JP6128552B2 - 計測装置 - Google Patents

計測装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6128552B2
JP6128552B2 JP2013137519A JP2013137519A JP6128552B2 JP 6128552 B2 JP6128552 B2 JP 6128552B2 JP 2013137519 A JP2013137519 A JP 2013137519A JP 2013137519 A JP2013137519 A JP 2013137519A JP 6128552 B2 JP6128552 B2 JP 6128552B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensor
measurement
signal
axis
reference signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013137519A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015010963A (ja
Inventor
勲 下山
下山  勲
潔 松本
松本  潔
裕介 竹井
裕介 竹井
堅太郎 野田
堅太郎 野田
朋希 浜島
朋希 浜島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
University of Tokyo NUC
Original Assignee
University of Tokyo NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by University of Tokyo NUC filed Critical University of Tokyo NUC
Priority to JP2013137519A priority Critical patent/JP6128552B2/ja
Publication of JP2015010963A publication Critical patent/JP2015010963A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6128552B2 publication Critical patent/JP6128552B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of Force In General (AREA)
  • Measuring Fluid Pressure (AREA)

Description

本発明は、計測装置に関し、特に外部から作用する力を検出して所定の物理量を計測する計測装置に関するものである。
計測装置に用いられるセンサとしては、ガソリンなどの液体の粘度を計測するせん断力センサや、圧力差を計測する差圧センサなどが開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。特許文献1には、流路表面に流れる流体からのせん断力により変形する弾性体層に覆われており、弾性体が変形することにより流体の粘性を計測するせん断力センサが開示されている。特許文献2には、開口を有する空気室と、前記開口を塞ぐように設けられた検知部とを備えた差圧センサが開示されている。
国際公開第2013/002380号 国際公開第2012/102073号
上記特許文献では、電源や温度の影響を受けやすく、ノイズが大きいため感度が低下してしまう、という問題があった。
そこで本発明は、より高感度で外部から作用する力を計測することができる計測装置を提供することを目的とする。
本発明係る計測装置は、外部から作用する周期的な力によって変形し、変形状態に基づく抵抗値変化を測定信号として出力する力覚センサと、周期的に変位する前記力覚センサの位置情報を参照信号として出力する参照信号出力部と、前記測定信号と前記参照信号とが入力され、所定周波数の信号を出力する同期検波器とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、外部から作用する力を感知するとともに、力覚センサの位置情報を感知し、それらの測定結果に基づき同期検波器によってノイズを除去することにより、力を高感度で計測することができる。
第1実施形態に係る計測装置の全体構成を模式的に示す正面図である。 第1実施形態に係るせん断力センサの構成を示す縦断面図である。 第1実施形態に係る計測回路の構成を示す回路図である。 第1実施形態に係るセンサ部の製造方法を段階的に示す図(1)であり、図4Aは斜視図、図4Bは縦断面図である。 第1実施形態に係るセンサ部の製造方法を段階的に示す図(2)であり、図5Aは斜視図、図5Bは縦断面図である。 第1実施形態に係るセンサ部の製造方法を段階的に示す図(3)であり、図6Aは斜視図、図6Bは縦断面図である。 第1実施形態に係るセンサ部の製造方法を段階的に示す図(4)であり、図7Aは斜視図、図7Bは縦断面図である。 第1実施形態に係るセンサ部の製造方法を段階的に示す図であり、カンチレバー部の可動部を起立させた状態を示す縦断面図である。 第1実施形態に係る計測装置の使用状態を示す概略図である。 従来の計測装置の測定結果を示すグラフ(1)であり、図10Aは引き上げ速度、図10Bはセンサ出力の測定結果である。 従来の計測装置の測定結果を示すグラフ(2)であり、図11Aは引き上げ速度、図11Bはセンサ出力の測定結果である。 第1実施形態の変形例に係る計測回路の構成を示す回路図である。 第2実施形態に係る計測装置の全体構成を模式的に示す正面図である。 第2実施形態に係る力センサの構成を示す横断面図である。 第2実施形態に係る力センサの構成を示す斜視図である。 第2実施形態に係る計測装置の使用状態(1)を模式的に示す正面図である。 第2実施形態に係る計測装置の使用状態(2)を模式的に示す正面図である。 第3実施形態に係る計測装置の構成を模式的に示す正面図である。 第3実施形態に係る計測回路の構成を示す回路図である。 第4実施形態に係る計測装置の全体構成を模式的に示す斜視図である。 第4実施形態に係る圧力センサの構成を示す縦断面図である。 第4実施形態の変形例に係る計測装置の全体構成を模式的に示す部分縦断面図である。 第4実施形態の別の変形例に係る計測装置の全体構成を模式的に示す部分縦断面図である。 第4実施形態の別の変形例に係る計測装置の使用状態を示す模式図である。 本発明の実施例に係る計測装置の測定結果(1)を示すグラフである。 本発明の実施例に係る計測装置の測定結果を示すグラフであり、図26Aは周波数特性であり、図26Bは図26Aにおける5Hz付近を拡大したグラフである。 本発明の実施例に係る計測装置の測定結果(3)を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
1.第1実施形態
(1)全体構成
図1に示す計測装置10Aは、支持部12Aと、当該支持部12Aに設けられた力覚センサとしてのせん断力センサ14A、参照信号出力部としての速度センサ16、及び計測回路18とを備える。計測装置10Aは、図示しない情報処理部をさらに備え、計測回路18から出力された結果に基づき、流体の粘度係数(本明細書では粘度とも言う)を計測し得るように構成されている。
