JP6124633B2 - 安定なドセタキセル注射剤 - Google Patents

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本発明は、安定なドセタキセル注射剤に関する。より詳細には、本発明は、酸化に対して安定性を有する含水のドセタキセル注射剤に関する。
非特許文献1には、ドセタキセル水和物がセイヨウイチイの一種であるヨーロッパイチイの針葉抽出物である10−deacetylbaccatin3を前駆物質として半合成された抗悪性腫瘍剤であり、乳癌、非小細胞肺癌、胃癌、頭頸部癌、卵巣癌、食道癌、子宮体癌、前立腺癌に用いられていること、またドセタキセル水和物の苛酷試験、溶液状態及び強制劣化条件下では、主な分解生成物として、1)4-acetoxy-2α-benzoyloxy-5β,20-epoxy-1,7β,13α-trihydroxy-9,10-dioxo-tax-11-ene,13- ester with (2R,3S)-N-tert-butoxycarbonyl-3-phenylisoserine、2)6α-benzoyloxy -5-[1-(E–3-formyl-1-hydroxymethyl-1α-acetoxy)allyl]-3,7β,9α-trihydroxy-4, 10,11,11–tetramethyl-2-oxo-bicyclo[5.3.1]undeca-3,10-diene,9-ester with (2R, 3S)-N-tert–butoxycarbonyl-3-phenylisoserine、3)4a-acetoxymethyl-3,7α,8aβ-trihydroxy-4c,6b, 9,9-tetramethyl-5,6-dioxo-perhydrotricyclo[5.3.1.04,8] undecano[2',3':5,4]furo[3,2-d]furane,7-ester with (2R,3S)-N-tert- butoxy carbonyl-3-phenylisoserineが認められることが開示されている。
ドセタキセル注射液の安定化方法として、特許文献1および特許文献2には、クエン酸、酒石酸およびアスコルビン酸またはpKaが2.5〜4.5の有機酸が抗酸化剤として有用であること、特許文献3には、抗酸化剤として、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、アスコルビン酸、これらの混合物、クエン酸が有用であることが開示されている。
また、特許文献4には、1)ドセタキセル注射液の安定化方法として、ルイス酸を用いてドセタキセル注射液を酸性状態に保持することにより、ドセタキセルの分子化学構造中の二重結合がルイス酸と水素結合を形成することを可能にし、これにより二重結合の安定性を高めその結果ドセタキセルの安定性を高めること、2)重量部でドセタキセル0.7〜1.3、ポリソルベート20、40、60又は80(ポリソルベート80を最適としている。)20〜35、ルイス酸(リンゴ酸、クエン酸、フマール酸、グリチルレチン酸が明示され、クエン酸を最適としている。)0.1〜0.3、エタノール250〜450および水0〜20から構成されるドセタキセル注射剤、3)ドセタキセル注射剤の製造方法、4)注射液の技術的な製造工程は簡単且つ便利であるため当該製造工程を容易に管理することができ、これにより細菌感染の蓋然性を減らし、製品品質の管理を容易にして、製品品質を確保し且つエネルギー消費を低減し得ることが開示されている。
しかしながら、非特許文献1、特許文献1〜特許文献4のいずれにおいても、ドセタキセル注射液の水分含有量がドセタキセルの酸化に対する安定性に及ぼす影響については一切開示されていない。
国際公開第2007085067号パンフレット ブラジル特許出願公開第2006000194号明細書 中国特許出願公開第101002761号明細書 中国特許出願公開第101327206号明細書
ワンタキソテール(登録商標)の医薬品インタビューフォーム(改訂第3版)
本発明は、酸化に対して安定性を有する単一液状のドセタキセル注射剤を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、ドセタキセル注射剤において、その含水量を増加させることにより単一液状の注射剤におけるドセタキセルの酸化に対する安定性が向上することを見い出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、
(1)ドセタキセル注射剤であって、
(a)ドセタキセル 1重量部;
(b)ポリソルベート80 24〜30重量部;
(c)エタノール 14〜22重量部;
(d)クエン酸 0.01〜0.1重量部;および
(e)水 1〜6重量部;
を含むことを特徴とするドセタキセル注射剤、
(2)前記水は、2〜5重量部であることを特徴とする(1)記載のドセタキセル注射剤、
