以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
[システム構成]
図1は、本発明の実施形態における画像処理システム1のシステム構成の一例を示す図である。
図1に示されるように、画像処理システム1は、クライアント端末8と、画像形成装置4と、認証サーバ6と、管理サーバ9と、通信端末5a、5b、5c、・・・5n(それぞれを区別しない場合は「通信端末5」という。)と、配信装置3と、ゲートウェイ装置7とを有する。
通信端末5と配信装置3とゲートウェイ装置7とは、例えばIEEE802.15.4規格のアーキテクチャモデルのうち物理層とMAC層を採用したZigBee(登録商標)によるネットワーク891を介して通信可能に接続されている。この場合、日本、米国、欧州等の利用領域に応じて、配信装置3は、800MHz帯、900MHz帯又は2.4GHz帯を利用し、隣接する他の配信装置3を経由して、ゲートウェイ装置7にデータを送信することができる。ゲートウェイ装置7と管理サーバ9とは、LAN(Local Area Network)又はインターネット等のネットワーク892を介して、通信可能に接続されている。この構成により、画像処理システム1は、管理サーバ9に通信端末5の位置情報を管理させる。
クライアント端末8と、画像形成装置4と、認証サーバ6と、管理サーバ9とは、LAN又はインターネット等のネットワーク893を介して、通信可能に接続されている。
本発明の実施形態の画像処理システム1は、管理サーバ9に、通信端末5が取り付けられた物又は人若しくは人が携帯する所有物(管理対象物)の位置情報を管理させる。次に、クライアント端末8に、地図の画像上に管理対象物を示すマーカーが配置され、かつ管理対象物の属性を示す属性情報が画像の地紋等として埋め込まれた画像を生成させる。そして、画像形成装置4は、その属性情報が埋め込まれた画像が印刷された原稿がスキャン処理されたスキャン画像に、属性情報が表示された画像に加工する。このように、本発明の実施形態の画像処理システム1は、例えば印刷により、マーカーとマーカーに関する情報(属性情報)との電子的な関連付け(リンク)が切れた場合であっても、マーカーに関する情報の再表示を可能とするシステムである。
配信装置3は、図2に示されるような室内の天井等に設置された電気機器2a、2b、2c、・・・2n(それぞれを区別しない場合は「電気機器2」という。)に内蔵されるか又はこれらの外部に取り付けられている。図2は、本発明の実施形態における配信装置3及び通信端末5の設置形態の一例を示す図である。電気機器2は、配信装置3に対して電力を供給する。電気機器2は、例えば蛍光灯型LED(Light Emitting Diode)照明器具である。なお、電気機器2はLED照明器具に限らず、例えば一般の蛍光灯や換気扇、スピーカ、監視カメラ、エアコン等であってもよい。配信装置3は、自機が固定された位置に対応する位置情報を所有し、その位置情報を無線信号により所定の範囲に対して連続的又は断続的に送信する。所定の範囲は、用いられる無線信号の信号強度及び送信アンテナの指向性等によって定められる。配信装置3は、位置の管理対象となる領域をカバーするように配置され、それぞれの領域が重複しないように構成される。あるいは重複する場合であっても、位置情報を受信する側において、受信電波の強度に基づいて、いずれか一つの配信装置3が決定できるように構成される。図2の例では、配信装置3の下方に示される円錐型の点線が、所定の範囲を表している。位置情報を送信する通信方式として、例えば地上補完信号IMES(Indoor Messaging System)を用いることができる。また、配信装置3は通信端末5又はゲートウェイ装置7に対して位置情報以外のデータも送受信できる。
通信端末5は、図2に示されるように、位置情報の管理対象となる管理対象物10に取り付けられており、例えばRFID(Radio Frequency IDentification)タグである。管理対象物10は、例えばスマートフォンや携帯電話等の携帯端末10a、プロジェクタ10b、PC(Personal Computer)10c又は社員証や学生証等のIDカード10nである。なお、管理対象物10は、上記に限らず、例えばMFP(Multifunction Peripheral)等の画像形成装置であってもよく、さらに電子機器に限られない。ユーザに携行される携帯端末10aやIDカード10nに通信端末5を取り付けることで、ユーザの位置情報が管理可能となる。通信端末5は、例えば配信装置3から送信される地上補完信号IMES規格に準ずる測位信号を受信して、位置情報を取得する。そして、通信端末5は、ネットワーク891を介して、受信した位置情報を管理サーバ9に送信する。なお、通信端末5から送信される位置情報には、通信端末5を一意に識別する識別情報が含まれる。ここで識別情報とは、例えば通信端末5のMAC(Media Access Control)アドレスである。
ゲートウェイ装置7は、ネットワーク891とネットワーク892とを相互に接続し、一方のネットワークから送信されたデータを他方のネットワークにブリッジする。ゲートウェイ装置7は、例えば建物のフロア毎又は壁等で仕切られた部屋毎に設置される。ネットワーク891がIEEE802.15.4規格及びZigBee(登録商標)によるネットワークであり、ネットワーク892がIEEE802.3規格に準拠するLANである場合は、それらの間の通信方式の変換を行う。
なお、上述したネットワーク891、ネットワーク892及びネットワーク893の通信方式は上記に限らず、各装置間の通信が可能であれば、例えば移動通信網や近距離無線通信規格のIEEE802.15.1(Bluetooth(登録商標))等であってもよい。
管理サーバ9は、通信端末5の位置情報を管理する位置情報管理機能、地図上に管理対象物10の位置を示す画面を生成する画面生成機能及び情報通信機能等を有する。ここで、管理サーバ9による位置情報の管理方法の一例の概略を説明する。
本発明の実施形態では、例えば、天井に設置されている配信装置3は、無線通信によりこの配信装置3が設置された位置を示す位置情報を配信する。これにより、通信端末5は配信装置3から配信された位置情報を受信する。
次に、通信端末5は、無線通信により配信装置3に、通信端末5を識別するための識別情報と受信した位置情報とを送信する。この場合、通信端末5は、配信装置3から配信され受信した位置情報を、配信装置3に送り返すことになる。これにより、配信装置3は、通信端末5の識別情報及び位置情報を受信する。
