JP6131902B2 - 含水バラ物への薬液添加装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水分を含む鉱石や石炭等の含水バラ物を、運搬船やはしけ(艀)などから橋形クレーンやアンローダまたは連続式アンローダ(または、単にアンローダ等という)のバケットによって荷揚げする時、湧水が発生することによって起こるベルトコンベア上の荷揚げ障害を解消するために開発された、含水バラ物への薬液添加装置に関する。
鉱石や石炭などのバラ物は、大部分が外国から輸入されており、そのほとんどが船舶によって輸送されている。これらのバラ物、特に鉱石や石炭は、近年、高水分のものが多く、その水分は輸送過程においてバラ物と分離して船倉底部に溜まった状態になる。その結果、アンローダ等による荷揚げ過程の中盤或いは後半において、荷揚げのためのグラブバケットによる掴み取り後に窪みができ、そこに粉体と水分とが混濁して懸濁湧水となって溜まる(図1参照)だけでなく、やがてスラリー状態となって荷揚げ障害を引き起こすという問題があった。この問題は、バケットコンベア等からなる連続式アンローダ等のバケットによる荷揚げ過程でも同様に発生する。なお、図1中、1は船倉、2は含水バラ物、3は懸濁湧水、4は窪み、5はアンローダ、6はグラブバケットである。
また、船舶からの荷揚げ中に豪雨等が発生したときは、荷揚げを継続するか否かにかかわらず、バラ物が高水分となって、同様な荷揚げ障害現象を生じることになる。
このことは、雨季を持つ国においても同様であり、船舶を含め橋形クレーンやアンローダを覆う屋根を備えないと、荷揚げ中のバラ物が高水分となり、荷揚げの継続に伴ってやがてスラリー状態となり、荷揚げ障害に至るという問題があった。
このような問題に対し、従来、特許文献1および2に開示されているような方法、すなわち、湧水が発生しているときは、一旦、その湧水を排水設備(吸引機)によって汲み揚げた後、荷揚げを再開するという方法などが提案されてきた。
特開昭60−204526号公報 実公昭50−13339号公報 特開昭61−60784号公報 特開昭61−164658号公報
しかしながら、特許文献1および2で提案している汲み出し排水方法は、湧水を汲み揚げるために、船舶を排水(汲み揚げ)設備のある場所までその都度移動させるか、あるいは、排水(汲み揚げ)設備自体を移動させて船倉内から汲み揚げるなどの必要があり、作業時間が長くなるという問題があった。
とりわけ、湧水というのは、荷揚げ途中のグラブバケットによる掴み取り後に生ずる窪みに発生することから、上記のような汲み出し排水方法では、湧水の汲み揚げ作業をたびたび繰り返す必要があって、荷揚げ作業の中断、再開を繰り返すことで、作業効率が大幅に低下するという問題があった。
特に、近年では、鉱石や石炭は劣悪なもの、例えば、高水分含有率のものが多くを占めるようになり、こうした問題がより顕在化している。
また、荷揚げする鉱石や石炭の水分含有率が高いと、バラ物は、湧水発生の前から流動しやすくなっていて、荷揚げ時のベルトコンベアによる搬送に支障をきたすようになり、搬送のトラブルのほかに、ベルトコンベア設備の保全上の問題も多発していた。
さらに、特許文献1および2で提案している従来技術は、湧水のみを汲み揚げることを想定しているが、グラブバケットによる掴み取り後に生じる窪み部分には、粒径の大きいバラ物から分離した粒径の小さい粉体が流入して、多くは泥状(スラリー)化していることが多い。このようなスラリー状の液体を汲み揚げる場合、従来の排水設備では汲み揚げが困難であって、湧水が発生する毎に、作業能率はさらに落ちるが、そのまま荷揚げした場合には、前述したように、荷揚げしたバラ物が流動性に富んでいるため、ベルトコンベア上から流出しやすく、これもまた、荷揚げ障害を生じさせることとなる。