(3)抗酸化剤0.005〜0.01重量部を更に含むことを特徴とする(1)または(2)に記載のドセタキセル注射剤、
(4)抗酸化剤は、ピロ亜硫酸ナトリウムおよび/または亜硫酸ナトリウムであることを特徴とする(3)記載のドセタキセル注射剤である。
本発明のドセタキセル注射剤は、酸化に対する安定性に優れるため長期間の保存が可能であり、また単一液状であるため中間希釈液を必要とせず輸液に希釈して使用できるなどの投薬上のメリットを有する。
図1はドセタキセルおよびその類縁物質を示す。 図2は注射用水添加割合(WFI%:0および1.1〜6.7)と類縁物質含有率(%)の関係を示す。図中、A体は 10-Deacetyl baccatinを、B体は 2-Debenzoxyl 2-pentenoyl docetaxelを、C体はCrotonaldehyde analogを、D体は 6-Oxodocetaxelを、E体は4-Epidocetaxelを、F体は4-Epi-6-oxodocetaxelを示す。実線は、50℃−2週間(50℃−2W)の苛酷試験を、破線は50℃−4週間(50℃−4W)の苛酷試験の結果を示す。 図3は注射用水添加割合(WFI%:0および8.5〜18.7)と類縁物質含有率(%)の関係を示す。実線は、50℃−2週間(50℃−2W)の苛酷試験を、破線は50℃−4週間(50℃−4W)の苛酷試験の結果を示す。 図4は、50℃−4週間(50℃−4W)の苛酷試験での注射用水添加割合(WFI%:0および8.5〜18.7)と類縁物質含有率(%)の関係を示す。ただし、D体を除く。 図5は、50℃−2週間(50℃−2W)の苛酷試験での注射用水添加割合(WFI%:0および8.5〜18.7)および抗酸化剤添加と類縁物質含有率(%)の関係を示す。
本発明のドセタキセル注射剤に含有されるドセタキセル、ポリソルベート80、エタノール、クエン酸、および水は、ドセタキセルを1重量部とすると、それぞれ、24〜30重量部、14〜22重量部、0.01〜0.1重量部、および1〜6重量部であることが好ましく、水については、2〜5重量部であることがより好ましい。該ドセタキセル注射剤の調製に用いられるドセタキセル、ポリソルベート80、エタノール、クエン酸は、それぞれが前記の重量部の関係を保持できる限り、いずれも水(結晶水も含まれる。)を含んでいても構わない。
本発明のドセタキセル注射剤は、1重量部のドセタキセル、24〜30重量部のポリソルベート80、14〜22重量部のエタノール、0.01〜0.1重量部のクエン酸、および1〜6重量部の水に加え、抗酸化剤0.005〜0.01重量部を更に含むことが好ましく、水については、2〜5重量部であることがより好ましい。抗酸化剤とは光や熱等の条件下における自動酸化を防止または抑制する性質を持つ物質と定義することができるが、本発明の注射剤に加えることができる抗酸化剤として、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩などの無機塩、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸などの有機酸を挙げることができるが、亜硫酸塩、ピロ亜硫酸塩が好ましく、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウムがより好ましい。
本発明のドセタキセル注射剤は、常法に従い、例えば一般的なバイアル入り注射剤の製造工程(計量−混合・溶解−無菌化ろ過−充填−打栓−異物検査−包装・表示の工程)などにより製造することができる。
ドセタキセル溶液を用いて、該溶液中におけるドセタキセルの酸化安定性への注射用水添加および抗酸化剤添加の影響を検討した結果を、以下に実施例を示してより具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(ドセタキセル溶液への注射用水添加および抗酸化剤添加の影響)
無水エタノール 2850 gにドセタキセル水和物 193.1 gを投入し撹拌溶解したあと、ポリソルベート80 (ポリソルベート80 (HX2)、日油株式会社製) 4887 gを加え、無水エタノール 285 gで洗い込みを行った。そのあと、無水クエン酸の5 %無水エタノール溶液 90.5 gを添加し、無水エタノール 150 gで洗い込みを行い、撹拌して pH調整(pH 4.0)を行った。最後に無水エタノールを加えて全量 8659 gとし、撹拌して均一な溶液を作製した。その溶液を孔径0 .2 μmのメンブレンフィルターにて加圧ろ過したあと、バイアルに 1.35 mLずつ充填し、ゴム栓およびアルミキャップで封栓してドセタキセル溶液のバイアルを得た(1バイアルあたりドセタキセル水和物を 28.8 mgを含む)。
