JP6132697B2 - 燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、固体高分子電解質膜の両側に、それぞれ電極触媒層及びガス拡散層を有する電極が設けられる電解質膜・電極構造体を、プレート面が波形状に成形された一対の金属セパレータで挟持するとともに、前記金属セパレータには、電極面に沿って反応ガスを供給する反応ガス流路が形成される燃料電池に関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる固体高分子電解質膜の両側に、それぞれアノード電極及びカソード電極を設けた電解質膜・電極構造体(MEA)を、一対のセパレータによって挟持した発電セルを構成している。燃料電池は、通常、複数の発電セルが積層されて燃料電池スタックを構成するとともに、定置用の他、燃料電池車両に組み込まれることにより、車載用燃料電池システムとして使用されている。
上記の燃料電池では、波状に成形された金属セパレータが使用されるとともに、前記金属セパレータの面内に、アノード電極に燃料ガスを流すための燃料ガス流路(以下、反応ガス流路ともいう)と、カソード電極に酸化剤ガスを流すための酸化剤ガス流路(以下、反応ガス流路ともいう)とが設けられている。さらに、各発電セル毎又は複数の発電セル毎に、冷却媒体を流すための冷却媒体流路が金属セパレータの面方向に沿って設けられている。
この種の燃料電池では、良好なイオン伝導性を確保するために、電解質膜を保湿する必要がある。このため、反応ガスである酸化剤ガス(例えば、空気)や燃料ガス(例えば、水素ガス)を加湿して燃料電池に供給する方式が採用されている。
その際、加湿用の水分が、電解質膜に吸収されずに液状化され、反応ガス流路に滞留する場合がある。一方、燃料電池では、発電反応によりカソード電極に生成水が発生するとともに、アノード電極には、前記生成水が電解質膜を介して逆拡散している。このため、反応ガス流路には、水分が凝縮して滞留する場合がある。従って、例えば、カソード電極の端部やアノード電極の端部等に高電位及び電位勾配が発生すると、滞留水により金属セパレータから金属イオンの溶出が惹起され、溶出した金属イオンがMEAに取り込まれることがある。これにより、電解質膜は、金属イオンによる劣化が著しくなるという問題がある。
そこで、例えば、特許文献1に開示されている固体高分子電解質型燃料電池が知られている。この燃料電池は、図16に示すように、少なくとも固体高分子電解質膜1を挟んで配置された燃料極2a及び酸化剤極2bを有する単電池を、セパレータ3を介して複数個積層して構成される電池スタックを備えている。
セパレータ3は、金属製の薄板で構成されており、前記セパレータ3の略中央部分には、プレス加工による複数の平行な波形状の溝が表裏に形成されている。このため、燃料極2aと酸化剤極2bとの間には、反応ガスの流路4a、4bが設けられている。
セパレータ3には、前記セパレータ3の略中央部分を囲むように、シート状のシール部材5a、5bが表裏に配置されている。シール部材5a、5bの接触部には、反応ガスと冷却媒体をそれぞれ供給及び排出する複数のマニホールド孔(図示せず)が設けられている。さらに、セパレータ3の表面には、耐食性且つ導電性を有するコーティング6が施されている。
特開平11−354142号公報
ところで、燃料電池では、燃料極2a又は酸化剤極2bを構成する電極触媒層の外周端部に、高電位及び電位勾配が発生し易い。このため、上記の特許文献1では、特に金属セパレータであるセパレータ3の外周端部に高電位及び電位勾配が発生し、前記セパレータ3から金属イオンが溶出するおそれがある。従って、セパレータ3の外周端部に対向する固体高分子電解質膜1の部分が、溶出した金属イオンにより損傷を受け易いという問題がある。
本発明は、この種の問題を解決するものであり、簡単且つ経済的な構成で、金属セパレータからの金属イオンの溶出を阻止し、固体高分子電解質膜の劣化を可及的に抑制することが可能な燃料電池を提供することを目的とする。
本発明は、固体高分子電解質膜の両側に、それぞれ電極触媒層及びガス拡散層を有する電極が設けられる電解質膜・電極構造体を、プレート面が波形状に成形された一対の金属セパレータで挟持するとともに、前記金属セパレータには、電極面に沿って反応ガスを供給する反応ガス流路が形成される燃料電池に関するものである。
この燃料電池では、金属セパレータには、電解質膜・電極構造体に接する凸部と前記電解質膜・電極構造体から離間する凹部とが交互に成形され、前記凹部に沿って複数本の反応ガス流路溝が形成されることにより、反応ガス流路が設けられている。そして、反応ガス流路溝は、反応ガス流路の反応ガス流れ方向に交差する幅方向外方に配置され端部反応ガス流路溝を有している。少なくとも一方の前記金属セパレータにおいて、前記端部反応ガス流路溝は当該一方の前記金属セパレータ側又は他方の前記金属セパレータ側の前記電極触媒層の外周端部に対向する。
燃料電池では、少なくとも一方の前記金属セパレータの端部反応ガス流路溝の内方に位置する凸部から当該一方の金属セパレータの外周側に連なる外部領域に、耐食性被膜が設けられる一方、少なくとも一方の前記金属セパレータにおいて、前記外部領域よりも内方に延在する内部領域は、前記外部領域に設けられる前記耐食性被膜と同一材料の被膜を設けない領域を構成している。
また、この燃料電池では、固体高分子電解質膜の一方側に設けられる第1の電極触媒層は、前記固体高分子電解質膜の他方側に設けられる第2の電極触媒層よりも小さな平面寸法を有するとともに、端部反応ガス流路溝は、前記第1の電極触媒層の外周端部に対向することが好ましい。
さらに、この燃料電池では、第2の電極触媒層の外周端部が対向する反応ガス流路の外側に位置する凸部には、耐食性被膜が設けられることが好ましい。
