JP6138151B2 - 修飾されたエンテロキナーゼ軽鎖 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な哺乳類エンテロキナーゼ類似体、その作成方法、およびエンテロキナーゼ切断部位を有するタンパク質を切断するための前記哺乳類エンテロキナーゼ類似体の使用に関する。
配列表の参照による取り込み
「配列表」と題された配列表は10キロバイトであり、2012年12月17日に作成されたものであり、参照により本明細書に取り込まれる。
エンテロペプチダーゼとしても知られているセリンプロテアーゼエンテロキナーゼ(短縮して、エンテロキナーゼまたはEK)は、ヘテロ二量体糖タンパク質であり、トリプシノーゲンの活性トリプシンへの変換を触媒する哺乳類酵素である。エンテロキナーゼは、基質配列Asp-Asp-Asp-Asp-Lys ((Asp)4-Lys, DDDDK)の嗜好特性を有し、リジンの後を選択的に切断する。ウシ十二指腸粘膜から単離されたエンテロキナーゼは、分子量(MW)150,000および炭水化物含有量35パーセントを示す。この酵素は、重鎖(MW約115,000)およびジスルフィド結合した軽鎖(MW約35,000)で構成されている(Liepnieksら、J. Biol. Chem.、254(5):1677〜1683頁(1979))。重鎖の機能は、粘膜に酵素を固定することである。軽鎖は、触媒サブユニットとして機能する。
大腸菌(E.coli)において、多くの哺乳類タンパク質は、融合タンパク質として発現されており、成熟した、活性タンパク質を放出するために切断されなければならない。その目的のために、好ましくは、産物に余分なアミノ酸を残さずに直接、接合部で切断するようなプロセシング酵素が必要とされる。エンテロキナーゼはそのような酵素であり、大腸菌においてエンテロキナーゼまたはエンテロキナーゼ類似体を得る組換えプロセスを確立するために、多くの労力が払われた。しかし、これまでのところその結果はむしろ思わしいものではなかった:市販の製品は高価であり、沈殿したEKの非効率的な再生または可溶性EKの非効率的な分泌のために、比活性が低いものである。
可溶性EK産物を目的とした大腸菌の処理方法は、可溶性および不溶性タンパク質の混合物、2つの精製ルートの必要性、高価なアフィニティーカラムおよび低収率のすべてに行き当たる。均一な産物を得るために、EKは封入体中の不溶性物質として生成されなければならない。それを単離することは容易であるが、タンパク質が凝集する可能性があるため、満足できる収率で再生することには困難を伴う。
本発明の目的は、改善された特性を有する哺乳類エンテロキナーゼ類似体を得ることである。
国際公開WO94/16083号パンフレット
Liepnieksら、J. Biol. Chem.、254(5):1677〜1683頁(1979) Matsushimaら、J.Biol. Chem. 269 (31)、19976頁(1994) Kitamotoら、Biochemistry 34、4562頁(1995) LaVallieら、J. Biol. Chem. 268 (31)、23311〜17頁(1993) Matsushimaら、J. Biochem. 125、947頁(1999) Lightら、Anal. Biochem. 106: 199頁(1980) Grantら、Biochem. Biophys. Acta. 567:207頁(1979) Greene and Wuts, "Protective Groups in Organic Synthesis", John Wiley & Sons, 1999 Protein Purification, J.-C. Janson and Lars Ryden, editors, VCH Publishers, New York, 1989
本発明は、適切な部位に変異を導入した哺乳類エンテロキナーゼ類似体に関する。本発明のエンテロキナーゼ類似体の1つまたは複数の置換は、例えば、疎水性アミノ酸から、親(野生型)の哺乳類エンテロキナーゼにおけるアミノ酸と比較して、親水性の荷電アミノ酸への置換であってもよい。
本発明の一態様において、134および/または135位における疎水性から親水性荷電アミノ酸への少なくとも1つの置換を含む、ウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体が得られる。一態様において、本発明に記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体は、112位における置換をさらに含む。
本発明はまた、エンテロキナーゼ軽鎖類似体の再生プロセスにおいて改善された溶解性を得るための方法に関する。一態様において、本方法は、野生型ウシエンテロキナーゼ軽鎖の1つまたは複数の疎水性アミノ酸を親水性アミノ酸に変異させるステップと、場合によって、野生型ウシエンテロキナーゼ軽鎖の他のアミノ酸を変異させるステップを含み、ここで、変異を受ける疎水性アミノ酸は、折り畳まれた野生型ウシエンテロキナーゼ軽鎖の表面上に存在している。
一態様において、本発明は、哺乳類エンテロキナーゼ類似体を得るための、改善された製造方法を提供する。さらにまたは代替的には、第二の態様において、本発明は、改善された生産収率をもたらす改善された製造方法を提供する。
本発明の一態様において、ウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体の製造方法は、下記のステップ:
a)インデューサーを含む増殖培地中で、エンテロキナーゼ軽鎖類似体のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド配列を含む宿主細胞を培養するステップ;
b)封入体中にエンテロキナーゼ軽鎖類似体を含む細胞を回収するステップ;
c)エンテロキナーゼ軽鎖類似体を可溶化およびリフォールディングするステップ;および
d)エンテロキナーゼ軽鎖類似体を精製するステップ、を含む。
一態様において、本発明は、細菌または酵母宿主細胞中における、組換えによるペプチドまたはタンパク質の製造方法を提供する。一態様において、本方法は:
a)製造するペプチドまたはタンパク質を含む融合タンパク質を酵母または細菌中で発現させるステップ;
b)融合タンパク質を態様1〜9のいずれか1つに記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体により切断するステップ;および
c)生成したペプチドまたはタンパク質を単離するステップ、を含む。
本発明はまた、例示的実施形態の開示から明らかである更なる問題を解決することができる。
Trx-EKL(A)およびTrx-EKLM(B)両者の、発現の誘導時間依存性。M:マーカー;BI:誘導前;I2、I3、I4およびI6は、それぞれ、IPTGによる誘導時間(時)を表す;15%ゲル;発酵限定培地(Fermentation defined medium)(FDM)を使用。 EKの精製についてのフローチャート。 リフォールディング時におけるTrx-リンカー-EKLおよびTrx-リンカー-EKLM濃度の関数としての、%リフォールディング収率(図3A)。黒三角:Trx-リンカー-EKL、1mg/ml封入体(IB);●:Trx-リンカー-EKLM、6mg/ml IB;◆:Trx-リンカー-EKLM,4mg/ml IB。1.3gのTrx-リンカー-EKLMまたはTrx-リンカー-EKLの細胞ペレットを溶菌し、封入体を異なる濃度、すなわちTrx-リンカー-EKLについては1mg/ml、Trx-リンカー-EKLMについては4mg/mlまたは6mg/mlの濃度で、20mMのTris、8Mの尿素、pH8.0、20mMのDTTを含有する緩衝液中に可溶化した。20mMのTris、1Mの尿素、1mMのGSSG、3mMのGSH、pH8.3を含有するリフォールディング緩衝液中、示した濃度に希釈し、20℃で24時間、インキュベーションした後、EKLM/EKLを実施例に記載のようにQ HPクロマトグラフィーによる精製に供した。 リフォールディング時における1Lのリフォールディング緩衝液中の精製EKLおよびEKLMの量(mg、図3B)。△:Trx-リンカー-EKL、1mg/ml封入体(IB);○:Trx-リンカー-EKLM、6mg/ml IB;◇:Trx-リンカー-EKLM,4mg/ml IB。1.3gのTrx-リンカー-EKLMまたはTrx-リンカー-EKLの細胞ペレットを溶菌し、封入体を異なる濃度、すなわちTrx-リンカー-EKLについては1mg/ml、Trx-リンカー-EKLMについては4mg/mlまたは6mg/mlの濃度で、20mMのTris、8Mの尿素、pH8.0、20mMのDTTを含有する緩衝液中に可溶化した。20mMのTris、1Mの尿素、1mMのGSSG、3mMのGSH、pH8.3を含有するリフォールディング緩衝液中、示した濃度に希釈し、20℃で24時間、インキュベーションした後、EKLM/EKLを実施例に記載のようにQ HPクロマトグラフィーによる精製に供した。 Trx-EKLのリフォールディング収率はインキュベーション時間とともに増加する。