JP2014233852A - フィラメントワインディング方法、システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ドーム部における繊維の巻付け位置を把握できる。
【解決手段】ドーム部を備えるタンクに繊維を巻き付けるフィラメントワインディング方法は、前記繊維をヘリカル状に前記タンクに巻き付けるヘリカル巻き工程を備え、前記ヘリカル巻き工程において、前記ドーム部における前記繊維の折返し径と、前記ドーム部における前記繊維の巻付け角度とを含むデータを取得する第1の工程と、前記ドーム部における前記繊維の基準折返し径と、前記ドーム部における前記繊維の基準巻付け角度とを含む基準データと前記データとを比較して、前記ドーム部における前記繊維の巻付け位置の良否を判定する第2の工程と、を備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、フィラメントワインディング方法に関する。
従来、高圧流体タンクの製造方法として、フィラメントワインディング(Filament Winding)法(以下、「FW法」とも呼ぶ)が知られている(例えば、特許文献1)。FW法とは、タンク(「ライナー」とも呼ぶ)の外周に、予め熱硬化性樹脂を含浸させた強化繊維を幾重にも巻き付け、熱硬化性樹脂を熱硬化させてタンクを製造する方法である。FW法を用いることにより、ライナーの表層に高強度の繊維強化樹脂層を形成できる。
特開2010−000693号公報 特開2013−000888号公報 特開2013−000887号公報
しかし、FW法を用いて高圧流体タンクを製造する場合、所望の強度を得るために、ライナーに巻きつける繊維を適切な位置および適切な角度で巻く必要がある。しかし、例えば、繊維がライナー表面を滑ることにより、繊維が適切な位置からずれることがある。このような場合、繊維の間に空隙が発生する。その結果、ライナーの表層に所望の強度を得られないという課題があった。
このような課題をうけて、特許文献1に記載されたフィラメントワインディング装置では、フープ巻き工程において、ライナーの径方向からライナー側面を撮影する。この方法を用いることにより、ライナーの胴体部分の巻きかたを検証することができる。しかし、ライナーの胴体部分より形状が複雑なドーム部分は、検証できないという課題があった。
また、特許文献1に記載されたフィラメントワインディング装置は、繊維束を全てまきつけた最終製品に対して外観検査を行う。このため、繊維束を巻いている段階で、繊維束が適切な位置および適切な角度で巻かれているかどうかを検査できないという課題があった。
そのほか、従来のフィラメントワインディング装置においては、その小型化や、低コスト化、省資源化、製造の容易化、使い勝手の向上などが望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、ドーム部を備えるタンクに繊維を巻き付けるフィラメントワインディング方法が提供される。このフィラメントワインディング方法は、前記繊維をヘリカル状に前記タンクに巻き付けるヘリカル巻き工程を備え、前記ヘリカル巻き工程において、前記ドーム部における前記繊維の折返し径と、前記ドーム部における前記繊維の巻付け角度とを含むデータを取得する第1の工程と、前記ドーム部における前記繊維の基準折返し径と、前記ドーム部における前記繊維の基準巻付け角度とを含む基準データと前記データとを比較して、前記ドーム部における前記繊維の巻付け位置の良否を判定する第2の工程と、を備える。このような態様とすれば、ヘリカル巻き工程の終了後のみならず、ヘリカル巻き工程の途中においても、ドーム部における繊維の巻付け位置を把握できる。このため、不良製品の検出が容易に行える。
(2)上記形態のフィラメントワインディング方法において、前記ドーム部における前記繊維の巻付け位置の良否の判定は、前記タンクの中心軸方向から前記ドーム部の映像を取得して行うこととしてもよい。このような形態とすることにより、繊維位置のずれが生じやすいドーム部の繊維の位置を的確に把握することができる。
(3)上記形態のフィラメントワインディング方法において、さらに、前記第2の工程において前記繊維の巻付け位置が悪いと判定された場合に、前記折返し径と、前記繊維の巻付け角度とを修正して、前記繊維をヘリカル状に前記タンクに巻き付ける第3の工程と、を備えることとしてもよい。このような形態とすることにより、ヘリカル巻きの最中に的確な位置へ修正を行うことができる。このため、不良製品を削減できる。
