JP6133633B2 - 灯具および灯具アセンブリの取付方法 - Google Patents

Description

本発明は、ＬＥＤ光源が内蔵された灯具アセンブリを用いた灯具、および、その灯具アセンブリを船体や車体等の本体に取り付ける方法に関する。

光源にバルブを使用した灯具は、通常、バルブを容易に交換できるように、灯室の一部が開放可能となっている。例えば、図５に示す船灯５１の場合は、船体５２に取り付けられるベース５３にバルブ光源５４が装着され、透光カバー５５の上面にキャップ５６がネジ５７で取り付けられ、バルブ交換に際し、キャップ５６を取り外して灯室５８の上面を開放できるようになっている。

これに対し、光源に長寿命のＬＥＤを使用する場合は、光源交換の頻度が低下するため、光源やリフレクタを含む光学部品の一体化が図られている。例えば、特許文献１には、ＬＥＤ光源を内蔵した船灯用の灯具アセンブリが記載されている。この灯具アセンブリは、上下のユニットを雌雄のネジ部にて分離可能に結合し、下部ユニットの下端全周を溶着によりベースに接合し、ベースをネジで船体に取り付けるようになっている。

特開２０１２−２１６３３４号公報

ところが、従来の灯具によると、灯具アセンブリとベースとの間に水密を保持できるが、上下のユニットのネジ結合部に浸水のおそれがあった。また、ネジが緩んだ場合に、下部ユニットに保持されたＬＥＤ光源と上部ユニットに取り付けられたリフレクタとの相対位置精度が低下するという問題点もあった。特に船灯の場合、下部ユニットをベースに溶着すると、灯具アセンブリの交換に際してベースを取り外す必要があるため、ベースを船体側の装備品として継続使用できなくなるという問題点もあった。

そこで、本発明の目的は、防水性能を高め、光学部品の相対位置精度を向上し、かつ灯具アセンブリを単独で簡単に交換できる灯具および灯具アセンブリの取付方法を提供することにある。

上記課題を解決するために、本発明は次のような灯具および取付方法を提供する。
（１）本体に取り付けられるベースと、ＬＥＤ光源を内蔵した灯具アセンブリと、ベースと灯具アセンブリとの間の水密を保持するパッキン部材と、パッキン部材を圧縮した状態で灯具アセンブリをベースに取り外し可能に取り付けるアタッチメントとを備えたことを特徴とする灯具。

（２）アタッチメントがベースと灯具アセンブリを取り囲む環状に形成され、ベースがアタッチメントに内側から対向する外周壁を備え、外周壁とアタッチメントの相対面に互いに螺合するネジ部を形成したことを特徴とする灯具。

（３）灯具アセンブリがパッキン部材を加圧する脚部と、アタッチメントに係合するフランジ部とを備え、アタッチメントの締付力がフランジ部を介して脚部に伝達されることを特徴とする灯具。

（４）灯具アセンブリがＬＥＤ光源を保持するランプボディと、ＬＥＤ光源の発光を外部に透過する透光カバーとを備え、ランプボディに前記脚部とフランジ部を一体形成し、フランジ部に透光カバーの全周を溶着により接合したことを特徴とする灯具。

（５）ＬＥＤ光源を内蔵した灯具アセンブリを本体に取り付けるにあたり、本体にベースを取り付け、ベース上にパッキン部材を介して灯具アセンブリを載置し、アタッチメントの内周ネジ部をベースの外周ネジ部に締め付け、パッキン部材を圧縮した状態で灯具アセンブリをベースに取り付け、パッキン部材によってベースと灯具アセンブリとの間の水密を保持することを特徴とする灯具アセンブリの取付方法。

本発明の灯具および取付方法によれば、ベースと灯具アセンブリとの間にパッキン部材を介装し、アタッチメントによりパッキン部材を圧縮した状態で灯具アセンブリをベースに取り付けるので、ベースと灯具アセンブリとの間に高度の水密を保持できる。また、灯具アセンブリを単独で簡単に交換でき、ベースを本体側に残して継続使用することもできる。特に、ランプボディと透光カバーを溶着により接合することで、灯具アセンブリを密閉構造とし、内部光学部品の相対位置精度を高めることができる。

本発明の一実施形態を示す船灯の分解斜視図である。 図１の船灯を組立状態で示す断面図である。 図２とは異なるリフレクタを備えた灯具アセンブリを示す断面図である。 灯具アセンブリを船体に取り付ける方法を示す断面図である。 従来の船灯を示す断面図である。

以下、本発明を船灯に具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。図１に示す船灯１は、船舶の舷灯、マスト灯、船尾灯などとして用いられる灯具であって、船体（本体）２に取り付けられるベース３と、ＬＥＤ光源を内蔵した灯具アセンブリ４と、パッキン部材としてのＯリング５と、灯具アセンブリ４をベース３に取り付けるためのアタッチメント６とを備えている。

