JP6113590B2 - 二重容器用部材の製造方法および製造装置 - Google Patents

二重容器用部材の製造方法および製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6113590B2
JP6113590B2 JP2013140554A JP2013140554A JP6113590B2 JP 6113590 B2 JP6113590 B2 JP 6113590B2 JP 2013140554 A JP2013140554 A JP 2013140554A JP 2013140554 A JP2013140554 A JP 2013140554A JP 6113590 B2 JP6113590 B2 JP 6113590B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inner cylinder
cylinder
press
outer cylinder
receiving member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013140554A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015012951A (ja
Inventor
正幸 長井
正幸 長井
Original Assignee
株式会社長井技研
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社長井技研 filed Critical 株式会社長井技研
Priority to JP2013140554A priority Critical patent/JP6113590B2/ja
Publication of JP2015012951A publication Critical patent/JP2015012951A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6113590B2 publication Critical patent/JP6113590B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Thermally Insulated Containers For Foods (AREA)

Description

この発明は、例えば魔法瓶を作製する際に用いられる真空二重容器の構成部材となる二重容器用部材の製造方法および製造装置に関する。
魔法瓶等の保温性、保冷性、断熱性に優れた容器として、ステンレス鋼製等の金属製真空二重容器が周知である。
例えば下記特許文献1に示すように、魔法瓶用の二重容器を製造するに際しては、両端が開放された外筒と、底側が閉塞された内筒とを準備しておいて、外筒の底側開口から内筒を挿入する。そしてその挿入状態(仮組状態)においてさらに、内筒を外筒に対し口先側に押し込むことにより、内筒の口先部を、外筒の口先部内に圧入して固定して二重容器用部材を作製する。さらにその二重容器用部材における外筒の底側開口に底壁(底板)を接合して閉塞した後、両筒間のエアーを吸引排気して真空状態として真空二重容器を作製するようにしている。
特許第3007212号
ところで、近年においては、魔法瓶の軽量化、材料コストの削減を目的として、魔法瓶を構成する二重容器の内筒や外筒の薄肉化が進められている。例えば内筒の胴部が、口先部に比べて極薄に形成された魔法瓶用の二重容器が開発されている。
その一方、二重容器を製造するに際して、内筒を外筒に押し込んで圧入する場合、圧入に必要な荷重は製品毎にバラツキがあるが、相応の高い荷重で、内筒を外筒に押し込む必要がある。
このような状況下にあって、既述したように肉厚が極薄の内筒は、強度も低いため、その内筒を外筒に押し込んだ際に、内筒が不本意にも座屈変形してしまい、製品不良が発生するおそれがあった。
この発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、内筒をその変形を防止しつつ、確実に外筒に押し込んで圧入することができる二重容器用部材の製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を備えるものである。