(4)本発明の他の形態によれば、ドーム部を備えるタンクに繊維を巻き付けるフィラメントワインディングシステムが提供される。このフィラメントワインディングシステムは、前記繊維をヘリカル状に前記タンクに巻き付けるヘリカル巻き部と、前記ヘリカル巻き部により、前記タンクに前記繊維を巻き付ける際に、前記ドーム部における前記繊維の折返し径と、前記ドーム部における前記繊維の巻付け角度とを含むデータを取得するデータ取得部と、前記ドーム部における前記繊維の基準折返し径と、前記ドーム部における前記繊維の基準巻付け角度とを含む基準データを格納する格納部と、前記基準データと前記データとを比較して、前記ドーム部における前記繊維の巻付け位置の良否を判定する判定部と、を備える。このような態様とすれば、ヘリカル巻き工程の終了後のみならず、ヘリカル巻き工程の途中においても、ドーム部における繊維の巻付け位置を把握できる。このため、不良製品の検出が容易に行える。
(5)上記形態のフィラメントワインディングシステムにおいて、前記データ取得部は、前記タンクの中心軸方向から前記ドーム部の映像を取得するように設置されていることとしてもよい。このような形態とすることにより、繊維位置のずれが生じやすいドーム部の繊維の位置を的確に把握することができる。
本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、フィラメントワインディング装置、または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。
本発明の一実施形態に用いるタンクについて中心軸CXを通る切断面で切断したときの概略断面図。 タンク50の口金部13付近の断面を示した図。 本発明の一実施形態としてのフィラメントワインディングシステム100の構成を示す概略図。 繊維22を巻かれたタンク50を示す説明図。 フィラメントワインディング法においてライナー10の外表面に繊維22をヘリカル状に巻き付ける際のフローチャート。 データ取得部400により取得されたドーム部12のデータの例を示す写真。 ヘリカル巻を行っている際にドーム部12の中心軸CX方向からタンク50を見たときの状態を示す説明図。
A.実施形態:
A1.タンク50の構成
図1は、本発明の一実施形態に用いるタンク50について、中心軸CXを通る切断面で切断したときの概略断面図である。本実施形態において、タンク50は、燃料電池用のガスタンクである。
タンク50は、口金部13を備えるライナー10と、繊維層21とを備えている。ライナー10は、燃料電池に供給するガスを収容する密閉容器である。ライナー10は、中央部分に形成された略円筒状の胴体部11と、胴体部11の両端から連続して形成された略半球状のドーム部12とを備える。ライナー10の材料としては、高強度のアルミニウム材やステンレス材や、樹脂材を用いることができる。
口金部13は、ドーム部12の先端に設けられており、金属で形成されている。口金部13は、ライナー10へガスを収容する際の配管としての役割を担っている。繊維層21は、タンクの強度を上げるために設けられており、繊維層21を構成する繊維22は、繊維径が3〜8μm程度の繊維である。本実施形態において、繊維22はカーボン繊維であり、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を予め含浸した繊維である。繊維22の素材としては、例えば、レーヨン系カーボン繊維や、ポリアクリロニトリル(PAN)系カーボン繊維や、ピッチ系カーボン繊維を用いることができる。
図2は、タンク50の口金部13付近の断面を示した図である。図面右下の白い部分が口金部13を示し、口金部13の上には繊維層21が積層されている。破線で示した円に示すとおり、口金部13と繊維層21との間には隙間15が生じている。このように、口金部13と繊維層21との間に隙間が生じた場合、タンク50の強度は減少する。ライナー10と繊維層21との間に隙間を生じさせないように繊維22をライナー10へ巻き付けることが、タンク50に所望の強度を付与するためには好ましい。
A2.フィラメントワインディングシステム100の構成
図3は、本発明の一実施形態としてのフィラメントワインディングシステム100の構成を示す概略図である。図3には、説明を容易にするために、相互に直行するXYZ軸が図示されている。以降の図についても同様である。