これらの問題に対し、発明者らは、特許文献3および4で提案されている含水率低減方法に着目し、検討を重ねた。しかしながら、上掲特許文献3および4に記載された方法では、固体である吸水性樹脂を使用するために、荷揚げ時のバラ物と均一に接触させることが難しいという問題と、吸水性樹脂は水分を含むと膨潤するためにベルトコンベアから落下しやすいという問題があることが分かった。また、吸水性樹脂は、最終的にバラ物と分離する必要があることから、含水バラ物の荷揚げの際に利用することは、工業上極めて困難であった。
本発明は、上記した現状に鑑み開発されたもので、含水バラ物の荷揚げの際に不可避的に発生するスラリー状の湧水によるベルトコンベア上の荷揚げ障害を解消するための、含水バラ物への薬液添加装置を提案することを目的とする。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.鉱石や石炭を含む含水バラ物を、橋形クレーンやアンローダのグラブバケットを用いて、貨物船からベルトコンベア上に荷揚げし、該ベルトコンベアで、該含水バラ物をヤードまで搬送する際に、該含水バラ物に薬液を添加する装置であって、
薬液を添加する添加手段と、薬液の添加量を制御する添加量制御手段と、薬液添加の開始および停止を判断するための情報を集めるセンサーと、添加する薬液を収納する薬液タンクと、該薬液タンクから上記添加手段まで薬液を搬送する搬送ホースとを備える、含水バラ物への薬液添加装置。
2.前記添加手段が、ストレートタイプノズル、または三又ノズルタイプを有する、前記1に記載の含水バラ物への薬液添加装置。
3.前記添加量制御手段が、ポンプを有する、前記1または2に記載の含水バラ物への薬液添加装置。
4.前記添加量制御手段が、さらに、バルブと、ノズルの距離調整手段を有する、前記3に記載の含水バラ物への薬液添加装置。
5.前記センサーが、羽子板スイッチとリミットスイッチを有する、前記1〜4のいずれか1項に記載の含水バラ物への薬液添加装置。
本発明によれば、貨物船の船倉内で、荷場げの途中に、粉体が懸濁した懸濁湧水が発生してバラ物に含有し、バラ物の含水率が上昇した場合であっても、バラ物や、湧水由来の含有水がベルトコンベアから溢れることなく搬送可能となり、懸濁湧水の汲み揚げ作業を行なう必要がなくなる。そのため、従来のように荷揚げ作業を中断させる必要がなく、連続的な荷揚げ作業を行なうことができるので、荷揚げ効率が向上する。
貨物船内バラ物をアンローダのグラブバケットを使って荷揚げする様子を示す説明図である。 鉱石や石炭を含む含水バラ物を、貨物船から荷揚げし、さらに、ベルトコンベアで、含水バラ物を、その保管場所であるヤードまで搬送する様子を示す図である。 (a)および(b)は、本発明における薬液を添加する添加手段を示す図である。 本発明における薬液の添加量を制御する添加量制御手段を示す図である。 本発明の装置が行う4つのパターンを示す図である。 羽子板スイッチとリミットスイッチを有するセンサーを示す図である。 本発明の装置のコントロールフローを示す図である。 (a)〜(e)は、懸濁湧水に高分子凝集剤を添加した時の作用を説明する概念図である。 鉱石専用船と荷揚げ後のベルトコンベアによる搬送ルートを示す図である。
以下、本発明を、図面を用いて具体的に説明する。
本発明の装置は、図2に示すように、鉱石や石炭(または、単に「鉱石類」と言う)を含む含水バラ物(または、単に「バラ物」と言う)を、橋形クレーンやアンローダのグラブバケットを用いて、貨物船から、アンローダ機内のホッパーまたは、直接ベルトコンベア上に荷揚げし、さらに、ベルトコンベア(または、「BC」と言う)で、含水バラ物を、その保管場所であるヤードまで搬送する際に、薬液を添加する装置である。