次に、配信装置は、無線通信により、ゲートウェイ装置7に通信端末5の識別情報及び位置情報を送信する。
そして、ゲートウェイ装置7は、ネットワーク892を介して管理サーバ9に通信端末5の識別情報及び位置情報を送信する。
管理サーバ9では、通信端末5の識別情報及び位置情報を管理することで、画像処理システム1の管理者は、通信端末5が取り付けられた管理対象物10の位置を把握できる。
なお、通信端末5は、位置情報を送信した配信装置3よりさらに近傍にゲートウェイ装置7が存在する場合には、位置情報等のデータをゲートウェイ装置7に送信してもよい。これにより、最短経路で通信端末5の識別情報と位置情報とを管理サーバ9に送信できる。
クライアント端末8は、ユーザからの入力を受け付け、ユーザに対して情報を表示出力するPC等の情報処理装置である。本発明の実施形態におけるクライアント端末8には、地図上の管理対象物10の位置を示すマーカーに、管理対象物10の属性情報(マーカー情報)が埋め込まれた画像(以下、「埋込画像」という。)を生成するための埋込画像生成アプリケーション(以下、「埋込画像生成アプリ」という。)がインストールされている。そして、クライアント端末8は、画像生成アプリを用いて、画像生成処理を行う。
画像形成装置4は、ユーザ認証機能を備えるMFP等の画像形成装置である。本発明の実施形態の画像形成装置4は、埋込画像に埋め込まれたマーカー情報に基づき、埋込画像の加工を行い、印刷出力、メール送信又は外部記録媒体等に出力する。
認証サーバ6は、ユーザを識別するユーザ名又はユーザIDにパスワードを対応付けて管理し、画像形成装置4からの認証要求に基づき認証処理を行うコンピュータである。
[ハードウェア構成]
<通信端末>
図3は、本発明の実施形態における通信端末5のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示されるように、通信端末5は、制御部14及び無線通信部15によって構成されている。
このうち、制御部14は、制御部14全体の動作を制御するCPU401、基本入出力プログラムを記憶したROM402、CPU401のワークエリアとして使用されるRAM403、配信装置3から配信される位置情報を受信する通信回路404及びアンテナ404a、加速度を検出する加速度センサ405、無線通信部15と信号の送受信を行うI/F408、及び上記各部を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン409を備えている。また、制御部14は、ボタン電池406も設けられており、このボタン電池406によって駆動される。なお、本発明の実施形態では、ボタン電池406を使う場合について説明するが、ボタン型に限らず、単3もしくは単4等の乾電池又は通信端末5に専用の電池であってもよい。
通信回路404は、アンテナ404aによって、IMESを利用して配信された位置情報を受信する。また、制御部14は、コネクタ409aを介して無線通信部15に、ボタン電池406の電力を供給する。さらに、制御部14は、I/F408からコネクタ409bを介して無線通信部15とデータ(信号)の送受信を行う。
また、加速度センサ405は、通信端末5の加速度の変化を検出する。加速度の変化は、例えば、通信端末5が移動を開始した時、通信端末5が移動を停止した時又は通信端末5が傾いた時等に検出される。CPU401の処理が停止中の場合、加速度センサ405が加速度の変化を検出すると、CPU401へ処理を始動させるための信号を送信する。これにより、CPU401は、自己の処理を始動させると共に、通信回路404に対して処理を始動させるための信号を送信する。よって、位置情報が配信装置3から配信されている場合、通信端末5の通信回路404は、アンテナ404aを介して位置情報の受信を開始することができる。
一方、無線通信部15は、上記無線通信部13と基本的に同じ構成を有し、無線通信部13と同じ帯域を利用して、配信装置3の無線通信部13とデータの送受信を行うことができる。そして、無線通信部15は、図3に示されるように、無線通信部15全体の動作を制御するCPU501、基本入出力プログラム及び識別情報を記憶したROM502、CPU501のワークエリアとして使用されるRAM503、位置情報や識別情報を送信する通信回路504及びアンテナ504a、制御部14と信号の送受信を行うI/F508、及び、上記各部を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン509を備えている。なお、無線通信部15においても、ZigBee(登録商標)を用いてもよい。
また、通信回路504は、CPU501からの命令により、コネクタ409bを介して、制御部14のRAM403に記憶されている位置情報を取得する。さらに、通信回路504は、ROM502に記憶されている識別情報を読み出し、上記取得された位置情報と共にアンテナ504aを介して配信装置3へ送信する。
また、通信回路504によって送信される位置情報のデータは、図4に示すようなフォーマットにより構成されている。図4は、本発明の実施形態における位置情報のデータのフォーマットの一例を示す概念図である。図4の例では、階数、緯度、経度、棟番号の各フィールドが、それぞれ9ビット、21ビット、21ビット、8ビットで表現され、各フィールドの表現形式はIMES規格に準ずる。実際にはこのフォーマットに加えて通信方式によって規定されるヘッダやチェックサム情報が付加され、図5に示されるように送信先、送信元及びデータ内容(位置情報等)が含まれている。図5は、本発明の実施形態における位置情報を含むデータのデータ構造の一例を示す概念図である。
<配信装置>
図6は、本発明の実施形態における配信装置3のハードウェア構成の一例を示す図である。なお、図6の例は、配信装置3が内蔵される電気機器2がLED照明器具の場合の蛍光灯型LEDランプのハードウェア構成図である。
図6に示されるように、LEDランプ130は、主に電源制御部140、リード線(151a、151b)、端子ピン(152a1、152a2、152b1、152b2)、リード線153、リード線154、リード線155及び配信装置3によって構成されている。このうち電源制御部140は、電源から出力される電流を制御し、主に、電流監視回路141及び平滑回路142によって構成されている。電流監視回路141は、電源から出力される電流を入力して整流する。平滑回路142は、電流監視回路141によって整流された電流を平滑し、リード線(151a、151b)を介して各端子ピン(152a1、152a2、152b1、152b2)に電力を供給する。
