JP6130951B1 - 換気設備、トンネル換気設備、及びトンネル換気方法 - Google Patents

換気設備、トンネル換気設備、及びトンネル換気方法 Download PDF

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Abstract

【課題】トンネルが長距離に及ぶ場合や複数に分岐する場合等におけるエネルギー効率に優れるトンネル換気設備及びトンネル換気方法を提供する。【解決手段】トンネル換気設備Xは、坑口81側に備わる主送風路11及び主送風手段21と切羽82側に備わる従送風路12とを有し、主送風路11と従送風路12との間には鞘管31が備わる。従送風路12の坑口81側端部は鞘管31の切羽側端部と繋がり、鞘管31の坑口81側端部内周面と主送風路11の切羽82側端部外周面との間には制御流路が存在し、制御流路には風向計で得られた風向情報に基づいて主送風手段21の送風量を補正制御する補正制御手段53とが備わる。トンネルTを換気するにあたってはトンネルT内の汚染濃度に基づいて従送風路12の送風量を制御し、主送風路11を補正制御するに先立って主送風路11の送風量を従送風路12の送風量の所定倍となるように一次制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、換気設備、トンネル換気設備、及びトンネル換気方法に関するものである。
トンネルの掘削工法に使用するトンネル換気設備としては、トンネル外の新鮮な空気(外気)を送風するための送風路が備わる設備が存在する。この設備に備わる送風路としては、難燃性や軟質性を有するプラスチック、プラスチックコーティング布等からなる風管が多用されている。これらの風管は、掘削の進行に応じた融通性が高く、しかも安価である。
一方、道路や鉄道、地下備蓄基地、地下発電所等の建設に伴うトンネルは、長距離に及ぶことや複数に分岐することがある。また、複数に分岐するトンネルとしては、縦坑、横坑、斜坑等の坑道(いわゆるアクセストンネル)の先端部から、本坑、先進導坑、避難坑、水抜き坑等が分岐するトンネルや、主たるトンネルの途中から1又は複数のトンネルが分岐するトンネル等、様々な態様のトンネルが存在する。いずれにしても、これらのトンネルは、複雑な構造を呈することになる。
このような長距離に及ぶトンネルや複数に分岐するトンネルにも、短い、あるいは分岐しないトンネルの場合と同様に、送風路、特に風管が備わるトンネル換気設備が使用されている。ただし、トンネルが長距離に及ぶ場合や複数に分岐する場合には、トンネルの坑口側に主たる風管(主風管)を配置し、トンネルの切羽側に従たる風管(従風管)を配置し、主風管及び従風管を連通させている。
具体的には、例えば、特許文献1は、主たるトンネルの途中から2本のトンネルが分岐する場合を例に、次のような提案をしている。
すなわち、「吸込口に送風手段を設けた本管の途中の適宜箇所から分岐管を分岐せしめ、該分岐部分の下流側の本管および分岐管内に、各々先端開口部を絞ったレデューサを設けたことを特徴とする分岐管付き風管」である。
しかしながら、この風管を使用すると、分岐管の送風量が増えると本管が負圧となるため、本管が軟質性を有する場合は、萎んでしまうという問題が生じる。そこで、風管を採用する場合は、送風手段を大型化し、分岐管及び本管の送風量を常に最大に固定する必要がある。しかるに、これではエネルギー効率に劣るものとなる。また、坑口近隣の環境等によっては、送風手段を搬入することができない可能性もある。
特開平3−279741号公報
本発明が解決しようとする主たる課題は、トンネル等の換気する空間が長距離に及ぶ場合や複数に分岐する場合等においても利用することができるエネルギー効率に優れる換気設備、トンネル換気設備、及びトンネル換気方法を提供することにある。
上記課題を解決するための手段は、次のとおりである。
(請求項1に記載の態様)
主送風路、主送風手段、及び従送風路と、
前記主送風路及び前記従送風路間に備わる鞘管と、