そして、上記装置は、薬液を添加する添加手段と、薬液の添加量を制御する添加量制御手段と、薬液添加の開始および停止を判断するための情報を集めるセンサーと、添加する薬液を収納する薬液タンクと、該薬液タンクから上記添加手段まで薬液を搬送する搬送ホースとを備えるところに特徴がある。
[薬液を添加する添加手段]
本発明における薬液を添加する添加手段は、図3(a)および、(b)に示すように、搬送ホースとのジョイント部、配管、液体を噴霧するノズル部からなり、それら構成品は、一般的に液体を噴霧する際に用いられるものであって、含水バラ物をヤードまで搬送する際に、所定量の薬液を添加することができるものであれば、特に限定はされないが、図3(a)に示したストレートタイプノズル、または図3(b)に示した三又ノズルタイプとすることが最も好ましい。
また、上記添加手段の設置場所は、BCジャンクション部、BC上、アンローダ機内のホッパー、およびホッパーからの切り出し部から選ばれる1箇所が好ましいが、複数箇所に設置することもできる。
[薬液の添加量を制御する添加量制御手段]
本発明では、薬液の添加量を制御する添加量制御手段として、図4に示すように、ノズルの距離調整手段、バルブおよび、送液用のポンプを備えていることが好ましい。
本発明に従う薬液の添加量を制御する添加量制御は、バルブを用いて、その開度調整をすることで行うことができる。また、ポンプの薬液吐出量を調整したり、ノズルの先端開度や、ノズル本数の変更、ノズルの距離調整手段を用いて、鉱石類とノズルとの距離などを調整したりすることなどで、鉱石類への薬液の添加量をそれぞれ制御することができる。
ここで、薬液の添加量は、鉱石類の性状によって適宜実験を行い、求めることができるが、鉱石類の搬送量が500〜2000ton/h程度の時は、薬液の添加量を50〜600kg/h程度とすることが望ましい。
なお、上記したバルブは、一般に薬液の搬送経路に用いられるものであれば特に限定はない。また、ノズルの距離調整手段は、薬液を添加する添加手段を上下させるものや、搬送ホースとのジョイント部とノズル部の間の配管を伸縮させる機構などを採用することができる。
ここで、ポンプや、バルブ、ノズルの距離調整手段は、必須の構成要件ではなく、いずれかを選択して用いることができ、薬液の添加量等によっては用いなくても良い。
また、本発明は、図4に示したように、添加する薬液を収納する薬液タンクと、薬液タンクから上記添加手段まで薬液を搬送する搬送ホースと備えているが、添加に必要な薬液種および薬液量を収納、搬送できれば、構造材の材質に制限はなく、薬液タンクの容量や搬送ホース径は、設備の大きさやバラ物の搬送量に応じて適宜選択することができる。
[薬液添加の開始および停止を判断するための情報を集めるセンサー]
本発明に従う装置は、図5に示す4つのパターンを実施する必要がある。
図中、Iは、薬液の添加を行うべきパターンであって、薬液添加用BCが稼働していて、かつ該BC上に荷がある状態(図中の略絵参照)である。
IIは、薬液の添加を停止すべきパターンであって、薬液添加用BCが稼働していて、かつ該BC上に荷がない状態(図中の略絵参照)である。
IIIは、薬液の添加を停止すべきパターンであって、薬液添加用BCが停止していて、かつ該BC上に荷がある状態(図中の略絵参照)である。
IVは、薬液の添加を停止すべきパターンであって、薬液添加用BCが停止していて、かつ該BC上に荷がない状態(図中の略絵参照)である。
上述した、4つのパターンを確実に行うため、本発明では、BCのモーターが稼働していること、および、湧水鉱石類が流れていることを確認するために、薬液添加の開始および停止を判断するための情報を集めるセンサーを有する必要があるが、このセンサーは、羽子板スイッチとリミットスイッチを有することが好ましい。図6に示すように、BC上に荷があることを正確に検知することができるからである。また、BCのモーターが稼働していることは、BCのモーターの稼働・非稼働にかかる電気信号を、モーターから直接入手することも、電気室から電気信号で得ることもできる。
