JP6112351B2 - 傾斜角補正装置、傾斜角補正プログラム、傾斜角補正方法、撮像装置 - Google Patents

傾斜角補正装置、傾斜角補正プログラム、傾斜角補正方法、撮像装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6112351B2
JP6112351B2 JP2013111116A JP2013111116A JP6112351B2 JP 6112351 B2 JP6112351 B2 JP 6112351B2 JP 2013111116 A JP2013111116 A JP 2013111116A JP 2013111116 A JP2013111116 A JP 2013111116A JP 6112351 B2 JP6112351 B2 JP 6112351B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
correction
tilt angle
temperature
value
threshold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013111116A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014228525A (ja
Inventor
康紘 野村
康紘 野村
兼史 野崎
兼史 野崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2013111116A priority Critical patent/JP6112351B2/ja
Publication of JP2014228525A publication Critical patent/JP2014228525A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6112351B2 publication Critical patent/JP6112351B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、検出された撮像装置の傾斜角の温度による変化を補正する傾斜角補正装置と、コンピュータを傾斜角補正装置として機能させるための傾斜角補正プログラムと、傾斜角の温度による変化を補正する傾斜角補正方法と、傾斜角補正装置を搭載する撮像装置とに関するものである。
ディジタルカメラ等の撮像装置において、撮像装置の傾きを検出し、傾斜角を撮像装置の傾斜角としてモニタ画面に表示するなどして、使用者に画面の傾きを認識させるための機能を備えたものが知られている。
また、車載用カメラなどのディジタルカメラ以外の撮像装置においても、撮像装置を車両に取り付ける際の装置の傾きを検出する傾斜角検出機能を有するものが知られている。
ところで、傾斜角検出機能を有する撮像装置において、傾きを検出する傾斜角検出センサの傾斜角の出力値が使用時の温度(内部温度、雰囲気温度)によって変動し、傾斜角の検出精度が低下する問題がある。
この問題について、撮像装置を使用する温度範囲(例えば、0℃〜50℃)の中央値よりも高い場合には上限値の傾斜角を、中央値よりも低い場合には下限値での傾斜角を用いて傾斜角の変動を補正する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)
しかしながら、従来の技術では、例えば車載用カメラなど、広い温度範囲(例えば、−30℃〜80℃)で使用される撮像装置の傾斜角検出機能の傾斜角を補正する場合に、以下のような問題がある。
広い温度範囲で使用される撮像装置において、従来の技術を用いて撮像装置の傾斜角検出機能の傾斜角を補正する際に、温度領域によってはセンサの傾斜角が大きく変動する場合がある。
この場合に、従来の技術では、上限値や下限値の傾斜角を用いて実測した傾斜角を補正するため、実測した傾斜角と補正した傾斜角との差が大きくなってしまい、傾斜角検出機能の傾斜角の温度による変化を精度よく補正することができなかった。
本発明は、傾斜角の温度による変化を精度良く補正することができる傾斜角補正装置を提供することを目的とする。
