JP6120959B2 - 複数のプリント基板を各実装ラインへと割り当てるための方法 - Google Patents

複数のプリント基板を各実装ラインへと割り当てるための方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数のプリント基板を、当該プリント基板に構成部品を実装するための各実装ラインへと割り当てるための方法に関する。本発明はさらに、プリント基板又は他のモジュールに構成部品を実装するための製造ライン又は組立ラインのための制御装置に関する。本発明はさらに、コンピュータプログラム製品と、コンピュータ読み出し可能な媒体とに関する。
特に電子機器製造の分野では、製造すべきプリント基板乃至モジュールは、SMT実装ラインにおいて表面実装技術(surface mounted technology, SMT)によって製造されている。しかしながら技術的制限により、それぞれの実装ラインにおいてどのようなプリント基板でも製造可能であるとは限らない。各プリント基板は、各実装ラインにおいてそれぞれ異なる生産時間を有していることも多い。さらに、各実装ラインの最大生産時間能力を上回ってはいけない。
DE 10 2009 013 35 3B3は、このような実装ラインに機械設備を配置するための方法を開示している。
Hans-Otto Guenther et al.: "Workload planning in small lot printed circuit board assembly" OR Spectrum, 第19巻, No.2, 1.June 1997、第147〜157頁は、プリント基板の自動実装時における作業稼働率の計画に関する。
Dino Luzzatto et al.: "Call formation in PCB assembly based on production quantitative data", European Journal of Operational Research, 第69巻, No.3, 1.September 1993、第312〜329頁は、プリント基板の実装を計画するための方法に関する。
EP 0 478 361 A1は、プリント基板に構成部品を実装するための方法に関し、ここでは、プリント基板種類の製造頻度と、製造のために必要な構成部品とが考慮される。
Sze Man Ting: "Component Grouping for Circuit Board Assembly", 1. January 1999は、プリント基板の自動実装時における構成部品のグルーピングに関する。
実装システムの各実装ラインへのプリント基板の割り当ては、通常、経験値又はヒューリスティック法に基づいて手動又は半自動で実施される。この場合、実際には幾度となく不均等な割り当てが実施されることが判明しており、これによって、実装ラインを構成する機械設備の中に、稼働率が高いものと稼働率が低いものとが生じてしまうので、この実装システムを最適に利用することができなくなってしまう。
本発明の課題は、複数のプリント基板を各実装ラインへと割り当てるための改善された技術を提供することである。
本発明の課題は、独立請求項に記載の特徴を有する方法、コンピュータプログラム製品、及び、実装システムによって解決される。従属請求項は、好ましい実施形態を示している。
実装システムは、プリント基板に電気的な構成部品を実装するための複数の実装ラインを含む。複数のプリント基板を各実装ラインへと割り当てるための方法は、複数のプリント基板に、それぞれ実装すべき構成部品を実装するための要件を検出するステップと、所定の設定に基づき、整数線形計画法を用いて、前記複数のプリント基板を各実装ラインへと割り当てるステップとを含む。この際、前記割り当てるステップは、各実装ラインの構成部品分散値ができるだけ等しくなるように実施される。1つの実装ラインの構成部品分散値は、当該1つの実装ラインへと割り当てられた全てのプリント基板上に実装すべき各々異なる構成部品の数を表す。換言すると、整数線形計画法のパラメータの1つは、割り当ての際に、各実装ラインの構成部品分散値の一様分布に関して最適化が実施されるように選択されている。
ここでは、1つの実装ラインに実装用に用意されている構成部品種類の集合を変更することなく、当該1つの実装ライン上で実装することが可能なプリント基板の集合として、機械設備ファミリなる用語が定義されている。実装ラインに用意されている構成部品種類の集合は、機械設備とも呼ばれる。