さらにまた、この燃料電池では、固体高分子電解質膜の一方側に設けられる第1の電極触媒層は、前記固体高分子電解質膜の他方側に設けられる第2の電極触媒層よりも小さな平面寸法を有することが好ましい。端部反応ガス流路溝は、第2の電極触媒層の外周端部に対向している。
また、この燃料電池では、第2の電極触媒層の外周部には、樹脂枠部材又はフィルム部材である保護部材が設けられることが好ましい。
さらに、この燃料電池では、反応ガス流路の反応ガス流れ方向端部は、電極触媒層の外周端部よりも反応ガス流れ方向外方に延在する延在領域を有するとともに、前記延在領域には、耐食性被膜が設けられることが好ましい。
さらにまた、この燃料電池では、耐食性被膜が設けられる一方の金属セパレータに固体高分子電解質膜を挟んで対向する他方の金属セパレータには、一方の前記金属セパレータにおける前記耐食性被膜が設けられる範囲と同一の範囲に該耐食性被膜が設けられることが好ましい。
また、この燃料電池では、金属セパレータには、電解質膜・電極構造体に接する凸部と前記電解質膜・電極構造体から離間する凹部とが交互に成形され、前記凹部に沿って複数本の反応ガス流路溝が形成されることにより、反応ガス流路が設けられている。反応ガス流路溝は、反応ガス流路の反応ガス流れ方向に交差する幅方向外方に配置される端部反応ガス流路溝を有し、一方の前記金属セパレータの電極触媒層の外周端部に対向し且つ他方の前記金属セパレータの前記端部反応ガス流路溝の内方に位置する凸部には、当該他方の前記金属セパレータの少なくとも外周端部に対向する位置から当該他方の金属セパレータの外周側に連なる外部領域に、耐食性被膜が設けられている。一方、少なくとも他方の前記金属セパレータにおいて、外部領域よりも内方に延在する内部領域は、前記外部領域に設けられる耐食性被膜と同一材料の被膜を設けない領域を構成している。
さらに、この燃料電池では、固体高分子電解質膜の一方側に設けられる第1の電極触媒層は、前記固体高分子電解質膜の他方側に設けられる第2の電極触媒層よりも小さな平面寸法を有することが好ましい。端部反応ガス流路溝の内方に位置する凸部は、第1の電極触媒層の外周端部に対向している。
本発明では、電極触媒層の外周端部に対向する端部反応ガス流路溝を有し、前記端部反応ガス流路溝の内方に隣接する凸部から金属セパレータの外周側に連なる外部領域に、耐食性被膜が設けられている。このため、特に高電位及び電位勾配が発生し易い金属セパレータの外側端部から金属イオンが溶出することが抑制される。
しかも、金属セパレータの外部領域よりも内方の内部領域は、耐食性被膜を設けない領域を構成している。従って、金属セパレータの発電領域には、例えば、金やカーボン等のめっき処理を施すことができるとともに、耐食性被膜として種々の材料、例えば、非導電性を有する材料を用いることが可能になる。
これにより、簡単且つ経済的な構成で、金属セパレータからの金属イオンの溶出を阻止し、固体高分子電解質膜の劣化を可及的に抑制することができるとともに、発電領域では、耐食性被膜による接触抵抗の増加を防止することが可能になる。
本発明の第1の実施形態に係る燃料電池を構成する発電セルの分解斜視説明図である。 前記発電セルの、図1中、II−II線断面図である。 前記発電セルを構成する第1金属セパレータの正面説明図である。 前記発電セルを構成する第2金属セパレータの正面説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池を構成する発電セルの要部断面説明図である。 本発明の第3の実施形態に係る燃料電池を構成する発電セルの要部断面説明図である。 本発明の第4の実施形態に係る燃料電池を構成する発電セルの要部断面説明図である。 本発明の第5の実施形態に係る燃料電池を構成する発電セルの要部断面説明図である。 本発明の第6の実施形態に係る燃料電池を構成する発電セルの要部断面説明図である。 本発明の第7の実施形態に係る燃料電池を構成する発電セルの要部断面説明図である。 本発明の第8の実施形態に係る燃料電池を構成する発電セルの要部断面説明図である。 本発明の第9の実施形態に係る燃料電池を構成する発電セルの要部断面説明図である。 本発明の第10の実施形態に係る燃料電池を構成する発電セルの要部断面説明図である。 本発明の第11の実施形態に係る燃料電池を構成する発電セルの要部断面説明図である。 本発明の第12の実施形態に係る燃料電池を構成する発電セルの要部断面説明図である。 特許文献1に開示されている固体高分子電解質型燃料電池の断面説明図である。
図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池10は、複数の発電セル12が、例えば、立位姿勢で水平方向(矢印A方向)に積層される。
発電セル12は、横長形状を有するとともに、電解質膜・電極構造体(MEA)16と、前記電解質膜・電極構造体16を挟持する第1金属セパレータ18及び第2金属セパレータ20とを備える。第1金属セパレータ18及び第2金属セパレータ20は、薄板状の金属プレートを、それぞれ波形状にプレス加工することにより、断面凹凸形状を有する(図2参照)。
第1金属セパレータ18及び第2金属セパレータ20は、例えば、ステンレス鋼板、チタン板、ニオブ板又はアルミニウム板等で形成される。
発電セル12の長辺方向(図1中、矢印B方向)の一端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス供給連通孔26a、冷却媒体を供給するための冷却媒体供給連通孔28a、及び燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出するための燃料ガス排出連通孔30bが設けられる。
発電セル12の長辺方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを供給するための燃料ガス供給連通孔30a、冷却媒体を排出するための冷却媒体排出連通孔28b、及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス排出連通孔26bが設けられる。