支持部12Aは、ユーザが把持しやすい形状を有する棒状部材からなる。支持部12Aの一端側の側面にはせん断力センサ14Aが設けられている。速度センサ16は、せん断力センサ14Aと隣り合うように設けられている。参照信号出力部としては、速度センサ16に限定されず、例えば位置センサ、加速度センサを用いることができる。せん断力センサ14Aと速度センサ16は、計測回路18に電気的に接続されている。
せん断力センサ14Aは、図2に示すように、センサ部20と、センサ部20を覆うように形成された弾性体層22とを有する。弾性体層22は、表面に対し作用する力(せん断力)によって、当該力と同じ方向に弾性変形し得るように形成されている。
弾性体層22は、例えば、PDMS(Polydimethylsiloxane;ポリジメチルシロキサン)等のシリコンゴムを主剤とし、このPDMSと硬化剤とからなる二液を所定の混合比率(例えば、20:1)で混合して柔軟性を調整しつつ硬化されて形成されている。
センサ部20は、支持部12Aの側面に固着される基台部26と、当該基台部26に固定されるカンチレバー部28とを有する。カンチレバー部28は、基台部26に固定される基部30と、基部30に連続して形成されたヒンジ部32及び受圧部34とを有する。ヒンジ部32は、L字状に折り曲げ成形されている。これによりカンチレバー部28は、外部から力が作用していないとき、受圧部34が基台部26の表面に対しほぼ垂直に起立した状態に保持される。
カンチレバー部28は、Si薄膜で形成されたL字状のSi上層36を有する。このSi上層36の表面には、薄膜状のピエゾ抵抗層38が形成されている。基部30及び受圧部34のピエゾ抵抗層38上には、Cr/Au/Ni薄膜40が設けられている。なお、基台部26には、Si下層42が設けられており、Si下層42の所定位置にSiO層44を介してカンチレバー部28の基部30が設けられている。
センサ部20は、支持部12Aの側面を被覆するポリパラキシレン(商品名パリレン)でなる厚さ1[μm]程度の保護膜46により被覆されている。センサ部20は、弾性体層22が変形した際に、弾性体層22の変形に対応して保護膜46と共に受圧部34が変形する。
カンチレバー部28は、Si上層36及びピエゾ抵抗層38がnmオーダーの薄膜状に形成される。カンチレバー部28は、一対のヒンジ部32が細長い長方形状に形成されている。ヒンジ部32に形成されたピエゾ抵抗層38は、ピエゾ素子として機能する。また、カンチレバー部28には、基部30に形成されたCr/Au/Ni薄膜40に配線45が接続されている。配線45は、計測回路18に電気的に接続されている。
計測回路18は、図3に示すように、第1増幅器47と、第2増幅器48と、同期検波器50Aとを備える。本実施形態に係る同期検波器50Aは、単相同期検波器であり、位相器51と、乗算器52と、ローパスフィルタ53とを有する。
第1増幅器47は、せん断力センサ14Aと電気的に接続されており、せん断力センサ14Aから出力される測定信号が入力され、測定信号を増幅して乗算器52へ出力する。本実施形態の場合、第1増幅器47は、ホイーストンブリッジ回路(図示しない)を備えており、ピエゾ抵抗層38がホイーストンブリッジ回路の4つの抵抗の一つとして形成されている。
第2増幅器48は、速度センサ16と電気的に接続されており、速度センサ16から出力される速度信号を参照信号として入力され、参照信号を増幅して位相器51へ出力する。増幅された参照信号は、位相器51によって測定信号との位相差が0になるように位相が調整された後、乗算器52へ出力される。
乗算器52は、増幅された計測信号と参照信号とを乗算し、その結果得た変調信号をローパスフィルタ53へ出力する。
ここで、測定信号をAcos(ωt+α)、参照信号をcos(ωt+β)とすると、変調信号は式(1)
Figure 0006128552
で表される。上記変調信号はローパスフィルタ53よって、cos(2ωt+α+β)の高調波が除去される。なお、上記式(1)において(α―β)は測定信号と参照信号との位相差であるが、位相器51によって位相差が0になるように調整されている。したがって上記式(1)におけるcos(α―β)は、cos(0)=1となるから、上記式(1)は、Acos(ωt+α)・cos(ωt+β)=A/2となる。このようにして同期検波器50Aは、測定信号と参照信号とを乗算することにより、測定信号の振幅Aを出力することができる。
(2)せん断力センサの製造方法
次に、上述したせん断力センサ14Aの製造方法について以下説明する。図4A及び図4Bに示すように、表面からSi上層36、SiO層44及びSi下層42の順に積層されたSOI(Silicon On Insulator)基板27を用意する。なお、このSOI基板27をHF(フッ化水素)溶液中で洗浄し、SOI基板27の表面に形成されている自然酸化膜を除去する。
その後、すぐにn型不純物試薬をSOI基板27の表面にスピンコートし、熱酸化炉を用いて当該SOI基板27を熱拡散し、不純物をドープして、図5A及び図5Bに示すように、Si上層36にピエゾ抵抗層38を形成する。次いで、SOI基板27のピエゾ抵抗層38の表面にCr/Au/Ni層をスパッタリングにより形成し、その後、所定の形状にパターニングして、このCr/Au/Ni層をマスクとして用い、ピエゾ抵抗層38及びSi上層36をDRIE(Deep Reactive Ion Etching)にてエッチングを行う。これにより、図6A及び図6Bに示すように、SOI基板27は、基部30となる基部形成領域29にCr/Au/Ni薄膜40が形成されるとともに、ヒンジ部32となるヒンジ部形成領域31にピエゾ抵抗層38が露出し、受圧部34となる受圧部34領域にCr/Au/Ni薄膜41が形成される。
次に、基部形成領域29を残して、ヒンジ部形成領域31及び受圧部領域33の直下にあるSi下層42をDRIEによってエッチングし、さらにSiO層44をHF(フッ酸)ガスによって除去することで、図7A及び図7Bに示すように、基台部26の開口領域35にカンチレバー部28のヒンジ部32及び受圧部34が配置され、受圧部34を自由端とした状態を形成する。
次いで、図8に示すように、下方からy軸方向に磁場(本図中矢印37方向)を加え、磁場により、Cr/Au/Ni薄膜40を有した自由端である受圧部34をy軸方向に変位させる。これによりカンチレバー部28は、ヒンジ部32が折り曲がり受圧部34が起立して、当該受圧部34の面部がx軸に対し垂直に配置された状態となる。
次いで、支持部12Aの側面に接着剤を介して上述したセンサ部20を固定する。この状態で、図2に示すように、CVD法により支持部12A側面及びセンサ部20上にパリレンからなる保護膜46を成膜する。次いで、センサ部20の基台部26に電極として設けたCr/Au/Ni薄膜40に、第1増幅器47に接続されている配線45を接続する。
続いて、センサ部20全体を覆い、表面が平面状の弾性体層22を形成する。具体的には、弾性体層22となる弾性材料としてPDMSを使用する。この場合、先ずPDMSの主剤と硬化剤とを所定の割合で混合し、弾性体層22となる弾性材料を作製する。
