JP6126550B2 - プラント装置用ベッセル及びこのベッセルの据え付け方法 - Google Patents
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この図6において、ケーソン20は、底部を構成するフーチング21と、このフーチング21に立設する側壁22と、この側壁22に囲まれた内部空間を仕切る内部隔壁23を備えている。この内部隔壁23は、ブロック24を組み合わせて構成された内側鉄骨部25により形成されており、ブロック24には、種々の鋼材26により構成した板状の下方内部隔壁23aとトラス状の上方内部隔壁23bとフーチング21の底版鉄骨27とを備えている。また、ブロック24の鋼材26の外側面にはフランジを備えて複数本のスタッド9を打設している。
前記側壁22は、ブロック24のスタッドを含むように鉄筋30とコンクリート本体31からなる鉄筋コンクリートで構成され、内側鉄骨部25の外周に直接位置している。32は、ケーソン本体である。
この図7において、浮体構造物1は六面体状に形成されており、その外側面には外壁部2が設けられており、外底面には底板部3が設けられている。外壁部2及び底板部3は鋼板及びコンクリートからなるハイブリッド構造となっている。外壁部2及び底板部3により形成される内部空間には、ユニット構造体10が3次元に配列されており、各ユニット構造体10の内部には六面体状のユニット空間がそれぞれ形成されている。ユニット構造体10は、5枚の波形鋼板をアングルにより組み付けて構成されており、隣接するユニット構造体の間にはコンクリートが充填されて隔壁部が形成されている。
このため、ケーソン20の内部の下方内部隔壁23aやトラス状の上方内部隔壁23bが邪魔になり、海洋に据え付けるプラント装置用ベッセルとしては使用できない。
特許文献2に示すものは、外壁部2及び底板部3は鋼板及びコンクリートからなるハイブリッド構造となっているが、内部が細かな六面体状に形成されて浮体構造物1を構成しているので、やはり海洋に据え付けるプラント装置用ベッセルとしては使用できない。
このベッセル10の設置スペース40にプラント装置18を格納する工程と、
プラント装置18を格納したベッセル10を進水し、プラント装置18の設置場所に設けられたドック12内に曳航移設する工程と、
このドック12内を排水してベッセル10を固定する工程と
を具備することを特徴とするプラント塗装用ベッセルの据え付け方法である。
前記防水処理された補強材15は、防水塗料16で被覆されたもの、ビニールシート又はそれに代わる可撓性のあるシート等の防水薄膜を付着させたもの、これらを組み合わせたもの等が使用される。
陸上基地の至近距離の海岸にドライドック施設を建造する工程と、
この施設で、底版と外周の側壁とからなり、上方が開口し、内部がプラント装置を収納設置する格納スペースとなっており、かつ、内部に補強材をもって防水性の高いコンクリートを打設し、前記補強材は、金網に、防水塗料を被覆するとともに、この防水塗料に可撓性のある防水薄膜を付着させたものからなり、前記打設したコンクリートの外周に耐海水性塗料を塗布してなるプラント装置用ベッセルを建造する工程と、
前記施設で前記ベッセルの格納スペースにプラント装置を格納する工程と、
前記プラント装置を格納したベッセルを据付ける現地に、予めドックを準備する工程と、
このドックの門扉を開き、ドック内に海水を満たし、前記プラント装置を格納したベッセルを進水し、このベッセルを、前記プラント装置の設置場所に設けられたドック内に曳航移設する工程と、
前記ベッセルが前記ドック内に格納されたら曳航船を切り離し、門扉を閉じる工程と、
このドック内を排水してベッセルの底版をドックの底板に密着させてベッセルを固定する工程と
を具備することを特徴とするプラント装置用ベッセルの据え付け方法としたので、コンクリートの脆さと透水の問題点を確実に防止し、軽量なコンクリート外皮のベッセルを用い、プラント装置用ベッセルの洋上への据え付けを安全に、かつ、速やかに据え付けができる。比較的短期間でプラント装置を据え付けたり、解体したりする必要のある場合に、プラント装置を取り付けたベッセルとドックを利用することにより、ドックへのプラント装置を据え付けたベッセルの出し入れにより簡単に据え付けたり、解体したりすることができる。
陸上基地の至近距離の海岸にドライドック施設を建造する工程と、
この施設で、底版と外周の側壁とからなり、上方が開口し、内部がプラント装置を収納設置する格納スペースとなっており、かつ、内部に補強材をもって防水性の高いコンクリートを打設し、前記補強材は、金網に、防水塗料を被覆するとともに、この防水塗料に可撓性のある防水薄膜を付着させたものからなり、前記打設したコンクリートの外周に耐海水性塗料を塗布してなるプラント装置用ベッセルを建造する工程と、
