以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、内枠12と前面枠14と下皿ユニット15とが開放された状態におけるパチンコ機10の斜視図であり、図3は、内枠12の開閉を検知する内枠スイッチSW1の構造を示す模式図である。なお、図2においては、便宜上、遊技盤13及びガラスユニット16を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。遊技場においては、外枠11の外周面が遊技場の島と呼ばれる設置箇所に固定される。内枠12、前面枠14および下皿ユニット15は、外枠11に対して前面側に開放可能に構成されるので、パチンコ機10の前面側からは触れられない裏面側や内部に対しての点検や調整は、外枠11に対して内枠12等を前面側に開放して行われる。
外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12は、矩形状に形成されたABS樹脂製の内枠ベース25(図2参照)を主体に構成されており、内枠ベース25の中央部には略円形状の中央窓25a(図2参照)が形成されている。内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図4参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図9参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
本実施形態のパチンコ機10では、図2に示すように、外枠11と内枠12との間に、内枠12の開放および閉鎖を検知する内枠スイッチSW1(SW1a,SW1b)が設けられており、内枠12と前面枠14との間には、前面枠14の開放および閉鎖を検知する前面枠スイッチSW2(SW2a,SW2b)が設けられている。内枠スイッチSW1は、外枠11の内枠12と対向する面に配設された雌型スイッチSW1aと、内枠12の外枠11と対向する面に配設された絶縁性部材から構成される雄型スイッチSW1bとから構成される。また、前面枠スイッチSW2は、内枠12の前面枠14と対向する面に配設された雌型スイッチSW2aと、前面枠14の内枠12と対向する面に配設された雄型スイッチSW2bとから構成される。
ここで、図3を参照して、内枠スイッチSW1および前面枠スイッチSW2の構造について説明する。なお、内枠スイッチSW1と前面枠スイッチSW2とは同一の構造であるので、内枠スイッチSW1についてその構造を説明し、前面枠スイッチSW2についてはその説明を省略する。なお、図3(a)は、内枠12が閉鎖されている場合における内枠スイッチSW1の状態(オフ状態,遮断状態)を示す模式図である。また、図3(b)は、内枠12が開放されている場合における内枠スイッチSW1の状態(オン状態,導通状態)を示す模式図である。
図3(a)に示すように、外枠11の内枠12と対向する面に配設された雌型スイッチSW1aには、導電部材である金属から構成される一対の端子対SW1cが内蔵されている。
ここで、内枠12が閉鎖されている場合には、外枠11の内枠12と対向する面に配設された雌型スイッチSW1aに、内枠12の外枠11と対向する面に配設された雄型スイッチSW1bが内挿される。雌型スイッチSW1a内に内挿された雄型スイッチSW1bは、端子対SW1cの間へ介挿されて端子対SW1c同士の接触を妨げる。このように、内枠12が閉鎖されている場合には、端子対SW1c同士の接触は絶縁性の雄型スイッチSW1bによって妨げられるので、内枠スイッチSW1はオフされた(導通が遮断された)状態となる。
一方、図3(b)に示すように、内枠12が開放されている場合には、内枠12の外枠11と対向する面に配設された雄型スイッチSW1bが、外枠11の内枠12と対向する面に配設された雌型スイッチSW1aから引き抜かれる。雌型スイッチSW1a内の端子対SW1cは、互いに対向する方向に付勢力が発生する構造であるため、雄型スイッチSW1bが雌型スイッチSW1aから引き抜かれた状態では、端子対SW1c同士が接触する。よって、内枠12が開放されている場合には、内枠スイッチSW1はオンされた(導通された)状態となる。
このように、内枠スイッチSW1は、内枠12が閉鎖された場合にはオフされる(遮断状態となる)一方で、内枠12が開放された場合にはオンされる(導通状態となる)。この内枠スイッチSW1の構造は、図3に図示した形状に限られるものではなく、内枠12が閉鎖された場合に内枠スイッチSW1がオフされ、内枠12が開放された場合に内枠スイッチSW1がオンされる構造であれば良い。これは、前面枠スイッチSW2の構造についても同様である。
なお、内枠スイッチSW1は、内枠12が開放されている状態と内枠12が閉鎖されている状態とを区別可能であればよい。つまり、内枠12が閉鎖された場合にはオンされ、内枠12が開放された場合にはオフされる構造のスイッチを内枠スイッチSW1として使用してもよい。同様に、前面枠14が閉鎖された場合にはオンされ、前面枠14が開放された場合にはオフされる構造のスイッチを前面枠スイッチSW2として使用してもよい。
図1に示すように、前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81で表示される装飾的な変動表示(変動演出)の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図4参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ(図示せず)と、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ(図示せず)と、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。遊技者が打ち止めスイッチを操作することなく操作ハンドル51を遊技者によって右回りに回転操作すると、タッチセンサがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射される。これにより、遊技者による操作ハンドル51の回動操作量に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。なお、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサおよび打ち止めスイッチがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、前述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図4はパチンコ機10の遊技盤13の正面図である。図4に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、第2入球口67(スルーゲート)、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。なお、この図4は、符号を分かり易くするために、釘や金具などの一部を削除し図示したものである。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が落下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材(図示せず)が取り付けられている。一旦、遊技盤13の上部へ案内された球は、この戻り球防止部材により、再度球案内通路内に戻ることが防止される。外レール62の先端部(図4の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視左側(図4の左側)には、主に第1図柄を表示するための第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37には、7セグメントLED37aと、LED37bと、特図保留ランプ37cとが設けられている。7セグメントLED37aは、大当たり遊技中のラウンド数やエラー表示を行うものである。
一方、LED37bは、赤、緑、青の発光色を有する三色発光ダイオード(三色LED)により構成され、その点灯色(点灯態様)によって第1図柄を表示するものである。具体的に、球が第1入球口64に入賞する毎にLED37bの色換え表示(変動表示)が行われ、その変動表示が停止したときの第1図柄(即ち、LED37bの点灯色)により、第1入球口64への入賞をトリガとして主制御装置110(図7,図9参照)でなされる大当たりの抽選結果が確定的に表示される。
より詳しくは、球が第1入球口64に入賞すると、LED37bは、3色LEDを赤→緑→青→赤→・・・という順序で高速に色換え表示(変動表示)し、所定時間が経過すると、いずれかの色で確定表示する。大当たり抽選に当選した場合には、LED37bは、赤色又は緑色で確定表示(例えば、数秒間の停止表示)される。
特に、赤色での確定表示は、当選した大当たりの種別が「確変大当たり」であることを示す。LED37bが赤色で確定表示した場合には、特別遊技状態(大当たり遊技)が終了した後の遊技モードが、大当たり抽選の大当たり確率が通常確率よりアップするとともに、後述する第2図柄の当たり確率が通常確率よりアップする高確率モードとなる。一方、緑色での確定表示は、当選した大当たりの種別が「通常大当たり」であることを示す。LED37bが緑色で確定表示した場合には、特別遊技状態が終了した後の遊技モードが、大当たり抽選の大当たり確率は通常確率であるが、第2図柄の当たり確率が通常確率よりアップする時間短縮モードとなる。
なお、高確率モードや時間短縮モードにおいて、第2図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物を開放する時間や、1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしてもよい。
また、大当たり抽選に当選しなかった場合、即ち、大当たり抽選の結果が「外れ」である場合には、LED37bは、青色で確定表示される。LED37bが青色で確定表示した場合、特別遊技状態が終了した後の遊技モードは、大当たり抽選の大当たり確率及び第2図柄の当たり確率がいずれも通常確率である通常モードとなる。
また、特図保留ランプ37cは、第1入球口64への球の入賞(入球)を保留した回数を表示するものであり、本実施形態では、4個の単色LED(例えば、赤色LED)から構成される。本実施形態のパチンコ機10では、球が第1入球口64へ球が入賞して大当たりの抽選が開始されてから、第1図柄表示装置37において、LED37bによる第1図柄の停止表示(確定表示)がされるまでの間に、第1入球口64への球の入賞(入球)は、最大4回まで保留されるように構成されており、その保留回数が特図保留ランプ37cを構成するLEDの点灯個数によって表示される。以下では、第1入球口64についての保留回数のことを、特図保留球数Nと称することがある。なお、特図保留ランプ37cを、例えば、2個の三色LEDにより構成し、各LEDの表示色の組み合わせによって、保留回数(本実施形態では、4)を表示するようにしてもよい。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入賞(入球)をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下、単に「LCD」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67(スルーゲート)の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示部83と、第2入球口67(スルーゲート)を通過した球の保留球数を示す第2図柄保留ランプ84とが設けられている。
第3図柄表示装置81は、後述する演出制御装置117(図9参照)によって表示内容が制御され、例えば、左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の第3図柄によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横にスクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が変動表示されるようになっている(図8参照)。なお、本実施形態では、第1図柄表示装置37において、主制御装置110(図9参照)の制御に伴った遊技状態や、大当たりの抽選結果を示す第1図柄の表示(LED37bの点灯)が行われるのに対し、その第1図柄の表示に応じた装飾的な表示が、第3図柄表示装置81において行われる。なお、LCDに代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
また、本実施形態では、第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成され、可変表示装置ユニット80には、この第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、樹脂製のセンターフレーム86が配設されている。
センターフレーム86には、その左側の内部に、球(遊技球)が通過可能にトンネル状に形成された導入経路(いわゆるワープルート)401が設けられている。導入経路401は、球P(図5参照)の外径分より大きな幅を持たせた略矩形の断面形状に形成され、第3図柄表示装置81の上部の高さで左側に開口する入口401aと、第3図柄表示装置81の下側に形成されたステージ403(図5参照)とを連続させる。入口401aに流入した球Pは、導入経路401を経由してステージ403上に導かれる。
ここで、図5を参照して、ステージ403について説明する。図5は、センターフレーム86の下部周辺を拡大して示す斜視図である。図5に示すように、センターフレーム86の下部左側には、ステージ403が設けられている。ステージ403は、導入経路401を経由して誘導された球Pをセンターフレーム86の下部中央に誘導する開放された経路である。
ステージ403は、その左側(即ち、導入経路401の出口側)から、右側(即ち、センターフレーム86の中央側)に向けて、一旦下降傾斜した後、再度上昇するように形成されている。即ち、ステージ403は、左右両側が高く、その途中が低く窪んだ形状に形成されている。
ステージ403の右側には、凹部406が形成されている。凹部406は、ステージ403の右端の高さより一段低く、センターフレーム86の下部中央部分を左右に分断するように形成されている。凹部406には、遊技盤13の盤面に対して平行な軸であって略水平な回動軸410aにより回動可能にセンターフレーム86に支持された樹脂製の電動役物である振分ローラ410が設けられている。
振分ローラ410は、円筒状に形成され、その両端には細く棒状に突出した回動軸410aが設けられる。両端の回動軸410aがセンターフレーム86(より具体的には、凹部406の側面)に設けられる穴(図示せず)に差し込まれ、これにより、振分ローラ410は回動可能とされている。
この振分ローラ410の外周面には、球Pを予め定めた方向に沿って転動させるための2本の溝411が形成されている。なお、図5では、振分ローラ410の上方側に位置する1本の溝411のみが描かれているが、振分ローラ410の下方側の見えない位置(図5にて描かれている溝411に対して外周方向に180°離れた位置)に別の1本の溝411が形成されている。なお、本実施形態では、溝411の数を2本としたが、1本であっても、3本以上であってもよい。
振分ローラ410に形成される2本の溝411は、それぞれ、振分ローラ410の中央部と左側端部とを結ぶ直線状に円筒の外面が窪むとともに、正面視した場合に振分ローラ410の中央部において上側(矢印R1の向き)に外周方向に沿って連続して窪んだL字状に形成されている。
振分ローラ410の回転により、溝411が、図5に示すような、ステージ403に連続する位置に位置する場合には、ステージ403上を右側に向かって転動する球Pは、ステージ403の右端部から溝411上へと転動し、溝411に沿って振分ローラ410の中央部にまで転動した後、溝411の形状に沿って進行方向を左に変え、第3図柄表示装置81の側に誘導される。溝411上を転動する遊技球は、センターフレーム86に形成された特別穴404へと誘導される。
特別穴404は、ステージ403上で転動する遊技球が流下する流下部を形成する。この特別穴404は、センターフレーム内部に形成された図示されない経路によって出口穴405に連続している。よって、ステージ403から溝411へと転動し、特別穴404へと誘導された球Pは、図示されない経路を通過して出口穴405から出る。出口穴405から出た球Pは、その出口穴405のすぐ下にある第1入球口64にほぼ確実に入賞する。
一方で、振分ローラ410は、2本の溝411が形成されていることにより、溝411のない外周面412が、溝411に対する突出部となる。この外周面412は、溝411の位置がステージ403に連続する位置でない場合にステージ403と振分ローラ410との境界に段差を形成する。よって、溝411の位置がステージ403に連続する位置にない場合には、ステージ403を転動する球Pは、外周面412により形成される段差により、ステージ403の右端部より右側への転動が阻止され、ステージ403の手前側の端部によって形成される流下部Uから遊技盤13の前面側に流下する。流下部Uから流下した遊技球が第1入球口64に入賞する確率は、特別穴404を通過する場合に比べて低い。
図4に戻って説明する。パチンコ機10の正面視における振分ローラ410の右側には、振分ローラ410を動作(回動、回転)させるための駆動力を付与するための振分ローラ用モータ420が設けられている。この振分ローラ用モータ420は、電気モータによって構成され、パチンコ機10の電源がオンされると、電源基板(電源装置115)から供給される電力によって駆動され、それにより、回動を開始する。
振分ローラ用モータ420と振分ローラ410とは図示されないギアを介して連結されており、振分ローラ用モータ420を回動させると、振分ローラ用モータ420の回動力が、ギアを介して振分ローラ410に伝達され、それにより、振分ローラ410が回転する。
なお、本実施形態では、振分ローラ用モータ420は、振分ローラ410を矢印R1方向(図5参照)に回転させるように回動する。また、振分ローラ用モータ420は、パチンコ機10の電源がオンとなっている間(電源投入されている間)、一定速度で常時回動する。これにより、パチンコ機10の電源がオンとなっている間、振分ローラ410は常時矢印R1方向に一定速度で回転する。
なお、振分ローラ410を必ずしも矢印R1方向に回動させる必要はなく、その反対方向に回動させても良い。また、振分ローラ用モータ420は、本実施形態においては電気モータによって構成されるものであるが、ステッピングモータやサーボモータ等の別のモータで構成しても良い。
図4に示すように、センターフレーム86の右側の正面には、上下方向に長い矩形に開口された凹部86aが形成されており、その凹部86aには、演出用の電動役物である樹脂性の可動表示体501が収納されている。なお、本実施形態のパチンコ機10には、演出用の電動役物としては、この可動表示体501のみが設けられているものとする。
ここで、図6を参照して、可動表示体501について説明する。図6(a)は、可動表示体501を示す斜視図であり、図6(b)は、可動表示体501における側面501aの表示内容を説明するための模式図である。なお、図6(a)では、可動表示体501における側面501aの表示内容の図示を省略している。
可動表示体501は、第3図柄表示装置81に表示される装飾的な変動表示(変動演出)による遊技の興趣を高めるために用いられる演出用の電動役物である。図6(a)に示すように、この可動表示体501は、矩形の4面501a1〜501a4からなる側面501aを有する直方体として構成される。
この可動表示体501の下面の中心には、回動軸502が連設されている。可動表示体501は、回動軸502により回動可能にセンターフレーム86に支持されている。回動軸502における可動表示体501から離れる側には、図示されないギアを介して、可動表示体用モータ520(図4参照)が接続されている。かかるギアを介して、可動表示体用モータ520の回動力を回動軸502に伝達することができ、それにより、回動軸502及び回動軸502に連設される可動表示体501を回転させることができる。
回動軸502には、半径方向に外側へ延びる板状のセンサカットバン503が設けられている。センサカットバン503は、可動表示体501の位置合わせに使用する不透明な部材である。具体的に、パチンコ機10の演出制御装置117(図9参照)は、このセンサカットバン503が、センターフレーム86内の所定位置に設けられたフォトセンサ504により検出される位置をゼロ点(基準位置)とし、そのゼロ点に基づいて、可動表示体501を初期位置に復帰させる。