本発明は、補正パラメータにより定義される複数の補正式のうち、検出された撮像装置の傾斜角の検出時温度に基づいて選択された1つの補正式により、傾斜角を補正する装置であって、撮像装置の傾斜角を検出する角度検出部と、検出時温度を検出する温度検出部と、傾斜角と検出時温度との組み合わせをサンプル値として取得し、サンプル値に基づいて複数の補正式ごとの複数の温度範囲の閾値を決定する閾値決定部と、サンプル値に基づいて複数の補正式のそれぞれに用いられる補正パラメータを決定する補正パラメータ決定部と、決定された補正パラメータが用いられた複数の補正式により傾斜角を補正して補正傾斜角を出力する補正部と、を有してなることを特徴とする。
本発明によれば、傾斜角の温度による変化を精度良く補正することができる。
本発明に係る撮像装置の実施の形態を示すブロック図である。 本発明に係る傾斜角補正方法で用いられる補正式の補正率を示す図である。 上記傾斜角補正方法の実施の形態を示すフローチャートである。 上記傾斜角補正方法における補正前重力加速度値と温度値との関係を示す図である。 上記傾斜角補正方法における補正前重力加速度値と補正式との関係を示す図である。 上記傾斜角補正方法における補正前重力加速度値と温度値との関係を示す図である。 上記傾斜角補正方法における閾値と低温側補正式と高温側補正式との関係を示す図である。 上記傾斜角補正方法における閾値決定方法の概念を示す図である。 上記傾斜角補正方法の比較例における実測値と近似式との関係を示す図である。 上記比較例における実測値と近似式との関係を示す図である。
以下、本発明に係る傾斜角補正装置と傾斜角補正プログラムと傾斜角補正方法と撮像装置との実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
本発明に係る傾斜角補正装置は、撮像装置本体とともに本発明に係る撮像装置に搭載される。ここで、本発明に係る撮像装置は、搭載されるコンピュータに本発明に係る傾斜角補正プログラムを実行させることにより、本発明に係る傾斜角補正方法を実行する。
本発明に係る撮像装置は、傾斜角検出機能により検出された傾斜角の温度による変化を補正するために、本発明に係る傾斜角補正方法を実行する。
ここで、本発明に係る撮像装置は、例えば車両走行時に動画を撮影する車載用カメラである。
なお、本発明に係る傾斜角補正装置が搭載される撮像装置には、車載用カメラには限定されず、例えばFA(Factory Automation)用、ディジタルカメラなどを含む。また、本発明に係る傾斜角補正装置が搭載される撮像装置は、動画撮影用に限定されず、静止画撮影用も含む。
●撮像装置の構成
次に、本発明に係る撮像装置の構成について説明する。
図1は、本発明に係る撮像装置の実施の形態を示すブロック図である。同図に示すように、本発明に係る撮像装置は、撮像部101と、信号処理部102と、加速度センサ103と、温度センサ104と、ROM(Read Only Memory)105と、プロセッサ部106とを有してなる。
撮像部101は、光学画像を取り込むレンズセル101−1からなる光学系と、光学画像を光電変換するための固体撮像素子であるCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ101−2とを備える。
信号処理部102は、CMOSセンサ101−2に入力した画像信号に対して、ガンマ補正等のディジタル信号処理を行う信号処理ブロック102−1を備える。また、信号処理部102は、ディジタル信号処理された画像信号をアナログ信号に変換するD/A(Digital/Analog)コンバータ102−2を備える。
加速度センサ103は、本発明における角度検出部であり、X軸,Y軸,Z軸の2軸または3軸方向の、運動加速度及び重力加速度を検出することができるセンサである。本発明に係る撮像装置は、加速度センサ103が検出した運動加速度値及び重力加速度値から傾斜角を検出する。
ここで、傾斜角を検出するために、撮像装置が静止した状態(運動加速度=0)で考える必要があるため、重力加速度のみを考慮した補正演算を考える。
温度と補正前重力加速度の関係が、n次式(n≧1)で近似することができると仮定すると、補正後重力加速度値は、式(1)で表すことができる。
式(1)
Figure 0006112351
ここで、補正前重力加速度値をg、補正後重力加速度値をg、温度をT、補正率をα (k=1,2・・・n)、運動加速度=0かつ水平状態での基準軸からのオフセット値(切片)をβとする。
なお、本実施の形態において、補正パラメータとは、補正に用いる近似式(以下「補正式」という。)を特定するパラメータである。ここで、補正パラメータとは、補正率α(k=1,2・・・n)、あるいは、オフセット値(切片)βのことを指す。
