JP6136921B2 - 繊維配向検査方法 - Google Patents
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Description
本発明の第1の形態は、
ライナーの外周に巻回された繊維を備えるタンクについて、巻回された前記繊維の向きである配向を検査する繊維配向検査方法であって、
(a)前記タンクの前記検査に用いる切断面に含まれる複数の前記繊維の断面の長径と短径との比をそれぞれ算出する工程と、
(b)算出された前記比の分布を算出し、前記分布に基づいて前記タンクに巻回された前記繊維の向きの揃い具合を算出する工程と、
を備える、繊維配向検査方法である。
本発明の第2の形態は、
ライナーの外周に巻回され、フープ層とヘリカル層を構成する繊維を備えるタンクについて、巻回された前記繊維の向きである配向を検査する繊維配向検査方法であって、
前記タンクの前記検査に用いる切断面に含まれ、前記フープ層に接する前記ヘリカル層の複数の前記繊維の断面の長径と短径との比であるアスペクト比をそれぞれ算出する工程と、
前記アスペクト比に基づいて算出された前記繊維の角度の最頻出値から、予め定められた繊維の角度の範囲内における前記繊維の数が、前記繊維の角度を算出した前記繊維の数に対して何割であるか、又は、前記アスペクト比の最頻出値から、予め定められた前記アスペクト比の範囲内における前記繊維の数が、前記アスペクト比を算出した前記繊維の数に対して何割であるかに基づいて前記タンクに巻回された前記繊維の向きの揃い具合を算出する工程と、
を備える、繊維配向検査方法である。
ただし、前記繊維の角度は、以下の式を用いて算出される。
角度(θ)=sin-1(b/a)
a:繊維の長径、b:繊維の短径
また、本発明は、以下の形態として実現することも可能である。
A1.タンクの製造方法:
図1は、繊維を備えるタンク100の製造方法を示す模式図である。タンク100の製造においては、まず、ライナー10が用意される(図1(a))。ライナー10は、略円筒状のシリンダ部11と、その両端に設けられた略半球状のドーム部13とを備える中空容器である。ライナー10は、例えば、ナイロン系樹脂などの樹脂部材によって構成される。2つのドーム部13の頂部はそれぞれ、ライナー10の中心軸CX上に存在している。各ドーム部13の頂部には、配管やバルブを取り付けるための口金部14が設けられている。
図2は、繊維の配向検査方法を示すフローチャートである。この検査方法においては、まず、抜き取られたタンク100の所定の断面が切り出される(ステップS10)。
a:楕円の長径、b:楕円の短径 ・・・(1)
図5は、繊維のアスペクト比と繊維の角度との関係を示す図である。図5には、横軸に繊維の角度、縦軸にアスペクト比をとったグラフが示されている。図5に示すように、アスペクト比が約1.5付近では、アスペクト比の変化が繊維の角度の変化に与える影響が大きい。また、アスペクト比が約6.0以上になると、アスペクト比の変化が繊維の角度の変化に与える影響が小さい。すなわち、アスペクト比が1.5付近や、アスペクト比が6.0以上の範囲においては、アスペクト比の測定精度が、繊維の配向度合いの検査結果に与える影響が大きくなる可能性がある。そこで、本実施形態では、繊維の角度が20°±5°の範囲内である繊維の数を、角度ごとに計数した。
以上のような繊維の配向検査方法であれば、繊維を備えるタンクの所定の切断面において、複数の繊維の短径と長径との比であるアスペクト比をそれぞれ算出する。また、アスペクト比に基づいて、繊維の角度を算出し、角度の最頻出値から所定の範囲内における繊維の数が、アスペクト比を算出した繊維の数に対して何割であるかにより、繊維の配向度合いを算出する。繊維の配向度合いは数値で表すことができるため、タンクの備える繊維の配向度合いを、定量的に評価することができる。また、繊維の配向度合いが規定値以内であるか否かによる良否判定をすることができるので、繊維の配向度合いに基づくタンクの強度を客観的に評価することができる。
B1:変形例1:
上述の実施形態では、タンク100のシリンダ部11とドーム部13との境界付近の繊維層20を含む断面が、検査に用いられる断面として切り出されている(図2、ステップS10)。これに対し、検査に用いられる断面は、タンク100のシリンダ部11中央や、ドーム部13など、他の部分であってもよい。
上述の実施形態では、算出された繊維の角度のばらつきに基づいて、繊維の配向度合いが算出されている(図2、ステップS40)。これに対し、繊維の角度のばらつきを求めずに、アスペクト比のばらつきに基づいて、繊維の配向度合いが算出されてもよい。例えば、アスペクト比の最頻出値から所定のアスペクト比の範囲内に存在する繊維の数が、アスペクト比を算出した繊維の数に対して、何割であるかを算出してもよい。
上述の実施形態では、繊維の角度が20°±5°の範囲内である繊維の数を、角度ごとに計数している(図5)。これに対し、アスペクト比の測定精度が充分であれば、繊維の角度が20°±5°に限らず、より広い角度の範囲内における繊維の数を、角度ごとに計数してもよい。
11…シリンダ部
13…ドーム部
14…口金部
20…繊維層
100…タンク
W…繊維束
a…長径
b…短径
T…端部
CX…中心軸
Claims (1)
- ライナーの外周に巻回され、フープ層とヘリカル層を構成する繊維を備えるタンクについて、巻回された前記繊維の向きである配向を検査する繊維配向検査方法であって、
前記タンクの前記検査に用いる切断面に含まれ、前記フープ層に接する前記ヘリカル層の複数の前記繊維の断面の長径と短径との比であるアスペクト比をそれぞれ算出する工程と、
前記アスペクト比に基づいて算出された前記繊維の角度の最頻出値から、予め定められた繊維の角度の範囲内における前記繊維の数が、前記繊維の角度を算出した前記繊維の数に対して何割であるか、又は、前記アスペクト比の最頻出値から、予め定められた前記アスペクト比の範囲内における前記繊維の数が、前記アスペクト比を算出した前記繊維の数に対して何割であるかに基づいて前記タンクに巻回された前記繊維の向きの揃い具合を算出する工程と、
を備える、繊維配向検査方法。
ただし、前記繊維の角度は、以下の式を用いて算出される。
角度(θ)=sin-1(b/a)
a:繊維の長径、b:繊維の短径
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