図6(b)に示すように、側面501aを構成する4つの面501a1〜501a4には、それぞれ、所定の文字列が、遊技者に視認させる表示内容として印刷されている。なお、本実施形態では、各面501a1〜501a4に文字列が印刷されているものとしたが、絵柄などであってもよい。
具体的に、第1面501a1には「A物語」という文字列が印刷され、第2面501a2には「アツイ?」という文字列が印刷され、第3面501a3には「確定?」という文字列が印刷され、第4面には「激アツ?」という文字列が印刷されている。
これらの面501a2〜501a4のうち、第1面501a1は、図柄の変動表示を行っていないときに正面側(遊技者に対向する側)に向けて停止させるための面である。なお、本実施形態では、第1面501a1が正面側に向けられる位置が、可動表示体501の初期位置とされている。
一方で、第2〜第4面501a2〜501a4は、図柄の変動表示の実行中に正面側に向けて停止させるための面である。可動表示体501は、図柄の変動表示の実行中に回転され、第2〜第4面501a2〜501a4のうち、その変動表示の内容に応じて決定されたいずれかの面が正面側に向けて停止される。これにより、遊技者は、正面側を向けて停止された面の表示内容を視認することができる。遊技者は、視認した面501a2〜501a4の表示内容(文字列)に応じて、大当たりに対する期待感を上下させることができ、それにより、遊技の興趣を向上させることができる。
図4に戻って説明する。パチンコ機10の正面視における可動表示体501の下側には、可動表示体501を回転(回動)させるための駆動力を付与するための可動表示体用モータ520が設けられている。この可動表示体用モータ520は、位置決め制御可能なステッピングモータにより構成される。なお、本実施形態では、可動表示体用モータ520は、可動表示体501を矢印R2方向(図6(a)参照)に回転させるように回動する。これにより、可動表示体501は矢印R2方向に回転する。
この可動表示体501は、図柄の変動表示が行われていない場合には、図柄の変動表示後に可動表示体501を初期位置に復帰させる場合を除き、初期位置(即ち、第1面501a1が正面に向く位置)で、停止(静止)した状態とされる。なお、本実施形態では、可動表示体501は、変動表示後に図柄が停止表示してから、所定の確定表示期間(本実施形態では、0.5秒)が経過すると初期位置に復帰される。
また、可動表示体501は、図柄の変動表示の開始後、高速変動が行われている間(本実施形態では、3秒間)は動作させないように構成されている。つまり、可動表示体501は、図柄の変動表示の実行中(変動中)であっても、変動表示の開始後から3秒間は動作せずに停止したままとされる。このように、可動表示体501は、遊技中に常時動作(回動)し続ける振分ローラ410とは異なり、遊技中に必要に応じて動作したりしなかったりする電動役物である。
なお、可動表示体501を必ずしも矢印R2方向に回動させる必要はなく、その反対方向に回動させても良い。また、振分ローラ用モータ420は、本実施形態においてはステッピングモータによって構成されるものであるが、他の位置決め制御可能なモータ(例えば、サーボモータなど)で構成してもよい。
図4に戻って説明する。センターフレーム86には、特図保留ランプ85が第3図柄表示装置81の上方に設けられている。本実施形態のパチンコ機10は、大当たりの抽選が開始されてから、第1図柄表示装置37において、各種の停止図柄(例えば、確変大当たりを示す第1図柄、通常大当たりを示す第1図柄、外れを示す第1図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に、球が第1入球口64へ入賞(入球)した場合、その入賞(入球)回数を、最大4回まで保留する。この保留回数は、上述した通り第1図柄表示装置37により示されると共に、特図保留ランプ85の点灯個数においても示される。以下では、第1入球口64についての保留回数のことを、特図保留球数Nと称することがある。なお、特図保留ランプ85は、最大保留回数分の4つ設けられている。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入賞が最大4回まで保留されるように構成するが、最大保留回数(即ち、特図保留球数Nが取り得る最大値)は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、特図保留ランプ85を削除し、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37において保留回数が表示される場合には、特図保留ランプ85を設けない構成としてもよい。
また、センターフレーム86には、第2図柄表示部83が設けられている。第2図柄表示部83は、球が第2入球口67(スルーゲート)を通過する毎に、表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示を行うものである。本実施形態のパチンコ機10は、第2図柄表示部83における変動表示が所定図柄(「○」の図柄)で停止した場合に、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となり、球が第1入球口64へ入球し易い状態となるように構成されている。
球の第2入球口67(スルーゲート)の通過回数は、最大4回まで保留され、その保留回数が、センターフレーム86に設けられた第2図柄保留ランプ84において点灯表示される。なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67(スルーゲート)についての球の保留回数は、第1入球口64についての保留回数と同様に、最大回数が4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第2入球口67についての球の保留回数を第1図柄表示装置37に設けられたLEDを用いて表示する構成としてもよい。第1図柄表示装置37や第3図柄表示装置81に第2入球口67についての球の保留回数を表示させる場合には、第2図柄保留ランプ84を設けない構成としてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ208a(図9参照)がオンとなり、その第1入球口スイッチ208aのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた第1図柄の停止図柄が第1図柄表示装置37(LED37b)に表示されると共に、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が第3図柄表示装置81により示される。
また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球の数と、一般入賞口63へ球が入球した場合に払い出される賞球の数とを同じに構成したが、異なる数としても良い。例えば、第1入球口64へ球が入球した場合に払い出される賞球の数を20個としても良い。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりであった場合、所定時間(変動時間)が経過した後に、第1図柄表示装置37のLED37bを大当たりの停止図柄となるように点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(本実施形態では、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時(非特別遊技状態)より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図9に示すソレノイド209の一部)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞し易い開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、特別遊技状態は上述した形態に限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37のLED37bが大当たりに対応する態様で点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
なお、遊技盤13の裏面側には、外部から印加された磁界(磁気)を検知する磁気センサ装置601(図9参照)や、外部から付与された振動(揺れ)を検知する振動センサ装置602(図9参照)等、不正行為を検出するための各種センサ装置が設けられている。例えば、不正行為の1つとして、磁石などを用いて不正に球を第1入球口64へ誘導する不正行為(所謂「磁石ゴト」)があるが、磁気センサ装置601は、かかる不正行為を検出するために設けられている。また、別の不正行為として、パチンコ機を揺らしたり叩いたりして、遊技球をセンターフレームの役物の溝に乗せるようにする等、遊技球の挙動を不正に操作するもの(所謂「ドツキ」)があるが、振動センサ装置602は、かかる不正行為を検出するために設けられている。
図7はパチンコ機10の背面図である。図7に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と、演出制御基板(演出制御装置117)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と、発射制御基板(発射制御装置112)と、電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、演出制御装置117、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図9参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図9参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
また、詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機10は、遊技中に、磁気センサ装置601(図9参照)により磁気が検出された場合に、不正行為の疑いがあるために遊技の進行を制限する(具体的には、球の発射を禁止する)構成とされており、RAM消去スイッチ122は、その制限を解除するためのスイッチとしても機能する、具体的に、遊技の進行が制限された場合には、電源をオンの状態としたままRAM消去スイッチ122を長押し(本実施形態では、1s間の長押し)をすると、その操作が不正の疑いのない正当な操作であるとみなされ、遊技の進行を制限した時期の状態に復帰させた上で、遊技の進行の制限が解除される(図23参照)。
次に、図8を参照して、本実施形態のパチンコ機10における第3図柄表示装置81に表示される表示内容について説明する。図8は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための模式図である。
図8に示すように、第3図柄は、「0」から「9」の数字に対応する10種類のキャラクタ図柄からなる10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された1種類の副図柄(本実施の形態では、貝の絵図柄)とにより構成されている。これらの主図柄及び副図柄は、数字の昇順又は降順に主図柄が配列されると共に各主図柄の間にそれぞれ副図柄が配列されることによって図柄列(仮想図柄リール)を構成している。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃って停止する変動表示が行われ、その変動表示後(即ち、同一の主図柄が揃って停止した後)に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率モード(確変モード)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃って停止する変動表示が行われる。一方、大当たり終了後に通常モードに移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「通常図柄」に相当)が揃って停止する変動表示が行われる。
本実施形態では、図柄の変動方向は横方向Xとされており、かかる横方向の変動(横スクロール)において、各図柄列は、上・中・下の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示され、各図柄列(Z1〜Z3)毎に左・中・右の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。ここで、上図柄列Z1においては、主図柄列に対応する数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び下図柄列Z3においては、主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
第3図柄表示装置81の表示画面には、5つの有効ラインが設定されている。具体的には、図8に示すように、左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の5つのラインが有効ラインとして設定されている。
第1入球口64へ球が入球(入賞)し、所定の変動方向(本実施形態では横方向X)にスクロールする変動表示が実行された場合、その変動表示は、所定の変動時間後に、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順で停止する。このとき、いずれかの有効ライン上に、大当たり図柄の組み合わせ(本実施形態では、同一の主図柄の組み合わせ)が揃って停止すれば、大当たりが発生し、その大当たり遊技中に大当たり動画(大当たり演出)が表示される。
なお、本実施形態では、変動方向(スクロール方向)を横方向Xとしたが、変動方向は縦方向(即ち、横方向Xと直交する方向)であってもよい。変動方向を縦方向(縦スクロール)とする場合には、有効ラインを、上ライン(図8におけるZ1のライン)、中ライン(図8におけるZ2のライン)、下ライン(図8におけるZ3のライン)、右上がりラインL4、左上がりラインL5の5つとすればよい。そして、縦スクロールの場合には、例えば、左図柄列L1’→右図柄列L3→中図柄列L2の順に変動表示を停止する。
次に、図9を参照して、上述したパチンコ機10の電気的構成について説明する。図9は、パチンコ機10の構成を示すブロック図である。主制御装置110は、パチンコ機10全体の動作を制御するものであり、払出制御装置111や、演出制御装置117などのサブ制御装置に対して各種コマンドを送信し、サブ制御装置の動作を制御するものである。なお、主制御装置110からサブ制御装置へ送信される各種コマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。なお、サブ制御装置から主制御装置110へ、サブ制御装置の状態を示すコマンドを送信するように構成しても良い。
この主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、後述する各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路とが内蔵されている。
ここで、図10を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられている保留球格納エリアや、カウンタ用バッファや、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2等について説明する。図10は、各カウンタの概要を示す模式図である。
保留球格納エリアや、カウンタ用バッファや、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2等は、大当たりの判定や第1図柄表示装置37の表示の設定、第2図柄表示部83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201により使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2,CS3とが用いられる。また、第2図柄表示部83の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新される毎に、前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
これらの各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2は、メイン処理(図13参照)の実行間隔である4ms間隔、またはタイマ割込処理(図17参照)の実行間隔である2ms間隔で更新され、その更新値がRAM203のワークエリア(図示せず)に設けられているカウンタ用バッファに適宜記憶される。なお、各種の制御プログラムの実行に際して、各カウンタC1〜C4,CS1〜CS3,CINI1〜CINI2の各値が参照される場合には、カウンタ用バッファに記憶されている各カウンタの各値がそれぞれ参照される。
保留球格納エリアは、球が第1入球口64へ入賞(入球)した場合に、その入賞タイミングに合わせて、各カウンタC1〜C3の値を記憶するためのメモリである。この保留球格納エリアには、球の入賞タイミングで取得されたデータ(各カウンタC1〜C3の値)を最大4回分まで記憶できるように、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)を有していると共に、変動開始処理(図16参照)において参照される1つの実行エリアとから構成されている。
保留球格納エリアにおける4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)にはそれぞれ、第1当たり乱数カウンタC1の値を格納するためのエリアと、第1当たり種別カウンタC2の値を格納するためのエリアと、停止パターン選択カウンタC3の値を格納するためのエリアとが設けられている。なお、本実施形態では、1の保留球格納エリア内の各保留エリアの中に、カウンタC1〜C3の値が格納される3つのエリアを設ける構成としたが、保留球格納エリアを複数設けて、これら3つのエリアを複数の保留球格納エリアに分けて記憶する構成としてもよい。例えば、カウンタC1〜C3の値を格納するための3つのエリアのうちの一部(1又は2つのエリア)を、2つ設けられた保留球格納エリアのうちの一方に設け、残りのエリアを他方の保留球格納エリアに設けるように構成してもよい。
上述した通り、保留球格納エリアには、球が第1入球口64へ入賞したタイミングで取得されるデータ(各カウンタC1〜C3の値)を最大4回分まで記憶することができるが、複数回のデータを記憶する場合には、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番にデータが記憶される。即ち、エリア番号の小さい保留エリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶される。よって、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶されることになる。
保留球格納エリアにおける実行エリアには、第1当たり乱数カウンタC1の値を格納するためのエリアと、第1当たり種別カウンタC2の値を格納するためのエリアと、停止パターン選択カウンタC3の値を格納するためのエリアとが設けられている。後述する変動処理(図14参照)において、保留球格納エリアの保留第1エリアに記憶されているデータ(各カウンタC1〜C3の値)が、実行エリアにシフトされて参照され、その参照データに基づいて大当たりの抽選結果が決定される。そして、その抽選結果に対応する変動表示及び停止表示が、第1図柄表示装置37(LED37b)などで行われる。
次に、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成されており(値=0〜738)、タイマ割込処理(図17参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図13参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア、より具体的には、保留球格納エリアにおける最もエリア番号の小さい空き保留エリア内の該当エリアに記憶される。本実施形態では、大当たりとなる乱数の値の数は、通常モード又は時間短縮モードにおける通常確率時(大当たり確率が通常の状態)と、高確率モードにおける高確率時(大当たり確率が通常よりも高い状態)との2種類設定されている。通常確率時(大当たり確率が通常の状態)に大当たりとなる乱数の値は2種類で、その値は「373,727」である。一方、高確率時(大当たり確率が通常よりも高い状態)に大当たりとなる乱数の値は13種類で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」である。なお、第1当たり乱数カウンタC1の値(乱数値)から、大当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりの種別を決定するためのカウンタである。本実施形態では、第1当たり種別カウンタC2により決定される大当たりの種別として、大当たり終了後に高確率モードとなる大当たり(確変大当たり)と、大当たり終了後に時間短縮モードとなる大当たり(通常大当たり)とがあり、球が第1入球口64に入賞したタイミング取得された第1当たり種別カウンタC2の値に応じて、これら2種類の大当たり種別のうちのいずれかが決定される。