前記施設で前記ベッセルの格納スペースにプラント装置を格納する工程と、
前記プラント装置を格納したベッセルを据付ける現地に、予めドックを準備する工程と、
このドックの門扉を開き、ドック内に海水を満たし、前記プラント装置を格納したベッセルを進水し、このベッセルを、前記プラント装置の設置場所に設けられたドック内に曳航移設する工程と、
前記ベッセルが前記ドック内に格納されたら曳航船を切り離し、門扉を閉じる工程と、
このドック内に海水を残すように排水することにより、ベッセルに浮力を作用させる工程と、
前記ベッセルに浮力を作用させた状態でベッセルをロープで係留固定する工程と
を具備することを特徴とするプラント装置用ベッセルの据え付け方法としたので、コンクリートの脆さと透水の問題点を確実に防止し、軽量なコンクリート外皮のベッセルを用い、プラント装置用ベッセルの洋上への据え付けを安全に、かつ、速やかに据え付けができる。また、地震国等であっても、設置したプラント装置への地震の衝撃を緩和するために、ドック内に海水を残すことにより、地震動を吸収し、減衰させる緩衝材として機能させるとともに、ベッセルに浮力を作用させ、ドックの底板とベッセルの底版との間に働く底面圧が減少し、地震動に対する減衰(伝達)効果をもたらすことができる。さらに、従来は、プラント装置を地上に設置する場合、活断層の有無が極めて重要な問題となるが、本発明では、ドック内に設置し、水の浮力を活用することによってパッケージされたプラント装置の移出、移動、メンテナンス、耐震性の向上が極めて容易になる。特に、ベッセルの格納スペースにプラント装置を格納し、曳航船で曳航を可能とし、さらに、プラント装置の耐震性を向上させることは、我が国のプラント輸出に貢献すること大である。
最初のプラント装置による作業が終了して、新たなプラント装置と交換するときには、ドックの門扉を開き、ドック内を海水で満杯にして曳航船でドック内から外へベッセルを曳航する工程と、
新たなプラント装置を取り付けたベッセルをドック内に移設して固定する工程を付加してなることを特徴とする請求項2又は3記載のプラント装置用ベッセルの据え付け方法としたので、新たなプラント装置を格納したベッセルを移設することができる。
前記防水処理された補強材15は、防水塗料16で被覆されたもの、ビニールシート又はそれに代わる可撓性のあるシート等の防水薄膜を付着させたもの、これらを組み合わせたもの等が使用される。
このベッセルの設置スペースにプラント装置を格納する工程と、
プラント装置を格納したベッセルを進水し、プラント装置の設置場所に設けられたドック内に曳航移設する工程と、
このドック内を排水してベッセルを固定する工程と
を具備することを特徴とする。
前記防水処理された補強材15は、前記同様に、防水塗料16で被覆されたもの、ビニールシート又はそれに代わる可撓性のあるシート等の防水薄膜を付着させたもの、これらを組み合わせたもの等が使用される。
このベッセル10は、内部に補強材15を有するように組み立て、コンクリート14を打設している。
前記補強材15は、図3(a)(b)に示すように、錆びにくい鉄網、細い鉄線などの編み込み金網15aに、可撓性のある防水塗料16を被覆したもの、図3(c)に示すように、鉄線などの格子金網15bに、防水塗料16を被覆したもの等が用いられる。
前記防水処理された補強材15は、編み込み金網15a又は格子金網15bを、防水塗料16で被覆されたもの、この防水塗料16に代えてビニールシート又はそれに代わる可撓性のあるシート等の防水薄膜43を付着させたもの、さらに、防水塗料16に防水薄膜43をを組み合わせたものであってもよい。また、防水薄膜43は、片面だけ付着してもよいし、両面に付着してもよい。
前記コンクリート14は、防水性の高いものが用いられ、このコンクリート14の海水11に接する外側面には、耐海水性塗料17が塗布される。
前記コンクリートは、防水性を加味した防水(水密性のある)コンクリートが使用されるが、引張力に対して変形しがち、即ちクラックが生じやすいという欠点があるが、このコンクリートの中に、防水処理された補強材として、防水塗料で被覆されたもの及び/又は可撓性のある防水薄膜を付着させたものを加えることで、コンクリートの脆さと透水の問題点を確実に防止し、軽量なコンクリート外皮のベッセルとすることができる。
このプラント装置18を取り付けたベッセル10を進水する。
プラント装置18を格納したベッセル10を据付ける現地に、図4に示すように予めドック12が準備される。
前記ドック12の門扉13を開き、ドック12内に海水11を満たしてベッセル10の格納スペース40にプラント装置18を取り付けたものを、曳航船41でドック12内に移設する。