通常、1つの実装ラインに対して、1つの機械設備ファミリに含まれているプリント基板よりも多いプリント基板が割り当てられる。なぜなら当該1つの実装ラインに、任意に多数の構成部品種類を用意できるわけではないからである。従って、実装ラインの機械設備は、時々変更される。機械設備の変更時には、第1機械設備ファミリのための機械設備が、第2機械設備ファミリのための機械設備と交換される。この機械設備の変更の頻度が少なくなればなるほど、また、機械設備の変更時に交換しなければならない構成部品種類が少なくなればなるほど、この実装システムは、低コストに稼働することができる。
各構成部品分散値が一様に分布するよう努めることにより、実装ラインの機械設備を変更しなければならなくなる頻度をより少なくすることができる。さらには、個々の実装ラインにおける各機械設備ファミリの数の異なりを、より小さくすることができる。
実装ラインの、例えば交換テーブル又はコンベヤといった可変の要素は、全体として頻繁には変更することができない。この場合、交換テーブルは、所定数の各々異なる電子的な構成部品を実装用に用意する供給テーブルである。実装ラインの機械設備の変更時に交換しなければならない交換テーブルは、可変テーブルと呼ばれ、交換されないテーブルは、不変テーブルと呼ばれる。本発明の方法は、不変テーブルの数を増加させるために寄与することができる。この際、機械設備ファミリを、各実装ラインに亘って一様に分布させることができる。また、実装システムのために、多数の機械設備ファミリを形成しなければならなくなることを回避することも可能である。多数の機械設備ファミリが形成されると、実装システムの複雑性が増加してしまい、場合によっては実装システムの機械設備の変更がより複雑になってしまう可能性がある。実際に、所定数のプリント基板の構成部品分散値と、機械設備ファミリの数との関係は、線形ではなくむしろ指数関数的であることが判明している。
整数線形計画法は、市販の製品として入手可能な標準ソルバーを用いて実施することができる。ソルバーにおいては、各実装ラインの構成部品分散値をできるだけ等しくするために、制約条件乃至最適化目的を定めることができる。
1つの実施形態においては、前記割り当てるステップを、各実装ラインの構成部品分散値が所定の閾値を下回るように実施することができる。
これにより、1つの実装ラインにおける構成部品分散値が大きくなり過ぎるのを阻止することができる。
択一的又は付加的に、前記割り当てるステップを、各実装ラインの構成部品分散値が所定の閾値を上回るように実施することができる。これにより、複数の実装ラインのうちの1つの実装ラインの構成部品分散値が小さくなり過ぎるのを阻止することができる。1つの実装ラインの構成部品分散値が小さくなり過ぎると、他の実装ラインのうちの少なくとも1つの実装ラインにおける構成部品分散値が不釣り合いに大きくなってしまう可能性がある。
さらに、前記割り当てるステップを、全ての実装ラインの最大構成部品分散値ができるだけ最小化されるように実施することができる。こうすることによっても、各実装ラインに亘る構成部品分散値の一様分布を改善することができる。
さらに、前記割り当てるステップを、全ての実装ラインの各最大トラック使用数ができるだけ最小化されるように実施することもできる。これにより、各実装ラインごとの機械設備ファミリの数が、改善的に等しく保たれる。別の1つの実施形態においては、前記割り当てるステップは、全ての実装ラインの各構成部品分散値の合計ができるだけ最小化されるように実施される。特に上述した、各実装ラインにおける構成部品分散値の一様分布の最適化に関連して、格段に改善された結果を達成することができる。
さらに、前記割り当てるステップを、1つの実装ラインの全ての構成部品の各トラック使用数の合計が所定の閾値を下回るように実施することができる。実装ラインの実装機は、通常、所定のトラック幅を有している。トラック幅は、構成部品を搬送するために使用される、同じ幅のトラックの数を表す。構成部品の中には、複数のトラックを必要とするものもある。
さらには、前記割り当てるステップを、1つの実装ラインの全ての構成部品の各トラック使用数の合計が所定の閾値を上回るように実施することができる。1つの実装ラインの各トラック使用数の合計に対する下限値を定めることによって、多数のトラックが未使用のままとなることを回避することができる。
別の1つの実施形態においては、前記割り当てるステップは、1つの実装ラインの全ての構成部品の各トラック使用数の合計ができるだけ最小化されるように実施される。この実施形態も、可変の交換テーブルの頻繁な交換、及び、多数の交換テーブルの用意を回避するために寄与することができる。