本実施形態において、第1当たり種別カウンタC2は、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば定期的に(本実施形態では、後述する図17のタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア、より具体的には、保留球格納エリアにおける最もエリア番号の小さい空き保留エリア内の該当エリアに記憶される。本実施形態では、「大当たり終了後に高確率モードとなる大当たり(確変大当たり)」となる乱数の値は「1,2,3」であり、「大当たり終了後に時間短縮モードとなる大当たり(通常大当たり)」となる乱数の値は「0,4」である。この第1当たり種別カウンタC2の値(乱数値)から、「大当たり終了後に高確率モードとなる大当たり」か「大当たり終了後に時間短縮モードとなる大当たり」かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
なお、本実施形態では、球が第1入球口64へ入賞したタイミングで取得されたデータ(カウンタC1〜C3の値)のうち、第1当たり乱数カウンタC1の値に基づき「大当たり」と判定され、かつ、第1当たり種別カウンタC2の値に基づき「大当たり終了後に高確率モードとなる大当たり」と判定された場合に、その大当たりが「確変大当たり」となる。一方、第1当たり乱数カウンタC1の値に基づき「大当たり」と判定され、かつ、第1当たり種別カウンタC2の値に基づき「大当たり終了後に時間短縮モードとなる大当たり」と判定された場合に、その大当たりが「通常大当たり」となる。
よって、第1当たり乱数カウンタC1の値と第1当たり種別カウンタC2の値とに基づき、2種類の大当たり(確変大当たり、又は通常大当たり)に対応した表示態様と、外れに対応した1種類の表示態様との合計3種類の表示態様のうち、いずれか1つの表示態様が、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様として選択される。
なお、本実施形態における「確変大当たり」は、最大ラウンド数が16ラウンドである大当たりの後、次に大当たり(確変大当たり、又は、通常大当たり)となるまでの間は、遊技モードが高確率モードとなる大当たりである(16ラウンド確変大当たり)。高確率モードでは、第1図柄の大当たり確率が高確率(通常確率よりも高い確率)にされると共に、第2図柄の当たり確率も、通常確率より高い確率とされる。
なお、本実施形態では、「確変大当たり」となった場合には、次に大当たり(確変大当たり、又は、通常大当たり)となるまでの間は、高確率モードとして、第1図柄の大当たり確率と第2図柄の当たり確率との両方が通常確率より高い確率とされる構成としたが、第2図柄の当たり確率をアップする期間を、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)としてもよい。
また、本実施形態における「通常大当たり」は、最大ラウンド数が16ラウンドである大当たりの後、所定の変動回数(例えば、100変動回数)の間、遊技モードが時間短縮モードとなる大当たりである(16ラウンド通常大当たり)。時間短縮モードでは、第1図柄の大当たり確率は通常確率であるが、第2図柄の当たり確率が通常確率より高い確率とされる。なお、本実施形態では、「通常大当たり」となった場合には、所定の変動回数の間、遊技モードを時間短縮モードにする構成としたが、これに換えて、次の大当たりの抽選結果が決定されるまで、遊技モードを時間短縮モードとする構成としてもよい。
また、本実施形態では、「確変大当たり」又は「通常大当たり」の最大ラウンド数を16ラウンドとするが、最大ラウンド数は16ラウンドに限らず、種々の値(例えば、7ラウンドや、15ラウンドなど)とすることができる。また、本実施形態では、「確変大当たり」の最大ラウンドも「通常大当たり」の最大ラウンド数も両方とも16ラウンドとするが、最大ラウンド数が「確変大当たり」と「通常大当たり」とで異なるようにしても良い。例えば、「確変大当たり」の最大ラウンド数を16ラウンドとし、「通常大当たり」の最大ラウンド数を7ラウンドとしても良い。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される演出のパターンが選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば0〜8の範囲)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば9〜38の範囲)と、リーチが発生しない「完全外れ」(例えば39〜238の範囲)との3つの停止パターン(動的表示の表示結果の態様)が選択される。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア、より具体的には、保留球格納エリアにおける最もエリア番号の小さい空き保留エリア内の該当エリアに記憶される。
なお、停止パターン選択カウンタC3の値(乱数値)から、停止パターンを選択するために参照されるテーブル(図示せず)は、主制御装置110のROM202内に設けられており、停止パターンは、このテーブルと停止パターン選択カウンタC3の値とに基づいて選択される。なお、かかるテーブルは、1の停止パターンを取り得る停止パターン選択カウンタC3の値の範囲が異なるように、複数のテーブルが設けられている。これは、パチンコ機10の現在の状態が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)であるかや、通常状態(大当たり確率が通常の状態)であるかや、特図保留球数N等に応じて、各停止パターンの選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が10〜238と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルでは、「前後外れリーチ」の乱数値の範囲が0〜5と狭くなると共に、「前後外れ以外リーチ」の乱数値の範囲も6〜9と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。
また、通常状態(大当たり確率が通常の状態)で、保留球格納エリアに各乱数値が記憶(保留)されていなければ、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が51〜238と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルでは、「前後外れリーチ」の乱数値の範囲が0〜8であり、「前後外れ以外リーチ」の乱数値の範囲が9〜50と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、通常状態(大当たり確率が通常の状態)では、第1入球口64への球の入球時間を確保できるので、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。
次に、3つの変動種別カウンタCS1〜CS3のうち、変動種別カウンタCS1,CS2について説明する。一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」とも称することがある。
第1変動種別カウンタCS1は、第3図柄の変動表示(動的表示)のパターン(変動パターン)を選択(選定)するために使用するカウンタである。この第1変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図13参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
本実施形態では、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて選択可能な変動パターンとして、通常変動、ノーマルリーチ変動、及びスーパーリーチ変動という3種類の変動パターンが設定されている。第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて選択される各変動パターンは、演出時間(変動時間)が異なるように構成されている。
これらの変動パターンのうち、「通常変動」は、リーチ表示を伴わずにハズレの表示結果を現出する変動パターン(即ち、外れ変動)である。本実施形態では、「通常変動」は、変動時間が11秒の変動パターンとして構成される。
「ノーマルリーチ変動」は、リーチ表示を伴う所謂ノーマルリーチの変動パターンである。本実施形態では、「ノーマルリーチ変動」は、変動時間が20秒の変動パターンとして構成される。
「スーパーリーチ変動」は、リーチが発生してから最終図柄が停止するまでの間に所定の演出が現出するリーチパターンである。本実施形態では、「スーパーリーチ変動」は、変動時間が40秒の変動パターンとして構成される。なお、「スーパーリーチ変動」においてリーチが発生してから最終図柄が停止するまでの間に現出する所定の演出としては、特定のキャラクタを登場させることや、特定の背景表示を行うことや、特定の態様(例えば、図柄が拡大又は縮小されたり、図柄がゆらゆらと揺れたり、など)で図柄が変動されること等が例示される。
第1変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から変動パターンを選択する際には、ROM202に記憶されている第1選択テーブル(図示せず)が選定されて参照される。この第1選択テーブルは、第1当たり種別カウンタC2の値により決まる大当たり種別(確変大当たり又は通常大当たり)や、停止パターン選択カウンタC3の値により決まる外れ時の停止図柄(完全外れ、前後外れリーチ、又は前後外れ以外リーチ)毎に設けられており、各第1選択テーブルにおいて、変動パターンに対する第1変動種別カウンタCS1の範囲の割り当てが異なっている。即ち、第1選択テーブル毎に、変動パターンの選択確率が異なる。
一方、第2変動種別カウンタCS2は、リーチパターン(本実施形態では、ノーマルリーチ又はスーパーリーチ)において、最終停止図柄以外の図柄が停止してリーチが発生した後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を決定するためのカウンタである。この第2変動種別カウンタCS2の値は、後述するメイン処理(図13参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
なお、以下の説明では、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいて決定される、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を、単に「変動図柄数」と称することがある。即ち、本実施形態では、第2変動種別カウンタCS2の値により、ノーマルリーチにおける、左図柄列Z1の図柄(左図柄)及び右図柄列Z3の図柄(右図柄)が停止してから、中図柄列Z2の図柄(中図柄)が停止するまでの変動図柄数が決定される。
第2変動種別カウンタCS2の値(乱数値)から、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を決定する際には、ROM202に記憶されている第2選択テーブル(図示せず)が選定されて参照される。この第2選択テーブルは、第1当たり種別カウンタC2の値により決まる大当たり種別(確変大当たり又は通常大当たり)や、停止パターン選択カウンタC3の値により決まる外れ時の停止図柄(完全外れ、前後外れリーチ、又は前後外れ以外リーチ)毎に設けられており、各変動パターン選択テーブルにおいて、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数に対する、第2変動種別カウンタCS2の範囲の割り当てが異なっている。即ち、第2選択テーブルに応じて、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数の選択確率が異なる。
本実施形態のパチンコ機10は、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて変動パターンの種別を選択し、第2変動種別カウンタCS2の値に基づき、リーチ発生後に最終停止図柄が停止するまでの変動図柄数を決定する。即ち、第1変動種別カウンタCS1によって、ノーマルリーチ等のリーチの種別のような大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、例えばノーマルリーチA、ノーマルリーチB等のようにさらに細かな図柄変動態様が決定される。つまり、変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動表示の多種多様化を容易に実現できる。
次に、変動種別カウンタCS3について説明する。変動種別カウンタCS3の値は、例えば、0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後に0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS3を「第3変動種別カウンタ」と称する。
第3変動種別カウンタCS3は、予告演出の演出パターンを選択するためのカウンタである。即ち、本実施形態の第3図柄表示装置81は、第3図柄の変動以外に、変動している図柄を滑らせたり(所謂「スベリ演出」)、図柄を戻したり(所謂「戻り演出」)、リーチ演出の発生を予告するための予告キャラクタを通過させるなどの予告演出を行うことができるので、その予告演出の演出パターンが変動種別カウンタCS3によって選択される。具体的には、予告演出に必要となる時間を変動時間に加算(例えば、+0.5秒、+1秒、+2秒など)する演出パターンや、それとは反対に変動表示される時間を短縮するために変動時間を減算(例えば、−1秒など)する演出パターンや、変動時間を加減算しない演出パターンが選択される。
即ち、この第3変動種別カウンタCS3の値に基づき、演出時間の加減算値が決定される。第3変動種別カウンタCS3の値に基づき決定された演出時間の加減算値が、変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて決定される変動時間に加減算されることにより、第1図柄又は第3図柄の変動表示の変動時間(即ち、図柄の変動表示が開始されてから、最終停止図柄が停止するまでの変動時間)が決定される。よって、変動種別カウンタCS1,CS2に加え、さらに変動種別カウンタCS3を組み合わせることにより、変動表示をさらに多種多様化できる。
なお、上述した停止パターン選択カウンタC3の場合と同様に、この変動種別カウンタCS3の場合も、変動種別カウンタCS3の値(乱数値)に対して選択される予告演出の演出パターンの範囲が異なるように、複数のテーブルが設けられている。即ち、パチンコ機10の現在の状態が高確率状態(大当たり確率が通常よりも高い状態)であるかや、通常状態(大当たり確率が通常の状態)であるかや、特図保留球数N、等に応じて、各演出パターンの選択比率が異なるテーブルが設けられている。かかるテーブル(図示せず)は、上述した変動種別カウンタCS1,CS2と同様に、ROM202内に設けられている。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2当たり乱数カウンタC4の値は、例えば、本実施形態ではタイマ割込処理(図17参照)毎に、定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口67(スルーゲート)を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値は149種類あり、その範囲は「5〜153」となっている。なお、第2当たり乱数カウンタC4の値(乱数値)から、当たりか否かを判定する乱数値を格納したテーブル(図示せず)は、ROM202内に設けられている。
また、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図17参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図13参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
再度、図9に戻って説明する。RAM203はまた、確認回数カウンタ203aと、オフセット後監視フラグ203bと、第1報知後監視フラグ203cと、オフセット待機フラグ203dと、遊技制限中フラグ203eと、現状態メモリ203fとを有している。
確認回数カウンタ203aは、磁気センサ装置601の出力状況を確認する場合における確認回数を計数するカウンタである。確認回数カウンタ203aは、磁気センサ装置601の出力を1回確認する毎に1ずつ加算され、その際に磁気センサ装置601からの出力がオフであれば、その都度、初期化(ゼロクリア)される。つまり、この確認回数カウンタ203aの値が2以上である場合には、その値は、磁気センサ装置601の出力確認において、連続してオンが検出された回数を示す。なお、確認回数カウンタ203aは、電源投入後の立ち上げ処理(図11参照)において、オフセット前磁気センサ装置確認処理(S112又はS123)の処理を実行する前に初期化される。また、磁気センサ装置601の出力状況に基づいて遊技の進行が制限されたときに、その制限がRAM消去スイッチ122の操作によって解除された場合にも、確認回数カウンタ203aは初期化される(図21参照)。
オフセット後監視フラグ203bは、遊技中に磁気センサ装置601のオフセット設定を行った後、磁気センサ装置601の出力を監視する期間であるか否かを示すフラグである。具体的に、オフセット監視フラグ203bは、オン(即ち「1」)に設定されている場合には、磁気センサ装置601のオフセット設定後における磁気センサ装置601の出力の監視期間であることを示し、オフ(即ち「0」)に設定されている場合には、当該期間でないことを示す。オフセット後監視フラグ203bは、磁気センサ装置601のオフセット設定を行うとオンに設定され、その後に磁気センサ装置601のオフ出力が確認されるとオフに設定される。
第1報知後監視フラグ203cは、遊技中(より詳細には、立ち上げ処理後)に第1報知が行われた後、磁気センサ装置601の出力を監視する期間であるか否かを示すフラグである。具体的に、第1報知後監視フラグ203cは、オン(即ち「1」)に設定されている場合には、第1報知の実行後における磁気センサ装置601の出力の監視期間であることを示し、オフ(即ち「0」)に設定されている場合には、当該期間でないことを示す。第1報知後監視フラグ203cは、第1報知が実行される場合にオンに設定され、その後に磁気センサ装置601のオフ出力が確認されるとオフに設定される。
詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機10は、オフセット後監視フラグ203b又は第1報知後監視フラグ203cがオンに設定されている状態で、確認回数カウンタ203aの値が10に達すると、所定の報知(第2報知)と、遊技の進行の制限(具体的には、球の発射の禁止)とが実行されるように構成されている。即ち、本実施形態のパチンコ機10は、磁気センサ装置601のオフセット設定後に、磁気センサ装置601のオン出力が10回確認された場合、又は、第1報知の実行後に、磁気センサ装置601のオン出力が10回確認された場合のいずれかの条件が成立すると、所定の報知(第2報知)がされるとともに、遊技の進行が制限されるように構成されている。なお、オフセット後監視フラグ203b及び第1報知後監視フラグ203cは、いずれも、RAM消去スイッチ122などの操作によってRAM203がクリアされる毎にオフに初期化される。
オフセット待機フラグ203dは、磁気センサ装置601のオフセット設定を一時的に待機させた状態であるか否かを示すフラグである。具体的に、オフセット待機フラグ203dは、オン(即ち「1」)に設定されている場合には、磁気センサ装置601のオフセット設定を一時的に待機させた状態であることを示し、オフ(即ち「0」)に設定されている場合には、そうでないことを示す。なお、オフセット待機フラグ203dは、RAM消去スイッチ122などの操作によってRAM203がクリアされる毎にオフに初期化される。