1.3gのTrx-EKLの細胞ペレットを溶菌し、封入体を20mMのTris、8Mの尿素、pH8.0、20mMのDTTを含有する緩衝液中に可溶化して、1.6mg/mlとした。20mMのTris、1Mの尿素、1mMのGSSG、3mMのGSH、pH8.3を含有するリフォールディング緩衝液中で100倍に希釈し、それぞれ20℃で24時間あるいは48時間、インキュベートした後、実施例に記載したように、酵素活性をアッセイした。 リフォールディング収率の尿素濃度依存性。1.3gのTrx-EKLの細胞ペレットを溶菌し、封入体を20mMのTris、8Mの尿素、pH8.0、20mMのDTTを含有する緩衝液中に可溶化して1.6mg/mlとした。20mMのTris、1mMのGSSG、3mMのGSH、pH8.3および0mM、0.5mM、1mM、1.5mMまたは2mMの尿素をそれぞれ含有するリフォールディング緩衝液中で100倍に希釈し、20℃で24時間、インキュベートした後、実施例に記載したように、酵素活性をアッセイした。 リフォールディング収率の酸化還元GSSG/GSH比依存性。1.3gのTrx-EKLの細胞ペレットを溶菌し、封入体を20mMのTris、8Mの尿素、pH8.0、20mMのDTTを含有する緩衝液中に可溶化して、1.6mg/mlとした。20mMのTris、1Mの尿素、pH8.3および記載したようなGSSG/GSHを含有するリフォールディング緩衝液中で100倍に希釈し、20℃で24時間、インキュベートした後、実施例に記載したように、酵素活性をアッセイした。 Q HPクロマトグラフィーによるEKLMの精製。(A):クロマトグラム。P2において示されるように、EKLMは、ナトリウム濃度勾配により溶出した。EK酵素活性を含有する画分を示した。(B):還元条件下における各々のステップでのEKLMのSDS-PAGE。EKLM:疎水性相互作用クロマトグラフィーによるP2のさらなる精製から得られた高純度EKLM(90%超);M:マーカー、BI:誘導前、全体:溶菌の全体;Sup:細胞溶菌後の上清;IB:リフォールディングおよび精製を行った封入体;App:リフォールディング、自己活性化後、Q HPカラムを施したサンプル;P1、P2およびP3は図7Aに示した各々のピークの貯蔵画分を表す。(c):酵素活性。△:P1。1μlのサンプルを100μlの反応緩衝液に加えた;●:P2。P2を5倍希釈した後、希釈したサンプルの1μlを、100μlの反応緩衝液に加えた;○:P3。1μlのサンプルを100μlの反応緩衝液に加えた;黒四角:ブランク。1μlの緩衝液(20mMのTris、pH8.0)を100μlの反応緩衝液に加えた。1.3gのTrx-EKLMの細胞ペレットを溶菌し、封入体を20mMのTris、8Mの尿素、pH8.0、20mMのDTTを含有する緩衝液中に可溶化して、4mg/mlとした。20mMのTris、1Mの尿素、1mMのGSSG、3mMのGSH、pH8.3を含有するリフォールディング緩衝液に80倍希釈し、20℃で24時間、インキュベートした後、EKLMを実施例に記載のようにQ HPクロマトグラフィーによる精製に供した。 EKLおよびEKLM間で同様の比酵素活性。25EUの精製したEKLとEKLMをSDS-PAGEに供した。 EKLMは-80℃または4℃で少なくとも3ヶ月間安定である。実施例に記載したように精製したEKLMは小分けし、-80℃または4℃で保存した。3ヶ月後、各々の温度からの5μgのEKLMを還元および非還元条件下でSDS-PAGEに供し、新たに精製したEKLM(新鮮)と比較した。 trxEKLM(配列番号:9)およびTrx-リンカー-EKLM(配列番号:8)のアミノ酸配列の比較。Trx-リンカー-EKLMにおいては、trxとEKLMの間のスペーサーは37アミノ酸であり、trxEKLMにおけるものより長い。 Trx-リンカー-EKLMのリフォールディング効率はリフォールディング緩衝液に加えたPEG1000またはシクロデキストリンにより増加する。封入体を7.3mg/mlに可溶化し、リフォールディング緩衝液中に1対20の割合で希釈した。リフォールディング緩衝液中のPEG1000およびシクロデキストリンの最終濃度はそれぞれ1%および1.5%である。
本発明は、適切な部位で変異した哺乳類エンテロキナーゼ類似体に関する。本発明のエンテロキナーゼ類似体の1つまたは複数の置換は、例えば、疎水性アミノ酸から、親(野生型)の哺乳類エンテロキナーゼにおけるアミノ酸と比較して親水性の荷電アミノ酸への置換であってもよい。一態様において、本発明の哺乳類エンテロキナーゼ類似体の1つまたは複数の置換は、疎水性アミノ酸から、野生型ウシエンテロキナーゼにおけるアミノ酸と比較して親水性の荷電アミノ酸への置換である。一態様において、変異を受ける疎水性アミノ酸は、折り畳まれた野生型ウシエンテロキナーゼ軽鎖のような折り畳まれた野生型哺乳類エンテロキナーゼ軽鎖の表面上に存在している。
野生型ウシエンテロキナーゼ軽鎖は、一般に、種々の界面活性剤および変性剤の存在下において、広いpH範囲(4.5から9.5)および温度範囲(4から45℃)にわたって、良好な活性を示す。したがって、エンテロキナーゼ軽鎖は、強力なツールとして、バイオテクノロジーにおける融合タンパク質のインビトロ切断用に使用されている。
しかし、ブタやウシなどの動物から抽出された製造プロセスが複雑であることや生産収率が低いことにより、バイオテクノロジーにおけるEKの用途が制限されている。最近では、大腸菌における組換えエンテロキナーゼ軽鎖は、活性エンテロキナーゼ軽鎖の分泌によって得られるか、または不活性エンテロキナーゼ軽鎖封入体の細胞内蓄積、リフォールディングおよび活性化により得られている。さらに、おそらくリフォールディングの促進により、ウシエンテロキナーゼ軽鎖のCys112のAlaへの置換が酵素活性を増強することが実証されている。Cys112は、ホロ酵素内において重鎖に軽鎖を連結するものであって、軽鎖の本質的な部分ではない。
本発明の一態様において、哺乳類エンテロキナーゼ類似体は、例えば、ウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体などの哺乳類エンテロキナーゼ軽鎖類似体である。本発明の一態様において、哺乳類エンテロキナーゼ類似体は、ウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体である。本発明に係る一態様において、ウシ軽鎖類似体は、134位および/または135位における置換を含む。一態様において、ウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体は、112、134および/または135位に置換を含む。一態様において、ウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体は、少なくとも2つの置換を含む。一態様において、ウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体は、少なくとも3つの置換を含む。一態様において、ウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体は、112、134および135位における置換を含む。一態様において、ウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体は、C112A、L134KおよびI135Kの置換を含む。
本発明の新規のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体には、野生型ウシエンテロキナーゼの軽鎖の一次構造コンフォメーション(すなわち、アミノ酸配列)を有するものが含まれる。野生型ウシエンテロキナーゼの軽鎖は、配列番号1に実質的に記載された配列を有する。
一態様によれば、本発明のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体はエンテロキナーゼプロテアーゼ活性を有する。このようなプロテアーゼに対する抗体も利用可能である。
本発明に記載されたウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体は、融合タンパク質を特異的に切断する制限プロテアーゼとしての使用のためのエンテロキナーゼ野生型プロテアーゼ活性を保持する。
本明細書において使用される用語「ウシエンテロキナーゼ」は、その構造および特性が周知であるウシエンテロキナーゼ酵素を意味する。哺乳類エンテロキナーゼは、650から800アミノ酸の重鎖とおよそ235アミノ酸の触媒性軽鎖を有するヘテロダイマーを含有する、全体的相同性75から80%の炭水化物である(ウシ、ブタおよびヒトエンテロキナーゼについては、それぞれ、Liepniecksら、J. Biol. Chem. 254、1677頁(1979); Matsushimaら、J.Biol. Chem. 269 (31)、19976頁(1994);Kitamotoら、Biochemistry 34、4562頁(1995)を参照)。触媒性軽鎖のさらなる研究は、ウシEKについてLaVallieら、J. Biol. Chem. 268 (31)、23311〜17頁(1993)、ブタEKについてMatsushimaら、J. Biochem. 125、947頁(1999)において報告されている。