さらに別の1つの実施形態においては、前記割り当てるステップを、重み付けされた複数の個別基準を含む1つの基準ができるだけ最適化されるように実施することができる。この場合、ある1つの基準は、構成部品分散値の上述した一様分布に関連することができ、また別の基準には、例えば全ての実装ラインの各構成部品分散値の合計に関連するものもある。重み付けすることによって、複数のパラメータのうちの1つに対する優先度を、例えば現場又は現在の緊急性に応じて制御することが可能となる。
コンピュータプログラム製品は、処理装置にて実行されるか、又は、コンピュータ読み出し可読な媒体に記憶される場合に、上述した方法を実行するためのプログラムコード手段を含む。コンピュータプログラム製品は、通常のプログラミング言語(例えばC++、Java)で作成することができる。処理装置は、相応の入力手段、出力手段、記憶手段を有する市販のコンピュータ又はサーバを含むことができる。
プリント基板に電子的な構成部品を実装するための複数の実装ラインを有する実装システムのための本発明の制御装置は、複数のプリント基板に、それぞれ実装すべき構成部品を実装するための要件を検出し、各実装ラインの構成部品分散値ができるだけ等しくなるように、所定の設定に基づき、整数線形計画法を用いて、前記複数のプリント基板を各実装ラインへと割り当てる、ように構成されており、但し、1つの実装ラインの構成部品分散値は、当該1つの実装ラインへと割り当てられた全てのプリント基板上に実装すべき各々異なる構成部品の数を表す。
本発明の上述した特性、特徴、利点、並びにこれらを達成するための様態及び方法は、実施例に関する以下の記述に関連して、より明確かつ明示的に理解することができる。以下では、実施例に関して図面を参照しながらより詳細に説明する。
実装システムを示す図である。 方法のフローチャートである。 整数線形計画法を用いた最適化方法のフローチャートを示す図である。
線形計画法は、数理最適化分野における主要な方法の1つであり、一次方程式及び一次不等式によって制約された集合に関する線形目的関数の最適化を扱うものである。線形計画法は、(混合)整数線形計画法の解法の基礎である。
線形計画法の利点は、以下の通りである:
・グローバルな最適化アプローチ、
・容易に拡張可能、
・実際に広く普及しており有効性が判明している、非常に良好な市販の標準ソルバー(SCIP, CPLEX, Ilog, Xpress)、
・求められた解が最適解から最大でどのくらい乖離しているか(ギャップ)が知られている。
図1は、実装システム100を示す。実装システム100は、複数の実装ライン110と、複数のプリント基板120を各実装ライン110へと割り当てるための制御装置115とを含む。各実装ライン110は、通常、1つの搬送システム125と、1つ又は複数の実装機130とを含む。各実装機130は、1つ又は複数の実装ヘッド135を含み、各実装ヘッド135はそれぞれ、不変テーブル140又は可変テーブル145から構成部品を取り上げて、搬送システム125上に配置されているプリント基板120上の所定の位置へと位置付けるように構成されている。
プリント基板120は通常、実装工程中は、実装機130に対して静止している。テーブル140,145は、それぞれ複数の供給装置150を含む(これらのうちの1つだけを例示的に図示している)。各供給装置150は、所定の種類の構成部品155のストックを用意している。各供給装置150は、種々異なる構成部品155を用意するよう構成することが可能であり、1つのテーブル140,145に複数の異なる供給装置150を設置することも可能ではある。しかしながら、設置されている各テーブル140,145のいずれにも用意されていない構成部品155を実装機130へと供給しなければならない場合には、速度的な理由から、通常はテーブル140,145が完全に交換される。通常、このような交換は、製造の一時停止と結びついているので、交換すべきテーブル140,145の数は少なく抑えるよう努められる。機械設備の変更時に交換されないテーブルは、不変テーブル140と呼ばれ、交換される場合には可変テーブル145と呼ばれる。不変テーブル140と可変テーブル145との機能的な違いは、その他には存在しない。
プリント基板120には複数の異なる構成部品155を実装することができる。可変テーブル145の交換頻度を最小化するため、理想的には不変テーブル140の数を最大化するために、制御装置115は、各実装ライン110へのプリント基板120の割り当てを最適化するよう構成されている。この場合には通常、各プリント基板120の特性、乃至、各プリント基板120上に実装される各構成部品155の特性、並びに、各実装ライン110乃至各実装機130の個々の特性も考慮しなければならない。