本実施形態では、遊技中に磁気センサ装置601のオフセット設定を行う状況が生じたが、可動表示体501が動作(回転)している可能性がある場合に、当該オフセット設定を一時的に待機させるように構成されている。よって、オフセット待機フラグ203dは、遊技中に磁気センサ装置601のオフセット設定を行う状況が生じたが、可動表示体501が動作(回転)している可能性がある場合に、オンに設定される。オフセット待機フラグ203dがオンに設定されると、磁気センサ装置601のオフセット設定が待機される。
具体的に、本実施形態では、遊技中に磁気センサ装置601のオフセット設定を行う状況が生じたが、そのオフセット設定を一時的に待機させる場合として、2つの場合が存在する。第1の場合は、第1図柄表示装置37において第1図柄の変動表示の実行中であって、かつ、その変動表示が開始してから3秒以上経過した場合(即ち、高速変動を除いた図柄の変動表示中)に、磁気センサ装置601のオフセット設定を行う状況が生じた場合である。一方、第2の場合は、図柄の変動表示が終了した後、可動表示体501を初期位置に復帰させる動作が行われている最中に、磁気センサ装置601のオフセット設定を行う状況が生じた場合である。
一方、一時的に待機されたオフセット設定は、動作している可動表示体501が確実に停止している時期に待機が解除される。よって、オフセット待機フラグ203dは、動作している可動表示体501が確実に停止されている時期に、オフに設定される。オフセット待機フラグ203dがオンからオフに切り換えられると、待機されていた磁気センサ装置601のオフセット設定が実行される。
本実施形態の可動表示体501は、変動表示の終了前の所定タイミングで停止するように構成されているので、変動表示が終了したタイミングにおいて、可動表示体501は停止した状態にある。よって、本実施形態では、上述した第1の場合によってオフセット待機フラグ203dがオンに設定された場合には、その変動表示が終了した場合に、オフセット待機フラグ203dはオフに設定される。
一方、変動表示後に初期位置に復帰される可動表示体501は、初期位置に復帰したことにより停止する。よって、本実施形態では、上述した第2の場合によってオフセット待機フラグ203dがオンに設定された場合には、可動表示体501が初期位置に復帰した後に、オフセット待機フラグ203dはオフに設定される。
振分ローラ410や可動表示体501のような電動役物を動作させた場合、その電動役物に駆動力を付与するモータ(振分ローラ用モータ420、可動表示体用モータ520)の駆動によるノイズや、電線を伝導する電流により発生する磁力により、磁場に変動が生じる。可動表示体501は、振分ローラ410のように遊技中に常時動作する電動役物ではなく、遊技中に必要に応じて動作する電動役物である。そのため、可動表示体501が動作しているときに、磁気センサ装置601のオフセット設定を行うことは、可動表示体501が動作していない状態に比べ、高めのオフセット値が設定される可能性が高く、適切ではない。
しかし、本実施形態のパチンコ機10によれば、変動中に演出として、又は、初期位置への復帰動作として、可動表示体501が動いているときに、磁気センサ装置601のオフセット設定を行う状況が生じたとしても、オフセット待機フラグ203dをオンに設定して、磁気センサ装置601のオフセット設定を待機させることにより、可動表示体501が動作している間(可動表示体501の動作中)は当該オフセット設定を行わないように構成されている。よって、不適切なオフセット値が設定されることを抑制できる。換言すれば、可動表示体501が停止した状態(動いていない状態)において磁気センサ装置601のオフセット設定を行うように構成されているので、適切なオフセット値を設定できる。
遊技制限中フラグ203eは、遊技の進行の制限中であるか否かを示すフラグである。なお、遊技制限中フラグ203eは、RAM消去スイッチ122などの操作によってRAM203がクリアされる毎にオフに初期化され、磁気センサ装置601の出力状況に基づいて遊技の進行を制限する場合にオンに設定される。
本実施形態では、オフセット後監視フラグ203b又は第1報知後監視フラグ203cがオンに設定されている状態で、確認回数カウンタ203aの値が10に達すると、球の発射を禁止することにより、遊技の進行の制限を行うように構成されている。よって、遊技制限中フラグ203eは、オフセット後監視フラグ203b又は第1報知後監視フラグ203cがオンに設定されている状態で、確認回数カウンタ203aの値が10に達すると、オンに設定される。
オンに設定された遊技制限中フラグ203eは、所定の正当な操作に基づいてオフに設定される。なお、本実施形態では、電源をオンの状態としたままRAM消去スイッチ122を長押し(本実施形態では、1s間の長押し)を「正当な操作」としている。
現状態メモリ203fは、磁気センサ装置601の出力状況に基づいて遊技の進行を制限する場合に、その時期における遊技の状態(スタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値)を記憶しておくためのメモリである。本実施形態のパチンコ機10は、磁気センサ装置601の出力状況に基づいて遊技の進行が制限された後、電源をオンの状態としたままRAM消去スイッチ122の長押しを行うと、現状態メモリ203fに記憶されている状態(即ち、遊技が制限される前の状態)から遊技を再開することができるように構成されている。なお、現状態メモリ203fは、RAM消去スイッチ122を長押しによる遊技の再開に伴い初期化(ゼロクリア)される。また、現状態メモリ203fは、RAM消去スイッチ122などの操作によってRAM203がクリアされる場合にも初期化される。
RAM203は、上述したカウンタやフラグなどの他にも、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図13参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図11参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図24参照)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111と、演出制御装置117と、第1図柄表示装置37と、第2図柄表示装置82と、第2図柄保留ランプ84と、第1入球口スイッチ208aや図示しないスイッチ群又はセンサ群などからなる各種スイッチ208と、特定入賞口65aの開閉板を開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209とが接続されている。また、入出力ポート205には、磁気センサ装置601と、振動センサ装置602と、内枠スイッチSW1と、前面枠スイッチSW2と、振分ローラ用モータ420とが接続されている。
なお、本実施形態における磁気センサ装置601は、磁気センサの一種である図示させないMI(Magneto−Inpedance)センサと、そのMIセンサからの出力値(出力電圧)に基づいて磁気の有無を検知する図示されない検知回路とを有する。磁気センサ装置601の検知回路は、MIセンサのオフセット値(オフセット電圧)を記憶する記憶部を有しており、MIセンサの出力値からオフセット値を差し引いて補正した(較正した)補正値に基づいて磁気の存在を検知する。具体的に、磁気センサ装置601の検知回路は、補正値が、予め設定された検知閾値を超える場合には、磁気の存在を検知し、MPU201への出力をオン(検知出力)とする。一方で、当該検知回路は、補正値が検知閾値以下である場合には、MPU201への出力をオフ(非検知出力)とする。
詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機10は、振分ローラ410が動作(回動)し、かつ、可動表示体501が停止した状態で、磁気センサ装置601のオフセット設定を行うように構成されている。つまり、電源がオンである間、常時動作する電動役物は動作させた状態とし、かつ、必要に応じて動作したりしなかったりする電動役物は停止させた(動作していない状態)として、磁気センサ装置601のオフセット設定が実行されるように構成されている。
例えば、常時動作する電動役物(振分ローラ410)と、必要に応じて動作したりしなかったりする電動役物(可動表示体501)との両方を動作させた状態で、磁気センサ装置601のオフセット設定を行った場合には、必要に応じて動作する電動役物が停止している場合に比べ、高めのオフセット値が設定される可能性が高い。オフセット値が大きい程、検知閾値を超えるための出力値(MIセンサの出力値)も大きくなるので、高めのオフセット値が設定されたことによって、不正な磁気(磁場)を検知できなくなるおそれがある。しかし、必要に応じて動作する電動役物が停止した状態でオフセット設定を行うので、不正な磁気(磁場)に対する検知性能を高めることができる。
その一方で、常時動作する電動役物を動作させた状態でオフセット設定を行うので、遊技中に電動役物により少なくとも生じる磁場は考慮されており、不正な磁場が存在しないにもかかわらず、磁気センサ装置601から検知出力(オン出力)がされることも抑制できる。
よって、本実施形態のパチンコ機10によれば、振分ローラ410が動作(回動)し、かつ、可動表示体501が停止した状態で、磁気センサ装置601のオフセット設定が行われる。つまり、遊技中に電動役物により生じる磁場を考慮した上で、その磁場ができるだけ小さい状態で磁気センサ装置601のオフセット設定が行われるので、適切なオフセット値を設定できる。
また、本実施形態のパチンコ機10は、内枠スイッチSW1又は前面枠スイッチSW2の状態が変化する毎に(即ち、内枠12又は前面枠14が閉鎖状態から開放された場合、あるいは、内枠12又は前面枠14が開放状態から閉鎖された場合のいずれかが生じる毎に)、磁気センサ装置601のオフセット設定を行うように構成されている。内枠12又は前面枠14の状態が変化したときには、磁場が変動する可能性がある。例えば、内枠12又は前面枠14を開放又は閉鎖した場合に生じる、基板間(例えば、主制御装置110と払出制御装置111との間)を接続する電気配線(例えば、ハーネス)の移動などが原因となって、磁場が変動する可能性がある。磁場が変動すると、それ以前に設定されていたオフセット値が不適切な値になることがあり、不正な磁気(磁場)を検知できなくなるおそれがある。しかし、本実施形態のパチンコ機10によれば、内枠スイッチSW1又は前面枠スイッチSW2の状態が変化する毎に磁気センサ装置601のオフセット設定を行うので、適切なオフセット値を設定でき、不正な磁気(磁場)に対する検知性能を高めることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10は、振動センサ装置602が振動(揺れ)を検出した場合にも、磁気センサ装置601のオフセット設定を行うように構成されている。振動センサ装置602が振動を検出した場合(即ち、パチンコ機10が所定レベル以上に揺れた場合)も、内枠12又は前面枠14の開放時と同様に、ハーネスなどの電気配線の移動などが原因で、磁場が変動する可能性があり、それによって、それ以前に設定されていたオフセット値が不適切な値になり、不正な磁気(磁場)を検知できない。しかし、本実施形態のパチンコ機10によれば、振動センサ装置602が振動を検出した場合に磁気センサ装置601のオフセット設定を行うので、適切なオフセット値を設定でき、不正な磁気(磁場)に対する検知性能を高めることができる。
振動センサ装置602は、図示されない3軸加速度センサと、その3軸加速度センサからの出力値に基づいて振動(揺れ)を検出する図示されない検知回路とを有する。振動センサ装置602の検知回路は、3軸加速度センサからの出力値が、予め設定された検知閾値を超える場合に、振動(揺れ)が生じたことを検知し、MPU201への出力をオン(検知出力)とする。一方で、当該検知回路は、3軸加速度センサからの出力値が検知閾値以下である場合には、MPU201への出力をオフ(非検知出力)とする。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
また、RAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行され、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。なお、払出制御装置111で実行されるNMI割込処理は、主制御装置110で実行されるNMI割込処理(図24参照)と同様の処理である。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ(図示せず)により検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチがオフである(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
演出制御装置117は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力設定、特図保留ランプ85におけるランプの点灯数の設定、電飾部29〜33や表示ランプ34などにおけるランプの点灯および消灯の設定、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示や大当たり演出を制御するものである。
演出制御装置117は、MPU271と、画像コントローラ274と、キャラクタROM275と、ビデオRAM276と、入出力ポート277と、出力ポート278と、バスライン279,280とを有している。
演算装置であるMPU271には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン279を介して入出力ポート277が接続されている。入出力ポート277には、主制御装置110と、画像コントローラ274と、音声出力装置226と、電飾部29〜33及び表示ランプ34と、特図保留ランプ85とが接続されている。
画像コントローラ274には、キャラクタROM275、及びビデオRAM276が接続されると共に、バスライン280を介して出力ポート278が接続されている。この出力ポート278の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの当選確率や1回の大当たりで払い出される賞球の数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、演出制御装置117は共通部品化されコスト低減が図られている。
なお、本実施形態では、音声出力の制御や、各種ランプの点灯および消灯の制御や、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示の制御を一括して演出制御装置117で行うよう構成しているが、各種制御を複数の制御装置で分担して行うように構成しても良い。例えば、音声出力の制御と、各種ランプの点灯および消灯の制御とを専用の制御装置(音声ランプ制御装置)で行い、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示の制御を専用の制御装置(表示制御装置)で行うように構成しても良い。
MPU271は、1チップマイコンとしての演算装置である。MPU271には、MPU271により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM272と、ワークメモリ等として使用されるRAM273などの各種回路とが内蔵されている。
RAM273は、MPU271の内部レジスタの内容やMPU271により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。更に、RAM273は、各種のメモリ、フラグ、カウンタ等などを有している。
画像コントローラ274は、キャラクタROM275、ビデオRAM276、入出力ポート277、出力ポート278のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM276に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
キャラクタROM275は、第3図柄表示装置81に表示する図柄(背景図柄や第3図柄や装飾図柄)などの演出用のデータが、圧縮された形式で格納されているメモリである。このキャラクタROM275には、例えば、変動表示(変動演出)や大当たり演出に用いられる演出用の各種データや、第3図柄のキャラクタ図柄や、背景図柄や、予告キャラクタ図柄などが記憶されている。演出用の各種データとしては、通常変動(外れ変動)、ノーマルリーチ変動、の各変動表示に用いるデータ(変動表示データ)などが該当する。
キャラクタROM275には、記憶するデータ量を少なくするために、上述したような演出用のデータが圧縮された状態で記憶されている。本実施形態では、演出用のデータは約1024Mバイトで構成されており、その約1024Mバイトのデータが、約768Mバイトに圧縮されてキャラクタROM275に記憶されている。キャラクタROM275に圧縮され記憶されている演出用のデータは、必要なものだけが読み出されて、解凍された後に、ビデオRAM276の所定の領域に書き込まれる。
ビデオRAM276は、第3図柄表示装置81に表示する演出用のデータを、解凍した状態(直ぐに使用可能な状態)で記憶するためのメモリである。ビデオRAM276は、変動表示データ記憶領域(図示せず)を有している。この図示されない変動表示データ記憶領域は、第3図柄表示装置81において変動表示(変動演出)や大当たり演出を行うためのデータを記憶するためのメモリであり、第3図柄表示装置81において各演出が開始されると、この変動演出データ記憶領域に記憶されているデータに対応する画像が時間に応じて第3図柄表示装置81に表示される。
なお、各種データをキャラクタROM275から読み出し、変動演出データ記憶領域に記憶するのは、一般的に処理速度がROMよりRAMの方が高速であるためである。例えば、演出データをキャラクタROM275から読み出しながら第3図柄表示装置(LCD)81に表示する構成にすると、読み出すデータ量が大きい場合には読み出しに時間を有し、スムーズな表示ができなかったり鮮明な表示ができない場合があるからである。また、RAMに記憶する方が、表示データの加工(例えば、装飾図柄の大きさの変更や背景図柄の色の変更)などが容易であるからでもある。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図7参照)とを有するRAM消去スイッチ回路253とを備えている。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図24参照)を正常に実行し、電源断の発生情報をRAM203及びRAM213に記憶して完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110及び払出制御装置111は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、それぞれのバックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図11から図24のフローチャートを参照して、上記構成を有するパチンコ機10における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2ms周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されNMI割込処理とに大別される。
まず、図11を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合の立ち上げ処理について説明する。図11は、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(演出制御装置117、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、所定のウエイト時間(例えば、1秒)を計時する第1ウエイト処理を実行する(S102)。かかる第1ウエイト処理(S102)を行うことにより、演出制御装置117、払出制御装置111等のサブ側の制御装置が、この立ち上げ処理において主制御装置110から出力されるコマンドの取りこぼすことを防止できる。第1ウエイト処理(S102)の実行後、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