本明細書において使用される用語「ウシエンテロキナーゼ軽鎖」は、4つのジスルフィド架橋を有するウシエンテロキナーゼの軽鎖を意味する。ウシエンテロキナーゼ軽鎖は、例えば上記のLaVallieらの文献に記載されている。
本明細書において、用語「表面」が、折り畳まれた野生型ウシエンテロキナーゼ軽鎖の表面上に存在するアミノ酸の関連で使用される場合は、例えば、Mod Base P 98072に記載されるような3次元構造において折り畳まれた野生型ウシエンテロキナーゼ軽鎖の表面上に存在すると同定されるアミノ酸を意味する。
本発明に記載の「エンテロキナーゼ軽鎖」は、本明細書においてウシエンテロキナーゼ軽鎖またはブタまたはヒトエンテロキナーゼ軽鎖などの他の種由来のエンテロキナーゼ軽鎖として理解されるべきである。
本明細書において使用される用語「エンテロキナーゼ軽鎖ペプチド」は、ウシエンテロキナーゼ軽鎖またはエンテロキナーゼ活性を有するその類似体もしくは誘導体のいずれかであるペプチドを意味する。
本明細書で使用されるように、エンテロキナーゼ活性は、特定の部位で、ペプチドまたはタンパク質基質を切断する能力を意味する;タンパク質基質の場合、これは一般に次の配列(Asp)4-Lys、またはLightら、Anal. Biochem. 106: 199頁(1980)に記載されているような類似の配列である;(負に荷電したアミノ酸とそれに続く正に荷電したアミノ酸のクラスター)。典型的には、このような活性は、N末端プロペプチド((Asp)4-Lysを含有する)を、エンテロキナーゼまたはエンテロキナーゼ類似体で切断することによるトリプシノーゲンの活性化と、引き続きトシル-アルギニンメチルエステル(TAME)を用いて生成した活性トリプシンの量をアッセイすることにより測定される。あるいは、エンテロキナーゼ活性は、酵素をペプチド基質のGly(Asp)4-Lys-β-ナフチルアミドでインキュベートし、β-NA(β-ナフチルアミド)部分の切断と放出によって発生する蛍光の上昇(337nmの励起、420nmの発光)を測定することにより直接測定することができる。例えば、Grantら、Biochem. Biophys. Acta. 567:207頁(1979)を参照されたい。ウシエンテロキナーゼは、TAMEやBAEE(ベンジル-アルギニンエチルエステル)のようなトリプシン基質のいくつかにも活性である。
本明細書で使用される用語「野生型エンテロキナーゼ軽鎖」は、本発明に記載の任意の置換がそれに適用される前のエンテロキナーゼ軽鎖を意味することを意図している。
本明細書で使用する用語「エンテロキナーゼ軽鎖類似体」または「ウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体」は、修飾されたウシエンテロキナーゼ軽鎖を意味するものであり、ここでエンテロキナーゼ軽鎖の1つもしくは複数のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基によって置換されているか、ならびに/または、1つもしくは複数のアミノ酸残基がエンテロキナーゼ軽鎖から削除されているか、ならびに/または、1つもしくは複数のアミノ酸残基がエンテロキナーゼ軽鎖に付加および/もしくは挿入されている。
一実施形態において、エンテロキナーゼ軽鎖類似体は、ウシエンテロキナーゼ軽鎖に対して10未満のアミノ酸修飾(置換、欠失、(挿入を含む)付加およびそれらの任意の組み合わせ)を含むか、あるいはウシエンテロキナーゼ軽鎖に対して9、8、7、6、5、4、3または2未満の修飾を含む。一態様において、エンテロキナーゼ軽鎖類似体は、ウシエンテロキナーゼ軽鎖に対して、5個のアミノ酸修飾を含み、一態様において、4個のアミノ酸修飾を含み、一態様において、3個のアミノ酸修飾を含み、一態様において、2個のアミノ酸修飾を含み、および一態様において、1個のアミノ酸修飾を含む。
エンテロキナーゼ分子の軽鎖における修飾は、天然のアミノ酸残基を置換するアミノ酸残基の位置および1文字または3文字コードを示すことにより表示される。アミノ酸についての1文字コードを用いる場合、134Kおよび135Kのような用語は、134および135位のアミノ酸が、それぞれ、Kであることを指定している。アミノ酸についての3文字コードを用いる場合、対応する表現はそれぞれ134Lysおよび135Lysである。したがって、例えば、112Ala、134Lys、135Lysウシエンテロキナーゼ軽鎖は、112位のアミノ酸がアラニンにより置換され、134位のアミノ酸がリジンにより置換され、および135位のアミノ酸がリジンにより置換されているウシエンテロキナーゼ軽鎖の類似体である。
本明細書において用語「アミノ酸残基」は、公式には、ヒドロキシ基がカルボキシ基から除去され、および/または、公式には、水素原子がアミノ基から除去されたアミノ酸である。
ウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体の例としては、134位のLeuがLysまたは別の荷電アミノ酸で置換され、135位ではIleがLysまたは別の荷電アミノ酸で置換されたようなものである。さらに、112位でのCysは、AlaおよびSerを含むいくつかのアミノ酸で置換されていてもよい。
本発明に記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体のさらなる例は:134Lysウシエンテロキナーゼ軽鎖;135Lysウシエンテロキナーゼ軽鎖;134Lys、135Lysウシエンテロキナーゼ軽鎖;112Ala、134Lys、135Lysウシエンテロキナーゼ軽鎖;112Ala、134Lysウシエンテロキナーゼ軽鎖;112Ala、135Lysウシエンテロキナーゼ軽鎖および他の荷電アミノ酸との置換を含む任意のそのような組み合わせ、を限定されずに含む。
一態様において、ウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体は、天然のウシエンテロキナーゼ軽鎖に対して再生プロセスにおける改善した溶解性を有するものが得られる。一態様において、本発明に記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体は、親水性の荷電アミノ酸に変異させた1つまたは複数の表面に配向した疎水性アミノ酸を有し、天然のウシエンテロキナーゼ軽鎖と比較して再生プロセスにおいて改善した溶解性が得られる。一態様において、親水性荷電アミノ酸への置換のための表面に配向した疎水性アミノ酸は、ウシエンテロキナーゼ軽鎖を他のセリンプロテアーゼと整列させ、エンテロキナーゼの計算的な3次元モデルにより、溶媒に接触可能な表面を走査した後に選択される。
本発明に記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体をリフォールディングする方法は、当業者に公知である。例えば、リフォールディングは、尿素で変性させ、その後、グルタチオンまたは他のレドックス(re-dox)環境の下で、酸化的リフォールディングすることにより行うことができる。
一態様において、緩衝液(リフォールディング緩衝液)が、リフォールディング処理の間に使用される。本発明の一態様において、リフォールディング緩衝液は、尿素を含む。一態様において、リフォールディング緩衝液は、0Mから2Mの間の尿素を含む。一態様において、リフォールディング緩衝液は、0.5Mから2Mの間の尿素、0Mから1.5Mの間の尿素、または0.5Mから1.5Mの間の尿素を含む。一態様において、リフォールディング緩衝液は、約1Mの尿素を含む。
封入体の初期濃度は、リフォールディング収率に影響を及ぼし得る。本発明の一態様において、封入体の濃度は1から4mg/mlの間である。
本発明の一態様において、チオレドキシン(Trx)タグはリフォールディングの間、すなわち、リフォールディング条件の下での希釈およびインキュベーションの間に除去される。したがって、リフォールディングおよび活性化は、活性化酵素の添加なしに得られることが見出された。本発明の一態様において、trxタグと本発明のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体を連結するリンカーは、自己切断によって除去される。したがって、驚くべきことにtrxタグと本発明のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体を連結するリンカーは、リフォールディングを促進することが、本発明者らによって見出された。
一態様において、野生型EKの再生プロセス中に得られる凝集に比較して、本発明に記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体の再生プロセス中では、より少ない凝集が得られる。一態様において、本発明に記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体は、野生型EKに比較して再生プロセス中により可溶性である置換L134KおよびI135Kを有している。一態様において、本発明に記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体は、さらに置換C112Aを有する。野生型EKヘテロ二量体において、軽鎖から重鎖にジスルフィド結合することに関与している112位における単一のシステインを変異させることによって、EK軽鎖における4ジスルフィド架橋の形成が促進され得ると、本発明者らは考えている。
