JP6136586B2 - 演算装置 - Google Patents

演算装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6136586B2
JP6136586B2 JP2013114229A JP2013114229A JP6136586B2 JP 6136586 B2 JP6136586 B2 JP 6136586B2 JP 2013114229 A JP2013114229 A JP 2013114229A JP 2013114229 A JP2013114229 A JP 2013114229A JP 6136586 B2 JP6136586 B2 JP 6136586B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
data
calculation
value
unit
ave
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013114229A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014232507A (ja
Inventor
泰仁 宮崎
泰仁 宮崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2013114229A priority Critical patent/JP6136586B2/ja
Publication of JP2014232507A publication Critical patent/JP2014232507A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6136586B2 publication Critical patent/JP6136586B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Tests Of Electric Status Of Batteries (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Description

本発明は、回帰計算を行う演算装置に関するものである。
電池の経時的な電圧変化率を測定した上で、当該電圧変化率と発電時間との関係の近似式を作成し、当該近似式に基づいて電池の寿命を予測する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開平11−97049号公報
上記の技術においては、測定するデータに変曲点が存在する場合等に、予測(推定)の精度が低下する場合がある。この際、取得するデータの数を減少させることにより、当該データにおける経時変化中に現れる変曲点の数を減少させることはできるものの、取得したデータ数の減少自体が予測の精度を低下させてしまう場合があるという問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、データの推定精度を向上することができる演算装置を提供することである。
本発明は、予め設定された複数の演算条件に基づいて3以上のデータの係数(相関係数又は決定係数)をそれぞれ演算し、当該係数が最大となる演算条件を用いて処理したデータに基づいて回帰計算をすることによって上記課題を解決する。
本発明によれば、データの推移に応じて最適な演算条件を選定し、当該演算条件に基づいて処理したデータを用いて回帰計算をすることにより、当該データの推定精度を向上することができる。
図1は、本発明の第1実施形態における演算装置を備えた車両の状態検出システムを示すブロック図である。 図2は、本発明の第1実施形態において、車両に搭載された制御装置の内部抵抗算出部がバッテリの内部抵抗を算出する際のイメージ図である。 図3Aは、本発明の第1実施形態における演算装置が内部抵抗を推定する方法を示すフローチャート(その1)である。 図3Bは、本発明の第1実施形態における演算装置が内部抵抗を推定する方法を示すフローチャート(その2)である。 図4は、本発明の第1実施形態における演算装置が行う演算例を説明するための説明図である。 図5(A)及び図5(B)は真値、推定値及び決定係数Rを示すグラフであり、図5(A)は推定時の加重値が小さい場合であり、図5(B)は推定時の加重値が大きい場合である。 図6は、本発明の第2実施形態における演算装置が内部抵抗を推定する方法を示すフローチャートである。 図7は、最小二乗法を説明するためのイメージ図である。
≪第1実施形態≫
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本実施形態における状態検出システム1を示すブロック図であり、図2は車両2に搭載された制御装置22の内部抵抗算出部221がバッテリ21の内部抵抗を算出する際のイメージ図である。
状態検出システム1は、電気自動車等の車両2に搭載されたバッテリ21の状態を検出するシステムであり、制御装置22とデータセンタ3から構成される。
制御装置22を備えた車両2は、図1に示すように、当該制御装置22以外に、バッテリ21と、インバータ23と、モータ231と、送受信装置26と、報知装置27と、を備えている。
バッテリ21は、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等の二次電池であり、単一の電池からなるセル又は複数のセルからなるモジュールを直列に接続して構成されている。このような二次電池は、電池の放電深度(DOD(Depth of Discharge))が低い状態(〜60%)において、充電時と放電時の内部抵抗がほぼ一致するという特徴を有している。このバッテリ21の電気エネルギーは、インバータ23によって直流から交流に変換され、モータ231を駆動させる。また、走行の際にモータ231で発生した回生エネルギーは、インバータ23によって交流から直流に変換された後、当該バッテリ21に充電される。
制御装置22は、ROM等に格納されたプログラムをCPUにより実行する装置であり、例えばコンピュータ等から構成される。この制御装置22は、内部抵抗算出部221と、タイマー222と、報知判断部223と、を機能的に備えている。
内部抵抗算出部221は、車両2のイベントが終了する毎に、バッテリ21の内部抵抗値を算出する。なお、イベントの具体例としては、例えば、運転者が車両2の運転を開始してから当該運転を終了するまでのトリップや、充電ステーション等においてバッテリ21の充電を開始してから当該充電を終了するまでの充電工程等を挙げることができる。なお、内部抵抗算出部221は、所定回数のイベントが終了する毎にバッテリ21の内部抵抗値を算出してもよい。
内部抵抗算出部221は、以下の方法により内部抵抗値の算出を行う。すなわち、バッテリ21の開放電圧E(単位:V)の推定を行い、推定した開放電圧Eと、充放電電流I(単位:A)及び電池電圧V(単位:V)に基づき、下記(1)式に従って内部抵抗値R(単位:Ω)の算出を行う(以下、内部抵抗算出装置によって算出された内部抵抗値を、内部抵抗算出値とも称する。)。
=E−I×R・・・(1)
具体的には、例えば、車両2の走行中において、放電中のバッテリ21における電流と電圧の特性(V−I特性)をサンプリングした後、図2に示すように、当該サンプリング結果をV−Iグラフにプロットする。なお、車両2の走行中における回生充電中のバッテリ21についてV−I特性をサンプリングしてもよい。