図3に示すように、第1金属セパレータ18の電解質膜・電極構造体16に向かう面18aには、酸化剤ガス供給連通孔26aと酸化剤ガス排出連通孔26bとを連通する酸化剤ガス流路(反応ガス流路)38が形成される。酸化剤ガス流路38は、矢印B方向に延在する凸部40aと凹部40bとが、矢印C方向に交互に形成されることにより、各凹部40bに沿って形成される複数本の酸化剤ガス流路溝(反応ガス流路溝)38aを有する。凸部40aは、電解質膜・電極構造体16に接する一方、凹部40bは、前記電解質膜・電極構造体16から離間する。
酸化剤ガス流路38の入口側には、複数のエンボス41aeを有する入口バッファ部41aが設けられるとともに、前記酸化剤ガス流路38の出口側には、複数のエンボス41beを有する出口バッファ部41bが設けられる。
図4に示すように、第2金属セパレータ20の電解質膜・電極構造体16に向かう面20aには、燃料ガス供給連通孔30aと燃料ガス排出連通孔30bとを連通する燃料ガス流路(反応ガス流路)42が形成される。燃料ガス流路42は、矢印B方向に延在する凸部44aと凹部44bとが、矢印C方向に交互に形成されることにより、各凹部44bに沿って形成される複数本の燃料ガス流路溝(反応ガス流路溝)42aを有する。凸部44aは、電解質膜・電極構造体16に接する一方、凹部44bは、前記電解質膜・電極構造体16から離間する。
燃料ガス流路42の入口側には、複数のエンボス45aeを有する入口バッファ部45aが設けられるとともに、前記燃料ガス流路42の出口側には、複数のエンボス45beを有する出口バッファ部45bが設けられる。電解質膜・電極構造体16は、両側からエンボス41ae、41beと45be、45aeとで挟持される。なお、以下に説明する第2以降の実施形態でも同様である。
図1に示すように、互いに隣接する第1金属セパレータ18の面18bと第2金属セパレータ20の面20bとの間には、冷却媒体供給連通孔28aと冷却媒体排出連通孔28bとを連通する冷却媒体流路46が一体的に形成される。冷却媒体流路46は、酸化剤ガス流路38及び燃料ガス流路42の裏面形状を重ね合わせて構成される。
第1金属セパレータ18の面18a、18bには、この第1金属セパレータ18の外周端部を周回して第1シール部材47が一体成形される。第2金属セパレータ20の面20a、20bには、この第2金属セパレータ20の外周端部を周回して第2シール部材48が一体成形される。
第1シール部材47及び第2シール部材48は、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン、又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材を使用する。
第1シール部材47は、図1及び図3に示すように、面18a、18b上に均一な厚さを有して成形される平面シール部47aを有する。第1シール部材47は、面18a側で平面シール部47aから突出し、酸化剤ガス供給連通孔26a及び酸化剤ガス排出連通孔26bと酸化剤ガス流路38とを連通させる凸状シール部47bを有する(図3参照)。
第1シール部材47は、面18b側で平面シール部47aから突出し、冷却媒体供給連通孔28a及び冷却媒体排出連通孔28bと冷却媒体流路46とを連通させる凸状シール部47cを有する(図1参照)。
第2シール部材48は、面20a、20b上に均一な厚さを有して形成される平面シール部48aを有する。第2シール部材48は、面20a側で平面シール部48aから突出し、燃料ガス供給連通孔30a及び燃料ガス排出連通孔30bを燃料ガス流路42に連通する凸状シール部48bを有する(図1及び図4参照)。
電解質膜・電極構造体16は、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜50と、前記固体高分子電解質膜50を挟持するカソード電極52及びアノード電極54とを備える。固体高分子電解質膜50は、カソード電極52及びアノード電極54と同等若しくは、これらよりも大きな平面寸法に設定され、外周縁部が前記カソード電極52及び前記アノード電極54の外周端部から外方に突出する。
図2に示すように、カソード電極52及びアノード電極54は、カーボンペーパ等からなるカソード側ガス拡散層52a及びアノード側ガス拡散層54aと、白金や白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記カソード側ガス拡散層52a及び前記アノード側ガス拡散層54aの表面に一様に塗布されたカソード側電極触媒層(第1の電極触媒層)52b及びアノード側電極触媒層(第2の電極触媒層)54bとを有する。なお、電解質膜・電極構造体16の作製方法は、種々の方法が採用可能であり、例えば、固体高分子電解質膜50に触媒を転写又は塗布することにより、カソード電極52及びアノード電極54を作製してもよい。また、第2以降の実施形態においても、同様である。
カソード側電極触媒層52bは、アノード側電極触媒層54bよりも小さな平面寸法を有する。カソード側電極触媒層52bの外周端部52beは、アノード側電極触媒層54bの外周端部54beよりも内方に距離Lだけ離間する。カソード側ガス拡散層52aは、アノード側ガス拡散層54aよりも大きな平面寸法を有する。
また、アノード側電極触媒層54bは、カソード側電極触媒層52bよりも小さな平面寸法を有してもよい。なお、カソード側ガス拡散層52aは、アノード側ガス拡散層54aと同一の平面寸法を有していてもよく、又は、前記カソード側ガス拡散層52aは、前記アノード側ガス拡散層54aよりも小さな平面寸法を有していてもよい。また、以下の第2以降の実施形態においても、同様である。