次いで、センサ部20を囲むように形成された枠部内(図示しない)に弾性材料を流し込み、デシケータに入れて脱泡を行う。その後、約70[℃]に保ったオーブンにて40分間ベークし、弾性材料を硬化させて弾性体層22を形成することにより、せん断力センサ14Aを形成する。
(3)動作及び効果
次に本実施形態に係る計測装置10Aの動作及び効果について説明する。まず、図9に示すように容器60に収容された液体61中に、計測装置10Aの支持部12Aを一端からほぼ中央まで浸漬する。支持部12Aの一端に設けたせん断力センサを液体61中に浸漬した状態を保ちながら、支持部12Aをz軸に平行に、周期的に上下動させる。そうすると、弾性体層22の表面に液体61からのせん断力が作用する。これによりせん断力センサ14Aは、せん断力によって弾性体層22がz軸に平行な方向へ変形する。
弾性体層22がz軸に平行な方向へ変形すると、それに伴ってセンサ部20の角度が変位する。すなわち、弾性体層22がz軸に平行な方向へ変形すると、同時に受圧部34はZ軸に平行な方向に倒れる。受圧部34には、ヒンジ部32が連続して形成されているので、受圧部34の変位量に応じてヒンジ部32が変形する。これによりせん断力センサ14Aは、z軸に平行な方向に作用する力の大きさに応じて、ヒンジ部32の変位量が変化する。
このようにして弾性体層22の変形に伴い、カンチレバー構造のセンサ部20の角度が変位する。センサ部20の電極(Cr/Au/Ni薄膜40)間には電位差が付与されており、センサ部20の角度が変位することにより、ピエゾ抵抗層38の抵抗値が変化する。ピエゾ抵抗層38の抵抗値は、ヒンジ部32の変位量に応じて変化する。せん断力センサ14Aは、変化する抵抗値を測定信号として計測回路18に出力する。
同時に、参照信号出力部としての速度センサ16は、支持部12Aが周期的に上下動する際の速度を感知し、参照信号として計測回路18に出力する。
上記測定信号には、ピエゾ抵抗層38の抵抗値のほか、電源ノイズなどの種々のノイズが含まれる。例えば、支持部12Aをz軸に平行に1回だけ引き上げた場合、図10に示すように、引き上げ速度は、1回のピークが測定される。これに対応してせん断力センサ14Aの出力は、1回のピークが測定されると共に、実際上は図10B中実線で示すように種々のノイズが含まれ、時間経過と共に理想応答(図10B中の破線)との差が拡大してしまう。
同様に、支持部12Aをz軸に平行に周期的に移動させた場合、図11に示すように、引き上げ速度に対応してせん断力センサ14Aの出力は、理想的には図11B中の破線で示す周期的な応答である。しかし実際に出力される測定信号には図11B中実線で示すように種々のノイズが含まれる。
本実施形態に係る計測装置10Aは、計測回路18において、入力された測定信号と参照信号とに基づき、同期検波器50Aで測定信号からノイズを除去し、測定信号の振幅Aを出力する。
次いで、上記測定信号の振幅Aに基づき、図示しない情報処理部が液体61の粘度係数を算出し、測定結果として出力する。具体的には、まず測定信号の振幅Aからピエゾ抵抗層38の抵抗値変化率△R/Rを算出する。さらに抵抗値変化率△R/Rから流体のせん断応力τを求める。抵抗値変化率△R/Rから流体のせん断応力τを求める方法は公知の方法を用いることができる(例えば、特許文献1)。
粘度係数μは、弾性体層22表面をz軸に平行な方向に流れる流体の表面の流速をUとすると、式(2)
Figure 0006128552
で表される。したがって、測定信号の振幅Aから求めたせん断応力τと、上記式(2)から、粘度係数を求めることができる。
上記のように本実施形態に係る計測装置10Aは、流体から作用される周期的なせん断力を感知するとともに、支持部12Aの周期的な速度を感知する。そして計測装置10Aは、それらの測定結果に基づきノイズを除去することにより、せん断応力を高感度で計測することができる。したがって、計測装置10Aは、測定信号からノイズを効果的に除去することができるので、より高感度で粘度係数を計測することができる。
(4)変形例
上記第1実施形態では、同期検波器50Aとして単相ロックインアンプを用いた場合について説明したが、本発明はこれに限られない。図12に示すように、本変形例に係る同期検波器50Bは、2位相ロックインアンプを用いることもできる。本図に示す同期検波器50Bは、位相器55と、第1乗算器56と、第2乗算器57と、第1ローパスフィルタ58と、第2ローパスフィルタ59とを有する。位相器55は、入力された信号の位相を90°シフトして出力する。
第1乗算器56は、増幅された計測信号と参照信号とを乗算し、その結果得た第1変調信号を第1ローパスフィルタ58へ出力する。第1変調信号は、第1ローパスフィルタ58によって高調波が除去され、出力信号Siを出力する。
ここで、測定信号をAcos(ωt+φ)、参照信号をcosωtとする。φは、測定信号と参照信号の位相差である。第1乗算器56及び第1ローパスフィルタ58における処理によって得られる出力信号Siは、式(3)
Figure 0006128552
で表される。
第2乗算器57は、増幅された測定信号と位相が90°シフトされた参照信号とを乗算し、その結果得た第2変調信号を第2ローパスフィルタ59へ出力する。第2変調信号は、第2ローパスフィルタ59によって高調波が除去され、出力信号Sqを出力する。第2乗算器57及び第2ローパスフィルタ59における処理によって得られる出力信号Sqは、式(4)
Figure 0006128552
で表される。
上記のように得られた出力信号Si,Sqと、式(5)
Figure 0006128552
とにより、測定信号の振幅A及び位相差φを得ることができる。このように同期検波器50Bは、2位相ロックインアンプを用いることにより、測定信号と参照信号の位相を調整せずに、測定信号の振幅Aを出力することができる。
2.第2実施形態
(1)全体構成
第2実施形態に係る計測装置10Bについて説明する。上記第1実施形態と同様の構成には同様の符号を付し、説明を省略する。図13に示す計測装置10Bは、支持部12Bと、当該支持部12Bに設けられた力覚センサとしての力センサ14B、参照信号出力部としての速度センサ16、及び計測回路18とを備える。計測装置10Bは、図示しない情報処理部をさらに備え、計測回路18から出力された結果に基づき、力センサ14Bに接触させた被測定物の摩擦係数や弾性係数を測定し得るように構成されている。
力センサ14Bは、図14に示すように、センサ群64と、センサ群64を覆う弾性体層66とを備える。センサ群64は、互いに直交するx軸、y軸、z軸の3軸にそれぞれ平行な方向の力を計測するように形成されている。本図において、x軸及びy軸は互いに直交しており、z軸はx軸及びy軸に対し直交している。
センサ群64は、x軸に平行な方向に作用する力を感知する第1センサ部20Aと、y軸に平行な方向に作用する力を感知する第2センサ部20Bと、z軸に平行な方向に作用する力を感知する第3センサ部70とを有する。第1センサ部20Aと第2センサ部20Bと第3センサ部70とは、互いに所定間隔を空けて基台部68上に配置されている。
図15に示すように、第1センサ部20A及び第2センサ部20Bは、上記第1実施形態のセンサ部20と同じ構成を有する。第1センサ部20A及び第2センサ部20Bは、基台部68に固定されるカンチレバー部28を有する。カンチレバー部28は、基台部68に固定される基部30と、基部30に連続して形成されたヒンジ部32及び受圧部34とを有する。
