JP6113594B2 - 超音波診断装置及び画像処理装置 - Google Patents

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本発明の実施形態は、超音波診断装置及び画像処理装置に関する。
超音波診断装置は生体内情報の画像を表示する診断装置であり、X線診断装置やX線コンピュータ断層撮影装置などの他の画像診断装置に比べ、安価で被曝がなく、非侵襲性に実時間で観測するための有用な装置として利用されている。超音波診断装置の適用範囲は広く、心臓などの循環器から肝臓、腎臓などの腹部、抹消血管、産婦人科、乳癌の診断などに適用されている。
ところで、近年では、産科診断(胎児検診)等において胎児の3次元超音波画像を撮像及び観察することが可能な超音波診断装置が知られている。また、このように撮像された時系列の3次元超音波画像を動画像(4D超音波画像)として表示する超音波診断装置も開発されている。
ここで、例えば妊娠中期の産科診断においては、当該診断の目的以外に、超音波診断装置において撮像された胎児の動画像を、当該超音波診断装置の外部の例えばDVDレコーダ等の外部機器に転送することによって記録媒体(例えば、DVD等)に記録し、当該記録媒体を妊婦に配布することが行われている。これにより、胎児の動画像を民生用動画再生機器で再生することができ、妊婦及びその家族は、胎児の成長を家庭で視聴して楽しむことができる。
ところで、産科診断において撮像された動画像の中には診断のために必要であるが、例えば胎児の顔等が含まれていないような妊婦が胎児の成長を視聴するのには必要でない区間(動画像区間)が存在する。
このため、胎児の動画像を記録媒体に記録する作業においては、超音波診断装置内に一時保存された動画像のうち医師または検査技師等が必要な区間を選択指定して外部機器に転送する必要がある。
このような作業は医学的診断とは関係がないにもかかわらず手間が掛かるため、当該作業を容易に行うことできるような仕組みが望まれている。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、動画像の所望の区間の記録作業を容易に行うことが可能な超音波診断装置及び画像処理装置を提供することにある。
実施形態に係る超音波診断装置は、超音波プローブと、走査制御手段と、画像生成手段と、選択手段と、転送手段とを具備する。
前記走査制御手段は、前記超音波プローブを介して被検体を超音波で繰り返し走査する。
前記画像生成手段は、前記超音波プローブからの出力に基づいて前記被検体に関する時系列の超音波画像データを生成する。
前記選択手段は、前記時系列の超音波画像データから予め定められた条件を満たす超音波画像データを選択する。
前記転送手段は、前記選択された超音波画像データから構成される動画像データを外部機器に転送する。
実施形態に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図。 動画像データを外部機器に転送する際の超音波診断装置の処理手順を示すフローチャート。 顔領域が検出される3次元超音波画像データの一例を示す図。 携帯端末への動画像データの転送について説明するための図。
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る超音波診断装置は、被検体を妊婦とする産科向け胎児4D超音波画像診断が可能な超音波診断装置であり、超音波プローブ11、走査制御部12、送受信部13、Bモード処理部14、ボリュームデータ生成部15、画像生成部16、表示制御部17、記憶部18、入力部19、転送部20及びシステム制御部21を含む。
超音波プローブ11は、送受信部13からの駆動パルスを受け、ビーム状の超音波を被検体に向けて送波する。被検体に向けて送波された超音波は、体内組織の音響インピーダンスの不連続面で次々と反射される。反射された球面波状の超音波は、超音波プローブ11に受波される。受波された超音波は、超音波プローブ11によりエコー信号(電気信号)に変換される。エコー信号の振幅は、超音波が反射された不連続面を挟んで隣り合う体内組織の音響インピーダンスの差に依存する。
走査制御部12は、送受信部13を制御して、被検体の胎内(の胎児の少なくとも一部を含む領域)を超音波ビームで繰り返し3次元走査(スキャン)する。