フィラメントワインディングシステム100は、フィラメントワインディング法により、ライナー10の外周に、繊維22を巻きつけるためのシステムである。フィラメントワインディングシステム100は、ヘリカル巻装置200と、フープ巻装置500と、制御部600と、記憶部610と、データ取得部400と、基台300とを備えている。フィラメントワインディング法は、(i)ライナー10の外周に、予め熱硬化性樹脂を含浸させた繊維22を巻き付ける工程と、(ii)熱硬化樹脂を熱硬化させる工程と、を備える。(i)ライナー10の外周に繊維22を巻き付ける工程としては、ヘリカル巻工程、フープ巻工程の少なくとも一方を備える。
制御部600は、フィラメントワインディングシステム100の各装置を制御するための制御ユニットである。制御部600は、各装置の制御に使用されるCPU、RAM,ROMを備える。制御部600は、フィラメントワインディングシステム100の各装置を制御することにより、所望の位置に、所望の張力で繊維22をライナー10に巻き付けることができる。記憶部610は、後に詳述する基準データDT1を格納している。また、記憶部610は、後に詳述するデータDT2を格納する。
データ取得部400は、ライナー10の中心軸CX方向(X軸方向)からライナー10のドーム部12の映像をそれぞれ取得するように、ライナー10に対して中心軸CX方向の両側において、基台300に2つ設置されている。本実施形態において、データ取得部400は、CCD(charge-coupled device)カメラを用いている。
ヘリカル巻装置200とフープ巻装置500とは、基台300に取り付けられている。基台300は、第1のレール302と、第2のレール304と、支持台310とを備えている。第1のレール302は、基台300の長手方向(X軸方向)に延伸する一対の溝である。支持台310は、図示しない駆動機構を制御部600が制御することによって、基台300の長手方向(X軸方向)に沿って第1のレール302上を移動できる。支持台310が第1のレール302上を移動することにより、ヘリカル巻装置200に対して支持台310に支持されたライナー10が相対的に移動できる。
また、第2のレール304は、基台300の長手方向(X軸方向)に延伸する一対の溝である。フープ巻装置500は、図示しない駆動機構を制御部600が制御することによって、基台300の長手方向(X軸方向)に沿って第2のレール304上を移動できる。
支持台310は、ライナー10を支持する装置である。支持台310は、移動台312と、支持柱314と、チャック316と、シャフト318と、を備える。チャック316は、ライナー10の口金部13を保持する。シャフト318は、チャック316と支持柱314とを固定する。シャフト318は、ライナー10の中心軸CXを中心として回転させる駆動機構(図示せず)に接続されている。本実施形態において、シャフト318の中心軸AXと、ライナー10の中心軸CXとは一致する。
ヘリカル巻装置200は、ライナー10に繊維22をヘリカル状に巻き付ける装置である。ヘリカル巻とは、ライナー10の軸線方向に対して所定の角度でライナー10に繊維22を巻き付ける巻き方をいう。ライナー10に繊維22をヘリカル状に巻つけることにより、ライナー10の軸線方向(X軸方向)におけるライナー10の強度を増加させることができる。
ヘリカル巻装置200は、複数のホルダー206と、複数のボビン208と、テンション部210と、棚214と、ヘリカル巻ヘッド216を備える。図3に示すように、ホルダー206は、棚214に設けられており、ホルダー206には、繊維22が巻かれたボビン208が備えられている。
棚214とヘリカル巻ヘッド216との間には、テンション部210が設けられており、テンション部210は、繊維22に所定の張力を付与する。テンション部210により所定の張力が付与された繊維22は、ヘリカル巻ヘッド216を介してライナー10に巻かれる。なお、本実施形態において、繊維22は、ボビン208からテンション部210を経由してヘリカル巻ヘッド216に設置されているが、図の理解を容易とするため、その部分の繊維22は図示していない。
フープ巻装置500は、ライナー10に繊維22をフープ状に巻き付ける装置である。フープ巻とは、ライナー10の軸線方向に対して略直角の角度でライナー10に繊維を巻き付ける巻き方をいう。ライナー10に繊維22をフープ状に巻きつけることにより、ライナー10の径方向(Y軸方向)におけるライナー10の強度を増加させることができる。
フープ巻装置500は、複数のホルダー106と、複数のボビン108と、を備える。ホルダー106は、ボビン108を固定する装置であり、ボビン108には、繊維22が巻かれている。支持台310に備えられた駆動機構によってライナー10を回転させることにより、ボビン108に巻かれた繊維22をライナー10に巻きつけることができる。