また、電源制御部140と端子ピン(152a1、152a2、152b1、152b2)は、リード線(151a、151b)によって電気的に接続されている。電源制御部140と配信装置3は、リード線154によって電気的に接続されている。なお、LED160は、図6において一つだけ示しているが、実際には複数のLEDが取り付けられている。また、図6に示される構成のうち配信装置3以外は一般のLEDランプと同じ構成である。
配信装置3は、電圧変換器100、リード線155、制御部11、位置情報配信部12及び無線通信部13によって構成されている。そして、電圧変換器100がリード線155を介して、制御部11、位置情報配信部12及び無線通信部13に電気的に接続されている。
このうち電圧変換器100は、電源制御部140から供給された電力の電圧を配信装置3の駆動電圧に変換し、制御部11、位置情報配信部12及び無線通信部13へ供給する電子部品である。
また、制御部11は、制御部11全体の動作を制御するCPU101、基本入出力プログラムを記憶したROM102、CPU101のワークエリアとして使用されるRAM103、位置情報配信部12及び無線通信部13とそれぞれ信号の送受信を行うI/F(108a、108b)並びに上記各部を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン109を備えている。
また、位置情報配信部12は、位置情報配信部12全体の動作を制御するCPU201、基本入出力プログラム及び位置情報を記憶したROM202、位置情報を配信する通信回路204及びアンテナ204a、制御部11と信号の送受信を行うI/F208、並びに、上記各部を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン209を備えている。
このうち通信回路204は、屋内GPSと呼ばれる屋内測位技術の一つであるIMESを利用し、アンテナ204aによって位置情報を配信する。なお、図2には、位置情報の到達可能な範囲(配信可能な範囲)が仮想的に破線によって表されている。本発明の実施形態のIMESでは、例えば屋内の天井高が約3mの場合に、屋内の床に表された位置情報の到達可能な仮想円の半径が約5mとなるように、送信出力が設定される。但し、この送信出力の設定を変更すれば、5mよりも小さくすることも可能であり、大きくすることも可能である。
また、本発明の実施形態において配信装置3が配信する位置情報は、蛍光灯型LED照明器具である電気機器2が設置された位置を示し、図7に示されるように、階数、緯度、経度、棟番号の項目を含む。
図7は、本発明の実施形態における配信装置が配信する位置情報の一例を示す概念図である。このうち階数は、電気機器2(配信装置3)が設置される建物の階数を表す。緯度及び経度は、電気機器2(配信装置3)が設置された位置の緯度及び経度を表す。棟番号は、電気機器2(配信装置3)が設置された建物の棟番号を表す。図7の例では、電気機器2(配信装置3)は、ある建物のX棟の16階で、緯度が北緯35.66660度、経度が東経139.76520度の地点に設置されていることが示されている。なお、緯度は南緯、経度は西経により表されてもよい。
図6に戻り説明する。無線通信部13は、無線通信部13全体の動作を制御するCPU301、基本入出力プログラム及び装置識別情報を記憶したROM302、CPU301のワークエリアとして使用されるRAM303、位置情報や識別情報を受信してゲートウェイ装置7に送信する通信回路304及びアンテナ304a、制御部11と信号の送受信を行うI/F308、及び、上記各部を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン309を備えている。
また、無線通信部13は、920MHz帯を利用してデータの送受信を行う。920MHz帯は、電波到達性が高いため配信装置3とゲートウェイ装置7との間に建物の柱や壁が存在している場合であっても、配信装置3からゲートウェイ装置7にデータを送信することができるという効果を奏する。
さらに、通信回路304は、IEEE802.15.4規格のアーキテクチャモデルのうち少なくとも物理層(レイヤ)の規格を利用し、アンテナ304aによってデータの送受信を行う。また、この場合には、配信装置3(無線通信部13)を識別するための装置識別情報として、MACアドレスを用いることができる。
なお、通信回路304が用いる規格がZigBee(登録商標)である場合は、隣接する他の配信装置3を経由して、ゲートウェイ装置7にデータを送信できる。このように他の配信装置3を経由してデータを送信するマルチホップ通信を利用すれば、各配信装置3の無線通信部13は、ルーティング処理に時間が掛かるが、最寄りの配信装置3にデータが到達する程度の電力で通信すればよいため、省電力で駆動することができるというメリットがある。
また、配信装置3により配信される位置情報は、配信装置3の工場出荷前にメーカーによって記憶部29に記憶されてもよいし、配信装置3の工場出荷後で天井に電気機器2が設置される際に設置者によって記憶されてもよい。さらに、位置情報は、管理サーバ9等の外部の装置から、ゲートウェイ装置7を介して無線通信により無線通信部13の通信回路304が受信し、制御部11を介して位置情報配信部12のROM202に記憶されるようにしてもよい。
<ゲートウェイ装置>
図8に示されるように、ゲートウェイ装置7は、無線通信部17及び有線通信部18によって構成されている。
このうち無線通信部17は、上記無線通信部13と基本的に同じ構成を有し、無線通信部13と同じ帯域を利用して、配信装置3の無線通信部13とデータの送受信を行うことができる。無線通信部17は、図8に示されるように、無線通信部17全体の動作を制御するCPU701、基本入出力プログラム及び装置識別情報を記憶したROM702、CPU701のワークエリアとして使用されるRAM703、位置情報等を送信する通信回路704及びアンテナ704a、有線通信部18と信号の送受信を行うI/F708及び上記各部を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン709を備えている。また、無線通信部17は、I/F708からコネクタ709aを介して有線通信部18と信号の送受信を行う。
なお、無線通信部17においても、ZigBee(登録商標)を利用してもよい。また、装置識別情報は、ゲートウェイ装置7(無線通信部17)を識別するための固有の情報である。装置識別情報としては、例えば、MACアドレスが挙げられる。