(1)前記ドセタキセル溶液のバイアルを2〜8℃で約4ヵ月保管したもの(以下「比較例1」という。)およびこのバイアルに注射用水(WFI)8μL、21μL、34μL、48μLをそれぞれ追加して調製した含水量の異なる4種類のバイアル(以下、それぞれ「実施例1−1」、「実施例1−2」、「実施例1−3」、「実施例1−4」という。)について、50℃で2週間および4週間にわたり苛酷試験を実施した。比較例1および実施例1−1〜1−4の各ドセタキセル溶液調製用試料の内訳を表1(表中の数値はドセタキセル水和物を21.34mgとして換算した。)に、50℃で2週間(50℃−2W)および4週間(50℃−4W)にわたり薬事法の安定性試験ガイドラインに従い苛酷試験を実施した各バイアルの類縁物質(図1参照)の含有率(%)を表2に、また、注射用水添加割合(WFI(%))と類縁物質含有率(%)の変化を図2に示した。
類縁物質含有率は、USP規定のドセタキセル注射剤の不純物試験方法に従い高速液体クロマトグラフィー(HPLC)測定により得られたピーク面積および感度係数を用いて下式により算出した。
(類縁物質含有率の算出)
類縁物質含有率(%)=(個々の類縁物質ピーク面積/全ピーク面積の合計)×(1/感度係数) ×100
表1において、ドセタキセル水和物21.34mgは、ドセタキセル20mgと結晶水1.34mgから構成されている。総重量(mg)とは、ドセタキセル水和物(mg)、ポリソルベート80(mg)、無水クエン酸(mg)、無水エタノール(mg)および注射用水(WFI、mg)の重量の総和(mg)をいう。WFI(%)とは、WFI
(注射用水、Water For Injection)のポリソルベート80(Polysorbate80)に対する百分率をいい、WFI/Polysorbate80×100により算出される。含水率は、(結晶水+WFI)/総重量×100(%)により算出される。以下同じ。
表2において、A体、B体、C体、D体、E体およびF体は、それぞれ10−Deacetyl baccatin、2−Debenzoyl
2−pentenoyl docetaxel、Crotonaldehyde analog、6−Oxodocetaxel、4−Epidocetaxelおよび4−Epi−6−Oxodocetaxelを意味し、それぞれ図1に示した構造を有する。
表2から、苛酷試験が50℃2週間および50℃4週間のいずれの場合においても、ドセタキセルの酸化により生成する類縁物質であるC体、D体およびF体の含有率は比較例1に比して、実施例1−1〜実施例1−4の含水率が0.8%から3.8%に増加(WFI%が1.1から6.7に増加)するのに対して減少し(ただし、B体の含有率については、含水率とは相関関係が認められなかった。)、中でもD体は、C体およびF体に比して顕著な減少を示した。この結果は、ドセタキセル注射剤の含水率を増加させることにより、比較例1の類縁物質の中で最大の含有率(50℃-2W:0.81%、50℃-4W:1.31%)を示すD体の含有率が著しく低下し(実施例1−4で50℃-2W:0.43%、50℃-4:0.70%)、その結果、ドセタキセルの酸化に対する安定性の増加がもたらされることを示している。
一方、ドセタキセルの加水分解により生成する類縁物質であるA体の含有率については、苛酷試験が50℃2週間および50℃4週間のいずれの場合においても、実施例1−1〜実施例1−4の含水率、WFI%の増加に対して、予想に反して、明らかな増減の変化を認めることができなかった。これは、ドセタキセル注射剤の含水率が0.8%から3.8%の範囲では、予想に反して加水分解が進行し難いことを示している。なお、ドセタキセルのエピマー化により生成する類縁物質であるE体の含有率は、苛酷試験が50℃2週間および50℃4週間のいずれの場合においても、僅かではあるが増加傾向を示した。
(2)前記ドセタキセル溶液のバイアルを2〜8℃で約4.5ヵ月保管したもの(以下「比較例2」という。)およびこのバイアルに注射用水(WFI)62μL、76μL、106μL、137μLをそれぞれ追加して調製した含水量の異なる4種類のバイアル(以下、それぞれ「実施例2−1」、「実施例2−2」、「実施例2−3」、「実施例2−4」という。)について、50℃で2週間(50℃−2W)および4週間(50℃−4W)にわたり薬事法の安定性試験ガイドラインに従い苛酷試験を実施した。
比較例2および実施例2−1〜2−4の各ドセタキセル溶液調製用試料の内訳を表3(表中の数値はドセタキセル水和物を21.34mgとして換算した。)に、50℃で2週間(50℃−2W)および4週間(50℃−4W)にわたり苛酷試験を実施した各バイアルの類縁物質含有率(%)を表4に、また、類縁物質含有率(%)の変化を図3に、類縁物質含有率(50℃−4W、%。ただし、D体を除く。)を図4に示した。
表4より、苛酷試験が50℃2週間および4週間の場合、実施例2−1〜実施例2−4の含水率が4.7%から9.7%に増加(WFI%が8.5から18.7に増加)するのに対して、C体の含有率は、50℃−2Wでは変化を示さず、50℃−4Wで減少傾向を、D体の含有率は、50℃−2Wおよび50℃−4Wの双方において著しい減少を、F体の含有率は、50℃−2Wおよび50℃−4Wの双方において減少を示した。中でもD体の含有率の減少は、C体およびF体に比して顕著な減少を示した。