送受信部13は、走査制御部12による制御に従って超音波プローブ11に駆動パルスを繰り返し印加し、超音波ビームを繰り返し送波させる。具体的には、送受信部13は、図示しないレートパルス発生回路、送信遅延回路、及び駆動パルス発生回路等を有している。レートパルス発生回路は、所定のレート周波数frHz(周期;1/fr秒)で、レートパルスをチャンネル毎に繰り返し発生する。遅延回路は、チャンネル毎に超音波をビーム状に集束させ、かつ、送信指向性を決定するのに必要な遅延時間を各レートパルスに与える。駆動パルス発生回路は、各遅延されたレートパルスに基づくタイミングで、駆動パルスを発生し、超音波プローブ11に印加する。駆動パルスの印加を受けた超音波プローブ11は、駆動パルスに応じた送波方向に超音波ビームを送波する。
また、送受信部13は、走査制御部12による制御に従って超音波プローブ11からエコー信号を繰り返し受信し、超音波ビーム毎のエコー信号を生成する。具体的には、送受信部13は、図示しないアンプ回路、A/D変換器、受信遅延回路、及び加算器等を有している。アンプ回路は、超音波プローブ11からのエコー信号を受信し、受信されたエコー信号をチャンネル毎に増幅する。A/D変換器は、増幅されたエコー信号をチャンネル毎にアナログ信号からデジタル信号に変換する。受信遅延回路は、デジタル信号に変換されたエコー信号に対し、チャンネル毎にビーム状に集束させ、かつ、受信指向性を決定するのに必要な遅延時間を与える。加算器は、遅延時間が与えられた各エコー信号を加算する。この加算処理により、所定の超音波ビームに対応するエコー信号が生成される。このように生成されたエコー信号は、Bモード処理部14に供給される。
Bモード処理部14は、送受信部13からのエコー信号を包絡線検波し、包絡線検波されたエコー信号を対数圧縮することで、エコー信号の強度を輝度で表現するBモード信号のデータを生成する。このように生成されたBモード信号のデータは、ボリュームデータ生成部15に供給される。
ボリュームデータ生成部15は、Bモード処理部14からのBモード信号に基づいて、被検体(の胎内の胎児)に関するボリュームデータ(以下、以下、Bモードボリュームデータと表記)を生成する。具体的には、ボリュームデータ生成部15は、Bモード信号をその空間的な位置情報に従ってメモリ上に3次元的に配置し、データ欠落部分のBモード信号のデータを保管する。この配置処理と補間処理とによって、複数のボクセルから構成されるBモードボリュームデータが生成される。各ボクセルは、上記したBモード信号の強度に応じたボクセル値を有する。走査制御部12により3次元走査が繰り返されることにより、ボリュームデータ生成部15は、一定期間内の各時相についてBモードボリュームデータを生成する。このように生成された時系列のBモードボリュームデータは、例えば記憶部18に記憶される。
画像生成部16は、超音波プローブ11からの出力(エコー信号)に基づいて被検体(の胎内の胎児)に関する時系列の超音波画像データを生成する。具体的には、画像生成部16は、ボリュームデータ生成部15によって生成されたBモードボリュームデータを3次元画像処理することによって超音波画像データ(3次元超音波画像データ)を生成する。この3次元画像処理としては、例えばサーフェスレンダリング等が採用される。サーフェスレンダリングは、閾値処理により胎児の表面を抽出し、当該抽出された表面にポリゴンと呼ばれる小多角形の集まりで表面を再構成して投影表示する手法である。このように生成された時系列の超音波画像データは、記憶部18に供給される。
また、画像生成部16は、生成された時系列の超音波画像データから予め定められた条件を満たす超音波画像データを選択する。なお、予め定められた条件には、例えば胎児の顔領域を含むこと等が含まれる。このように選択された超音波画像データは、転送部20に供給される。
表示制御部17は、画像生成部16によって生成された時系列の超音波画像データを表示部に動画表示する。なお、表示部は、例えばCRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等の表示デバイスである。このように時系列の超音波画像データが動画表示されることによって、医師等の超音波診断装置のユーザ(操作者)は、産科診断を行うことができる。
記憶部18は、ボリュームデータ生成部15によって生成された時系列のBモードボリュームデータ及び画像生成部16によって生成された時系列の超音波画像データ等を記憶する。
入力部19は、ユーザからの入力デバイスを介して入力された各種指令や情報入力を受け付ける。なお、入力デバイスとしては、例えばキーボード、マウス、各種ボタン、タッチパネル等が適宜利用可能である。
転送部20は、画像生成部16によって選択された超音波画像データから構成される動画像データを外部機器に転送する。
システム制御部21は、超音波診断装置の中枢として機能する。システム制御部21は、例えば記憶部18等から制御プログラムを読み出してメモリに展開し、展開された制御プログラムに従って各部を制御する。