第1センサ部20Aは、受圧部34の表面がx軸に対し垂直に配置されている。これにより第1センサ部20Aは、x軸に平行な方向に作用する力によって、受圧部34がx軸に平行な方向に倒れる。第2センサ部20Bは、受圧部34の表面がy軸に対し垂直に配置されている。これにより第2センサ部20Bは、y軸に平行な方向に作用する力によって、受圧部34がy軸に平行な方向に倒れる。
第3センサ部70は、第1センサ部20A及び第2センサ部20Bとは異なり、平面上の受圧部78が基台部68に対しほぼ同一面となるように設けられたカンチレバー部72を有している。カンチレバー部72は、受圧部78の対向する両端部に薄板上のヒンジ部76がそれぞれ設けられている。受圧部78は、z軸に平行な方向の力によって弾性体層66が変形すると、それに伴ってz軸に平行な方向に変位する。受圧部78には、ヒンジ部76が連続して形成されているので、受圧部78の変位量に応じてヒンジ部76が変形する。これにより第3センサ部70は、z軸に平行な方向に作用する力の大きさに応じて、ヒンジ部76の変位量が変化し、変位量に応じてピエゾ抵抗層38の抵抗値が変化する。
このように第1センサ部20A、第2センサ部20B、第3センサ部70は、弾性体層66に作用する3軸に平行な方向の力によってそれぞれ対応するヒンジ部32、76が変形することで、当該ヒンジ部32、76のピエゾ抵抗層38の抵抗値を測定信号として計測回路18へ出力する。計測回路18は、第1センサ部20A、第2センサ部20B、第3センサ部70それぞれに対応して合計3個設けられている。
因みに本実施形態に係るセンサ群64は、上記第1実施形態の「(2)せん断力センサの製造方法」に示した方法と同様の方法により製造することができる。
(2)動作及び効果
本実施形態に係る計測装置10Bの動作及び効果について説明する。まず、被測定物の摩擦係数を計測する場合について説明する。この場合、図16に示すように、力センサ14Bを被測定物80の表面に所定の圧縮荷重で押し付け、弾性体層66の表面を被測定物80の表面に接触させ、滑らせる。すなわち力センサ14Bを被測定物80の表面に接触させた状態で、被測定物80の表面に平行に支持部12Bを周期的に移動させる。そうすると、弾性体層66の表面には、被測定物80の表面との間に移動方向と反対方向の摩擦力が作用する。この摩擦力によって、弾性体層66は、移動方向と反対方向に変形する。
例えば、力センサ14Bを被測定物80の表面上においてy軸に平行に滑らせた場合、弾性体層66の表面にはy軸に平行方向にせん断力が作用する。このせん断力によって弾性体層66は、y軸に平行な方向へ変形する。弾性体層66がy軸に平行な方向へ変形すると、それに伴ってセンサ部20の角度が変位する。すなわち、弾性体層66がy軸に平行な方向へ変形すると、同時に第2センサ部20Bの受圧部34はy軸に平行な方向に倒れる。受圧部34には、ヒンジ部32が連続して形成されているので、受圧部34の変位量に応じてヒンジ部32が変形する。これにより第2センサ部20Bは、y軸に平行な方向に作用する力の大きさに応じて、ヒンジ部32の変位量が変化する。
このようにして弾性体層66の変形に伴い、カンチレバー構造の第2センサ部20Bの角度が変位する。第2センサ部20Bの電極(Cr/Au/Ni薄膜40)間には電位差が付与されており、第2センサ部20Bの角度が変位することにより、ピエゾ抵抗層38の抵抗値が変化する。ピエゾ抵抗層38の抵抗値は、第2ヒンジ部32の変位量に応じて変化する。力センサ14Bは、変化する抵抗値をy軸測定信号として第2センサ部20Bに対応する計測回路18に出力する。
さらに、参照信号出力部としての速度センサ16は、力センサ14Bが被測定物の表面上を周期的に移動する際の速度を計測し、参照信号として全ての計測回路18に出力する。
本実施形態に係る計測装置10Bは、計測回路18において、入力されたy軸測定信号、及び参照信号に基づき、同期検波器50Aでy軸測定信号からノイズを除去し、y軸測定信号の振幅を出力する。
次いで、上記測定信号の振幅に基づき、図示しない情報処理部が被測定物の摩擦係数を算出し、測定結果として出力する。具体的には、まず第2センサ部20Bのy軸測定信号の振幅Aからピエゾ抵抗層38の抵抗値変化率△R/Rを算出する。さらに抵抗値変化率△R/Rから摩擦力を求める。当該摩擦力は、予め所定の摩擦力と、当該摩擦力に対する抵抗値変化率△R/Rとの間の関係を表した検量線を作成しておくことで求めることができる。
摩擦係数μと、所定の圧縮荷重P、摩擦力Fとの関係は、式(6)F=μPで表される。したがって、y軸測定信号、z軸測定信号から求めた摩擦力Fと、圧縮荷重Pと、上記式(6)から、摩擦係数を求めることができる。
次に被測定物の表面弾性率を計測する場合について説明する。この場合、図17に示すように、力センサ14Bを被測定物81の表面に押し付け、被測定物81を圧縮方向に周期的に変形させる。そうすると、弾性体層66の表面には、z軸方向と反対方向の圧縮荷重が周期的に作用する。圧縮荷重は、上述した通り第3センサ部70のピエゾ抵抗層38の抵抗値を変化させる。力センサ14Bは、変化する抵抗値をz軸測定信号として第3センサ部70に対応する計測回路18に出力する。
さらに、速度センサ16は、力センサ14Bが被測定物を圧縮方向に周期的に変形させる際の速度を計測し、参照信号として計測回路18に出力する。
本実施形態に係る計測装置10Bは、計測回路18において、入力されたz軸測定信号、及び参照信号に基づき、同期検波器50Aでz軸測定信号からノイズを除去し、z軸測定信号の振幅Aを出力する。
次いで、上記測定信号の振幅に基づき、図示しない情報処理部が被測定物の表面弾性係数を算出し、測定結果として出力する。具体的には、まず第3センサ部70のz軸測定信号の振幅Aからピエゾ抵抗層38の抵抗値変化率△R/Rを算出する。さらに抵抗値変化率△R/Rから圧縮荷重を求める。当該圧縮荷重は、上記摩擦力と同様に予め作成しておいた検量線から求めることができる。そして圧縮荷重を弾性体層66の表面積で除算することにより応力σを算出する。
さらに、速度ンセンサで計測した速度を時間で積分することにより、被測定物の変位(ひずみ)εを算出する。
表面弾性係数Eと、応力σ、ひずみεの関係は、式(7)E=σ/εで表される。したがって、z軸測定信号から求めた応力σ、参照信号から求めたひずみε、上記式(7)から、弾性係数を求めることができる。
上記のように本実施形態に係る計測装置10Bは、被測定物80,81の表面との間に生じる周期的な力を計測するとともに、支持部12Bの周期的な速度を測定し、それらの測定結果に基づきノイズを除去することにより、力センサ14Bに作用する力を高感度で計測することができる。したがって、計測装置10Bは、測定信号からノイズを効果的に除去することができるので、より高感度で摩擦係数及び表面弾性係数を計測することができる。
3.第3実施形態
(1)全体構成
第3実施形態に係る計測装置10Cについて説明する。上記第2実施形態と同様の構成には同様の符号を付し、説明を省略する。図18に示す計測装置10Cは、支持部12Bと、当該支持部12Bに対しx軸、y軸、z軸に沿って移動可能に支持された力覚センサとしての力センサ14B、駆動部82及び計測回路84とを備える。計測装置10Cは、図示しない情報処理部をさらに備え、計測回路84から出力された結果に基づき、力センサ14Bに接触させた被測定物(本図には図示しない)の摩擦係数や弾性係数を測定し得るように構成されている。