ベッセル10がドック12内に格納されたら曳航船41を切り離し、門扉13を閉じる。
地震国等であって、設置したプラント装置18への地震の衝撃を緩和するためには、図5に示すように、ドック12内に海水11を残すことにより、地震動を吸収し、減衰させる緩衝材として機能させることができる。このように、ドック12内に海水11を残すことにより、ベッセル10に浮力を作用させる。すると、ドック12の底板42とベッセル10の底版10aとの間に働く底面圧が減少し、地震動に対する減衰(伝達)効果をもたらすことができる。この場合、ベッセル10は、固定するために必要に応じてロープ等で係留する。
新たなプラント装置18を取り付けたベッセル10を前記のようにしてドック12内に移設する。
また、従来は、プラント装置18を地上に設置する場合、活断層の有無が極めて重要な問題となるが、本発明では、ドック12内に設置し、水の浮力を活用することによってパッケージされたプラント装置18の移出、移動、メンテナンス、耐震性の向上が極めて容易になる。特に、ベッセル10の格納スペース40にプラント装置18を格納し、曳航船41で曳航を可能とし、さらに、プラント装置18の耐震性を向上させることは、我が国のプラント輸出に貢献すること大である。
Claims (4)
- プラント装置用のベッセルであって、
このベッセルは、底版と外周の側壁とからなり、上方が開口し、内部がプラント装置を収納設置する格納スペースとなっており、かつ、内部に補強材をもって防水性の高いコンクリートを打設し、前記補強材は、金網に、防水塗料を被覆するとともに、この防水塗料に可撓性のある防水薄膜を付着させたものからなり、前記打設したコンクリートの外周に耐海水性塗料を塗布してなることを特徴とするプラント装置用ベッセル。 - 陸上基地の至近距離の海岸にドライドック施設を建造する工程と、
この施設で、底版と外周の側壁とからなり、上方が開口し、内部がプラント装置を収納設置する格納スペースとなっており、かつ、内部に補強材をもって防水性の高いコンクリートを打設し、前記補強材は、金網に、防水塗料を被覆するとともに、この防水塗料に可撓性のある防水薄膜を付着させたものからなり、前記打設したコンクリートの外周に耐海水性塗料を塗布してなるプラント装置用ベッセルを建造する工程と、
前記施設で前記ベッセルの格納スペースにプラント装置を格納する工程と、
前記プラント装置を格納したベッセルを据付ける現地に、予めドックを準備する工程と、
このドックの門扉を開き、ドック内に海水を満たし、前記プラント装置を格納したベッセルを進水し、このベッセルを、前記プラント装置の設置場所に設けられたドック内に曳航移設する工程と、
前記ベッセルが前記ドック内に格納されたら曳航船を切り離し、門扉を閉じる工程と、
このドック内を排水してベッセルの底版をドックの底板に密着させてベッセルを固定する工程と
を具備することを特徴とするプラント装置用ベッセルの据え付け方法。 - 陸上基地の至近距離の海岸にドライドック施設を建造する工程と、
この施設で、底版と外周の側壁とからなり、上方が開口し、内部がプラント装置を収納設置する格納スペースとなっており、かつ、内部に補強材をもって防水性の高いコンクリートを打設し、前記補強材は、金網に、防水塗料を被覆するとともに、この防水塗料に可撓性のある防水薄膜を付着させたものからなり、前記打設したコンクリートの外周に耐海水性塗料を塗布してなるプラント装置用ベッセルを建造する工程と、
前記施設で前記ベッセルの格納スペースにプラント装置を格納する工程と、
前記プラント装置を格納したベッセルを据付ける現地に、予めドックを準備する工程と、
このドックの門扉を開き、ドック内に海水を満たし、前記プラント装置を格納したベッセルを進水し、このベッセルを、前記プラント装置の設置場所に設けられたドック内に曳航移設する工程と、
前記ベッセルが前記ドック内に格納されたら曳航船を切り離し、門扉を閉じる工程と、
このドック内に海水を残すように排水することにより、ベッセルに浮力を作用させる工程と、
前記ベッセルに浮力を作用させた状態でベッセルをロープで係留固定する工程と
を具備することを特徴とするプラント装置用ベッセルの据え付け方法。 - 最初のプラント装置による作業が終了して、新たなプラント装置と交換するときには、ドックの門扉を開き、ドック内を海水で満杯にして曳航船でドック内から外へベッセルを曳航する工程と、
新たなプラント装置を取り付けたベッセルをドック内に移設して固定する工程を付加してなることを特徴とする請求項2又は3記載のプラント装置用ベッセルの据え付け方法。
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