上記したように本実施形態に係る超音波診断装置においては、産科診断のために時系列の超音波画像データが動画表示されるとともに、当該時系列の超音波画像データのうち予め定められた条件を満たす超音波画像データから構成される動画像データを外部機器に転送することができる。
ここで、図2のフローチャートを参照して、動画像データを外部機器に転送する際の超音波診断装置の処理手順について具体的に説明する。
まず、画像生成部16は、超音波プローブ11からの出力に基づいて胎児に関する時系列の超音波画像データを生成する(ステップS1)。ここで画像生成部16によって生成された超音波画像データは、3次元走査によって得られるBモードボリュームデータに対して3次元画像処理が施された3次元超音波画像データであるものとする。
なお、画像生成部16によって生成された時系列の3次元超音波画像データは、表示制御部17を介して動画表示される。
このように時系列の3次元超音波画像データが産科診断のために動画表示される一方で、画像生成部16は、当該時系列の3次元超音波画像データに対して顔領域自動検出処理を実行する(ステップS2)。この顔領域自動検出処理では、例えば3次元超音波画像データを形成するボクセルの座標値を解析し、境界領域を特定することによって、当該3次元超音波画像データにおける輪郭が抽出される。顔領域自動検出処理によれば、このように抽出された輪郭を例えば予め用意されているパターンと比較することによって、胎児の顔領域を検出することができる。なお、ここで説明した顔領域自動検出処理は一例であり、他の手法によって胎児の顔領域が検出されても構わない。
次に、画像生成部16は、上記した時系列の3次元超音波画像データのうち顔領域自動検出処理によって顔領域が検出された3次元超音波画像データを選択する(ステップS3)。なお、図3は、顔領域が検出される3次元超音波画像データの一例を示す。
ステップS3の処理が実行されると、転送部20は、画像生成部16によって選択された3次元超音波画像データから構成される動画像データを順次、外部機器に転送する(ステップS4)。すなわち、本実施形態においては、妊婦が胎児の成長を視聴するのに必要な区間(つまり、顔領域が表示される動画像の区間)のみを自動的に外部機器に転送することができる。なお、超音波診断装置と外部機器とは、例えば各種ケーブルで接続されていてもよいし、無線で接続されていてもよい。
このように外部機器に転送された動画像データは、当該外部機器において記録媒体に記録され、妊婦に配布される。これにより、妊婦は、例えば記録媒体に記録された動画像データを動画再生機器で再生することができ、例えば家庭内等で胎児の成長を視聴することができる。
なお、本実施形態において動画像データが転送される外部機器は、妊婦等が所有する動画再生機能を備える例えばスマートフォン及びタブレット端末等の携帯端末であってもよい。この場合には、記録媒体の配布及び据え置き型の動画再生機器による再生が必要ないため、当該動画再生機器がないような環境であっても胎児の動画像(データ)を視聴することが可能となる。
また、上記したように外部機器が携帯端末である場合には、動画像データは、例えばNFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信により転送されることが好ましい。この場合、超音波診断装置及び携帯端末には、それぞれNFCポートが備えられているものとする。また、NFCにおける他の回線との干渉を受けにくい回線特性を利用し、NFC機器(携帯端末)を認識すると同時の回線接続を自動認証して、動画像転送を可能とする機能(動画転送回線認証機能)が搭載されているものとする。このような構成とすれば、図4に示すように携帯端末100を超音波診断装置200に近づける(例えば、所定の位置に置いておく)のみで、他の医療機器等に影響を与えることなく、高速に動画像データの転送を行うことが可能となる。なお、NFCとしては、例えば高速度で短時間での動画転送が可能なTransfer Jetが用いられるものとする。
上記したように本実施形態においては、超音波プローブ11を介して被検体(の胎内の胎児の少なくとも一部を含む領域)を超音波で繰り返し走査し、当該超音波プローブ11からの出力に基づいて当該被検体(の胎内の胎児)に関する時系列の超音波画像データを生成し、当該時系列の超音波画像データから予め定められた条件を満たす超音波画像データ(例えば、胎児の顔領域が検出された超音波画像データ)を選択し、当該選択された超音波画像データから構成される動画像データを外部機器に転送する構成により、動画像の所望の区間(つまり、胎児の顔領域が検出されている区間)の記録作業を自動的に行うことができる。