第1の実施形態では、図2及び図3に示すように、酸化剤ガス流路38を構成する酸化剤ガス流路溝38aは、前記酸化剤ガス流路38の酸化剤ガス流れ方向(矢印B方向)に交差する幅方向(矢印C方向)外方に配置され、且つ、カソード側電極触媒層52bの外周端部52beに対向する端部酸化剤ガス流路溝38aeを有する。
第1金属セパレータ18の面18aには、端部酸化剤ガス流路溝38aeの内方に隣接する凸部40aから前記第1金属セパレータ18の外周側に、すなわち、金属表面と平面シール部47aとの境界部位に連なる外部領域Saに、耐食性被膜56aが設けられる。耐食性被膜56aは、凸部40aの上面途上から設けられているが、前記凸部40aの上面全体を覆って設けられてもよい。
耐食性被膜56aは、水の滞留が発生し易い部位に配置することが好ましく、例えば、立位姿勢に配置される第1金属セパレータ18では、少なくとも重力方向下方である下部側に設けることが好ましく、さらに酸化剤ガス排出連通孔26bの近傍及び燃料ガス排出連通孔30bの近傍に設けられることが好ましい。以下の耐食性被膜56bでも、同様である。
耐食性被膜56aは、導電性及び耐食性を有する材料、例えば、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、窒化チタン(TiN)、炭窒化チタン(TiCN)、クロムめっき等が使用される。また、耐食性被膜56aは、非導電性を有していてもよく、例えば、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンテレフタレート等を使用してもよい。
第1金属セパレータ18の面18aにおいては、外部領域Saよりも内方に近在する内部領域Sbは、耐食性被膜56aを設けない領域を構成する。内部領域Sbには、例えば、金やカーボン等による導電性めっき処理を施すことが好ましい。
図3に示すように、酸化剤ガス流路38の酸化剤ガス流れ方向(矢印B方向)端部は、カソード側電極触媒層52bの外周端部52beよりも外方に延在する延在領域(図3中、距離L1の範囲を含む)を有するとともに、前記延在領域を含む左右金属領域には、耐食性被膜56aが設けられる。
図2及び図4に示すように、燃料ガス流路42を構成する燃料ガス流路溝42aは、アノード側電極触媒層54bの外周端部54beに対向する端部燃料ガス流路溝42aeを有する。第2金属セパレータ20の面20aには、端部燃料ガス流路溝42aeの内方に隣接する凸部44aから前記第2金属セパレータ20の外周側に、すなわち、金属表面と平面シール部48aとの境界部位に連なって、第1金属セパレータ18の耐食性被膜56aに対向する耐食性被膜56bが設けられる。
耐食性被膜56bは、耐食性被膜56aと同様に構成される。第2金属セパレータ20の面20aにおいては、外部領域Saよりも内方の内部領域Sbは、耐食性被膜56bを設けない領域を構成する(図2参照)。この領域には、必要に応じて金やカーボン等による導電性めっき処理が施される。なお、耐食性被膜56aの端部56aeと耐食性被膜56bの端部56beとは、互いに矢印C方向に対してずれていてもよい。
図4に示すように、燃料ガス流路42の燃料ガス流れ方向(矢印B方向)端部は、アノード側電極触媒層54bの外周端部54beよりも外方に延在する延在領域(図4中、距離L2の範囲を含む)を有するとともに、前記延在領域を含む左右金属領域には、耐食性被膜56bを設けてもよく、必要に応じて省略することもできる。
このように構成される燃料電池10の動作について、以下に説明する。
図1に示すように、燃料電池10内では、酸化剤ガス供給連通孔26aに酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給されるとともに、燃料ガス供給連通孔30aに水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。さらに、冷却媒体供給連通孔28aに純水やエチレングリコール等の冷却媒体が供給される。このため、各発電セル12では、酸化剤ガス、燃料ガス及び冷却媒体が、それぞれ矢印A方向に供給される。
酸化剤ガスは、図3に示すように、酸化剤ガス供給連通孔26aから第1金属セパレータ18の酸化剤ガス流路38に導入され、電解質膜・電極構造体16のカソード電極52に沿って移動する。一方、燃料ガスは、図1及び図4に示すように、燃料ガス供給連通孔30aから第2金属セパレータ20の燃料ガス流路42に導入され、電解質膜・電極構造体16のアノード電極54に沿って移動する。
従って、各電解質膜・電極構造体16では、カソード電極52に供給される酸化剤ガスと、アノード電極54に供給される燃料ガスとが、カソード側電極触媒層52b、アノード側電極触媒層54b内で電気化学反応により消費され、発電が行われる。
次いで、カソード電極52に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス排出連通孔26bに排出されて、矢印A方向に流動する。同様に、アノード電極54に供給されて消費された燃料ガスは、燃料ガス排出連通孔30bに排出されて、矢印A方向に流動する。
また、冷却媒体は、冷却媒体供給連通孔28aから第1金属セパレータ18及び第2金属セパレータ20間の冷却媒体流路46に導入された後、矢印B方向に沿って流動する。この冷却媒体は、電解質膜・電極構造体16を冷却した後、冷却媒体排出連通孔28bを移動して燃料電池10から排出される。
この場合、第1の実施形態では、図2及び図3に示すように、第1金属セパレータ18は、カソード側電極触媒層52bの外周端部52beに対向する端部酸化剤ガス流路溝38aeを有している。そして、端部酸化剤ガス流路溝38aeの内方に隣接する凸部40aから第1金属セパレータ18の外周側に連なる外部領域Saには、耐食性被膜56aが設けられている。