一方、有線通信部18は、図8に示されるように、有線通信部18全体の動作を制御するCPU801、基本入出力プログラム及びアドレス情報を記憶したROM802、CPU801のワークエリアとして使用されるRAM803、イーサネットコントローラ805、無線通信部17と信号の送受信を行うI/F808a、ケーブル809を介しLAN8eに対しデータ(信号)の送受信を行うI/F808b及び上記各部を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン809を備えている。
ここで、CPU801及びイーサネットコントローラ805は、IEEE802.15.4規格に準拠した通信方式(通信プロトコル)を、IEEE802.3規格に準拠した通信方式(通信プロトコル)に変換して、配信装置3から送られて来た各種データ(情報)を、イーサネット(登録商標)のパケット通信ができるように制御する。
さらに、アドレス情報は、ゲートウェイ装置7(有線通信部18)を識別するための固有の情報である。アドレス情報としては、例えば、IP(Internet Protocol)アドレスが挙げられる。なお、ROM802には、MACアドレスも記憶されているが、管理サーバ9との通信を簡単に説明するため、その説明を省略する。
<管理サーバ>
図9は、本発明の実施形態における管理サーバ9のハードウェア構成の一例を示した図である。
管理サーバ9は、コンピュータによって構成されている。そして、管理サーバ9は、管理サーバ9全体の動作を制御するCPU901、IPL(Initial Program Loader)等のCPU901の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM902、CPU901のワークエリアとして使用されるRAM903、管理サーバ9用のプログラム等の各種データやアドレス情報を記憶するHD904、CPU901の制御にしたがってHD904に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するHDD905、フラッシュメモリ等の記録メディア906に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ907、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字又は画像等の各種情報を表示するディスプレイ908、ネットワーク892及びネットワーク893を利用してデータ通信するためのネットワークI/F909、文字、数値、各種指示等の入力のための複数のキーを備えたキーボード911、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動等を行うマウス912、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD−ROM913に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するCD−ROMドライブ914、無線通信を行う通信回路915及びアンテナ915a、外部機器を接続するための外部機器I/F916並びに上記各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン910を備えている。さらに、アドレス情報は、管理サーバ9を識別するための固有の情報である。アドレス情報としては、IPアドレスが挙げられる。なお、ROM902には、MACアドレスも記憶されているが、ゲートウェイ装置7との通信を簡単に説明するため、その説明を省略する。
<クライアント端末>
図10は、本発明の実施形態におけるクライアント端末8のハードウェア構成の一例を示した図である。
クライアント端末8は、コンピュータによって構成されている。そして、クライアント端末8は、クライアント端末8全体の動作を制御するCPU821、IPL等のCPU821の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM822、CPU821のワークエリアとして使用されるRAM823、クライアント端末8用のプログラム等の各種データやアドレス情報を記憶するHD824、CPU821の制御にしたがってHD824に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するHDD825、フラッシュメモリ等の記録メディア826に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ827、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字又は画像等の各種情報を表示するディスプレイ828、ネットワーク892及びネットワーク893を利用してデータ通信するためのネットワークI/F829、文字、数値、各種指示等の入力のための複数のキーを備えたキーボード831、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動等を行うマウス832、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD−ROM833に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するCD−ROMドライブ834、無線通信を行う通信回路835及びアンテナ835a、外部機器を接続するための外部機器I/F836並びに上記各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン830を備えている。さらに、アドレス情報は、クライアント端末8を識別するための固有の情報である。アドレス情報としては、IPアドレスが挙げられる。なお、ROM822には、MACアドレスも記憶されている。
<画像形成装置>
図11は、本発明の実施形態における画像形成装置4であるコンテンツ出力装置6のハードウェア構成の一例を示した図である。画像形成装置4には通信端末5が外部に取り付けられている。但し、通信端末5が画像形成装置4に内蔵されている構成でもよい。
画像形成装置4は、操作パネル428と、記憶メディアI/F425と、コントローラ421と、データ通信I/F433と、HDD435と、スキャナ436と、プロッタ431とを有し、それぞれバス438で相互に接続されている。
操作パネル428は、入力装置430と表示装置429とを有しており、入力装置430は、ハードウェアキー等で構成され、画像形成装置4に各操作信号を入力するのに用いられる。また、表示装置429は、ディスプレイ等で構成され、例えば画像形成動作に関する各種情報を表示する。データ通信I/F433は、インタフェース装置434を有しており、画像形成装置4をネットワーク等のデータ伝送路に接続するインタフェースである。HDD435は、画像形成装置4で取り扱われる受信文書データや読み取り画像データ等の各種データを格納している。また、HDD435は、これらの各種データを、所定のファイルシステムやDB(Data Base)により管理している。
上記HDD435に格納される各種データの中には、例えば、スマートフォンやデジタルカメラ等の外部機器によって記録された電子データも含まれる。このような場合には、SDカード等の記録媒体427によって画像形成装置4に提供されたり、データ伝送路であるネットワーク等を通じてアップロードされたりする。記録媒体427は、記憶メディアI/F425が有するドライブ装置426にセットされ各種データが記録媒体427からドライブ装置426を介してHDD435に格納される。
コントローラ421は、ROM424、RAM423及びCPU422を有しており、ROM424は、画像形成装置4が起動されるときに実行されるプログラムや各種データを格納している。また、RAM423は、ROM424やHDD435から読み出された各種プログラムやデータを一時保持する。さらに、CPU422は、RAM423が一時保持しているプログラムを実行する。コントローラ421は、例えば、データ通信I/F433を介して印刷データを受信した場合に、ROM424からRAM423上に読み出されたPDLを解釈可能なプログラム(PDLパーサ)をCPU422により実行し、印刷データを解釈してビットマップイメージを生成する。
スキャナ436は、画像読取装置437を有しており、読み取り面に配置された原稿を光学的に読み取り画像データを生成する。プロッタ431は、印刷装置432を有しており、例えば、電子写真プロセス方式によってビットマップイメージを記録紙に印刷する。
このように画像形成装置4は、上記ハードウェア構成により、コピー、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ等の複数の機能を実現している。
[機能構成]
図12は、本発明の実施形態における画像処理システム1の機能構成の一例を示す図である。
<管理サーバ>
管理サーバ9は、位置情報更新部91、Web画面生成部92、マーカー情報送信部93、位置情報記憶部94、管理対象情報記憶部95及び地図情報記憶部96等を有する。各機能はCPU901がプログラムを実行し、ハードウェアと協働することで実現される。
位置情報更新部91は、ゲートウェイ装置7を介して送信される通信端末5の位置情報を受信すると、図13に示されるような位置情報記憶部94を用いて、受信した位置情報を登録したり、更新したりする。
位置情報記憶部94は、RAM903及びHD904等により構築され、通信端末5の位置情報を記憶する。図13は、本発明の実施形態における管理サーバ9の位置情報記憶部94に記憶される情報の一例を示す図である。図13に示されるように、位置情報記憶部94には「管理ID」、「通信端末識別情報」、「緯度」、「経度」、「階数」、「棟」及び「受信日時」等が含まれる。「管理ID」は位置情報記憶部94において通信端末5の位置情報を一意に識別するための管理番号である。「通信端末識別情報」は通信端末5を一意に識別するための情報であり、例えば通信端末5のMACアドレスである。「識別情報」は通信端末5の識別情報(例えばMACアドレス)である。「緯度」、「経度」、「階数」及び「棟」は、本発明の実施形態における位置情報であり、図7に示される情報である。「受信日時」は、管理サーバ9がゲートウェイ装置7から位置情報を受信した受信日時である。
管理対象情報記憶部95は、RAM903及びHD904等により構築され、図14に示されるように通信端末5が取り付けられた管理対象物10に関する情報を記憶する。図14は、本発明の実施形態における管理サーバ9の管理対象情報記憶部95に記憶される情報の一例を示す図である。図14に示されるように、管理対象情報記憶部95には「管理ID」、「通信端末識別情報」、「管理対象名」、「管理対象カテゴリ」、「管理対象一般情報」及び「管理対象個人情報」等が含まれる。「管理ID」は管理対象情報記憶部95において通信端末5が取り付けられた管理対象物10を一意に識別するための管理番号である。「通信端末識別情報」は通信端末5を一意に識別するための情報であり、例えば通信端末5のMACアドレスである。「管理対象名」は、管理対象物10の名称である。なお、「管理対象名」は、例えばユーザにより携行される携帯端末が管理対象物10である場合、その携帯端末のユーザ名が設定される。なお、この場合「管理対象名」は、ユーザ名ではなく、例えばユーザが携行する携帯端末名が設定されてもよい。「管理対象カテゴリ」は、位置情報の管理対象がプロジェクタ等のような物である場合は「物」が設定され、人である場合は「人」が設定される、管理対象の分類を示したものである。「管理対象一般情報」は、管理対象に関する一般的な情報である。「管理対象個人情報」は、管理対象に関する秘匿性の高い個人情報等である。
地図情報記憶部96、RAM903及びHD904等により構築され、地図に関するデータが記憶される。地図に関するデータとは、地図上の各地点と絶対座標(緯度、経度)とが対応付けられたデータである。
なお、位置情報記憶部94、管理対象情報記憶部95及び地図情報記憶部96は、管理サーバ9内の記憶装置ではなく、外部ストレージが用いられてもよい。
Web画面生成部92は、クライアント端末8からのWebコンテンツの取得要求を受け付けると、位置情報記憶部94、管理対象情報記憶部95及び地図情報記憶部96を参照し、図15に示されるような管理対象物10の位置等が地図上に示される管理対象マップのWeb画面の画面情報を生成する。管理対象マップの画面情報は、HTML(Hyper Text Markup Language)形式で記述される。そして、Web画面生成部92は、生成した管理対象マップの画面情報を、クライアント端末8に送信する。
図15は、本発明の実施形態における管理対象マップの画面の一例を示す図である。図15に示されるように、管理対象マップ1000は、地図情報マーカー一覧表示部1001、地図表示部1002、凡例表示部1004、マーカー情報取得ボタン1005及び戻るボタン1006が含まれる。地図情報マーカー一覧表示部1001には、ユーザに指定された場所に位置する管理対象物10に関する、管理対象情報記憶部95の「管理対象名」、「管理対象一般情報」及び「管理対象個人情報」が表示される。地図表示部1002には、地図情報記憶部96に記憶されるユーザに指定された場所の地図上に、その地図の位置に含まれる位置情報記憶部94に記憶される通信端末5が取り付けられた管理対象物10が表示される。なお、地図表示部1002上の管理対象物10は、管理対象物10の管理対象カテゴリに基づき、所定の形状のマーカーとして表示される。また、管理対象物10のマーカーには、管理対象情報記憶部95に記憶される「管理対象名」、「管理対象一般情報」及び「管理対象個人情報」と位置情報記憶部94に記憶される位置情報とが対応付けられており、マーカーをカーソルでクリックすると、詳細情報1003として表示される。凡例表示部1004は、マーカーの形状を示す凡例である。マーカー情報取得ボタン1005は、クライアント端末8のユーザにより押下されるボタンであり、このボタンが押下されるとクライアント端末8からマーカー情報取得要求が管理サーバ9に送信される。戻るボタン1005は、管理対象マップ1000から他の画面に切り替えるときに押下されるボタンである。
図12に戻り、マーカー情報送信部93は、クライアント端末8から送信されるマーカー情報取得要求を受け付けると、Web画面生成部92が生成した管理対象マップ1000に対応するマーカー情報を取得し、クライアント端末8にマーカー情報を送信する。マーカー情報には、地図上のマーカー(管理対象物10)に対応する管理対象情報記憶部95に記憶される「管理対象名」、「管理対象一般情報」、「管理対象個人情報」及び「位置情報」である。但し、マーカー情報は、上記に限らず、複数の情報を追加してもよい。
<クライアント端末>
クライアント端末8は、埋込画像生成アプリ850に含まれるマーカー情報取得部851及び埋込画像生成部852と、Webブラウザ部853と、入力部854と、埋込画像印刷要求部855と、埋込画像出力部856とを有する。各機能はCPU821がプログラムを実行し、ハードウェアと協働することで実現される。
入力部854は、キーボード831又はマウス832を制御し、ユーザからの入力指示を受け付ける。
Webブラウザ部853は、一般的又は汎用的なWebブラウザにより実現され、HTMLデータやスクリプト等を含むWebページの定義内容を解釈し、この定義内容に従った表示処理等を実行する。本発明の実施形態では、Webブラウザ部853は、管理対象マップ1000(図15)の画面情報を、管理サーバ9から取得し、取得した画面情報に基づく画面を表示する。
埋込画像生成アプリ850は、マーカーが示されている地図の画像に、マーカー情報が地紋として埋め込まれた埋込画像を生成するアプリケーションである。
埋込画像生成アプリ850に含まれるマーカー情報取得部851は、管理対象マップ1000に含まれるマーカー情報取得ボタン1005が押下されると、管理サーバ9にマーカー情報取得要求を送信し、管理対象マップ1000に含まれるマーカーのマーカー情報を取得する。
埋込画像生成部852は、マーカーが示されている管理対象マップ1000に含まれる地図表示部1002の画像に、マーカー情報取得部851により取得されたマーカー情報が地紋として埋め込まれた埋込画像を生成する。埋込画像生成部852によるマーカー情報の埋め込み方法の一例を図16に示す。図16は、本発明の実施形態におけるマーカー情報の埋め込み方法の一例を示す図である。図16に示されるマーカー付地図画像2001は、地図表示部1002の画面情報に基づき生成される画像である。次に、埋込画像生成部852は、マーカー付地図画像2001の背景に、マーカー情報に対応する文字列や記号、図形が描画された地紋を描画し、埋込画像2002を生成する。埋込画像2002は、人間の視覚ではマーカー情報に対応する文字列等が認識されない又は認識しづらいように生成されている。なお、図16の例では、埋込画像2002に含まれるマーカー情報に対応する文字列等を、埋め込まれた情報のイメージとして表示させている。この埋込画像を画像形成装置4で印刷出力すると、マーカー情報付原稿2003のように地紋に含まれるマーカー情報に対応する文字列等が人間の視覚で認識できない又は認識しづらいように印刷される。なお、マーカー情報が埋め込まれた地紋画像の生成方法は、公知の方法を用いればよい。なお、本発明の実施形態におけるマーカー情報付原稿2003をコピーした場合、マーカー情報は画像上に表示されず、例えば図16に示したマーカー情報付原稿2003のままコピーされる。
埋込画像印刷要求部855は、埋込画像生成部852により生成された埋込画像をPDL:Page Description Language)変換した印刷データを生成し、画像形成装置4に生成した印刷データを送信する。
埋込画像出力部856は、生成された埋込画像を、マーカー情報付画面として外部記録媒体であるメディア826に出力したり、画像形成装置4に送信したりする。
<画像形成装置>
画像形成装置4は、埋込画像解析部41、画像加工部42、認証要求部43、読取部44、埋込画像受信部45、印刷部46及び加工画像出力部47等を有する。各機能はCPU422がプログラムを実行し、ハードウェアと協働することで実現される。
埋込画像解析部41は、埋込画像に含まれる地紋を解析し、マーカー情報を抽出する。
画像加工部42は、埋込画像解析部41により解析されたマーカー情報と、ユーザ認証の結果得られる閲覧権限に基づき、埋込画像を加工する。例えば、画像加工部42は、閲覧権限の無い情報が表示出力されないように加工する。
認証要求部43は、ユーザに入力されたユーザ名及びパスワードを含む認証要求を認証サーバ6に送信し、認証サーバ6における認証結果を取得する。なお、本発明の実施形態における認証結果には、マーカー情報の属性に応じて画像形成装置4での表示出力可否を決定するアクセス権限情報が含まれる。また、認証方法は、上記のようなパスワード認証に限らず、ICカードに含まれる情報を利用するICカード認証又は指紋や虹彩認証等の生体認証であってもよい。
読取部44は、スキャナ436を制御し、紙原稿に対してスキャン処理を実行して、スキャン画像を生成する。読取部44は、ユーザの操作により、スキャナ436に原稿をスキャニングさせ、レベル補正、ガンマ補正、エッジ処理等の画像補正処理及びA/D変換をしてスキャン画像を生成する。
埋込画像受信部45は、外部記録媒体又はクライアント端末8からのマーカー情報付画面を受け付ける。
印刷部46は、プロッタ431を制御し、印刷データに基づき印刷処理を実行する。
加工画像出力部47は、生成された埋込画像を、外部記録媒体であるメディア826に出力したり、画像形成装置4に送信したりする。
<認証サーバ>
認証サーバ6は、認証処理部61及びユーザ情報記憶部62等を有する。各機能はCPUがプログラムを実行し、ハードウェアと協働することで実現される。
認証処理部61は、画像形成装置4から送信される認証要求に基づき、ユーザ情報記憶部62に記憶されるユーザ名及びパスワードが、認証要求に含まれるユーザ名・パスワードに一致するか否かを判定し、認証処理を行う。そして、認証処理部61は、認証結果とともにそのユーザが有する個人情報の閲覧権限を、画像形成装置4に送信する。
ユーザ情報記憶部62は、図17に示されるように、認証処理に用いられるユーザ名、パスワードといったユーザ情報等を記憶する。図17は、本発明の実施形態における認証サーバ6のユーザ情報記憶部62に記憶される情報の一例を示す図である。図17に示されるように、ユーザ情報記憶部62には「ユーザID」、「ユーザ名」、「パスワード」及び「個人情報閲覧権限」等のデータ項目が含まれる。「ユーザID」はユーザ情報記憶部62においてユーザを一意に識別するための識別情報である。「ユーザ名」及び「パスワード」は、認証に用いられるユーザ情報である。「個人情報閲覧権限」は、マーカー情報に含まれる個人情報を閲覧する権限である。また、この個人情報とは、管理対象情報記憶部95に記憶される管理対象個人情報を示す。
[動作手順]
本発明の実施形態における画像処理システム1の動作手順を説明する。画像処理システム1の処理は、(1)位置情報管理処理と、(2)埋込画像生成処理と、(3)マーカー情報付原稿読取処理とに大別される。
(1)位置情報管理処理
図18は、本発明の実施形態における画像処理システム1が通信端末5の位置情報を管理する動作手順の一例を示すシーケンス図である。
S11:配信装置3は、自機(配信装置3)の設置位置に対応する位置情報をIMES等により連続的又は断続的に送信する。
S12:通信端末5は、周期的(例えば60秒周期)に行われる位置情報の受信処理により、配信装置3から送信される位置情報を受信する。なお、通信端末5が加速度センサを備えている場合は、加速度の変化の検知を契機に位置情報を受信してもよい。
S13:通信端末5は、受信した位置情報をRAM403に記憶する。
S14:通信端末5は、ROM502から取得した識別情報(例えば通信端末5のMACアドレス)とRAM403に記憶した位置情報とを含む位置情報更新要求を配信装置3に送信する。位置情報更新要求は、管理サーバ9により管理される通信端末5の位置情報を新規登録又は更新するための要求である。
S15:配信装置3は、位置情報更新要求をIEEE802.15.4規格に準拠した通信方式を用いてゲートウェイ装置7に転送する。
S16:ゲートウェイ装置7は、受信した位置情報更新要求を、IEEE802.15.4規格に準拠した通信方式から、ネットワーク892に適合するIEEE802.3規格に準拠した通信方式に変換する。
S17:ゲートウェイ装置7は、管理サーバ9に位置情報更新要求を転送する。管理サーバ9は、ゲートウェイ装置7からの位置情報更新要求を受信する。
S18:管理サーバ9の位置情報更新部91は、位置情報記憶部94に予め記憶されている通信端末5の識別情報と、受信した位置情報更新要求に含まれる識別情報とを対応付け、位置情報記憶部94に通信端末5の位置情報を記憶する。
なお、上述したステップS11〜S18の通信端末5の位置情報の管理動作は、後述する(2)埋込画像生成処理及び(3)マーカー情報付原稿読取処理と独立して実行される。
以上の動作手順により、本発明の実施形態の画像処理システム1は、管理サーバ9が通信端末5の位置情報を管理できる。
なお、通信端末5の位置情報を管理する方法は、上記の方法に限らず、例えば通信端末5のGPS測位に基づく位置情報を管理サーバ9が管理するようにしてもよい。
(2)埋込画像生成処理
図19は、本発明の実施形態における画像処理システム1による埋込画像生成処理の動作手順の一例を示すシーケンス図である。
S21:クライアント端末8のWebブラウザ部853は、Webブラウザを起動させ、管理対象マップ1000の画面を表示させる。
S22:ユーザは、管理対象マップ1000上に表示されている管理対象物10に対応するマーカーのマーカー情報を取得するため、マーカー情報取得ボタン1005を押下する。
S23:ユーザからのマーカー情報の取得指示を受け付けたマーカー情報取得部851は、管理サーバ9にマーカー情報を取得するためのマーカー情報取得要求を送信する。
S24:管理サーバ9のマーカー情報送信部93は、管理対象マップ1000上に表示されている管理対象物10のマーカー情報を、Web画面生成部92から取得すると、マーカー情報取得要求に対する応答として、取得したマーカー情報を送信する。
S25:マーカー情報取得部851からマーカー情報が通知された埋込画像生成部852は、マーカーが示されている管理対象マップ1000に含まれる地図表示部1002の画像に、マーカー情報取得部851により取得されたマーカー情報が地紋として埋め込まれた埋込画像(図16中の埋込画像2002)を生成する。
S26:埋込画像を画像形成装置4において印刷出力する場合、埋込画像印刷要求部855は埋込画像をPDL変換し印刷データを生成する。
S27:そして、埋込画像印刷要求部855は、生成したPDL変換された埋込画像を、画像形成装置4に送信する。
S28:画像形成装置4の印刷部46は、受信したPDL変換された埋込画像に基づき、マーカー情報付原稿(図16中のマーカー情報付原稿2003)を印刷出力する。
S29:埋込画像を電子出力(外部記録媒体に出力)する場合、埋込画像出力部856が生成された埋込画像(マーカー情報付画面)の出力処理を行う。なお、埋込画像出力部856は、画像形成装置4に埋込画像(マーカー情報付画面)を送信することもできる。
以上の動作手順により、本発明の実施形態における画像処理システム1は、地図上にマッピングされたマーカーに、所定の情報(マーカー情報)が埋め込まれた画像を生成できる。
(3)マーカー情報付原稿読取処理
図20は、本発明の実施形態における画像処理システム1によるマーカー情報付原稿読取処理の動作手順の一例を示すシーケンス図である。
S31:ユーザは、画像形成装置4においてユーザ名及びパスワードを入力する。
S32:画像形成装置4の認証要求部43は、ユーザに入力されたユーザ名及びパスワードを含む認証要求を認証サーバ6に送信する。