一態様において、本発明のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体は、野生型ウシエンテロキナーゼと比較して完全なエンテロキナーゼ活性を有する。一態様において、本発明のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体は、野生型ウシエンテロキナーゼとして実質的に同等の機能的または生物学的活性を有する。例えば、ウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体は、配列番号1として示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドの、実質的に同等の機能的または生物学的活性(すなわち、機能的同等物である)を有する(例えば、実質的に同等のエンテロペプチダーゼ活性を有する)。
本発明のエンテロキナーゼ軽鎖類似体をコードする核酸形態もまた本発明の範囲内である。本発明に記載の核酸は、ゲノムDNA(gDNA)、相補DNA(cDNA)、化学合成によって調製された合成DNAならびに欠失または置換、対立遺伝子変異体および本発明のエンテロキナーゼ軽鎖類似体をコードする限りにおいてストリンジェントな条件下でそれにハイブリダイズする配列を有するDNAを含む。
一実施形態において、ポリヌクレオチド配列を含む核酸が提供され、前記核酸は本発明に記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体などの哺乳類エンテロキナーゼ軽鎖類似体をコードする。一実施形態において、核酸は、誘導性プロモーターに作動可能に連結される。一実施形態において、誘導性プロモーターに作動可能に連結された核酸を含む、組換えベクターが提供される。一実施形態において、誘導性プロモーターは、AraB、T7、trp、lac、tacからなる群から選択される。
本発明のさらなる実施形態は、本発明に記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体などの哺乳類エンテロキナーゼ軽鎖類似体のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド配列を含む組換えベクターを含む宿主細胞を提供する。
本発明のさらなる態様は、本発明に記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体などの哺乳類エンテロキナーゼ軽鎖類似体をコードするアミノ酸配列についてコードするポリヌクレオチド配列を含む組換えベクターを含む宿主細胞を提供する。一実施形態において、宿主細胞は、大腸菌、枯草菌(B.subtilis)、酵母(S.saccaromyces)およびコウジカビ(A.oryzae)からなる群から選択される。
例えば、エンテロキナーゼ軽鎖などのポリペプチドの製造は、当技術分野において周知である。ウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体は、例えば、t-BocもしくはFmoc化学を用いた固相ペプチド合成などの古典的なペプチド合成または他の十分に確立された技術によって、例えば製造することができる。例えば、Greene and Wuts, "Protective Groups in Organic Synthesis", John Wiley & Sons, 1999を参照されたい。ウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体はまた、その類似体をコードするDNA配列を含有し、適切な栄養培地中でウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体を発現することができる条件下でウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体の発現を可能にする宿主細胞を培養することを含む方法によって製造することができる。いくつかの組換え方法は、ウシエンテロキナーゼ軽鎖およびウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体の製造に使用することができる。例えば、大腸菌および出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)などの微生物内におけるエンテロキナーゼの製造に使用することができる方法の例は、例えば、WO94/16083に開示されている。
典型的には、ウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体は、例えば、WO94/16083に開示される周知の技術によって、問題のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体またはその前駆体をコードするDNA配列を適切な宿主細胞において発現させることによって製造される。
本発明のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体は、細胞培養培地または細胞から回収することができる。本発明のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体は、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、アフィニティー、疎水性、クロマトフォーカシング、およびサイズ排除)、電気泳動的手法(例えば、調製用の等電点電気泳動法(IEF))、溶解度差(例えば、硫酸アンモニウム沈殿)、または抽出を含む当技術分野で公知の様々な手順によって精製され得るが、これらに限定されない(例えば、Protein Purification, J.-C. Janson and Lars Ryden, editors, VCH Publishers, New York, 1989を参照されたい)。
一態様において、本発明のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体は、陰イオン交換クロマトグラフィーを用いて精製される。さらなる態様において、陰イオン交換クロマトグラフィーには、疎水性相互作用クロマトグラフィーが続けられる。一態様において、本発明のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体は、Q HP陰イオン交換クロマトグラフィーを用いて精製する。さらなる態様において、Q HP陰イオン交換クロマトグラフィーには、フェニルFF疎水性相互作用クロマトグラフィーが続けられる。
本発明の一態様において、ウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体などの哺乳類エンテロキナーゼ軽鎖類似体を製造するための改良された方法が提供され、前記方法は以下のステップ:
a)インデューサーを含む増殖培地中で、エンテロキナーゼ軽鎖類似体のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド配列を含む宿主細胞を培養するステップ;
b)封入体中にエンテロキナーゼ軽鎖類似体を含む細胞を回収するステップ;
c)エンテロキナーゼ軽鎖類似体を可溶化およびリフォールディングするステップ;および
d)エンテロキナーゼ軽鎖類似体を精製するステップ、を含む。
本発明は、非常に効率的かつ経済的な方法で、ウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体などの哺乳類エンテロキナーゼ軽鎖類似体を大腸菌において製造するための新規の組換えプロセスを提供する。
本発明に記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体の発現は、例えば、大腸菌の封入体または酵母の分泌された物質に局在化させることができる。一実施形態において、エンテロキナーゼの発現は、大腸菌の封入体に局在される。
非グリコシル化、均質なエンテロキナーゼ活性の生成のための宿主細胞としては種々の大腸菌株が有用であり、当技術分野で周知である。このような菌株の非排他的なリストには、大腸菌B BL21、DE3、大腸菌K12 W3110、MC1061、DH1、K803、HB101、JM101および他のK12様の菌株が含まれる。あるいは、枯草菌(B. subtilis)、シュードモナス(Pseudomonas)の種々の株、他の桿菌などを含む、他の細菌種を使用することができる。
当業者に公知の酵母細胞の多くの菌株は、本発明のエンテロキナーゼ活性発現のための宿主細胞として利用可能である。酵母細胞は、プレ/プロ融合物にとってエンテロキナーゼを成熟させる宿主として特に有用である。適切な酵母ベクターを用いて発現させる場合、融合物は、シグナルペプチドによって分泌される。