この場合において、バッテリ21は、上述したように、充放電時の内部抵抗がほぼ一致すると共に、V−I特性を直線回帰することができる。こうして得られる回帰直線における縦軸切片はバッテリ21の開放電圧Eを示すと共に、当該回帰直線の傾きはバッテリ21の内部抵抗算出値を表す。次いで、内部抵抗算出部221は、このようにして算出されたバッテリ21の内部抵抗算出値を、送受信装置26に送出する。
タイマー222は、車両2における最先の始動時(走行のために車両2を最初にパワーオンにした時)からの経過時間(バッテリ21の内部抵抗算出時(最新のイベント終了時)までの時間。以下、絶対経過時間とも称する。)を計測する。
報知判断部223は、送受信装置26から送出された内部抵抗推定値(後述)を、予め設定された所定値と照らし合わせることにより、報知装置27に指示を出すか否かを判断する。このような所定値としては、例えば、取得した内部抵抗推定値に基づいて計算されるバッテリ21のSOH(劣化率)が、当該バッテリ21の交換を要する劣化率となる場合の値として設定することができる。
送受信装置26は、無線等によりデータセンタ3の送受信部31と情報の送受信を行う。具体的には、制御装置22の内部抵抗算出部21から取得した内部抵抗算出値と、タイマー222から取得した絶対経過時間と、を送受信部31に送信すると共に、当該送受信部31から受信した内部抵抗推定値(後述)を報知判断部223に送出する。
報知装置27は、制御装置22の報知判断部223からの指示に基づいて、車両2の運転者に音声や映像等により報知する装置である。
本実施形態におけるデータセンタ3は、図1に示すように、送受信部31と、記憶部32と、演算部33と、選定部34と、ピーク検出部35と、回帰計算部36と、を機能的に備えている。
送受信部31は、車両2の送受信装置26から、当該車両2のイベント終了時におけるバッテリ21の内部抵抗算出値及び当該内部抵抗算出時の絶対経過時間を受信する(以下、これら内部抵抗算出値及び当該内部抵抗算出時の絶対経過時間を、まとめて演算用データとも称する。)。そして、演算用データを記憶部32に送出すると共に、絶対経過時間を回帰計算部36に送出する。また、送受信部31は、回帰計算部36において推定された内部抵抗推定値(後述)を車両2の送受信装置26に送信する。
記憶部32は、車両2の送受信装置26から送信され送受信部31が受信した演算用データを記憶する。また、記憶部32は、記憶した演算用データを演算部33に送出し、当該演算用データに基づいて演算部33が演算した結果を記憶すると共に、当該演算結果を回帰計算部36に送出する。また、記憶部32は、過去に記憶した演算用データや演算部33による演算結果を、ピーク検出部35から送出されるピーク(後述)の判定結果に基づいて消去する。
演算部33は、記憶部32から送出された演算用データに基づいて、演算(本例では、加重平均値、分散値、共分散値、及び決定係数R及び当該決定係数Rの平均値R aveの演算)を行う。この演算は、予め設定された複数の演算条件(本例では、加重平均値を演算する際の加重値)ごとにそれぞれ行い、当該演算結果を記憶部32及び選定部34に送出する。また、演算部33は、送受信部31が演算用データを受信した回数nのカウントを行う。
選定部34は、各演算条件に基づいて演算部33が演算した決定係数Rの比較を行う。そして、当該比較の結果、最も大きい決定係数Rに対応する条件を最適条件として選定し、当該最適条件を回帰計算部36に送出する。
また、選定部34は、各演算条件に基づいて演算部33が演算した決定係数Rの平均値R aveの中から最も大きい平均値R ave,maxを選定し、当該平均値R ave,maxをピーク検出部35に送出する。
ピーク検出部35は、選定部34から送出された平均値の最大値R ave,maxに基づいて、決定係数Rがピークを通過しているか否かを判定し、当該判定結果を記憶部32及び選定部34に送出する。
回帰計算部36は、選定部34で選定された最適条件で演算されたデータに基づいて回帰計算を行う。この回帰計算では、当該データに基づいて回帰式を作成し、当該回帰式を用いてバッテリ21の内部抵抗値の真値を推定する(推定値を演算する)。また、回帰計算部36は、当該回帰計算によって得られた推定結果を送受信部31に送出する。
以下に、データセンタ3におけるバッテリ21の内部抵抗値の推定方法について、図3A、図3B、及び図4を参照しながら説明する。
図3A及び図3Bは本実施形態におけるデータセンタ3がバッテリ21の内部抵抗値を推定する方法を示すフローチャートである。なお、以下の説明において、送受信部31がn回目に受信したデータ(すなわち、n回目のイベントのデータ)における絶対経過時間をXとも表記し、送受信部31がn回目に受信したデータにおける内部抵抗算出値をYとも表記する。また、演算用データ(X、Y)は、送受信部31が受信した最新の演算用データであるとする。
イベントが終了すると、まず、ステップS11として、車両2の送受信装置26から送信された演算用データ(X、Y)を送受信部31で受信する。そして、当該演算用データを記憶部32に送出し、記憶部32は当該データを記憶する。この際に、当該送受信部31が車両2の送受信装置26から演算用データを受け取った回数nが3回以上ではない場合(ステップS12)、演算部33は当該回数nをインクリメントし(ステップS13)、再度演算用データを送受信部31が受信するのを待つ。これを繰り返して演算用データの受信回数nが3回以上になると、ステップS14へ進む。
ステップS14では、演算部33において、下記(2)式及び(3)式の演算を行い、当該演算の結果を記憶部32に送出し、記憶部32は当該結果を記憶する。
Figure 0006136586
Figure 0006136586
なお、上記(2)式及び(3)式において、Xn,aveは、n回目のイベント終了時における絶対経過時間Xの加重平均値であり、Yn,aveは、n回目のイベント終了時における内部抵抗算出値Yの加重平均値であり、mは加重値である。因みに、上記(2)式からX3,aveを求める際は、X1,ave=Xとして上記(2)式から求めたX2,aveを用いて演算する。同様に、上記(3)式からY3,aveを求める際は、Y1,ave=Yとして上記(3)式から求めたY2,aveを用いて演算する。
なお、この加重値mは、上記(2)式及び(3)式に示すように、加重平均値(Xn,ave、Yn,ave)を演算する際において最新のデータ(X、Y)が当該加重平均値に及ぼす相対的な影響力の大きさ(重み)を示している。本実施形態において、この加重値mは、演算部33において予め複数個設定されている。つまり、演算結果(Xn,ave、Yn,ave)に対する最新データ(X、Y)の相対的影響力が異なる複数の条件(演算条件)に基づいて、それぞれ上記の演算を行う。なお、後述する(6)式〜(8)式についても同様に、各加重値mについてそれぞれ演算を行っている。因みに、加重値mの個数や各加重値mの数値は特に限定されない。
加重値mとして(5、10、15、20)の4個を予め設定した場合における演算の例を図4に示す。なお、この図4は、現在までに演算用データが30個(n=30)まで得られている場合を示す図であり、加重値mが15である場合の演算結果を用いて回帰計算を行う例を示している。