図2は、複数のプリント基板120を、図1の実装システム100の各実装ライン110へと割り当てるための方法200のフローチャートを示す。
ステップ205:第1ステップ205において、プリント基板120を割り当てるための要件が検出される。ある1つの要件は、1つのプリント基板120と、当該1つのプリント基板上に実装すべき構成部品155とを定めるものである。これに加えて、複数の制約条件を定めることができ、例えば、どの実装ライン110においてどのプリント基板120を実装することが可能であるか、又は、どの実装ライン110によってどの構成部品155を処理することが可能であるかが定められる。さらなる別の制約条件は、明細書末尾の数学的背景の議論に記載してある。
次いでステップ210〜230において、あとで実施される、プリント基板120を各実装ライン110へと割り当てるステップに対して影響を与える基準乃至制約条件が定められる。図示した各ステップ210〜230はオプションであり、従ってこれら個々のステップ又は全てのステップ210〜230を省略することも可能である。
ステップ210:実装ライン110の少なくとも1つに対して、最大構成部品分散値が定められる。この場合、決定を個々に実施することができ、従って、各々異なる実装ライン110は、潜在的に各々異なる最大構成部品分散値を有することができる。最大構成部品分散値は、それぞれの実装ライン110の特性又はパラメータに依存し得る。
ステップ215:相応にして、実装ライン110の少なくとも1つに対して、最小構成部品分散値が定められる。このパラメータも、例えばそれぞれの実装ライン110の特性又はパラメータに基づいて、それぞれの実装ライン110ごとに個々に決定することができる。
ステップ220:あとで実施される、複数のプリント基板120を各実装ライン110へと割り当てるステップのために、最適化すべき基準が決定される。この割り当てるステップは、あとで、当該基準ができるだけ最適化されるように、つまり文脈によっては最小化又は最大化されるように実施される。
1つの実施形態においては、前記基準は、個々の実装ライン110の間における構成部品分散値の均等性に対する尺度である。ここでは、数値的に大きい基準は、各実装ライン110の構成部品分散値の均等性が低いことを表しており、数値的に小さい基準は、均等性が高いことを表している。この場合には、あとで実施される割り当てるステップにおいて、当該基準ができるだけ最小化される。例えば、当該基準は、各実装ライン110の構成部品分散値の標準偏差に起因することができる。
別の1つの実施形態においては、前記基準は、全ての実装ライン110の各構成部品分散値に関連しており、全ての実装ライン110の各構成部品分散値の合計として決定されている。この場合には、当該基準は、最適化のためにできるだけ最小化すべきである。
さらに別の1つの実施形態においては、前記基準は、全ての実装ライン110の各構成部品分散値の最大値に関連している。この場合にも、当該基準をできるだけ最小化するよう努められる。
さらに別の1つの実施形態においては、前記基準は、全ての実装ライン110における各トラック使用数の最大値に関連しており、当該基準もまた最小化すべきである。
さらに別の1つの実施形態においては、前記基準は、重み付けされた複数の個別基準、例えば上に挙げた、各実装ライン110の構成部品分散値の均等性に関する基準、全ての実装ライン110の各構成部品分散値の合計に関する基準、及び、全ての実装ラインの各構成部品分散値の最大値に関する基準のような、複数の個別基準から組み合わされている。当該基準を形成するための各個別基準の重み付け係数は、自由に選択することが可能である。1つの例では、重み付け係数の1つを、実装システム100の他のパラメータ、例えば稼働率に依存させることもできる。
好ましくは、前記基準は、全ての実装ライン110の各構成部品分散値の合計に関する重み付けされた個別基準と、各実装ライン110の構成部品分散値の均等性に関連する重み付けされた個別基準とから組み合わされている。
1つの実施形態においては、各実装ライン110におけるトラック使用数の均等性に関する別の重み付けされた個別基準を使用することができる。テーブル140又は145又は供給装置150は、通常、構成部品を収容するために複数のトラックを有する。これらのトラック幅はそれぞれ同じであり、例えば8mmである。例えば抵抗又はコンデンサのような小型の構成部品155は、1つのトラックしか使用しなくてよいが、その一方で例えば集積回路、遮蔽板、又は、ハウジング部品のようなより大型の構成部品は、互いに隣接する複数のトラックを必要とする。小型の構成部品155のトラック使用数は、この例では1であり、大型の構成部品155のトラック使用数はこれより多く、例えば4である。