本発明のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体が細菌細胞内で発現される場合、それは通常、細胞内で封入体として発現されてもよいか、または分泌シグナルが含まれているならば、それは活性形態で細菌細胞から分泌されてもよい。必要または望ましい場合、生物活性の減少が観察された際には、尿素またはグアニジンHCI中にタンパク質を可溶化させ、続いて、これらの試薬の濃度を希釈して減少させ、例えば、ジチオスレイトールまたはβ-メルカプトエタノールなどの酸化剤で処理することによりリフォールディングを促進させるなどの従来の方法によってエンテロキナーゼ活性を得ることができる。
一実施形態において、本発明に記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体は、アフィニティータグと成熟タンパク質間の様々な数の融合タンパク質産物における(Asp)4-Lys (DDDDK)配列の後を特異的に切断する酵素的に活性なプロテアーゼである。一実施形態において、本発明に記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体は、酵素活性を保持している。
本発明の一態様において、大腸菌細胞内においてウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体を調製するための方法が得られ、ここで、大腸菌細胞は、ウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体遺伝子および誘導性プロモーターを保持するプラスミドで形質転換され、バッチおよびフェドバッチ段階を含む発酵により、発現したタンパク質が培養液から単離および精製される。
本発明の一態様において、本発明に記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体のためのリフォールディング処理が得られるが、ここでエンテロキナーゼ軽鎖類似体の発現は、組換え大腸菌内の封入体の形態である。一実施形態において、変性に引き続きレドックス系でのリフォールディングが使用される。
本発明のエンテロキナーゼ軽鎖類似体は、エンテロキナーゼ切断部位を有するタンパク質、および特に、それらの配列中にそのような切断部位を有するように操作された融合タンパク質を切断するための方法において使用することができる。必要量は、当業者によって経験的に容易に決定される。
本明細書で使用する用語「融合タンパク質」は、2つ以上のタンパク質またはペプチドから遺伝子工学により作成されたタンパク質を意味する。本明細書で使用する場合、融合タンパク質は、Asp-Asp-Asp-Asp-Lys(D4K)配列が意図的に特異的切断のために導入されたタンパク質を指しうる。一般に、融合タンパク質の切断は、2つのポリペプチドを生成する。本発明に記載の融合タンパク質は、組換え融合タンパク質であってもよい。特定の実施形態では、融合タンパク質は、目的の野生型タンパク質のアミノ酸配列に加えて、例えば、一方の末端、例えばN末端におけるベクター由来の残基ペプチドの付加から生成することができる。このようにして、例えば、組換え融合タンパク質は、目的のタンパク質の上流に接合したベクター中のAsp-Asp-Asp-Lys(D4K)切断部位を有するように構築することができる。
「作動可能に連結された」という用語は、本明細書において、制御配列がポリペプチドのコード配列の発現を指令するように、制御配列がポリヌクレオチド配列のコード配列に対して適切な位置に配置された構成を示している。
用語「プロテアーゼ」は、単独で、または他のポリペプチドとの組み合わせで、タンパク質のアミノ酸間のペプチド結合を切断する任意のポリペプチドを含むことが意図される。
用語「タンパク質分解活性」は、酵素による基質の切断活性を意味する。特定の実施形態では、この用語はエンテロペプチダーゼによる酵素的切断を指す。例示的な実施形態では、この用語は、Asp-Asp-Asp-Asp-Lysの切断部位のための本発明のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体の特異的活性を意味する。「非特異的タンパク質分解活性」は、特定の切断部位に向けられていない切断活性を意味する。「特異的タンパク質分解活性」は、特異的切断部位に向けられている切断活性を意味する。
実際に、本明細書に記載されるように、本発明に記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体は、ウシ由来の二本鎖型と比較した場合、融合タンパク質の切断に優れている。
本発明の別の態様として、本発明のエンテロキナーゼ軽鎖類似体はさらに他のタンパク質との融合タンパク質パートナーの一つとして組み込まれる。したがって、最小量の外因性エンテロキナーゼ活性を反応容器へ添加することによって、融合タンパク質は、順次より多くの融合タンパク質のタンパク質分解切断を触媒し得る、追加のエンテロキナーゼ活性の放出をもたらす。このようにして、大量のエンテロキナーゼ活性を、自己触媒様式で、融合タンパク質から生じさせることができる。
本発明の別の特定の態様は、本明細書に記載の本発明のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体のいずれかを用いたAsp-Asp-Asp-Asp-Lysの切断部位を含有するタンパク質の切断のための方法であって、本発明のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体のいずれかとタンパク質を接触させることを含む方法を教示する。ここで、ウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体とタンパク質を接触させると特異的切断をもたらす。
一実施形態において、タンパク質は融合タンパク質である。別の実施形態において、融合タンパク質は、組換え融合タンパク質である。さらなる実施形態において、タンパク質は、細菌によって生産される。より特定の実施形態では、タンパク質は合成タンパク質である。
さらなる態様において、本発明は、本明細書に記述した本発明に記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体のいずれかを用いて組換えタンパク質を調製するための方法を教示しており、前記方法はAsp-Asp-Asp-Asp-Lysの切断部位を含有する組換え融合タンパク質を提供し、および本発明のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体のいずれかと融合タンパク質を接触させることを含み、組換え融合タンパク質をウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体に接触させると、Asp-Asp-Asp-Asp-Lysの特異的切断および組換えタンパク質の調製という結果をもたらす。
以下は、本発明に係る態様の非限定的なリストである:
1.134および/または135位における疎水性から親水性荷電アミノ酸への少なくとも1つの置換を含む、ウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体。
2.134および135位の両方が、疎水性から親水性荷電アミノ酸への置換を有する、態様1に記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体。
3.112位における置換をさらに含む、態様1または2に記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体。
4.112位のアミノ酸が、アラニン、セリンおよびグリシンからなる群から選択される、態様3に記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体。
5.112位のアミノ酸が、アラニンである、態様3に記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体。
6.親水性荷電アミノ酸が、リジン、アルギニン、グルタミン酸およびアスパラギン酸からなる群から選択される1つまたは複数のアミノ酸である、前記態様のいずれか1つに記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体。
7.親水性荷電アミノ酸が、リジンである、前記態様のいずれか1つに記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体。
8.置換C112A、L134KおよびI135Kを含む、前記態様のいずれか1つに記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体。
9.変異するエンテロキナーゼ軽鎖が、配列番号1である、前記態様のいずれか1つに記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体。