図4に示すように、例えば、加重値mが5(m=5)である場合における最新(n=30)の演算用データ取得時の加重平均値X30,ave、Y30,aveは、加重値mが、同じく5(m=5)である場合における前回(n=29)の演算用データ取得時の加重平均値X29,ave、Y29,aveを用いて、上記(2)式及び(3)式から演算する。なお、この前回値X29,ave、Y29,aveは、前回のイベント(29回目のイベント)において、ステップS14で演算され、記憶部32に記憶された値である。
このように、加重平均値Xn,ave、Yn,aveは、それぞれの加重値mごとに、当該加重値mと同じ加重値mにおける前回の演算結果をそれぞれ用いて、上記(2)式及び(3)式から順次演算した値であり、それらの値は記憶部32に順次記憶される。なお、後述する分散値及び共分散値についても同様に、記憶部32に記憶された前回値を用いて順次演算を行っている。
次いで、ステップS15では、上記演算の結果(Xn,ave、Yn,ave)と、前回のイベント(n−1回目のイベント)後にステップS14において演算部32で演算され、記憶部32で記憶された演算結果(Xn−1,ave、Yn−1,ave)と、を用いて、下記(4)式及び(5)式の演算を、加重値mごとに行う。
Figure 0006136586
Figure 0006136586
次いで、ステップS16では、ステップS14及びS15の演算結果、及び、前回のステップS16において演算して記憶部32に記憶された演算結果(σXn−1 、σYn−1 )を用い、下記(6)式及び(7)式の演算を、加重値mごとに行う。
Figure 0006136586
Figure 0006136586
なお、上記(6)式及び(7)において、σXn はn回目のイベント終了時における絶対経過時間Xの分散値であり、σYn はn回目のイベント終了時における絶対経過時間Yの分散値である。因みに、上記(6)式からσX3 を求める際は、σX1 =0として上記(6)式から求めたσX2 を用いることにより演算を行う。同様に、上記(7)式からσY3 を求める際は、σY1 =0として上記(7)式から求めたσY2 を用いることにより演算を行う。
また、ステップS16では、ステップS14の演算結果、ステップS15の演算結果、及び、前回のステップS16において演算して記憶部32に記憶された演算結果(σXYn−1)を用い、下記(8)式の演算も行う。
Figure 0006136586
なお、上記(8)式において、σXYnはn回目のイベント終了時における絶対経過時間X及び内部抵抗算出値Yの共分散値である。因みに、上記(8)式からσXY3を求める際は、σXY1=0として上記(8)式から求めたσXY2を用いることにより演算を行う。
次いで、ステップS17において、送受信部31が演算用データを受け取った回数nが、所定数D以上ではない場合(n<D)、ステップS18へ進む。この所定数Dについては後述する。
ステップS18では、下記(9)式に基づく決定係数R の演算を、加重値mごとに演算部33が行う。そして、当該演算の結果を記憶部32に送出し、記憶部32は当該結果を記憶する。なお、この決定係数Rは、0≦R≦1の値をとり、この値が1に近いほど、後述する回帰式の当てはまりが良いことを示す。
Figure 0006136586
次いで、記憶部32は、上記のステップS14及びステップS16での加重値mごとの演算結果(Xn,ave、Yn,ave、σXn 、σYn 、σXYn)を回帰計算部36に送出する。また、演算部33は、ステップS18での加重値mごとの演算結果(R )を選定部34に送出する。
次いで、ステップS19では、選定部34は、加重値mごとの決定係数R の中から最大値R n,maxに対応する加重値m(以下、最適加重値Mとも称する。)を選定する。次いで、選定部34は、最適加重値Mを回帰計算部36に送出する。最大値R n,maxが複数ある場合には、当該最大値R n,maxに対応する加重値mの中で最も小さい値を最適加重値Mとして採用してもよいが、特にこれに限定されない。
なお、選定部34は、複数種の加重値mの中の最大値mmaxよりも演算用データの受信回数nが小さい場合に(n<mmax)、演算用データの受信回数n以下の加重値m(n≧mを満たす加重値m)の中から、最適加重値Mを選定することとしてもよい。例えば、加重値mが(5、10、15、20)の4通り(mmax=20)であるのに対して、現在12個の演算用データしか得られていない場合(n=12)、選定部34は、5又は10の加重値mの中から最適加重値Mを選定してもよい。この場合には、最新の演算結果に対して前回の演算結果が過剰に影響を及ぼしてしまうことにより、推定精度が低下するのを抑制することができる。
回帰計算部36では、ステップS20として、選定部34が選定した最適加重値Mでのデータ(Xn,ave、Yn,ave、σXn 、σYn 、σXYn)を記憶部32から取得し、当該データに基づいて、回帰式を計算する。図4に示す例では、各加重値m(5、10、15、20)における最新(n=30)の決定係数R 30を比較した際に、当該決定係数R 30の値が最大となる加重値m(本例ではm=15)における演算結果(X30,ave、Y30,ave、σX30 、σY30 、σXY30)を用いて、回帰式を作成する。
回帰式の作成は、具体的には、下記(10)式で表される式を作成する。
y=ax+b・・・(10)
但し、上記(10)式において、aは下記(11)式で表される値であり、bは下記(12)式で表される値である。なお、上記(10)式において、説明変数xは絶対経過時間であり、目的変数yはバッテリ21の内部抵抗推定値である。
Figure 0006136586
Figure 0006136586
次いで、回帰計算部36は、上記回帰式((10)式)に、記憶部32に記憶されている絶対経過時間Xを代入し、バッテリ21の内部抵抗推定値を得る。
次いで、回帰計算部36は当該内部抵抗推定値を送受信部31に送出し、送受信部31は車両2の送受信装置26に当該内部抵抗推定値を送信する(ステップS21)。演算部33は、送受信部31による送信の事実に基づいて送受信部31のデータ受信回数nをインクリメントし(ステップS22)、データセンタ3における処理を終了する。
車両2においては、送受信装置26によって内部抵抗推定値を受信した後、当該内部抵抗推定値を制御装置22の報知判断部223に送出する。そして、報知判断部223では、当該内部抵抗推定値の大きさに応じて報知装置27に指示を出すか否かを判断する。
次に、ステップS17において、送受信部31が演算用データを受け取った回数nが、後述する所定数D以上である場合(n≧D)について説明する。この場合には、ステップS23へ進む。
ステップS23では、上記(9)式に基づく決定係数R の演算を、加重値mごとに演算部33が行い、当該演算の結果を記憶部32に送出する。そして、記憶部32は当該結果を記憶する。また、演算部33は、演算結果(R )を選定部34に送出する。
また、演算部33は、記憶部32に記憶されていた加重値mごとの過去の決定係数R に基づいて、下記(13)式で表される当該決定係数R の平均値R n,aveの演算を、当該加重値mごとに行う。
Figure 0006136586
この平均値R n,aveの演算は、後述するステップS25において決定係数R のピークを検出する際に、当該決定係数R のバラツキを均すために行う。このため、上記(13)式におけるDは、決定係数R のバラツキを均すことができる程度の値として適宜設定することができる。演算部33は、加重値mごとの上記演算結果(R n,ave)を記憶部32に送出し、記憶部32は当該結果を記憶する。また、演算部33は、当該結果(R n,ave)を選定部34にも送出する。