各実装ライン110のトラック使用数を互いにできるだけ均等にするために、全ての実装ライン110の各トラック使用数の合計を最小化することができる。1つの実装ライン110のトラック使用数は、それぞれの実装ライン110へと割り当てられた複数のプリント基板120上に実装すべき全ての構成部品155の各トラック使用数の合計を含む。
ステップ225:各実装ライン110のトラック使用数を均等にするための支援策として、実装ライン110の少なくとも1つに対して、各トラック使用数に対する最大合計を設定することができる。
ステップ230:同様にして、実装ライン110の少なくとも1つに対して、各トラック使用数に対する最小合計を設定することができる。
最後に、ステップ235において、複数のプリント基板120が各実装ライン110へと割り当てられる。ステップ235における、所定の設定に基づく割り当ては、好ましくは整数線形計画法によって実施される。
図3には、埋め込み方法300がフローチャートの形態で図示されている。
ステップ305:まず、各実装ライン110へのプリント基板120の初期割り当てが決定され、現在の割り当てが、当該初期割り当てに一致される。この初期割り当てを算出するために、種々異なるヒューリスティック法を使用することができ、これには手動による設定又は制限を含めることもできる。
ステップ310:次いで、これから割り当てようとする複数のプリント基板120の中から、プリント基板120の部分集合が選択される。
ステップ315:その後、前記部分集合のプリント基板120の、各実装ライン110への1つ又は複数の択一的な割り当てが、好ましくは整数線形計画法を用いて形成される。これらの割り当ては、図3を参照して説明するように、個々の実装ライン110における各構成部品分散値ができるだけ均等となるように形成される。割り当てのために、複数の個別基準からなる1つの重み付けされた基準を使用することもでき、このようにすると、1つの最適化された割り当てを獲得するために、さらなる別の複数のパラメータを最小化又は最大化することも可能となる。
ステップ320:ここでは、ステップ315で形成された各割り当ての品質が決定される、乃至、ステップ315の線形計画法のパラメータから採用される。この場合には通常、1つ又は複数の品質パラメータが予め定められており、品質パラメータは、例えば実装機130の稼働率、又は、可変テーブル145に対する不変テーブル140の比率を含むことができる。図2の方法に関連すると、品質パラメータとして好ましくは、全ての実装ライン110の各構成部品分散の均等性を最大化させる個別基準を含む、複数の重み付けされた個別基準からなる1つの基準が使用される。
ステップ325:その後、所定の終了基準に到達したか否かがチェックされる。この終了基準は、所定の品質の割り当て、又は、方法300に対する所定の計算時間の経過を含むことができる。
ステップ330:終了基準が満たされている場合には、決定された各割り当てが出力される。
ステップ335:終了基準が満たされていない場合には、決定された各割り当ての中から、さらに最適化すべき割り当てを選択することができる。
ステップ340:この場合には、現在の割り当てが、前記最適化すべき割り当ての1つにセットされ、方法300は改めてステップ310から実行される。最適化すべき割り当てが複数選択された場合には、方法300は、これに応じて何重にも平行に分岐することができる。
数学的背景
厳密な数学的手法を使用することにより、従来実際に使用されてきたヒューリスティック法よりも格段に良好な解を獲得することができる。さらには、この数学的手法によれば、従来とは異なり良好な生産時間を達成することも可能となる。
複数のプリント基板120乃至モジュールを各実装ライン110へと割り当てる際には、技術的制限により、それぞれの実装ライン110においてどのようなプリント基板120でも製造可能であるとは限らないことに留意すべきである。各プリント基板は、各実装ライン110においてそれぞれ異なる生産時間を有していることも多い。さらに、各実装ライン110の最大生産時間能力を上回ってはいけない。
複数のプリント基板120を各実装ライン110へと割り当てる際には、通常、以下の目的が追求される:
・機械設備の変更に係るコストを削減するために、できるだけ多くのプリント基板120を、不変テーブル140によって製造できるようにすべきである。