図2は、傾斜角補正方法における補正式の補正率を示す図である。同図に示すように、本発明に係る傾斜角補正方法において、補正パラメータのうち、補正率とは、温度と傾き角情報(重力加速度、ロール角等)が図2中の実線で示す曲線である場合に、図2中の破線で示す補正式の傾きのことをいう。ここで、図2中の破線は、補正式を1次式で算出した例を示している。
また、補正率の近似方法には、例えば、一般的な最小二乗法や、Hough変換等がある。
図1に戻り、温度センサ104は、本発明における温度検出部であり、温度Tを取得して出力する。
ここで、加速度センサ103と温度センサ104とは、例えば不図示のプリント回路基板(PCB; Printed Circuit Board)上に実装される。
なお、本発明においては、温度センサ104に代えて、加速度センサ103、または、CMOSセンサ101−2に温度検出部の機能を備えてもよい。
ROM105は、本発明における記憶部であり、上述の補正パラメータ等が格納されている。
プロセッサ部106は、汎用ポートブロック106−1と、I2C(Inter
Integrated Circuit)ブロック106−2とを備える。また、プロセッサ部106は、CPU(Central
Processing Unit)ブロック106−3と、シリアルブロック106−4とを備える。さらに、プロセッサ部106は、Local SRAM(Static Random Access Memory)106−5と、ROM106−6とを備える。
汎用ポートブロック106−1は、信号処理部102の信号処理ブロック102−1と接続される。汎用ポートブロック106−1は、信号処理部102の信号処理ブロック102−1からの垂直同期信号を受信してCPUブロック106−3などに送信する。
IC2ブロック106−2は、加速度センサ103と温度センサ104に接続される。IC2ブロック106−2は、加速度センサ103と温度センサ104とCPUブロック106−3との間でデータ通信を行う。
CPUブロック106−3は、本発明に係る傾斜角補正プログラムを実行する。すなわち、CPUブロック106−3は、本発明における閾値決定部と補正パラメータ決定部と補正部の機能を実現する。また、CPUブロック106−3は、カメラモジュール内部の制御を行う制御プログラムも実行する。
シリアルブロック106−4は、カーナビゲーションシステムやドライブレコーダなどの外部機器とシリアル通信を行う。
Local SRAM106−5は、傾斜角補正方法を実行する際に必要となる、傾斜角や温度値等を一時的に保存する。
ROM106−6は、CPUブロック106−3にて解読可能なコードで記述された他の制御プログラムとともに、本発明に係る傾斜角補正プログラムを格納している。
●傾斜角補正方法
次に、本発明に係る傾斜角補正方法の処理について説明する。
図3は、本発明に係る傾斜角補正方法の実施の形態を示すフローチャートである。
本発明に係る撮像装置の電源がオン状態になると、傾斜角補正プログラムがROM106−6から不図示のメインメモリにロードされる。
CPUブロック106−3は、I2Cブロック106−2を介してROM105から加速度センサ103が取得した傾斜角を補正するための補正パラメータを読み出す(S101)。読み出した補正パラメータは、RAM106−6に保持され、CPUブロック106−3により即座に参照することができる。
CPUブロック106−3は、信号処理ブロック102−1から汎用ポートブロック106−1への垂直同期信号の入力があるか否かを確認する(S102)。
CPUブロック106−3は、汎用ポートブロック106−1に垂直同期信号の入力がある場合には、I2Cブロック106−2を介して加速度センサ103とシリアル通信し、重力加速度値を検出する(S103)。
また、CPUブロック106−3は、汎用ポートブロック106−1に垂直同期信号の入力がある場合には、I2Cブロック106−2を介して温度センサ104とシリアル通信する。そして、CPUブロック106−3は、温度センサ104とのシリアル通信により本発明に係る撮像装置が存在する環境の温度値(例えば内部温度値)を検出する(S104)。
CPUブロック106−3は、本発明における閾値決定部の処理として、取得した重力加速度値と温度値との組み合わせをサンプル値として取得する。CPUブロック106−3は、取得したサンプル値に基づいて、補正式が適用される温度範囲の上限値または下限値の閾値の候補(以下「閾値候補」という。)を、補正式ごとに算出する(S105)。
CPUブロック106−3は、本発明における閾値決定部の処理として、補正式ごとに閾値候補から閾値を決定する(S106)。