駆動部82は、力センサ14Bに直線運動を付与し得るように構成されている。駆動部82は、特に限定されないが、例えば、等速回転運動をするモータを用いることができる。この場合モータの出力軸に歯車を設ける。力センサ14Bには、当該歯車に噛み合うラックを固定する。これによりモータの回転運動をラックの直線運動に変えることができる。モータとラックをx軸、y軸、z軸にそれぞれ設けることにより、力センサ14Bをx軸、y軸、z軸に沿って移動し得る。
計測回路84は、図19に示すように、参照信号出力部86と、ドライバ88と、同期検波器50Aと、増幅器47とを備える。参照信号出力部86は、駆動部82を駆動させる駆動信号をドライバ88へ出力するとともに、前記駆動信号と同じ信号を前記参照信号として位相器51へ出力する。ドライバ88は、駆動信号に基づき駆動部82に所定の周期的な直線運動をさせる。
(2)動作及び効果
本実施形態に係る計測装置10Cの動作及び効果について説明する。力センサ14Bを被測定物の表面に押し付け、支持部12Bを固定した状態で駆動部82を起動する。すなわち参照信号出力部86は、所定の駆動信号をドライバ88へ出力し、当該ドライバ88を介して駆動部82を起動する。駆動部82は力センサ14Bに所定の周期的な直線運動をさせる。
例えば、力センサ14Bがy軸に平行な方向に周期的に直線運動をした場合、弾性体層66の表面が被測定物の表面上を滑る。これにより、弾性体層66の表面にはy軸に平行な方向にせん断力が作用する。y軸に平行な方向のせん断力は、上述した通り第2センサ部20Bのピエゾ抵抗層38の抵抗値を変化させる。力センサ14Bは、変化する抵抗値をy軸測定信号として第3センサ部70に対応する計測回路84に出力する。さらに、参照信号出力部86は、駆動信号と同じ信号を参照信号として計測回路84へ出力する。
計測装置10Cは、計測回路84において、入力されたy軸測定信号と参照信号とに基づき、同期検波器50Aでy軸測定信号からノイズを除去し、y軸測定信号の振幅Aを出力する。
本実施形態に係る計測装置10Cは、駆動部82が所定の周期的な直線運動を力センサ14Bに付与することとしたので、当該力センサ14Bに作用する力のばらつきを少なくすることができる。したがって、計測装置10Cは、測定信号に重なるノイズをより低減できるので、力センサ14Bに作用する力をより高感度で計測することができる。本実施形態では、力センサ14Bがy軸に平行な方向に周期的に直線運動をした場合について説明したが、x軸、z軸にそれぞれ平行な方向に周期的に直線運動をした場合でも同様の効果を得ることができる。
また、計測装置10Cは、駆動部82を駆動させる駆動信号と同じ信号を参照信号として用いることにより、ノイズのない参照信号を用いることができるので、より高感度で計測することができる。
本実施形態の場合、力覚センサが力センサ14Bである場合について説明したが、本発明はこれに限らず、せん断力センサ14Aに適用してもよい。これにより計測装置10Cは、より高感度で粘度係数を計測することができる。
4.第4実施形態
(1)全体構成
第4実施形態に係る計測装置10Dについて説明する。上記第2実施形態と同様の構成には同様の符号を付し、説明を省略する。図20に示す計測装置10Dは、支持部12Bと、当該支持部12Bの一端に設けられた力覚センサとしての圧力センサ90、駆動部91及び計測回路84(図示しない)とを備える。計測回路84は、図示しないが図19に示す上記第3実施形態と同じ構成を有しており、参照信号出力部86と、ドライバ88と、同期検波器50Aと、増幅器47とを備える。駆動部91は、出力軸89を備えたモータである。出力軸89は、先端において支持部12Bの略中央に接続されている。
圧力センサ90は、図21に示すように、空気室92と開口93とが形成された本体94と、前記開口93に設けられたセンサ部95とを備えている。圧力センサ90は、空気室92の内と外の圧力差を、センサ部95により計測し得るように形成されている。
本体94は、開口93を除いて閉塞されており、開口93以外から空気室92内に気体が流通しないように形成されている。センサ部95は、本体94の表面に固定され、開口93に連通する連通路97が形成されており、当該連通路97を塞ぐように設けられたカンチレバー部98を有する。連通路97は、開口93と相似形状に形成されている。
センサ部95は、本体94の表面に固着されたカンチレバー部98を有する。カンチレバー部98は、本体94の表面に固着される基部99と、基部99に連続して形成されたヒンジ部100及び受圧部106とを有する。
カンチレバー部98は、Si薄膜で形成されたSi上層101を有する。このSi上層101の表面には、薄膜状のピエゾ抵抗層102が形成されている。基部99のピエゾ抵抗層102上には、Cr/Au薄膜105が設けられている。なお、基部99には、Si下層103が設けられており、Si下層103の所定位置にSiO層104を介してSi上層101が形成されている。
カンチレバー部98は、Si上層101及びピエゾ抵抗層102がnmオーダーの薄膜状に形成される。カンチレバー部98は、一対のヒンジ部100が細長い長方形状に形成されている。ヒンジ部100に形成されたピエゾ抵抗層102は、ピエゾ素子として機能する。また、カンチレバー部98には、基部99に形成されたCr/Au薄膜105に配線(図示しない)が接続されている。配線は、計測回路84に電気的に接続されている。
カンチレバー部98は、ヒンジ部100を除いて外縁107と連通路97の間に隙間108が形成されている。この隙間108は、空気室92の内と外とを気体が流通しにくい大きさに形成される。このように構成されたカンチレバー部98は、空気室92の内と外の間に生じる圧力差により、ヒンジ部100を中心に弾性変形し得る。
因みに本実施形態に係るセンサ部95は、公知の方法(例えば、特許文献2)と同様の方法により製造することができる。
(2)動作及び効果
本実施形態に係る計測装置10Dの動作及び効果について説明する。なお、以下の説明において、空気室92内の圧力を内圧(pc)、本体94の外の圧力を外圧(pbar)と呼ぶこととする。
まず、内圧(pc)と外圧(pbar)とが等しい場合、例えば、圧力センサ90が高さ方向において所定位置に一定時間保持されている場合、カンチレバー部98は変形しない。この場合の内圧(pc)および外圧(pbar)の圧力を基準圧力(P0)とする。
次いで、駆動部91を起動する。すなわち参照信号出力部86は、所定の駆動信号をドライバ88へ出力し、当該ドライバ88を介して駆動部91を起動する。駆動部91は出力軸89を介して支持部12Bに回転力を付与する。これにより支持部12Bが回転すると、圧力センサ90の高さ方向の位置が周期的に変化する。
図20に示すように、圧力センサ90が上方に配置されている状態を原点とする。支持部12Bが半回転すると、圧力センサ90は鉛直下方に移動する。圧力センサ90を鉛直下方に移動させた場合、外圧(pbar)は内圧(p0)に対し大きくなる。そうすると、内圧(pc)と外圧(pbar)の間に圧力差が生じる。すなわち、外圧(pbar)が内圧(pc)に対し大きくなる。したがって、圧力センサ90が鉛直方向に移動したとほぼ同時に、カンチレバー部98は、ヒンジ部100を中心として空気室92の内側へ変形する。