次いで、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図7参照)がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS118へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS118へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS118へ移行する。なお、図13のS214の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S118の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S118)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S119,S120)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S119,S120)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S119,S120)を実行する。RAMの初期化処理(S119,S120)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S119)、その後、RAM203の初期値を設定する(S120)。
RAM203の初期化処理(S119,S120)の実行後は、振分ローラ用モータ420を駆動して振分ローラ410の回動(動作)を開始させる(S121)。なお、振分ローラ410は、S121の処理により回動が開始されると、パチンコ機10の電源がオンにされている間、常時、一定速度で回動され続ける。
S121の処理後、確認回数カウンタ203aをゼロクリアし(S122)、オフセット設定を行う前に磁気センサ装置601の出力状況を確認する処理である、オフセット前磁気センサ確認処理を実行する(S123)。なお、オフセット前磁気センサ確認処理(S123)の詳細な処理については、図12を参照して後述する。
オフセット前磁気センサ確認処理(S123)の実行後は、磁気センサ装置601に対して信号を出力することにより、磁気センサ装置601のオフセット設定を実行する(S124)。S124の処理が実行されると、磁気センサ装置601は、そのときの出力電圧をオフセット値(オフセット電圧)として、図示されない検出回路の記憶部に格納する。
S124の処理後は、演出制御装置117へ初期化コマンドを送信し(S125)、処理をS115に移行する。演出制御装置117は、S125の処理により主制御装置110から送信された初期化コマンドを受信すると、可動表示体501を初期位置に復帰させる処理を実行する(図30参照)。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S104:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次に、払出制御装置111を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信する(S109)。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S109の処理後は、振分ローラ用モータ420を駆動して振分ローラ410の回動(動作)を開始させる(S110)。なお、振分ローラ410は、S110の処理により回動が開始されると、パチンコ機10の電源がオンにされている間、回動され続ける。
S110の処理後、確認回数カウンタ203aをゼロクリアし(S111)、オフセット前磁気センサ確認処理を実行する(S112)。オフセット前磁気センサ確認処理(S112)は、上述したオフセット前磁気センサ確認処理(S123)と同様の処理であり、その詳細な処理については、図12を参照して後述する。
オフセット前磁気センサ確認処理(S112)の実行後は、S124の処理と同様に、磁気センサ装置601に対して信号を出力することにより、磁気センサ装置601のオフセット設定を実行する(S113)。S113の処理が実行されると、磁気センサ装置601は、そのときの出力電圧をオフセット値(オフセット電圧)として、図示されない検出回路の記憶部に格納する。
S113の処理後は、演出制御装置117へ復電コマンドを送信し(S114)、処理をS115に移行する。演出制御装置117は、S114の処理により主制御装置110から送信された復電コマンドを受信すると、可動表示体501を初期位置に復帰させる処理を実行する(図30参照)。
S115の処理では、確認回数カウンタ203aをゼロクリアする(S115)。S115の処理後は、所定のウエイト時間(例えば、1秒)を計時する第2ウエイト処理を実行する(S116)。かかる第2ウエイト処理(S116)を行うことにより、可動表示体501の初期位置復帰中に、球が発射される(遊技が開始される)ことを禁止する。S116の処理後、割込みを許可し(S117)、図13を参照して後述するメイン処理に移行する。
次に、図12を参照して、上述したオフセット前磁気センサ確認処理(S112,S123)について説明する。図12は、主制御装置110の立ち上げ処理(図11参照)の中で実行されるオフセット前磁気センサ確認処理(S112,S123)を示すフローチャートである。
オフセット前磁気センサ確認処理では、まず、確認回数カウンタ203aに1加算し(S141)、磁気センサ装置601の出力がオン(オン出力)であるか否かを判別する(S142)。このとき、磁気センサ装置601の出力がオフ(オフ出力)である場合には(S142:No)、オフセット前磁気センサ確認処理を終了して、立ち上げ処理(図11参照)へ戻り、S113又はS124の処理、即ち、磁気センサ装置601のオフセット設定を実行する。
一方、S142の処理による判別の結果、磁気センサ装置601の出力がオンである場合には(S142:Yes)、確認回数カウンタ203aの値が2であるか否かを判別する(S143)。このとき、確認回数カウンタ203aの値が2でない場合には(S143:No)、処理をS141に戻し、磁気センサ装置601の出力状況を確認するS142の処理を再度実行する。
S143の処理による判別の結果、確認回数カウンタ203aの値が2である場合には(S143:Yes)、磁気センサ装置601のオン出力が2回連続して確認(検出)されたことを示すので、かかる場合には、第1報知コマンドを演出制御装置117に送信する(S144)。
S144において主制御装置110から送信(出力)された第1報知コマンドを演出制御装置117が受信すると、演出制御装置117は、第1報知を行う第1報知処理を実行する(図30参照)。なお、本実施形態では、第1報知は、所定の報知音を音声出力装置226から小音量で出力するとともに、電飾部29〜33及び表示ランプ34を所定間隔で点滅させることによる報知として構成される。
S144の処理後、確認回数カウンタ203aを一旦ゼロクリアした後(S145)、確認回数カウンタ203aに1加算する(S146)。次いで、磁気センサ装置601の出力がオンであるか否かを判別する(S147)。S147の処理による判別の結果、磁気センサ装置601の出力がオフである場合には(S147:No)、報知解除コマンドを演出制御装置117に送信する(S150)。S150において主制御装置110から送信された報知解除コマンドを演出制御装置117が受信すると、演出制御装置117は、実行中の第1報知を解除する。S150の処理後は、オフセット前磁気センサ確認処理を終了して、立ち上げ処理(図11参照)へ戻り、S113又はS124の処理、即ち、磁気センサ装置601のオフセット設定を実行する。
一方、S147の処理による判別の結果、磁気センサ装置601の出力がオンである場合には(S147:Yes)、確認回数カウンタ203aの値が100であるか否かを判別する(S148)。このとき、確認回数カウンタ203aの値が100でない場合には(S148:No)、処理をS146に戻し、磁気センサ装置601の出力状況を確認するS147の処理を再度実行する。
S148の処理による判別の結果、確認回数カウンタ203aの値が100である場合には(S148:Yes)、第1報知の実行後、さらに100回連続して磁気センサ装置601のオン出力が確認(検出)されたことを示すので、かかる場合には、第2報知コマンドを演出制御装置117に送信する(S149)。
S149において主制御装置110から送信された第2報知コマンドを演出制御装置117が受信すると、演出制御装置117は、第1報知から第2報知に切り換える第2報知処理を実行する(図30参照)。なお、第2報知は、第1報知より報知強度の強い報知であり、本実施形態では、所定の報知音を音声出力装置226から大音量で出力するとともに、電飾部29〜33及び表示ランプ34を第1報知の場合に比べて短い間隔で点滅させることによる報知として構成される。
S149の処理後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
本実施形態のパチンコ機10によれば、電源投入後に実行される立ち上げ処理において、磁気センサ装置601のオフセット設定を行う前に、磁気センサ装置601により、磁気が、第1の所定期間(本実施形態では、2回の検出期間)に亘って検出された場合には、第1報知を行うように構成されている。磁気センサ装置601により磁気が検出された場合には、磁石などを用いて不正に磁場が印加されている可能性があるので、その可能性を、磁気センサ装置601のオフセット設定を行う前に、外部(例えば、ホールの従業員)に認識させることができる。よって、外部において何らかの対策を取ることが可能となるので、不正に印加された磁場による不適切なオフセット値が設定されることを防止できる。これにより、磁石などを用いて発生させた不正な磁場が磁気センサ装置601により検出されなくなることを防止できる。
さらに、第1報知の後、第2の所定期間(本実施形態では、100回の検出期間)に亘って、磁気センサ装置601により磁気が検出された場合には、第1報知より報知強度の強い第2報知を行うように構成されている。よって、不正に印加された磁場を基準としたオフセット設定がされる可能性があり、その可能性が高いことを、第1報知を行う場合に比べ、より好適に、外部に認識させることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10によれば、磁気センサ装置601のオフセット設定を行う前に、磁気センサ装置601により磁気が検出された場合には、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループされ、磁気センサ装置601のオフセット設定を行うことが禁止されるように構成されている。かかる点においても、不正に印加された磁場による不適切なオフセット値が設定されることを好適に防止でき、それにより、磁石などを用いて発生させた不正な磁場が磁気センサ装置601により検出されなくなることを防止できる。
次に、図13を参照して、上述した立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図13は、主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。
本実施形態では、遊技制限中フラグ203eがオフである場合、即ち、遊技の進行に何の制限もされていない場合には、メイン処理は、4ms周期の定期処理としてS201〜S206の各処理が実行され、その残余時間でS210,S211のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。その一方で、遊技制限中フラグ203eがオンである場合、即ち、磁気センサ装置601の出力状況に基づいて遊技の進行が制限された場合には、S201〜S206の処理は実行されず、S210,S211のカウンタ更新処理が繰り返し実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)へ送信(出力)する(S201)。この外部出力処理(S201)では、例えば、S502のスイッチ読み込み処理(図17参照)によって検出された入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば、払出制御装置111に対し、入賞検知情報に応じた賞球数(払出球数)に対応する賞球コマンドを設定して送信する。また、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、種別コマンド、演出時間加減算コマンド等を演出制御装置117に送信する。また、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。また、後述する磁気センサ確認処理(図18参照)において設定された第1報知コマンドや第2報知コマンドを演出制御装置117に送信する。
S201の処理後、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S203)、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S204)。なお、変動処理の詳細は図14を参照して後述する。
変動処理の終了後は、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大当たり処理を実行する(S205)。具体的には、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aの開放し、その後、予め規定されている時間(本実施形態では30秒)が経過するか、特定入賞口65aに所定数(本実施形態では10個)の球が入球した場合に、特定入賞口65aを閉鎖する処理を、所定ラウンド数(本実施形態では16ラウンド)繰り返し実行する処理である。
次に、第2図柄表示装置82による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S206)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置82の表示部83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S207)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S207:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、遊技制限中フラグ203eがオンであるか否かを判別する(S208)。
S208の処理による判別の結果、遊技制限中フラグ203eがオフである場合には(S208:No)、遊技の進行が制限されていないので、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S209)、既に所定時間が経過していれば(S208:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S209:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1,CS2、CS3の更新を繰り返し実行する(S210,S211)。
具体的に、まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S210)。より詳細には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では738、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を実行する(S211)。より詳細には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
ここで、S201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2,CS3についてもランダムに更新することができる。
一方、S208の処理による判別の結果、遊技制限中フラグ203eがオンである場合には(S208:Yes)、磁気センサ装置601の出力状況に基づいて遊技の進行が制限されているので、かかる場合には、S209の処理をスキップして、処理をS210に移行する。S209の処理がスキップされたことにより、S201〜S206の各処理が実行されず、初期値乱数カウンタCINI1,CINI2及び変動種別カウンタCS1,CS2、CS3の更新処理(S210,S211)が繰り返し実行されることになる。
つまり、本実施形態のパチンコ機10によれば、磁気センサ装置601の出力状況に基づいて遊技制限中フラグ203eがオンに設定された場合には、外部出力処理(S201)が実行されないので、球発射信号が発射制御装置112に出力されず、球の発射が行われない。よって、遊技の進行を実質的に停止させることができ、磁石などを用いる不正行為によって被る損失を抑制できる。また、遊技の進行を実質的に停止させる一方で、初期値乱数カウンタCINI1,CINI2や、変動種別カウンタCS1,CS2、CS3は更新され続けるので、カウンタの更新停止時を狙って、不正なぶら下げ基板などによりカウンタの値が不正に読み出されることも防止できる。
また、S207の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S207:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、NMI割込処理(図24参照)が実行されたということなので、S212以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S212)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や演出制御装置117等の周辺制御装置)に対して送信する(S213)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S214)、RAM203のアクセスを禁止して(S215)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S207の処理は、S201〜S206で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS210とS211の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図14を参照して、変動処理(S204)について説明する。図14は、メイン処理(図13参照)の中で実行される変動処理(S204)を示すフローチャートである。変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S302:No)、RAM203内に設けられている特図保留球カウンタ(図示せず)の値、即ち、特図保留球数Nを取得する(S303)。S303の処理後、特図保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S304)。特図保留球数Nが0であれば(S304:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、特図保留球数N>0であれば(S304:Yes)、特図保留球数N(即ち、特図保留球カウンタの値)を1減算し(S304)、RAM203に設けられている保留球格納エリア(図示せず)の保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる保留球格納エリア順送り処理を実行する(S305)。なお、保留球格納エリア順送り処理(S305)で実行される詳細な処理については、図15を参照して後述する。
保留球格納エリア順送り処理(S305)の実行後、第1図柄表示装置37にて第1図柄の変動表示を開始させる変動開始処理を実行し(S306)、変動処理(S204)を終了する。なお、変動開始処理(S306)で実行される詳細な処理については、図16を参照して後述する。
一方、S302の処理により確認した結果、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S302:Yes)、RAM203に設けられた特図制御タイマ(図示せず)を参照して変動時間が経過したか否かを判別する(S307)。なお、特図制御タイマ(図示せず)は、変動開始から変動終了までの時間を管理するタイマである。なお、第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1,CS2により選択された変動パターンと変動種別カウンタCS3により選択された演出時間の加減算値とに応じて決められており、この変動時間が経過していなければ(S307:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新し(S308)、本処理を終了する。