すなわち、本実施形態によれば、例えば産科診断において胎児の動画像データを妊婦に配布する場合において、ユーザ(医師または検査技師等)が手動で選択的に動画像データを編集して記録場体に記録する等の作業が不要となるため、当該ユーザの作業負担を軽減することが可能となる。
また、本実施形態においては、外部機器をスマートフォン等の携帯端末とし、NFCを含む近距離無線通信により動画像データが当該携帯端末に転送されることにより、据え置き型の動画再生機器を用いることなく、当該携帯端末での胎児の動画像を視聴再生することが可能となる。
なお、本実施形態においては顔領域が検出された超音波画像データを自動的に選択して外部機器に転送するものとして説明したが、この超音波画像データを選択及び転送する条件はユーザの操作に応じて適宜設定(変更)することが可能であるものとする。
具体的には、超音波診断装置が所定の動作モードの場合にのみ転送するようにしてもよいし、顔領域以外の領域が検出された区間を転送してもよい。更には、妊婦(のID情報)毎に異なる条件が設定されても構わない。このような構成によれば、例えば産科医院の検診環境や検診手順及び妊婦の特有条件に応じた胎児の動画像の転送が可能となり、より適切な動画像データの提供が可能となる。
また、本実施形態においては診断のための時系列の3次元超音波画像データの動画表示と同時に動画像データの転送処理が行われるものとして説明したが、当該診断の後に記憶部18に記憶された時系列の超音波画像データに対して上記した図2に示すステップS2以降の処理が実行されることによって、動画像データが外部機器に転送されるような構成であっても構わない。
また、本実施形態は、例えばワークステーション等の画像処理装置に適用されても構わない。この場合、例えば画像処理装置内部に記憶された時系列の超音波画像データに対して上記した図2に示すステップS2以降の処理が当該画像処理装置において実行されればよい。
また、本実施形態においては胎児の動画像データについて所望の区間を自動的に選択及び転送するものとして主に説明したが、本実施形態は、適宜条件を設定することによって他の動画像データに適用することも可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
11…超音波プローブ、12…走査制御部、13…送受信部、14…Bモード処理部、15…ボリュームデータ生成部、16…画像生成部、17…表示制御部、18…記憶部、19…入力部、20…転送部、21…システム制御部、100…携帯端末、200…超音波診断装置。

Claims (5)

  1. 超音波を送受波する超音波プローブと、
    超音波プローブを介して被検体を超音波で繰り返し走査する走査制御手段と、
    前記超音波プローブからの出力に基づいて前記被検体に関する時系列の超音波画像データを生成する画像生成手段と、
    前記時系列の超音波画像データから予め定められた条件を満たす超音波画像データを選択する選択手段と、
    前記選択された超音波画像データから構成される動画像データを外部機器に転送する転送手段と
    を具備することを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記走査制御手段は、超音波プローブを介して前記被検体の胎内を超音波で繰り返し走査し、
    前記画像生成手段は、前記超音波プローブからの出力に基づいて前記被検体の胎内の胎児に関する時系列の超音波画像データを生成し、
    前記選択手段は、
    前記時系列の超音波画像データから前記胎児の顔領域を検出する検出手段を含み、
    前記時系列の超音波画像データのうち前記胎児の顔領域が検出された超音波画像データを選択する
    ことを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  3. ユーザの操作に応じて前記条件を変更する変更手段を更に具備することを特徴とする請求項2記載の超音波診断装置。
  4. 前記転送手段は、前記選択された超音波画像データから構成される動画像データをNFCを含む近距離無線通信により前記外部機器に転送することを特徴とする請求項2記載の超音波診断装置。
  5. 被検体に関する時系列の超音波画像データを記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された時系列の超音波画像データから予め定められた条件を満たす超音波画像データを選択する選択手段と、
    前記選択された超音波画像データから構成される動画像データを外部機器に転送する転送手段と
    を具備することを特徴とする画像処理装置。
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