CPUブロック106−3は、本発明における補正パラメータ決定部の処理を行う。すなわち、CPUブロック106−3は、決定した閾値を用いて、RAM106−6に格納されている複数の補正パラメータから、補正後の傾斜角(以下「補正傾斜角」という。)の算出に用いる補正パラメータを決定する(S107)。
CPUブロック106−3は、本発明における補正部の処理として、重力加速度値と温度値と決定した補正パラメータとに基づいて、補正傾斜角を算出する(S108)。
CPUブロック106−3は、算出された撮像装置の補正傾斜角を、シリアルブロック106−4を介して、上述の外部機器に出力する(S109)。
●傾斜角補正方法に用いる補正パラメータ決定処理
次に、上述のS107の補正パラメータの決定処理(本発明に係る傾斜角補正装置の補正パラメータ決定部による処理)について説明する。
図4は、本発明に係る傾斜角補正方法における補正前重力加速度値と温度値との関係を示す図である。ここで、図4は、撮像装置周囲の温度を−30℃〜90℃まで変化させたときに取得した撮像装置内部の温度と補正前重力加速度値との関係を示す。
図4に示すように、撮像装置の周囲温度あるいは内部温度が変化すると、補正前重力加速度の値は大きく変動する。このような場合に、式(1)のような1つの1次式で定められる補正式によって、全温度範囲にわたって精度よく傾斜角を補正することは難しい。
また、温度範囲の中央値を閾値にして傾斜角の変動を補正する場合には、閾値付近と上限値または下限値付近の温度では誤差の精度を高めることができるものの、各値の中間の領域では要求される誤差の精度を満たせない可能性がある。ここで、要求される傾斜角の誤差の精度は、例えば、運動加速度=0かつ水平状態において、基準軸からの誤差が±20mg(カメラ光軸に対し平行方向で2度相当)である。
そこで、本発明に係る傾斜角補正方法では、重力加速度値が大きく変化する温度を温度閾値TTHとする。そして、本発明に係る傾斜角補正方法では、TTHよりも高温の場合と低温の場合とで、得られた加速度値を近似して求める補正パラメータ、すなわち式(1)における補正率及びオフセット値を異なる値にして補正を行う。
ここで、本発明に係る傾斜角補正方法で用いる補正式を式(2−1)と(2−2)に示す。
式(2−1)
Figure 0006112351
式(2−2)
Figure 0006112351
ここで、補正前重力加速度値をg、補正後重力加速度値をg、温度をTとする。また、低温側補正率をα (k=1,2…n)、高温側補正率をα (k=1,2…n)、運動加速度=0かつ水平状態での基準軸からの低温側オフセット値をβ、運動加速度=0かつ水平状態での基準軸からの高温側オフセット値をβとする。
図5は、本発明に係る傾斜角補正方法における補正前重力加速度値と補正式との関係を示す図である。同図において、内部温度値と補正前重力加速度値との関係を示す曲線をd、温度閾値Tを上限値とする補正式を示す直線をl、温度閾値Tを下限値とする補正式を示す直線をm、温度閾値T´を上限値とする補正式を示す直線をl´とする。
直線lは、式(2−1)によって示される補正式である。式(2−1)は、実測された値のうち、温度閾値Tより低い温度で取得された重力加速度値と温度値とを補正する。また、直線mは、式(2−2)によって示される補正式である。式(2−2)は、実測された値のうち、温度閾値Tより高い温度で取得された重力加速度値と温度値とを補正する。
ここで、図5において、温度閾値Tより低温側の曲線dの長さと高温側の曲線dの長さとを比較すると、高温側の曲線dの長さの方が長い。つまり、図5において、温度閾値Tより高温側と比較して、温度閾値Tより低温側では温度閾値Tより高温側と比較して、サンプリング温度に対する重力加速度値が少ないことを示している。
このように、補正式を用いて傾斜角の補正を行う場合に、その補正式が適用される温度範囲において十分な数または十分な分布の重力加速度値と検出時温度との組み合わせからなるサンプル値が取得されていない場合には、補正式の精度が落ちてしまう。この問題は、撮像装置の製造時や設置時などの傾斜角補正処理時に低温の環境を構築しにくいため、低温側の補正式において顕著である。
そこで、本発明に係る傾斜角補正方法では、サンプル値の数が不足すると判断される一方の補正式の温度閾値T´を他方の補正式の温度閾値Tと異なる値にする。すなわち、低温側温度補正率または高温側温度補正率は、補正時の閾値による温度範囲を重複するように算出されることになる。
つまり、本発明に係る傾斜角補正方法によれば、一方の補正式が適用される温度範囲を広げるため、広い温度範囲において十分な数または十分な分布の重力加速度値と検出時温度の組み合わせからなるサンプル値を取得することができる。