本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37bの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
ここで、第1図柄表示装置37の停止表示にて表示される停止図柄は、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かの停止図柄が決定される。さらに、大当たりの停止図柄については、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて、大当たり後に高確率モードとなる場合(即ち、確変大当たり)の停止図柄と、大当たり後に時間短縮モードとなる場合(即ち、通常大当たり)の停止図柄とに区別される。例えば、確変大当たりであれば、停止図柄として赤色をLED37bに点灯させ、通常大当たりであれば、停止図柄として緑色をLED37bに点灯させる。一方で、抽選結果(第1当たり乱数カウンタC1の値)が外れである場合には、停止図柄として青色をLED37bに点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
なお、変動処理は4ms毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S307:Yes)、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示を終了(停止)するために、停止表示の設定を行う(S309)。
S309の処理後、オフセット待機フラグ203dがオンであるか否かを判別する(S310)。S310の処理による判別の結果、オフセット待機フラグ203dがオフである場合には(S310:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S310の処理による判別の結果、オフセット待機フラグ203dがオンであれば(S310:Yes)、RAM203内に設けられている待機時変動終了フラグ(図示せず)をオンに設定し(S311)、本処理を終了する。
なお、図示されない待機時変動終了フラグは、磁気センサ装置601のオフセット設定が待機されている状況において、図柄の変動表示が終了したことを示すフラグである。具体的に、待機時変動終了フラグは、オン(即ち「1」)に設定されている場合には、磁気センサ装置601のオフセット設定が待機されている状況において、図柄の変動表示が終了したことを示し、オフ(即ち「0」)に設定されている場合には、そうでないことを示す。なお、待機時変動終了フラグは、RAM消去スイッチ122などの操作によってRAM203がクリアされる毎にオフに初期化される。
詳細は後述するが、この待機時変動終了フラグは、オフセット設定待機解除処理(図21参照)の中で、オフセット待機フラグ203dがオンである場合に参照される。そして、待機時変動終了フラグがオンであれば、磁気センサ装置601のオフセット設定を行う状況が生じたが、可動表示体501の動作(回転)中の可能性があったことにより待機されていた、磁気センサ装置601のオフセット設定が、停止図柄の確定表示期間(本実施形態では、0.5秒)中に実行される。
次に、図15を参照して、上述した保留球格納エリア順送り処理(S305)について説明する。図15は、変動処理(図14参照)の中で実行される保留球格納エリア順送り処理(S305)を示すフローチャートである。
この保留球格納エリア順送り処理(S305)では、まず、保留球格納エリアの保留第1エリアに記憶されている各データ(第1当たり乱数カウンタの値、第1当たり種別カウンタの値、及び停止パターン選択カウンタの値)を、実行エリアへシフトする(S351)。
次に、保留第2エリア〜保留第4エリアに記憶されている各データをそれぞれ、エリア番号の1小さいエリアへシフトする(S352)。なお、本実施形態では、第2〜第4保留エリアのうち、データが記憶(保留)されている保留エリアについてのみデータのシフトを行う。よって、データが記憶(保留)されていない保留エリアについては、データのシフト処理が行われないので、データのシフト回数を軽減することができ、制御的負担を軽減することができる。
また、データの有無に関わらず、第2〜第4保留エリアの各データを、エリア番号が1小さいエリアにそれぞれシフトするように構成しても良い。その場合は、第2〜第4保留エリアにデータが記憶(保留)されているか否かの判定が不用となるので、プログラムのステップ数を軽減することができる。よって、プログラムの容量を小さくすることができるので、ROM202の空き容量を増やすことができる。
次に、特図保留球カウンタの値(特図保留球数N)を1減算し(S353)、減算した後の特図保留球カウンタの値を示す保留数コマンドを設定する(S354)。このS354の処理により設定された保留数コマンドは、メイン処理(図9参照)において次回に実行されるS201の外部出力処理により演出制御装置117へ出力される。出力された保留数コマンドが、演出制御装置117により受信されると、その保留数コマンドが示す特図保留球数Nと同一数のランプが特図保留ランプ85において点灯される。
次に、特図保留球カウンタの値(特図保留球数N)に応じて、第1図柄表示装置37における保留回数表示用のLEDである特図保留ランプ37cを点灯させて、新たな保留回数を点灯状態により表示し(S355)、保留球格納エリア順送り処理(S305)を終了し、変動処理(図14参照)へ戻る。
次に、図16を参照して、上述した変動開始処理(S306)について説明する。図16は、変動処理(図14参照)の中で実行される変動開始処理(S306)を示すフローチャートである。
変動開始処理(S306)では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S401)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。
なお、本実施形態では、通常確率時(通常モード時又は時間短縮モード時)には、第1当たり乱数カウンタC1の値が「310」又は「608」であれば、S401の処理により大当たりと判別される。一方、高確率時(高確率モード時)には、第1当たり乱数カウンタC1の値が「28,63,90,127,154,188,210,250,278,305,343,375,400,426,471,509,535,568,598,618」のうちのいずれかであれば、S401の処理により大当たりと判別される。
S401の処理により大当たりであると判別された場合には(S401:Yes)、第1図柄表示装置37に表示する大当たり時の表示態様(LED37bの点灯状態)を設定する(S402)。具体的に、S402では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値に基づき大当たり種別(即ち、大当たり時の停止図柄)を決定した後、決定された大当たり種別に応じた表示態様が第1図柄表示装置37に表示されるように設定を行う。なお、本実施形態では、第1当たり種別カウンタC2の値が「1,2,3」である場合の大当たり種別は「確変大当たり」であり、第1当たり種別カウンタC2の値が「0,4」である場合の、大当たり種別は「通常大当たり」である。
S402の処理後、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別及び変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づき、大当たり時の変動パターンを決定する(S403)。
即ち、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、ノーマルリーチ変動(20秒間)、スーパーリーチ変動(40秒間)の中から、大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄列Z2の図柄(中図柄))が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。このS403の処理による変動パターンの決定によって、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。
なお、上述の変動時間は、第2変動種別カウンタCS2の値を使わずに第1変動種別カウンタCS1の値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1の値だけで設定するか、又は、2つの変動種別カウンタCS1,CS2の両値で設定するかは、その都度の第1変動種別カウンタCS1の値や遊技条件などに応じて適宜決めるように構成しても良い。
一方で、S401の処理で大当たりではないと判別された場合には(S401:No)、第1図柄表示装置37に表示する外れ時の表示態様(LED37bの点灯状態)を設定する(S408)。具体的に、S408では、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づき、外れ時の停止図柄(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、又は完全外れ)を決定した後、決定された停止図柄に応じた表示態様が第1図柄表示装置37に表示されるように設定を行う。
S408の処理後、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値が示す外れ時の停止図柄と、変動種別カウンタCS1,CS2の値とに基づき、外れ時の変動パターンを決定する(S409)。
即ち、上記したS403の処理と同様に、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいて、外れ変動(11秒間)、ノーマルリーチ変動(20秒間)、スーパーリーチ変動(40秒間)の中から、大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄列Z2(中図柄))が停止するまでの変動時間を決定する。このS409の処理による変動パターンの決定によって、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。
なお、S408の処理において、外れ時の表示態様として「前後外れリーチ」又は「前後外れ以外リーチ」が設定された場合には、S409の処理によって必ずリーチ変動(ノーマルリーチ変動、スーパーリーチ変動)が決定されるように、テーブルが予め設定されている。
S403又はS409の処理後、これらの処理により決定された変動時間に加減算される演出時間(演出時間の加減算値)を決定する(S404)。このとき、RAM203内のワークエリア(図示せず)に設けられているカウンタ用バッファに記憶されている第3種別カウンタCS3の値に基づいて加減算される演出時間が決定される。
S404の処理後、S403又はS409の処理により決定された変動パターン(変動時間)に応じた変動パターンコマンドを設定し(S405)、次いで、S402又はS408の処理で設定された表示態様(即ち、停止図柄)に応じた種別コマンドを設定する。(S408)。その後、S404の処理で決定された演出時間の加減算値に応じた演出時間加減算コマンドを設定し(S407)、この変動開始処理(S306)を終了し、変動処理(図14参照)へ戻る。
上述した通り、保留球格納エリア順送り処理(図15参照)の中で、「保留数コマンド」が設定された後、変動開始処理(図16参照)の中で、「変動パターンコマンド」、「種別コマンド」、「演算時間加減算コマンド」の順で、コマンドが設定される。メイン処理(図13参照)における外部出力処理(S201)では、コマンドが設定された順番に各コマンドが出力されるので、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示を開始する際には、「保留数コマンド」、「変動パターンコマンド」、「種別コマンド」、「演算時間加減算コマンド」の順でコマンドが演出制御装置117に出力される。
図17は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置110のMPU201により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず、遊技制限中フラグ203eがオンであるか否かを判別する(S501)。
S501の処理による判別の結果、遊技制限中フラグ203eがオフである場合には(S501:No)、各種入賞スイッチ208などの読み込み処理を実行する(S502)。具体的に、S502では、主制御装置110に接続されている各種スイッチ208や、内枠スイッチSW1や、前面枠スイッチSW2や、磁気センサ装置601や、振動センサ装置602などの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(例えば、入賞検知情報)を保存する。
S502の処理後は、磁気センサ装置601の出力状況を確認する磁気センサ確認処理を実行する(S503)。この磁気センサ確認処理(S503)の詳細な処理については、図18を参照しつつ後述する。
磁気センサ確認処理(S503)の実行後は、振動センサ装置602の出力状況を確認する振動センサ確認処理を実行する(S504)。この振動センサ確認処理(S504)の詳細な処理については、図19を参照しつつ後述する。
振動センサ確認処理(S504)の実行後は、内枠12及び前面枠14の開閉状況を確認する扉開閉確認処理を実行する(S505)。なお、扉開閉確認処理(S505)の詳細な処理については、図20を参照しつつ後述する。
扉開閉確認処理(S505)の実行後は、磁気センサ装置601のオフセット設定が待機されている場合に、その待機を解除するためのオフセット設定待機解除処理を実行し(S506)、処理をS507に移行する。なお、オフセット設定待機解除処理(S506)の詳細な処理については、図21を参照して後述する。
一方、S501の処理による判別の結果、遊技制限中フラグ203eがオンである場合、即ち、遊技の進行の制限中である場合には(S501:No)、S502〜S506の処理をスキップして、処理をS507に移行する。
S507では、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S507)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では738)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
次いで、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S508)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態では、それぞれ、619,15,238,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203内のカウンタバッファにおける該当領域に格納する。
S508の処理後は、遊技制限中フラグ203eがオンであるか否かを判別し(S509)、遊技制限中フラグ203eがオフであれば(S509:No)、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理を実行し(S510)、発射制御処理を実行して(S511)、タイマ割込処理を終了する。なお、始動入賞処理(S510)については、図22を参照して後述する。また、発射制御処理(S511)は、操作ハンドル51のタッチセンサ(図示せず)の操作状態と、打ち止めスイッチ(図示せず)の操作状態とに基づいて、球の発射のオン/オフを決定する処理である。具体的に、遊技者が操作ハンドル51に触れていることがタッチセンサ(図示せず)により検出され、かつ、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチがオフである(操作されていないこと)場合に、球の発射をオンとする。この発射制御処理によって球の発射がオンにされた場合に、主制御装置110は、発射制御装置112に球発射信号を送信する。
一方、S509の処理による判別の結果、遊技制限中フラグ203eがオンである場合、即ち、遊技の進行の制限中である場合には(S509:No)、S510,S511の処理をスキップして、タイマ割込処理を終了する。
よって、本実施形態のパチンコ機10によれば、磁気センサ装置601の出力状況に基づいて遊技制限中フラグ203eがオンに設定された場合であっても、初期値乱数カウンタCINI1,CINI2及び各カウンタC1〜C4の更新は引き続き2ms間隔で行われるので、カウンタの更新停止時を狙って、不正なぶら下げ基板などによりカウンタの値が不正に読み出されることを防止できる。
ここで、図18のフローチャートを参照して、上述した磁気センサ装置確認処理(S503)を説明する。図18は、タイマ割込処理(図17参照)の中で実行される磁気センサ装置確認処理(S503)を示すフローチャートである。
磁気センサ確認処理では、まず、確認回数カウンタ203aに1加算し(S2001)、磁気センサ装置601の出力がオン(オン出力)であるか否かを判別する(S2002)。このとき、磁気センサ装置601の出力がオフ(オフ出力)である場合には(S2002:No)、確認回数カウンタ203aをゼロクリアする(S2003)。
S2003の処理後、オフセット後監視フラグ203bがオンであるか否かを判別し(S2004)、オフセット後監視フラグ203bがオンであれば(S2004:Yes)、オフセット後監視フラグ203bをオフに設定して(S2005)、処理をS2006に移行する。一方、S2004の処理による判別の結果、オフセット後監視フラグ203bがオフであれば(S2004:No)、S2005の処理をスキップして、処理をS2006に移行する。
S2006では、第1報知後監視フラグ203cがオンであるか否かを判別する(S2006)。このとき、第1報知後監視フラグ203cがオンであれば(S2006:Yes)、第1報知後監視フラグ203cをオフに設定し(S2007)、報知解除コマンドを設定して(S2008)、磁気センサ装置確認処理(S503)を終了して、タイマ割込処理(図17参照)へ戻る。S2008の処理により設定された報知解除コマンドは、メイン処理(図13参照)の中で実行されるS201の外部出力処理により演出制御装置117へ出力される。報知解除コマンドを受信した演出制御装置117は、実行中の第1報知を解除する。
一方、S2002の処理による判別の結果、磁気センサ装置601の出力がオンである場合には(S2002:Yes)、第1報知後監視フラグ203cがオンであるか否かを判別する(S2009)。このとき、第1報知後監視フラグ203cがオフであれば(S2009:No)、オフセット後監視フラグ203bがオンであるか否かを判別する(S2010)。
S2010の処理による判別の結果、オフセット後監視フラグ203bがオフであれば(S2010:No)、磁気センサ装置601のオフセット設定後の監視期間でも、第1報知の実行中でもないので、かかる場合には、確認回数カウンタ203aの値が2であるか否かを判別する(S2011)。このとき、確認回数カウンタ203aの値が2でない場合には(S2011:No)、磁気センサ装置確認処理(S503)を終了して、タイマ割込処理(図17参照)へ戻る。
一方、S2011の処理による判別の結果、確認回数カウンタ203aの値が2である場合には(S2011:Yes)、磁気センサ装置601のオフセット設定後の監視期間でも、第1報知の実行中でもない状況において、磁気センサ装置601のオン出力が2回連続して確認(検出)されたことを示すので、かかる場合には、第1報知コマンドを設定する(S2012)。S2012の処理により設定された第1報知コマンドは、メイン処理(図13参照)の中で実行されるS201の外部出力処理により演出制御装置117へ出力される。第1報知コマンドを受信した演出制御装置117は、第1報知を行う第1報知処理を実行する(図30参照)。
S2012の処理後、第1報知後監視フラグ203cをオンに設定し(S2013)、確認回数カウンタ203aをゼロクリアして(S2014)、磁気センサ装置確認処理(S503)を終了し、タイマ割込処理(図17参照)へ戻る。
一方、S2009の処理による判別の結果、第1報知後監視フラグ203cがオンである場合には(S2009:Yes)、処理をS2015に移行する。また、S2010の処理による判別の結果、オフセット後監視フラグ203bがオンである場合もまた(S2010:Yes)、処理をS2015に移行する。即ち、磁気センサ装置601のオフセット設定後の監視期間、又は、第1報知の実行中であれば、S2015の処理を実行する。
S2015では、確認回数カウンタ203aの値が10であるか否かを判別する(S2015)。このとき、確認回数カウンタ203aの値が10でない場合には(S2015:No)、磁気センサ装置確認処理(S503)を終了して、タイマ割込処理(図17参照)へ戻る。