また、フープ巻装置500は、図示しない駆動機構を制御部600が制御することによって、基台300の長手方向(X軸方向)に沿って第2のレール304上を移動できる。このため、繊維22をライナー10に巻き付ける位置を調節することができる。
図4は、繊維22を巻かれたタンク50を示す説明図である。胴体部11は、フープ巻装置500によりフープ巻が施されている。これにより、タンク50の径方向の強度を増加させることができる。胴体部11およびドーム部12は、ヘリカル巻装置200によりヘリカル巻が施されている。これにより、タンク50の中心軸CX方向の強度を増加させることができる。図4におけるタンク50は、フープ巻が施された後に、フープ巻が施された外観となっている。しかし、本実施形態において、フープ巻とヘリカル巻との順序は問わない。
A3.ヘリカル巻工程
図5は、フィラメントワインディング法において、ライナー10の外表面に繊維22をヘリカル状に巻き付ける際のフローチャートである。なお、ライナー10は、予め支持台310に取り付けられている。
ステップS210では、ライナー10の外表面に、予め熱硬化性樹脂を含浸させた繊維22を、ヘリカル巻装置200を用いてヘリカル状に巻き付ける。具体的には、制御部600は、シャフト318に取り付けられている駆動機構を制御し、ライナー10を中心軸CX中心に回転させる。ライナー10を回転させることにより、ヘリカル巻ヘッド216から供給された繊維22はライナー10に巻きつく。この際、制御部600は、支持台310に取り付けられている駆動機構を制御することにより、X軸方向に支持台310を移動させ、ライナー10の所望の位置に繊維22を巻き付ける。
ステップS212では、ヘリカル巻装置200によりヘリカル状に巻き付ける際、制御部600は、データ取得部400を制御して、ドーム部12における繊維22の折返し径R2と、ドーム部12における繊維22の巻付け角度D2とを含むデータDT2を取得する。なお、繊維22の折返し径R2と繊維22の巻付け角度D2とは、以下に詳述する。
図6は、データ取得部400により取得されたドーム部12のデータの例を示す図である。図6に示すとおり、タンク50の中心軸CX方向から見たとき、ドーム部12において繊維22が最も中心軸CXに近づいたときの中心軸CXと繊維22との距離は、異なる繊維同士でも同一の半径で折り返していることがわかる。なお、本実施形態において、ヘリカル巻をする際に一度に巻かれる繊維22の数は、200本とする。
図7は、ヘリカル巻を行っている際に、ドーム部12の中心軸CX方向からタンク50を見たときの状態を示す説明図である。なお、図6のデータを処理することにより、図7のようなライナー10の中心軸CX方向から見たデータに変換する。円C1は、タンク50の中心軸CXを中心とし、折返し径Rを半径とする円である。また、円C2は、ドーム部12の終端である。なお、「ドーム部12の終端」とは、タンクの中心軸に垂直な断面における径が最大の部分であって、最も先端に近い位置にある円周上の部分をいう。
図7は、説明を容易にするために6本の繊維22が図示されている。折返し径Rは、繊維22が最も中心軸CXに近づいたときの中心軸CXと繊維22との距離である。また、巻付け角度Dは、中心軸CXを中心として半径を折返し径Rとする円から繊維22が離れる点Aと、その繊維22がドーム部12の終端と交差する点Bとを結んだ直線と、点Bと中心軸CXとを結んだ直線とがなす角度をいう。
図5に示すステップS214では、制御部600は、データDT2と基準データDT1とを比較して、ドーム部12における繊維22の巻付位置の良否を判定する。具体的には、(i)データDT2に含まれる折返し径R2と基準データDT1に含まれる折返し径R1との差が所定の範囲内であるかどうか、および(ii)データDT2に含まれる巻付け角度D2と基準データDT1に含まれる巻付け角度D1との差が所定の範囲内であるかどうかを、制御部600は判定する。なお、本実施形態において、記憶部610は、基準データDT1に含まれる折返し径R1と巻付け角度D2とを繊維22層毎に有している。このため、制御部600は、n層目の繊維22層を巻き終えた時点でn層目の繊維22層に対応する基準データDT1とデータDT2とを比較する。