また、図5に示すように、本発明に係る傾斜角補正方法では、上述のようにサンプル値の数が不足すると判断される低温側の温度閾値をT´とする。ここで、T´は、Tより高い温度に設定する。
したがって、本発明に係る傾斜角補正方法によれば、低温側のサンプル値の数を十分に確保して補正式l´を算出し、低温側温度補正率を求めることで、精度良く傾斜角を補正することができる。
なお、サンプル値の数が不足すると判断される補正式が高温側の補正式である場合には、高温側の補正式の温度閾値をT´として、Tより低い温度に設定することで、高温側の補正式について所定数のサンプル値を確保して精度良く傾斜角を補正することができる。
図6は、本発明に係る傾斜角補正方法における補正後重力加速度値と温度値との関係を示す図である。同図からわかるように、補正式として式(2−1)と(2−2)とを用いることによって、基準軸0mGに対して要求精度±20mGの変動幅に収まるように傾斜角を補正することができる。
●閾値決定処理
次に、上述のS105,106の温度閾値の決定処理(本発明に係る傾斜角補正装置の閾値決定部の処理)について説明する。
温度閾値Tは、測定した温度値と重力加速度値との関係を示す曲線において重力加速度値が大きく変化する点として、実測値や経験的に得られる点の温度を使用することができる。
一方、傾斜角を検出する加速度センサ103のデバイスとしての検出精度のばらつきを考慮すると、必ずしもすべての加速度センサ103の温度閾値として、一意の値Tを境界としても精度のよい補正パラメータを算出することができるとは限らない。
図7は、本発明に係る傾斜角補正方法における閾値と低温側補正式と高温側補正式との関係を示す図である。同図に示すように、例えば、測定した補正前の温度値と重力加速度値の関係が同図中の曲線dのように変化する場合に、温度閾値Tを境界に低温側の補正式lと高温側の補正式mとの2つの1次式でdを近似する。
本発明に係る傾斜角補正方法では、測定した温度値Tが、T<Tであれば補正式l、T≧Tであれば補正式mを用いて補正演算を行う。つまり、本発明に係る傾斜角補正方法では、lとmの接続点、すなわちT=T付近での補正後の重力加速度値が低温側の補正式と高温側の補正式とで異なる場合がある。
この場合に、本発明に係る傾斜角補正方法では、Tを境界に低温側と高温側とで異なる補正式を用いるため、Tの前後で補正後の重力加速度値が不自然に変化する、あるいは、補正後の重力加速度値が要求精度を満たすことができないなどの問題が考えられる。
そこで、本発明に係る傾斜角補正方法では、Tを境界にして低温側の補正式と高温側の補正式とを滑らかに接続するようなTを決定する。
図8は、本発明に係る傾斜角補正方法における閾値決定の概念を示す図である。同図に示すように、本発明に係る傾斜角補正方法では、閾値Tを決定するにあたり、仮の閾値としてTH1、TH2のように複数の閾値候補を算出する。
閾値候補をTH1としたときの低温側補正式をl−1、高温側補正式をl−2とする。また、閾値候補をTH2としたときの低温側補正式をm−1、高温側補正式をm−2とする。
ここで、測定した温度値と補正前重力加速度値の関係が曲線dで表されるとき、dと補正式l−1、l−2との差、すなわち領域lを求める。同様に、dと補正式m−1、m−2との差を領域mとして求める。
このとき、dとそれぞれの補正式との差を比較して、l<mであれば、閾値T=TH1とし、l>mであれば、閾値T=TH2とする。このように、複数の閾値候補を算出し、複数の閾値候補について、補正前重力加速度値と、その閾値候補から求められる補正式によって得られる補正後重力加速度値の差が最小となるように、閾値Tを決定する。
なお、図8において、低温側の補正式と高温側の補正式とが閾値Tで同一の値になっているが、本発明に係る傾斜角補正方法では、例えば図7に示したように双方の補正式が閾値T上で同一の値とならなくてもよい。
●比較例による傾斜角度補正処理
次に、本発明に係る傾斜角補正方法の比較例の傾斜角補正処理について説明する。
図9と図10は、本発明に係る傾斜角補正方法の比較例における実測値と近似式との関係を示す図である。測定した温度値と補正前重力加速度値との関係が図9,10中の実線で表される場合に、比較例では、撮像装置を使用する温度範囲(例えば、0℃〜50℃)の中央値と上限値(50℃)と下限値(0℃)との重力加速度値をあらかじめ取得しておく。
そして、比較例の傾斜角補正処理では、中央値よりも高い場合には上限値の傾斜角を、中央値よりも低い場合には下限値での傾斜角を用いて重力加速度値の変動を補正する。つまり、比較例の傾斜角補正処理では、図9中の破線で示すように温度値と補正前重力加速度値との関係を2点で直線近似している。