このセンサーは、薬液を添加する添加手段がBC上に設置されている場合、この設置されたBCよりも前のBCに設置することが重要である。
また、ホッパーやホッパーから切り出し部に、薬液を添加する添加手段が設置されている場合、アンローダ等が動いていることを確認するセンサーとなる。
なお、BC上の鉱石類が湧水を有しているか否かの判断は、作業者が目視で行うこともできるが、BC上の原料安息角からの判断や、原料表面のビデオ画像からの画像解析、BC上で自動的に原料を回収しての分析をして、自動で判断させることもできる。
次に、上記装置を用いた薬液の添加手順について説明する。
一般に、図1に示したように、貨物船の船倉(荷室)1に収容されているバラ物2と呼ばれている鉱石類を、橋形クレーンやアンローダ5、または、連続式アンローダのバケットを使って荷揚げする際、鉱石類堆積層の下層部分には湧水からなる水溜りが発生する。そして、荷揚げ作業が進み、荷揚げ作業が鉱石類堆積層の中層から下層部分に達すると、含水バラ物堆積層の一部には窪み4が生じる。その窪み4内に、主に礫状の鉱石類から分離した粉体が分散して懸濁した懸濁湧水3が溜まることが知られている。
船倉1内の含水バラ物2の堆積層に発生する懸濁湧水3は、荷揚げが進むと共に、次第にスラリー化して、アンローダ5のグラブバケット6などでの荷揚げが困難になる。というのは、一旦、スラリー化したものは、たとえグラブバケット6で掴み得たとしても、アンローダ機内のホッパー(図示省略)やベルトコンベア部分(図示省略)で流出してしまい、アンローダの運転を継続できなくなるからである。特に、船倉1の底部では、懸濁湧水がスラリー化することが多く、荷揚げ作業をしばしば中断して、排水作業をしなければならない。
そこで、本発明では、バラ物の含水率が高く、荷役能率が悪化する時、アンローダ機(連続式アンローダ機含む)内のホッパー内に装入されたバラ物、またはベルトコンベア上に荷揚げされたバラ物に対して、高分子凝集剤を添加して粒子の凝結・凝集を起こさせて粒状化させる、すなわち凝集物とすることで、湧水をバラ物とともに搬送することを可能とし、荷揚げ作業の中断を防止し、荷揚げ効率の向上を図るようにした。なお、添加場所は、BCジャンクション部、BC上、アンローダ機内のホッパー、およびホッパーからの切り出し部から選ばれる、1箇所が好ましいが、複数箇所でもよい。
本発明に従う装置を用いることで、鉱石類等の含水バラ物2と共に懸濁湧水3を、正確にはその懸濁湧水3の構成成分を、固体状態(凝集物)にして、ベルトコンベアによる搬送を可能とするのである。
具体的なコントロールフローは、図7に示すように、BCの稼働・非稼働を優先して判断することが重要である。BCが非稼働状態で薬液が添加されると、薬液は粘性高のため、BC下に貯まって設備トラブルの元となるからである。また、BCが稼働していても、BC上に荷がない状態で薬液が添加されると、BCのゴム劣化が生じるおそれが生じるとともに、この場合も、薬液がBC下に貯まって設備トラブルの元となるからである。
〔搬送可能となる原理〕
図8(a)および(b)は、粉体:Pを含む懸濁湧水に含まれる水:Wmと、それに添加される高分子凝集剤:Aを示すものである。このAがP+Wmに添加されると、図8(c)に示すように、WmとPの一部が、高分子凝集剤:Aにおける分子鎖の枝状に広がったポリマー:Bに絡め捕られるようにして凝結し、図8(d)に示すような粒径の小さい凝結粒子7の幾つかを形成する。その後、混合(ジャンクション部位での落下混合を含む)と共に、その凝結粒子7の複数個が、やがて凝集(集合)して、図8(e)に示すような粒径の大きな凝集粒子8へと成長する。従って、本発明における含水バラ物の凝集物とは、上記した凝集粒子と凝結粒子とが任意の比率(いずれかが100%であっても良い)で構成されているものである。なお、本発明における%表示は、特に断らない限り、mass%を意味する。