[1]一端側が開口され、かつ他端側が閉塞された金属製の内筒を、両端側が開口された金属製の外筒に収容した状態で、前記内筒を前記外筒に対し一端側に押し込むことにより、前記内筒の一端側開口縁部を、前記外筒の一端側開口縁部に圧入するようにした二重容器用部材の製造方法であって、
前記内筒を押し込む際に、前記内筒の内部にその一端側開口から流動体を導入することによって、前記内筒の内圧を上昇させるようにしたことを特徴とする二重容器用部材の製造方法。
[2]前記流動体として、エアーが用いられる前項1に記載の二重容器用部材の製造方法。
[3]前記内筒を押し込む際の内筒の内圧を0.3Mpa〜0.6Mpaに設定するようにした前項1または2に記載の二重容器用部材の製造方法。
[4]前記内筒の押込開始直前に、または押込開始とほぼ同時に、前記流動体の前記内筒への導入を開始するようにした前項1〜3のいずれか1項に記載の二重容器用部材の製造方法。
[5]一端側が開口され、かつ他端側が閉塞された金属製の内筒の一端側を保持する内筒受け部材と、両端側が開口された金属製の外筒の一端側を保持する外筒受け部材とを備え、前記内筒受け部材および前記外筒受け部材によって前記内筒を前記外筒に収容した状態で保持しておいて、圧入ブロックにより、前記内筒を前記外筒に対し一端側に押し込むことにより、前記内筒の一端側開口縁部を、前記外筒の一端側開口縁部に圧入するようにした二重容器用部材の製造装置であって、
前記内筒受け部材に保持された前記内筒にその一端側開口から内部に流動体を導入して前記内筒の内圧を上昇させるための流動体導入手段を備えたことを特徴とする二重容器用部材の製造装置。
[6]前記外筒および前記内筒は、各一端側を下向きにした下向き状態で前記外筒受け部材および前記内筒受け部材にそれぞれ保持されるとともに、
下向き状態の前記内筒が前記圧入ブロックによって下方に押し込まれるようになっている前項5に記載の二重容器用部材の製造装置。
発明[1]の二重容器用部材の製造方法によれば、内筒を外筒に押し込む際に、流動体の導入によって内筒の内圧を上昇させているため、内筒は圧入時の荷重に対しても形状を保持することができる。このため、内筒が変形するのを防止しつつ、内筒を外筒に確実に圧入することができる。
発明[2]の二重容器用部材の製造方法によれば、流動体としてエアーを用いるものであるから、エアー以外の気体、水等の液体、砂等の固体を使用する場合と比較して、取り扱い性を向上できるとともに、コストも削減することができる。
発明[3]の二重容器用部材の製造方法によれば、上記の効果をより確実に得ることができる。
発明[4]の二重容器用部材の製造方法によれば、流動体の圧力によって内筒が位置ずれするのを確実に防止でき、製造不良が発生するのを確実に防止することができる。
発明[5]の二重容器用部材の製造装置によれば、上記と同様に同様の効果を得ることができる。
発明[6]の二重容器用部材の製造装置によれば、外筒受け部材、内筒受け部材、密閉手段、流動体導入手段等の複雑な機構を下側に固定状態に設置することができるため、構造の簡素化を図ることができるとともに、コストを削減することができる。
図1はこの発明の実施形態である製造方法が適用された二重容器用部材の製造装置を示す正面断面図である。 図2は実施形態の二重容器用部材の製造装置において内筒を圧入した直後の状態で示す正面断面図である。 図3は実施形態の二重容器用部材の製造装置において内筒の圧入部周辺を圧入直前の状態で示す正面断面図である。 図4は実施形態の二重容器用部材の製造装置において内筒の圧入部周辺を圧入直後の状態で示す正面断面図である。 図5は実施形態の製造方法によって製造された二重容器用部材を示す断面図である。 図6は実施形態の二重容器用部材を分解して示す斜視図である。
図1〜図4はこの発明の実施形態である二重容器用部材の製造方法を実行可能な製造装置を示す正面断面図、図5,6はその製造装置を用いて組み付けられた二重容器用部材を示す図である。
これらの図に示すように、本実施形態によって製造される二重容器用部材5は、例えば携帯できる水筒型の魔法瓶として用いられる真空二重容器を構成する部材である。
本実施形態において、この二重容器用部材5は、円筒形状を有するステンレス鋼等の金属製の外筒6と、外筒6よりも一回り小さい円筒形状を有するステンレス鋼等の金属製の内筒7とを備えている。
外筒6は、一端側が、一端側開口としての注ぎ口61によって開放されるとともに、他端側が、他端側開口としての底側開口65によって開放されている。ここで、外筒6の一端側は、通常状態では上端側に配置されるものであり、他端側は下端側に配置されるものである。