比較例の傾斜角補正処理では、所定の温度範囲の中間値と上限値と下限値とでは精度よい補正結果を得ることができるものの、他の領域においては、補正式が補正前の傾斜角と大きく乖離してしまう。
つまり、比較例の傾斜角補正処理では、補正後の出力値が要求される補正精度を満たすことができないおそれがある。
●本発明の効果
以上説明したように、本発明に係る傾斜角補正装置と傾斜角補正方法と傾斜角補正プログラムでは、傾斜角と検出時温度との組み合わせからなるサンプル値に基づいて補正式に用いる補正パラメータを決定し、補正パラメータを用いた補正式により傾斜角を補正して補正傾斜角を出力する。
したがって、本発明によれば、広い温度範囲において傾斜角(検出した加速度値)の温度による変化を高精度に補正することができる。
また、本発明では、補正式が適用される温度範囲において所定数のサンプル値が含まれるように閾値を決定するため、広い温度範囲において十分な数または十分な分布のサンプル値を取得して補正傾斜角を算出することができる。
また、本発明では、複数の補正式それぞれが適用される温度範囲の閾値を決定し、複数の補正式により傾斜角を補正して補正傾斜角を出力するため、広い温度範囲において傾斜角の温度による変化を高精度に補正することができる。
また、本発明では、複数の閾値候補の中から閾値を決定するため、広い温度範囲において傾斜角の温度による変化を高精度に補正することができる。
また、本発明では、複数の閾値候補ごとに補正式に用いる補正パラメータを決定し、複数の閾値候補ごとに傾斜角を補正して補正傾斜角を出力するため、広い温度範囲において傾斜角の温度による変化を高精度に補正することができる。
また、本発明では、複数の閾値候補のうち、傾斜角と補正傾斜角との差が最小となる閾値候補を、閾値として決定するため、広い温度範囲において傾斜角の温度に急激な変化がある場合であっても傾斜角を高精度に補正することができる。
また、本発明では、補正式は、1次式以上の式によって定められるため、簡易な近似式により傾斜角の温度による変化を高精度に補正することができる。
101 :撮像部
101−1:レンズセル
101−2:CMOSセンサ
102 :信号処理部
102−1:信号処理ブロック
102−2:D/Aコンバータ
103 :加速度センサ
104 :温度センサ
105 :ROM
106 :プロセッサ部
106−1:汎用ポートブロック
106−2:I2Cブロック
106−3:CPUブロック
106−4:シリアルブロック
106−5:Local SRAM
106−6:ROM
特許第4939451号明細書

Claims (10)

  1. 補正パラメータにより定義される複数の補正式のうち、検出された撮像装置の傾斜角の検出時温度に基づいて選択された1つの補正式により、前記傾斜角を補正する装置であって、
    前記傾斜角を検出する角度検出部と、
    前記検出時温度を検出する温度検出部と、
    前記傾斜角と前記検出時温度との組み合わせをサンプル値として取得し、前記サンプル値に基づいて前記複数の補正式ごとの複数の温度範囲の閾値を決定する閾値決定部と、
    前記サンプル値に基づいて前記複数の補正式のそれぞれに用いられる前記補正パラメータを決定する補正パラメータ決定部と、
    前記決定された補正パラメータが用いられた前記複数の補正式により前記傾斜角を補正して補正傾斜角を出力する補正部と、
    を有してなることを特徴とする傾斜角補正装置。
  2. 前記閾値決定部は、前記複数の温度範囲ごと所定数の前記サンプル値が含まれるように前記閾値を決定する、
    請求項1記載の傾斜角補正装置。
  3. 前記閾値決定部は、複数の閾値候補の中から前記閾値を決定する、
    請求項1または2記載の傾斜角補正装置。
  4. 前記補正パラメータ決定部は、前記複数の閾値候補ごとに前記補正パラメータを決定し、
    前記補正部は、前記複数の閾値候補ごとに前記補正傾斜角を出力し、
    前記閾値決定部は、前記複数の閾値候補ごとに算出される前記傾斜角と前記補正傾斜角との差に基づいて、前記閾値を決定する、
    請求項3記載の傾斜角補正装置。
  5. 前記閾値決定部は、前記複数の閾値候補のうち、前記傾斜角と前記補正傾斜角との差が最小となる閾値候補を、前記閾値として決定する、
    請求項4記載の傾斜角補正装置。
  6. 前記補正パラメータ決定部は、前記複数の補正式の互いの温度範囲が重複するように前記補正パラメータを決定する、