図8(e)に示したような段階になると、Wmは固化した状態となって、バラ物に付着する付着状態となる。かかる状態となることにより、バラ物は、ベルトコンベアでの搬送が容易となって、懸濁湧水自体もバラ物と共に、ベルトコンベアから溢流することなく搬送することができ、もって、原料ヤードなどへのバラ物の送給がトラブル無くできるようになるのである。
また、本発明における薬液を構成する成分は、N,C,Hといった、次工程の焼結機での焼成の際に燃え、製品中に残らないものなので、薬液分離の必要が要らない。従って、本発明は、薬液分離の工程がいらないというメリットを有している。
さらに、上述したように、水や、バラ物の溢流が生じると、ベルトコンベア背面に生じる付着水や、付着粉により、バラ物等の搬送に支障が出る他、コンベアロールおよび駆動系に、付着水や、付着粉に起因する故障が発生するが、本発明では、水やバラ物が、ベルトコンベアから溢流することがないため、高含水率のバラ物搬送時であっても、これらの問題が効果的に防止できるのである。
〔高分子凝集剤〕
本発明では、高分子凝集剤を主成分とした薬剤を薬液として使用する。あるいは薬剤が固体状であれば、溶液に分散させ薬液として使用する。
また、上記高分子凝集剤としては、高分子のもつ静電気力または水素結合によって、粉体に吸着活性を生じて粉体間架橋作用を起すもので、固粒化構造を形成して凝結粒子(凝集物)を形成させる効果を有するものであれば、いずれも使用可能である。例えば、粉末、頼粒状または液状の有機系凝集剤である、ポリアクリルアミド系(アルリルアミドとアクリル酸ナトリウムを共重合したもの)、ポリビニルアミジン系、両性高分子系の凝集剤などは、凝結作用のみならず、凝集作用を発揮するので好ましい。なお、公知の無機系凝集剤をさらに混ぜて併用することとしてもよい。
さらに、上記高分子凝集剤として、アクリル酸カチオンポリマー、アクリルアミド系カチオンポリマー、メタクリル酸系ポリマー、メタクリル酸アミノエステルカチオンポリマー、アミジンポリマー、アニオン性W/O型エマルジョンポリマーなどを使用することもできる。
本発明において、高分子凝集剤が主成分であるとは、一般に、凝集効果があると認められている量以上の高分子凝集剤を含有している薬剤を指し、通常は高分子凝集剤40%程度以上の含有量の薬剤である。勿論、高分子凝集剤:100%のものを、そのまま薬剤として用いても構わない。
なお、薬剤が固体状、または液体であって薄めて使用するものの場合、溶液は、水、有機溶媒が挙げられ、溶質は、C,H,N,Oの重合体、溶媒は、炭化水素系溶媒(C,H,Oのみ)が挙げられる。
さらに、本発明における薬液の添加量は、バラ物の含水量に対して0.1〜1%程度含まれていることが好ましい。
というのは、上記範囲を満足すると、後述する試験結果からも確認されたことであるが、過水分による流動性が低下すると共に、凝集剤を過剰に投与した際の粘着性が発現しないためである。
なお、上記添加量は、バラ物の含水量に対して0.15〜0.4%程度含まれていることがより好ましい。また、本発明において、薬液の添加比率(量)は、上述したようにバラ物の含水量に対する比率である。
ここに、薬液の添加速度は、特に限定はなく、設備等によって適宜設定すればよいが、一例としては、2〜10(L/min)程度が挙げられる。