10.エンテロキナーゼ軽鎖類似体の再生プロセスにおける改善された溶解性を得る方法であって、野生型ウシエンテロキナーゼ軽鎖の1つまたは複数の疎水性アミノ酸を親水性アミノ酸に変異させるステップと、場合によって、野生型ウシエンテロキナーゼ軽鎖の他のアミノ酸を変異させるステップを含み、ここで、変異を受ける前記疎水性アミノ酸は、折り畳まれた野生型ウシエンテロキナーゼ軽鎖の表面上に存在している、上記方法。
11.変異される疎水性アミノ酸が、I、V、L、M、W、F、Aからなる群から選択される、態様10に記載の方法。
12.変異される疎水性アミノ酸が、ロイシンおよびイソロイシンからなる群から選択される、態様10に記載の方法。
13.親水性アミノ酸が、リジン、アルギニン、グルタミン酸およびアスパラギン酸からなる群から選択される、態様10から12のいずれか1つに記載の方法。
14.親水性アミノ酸が、リジンである、態様13に記載の方法。
15.変異させる疎水性アミノ酸が、11から14位(アミノ酸AWPW)、78から80位(アミノ酸IVI)および133-136位(アミノ酸ALIY)からなる群から選択される1つまたは複数の位置におけるものである、態様10から14のいずれか1つに記載の方法。
16.変異させる疎水性アミノ酸が、134および/または135位におけるものである、態様15に記載の方法。
17.a)インデューサーを含む増殖培地中で、エンテロキナーゼ軽鎖類似体のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド配列を含む宿主細胞を培養するステップ;
b)封入体中にエンテロキナーゼ軽鎖類似体を含む細胞を回収するステップ;
c)エンテロキナーゼ軽鎖類似体を可溶化およびリフォールディングするステップ;および
d)エンテロキナーゼ軽鎖類似体を精製するステップ、を含む
ウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体の製造方法。
18.リフォールディング緩衝液が、リフォールディング処理の間に使用される、態様17に記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体の製造方法。
19.リフォールディング緩衝液が、尿素を含む、態様17または18に記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体の製造方法。
20.リフォールディング緩衝液が、約1M尿素を含む、態様17から19のいずれか1つに記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体の製造方法。
21.リフォールディング緩衝液が、低分子量ポリエチレングリコール(低PEG)をさらに含む、態様19から20のいずれか1つに記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体の製造方法。
22.リフォールディング緩衝液が、1%のPEG1000のようにPEG1000をさらに含む、態様19から21のいずれか1つに記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体の製造方法。
23.リフォールディング緩衝液が、1.5%のヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンのようにヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンをさらに含む、態様19から22のいずれか1つに記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体の製造方法。
24.封入体の濃度が、1から4mg/mlの間である、態様17から23のいずれか1つに記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体の製造方法。
25.宿主細胞が、大腸菌である、態様17から24のいずれか1つに記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体の製造方法。
26.ウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体が、態様1から9のいずれか1つに記載の類似体である、態様17から25のいずれか1つに記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体の製造方法。
27.細菌または酵母宿主細胞中における、組換えによるペプチドまたはタンパク質の製造方法であって、
a)製造するペプチドまたはタンパク質を含む融合タンパク質を酵母または細菌中で発現させるステップ;
b)融合タンパク質を態様1〜9のいずれか1つに記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体により切断するステップ;および
c)生成したペプチドまたはタンパク質を単離するステップ、を含む上記方法。
28.ステップa)において発現した融合タンパク質が、Asp-Asp-Asp-Asp-Lys切断部位をさらに含む、態様27に記載の組換えによるペプチドまたはタンパク質の製造方法。
29.ステップb)が、Asp-Asp-Asp-Asp-Lysの特異的切断をもたらす、態様28に記載の組換えによるペプチドまたはタンパク質の製造方法。
30.宿主細胞が、大腸菌である、態様27から29のいずれか1つに記載の組換えによるペプチドまたはタンパク質の製造方法。
31.ペプチドまたはタンパク質が、GLP-1ペプチドである、態様27から30のいずれか1つに記載の組換えによるペプチドまたはタンパク質の製造方法。
本明細書で引用した刊行物を含むすべての参考文献、特許出願、および特許は、各文献が個々におよび具体的に参照により取り込まれることが示されかつその全体が本明細書に記載されているかの如く、その全体が参照により本明細書に組み込まれる(法律で許容される最大限の範囲で)。
すべての表題および副題は便宜のためのみにここで使用され、決して本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
本明細書で提供される任意のおよびすべての例、または例示的文言(例えば「など」)の使用は、単に本発明をよりよく理解することのみを意図し、特に断らない限り、本発明の範囲を限定するものではない。明細書中の用語は、本発明の実施に不可欠な任意の特許請求されていない要素を示すものと解釈されるべきではない。
特許文献の引用および取り込みは便宜のためにのみ行われ、そのような特許文献の有効性、特許性、および/または法的強制力の見解を反映するものではない。
本発明は、適用される法律によって許容されるように、本明細書に付属の特許請求の範囲に記載された主題のすべての修正物および等価物を含む。
(実施例)
ここにおいて、ウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体を作成するための製造方法が開発された。ウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体は、チオレドキシンタグに融合し、大腸菌での封入体として発現させた。リフォールディングおよび自己活性化の後、活性化したエンテロキナーゼ軽鎖類似体はQ HP陰イオン交換クロマトグラフィーによって精製した。さらに、表面の親水性特性を改善したウシエンテロキナーゼ軽鎖の三重置換体(C112A、L134KおよびI135K)(EKLM)は、活性を失うことなく、リフォールディング収率が4倍に増加することがわかった。精製されたエンテロキナーゼ軽鎖類似体の収率は、4g/Lの培養液から800mg/Lであり、比活性は5000±10EU/mgと決定した。したがって、我々のエンテロキナーゼ軽鎖類似体の製造方法は、治療用融合タンパク質および他の融合タンパク質を処理するための貴重なツールを提供する。
略号:
EK:エンテロキナーゼ
EKL:C112A変異を有するウシエンテロキナーゼ軽鎖
EKLM(あるいは、本明細書においてEKMやEKLM(C112A、L134K、I135K)と呼ばれるもの):112位がAla、134位がLysおよび135位がLysへの変異を有するウシエンテロキナーゼ軽鎖
TrxEKLM:12AAリンカーでN末端チオレドキシンタグと融合したEKLM
Trx-リンカー-EKLM:より長い49AAリンカーでN末端チオレドキシンタグと融合したEKLM
Trx-リンカー-EKL:より長い49AAリンカーでN末端チオレドキシンタグと融合したEKL
IPTG:イソプロピルβ-D-1-チオガラクトピラノシド
Tris:トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン
DTT:ジチオスレイトール
GSSG:グルタチオンジスルフィド
GSH:グルタチオン
FDM:発酵限定培地
Trx:チオレドキシン
LC-MS:液体クロマトグラフィー-質量分析
SDS-PAGE:ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動
BL21:大腸菌株E.coli B BL21 DE3