次いで、ステップS24では、選定部34において、ステップS23で送出された加重値mごとの平均値R n,aveの中から最大値R n,ave,maxを選定し、当該最大値R n,ave,maxをピーク検出部35に送出する。
ピーク検出部35では、ステップS25として、例えば下記に示す方法により、決定係数R のピークの検出を行う。なお、決定係数R のピークを検出する方法は特に限定されない。
まず、ピーク検出部35は、下記(14)式で表されるΔRを算出する。
ΔR=R n,ave,max−R n−1,ave・・・(14)
但し、上記(14)式における平均値R n−1,aveは、平均値R n,aveの最大値R n,ave,maxに対応する加重値mにおける前回(n−1回)の演算結果である。なお、この平均値R n−1,aveは、前回(n−1回)のステップS23において演算され、記憶部32に記憶された演算結果である。
次いで、ピーク検出部35は、上記(14)式におけるΔRの値に基づいて当該ピークを検出する。具体的には、ΔRがゼロ以上(ΔR≧0)であればピークを通過していないとし、ΔRがゼロ未満(ΔR<0)であればピークを通過しているとして判定を行う。このピークは、回帰式の当てはまりの精度が低下傾向に転じる点、すなわち、演算用データの変曲点であると推測される。この判定結果は、記憶部32及び選定部34に送出される。
決定係数R がピークを通過していない場合(ステップS25にてNOの場合)には、回帰式の当てはまりの精度が向上中又は定常状態であると推測されるため、下記の処理を行う。すなわち、選定部34が、加重値mごとの決定係数R の中の最大値R n,maxに対応する加重値m(以下、最適加重値Mとも称する。)を選定し、選定した当該最適加重値Mを回帰計算部36に送出する(ステップS26)。
回帰計算部36では、ステップS27として、選定部34が選定した最適加重値Mでのデータ(Xn,ave、Yn,ave、σXn 、σYn 、σXYn)を記憶部32から取得し、当該データに基づいて、回帰式を計算する。回帰式の作成は、上述したステップS20と同様の方法により行う。
次いで、回帰計算部36は、上記回帰式((10)式)に、送受信部31から送出された絶対経過時間Xを代入し、バッテリ21の内部抵抗推定値を得る。
次いで、回帰計算部36は当該内部抵抗推定値を送受信部31に送出し、送受信部31は車両2の送受信装置26に当該内部抵抗推定値を送信する(ステップS21)。演算部33は、送受信部31による送信の事実に基づいて送受信部31のデータ受信回数nをインクリメントし(ステップS22)、データセンタ3における処理を終了する。
次に、ステップS25において、決定係数R がピークを通過しているとピーク検出部35が判定した場合(ステップS25にてYESの場合)について説明する。
決定係数R がピークを通過している場合は、回帰式の当てはまりの精度が低下傾向に転じていると推測されるため、演算用データのリセットを以下の様にして行う。
まず、ステップS28として記憶部32は、当該ピークの通過に関する判定結果をピーク検出部35から受けると、ピーク時kの加重平均値(Xk,ave、Yk,ave)及びピーク時k後の演算用データ(Xk+1〜X、Yk+1〜Y)を除いて、データ(X〜X、Y〜Y、X1,ave〜Xk−1,ave、Y1,ave〜Yk−1,ave、σX3 〜σXn 、σY3 〜σYn 、σXY3〜σXYn、R 〜R 、R 3,ave〜R n,ave)を消去する。なお、上記のピーク時kは、k=n−D/2である。
次いで、ステップS29では、演算用データの受信回数として記憶部32に記憶されていた値nを、ピーク以後におけるデータの受信回数k(ピーク時をk=1)としてリセットし、新たな受信回数kに基づいて、上述したステップS12以後と同様の処理(決定係数R の演算等)を行う。
なお、このピーク以後における加重値mごとの演算において、上記(2)式のX3,aveを求める際は、ピークを検出した際のR n,ave,maxに対応する加重値mにおける加重平均値Xk,aveをX1,aveとして加重値mごとのX2,aveを演算し、当該演算結果(X2,ave)を用いてX3,aveをそれぞれ求める。同様に、ピーク以後における加重値mごとの演算において、上記(3)式のY3,aveを求める際は、ピークを検出した際のR n,ave,maxに対応する加重値mにおける加重平均値Yk,aveをY1,aveとして加重値mごとのY2,aveを演算し、当該演算結果(Y2,ave)を用いてY3,aveをそれぞれ求める。また、上記(6)式〜(8)式におけるσX3 、σY3 、σXY3の演算は、上述したステップS16と同様に、σX1 =0、σY1 =0、σXY1=0としてσX2 、σY2 、σXY2の演算をそれぞれ行うことにより求める。
内部抵抗推定値を取得した後は、当該内部抵抗値を車両2の送受信装置26に送信する(ステップS21)。次いで、演算部33は、ステップS22と同様に、送受信部31による送信の事実に基づいて送受信部31のデータ受信回数kをインクリメントし、データセンタ3における処理を終了する。
なお、本実施形態では、決定係数R のピーク前後において、同じ加重値m(加重値mの個数やそれらの各数値)を用いているが、特にこれに限定されない。例えば、決定係数R のピーク後における演算において、当該ピークの前に用いた加重値mとは異なる加重値(加重値mの個数やそれらの各数値)を用いてもよい。また、本実施形態では、1回のイベントが終了するごとに内部抵抗推定値を求めているが、複数回のイベントが終了するごとに内部抵抗推定値を求めてもよい。
次に、本実施形態における作用について説明する。
本実施形態では、車両2に搭載されたバッテリ21の内部抵抗値を推定する。この場合において、精度良く当該内部抵抗値の推定を行う場合には、過去に取得した演算用データに対する最新の演算用データの相対的な影響力(すなわち加重値m)を最適化する必要がある。
例えば、図5(A)及び(B)に示すように、加重値mが小さい場合(図5(A))では、真値の急増部分T1において推定値が当該真値の推移をトレースできているものの、微増部分T2では推定値がトレースしきれていない。一方、加重値mが大きい場合(図5(B))では、微増部分T2においては推定値が当該真値の推移をトレースできているものの、急増部分T1に対しては当該推定値がトレースしきれていない。
このような推定値の振る舞いの違いは、決定係数Rの値の違いとして認識することができる。すなわち、真値の急増部分T1においては、小さな加重値mによる推定(図5(A))の方が決定係数Rは比較的大きいのに対して、真値の微増部分T2では、大きな加重値mによる推定(図5(B))の方が、当該部分T2全体として決定係数Rは大きくなっている。
この点、本実施形態におけるデータセンタ3の演算部33は、予め設定した複数の加重値mについて、決定係数R の演算及び回帰式の作成をそれぞれ行う。そして、選定部34は、それらの複数の加重値mの中から決定係数R の最大値R n,maxに対応する加重値m(最適加重値M又はM)を選定する。そして、回帰計算部36では、当該加重値m(最適加重値M又はM)のデータに基づいて回帰式の作成及び内部抵抗推定値の取得を行う。これにより、演算用データの推移に応じて随時適切な加重値mに基づく推定を行うことができるため、当該推定の精度を向上することができる。