ベース３は、底付きの円筒形に樹脂成形され、底壁部７に複数のネジ孔８（一つを図示）を備え、各ネジ孔８に挿入されるネジ９によって、船体２の取付孔１０に取り付けられる。底壁部７上には、ベース３の中心から順に内周壁１１、環状壁１２、パッキン押え１３、外周壁１４が立設されている。そして、内周壁１１の内側に船体２の配線口１５と重なる開口１６が形成され、環状壁１２とパッキン押え１３との間にＯリング５の装着溝１７が形成され、外周壁１４の外面に外周ネジ部１８が形成されている。

アタッチメント６は、段付きの円環状に樹脂成形され、段差部２０の上側に灯具アセンブリ４を取り囲む小径部２１を備え、段差部２０の下側にベース３を取り囲む大径部２２を備えている。段差部２０の内側には顎部２３が形成され、大径部２２の内面つまりベース３の外周壁１４と相対する面に内周ネジ部２４が刻設されている。そして、内周ネジ部２４がベース３の外周ネジ部１８に螺合し、アタッチメント６を締め付けたときに、顎部２３が灯具アセンブリ４のフランジ部２５に係合するようになっている。

図２に示すように、灯具アセンブリ４は、ＬＥＤ光源２７を保持するランプボディ２８と、ＬＥＤ光源２７の発光を外部に透過する透光カバー２９とを備えている。ランプボディ２８には脚部３０と被覆部３１とが一体的に設けられ、脚部３０がＯリング５を介してベース３に支持され、被覆部３１が透光カバー２９と共に灯室３２を形成している。透光カバー２９は倒立カップ形に樹脂成形され、その上面に不透明なキャップ３３が第１溶着部３４によって固定されている。

脚部３０の外面にはフランジ部２５が水平に張り出すように一体形成され、フランジ部２５の上面に透光カバー２９の下端全周が第２溶着部３５によって接合されている。アタッチメント６をベース３に締め付けたときには、アタッチメント６の顎部２３が第２溶着部３５より外側のフランジ部２５に上方から係合し、締付力がフランジ部２５を介して脚部３０に伝達され、脚部３０がＯリング５を圧縮し、Ｏリング５が圧縮された状態でベース３と灯具アセンブリ４との間に水密を保持するようになっている。

ランプボディ２８の上にはインナーレンズ３７がネジ３８で取り付けられ、インナーレンズ３７の外側にシェード３９が設置され、インナーレンズ３７の内側に光源基板４０が配置されている。光源基板４０は周縁部の複数個所でインナーレンズ３７の裾部４１に取り付けられ、インナーレンズ３７の集光部４２と相対する位置の光源基板４０にＬＥＤ光源２７が保持されている。そして、光源基板４０から延びるハーネス（図示略）が被覆部３１の絶縁ブッシング４３を介して船体２の配線口１５に挿通される。

一方、インナーレンズ３７の上には、透明樹脂からなるリフレクタ４４が設置され、リフレクタ４４の上部に凹部と凸部を組み合わせた反射面４５が下向きに形成されている。船灯１が白色光を出射する白灯として使用される場合は、光源２７に白色ＬＥＤが用いられ、反射面４５がＬＥＤ光源２７の光軸周り（略垂直な軸線周り）に広がる円錐面として形成される。そして、ＬＥＤ光源２７からの拡散光がインナーレンズ３７の集光部４２で集められた後に、反射面４５で水平方向に反射し、平行光として透光カバー２９から３６０°の範囲に出射される。

また、船灯１が赤色光や緑色光または赤と緑の両色光を出射する舷灯として使用される場合は、光源２７に赤色ＬＥＤ、緑色ＬＥＤ、赤と緑の２色のＬＥＤが用いられる。これらの有色ＬＥＤは白色ＬＥＤと比較して輝度が低いため、法規によって舷灯の水平出射範囲が１１２．５°に規定されている。このため、図３に示すように、舷灯用リフレクタ４７の反射面４８は、白灯用リフレクタ４４の端部から上方に延長する部分を備え、この部分にＬＥＤ光源２７の光軸を中心とする曲面を１８０°回転させて形成することで、上下に凹部と凸部を組み合わせた複数の半円錐面を含む形状で成形される。水平出射範囲が１８０°以内である船灯１（舷灯、両色灯、船尾灯）の場合は、図３に示すようなリフレクタ４７を使用することにより、ＬＥＤ光源２７からの光を効率よく出射できる。