・機械設備の変更に係る時間コストを削減するために、各実装ライン110における機械設備ファミリ(“クラスタ”)の数はできるだけ少なくしたい。
・必要となる機械設備(例えばコンベヤ150)はできるだけ少なくすべきである。
・固定された機械設備ラインにおける合計所要テーブル数は、できるだけ少なくすべきである。
・固定された機械設備ラインにおける不変テーブルの数は、できるだけ多くすべきである。
・プリント基板120に対する総生産時間はできるだけ最小化すべきである。
これらの目的は一般的に、1つの実装ライン110の各プリント基板120同士における構成部品の重複ができるだけ多くなるよう努めることによって、乃至、各実装ライン110の構成部品分散値の合計を最小化することによって達成するよう試みられる。
各実装ライン110へのプリント基板120の最適化された割り当てを決定するために、IPモデル(IPはInteger Programming、整数計画法、乃至、整数最適化モデルを表す)が使用される。この決定は、公知の標準ソルバーを用いて実施することができる。
添字
L システム100のSMT実装ライン110の集合
R プリント基板120の集合
C 構成部品種類155の集合
構成部品種類cを有するプリント基板の集合
ラインlにおいて実装可能なプリント基板の集合。
パラメータ
Timer,l ラインlにおけるプリント基板rに対する総生産時間
TimeLimit ラインlにおける生産時間制限値。
2値変数
Assignr,l ラインlへのプリント基板の割り当て
Setupc,l ラインl上における構成部品cの使用。
IPの定式化
Figure 0006120959
各実装ライン110に亘る、複雑なプリント基板120の割り当てを改善するために、ソルバーに条件を与えることができる。与えられる条件は、少なくとも、各実装ライン110へのプリント基板120の割り当てを、各実装ライン110の構成部品分散値が各実装ライン110に亘ってできるだけ一様に分布するように最適化することも目的としている。
第1の条件は、それぞれの実装ラインlに対する構成部品分散値の上限を、所定の制限値によって制限することとすることができる。
Figure 0006120959
MaxSetup:第1所定数
さらに、それぞれの実装ラインlに対する構成部品分散値の下限を、最小数MinCountBigまで制限することができる。
Figure 0006120959
MinSetup:第2所定数
全ての実装ラインの最大構成部品分散値は、重み付けられた追加の目的関数成分として定義することができ、これを最適化すべきである。
Figure 0006120959
1つの実装ラインlの全ての構成部品の各トラック使用数の合計の上限は、MaxCapacityまで制限することができる。
Figure 0006120959
MaxCapacity:第3所定数
1つの実装ラインlの全ての構成部品155の各トラック使用数の合計の下限は、MinCapUtilisationまで制限することができる。ここでのWidthは、1つの構成部品155のトラック使用数を表す。
Figure 0006120959
MinCapUtilisation:第4所定数
最後に、1つの実装ラインlの全ての構成部品155の各トラック使用数の合計を、全ての実装ライン110に亘って、重み付けられた追加の目的関数成分として定めることができる。
Figure 0006120959
これらの設定の少なくとも1つを使用することによって、各実装ライン110に亘るプリント基板120の分布が改善されるので、各実装ライン110の機械設備の変更を減らすことが可能となる。さらに、実装システム100におけるプリント基板120の生産時間を改善することが可能である。さらに、IPソルバーを用いた上述のアプローチによれば、割り当てを、従来公知のものよりも迅速に決定することが可能である。
本発明の詳細を、好ましい実施形態に基づいて詳しく図示及び説明してきたが、本発明は開示された実施形態に限定されておらず、当業者が本発明の範囲から逸脱することなくこれらの実施形態から他の変形形態を導出することが可能である。

Claims (8)

  1. プリント基板(120)に電子的な構成部品(155)を実装するための実装システム(100)の複数の実装ライン(110)を用いて、プリント基板(120)を実装するための方法(200)であって、
    ・複数のプリント基板(120)に、それぞれ実装すべき構成部品(155)を実装するための要件を検出するステップ(205)であって、前記要件は、1つのプリント基板(120)と、当該1つのプリント基板上に実装すべき構成部品(155)とを定めるものである、ステップ(205)と、