また、本実施形態では、回帰計算を行うために必要となるデータ(Xn,ave、Yn,ave、σXn 、σYn 、σXYn)は、全て、前回の演算データ(Xn−1,ave、Yn−1,ave、σXn−1 、σYn−1 、σXYn−1)に基づいて取得される(上記式(2)式〜(8)式参照。)。このため、送受信部31が過去に取得したデータの全て((X、Y)、(X、Y)・・・、(Xn−1、Yn−1))を必要とすることはない。これにより、記憶部32が記憶するデータ量を最小限に抑えることができる。
また、記憶部32は、決定係数Rのピーク通過時において演算用データをリセットし、当該ピーク時kから新たに決定係数R の演算及び回帰式の作成を開始する。これにより、推定に用いる演算用データに変曲点が含まれるのを抑制し、当該推定の精度をさらに向上することができる。また、ピーク前の演算用データの消去により、記憶部32が記憶する情報量をさらに抑えることができる。
≪第2実施形態≫
図6は本発明の第2実施形態におけるデータセンタがバッテリ21の内部抵抗を推定する方法を示すフローチャートである。第2実施形態におけるデータセンタは、最小二乗法に基づいて内部抵抗推定値を取得すること以外は、上述した第1実施形態と同様であるので、第1実施形態と相違する部分についてのみ説明し、第1実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
イベントが終了し、ステップS12において、演算用データを受け取った回数nが3回以上になると、ステップS14Bへ進む。
ステップS14Bでは、演算用データを受け取った回数nが、qmax+D−1よりも大きいか否かを判定する。なお、このqmaxは複数の測定候補数qの中の最大値である。測定候補数qとは、回帰計算を行う際に、当該回帰計算に用いる最適なデータ数を選定する際に候補として用いるデータ数を意味する。例えば、測定候補数qが5のときは、送受信部31が受信した最新の5組の演算用データ(X、Y)(i=n、n−1、・・・n−4)のことを示し、測定候補数qが、例えば(5、10、15、20)の4通りの場合、qmaxは20である。なお、測定候補数qの個数、及びそれぞれの測定候補数qの値は、特に限定されない。なお、Dは第1実施形態で説明した(13)式における値であるが、特にこれに限定されない。
演算用データを受け取った回数nが、qmax+D−1よりも小さい場合(n<qmax+D−1)は、ステップS15Bへ進む。
ステップS15Bでは、それぞれの測定候補数qについて、下記(15)式に基づく相関係数Rを求め、当該相関係数Rを二乗することにより決定係数R を求める。
Figure 0006136586
但し、上記(15)式において、なお、Xaveは下記(16)式に基づいて求める平均値であり、Yaveは下記(17)式に基づいて求める平均値である。
Figure 0006136586
Figure 0006136586
この演算に際して、演算部33は、第1の演算方法と第2の演算方法を用いて当該演算を行う。
すなわち、演算用データの受信回数nが、測定候補数q以上である場合の演算については、演算用データをそのまま用いて演算を行う(第1の演算方法)。例えば、演算用データの受信回数nが7回である場合に、測定候補数qが5の場合における演算を行う場合は、送受信部31が受信した最新の5組の演算用データ(X、Y)(i=n、n−1、・・、n−4)を用いて演算を行う。
一方、演算用データの受信回数nが測定候補数qよりも小さい場合、送受信部31が受信した演算用データのみでは、演算を行う上でデータ数が充分ではない。このため、当該演算に際して不足するデータについては、既に受信している演算用データの平均値を用いて補う(第2の演算方法)。
具体的には、例えば、演算用データの受信回数nが8回のときに測定候補数qが10である場合の演算を行う際は、演算に必要となる10組のデータ(X、Y)(i=n、n−1、・・・n−9)のうち、8組のデータ(X、Y)(i=n、n−1、・・・n−7)については、実際に受信した演算用データを用いる。そして、不足する2組のデータ(X、Y)(i=n−8、n−9)については、下記(18)式及び(19)式で計算される上記8組のデータの平均値(Xi,ave、Yi,ave)をそれぞれ用いる。
i,ave=(X+Xn−1+・・・Xn−7)/8・・・(18)
i,ave=(Y+Yn−1+・・・Yn−7)/8・・・(19)
次いで、演算部33は、上記の演算方法(演算方法1及び演算方法2)により、全ての測定候補数qについて決定係数R を演算すると、当該演算結果を記憶部32に送出し、記憶部32は当該結果を記憶する。また、演算部33は、当該結果(R n,ave)を選定部34にも送出する。
選定部34は、演算された決定係数R の中の最大値を検出し、決定係数R の当該最大値に対応する測定候補数q(以下、最適データ数Qとも称する。)を選定する(ステップS16B)。そして、選定部34は、当該最適データ数Qを回帰計算部36に送出する。なお、決定係数Rの中の最大値が複数ある場合には、当該最大値に対応する測定候補数qの中で最も小さい値を最適データ数Qとして採用してもよいが、特にこれに限定されない。また、上記の決定係数R に代えて、相関係数Rの絶対値の大きさに基づいて最適データ数Qを設定してもよい。
次いで、ステップS17Bとして、演算部33は、最小二乗法を用いて下記の演算を行う。図7は、最小二乗法を説明するためのイメージ図である。
最小二乗法は、図7に示すように、p個の点(X、Y)(i=1、…、p)を最もよく近似する直線(回帰式)y=ax+bを求める際に用いられ、各点(X、Y)と回帰式y=ax+bとの間の差(残差)の二乗和S=Σ(Y−aX−b)が最小になるように各係数(a、b)を求める方法である。
この二乗和Sが最小となるための条件は、∂S/∂a=0、∂S/∂b=0である。ここで、∂S/∂aは下記(20)式で示される。
∂S/∂a=−2(ΣX−aΣX −bΣX)・・・(20)
上記(20)式が0となるとき、下記(21)式が成立する。
ΣX=aΣX +bΣX・・・(21)
また、∂S/∂bについては、下記(22)式で示される。
∂S/∂b=−2(ΣY−aΣX−pb)・・・(22)
上記(22)式が0となるとき、下記(23)式が成立する。
ΣY=aΣX+pb・・・(23)
上記(21)式及び(23)式を連立することにより、回帰式の係数a、bは下記(24)式及び(25)式でそれぞれ表される。これらの係数a、bを式y=ax+bに代入して回帰式を得ることができる。なお、この場合において、説明変数xは絶対経過時間であり、目的変数yはバッテリ21の内部抵抗推定値である。また、本例における下記(24)式及び(25式)の「Σ」は、i=n−q+1からi=nまでの和を示す。
a=(pΣX−ΣXΣY)/(pΣX −(ΣX)・・・(24)
b=(ΣX ΣY−ΣXΣX)/(pΣX −(ΣX)・・・(25)
回帰計算部36は、最適データ数Qの演算用データに基づいて作成した回帰式、すなわち上記(24)式及び(25)式においてp=Qとした場合の式に、送受信部31から送出された絶対経過時間Xを代入し、バッテリ21の内部抵抗推定値を算出する。なお、この場合における回帰式の作成においても、当該作成に際して実際に受信した演算用データが不足する場合は、上記(18)式及び(19)式と同様に、既に受信している演算用データの平均値を用いて補う。次いで、内部抵抗推定値を送受信部31に送出した後、送受信部31は当該内部推定値を車両2の送受信装置26に送信する(ステップS18B)。