カソード側電極触媒層52bは、アノード側電極触媒層54bよりも小さな平面寸法を有しており、前記カソード側電極触媒層52bの外周端部52beは、前記アノード側電極触媒層54bの外周端部54beよりも内方に距離Lだけ離間している。このため、固体高分子電解質膜50の片面にのみアノード側電極触媒層54bが存在する距離Lの範囲に示す、所謂、両電極領域から半電極領域近傍(半電極領域から両側に電極が設けられている領域近傍にかけて)では、高電位及び電位勾配が発生し易い。
従って、第1金属セパレータ18には、カソード側電極触媒層52bの外周端部52beに対向して端部酸化剤ガス流路溝38aeが設けられるとともに、アノード側電極触媒層54bのみが存在する領域に亘って耐食性被膜56aが設けられている。これにより、特に高電位及び電位勾配が発生し易い第1金属セパレータ18の外側端部から金属イオンが溶出することがない。
さらに、アノード側電極触媒層54bの外周端部54beが対向する燃料ガス流路42の外側に位置する凸部44aには、耐食性被膜56bが設けられている。従って、特に高電位及び電位勾配が発生し易い第2金属セパレータ20の外側端部から金属イオンが溶出することがない。
しかも、第1金属セパレータ18の外部領域Saよりも内方の内部領域Sbは、耐食性被膜56aを設けない領域を構成している。このため、第1金属セパレータ18の発電領域には、例えば、金やカーボン等のめっき処理を施すことができるとともに、耐食性被膜56aとして種々の材料、例えば、非導電性を有する材料を用いることが可能になる。
従って、簡単且つ経済的な構成で、第1金属セパレータ18からの金属イオンの溶出を阻止し、固体高分子電解質膜50の劣化を可及的に抑制することができるという効果が得られる。
また、第2金属セパレータ20には、第1金属セパレータ18の耐食性被膜56aに対向して耐食性被膜56bが設けられている。これにより、第2金属セパレータ20は、上記の第1金属セパレータ18と同様の効果が得られる。なお、必要に応じて、耐食性被膜56aと耐食性被膜56bのいずれか一方を設けてもよい。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池60を構成する発電セル62の要部断面説明図である。なお、第1の実施形態に係る燃料電池10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第3以降の実施形態においても同様に、その詳細な説明は省略する。
燃料電池60は、電解質膜・電極構造体(MEA)64と、前記電解質膜・電極構造体64を挟持する第1金属セパレータ18及び第2金属セパレータ20とを備える。電解質膜・電極構造体64は、固体高分子電解質膜50をカソード電極66及びアノード電極68により挟持する。
カソード電極66は、カソード側ガス拡散層66aとカソード側電極触媒層(第2の電極触媒層)66bとを有するとともに、アノード電極68は、アノード側ガス拡散層68aとアノード側電極触媒層(第1の電極触媒層)68bとを有する。
アノード側電極触媒層68bは、カソード側電極触媒層66bよりも小さな平面寸法を有する。アノード側電極触媒層68bの外周端部68beは、カソード側電極触媒層66bの外周端部66beよりも内方に距離L0だけ離間する。アノード側ガス拡散層68aは、カソード側ガス拡散層66aよりも大きな平面寸法を有する。なお、ガス拡散層の大小は、どちらでもよい。
燃料ガス流路42を構成する燃料ガス流路溝42aは、前記燃料ガス流路42の燃料ガス流れ方向(矢印B方向)に交差する幅方向(矢印C方向)外方に配置され、且つ、アノード側電極触媒層68bの外周端部68beに対向する端部燃料ガス流路溝42aeを有する。
第2金属セパレータ20の面20aには、端部燃料ガス流路溝42aeの内方に隣接する凸部44aから前記第2金属セパレータ20の外周側に、すなわち、金属表面と平面シール部48aとの境界部位に連なる耐食性被膜56bが設けられる。第1金属セパレータ18の面18aには、第2金属セパレータ20の耐食性被膜56bに対向して耐食性被膜56aが設けられる。なお、耐食性被膜56bは、凸部44aの途上から設けられているが、前記凸部44a全面を覆って設けてもよい。
このように構成される第2の実施形態では、第2金属セパレータ20には、カソード側電極触媒層66bのみが存在する、所謂、両電極領域から半電極領域近傍(半電極領域から両側に電極が設けられている領域近傍にかけて)に耐食性被膜56bが設けられている。このため、特に高電位及び電位勾配が発生し易い第2金属セパレータ20の外側端部から金属イオンが溶出することがない。
これにより、簡単且つ経済的な構成で、第2金属セパレータ20からの金属イオンの溶出を阻止し、固体高分子電解質膜50の劣化を可及的に抑制することができる等、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。なお、耐食性被膜56aは、必要に応じて設ければよく、耐食性被膜56aと耐食性被膜56bのいずれか一方を設けてもよい。
図6は、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池80を構成する発電セル82の要部断面説明図である。
燃料電池80は、電解質膜・電極構造体16を第1金属セパレータ18及び第2金属セパレータ20で挟持して構成される。第1金属セパレータ18の面18aには、耐食性被膜84aが設けられるとともに、第2金属セパレータ20の面20aには、耐食性被膜84bが設けられる。
耐食性被膜84aは、端部酸化剤ガス流路溝38aeの内方に隣接する凸部40aの内側から前記第1金属セパレータ18の外周側に、すなわち、金属表面と平面シール部47aとの境界部位に連なる外部領域Saに設けられる。耐食性被膜84bは、耐食性被膜84aと同様に、端部燃料ガス流路溝42aeの内方に隣接する凸部44aの内側から前記第2金属セパレータ20の外周側に、すなわち、金属表面と平面シール部48aとの境界部位に連なって設けられる。