次いで、空気室92内には、隙間を通じて外部から気体が流入し、内圧(pc)が時間経過と共に上昇する。内圧(pc)の上昇に伴い、カンチレバー部98の変形量が小さくなる。やがて内圧(pc)が外圧(pbar)と等しくなると、カンチレバー部98は元の変形していない状態へ戻る。この場合の内圧(pc)および外圧(pbar)の圧力を変化後圧力(P1)とする。
さらに支持部12Bが半回転し、圧力センサ90が鉛直下方から原点に復帰した場合、外圧(pbar)は内圧(p0)に対し小さくなる。そうすると、上述した動作とは逆に、カンチレバー部98は、ヒンジ部100を中心として空気室92の外側へ変形し、時間経過とともに元の変形していない状態へ戻る。
このようにカンチレバー構造のセンサ部95の角度が変位することにより、ピエゾ抵抗層102の抵抗値が変化する。圧力センサ90は、変化する抵抗値を測定信号として計測回路18に出力する。さらに、参照信号出力部86は、駆動信号と同じ信号を参照信号として計測回路84へ出力する。
計測装置10Dは、計測回路84において、入力された測定信号と参照信号とに基づき、同期検波器50Aで測定信号からノイズを除去し、測定信号の振幅Aを出力する。
次いで、上記測定信号の振幅Aに基づき、図示しない情報処理部が基準圧力(P0)と変化後圧力(P1)との圧力差ΔPを算出し、測定結果として出力する。具体的には、測定信号の振幅Aからピエゾ抵抗層102の抵抗値変化率△R/Rを算出する。さらに抵抗値変化率△R/Rから圧力差ΔPを求める。抵抗値変化率△R/Rから圧力差ΔPを求める方法は公知の方法を用いることができる(例えば、特許文献2)。
基準圧力(P0)と変化後圧力(P1)との圧力差ΔPは、式(8)
Figure 0006128552
で表される。
ΔR(t)/Rはカンチレバー部98の抵抗値変化率、Cは定数、Kは空気室92の容積とCに比例する定数とする。したがって、測定信号の振幅Aから求めた抵抗値変化率△R/Rと、上記式(7)とから、圧力差ΔPを求めることができる。
上記のように本実施形態に係る計測装置10Dは、周期的に変化する差圧を感知するとともに、支持部12Bの周期的な速度を測定し、それらの測定結果に基づきノイズを除去することにより、差圧を高感度で計測することができる。したがって、計測装置10Dは、測定信号からノイズを効果的に除去することができるので、より高感度で差圧を計測することができる。
(3)変形例
上記第4実施形態では、駆動部82が支持部12Aに回転力を付与し、支持部12Aに回転運動させる場合について説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、図22に示すように、計測装置10Eは、支持部111と、当該支持部111に設けられた力覚センサとしての圧力センサ90、駆動部112及び計測回路84(図示しない)とを備える。駆動部112は、支持部111と基台113の間に設けられており、鉛直方向に屈伸運動し得るように形成されている。これにより、駆動部112は、基台113に対し支持部111を鉛直方向に直線運動させることができる。
このように構成された計測装置10Eは、参照信号出力部86(図示しない)が、所定の駆動信号をドライバ88(図示しない)へ出力し、当該ドライバ88を介して駆動部112を起動する。そうすると、駆動部112が伸長した位置と、収縮した位置との差に応じた圧力差がセンサ部95に作用する。センサ部95は、圧力差ΔPに応じて角度が変位することにより、ピエゾ抵抗層102の抵抗値が変化する。圧力センサ90は、周期的な運動に伴って変化する抵抗値を測定信号として計測回路84に出力する。
そして計測装置10Eは、測定信号と、参照信号出力部86から入力される駆動信号と同じ信号からなる参照信号とに基づき、同期検波器50Aで測定信号からノイズを除去し、測定信号の振幅Aを出力する。したがって、本変形例に係る計測装置10Eは、上記第4実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、図23に示すように計測装置10Fを形成してもよい。本図に示す計測装置10Fは、支持部114と、当該支持部114上に設けられた力覚センサとしての圧力センサ90、参照信号出力部としての変位センサ115及び計測回路18(図示しない)とを備える。変位センサ115は支持部114に設けられている。
このように構成された計測装置10Fは、図24に示すように、ユーザに携帯される。例えば、本図に示すようにユーザが階段を一定速度で下りる場合、階段の高さに応じて生じた圧力差がセンサ部95に周期的に作用する。センサ部95は、圧力差ΔPに応じてセンサ部95の角度が変位することにより、ピエゾ抵抗層102の抵抗値が変化する。圧力センサ90は、ユーザが階段を下りることに伴って変化する抵抗値を測定信号として計測回路18に出力する。さらに、位置センサは、計測装置10Fの位置を感知し、参照信号として計測回路18へ出力する。そして計測装置10Fは、測定信号と参照信号とに基づき、同期検波器50Aで測定信号からノイズを除去し、測定信号の振幅Aを出力する。したがって、本変形例に係る計測装置10Fは、上記第4実施形態と同様の効果を得ることができる。
5.実施例
実際に、上記第1実施形態の「(2)せん断力センサの製造方法」に示した方法と同様の方法により製造したせん断力センサ14Aを支持部12Aに固定し、評価を行った。試料として用いた液体61は、水にとろみ調整剤を混合した高粘度の液体61を用いた。図9に示すように、せん断力センサ14Aを当該液体61に浸した状態で、5Hzの速度でz軸に平行な方向に支持部12Aに周期的な直線運動をさせた。この場合の測定結果を図25に示す。図25は、縦軸がセンサ出力(V)を示し、横軸が時間(sec)を示している。本図から、直線運動に伴ってピエゾ抵抗層38の抵抗値が変化していることがわかる。
次いで、図25の測定結果から、周波数特性を検証した。その結果を図26に示す。図26A、図26Bは、共に、縦軸がパワースペクトルを示し、横軸が応答周波数(Hz)を示している。図26Bは、図26Aにおける応答周波数5Hz付近を拡大したグラフである。図26Aから、直線運動による応答に加え、電源ノイズと考えられる50Hzの大きい応答がせん断力センサ14Aから出力されていることが確認できる。さらに図26Bから、直線運動による5Hzの応答付近にも、5Hzの応答と同程度のパワースペクトルを有する種々の周波数応答が出力されていることが確認できる。
次に、上記センサ出力を測定信号とし、周波数が5Hzの信号を参照信号として、測定信号及び参照信号を同期検波器50Aに入力し、同期検波を行った。その結果を図27に示す。図27は、縦軸がセンサ出力(mV)を示し、横軸が時間(sec)を示している。本図に示すように、0.20mV〜0.23mVのセンサ出力が得られている。このことから、同期検波器50Aによって、ノイズを除去し、5Hzのセンサ出力を計測できることが確認できた。
以上より、計測装置10Aは、同期検波器50Aを有する計測回路18を備えることにより、ノイズを除去し、より高感度で計測することができることが確認できた。
10A 計測装置
14A せん断力センサ(力覚センサ)
14B 力センサ(力覚センサ)
16 速度センサ(参照信号出力部)
50A 同期検波器
82 駆動部
91 駆動部