なお外筒6の底側開口65は、後工程で閉塞板(底板)によって閉塞されることとなる。
また本実施形態において、外筒6における注ぎ口61の周縁部(一端側開口縁部)が口先部62として構成されるとともに、注ぎ口61から肩部63にかけての部分が口元部60として構成されている。
内筒7は、一端側が、一端側開口としての注ぎ口71によって開放されるとともに、他端側が、閉塞板を構成する底板75によって閉塞されている。ここで内筒7の一端側は、通常状態では上端側に配置されるものであり、他端側は下端側に配置されるものである。
内筒7における注ぎ口71の周縁部(上端開口縁部)は、口先部72として構成されている。この口先部72の外径は、外筒6の口先部62の内径に対し同等もしくは僅かに大きくなるように形成されている。
内筒7における上側には、径方向の寸法が小さいネック部73が形成されている。この内筒7におけるネック部73から注ぎ口71にかけての部分は、口元部70として構成されており、この口元部70には、内径方向に突出する2本の突条部74,74が周方向に連続して形成されている。
この構成の内筒7が、後に詳述するように外筒6の底側開口65から外筒6内に挿入された後さらに、内筒7が外筒6に対し軸心方向に沿って口先側(一端側)に押し込まれる。これにより図5に示すように、内筒7の口先部72が外筒6の口先部62内に強制的に圧入されて、両口先部62,72同士が互いに圧接して二重容器用部材5が作製される。またこうして圧入された状態では、外筒6の口先側端縁と、内筒7の口先側端縁との位置が、軸心方向において一致している。
なおこの二重容器用部材5は、外筒6の底側開口に閉塞板(底板)が接合されて底側が閉塞されて二重容器が作製される。さらにその二重容器にけおける外筒6および内筒7間の空間部のエアーが吸引排気されて真空状態に調整されることによって、魔法瓶用の真空二重容器が作製されるものである。
次に、上記二重容器用部材5を製造するための製造装置を構成する内筒圧入装置について説明する。
図1〜4に示すように、この内筒圧入装置は、基板1と、台座11と、支持台12と、外筒ガイド25と、内筒受け部材3と、圧入ブロック4とを基本的な構成要素として備えている。
基板1は、上下方向に貫通する貫通孔1aが形成されている。
基板1上には、台座11が配置されている。この台座11は、上下に貫通する貫通孔11aを有しており、この貫通孔11aの軸心が基板1の貫通孔1aの軸心と一致するように配置されている。
台座11上には支持台12が配置されている。この支持台12は、円筒形状を有しており、その軸心が台座11の貫通孔11aの軸心に一致するように配置されている。従って、支持台12の内側(筒孔内)が、貫通孔1a,11aを介して基板1の下方側に連通している。
支持台12の内部には、円柱形状の内筒受け部材3が配置されている。この内筒受け部材3は、その軸心が支持台12の軸心と一致するように配置されるとともに、支持台12に対し上下方向(軸心方向)に沿って昇降移動できるようになっている。
内筒受け部材3には、軸心に沿って貫通するエアー導入孔31が形成されている。このエアー導入孔31の下端には、エアー導入管35の一端が連通接続されている。エアー導入管35は、貫通孔1a,11aを介して基板1の下方に引き出されている。エアー導入管35の他端には、接続管36を介してコンプレッサー等の圧縮エアー供給源(図示省略)が連通接続されており、この圧縮エアー供給源から供給される圧縮エアーが、接続管36およびエアー導入管35を介して内筒受け部材3のエアー導入孔31内に供給されるようになっている。
ここで、本実施形態においては、エアー導入孔31、エアー導入管35、接続管36および圧縮エアー供給源(図示省略)によって、流動体供給手段としてのエアー供給手段が構成されている。
また内筒受け部材3の下端と台座11との間には圧縮コイルバネ30が配置されており、この圧縮コイルバネ30の付勢力によって内筒受け部材3は上方に付勢されている。
内筒受け部材3の上部は、二重容器用部材5を構成する内筒6の注ぎ口61に挿入可能に構成されている。さらに内筒受け部材3の上端部外周には周方向に連続して凹段部32が形成されており、この凹段部32内に、シール部材を構成する合成ゴム製のOリング33が設置されている。