一方で、S2015の処理による判別の結果、確認回数カウンタ203aの値が10であれば(S2015:Yes)、磁気センサ装置601のオフセット設定後の監視期間(本処理が10回実行されたことによる20msecの期間)において磁気センサ装置601のオン出力が連続して確認されたか、又は、第1報知の実行後、さらに10回連続して磁気センサ装置601のオン出力が検出されたかのいずれかの第2報知の実行条件が成立したことを示す。
よって、かかる場合には(S2015:Yes)、第2報知コマンドを演出制御装置117へ送信する(S2016)。この第2報知コマンドを受信した演出制御装置117は、第1報知から第2報知に切り換える第2報知処理を実行する(図30参照)。
S2016の処理後、遊技制限中フラグ203eをオンに設定し(S2017)、現在の状態を現状態メモリ203fに記憶し(S2018)、磁気センサ装置確認処理(S503)を終了して、タイマ割込処理(図17参照)へ戻る。
この磁気センサ装置確認処理(S503)によれば、第1報知後監視フラグ203cがオフであり、かつ、オフセット後監視フラグ203bがオフである場合、即ち、第1報知が行われておらず、かつ、磁気センサ装置601のオフセット設定後の監視期間でもない場合に、磁気センサ装置601により、第1の所定期間(本実施形態では、2msec×2回)に亘って磁気が検出された場合には、第1報知を行うように構成されている。磁気センサ装置601により磁気が検出された場合には、磁石などを用いて不正に磁場が印加されている可能性があるので、その可能性を、随時、外部(例えば、ホールの従業員)に認識させることができる。よって、外部において何らかの対策を取ることが可能となり、不正に印加された磁場による不適切なオフセット値が設定されることを防止できる。これにより、磁石などを用いて発生させた不正な磁場が磁気センサ装置601により検出されなくなることを防止できる。
そして、第1報知後監視フラグ203cがオンである場合、即ち、第1報知の後、第2の所定期間(本実施形態では、2msec×10回)に亘って、磁気センサ装置601により磁気が検出された場合には、第1報知より報知強度の強い第2報知を行うように構成されている。よって、不正に印加された磁場を基準としたオフセット設定がされる可能性があり、その可能性が高いことを、第1報知を行う場合に比べ、より好適に、外部に認識させることができる。
あるいは、オフセット後監視フラグ203bがオンである場合、即ち、磁気センサ装置601のオフセット設定後の監視期間中である場合もまた、第2の所定期間に亘って、磁気センサ装置601により磁気が検出された場合には、第2報知を行うように構成されている。磁気センサ装置601のオフセット設定が行われたにもかかわらず、磁気センサ装置601により磁気が検出された場合には、磁石などを用いて不正に磁場が印加され、それによってより高い磁場を基準とする不正なオフセット値が設定されていたり、磁気センサ装置601に異常があるなど、オフセット設定が適切に行われていない状況が疑われる。しかし、磁気センサ装置601のオフセット設定後の監視期間中である場合には、第2の所定期間に亘って、磁気センサ装置601により磁気が検出された場合には、第2報知を行うように構成されているので、上記疑いを外部に認識させることができる。かかる点においても、不適切なオフセット値が設定されることを防止でき、それにより、磁石などを用いて発生させた不正な磁場が磁気センサ装置601により検出されなくなることを防止できる。
さらに、本実施形態のパチンコ機10によれば、磁気センサ装置601の出力状況が所定の条件(具体的には、磁気センサ装置601のオフセット設定後の監視期間において磁気センサ装置601のオン出力が連続して確認されたか、又は、第1報知の実行後、さらに10回連続して磁気センサ装置601のオン出力が検出されたかのいずれか)が成立した場合に、遊技制限中フラグ203eがオンに設定され、それにより、遊技の進行が制限される(具体的には、球の発射が停止される)。かかる点においても、不適切なオフセット値が設定されることを好適に防止でき、それにより、磁石などを用いて発生させた不正な磁場が磁気センサ装置601により検出されなくなることを防止できる。
なお、遊技制限中フラグ203eがオンに設定されたことにより、遊技の進行を制限する場合には、遊技の状態が現状態メモリ203fに記憶される。これにより、電源をオンの状態としたままRAM消去スイッチ122を長押しした場合には、遊技の状態を現状態メモリ203fに記憶されている状態に復帰(復元)させて、遊技を再開させることができる(図23参照)。
次に、図19のフローチャートを参照して、上述した振動センサ装置確認処理(S504)を説明する。図19は、タイマ割込処理(図17参照)の中で実行される振動センサ装置確認処理(S504)を示すフローチャートである。
振動センサ装置確認処理では、まず、振動センサ装置602の出力がオン(オン出力)であるか否かを判別する(S2021)。このとき、振動センサ装置602の出力がオフ(オフ出力)である場合には(S2021:No)、振動センサ装置確認処理(S504)を終了して、タイマ割込処理(図17参照)へ戻る。
S2021の処理による判別の結果、振動センサ装置602の出力がオンである場合、即ち、振動センサ装置602により振動(揺れ)が検出された場合には(S2021:Yes)、第1図柄の変動表示中(変動中)であるか否かを判別する(S2022)。このとき、変動中である場合には(S2022:Yes)、RAM203内に設けられた特図制御タイマ(図示せず)を参照して、その変動表示が開始されてから3秒以上が経過しているか否かを判別する(S2023)。
S2023の処理による判別の結果、変動表示が開始されてから未だ3秒が経過していない場合には(S2023:Yes)、可動表示体501は動作していないので、かかる場合には、磁気センサ装置601に対して信号を出力することにより、磁気センサ装置601のオフセット設定を実行する(S2024)。S2024の処理が実行されると、磁気センサ装置601は、そのときの出力電圧をオフセット値(オフセット電圧)として、図示されない検出回路の記憶部に格納する。S2024の処理後、オフセット後監視フラグ203bをオンに設定し(S2025)、振動センサ装置確認処理(S504)を終了して、タイマ割込処理(図17参照)へ戻る。
一方、S2023の処理による判別の結果、変動表示が開始されてから3秒以上が経過している場合には(S2023:Yes)、可動表示体501が動作している可能性があるので、かかる場合には、磁気センサ装置601のオフセット設定を待機させるために、オフセット待機フラグ203dをオンに設定して(S2026)、振動センサ装置確認処理(S504)を終了して、タイマ割込処理(図17参照)へ戻る。
また、S2022の処理による判別の結果、変動中でなければ(S2022:No)、可動表示体501の復帰期間中であるか否かを判別する(S2027)。本実施形態では、可動表示体501の復帰期間は、RAM203内に設けられた所定のカウンタや、タイマなどを用いて計時されるものとする。RAM203内に設けられた、変動時間を管理するタイマである特図制御タイマ(図示せず)を利用してもよい。
なお、本実施形態では、図柄の変動表示中に回転された可動表示体501は、変動表示後に図柄が停止表示してから、所定の確定表示期間(本実施形態では、0.5秒)が経過したタイミングで初期位置に復帰されるように構成されている。よって、S2027の処理における「可動表示体501の復帰期間」は、所定の確定表示期間が経過したタイミング(本実施形態では、図柄の停止表示から0.5秒後)から、初期位置への復帰に十分とされる予め規定される期間(例えば、1秒)が終了するまでの期間とされる。
S2027の処理による判別の結果、可動表示体501の復帰期間中でなければ(S2027:No)、可動表示体501は動作していないので、かかる場合には、処理をS2024に移行し、磁気センサ装置601のオフセット設定を実行する。
一方、S2027の処理による判別の結果、可動表示体501の復帰期間中であれば(S2027:No)、可動表示体501が動作している可能性があるので、かかる場合には、磁気センサ装置601のオフセット設定を待機させるために、オフセット待機フラグ203dをオンに設定する(S2028)。S2028の処理により、オフセット待機フラグ203dがオンに設定されると、オフセット設定された磁気センサ装置601の出力状況の監視が開始される。S2028の処理後、振動センサ装置確認処理(S504)を終了して、タイマ割込処理(図17参照)へ戻る。
この振動センサ装置確認処理(S504)によれば、振動(揺れ)が振動センサ装置602により検出された場合には、磁気センサ装置601のオフセット設定を実行するように構成されている。振動センサ装置602が振動を検出した場合(即ち、パチンコ機10が所定レベル以上に揺れた場合)には、ハーネスなどの電気配線の移動などが原因で、磁場が変動する可能性がある。かかる可能性に対し、本実施形態のパチンコ機10によれば、振動センサ装置602が振動を検出した場合に磁気センサ装置601のオフセット設定を行うことにより、適切なオフセット値を設定できる。
一方で、可動表示体501が動作している可能性がある期間中(変動開始後3秒を除く変動表示中、可動表示体501の復帰期間中)に、振動が振動センサ装置602により検出された場合には、可動表示体501の動作による磁場の変動によって適切なオフセット値を設定できない可能性があるので、オフセット待機フラグ203dをオンに設定することにより、当該期間(可動表示体501が動作している可能性がある期間)が終了するまで、磁気センサ装置601のオフセット設定を一時的に待機させる。これにより、常時動作する電動役物(振分ローラ410)と、必要に応じて動作したりしなかったりする電動役物(可動表示体501)との両方を動作させた状態で、磁気センサ装置601のオフセット設定がされることを防止できる。
次に、図20のフローチャートを参照して、上述した扉開閉確認処理(S505)を説明する。図20は、タイマ割込処理(図17参照)の中で実行される扉開閉確認処理(S505)を示すフローチャートである。
扉開閉確認処理では、まず、内枠スイッチSW1の状態が変化したか否かを判別する(S2041)。具体的に、S2041では、内枠スイッチSW1がオフ状態からオン状態に変化したか、又は、内枠スイッチSW1がオン状態からオフ状態に変化したか、を判別する。
S2041の処理による判別の結果、内枠スイッチSW1の状態が変化していなければ(S2041:No)、前面枠スイッチSW2の状態が変化したか否かを判別する(S2042)。具体的に、S2042では、前面枠スイッチSW2がオフ状態からオン状態に変化したか、又は、前面枠スイッチSW2がオン状態からオフ状態に変化したか、を判別する。
S2042の処理による判別の結果、前面枠スイッチSW2の状態が変化していなければ(S2042:No)、内枠12の開閉状態及び前面枠14の開閉状態はいずれも変化していない(即ち、これらの枠12,14は開けられも閉められもしていない)ので、扉開閉確認処理(S505)を終了して、タイマ割込処理(図17参照)へ戻る。
一方で、S2041の処理による判別の結果、内枠スイッチSW1の状態が変化していれば(S2041:Yes)、処理をS2043に移行する。また、S2042の処理による判別の結果、前面枠スイッチSW2の状態が変化している場合もまた(S2042:Yes)、処理をS2043に移行する。即ち、内枠12の開閉状態又は前面枠14の開閉状態が変化した場合には、S2043の処理を実行する。
S2043では、第1図柄の変動表示の実行中(変動中)であるか否かを判別する(S2043)。このとき、変動中である場合には(S2043:Yes)、RAM203内に設けられた特図制御タイマ(図示せず)を参照して、その変動表示が開始されてから3秒以上が経過しているか否かを判別する(S2044)。このとき、変動表示が開始されてから未だ3秒が経過していない場合には(S2044:Yes)、可動表示体501は動作していないので、かかる場合には、磁気センサ装置601に対して信号を出力することにより、磁気センサ装置601のオフセット設定を実行する(S2045)。S2045の処理が実行されると、磁気センサ装置601は、そのときの出力電圧をオフセット値(オフセット電圧)として、図示されない検出回路の記憶部に格納する。S2045の処理後、オフセット後監視フラグ203bをオンに設定し(S2046)、扉開閉確認処理(S505)を終了して、タイマ割込処理(図17参照)へ戻る。
一方、S2044の処理による判別の結果、変動表示が開始されてから3秒以上が経過している場合には(S2044:Yes)、可動表示体501が動作している可能性があるので、かかる場合には、磁気センサ装置601のオフセット設定を待機させるために、オフセット待機フラグ203dをオンに設定して(S2047)、扉開閉確認処理(S505)を終了して、タイマ割込処理(図17参照)へ戻る。
また、S2043の処理による判別の結果、変動中でなければ(S2043:No)、可動表示体501の復帰期間中であるか否かを判別する(S2048)。なお、S2048の処理における「可動表示体501の復帰期間」は、上述した振動センサ装置確認処理(図19参照)における「可動表示体501の復帰期間」と同様に、所定の確定表示期間が経過したタイミング(本実施形態では、図柄の停止表示から0.5秒後)から、初期位置への復帰に十分とされる予め規定される期間(例えば、1秒)が終了するまでの期間である。
S2048の処理による判別の結果、可動表示体501の復帰期間中でなければ(S2048:No)、可動表示体501は動作していないので、かかる場合には、処理をS2045に移行し、磁気センサ装置601のオフセット設定を実行する。
一方、S2048の処理による判別の結果、可動表示体501の復帰期間中であれば(S2048:No)、可動表示体501が動作している可能性があるので、かかる場合には、磁気センサ装置601のオフセット設定を待機させるために、オフセット待機フラグ203dをオンに設定する(S2049)。S2049の処理により、オフセット待機フラグ203dがオンに設定されると、オフセット設定された磁気センサ装置601の出力状況の監視が開始される。S2049の処理後、扉開閉確認処理(S505)を終了して、タイマ割込処理(図17参照)へ戻る。
この扉開閉確認処理(S505)によれば、内枠スイッチSW1又は前面枠スイッチSW2の状態が変化した場合には、磁気センサ装置601のオフセット設定を実行するように構成されている。内枠スイッチSW1又は前面枠スイッチSW2の状態が変化した場合には、ハーネスなどの電気配線の移動などが原因で、磁場が変動する可能性がある。かかる可能性に対し、本実施形態のパチンコ機10によれば、振動センサ装置602が振動を検出した場合に磁気センサ装置601のオフセット設定を行うことにより、適切なオフセット値を設定できる。
一方で、可動表示体501が動作している可能性がある期間中(変動開始後3秒を除く変動表示中、可動表示体501の復帰期間中)に、内枠スイッチSW1又は前面枠スイッチSW2の状態が変化した場合には、可動表示体501の動作による磁場の変動によって適切なオフセット値を設定できない可能性があるので、オフセット待機フラグ203dをオンに設定することにより、当該期間(可動表示体501が動作している可能性がある期間)が終了するまで、磁気センサ装置601のオフセット設定を一時的に待機させる。これにより、常時動作する電動役物(振分ローラ410)と、必要に応じて動作したりしなかったりする電動役物(可動表示体501)との両方を動作させた状態で、磁気センサ装置601のオフセット設定がされることを防止できる。
次に、図21を参照して、上述したオフセット設定待機解除処理(S506)を説明する。図21は、タイマ割込処理(図17参照)の中で実行されるオフセット設定待機解除処理(S506)を示すフローチャートである。
オフセット設定待機解除処理では、まず、オフセット待機フラグ203dがオンであるか否かを判別する(S2061)。このとき、オフセット待機フラグ203dがオフであれば(S2061:No)、磁気センサ装置601のオフセット設定を待機している状況ではないので、かかる場合には、オフセット設定待機解除処理(S506)を終了して、タイマ割込み処理(図17参照)へ戻る。
一方、S2061の処理による判別の結果、オフセット待機フラグ203dがオンである場合には(S2061:Yes)、RAM203内に設けられている待機時変動終了フラグ(図示せず)がオンであるか否かを判別する(S2062)。
S2062の処理による判別の結果、待機時変動終了フラグがオンである場合には(S2062:Yes)、磁気センサ装置601のオフセット設定が待機されている状況において、図柄の変動表示が終了したタイミングであるので、かかる場合には、待機時変動終了フラグをオフに設定し(S2063)、磁気センサ装置601に対して信号を出力することにより、磁気センサ装置601のオフセット設定を実行する(S2064)。S2064の処理が実行されると、磁気センサ装置601は、そのときの出力電圧をオフセット値(オフセット電圧)として、図示されない検出回路の記憶部に格納する。
S2064の処理後、オフセット待機フラグ203dをオフに設定し(S2065)、オフセット設定を行った磁気センサ装置601の出力を監視するために、オフセット後監視フラグ203bをオンに設定して(S2066)、オフセット設定待機解除処理(S506)を終了して、タイマ割込み処理(図17参照)へ戻る。
一方、S2062の処理による判別の結果、待機時変動終了フラグがオフである場合には(S2062:No)、可動表示体501の復帰期間が終了したタイミングであるか否かを判別する(S2067)。即ち、図柄の変動表示が終了してから、「図柄の停止表示の確定表示期間(本実施形態では、0.5秒)+初期位置への復帰に十分とされる予め規定される期間(例えば、1秒)」が経過したタイミングであるか否かを判別する。
S2067の処理による判別の結果、可動表示体501の復帰期間が終了したタイミングである場合には(S2067:Yes)、可動表示体501は初期位置に復帰して既に停止しているので、かかる場合には、処理をS2064に移行する。
一方で、S2067の処理による判別の結果、可動表示体501の復帰期間が終了したタイミングでない場合には(S2067:No)、可動表示体501が可動している可能性があり、磁気センサ装置601のオフセット設定の待機を解除する状況ではないので、かかる場合には、オフセット設定待機解除処理(S506)を終了して、タイマ割込み処理(図17参照)へ戻る。
このオフセット設定待機解除処理(S506)によれば、磁気センサ装置601のオフセット設定が待機されている状況(即ち、オフセット待機フラグ203dがオンである状況)において、図柄の変動表示が終了したタイミング、又は、可動表示体501の復帰期間が終了したタイミングが到来すると、当該待機が解除されて、磁気センサ装置601のオフセット設定が実行されるように構成されている。図柄の変動表示が終了したタイミング、又は、可動表示体501の復帰期間が終了したタイミングでは、可動表示体501が停止しているので、振分ローラ410は動作し、可動表示体501が停止した状態において、磁気センサ装置601のオフセット設定を行うことができ、適切なオフセット値を設定できる。
また、振動センサ装置602又は枠スイッチSW1,SW2の出力に基づく磁気センサ装置601のオフセット設定の待機は、変動表示の経過時間に基づいて待機された場合には、その変動表示の終了タイミングで解除され、可動表示体501の復帰期間に基づいて待機された場合には、その復帰期間が終了したタイミングで解除されるので、磁気センサ装置601のオフセット設定を待機する期間を最小限に抑えることができる。よって、パチンコ機10の振動(揺れ)や、内枠12又は前面枠14の開閉によって磁気センサ装置601のオフセット値が不適切な値になった場合であっても、その不適切なオフセット値である期間を最小限に抑えることができる。これにより、磁石などを用いて発生させた不正な磁場が磁気センサ装置601により検出されなくなることを防止できる。
次に、図22のフローチャートを参照して、上述した始動入賞処理(S510)を説明する。図22は、タイマ割込処理(図17参照)の中で実行される始動入賞処理(S510)を示すフローチャートである。
この始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S601)。球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S601:Yes)、第1図柄表示装置37の特図保留球数Nが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S602)。
このとき、第1入球口64への入賞があり、且つ特図保留球数N<4であれば(S602:Yes)、前記ステップS503で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球格納エリアの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S603)。
