以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技機の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、各基板における具体的な処理を説明する。
図1は、本実施形態の遊技機100の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機100は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠102と、この外枠102にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠104と、この中枠104に、ヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠106と、を備えている。
中枠104は、外枠102と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に遊技盤108が保持されている。また、前枠106には、ガラス製または樹脂製の透過板110が保持されている。そして、これら中枠104および前枠106を外枠102に対して閉じると、遊技盤108と透過板110とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機100の正面側から、透過板110を介して遊技盤108が視認可能となる。
図2は、遊技機100の正面図である。この図に示すように、前枠106の下部には、遊技機100の正面側に突出する操作ハンドル112が設けられている。この操作ハンドル112は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル112を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル112の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤108に設けられたレール114a、114b間を上昇して遊技領域116に導かれることとなる。
遊技領域116は、遊技盤108と透過板110との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下または転動可能な領域である。遊技盤108には、多数の釘や風車が設けられており、遊技領域116に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
遊技領域116は、発射機構の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にする第1遊技領域116aおよび第2遊技領域116bを備えている。第1遊技領域116aは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の左側に位置し、第2遊技領域116bは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の右側に位置している。レール114a、114bが遊技領域116の左側にあることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第1遊技領域116aに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は第2遊技領域116bに進入することとなる。
また、遊技領域116には、遊技球が入球可能な一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122が設けられており、これら一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120内には第1の始動領域が設けられ、また、第2始動口122内には第2の始動領域が設けられている。そして、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球して第1の始動領域または第2の始動領域に遊技球が進入すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な大役遊技の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の遊技利益が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
また、第2始動口122には、可動片122bが開閉可能に設けられており、この可動片122bの状態に応じて、第2始動口122への遊技球の進入容易性が変化するようになっている。具体的には、可動片122bが閉状態にあるときには、第2始動口122への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、遊技領域116に設けられたゲート124内の進入領域を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって当たりに当選すると、可動片122bが所定時間、開状態に制御される。このように、可動片122bが開状態になると、当該可動片122bが遊技球を第2始動口122に導く受け皿として機能し、第2始動口122への遊技球の入球が容易となる。なお、ここでは、第2始動口122が閉状態にあるときに、当該第2始動口122への遊技球の入球が不可能であることとしたが、第2始動口122が閉状態にある場合にも一定の頻度で遊技球が入球可能となるように構成してもよい。
さらに、遊技領域116には、遊技球が入球可能な大入賞口128が設けられている。この大入賞口128には、開閉扉128bが開閉可能に設けられており、通常、開閉扉128bが大入賞口128を閉鎖して、大入賞口128への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、前述の大役遊技が実行されると、開閉扉128bが開放されて、大入賞口128への遊技球の入球が可能となる。そして、大入賞口128に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
なお、遊技領域116の最下部には、一般入賞口118、第1始動口120、第2始動口122、大入賞口128のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域116から遊技盤108の背面側に排出する排出口130が設けられている。
そして、遊技機100には、遊技の進行中等に演出を行う演出装置として、液晶表示装置からなる演出表示装置200、可動装置からなる演出役物装置202、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるランプからなる演出照明装置204、スピーカからなる音声出力装置206、遊技者の操作を受け付ける演出操作装置208(演出操作部)が設けられている。
演出表示装置200は、画像を表示する画像表示部からなる演出表示部200aを備えており、この演出表示部200aを、遊技盤108の略中央部分において、遊技機100の正面側から視認可能に配置している。この演出表示部200aには、図示のように演出図柄210a、210b、210cが変動表示され、これら各演出図柄210a、210b、210cの停止表示態様によって大役抽選結果が遊技者に報知される変動演出が実行されることとなる。
演出役物装置202は、演出表示部200aよりも前面に配置され、通常、遊技盤108の背面側に退避しているが、上記の演出図柄210a、210b、210cの変動表示中などに、演出表示部200aの前面まで可動して、遊技者に大当たりの期待感を付与するものである。
演出照明装置204は、演出役物装置202や遊技盤108等に設けられており、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、さまざまに点灯制御される。
音声出力装置206は、前枠106の上部位置や外枠102の最下部位置に設けられ、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて、遊技機100の正面側に向けてさまざまな音声を出力する。
演出操作装置208は、遊技者の押下操作を受け付けるボタンや回転操作を受け付けるダイヤルで構成され、遊技機100の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板110よりも下方位置に設けられている。この演出操作装置208は、演出表示部200aに表示される画像等に合わせて有効化されるものであり、操作有効時間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、さまざまな演出が実行される。
なお、図中符号132は、遊技機100から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿であり、この上皿132が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿134に導かれることとなる。また、この下皿134の底面には、当該下皿134から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。この球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きつまみ134aを図中左右方向にスライドさせることにより、当該球抜きつまみ134aと一体となって開閉板がスライドし、球抜き孔から下皿134の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
また、遊技盤108には、遊技領域116の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が設けられている。これら各表示器160〜172は、遊技に係る種々の状況を表示するための装置であるが、その詳細については後述する。
(制御手段の内部構成)
図3は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。
主制御基板300は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板300は、メインCPU300a、メインROM300b、メインRAM300cを備えている。メインCPU300aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM300bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM300cは、メインCPU300aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
上記主制御基板300には、一般入賞口118に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口120に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口122に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ122s、ゲート124を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ124s、大入賞口128に遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出スイッチ128sが接続されており、これら各検出スイッチから主制御基板300に検出信号が入力されるようになっている。
また、主制御基板300には、第2始動口122の可動片122bを作動する普通電動役物ソレノイド122cと、大入賞口128を開閉する開閉扉128bを作動する大入賞口ソレノイド128cと、が接続されており、主制御基板300によって、第2始動口122および大入賞口128の開閉制御がなされるようになっている。
さらに、主制御基板300には、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172が接続されており、主制御基板300によって、これら各表示器の表示制御がなされるようになっている。
また、本実施形態の遊技機100は、主に第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球によって開始される特別遊技と、ゲート124を遊技球が通過することによって開始される普通遊技とに大別される。そして、主制御基板300のメインROM300bには、特別遊技および普通遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
また、主制御基板300には、払出制御基板310および副制御基板330が接続されている。
払出制御基板310は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う。この払出制御基板310も、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御基板300に対して双方向に通信可能に接続されている。この払出制御基板310には遊技情報出力端子板312が接続されており、主制御基板300から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出制御基板310および遊技情報出力端子板312を介して、遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
また、払出制御基板310には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ314が接続されている。払出制御基板310は、主制御基板300から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ314を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ316sによって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるようになっている。
また、払出制御基板310には、下皿134の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ318sが接続されている。この皿満タン検出スイッチ318sは、賞球として払い出される遊技球を下皿134に導く通路に設けられており、遊技球検出信号が払出制御基板310に入力されるようになっている。
そして、下皿134に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、下皿134に向かう通路内に遊技球が滞留し、皿満タン検出スイッチ318sから払出制御基板310に向けて、遊技球検出信号が連続的に入力される。払出制御基板310は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿134が満タン状態であると判断し、皿満タンコマンドを主制御基板300に送信する。一方、皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、皿満タン解除コマンドを主制御基板300に送信する。
また、払出制御基板310には、遊技球の発射制御を行う発射制御回路320が設けられている。払出制御基板310には、操作ハンドル112に設けられ、当該操作ハンドル112に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ112sと、操作ハンドル112の操作角度を検出する操作ボリューム112aと、が接続されている。そして、タッチセンサ112sおよび操作ボリューム112aから信号が入力されると、発射制御回路320において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド112cを通電して遊技球を発射させる制御がなされる。
副制御基板330は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板330は、サブCPU330a、サブROM330b、サブRAM330cを備えており、主制御基板300に対して、当該主制御基板300から副制御基板330への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU330aは、主制御基板300から送信されたコマンドやタイマからの入力信号等に基づいて、サブROM330bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行制御する。このとき、サブRAM330cは、サブCPU330aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
具体的には、副制御基板330では、サブCPU330a、サブROM330b、サブRAM330cが協働して、サブメイン332、画像制御部334、役物制御部336、照明制御部338、音声制御部340として機能する。サブメイン332は、各種入力コマンドに応じて、実行する演出の内容を決定したり、演出の実行を管理、統括したりする。画像制御部334は、上記演出表示部200aに画像を表示させる画像表示制御を行う。サブROM330bには、演出表示部200aに表示される図柄や背景、字幕等の画像データが多数格納されており、画像制御部334が、画像データをサブROM330bから不図示のVRAMに読み出して、演出表示部200aの画像表示を制御する。
また、役物制御部336は演出役物装置202を可動制御し、照明制御部338は演出照明装置204を点灯制御する。また、音声制御部340は、上記音声出力装置206から音声を出力させる音声出力制御を行う。サブROM330bには、音声出力装置206から出力される音声や楽曲等の音声データが多数格納されており、音声制御部340が、音声データをサブROM330bから読み出して、音声出力装置206の音声出力を制御する。
さらに、副制御基板330では、演出操作装置208が押下操作または回転操作されたことを検出する演出操作装置検出スイッチ208s(操作検出部)から操作検出信号が入力された際に、所定の演出を実行する。
なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されており、電源基板を介して商用電源から各基板に電力供給がなされている。また、電源基板にはコンデンサからなるバックアップ電源が設けられている。
次に、本実施形態の遊技機100における遊技について、メインROM300bに記憶されている各種テーブルと併せて説明する。
前述したように、本実施形態の遊技機100は、特別遊技と普通遊技の2種類の遊技が並行して進行するものであり、これら両遊技を進行する際の遊技状態として、低確率遊技状態または高確率遊技状態のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態または時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。
各遊技状態の詳細については後述するが、低確率遊技状態というのは、大入賞口128が開放される大役遊技を実行する権利獲得の確率が低く設定された遊技状態であり、高確率遊技状態というのは、大役遊技を実行する権利獲得の確率が高く設定された遊技状態である。
また、非時短遊技状態というのは、可動片122bが開状態になりにくく、第2始動口122に遊技球が入球しにくい遊技状態であり、時短遊技状態というのは、非時短遊技状態よりも可動片122bが開状態になりやすく、第2始動口122に遊技球が入球しやすい遊技状態である。なお、遊技機100の初期状態は、低確率遊技状態および非時短遊技状態に設定され、この遊技状態を本実施形態では通常遊技状態と称する。
遊技者が操作ハンドル112を操作して遊技領域116に遊技球を発射させるとともに、遊技領域116を流下する遊技球が第1始動口120または第2始動口122に入球すると、遊技者に遊技利益を付与するか否かの抽選(以下、「大役抽選」という)が行われる。この大役抽選において、大当たりに当選すると、大入賞口128が開放されるとともに当該大入賞口128への遊技球の入球が可能となる大役遊技が実行され、また、当該大役遊技の終了後の遊技状態が、上記のいずれかの遊技状態に設定される。以下では、大役抽選方法について説明する。
なお、詳しくは後述するが、第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、大役抽選に係る種々の乱数値(大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数)が取得されるとともに、これら各乱数値がメインRAM300cの特図保留記憶領域に記憶される。以下では、第1始動口120に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特1保留とよび、第2始動口122に遊技球が入球して特図保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して特2保留とよぶ。
メインRAM300cの特図保留記憶領域は、第1特図保留記憶領域と第2特図保留記憶領域とを備えている。第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域は、それぞれ4つの記憶部(第1〜第4記憶部)を有している。そして、第1始動口120に遊技球が入球すると、特1保留を第1特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶し、第2始動口122に遊技球が入球すると、特2保留を第2特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶する。
例えば、第1始動口120に遊技球が入球したとき、第1特図保留記憶領域の第1〜第4記憶部のいずれにも保留が記憶されていない場合には、第1記憶部に特1保留を記憶する。また、例えば、第1記憶部〜第3記憶部に特1保留が記憶されている状態で、第1始動口120に遊技球が入球した場合には、特1保留を第4記憶部に記憶する。また、第2始動口122に遊技球が入球した場合にも、上記と同様に、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部の中で、特2保留が記憶されていない、最も番号(序数)の小さい記憶部に特2保留が記憶される。
ただし、第1特図保留記憶領域および第2特図保留記憶領域に記憶可能な特1保留数(X1)および特2保留数(X2)は、それぞれ4つに設定されている。したがって、例えば、第1始動口120に遊技球が入球したときに、第1特図保留記憶領域に既に4つの特1保留が記憶されている場合には、当該第1始動口120への遊技球の入球によって新たに特1保留が記憶されることはない。同様に、第2始動口122に遊技球が入球したときに、第2特図保留記憶領域に既に4つの特2保留が記憶されている場合には、当該第2始動口122への遊技球の入球によって新たに特2保留が記憶されることはない。
図4は、大当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜65535の範囲内から1つの大当たり決定乱数が取得される。そして、大役抽選を開始するとき、すなわち、大当たりの判定を行うときの遊技状態に応じて大当たり決定乱数判定テーブルが選択され、当該選択された大当たり決定乱数判定テーブルと取得された大当たり決定乱数とによって大役抽選が行われる。
低確率遊技状態において、特1保留および特2保留について大役抽選を開始する場合には、図4(a)に示すように、低確時大当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この低確時大当たり決定乱数判定テーブルによれば、大当たり決定乱数が10001〜10164であった場合に大当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/399.6となる。
また、高確率遊技状態において、特1保留および特2保留について大役抽選を開始する場合には、図4(b)に示すように、高確時大当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この高確時大当たり決定乱数判定テーブルによれば、大当たり決定乱数が10001〜11640であった場合に大当たりと判定し、その他の大当たり決定乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は約1/39.96となる。このように、高確率遊技状態である場合には、低確率遊技状態である場合に比べて、大当たり確率が10倍となる。なお、低確率遊技状態において「大当たり」となる大当たり決定乱数(10001〜10164)は、高確率遊技状態においても「大当たり」となる。
図5は、当たり図柄乱数判定テーブルを説明する図である。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜99の範囲内から1つの当たり図柄乱数が取得される。そして、上記の大役抽選により「大当たり」の判定結果が導出された場合に、取得している当たり図柄乱数と当たり図柄乱数判定テーブルとによって、特別図柄の種別が決定される。このとき、特1保留によって「大当たり」に当選した場合には、図5(a)に示すように、特1用当たり図柄乱数判定テーブルが選択され、特2保留によって「大当たり」に当選した場合には、図5(b)に示すように、特2用当たり図柄乱数判定テーブルが選択される。以下では、当たり図柄乱数によって決定される特別図柄、すなわち、大当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を大当たり図柄とよび、ハズレの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄をハズレ図柄とよぶ。
図5(a)に示す特1用当たり図柄乱数判定テーブル、および、図5(b)に示す特2用当たり図柄乱数判定テーブルによれば、取得した当たり図柄乱数の値に応じて、図示のとおり、特別図柄の種別(大当たり図柄)が決定される。具体的には、図5(a)に示す特1用当たり図柄乱数判定テーブルによれば、当たり図柄乱数が0〜19であれば特別図柄Aが決定される。同様に、当たり図柄乱数が20〜39であれば特別図柄Bが決定され、当たり図柄乱数が40〜59であれば特別図柄Cが決定され、当たり図柄乱数が60〜69であれば特別図柄Dが決定され、当たり図柄乱数が70〜79であれば特別図柄Eが決定され、当たり図柄乱数が80〜89であれば特別図柄Fが決定され、当たり図柄乱数が90〜92であれば特別図柄Gが決定され、当たり図柄乱数が93〜95であれば特別図柄Hが決定され、当たり図柄乱数が96〜97であれば特別図柄Iが決定され、当たり図柄乱数が98〜99であれば特別図柄Jが決定される。
また、図5(b)に示す特2用当たり図柄乱数判定テーブルによれば、当たり図柄乱数が0〜19であれば特別図柄Aが決定され、当たり図柄乱数が20〜24であれば特別図柄Bが決定され、当たり図柄乱数が25〜29であれば特別図柄Cが決定され、当たり図柄乱数が30〜34であれば特別図柄Dが決定され、当たり図柄乱数が35〜44であれば特別図柄Eが決定され、当たり図柄乱数が45〜69であれば特別図柄Fが決定され、当たり図柄乱数が70〜74であれば特別図柄Gが決定され、当たり図柄乱数が75〜79であれば特別図柄Hが決定され、当たり図柄乱数が80〜89であれば特別図柄Iが決定され、当たり図柄乱数が90〜99であれば特別図柄Jが決定される。