PCR反応:ポリメラーゼ連鎖反応
低PEG:例えば、1000までの分子量を有するポリエチレングリコールなどの低分子量ポリエチレングリコール
PEG1000:ポリエチレングリコール1000、およその分子量1000を有するポリエチレングリコール
(実施例1)
Trx-リンカー-EKLおよびTrx-リンカー-EKLMのプラスミド構築
ウシエンテロキナーゼの触媒サブユニットをコードするDNA配列を下記のプライマーを用いて増幅した:
5'-ggcggtaccgacgacgacgacaagattgtcggaggaagtgac-3' 配列番号2
5'- ggcgaattcctaatgtagaaaactttgtatccactctgtgaacc-3' 配列番号3
これらの2つのプライマーは、それぞれ、KpnIおよびEcoRI制限酵素部位を含んでいた。標的断片をKpnIおよびEcoRI部位からpET32a(Novagen)に導入した。通常のPCR反応は、StratageneからのPfu DNAポリメラーゼを用いて行った。プラスミドpET32a-EKLの配列は塩基配列解析により確認した。Three substitution sites, i.e. C112A, L134K, I135K were introduced by using QuikChange(登録商標)XL Site-Directed Mutagenesis Kit from Stratagene with the primers:
3つの置換部位、すなわちC112A、L134K、I135Kを下記のプライマー:
C112AF 5’-acacagattatatacagcctat tgcgttaccagaagaaaatcaag-3’ 配列番号4
C112AR 5’-cttgattttcttctggtaacgcaataggctgtatataatctgtgt-3’ 配列番号5
L134K,I135KF 5'-ctattgctggctggggggcaaagaaatatcaaggttctactgcagacg-3' 配列番号6
L134K,I135KR5'-cgtctgcagtagaaccttgatatttctttcccc ccagccagcaatag-3' 配列番号7
とともにStratageneからのクイックチェンジ(QuikChange;登録商標)XL部位特異的突然変異誘発キットを用いて導入した。
下線部:Trx;文字飾りなし:リンカー;太字イタリック:EKLM
下線部:Trx;文字飾りなし:リンカー;太字イタリック:EKLM
(実施例2)
Trx-リンカー-EKLおよびTrx-リンカー-EKLMの発酵と発現
グリセロールストックからの細胞はEC1プレートに接種し、37℃で一晩増殖させ、細胞を懸濁するために0.9%の塩化ナトリウム(NaCl)で洗浄した。培養物を、発酵限定培地(FDM)を含有する発酵槽中で、37℃で16時間増殖させ、150のOD600において1.0mMのIPTGを用いて誘導し、次いで遠心分離で収穫する前に6時間、37℃で増殖させた。
大腸菌BL21におけるTrx-リンカー-EKLおよびTrx-リンカー-EKLMの両方は、フェドバッチ発酵で発現させた。図1に示すように、IPTG誘導前にはSDS-PAGEにより判断できるような明確な発現漏れは観察されなかった。SDS-PAGE上の43kD直上にIPTGによる誘導性バンドが現れ、このバンドが標的タンパク質を示していることをLC-MSによって確認した。さらに、標的タンパク質の発現レベルは、誘導時間に依存していた。発酵限定培地(FDM)を使用することによるTrx-リンカー-EKLとTrx-リンカー-EKLMについての4時間または6時間の誘導は、それぞれ許容可能な発現を与え、約4g/Lの標的タンパク質を達成した。
(実施例3)
リフォールディング、自己触媒的活性化および精製
発酵からの細胞を、20mMのTris、pH8.0を含有する溶菌緩衝液(1:10、w/w)中に再懸濁し、フレンチプレスにより溶菌した。封入体を4℃で1時間、20,000gで沈降し、次いで、溶菌緩衝液を用いて一度洗浄した。封入体を、20mMのTris、8Mの尿素、pH8.0、20mMのDTTを含有する緩衝液中で3.2mg/mlに可溶化させ、4℃で3時間インキュベートした。30分間20,000gで遠心分離した後、可溶化したEK(つまりTrx-リンカー-EKLおよび/またはTrx-リンカー-EKLM)は、20mMのTris、1Mの尿素、1mMのGSSG、3mMのGSH、pH8.3を含有するリフォールディング緩衝液中に80倍に希釈し、20℃で24時間インキュベートした。
リフォールディング操作の希釈およびインキュベーションの間に自己触媒的切断が生じ、チオレドキシン(Trx)タグをもたない完全に活性な酵素が放出された。最後に、酵素は、Q HP陰イオン交換クロマトグラフィーによって精製した。
プロセススキームは図2に示されている。封入体は5〜8Mの尿素および10〜20mMのDTTを含有する緩衝液中で可溶化した。封入体の濃度がリフォールディング収率に影響を与えたことに留意するべきである。4mg/mlのTrx-リンカー-EKLMのリフォールディング収率は6mg/mlのTrx-リンカー-EKLMの収率よりも2倍高いことがわかった(図3A)。
リフォールディングは、希釈することにより起こった。一定量からの精製された酵素の量も、リフォールディング緩衝液中でのTrxリンカーEK濃度に依存しており、Trx-リンカー-EKLM濃度が120μg/mlであった場合に、最大値に達した。
自己触媒的活性化は、リフォールディング処理に付随して起こった。成熟EKの直前に位置するDDDDK認識部位で特異的にTrxタグを切り離したエスケープ活性EKによって、活性EKがTrx-リンカー-EKから放出された。リフォールディングおよび自己触媒的活性化プロセスは、48時間後において最適であったように思われた(図4)。尿素によるEKの阻害を考慮すると、リフォールディング緩衝液中の尿素が2Mを超えた場合に、リフォールディング収率が大幅に減少したことが見出された。我々の結果は、リフォールディング緩衝液中、1Mの尿素が最適であることを示した(図5)。
リフォールディング収率は、レドックス系に依存していた。1:3の比のGSSG/GSHが最適であり、シスチン/システインよりも優れていることが見出された(図6)。
リフォールディングおよび自己活性化後の活性EKは、1段階の陰イオン交換クロマトグラフィー精製(QHPカラム、図7A)で精製し、濃縮した。TrxタグはP1にあり、EKLMはTrxタグの不純物とともに主にP2にあることがわかり、P3は、微量のEKLMを含んでいることが、図7Cに示した活性アッセイによって確認された。高純度EKLM(>90%)が、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)を用いたP2のさらなる精製により得られたことに留意すべきである(図7B)。また、各画分の酵素活性もアッセイし(図7C)、貯留した。Trx-リンカー-EKLについては、リフォールディング収率は、リフォールディング処理の間、40μg/mlのTrx-リンカー-EKLを超えるとむしろ低く(40μg/mlにおいて4.4%)、この処理は実際には困難となっている。換言すれば、EKを大量に生産する(〜1000g)ためには巨大な貯蔵タンクが必要である。
低いリフォールディング収率は、タンパク質の疎水性相互作用に起因するタンパク質の凝集が原因である可能性がある。その3次元構造に基づくEKLの表面疎水性マッピングの後、133ALIYが表面上で最も疎水性である区分の1つであることが判明した。そのため、3つの置換(C112A、L134KおよびI135K)を有するEKLMを構築し、研究の対象とした。全く同じ手法を使用することにより、EKLMは、特に、リフォールディング緩衝液中のEKLM濃度がEKLの大規模生産のためのボトルネックであった40μg/mlを超える場合に、大幅にリフォールディング収率を向上させた(図3A)。図3Aに示すように、リフォールディング緩衝液中、40μg/mlのTrx-リンカー-EKLM濃度において、Trx-リンカー-EKLMのリフォールディング収率(17%)はTrx-リンカー-EKLの値(4.4%)よりも4倍高かった。さらに、EKLM濃度が120μg/mlである1Lのリフォールディングタンクから、約16mgの活性EKLMを精製することができた。
EKLとEKLMとの間の特異的酵素活性を図8に示すように比較した。EKLMの三重置換体は、酵素活性に明らかな影響を及ぼさないことが、同じ活性量を添加した場合にEKLとEKLMは、SDS-PAGE上で同様のバンドを示すという事実によって証明された。さらに、-80℃または4℃において20mMのTris、200mMのNaClを含有する緩衝液中に保存した場合、EKLMはとても安定であった。明らかなデグラデーションや活性の低下は、3ヶ月まで観察されなかった(図9)。
(実施例4)
酵素アッセイ
酵素活性は、蛍光発生基質、GDDDDK-ベータ-ナフチルアミドを用いて直接測定した。反応は、100μlの反応緩衝液を含んだ蛍光96ウェルプレートの各ウェルに1μlのサンプルを添加することにより開始した。10秒間混合した後、蛍光をFluostar OPTIMA(340nmでの励起および420nmでの発光)で測定した。酵素活性は、傾き*60/30000により導き出される任意の単位(EU)によって定義した。ここで、勾配は線形の範囲を示す。