このように構成される第3の実施形態では、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
図7は、本発明の第4の実施形態に係る燃料電池90を構成する発電セル92の要部断面説明図である。
発電セル92は、電解質膜・電極構造体94を第1金属セパレータ18及び第2金属セパレータ20で挟持して構成される。電解質膜・電極構造体94は、カソード電極52及びアノード電極54間に固体高分子電解質膜50を介装するとともに、前記カソード電極52は、前記アノード電極54よりも小さな平面寸法に設定される。
カソード電極52を構成するカソード側ガス拡散層52a及びカソード側電極触媒層52bは、同一の平面寸法を有する一方、アノード電極54を構成するアノード側ガス拡散層54aは、アノード側電極触媒層54bと同一の平面寸法を有する。カソード側電極触媒層52bは、アノード側電極触媒層54bよりも小さな平面寸法を有する。
なお、カソード電極52とアノード電極54とは、それぞれ上記とは反対の大小関係の寸法に設定されてもよい。また、以下に説明する第5以降の実施形態では、第4の実施形態と同様の構成を用いているが、その構成に限定されるものではない。
固体高分子電解質膜50のカソード電極52の外周部から外方に延在する外周縁部には、樹脂枠部材又はフィルム部材である保護部材96が接合される。保護部材96は、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PPA(ポリフタルアミド)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルフォン)、LCP(リキッドクリスタルポリマー)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、シリコーンゴム、フッ素ゴム又はEPDM(エチレンプロピレンゴム)等で構成される。この保護部材96は、ガス透過を阻止する機能及びガスシール機能を有する。
第2金属セパレータ20の面20aには、耐食性被膜98が設けられる一方、第1金属セパレータ18の面18aにも、耐食性被膜を設けてもよい。耐食性被膜98は、端部燃料ガス流路溝42aeの内方に隣接する凸部44aの内側から前記第2金属セパレータ20の外周側に、すなわち、金属表面と平面シール部48aとの境界部位に連なって設けられる。
この第4の実施形態では、カソード側電極触媒層52bの外周端部52beに対向し且つ端部燃料ガス流路溝42aeの内方に隣接する凸部44aには、少なくとも前記外周端部52beに対向する位置から第2金属セパレータ20の外周側に連なる外部領域に、耐食性被膜98が設けられている。
図8は、本発明の第5の実施形態に係る燃料電池100を構成する発電セル102の要部断面説明図である。なお、第4の実施形態に係る発電セル92と同一の構成要素には、同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。なお、以下に説明する第6以降の実施形態においても同様に、その詳細な説明は省略する。
発電セル102は、電解質膜・電極構造体104を第1金属セパレータ18及び第2金属セパレータ20で挟持して構成される。電解質膜・電極構造体104を構成する固体高分子電解質膜50は、カソード電極52側に保護部材96を設けるとともに、アノード電極54側に保護部材106を設ける。保護部材106は、保護部材96と同様の材料から構成される。第2金属セパレータ20の面20aには、耐食性被膜108が設けられる。耐食性被膜108は、凸部44aの途上から若しくは前記凸部44aを覆って第2金属セパレータ20の外周側に設けられる。また、第1金属セパレータ18にも、対向する第2金属セパレータ20と同様の範囲に耐食性被膜を設けてもよい。
図9は、本発明の第6の実施形態に係る燃料電池110を構成する発電セル112の要部断面説明図である。
発電セル112は、電解質膜・電極構造体114を第1金属セパレータ18及び第2金属セパレータ20で挟持して構成される。電解質膜・電極構造体114は、カソード電極52及びアノード電極54間に固体高分子電解質膜50を介装する。カソード電極52は、アノード電極54よりも小さな平面寸法に設定されるとともに、前記アノード電極54は、固体高分子電解質膜50と同一の平面寸法に設定される。固体高分子電解質膜50のカソード電極52の外周部から外方に延在する外周縁部には、保護部材96が接合される。
第1金属セパレータ18の面18aには、耐食性被膜116が設けられる一方、第2金属セパレータ20の面20aには、耐食性被膜108が設けられる。耐食性被膜116は、凸部40aの内側から第1金属セパレータ18の外周側に設けられる。なお、耐食性被膜116又は耐食性被膜108のいずれか一方でもよい。
図10は、本発明の第7の実施形態に係る燃料電池120を構成する発電セル122の要部断面説明図である。
発電セル122は、電解質膜・電極構造体124を第1金属セパレータ18及び第2金属セパレータ20で挟持して構成される。電解質膜・電極構造体124を構成する固体高分子電解質膜50は、カソード電極52側に保護部材96を設けるとともに、アノード電極54側に保護部材106を設ける。第1金属セパレータ18の面18aには、耐食性被膜116が設けられる一方、第2金属セパレータ20の面20aには、耐食性被膜108が設けられる。なお、耐食性被膜116又は耐食性被膜108のいずれか一方でもよい。
図11は、本発明の第8の実施形態に係る燃料電池130を構成する発電セル132の要部断面説明図である。
発電セル132は、電解質膜・電極構造体134を第1金属セパレータ18及び第2金属セパレータ20で挟持して構成される。電解質膜・電極構造体134には、固体高分子電解質膜50の外周を周回し、前記固体高分子電解質膜50の両面に接合される樹脂枠部材である保護部材136が設けられる。保護部材136は、カソード電極52及びアノード電極54の外周端部に接合される。保護部材136は、ガスシール機能も有する。