なお、本実施形態では、各特別図柄に特別図柄停止図柄番号が対応付けられており、特別図柄Aには特別図柄停止図柄番号として「0」が対応付けられ、特別図柄Bには特別図柄停止図柄番号として「1」が対応付けられ、特別図柄Cには特別図柄停止図柄番号として「2」が対応付けられ、特別図柄Dには特別図柄停止図柄番号として「3」が対応付けられ、特別図柄Eには特別図柄停止図柄番号として「4」が対応付けられ、特別図柄Fには特別図柄停止図柄番号として「5」が対応付けられ、特別図柄Gには特別図柄停止図柄番号として「6」が対応付けられ、特別図柄Hには特別図柄停止図柄番号として「7」が対応付けられ、特別図柄Iには特別図柄停止図柄番号として「8」が対応付けられ、特別図柄Jには特別図柄停止図柄番号として「9」が対応付けられている。
また、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に、当該抽選結果が特1保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Xが決定され、当該抽選結果が特2保留によって導出されたときは、抽選を行うことなくハズレ図柄として特別図柄Yが決定される。つまり、当たり図柄乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「大当たり」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に参照されることはない。
図6は、リーチグループ決定乱数判定テーブルを説明する図である。このリーチグループ決定乱数判定テーブルは複数設けられており、保留種別や保留数、さらには遊技状態に対応付けて設定される変動状態等に応じて1のテーブルが選択される。第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜10006の範囲内から1つのリーチグループ決定乱数が取得される。上記のように、大役抽選結果が導出されると、当該大役抽選結果を報知する変動演出パターンを決定する処理が行われる。本実施形態では、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に、変動演出パターンを決定するにあたって、まず、リーチグループ決定乱数とリーチグループ決定乱数判定テーブルとによってグループ種別が決定される。
例えば、遊技状態が非時短遊技状態に設定されており、変動状態が通常1変動状態に設定されているときに、特1保留に基づいて「ハズレ」の大役抽選結果が導出された場合において、大役抽選を行うときの特1保留数(以下、単に「保留数」という)が0個であれば、図6(a)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル1が選択される。同様に、保留数が1、2個であれば、図6(b)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル2が選択され、保留数が3個であれば、図6(c)に示すように、リーチグループ決定乱数判定テーブル3が選択される。なお、図6において、グループ種別の欄に記載しているグループxは、任意のグループ番号を示している。したがって、取得したリーチグループ決定乱数と、参照するリーチグループ決定乱数判定テーブルの種類とに応じて、グループ種別として種々のグループ番号が決定されることとなる。
このように、本実施形態では、変動演出パターンを決定するためのテーブルが、設定されている遊技状態に加えて、変動状態に基づいて決定される。つまり、変動状態とは、いずれのテーブルを参照して変動演出パターンを決定するかが規定されたものであり、遊技状態とは別に設定される概念である。
なお、大役抽選結果が「大当たり」であった場合には、変動演出パターンを決定するにあたってグループ種別を決定することはない。つまり、リーチグループ決定乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合にのみ参照され、大役抽選結果が「大当たり」であった場合に参照されることはない。
図7は、リーチモード決定乱数判定テーブルを説明する図である。このリーチモード決定乱数判定テーブルは、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合に選択されるハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルと、大役抽選結果が「大当たり」であった場合に選択される大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとに大別される。なお、ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルは、上記のように決定されたグループ種別ごとに設けられており、大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルは、遊技状態や図柄種別ごとに設けられている。また、各リーチモード決定乱数判定テーブルは、保留種別ごとに設けてもよい。ここでは、所定の遊技状態および図柄種別において参照されるグループx用ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を図7(a)に示し、大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を図7(b)に示す。
第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜250の範囲内から1つのリーチモード決定乱数が取得される。そして、上記の大役抽選の結果が「ハズレ」であった場合には、図7(a)に示すように、上記のグループ種別の抽選により決定されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、選択されたハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号が決定される。また、上記の大役抽選の結果が「大当たり」であった場合には、図7(b)に示すように、読み出された遊技状態や図柄の種別に対応する大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルが選択され、選択された大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号が決定される。
また、各リーチモード決定乱数判定テーブルにおいては、リーチモード決定乱数に、変動モード番号とともに、後述する変動パターン乱数判定テーブルが対応付けられており、変動モード番号が決定されるのと同時に、変動パターン乱数判定テーブルが決定される。なお、図7において、変動パターン乱数判定テーブルの欄に記載しているテーブルxは、任意のテーブル番号を示している。したがって、取得したリーチモード決定乱数と、参照するリーチモード決定乱数判定テーブルの種類とに応じて、変動モード番号と、変動パターン乱数判定テーブルのテーブル番号とが決定されることとなる。また、本実施形態において、変動モード番号および後述する変動パターン番号は、16進数で設定されている。以下において、16進数を示す場合には「H」を付するが、図7〜図9に○○Hと記載しているのは、16進数で示される任意の値を示すものである。
以上のように、大役抽選結果が「ハズレ」であった場合には、まず、図6に示すリーチグループ決定乱数判定テーブルとリーチグループ決定乱数とによってグループ種別が決定される。そして、決定されたグループ種別と遊技状態に応じ、図7に示すハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とによって、変動モード番号および変動パターン乱数判定テーブルが決定される。
一方、大役抽選結果が「大当たり」であった場合には、決定された大当たり図柄(特別図柄の種別)、大当たり当選時の遊技状態等に応じ、図7に示す大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルとリーチモード決定乱数とによって、変動モード番号、変動パターン乱数判定テーブルが決定されることとなる。
図8は、変動パターン乱数判定テーブルを説明する図である。ここでは、所定のテーブル番号xの変動パターン乱数判定テーブルxを示すが、変動パターン乱数判定テーブルは、この他にも、テーブル番号ごとに多数設けられている。
第1始動口120または第2始動口122に遊技球が入球すると、0〜238の範囲内から1つの変動パターン乱数が取得される。そして、上記の変動モード番号と同時に決定された変動パターン乱数判定テーブルと、取得した変動パターン乱数とに基づいて、図示のように変動パターン番号が決定される。
このように、大役抽選が行われると、大役抽選結果、決定された図柄種別、遊技状態、保留数、保留種別等に応じて、変動モード番号、変動パターン番号が決定される。これら変動モード番号、変動パターン番号は、変動演出パターンを特定するものであり、そのそれぞれに、変動演出の態様および時間が対応付けられている。
図9は、変動時間決定テーブルを説明する図である。上記のように、変動モード番号が決定されると、図9(a)に示す変動時間1決定テーブルにしたがって変動時間1が決定される。この変動時間1決定テーブルによれば、変動モード番号ごとに変動時間1が対応付けられており、決定された変動モード番号に応じて、対応する変動時間1が決定される。
また、上記のように、変動パターン番号が決定されると、図9(b)に示す変動時間2決定テーブルにしたがって変動時間2が決定される。この変動時間2決定テーブルによれば、変動パターン番号ごとに変動時間2が対応付けられており、決定された変動パターン番号に応じて、対応する変動時間2が決定される。このようにして決定された変動時間1、2の合計時間が、大役抽選結果を報知する変動演出の時間、すなわち、変動時間となる。
以上のようにして変動モード番号が決定されると、当該決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンドが副制御基板330に送信され、変動パターン番号が決定されると、当該決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが副制御基板330に送信される。副制御基板330においては、受信した変動モードコマンドに基づいて、主に変動演出の前半の態様が決定され、受信した変動パターンコマンドに基づいて、主に変動演出の後半の態様が決定されることとなる。以下では、変動モードコマンドおよび変動パターンコマンドを総称して変動コマンドと呼ぶ場合があるが、その詳細については後述する。
図10は、特別電動役物作動ラムセットテーブルを説明する図である。この特別電動役物作動ラムセットテーブルは、大役遊技を制御するための各種データが記憶されたものであり、大役遊技中は、この特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して、大入賞口ソレノイド128cが通電制御される。なお、実際は、特別電動役物作動ラムセットテーブルは、大当たり図柄の種別ごとに複数設けられており、決定された大当たり図柄の種別に応じて、対応するテーブルが大役遊技の開始時にセットされるが、ここでは、説明の都合上、1つのテーブルに全ての大当たり図柄の制御データを示す。
大当たり図柄である特別図柄A〜Jが決定されると、図10に示すように、特別電動役物作動ラムセットテーブルを参照して大役遊技が実行される。大役遊技は、大入賞口128が所定回数開閉される複数回のラウンド遊技で構成されている。この特別電動役物作動ラムセットテーブルによれば、特別電動役物最大作動回数(1回の大役遊技中に実行されるラウンド遊技の回数)、特別電動役物開閉切替回数(1ラウンド中の大入賞口128の開放回数)、ソレノイド通電時間(大入賞口128の開放回数ごとの大入賞口ソレノイド128cの通電時間、すなわち、1回の大入賞口128の開放時間)、規定数(1回のラウンド遊技における大入賞口128への最大入賞可能数)が、大役遊技の制御データとして、大当たり図柄の種別ごとに、図示のように予め記憶されている。
この特別電動役物作動ラムセットテーブルによれば、特別図柄A、Bが決定された場合には、大役遊技としてラウンド遊技が4回実行され、特別図柄Cが決定された場合には、大役遊技としてラウンド遊技が6回実行され、特別図柄Dが決定された場合には、大役遊技としてラウンド遊技が8回実行され、特別図柄Eが決定された場合には、大役遊技としてラウンド遊技が10回実行され、特別図柄F〜Jが決定された場合には、大役遊技としてラウンド遊技が15回実行される。以下では、ラウンド遊技が4回実行される大役遊技を4R大役遊技と呼び、ラウンド遊技が6回実行される大役遊技を6R大役遊技と呼び、ラウンド遊技が8回実行される大役遊技を8R大役遊技と呼び、ラウンド遊技が10回実行される大役遊技を10R大役遊技と呼び、ラウンド遊技が15回実行される大役遊技を15R大役遊技と呼ぶ。なお、本実施形態では、全てのラウンド遊技において、ソレノイド通電時間が29.0秒に設定され、規定数が8個に設定されている。したがって、遊技者は、ラウンド遊技回数が多くなるほど、多量の賞球を獲得することができる。
図11は、大役遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブルを説明する図である。図11に示すとおり、特別図柄Aが決定された場合には、大役遊技の終了後に低確率遊技状態に設定され、特別図柄B〜Jが決定された場合には、大役遊技の終了後に高確率遊技状態に設定されるとともに、高確率遊技状態の継続回数(以下、「高確回数」という)は10000回に設定される。これは、大役抽選結果が10000回確定するまでの間、高確率遊技状態が継続することを意味している。ただし、上記した高確回数は1の高確率遊技状態における最大継続回数を示すものであり、上記の継続回数に到達するまでの間に大当たりに当選した場合には、再度、遊技状態の設定が行われることとなる。したがって、大役遊技の終了後に高確率遊技状態に設定された場合に、当該高確率遊技状態において大当たりの抽選結果が導出されることなく、ハズレの抽選結果が10000回導出されると、低確率遊技状態に遊技状態が変更されることとなる。
また、特別図柄A〜Jが決定された場合には、大役遊技の終了後に時短遊技状態に設定される。具体的には、特別図柄Aが決定された場合には、大役遊技の終了後に時短遊技状態に設定されるとともに、このとき、時短遊技状態の継続回数(以下、「時短回数」という)は50回に設定される。これは、大役抽選結果が50回確定するまでの間、時短遊技状態が継続することを意味している。ただし、上記した時短回数は1の時短遊技状態における最大継続回数を示すものであり、上記の継続回数に到達するまでの間に大当たりに当選した場合には、再度、遊技状態の設定が行われることとなる。また、特別図柄B〜Jが決定された場合には、大役遊技の終了後に時短遊技状態に設定されるとともに、時短回数が10000回に設定される。
なお、ここでは、大当たり図柄の種別に応じて、大役遊技の終了後の遊技状態および時短回数を設定することとしたが、大当たり図柄の種別と大当たり当選時の遊技状態との双方に応じて、遊技状態や時短回数を設定してもよい。
図12は、当たり決定乱数判定テーブルを説明する図である。遊技領域116を流下する遊技球がゲート124を通過すると、第2始動口122の可動片122bを通電制御するか否かが対応付けられた普通図柄の判定処理(以下、「普図抽選」という)が行われる。
なお、詳しくは後述するが、遊技球がゲート124を通過すると、0〜99の範囲内から1つの当たり決定乱数が取得されるとともに、この乱数値がメインRAM300cの普図保留記憶領域に4つを上限として記憶される。つまり、普図保留記憶領域は、当たり決定乱数をセーブする4つの記憶部を備えている。したがって、普図保留記憶領域の4つの記憶部全てに当たり決定乱数が記憶された状態で、遊技球がゲート124を通過した場合には、当該遊技球の通過に基づいて当たり決定乱数が記憶されることはない。以下では、ゲート124を遊技球が通過して普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数を普図保留とよぶ。
非時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図12(a)に示すように、非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この非時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が1〜99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、非時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は1/100となる。詳しくは後述するが、この普図抽選において当たり図柄が決定されると、第2始動口122の可動片122bが開状態に制御され、ハズレ図柄が決定された場合には、第2始動口122の可動片122bが閉状態に維持される。
また、時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、図12(b)に示すように、時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルが参照される。この時短遊技状態用当たり決定乱数判定テーブルによれば、当たり決定乱数が0〜98であった場合に、普通図柄の種別として当たり図柄が決定され、当たり決定乱数が99であった場合に、普通図柄の種別としてハズレ図柄が決定される。したがって、時短遊技状態において当たり図柄が決定される確率、すなわち、当選確率は99/100となる。
図13(a)は、普通図柄変動時間データテーブルを説明する図であり、図13(b)は、開閉制御パターンテーブルを説明する図である。上記のように、普図抽選が行われると、普通図柄の変動時間が決定される。普通図柄変動時間データテーブルは、普図抽選によって当たり図柄もしくはハズレ図柄が決定されたときに、当該普通図柄の変動時間を決定する際に参照されるものである。この普通図柄変動時間データテーブルによれば、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が10秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が1秒に決定される。このようにして変動時間が決定されると、当該決定された時間にわたって普通図柄表示器168が変動表示(点滅表示)される。そして、当たり図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が点灯し、ハズレ図柄が決定された場合には普通図柄表示器168が消灯する。
そして、普図抽選によって当たり図柄が決定されるとともに、普通図柄表示器168が点灯した場合には、第2始動口122の可動片122bが、図13(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して通電制御される。なお、実際は、開閉制御パターンテーブルは、遊技状態ごとに設けられており、普通図柄が決定されたときの遊技状態に応じて、対応するテーブルが普通電動役物ソレノイド122cの通電開始時にセットされるが、ここでは、説明の都合上、1つのテーブルに各遊技状態に対応する制御データを示す。
当たり図柄が決定されると、図13(b)に示すように、開閉制御パターンテーブルを参照して第2始動口122が開閉制御される。この開閉制御パターンテーブルによれば、普電開放前時間(第2始動口122の開放が開始されるまでの待機時間)、普通電動役物最大開閉切替回数(第2始動口122の開放回数)、ソレノイド通電時間(第2始動口122の開放回数ごとの普通電動役物ソレノイド122cの通電時間、すなわち、1回の第2始動口122の開放時間)、規定数(第2始動口122の全開放中における第2始動口122への最大入賞可能数)、普電閉鎖有効時間(第2始動口122の各開放間の閉鎖時間、すなわち、休止時間)、普電有効状態時間(第2始動口122の最後の開放終了からの待機時間)、普電終了ウェイト時間(普電有効状態時間の経過後、後述する普通図柄の変動表示が再開されるまでの待機時間)が、第2始動口122の制御データとして、遊技状態ごとに、図示のように予め記憶されている。
このように、非時短遊技状態および時短遊技状態には、それぞれ、第2始動口122を開閉するための開閉制御条件が、遊技進行条件として対応付けられており、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動口122に遊技球が入球しやすくなる。つまり、時短遊技状態においては、ゲート124を遊技球が通過する限りにおいて、次々と普図抽選がなされるとともに、第2始動口122が頻繁に開放状態となるため、遊技者は遊技球の費消を低減しながら、大役抽選を行うことが可能となる。
なお、第2始動口122の開閉条件は、普通図柄の当選確率、普通図柄の変動表示の時間、第2始動口122の開放時間の3つの要素を規定するものである。そして、本実施形態では、この3つの要素のうち2つの要素において、非時短遊技状態よりも時短遊技状態の方を有利に設定することで、時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも、第2始動口122に遊技球が入球しやすくなるように設定した。しかしながら、上記3つの要素のうち、1つまたは3つの要素について、時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも有利に設定してもよい。いずれにしても、時短遊技状態の方が非時短遊技状態に比べて、少なくとも1つの要素について有利となることで、総合的に時短遊技状態の方が、非時短遊技状態よりも第2始動口122に遊技球が容易に入球するようにすればよい。つまり、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合に、第1の条件にしたがって可動片122bが開閉制御され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合に、第1の条件よりも開状態になりやすい第2の条件にしたがって可動片122bが開閉制御されればよい。
次に、遊技機100における遊技の進行に伴う主制御基板300の主な処理について、フローチャートを用いて説明する。
(主制御基板300のCPU初期化処理)
図14は、主制御基板300におけるCPU初期化処理(S100)を説明するフローチャートである。
電源基板より電源が供給されると、メインCPU300aにシステムリセットが発生し、メインCPU300aは、以下のCPU初期化処理(S100)を行う。
(ステップS100−1)
メインCPU300aは、電源投入に応じて、初期設定処理として、メインROM300bから起動プログラムを読み込むとともに、各種処理を実行するために必要な設定処理を行う。
(ステップS100−3)
メインCPU300aは、タイマカウンタにウェイト処理時間を設定する。
(ステップS100−5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。なお、主制御基板300には、電源断検知回路が設けられており、電源電圧が所定値以下になると、電源検知回路から電源断予告信号が出力される。電源断予告信号を検出している場合には、上記ステップS100−3に処理を移し、電源断予告信号を検出していない場合には、ステップS100−7に処理を移す。
(ステップS100−7)
メインCPU300aは、上記ステップS100−3で設定したウェイト時間が経過したか否かを判定する。その結果、ウェイト時間が経過したと判定した場合にはステップS100−9に処理を移し、ウェイト時間は経過していないと判定した場合には上記ステップS100−5に処理を移す。
(ステップS100−9)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを許可するために必要な処理を実行する。
(ステップS100−11)
メインCPU300aは、RAMクリアフラグがオンしているか否かを判定する。なお、遊技盤108の背面には不図示のRAMクリアボタンが設けられており、このRAMクリアボタンが押圧操作されると、RAMクリア検出スイッチがRAMクリアボタンの押圧操作を検出して、主制御基板300にRAMクリア信号が出力される。RAMクリアボタンが押圧操作された状態で電源が投入されると、RAMクリア信号が入力され、RAMクリアフラグがオンされる。そして、RAMクリアフラグがオンしていると判定した場合にはステップS100−13に処理を移し、RAMクリアフラグはオンしていないと判定した場合にはステップS100−19に処理を移す。
(ステップS100−13)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、電源投入時(メインRAM300cをクリアするリセット時)にクリアすべきクリア対象のデータをクリアする初期化処理を行う。
(ステップS100−15)
メインCPU300aは、メインRAM300cがクリアされたことを副制御基板330に伝達するためのサブコマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理(コマンドを送信バッファに格納)を行う。
(ステップS100−17)
メインCPU300aは、メインRAM300cがクリアされたことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理(コマンドを送信バッファに格納)を行う。
(ステップS100−19)
メインCPU300aは、チェックサムを算出するために必要な処理を実行する。
(ステップS100−21)
メインCPU300aは、上記ステップS100−19で算出したチェックサムが、電源断時に保存されたチェックサムと不一致であるかを判定する。その結果、両者が不一致であると判定した場合にはステップS100−13に処理を移し、両者が不一致ではない(一致する)と判定した場合にはステップS100−23に処理を移す。
(ステップS100−23)
メインCPU300aは、メインRAM300cのうち、電源復帰時(メインRAM300cをクリアせずに、電源断前のデータを維持するとき)にクリアすべきクリア対象のデータをクリアする初期化処理を行う。
(ステップS100−25)
メインCPU300aは、電源断から復帰したことを副制御基板330に伝達するためのサブコマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理(コマンドを送信バッファに格納)を行う。
(ステップS100−27)
メインCPU300aは、電源断から復帰したことを払出制御基板310に伝達するための払出コマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理(コマンドを送信バッファに格納)を行う。
(ステップS100−29)
メインCPU300aは、特別図柄の種別を示す電源投入時特図図柄種別指定コマンド、特1保留数(X1)を示す特1保留指定コマンド、特2保留数(X2)を示す特2保留指定コマンド、記憶されている特1保留および特2保留の入賞順序を示す特別図柄入賞順序コマンド等、電源投入時の初期状態の演出に必要なコマンドを副制御基板330に送信するための電源投入時サブコマンドセット処理(コマンドを送信バッファに格納)を実行する。
(ステップS100−31)
メインCPU300aは、タイマ割込みの周期を設定する。
(ステップS100−33)
メインCPU300aは、割込みを禁止するための処理を行う。
(ステップS100−35)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数用初期値更新乱数を更新する。なお、当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値および終了値を決定するためのものである。つまり、後述する当たり図柄乱数の更新処理によって当たり図柄乱数が、当たり図柄乱数用初期値更新乱数から、当該当たり図柄乱数用初期値更新乱数−1まで1周すると、当たり図柄乱数は、そのときの当たり図柄乱数用初期値更新乱数に更新されることとなる。
(ステップS100−37)
メインCPU300aは、払出制御基板310から受信した受信データ(主コマンド)を解析し、受信データに応じた種々の処理を実行する。
(ステップS100−39)
メインCPU300aは、送信バッファに格納されているサブコマンドを副制御基板330に送信するための処理を行う。
(ステップS100−41)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS100−43)
メインCPU300aは、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を更新し、以後、上記ステップS100−33から処理を繰り返す。なお、以下では、変動演出パターンを決定するためのリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を総称して変動演出用乱数と呼ぶ。
次に、主制御基板300における割込み処理について説明する。ここでは、電源断時退避処理(XINT割込み処理)およびタイマ割込み処理について説明する。
(主制御基板300の電源断時退避処理(XINT割込み処理))
図15は、主制御基板300における電源断時退避処理(XINT割込み処理)を説明するフローチャートである。メインCPU300aは、電源断検知回路を監視しており、電源電圧が所定値以下になると、CPU初期化処理の割込み許可期間中(ステップS100−41とステップS100−33の処理の間)に割り込んで電源断時退避処理を実行する。
(ステップS300−1)
電源断予告信号が入力されると、メインCPU300aは、レジスタを退避する。
(ステップS300−3)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300−5)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300−11に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300−7に処理を移す。
(ステップS300−7)
メインCPU300aは、レジスタを復帰させる。
(ステップS300−9)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行い、当該電源断時退避処理を終了する。
(ステップS300−11)
メインCPU300aは、出力ポートの出力を停止する出力ポートクリア処理を実行する。
(ステップS300−13)
メインCPU300aは、チェックサムを算出して保存するチェックサム設定処理を実行する。
(ステップS300−15)
メインCPU300aは、メインRAM300cへのアクセスを禁止するために必要なRAMプロテクト設定処理を実行する。
(ステップS300−17)
メインCPU300aは、電源断発生監視時間を設定すべく、ループカウンタのカウンタ値に所定の電源断検出信号検出回数をセットする。
(ステップS300−19)
メインCPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300−21)
メインCPU300aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300−17に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300−23に処理を移す。
(ステップS300−23)
メインCPU300aは、上記ステップS300−17でセットしたループカウンタの値を1減算する。
(ステップS300−25)
メインCPU300aは、ループカウンタのカウンタ値が0でないかを判定する。その結果、カウンタ値が0ではないと判定した場合にはステップS300−19に処理を移し、カウンタ値が0であると判定した場合には上記したCPU初期化処理(ステップS100)に移行する。
なお、実際に電源断が生じた場合には、ステップS300−17〜ステップS300−25をループしている間に遊技機100の稼働が停止する。
(主制御基板300のタイマ割込み処理)
図16は、主制御基板300におけるタイマ割込み処理を説明するフローチャートである。主制御基板300には、所定の周期(本実施形態では4ミリ秒、以下「4ms」という)毎にクロックパルスを発生させるリセット用クロックパルス発生回路が設けられている。そして、リセット用クロックパルス発生回路によって、クロックパルスが発生すると、CPU初期化処理(ステップS100)に割り込んで、以下のタイマ割込み処理が実行される。
(ステップS400−1)
メインCPU300aは、レジスタを退避する。
(ステップS400−3)
メインCPU300aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS400−5)
メインCPU300aは、コモン出力バッファにセットされたコモンデータを出力ポートに出力し、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172を点灯制御するダイナミックポート出力処理を実行する。
(ステップS400−7)
メインCPU300aは、各種の入力ポート情報を読み込み、最新のスイッチ状態を正確に取得するためのポート入力処理を実行する。
(ステップS400−9)
メインCPU300aは、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該主制御基板300のタイマ割込み処理の度に減算され、0になると減算を停止する。
(ステップS400−11)
メインCPU300aは、上記ステップS100−35と同様、当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新処理を実行する。
(ステップS400−13)
メインCPU300aは、当たり図柄乱数を更新する処理を行う。具体的には、乱数カウンタを1加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。
なお、詳しい説明は省略するが、本実施形態では、大当たり決定乱数および当たり決定乱数は、主制御基板300に内蔵されたハードウェア乱数生成部によって更新されるハードウェア乱数を用いている。ハードウェア乱数生成部は、大当たり決定乱数および当たり決定乱数を、いずれも一定の規則にしたがって更新し、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列を変更するとともに、システムリセット毎にスタート値を変更している。
(ステップS500)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、ゲート検出スイッチ124sから信号の入力があったか否か判定するスイッチ管理処理を実行する。なお、このスイッチ管理処理の詳細については後述する。
(ステップS600)
メインCPU300aは、上記の特別遊技を進行制御するための特別遊技管理処理を実行する。なお、この特別遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS700)
メインCPU300aは、上記の普通遊技を進行制御するための普通遊技管理処理を実行する。なお、この普通遊技管理処理の詳細については後述する。
(ステップS400−15)
メインCPU300aは、各種エラーの判定およびエラー判定結果に応じた設定を行うためのエラー管理処理を実行する。
(ステップS400−17)
メインCPU300aは、一般入賞口検出スイッチ118s、第1始動口検出スイッチ120s、第2始動口検出スイッチ122s、大入賞口検出スイッチ128sのチェックを行い、該当する賞球制御用のカウンタ等を加算するための入賞口スイッチ処理を実行する。
(ステップS400−19)
メインCPU300aは、上記ステップS400−17でセットされた賞球制御用のカウンタのカウンタ値等に基づく払出コマンドの作成および送信を行うための払出制御管理処理を実行する。
(ステップS400−21)
メインCPU300aは、遊技情報出力端子板312から外部へ出力する外部情報用の出力データをセットするための外部情報管理処理を実行する。
(ステップS400−23)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160、第2特別図柄表示器162、第1特別図柄保留表示器164、第2特別図柄保留表示器166、普通図柄表示器168、普通図柄保留表示器170、右打ち報知表示器172等の各種表示器(LED)を点灯制御するためのコモンデータをコモン出力バッファにセットするLED表示設定処理を実行する。
(ステップS400−25)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122cおよび大入賞口ソレノイド128cのソレノイド出力イメージを合成し、出力ポートバッファに格納するためのソレノイド出力イメージ合成処理を実行する。
(ステップS400−27)
メインCPU300aは、各出力ポートバッファに格納されたコモン出力バッファの値を出力ポートに出力するためのポート出力処理を実行する。
(ステップS400−29)
メインCPU300aは、レジスタを復帰してタイマ割込み処理を終了する。
以下に、上記したタイマ割込み処理のうち、ステップS500のスイッチ管理処理、ステップS600の特別遊技管理処理、ステップS700の普通遊技管理処理について、詳細に説明する。
図17は、主制御基板300におけるスイッチ管理処理(ステップS500)を説明するフローチャートである。
(ステップS500−1)
メインCPU300aは、ゲート検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、ゲート124を遊技球が通過してゲート検出スイッチ124sからの検出信号がオンされたかを判定する。その結果、ゲート検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS510に処理を移し、ゲート検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−3に処理を移す。
(ステップS510)
メインCPU300aは、ゲート124への遊技球の通過に基づいてゲート通過処理を実行する。なお、このゲート通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−3)
メインCPU300aは、第1始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第1始動口120に遊技球が入球して第1始動口検出スイッチ120sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第1始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS520に処理を移し、第1始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−5に処理を移す。
(ステップS520)
メインCPU300aは、第1始動口120への遊技球の入球に基づいて第1始動口通過処理を実行する。なお、この第1始動口通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−5)
メインCPU300aは、第2始動口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、第2始動口122に遊技球が入球して第2始動口検出スイッチ122sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、第2始動口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS530に処理を移し、第2始動口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合にはステップS500−7に処理を移す。
(ステップS530)
メインCPU300aは、第2始動口122への遊技球の入球に基づいて第2始動口通過処理を実行する。なお、この第2始動口通過処理の詳細については後述する。
(ステップS500−7)
メインCPU300aは、大入賞口検出スイッチオン検出時であるか、すなわち、大入賞口128に遊技球が入球して大入賞口検出スイッチ128sから検出信号が入力されたかを判定する。その結果、大入賞口検出スイッチオン検出時であると判定した場合にはステップS500−9に処理を移し、大入賞口検出スイッチオン検出時ではないと判定した場合には当該スイッチ管理処理を終了する。
(ステップS500−9)
メインCPU300aは、現在、大役遊技中であるか否かを判定し、大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたものであるかを判定する。ここでは、大役遊技中ではないと判定した場合には、所定の不正検出処理を実行し、大役遊技中であり、大入賞口128への遊技球の入球が適正になされたと判定した場合には、大入賞口入賞球数カウンタを1加算して、当該スイッチ管理処理(ステップS500)を終了する。
図18は、主制御基板300におけるゲート通過処理(ステップS510)を説明するフローチャートである。
(ステップS510−1)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された当たり決定乱数をロードする。
(ステップS510−3)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であるか、つまり、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が4以上であるかを判定する。その結果、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値が最大値以上であると判定した場合には当該ゲート通過処理を終了し、普通図柄保留球数カウンタは最大値以上ではないと判定した場合にはステップS510−5に処理を移す。
(ステップS510−5)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS510−7)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域の4つの記憶部のうち、取得した当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
(ステップS510−9)
メインCPU300aは、上記ステップS510−1で取得した当たり決定乱数を、上記ステップS510−7で算定した対象記憶部にセーブする。
(ステップS510−11)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットし、当該ゲート通過処理を終了する。
図19は、主制御基板300における第1始動口通過処理(ステップS520)を説明するフローチャートである。
(ステップS520−1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「00H」をセットする。なお、特別図柄識別値は、保留種別として特1保留および特2保留のいずれであるかを識別するためのもので、特別図柄識別値(00H)は特1保留を示し、特別図柄識別値(01H)は特2保留を示す。
(ステップS520−3)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタのアドレスをセットする。
(ステップS535)
メインCPU300aは、特別図柄乱数取得処理を実行して、当該第1始動口通過処理を終了する。なお、この特別図柄乱数取得処理は、第2始動口通過処理(ステップS530)と共通のモジュールを利用して実行される。したがって、特別図柄乱数取得処理の詳細は、第2始動口通過処理の説明後に説明する。
図20は、主制御基板300における第2始動口通過処理(ステップS530)を説明するフローチャートである。
(ステップS530−1)
メインCPU300aは、特別図柄識別値として「01H」をセットする。
(ステップS530−3)
メインCPU300aは、特別図柄2保留球数カウンタのアドレスをセットする。
(ステップS535)
メインCPU300aは、後述する特別図柄乱数取得処理を実行する。
(ステップS530−5)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。なお、詳しくは後述するが、普通遊技管理フェーズは、普通遊技の実行処理の段階、すなわち、普通遊技の進行状況を示すものであり、普通遊技の実行処理の段階に応じて更新される。
(ステップS530−7)
メインCPU300aは、上記ステップS530−5でロードした普通遊技管理フェーズが「04H」ではないかを判定する。なお、普通遊技管理フェーズの「04H」は、普通電動役物入賞口開放制御処理中であることを示すものである。この普通電動役物入賞口開放制御処理においては、普通電動役物ソレノイド122cが通電されて第2始動口122の可動片122bが開状態に制御されることから、ここでは、第2始動口122が適正に開放され得る状態にあるかを判定することとなる。その結果、普通遊技管理フェーズが「04H」ではないと判定した場合には当該第2始動口通過処理を終了し、普通遊技管理フェーズが「04H」であると判定した場合にはステップS530−9に処理を移す。
(ステップS530−9)
メインCPU300aは、普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該第2始動口通過処理を終了する。
図21は、主制御基板300における特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を説明するフローチャートである。この特別図柄乱数取得処理は、上記した第1始動口通過処理(ステップS520)および第2始動口通過処理(ステップS530)において、共通のモジュールを用いて実行される。
(ステップS535−1)
メインCPU300aは、上記ステップS520−1またはステップS530−1でセットした特別図柄識別値をロードする。
(ステップS535−3)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数をロードする。ここでは、上記ステップS535−1でロードした特別図柄識別値が「00H」であれば、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留数をロードする。また、上記ステップS535−1でロードした特別図柄識別値が「01H」であれば、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留数をロードする。
(ステップS535−5)
メインCPU300aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された大当たり決定乱数をロードする。
(ステップS535−7)
メインCPU300aは、上記ステップS535−3でロードした対象特別図柄保留球数が上限値以上であるかを判定する。その結果、上限値以上であると判定した場合には、ステップS535−23に処理を移し、上限値以上ではないと判定した場合には、ステップS535−9に処理を移す。
(ステップS535−9)
メインCPU300aは、対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS535−11)
メインCPU300aは、特図保留記憶領域の記憶部のうち、取得した大当たり決定乱数をセーブする対象となる対象記憶部を算定する。
(ステップS535−13)
メインCPU300aは、上記ステップS535−5でロードした大当たり決定乱数、上記ステップS400−13で更新された当たり図柄乱数、上記ステップS100−43で更新されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を取得し、上記ステップS535−11で算定した対象記憶部に格納する。
(ステップS535−15)
メインCPU300aは、特図保留記憶領域に記憶されている特1保留および特2保留の入賞順序を更新して記憶する特別図柄保留球入賞順序設定処理を行う。
(ステップS536)
メインCPU300aは、上記ステップS535−13で対象記憶部に格納した各種の乱数に基づいて、取得時演出判定処理を実行する。この取得時演出判定処理では、新たに記憶された特1保留または特2保留によってもたらされる大役抽選結果や、変動演出の態様にかかる変動情報を、これら特1保留または特2保留が記憶された時点で判定する。この取得時演出判定処理の詳細については後述する。
(ステップS535−19)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値をロードする。
(ステップS535−21)
メインCPU300aは、特1保留数または特2保留数の増加を示す特図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS535−23)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS535−25)
メインCPU300aは、上記ステップS535−23でロードした普通遊技管理フェーズを確認し、後述する普通電動役物入賞口開放制御状態未満(普通遊技管理フェーズ<04H)であるかを判定する。その結果、普通電動役物入賞口開放制御状態未満であると判定した場合にはステップS535−27に処理を移し、普通電動役物入賞口開放制御状態未満ではないと判定した場合には当該特別図柄乱数取得処理を終了する。
(ステップS535−27)
メインCPU300aは、異常入賞があったか否かを判定するとともに、異常入賞があったと判定した場合には、所定の処理を行う始動口異常入賞エラー処理を実行し、当該特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を終了する。
図22は、主制御基板300における取得時演出判定処理(ステップS536)を説明するフローチャートである。
(ステップS536−1)
メインCPU300aは、低確率遊技状態であるか高確率遊技状態であるかを識別する確率状態識別カウンタのカウンタ値(j)をリセット(0に)する。なお、確率状態識別カウンタのカウンタ値(j)=0は低確率遊技状態を示し、カウンタ値(j)=1は高確率遊技状態を示す。
(ステップS536−3)
メインCPU300aは、確率状態識別カウンタのカウンタ値(j)に基づいて、対応する大当たり決定乱数判定テーブルを選択する。具体的には、カウンタ値(j)が「0」であれば、低確時大当たり決定乱数判定テーブル(図4(a)参照)を選択し、カウンタ値(j)が「1」であれば、高確時大当たり決定乱数判定テーブル(図4(b)参照)を選択する。そして、選択したテーブルと、上記ステップS535−13で対象記憶部に記憶した大当たり決定乱数とに基づいて、大当たりまたはハズレのいずれかを仮判定する特別図柄当たり仮判定処理を行う。
(ステップS536−5)
メインCPU300aは、特別図柄を仮決定するための特別図柄図柄仮判定処理を実行する。ここでは、上記ステップS536−3の仮大役抽選の結果(特別図柄当たり仮判定処理によって導出された結果)が大当たりであった場合には、上記ステップS535−13で対象記憶部に記憶した当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブル(図5参照)を選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(大当たり図柄の種別)をセーブする。また、上記ステップS536−3の仮大役抽選の結果がハズレであった場合には、保留種別に対応するハズレ用の特別図柄判定データ(ハズレ図柄の種別)をセーブする。このようにして、特別図柄判定データをセーブしたら、当該特別図柄判定データに対応する取得時図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS536−7)
メインCPU300aは、上記ステップS536−3の特別図柄当たり仮判定処理によって導出された結果が、大当たりであるかを判定する。その結果、大当たりであると判定した場合にはステップS536−9に処理を移し、大当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップS536−11に処理を移す。
(ステップS536−9)
メインCPU300aは、大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブル(図7(b)参照)をセットし、ステップS536−19に処理を移す。
(ステップS536−11)
メインCPU300aは、確率状態識別カウンタのカウンタ値および保留種別に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル(図6参照)をセットする。なお、リーチグループ決定乱数判定テーブルは、保留数に応じて複数種類設けられているが、ここでは、保留数が0のときに用いられるテーブルが選択される。そして、セットしたリーチグループ決定乱数判定テーブルと、上記ステップS535−13で対象記憶部に記憶したリーチグループ決定乱数とに基づいて、リーチグループ(グループ種別)を仮決定する。
(ステップS536−13)
メインCPU300aは、上記ステップS536−11で導出されたグループ種別が、保留数に応じて異なるグループ種別であるか否かを判定する。より詳細に説明すると、リーチグループ決定乱数判定テーブルは、保留数に応じて複数種類設けられているが、各リーチグループ決定乱数判定テーブルにおいては、リーチグループ決定乱数の値が所定値以上である場合には、いずれのテーブルによっても同一のグループ種別が決定されるように置数が割り振られている。ここでは、リーチグループ決定乱数の値が所定値(9000)未満であれば、グループ種別が保留数で変化すると判定し、リーチグループ決定乱数の値が所定値(9000)以上であれば、グループ種別は保留数で変化しないと判定する。そして、グループ種別が保留数で変化すると判定した場合にはステップS536−15に処理を移し、グループ種別は保留数で変化しないと判定した場合にはステップS536−17に処理を移す。
(ステップS536−15)
メインCPU300aは、対象記憶部に新たに記憶された保留について、当該保留が読み出されたときの保留数に応じて、グループ種別、すなわち、変動演出パターンが変化することを示す不定値コマンドを先読み指定コマンドとして送信バッファにセットし、ステップS536−27に処理を移す。なお、ここでは、リーチグループ決定乱数の値が8500未満である場合と、リーチグループ決定乱数の値が8500以上である場合とで、それぞれ異なる不定値コマンドがセットされる。
(ステップS536−17)
メインCPU300aは、上記ステップS536−11で導出されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブル(図7(a)参照)をセットし、ステップS536−19に処理を移す。
(ステップS536−19)
メインCPU300aは、上記ステップS536−9または上記ステップS536−17でセットしたリーチモード決定乱数判定テーブルと、上記ステップS535−13で対象記憶部に記憶したリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号を仮決定する。また、ここでは、変動モード番号とともに、変動パターン乱数判定テーブルが仮決定される。
(ステップS536−21)
メインCPU300aは、上記ステップS536−19で仮決定した変動モード番号に対応する先読み指定変動モードコマンド(先読み指定コマンド)を送信バッファにセットする。
(ステップS536−23)
メインCPU300aは、上記ステップS536−19で仮決定した変動パターン乱数判定テーブルと、上記ステップS535−13で対象記憶部に記憶した変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を仮決定する。
(ステップS536−25)
メインCPU300aは、上記ステップS536−23で仮決定した変動パターン番号に対応する先読み指定変動パターンコマンド(先読み指定コマンド)を送信バッファにセットする。
(ステップS536−27)
メインCPU300aは、確率状態識別カウンタのカウンタ値(j)が最大(1)であるかを判定し、最大であると判定した場合には当該取得時演出判定処理を終了し、最大ではないと判定した場合には、ステップS536−29に処理を移す。
(ステップS536−29)
メインCPU300aは、確率状態識別カウンタのカウンタ値(j)を、現在のカウンタ値(j)に「1」を加算した値に更新し、上記ステップS536−3から処理を繰り返す。これにより、新たに記憶された保留が、低確率遊技状態であるときに読み出された場合に決定される変動モード番号および変動パターン番号と、高確率遊技状態であるときに読み出された場合に決定される変動モード番号および変動パターン番号とが、当該保留の記憶時に導出されることとなる。
図23は、特別遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、本実施形態では、第1始動口120または第2始動口122への遊技球の入球を契機とする特別遊技と、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技とが、同時並行して進行する。特別遊技に係る処理は、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした特別遊技に係る各処理を特別遊技管理フェーズによって管理している。
図23に示すように、メインROM300bには、特別遊技を実行制御するための複数の特別遊技制御モジュールが格納されており、これら特別遊技制御モジュールごとに、特別遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、特別遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「特別図柄変動待ち処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「01H」である場合には、「特別図柄変動中処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「02H」である場合には、「特別図柄停止図柄表示処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「03H」である場合には、「大入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「04H」である場合には、「大入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「05H」である場合には、「大入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特別遊技管理フェーズが「06H」である場合には、「大入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
図24は、主制御基板300における特別遊技管理処理(ステップS600)を説明するフローチャートである。
(ステップS600−1)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS600−3)
メインCPU300aは、上記ステップS600−1でロードした特別遊技管理フェーズに対応する特別遊技制御モジュールを選択する。
(ステップS600−5)
メインCPU300aは、上記ステップS600−3で選択した特別遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
(ステップS600−7)
メインCPU300aは、特別遊技の制御時間を管理する特別遊技タイマをロードし、当該特別遊技管理処理を終了する。
図25は、主制御基板300における特別図柄変動待ち処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動待ち処理は、特別遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
(ステップS610−1)
メインCPU300aは、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留数(X2)が「1」以上であるかを判定する。その結果、特2保留数(X2)が「1」以上であると判定した場合にはステップS610−7に処理を移し、特2保留数(X2)は「1」以上ではないと判定した場合にはステップS610−3に処理を移す。
(ステップS610−3)
メインCPU300aは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留数(X1)が「1」以上であるかを判定する。その結果、特1保留数(X1)が「1」以上であると判定した場合にはステップS610−7に処理を移し、特1保留数(X1)は「1」以上ではないと判定した場合にはステップS610−5に処理を移す。
(ステップS610−5)
メインCPU300aは、客待ちコマンドを送信バッファにセットするとともに、客待ち状態に設定するための客待ち設定処理を実行し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。
(ステップS610−7)
メインCPU300aは、第2特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている特2保留、または、第1特図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている特1保留を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、上記ステップS610−1において、特別図柄2保留球数が「1」以上であると判定した場合には、第2特図保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている特2保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている特2保留を、第0記憶部にブロック転送する。また、上記ステップS610−3において、特別図柄1保留球数が「1」以上であると判定した場合には、第1特図保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている特1保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送するとともに、第1記憶部に記憶されている特1保留を、第0記憶部にブロック転送する。なお、この特別図柄記憶エリアシフト処理においては、第0記憶部に転送された保留種別に対応する対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、特1保留または特2保留が「1」減算したことを示す、保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−9)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された大当たり決定乱数、保留種別、高確率遊技状態であるか低確率遊技状態であるかを識別する特別図柄確率状態フラグをロードし、対応する大当たり決定乱数判定テーブルを選択して大役抽選を行い、その抽選結果を記憶する特別図柄当たり判定処理を実行する。
(ステップS610−11)
メインCPU300aは、特別図柄を決定するための特別図柄図柄判定処理を実行する。ここでは、上記ステップS610−9の大役抽選の結果が大当たりであった場合には、第0記憶部に転送された当たり図柄乱数、保留種別をロードし、対応する当たり図柄乱数判定テーブルを選択して特別図柄判定データを抽出し、抽出した特別図柄判定データ(大当たり図柄の種別)をセーブする。また、上記ステップS610−9の大役抽選の結果がハズレであった場合には、保留種別に対応するハズレ用の特別図柄判定データ(ハズレ図柄の種別)をセーブする。このようにして、特別図柄判定データをセーブしたら、当該特別図柄判定データに対応する図柄種別指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS610−13)
メインCPU300aは、上記ステップS610−11で抽出した特別図柄判定データに対応する特別図柄停止図柄番号をセーブする。なお、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162は、それぞれ7セグで構成されており、7セグを構成する各セグメントには番号(カウンタ値)が対応付けられている。ここで決定する特別図柄停止図柄番号は、最終的に点灯するセグメントの番号(カウンタ値)を示すものである。
(ステップS612)
メインCPU300aは、変動モード番号および変動パターン番号を決定する特別図柄変動番号決定処理を実行する。この特別図柄変動番号決定処理の詳細は後述する。
(ステップS610−15)
メインCPU300aは、上記ステップS612で決定された変動モード番号および変動パターン番号をロードするとともに、変動時間決定テーブルを参照して、変動時間1および変動時間2を決定する。そして、決定した変動時間1、2の合計時間を、特別図柄変動タイマにセットする。
(ステップS610−17)
メインCPU300aは、上記ステップS610−9における大役抽選の結果が大当たりであるか否かを判定し、大当たりであった場合には、上記ステップS610−11でセーブした特別図柄判定データをロードして、大当たり図柄の種別を確認する。そして、遊技状態設定テーブルを参照して、大役遊技終了後に設定される遊技状態および高確回数を判定し、その判定結果を特別図柄確率状態予備フラグおよび高確回数切り予備カウンタにセーブする。また、ここでは、大当たり当選時に設定されている遊技状態が記憶される。
(ステップS610−19)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162において、特別図柄の変動表示を開始するために、特別図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントにはカウンタ値が対応付けられており、特別図柄表示図柄カウンタに設定されたカウンタ値に対応するセグメントが点灯制御される。ここでは、特別図柄の変動表示の開始時に点灯させるセグメントに対応するカウンタ値が特別図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。なお、特別図柄表示図柄カウンタは、第1特別図柄表示器160に対応する特別図柄1表示図柄カウンタと、第2特別図柄表示器162に対応する特別図柄2表示図柄カウンタとが別個に設けられており、ここでは、保留種別に対応するカウンタにカウンタ値が設定される。
(ステップS610−21)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。
図26は、主制御基板300における特別図柄変動番号決定処理(ステップS612)を説明するフローチャートである。
(ステップS612−1)
メインCPU300aは、上記ステップS610−9における大役抽選の結果が大当たりであるかを判定する。その結果、大当たりであると判定した場合にはステップS612−3に処理を移し、大当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップS612−5に処理を移す。
(ステップS612−3)
メインCPU300aは、現在の変動状態、大当たり図柄の種別、保留種別に対応する大当たり時リーチモード決定乱数判定テーブルをセットする。
(ステップS612−5)
メインCPU300aは、読み出した保留の保留種別が特2保留である場合には、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値を確認し、読み出した保留の保留種別が特1保留である場合には、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値を確認する。
(ステップS612−7)
メインCPU300aは、現在の変動状態、上記ステップS612−5で確認した保留数、保留種別に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブルをセットする。そして、セットしたリーチグループ決定乱数判定テーブルと、上記ステップS610−7で第0記憶部に転送したリーチグループ決定乱数とに基づいて、リーチグループ(グループ種別)を決定する。
(ステップS612−9)
メインCPU300aは、上記ステップS612−7で決定されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルをセットする。
(ステップS612−11)
メインCPU300aは、上記ステップS612−3または上記ステップS612−9でセットしたリーチモード決定乱数判定テーブルと、上記ステップS612で第0記憶部に転送したリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号を決定する。また、ここでは、変動モード番号とともに、変動パターン乱数判定テーブルが決定される。
(ステップS612−13)
メインCPU300aは、上記ステップS612−11で決定した変動モード番号に対応する変動モードコマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS612−15)
メインCPU300aは、上記ステップS612−11で決定した変動パターン乱数判定テーブルと、上記ステップS612で第0記憶部に転送した変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定する。
(ステップS612−17)
メインCPU300aは、上記ステップS612−15で決定した変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドを送信バッファにセットして、当該特別図柄変動番号決定処理を終了する。
図27は、主制御基板300における特別図柄変動中処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動中処理は、特別遊技管理フェーズが「01H」であった場合に実行される。
(ステップS620−1)
メインCPU300aは、特別図柄変動ベースカウンタを更新する処理を実行する。なお、特別図柄変動ベースカウンタは、所定周期(例えば100ms)で1周するようにカウンタ値が設定される。具体的には、特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であった場合には、所定のカウンタ値(例えば25)がセットされ、カウンタ値が「1」以上であった場合には、現在のカウンタ値から「1」減算した値にカウンタ値を更新する。
(ステップS620−3)
メインCPU300aは、上記ステップS620−1で更新した特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であった場合にはステップS620−5に処理を移し、カウンタ値が「0」ではなかった場合にはステップS620−9に処理を移す。
(ステップS620−5)
メインCPU300aは、上記ステップS610−15で設定された特別図柄変動タイマのタイマ値を所定値減算する特別図柄変動タイマ更新処理を行う。
(ステップS620−7)
メインCPU300aは、上記ステップS620−5で更新した特別図柄変動タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS620−15に処理を移し、タイマ値が「0」ではなかった場合にはステップS620−9に処理を移す。
(ステップS620−9)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160および第2特別図柄表示器162を構成する7セグの各セグメントの点灯時間を計時する特別図柄表示タイマを更新する。具体的には、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
(ステップS620−11)
メインCPU300aは、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS620−13に処理を移し、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該特別図柄変動中処理を終了する。
(ステップS620−13)
メインCPU300aは、更新対象の特別図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新する。これにより、7セグを構成する各セグメントが、所定時間おきに順次点灯することとなる。
(ステップS620−15)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「02H」に更新する。
(ステップS620−17)
メインCPU300aは、対象の特別図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS610−13で決定した特別図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に、決定された特別図柄が停止表示されることとなる。
(ステップS620−19)
メインCPU300aは、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に特別図柄が停止表示されたことを示す特図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS620−21)
メインCPU300aは、特別図柄を停止表示する時間である特別図柄変動停止時間を特別遊技タイマにセットし、当該特別図柄変動中処理を終了する。
図28は、主制御基板300における特別図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。この特別図柄停止図柄表示処理は、特別遊技管理フェーズが「02H」であった場合に実行される。
(ステップS630−1)
メインCPU300aは、上記ステップS620−21でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該特別図柄停止図柄表示処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS630−3に処理を移す。
(ステップS630−3)
メインCPU300aは、大役抽選の結果を確認する。
(ステップS630−5)
メインCPU300aは、大役抽選の結果が大当たりであるかを判定する。その結果、大当たりであると判定した場合にはステップS630−17に処理を移し、大当たりではないと判定した場合にはステップS630−7に処理を移す。
(ステップS630−7)
メインCPU300aは、回数切り管理処理を実行する。ここでは、特別図柄確率状態フラグをロードして、現在の遊技状態が低確率遊技状態であるか高確率遊技状態であるかを確認する。そして、遊技状態が高確率遊技状態であった場合には、高確回数切りカウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値から「1」減算した値に更新する。なお、高確回数切りカウンタを更新した結果、カウンタ値が「0」になった場合には、低確率遊技状態に対応する特別図柄確率状態フラグをセットする。これにより、高確率遊技状態において、大当たりに当選することなく、特別図柄が所定回数確定したところで、遊技状態が低確率遊技状態に移行することとなる。
また、ここでは、遊技状態が非時短遊技状態であるか時短遊技状態であるかを識別するための普通図柄時短状態フラグをロードして、現在の遊技状態が非時短遊技状態であるか時短遊技状態であるかを確認する。そして、遊技状態が時短遊技状態であった場合には、時短回数切りカウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値から「1」減算した値に更新する。なお、時短回数切りカウンタを更新した結果、カウンタ値が「0」になった場合には、非時短遊技状態に対応する普通図柄時短状態フラグをセットする。これにより、時短遊技状態において、大当たりに当選することなく、特別図柄が所定回数確定したところで、遊技状態が非時短遊技状態に移行することとなる。
(ステップS630−9)
メインCPU300aは、変動状態更新処理を実行する。ここでは、現在、変動状態が特殊変動状態であるかを判定する。そして、特殊変動状態であると判定した場合には、特殊変動回数カウンタのカウンタ値を確認し、特殊変動状態から通常変動状態に切り替えるか否かを判定する。その結果、通常変動状態に切り替えると判定した場合、すなわち、特殊変動状態における最後の特別図柄の変動表示が終了したと判定した場合には、変動状態識別フラグを通常変動状態用のフラグに更新する。
(ステップS630−11)
メインCPU300aは、特別図柄が確定したときの遊技状態を示す特図確定時遊技状態確認指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630−13)
メインCPU300aは、上記ステップS630−7で更新した高確回数および時短回数を副制御基板330に伝達するための回数コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630−15)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、1の保留に基づく特別遊技管理処理が終了し、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、次の保留に基づく特別図柄の変動表示を開始するための処理が行われることとなる。
(ステップS630−17)
メインCPU300aは、確定した特別図柄の種別に応じて、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータをセットする。
(ステップS630−19)
メインCPU300aは、特別電動役物最大作動回数設定処理を行う。具体的には、上記ステップS630−17でセットしたデータを参照し、特別電動役物最大作動回数カウンタに、カウンタ値として所定数(特別図柄の種別に対応するカウンタ値=ラウンド数)をセットする。なお、この特別電動役物最大作動回数カウンタは、これから開始する大役遊技において実行可能なラウンド数を示すものである。一方、メインRAM300cには、特別電動役物連続作動回数カウンタが設けられており、各ラウンド遊技の開始時に、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を「01H」加算することで、現在のラウンド遊技数が管理される。ここでは、大役遊技の開始に伴って、この特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値をリセット(「00H」に更新)する処理が併せて実行される。
(ステップS630−21)
メインCPU300aは、停止表示された大当たり図柄の種別と、大当たり当選時の遊技状態とに基づいて、予め設定されたオープニング時間を特別遊技タイマにセーブする。
(ステップS630−23)
メインCPU300aは、大役遊技の開始を副制御基板330に伝達するためのオープニング指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS630−25)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「03H」に更新し、当該特別図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、大役遊技が開始されることとなる。
図29は、主制御基板300における大入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放前処理は、特別遊技管理フェーズが「03H」であった場合に実行される。
(ステップS640−1)
メインCPU300aは、上記ステップS630−21でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口開放前処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS640−3に処理を移す。
(ステップS640−3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「01H」加算した値に更新する。
(ステップS640−5)
メインCPU300aは、大入賞口128の開放開始(ラウンド遊技の開始)を副制御基板330に伝達するための大入賞口開放指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS641)
メインCPU300aは、大入賞口開閉切替処理を実行する。この大入賞口開閉切替処理については後述する。
(ステップS640−7)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「04H」に更新し、当該大入賞口開放前処理を終了する。
図30は、主制御基板300における大入賞口開閉切替処理(ステップS641)を説明するフローチャートである。
(ステップS641−1)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数(1回のラウンド遊技中における大入賞口128の開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641−3に処理を移す。
(ステップS641−3)
メインCPU300aは、特別電動役物作動ラムセットテーブルのデータを参照し、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、大入賞口ソレノイド128cを通電制御するためのソレノイド制御データ、および、大入賞口ソレノイド128cの通電時間もしくは通電停止時間であるタイマデータを抽出する。
(ステップS641−5)
メインCPU300aは、上記ステップS641−3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、大入賞口ソレノイド128cの通電を開始するか、もしくは、大入賞口ソレノイド128cの通電を停止するための大入賞口ソレノイド通電制御処理を実行する。この大入賞口ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400−25およびステップS400−27において、大入賞口ソレノイド128cの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
(ステップS641−7)
メインCPU300aは、上記ステップS641−3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、特別遊技タイマにセーブする。なお、ここで特別遊技タイマにセーブされるタイマ値は、大入賞口128の1回の最大開放時間となる。
(ステップS641−9)
メインCPU300aは、大入賞口ソレノイド128cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS641−5において、大入賞口ソレノイド128cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS641−11に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
(ステップS641−11)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
図31は、主制御基板300における大入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放制御処理は、特別遊技管理フェーズが「04H」であった場合に実行される。
(ステップS650−1)
メインCPU300aは、上記ステップS641−7でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS650−5に処理を移し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS650−3に処理を移す。
(ステップS650−3)
メインCPU300aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS650−7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS641に処理を移す。
(ステップS641)
上記ステップS650−3において、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS641の処理を実行する。
(ステップS650−5)
メインCPU300aは、上記ステップS500−9で更新された大入賞口入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、大入賞口128に、1ラウンド中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該大入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS650−7に処理を移す。
(ステップS650−7)
メインCPU300aは、大入賞口ソレノイド128cの通電を停止して大入賞口128を閉鎖するために必要な大入賞口閉鎖処理を実行する。これにより、大入賞口128が閉鎖状態となる。
(ステップS650−9)
メインCPU300aは、大入賞口閉鎖有効時間(インターバル時間)を特別遊技タイマにセーブする。ここで、大入賞口閉鎖有効時間は、どのラウンドであっても一律に決定されており、例えば、0.2秒である。
(ステップS650−11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「05H」に更新する。
(ステップS650−13)
メインCPU300aは、大入賞口128が閉鎖されたことを示す大入賞口閉鎖指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口開放制御処理を終了する。
図32は、主制御基板300における大入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この大入賞口閉鎖有効処理は、特別遊技管理フェーズが「05H」であった場合に実行される。
(ステップS660−1)
メインCPU300aは、上記ステップS650−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該大入賞口閉鎖有効処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS660−3に処理を移す。
(ステップS660−3)
メインCPU300aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致するか、すなわち、予め設定された回数のラウンド遊技が終了したかを判定する。その結果、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致すると判定した場合にはステップS660−9に処理を移し、一致しないと判定した場合にはステップS660−5に処理を移す。
(ステップS660−5)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「03H」に更新する。
(ステップS660−7)
メインCPU300aは、所定の大入賞口閉鎖時間を特別遊技タイマにセーブし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。これにより、次のラウンド遊技が開始されることとなる。
(ステップS660−9)
メインCPU300aは、大役遊技の実行契機となった大当たり図柄の種別と、大当たり当選時の遊技状態とに基づいて、所定のエンディング時間を特別遊技タイマにセーブするエンディング時間設定処理を実行する。
(ステップS660−11)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「06H」に更新する。
(ステップS660−13)
メインCPU300aは、エンディングの開始を示すエンディング指定コマンドを送信バッファにセットし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。
図33は、主制御基板300における大入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この大入賞口終了ウェイト処理は、特別遊技管理フェーズが「06H」であった場合に実行される。
(ステップS670−1)
メインCPU300aは、上記ステップS660−9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口終了ウェイト処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS670−3に処理を移す。
(ステップS670−3)
メインCPU300aは、大役遊技終了後の遊技状態を設定するための状態設定処理を実行する。ここでは、上記ステップS610−17でセーブした特別図柄確率状態予備フラグおよび高確回数切り予備カウンタをロードして、状態データをセーブする。また、ここでは、特別図柄(大当たり図柄)の種別に応じて、普通図柄時短状態フラグおよび時短回数切りカウンタに所定の状態データをセーブする。さらに、ここでは、大役遊技の実行契機となった大当たり図柄と、大役遊技の実行前の遊技状態(大当たり当選時の遊技状態)とに基づいて、大役遊技の終了後の変動状態を設定する。また、変動状態が特殊変動状態に設定された場合には、以後、特殊変動状態がどのように切り替わるのかにかかる情報が同時に記憶され、以後、ここで記憶された情報に基づいて、変動状態の切り替え処理がなされることとなる。
(ステップS670−5)
メインCPU300aは、大役遊技の終了後に設定される遊技状態を伝達するための遊技状態変化指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS670−7)
メインCPU300aは、上記ステップS670−3でセーブした高確回数および時短回数に対応する回数コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS670−9)
メインCPU300aは、特別遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該大入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、特別図柄の変動表示が再開されることとなる。
図34は、普通遊技管理フェーズを説明する図である。既に説明したとおり、本実施形態では、ゲート124への遊技球の通過を契機とする普通遊技に係る処理が、段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御基板300では、こうした普通遊技に係る各処理を普通遊技管理フェーズによって管理している。
図34に示すように、メインROM300bには、普通遊技を実行制御するための複数の普通遊技制御モジュールが格納されており、これら普通遊技制御モジュールごとに、普通遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、普通遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「普通図柄変動待ち処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「01H」である場合には、「普通図柄変動中処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「02H」である場合には、「普通図柄停止図柄表示処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「03H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「04H」である場合には、「普通電動役物入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「05H」である場合には、「普通電動役物入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、普通遊技管理フェーズが「06H」である場合には、「普通電動役物入賞口終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
図35は、主制御基板300における普通遊技管理処理(ステップS700)を説明するフローチャートである。
(ステップS700−1)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS700−3)
メインCPU300aは、上記ステップS700−1でロードした普通遊技管理フェーズに対応する普通遊技制御モジュールを選択する。
(ステップS700−5)
メインCPU300aは、上記ステップS700−3で選択した普通遊技制御モジュールをコールして処理を開始する。
(ステップS700−7)
メインCPU300aは、普通遊技の制御時間を管理する普通遊技タイマをロードする。
図36は、主制御基板300における普通図柄変動待ち処理を説明するフローチャートである。この普通図柄変動待ち処理は、普通遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
(ステップS710−1)
メインCPU300aは、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値をロードし、カウンタ値が「0」であるか、すなわち、普図保留が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であると判定した場合には当該普通図柄変動待ち処理を終了し、カウンタ値は「0」ではないと判定した場合にはステップS710−3に処理を移す。
(ステップS710−3)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている普図保留(当たり決定乱数)を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている普図保留を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。また、メインRAM300cには、処理対象となる第0記憶部が設けられており、第1記憶部に記憶されている普図保留を、第0記憶部に転送する。なお、この普通図柄記憶エリアシフト処理においては、普通図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに、普図保留が「1」減算したことを示す、普図保留減指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS710−5)
メインCPU300aは、第0記憶部に転送された当たり決定乱数をロードし、現在の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブルを選択して普図抽選を行い、その抽選結果を記憶する普通図柄当たり判定処理を実行する。
(ステップS710−7)
メインCPU300aは、上記ステップS710−5の普図抽選の結果に対応する普通図柄停止図柄番号をセーブする。なお、本実施形態では、普通図柄表示器168は1つのLEDランプで構成されており、当たりの場合には普通図柄表示器168を点灯させ、ハズレの場合には普通図柄表示器168を消灯させる。ここで決定する普通図柄停止図柄番号は、最終的に普通図柄表示器168を点灯するか否かを示すものであり、例えば、当たりに当選した場合には、普通図柄停止図柄番号として「0」が決定され、ハズレの場合には、普通図柄停止図柄番号として「1」が決定される。
(ステップS710−9)
メインCPU300aは、現在の遊技状態を確認し、対応する普通図柄変動時間データテーブルを選択してセットする。
(ステップS710−11)
メインCPU300aは、上記ステップS710−3で第0記憶部に転送した当たり決定乱数と、上記ステップS710−9でセットした普通図柄変動時間データテーブルとに基づいて、普通図柄変動時間を決定する。
(ステップS710−13)
メインCPU300aは、上記ステップS710−11で決定した普通図柄変動時間を普通遊技タイマにセーブする。
(ステップS710−15)
メインCPU300aは、普通図柄表示器168において、普通図柄の変動表示を開始するために、普通図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。この普通図柄表示図柄カウンタに、カウンタ値として例えば「0」が設定されている場合には普通図柄表示器168が点灯制御され、カウンタ値として「1」が設定されている場合には普通図柄表示器168が消灯制御される。ここでは、普通図柄の変動表示の開始時に所定のカウンタ値が普通図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。
(ステップS710−17)
メインCPU300aは、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留数を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS710−19)
メインCPU300aは、上記ステップS710−7で決定された普通図柄停止図柄番号、すなわち、普通図柄当たり判定処理によって決定された図柄種別(当たり図柄またはハズレ図柄)に基づいて、普通図柄指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS710−21)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該普通図柄変動待ち処理を終了する。
図37は、主制御基板300における普通図柄変動中処理を説明するフローチャートである。この普通図柄変動中処理は、普通遊技管理フェーズが「01H」であった場合に実行される。
(ステップS720−1)
メインCPU300aは、上記ステップS710−13でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS720−9に処理を移し、タイマ値が「0」ではなかった場合にはステップS720−3に処理を移す。
(ステップS720−3)
メインCPU300aは、普通図柄表示器168の点灯時間および消灯時間を計時する普通図柄表示タイマを更新する。具体的には、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
(ステップS720−5)
メインCPU300aは、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS720−7に処理を移し、普通図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該普通図柄変動中処理を終了する。
(ステップS720−7)
メインCPU300aは、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新する。ここでは、普通図柄表示図柄カウンタのカウンタ値が、普通図柄表示器168の消灯を示すカウンタ値であった場合には点灯を示すカウンタ値に更新し、普通図柄表示器168の点灯を示すカウンタ値であった場合には消灯を示すカウンタ値に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。これにより、普通図柄表示器168は、普通図柄変動時間にわたって、所定時間おきに点灯、消灯を繰り返す(点滅する)こととなる。
(ステップS720−9)
メインCPU300aは、普通図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS710−7で決定した普通図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、普通図柄表示器168が最終的に点灯もしくは消灯制御され、普図抽選の結果が報知されることとなる。
(ステップS720−11)
メインCPU300aは、普通図柄を停止表示する時間である普通図柄変動停止時間を普通遊技タイマにセットする。
(ステップS720−13)
メインCPU300aは、普通図柄の停止表示が開始されたことを示す普図停止指定コマンドを送信バッファにセットする。
(ステップS720−15)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「02H」に更新し、当該普通図柄変動中処理を終了する。
図38は、主制御基板300における普通図柄停止図柄表示処理を説明するフローチャートである。この普通図柄停止図柄表示処理は、普通遊技管理フェーズが「02H」であった場合に実行される。
(ステップS730−1)
メインCPU300aは、上記ステップS720−11でセットした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通図柄停止図柄表示処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS730−3に処理を移す。
(ステップS730−3)
メインCPU300aは、普図抽選の結果を確認する。
(ステップS730−5)
メインCPU300aは、普図抽選の結果が当たりであるかを判定する。その結果、当たりであると判定した場合にはステップS730−9に処理を移し、当たりではない(ハズレである)と判定した場合にはステップS730−7に処理を移す。
(ステップS730−7)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、1の普図保留に基づく普通遊技管理処理が終了し、普図保留が記憶されている場合には、次の保留に基づく普通図柄の変動表示を開始するための処理が行われることとなる。
(ステップS730−9)
メインCPU300aは、開閉制御パターンテーブルのデータを参照し、普通遊技タイマに、タイマ値として普電開放前時間をセーブする。
(ステップS730−11)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「03H」に更新し、当該普通図柄停止図柄表示処理を終了する。これにより、第2始動口122の開閉制御が開始されることとなる。
図39は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口開放前処理は、普通遊技管理フェーズが「03H」であった場合に実行される。
(ステップS740−1)
メインCPU300aは、上記ステップS730−9でセットした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開放前処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS741に処理を移す。
(ステップS741)
メインCPU300aは、普通電動役物入賞口開閉切替処理を実行する。この普通電動役物入賞口開閉切替処理については後述する。
(ステップS740−3)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「04H」に更新し、当該普通電動役物入賞口開放前処理を終了する。
図40は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開閉切替処理(ステップS741)を説明するフローチャートである。
(ステップS741−1)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数(1回の開閉制御中における第2始動口122の可動片122bの開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS741−3に処理を移す。
(ステップS741−3)
メインCPU300aは、開閉制御パターンテーブルのデータを参照し、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、普通電動役物ソレノイド122cを通電制御するためのソレノイド制御データ(通電制御データまたは通電停止制御データ)、および、普通電動役物ソレノイド122cの通電時間(ソレノイド通電時間)もしくは通電停止時間(普電閉鎖有効時間=休止時間)であるタイマデータを抽出する。
(ステップS741−5)
メインCPU300aは、上記ステップS741−3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、普通電動役物ソレノイド122cの通電を開始するか、もしくは、普通電動役物ソレノイド122cの通電を停止するための普通電動役物ソレノイド通電制御処理を実行する。この普通電動役物ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400−25およびステップS400−27において、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
(ステップS741−7)
メインCPU300aは、上記ステップS741−3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、普通遊技タイマにセーブする。なお、ここで普通遊技タイマにセーブされるタイマ値は、第2始動口122の1回の最大開放時間となる。
(ステップS741−9)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122cの通電開始状態か、すなわち、上記ステップS741−5において、普通電動役物ソレノイド122cの通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS741−11に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開閉切替処理を終了する。
(ステップS741−11)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
図41は、主制御基板300における普通電動役物入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口開放制御処理は、普通遊技管理フェーズが「04H」であった場合に実行される。
(ステップS750−1)
メインCPU300aは、上記ステップS741−7でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS750−5に処理を移し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS750−3に処理を移す。
(ステップS750−3)
メインCPU300aは、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS750−7に処理を移し、カウンタ値は上限値ではないと判定した場合にはステップS741に処理を移す。
(ステップS741)
上記ステップS750−3において、普通電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、普通電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、メインCPU300aは、上記ステップS741の処理を実行する。
(ステップS750−5)
メインCPU300aは、上記ステップS530−9で更新された普通電動役物入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、第2始動口122に、1回の開閉制御中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS750−7に処理を移す。
(ステップS750−7)
メインCPU300aは、普通電動役物ソレノイド122cの通電を停止して第2始動口122を閉鎖するために必要な普通電動役物閉鎖処理を実行する。これにより、第2始動口122が閉鎖状態となる。
(ステップS750−9)
メインCPU300aは、普電有効状態時間を普通遊技タイマにセーブする。
(ステップS750−11)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「05H」に更新し、当該普通電動役物入賞口開放制御処理を終了する。
図42は、主制御基板300における普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口閉鎖有効処理は、普通遊技管理フェーズが「05H」であった場合に実行される。
(ステップS760−1)
メインCPU300aは、上記ステップS750−9でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS760−3に処理を移す。
(ステップS760−3)
メインCPU300aは、普電終了ウェイト時間を普通遊技タイマにセーブする。
(ステップS760−5)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「06H」に更新し、当該普通電動役物入賞口閉鎖有効処理を終了する。
図43は、主制御基板300における普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この普通電動役物入賞口終了ウェイト処理は、普通遊技管理フェーズが「06H」であった場合に実行される。
(ステップS770−1)
メインCPU300aは、上記ステップS760−3でセーブした普通遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、普通遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了し、普通遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS770−3に処理を移す。
(ステップS770−3)
メインCPU300aは、普通遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該普通電動役物入賞口終了ウェイト処理を終了する。これにより、普図保留が記憶されている場合には、普通図柄の変動表示が再開されることとなる。
以上のように、主制御基板300において各種の処理が実行されることにより、特別遊技および普通遊技が進行することとなるが、こうした遊技の進行中には、主制御基板300から送信されるコマンドに基づいて、副制御基板330において、さまざまな演出を実行するための制御が行われる。以下では、主制御基板300から送信されるコマンドに基づいて実行される演出のうち、低確率遊技状態において実行され、大役抽選の結果を報知する変動演出の一例と、副制御基板330において、変動演出を実行制御する処理について説明する。
(演出図柄の説明)
図44は、演出図柄210a、210b、210cを説明する図である。上記したように、主制御基板300では、大役抽選が行われると、変動モード番号および変動パターン番号が決定され、変動モードコマンドおよび変動パターンコマンドが副制御基板330に送信される。副制御基板330では、受信した変動モードコマンドおよび変動パターンコマンドに基づいて変動演出の実行パターンを決定するとともに、決定した実行パターンで変動演出を実行制御する。
変動演出の実行パターンは多数設けられているが、いずれも、演出表示部200aに、3つの図柄構成群210A、210B、210Cが変動表示された後に、いずれかの演出図柄210a、210b、210cが演出表示部200aに停止表示され、演出表示部200aにおける演出図柄210a、210b、210cの最終的な停止表示態様によって、大役抽選の結果が報知される点で共通している。
図44(a)に示すように、図柄構成群210Aは、1〜9の数字が記された9種類の演出図柄210aで構成されている。ここでは図示を省略しているが、各演出図柄210aには、数字とともにキャラクタ等が記されており、図柄構成群210Aを構成する各演出図柄210aを遊技者が容易に識別できるようになっている。また、図柄構成群210B、210Cも、図柄構成群210Aと同様、それぞれ9種類の演出図柄210b、210cで構成されている。なお、ここでは説明の都合上、図柄構成群210Aが9種類の演出図柄210aで構成され、図柄構成群210Bが9種類の演出図柄210bで構成され、図柄構成群210Cが9種類の演出図柄210cで構成されていることとするが、図柄構成群210A、210B、210Cは、いずれも同一表示態様の9種類の演出図柄210b、210cで構成されている。
変動演出においては、図柄構成群210A、210B、210Cが演出表示部200aにおいて、同時に高さ方向にスクロール表示され、最終的にいずれか1つの演出図柄210a、210b、210cが、演出表示部200aの高さ方向の中央に停止表示される。
そして、大役抽選によって大当たりに当選した場合には、図44(b)に示すように、大当たり図柄として、特別図柄A〜Jが決定される。大当たりに当選した場合、つまり、大当たりの当選を報知する変動演出では、最終的に、演出表示部200aの高さ方向の中央において、一直線上に同一の演出図柄210a、210b、210cが停止表示される。
ただし、特別図柄Aが決定されると、大役遊技の終了後に遊技状態が低確率遊技状態に設定されるが、この場合には、「2」、「4」、「6」、「8」の偶数の数字が記された演出図柄210a、210b、210c(以下、単に「偶数図柄」と呼ぶ)が停止表示される。一方、特別図柄B〜Jが決定されると、大役遊技の終了後に遊技状態が高確率遊技状態に設定されるが、この場合には、上記の偶数図柄に加えて、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の奇数の数字が記された演出図柄210a、210b、210c(以下、単に「奇数図柄」と呼ぶ)が停止表示される。
したがって、演出図柄210a、210b、210cが、同一の奇数図柄で演出表示部200aに停止表示されることで、大役遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定されることが報知される。また、演出図柄210a、210b、210cが、同一の偶数図柄で演出表示部200aに停止表示された場合には、大役遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態および高確率遊技状態のいずれに設定されるかが不明となっている。なお、詳しい説明は省略するが、特別図柄B〜Jが決定され、演出図柄210a、210b、210cが偶数図柄で停止表示された場合には、大役遊技中等に実行される別の演出により、大役遊技の終了後の遊技状態が報知される。
また、大役抽選の結果がハズレであった場合、つまり、ハズレ図柄が決定された場合には、演出表示部200aの高さ方向の中央において、最終的に、全て同一の演出図柄210a、210b、210cが停止表示されることはない。以下に、演出図柄210a、210b、210cが変動表示される変動演出の一例について説明する。
(演出の一例)
図45は、リーチなし変動パターンの変動演出の一例を説明する図である。上記のように、主制御基板300において大役抽選が行われると、特別図柄の変動表示中、すなわち、特別図柄の変動時間に亘って、大役抽選の結果を報知する変動演出が実行される。この変動演出においては、演出表示部200aにおいて種々の背景画像が表示されるとともに、この背景画像に重畳して、演出図柄210a、210b、210cが変動表示(スクロール表示)される。なお、変動演出中は、演出表示部200aに表示される画像に伴って、音声出力装置206から音声が出力されるとともに、演出照明装置204が点灯制御され、また、演出役物装置202が可動制御されるが、ここでは詳細な説明は省略する。
本実施形態の変動演出は、リーチなし変動パターン、リーチ変動パターンに大別される。リーチなし変動パターンの変動演出では、演出表示部200aに背景画像(図示を省略)が表示されるとともに、この背景画像に演出図柄210a、210b、210cが重畳して変動表示される。例えば、図45(a)に示すように、大役抽選結果がハズレであったことを示す組み合わせで演出図柄210a、210b、210cが停止表示されているとする。この状態で、新たに特別図柄の変動表示が行われると、当該特別図柄の変動表示の開始に伴って、図45(b)に示すように、3つの演出図柄210a、210b、210cが変動表示(スクロール表示)を開始する。なお、図中下向きの白抜き矢印は、演出図柄210a、210b、210cが高さ方向にスクロール表示されていることを示している。
そして、図45(c)に示すように、まず、演出図柄210aが停止表示され、その後、図45(d)に示すように、演出図柄210aと異なる演出図柄210cが停止表示される。そして、特別図柄の変動表示が終了して、第1特別図柄表示器160または第2特別図柄表示器162に特別図柄が停止表示するのとほぼ同じタイミングで、図45(e)に示すように、演出図柄210bが停止表示され、このときの3つの演出図柄210a、210b、210cの最終的な停止表示態様によって、大役抽選結果が遊技者に報知される。
図46は、ノーマルリーチ変動パターンの変動演出の一例を説明する図である。本実施形態では、リーチ変動パターンが、ノーマルリーチ変動パターン、発展リーチ変動パターン、擬似連続リーチ変動パターンに大別される。ノーマルリーチ変動パターンの変動演出は、リーチなし変動パターンの変動演出と同様に、特別図柄の変動表示の開始に伴って、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が開始され、図46(a)に示すように、演出図柄210aがまず停止表示される。その後、図46(b)に示すように、演出図柄210aと同一の演出図柄210cが停止表示される。
このように、演出表示部200aにおいて、同一の演出図柄210a、210cが停止表示されるリーチ態様で表示されると、図46(c)に示すように、演出表示部200aにおいて、演出図柄210a、210cに重畳して「リーチ」と表示される。なお、リーチ態様は複数種類設けられており、「1」〜「9」のいずれかの数字が記された同一の演出図柄210a、210cが停止表示される。その後、図46(d)に示すように、演出図柄210a、210b、210cの形状を、リーチ態様になる前と異にして変動表示が継続される。そして、図46(e)に示すように、最終的に、演出図柄210a、210cと異なる演出図柄210bが停止表示され、大役抽選の結果がハズレであったことが遊技者に報知される。
図47は、発展リーチ変動パターンの変動演出の一例を説明する図である。発展リーチ変動パターンの変動演出は、図47(a)〜(d)に示すように、ノーマルリーチ変動パターンの変動演出と同様に、演出表示部200aにおいて、演出図柄210a、210cがリーチ態様で表示される。その後、図47(e)に示すように、演出表示部200aにおいて、所定の発展画像(動画)が再生表示されるリーチ発展演出が実行される。なお、このリーチ発展演出は、例えば、味方キャラクタが敵キャラクタと対戦する内容や、味方キャラクタが所定のミッションに挑むといった内容となっている。
こうしたリーチ発展演出の内容は、主制御基板300で決定された変動パターン番号に基づいて決定される。このとき、味方キャラクタと敵キャラクタとの対戦内容や、味方キャラクタが挑むミッションの内容は複数パターン設けられており、そのいずれのパターンについても、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利したり、味方キャラクタがミッションを達成したりする大当たりパターンと、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北したり、味方キャラクタがミッションに失敗したりするハズレパターンとがそれぞれ設けられている。
大当たりパターンは、大役抽選の結果が大当たりであった場合にのみ選択され、ハズレパターンは、大役抽選の結果がハズレであった場合にのみ選択される。これら両パターンは、演出の終盤までは同一内容で構成されており、最終的に味方キャラクタが勝利するか敗北するか、あるいは、味方キャラクタがミッションを達成するか失敗するかといった点を異にしている。したがって、リーチ発展演出中は、変動演出の終盤まで、大役抽選の結果を遊技者が識別することができず、遊技者に大当たりの期待感が付与されることとなる。
また、リーチ発展演出中は、予告演出として、カットイン画像が挿入されたり、キャラクタのセリフが演出表示部200aに表示されたりする。こうした予告演出の実行パターンも多数設けられており、その選択比率が、変動パターン番号、換言すれば、大当たりの当選可否に応じて設定されている。したがって、リーチ発展演出中に実行される予告演出によって、最終的に大当たりの当選が報知される可能性(以下「信頼度」という)が示唆されることとなる。
なお、図47(e)に示すように、リーチ発展演出中は、演出図柄210a、210b、210cが、演出表示部200aの右上において小さく変動表示を継続している。そして、発展画像の表示中もしくは発展画像の表示後に、演出図柄210a、210b、210cが最終的に停止表示され、演出図柄210a、210b、210cの停止表示態様によっても、大役抽選結果が遊技者に報知されることとなる。
図48は、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出の一例を説明する図である。擬似連続リーチ変動パターンの変動演出は、図48(a)に示すように、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が開始されると、図48(b)に示すように、演出図柄210a、210b、210cが、予め設けられた複数種類の特定態様のうちのいずれかで仮停止表示される。この特定態様は、例えば、同一の演出図柄210a、210bと、これら演出図柄210a、210bよりも、「2」大きな数字が記された演出図柄210cとが仮停止表示されるものである。
演出図柄210a、210b、210cが特定態様で仮停止表示されると、図48(c)に示すように、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が再開される。つまり、特定態様は、演出図柄210a、210b、210cの再変動表示を示すものと言える。その後、図48(d)に示すように、演出図柄210a、210b、210cが、再び特定態様で仮停止表示される。
そして、図48(e)に示すように、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が再開されると、図48(f)に示すように、演出図柄210a、210cがリーチ態様で表示され、以後、図48(g)〜(i)に示すように、発展リーチ変動パターンと同様にリーチ発展演出が実行され、大役抽選の結果が遊技者に報知される。
このように、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出は、演出図柄210a、210cがリーチ態様となるまでの内容が、発展リーチ変動パターンの変動演出と異なっており、リーチ態様となった後は、発展リーチ変動パターンと同様に変動演出が進行されることとなる。
なお、擬似連続リーチ変動パターンにおいて、リーチ態様となるまでの演出図柄210a、210b、210cの変動表示パターンは複数パターン設けられており、変動表示パターンごとに、演出図柄210a、210b、210cの仮停止表示の回数、換言すれば、演出図柄210a、210b、210cの変動表示回数が異なっている。この変動表示パターンは、変動モードコマンドによって決定され、演出図柄210a、210b、210cの仮停止表示(変動表示)の回数が多くなるほど、信頼度が高くなるように、主制御基板300における変動モードコマンドの選択比率が設定されている。
具体的には、大役抽選の結果が大当たりであった場合には、変動表示回数の多い変動モードコマンドの選択比率が、変動表示回数の少ない変動モードコマンドの選択比率よりも高く設定されており、大役抽選の結果がハズレであった場合には、変動表示回数の少ない変動モードコマンドの選択比率が、変動表示回数の多い変動モードコマンドの選択比率よりも高く設定されている。
また、主制御基板300においては、擬似連続リーチ変動パターンの信頼度が、発展リーチ変動パターンの信頼度よりも高くなるように設定されている。したがって、演出図柄210a、210b、210cの仮停止表示(変動表示)の回数によって信頼度が示唆されることとなり、遊技者は、演出図柄210a、210b、210cがより多く仮停止表示(変動表示)されることを期待しながら、演出の行方を見守ることとなる。
上記した変動演出の実行パターンは、主制御基板300で決定された変動モードコマンドおよび変動パターンコマンドに基づいて、副制御基板330において決定、実行制御される。つまり、変動演出の実行パターンは、主制御基板300と副制御基板330とで協働して決定されると言える。以下では、主に大役抽選の結果がハズレであった場合における変動演出の実行パターンの決定処理について詳述する。
図49は、主制御基板300で決定されるグループ種別の選択比率を説明する図である。既に説明したように、主制御基板300においては、始動条件が成立すると、メインRAM300cに記憶された保留情報(特1保留または特2保留)が順に読み出されて(図25のステップS610−7)、大役抽選が行われる(図25のステップS610−9)。この大役抽選の結果がハズレであった場合には、リーチグループ決定処理(図26のステップS612−7)により、グループ種別が決定され、決定されたグループ種別に対応するリーチモード決定乱数判定テーブルにより、変動モード番号が決定される(図26のステップS612−11)。また、リーチモード決定乱数判定テーブルによれば、変動モード番号とともに変動パターン乱数判定テーブルが決定され、このとき決定された変動パターン乱数判定テーブルを参照して変動パターン番号が決定される(図26のステップS612−15)。
つまり、グループ種別は、変動モード番号および変動パターン番号の選択範囲を規定するものとなり、選択可能な変動モード番号および変動パターン番号が、グループ種別ごとに設定されていると言える。
本実施形態では、遊技状態が低確率遊技状態および非時短遊技状態に設定されている場合において、特1保留について大役抽選が行われた場合に選択されるリーチグループ決定乱数判定テーブルとして、リーチグループ決定乱数判定テーブル1〜3の3つのテーブルが設けられている。そして、特1保留数が0の場合には、リーチグループ決定乱数判定テーブル1が選択され、特1保留数が1または2の場合には、リーチグループ決定乱数判定テーブル2が選択され、特1保留数が3の場合には、リーチグループ決定乱数判定テーブル3が選択される。
図49からも明らかなように、リーチグループ決定乱数が9000〜10006の範囲である場合には、リーチグループ決定乱数判定テーブル1〜3のいずれを参照しても、同一のグループ種別が決定される。つまり、リーチグループ決定乱数が9000〜10006の範囲である場合には、特1保留が読み出されたときに記憶されている残りの特1保留数に拘わらず、同一のグループ種別が決定される。
これに対して、リーチグループ決定乱数が0〜8999の範囲である場合、リーチグループ決定乱数判定テーブル1を参照するとグループAもしくはグループ1が決定され、リーチグループ決定乱数判定テーブル2を参照するとグループBが決定され、リーチグループ決定乱数判定テーブル3を参照するとグループCが決定される。つまり、リーチグループ決定乱数が0〜8999の範囲である場合には、特1保留が読み出されたときに記憶されている残りの特1保留数に応じて、異なるグループ種別が決定される。
このようにしてグループ種別が決定されると、決定されたグループ種別に対応するハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルを参照して変動モード番号が決定される。
図50は、ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルの一例を説明する図である。上記のグループ種別の決定処理によってグループAが決定された場合には、図50(a)に示すグループA用ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルを参照して変動モード番号が決定される。グループA用ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルによれば、リーチモード決定乱数が0〜149であれば、00Hの変動モード番号が決定され、リーチモード決定乱数が150〜250であれば、0AHの変動モード番号が決定される。
また、各ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルには、上記したとおり、リーチモード決定乱数に、変動モード番号とともに変動パターン乱数判定テーブルが対応付けられている。例えば、グループA用ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルによれば、00Hの変動モード番号が決定されるとともに、所定の変動パターン乱数判定テーブルが決定されるが、このとき決定された変動パターン乱数判定テーブルによれば、変動パターン乱数の乱数範囲に拘わらず、必ず、00Hの変動パターン番号が決定される。同様に、グループA用ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルによって、0AHの変動モード番号が決定された場合には、変動パターン乱数の乱数範囲に拘わらず、必ず、00Hの変動パターン番号が決定される変動パターン乱数判定テーブルが選択される。
つまり、図49および図50(a)に示すように、特1保留数が0であり、リーチグループ決定乱数が0〜8499の範囲内であった場合には、必ず、変動モード番号が00H、変動パターン番号が00Hの組み合わせ、もしくは、変動モード番号が0AH、変動パターン番号が00Hの組み合わせのいずれかになる。
なお、詳しくは後述するが、副制御基板330においては、変動モード番号(変動モードコマンド)に基づいて前半の変動演出の実行パターンが決定され、変動パターン番号(変動パターンコマンド)に基づいて後半の変動演出の実行パターンが決定される。ただし、本実施形態において、変動演出の前半および後半とは、変動演出の実行パターンに応じて次のように定義している。すなわち、1回の変動演出において、演出図柄210a、210cがリーチ態様になったところまでを変動演出の前半とし、演出図柄210a、210cがリーチ態様となってから当該変動演出が終了するまでを変動演出の後半とする。
したがって、図46に示すノーマルリーチ変動パターンにおいては、図46(a)〜(c)が変動演出の前半となり、図46(d)〜(e)が変動演出の後半となる。同様に、図47に示す発展リーチ変動パターンにおいては、図47(a)〜(c)が変動演出の前半となり、図47(d)〜(e)が変動演出の後半となる。また、図48に示す擬似連続リーチ変動パターンにおいては、図48(a)〜(g)が変動演出の前半となり、図48(h)〜(i)が変動演出の後半となる。
一方、リーチなし変動パターンの変動演出においては、演出図柄210a、210cがリーチ態様となることはなく、1回の変動演出の内容が、変動パターン番号(変動パターンコマンド)にのみ基づいて決定される。したがって、図45に示すリーチなし変動パターンにおいては、図45(a)〜(e)の全てが変動演出の後半となり、変動演出の前半は存在しないものとなる。
ここで、変動モード番号および変動パターン番号には、それぞれ特別図柄の変動表示の時間を示す前半変動時間および後半変動時間が規定されており、主制御基板300においては、決定された変動モード番号および変動パターン番号それぞれに規定された変動時間の合計である合計変動時間に亘って、特別図柄の変動表示がなされる。つまり、合計変動時間は、大役抽選で決定された特別図柄を停止表示させて大役抽選の結果を確定させるまでの時間となり、この間に変動演出が実行されることから、変動モード番号および変動パターン番号によって、変動演出の時間が決定されると言える。
そして、図50(a)に示すように、00Hの変動モード番号には、前半の変動演出が実行されないことを示す0秒が前半変動時間として規定されており、00Hの変動パターン番号には、後半変動時間として13秒が規定されている。また、0AHの変動モード番号には、前半変動時間として6秒が規定されている。したがって、グループAが決定された場合には、前半変動時間が0秒、後半変動時間が13秒であり、合計変動時間が13秒となる変動演出か、もしくは、前半変動時間が6秒、後半変動時間が13秒であり、合計変動時間が19秒となる変動演出が実行されることとなる。
なお、主制御基板300において00Hの変動パターン番号が決定された場合には、副制御基板330において、必ず、変動演出の実行パターンとして、リーチなし変動パターンが決定される。したがって、00Hの変動モード番号および00Hの変動パターン番号が決定された場合には、13秒のリーチなし変動パターンの変動演出が実行されることとなる。また、詳しくは後述するが、0AHの変動モード番号および00Hの変動パターン番号が決定された場合にも、13秒のリーチなし変動パターンの変動演出が実行される。ただし、この場合には、0AHの変動モード番号に、6秒の前半変動時間が規定されているため、リーチなし変動パターンの前に、所定の加算演出が挿入、実行されることとなる。この加算演出の詳細については後述する。
また、上記のグループ種別の決定処理によってグループBが決定された場合には、図50(b)に示すグループB用ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルを参照して変動モード番号が決定される。グループB用ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルによれば、必ず、00Hの変動モード番号が決定され、このとき、変動パターン番号は必ず01Hに決定される。つまり、図49および図50(b)に示すように、特1保留数が1、2であり、リーチグループ決定乱数が0〜8999の範囲内であった場合には、必ず、変動モード番号が00H、変動パターン番号が01Hの組み合わせになる。01Hの変動パターン番号には、6秒の後半変動時間が規定されており、この場合には、必ず、6秒のリーチなし変動パターンの変動演出が実行される。
また、上記のグループ種別の決定処理によってグループCが決定された場合には、図50(c)に示すグループC用ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルを参照して変動モード番号が決定される。グループC用ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルによれば、必ず、00Hの変動モード番号が決定され、このとき、変動パターン番号は必ず02Hに決定される。つまり、図49および図50(c)に示すように、特1保留数が3であり、リーチグループ決定乱数が0〜8999の範囲内であった場合には、必ず、変動モード番号が00H、変動パターン番号が02Hの組み合わせになる。02Hの変動パターン番号には、3秒の後半変動時間が規定されており、この場合には、必ず、3秒のリーチなし変動パターンの変動演出が実行される。
また、上記のグループ種別の決定処理によってグループ1が決定された場合には、図50(d)に示すグループ1用ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルを参照して変動モード番号が決定される。グループ1用ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルによれば、必ず、01Hの変動モード番号が決定され、このとき、変動パターン番号は必ず03Hに決定される。つまり、図49および図50(d)に示すように、リーチグループ決定乱数が9000〜9099の範囲内であった場合、もしくは、特1保留数が0であり、リーチグループ決定乱数が8500〜8999の範囲内であった場合には、必ず、変動モード番号が01H、変動パターン番号が03Hの組み合わせになる。01Hの変動モード番号には4秒の前半変動時間が規定され、03Hの変動パターン番号には、16秒の後半変動時間が規定されており、この場合には、必ず、20秒のノーマルリーチ変動パターンの変動演出が実行される。
また、上記のグループ種別の決定処理によってグループ2が決定された場合には、図50(e)に示すグループ2用ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルを参照して変動モード番号が決定される。グループ2用ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルによれば、リーチモード決定乱数の値に応じて、変動モード番号が01H、E1H、F1H、02H、E2H、F2Hのいずれかに決定される。なお、グループ種別としてグループ2が決定された場合には、必ず、変動パターン番号が10Hに決定される。10Hの変動パターン番号には、後半変動時間として26秒が規定されており、主制御基板300において10Hの変動パターン番号が決定された場合には、副制御基板330において、後半の変動演出の実行パターンがリーチ発展演出に決定される。
また、詳しくは後述するが、変動モード番号の01H、E1H、F1Hは互いに対応するものとして設けられており、変動モード番号の02H、E2H、F2Hは互いに対応するものとして設けられている。01Hの変動モード番号には4秒の前半変動時間が規定されており、E1Hの変動モード番号には、01Hの変動モード番号に規定された前半変動時間(4秒)に3秒を加算した7秒の前半変動時間が規定されており、F1Hの変動モード番号には、01Hの変動モード番号に規定された前半変動時間(4秒)に6秒を加算した10秒の前半変動時間が規定されている。同様に、02Hの変動モード番号には14秒の前半変動時間が規定されており、E2Hの変動モード番号には、02Hの変動モード番号に規定された前半変動時間(14秒)に3秒を加算した17秒の前半変動時間が規定されており、F2Hの変動モード番号には、02Hの変動モード番号に規定された前半変動時間(14秒)に6秒を加算した20秒の前半変動時間が規定されている。
このように、変動モード番号には、上記の01H、02Hのように、前半変動時間として所定の時間である基礎変動時間が規定された基礎変動モード番号と、いずれかの基礎変動モード番号に対応する変動モード番号であって、対応する基礎変動モード番号に規定された基礎変動時間に、予め設定された加算変動時間を加算した時間が前半変動時間として規定された加算変動モード番号とが含まれている。
01H、E1H、F1Hの変動モード番号と、10Hの変動パターン番号との組み合わせが決定された場合には、それぞれ30秒、33秒、36秒の発展リーチ変動パターンの変動演出が実行される。また、02H、E2H、F2Hの変動モード番号と、10Hの変動パターン番号との組み合わせが決定された場合には、それぞれ40秒、43秒、46秒の擬似連続リーチ変動パターンの変動演出が実行される。
図51は、グループ種別と変動演出の実行パターンとの関係を説明する図である。各リーチグループ決定乱数判定テーブルにおけるグループ種別の選択比率と、各ハズレ時リーチモード決定乱数判定テーブルにおける変動モード番号の選択比率とを上記のように設定すると、変動演出の実行パターンは図51に示すようになる。
ここで、図51に示すように、特1保留数が0の場合には、特1保留数が1以上の場合よりも、グループ1の選択比率が高く設定されている。上記のように、グループ種別としてグループ1が決定された場合には、必ず、変動モード番号として01Hが決定され、変動パターン番号として03Hが決定される。したがって、特1保留数が0の場合には、特1保留数が1以上の場合よりも、20秒のノーマルリーチ変動パターンの出現頻度が高くなる。このように、特1保留数が0の場合に、ノーマルリーチ変動パターンの出現頻度を高めるのは、特1保留が全て消化されてしまい、変動演出が実行されない変動待ち状態となってしまう期間を極力減らすためである。つまり、特1保留数が0の場合に、リーチなし変動パターンよりも長時間に設定されているリーチ変動パターンの出現頻度を高くすることで、変動演出中に新たな特1保留が記憶される機会がもたらされ、変動演出の途切れによって遊技者に倦怠感を与えないようにすることができる。
しかしながら、特1保留数が少なくなった場合に、リーチ変動パターンの出現頻度を単に高くしてしまうと、リーチ変動パターンの信頼度が全体として低下してしまい、リーチ変動パターンの変動演出によって遊技者に期待感を与えることができなくなり、遊技機100全体としての演出効果が低下してしまう。そこで、例えば、特1保留数が0になった場合に実行されるリーチなし変動パターンの時間を、リーチ変動パターンと同程度に長時間に設定することが考えられる。ところが、リーチなし変動パターンの変動演出は、遊技者に特段の期待感を与える内容ではないことから、単に長時間の構成となると、遊技者に倦怠感を与えてしまう。
本実施形態では、特1保留数が0の場合に、13秒のリーチなし変動パターンの変動演出が実行されるが、変動演出の途切れを防止すべく、13秒のリーチなし変動パターンの変動演出の前に6秒の加算演出が挿入される実行パターンが設けられている。具体的には、図51に示すように、特1保留数が0の場合には、約85/100の確率でグループA、すなわち、リーチなし変動パターンの変動演出が選択され、図50(a)に示すように、そのうち、約2/5の確率で、0AHの変動モード番号、すなわち、13秒のリーチなし変動パターンの前に6秒の加算演出が挿入される変動演出が選択される。つまり、00Hの変動モード番号と0AHの変動モード番号とは互いに対応する関係にあり、00Hの変動モード番号に規定された前半変動時間(0秒)に、加算時間として6秒を加算した時間(0秒+6秒=6秒)が前半変動時間として0AHの変動モード番号に規定されていることから、この加算時間に対応する加算演出が実行される。以下に、加算演出について、一例を用いて詳細に説明する。
図52は、特殊変動開始演出の一例を説明する図であり、図53は、ステージ変更演出の一例を説明する図である。本実施形態では、変動演出の途切れを防止するために、変動演出の開始時に挿入される加算演出として、特殊変動開始演出とステージ変更演出とが設けられている。通常、変動演出の開始時には、図52(a)に示すように、前回の大役抽選の結果がハズレであったことを示す組み合わせで演出図柄210a、210b、210cが演出表示部200aに停止表示されている。そして、次の変動演出の開始時には、前回の変動演出で最終的に停止表示された演出図柄210a、210b、210cから、各演出図柄210a、210b、210cが同時に変動表示(スクロール表示)を開始する。
これに対して、変動演出の開始時に、加算演出としての特殊変動開始演出が実行される場合には、図52(b)に示すように、演出図柄210b、210cが停止表示されたままの状態で、まず、演出図柄210aの変動表示(スクロール表示)のみが開始される。このとき、演出図柄210aの変動速度(スクロール速度)は、通常の変動演出の開始時の変動速度よりも遅い。なお、図52において、下向きの矢印は、通常の変動演出中の演出図柄210a、210b、210cの変動速度(図中、下向きの白抜き矢印で示す)よりも低速での演出図柄210a、210b、210cの変動表示を示している。
その後、図52(c)に示すように、演出図柄210aの変動速度が徐々に増して、通常の変動速度に達すると、今度は、演出図柄210bが停止表示されたままの状態で、演出図柄210cの変動表示が開始される。なお、この演出図柄210cの変動速度も、通常の変動演出の開始時の変動速度よりも遅い。そして、図52(d)に示すように、演出図柄210cの変動速度が徐々に増して、通常の変動速度に達すると、今度は、演出図柄210bの変動表示が開始される。この演出図柄210bの変動速度も、通常の変動演出の開始時の変動速度よりも遅い。その後、演出図柄210bの変動速度が徐々に増して、通常の変動速度に達すると、図52(e)に示すように、通常の変動演出の開始時と同様の演出態様となり、以後は、図45に示すリーチなし変動パターンと同様に変動演出が実行されることとなる。
ここでは、図52(b)〜(d)に示す、加算演出としての特殊変動開始演出が6秒であり、図52(e)以降のリーチなし変動パターンの変動演出が13秒となっている。なお、特殊変動開始演出をハズレ時にのみ行うこととすると、演出図柄210aが低速で変動表示を開始した時点で、大役抽選の結果がハズレであると識別されてしまうため、大当たり時の変動演出でも、一定の割合で特殊変動開始演出を行うのが望ましい。
また、変動演出の開始時に、加算演出としてのステージ変更演出が実行される場合には、図53(a)、(b)に示すように、特別図柄の変動表示の開始と同時に、演出表示部200aがブラックアウトして、「STAGE CHANGE」と表示される。その後、図53(c)に示すように、前回の変動演出中に演出表示部200aに表示されていた背景画像と異なる背景画像が表示されるとともに、新たに表示された背景画像に対応する演出ステージ名が表示される。そして、図53(d)に示すように、通常の変動演出の開始時と同様の演出態様となり、以後は、図45に示すリーチなし変動パターンと同様に変動演出が実行されることとなる。
なお、演出表示部200aに表示される背景画像の表示パターン、すなわち、演出ステージは複数設けられており、いずれの演出ステージに変更するかは、抽選で決めてもよいし、予め設定された順に変更してもよい。演出ステージには、それぞれ演出表示部200aに表示される背景画像に見合ったBGMが対応付けられており、変動演出中は、現在設定されている演出ステージに対応するBGMが出力されることとなる。このように、演出ステージを複数設けることで、演出に変化がもたらされて遊技者の倦怠感を低減することができる。
以上説明したように、本実施形態の遊技機100は、特1保留数が0の場合に実行されるリーチなし変動パターンの変動演出の開始時に、所定の頻度で、加算演出として特殊変動開始演出またはステージ変更演出が挿入される。このように、リーチなし変動パターンの変動演出の開始時に、特殊変動開始演出やステージ変更演出を挿入することで、何らの違和感を生じさせることなく、1回の変動演出の時間を長時間にすることが可能となり、高い演出効果を発揮しながら、変動演出の途切れを抑制することができる。
また、本実施形態においては、リーチ変動パターンの変動演出にも加算演出が挿入される場合がある。以下に、リーチ変動パターンの変動演出に加算演出が挿入される場合の一例を説明する。
図50(e)を用いて説明したように、グループ種別としてグループ2が決定された場合には、10Hの変動パターン番号が決定される。主制御基板300において10Hの変動パターン番号が決定された場合には、副制御基板330において、後半の変動演出の実行パターンとして、10Hの変動パターン番号に対応するリーチ発展演出が決定される。また、前半の変動演出の実行パターンは、主制御基板300において決定された変動モード番号に基づいて決定されるが、このとき決定される変動モード番号は、01H、E1H、F1H、02H、E2H、F2Hの6種類が設けられている。
01H、E1H、F1Hの変動モード番号が決定された場合には、演出図柄210a、210b、210cの変動表示態様として、演出図柄210a、210cがリーチ態様となるまでに、演出図柄210a、210b、210cが1回のみ変動表示される通常変動が決定される。この通常変動は、演出図柄210a、210b、210cの変動表示の開始から、演出図柄210a、210cがリーチ態様となるまでの時間が4秒で構成されている。したがって、変動モード番号が01H、E1H、F1Hに決定され、変動パターン番号が10Hに決定された場合の変動演出の実行パターンは、発展リーチ変動パターンとなる。
一方、02H、E2H、F2Hの変動モード番号が決定された場合には、演出図柄210a、210b、210cの変動表示態様として、演出図柄210a、210cがリーチ態様となるまでに、演出図柄210a、210b、210cの特定態様での仮停止表示が1回行われる擬似1変動が決定される。この擬似1変動は、演出図柄210a、210b、210cの変動表示の開始から、演出図柄210a、210cがリーチ態様となるまでの時間が14秒で構成されている。したがって、変動モード番号が02H、E2H、F2Hに決定され、変動パターン番号が10Hに決定された場合の変動演出の実行パターンは、擬似連続リーチ変動パターンとなる。
ただし、上記のとおり、E1H、F1Hの変動モード番号に規定された前半変動時間は、01Hの変動モード番号に規定された前半変動時間(4秒)に、それぞれ3秒、6秒の加算時間が加算された7秒、10秒となっている。同様に、E2H、F2Hの変動モード番号に規定された前半変動時間は、02Hの変動モード番号に規定された前半変動時間(14秒)に、それぞれ3秒、6秒の加算時間が加算された17秒、20秒となっている。
このように、対応関係にある基礎変動モード番号に規定された基礎変動時間(前半変動時間)に、加算時間が加算された加算変動時間(前半変動時間)が規定された加算変動モード番号が決定されると、加算時間に対応する加算演出が挿入される。ここでは、01Hの基礎変動モード番号が決定された場合と、01Hと対応関係にあるE1Hの加算変動モード番号が決定された場合とを比較して説明する。
図54は、加算演出が挿入されない場合の発展リーチ変動パターンの変動演出の一例を説明する図である。変動モード番号として基礎変動モード番号である01Hが決定され、変動パターン番号が10Hに決定された場合には、前半の変動演出が通常変動となり、後半の変動演出がリーチ発展演出となる。この場合、演出図柄210a、210b、210cの変動表示の開始後、図54(a)に示すように、演出図柄210a、210cがリーチ態様となり、演出表示部200aに「リーチ」と重畳表示されるまでの前半の変動演出が4秒で構成されている。その後、図54(c)に示すように、演出図柄210a、210cの表示態様が変化するとともに、図54(d)に示すように、演出表示部200aに発展画像が表示されるリーチ発展演出が実行される。なお、演出図柄210a、210cの表示態様が変化してから変動演出が終了するまでの後半の変動演出は26秒で構成されている。
図55は、加算演出が挿入される場合の発展リーチ変動パターンの変動演出の一例を説明する図であり、図56は、加算演出が挿入される場合の発展リーチ変動パターンの変動演出の他の一例を説明する図である。変動モード番号として加算変動モード番号であるE1Hが決定され、変動パターン番号が10Hに決定された場合には、基礎変動モード番号である01Hが決定され、変動パターン番号が10Hに決定された場合の変動演出に対して、加算演出としての特殊図柄演出もしくは上記と同様のステージ変更演出が挿入される。
加算演出としての特殊図柄演出は、後半の変動演出の開始直前に挿入される。具体的には、図55(a)、(b)に示すように、演出図柄210a、210cがリーチ態様となるが、その後、図55(c)に示すように、演出図柄210a、210cが表示態様を変化させて、拡大や縮小を複数回繰り返す。ここでは、加算演出としての特殊図柄演出が3秒で構成されているので、演出図柄210a、210cの拡大、縮小が3秒間繰り返された後、図55(d)、(e)に示すように、後半の変動演出が行われる。
このように、加算演出が挿入される発展リーチ変動パターンの変動演出と、加算演出が挿入されない発展リーチ変動パターンの変動演出とは、加算演出以外の部分は完全に同一の内容となっている。詳しい説明は省略するが、上記の特殊図柄演出が挿入された場合には、当該変動演出の信頼度が例えば数%程度上昇するように、変動モード番号の選択比率が設定されている。つまり、リーチ変動パターンが対応付けられた変動パターン番号が決定される場合において、大役抽選の結果が大当たりであった場合の方が、大役抽選の結果がハズレであった場合よりも、加算変動モード番号の選択確率が高く設定されている。したがって、特殊図柄演出が実行されることで、以後、どのような内容のリーチ発展演出が実行されるのかについて、遊技者に一層の期待感が付与されることとなる。
遊技機100の設計、開発段階においては、変動演出の実行パターンそれぞれについて、信頼度を考慮したうえで出現比率を設定する必要があることから、変動演出の実行パターンを多数設けるとなると、それに比例して設計作業が煩雑になる。本実施形態のように、加算演出によって信頼度を可変とすれば、設計作業を簡素化しながらも、演出を多様化して演出効果の向上を図ることができる。
また、発展リーチ変動パターンの変動演出に、加算演出としてのステージ変更演出が挿入される場合もある。この場合には、図56(a)に示すように、前半の変動演出の開始時に、3秒用のステージ変更演出が挿入され、以後、図56(b)〜(e)に示すように、加算演出が挿入されない場合と同様に、前半および後半の変動演出が実行されることとなる。
なお、ここでは、加算時間が3秒である場合について説明したが、加算時間が6秒である場合も、加算演出に要する時間は異なるものの、加算演出自体は大凡等しい内容となっている。また、ここでは、発展リーチ変動パターンの変動演出に加算演出が挿入される場合について説明したが、擬似連続リーチ変動パターンの変動演出にも、上記のステージ変更演出または特殊図柄演出が挿入されることとなる。以下に、上記の変動演出および加算演出の実行パターンの決定処理について説明する。
図57は、変動演出決定テーブルの一例を説明する図である。副制御基板330のサブROM330bには、変動演出決定テーブルとして、図57(a)に示す前半変動演出決定テーブルと、図57(b)に示す後半変動演出決定テーブルとが設けられている。副制御基板330では、変動モードコマンドを受信すると、図57(a)に示す前半変動演出決定テーブルを参照して前半の変動演出の実行パターンが決定され、変動パターンコマンドを受信すると、図57(b)に示す後半変動演出決定テーブルを参照して後半の変動演出の実行パターンが決定される。なお、前半変動演出決定テーブルには、受信しうる全ての変動モード番号に対して、前半の変動演出の実行パターンの選択比率が設定されているが、ここでは、一部の変動モード番号のみを抽出して示す。また、後半変動演出決定テーブルには、受信しうる全ての変動パターン番号に対して、後半の変動演出の実行パターンの選択比率が設定されているが、ここでは、一部の変動パターン番号のみを抽出して示す。
図57(a)に示すように、副制御基板330のサブROM330bには、受信し得る変動モードコマンド(変動モード番号)のそれぞれに、前半の変動演出の実行パターンが対応付けられた前半変動演出決定テーブルが記憶されている。副制御基板330では、変動モードコマンドを受信すると、0〜249の範囲から1の演出乱数を取得するとともに、前半変動演出決定テーブルをセットする。そして、取得した演出乱数および変動モードコマンド(変動モード番号)に基づいて、前半の変動演出の実行パターンが決定される。
なお、図57(a)において、変動モード番号と前半の変動演出の実行パターンとが対応付けられた各選択領域に記された数字は、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲、すなわち、当該選択領域の選択比率を示している。例えば、変動モード番号=00Hに対応する変動モードコマンドを受信した場合には、前半の変動演出の実行パターンとして、必ず、「なし」が決定され、変動モード番号=01Hに対応する変動モードコマンドを受信した場合には、前半の変動演出の実行パターンとして、必ず、「4秒通常変動」の変動演出が決定され、変動モード番号=02Hに対応する変動モードコマンドを受信した場合には、前半の変動演出の実行パターンとして、必ず、「14秒擬似1変動」の変動演出が決定されることとなる。
ここで、前半の変動演出の態様のうち「なし」は、前半の変動演出を実行しないことを示しており、この「なし」が決定された場合には、後述する変動パターンコマンドに基づいて決定される後半の変動演出が実行されることとなる。また、図57(a)において、前半の変動演出の実行パターンにおける「4秒通常変動」や「14秒擬似1変動」は、それぞれ、リーチ変動パターンの変動演出のうち、演出図柄210a、210b、210cがリーチ態様になるまでの態様、すなわち、演出表示部200aに表示される変動演出画像の画像表示パターン、および、演出図柄210a、210b、210cの変動表示態様を示している。
したがって、演出表示部200aにおいて、リーチなし変動パターンの変動演出が実行される場合には、必ず、変動モード番号=00H、0AHに対応する変動モードコマンドを受信していることとなる。換言すれば、変動モード番号=00H、0AHに対応する変動モードコマンドを受信すると、必ず、演出表示部200aにおいて、リーチなし変動パターンの変動演出が実行されることとなる。これに対して、演出表示部200aにおいて、リーチ変動パターンの変動演出が実行される場合には、必ず、変動モード番号=00H、0AH以外の変動モード番号に対応する変動モードコマンドを受信していることとなる。換言すれば、変動モード番号=00H、0AHに対応する変動モードコマンド以外の変動モードコマンドを受信すると、必ず、演出表示部200aにおいて、リーチ変動パターンの変動演出が実行されることとなる。
また、図57(b)に示すように、副制御基板330のサブROM330bには、受信し得る変動パターンコマンド(変動パターン番号)のそれぞれに、後半の変動演出の実行パターンが対応付けられた後半変動演出決定テーブルが記憶されている。副制御基板330では、変動パターンコマンドを受信すると、0〜249の範囲から1の演出乱数を取得するとともに、後半変動演出決定テーブルをセットする。そして、取得した演出乱数および変動パターンコマンド(変動パターン番号)に基づいて、後半の変動演出の実行パターンが決定される。
なお、図57(b)において、変動パターン番号と後半の変動演出の実行パターンとが対応付けられた各選択領域に記された数字は、図57(a)と同様に、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲、すなわち、当該選択領域の選択比率を示している。例えば、変動パターン番号=00Hに対応する変動パターンコマンドを受信した場合には、後半の変動演出の態様として、必ず、「ハズレ13秒」の変動演出が実行され、変動パターン番号=01Hに対応する変動パターンコマンドを受信した場合には、後半の変動演出の態様として、必ず、「ハズレ6秒」の変動演出が実行され、変動パターン番号=02Hに対応する変動パターンコマンドを受信した場合には、後半の変動演出の態様として、必ず、「ハズレ3秒」の変動演出が実行されることとなる。
なお、「ハズレ13秒」、「ハズレ6秒」、「ハズレ3秒」の変動演出の実行パターンは、演出図柄210a、210b、210cが、変動表示を開始してから、リーチ態様になることなく、それぞれ13秒、6秒、3秒で、ハズレを報知する態様で停止表示するものである。したがって、主制御基板300において、「00H」、「01H」、「02H」の変動パターン番号が決定される場合には、前半の変動演出の実行パターンとして「なし」が決定されるように、必ず、「00H」もしくは「0AH」の変動モード番号(変動モードコマンド)が決定されるように設計されている。
また、主制御基板300において、例えば、変動パターン番号=03Hが決定された場合には、後半の変動演出の実行パターンとして、「ノーマル」が決定される。「ノーマル」は、図46(d)、(e)に示すように、演出表示部200aにおいて、演出図柄210a、210cがリーチ態様となった後、最終的に停止表示されるまでの変動演出の実行パターンを示しており、その構成時間は、変動パターン番号=03Hに対応付けられた変動表示の時間と一致している。
また、主制御基板300において、例えば、変動パターン番号=04Hが決定された場合には、後半の変動演出の実行パターンとして、「SP1」が決定される。「SP1」は、図47(d)、(e)や、図48(h)、(i)に示すように、演出表示部200aにおいて、演出図柄210a、210cがリーチ態様となった後の演出図柄210a、210b、210cの変動表示態様や、リーチ発展演出の内容を示しており、その構成時間は、変動パターン番号=04Hに対応付けられた変動表示の時間と一致している。
以上のように、副制御基板330においては、主制御基板300で決定された変動モード番号および変動パターン番号に基づいて、前半および後半の変動演出の実行パターンが決定される。このとき、各変動モード番号および変動パターン番号に規定された前半変動時間および後半変動時間に一致する時間で構成された実行パターンが決定されるように、各テーブルに置数が割り振られている。ただし、図57(a)に示すように、0AH、E1H、F1H、E2H、F2Hの変動モード番号、すなわち、前半変動時間に加算時間が含まれている加算変動モード番号については、前半変動時間から加算時間を除いた時間に一致する実行パターンが選択される。
例えば、00Hの変動モード番号には、前半変動時間として0秒が規定されていることから、前半変動演出決定テーブルによれば、必ず、前半の変動演出の不実行(0秒)を示す「なし」が決定される。これに対して、0AHの加算変動モード番号には、前半変動時間として、対応関係にある00Hの基礎変動モード番号に規定された0秒に、6秒の加算時間が加算された6秒が規定されている。しかしながら、前半変動演出決定テーブルによれば、0AHの加算変動モード番号について、必ず、前半の変動演出の不実行(0秒)を示す「なし」が決定されるように選択比率が設定されている。
同様に、01Hの基礎変動モード番号には、前半変動時間として4秒が規定されていることから、前半変動演出決定テーブルによれば、必ず、4秒の前半の変動演出を示す「4秒通常」が決定される。これに対して、E1H、F1Hの加算変動モード番号には、前半変動時間として、対応関係にある01Hの基礎変動モード番号に規定された4秒に、3秒もしくは6秒の加算時間が加算された7秒、10秒がそれぞれ規定されている。しかしながら、前半変動演出決定テーブルによれば、E1H、F1Hの加算変動モード番号について、必ず、4秒の前半の変動演出を示す「4秒通常」が決定されるように選択比率が設定されている。このように、加算時間が含まれる前半変動時間が規定された加算変動モード番号については、対応関係にある基礎変動モード番号と同じ実行パターンが決定されるように、選択比率の設定がなされている。
本実施形態においては、上記の前半変動演出決定テーブルおよび後半変動演出決定テーブルにより、前半および後半の変動演出の実行パターンがそれぞれ決定されると、次に、加算演出の実行パターンが決定される。上記のように、前半変動時間に加算時間が含まれる加算変動モード番号が決定された場合には、加算時間に対応する加算演出の実行パターンが決定される。これにより、前半の変動演出、後半の変動演出および加算演出の合計時間が、変動モード番号に規定された前半変動時間、および、変動パターン番号に規定された後半変動時間の合計である合計変動時間と一致するように設定されている。
図58は、加算演出決定テーブルの一例を説明する図である。副制御基板330のサブROM330bには、加算演出決定テーブルが記憶されている。副制御基板330では、変動モードコマンドを受信すると、図58に示す加算演出決定テーブルを参照して加算演出の実行パターンが決定される。なお、加算演出決定テーブルには、受信しうる全ての変動モード番号に対して、加算演出の実行パターンの選択比率が設定されているが、ここでは、一部の変動モード番号のみを抽出して示す。
図58に示すように、加算演出決定テーブルによれば、加算演出の不実行を示す「なし」、「6秒のステージ変更演出」、「6秒の特殊変動開始演出」、「3秒のステージ変更演出」、「3秒の特殊図柄演出」等、予め設けられた全ての加算演出の実行パターンそれぞれについての選択比率が、全ての変動モード番号に設定されている。この加算演出決定テーブルによれば、例えば、00H、01H、02H等、前半変動時間に加算時間が含まれていない変動モード番号については、必ず、加算演出の不実行を示す「なし」が決定されるように置数が割り振られている。
これに対して、例えば、6秒の加算時間が規定されている0AHの加算変動モード番号については、「6秒のステージ変更演出」、「6秒の特殊変動開始演出」がそれぞれ所定の割合で選択されるように置数が割り振られている。このように、加算演出決定テーブルによれば、変動モード番号に規定された前半変動時間のうち、加算時間に対応する時間で構成された加算演出の実行パターンのみが選択されることとなる。こうして前半および後半の変動演出の実行パターン、および、加算演出の実行パターンが決定されると、決定された実行パターンで変動演出および加算演出が実行されることとなる。
なお、ここまでは、1回の変動演出で内容が完結する実行パターンについて説明したが、本実施形態では、メインRAM300cに記憶されたいずれかの保留情報を対象保留とし、この対象保留よりも先に読み出される1または複数の保留情報を対象前保留とし、対象前保留の変動演出から対象保留の変動演出までの複数回の変動演出が、それぞれ互いに連続性もしくは関連性を有する演出で実行される連続演出が行われる場合がある。以下に、連続演出について一例を用いて説明する。
図59は、連続演出の一例を説明する図である。例えば、メインRAM300cに4つの特1保留が記憶されており、このうち、先に記憶された3つの特1保留を対象前保留とし、最後に記憶された1つの特1保留を対象保留とする連続演出の実行が決定されたとする。この場合には、連続する4回の変動演出が次のようにして行われる。すなわち、1つ目の対象前保留の変動演出では、図59(a)に示すように、演出図柄210a、210b、210cの変動表示の開始後、図59(b)に示すように、「ゾーン」と記された演出図柄210a、210b、210cが停止表示されるとともに、演出表示部200aに「ゾーン突入」と表示され、これによって1つ目の対象前保留の変動演出が終了となる。この「ゾーン」と記された演出図柄210a、210b、210cは、通常の変動演出中に変動表示される図柄構成群210A、210B、210Cに含まれておらず、連続演出中にのみ表示される連続演出専用の図柄となっている。
そして、2つ目の対象前保留の変動演出の開始に伴い、図59(c)に示すように、演出表示部200aに、水中をイメージさせる背景画像が表示されるとともに、この背景画像に重畳して、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が開始される。その後、図59(d)に示すように、演出図柄210a、210b、210cが、擬似連続リーチ変動パターンにおける仮停止表示態様と同じ表示態様で停止表示され、2つ目の対象前保留の変動演出が終了する。
さらに、3つ目の対象前保留の変動演出の開始に伴い、図59(e)に示すように、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が開始され、その後、図59(f)に示すように、演出図柄210a、210b、210cが、再び、擬似連続リーチ変動パターンにおける仮停止表示態様と同じ表示態様で停止表示され、3つ目の対象前保留の変動演出が終了する。
そして、対象保留の変動演出の開始に伴い、図59(g)に示すように、演出図柄210a、210b、210cの変動表示が開始され、その後、図59(h)〜(j)に示すように、演出図柄210a、210cがリーチ態様で表示され、以後、通常のリーチ変動パターンと同様に、リーチ発展演出が実行される。このように、連続演出は、1または複数の対象前保留および1の対象保留それぞれの変動演出が、互いに連続性もしくは関連性を有する演出で実行される演出である。
この連続演出は、予め設定された実行条件が成立した場合に行われる。連続演出の実行条件としては、例えば、対象保留の変動演出が発展リーチ変動パターンもしくは擬似連続リーチ変動パターンとなることや、対象前保留の変動演出が、いずれもリーチなし変動パターンとなること等が予め設定されており、こうした実行条件が全て成立すると、抽選によりその実行可否が決定されることとなる。ただし、対象保留が、大当たりに当選する保留である場合の方が、ハズレとなる保留である場合よりも、連続演出が高確率で実行されるように設定されている。したがって、連続演出が実行されることにより、以後に読み出される保留によって大当たりに当選するのではないかという高い期待感が、長時間に亘ってもたらされることとなり、演出効果の向上、ならびに、遊技の興趣向上が図られる。
図60は、連続演出実行パターン決定テーブルを説明する図である。上記のように、連続演出の実行が決定されると、連続演出を構成する変動演出の実行パターンが、図60に示す連続演出実行パターン決定テーブルを参照して決定される。ここでは、1つ目の対象前保留の変動演出の実行パターンを決定する際に参照される連続演出実行パターン決定テーブル1と、2つ目および3つ目の対象前保留の変動演出の実行パターンを決定する際に参照される連続演出実行パターン決定テーブル2と、対象保留の変動演出の実行パターンを決定する際に参照される連続演出実行パターン決定テーブル3とが設けられている。なお、図60においては、一部の変動パターン番号および変動モード番号のみを抽出して示す。
1つ目の対象前保留に決定された保留について、変動演出の実行パターンを決定する場合には、上記の後半変動演出決定テーブルに代えて、図60(a)に示す連続演出実行パターン決定テーブル1を参照して後半の変動演出の実行パターンが決定される。この連続演出実行パターン決定テーブル1によれば、変動パターン番号ごとに、連続演出専用の実行パターンの選択比率が設定されている。なお、リーチなし変動パターンに対応する変動モード番号および変動パターン番号が決定された保留のみ、連続演出の対象前保留に決定され得る。また、対象前保留に決定される保留がある場合には、必ず、対象前保留の後に読み出される対象保留が記憶されている。したがって、対象前保留が主制御基板300で読み出されて大役抽選が行われる場合には、必ず、6秒もしくは3秒のリーチなし変動パターンに対応する変動モード番号および変動パターン番号が決定されることとなる。この連続演出実行パターン決定テーブル1によれば、図59(a)、(b)に示す、連続演出の開始を報知する、3秒もしくは6秒用の「ゾーン突入演出」が決定されるように、変動パターン番号ごとに選択比率が設定されている。
また、2つ目および3つ目の対象前保留に決定された保留について、変動演出の実行パターンを決定する場合には、上記の後半変動演出決定テーブルに代えて、図60(b)に示す連続演出実行パターン決定テーブル2を参照して後半の変動演出の実行パターンが決定される。この連続演出実行パターン決定テーブル2によれば、図59(c)、(d)もしくは図59(e)、(f)に示す、連続演出中専用の、3秒もしくは6秒用の「ゾーン中演出」が決定されるように、変動パターン番号ごとに選択比率が設定されている。
そして、対象保留に決定された保留について、変動演出の実行パターンを決定する場合には、上記の前半変動演出決定テーブルに代えて、図60(c)に示す連続演出実行パターン決定テーブル3を参照して前半の変動演出の実行パターンが決定される。この連続演出実行パターン決定テーブル3によれば、変動モード番号ごとに、連続演出専用の実行パターンの選択比率が設定されている。この連続演出実行パターン決定テーブル3によれば、図59(g)〜(i)に示す、「ゾーン中演出」が決定されるように、変動モード番号ごとに選択比率が設定されている。
以上のように、連続演出の実行が決定された保留については、連続演出実行パターン決定テーブルを参照して変動演出の実行パターンを決定することで、図59に示す連続演出が実行可能となる。ただし、上記したように、連続演出を実行するための実行条件は多数設定されており、その全てが成立しなければ、連続演出を実行することができない。そのため、連続演出の実行頻度の調整は難しく、場合によっては、殆ど連続演出が実行されなくなってしまうおそれもある。また、対象前保留として選択可能な変動時間を多数設けた場合には、その分だけ、連続演出の実行パターンを増やす必要があり、設計作業が煩雑となる。そこで、本実施形態では、上記の加算演出を用いて、連続演出と同様の演出を実行することで、演出効果の向上を図ることとしている。
図61は、連続演出の実行パターンの加算演出への流用について説明する図である。上記のように、3つの対象前保留と1つの対象保留によって連続演出を実行する場合には、図61(a)に示すように、1つ目の対象前保留についての変動演出で、3秒の「ゾーン突入演出」が実行される。その後、2つ目および3つ目の対象前保留についての変動演出で、「ゾーン中演出」が実行され、最後に対象保留についての変動演出の前半で、「ゾーン中演出」が実行されるとともに、変動演出の後半で、「リーチ発展演出」が実行される。
これに対して、例えば、発展リーチ変動パターンの変動演出が実行される際の変動モード番号が、加算時間が含まれる前半変動時間が規定されている加算変動モード番号であった場合には、図61(b)に示すように、加算演出として、1つ目の対象前保留の変動演出として実行される「ゾーン突入演出」を挿入する。そして、加算演出の挿入後には、対象保留に決定されている場合と同じ実行パターンで変動演出を実行する。これにより、1回の変動演出で、恰も連続演出が実行されているかのような印象を遊技者に与えることができ、演出の幅が広がって遊技の興趣を向上することができる。しかも、加算時間(3秒)は、保留が4つ記憶された状態で決定されるリーチなし変動パターンの変動時間と等しいことから、別個に演出を構成する必要がなく、演出の使い回しが可能となり、設計作業を簡素化することもできる。
以下に、上記の演出に関わる副制御基板330における処理について説明する。
(副制御基板330のサブCPU初期化処理)
図62は、副制御基板330のサブCPU初期化処理(ステップS1000)を説明するフローチャートである。
(ステップS1000−1)
サブCPU330aは、電源投入に応じて、サブROM330bからCPU初期化処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM330cに記憶されるフラグ等の初期化、設定処理を行う。
(ステップS1000−3)
次に、サブCPU330aは、各演出乱数を更新する処理を行うとともに、以後は、割込み処理が行われるまで当該ステップS1000−3の処理を繰り返し行う。なお、演出乱数は複数種類設けられており、ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
(副制御基板330のサブタイマ割込み処理)
図63は、副制御基板330のサブタイマ割込み処理(ステップS1100)を説明するフローチャートである。副制御基板330には、所定の周期でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(不図示)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU330aはタイマ割込み処理プログラムを読み込んで当該サブタイマ割込み処理を開始する。
(ステップS1100−1)
サブCPU330aは、レジスタを退避する。
(ステップS1100−3)
サブCPU330aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS1100−5)
サブCPU330aは、副制御基板330で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該副制御基板330のサブタイマ割込み処理の度に1ずつ減算され、0になると減算を停止する。
(ステップS1200)
サブCPU330aは、サブRAM330cの受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を行う。副制御基板330においては、主制御基板300からコマンドが送信されると、コマンド受信割込み処理が行われ、主制御基板300から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。ここでは、コマンド受信割込み処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析することとなる。
(ステップS1300)
サブCPU330aは、変動演出の経過時間を計時するとともに、変動演出ごとにセットされるタイムテーブルを参照して、当該タイムテーブルに記憶された該当時間に対応する処理を実行するタイムスケジュール管理処理を行う。
(ステップS1100−7)
サブCPU330aは、レジスタを復帰して当該サブタイマ割込み処理を終了する。
図64は、副制御基板330における上記コマンド解析処理のうち、先読み指定コマンド(不定値コマンド、先読み指定変動モードコマンドおよび先読み指定変動パターンコマンド)を受信した際に実行される先読み指定コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、不定値コマンドは、主制御基板300において、図22のステップS536−15でセットされ、先読み指定変動モードコマンドは、主制御基板300において、図22のステップS536−21でセットされ、先読み指定変動パターンコマンドは、主制御基板300において、図22のステップS536−25でセットされた後、ステップS100−39のサブコマンド送信処理(図14参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1210−1)
先読み指定コマンドを受信すると、サブCPU330aは、まず、受信した先読み指定コマンドを解析し、変動モード番号および変動パターン番号にかかる事前判定情報をサブRAM330cの保留記憶領域に記憶する。
なお、サブRAM330cには、第1保留記憶領域と第2保留記憶領域とが設けられており、これら第1保留記憶領域および第2保留記憶領域は、それぞれ第1〜4記憶部の4つの記憶部を有している。第1保留記憶領域の第1〜4記憶部は、それぞれ主制御基板300における第1特図保留記憶領域の第1〜4記憶部に対応しており、第2保留記憶領域の第1〜4記憶部は、それぞれ主制御基板300における第2特図保留記憶領域の第1〜4記憶部に対応している。ここでは、主制御基板300において新たに記憶された特1保留または特2保留を対象保留とし、副制御基板330に設けられた記憶部のうち、主制御基板300において対象保留が記憶された記憶部に対応する記憶部に、事前判定情報が記憶されることとなる。
(ステップS1210−3)
サブCPU330aは、上記ステップS1210−1で記憶された対象保留の事前判定情報が、発展リーチ変動パターンもしくは擬似連続リーチ変動パターンであるか、つまり、対象保留について、発展リーチ変動パターンもしくは擬似連続リーチ変動パターンの変動パターン番号を示す先読み指定変動パターンコマンドを受信したかを判定する。その結果、対象保留の事前判定情報が発展リーチ変動パターンもしくは擬似連続リーチ変動パターンであると判定した場合にはステップS1210−5に処理を移し、対象保留の事前判定情報は発展リーチ変動パターンおよび擬似連続リーチ変動パターンのいずれでもないと判定した場合には当該先読み指定コマンド受信処理を終了する。
(ステップS1210−5)
サブCPU330aは、対象保留の前に読み出される保留である対象前保留の事前判定情報を確認する。例えば、第1保留記憶領域の第3記憶部に対象保留の事前判定情報が記憶された場合には、第1保留記憶領域の第1、2記憶部に記憶されている事前判定情報を確認する。
(ステップS1210−7)
サブCPU330aは、対象前保留の事前判定情報が、連続演出を実行可能な事前判定情報であるかを判定する。具体的には、対象前保留の変動演出が、リーチなし変動パターンの変動演出となる場合であって、しかも、当該対象前保留について連続演出の実行が決定されていない場合に、連続演出の実行を可能であると判定する。その結果、対象前保留は連続演出を実行可能であると判定した場合にはステップS1210−9に処理を移し、対象前保留は連続演出を実行不可能であると判定した場合には当該先読み指定コマンド受信処理を終了する。
(ステップS1210−9)
サブCPU330aは、連続演出を実行するか、および、連続演出を実行する場合には、いずれの対象前保留から連続演出を実行するかを抽選により決定する。
(ステップS1210−11)
サブCPU330aは、上記ステップS1210−9において、連続演出の実行が決定されたかを判定する。その結果、連続演出の実行が決定されたと判定した場合にはステップS1210−13に処理を移し、連続演出の実行は決定されなかったと判定した場合には当該先読み指定コマンド受信処理を終了する。
(ステップS1210−13)
サブCPU330aは、連続演出の実行を示す連続演出実行情報をサブRAM330cにセットし、当該先読み指定コマンド受信処理を終了する。なお、この連続演出実行情報は、連続演出をいずれの保留(対象前保留および対象保留)についての変動演出で実行するかを識別可能な情報である。
図65は、副制御基板330における上記コマンド解析処理のうち、変動コマンド(変動モードコマンドおよび変動パターンコマンド)を受信した際に実行される変動コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、変動モードコマンドは、主制御基板300において、図26のステップS612−13でセットされ、変動パターンコマンドは、主制御基板300において、図26のステップS612−17でセットされた後、ステップS100−39のサブコマンド送信処理(図14参照)によって副制御基板330に送信される。
(ステップS1220−1)
変動モードコマンドを受信すると、サブCPU330aは、まず、第1保留記憶領域の第1〜4記憶部に記憶されている事前判定情報、または、第2保留記憶領域の第1〜4記憶部に記憶されている事前判定情報を、1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。具体的には、受信した変動コマンドが特1保留にかかる変動コマンドである場合には、第1保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている事前判定情報を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。また、受信した変動コマンドが特2保留にかかる変動コマンドである場合には、第2保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている事前判定情報を、第1記憶部〜第3記憶部に転送する。
(ステップS1220−3)
サブCPU330aは、連続演出実行情報を確認し、主制御基板300において読み出された保留が、連続演出の実行が決定されている対象前保留であるかを判定する。その結果、主制御基板300において読み出された保留が対象前保留であると判定した場合にはステップS1220−5に処理を移し、主制御基板300において読み出された保留は対象前保留ではないと判定した場合にはステップS1220−7に処理を移す。
(ステップS1220−5)
サブCPU330aは、これから実行する変動演出が、連続演出の対象前保留であることを示す対象前保留情報をサブRAM330cにセットする。
(ステップS1220−7)
サブCPU330aは、連続演出実行情報を確認し、主制御基板300において読み出された保留が、連続演出の実行が決定されている対象保留であるかを判定する。その結果、対象保留であると判定した場合にはステップS1220−9に処理を移し、対象保留ではないと判定した場合にはステップS1220−11に処理を移す。
(ステップS1220−9)
サブCPU330aは、これから実行する変動演出が、連続演出の対象保留であることを示す対象保留情報をサブRAM330cにセットする。
(ステップS1220−11)
サブCPU330aは、受信した変動パターンコマンドを解析して、記憶する。
(ステップS1220−13)
サブCPU330aは、上記ステップS1000−3で更新された演出乱数(0〜249)を取得し、当該取得した演出乱数および上記ステップS1220−11における解析結果に基づいて、後半の変動演出の実行パターンを決定、記憶する。なお、上記ステップS1220−5において対象前保留情報がセットされている場合には、図60(a)、(b)の連続演出実行パターン決定テーブル1、2を参照して変動演出の実行パターンが決定され、対象前保留情報がセットされていない場合には、図57(b)の後半変動演出決定テーブルを参照して変動演出の実行パターンが決定される。
(ステップS1220−15)
サブCPU330aは、受信した変動モードコマンドを解析して、記憶する。
(ステップS1220−17)
サブCPU330aは、上記ステップS1000−3で更新された演出乱数(0〜249)を取得し、当該取得した演出乱数および上記ステップS1220−15における解析結果に基づいて、前半の変動演出の実行パターンを決定、記憶する。なお、上記ステップS1220−9において対象保留情報がセットされている場合には、図60(c)の連続演出実行パターン決定テーブル3を参照して変動演出の実行パターンが決定され、対象前保留情報がセットされていない場合には、図57(a)の前半変動演出決定テーブルを参照して変動演出の実行パターンが決定される。
(ステップS1220−19)
サブCPU330aは、上記ステップS1220−17で決定した変動演出の実行パターンが、発展リーチ変動パターンもしくは擬似連続リーチ変動パターンであるかを判定する。その結果、発展リーチ変動パターンもしくは擬似連続リーチ変動パターンであると判定した場合にはステップS1220−23に処理を移し、発展リーチ変動パターンおよび擬似連続リーチ変動パターンのいずれでもないと判定した場合にはステップS1220−21に処理を移す。
(ステップS1220−21)
サブCPU330aは、上記ステップS1000−3で更新された演出乱数(0〜249)を取得し、当該取得した演出乱数および上記ステップS1220−15における解析結果に基づいて、図58の加算演出決定テーブルを参照して加算演出の実行パターンを決定、記憶する。
(ステップS1220−23)
サブCPU330aは、加算演出として、図59(a)、(b)に示すゾーン突入演出を実行可能であるかを判定する。具体的には、当該変動演出が、連続演出の対象前保留または対象保留についての変動演出ではなく、しかも、加算演出としてゾーン突入演出を実行可能な加算時間(3秒または6秒)が含まれた加算変動モードコマンドを受信したかを判定する。その結果、ゾーン突入演出を実行可能であると判定した場合にはステップS1220−25に処理を移し、ゾーン突入演出は実行可能ではないと判定した場合にはステップS1220−21に処理を移す。
(ステップS1220−25)
サブCPU330aは、ゾーン突入演出の実行可否を決定するゾーン突入演出実行抽選処理を行う。
(ステップS1220−27)
サブCPU330aは、上記ステップS1220−25において、ゾーン突入演出の実行が決定されたかを判定する。その結果、ゾーン突入演出の実行が決定されたと判定した場合にはステップS1220−29に処理を移し、ゾーン突入演出の実行は決定されなかったと判定した場合にはステップS1220−21に処理を移す。
(ステップS1220−29)
サブCPU330aは、加算演出の実行パターンとして、3秒もしくは6秒用のゾーン突入演出を決定、記憶するとともに、前半の変動演出の実行パターンを、ゾーン中演出の実行パターンに上書きして記憶する。
(ステップS1220−31)
サブCPU330aは、上記各ステップの決定に基づいてタイムテーブルをセットして、当該変動コマンド受信処理を終了する。なお、ここでセットされたタイムテーブルに基づいて、変動演出画像が演出表示部200aに表示され、また、変動演出画像に対応する音声出力や、演出照明装置204の点灯がなされることとなる。
図66は、副制御基板330による上記タイムスケジュール管理処理(ステップS1300)を説明するフローチャートである。
(ステップS1300−1)
サブCPU330aは、まず、変動時間計時タイマのカウンタ値を加算し、変動演出の実行時間を更新する。
(ステップS1300−3)
サブCPU330aは、変動演出の実行中においてセットされるタイムテーブルを参照し、現在の変動演出の実行時間に応じて、各種のフラグをON/OFFしたり、各種のコマンドをセットしたりして、当該タイムスケジュール管理処理を終了する。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
なお、上記の遊技性、すなわち、遊技の進行条件や各種制御方法、さらには、変動演出や加算演出の内容は一例に過ぎず、例えば、大役遊技の実行可否を決定する大役抽選を開始するための始動条件や、大役遊技の種別、数、内容は、本発明の目的を実現可能な範囲で適宜設計可能である。また、上記実施形態では、遊技者に付与する遊技利益として、大役遊技の実行可否と、大役遊技が実行された場合における当該大役遊技の終了後の遊技状態とを決定することとしたが、遊技者に付与する遊技利益はこれに限らず、適宜設定すればよい。
また、上記実施形態では、変動モード番号および変動パターン番号からなる2つの変動情報を決定することにより、大役抽選の結果を確定させるまでの時間である変動時間を決定することとした。しかしながら、変動情報は、例えば変動パターン番号のみといった具合に1つの情報によって構成されていてもよいし、3以上の情報で構成されていてもよい。いずれにしても、大役抽選の結果を確定させるまでの時間である変動時間が規定された変動情報が決定されれば、変動情報を構成する情報数は限定されるものではない。したがって、上記実施形態では、前半および後半の変動演出の実行パターンをそれぞれ別個に決定することとしたが、前半および後半といった具合に区分けすることなく、1の実行パターンを決定してもよい。
また、上記実施形態では、基礎変動モード番号および加算変動モード番号をそれぞれ複数設けることとした。しかしながら、変動時間として所定の時間である基礎変動時間が規定された1または複数の基礎変動情報と、いずれかの基礎変動情報に対応する変動情報であって、対応する基礎変動情報に規定された基礎変動時間に、予め設定された加算変動時間を加算した時間が変動時間として規定された1または複数の加算変動情報とが含まれていれば、変動情報の種類や数は特に限定されるものではない。
また、上記実施形態では、変動演出の途切れを抑制するために設けられた0AHの加算変動モード番号(加算変動情報)について、メインRAM300cに記憶された保留情報の数が、上限数(4個)よりも少ない所定数(1個)未満である場合にのみ選択されることとした。しかしながら、変動演出の途切れを抑制するための加算変動モード番号(加算変動情報)について、保留情報の数が所定数以上である場合にも選択されるように構成してもよい。この場合には、保留情報の数が所定数未満である場合の方が所定数以上である場合よりも、選択確率が高く設定されていればよい。
また、上記実施形態では、変動演出の途切れを抑制するために実行される加算演出が、変動演出実行パターン(変動演出)の前に挿入される場合について説明した。しかしながら、変動演出の途切れを抑制する加算演出は、変動演出実行パターン(変動演出)の前後もしくは変動演出実行パターンの途中に挿入してもよいことは言うまでもない。
また、上記実施形態では、ノーマルリーチ変動パターンおよびリーチ変動パターンの双方に加算演出が挿入され得る場合について説明したが、ノーマルリーチ変動パターンおよびリーチ変動パターンの一方のみに加算演出が挿入されることとしてもよい。リーチ変動パターンにのみ加算演出が挿入され得る場合には、保留情報数が少ない場合の方が、保留情報数が多い場合よりも、加算演出の挿入頻度が高く設定されていればよい。
なお、上記実施形態において、図21のステップS535−13の処理を実行するメインCPU300aが、本発明の保留記憶手段に相当する。
また、上記実施形態において、図25のステップS610−9およびステップS610−11の処理を実行するメインCPU300aが、本発明の遊技利益決定手段に相当する。
また、上記実施形態において、図26の処理を実行するメインCPU300aが、本発明の変動情報決定手段に相当する。
また、上記実施形態において、図16のステップS400−9の処理を実行するメインCPU300aが、本発明の計時手段に相当する。
また、上記実施形態において、図65の処理を実行するサブCPU330aが、本発明の変動演出決定手段に相当する。
また、上記実施形態において、図66の処理を実行するサブCPU330aが、本発明の変動演出実行手段に相当する。