演算部33は、送受信部31による当該送信の事実に基づいて送受信部31のデータ受信回数nをインクリメントし(ステップS19B)、データセンタにおける処理を終了する。
次に、ステップS14Bにおいて、送受信部31による演算用データの受信回数nがqmax+D−1以上である場合(n≧qmax+D−1)について説明する。この場合には、ステップS20Bへ進む。
ステップS20Bでは、測定候補数qの最新の演算用データについて、上述したステップS15Bにおける第1の演算方法を用いて、上記(15)式の演算を行うことにより、当該演算結果に基づいて決定係数R を求める。そして、当該決定係数R を記憶部32に送出する。
また、ステップS20Bでは、それぞれの測定候補数qについて、記憶部32に記憶されている過去の決定係数R と第1実施形態で説明した(13)式を用いて、演算部32が平均決定係数R n,aveを演算する。そして、演算部32は、測定候補数qごとの上記演算結果(R n,ave)を記憶部32に送出し、記憶部32は当該結果を記憶する。また、演算部32は、当該結果(R n,ave)を選定部34にも送出する。
次いで、ステップS21Bでは、選定部34において、ステップS20Bで送出された測定候補数qごとの平均値R n,aveの中から最大値R n,ave,maxを選定し、当該最大値R n,ave,maxをピーク検出部35に送出する。
ピーク検出部35では、決定係数R のピークの検出を行う。まず、ステップS22Bとして、第1実施形態で説明した(14)式と同様の演算からΔRを求める。そして、当該ΔRに基づいて、決定係数R がピークを通過しているか否かを判定する。すなわち、ΔRがゼロ以上(ΔR≧0)であればピークを通過していないとし、ΔRがゼロ未満(ΔR<0)であればピークを通過しているとして判定を行う。この判定結果は、記憶部32及び選定部34に送出される。
決定係数R がピークを通過していない場合(ステップS22BにてNOの場合)は、回帰式の当てはまりの精度が向上している途中又は定常状態であると推測されるため、下記の処理を行う。すなわち、選定部34は、測定候補数qごとの決定係数R の中から当該決定係数R の最大値R n,maxに対応するq(以下、最適データ数Qとも称する。)を選定する。そして、選定部34は、最適データ数Qを回帰計算部36に送出する(ステップS23B)。
回帰計算部36では、ステップS24Bとして、選定部34が選定した最適データ数Qの演算用データに基づいて、回帰式を計算する。回帰式の作成は、上述したステップS17Bと同様の方法によって行う。次いで、回帰計算部36は、当該回帰式に、送受信部31から送出された絶対経過時間Xを代入し、バッテリ21の内部抵抗推定値を得る。
次いで、回帰計算部36は当該内部抵抗推定値を送受信部31に送出し、送受信部31は車両2の送受信装置26に当該内部抵抗推定値を送信する(ステップS18B)。演算部33は、送受信部31による送信の事実に基づいて送受信部31のデータ受信回数nをインクリメントし(ステップS19B)、データセンタ3における処理を終了する。
次に、ステップS22Bにおいて、決定係数Rがピークを通過しているとピーク検出部35が判定した場合(ステップS22BにてYESの場合)について説明する。
決定係数Rがピークを通過している場合は、回帰式の当てはまりの精度が低下傾向に転じていると推測されるため、演算用データのリセットを行う。
まず、ステップS25Bとして記憶部32は、当該ピークの通過に関する判定結果をピーク検出部35から受けると、ピーク時k以後の演算用データ(X〜X、Y〜Y)を除いて、データ(X〜Xk−1、Y〜Yk−1、X1,ave〜Xn,ave、Y1,ave〜Yn,ave、R 〜R 、R 3,ave〜R n,ave)を消去する。なお、上記のピーク時kは、k=n−D/2である。
次いで、ステップS26Bでは、演算用データの受信回数として記憶部32に記憶されていた値nを、ピーク以後におけるデータの受信回数k(ピーク時をk=1)としてリセットし、新たな受信回数kに基づいて、上述したステップS12以後と同様の処理(相関係数R及び決定係数R の演算等)を行う。そして、内部抵抗推定値を取得した後は、当該内部抵抗値を車両2の送受信装置26に送信する(ステップS18B)。次いで、演算部33は、ステップS19Bと同様に、送受信部31による送信の事実に基づいて送受信部31のデータ受信回数kをインクリメントし、データセンタ3における処理を終了する。
本実施形態においても、データセンタの演算部33は、予め設定した複数の測定候補数qについて演算した決定係数R の最大値に対応する測定候補数q(最適データ数Q、Q)のデータに基づいて内部抵抗推定値を取得する。このため、演算用データの推移に応じて適切な測定候補数qに基づいて推定を行うことができるため、当該推定の精度を向上することができる。
また、本実施形態においても、記憶部32は、決定係数Rのピーク通過時において演算用データをリセットし、当該ピークから新たに回帰式の作成及び決定係数Rの演算を開始する。これにより、推定の精度をさらに向上することができると共に、ピーク前の演算用データの消去により記憶部32が記憶する情報量を抑えることができる。
第1及び第2実施形態における送受信部31が本発明における取得部の一例に相当し、第1実施形態における加重値m及び第2実施形態における測定候補数qが本発明における演算条件の一例に相当し、第1実施形態における最適加重値M、M及び第2実施形態における最適データ数Q、Qが本発明における最適演算条件の一例に相当し、第1及び第2実施形態における絶対経過時間が本発明における第1のデータの一例に相当し、第1及び第2実施形態におけるバッテリ21の内部抵抗算出値が本発明における第2のデータの一例に相当する。
なお、以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、データセンタ3の記憶部32、演算部33、選定部34、ピーク検出部35、回帰計算部36の機能を車両が備えることにより、当該車両において内部抵抗の推定値を取得してもよい。
また、例えば、本実施形態では、所定時間(絶対経過時間)におけるバッテリ21の内部抵抗値を推定しているが、特にこれに限定されない。例えば、車両に取り付けられているタイヤの空気圧を推定してもよい。この場合において、例えば、回帰式の説明変数xは、タイヤを使用し始めてからの時間であり、目的変数yは、当該タイヤの空気圧である。
また、例えば、一般的な産業機械に用いられるベアリングの寿命を推定してもよい。この場合において、例えば、回帰式の説明変数xは、ベアリングを使用し始めてからの時間であり、目的変数yは、当該ベアリングに挿入されたシャフト等が回転する際の摩擦力である。
また、例えば、車両における燃費の低下傾向を推定してもよい。この場合において、例えば、回帰式の説明変数xは、当該車両における最先の始動時からの時間であり、目的変数yは、当該車両の燃費である。
また、例えば、車両に搭載されたエンジン性能の経時劣化を推定してもよい。この場合において、例えば、回帰式の説明変数xは、当該車両における最先の始動時からの時間であり、目的変数yは、所定のアクセル開度に対する加速度である。
1・・・状態検出システム
2・・・車両
21・・・バッテリ
22・・・制御装置
221・・・内部抵抗算出部
222・・・タイマー
26・・・送受信装置
3・・・データセンタ
31・・・送受信部
32・・・記憶部
33・・・演算部
34・・・選定部
35・・・ピーク検出部
36・・・回帰計算部

Claims (5)

  1. 所定のタイミングでデータを取得する取得部と、
    前記データが少なくとも3つ以上となるまで順次記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された前記データが3つ以上になると、前記取得部が前記データを取得する度に、予め設定された複数の演算条件それぞれに対して、前記データの相関係数又は決定係数の一方の係数を演算する演算部と、
    前記演算部が演算した前記係数の中の最大値に対応する前記演算条件を、最適演算条件として選定する選定部と、
    前記最適演算条件に基づいて、前記データの回帰計算を行う回帰計算部と、を備えたことを特徴とする演算装置。
  2. 請求項1に記載の演算装置であって、
    前記演算部が演算した前記係数のピークを検出するピーク検出部をさらに備え、
    前記ピーク検出部によって前記ピークが検出された場合に、
    前記演算部は、前記ピーク以後における3以上の前記データの前記係数を演算することを特徴とする演算装置。
  3. 請求項1又は2に記載の演算装置であって、
    前記データは、第1のデータ及び第2のデータを含み、
    前記演算部が行う演算は、下記(1)式〜(8)式の演算を含み、
    前記演算条件は、下記(1)〜(8)式におけるmの値であり、
    複数種のmが予め設定されていることを特徴とする演算装置。
    Figure 0006136586
    Figure 0006136586
    Figure 0006136586
    Figure 0006136586
    Figure 0006136586
    Figure 0006136586
    Figure 0006136586
    Figure 0006136586
    但し、上記(1)〜(8)式において、
    はn回目の前記タイミングにおける前記第1のデータであり、
    n,aveはn回目の前記タイミングにおける前記第1のデータの加重平均値であり、
    はn回目の前記タイミングにおける前記第2のデータであり、
    n,aveはn回目の前記タイミングにおける前記第2のデータの加重平均値であり、
    σXn はn回目の前記タイミングにおける前記第1のデータの分散値であり、
    σYn はn回目の前記タイミングにおける前記第2のデータの分散値であり、
    σXYnはn回目の前記タイミングにおける前記第1のデータ及び前記第2のデータの共分散値であり、
    はn回目の前記タイミングにおける前記第1のデータ及び前記第2のデータの決定係数である。
  4. 請求項3に記載の演算装置であって、
    前記選定部は、前記複数種のmの中の最大値よりもnが小さい場合に、n≧mを満たすmの値の中から前記最適演算条件を選定することを特徴とする演算装置。
  5. 請求項3又は4に記載の演算装置であって、
    前記第1のデータは、車両の最先の始動時からの経過時間であり、
    前記第2のデータは、前記車両に搭載された二次電池の内部抵抗値であることを特徴とする演算装置。
JP2013114229A 2013-05-30 2013-05-30 演算装置 Active JP6136586B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013114229A JP6136586B2 (ja) 2013-05-30 2013-05-30 演算装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013114229A JP6136586B2 (ja) 2013-05-30 2013-05-30 演算装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014232507A JP2014232507A (ja) 2014-12-11
JP6136586B2 true JP6136586B2 (ja) 2017-05-31

Family

ID=52125823

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013114229A Active JP6136586B2 (ja) 2013-05-30 2013-05-30 演算装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6136586B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023074822A (ja) * 2021-11-18 2023-05-30 アズビル株式会社 情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5460160B2 (ja) * 2009-07-22 2014-04-02 Jfeメカニカル株式会社 設備機器の診断装置
JP2012026771A (ja) * 2010-07-20 2012-02-09 Toshiba Corp 二次電池装置および車両

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014232507A (ja) 2014-12-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6422481B2 (ja) 二次電池状態検出装置および二次電池状態検出方法
EP3508867B1 (en) Detection method and device for micro short circuit of battery
JP5810116B2 (ja) 二次電池状態検出装置および二次電池状態検出方法
JP6657967B2 (ja) 状態推定装置、状態推定方法
US10921383B2 (en) Battery diagnostic system for estimating capacity degradation of batteries
JP6607255B2 (ja) バッテリ劣化度推定装置および推定方法
US11163010B2 (en) Secondary battery deterioration estimation device and secondary battery deterioration estimation method
WO2017000912A2 (zh) 电池健康状态的检测装置及方法
US20150369874A1 (en) Method and apparatus for learning and estimating battery state information
US11143710B2 (en) Device for estimating degradation of secondary cell, and method for estimating degradation of secondary cell
EP3611526B1 (en) Battery capacity monitor
US10393814B2 (en) Secondary battery state detection device and secondary battery state detection method
WO2011096354A1 (ja) 二次電池の充電受入れ限界検知方法及びその装置
JPWO2017056732A1 (ja) 電池制御装置及び電池システム
JP6421411B2 (ja) 電池の充電率を推定する推定プログラム、電池の充電率を推定する推定方法、および、電池の充電率を推定する推定装置
JP6136586B2 (ja) 演算装置
JP6119554B2 (ja) 充電状態算出装置
JP6210552B2 (ja) 二次電池状態検出装置および二次電池状態検出方法
KR101399362B1 (ko) 전류 적산 오프셋을 이용한 건강 상태 추정 방법 및 장치
WO2012046285A1 (ja) バッテリの状態推定方法及び電源システム
JP6469485B2 (ja) 電池劣化判定装置、組電池、電池劣化判定方法及び電池劣化判定プログラム
WO2023229921A1 (en) Apparatus and method for battery soc estimation
KR101726483B1 (ko) 배터리 사용 패턴 분석 장치 및 방법
JP6631172B2 (ja) 内部抵抗算出装置、コンピュータプログラム及び内部抵抗算出方法
JP2014232506A (ja) 演算装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160328

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170117

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170118

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170317

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170404

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170417

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6136586

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151