そして内筒受け部材3の上部を、上下を逆向きにした内筒7の口元部70に挿入した際には、内筒受け部材3の外周面に内筒7の突条部74,74が接触し、内筒受け部材3に対する内筒7の位置決めが図られる。さらにOリング33が内筒7のネック部73に圧接することによって、内筒7の口元部内周面と内筒受け部材3の上部外周面との間の気密が図られて、内筒7の内部が密閉されるようになっている。なお後述するように、内筒7を下方に押し込んで圧入する際には、上記圧縮コイルバネ30によって内筒受け部材3に上向きの背圧が付与されて、Oリング33が内筒7のネック部内周面に確実に密着するようになっている。
ここで本実施形態においては、内筒受け部材3、特にその凹段部32の周辺と、Oリング33とによって、密閉手段が構成されている。
内筒圧入装置において、支持台12上における内筒受け部材3の外側には、外筒受け部材2が配置されている。外筒受け部材2には、上下に貫通する設置孔21が形成されており、この設置孔21の軸心が内筒受け部材3の軸心と一致するように配置されている。
さらに外筒受け部材2の設置孔21の内周面は、上下を逆向きにした外筒6の口元部周辺の外周面形状に倣って形成されており、設置孔2内にその上側から、外筒6における口元部60から肩部63を経て胴部の上端部にかけての口元部周辺を適合状態に収容できるようになっている。この収容状態(設置状態)においては、設置孔21の内周面が外筒6の口元部周辺に接触することによって、外筒6の水平方向および垂直方向の位置決めが図られるようになっている。さらにこの設置状態においては、外筒6の口先側の先端縁が内筒圧入装置における支持台12の上面に接触して支持されるようになっている。
外筒受け部材2上には、筒状の外筒ガイド部材25が配置されている。この外筒ガイド部材25の軸心は、外筒受け部材2の設置孔21の軸心と一致するように配置されている。さらに外筒ガイド部材25の筒孔内周面形状は、上下を逆向きにした外筒6の胴部外周面形状に対応して形成されており、外筒ガイド部材25内に外筒6の胴部が適合状態に収容できるようになっている。この収容状態では、外筒ガイド部材25の内周面が外筒6の胴部外周面に接触することによって、外筒6の胴部における水平方向の位置決めが図られるようになっている。
内筒圧入装置は、外筒ガイド部材25の上方に配置された圧入ブロック4を備えている。圧入ブロック4は、略円柱形状を有しており、軸心が上記外筒受け部材2や内筒受け部材3の軸心と一致するように上下方向に沿って配置されている。さらに圧入ブロック4の下端面は、内筒7の底面形状に対応して形成されており、内筒7の底面に適合状態に接触できるようになっている。
また圧入ブロック4は、昇降駆動手段としてのエアーシリンダ(図示省略)によって軸心方向(上下方向)に沿って昇降駆動できるようになっている。そして、既述したように内筒受け部材3に逆向きでセットした内筒7の底面に圧入ブロック4の下端面を接触させた状態で、圧入ブロック4を降下させると、圧入ブロック4によって内筒7に下向きの荷重が与えられて、内筒7が下方に押し込まれるようになっている。
なお、圧入ブロック4は、その外径寸法が外筒6における底側開口65および胴部の内径寸法よりも小さく形成されており、外筒6内に収容した内筒7を圧入ブロック4により押し込む際に、圧入ブロック4が外筒6に干渉しないようになっている。
次に内筒圧入装置を用いて、内筒7を外筒6に圧入して二重容器用部材5を作製する方法について説明する。
まず始めに、外筒6の底側開口65から内筒7を挿入して、外筒6内に内筒7を互いにの軸心を一致させて収容した状態とする。なおこの収容状態(仮組状態)においては、外筒6の口先部62に内筒7の口先部72が完全に嵌め込まれておらず、両口先部62,72は軸心方向に位置をずらして配置されている(図3等参照)。
続いて、圧入ブロック4を上方に上昇させた状態で、図3に示すようにこの仮組状態の両筒6,7(二重容器用部材5)を上下逆向きにして、つまり口先側を下向きに配置した状態で、内筒圧入装置における外筒ガイド25にその上端開口から挿入する。そして仮組状態の二重容器用部材5における外筒6の口元部周辺部を、外筒受け部材2の設置孔21に挿入するとともに、外筒6の胴部を外筒ガイド25の筒孔内に挿入する。さらに内筒7の口元部70を注ぎ口61を介して内筒受け部材3の上側部外周に嵌め込む。この設置状態においては、既述したように外筒6および内筒7が、外筒受け部材2、外筒ガイド25および内筒受け部材3によって位置決め状態に保持される。
なお、この状態においては、内筒7のネック部内周面に内筒受け部材3のOリング33が軽く接触した状態となっており、密閉性は未だ十分に確保されていない状態となっている。