    ・所定の設定に基づき、整数線形計画法を用いて、前記複数のプリント基板(120)を各実装ライン(110)へと割り当てるステップ(235)と、
    ・それぞれ割り当てられた各前記実装ライン(110)において、前記プリント基板(120)を実装するステップと、
    を含む方法(200)において、
    前記割り当てるステップ(235)を、
    各実装ライン(110)の構成部品分散値ができるだけ等しくなるようにするか、
    各実装ライン(110)の前記構成部品分散値が所定の閾値を下回る(210)ようにするか、
    各実装ライン(110)の前記構成部品分散値が所定の閾値を上回る(215)ようにするか、
    全ての実装ライン(110)の最大の各前記構成部品分散値ができるだけ最小化される(220)ようにするか、
    全ての実装ライン(110)の各前記構成部品分散値の合計ができるだけ最小化される(220)ようにする、
    という基準のうちの少なくとも1つを選択して実施し、
    但し、1つの実装ライン(110)の前記構成部品分散値は、当該1つの実装ライン(110)へと割り当てられた全てのプリント基板(120)上に実装すべき各々異なる構成部品(155)の品種の数を表す、
    ことを特徴とする方法(200)。
  2. 前記割り当てるステップ(235)を、全ての実装ライン(110)の各最大トラック消費数ができるだけ最小化される(220)ように実施する、
    ことを特徴とする請求項1載の方法(200)。
  3. 前記割り当てるステップ(235)を、1つの実装ライン(110)の全ての構成部品(155)の各トラック消費数の合計が所定の閾値を下回る(225)ように実施する、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の方法(200)。
  4. 前記割り当てるステップ(235)を、1つの実装ライン(110)の全ての構成部品(155)の各トラック消費数の合計が所定の閾値を上回る(230)ように実施する、
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか一項記載の方法(200)。
  5. 前記割り当てるステップ(235)を、1つの実装ライン(110)の全ての構成部品(155)の各トラック消費数の合計ができるだけ最小化される(220)ように実施する、
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか一項記載の方法(200)。
  6. 前記割り当てるステップ(235)を、重み付けされた複数の個別基準を含む1つの基準ができるだけ最適化されるように実施する、
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか一項記載の方法(200)。
  7. プログラムコード手段を有するコンピュータプログラムおいて、
    前記コンピュータプログラムが、処理装置(115)にて実行されるか、又は、コンピュータ読み出し可能な媒体に記憶されている場合に、当該プログラムコード手段により、請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法(200)が実行される、
    ことを特徴とするコンピュータプログラム
  8. 実装システム(100)の複数の実装ライン(110)を用いてプリント基板(120)を実装するための制御装置(115)において、
    当該制御装置(115)は、
    ・複数のプリント基板(120)に、それぞれ実装すべき構成部品(155)を実装するための要件を検出し、但し、前記要件は、1つのプリント基板120と、当該1つのプリント基板上に実装すべき構成部品(155)とを定めるものであり、
    ・各実装ライン(110)の構成部品分散値ができるだけ等しくなるように、所定の設定に基づき、整数線形計画法を用いて、前記複数のプリント基板(120)を各実装ライン(110)へと割り当て(235)、但し、1つの実装ライン(110)の前記構成部品分散値は、当該1つの実装ライン(110)へと割り当てられた全てのプリント基板(120)上に実装すべき各々異なる構成部品(155)の品種の数を表し、
    ・それぞれ割り当てられた各前記実装ライン(110)における、前記プリント基板(120)の実装を制御する
    ように構成されていることを特徴とする制御装置(115)。
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