Claims (5)

  1. 外部から作用する周期的な力によって変形し、変形状態に基づく抵抗値変化を測定信号として出力する力覚センサと、
    周期的に変位する前記力覚センサの位置情報を参照信号として出力する参照信号出力部と、
    前記測定信号と前記参照信号とが入力され、所定周波数の信号を出力する同期検波器と
    を備えることを特徴とする計測装置。
  2. 前記参照信号出力部は、
    前記力覚センサの前記位置情報を取得する位置情報取得センサを有し、
    前記位置情報取得センサで検出した前記位置情報を前記参照信号として出力することを特徴とする請求項1記載の計測装置。
  3. 前記位置情報取得センサは、前記力覚センサの位置、加速度、速度のいずれか1つを検出することを特徴とする請求項2記載の計測装置。
  4. 前記力覚センサを周期的に変動させる駆動部を備え、
    前記参照信号出力部は、
    前記駆動部を駆動させる駆動信号を前記駆動部へ出力するとともに、
    前記駆動信号と同じ信号を前記参照信号として出力する
    ことを特徴とする請求項1記載の計測装置。
  5. 前記力覚センサは、力センサであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の計測装置。
JP2013137519A 2013-06-28 2013-06-28 計測装置 Active JP6128552B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013137519A JP6128552B2 (ja) 2013-06-28 2013-06-28 計測装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013137519A JP6128552B2 (ja) 2013-06-28 2013-06-28 計測装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015010963A JP2015010963A (ja) 2015-01-19
JP6128552B2 true JP6128552B2 (ja) 2017-05-17