またこの設置状態において、外筒6の口先側の先端縁は支持台12の上端面に接触しているものの、内筒6の先端縁は支持台12の上端面に対し接触しておらず離間している。
こうして仮組状態の二重容器用部材5を内筒圧入装置に設置した後、圧入ブロック4を降下させていき、圧入ブロック4の下端面を二重容器用部材5の内筒7の底板75に当接させて、圧入ブロック4によって内筒7を下方に押し込む。
この押込時において、圧入ブロック4による押込荷重が内筒7に作用する直前、つまり圧入ブロック4により内筒7を押し込む直前に、エアー供給源(図示省略)から圧縮エアーを供給し、その圧縮エアーを接続管36、エアー導入管およ35および内筒受け部材3のエアー導入孔31を介して内筒7内に導入する。
こうして内筒7に圧縮エアーを導入しつつ、圧入ブロック4により内筒7を押し込んでいく。この押込時には、内筒7は内筒受け部材3と共に、圧縮コイルバネ30の反発力(背圧)に抗しながら降下していくため、この圧縮コイルバネ30の反発力によって、内筒受け部材3のOリング33が内筒7のネック部73に密着して、内筒7の内部が密閉される。
このように内筒7が密閉されると、導入される圧縮エアーによって内圧が上昇する。そして、内筒7は、内圧が上昇した状態で圧入ブロック4によって、さらに下方に押し込まれていき、内筒7の口先部72が外筒6の口先部62の内側に圧入される。
ここで本実施形態においては、内筒7を押し込んで外筒6に圧入する際に、内筒7の内部を高圧に保持しているため、内筒7の外筒6への圧入時における圧入ブロック4による内筒7への押込荷重が大きい場合であっても、内筒7の形状を確実に保持でき、特に内筒7の極薄の胴部等が座屈変形するような不具合がなく、内筒7を外筒6に確実に圧入することができる。
さらに内筒7のネック部73を内筒受け部材3のOリング33に密着させる際に、内筒受け部材3に背面側(下面側)からの圧縮コイルバネ30による反発力(背圧)を付与するようにしているため、ネック部73をOリング33にその全周にわたってバランス良く均等に密着させることができる。このため内筒7を確実に密閉させることができ、空気漏れ等の不具合が発生するのを防止でき、圧入時に内筒7が変形するのを、より確実に防止することができる。
また本実施形態においては、圧入ブロック4により内筒7を押し込む直前に、内筒7内に圧縮エアーを導入するようにしているため、内筒7が持ち上がってしまう等の不具合を確実に防止することができる。
すなわち仮に、圧入ブロック4により内筒7を押し込まない(押え込まない)状態で、内筒7内に圧縮エアーを導入すると、圧縮エアーの圧力によって、内筒7が内筒受け部材3から浮き上がって位置ずれしてしまう場合がある。内筒7が位置ずれしたままの状態で、圧入ブロック4により押し込まれると、予期できない無理な応力が加わり、内筒7が変形してしまったり、内筒7を外筒6に正確に圧入できない等、製作不良が発生するおそれがある。換言すると、内筒7内への圧縮エアーの供給を開始してから、圧入ブロック4により内筒7を実際に押し込むまでの時間が長くなってしまうと、圧入ブロック4により内筒7が押し込まれる前に、内筒7がエアー圧によって持ち上がって位置ずれしてしまい、製作不良が発生するおそれがある。
そこで本実施形態においては、圧入ブロック4により内筒7を押し込む直前に、圧縮エアーを導入するようにしているため、エアー導入直後における内筒7が浮き上がる前に内筒7を圧入ブロック4により抑え込むことができる。このため、内筒7がエアー圧によって不用意に浮き上がって位置ずれしてしまう等の不具合が発生せず、内筒7の位置ずれによる不具合を確実に防止でき、内筒7の圧入操作をより一層確実に行うことができる。
以上のように、本実施形態の二重容器用部材の製造装置としての内筒圧入装置によれば、内筒7が座屈変形するのを確実に防止しつつ、内筒7を外筒6に精度良く圧入できて、所望の二重容器用部材、ひいては魔法瓶として使用される真空二重容器を効率良く製造することができる。
また本実施形態の内筒圧入装置によれば、仮組状態の二重容器用部材5を上下逆向きにした状態に設置するようにしているため、支持台12、外筒受け部材2、内筒受け部材3およびエアー導入手段等の複雑かつ大型の機構を下側に固定状態に設置することができるため、構造の簡素化を図ることができるとともに、コストを削減することができる。
ここで、本実施形態において、内筒7の圧入時に、エアー導入による内筒7の内圧を0.3Mpa〜0.6Mpaに設定するのが良い。すなわちこの内圧が低過ぎる場合には、圧入時における内筒7の形状を確実に保持できず、座屈変形等の変形が生じるおそれがある。逆に内圧が高過ぎる場合には、エアー圧によって、内筒7が浮き上がって位置ずれしてしまう等の不具合が発生するおそれがある。