    請求項1乃至5のいずれかに記載の傾斜角補正装置。
  7. 前記補正式は、1次式以上の式によって定められる、
    請求項1乃至6のいずれかに記載の傾斜角補正装置。
  8. コンピュータを、請求項1乃至7のいずれかに記載の傾斜角補正装置として機能させることを特徴とする傾斜角補正プログラム。
  9. 補正パラメータにより定義される複数の補正式のうち、検出された撮像装置の傾斜角の検出時温度に基づいて選択された1つの補正式により、前記傾斜角を補正する方法であって、
    前記傾斜角を検出する角度検出ステップと、
    前記検出時温度を検出する温度検出ステップと、
    前記傾斜角と前記検出時温度との組み合わせをサンプル値として取得し、前記サンプル値に基づいて前記複数の補正式ごとの複数の温度範囲の閾値を決定する閾値決定ステップと、
    前記サンプル値に基づいて前記複数の補正式のそれぞれに用いられる前記補正パラメータを決定する補正パラメータ決定ステップと、
    前記決定された補正パラメータが用いられた前記複数の補正式により前記傾斜角を補正して補正傾斜角を出力する補正ステップと、
    を有してなることを特徴とする傾斜角補正方法。
  10. 補正パラメータにより定義される複数の補正式のうち、検出された傾斜角の検出時温度に基づいて選択された1つの補正式により、前記傾斜角を補正する撮像装置であって、
    撮像装置本体と、
    前記傾斜角を検出する角度検出部と、
    前記検出時温度を検出する温度検出部と、
    前記傾斜角と前記検出時温度との組み合わせをサンプル値として取得し、前記サンプル値に基づいて前記複数の補正式ごとの複数の温度範囲の閾値を決定する閾値決定部と、
    前記サンプル値に基づいて前記複数の補正式のそれぞれに用いられる前記補正パラメータを決定する補正パラメータ決定部と、
    前記決定された補正パラメータが用いられた前記複数の補正式により前記傾斜角を補正して補正傾斜角を出力する補正部と、
    を有してなることを特徴とする撮像装置。
JP2013111116A 2013-05-27 2013-05-27 傾斜角補正装置、傾斜角補正プログラム、傾斜角補正方法、撮像装置 Active JP6112351B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013111116A JP6112351B2 (ja) 2013-05-27 2013-05-27 傾斜角補正装置、傾斜角補正プログラム、傾斜角補正方法、撮像装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013111116A JP6112351B2 (ja) 2013-05-27 2013-05-27 傾斜角補正装置、傾斜角補正プログラム、傾斜角補正方法、撮像装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014228525A JP2014228525A (ja) 2014-12-08
JP6112351B2 true JP6112351B2 (ja) 2017-04-12

Family

ID=52128477

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013111116A Active JP6112351B2 (ja) 2013-05-27 2013-05-27 傾斜角補正装置、傾斜角補正プログラム、傾斜角補正方法、撮像装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6112351B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6370261B2 (ja) * 2015-05-21 2018-08-08 三菱電機株式会社 傾斜角算出装置
JP6164383B1 (ja) * 2017-03-08 2017-07-19 中国電力株式会社 地盤変位の観測方法、及び情報処理装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4414853A (en) * 1981-08-10 1983-11-15 The Foxboro Company Pressure transmitter employing non-linear temperature compensation
JPS62249024A (ja) * 1986-04-21 1987-10-30 Yamato Scale Co Ltd 力測定装置
