ぎ手であり、鍛造品は、円筒台の上部に2つの角(つの)を有し、角(つの)の外端は、円筒台外形の外側である。円筒台の外形は段付きであり、円筒台の外形のうち、上段付き部はテーパ形状である。円筒台の上部に角錐台が付属している。角(つの)の外形は、半月と角錐台から構成され、角(つの)の側面外形は、上方へシュリンク、角(つの)の正面外形は、上方へシュリンクする。角(つの)の貫通孔は、段付きである。円筒台の内形は、段付きであり、円筒台の内形における上部段付形状は、角錐台の上端形状と同じであり、これにより、回転対称では無く、異断面形状となっている。2つの角(つの)間の空間形状は、ストレートと段付きの組み合せとなっている。
この発明は、基部と軸部を有して、基部の軸部と反対側に突出する少なくとも2つ以上の角(つの)部にバリの発生を抑制して貫通孔を形成する方法に適用可能であり、生産性の向上とコストダウンを図り、かつ製品品質の向上を可能とする。
A 孔加工工程
B 面取り加工工程
C 切削加工工程
1 鍛造品
1a 基部
1b 一対の対向して突出する角(つの)部
1b1 貫通孔
1c 軸部
20 受金型
21 ボルスター
22 一対の受圧板
23 面取りスライド板
24 一対の面取り工具
25 スプリング止め
26 スプリング
27 押圧工具
28 工具ホルダー
29 ストローク調整治具
30 パンチ金型
31 パンチ
32 加工品保持ホルダー
33 スプリング
40 受金型
41 固定台
42 押圧工具
50 パンチ金型
51 一対の面取り部51aを有する工具
52 受圧板部

Claims (3)

  1. 基部と中実の軸部または中空の軸部を有して、前記基部の前記軸部と反対側に突出する少なくとも2つ以上の角(つの)部にバリの発生を抑制して貫通孔を形成する方法であり、
    前記少なくとも2つ以上の突出する角(つの)部の外側から内側に向けてプレス加工にて前記少なくとも2つ以上の角(つの)部に貫通孔を打ち抜き形成する孔加工工程と、
    前記角(つの)部の内側から前記貫通孔の内側端面にプレス加工にて面取りを行う面取り加工工程と、
    面取りされた前記貫通孔の孔内壁を前記角(つの)部の外側から一方向で前記面取り面の一部を残して切削加工する切削加工工程とを有し、
    前記面取り加工工程は、
    前記軸部の軸方向に働く加工押圧力を、前記貫通孔の軸方向に変換する変換機構を備え、
    加工押圧力を前記変換機構により前記貫通孔の軸方向に変換して前記貫通孔の内側端面にプレス加工にて面取りを行うことを特徴とするバリの発生を抑制して貫通孔を形成する方法。
  2. 前記面取り加工工程に備える前記変換機構の構成は、
    前記少なくとも2つ以上の突出する角(つの)部の内側に対向して面取り工具を配置し、
    前記面取り工具の間に押圧工具を配置し、
    プレスのスライドに取り付けたパンチを降下させることで、前記押圧工具に前記パンチを接触させ、前記プレスの下向き押圧力とは垂直な方向により押圧力の方向を変換し、前記垂直な方向押圧力により前記面取り工具を前記貫通孔の中心軸上を側内壁側から外側方向に移動させて前記貫通孔の側内壁端面にプレス加工にて面取りを行うことを特徴とする請求項1に記載のバリの発生を抑制して貫通孔を形成する方法。
  3. 前記面取り加工工程に備える前記変換機構の構成は、
    前記貫通孔の側内壁端面に対向して拡開可能な面取り部を有する工具を配置し、
    前記面取り部の間に押圧工具を配置し、
    前記垂直な方向押圧力により前記面取り部を前記貫通孔の中心軸上を側内壁側から外側方向に拡開させて前記貫通孔の側内壁端面にプレス加工にて面取りを行うことを特徴とする請求項1に記載のバリの発生を抑制して貫通孔を形成する方法。
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