なお、上記実施形態においては、内筒7の内圧上昇用に導入する流動体としてエアーを用いているが、本発明において、内筒に導入する流動体はエアーだけに限られることはない。例えば内筒に導入する流動体として、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス等のエアー(空気)以外の気体を用いても良いし、水等の液体を用いても良い。さらには砂等の粒子状部材により構成される固体を用いても良い。もっとも、経済性や、取り扱い性等を考慮すると、圧縮エアー(空気)を使用するのが好ましい。
また上記実施形態においては、携帯用水筒(携帯用魔法瓶)用の二重容器用部材を製造する場合を例に挙げて説明したが、それだけに限られず、本発明においては、他の二重容器であっても上記と同様に製造することができる。
また上記実施形態の製造装置においては、仮組状態の二重容器用部材を上下を逆向きに設置して、注ぎ口側を下側に設置して、上側から内筒を下側に押し込むようにしているが、それだけに限られず、本発明において、仮組状態の二重容器用部材を注ぎ口を上側に配置して、下側から内筒を上側に押し込むようにしても良いし、二重容器用部材を水平方向に沿って横向きに設置して、内筒を水平方向に押し込むようにしても良い。つまり、本発明においては、内筒圧入装置における二重容器用部材の設置向きはどの向きに設定するようにしても良い。もっとも、本発明においては、既述したように、仮組状態の二重容器用部材を上下逆向きに設置するように構成するのが好ましい。
さらに上記実施形態においては、内筒を外筒に対し押し込むようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、外筒を内筒に対し押し込むようにしても良いし、外筒および内筒を互いに押し込むようにしても良い。要は内筒を外筒に対し相対的に押し込むようにすれば良い。
また上記実施形態においては、圧入ブロック4によって内筒7を押し込む直前に、内筒7内にエアーを導入するようにしているが、それだけに限られず、本発明においては、圧入ブロック4による内筒7の押込とほぼ同時に、内筒7内にエアーを導入するようにしても良い。
<実施例>
上記実施形態と同様の内筒圧入装置に、仮組状態の外筒6および内筒7(二重容器用部材5)を上記と同様にセットした。
内筒7としては、材質がステンレス鋼(SUS304)、口先部72の板厚が0.3mm、最薄部(胴部)の板厚が0.08mm、全長166.4mm、最薄部の長さが103mm、口先部72の外径がφ53.4mm、最薄部の外径がφ52mmのものを用いた。
さらに圧入ブロック4を昇降駆動するための昇降駆動手段として、φ125mmのエアーシリンダを使用した。
そしてこのシリンダによって圧入ブロック4を降下させて、その圧入ブロック4によって仮組状態の二重容器用部材5における内筒7を0.4MPa(4920N)の圧力で下方に押し込み、外筒6に圧入した。なおこの圧入直前には、内筒7の内部に圧縮エアーを供給して、内圧を0.2MPaまで上昇させ、その状態で圧入を行った。
圧入が完了した後は、圧入ブロック4を上昇させて、二重容器用部材5を取り出した。
この二重容器用部材5を目視により外観を観察したところ、特に異常はなく、内筒7の外筒6への圧入も確実に行われていた。
以上の実施例を踏まえてさらに、以下の検証(確認作業)を行った。
まず、内筒圧入装置に外筒6はセットせずに、内筒7だけをセットした。この状態では、内筒7が外筒6に覆われていないため、内筒6の変形具合を目視により簡単に把握することができる。
こうして内筒7のみをセットした後、エアーシリンダにより圧入ブロック4を降下させて、内筒7に対し下向きに0.1MPaの圧力を加えた。それとほぼ同時に、内筒7内に圧縮エアーを導入して内圧を0.4MPaまで上昇させた。なおこの内圧上昇時においては、特に異常は認められなかった。
その後、エアーシリンダによる内筒7への圧力(圧入力)を次第に上昇させて、0.4MPaまで上昇させた。
その状態で、圧縮エアーの供給量を次第に減少させて、内筒7の内圧を徐々に低下させていき、内筒7に座屈変形と、内筒7の内圧との関係について検証した。
その結果、内筒7の内圧が次第に低下して、0.16MPaに到達した時点までは、内筒7に目視で確認できる程の座屈変形は認められなかった。