を有し、
前記鞘管の内周面と前記主送風路の外周面との間に制御流路が存在し、
この制御流路の風向計と、この風向計で得られた風向情報に基づいて前記主送風手段を制御する補正制御手段と、が備わる、
ことを特徴とする換気設備。
(請求項2に記載の態様)
トンネルの坑口側に備わる主送風路及び主送風手段と、
前記トンネルの切羽側に備わる従送風路と、
前記主送風路及び前記従送風路間に備わる鞘管と、
を有し、
前記従送風路の坑口側端部が前記鞘管の切羽側端部と繋がり、
前記鞘管の坑口側端部内周面と前記主送風路の切羽側端部外周面との間に制御流路が存在し、
この制御流路の風向計と、この風向計で得られた風向情報に基づいて前記主送風手段の送風量を制御する補正制御手段と、が備わる、
ことを特徴とするトンネル換気設備。
(請求項3に記載の態様)
前記補正制御手段は、
前記風向情報が切羽方向である場合は前記主送風手段の送風量を増やし、他方、前記風向情報が坑口方向である場合は前記主送風手段の送風量を減らす、
請求項2に記載のトンネル換気設備。
(請求項4に記載の態様)
前記制御流路の風速計が備わり、
前記補正制御手段は、前記主送風手段の送風量を減らすのを、前記風速計で得られる風速情報が所定値以下になるまで行う、
請求項3に記載のトンネル換気設備。
(請求項5に記載の態様)
前記トンネルの切羽側に備わる従送風手段と、
前記トンネル内の汚染濃度を計測する濃度計と、
を有し、
前記濃度計で得られた濃度情報に基づいて前記従送風手段の送風量を制御する従制御手段が備わる、
請求項2〜4のいずれか1項に記載のトンネル換気設備。
(請求項6に記載の態様)
トンネルの坑口側に主送風路を配置し、
前記トンネルの切羽側に従送風路を配置し、
前記主送風路と前記従送風路との間に鞘管を配置し、
前記従送風路の坑口側端部を前記鞘管の切羽側端部と繋ぎ、
前記主送風路の切羽側端部を前記鞘管の坑口側端部に挿入して、前記鞘管の坑口側端部内周面と前記主送風路の切羽側端部外周面との間に制御流路を形成し、
この制御流路内の空気が切羽方向へ流れる場合は、前記主送風路の送風量を増やし、他方、前記制御流路内の空気が坑口方向へ流れる場合は、前記主送風路の送風量を減らす、
ことを特徴とするトンネル換気方法。
(請求項7に記載の態様)
前記主送風路の送風量を減らすのを、前記制御流路内の空気の風速が所定値以下になるまで行う、
請求項6に記載のトンネル換気方法。
(請求項8に記載の態様)
前記トンネル内の汚染濃度に基づいて前記従送風路の送風量を制御し、
前記主送風路の送風量を増やす又は減らすに先立って、前記主送風路の送風量を前記従送風路の送風量の所定倍となるように一次制御する、
請求項6又は請求項7に記載のトンネル換気方法。
(請求項9に記載の態様)
前記従送風路を複数配置し、
前記一次制御は、前記従送風路の送風量の合計値の所定倍となるように行う、
請求項8に記載のトンネル換気方法。
本発明によると、トンネル等の換気する空間が長距離に及ぶ場合や複数に分岐する場合等においても利用することができるエネルギー効率に優れる換気設備、トンネル換気設備、及びトンネル換気方法となる。
トンネル換気設備の概要図である。 トンネル換気設備の鞘管部分の拡大図である。 トンネル換気方法のフロー図である。 トンネルが分岐する場合におけるトンネル換気設備の概要図(1)、及びトンネルが長距離に及ぶ場合におけるトンネル換気設備の概要図(2)である。 トンネルが長距離に及ぶ場合におけるトンネル換気設備の変形例である。
次に、発明を実施するための形態を説明する。なお、この形態は本発明の1つの例であり、本発明はこの形態に限定されない。
図1に示すように、本形態のトンネル換気設備Xには、主送風路(主たる送風路)11及び主送風手段(主たる送風手段)21、並びに従送風路(従たる送風路)12及び従送風手段(従たる送風手段)22が備わる。また、主送風路11と従送風路12との間には、鞘管31が備わる。
主送風路11及び主送風手段21は、トンネルTの坑口81側に備わる。特に、主送風手段21は、坑口81付近に備わる。主送風路11は、主送風手段21を起点としてトンネルTの切羽82側へ延在している。
従送風路12及び従送風手段22は、主送風路11及び主送風手段21よりもトンネルTの切羽82側に備わる。従送風手段22は、主送風路11の切羽82側端部付近に位置している。従送風路12は、従送風手段22を起点としてトンネルTの切羽82側へ延在している。
主送風路11及び従送風路21は、両者で一本の送風路を構成している。つまり、主送風路11及び従送風路21は、連通している。ただし、主送風路11及び従送風路21は、直接的には繋がっていない。主送風路11及び従送風路21は、鞘管31を介して間接的に繋がっている。
また、図2にも示すように、従送風路12及び鞘管31は、直接的には繋がっていない。従送風路12の坑口81側端部と鞘管31の切羽82側端部とが、従送風手段22を介して間接的に繋がっている。なお、図示はしていないが、従送風手段22は、従送風路12の途中に位置していてもよい。この場合は、従送風路12の坑口81側端部と鞘管31の切羽82側端部とが、直接的に繋がる。
主送風路11や従送風路12としては、例えば、ダクト、風管(硬質風管も含む)等を使用することができる。ただし、経済性や施工性の観点からは、軟質性を有する風管(軟質風管)を使用するのが好ましい。また、トンネルT内であることを考えると、主送風路11や従送風路21としては、軟質性及び難燃性を有する風管を使用するのがより好ましい。軟質性を有する風管としては、例えば、ターポリンからなる風管を使用することができる。
主送風手段21は、トンネルT外の新鮮な空気(外気)を取り込み、主送風路11に送り込む手段である。主送風路11に送り込まれた空気は、鞘管31及び従送風手段22を介して従送風路12に送り込まれる。
従送風手段22は、主送風路11からの空気の従送風路12への送込みを促進する手段である。従送風路12に送り込まれた空気は、従送風路12の切羽82側端部から排気される。従送風路12の切羽82側端部は、通常、切羽82付近に位置する。
主送風手段21や従送風手段22としては、ファン(回転羽根)の備わる換気ファンを使用することができる。
従送風路12は、従送風手段22を介して間接的に鞘管31に繋がっている。これに対して、主送風路11は、鞘管31に繋がっていない。具体的には、主送風路11の切羽82側端部が鞘管31の坑口81側端部に挿入されている。この挿入により、鞘管31の坑口81側端部内周面と主送風路11の切羽82側端部外周面との間に制御流路32が形成されている。この制御流路32は、断面が環状の空間である。
この点、一般的には、鞘管31を使用すると、つまり、制御流路32が存在すると、この制御流路32から空気が流出するため、エネルギー効率が悪くなる。また、トンネルT内の空気が、鞘管31、更には従送風路12に流入する可能性もある。しかしながら、本形態において、以下で説明するように、各種の工夫を凝らしているため、エネルギー効率に優れ、また、トンネルT内の空気が流入する可能性もない。以下、具体的に説明する。
まず、制御流路32には、風向計41及び風速計42が備わる。
風向計41は、制御流路32内の空気が切羽82側(方向)へ流れるか、坑口81側(方向)へ流れるかを検知する計器である。図2には、空気が切羽82側へ流れる場合を「吸」として示している。また、空気が坑口81側へ流れる場合を「排」として示している。
風速計42は、制御流路32内を流れる空気の風速を計測する計器である。
風向計41で得られた風向情報(「坑口81方向」又は「切羽82方向」)は、風向信号として二次(補正)制御手段53に送られる。また、風速計42で得られた風速情報は、風速信号として二次制御手段53に送られる。
二次制御手段53は、風向計41からの風向信号及び風速計42からの風速信号に基づいて主送風手段21の送風量を制御する。具体的には、次のように制御する。
まず、風向計41からの風向信号が切羽82方向(吸)である場合は、主送風手段21の送風量を増やす(増量)。主送風手段21の送風量を増やすことで、トンネルT内の空気が制御流路32を通して鞘管31、更には従送風路12に流入するのを防止する。
他方、風向計41からの風向信号が坑口81方向(排)である場合は、主送風手段21の送風量を減らす(減量)。この送風量の減量は、風速計42からの風速信号が所定値以下になるまで、好ましくは1m/s以下になるまで行う。主送風手段21の送風量を減らすことで、主送風路11からの空気が制御流路32を通して多量に流出するのを防止する。このように空気の流出を防止すると、エネルギー効率が低下するのが防止される。
なお、風速信号の所定値を1m/s以下が好ましいとしているのは、つまり0m/sに設定せず1m/s以下と幅をもたせて空気の若干の排出を許容しているのは、風速の乱れ等に対応するためである。
二次制御手段53としては、例えば、PID制御器等を使用することができる。PID制御器は、風向信号及び風速信号に基づいて、例えば、主送風手段21に備わるファンの回転数を制御する。回転数を上げれば送風量が増え、回転数を下げれば送風量が減る。
トンネルTの切羽82付近には、濃度計43が備わる。この濃度計43は、切羽82付近の汚染濃度を計測する計器である。汚染濃度とは、粉塵、ガス(CO、NO2等)等の濃度である。何を計測の対象とするかは、適宜定めることができる。
濃度計43で得られた濃度情報は、濃度信号として従制御手段52に送られる。従制御手段52は、濃度計43からの濃度信号に基づいて従送風手段22の送風量を制御する。具体的には、次のように制御する。
まず、濃度計43からの濃度信号が予め定めた値(所定値)よりも高い場合には、従送風手段22の送風量を増やす(増量)。他方、濃度計43からの濃度信号が所定値よりも低い場合は、従送風手段22の送風量を減らす(減量)。
従制御手段52としては、例えば、PID制御器等を使用することができる。PID制御器は、濃度信号に基づいて、例えば、従送風手段22に備わるファンの回転数を制御する。回転数を上げれば送風量が増え、回転数を下げれば送風量が減る。
(換気方法)
次に、以上のトンネル換気設備Xを使用したトンネルの換気方法について説明する。なお、以下で説明する方法は、本発明の1つの例である。各種制御等の順序は、本発明の趣旨を阻害しない範囲で適宜変更することができる。
図3に示すように、本形態の方法においては、まず、従送風手段22を起動する(従送風手段起動)。また、主送風路11に備わるダンパ91を開く(ダンパ開)。トンネルTが分岐する等して後述する分岐チャンバ35が備わる場合は、分岐チャンバ35の下流にダンパ91が位置する。ダンパ91を開くことで、ダンパ91の下流に位置する従送風手段22及び従送風路12に空気を送り込むことができるようになる。
次に、濃度計43を使用して切羽82付近の汚染濃度を計測する(汚染濃度計測)。切羽82付近の汚染濃度は、切羽82又はこの付近での作業、例えば、マーキング、削孔、装薬、発破、ずり出し、コソク、一次コンクリート吹付け、支保工建込み、二次コンクリート吹付け等の作業毎に変化する。
具体的には、発破、一次コンクリート吹付け、二次コンクリート吹付け時等には、汚染濃度が高くなる。他方、これら以外の作業時には、汚染濃度が低くなる。したがって、必要な送風量、つまり、主送風路11及び従送風路12を通して送る空気の量も変化する。例えば、マーキング時には600m3/分、削孔時には900m3/分、装薬時には900m3/分、発破時には2000m3/分、ずり出し時には1500m3/分、コソク時には1200m3/分、一次コンクリート吹付け時には1500m3/分である。故に、汚染濃度の計測は、継続的に行う。
なお、以上は、トンネルの掘削工法が発破工法の場合の例である。しかしながら、トンネルの掘削工法がその他の工法、例えば、機械掘削工法等である場合も、各作業毎に汚染濃度が変化する。したがって、汚染濃度の計測は、トンネルの掘削工法いかんに関わらず、継続的に行う。
計測した汚染濃度は、汚染信号として従制御手段52に送る。従制御手段52は、汚染信号に基づいて従送風手段22の送風量を制御する(従送風手段制御)。この制御の方法は、前述したとおりである。従送風路12を流れる空気の実際の送風量は、従送風路12に備わる従風速計44を使用して計測することができる。
次に、主送風手段21を起動する(主送風手段起動)。主送風手段21の送風量は、一次制御手段51によって一次制御する(主送風手段制御)。主送風路11を流れる空気の実際の送風量は、主送風路11に備わる主風速計45を使用して計測することができる。
主送風手段21の一次制御の方法は、次のとおりである。
まず、従風速計44及び主風速計45で得られた風速情報を、それぞれ風速信号として一次制御手段51に送る。一次制御手段51は、従風速計44及び主風速計45からの風速信号に基づいて、主送風手段21の送風量が下記式の条件を満たすように主送風手段21を一次制御する。
主送風手段21の送風量=従送風手段22の送風量×α …(式)
上記式中の「α」は、予め定めた所定値、好ましくは1.05〜1.20、より好ましくは1.10である。所定値αが上記範囲を下回ると、トンネルT内の空気が制御流路32を通して、鞘管31、更には従送風路12内に流入し易くなる。他方、所定値αが上記範囲を上回ると、主送風路11からの空気が制御流路32を通して多量に流出する可能性がある。多量の空気の流出は、エネルギー効率の低下を意味する。
主送風手段21の一次制御を行ったら、次に、当該主送風手段21の二次制御(補正制御)を行う。
具体的には、まず、風向計41を使用して制御流路32内の空気が切羽82側へ流れるか(吸)、坑口81側へ流れるか(排)を検知する(風向検知)。得られた風向情報は、風向信号として二次(補正)制御手段53に送る。二次制御手段53は、風向信号が「吸」の場合は主送風手段21の送風量を増やす(主送風手段増量)。他方、風向信号が「排」の場合は、主送風手段21の送風量を減らす(主送風手段減量)。
ただし、主送風手段21の送風量を減らし過ぎると、トンネルT内の空気が制御流路32を通して、鞘管31、更には従送風路12内に流入してしまう可能性がある。また、主送風手段21が軟質風管等からなる場合は、当該風管が萎んでしまう可能性がある。したがって、主送風手段21の送風量を減らすには、どの程度減らすかの目安が必要である。そこで、風速計42を使用して制御流路32内を流れる空気の風速を計測する(風速計測)。得られた風速情報は、風速信号として二次制御手段53に送る。そして、二次制御手段53は、この風速信号が、所定値以下となるまで、例えば風速1m/s以下となるまで、主送風手段21の送風量を減らす。
以上のように、主送風手段21の二次(補正)制御を行うことで、制御流路32を流れる空気を確実に制御することができる。
すなわち、本来的には、従風速計44及び主風速計45で得られた風速情報に基づいて主送風手段21の送風量を制御(一次制御)すれば、制御流路32を通した空気の流出及び流入を制御することができる。しかしながら、主送風路11に破損等が存在すると、主送風計45に基づいて算出された送風量よりも、主送風路11の切羽82側端部における実際の送風量が少ないことになる。したがって、一次制御のみによると、意図せずにトンネルT内の空気が鞘管31、更には従送風路12に流入してしまう可能性がある。この流入を防ぐには、主送風手段21の送風量が必要以上に多くなるように設計しておくしかなく、エネルギー効率が悪い。しかるに、本形態のように、主送風路11の二次制御を行うと、意図せずにトンネルT内の空気が鞘管31、更には従送風路12に流入してしまうことがない。したがって、主送風手段21の送風量が必要以上に多くなるように設計しておく必要がなく、エネルギー効率に優れる。また、実際に送風量を増減するにあたっても、送風量が必要以上に多くなることがないため、この点でもエネルギー効率に優れる。
なお、前述したレデューサを使用する特許文献1の形態は、空気の流入や流出を防ぐために、送風路を分離させないとするものである。しかしながら、この形態は、送風路が萎んでしまう、あるいはエネルギー効率に劣るとの問題を有しているのは前述したとおりである。
(適用例)
次に、本形態の主な適用例について説明する。なお、以下の説明は、あくまで適用の例であり、その他の適用を否定する趣旨ではない。
本形態のトンネル換気設備Xは、トンネルTが複数に分岐する場合にも使用することができる。トンネルTが複数に分岐する場合は、例えば、図4の(1)に示すように、分岐チャンバ35で主送風路11を分岐させ、分岐した各主送風路の下流に、鞘管31、従送風手段22、及び従送風路12を配置する。したがって、鞘管31、従送風手段22、及び従送風路12が、それぞれ複数備わることになる。
この場合も、トンネルTの換気方法は、概ね前述したのと同様である。ただし、主送風手段21の一次制御は、下記式の条件を満たすように行う。
主送風手段21の送風量=複数の従送風手段22の送風量の合計値×α …(式)
なお、上記式中の「α」は、前述したのと同じである。
本形態のトンネル換気設備Xは、トンネルTが長距離に及ぶ場合にも使用することができる。トンネルTが長距離に及ぶ場合は、例えば、図4の(2)に示すように、トンネルTの坑口81側から切羽82側へ、主送風手段21、主送風路11、第1鞘管31a、第1従送風手段22a、第1従送風路12a、第2鞘管31b、第2従送風手段22b、第2従送風路12b、と順に配置する。つまり、トンネルTの長さに応じて、鞘管31、従送風手段22、及び従送風路12を、図示例のように2回又はそれ以上の複数回(図示せず)と繰り返し配置する。この場合も、トンネルTの換気方法は、概ね前述したのと同様である。また、主送風手段21を一次制御する方法は、トンネルTが複数に分岐する場合と同じである。
トンネルTが長距離に及ぶ場合は、トンネル換気設備Xを次のように構成することも考えられる。
すなわち、この形態においては、例えば、図5に示すように、トンネルTの坑口81側から切羽82側へ、第1の送風路13、第2の送風路14、及び第3の送風路15が、直列的に備わる。また、各送風路13,14,15には、それぞれ第1の送風手段23、第2の送風手段24、又は第3の送風手段が備わる。そして、第2の送風路14及び第2の送風手段24と、第3の送風路15及び第3の送風手段25とは、前述した実施形態の関係を有している。つまり、鞘管31を介して連通しており、前述した方法に従って制御される。
一方、第1の送風路13及び第1の送風手段23と、第2の送風路14及び第2の送風手段24とは、従来の中継器100を介して連通している。
(その他)
送風路11,12が分岐することや長くなることと、トンネルTが分岐することや長くなることとは、本来的には別問題である。つまり、トンネルTが分岐していなくとも送風路を分岐させることができる。また、トンネルTが長くなくとも複数の送風路を直列的に連続させることができる。そして、このような場合にも、本形態のトンネル換気設備Xを使用し、トンネルTを換気することができる。
トンネルTが複数に分岐する場合としては、例えば、主トンネルの途中から複数本の従トンネルが分岐する場合、縦坑、横坑、斜坑等の主トンネル(アクセストンネル)の先端部から本坑、先進導坑、避難坑、水抜き坑等の従トンネルが分岐する場合等がある。
上記形態例において、「主たる」との文言や「従たる」との文言は、トンネルの坑口側、つまり上流側に位置するか、あるいはトンネルの切羽側、つまり下流側に位置するかを意味するにとどまる。したがって、「主たる」との文言や「従たる」との文言は、それ以上の意味、例えば、重要性に勝るか劣るか、長さが長いか短いか、断面が広いか狭いか、坑口側から数えて第1番目のものであるか否か、等を含意するものではない。
送風量は、断面積と風速との関係で決まる。したがって、送風量は、例えば、風速を計測することで算出することができる。
鞘管としては、例えば、接続側(本形態では切羽82側)が窄まり、非接続側(本形態では坑口81側)へ向かって広がる一般的な鞘管を使用することができる。
本発明は、トンネルの掘削工法に使用する換気設備、トンネル換気設備、トンネル換気方法として利用することができる。
11 主送風路
12 従送風路
13 第1の送風路
14 第2の送風路
15 第3の送風路
21 主送風手段
22 従送風手段
23 第1の送風手段
24 第2の送風手段
25 第3の送風手段
31 鞘管
32 制御流路
35 分岐チャンバ
41 風向計
42 風速計
43 濃度計
44 従風速計
45 主風速計
51 一次制御手段
52 従制御手段
53 二次制御手段
81 坑口
82 切羽
91 ダンパ
100 従来の中継器
T トンネル
X トンネル換気設備

Claims (9)

  1. 主送風路、主送風手段、及び従送風路と、
    前記主送風路及び前記従送風路間に備わる鞘管と、
    を有し、
    前記鞘管の内周面と前記主送風路の外周面との間に制御流路が存在し、
    この制御流路の風向計と、この風向計で得られた風向情報に基づいて前記主送風手段を制御する補正制御手段と、が備わる、
    ことを特徴とする換気設備。
  2. トンネルの坑口側に備わる主送風路及び主送風手段と、
    前記トンネルの切羽側に備わる従送風路と、
    前記主送風路及び前記従送風路間に備わる鞘管と、
    を有し、
    前記従送風路の坑口側端部が前記鞘管の切羽側端部と繋がり、
    前記鞘管の坑口側端部内周面と前記主送風路の切羽側端部外周面との間に制御流路が存在し、
    この制御流路の風向計と、この風向計で得られた風向情報に基づいて前記主送風手段の送風量を制御する補正制御手段と、が備わる、
    ことを特徴とするトンネル換気設備。
  3. 前記補正制御手段は、
    前記風向情報が切羽方向である場合は前記主送風手段の送風量を増やし、他方、前記風向情報が坑口方向である場合は前記主送風手段の送風量を減らす、
    請求項2に記載のトンネル換気設備。
  4. 前記制御流路の風速計が備わり、
    前記補正制御手段は、前記主送風手段の送風量を減らすのを、前記風速計で得られる風速情報が所定値以下になるまで行う、
    請求項3に記載のトンネル換気設備。
  5. 前記トンネルの切羽側に備わる従送風手段と、
    前記トンネル内の汚染濃度を計測する濃度計と、
    を有し、
    前記濃度計で得られた濃度情報に基づいて前記従送風手段の送風量を制御する従制御手段が備わる、
    請求項2〜4のいずれか1項に記載のトンネル換気設備。
  6. トンネルの坑口側に主送風路を配置し、
    前記トンネルの切羽側に従送風路を配置し、
    前記主送風路と前記従送風路との間に鞘管を配置し、
    前記従送風路の坑口側端部を前記鞘管の切羽側端部と繋ぎ、
    前記主送風路の切羽側端部を前記鞘管の坑口側端部に挿入して、前記鞘管の坑口側端部内周面と前記主送風路の切羽側端部外周面との間に制御流路を形成し、
    この制御流路内の空気が切羽方向へ流れる場合は、前記主送風路の送風量を増やし、他方、前記制御流路内の空気が坑口方向へ流れる場合は、前記主送風路の送風量を減らす、
    ことを特徴とするトンネル換気方法。
  7. 前記主送風路の送風量を減らすのを、前記制御流路内の空気の風速が所定値以下になるまで行う、
    請求項6に記載のトンネル換気方法。
  8. 前記トンネル内の汚染濃度に基づいて前記従送風路の送風量を制御し、
    前記主送風路の送風量を増やす又は減らすに先立って、前記主送風路の送風量を前記従送風路の送風量の所定倍となるように一次制御する、
    請求項6又は請求項7に記載のトンネル換気方法。
  9. 前記従送風路を複数配置し、
    前記一次制御は、前記従送風路の送風量の合計値の所定倍となるように行う、
    請求項8に記載のトンネル換気方法。
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