本実施形態において、データDT2に含まれる折返し径R2と基準データDT1に含まれる折返し径R1との差が5mm以内の場合、かつ、データDT2に含まれる巻付け角度D2と基準データDT1に含まれる巻付け角度D1との差が2度以内の場合、巻付位置が良好と制御部600は判定する(ステップS214:OK)。それ以外の場合、巻付位置が不良と制御部600は判定する(ステップS214:NG)。折返し径Rと巻付け角度Dとに基づいて巻付け位置の良否判定を行うことにより、ヘリカル巻工程の終了後のみならず、ヘリカル巻き工程の途中においても、ドーム部12における繊維22の巻付け位置を把握できる。このため、繊維22の巻付け位置がずれることによってライナー10と繊維層21との間に空隙が発生することに起因する不良製品の検出を容易に行うことができる。
ステップS214での判定の結果、データDT2と基準データDT1とを比較して、ドーム部12における繊維22の巻付位置が良好と判定された場合(ステップS214:OK)、制御部600は、ヘリカル巻を続行するか終了するかを判断する(ステップS218)。本実施形態において、タンク50がヘリカル巻装置200を所定回数往復したと判断した場合に、制御部600は終了の判断を行い(ステップS218:YES)、ヘリカル巻装置200によるヘリカル巻は終了する。一方、制御部600がヘリカル巻を続行すると判断した場合(ステップS218:NO)、フローはステップS212に戻り、制御部600は、ヘリカル巻を続行する。
ドーム部12における繊維22の巻付位置が不良と判定された場合(ステップS214:NG)、制御部600は繊維22の張力や支持台310の位置を調整することにより、繊維22の巻付け位置を修正する(ステップS216)。繊維22の巻付け位置を修正後、フローはステップS218に進む。このような態様とすることにより、巻付け位置のずれが発生した場合に、迅速に対応することができる。このため、ライナー10と繊維層21との間に空隙が発生することに起因する不良製品の検出を容易に行うことができる。
なお、本実施形態における「ステップS212」は、課題を解決するための手段における「第1の工程」に相当する。「ステップS214」は「第2の工程」に相当し、「ステップS216」は「第3の工程」に相当する。また、「ヘリカル巻装置200」は「ヘリカル巻き部」に相当し、「制御部600」は「判定部」に相当し、「記憶部610」は「格納部」に相当する。「折返し径R1」は「基準折返し径」に相当し、「巻付け角度D1」は「基準巻付け角度」に相当する。
B.変形例:
なお、この発明は上記の実施形態や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
B1.変形例1:
本実施形態において、ヘリカル巻をする際に一度に巻かれる繊維22は、複数本(200本)である。しかし、本発明はこれに限定されない。ヘリカル巻をする際に一度に巻かれる繊維22は、一本でもよい。一度に巻く繊維22を1本としても、繊維22の折返し径Rおよび繊維22の巻付け角度Dは、計測可能である。
B2.変形例2:
本実施形態において、繊維22の巻付位置の良否は、(i)データDT2に含まれる折返し径R2と基準データDT1に含まれる折返し径R1との差が所定の範囲内であるかどうか、および(ii)データDT2に含まれる巻付け角度D2と基準データDT1に含まれる巻付け角度D1との差が所定の範囲内であるかどうかを判定している。しかし、本発明はこれに限られない。
繊維22の巻付位置の良否は、まず(i)データDT2に含まれる折返し径R2と基準データDT1に含まれる折返し径R1との差を算出し、その差により(ii)データDT2に含まれる巻付け角度D2と基準データDT1に含まれる巻付け角度D1との差の許容範囲を設定し、その許容範囲内であるかどうかを判定してもよい。
具体例としては、以下のような態様となる。データDT2に含まれる折返し径R2と基準データDT1に含まれる折返し径R1との差が4mm以内の場合は、データDT2に含まれる巻付け角度D2と基準データDT1に含まれる巻付け角度D1との差が3度以内の場合、巻付位置が良好と制御部600は判定する。また、データDT2に含まれる折返し径R2と基準データDT1に含まれる折返し径R1との差が5mm以上6mm以内の場合は、データDT2に含まれる巻付け角度D2と基準データDT1に含まれる巻付け角度D1との差が1度以内の場合、巻付位置が良好と制御部600は判定する。このような態様とすることにより、繊維22の巻付位置の良否判定を、より柔軟に行うことができる。
なお、繊維22の巻付位置の良否は、まず(i)データDT2に含まれる巻付け角度D2と基準データDT1に含まれる巻付け角度D1との差を算出し、その差により(ii)データDT2に含まれる折返し径R2と基準データDT1に含まれる折返し径R1との差の許容範囲を設定し、その許容範囲内であるかどうかを判定してもよい。
B3.変形例3:
本実施形態のステップS214において、繊維22の巻付位置の良否判定は、制御部600が行っている。しかし、繊維22の巻付位置の良否判定は、人間により良否判定をしてもよい。
B4.変形例4:
本実施形態のステップS214において、繊維22の巻付位置が不良と判定された場合(ステップS214:NG)、制御部600は繊維22の張力や支持台310の位置を調整することにより、繊維22の巻付け位置を修正する(ステップS216)。しかし、本発明は、これに限られない。繊維22の巻付位置が不良と判定された場合(ステップS214:NG)、それまでに巻き付けた繊維22を解いた後、繊維22を巻きなおしてもよい。
B5.変形例5:
本実施形態において、データ取得部400はCCDカメラを用いている。しかし、本発明はこれに限られない。データ取得部400は、繊維22の折返し径Rと、繊維22の巻付け角度Dとを含むデータを取得できればよい。このため、例えば、中心軸CXと平行な方向に赤外線センサを複数設置してもよい。この態様によれば、赤外線センサの発する赤外線と繊維22とが交差した位置を赤外線センサにより検出し、その位置から繊維22の折返し径Rと、繊維22の巻付け角度Dを演算することができる。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…ライナー
11…胴体部
12…ドーム部
13…口金部
15…隙間
21…繊維層
22…繊維
50…タンク
100…フィラメントワインディングシステム
106…ホルダー
108…ボビン
200…ヘリカル巻装置
206…ホルダー
208…ボビン
210…テンション部
214…棚
216…ヘリカル巻ヘッド
300…基台
302…第1のレール
304…第2のレール
310…支持台
312…移動台
314…支持柱
316…チャック
318…シャフト
400…データ取得部
500…フープ巻装置
600…制御部
610…記憶部
CX方向…中心軸
C1…円
C2…円
CX…中心軸
DT1…基準データ
DT2…データ
R1…折返し径
R2…折返し径
D1…巻付け角度
D2…巻付け角度

Claims (5)

  1. ドーム部を備えるタンクに繊維を巻き付けるフィラメントワインディング方法であって、
    前記繊維をヘリカル状に前記タンクに巻き付けるヘリカル巻き工程を備え、
    前記ヘリカル巻き工程において、
    前記ドーム部における前記繊維の折返し径と、前記ドーム部における前記繊維の巻付け角度とを含むデータを取得する第1の工程と、
    前記ドーム部における前記繊維の基準折返し径と、前記ドーム部における前記繊維の基準巻付け角度とを含む基準データと前記データとを比較して、前記ドーム部における前記繊維の巻付け位置の良否を判定する第2の工程と、を備える、フィラメントワインディング方法。
  2. 請求項1に記載するフィラメントワインディング方法であって、
    前記ドーム部における前記繊維の巻付け位置の良否の判定は、前記タンクの中心軸方向から前記ドーム部の映像を取得して行う、フィラメントワインディング方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載するフィラメントワインディング方法であって、
    さらに、前記第2の工程において前記繊維の巻付け位置が悪いと判定された場合に、前記折返し径と、前記繊維の巻付け角度とを修正して、前記繊維をヘリカル状に前記タンクに巻き付ける第3の工程と、を備える、フィラメントワインディング方法。
  4. ドーム部を備えるタンクに繊維を巻き付けるフィラメントワインディングシステムであって、
    前記繊維をヘリカル状に前記タンクに巻き付けるヘリカル巻き部と、
    前記ヘリカル巻き部により、前記タンクに前記繊維を巻き付ける際に、前記ドーム部における前記繊維の折返し径と、前記ドーム部における前記繊維の巻付け角度とを含むデータを取得するデータ取得部と、
    前記ドーム部における前記繊維の基準折返し径と、前記ドーム部における前記繊維の基準巻付け角度とを含む基準データを格納する格納部と、
    前記基準データと前記データとを比較して、前記ドーム部における前記繊維の巻付け位置の良否を判定する判定部と、を備える、フィラメントワインディングシステム。
  5. 請求項4に記載するフィラメントワインディングシステムであって、
    前記データ取得部は、前記タンクの中心軸方向から前記ドーム部の映像を取得するように設置されている、フィラメントワインディングシステム。
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