これは、ドセタキセル注射剤の含水率を増加させることにより、比較例2の類縁物質の中で最大の含有率(50℃-2W:0.78%、50℃-4W:1.28%)を示すD体の含有率が著しく低下し(実施例2−4で50℃-2W:0.25%、50℃-4W:0.28%)、その結果、ドセタキセルの酸化に対する安定性の増加がもたらされることを示している。一方、A体の含有率およびE体の含有率は共に、50℃−2Wおよび50℃−4Wの双方において弱い増加傾向を示した。
(3)前記ドセタキセル溶液のバイアルを室温で約4.5ヵ月間放置したもの(以下「比較例3」という。)およびこのバイアルに注射用水(WFI)62μL、76μL、106μL、137μLをそれぞれ追加して調製した含水量の異なる4種類のバイアル(以下、それぞれ「実施例3−1」、「実施例3−2」、「実施例3−3」、「実施例3−4」という。)、比較例3のバイアルに抗酸化剤としてピロ亜硫酸ナトリウム44mgを注射用水(WFI)10mLに溶解した液62μLを追加したもの(以下「実施例4−1」という。)および比較例3のバイアルに抗酸化剤としてピロ亜硫酸ナトリウム22mgおよび乾燥亜硫酸ナトリウム22mgを注射用水(WFI)10mLに溶解した液62μLを追加したもの(以下「実施例4−2」という。)について、50℃で2週間(50℃―2W)および4週間(50℃―4W)にわたり薬事法の安定性試験ガイドラインに従い苛酷試験を実施した。
比較例3、実施例3−1〜3−4および実施例4−1〜4−2の各ドセタキセル溶液調製用試料の内訳を表5(表中の数値はドセタキセル水和物を21.34mgとして換算した。)に、50℃で2週間(50℃−2W)にわたり苛酷試験を実施した各バイアルの類縁物質含有率(%)を表6に、また、類縁物質含有率(50℃-2W、%)の変化を図5にそれぞれ示した。
表5において、実施例4−1および実施例4−2については抗酸化剤(ピロ亜硫酸ナトリウム、乾燥亜硫酸ナトリウム)を用いるため、表1および表3の場合と異なり、実施例4−1および実施例4−2に限り、総重量(mg)は、ドセタキセル水和物(mg)、ポリソルベート80(mg)、無水クエン酸(mg)、無水エタノール(mg)、注射用水(WFI、mg)および抗酸化剤の重量の総和(mg)とする。
表6より、苛酷試験が50℃2週間、実施例3−1〜実施例3−4の含水率が4.7%から9.7%に増加(WFI%が8.5から18.7に増加)するのに対して、B体の含有率およびC体の含有率は変化を示さず、D体の含有率は著しい減少を、F体の含有率は減少を示した。中でもD体の含有率の減少は、F体に比して顕著であった。これは、ドセタキセル注射剤の含水率を増加させることにより、比較例3の類縁物質の中で最大の含有率を示すD体の含有率(1.20%)が著しく低下し(実施例3−4で0.35%)、その結果、ドセタキセルの酸化に対する安定性の増加がもたらされることを示している。また、A体の含有率およびE体の含有率は共に変化を示さなかった。一方、ドセタキセル溶液に更に抗酸化剤を加えた実施例4−1(ピロ亜硫酸ナトリウム単独)および実施例4−2(ピロ亜硫酸ナトリウム+乾燥亜硫酸ナトリウム)については、どちらの実施例も、A体の含有率およびB体の含有率はほとんど変化せず、C体の含有率は減少を、D体の含有率は著しい減少を、F体の含有率は減少を示した。中でもD体の含有率の減少は、C体およびF体に比して顕著であった。A体の含有率には変化無く、E体の含有率は実施例4−1および実施例4−2において共に減少した。
本発明のドセタキセル注射剤は、酸化に対する安定性に優れるため長期間の保存が可能であり、また単一液状であるため中間希釈液を必要とせず輸液に希釈して使用できるなどの投薬上のメリットを有するため、特に癌化学療法分野において有用である。

Claims (4)

  1. ドセタキセル注射剤であって、
    (a)ドセタキセル 1重量部;
    (b)ポリソルベート80 24〜30重量部;
    (c)エタノール 14〜22重量部;
    (d)クエン酸 0.01〜0.1重量部;および
    (e)水 1〜6重量部;
    を含むことを特徴とするドセタキセル注射剤。
  2. 前記水は、2〜5重量部であることを特徴とする請求項1記載のドセタキセル注射剤。
  3. 抗酸化剤0.005〜0.01重量部を更に含むことを特徴とする請求項1または2に記載のドセタキセル注射剤。
  4. 抗酸化剤は、ピロ亜硫酸ナトリウムおよび/または亜硫酸ナトリウムであることを特徴とする請求項3記載のドセタキセル注射剤。
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