ところが内筒7の内圧が0.16MPaよりも低くなると、内筒7の胴部が座屈変形するのを確認できた。
以上の検証結果から、内筒7の内圧が0.1MPa〜0.16MPa未満の範囲で内筒7に座屈変形が生じると考えられるが、それを考慮すると、エアー導入により内筒7の内圧を0.2MPa程度に設定しておけば、内筒7を外筒6に押し込む際の圧力である4920N(0.4MPa)に耐えることができる。つまりこの実施例から、内筒7へのエアー導入は、内筒圧入時における座屈変形の対策として有効な手段であることが明らかとなった。
この発明の二重容器用部材の製造方法は、例えば魔法瓶のステンレス鋼製真空二重容器等を製造する際に利用することができる。
2:外筒受け部材
3:内筒受け部材
31:エアー導入孔(流動体導入手段)
33:Oリング(密閉手段)
35:エアー導入管(流動体導入手段)
36:接続管(流動体導入手段)
4:圧入ブロック
5:二重容器用部材
6:外筒体
62:口先部(一端側開口縁部)
7:内筒体
71:注ぎ口(一端側開口)
72:口先部(一端側開口縁部)

Claims (6)

  1. 一端側が開口され、かつ他端側が閉塞された金属製の内筒を、両端側が開口された金属製の外筒に収容した状態で、前記内筒を前記外筒に対し一端側に押し込むことにより、前記内筒の一端側開口縁部を、前記外筒の一端側開口縁部に圧入するようにした二重容器用部材の製造方法であって、
    前記内筒を押し込む際に、前記内筒の内部にその一端側開口から流動体を導入することによって、前記内筒の内圧を上昇させるようにしたことを特徴とする二重容器用部材の製造方法。
  2. 前記流動体として、エアーが用いられる請求項1に記載の二重容器用部材の製造方法。
  3. 前記内筒を押し込む際の内筒の内圧を0.3Mpa〜0.6Mpaに設定するようにした請求項1または2に記載の二重容器用部材の製造方法。
  4. 前記内筒の押込開始直前に、または押込開始とほぼ同時に、前記流動体の前記内筒への導入を開始するようにした請求項1〜3のいずれか1項に記載の二重容器用部材の製造方法。
  5. 一端側が開口され、かつ他端側が閉塞された金属製の内筒の一端側を保持する内筒受け部材と、両端側が開口された金属製の外筒の一端側を保持する外筒受け部材とを備え、前記内筒受け部材および前記外筒受け部材によって前記内筒を前記外筒に収容した状態で保持しておいて、圧入ブロックにより、前記内筒を前記外筒に対し一端側に押し込むことにより、前記内筒の一端側開口縁部を、前記外筒の一端側開口縁部に圧入するようにした二重容器用部材の製造装置であって、
    前記内筒受け部材に保持された前記内筒にその一端側開口から内部に流動体を導入して前記内筒の内圧を上昇させるための流動体導入手段を備えたことを特徴とする二重容器用部材の製造装置。
  6. 前記外筒および前記内筒は、各一端側を下向きにした下向き状態で前記外筒受け部材および前記内筒受け部材にそれぞれ保持されるとともに、
    下向き状態の前記内筒が前記圧入ブロックによって下方に押し込まれるようになっている請求項5に記載の二重容器用部材の製造装置。
JP2013140554A 2013-07-04 2013-07-04 二重容器用部材の製造方法および製造装置 Expired - Fee Related JP6113590B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013140554A JP6113590B2 (ja) 2013-07-04 2013-07-04 二重容器用部材の製造方法および製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013140554A JP6113590B2 (ja) 2013-07-04 2013-07-04 二重容器用部材の製造方法および製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015012951A JP2015012951A (ja) 2015-01-22
JP6113590B2 true JP6113590B2 (ja) 2017-04-12

Family

ID=52435248