船尾灯（スタンライト）の場合は、光源２７に白色ＬＥＤを使用するが、水平出射範囲が１３５°に規定されているため、舷灯と同様に、１８０°の範囲に広がる反射面４８を備えたリフレクタ４７を使用してもよいし、白灯と同様に、３６０°の範囲に広がる反射面４５を備えたリフレクタ４４を使用してもよい。水平出射範囲が２２５°のマスト灯の場合は、光源２７に白色ＬＥＤを使用し、白灯と同様に、３６０°の範囲に広がる反射面４５を備えたリフレクタ４４を使用できる。また、船灯１の垂直出射範囲は、種類に応じて１５°〜５０°の範囲に定められている。図３に示す船灯１によれば、リフレクタ４７がネジ４９等の手段によりインナーレンズ３７上に交換可能に取着されているので、リフレクタ交換のみにより灯具アセンブリ４を多様な出射範囲に適合させることができる。

以上のように構成された船灯１を船体２に取り付けるにあたっては、まず、図４（ａ）に示すように、ベース３を複数本のネジ９で船体２に取り付ける。次に、（ｂ）に示すように、Ｏリング５をベース３の装着溝１７に装着したのち、ランプボディ２８の脚部３０をＯリング５に当接させて、灯具アセンブリ４をベース３上に載置する。続いて、（ｃ）に示すように、アタッチメント６の内周ネジ部２４をベース３の外周ネジ部１８に締め付け、脚部３０でＯリング５を圧縮し、Ｏリング５によりベース３と灯具アセンブリ４との水密を保持して、灯具アセンブリ４をベース３に取り付ける。

この取付状態では、Ｏリング５より内側への浸水を確実に防止することができる。また、透光カバー２９の下端全周がランプボディ２８に溶着され、灯具アセンブリ４の全体が密閉されているので、灯室３２の防水性能を向上できるとともに、灯室内部の光源２７、インナーレンズ３７、リフレクタ４４を含む光学部品の相対位置精度を長期間一定に維持することもできる。灯具アセンブリ４の交換に際しては、アタッチメント６を緩めるだけの操作でアセンブリ４を船体２から簡単に取り外すことができる。この場合、ベース３が船体２上に残るので、船体２の塗装を補修することなく、ベース３を継続使用することができる。

なお、本発明の灯具は、船灯１に限定されるものではなく、自動車、鉄道車両、航空機などの乗り物用灯具、あるいは標識灯、警告灯、広告灯などの屋外用灯具として使用することもできる。その他、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各部の形状や構成を適宜に変更して実施することも可能である。

１ 船灯
２ 船体
３ ベース
４ 灯具アセンブリ
５ Ｏリング
６ アタッチメント
１４ 外周壁
２４ 内周ネジ部
２５ フランジ部
２７ ＬＥＤ光源
２８ ランプボディ
２９ 透光カバー
３０ 脚部
３４ 第１溶着部
３５ 第２溶着部
３７ インナーレンズ
４４ リフレクタ
４５ 反射面

Claims (3)

1. 本体に取り付けられるベースと、ＬＥＤ光源を内蔵した灯具アセンブリと、ベースと灯具アセンブリとの間の水密を保持するパッキン部材と、パッキン部材を圧縮した状態で灯具アセンブリをベースに取り外し可能に取り付けるアタッチメントとを備え、
   前記アタッチメントがベースと灯具アセンブリを取り囲む環状に形成され、前記ベースがアタッチメントに内側から対向する外周壁を備え、外周壁とアタッチメントの相対面に互いに螺合するネジ部が形成され、
   前記灯具アセンブリがＬＥＤ光源を保持するランプボディと、ＬＥＤ光源の発光を外部に透過する透光カバーとを備え、
   前記ランプボディにパッキン部材を加圧する脚部と、アタッチメントに係合するフランジ部が一体形成され、
   前記透光カバーの全周がフランジ部に接合され、前記フランジ部が透光カバーとの接合部より外側においてアタッチメントに係合し、該アタッチメントの締付力がフランジ部を介して前記脚部に伝達されることを特徴とする灯具。
2. 前記透光カバーの全周が溶着によりフランジ部に接合される請求項１記載の灯具。
3. 請求項１又は２に記載された灯具において、前記灯具アセンブリを本体に取り付けるにあたり、本体にベースを取り付け、ベース上にパッキン部材を介して灯具アセンブリを載置し、アタッチメントのネジ部をベースのネジ部に締め付け、アタッチメントの締付力を灯具アセンブリのフランジ部を介して脚部に伝達し、パッキン部材を圧縮した状態で灯具アセンブリをベースに取り外し可能に取り付け、パッキン部材によってベースと灯具アセンブリとの間の水密を保持することを特徴とする灯具アセンブリの取付方法。

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