第2金属セパレータ20の面20aには、耐食性被膜108が設けられる一方、第1金属セパレータ18の面18aには、耐食性被膜が設けられていない。
図12は、本発明の第9の実施形態に係る燃料電池140を構成する発電セル142の要部断面説明図である。
発電セル142は、電解質膜・電極構造体144を第1金属セパレータ18及び第2金属セパレータ20で挟持して構成される。電解質膜・電極構造体144には、固体高分子電解質膜50の外周を周回して保護部材136が設けられる。第1金属セパレータ18の面18aには、耐食性被膜116が設けられる一方、第2金属セパレータ20の面20aには、耐食性被膜108が設けられる。なお、耐食性被膜116又は耐食性被膜108のいずれか一方でもよい。また、耐食性被膜116又は耐食性被膜108は、少なくとも電解質膜・電極構造体144とセパレータ金属部分が接する部分のみに設けられていればよい。
このように構成される第4の実施形態〜第9の実施形態では、上記の第1の実施形態〜第3の実施形態と同様の効果が得られる。
図13は、本発明の第10の実施形態に係る燃料電池150を構成する発電セル152の要部断面説明図である。なお、第10の実施形態は、実質的に、図7に示す第4の実施形態に係る燃料電池90と同様に構成されており、その詳細な説明は、省略する。
発電セル152を構成する第1金属セパレータ18及び第2金属セパレータ20では、凸部40aと凸部44aとが、積層方向(矢印A方向)に互いに重なる位置に配置される。アノード側電極触媒層54bの外周端部54beは、端部燃料ガス流路溝42aeと積層方向に重なる位置に配置される。カソード側電極触媒層52bの外周端部52beは、酸化剤ガス流路溝38aと積層方向に重なる位置に配置される。
第2金属セパレータ20と、固体高分子電解質膜50の外周縁部、すなわち、アノード電極54の外方に露呈する前記固体高分子電解質膜50の外周縁部との間には、シール部材154が介装される。なお、第1金属セパレータ18と保護部材96の外周縁部との間にも、シール部材を介装してもよい。また、保護部材96の対向面には、コーティングを設けなくてもよい。さらに、第1金属セパレータ18には、範囲Sに示す領域で耐食性被膜を設ける一方、第1金属セパレータ18には、耐食性被膜を設けなくてもよい。
このように構成される第10の実施形態では、アノード側電極触媒層54bの外周端部54beは、端部燃料ガス流路溝42aeと積層方向に重なる位置に配置されている。このため、溶出した金属イオンは、流通する燃料ガスにより排出され、滞留することがない。従って、金属イオンが電解質膜・電極構造体94に取り込まれることがない。その他、上記の第4の実施形態と同様の効果が得られる。また、第10の実施形態は、図8に示す第5の実施形態に係る燃料電池100、図9に示す第6の実施形態に係る燃料電池110及び図10に示す第7の実施形態に係る燃料電池120を基本にして構成することもできる。
図14は、本発明の第11の実施形態に係る燃料電池160を構成する発電セル162の要部断面説明図である。なお、第11の実施形態は、実質的に、図11に示す第8の実施形態に係る燃料電池130と同様に構成されており、その詳細な説明は、省略する。
発電セル162を構成する第1金属セパレータ18及び第2金属セパレータ20では、凸部40aと凸部44aとが、積層方向(矢印A方向)に互いに重なる位置に配置される。アノード側電極触媒層54bの外周端部54beは、端部燃料ガス流路溝42aeと積層方向に重なる位置に配置される。カソード側電極触媒層52bの外周端部52beは、酸化剤ガス流路溝38aと積層方向に重なる位置に配置される。
第2金属セパレータ20と保護部材136の外周縁部との間には、シール部材164が介装される。なお、シール部材164に代えて、又は、前記シール部材164と共に、第1金属セパレータ18と保護部材136の外周縁部との間には、シール部材164を介装してもよい。
このように構成される第11の実施形態では、上記の第8の実施形態と同様の効果が得られる。また、第11の実施形態は、図12に示す第9の実施形態に係る燃料電池140を基本にして構成することもできる。
図15は、本発明の第12の実施形態に係る燃料電池170を構成する発電セル172の要部断面説明図である。なお、第12の実施形態は、実質的に、図8に示す第5の実施形態に係る燃料電池100と同様に構成されており、その詳細な説明は、省略する。
発電セル172は、電解質膜・電極構造体174を第1金属セパレータ18及び第2金属セパレータ20で挟持して構成される。電解質膜・電極構造体174を構成する固体高分子電解質膜50は、カソード電極52側に保護部材(樹脂枠部材又はフィルム)96を設けるとともに、アノード電極54側に保護部材(樹脂枠部材又はフィルム)176を設ける。なお、カソード電極52とアノード電極54とは、逆の大小関係(寸法)であってもよい。
第1金属セパレータ18及び第2金属セパレータ20では、凸部40aと凸部44aとが、積層方向(矢印A方向)に互いに重なる位置に配置される。アノード側電極触媒層54bの外周端部54beは、端部燃料ガス流路溝42aeと積層方向に重なる位置に配置される。カソード側電極触媒層52bの外周端部52beは、酸化剤ガス流路溝38aと積層方向に重なる位置に配置される。
このように構成される第12の実施形態では、上記の第5の実施形態と同様の効果が得られる。
10、60、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170…燃料電池
12、62、82、92、102、112、122、132、142、152、162、172…発電セル