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013140554A Expired - Fee Related JP6113590B2 (ja) 2013-07-04 2013-07-04 二重容器用部材の製造方法および製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6113590B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10321782B2 (en) 2011-09-15 2019-06-18 Woo Yong KIM Electric rice pressure cooker and pressure cooker without a rubber packing

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5812680Y2 (ja) * 1980-11-20 1983-03-11 象印マホービン株式会社 ステンレス鋼製魔法瓶
JPS60188121A (ja) * 1984-03-06 1985-09-25 フジマル工業株式会社 金属製魔法瓶およびその製造方法
JPH04336923A (ja) * 1991-05-08 1992-11-25 Nippon Steel Corp 押え治具を装着した金属中間加工体の外筒体への圧入装置
JP3007212B2 (ja) * 1992-01-20 2000-02-07 象印マホービン株式会社 ステンレス鋼製真空二重容器の製造方法
JP5129169B2 (ja) * 2008-09-29 2013-01-23 象印マホービン株式会社 真空二重構造体およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015012951A (ja) 2015-01-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2019233252A1 (zh) 一种双层酒桶
RU2013134634A (ru) Клапан для аэрозольного баллончика
JP2006220242A (ja) 管体のシール構造
JP2012187754A (ja) 中空容器における内蔵部品のクランプ構造およびクランプ方法
CN106794757A (zh) 阀箱的安装构造
JP6113590B2 (ja) 二重容器用部材の製造方法および製造装置
CN108982025A (zh) 一种兼备气密检测及金属套冷插功能的一体机
US11014524B2 (en) High-pressure gas cylinder
JP2009172660A (ja) 金属板のプレス成形方法およびプレス成形装置
EP2689951A1 (en) Hollow container and apparatus for manufacturing same
CN103994237A (zh) 耐高温、高压快关式截止阀
CN207437799U (zh) 一种燃气紧急切断阀
CN215788386U (zh) 一种真空吸附治具
WO2021106932A1 (ja) パワーエレメント及びこれを用いた膨張弁
JP5061045B2 (ja) シールパッキンおよびこれを用いたシール構造
CN202302468U (zh) 金属迷你接头
CN203628056U (zh) 阀用金属波纹管组件的焊接结构
JP5770062B2 (ja) シール構造、シール方法、それを用いた鋳造システム、及び、鋳造方法
CN206929410U (zh) 一种一体式电磁阀铁芯结构
CN214662908U (zh) 一种通用介质管道焊接法兰用临时封堵装置
CN105179789A (zh) 一种直动式电控通断阀
CN206112177U (zh) 一种拉断阀
CN205078886U (zh) 一种直动式电控通断阀
JP5349952B2 (ja) 加圧流体のためのカートリッジ
JP4817004B2 (ja) パウチ用充填ノズル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160509

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170217

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170315

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6113590

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees