以下、添付の図面を参照して、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態において示す構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
[第1実施形態]
本実施形態を図を参照して説明する。図1は、本実施形態による無線電力伝送システムを表す図である。本実施形態による無線電力システムは、送電装置20と受電装置30を有する。送電装置20と受電装置30は、例えばブルートゥース(登録商標)などで無線通信を行う通信部22と通信部32をそれぞれ有する。通信部22と通信部32は、通信線26と通信線36をそれぞれ介して伝送されるディジタル信号を変換し、アンテナ24とアンテナ34をそれぞれ介して無線通信を行う。送電装置20における送電部21は、送電線25から入力される直流、または交流電力を伝送帯の交流周波数電力に変換し、アンテナ23を介して送電する。受電装置30における受電部31は、アンテナ33を介して受電される交流電力を直流、または所望周波数の交流電力に変換し、送電線35に出力する。
共鳴現象やマイクロ波を用いる電力伝送を用いる場合は電力伝送距離が長いため、送電装置と受電装置のペアリングを行って所望の装置に送電すること、及び、他の装置や物体への送電を防ぐ必要がある。本実施形態では、受電装置30は最初に、通信部32を介して送電装置20を検索し、通信部32と通信部22の間で認証を行う。具体的には、受電装置30の通信部32と送電装置20の通信部22の間で認証の際にIDの交換を行う。
図2は、送電装置20の送電部21の内部構成の詳細の一例を示すブロック図である。CPU212は、初期電力送電部2121、送電期間延長部2122、検出モード信号検出部2123、ID一致判定部2124、受電効率計算部2125、通常送電部2126、異物検出部2127を含む。CPU212の各部の機能の説明は後述する。表示部27は、CPU212の各部から入力された情報を表示する。定電力送電部214は、定電圧源などであり、受電に必要な電力や送電初期シーケンス(以下、「初期シーケンス」と称する)に必要な電力がCPU212の初期電力送電部2121によって設定される。初期電力送電部2121はさらに初期電力を周期的な間欠送電で送電してもよい。スイッチ215は、初期シーケンスの際に初期電力を周期的な間欠送電する場合に用いられる。スイッチ215は、ON/OFFによって受電装置30に簡単なデータを送信するために用いられてもよい。図2においてスイッチ215は定電力送電部214と交流変換部216の間に配置されているが、出力される電力をON/OFFできればよいため、定電力送電部214の前や、交流変換部216の後に配置されてもよい。さらに、スイッチ215に替えて交流変換部216内部の不図示のスイッチング素子のドライブ信号をON/OFFすることによって交流電力の出力をON/OFFしてもよい。交流変換部216は、直流、または商用電源等の交流を電力伝送用の周波数に変換する。
受電インピーダンス検出部213は、受電装置30で行われる負荷変調や、アンテナ33、その他の受電部31のインピーダンス変化を検出する。受電インピーダンス検出部213は、一般的には送電アンテナ23を含む送電装置20側のインピーダンスと受電装置30側インピーダンスの不整合による反射を検出することよって受電インピーダンスを検出する。一般的に、送受電装置の位置関係が変化すると送受電間の結合効率が変化するため、受電装置30の受電インピーダンスが変わらなくても不整合による反射は変化する。しかし、受電装置30における負荷変調においてユニクワード等の決められた値で変調を行った場合、受電インピーダンス検出部213は受電インピーダンスの変化か、位置変動かを区別可能となる。また、受電インピーダンス検出部213は、送電アンテナ23を含む送電装置20側のインピーダンスの変化に基づいて、送電装置20から所定の範囲に物体が配置されたことを検出できる。
初期インピーダンス記憶部217は、送電装置20の周りに何もない時の初期インピーダンスを記憶する。受電インピーダンス検出部213が、初期電力送電中に受電装置30からの負荷変調を受けない状態で初期インピーダンスと異なるインピーダンスを検出した時、異物検出部2127はスイッチ215を制御して初期電力送電を中止する。そして、異物検出部2127は、異物の検出を表示部27で表示する。ID記憶メモリ211は、通信部22による機器認証で決定されたIDを記憶する。また、ID一致判定部2124は、検出モード信号検出部2123で検出された検出モード信号に含まれるIDがID記憶メモリ211に格納されたIDと一致するかを調べ、一致した場合にID一致通知を行う。
ID一致通知送信後、送電装置20は受電効率算出用の間欠送電を行う。受電装置30は受電効率算出用の間欠送電を受電すると受電した電力量を負荷変調、または通信部32を介して送電装置20に送信する。CPU212の受電効率計算部2124は、受電装置30の受電電力量をインピーダンス検出部213、または通信部22から検出すると、送電電力と比較して受電効率を計算する。受電効率計算部2124は、受電効率がある決められた閾値より低い場合には。受電効率が悪い旨を表示部27で表示し、適切な位置へ受電装置30を移動させるように促す。一方、受電効率計算部2124は、受電効率が閾値を超えている場合には、通常送電部2125は通常送電を開始する。
初期シーケンスの送電は間欠送電にして異物への送電があった場合でも異物での放熱期間を確保し、連続送電による定常的な温度上昇を抑えることが望ましい。しかし初期シーケンスの送電電力が十分小さく、初期シーケンスにおける異物検出時間が十分短い場合には、初期シーケンスの送電を連続送電で行うことも可能である。
図3は図1の受電装置30の受電部31の内部構成の詳細の一例を示すブロック図である。CPU312は、検出モード信号生成部3121、電力算出部3122、ID一致通知受信部3123を含む。CPU312の各部の機能の説明は後述する。表示部37は、CPU312の各部から入力された情報を表示する。受電部31内の314は交流電力変換部であり、整流回路、定電圧源等を含んでいる。インピーダンス変更部313は、受電アンテナ33の整合を調整し、さらに検出モード信号で負荷変調を行う。このインピーダンス変更部313は通信部部32での認証が終わらない限り受電アンテナ33から回路側を見たときのインピーダンスをハイインピーダンスにしておく。CPU312の検出モード信号生成部3121は、通信部32による認証で決定されたIDを記憶したID記憶メモリ311からIDを読み出し、検出モード信号を生成する。インピーダンス変更部313は、生成された検出モード信号で負荷変調を行う。
次に、図4を参照して送電装置20と、受電装置30の初期シーケンスにおける動作を説明する。図4は、送電装置20と、受電装置30のタイミングチャートを示す。図4において、送電装置20の縦軸は送電量を模式的に示し、受電装置30の縦軸は受電インピーダンスを模式的に示している。また、以下の説明では、図7に示すように、受電装置30は受電するために送電装置20に近づいて行く環境を仮定する。図7は受電装置30が送電装置20に近づいて行く時の、通信範囲701と、電力伝送範囲702と、電力伝送が適正な効率で可能な範囲703とを示している。
受電装置30が図7に示す送電装置20の通信範囲701内に入ると、受電装置30は送電装置20と機器認証に入る。機器認証において、送電装置20と受電装置30の間でIDの交換が行われる。機器認証400を終えると送電装置20は一定周期でID検出用の初期電力送電を開始する。本実施形態においては初期電力を間欠送電している(T401〜T405)。この時、CPU212の初期電力送電部2121は、通常送電までの初期シーケンス(受電装置との帯域内でのID検出や受電効率の確認が終わるまで)に必要な最低限の電力値を定電力送電部214に設定する。具体的には、初期電力送電部2121は、適正な効率で電力伝送可能な範囲703を含む範囲で、受電装置30の負荷変調を送電装置20が検出可能な電力に設定する。
受電装置30は機器認証400の時に交換したID、図4の例では”1,0,1,0,0,1,0,1”を含む検出モード信号で繰り返し負荷変調を行う(R401〜R406)。送電装置20は受電装置30が離れていて、受電可能な範囲にいない場合、受電装置30が負荷変調を行っていても送電した電力が消費されることなく、T401〜T404の間欠送電はほぼ全反射する。受電装置30が送電装置20に近づく過程で受電装置30が図7で示される電力伝送範囲702内に入ると、間欠送電T405のように受電装置30の負荷変調によって変調された電力が送電され始める。
送電装置20はIDによって送電電力が変調され始めると間欠送電をしている場合、間欠送電の送電期間を次の検出モード信号の開始点、図4においてはID開始点まで延長する。なお、図4において検出モード信号はIDのみで構成されているが、スタートビットシーケンス、ストップビットシーケンスや、他の情報を含んでいてもよい。また、同図においてはわかりやすくするため検出モード信号をIDのみとし、IDの部分検出に基づいて送電期間を延長しているが、検出モード信号の部分検出に基づいて送電期間を延長するようにしてもよい。送電装置20は、間欠送電の送電期間を次の検出モード信号の開始点まで延長した後、さらに、IDを取得するために、その検出モード信号の終了点まで送電を続ける。図4では、送電装置20は、次の検出モード信号のIDを検出するまで送電を続ける。その後、送電装置20は、検出したIDと機器認証で決定されたIDとの一致を調べ、一致した場合、送電装置20はID一致通知T406を送信する。ID一致通知T406は送電装置20の通信部22から受電装置30の通信部32へ伝送してもよいし、定電力送電部214やスイッチ215を制御することで、送電電力をID一致通知信号で変調して伝送してもよい。ID一致通知を送信後、送電装置20は受電効率検出用間欠送信を開始する(T407〜409)。
受電装置30は、送電装置20からの電力が所定値よりも大きくなった後にID一致通知を検出後、間欠電力を受電すると、間欠電力の受信の都度受電電力を測定し、その値で負荷変調を行う(R407〜409)。送電装置20は負荷変調された値から受電電力値を検出し、自装置が送電した電力と受電電力を比較して受電効率を計算する。図4の例では3回目の間欠送信T409の時に受電効率が予め決められた閾値を超え、図7に示した適正効率伝送範囲703内に受電装置30が入ったと判断して通常電力送信T410に切り替えている。なお、図4においては受電装置30は受電電力量で負荷変調して送信しているが、通信部32から送電装置20の通信部22へ送信してもよい。
なお、図4では、送電装置20は、ID一致通知T406の後から受電効率測定用間欠送電を開始しているが、受電効率測定方法はこれに限らない。すなわち、受電装置30は、検出モード信号による負荷変調時の低インピーダンス時、すなわちR406の”0”送信時の受電電力量や、ID一致通知T406受信時の受電電力量を検出して送電装置20に通知してもよい。受電電力量の通知は、ID一致通知中の負荷変調、通信部32を用いた帯域外通信による方法が考えられる。また、ID一致通知後に別の送電期間を設け、その間に行ってもよい。検出モード信号による変調時やID一致通知時の受電電力が予め決められた閾値を超えていれば受電効率検出用間欠送電は必要ないことは明白である。
次に、図2と図5を参照して、送電装置20の動作を説明する。図5は送電装置20の機器認証から通常電力送電までのフローチャートの一例である。送受電機器認証が完了すると(S501)、初期電力送電部2121は、定電力設定部214の送電電力を初期設定用電力に設定し(S502)、ID検出用初期電力送電を開始する(S503)。間欠送電する場合にはスイッチ215を用いて初期電力を間欠送電する。受電インピーダンス検出部213は、間欠送電の送電期間中のインピーダンスを常にモニタリングし、機器認証S501で決定されたIDを含む検出モード信号で負荷変調された機器の検出を行う。ここで、初期インピーダンス記憶部217は、送電装置20が周辺に送電した周波数の電力を受信可能な機器や金属などの異物がない状態での初期インピーダンスを予め記憶している。
受電インピーダンス検出部213が、初期インピーダンスと異なるインピーダンスを検出した場合(S504のYes)、異物検出部2127は、異物の存在を判断する。具体的には、異物検出部2127は、上記IDで変調された負荷変調の可能性がないインピーダンスを検出した場合(S505のYes)、異物を検出したと判断する。そして、受電インピーダンス検出部213は、CPU212を介してスイッチ215を制御することにより、送電を停止し(S516)、表示部27に介して異物検出を示すエラー表示を行う(S517)。例えば、受電インピーダンス検出部213が、初期インピーダンスと一定の異なるインピーダンスを検出した場合、金属等が近接している可能性があるため、表示部27に金属物がある旨を表示し、ユーザに移動を促す。同様に、受電インピーダンス検出部213が、受電装置30とは異なるフォーマットで負荷変調されているものを検出した場合、異なる機種の受電装置や同じ帯域で通信を行っている機器が近隣に存在するため、その旨を表示部27に表示しユーザに移動を促す。ここで送電装置20は送電を停止しているため、ユーザが異物を除去した後、異物除去作業完了を示すボタン(不図示)を押す等の動作を検出し(S518)、ID検出用初期電力送電(S503)に戻る。ここでID検出用初期電力送電の送電電力が十分小さいか、または異物検出時間が十分に小さく異物の発熱や受電による故障の可能性が十分小さい場合には(S504のNo、S505のNo)、ユーザの復帰作業なしにID検出用初期電力送電(S503)に戻ってもよい。
受電インピーダンス検出部213が検出したインピーダンスが初期インピーダンスと同じで、検出モード信号検出部2123が検出モード信号を部分的に検出した場合(S504のYes)、初期電力を間欠送電している場合には処理はS506へ進む。そして、送電期間延長部2122は間欠送電の送電期間を、次の検出モード信号の先頭部分を検出するまで延長する(S506)。初期電力を連続送電している場合にはS506の処理は必要ない。ここで、検出モード信号検出部2123は、一定期間中に次の検出モード信号の先頭部分を検出しない場合は、他の規格の受電装置等の負荷変調を検出したか、所望の受電装置30が離れてしまった可能性がある。この場合、検出モード信号検出部2123は、表示部27にエラー表示を行い、ユーザの対応を促す(S519)。その上でID検出用初期電力送電に戻ることによって、他の規格の機器の排除、または所望の受電装置30の検出が確認される。検出モード信号検出部2123が検出モード信号の先頭を検出した場合(S507のYes)、初期電力を間欠制御している場合、送電期間延長部2122は、さらに検出モード信号完了時間まで送電期間を延長する(S508)。ここでS504において初めから検出モード信号の先頭が検出された場合も、すでにS507の検出モード信号の先頭部分も検出されているため、検出モード信号完了までの送電期間の延長が可能である。
ID一致判定部2124は、機器認証で決定されたIDと検出モード信号によって検出したIDとの一致を調べる(S509)。IDが異なる場合(S509のNo)、他の送電装置と認証を完了した同じ規格の別の受電装置が近隣に存在する可能性があるため、表示部27にその旨を表示し、ユーザに移動を促す(S519)。その上でID検出用初期電力送電に戻ることによって、同じ規格の別の受電装置の排除を確認できる。ID一致判定部2124は、IDが一致したと判断した場合(S509のYes)、ID一致通知を送信する(S510)。ID一致判定部2124は、このID一致通知を通信部22から受電装置30の通信部32へ伝送してもよいし、定電力送電部214やスイッチ215を制御することで、送電電力をID一致通知信号で変調して伝送してもよい。ID一致通知送信後、初期電力送電部2121は、受電効率検出用間欠送信を開始する(S511)。受電装置30は間欠電力を受電すると、その都度受電電力を測定し、その値で負荷変調を行う。受電効率計算部2125は、負荷変調された値から受電電力値を検出し(S512)、自装置が送電した電力と受電電力を比較して受電効率を計算する(S513)。受電効率が予め決められた閾値以下の場合、受電効率計算部2125は、図7に示した適正効率伝送範囲703内に受電装置30が入ってないと判断して表示部27に受電装置を適正位置に移動させるための勧告を表示する(520)。効率が閾値を超えた場合、受電効率計算部2125は、適正効率伝送範囲703内に入ったと判断して、処理を通常送電部2126による通常電力送信に切り替える(S515)。
次に、図3と図6を参照して、受電装置30の動作を説明する。図6は受電装置30の機器認証から通常電力送電までのフローチャートの一例である。インピーダンス変更部313は、送電装置20との機器認証(S602)が終わるまではアンテナ33または不図示の負荷のインピーダンス(受電インピーダンス)を高く設定しておき、他の規格の送電装置や同じ規格の認証されていない送電装置からの電力を受電しないようにしておく(S601)。これにより受電装置の発熱や故障を回避する。機器認証(S602)後、受電装置30は機器認証で交換されたIDを含む検出モード信号で負荷変調を行う(S603)。この検出モード信号は検出モード信号生成部3121によって生成される。また、この負荷変調は図3におけるインピーダンス変更部313で行ってもよいし、交流電力変換部314の負荷を変更することで行ってもよい。さらに不図示のアンテナスイッチのON/OFFを利用してもよい。
受電装置30が送電装置20と遠い場合は受電装置30は電力をほとんど受電しないが(S604のNo)、受電装置30が送電装置20と近づき、図7の電力伝送範囲702内に入ると、送電装置20が送電している電力が、自装置の負荷変調によって変調されて受電される(S604のYes)。すなわち、電力検出状態となる。もし送電している装置が機器認証(S602)で認証した装置であれば、受電装置30による検出モード信号の負荷変調完了後に続いて送電装置20からID一致通知が送信される(S603、S604のYes)。このため、インピーダンス変更部313は、電力検出した次の検出モード信号変調終了後、ID一致通知を受信できる程度の受電インピーダンスにしておく(S605)。但し、ID一致通知は通信部22、23を介して行ってもよい。なお、図6においては電力検出後、検出モード信号による変調を停止しているが、ID一致通知受信まで、検出モード信号変調を続けてもよい。さらに、ID一致通知の送受信を通信部22、32を介して行う場合は、検出モード信号変調終了後、インピーダンス変更部313は、受電インピーダンスを高く設定してもよい。
また、電力検出してもID一致通知を受信しない場合(S606のNo)、他の規格の送電装置からの送電か、同じ機種の別の送電装置からの受電の可能性があるため、表示部37にエラー表示を行い(S611)、ユーザに位置の移動を促す。受電装置30は、ID一致通知を受信した場合(S606のYes)、インピーダンス変更部313は、受電インピーダンスを低く設定し(S607)、受電効率算出用の間欠送電を受電する。受電装置30は受電される毎に受電電力を負荷変調で返信、または受信電力の情報を通信部32、及び22を介して返信する(S608)。但し、受電装置30は受電する毎に受電電力を負荷変調で、または通信部32、及び22を介して返信する(S611)だけであり、この処理を連続受電と判断するまで続ける(S609のNo)。連続受電と判断すれば(S609のYes)通常電力受電(S610)と判断する。
このように、本実施形態による送電装置20は、認証を行った所望の送電対象が所望の電力供給可能な範囲に入り、送電対象が所望のものと一致しない限り、送電を開始しない。これにより、送電対象ではないものの発熱や、電力伝送による故障を防ぐことができる。また、本実施形態による受電装置30は、認証を行った送電装置からの電力が供給される場合のみ、受電インピーダンスを下げるため、認証を行ってない機器からの不要な受電を防ぎ、機器の損傷の可能性を低減できる。
なお、本実施形態では、送電装置20は、ID一致を判定した後、受電効率が閾値以上の場合に通常送電を開始しているが、ID一致を判定した後に通常送電を開始してもよい。また、送電装置20は、受電装置30の受電電力から計算できる受電効率から受電装置30との適切な位置関係を判断しているが、受電効率以外であっても、受電装置30の受電電力から得られる値であればよい。また、本実施形態では、受電効率を算出するため、送電装置から間欠送電しているが、連続送電で受電効率を計算する工程を行ってもよい。
[第2実施形態]
本実施形態を図を参照して説明する。本実施形態による無線電力伝送システムは、第1実施形態において説明した図1と同様であるため、説明を省略する。本実施形態による送電装置20は、第1実施形態と比較して、送電部21と受電部31の構成が異なる。
図8は、送電装置20の送電部21の内部構成の詳細の一例を示すブロック図である。CPU812は、初期電力送電部8121、検出モード信号生成部8122、ID一致通知受信部8123、受電効率計算部8124、通常送電部8125、異物検出部8126を含む。CPU812の各部の機能の説明は後述する。表示部27は、CPU812の各部から入力された情報を表示する。定電力送電部814は、定電圧源などであり、受電に必要な電力や送電初期シーケンス(以下、「初期シーケンス」と称する)に必要な電力がCPU812の初期電力送電部8121によって設定される。初期電力送電部8121はさらに初期電力を周期的な間欠送電で送電してもよい。定電力送電部814の出力を変調することによって送電装置20は受電装置30へ簡単なデータ送信を行うことが可能である。
スイッチ815は、初期シーケンスの際に初期電力を周期的な間欠送電する場合に用いられる。スイッチ815は、ON/OFFによって受電装置30に簡単なデータを送信するために用いられてもよい。交流変換部816は、直流、または商用電源等の交流を電力伝送用の周波数に変換する。図2において、スイッチ815は、定電力送電部814と交流変換部816の間に配置されているが、出力される電力をON/OFFできればよいため、定電力送電部814の前や、交流変換部816の後に配置されてもよい。さらに、スイッチ815に替えて、交流変換部816内部の不図示のスイッチング素子のドライブ信号をON/OFFすることによって交流電力の出力をON/OFFしてもよい。交流変換部816は、直流、または商用電源等の交流を電力伝送用の周波数に変換する。
受電インピーダンス検出部813は、受電装置30で行われる負荷変調や、アンテナ33、その他の受電部31のインピーダンス変化を検出する。受電インピーダンス検出部813は、一般的には送電アンテナ23を含む送電装置20側のインピーダンスと受電装置30側インピーダンスの不整合による反射を検出することよって受電インピーダンスを検出する。一般的に、送受電装置の位置関係が変化すると送受電間の結合効率が変化するため、受電装置30の受電インピーダンスが変わらなくても不整合による反射は変化する。しかし、受電装置30が受電を知らせる信号等を負荷変調で返信することによって受電インピーダンス検出部813は受電インピーダンスの変化か、位置変動かを区別可能となる。
初期インピーダンス記憶部817は、送電装置20の周りに何もない時の初期インピーダンスを記憶する。受電インピーダンス検出部813が、初期電力送電中に受電装置30からの負荷変調を受けない状態で初期インピーダンスと異なるインピーダンスを検出した時、異物検出部8126はスイッチ815を制御して初期電力送電を中止する。そして、異物検出部8126は、表示部27を介して異物の検出を示すエラー表示を行う。ID記憶メモリ811は、通信部22による機器認証で決定されたIDを記憶する。検出モード信号生成部8122は、ID記憶メモリ811に記憶されたIDに基づいて検出モード信号を生成する。生成された検出モード信号で定電力送電部814の出力が変調されて送電される。なお、スイッチ815のON/OFFを用いて検出モード信号で変調された電力が送電されてもよい。
機器認証を行った受電装置30が検出モード信号で変調された送電を受電し、IDの一致を確認するとID一致通知を送信する。送電装置20は、ID一致通知を送信電力の負荷変調、または通信部22を介して受信する。ID一致通知受信部8123がID一致通知を受信すると、送電装置20は、受電装置30が送電装置20から受電可能範囲に入ったことを認識できる。
ID一致通知受信後、送電装置20は受電効率算出用の間欠送電を行う。受電装置30は受電効率算出用の間欠送電を受電すると受電した電力量を負荷変調、または通信部32を介して送電装置20に送信する。CPU812の受電効率計算部8124は、受電装置30の受電電力量をインピーダンス検出部813、または通信部22から検出すると、送電電力と比較して受電効率を計算する。受電効率計算部8124は、受電効率がある決められた閾値より低い場合には。受電効率が悪い旨を表示部27で表示し、適切な位置へ受電装置30を移動させるように促す。一方、受電効率計算部8124は、受電効率が閾値を超えている場合には、通常送電部8125は通常送電を開始する。初期シーケンスの送電は間欠送電にして異物への送電があった場合でも異物での放熱期間を確保し、連続送電による定常的な温度上昇を抑えることが望ましい。例えば検出モード信号期間で変調された送電と、異物における放熱期間の休止期間を1周期とした送電である。しかし初期シーケンスの送電電力が十分小さく、初期シーケンスにおける異物検出時間が十分短い場合には、検出モード信号にスタートビット、ストップビット等の区切りを示す信号が入っていれば初期シーケンスの送電を連続送電で行うことも可能である。
図9は図1の受電装置30の受電部31の内部構成の詳細の一例を示すブロック図である。CPU912は、検出モード信号判定部9121、電力算出部9122、ID一致通知生成部9123を含む。CPU912の各部の機能の説明は後述する。表示部37は、CPU912の各部から入力された情報を表示する。交流電力変換部914は、整流回路、定電圧源等を含んでいる。インピーダンス変更部913は、受電アンテナ33の整合を調整し、さらに送受電周波数帯でデータを送電装置に伝送したい場合に負荷変調を行う。このインピーダンス変更部913は無線部32での認証が終わらない限り受電アンテナ33から回路側を見たときのインピーダンスを高い値にする。無線部32での認証が終了すると受電インピーダンスは下げられる。
ID記憶メモリ911は通信部32による認証で決定されたIDを記憶する。通信部32が送電装置20による電力信号を検出した時、検出モード信号判定部9121は、その信号が検出モード信号であるかを判断する。検出モード信号で、且つ、検出モード信号に含まれるIDがID記憶メモリ911に記憶されたIDと一致する場合、ID一致通知生成部9123はID一致通知を生成し、送電装置20に送信する。さらに、電力算出部9122は、交流電力変換部914で検出された受電電力量を算出し、負荷変調または通信部32を介して送電装置20に受電電力量を送信する。
次に、図10を参照して送電装置20と、受電装置30の初期シーケンスにおける動作を説明する。図10は、送電装置20と、受電装置30のタイミングチャートを示す。図10において、送電装置20の縦軸は送電量を模式的に示し、受電装置30の縦軸は受電量を模式的に示している。また、受電装置30のZR01〜ZR03は受電インピーダンスを高い値にしていることを示している。なお、以下の説明では、図7に示すように、受電装置30は受電するために送電装置20に近づいて行く環境を仮定する。図7は受電装置30が送電装置20に近づいて行く時の通信範囲701と電力伝送範囲702と電力伝送が適正な効率で可能な範囲703を示している。
受電装置30が図7に示す送電装置20の通信範囲701内に入ると、受電装置30は送電装置20と機器認証に入る。機器認証において、送電装置20と受電装置30の間でIDの交換が行われる。機器認証1000を終えると送電装置20は一定周期で検出モード信号で変調された電力の初期電力送電を開始する(T1001〜T1007)。図10の例では、送電装置20は、交換されたIDである”1,0,1,0,0,1,0,1”を含む検出モード信号で変調された電力を周期的に送電する。この時、CPU812の初期電力送電部8121は、通常送電までの初期シーケンス(受電装置との帯域内でのID検出や受電効率の確認が終わるまで)に必要な最低限の電力値を定電力送電部814に設定する。具体的には、初期電力送電部8121は、適正な効率で電力伝送可能な範囲703を含む範囲で、受電装置30が送電装置20の検出モード信号で変調された電力を受電可能な電力に設定する。なお初期電力送電部8121は検出モード信号で変調された初期電力を図4に示すように間欠送電してもよい。
受電装置30は機器認証1000の終了まで、受電インピーダンスを高くする(ZR01)。機器認証後、受電装置30は低インピーダンスに変更し、機器認証で決定されたID、図10の例では”1,0,1,0,0,1,0,1”を含む検出モード信号で変調された送電を待機する。送電装置20は、受電装置30が離れていて受電可能な範囲にいない場合、受電装置30が低インピーダンスで待機していても送電した電力が消費されることなく、T1001〜T1004の間欠送電はほぼ全反射する。受電装置30が送電装置20に近づく過程で受電装置30が図7で示される電力伝送範囲702内に入ると、間欠送電T1005のように受電装置30に送電され始める。
受電装置30は通信部32での機器認証後、低インピーダンスで送電待機する。受電装置30は、R1001のように検出モード信号で変調されていない送電を受電するとZR02のように受電インピーダンスを高くし、受電装置が他の装置からの給電によって故障したり、発熱することを回避する。さらに受電装置30は、表示部37を介して他の装置からの給電であることを表示し、ユーザが受電装置30を他の送電装置から遠ざけるように促す。そして、受電装置30は、ユーザの復帰作業、例えば不図示のボタンを押す等の行為を検出した後、受電インピーダンスを再び低くする。ここで他装置からの受電電力量が許容以上の発熱ならず、受電装置30の回路故障に影響しないレベルであれば、受電装置30は受電インピーダンスを高くする必要はなく、ユーザによる復帰作業も必要ない。
受電装置30は、検出モード信号に含まれるIDの一部分R1005を検出した後、検出モード信号で変調された電力R1006を受電した場合、電力R1006の受電量の変化パターンから、検出モード信号に含まれるIDを検出する。そして。受電装置30は、検出したIDが機器認証時に決定されたIDと一致するか否かを判断する。IDが一致した場合、受電装置30はID一致通知R1007を送電装置20に送信する。なお、図10においては、送電された電力T1007に対応させて受電した電力R1007をZR03のように受電インピーダンスを変更することで負荷変調し、送電装置20にID一致通知を行う例を示しているが、通信部32を介してID検出したことを通知してもよい。また、図10において検出モード信号はIDのみで構成されているが、スタートビット、ストップビットや、他の情報を含んでいてもよい。
送電装置20は、ID一致通知を検出後、受電効率検出用間欠送信を開始する(T1008〜1010)。受電装置30はID一致通知を通知した後、送電装置20から間欠電力を受電すると、その都度受電電力を測定し、その値で負荷変調を行う(R1008〜1010)。送電装置20は負荷変調された値から受電電力値を検出し、自装置が送電した電力と受電電力を比較して受電効率を計算する。図10の例では3回目の間欠送信T1010の時に受電効率が予め決められた閾値を超え、図7に示した適正効率伝送範囲703内に受電装置30が入ったと判断して通常電力送信T1011に切り替えている。図10において受電装置30は受電電力量を負荷変調で送信しているが、通信部32から送電装置20の通信部22へ送信してもよい。
なお、図10では、送電装置20は、ID一致通知T1007の受信後から受電効率測定用間欠送電を開始しているが、受電効率測定方法はこれに限らない。すなわち、受電装置30は、ID一致通知T1006、T1007受信時の受電電力量、すなわちR1006、R1007の受電電力量を検出して送電装置20に通知してもよい。この通知は、受電電力量の通知はID一致通知中の負荷変調、通信部32を用いた帯域外通信による方法が考えられる。検出モード信号による変調時やID一致通知検出時の受電電力が予め決められた閾値を超えていれば受電効率検出用間欠送電は必要ないことは明白である。
次に、図8と図11を参照して、送電装置20の動作を説明する。図11は送電装置20の機器認証から通常電力送電までのフローチャートの一例である。送受電機器認証が完了すると(S1101)、初期電力送電部8121は、定電力送電部814の送電電力を初期設定用電力に設定し(S1102)、検出モード信号で変調された初期電力送電を開始する(S1103)。間欠送電する場合には上記スイッチ815を用いて上記検出モードで変調された初期電力を間欠送電してもよい。受電インピーダンス検出部813は、初期電力送電の送電期間中のインピーダンスを常にモニタリングし、機器認証S1101で決定されたIDを含む検出モード信号で負荷変調された機器の検出を行う。ここで、初期インピーダンス記憶部817は、送電装置20が周辺に送電した周波数の電力を受信可能な機器や金属などの異物がない状態での初期インピーダンスを予め記憶している。
受電インピーダンス検出部813が初期インピーダンスと異なるインピーダンスを検出した場合(S1104のYes)、送電装置20は初期電力送電を続けながら検出モード信号の送信周期以上待機する(S1105)。ここで、ID一致通知受信部8123が受電装置30からのID一致通知を受信しない場合は(S1106のNo)、スイッチ815を制御しすることにより送電を停止し(S1107)、表示部27を介して異物検出を示す表示を行う(S1108)。例えば初期インピーダンスとは一定の異なるインピーダンスが検出される場合、金属等が近接している可能性があるため、金属物がある旨を表示し、ユーザに移動を促す。同様に、受電インピーダンス検出部813が、受電装置30の返信とは異なるフォーマットで負荷変調されているものが検出された場合、異なる機種の受電装置や同じ帯域で通信を行っている機器が近隣に存在するため、その旨を表示しユーザに移動を促す。ここで送電装置20は送電を停止しているため、ユーザが異物を除去した後、異物除去作業完了を示すボタン(不図示)を押す等の動作を検出し(S1109)、検出モード信号で変調された初期電力送電(S1103)に戻る。ここで初期電力送電の送電電力が十分小さいか、または異物検出時間が十分に小さく異物の発熱や受電による故障の可能性が十分小さい場合には送電を停止せず、ユーザの復帰作業なしに初期電力送電(S1103)に戻ってもよい。
受電インピーダンス検出部813がインピーダンス変化検出後に、ID一致通知受信部8123がID一致通知を受信した場合(S1106のYes)、初期電力送電部8121は受電電力算出用間欠送電(S1111)を開始する。ここで通常、受電装置30が検出モード信号で変調された電力を受電すると送電装置20はインピーダンス変化を検出する。しかし受電装置30の信号検出感度が送電装置20のインピーダンス変化を検出する感度より高い場合は、送電装置20はインピーダンス変化を検出できなくても受電装置のID一致通知を検出する可能性がある。このように、受電インピーダンス検出部813がインピーダンス変化を検出せず(S1104のNo)、ID一致通知受信部8123がID一致通知を検出した場合(S1110)も送電装置は受電電力算出用間欠送電(S1111)を開始する。なお、受電インピーダンス検出部813がインピーダンス変化を検出せず、ID一致通知受信部がID一致通知を検出しない場合は、初期電力送電部8121は検出モード信号で変調された初期電力送電を続ける(S1104のNo、S1110のNo)。
受電装置30は受電電力算出用間欠電力を受電すると、その都度受電電力を測定し、その値で負荷変調を行う。受電効率計算部8124は、負荷変調された値から受電電力値を検出し(S1112)、CPU812内の不図示の比較部によって自装置が送電した電力と受電電力を比較して受電効率を計算する(S1113)。受電効率が予め決められた閾値以下の場合、受電効率計算部8124は、図7に示した適正効率伝送範囲703内に受電装置30が入ってないと判断して表示部27に受電装置を適正位置に移動させるための勧告を表示する(S1115)。効率が閾値を超えた場合、受電効率計算部8124は、適正効率伝送範囲703内に入ったと判断して、処理を通常送電部8125による通常電力送信に切り替える(S1116)。
次に、図9と図12を参照して、受電装置30の動作を説明する。図12Aは受電装置30の機器認証から通常電力送電までのフローチャートの一例である。インピーダンス変更部913は、送電装置20との機器認証(S1202)が終わるまではアンテナ33または不図示の負荷のインピーダンス(受電インピーダンス)を高く設定しておき、他の規格の送電装置や同じ規格の認証されていない送電装置からの電力を受電しないようにしておく(S1201)。これにより受電装置の発熱や故障を回避する。通信部32での機器認証後、インピーダンス変更部913は、受電インピーダンスを低く変更し(S1203)、電力検出するまで待機する(S1204のNo)。
受電部31が電力を検出した場合(S1204のYes)、検出モード信号判定部9121は、受電された電力が認証時に決定されたIDを含む検出モード信号で変調されているか否かを判定する。検出モード信号判定部9121は、受電された電力が認証時に決定されたIDを含む検出モード信号で変調されているか否かを判定する。すなわち、検出モード信号判定部は、受電された電力からIDを取得して、取得したIDがID記憶部911に記憶されたIDと一致するか否かを判定する。検出モード信号判定部が、IDが一致しないと判定した場合(S1205のNo)、インピーダンス変更部913は受電インピーダンスを高くする(S1206)。これにより、受電装置30が他の装置からの給電によって故障したり、発熱することを回避する。さらに検出モード信号判定部9121は、他の装置からの給電であることを表示部37に表示し(S1207)、ユーザが受電装置30を他の送電装置から遠ざけるように促す。そして、受電装置30はユーザの復帰作業、例えば不図示のボタンを押す等の行為を検出し(S1208)、インピーダンス変更部913は受電インピーダンスを再び低くする(S1209)。ここで他装置からの受電電力量が許容以上の発熱にならず、受電装置30の回路故障に影響しないレベルであれば606の受電インピーダンスを高くする変更や、S1208のユーザ復帰作業完了の検出も必要ない。さらに受電インピーダンスは先行していないのでS1209の低インピーダンスに変更する作業も不要である。
一方、受電部31が電力を検出し(S1204のYes)、検出モード信号判定部がIDが一致しないと判定した場合(S1205のYes)、ID一致通知生成部9123は、ID一致通知を生成し、送電装置20に送信する(S1210)。このID一致通知の送信は負荷変調を用いて行ってもよいし、通信部32を介して行ってもよい。受電装置30はID一致通知を送信後、受電効率算出用間欠送電を受電する。但し、受電装置30は受電する毎に受電電力を負荷変調で、または通信部32、及び22を介して返信する(S1211)だけであり、この処理をCPU212内の不図示の連続受電判定手段が連続受電と判断するまで続ける(S1212のNo)。連続受電と判断すれば(S1212のYes)通常電力受電(S1213)と判断する。
図12Bは受電装置30のその他のインピーダンス設定手順を示すフローチャートである。機器認証(S1202)後、インピーダンス変更部913は、受電インピーダンスを中間的な値に設定する(S1214)。また、IDが一致しない場合には(S1205のNo)インピーダンス変更部913は受電インピーダンスを高くした後に、ユーザによる復帰作業後に、受電インピーダンスを中間的な値に設定する(S1215)。インピーダンス変更部913は、ID一致通知を送信後初めて通常受電用の低い受電インピーダンスに変更する(S1216)。これにより電力伝送帯域内でIDの確認が行われない限り受電装置30は低インピーダンスにならないため、発熱や受電による故障を軽減できる。なお、S2110とS1216の処理の順は逆にしてもよい。
このように、本実施形態による送電装置20は、認証を行った所望の送電対象が所望の電力が供給可能な位置に入り、送電対象が所望のものと一致しない限り所定の送電を開始しない。これにより、送電対象ではないものの発熱や、電力伝送による故障を防ぐことができる。また、本実施形態による受電装置30は、認証を行っていない送電装置から電力が供給された場合、それを検出し表示する。さらに受電装置30は、認証を行っていない送電装置から電力が供給された場合、受電インピーダンスを高くし、受電を防ぐことが可能なため、認証を行っていない機器からの不要な受電を防ぎ、機器の損傷の可能性を低減できる。
なお、本実施形態では、送電装置20は、ID一致通知を検出した後、受電効率が閾値以上の場合に通常送電を開始しているが、ID一致通知を検出した後に通常送電を開始してもよい。また、送電装置20は、受電装置30の受電電力から計算できる受電効率から受電装置30との適切な位置関係を判断しているが、受電効率以外であっても、受電装置30の受電電力に関連する値であればよい。また、本実施形態では、受電効率を算出するため、送電装置から間欠送電しているが、連続送電で受電効率を計算する工程を行ってもよい。
[第3実施形態]
本実施形態を図を参照して説明する。本実施形態による無線電力伝送システムは、第1実施形態において説明した図1と同様であるため、説明を省略する。本実施形態による送電装置20は、第1実施形態及び第2実施形態と比較して、送電部21と受電部31の構成が異なる。
第1実施形態における送電装置20の動作を第1の送電方式、第2実施形態における送電装置20の動作を第2の送電方式とすると、本実施形態による送電装置20は、両方の方式のいずれかに切り換えて動作可能である。すなわち、本実施形態による送電装置20の内部構成は、図2と図8に示した構成を併せた構成であり、説明を省略する。ただし、本実施形態による送電装置20は、第1の送電方式と第2の送電方式のいずれかで動作するための制御を行う不図示の選択部を備えるものとする。一方、第1実施形態における受電装置30の動作を第1の受電方式、第2実施形態における受電装置30の動作を第2の受電方式とすると、本実施形態による受電装置30は、いずれかの方式で動作可能である。すなわち、本実施形態による受電装置30の内部構成は、図3または図9に示した構成であり、説明を省略する。
次に、図13と図14を参照して、送電装置20の動作を説明する。図13は、送電装置20と受電装置30間の認証シーケンスを示す図である。図14は、本実施形態による動作を示すフローチャートである。送電装置20が送電を開始する際にまず、受電装置30と認証を行う。送電装置20は通信部22より接続可通知を発信する(1301)。通信範囲701の範囲内にいる受電装置30は接続可通知を受信し、通信部32で接続要求を出す(1302)。送電装置20は受電装置30に対して接続許可を送信する(1303)。これにより、無線リンクが確立する(S1401)。次に送電装置20はIDを送信し(1304)、受電装置30はIDを受信した旨の応答を返送する(1305)。これにより、IDが決定する(S1402)。ここまでが、機器認証プロセスである。
さらに送電装置20は、受電装置30の受電方式を要求する(1306)。受電装置30は具備している受電方式が第1の受電方式か第2の受電方式かを送電装置20に応答する(1307、S1403)。受電装置は第1の受電方式で動作する場合は、その旨を応答する(S1404の第1の受電方式)。送電装置20はこの結果を受けて、送電開始通知を送信し(1308)、受電装置30が応答を返送する事(1309)で第1の送電方式で送電を開始する(1310、S1406)。第1の送電方式での送電の動作内容は第1実施形態と同一であるため説明は省略する。なお、送電開始通知、応答は必ずしも必須のシーケンスではない。受電方式応答(1307)で第2の受電方式で操作する旨の応答をした場合は(S1404の第2の受電方式)、送電装置20は第2の送電方式で送電を開始する(S1405)。第2の送電方式での送電の動作内容は第2実施形態と同一であるため説明を省略する。
このように、本実施形態による送電装置20は、第1実施形態と第2実施形態において説明した送電方式による処理を、受電装置30の応答により切り換えて実行する。これにより、送電対象ではないものの発熱や、電力伝送による故障を防ぐことができることに加え、異なる受電方式をもつ複数の受電装置に対して受電可能となる。また、本実施形態による受電装置30は、認証を行っていない機器からの不要な受電を防ぎ、機器の損傷の可能性を低減できるのに加え、自身の受電方式に対応する送電方式とそれ以外の送電方式の両方で動作する送電装置からも受電可能となる。なお、これまでの説明では送電装置20から受電装置30に受電方式を要求し、その応答内容に従って受電方式を決定した。しかし、送電装置20からの受電方式の要求に対して無応答の場合に充電方式をどちらにするかを予め決めておき、受電方式選択しても良い。例えば、送電装置20からの受電装置30への受電方式要求に対する応答を行わない場合は「方式1」と送電装置20、受電装置30間で決めておく。この場合に認証シーケンスで受電方式の要求を受けた受電装置30の受電方式が「方式1」の場合、応答を返さない。送電装置30は受電方式の要求に対して応答がないので方式1で送電を行う。受電装置30は受電を希望する場合であるからあまり電力を使いたくない場合が多い。この方式であれば、無駄な電力の削減に貢献できる。受電方式の要求に応答しない場合を方式2とした場合も同様である。受電装置が30応答しない場合の方式の決め方は、広く使われている方式を選択すれば受電装置30の電力低減効果は高くなる。
[第4実施形態]
本実施形態を図を参照して説明する。本実施形態による無線電力伝送システムは、第1実施形態において説明した図1と同様であるため、説明を省略する。本実施形態による送電装置20は、第1実施形態及び第2実施形態と比較して、送電部21と受電部31の構成が異なる。また、第3実施形態による送電装置20と受電装置30と同様に、本実施形態による送電装置20は、第1の送電方式と第2の送電方式のいずれかに切り換えて動作可能である。すなわち、本実施形態による送電装置20の内部構成は、図2と図8に示した構成を併せた構成であり、説明を省略する。ただし、本実施形態による送電装置20は、第1の送電方式と第2の送電方式のいずれかで動作するための制御を行う不図示の選択部を備えるものとする。また、本実施形態による受電装置は、第1の受電方式と第2の受電方式のいずれかの方式で動作可能である。すなわち、本実施形態による受電装置30の内部構成は、図3または図9に示した構成であり、説明を省略する。
次に図15を参照して、送電装置20の動作を説明する。図15は、本実施形態による動作を示すフローチャートである。送電装置20は受電装置30と無線リンクを確立し(S1501)、IDを決定する(S1502)。ここまでは、送電装置20は受電装置30に具備されている受電方式(第1の受電方式または第2の受電方式)は判らない。送電装置20は認証シーケンスで決定したIDを使って第2の送電方式での送電手順を開始する(S1503)。この時受電装置が第2の受電方式で動作可能な場合、第2実施形態において説明した動作と同様となり、受電装置30は受電可能となる(S1505)。
一方、受電装置30が第1受電方式で動作する場合、予め決められたIDに準じて送電された電力に対して受電30装置も同様にIDに準じてインピ−ダンス変化させるので、送電装置20は送出した電力が大きく乱れる事となる。このような動作の場合、送電装置20は、受電装置30は第1受電方式で動作すると判断し、送電装置20は第1送電方式のID検出用間欠送電を行い、第1実施形態において説明した動作と同様の送電動作に移行する(S1506)。なお、送電装置20が第1の送電方式の送電手順を最初に行った場合、受電装置30が第2の受電方式で動作する場合に相互にIDを送出しないので、送電手順が進まなくなる。
このように、本実施形態による送電装置20は、第1実施形態と第2実施形態において説明した送電方式による処理を、自己の判断により切り換えて実行する。これにより、送電対象ではないものの発熱や、電力伝送による故障を防ぐことができることに加え、異なる受電方式をもつ複数の受電装置に対して受電可能となる。また、本実施形態による受電装置30は、認証を行っていない機器からの不要な受電を防ぎ、機器の損傷の可能性を低減できるのに加え、自身の受電方式に対応する送電方式とそれ以外の送電方式の両方で動作する送電装置からも受電可能となる。
[その他の実施形態]
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。