(実施例5)
リンカー領域
リンカー領域が異なる、trxに接続した2つのEKLMアミノ酸配列、trxEKLMとtrx-リンカー-EKLMを作製した(図10を参照)。trx-リンカー-EKLMにおいては、trxとEKLMの間のスペーサーが37アミノ酸であり、trxEKLMにおけるものよりも長い。
TrxEKLM
細胞破砕およびIBs可溶化
7.41gのTrxEKLM細胞ペレットを100mlの溶菌緩衝液(20mMのTris、pH8.0)に再懸濁し、細胞を30000psiの圧力下で、ホモジナイザーを用いて破砕した。上清を捨てた後、IBsは、3.53gの重量であった。単離したIBsは70mlの可溶化緩衝液(20mMのTris、8Mの尿素、pH8.0、20mMのDTT(新たに添加される))に再懸濁し、4℃で4時間インキュベートした。可溶化サンプルを、遠心分離により清澄化した。
TrxEKLMのリフォールディング
16mlのIBs溶液は500mlのリフォールディング緩衝液(20mMのTris、1mMのGSSG、3mMのGSH、1Mの尿素、pH8.0)中に希釈し、20℃で54時間、撹拌した。リフォールディング間のタンパク質の濃度は、60μg/mlである。
TrxEKLMの精製
カラム:Q HPカラム
サンプル緩衝液:20mMのTris、1mMのGSSG、3mMのGSH、0.62mMのDTT、1Mの尿素、pH8.0
緩衝液:緩衝液A:20mMのTris、pH8.0
緩衝液B:20mMのTris、0.5MのNaCl、pH8.0
手順:10 CV 100% A
10ml/minにて適用
5 CV 100% A
7 CV 0% B-70%B
1 CV 70% B-100%B
1.5CV 100%B
カラム容量:28ml
速度:10ml/min
最も高い酵素活性を有する溶出画分を合わせたところ、30mlの貯留容積、14,100 EUの全酵素活性であった。蛋白量は2.82mgであった。
Trx-リンカー-EKLM
細胞破砕およびIBs可溶化
66.9gのTrx-リンカーEKLM細胞ペレットを1000mlの溶菌緩衝液(20mMのTris、pH8.0)中に再懸濁し、30,000psiの圧力下でホモジナイザーを用いて細胞を破砕した。上清を捨てた後のIBsの重量は22gであり、1000mlの20mMのTris、pH8.0により1回洗浄した。洗浄後、IBs溶液を遠心分離するための6つのボトルに分割した。上清を捨てた後、41mlの可溶化緩衝液(20mMのTris、8Mの尿素、pH8.0、20mMのDTT(新たに添加される))を1つのボトルに添加し、4℃で3時間、インキュベートした。可溶化したIBsを遠心分離により清澄化し、最終容量は43mlであった。
Trx-リンカー-EKLMのリフォールディング
9mlのIBs溶液を500mlのリフォールディング緩衝液(20mMのTris、1Mの尿素、1mMのGSSG、3mMのGSH、pH8.0)中に希釈し、20℃で18時間、攪拌した。リフォールディングにおけるタンパク質の濃度は60μg/mlである。
Trx-リンカー-EKLMの精製
カラム:Q HPカラム
サンプル緩衝液:20mMのTris、1Mの尿素、1mMのGSSG、3mMのGSH、0.296mMのDTT、pH8.0
緩衝液:緩衝液A1:20mMのTris、1Mの尿素、pH8.0
緩衝液A2:20mMのTris、pH8.0
緩衝液B:20mMのTris、0.5MのNaCl、pH8.0
手順:10 CV 100% A1
10ml/minにて適用
5 CV 100% A1
5 CV 100% A2
7 CV 0% B-70%B(100% A2-30%A2)
1 CV 70% B-100%B(30% A2-0%A2)
1.5CV 100%B
カラム容量:28ml
速度:10ml/min
溶出画分18〜23の酵素活性は、活性試験による他の画分よりも高い。最も高い酵素活性を有する溶出画分を合わせたところ、30mlの貯留容積、24,900EUの全酵素活性であった。蛋白量は4.98mgであった。
結果:
TrxEKLMタンパク質を使用した場合には、リフォールディングの際のタンパク質濃度が60μg/mlであった時、2.82mgのEKLMタンパク質が、0.5Lのリフォールディング溶液から生成した。一方、同じ条件の下で、4.98mgのEKタンパク質が、Trx-リンカー-EKLMバージョンから生成した。したがって、長いリンカーを有する融合タンパク質は、より短いリンカーを有する融合タンパク質よりもリフォールディング効率が76%高い。
(実施例6):リフォールディング緩衝液の成分最適化
界面活性剤、シクロデキストリン、アミノ酸、PEG(ポリエチレングリコール)および糖を含むいくつかの異なる添加剤を、それらのTrx-リンカー-EKLMのリフォールディング効率を改善する能力を試験するために個別に現状のリフォールディング緩衝液(20mMのTris、1Mの尿素、1mMのGSSG、3mMのGSH、pH8.3)中に混合させた。リフォールディング処理は、小さな変更とともに実施例3に記載したように実施した。つまり、封入体を20mMのTris、8Mの尿素、pH8.0、20mMのDTTを含有する緩衝液中に可溶化して7.3mg/mlとした後、可溶化したTrx-リンカー-EKLMを特定の添加剤を含有する最適化リフォールディング緩衝液に20倍希釈で加えた。混合物を4℃で20時間、インキュベートし、正しくリフォールディングされたTrx-リンカー-EKLMの量を、実施例4に記載されるようにプロテアーゼ活性アッセイによって定量した。
低PEG(例えば、PEG1000、1%)およびヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(1.5%)の両方は、尿素のみのリフォールディング緩衝液から、それぞれ、57.9%および106.2%の上昇と、Trx-リンカー-EKLMのリフォールディング効率を改善させる強い能力を示した(図11に示す)。これらの2つの添加剤は、EKLMの成熟と、続く精製プロセスには明確な影響を及ぼさない。
本発明の特定の特徴についてここに図示し説明したが、当業者は多くの修正、置換、変更、および均等物を思いつくであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神の範囲内に入るようなすべての修正および変更を包括することを意図されるものと理解されたい。

Claims (7)

  1. 配列番号1に記載されたアミノ酸配列を含み、且つC112A、L134KおよびI135Kの置換を含む、ウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体。
  2. ウシエンテロキナーゼ軽鎖の再生プロセスにおける改善された溶解性を得る方法であって、野生型ウシエンテロキナーゼ軽鎖の1つまたは複数の疎水性アミノ酸を親水性アミノ酸に変異させるステップと、任意選択で、野生型ウシエンテロキナーゼ軽鎖の他のアミノ酸を変異させるステップを含み、前記変異したウシエンテロキナーゼ軽鎖はC112A、L134KおよびI135Kの置換を含む、方法。
  3. a)インデューサーを含む増殖培地中で、請求項1に記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド配列を含む宿主細胞を培養するステップ;
    b)封入体中に前記ウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体を含む細胞を回収するステップ;
    c) 前記ウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体を可溶化およびリフォールディングするステップ;および
    d) 前記ウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体を精製するステップ、を含む
    ウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体の製造方法。
  4. 細菌または酵母宿主細胞中における、組換えによるペプチドまたはタンパク質の製造方法であって、
    a)製造するペプチドまたはタンパク質を含む融合タンパク質を酵母または細菌中で発現させるステップ;
    b)融合タンパク質を請求項1に記載のウシエンテロキナーゼ軽鎖類似体により切断するステップ;および
    c)生成したペプチドまたはタンパク質を単離するステップ、を含む方法。
  5. ステップa)において発現した融合タンパク質が、Asp-Asp-Asp-Asp-Lys切断部位をさらに含む、請求項に記載の組換えによるペプチドまたはタンパク質の製造方法。
  6. 宿主細胞が、大腸菌である、請求項またはに記載の組換えによるペプチドまたはタンパク質の製造方法。
  7. 製造されるペプチドまたはタンパク質が、GLP-1ペプチドである、請求項からのいずれか一項に記載の組換えによるペプチドまたはタンパク質の製造方法。
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