以上、カラジャス鉄鉱石を例に本発明を説明したが、本発明の条件に従う限り、他の鉱石類でもよく、新規な鉄鉱石の場合は、前記した実験一や二などに記載した実験対象を新規な鉄鉱石として実施することで、上記の含水率の目標値を定めることができる。なお、湧水由来の含有水がベルトコンベアから溢れることを極力避けるために、安全をとるならば、含水率:9.6%以上の領域に至る時期の荷揚げから、バラ物に薬液添加を開始すればよい。なお、本発明における含水率(量)は、バラ物の質量に対する水分量の比率である。
〔実施例1〕
図9における第2ベルトコンベア上を薬液添加位置として、以下の実験を実施した。
鉄鉱石の荷揚げで、含水率が7.9〜23%のカラジャス鉄鉱石を、運搬船から荷揚げするに当たり、表1に示した条件で、薬液をそれぞれ添加した。
Figure 0006131902
ここに、薬液は、クリサットC-333L,ハイブリットポリマーαとした。なお、クリサットC-333L,ハイブリットポリマーαは、共に液体である。
添加効果は、ベルトコンベアのリターン側およびベルトコンベア端部位置のジャンクション部を、荷揚げが終了した後撮影して、それぞれ判定した。
さらに、第2ベルトコンベアを停止する(図5:パターンIII)、第1ベルトコンベアを停止する(図5:パターンII)、第1ベルトコンベアを停止後、第2ベルトコンベア上のカラジャス鉄鉱石がなくなった後に第2ベルトコンベアを共に停止する(図5:パターンIV)、の3パターンを実施した。
判定の結果、図9中の、aおよびbの位置において若干の付着物生成があったほかは、c位置以降(第3ベルトコンベア以降の、リターン側およびベルトコンベア端部位置のジャンクション部)では付着物が生じることなく、カラジャス鉄鉱石の荷揚げができることが分った。なお、荷揚げ効率は約90%であった。
さらに、第2ベルトコンベアを停止する、第1ベルトコンベアを停止する、第1ベルトコンベアを停止後、第2ベルトコンベア上のカラジャス鉄鉱石がなくなった後に第2ベルトコンベアを共に停止する、の3パターンにおいては、いずれも薬液の添加は止まり、薬液がBC上にもBC下にも溜まることは無かった。
〔実施例2〕
図9における第1ベルトコンベアのホッパー(図示せず)下流のベルトコンベア上を、薬液添加位置として、以下の実験を実施した。
添加条件は実施例1と同じであり、薬液も同じ成分とした。また、添加効果の判定も実施例1と同様にした。
さらに、第1ベルトコンベアを停止する(図5:パターンIII)、ホッパーからの排出を停止する(図5:パターンII)、ホッパーからの排出を停止後、第1ベルトコンベア上のカラジャス鉄鉱石がなくなった後に第1ベルトコンベアを共に停止する(図5:パターンIV)、の3パターンを実施した。
判定の結果、図9中の、a位置において若干の付着物生成があったほかは、b位置以降(第2ベルトコンベア以降の、リターン側およびベルトコンベア端部位置のジャンクション部)では付着物が生じることなく、カラジャス鉄鉱石の荷揚げができることが分った。
さらに、第1ベルトコンベアを停止する、ホッパーからの排出を停止する、ホッパーからの排出を停止後、第1ベルトコンベア上のカラジャス鉄鉱石がなくなった後に第1ベルトコンベアを共に停止する、の3パターンにおいては、いずれも薬液の添加は止まり、薬液がBC上にもBC下にも溜まることは無かった。
また、従来のカラジャス鉄鉱石の輸送では、前述したように、カラジャス鉄鉱石自体に水分が多く含まれていて、陸上への荷揚げに際して、湧水が多く発生していた。そのため、間欠的に懸濁湧水の除去(排水)作業を行ないつつ、鉄鉱石の荷揚げを実施していた。
ここに、湧水の発生がない時の鉄鉱石の荷揚げ効率を100%とした時、排水作業を行なう従来の荷揚げ方法では、荷揚げ効率が65%にまで低下していた。しかしながら、上記した実施例では、本発明に適合する荷揚げ方法を採用することで、いずれも約92%の荷揚げ効率を達成することができた。