16、64、94、104、114、124、134、144、174…電解質膜・電極構造体
18、20…セパレータ 26a…酸化剤ガス供給連通孔
26b…酸化剤ガス排出連通孔 28a…冷却媒体供給連通孔
28b…冷却媒体排出連通孔 30a…燃料ガス供給連通孔
30b…燃料ガス排出連通孔 38…酸化剤ガス流路
38a…酸化剤ガス流路溝 38ae…端部酸化剤ガス流路溝
40a、44a…凸部 40b、44b…凹部
42…燃料ガス流路 42a…燃料ガス流路溝
42ae…端部燃料ガス流路溝 46…冷却媒体流路
47、48、154、164…シール部材
50…固体高分子電解質膜 52、66…カソード電極
52b、66b…カソード側電極触媒層
54、68…アノード電極
54b、68b…アノード側電極触媒層
56a、56b、84a、84b、98、108、116…耐食性被膜
96、106、136、176…保護部材

Claims (9)

  1. 固体高分子電解質膜の両側に、それぞれ電極触媒層及びガス拡散層を有する電極が設けられる電解質膜・電極構造体を、プレート面が波形状に成形された一対の金属セパレータで挟持するとともに、前記金属セパレータには、電極面に沿って反応ガスを供給する反応ガス流路が形成される燃料電池であって、
    前記金属セパレータには、前記電解質膜・電極構造体に接する凸部と前記電解質膜・電極構造体から離間する凹部とが交互に成形され、前記凹部に沿って複数本の反応ガス流路溝が形成されることにより、前記反応ガス流路が設けられるとともに、
    前記反応ガス流路溝は、前記反応ガス流路の反応ガス流れ方向に交差する幅方向外方に配置され端部反応ガス流路溝を有し、
    少なくとも一方の前記金属セパレータにおいて、前記端部反応ガス流路溝は当該一方の前記金属セパレータ側又は他方の前記金属セパレータ側の前記電極触媒層の外周端部に対向し、
    少なくとも一方の前記金属セパレータの前記端部反応ガス流路溝の内方に位置する前記凸部から当該一方の前記金属セパレータの外周側に連なる外部領域に、耐食性被膜が設けられる一方、
    少なくとも一方の前記金属セパレータにおいて、前記外部領域よりも内方に延在する内部領域は、前記外部領域に設けられる前記耐食性被膜と同一材料の被膜を設けない領域を構成することを特徴とする燃料電池。
  2. 請求項1記載の燃料電池において、前記固体高分子電解質膜の一方側に設けられる第1の電極触媒層は、前記固体高分子電解質膜の他方側に設けられる第2の電極触媒層よりも小さな平面寸法を有するとともに、
    前記端部反応ガス流路溝は、前記第1の電極触媒層の外周端部に対向することを特徴とする燃料電池。
  3. 請求項2記載の燃料電池において、前記第2の電極触媒層の外周端部が対向する前記反応ガス流路の外側に位置する前記凸部には、前記耐食性被膜が設けられることを特徴とする燃料電池。
  4. 請求項1記載の燃料電池において、前記固体高分子電解質膜の一方側に設けられる第1の電極触媒層は、前記固体高分子電解質膜の他方側に設けられる第2の電極触媒層よりも小さな平面寸法を有するとともに、
    前記端部反応ガス流路溝は、前記第2の電極触媒層の外周端部に対向することを特徴とする燃料電池。
  5. 請求項2又は4記載の燃料電池において、前記第2の電極触媒層の外周部には、樹脂枠部材又はフィルム部材である保護部材が設けられることを特徴とする燃料電池。
  6. 請求項1又は2記載の燃料電池において、前記反応ガス流路の前記反応ガス流れ方向端部は、前記電極触媒層の前記外周端部よりも反応ガス流れ方向外方に延在する延在領域を有するとともに、
    前記延在領域には、前記耐食性被膜が設けられることを特徴とする燃料電池。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料電池において、前記耐食性被膜が設けられる一方の前記金属セパレータに前記固体高分子電解質膜を挟んで対向する他方の前記金属セパレータには、一方の前記金属セパレータにおける前記耐食性被膜が設けられる範囲と同一の範囲に該耐食性被膜が設けられることを特徴とする燃料電池。
  8. 固体高分子電解質膜の両側に、それぞれ電極触媒層及びガス拡散層を有する電極が設けられる電解質膜・電極構造体を、プレート面が波形状に成形された一対の金属セパレータで挟持するとともに、前記金属セパレータには、電極面に沿って反応ガスを供給する反応ガス流路が形成される燃料電池であって、
    前記金属セパレータには、前記電解質膜・電極構造体に接する凸部と前記電解質膜・電極構造体から離間する凹部とが交互に成形され、前記凹部に沿って複数本の反応ガス流路溝が形成されることにより、前記反応ガス流路が設けられるとともに、
    前記反応ガス流路溝は、前記反応ガス流路の反応ガス流れ方向に交差する幅方向外方に配置される端部反応ガス流路溝を有し、
    一方の前記金属セパレータの前記電極触媒層の外周端部に対向し且つ他方の前記金属セパレータの前記端部反応ガス流路溝の内方に位置する前記凸部には、当該他方の前記金属セパレータの少なくとも前記外周端部に対向する位置から当該他方の前記金属セパレータの外周側に連なる外部領域に、耐食性被膜が設けられる一方、
    少なくとも他方の前記金属セパレータにおいて、前記外部領域よりも内方に延在する内部領域は、前記外部領域に設けられる前記耐食性被膜と同一材料の被膜を設けない領域を構成することを特徴とする燃料電池。
  9. 請求項8記載の燃料電池において、前記固体高分子電解質膜の一方側に設けられる第1の電極触媒層は、前記固体高分子電解質膜の他方側に設けられる第2の電極触媒層よりも小さな平面寸法を有するとともに、
    前記端部反応ガス流路溝の内方に位置する前記凸部は、前記第1の電極触媒層の外周端部に対向することを特徴とする燃料電池。
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