S33:認証サーバ6の認証処理部61は、ユーザ情報記憶部62に記憶されるユーザ名及びパスワードが、受信した認証要求に含まれるユーザ名・パスワードに一致するか否かを判定し、認証処理を行う。そして、認証処理部61は、認証結果とともにそのユーザに対応する個人情報閲覧権限を、画像形成装置4に送信する。
S34:紙媒体であるマーカー情報付原稿を画像形成装置4においてスキャン処理する場合、画像形成装置4の読取部44は、マーカー情報付原稿をスキャン処理し、画像データに変換する。
S35:外部記録媒体に記録されるマーカー情報付画面(埋込画像)が画像形成装置4に入力する場合、埋込画像受信部45がマーカー情報付画面を受け付ける。
S36:埋込画像解析部41は、スキャン処理されたマーカー情報付原稿又はマーカー情報付画面に含まれる地紋を解析し、マーカー情報を抽出する。埋込画像解析部41は、予め地紋パターンと解析方法とを管理している。
S37:次に、埋込画像解析部41は、認証サーバ6から送信された個人情報閲覧権限に基づき、ステップS36において抽出されたマーカー情報に含まれる個人情報の閲覧権限の有無を判定する。
S38:画像加工部42は、閲覧権限の有無に基づき、埋込画像を加工する。
S39:そして、加工された画像(加工画像)を印刷出力する場合、印刷部46が囲う画像の印刷出力を行う。
S40:一方、加工画像を電子出力する場合、加工画像出力部47が例えばクライアント端末8に対して加工画像を送信する。
ここで、画像形成装置4におけるマーカー情報付原稿の加工処理を、図21に基づき説明する。図21は、本発明の実施形態における画像形成装置4におけるマーカー情報付原稿を加工する処理手順の一例を示す図である。
まず画像形成装置4の認証要求部43は、ユーザによるユーザ名及びパスワードの入力を受け付けると、入力されたユーザ名及びパスワードを含む認証要求を生成し、認証サーバ6に送信する(S101)。ここで、例えばユーザ名は、「ユーザA」とする。
次に、認証要求部43は、認証サーバ6から認証結果及びユーザ情報記憶部62に記憶される個人情報閲覧権限を受信する(S102)。ここで、ユーザ情報記憶部62に記憶される情報が図17に示す値であるとすると、「ユーザA」に対応する個人情報閲覧権限は「ユーザBを除き閲覧可能」となる。
次に、読取部44は、ユーザの操作に基づきマーカー情報付原稿のスキャン処理を行い、マーカー情報付原稿がスキャン処理されたスキャン画像を生成する(S103)。
埋込画像解析部41は、スキャン画像を解析し、スキャン画像に含まれるマーカー情報を抽出する(S104)。埋込画像解析部41は、抽出したマーカー情報に個人情報が含まれているか否かを判定する(S105)。
抽出したマーカー情報に個人情報が含まれていないと判定された場合(ステップS105においてNO)、スキャン画像を全てのマーカー情報が表示された画像に加工する(S107)。
一方、抽出したマーカー情報に個人情報が含まれていると判定された場合(ステップS105においてYES)、認証を行ったユーザ(「ユーザA」)はマーカー情報に含まれる個人情報の閲覧権限が有るか否かが判定される(S106)。
ここで、例えば抽出したマーカー情報にユーザBの個人情報(例えば生年月日等)が含まれているとき、ユーザの個人情報閲覧権限が「ユーザBを除き閲覧可能」である場合(ステップS106においてYES)、スキャン画像を図22に示されるユーザBの個人情報を含む全てのマーカー情報が表示された画像3001に加工する(S107)。なお、図22は、本発明の実施形態において、画像形成装置4の画像加工部42により加工処理された画像の一例を示す図である。図22には、埋込画像2003に基づきマーカー情報が表示された画像に加工した場合の図を示している。
そして、印刷部46は、加工された画像を印刷出力する(S108)。
一方、例えば抽出したマーカー情報にユーザBの個人情報が含まれているとき、ユーザの個人情報閲覧権限がユーザBの個人情報の閲覧権限がない場合(ステップS106においてNO)、図22に示されるユーザBの個人情報を除くマーカー情報が表示された画像3002に加工する(S109)。なお、閲覧権限のない個人情報を表示させないようにする加工方法は、図22に示したよう該当する個人情報の部分を塗りつぶす方法に限らず、該当する個人情報を背景色と同一色にして表示させないようにしてもよい。そして、加工された画像は印刷出力される(S108)。
上述したように、本発明の実施形態における画像処理システム1によれば、画像上の管理対象のマーカーに関する情報を、その画像に地紋として埋め込むことで、例えば印刷等によりマーカーとマーカーに関する情報(属性情報)とのリンクが切れた場合であっても、画像の地紋を解析することでマーカーに関する情報が表示された画像に加工することができる。すなわち、マーカーとマーカーに関する情報との電子的な関連付けが切れた場合であっても、その関連付けを再構築できる。
[変形例]
本発明の実施形態の変形例では、クライアント端末8における埋込画像生成部852によるマーカー情報の埋め込みを、図22に示すようにマーカーの外観の特性を変更させることで行う。
図22は、本発明の実施形態の変形例におけるマーカー情報の埋め込み方法の一例を示す図である。図22(a)は、マーカーの色又は模様を変えることによりマーカー情報を埋め込む方法の一例である。ここで、マーカーの色又は模様と文字、記号又は数字等とを対応付けておき、その対応付けられた規則に従い、埋込画像生成部852はマーカーの色又は模様を変更する。図22(b)は、マーカーの形状を変えることによりマーカー情報を埋め込む方法の一例である。図22(a)の場合と同様に、マーカーの形状と文字、記号又は数字等とを対応付けておき、その対応付けられた規則に従い、埋込画像生成部852はマーカーの形状を変更する。図22(c)は、マーカーの色又は模様及び形状を変えることによりマーカー情報を埋め込む方法の一例である。図22(c)の場合は、色と形状とを組み合わせることで、図22(a)、(b)の場合に比べて更に多くの情報を埋め込むことができる。
また、変形例における画像形成装置4は、図22(a)〜(c)のいずれかで埋め込まれたマーカー情報を解析するためのマーカーの色及び/又は形状と文字、記号又は数字等とを対応付けた規則を保持することで、埋込画像解析部41は埋込画像からマーカー情報を抽出する。
上述したように、本発明の実施形態の変形例における画像処理システム1によれば、画像上の管理対象のマーカーに関する情報を、マーカーの外観特性として画像に埋め込むことで、本発明の実施形態の場合と同様な効果を得ることができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。