〔実施例3〕
豪雨時に、アンローダによる荷揚げを継続し、水分過多となる鉄鉱石の荷揚げの場合も本発明による効果が得られる。
実験手順は、豪雨中もアンローダのグラブバケットによる荷揚げを継続し、荷揚げ作業が進め、荷揚げ後半の下層部分に達する段階で豪雨による高水分化により湧水が観察され始めた状態にある鉄鉱石を運搬船から荷揚げする際、アクリルアミド系高分子凝集剤を図9における第2ベルトコンベアに、本発明に従う薬液添加装置を設置して、薬液を添加することとした。
この場合において、豪雨による湧水の発生がない時の鉄鉱石の荷揚げ効率を100%とした時、排水作業を行なう従来の荷揚げ方法では、湧水発生後は、荷揚げ効率が65%にまで低下した。しかしながら、本発明に適合する荷揚げ方法を採用することで、豪雨による湧水の発生後も、約90%の荷揚げ効率を維持することができた。
本発明の含水バラ物への薬液添加装置は、例示した含水鉱石や石炭の他、砂利、砂、穀物等のバラ物の荷揚げ作業にも適用が可能である。
1 船倉
2 バラ物
3 懸濁湧水
4 窪み
5 アンローダ
6 グラブバケット
7 小さい凝結粒子
8 大きい凝集粒子
A 高分子凝集剤
B ポリマー
P 粉体
Wm 水

Claims (7)

  1. 鉱石や石炭を含む含水バラ物を、橋形クレーンやアンローダのグラブバケットを用いて、貨物船からベルトコンベア上に荷揚げし、ベルトコンベアを介して、該含水バラ物をヤードまで搬送する際に、該含水バラ物に薬液を添加する装置であって、
    前記薬液を添加する添加手段と、前記薬液の添加量を制御する添加量制御手段と、
    前記薬液の添加を行うべきパターンとして、前記薬液添加を行うベルトコンベアが稼働しかつ該ベルトコンベア上に前記含水バラ物がある状態、前記薬液の添加を停止すべきパターンとして、前記薬液添加を行うベルトコンベアが稼働しかつ該ベルトコンベア上に前記含水バラ物がない状態、前記薬液の添加を停止すべきパターンとして、前記薬液添加を行うベルトコンベアが停止していてかつ該ベルトコンベア上に前記含水バラ物がある状態および、前記薬液の添加を停止すべきパターンとして、前記薬液添加を行うベルトコンベアが停止していてかつ該ベルトコンベア上に前記含水バラ物がない状態を判断するための情報を集めるセンサーと、
    添加する前記薬液を収納する薬液タンクと、
    該薬液タンクから記添加手段まで薬液を搬送する搬送ホースとを備える、含水バラ物への薬液添加装置。
  2. 前記添加手段が、ストレートタイプノズル、または三又ノズルタイプを有する、請求項1に記載の含水バラ物への薬液添加装置。
  3. 前記添加量制御手段が、ポンプを有する、請求項1または2に記載の含水バラ物への薬液添加装置。
  4. 前記添加量制御手段が、さらに、バルブと、ノズルの距離調整手段を有する、請求項3に記載の含水バラ物への薬液添加装置。
  5. 前記センサーが、羽子板スイッチとリミットスイッチを有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の含水バラ物への薬液添加装置。
  6. 前記含水バラ物の搬送量が500〜2000ton/hのとき、前記薬液の添加量が50〜600kg/hである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の含水バラ物への薬液添加装置。
  7. 前記薬液の添加速度が、2〜10L/minである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の含水バラ物への薬液添加装置。
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