JPH1096675A (ja) * 1996-09-25 1998-04-14 Saginomiya Seisakusho Inc 温度補償回路及び温度補償方法
JP4228825B2 (ja) * 2002-08-08 2009-02-25 パナソニック電工株式会社 物理量センサ装置
JP2004294110A (ja) * 2003-03-25 2004-10-21 Matsushita Electric Works Ltd オフセット電圧補正装置
JP4939451B2 (ja) * 2008-02-04 2012-05-23 株式会社リコー 撮像装置および撮像装置の角度情報の補正方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014228525A (ja) 2014-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20180084205A1 (en) Infrared imaging device and signal correction method using infrared imaging device
EP3499184B1 (en) Measurement method and apparatus
JP6975003B2 (ja) 周辺監視装置およびその校正方法
JP6383439B2 (ja) 認識されたオブジェクトを用いてセンサのキャリブレーションを行うための方法およびシステム
JP6112351B2 (ja) 傾斜角補正装置、傾斜角補正プログラム、傾斜角補正方法、撮像装置
KR20130106636A (ko) 이미지 촬영 장치 및 이미지 촬영 장치의 신호 보정 방법
EP2944257B1 (en) Radiation imaging apparatus, method of determining radiation irradiation, and storage medium
CN117288151B (zh) 一种投影设备的三维姿态确定方法、装置和电子设备
KR102592745B1 (ko) 자세 추정 장치, 자세 추정 방법 및 기록 매체에 저장된 컴퓨터 프로그램
JP4742883B2 (ja) 遠赤外撮像装置及び出力値補正方法
WO2014068858A1 (ja) 車両用画像処理装置
US8599272B2 (en) Imaging apparatus with roll angle correction and method of angle correction of object
US10362303B2 (en) Sensor-assisted autofocus calibration
JP2013207611A (ja) 撮像装置
KR100874670B1 (ko) 이미지 프로세서, 이미지 처리 장치 및 결함 픽셀 보정 방법
KR101840837B1 (ko) 적외선 검출기의 온도에 따른 불량화소 검출장치 및 방법
JP5102181B2 (ja) 建造物壁面の変状部検出方法、変状部検出装置および変状部検出プログラム
JP4329677B2 (ja) 動き検出装置
EP3348961A1 (en) In-vehicle stereo camera device and method for correcting same
JP2008046073A (ja) 角度計測装置、撮影装置、及び角度計測方法
JP2007325120A (ja) 遠赤外線撮像システム及び遠赤外線撮像方法
JP6960875B2 (ja) 撮像装置および撮像システム
JP7031570B2 (ja) 振動検出方法
JP5267248B2 (ja) 撮像装置
CN113167810A (zh) 电子装置,校正方法和程序

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160419

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170216

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170301

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6112351

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151