Family

ID=52304245

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013137519A Active JP6128552B2 (ja) 2013-06-28 2013-06-28 計測装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6128552B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7300137B2 (ja) * 2018-02-24 2023-06-29 株式会社アール・ティー・シー とろみ判別器

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5769229A (en) * 1980-10-20 1982-04-27 Kinugawa Rubber Ind Co Ltd Measuring device for dynamic characteristics of rubber vibration insulator
JP2010133910A (ja) * 2008-12-04 2010-06-17 Kazuhiko Yamanouchi 弾性波を用いた材料評価装置
US8166812B2 (en) * 2009-10-14 2012-05-01 Schlumberger Technology Corporation Vibrating wire viscometers
WO2012102073A1 (ja) * 2011-01-28 2012-08-02 国立大学法人東京大学 差圧センサ
WO2013002380A1 (ja) * 2011-06-30 2013-01-03 国立大学法人東京大学 分析装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015010963A (ja) 2015-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Takahashi et al. Differential pressure sensor using a piezoresistive cantilever
Zhang et al. A self-bended piezoresistive microcantilever flow sensor for low flow rate measurement
Lou et al. Optimization of NEMS pressure sensors with a multilayered diaphragm using silicon nanowires as piezoresistive sensing elements
Zhao et al. A fully packaged CMOS interdigital capacitive humidity sensor with polysilicon heaters
Zhou et al. A novel capacitive pressure sensor based on sandwich structures
Rao et al. A high-resolution area-change-based capacitive MEMS tilt sensor
Li et al. Micromachined piezoresistive accelerometers based on an asymmetrically gapped cantilever
Eswaran et al. Design analysis of MEMS capacitive differential pressure sensor for aircraft altimeter
Farhath et al. Design and simulation of a high sensitive stripped-shaped piezoresistive pressure sensor
El Bab et al. Micromachined tactile sensor for soft-tissue compliance detection
Lin et al. Micro-impedance inclinometer with wide-angle measuring capability and no damping effect
Nastro et al. Double-actuator position-feedback mechanism for adjustable sensitivity in electrostatic-capacitive MEMS force sensors
Zhang et al. Characterization of a silicon nanowire-based cantilever air-flow sensor
Xu et al. A MEMS multi-sensor chip for gas flow sensing
Dalola et al. Micromachined piezoresistive inclinometer with oscillator-based integrated interface circuit and temperature readout
JP6128552B2 (ja) 計測装置
Gilbert Principles of pressure transducers, resonance, damping and frequency response
Rahman et al. Analysis of MEMS diaphragm of piezoresistive intracranial pressure sensor
Wang et al. Silicon monolithic microflow sensors: A review
Sacu et al. Design of a basic piezoresistive microcantilever biosensor
Mathew et al. Numerical study on the influence of buried oxide layer of SOI wafers on the terminal characteristics of a micro/nano cantilever biosensor with an integrated piezoresistor
Chitra et al. A novel design of capacitive MEMS pressure sensor for lubricating system
Biswas et al. Design and simulation of piezoresistive MEMS accelerometer for the detection of pathological tremor
Bhol Highly sensitive MEMS based capacitive pressure sensor design using COMSOL multiphysics & its application in lubricating system
Kanda et al. Piezoelectric MEMS with tactile stimulation and displacement sensing functions

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160601

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170314

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170315

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170405

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6128552

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350