次に、特図保留球カウンタ(図示せず)の値、即ち、特図保留球数Nに1加算し(S604)、加算した後の特図保留球数カウンタの値を示す保留数コマンドを設定する(S605)。S605の処理により設定された保留数コマンドは、メイン処理(図13参照)の中で実行されるS201の外部出力処理により演出制御装置117へ出力される。保留数コマンドを受信した演出制御装置117は、その保留数コマンドが示す特図保留球数Nと同一数のランプを特図保留ランプ85において点灯する。
次に、特図保留球カウンタの値(特図保留球数N)に応じて、第1図柄表示装置37における保留回数表示用のLEDである特図保留ランプ37cを点灯させて、新たな保留回数を点灯状態により表示し(S606)、始動入賞処理(S510)を終了して、タイマ割込処理(図17参照)へ戻る。
一方、第1入球口64への入賞がないか(S601:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても特図保留球数N<4でなければ(S602:No)、S603及びS604の各処理をスキップし、始動入賞処理(S504)を終了して、タイマ割込処理(図17参照)へ戻る。
図23は、主制御装置110内のMPU201により実行されるRAMクリア検出時割込処理を示すフローチャートである。このRAMクリア検出時割込処理は、電源をオンの状態としたままRAM消去スイッチ122を長押し(本実施形態では、1s)を行った場合に実行される。なお、本実施形態では、RAMクリア検出時割込処理の実行中は、他の割込処理が割込みできないように構成されている。
RAMクリア検出時割込処理では、まず、RAM消去スイッチ122がオンであるか否かを判別する(S2101)。このとき、RAM消去スイッチ122がオンでなければ(S2101:No)、RAMクリア検出時割込処理を終了する。
S2101の処理による判別の結果、RAM消去スイッチ323がオンされてから1s経過したか否かを判別する(S2102)。S2102の処理による判別の結果、未だ1s経過していなければ(S2102:No)、S2101の処理へ戻り、RAM消去スイッチ122の状態を再度確認する。
一方、S2102の処理により確認した結果、RAM消去スイッチ122がオンされてから1s経過した場合には(S2102:Yes)、かかるRAM消去スイッチ122の操作を不正行為の疑いのない正当な操作とみなし、遊技の状態を現状態メモリ203fに記憶されている状態に復帰させる(S2103)。
S2103の処理後、確認回数カウンタ203aをゼロクリアし(S2104)、オフセット後監視フラグ203bをオフに設定し(S2105)、第1報知後監視フラグ203cをオフに設定する(S2106)。
次いで、遊技制限中フラグ203eをオフに設定し(S2107)、演出制御装置117へ報知解除コマンドを送信し(S2108)、RAMクリア検出時割込処理を終了する。演出制御装置117は、S2108の処理により主制御装置110から送信された報知解除コマンドを受信すると、実行中の第2報知を解除する。
よって、このRAMクリア検出時割込処理によれば、電源をオンの状態としたままRAM消去スイッチ122が1s間の長押しされた場合には、その操作を正当な操作とみなし、遊技制限中フラグ203eをオフに設定することにより、遊技の進行の制限を解除する。また、遊技の状態は、現状態メモリ203fに記憶されている状態に復帰される。
図24は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される処理であり、このNMI割込処理の実行により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
次に、図25から図30を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU271の処理としては、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、主制御装置110から送信された各種コマンドを受信する毎に実行されるコマンド受信割込処理とに大別される。
図25は、演出制御装置117内のMPU271により実行される立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は、演出制御装置117の各種初期設定を行うための処理であり、パチンコ機10に電源が投入された場合や、MPU271がリセットされた場合に実行される処理である。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定を行う(S1001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源投入報知処理を実行する(S1002)。この電源投入報知処理(S1002)は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226や、電飾部29〜33や、表示ランプ34や、特図保留ランプ85や、第3図柄表示装置81の画面などにより行われる。
電源投入報知処理(S1002)の実行後は、第3図柄表示装置81に初期画面を表示するために、まず、初期画面に応じた演出データ(又は、画像データ)を、キャラクタROM275から読み出し、ビデオRAM276の所定領域に記憶する(S1003)。そして、その演出データを使用して、初期画面を第3図柄表示装置(LCD)81に表示する(S1004)。
次に、今回の立ち上げ処理が、後述する電源断処理(図26のS1109参照)の実行途中で、MPU271がリセットされたために実行されたものであるのかを、RAM273内に設けられている電源断処理中フラグ(図示せず)がオンされているか否かによって判定する(S1005)。
上述した通り、瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)が発生すると、主制御装置110は、演出制御装置117などに対して電源断コマンドを送信する。詳細については図26を参照しつつ後述するが、演出制御装置117は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると、電源断コマンドを受信したことを示す電源断の発生情報をRAM273に記憶し、電源断処理(図26のS1109参照)を実行する。電源断処理中フラグは、この電源断処理の前にオンされ、電源断処理の終了後にオフされる。
つまり、電源断処理の実行途中で、MPU271がリセットされたか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。なお、電源断処理の実行途中に、または、実行完了した後に電源が完全に遮断された場合には、RAM273のデータが喪失するので、かかる場合には、電源断処理中フラグはオフとなる。
より具体的には、電源断処理中フラグがオフである場合は、次の3つの状態のいずれかとなった後に、今回の立ち上げ処理が実行された場合である。第1の状態としては、電源が完全に遮断された状態である。電源が完全に遮断されると、RAM273のデータが喪失するので、電源断処理中フラグはオフとなる。
第2の状態としては、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図26のS1109参照)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理が完了した後に、MPU271がリセットされた状態である。この場合、電源が遮断されなかったため、RAM273のデータは喪失せずに保持される。また、電源断処理が完了するので、電源断処理中フラグはオフとなる。
第3の状態としては、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされた状態である。つまり、電源断処理が実行されることなく(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)、MPU271がリセットされると、電源断処理中フラグがオフのまま、RAM273のデータが保持される。
上述した3つの状態のいずれかとなった後に、今回の立ち上げ処理が実行された場合、即ち、電源断フラグがオフの場合は(S1005:No)、RAM273のデータが破壊されているか否かを確認する(S1006)。なお、ここでデータが破壊されているか否かを確認しているのは、ノイズなどによってMPU271のみがリセットされて、立ち上げ処理が開始された場合に、RAM273のデータが正常に保持されていれば、そのデータを使用して演出制御装置117の制御を継続できるからである。
RAM273のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM273の特定の領域には、後述するS1009の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM273のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM273のデータ破壊を確認することができる。RAM273のデータ破壊が確認されれば(S1006:Yes)、S1007へ移行して、RAM273の初期化を開始する。一方、RAM273のデータ破壊が確認されなければ(S1006:No)、S1010の処理へ移行する。
より具体的には、電源が完全に遮断された後に、今回の立ち上げ処理が開始された場合には、RAM273の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM273の記憶は喪失するから)、RAM273のデータ破壊と判断され(S1006:Yes)、S1007の処理へ移行する。一方、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図26のS1109参照)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行が完了した後にMPU271がリセットされて、今回の立ち上げ処理が開始されたか、或いは、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされた後に、今回の立ち上げ処理が開始された場合には、RAM273の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM273のデータは正常と判断されて(S1006:No)、S1010の処理へ移行する。
S1005の処理において、電源断処理中フラグがオンである場合は(S1005:Yes)、瞬間的な停電が発生したため電源断処理(図26のS1109参照)が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行途中でMPU271がリセットされた場合である。この場合は、現在のRAM273の記憶状態が必ずしも正しいとは言えない。よって、かかる場合には制御を継続することが困難であるので、処理をS1007へ移行して、RAM273の初期化を開始する。
S1007の処理では、RAM273の全範囲の記憶領域をチェックし(S1007)、そのチェック結果に基づいてRAM273が正常であるか否かを判別する(S1008)。なお、S1007で行うチェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM273の読み書きチェックにより、RAM273のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM273のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出された場合には、RAM273に異常があると判別し(S1008:No)、RAM273の異常を報知して(S1014)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM273の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM273の異常報知を行うようにしても良い。また、第3図柄表示装置81の画面において、RAM273の異常を報知するように構成しても良い。
一方、RAM273のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常であれば、RAM273は正常であると判別し(S1008:Yes)、RAM273の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1009)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM273にデータ破壊があるか否かがチェックされる。
S1109の処理後、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1010)。電源断フラグは、電源断処理(図26のS1109参照)が実行される前にオンされ、電源が完全に遮断されるとオフとなる。よって、立ち上げ処理の実行時に電源断フラグがオンである場合とは、瞬間的な停電が発生したため電源断処理が実行されたが、電源の遮断は起きず正常に戻り、その後、電源断処理の実行途中に、または、実行完了してMPU271がリセットされた場合である。
よって、S1010の処理により確認した結果、電源断フラグがオンである場合には(S1010:Yes)、演出制御装置117の各処理を初期化するためにRAM273の作業エリア(作業領域)をクリアし(S1011)、RAM273の初期値を設定した後(S1012)、割込み許可を設定して(S1013)、メイン処理へ移行する。
一方、立ち上げ処理の実行時に電源断フラグがオフである場合とは、例えば、電源が完全に遮断された後に、再度電源が投入された場合(電源断フラグのデータを含むRAM273のデータが喪失している場合)、或いは、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされて、電源断フラグがオンされることなく(即ち、主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)、RAM273のデータが保持されている場合である。
よって、S1010の処理により確認した結果、電源断フラグがオフされている場合には(S1010:No)、RAM273の作業エリアのクリア処理であるS1011をスキップして、処理をS1012へ移行し、RAM273の初期値を設定した後(S1012)、割込み許可を設定して(S1013)、メイン処理へ移行する。
なお、電源断フラグがオフされている場合にS1011のクリア処理をスキップするのは、ノイズなどによって演出制御装置117のMPU271のみがリセットされて、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM273の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、演出制御装置117の制御を継続できるからである。また、S1007〜S1009の処理が実行された場合には、S1007の処理によって、RAM273のすべての記憶領域は既にクリアされているので、再度、RAM273の作業エリアをクリアする必要がないからである。
次に、図26を参照して、上述した立ち上げ処理後に実行されるメイン処理について説明する。図26は、演出制御装置117内のMPU271により実行されるメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理は、遊技の演出(音声出力や表示など)に関する制御を実行するための処理であり、上述した演出制御装置117の立ち上げ処理(図25参照)の終了後に実行され、その後は繰り返し実行される処理である。
メイン処理では、まず、前回の判定が実行されてから(即ち、前回にS1101の処理が実行されてから)、1ms以上が経過したか否かを判定し(S1101)、前回の判定が実行されてから1ms以上経過している場合には(S1101:Yes)、各種ランプの点灯制御や音声出力制御などを実行する処理である音声ランプ演出処理を実行し(S1102)、S1103の処理へ移行する。なお、この音声ランプ演出処理(S1102)の詳細については、図27を参照して後述する。
一方、S1101の処理による判定の結果、前回の判定から未だ1msが経過していなければ(S1101:No)、S1102の処理をスキップして、S1103の処理へ移行する。なお、S1101の処理によって前回の判定が実行されてから1ms経過していない場合に、音声ランプ演出処理(S1102)の処理をスキップするのは、音声ランプ演出処理(S1102)の中で実行されるランプの点灯制御や音声出力制御を1msより短い周期で実行する必要がないからである。
S1103の処理では、前回の判定が実行されてから(即ち、前回にS1103の処理が実行されてから)、20ms以上が経過したか否かを判定する(S1103)。このとき、前回の判定が実行されてから20ms以上経過している場合には(S1103:Yes)、変動演出に応じた動画(画像)や大当たり演出に応じた動画(画像)を第3図柄表示装置(LCD)81に表示させるための処理である表示演出処理を実行する(S1104)。なお、この表示演出処理(S1104)の詳細については、図28を参照して後述する。
表示演出処理(S1104)の実行後は、可動表示体501の動きを制御する可動表示体制御処理を実行し(S1105)、S1106の処理へ移行する。なお、この可動表示体制御処理(S1105)の詳細については、図29を参照して後述する。
一方、S1103の処理による判定の結果、前回の判定が実行されてから未だ20msが経過していなければ(S1103:No)、S1104,S1105の処理をスキップして、S1106の処理へ移行する。なお、S1103の処理によって前回の判定が実行されてから20ms経過していない場合に表示演出処理(S1104)の処理をスキップするのは、この表示演出処理が、第3図柄表示装置(LCD)81に表示させる画像を変動時間に応じて更新する処理であるので、かかる処理を20msより短い周期で実行する必要がないからである。
S1106の処理では、RAM273に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判定する(S1106)。なお、電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1106の処理により、電源断の発生情報が記憶されていると判定された場合には(S1106:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1108)、電源断処理を実行する(S1109)。電源断処理(S1109)の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1110)、その後、処理を、無限ループする。
S1109の電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226、電飾部29〜33、表示ランプ34、及び、第3図柄表示装置81への出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。なお、各出力ポートをオフするのは、異常な表示や、異常な音声出力が行われることを防止するためであり、異常な表示や、異常な音声出力によって、遊技者を困惑させないようにするためである。
一方、S1106の処理による判定の結果、電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1106:No)、立ち上げ処理(図25参照)のS1009の処理によってRAM273に記憶されたキーワード「55AAh」に基づき、RAM273が破壊されているか否かを判別し(S1107)、RAM273が破壊されていなければ(S1107:No)、S1101の処理へ戻り、上述したS1101〜S1106の各処理を繰り返し実行する。
一方、S1107の処理により、RAM273が破壊されると判定された場合には(S1107:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて処理が無限ループとされたことにより、表示演出処理(S1104)が実行されなくなるため、その後は、第3図柄表示装置81の表示が変化されない。これにより、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。なお、RAM273が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226や、電飾部29〜33や、表示ランプ34や、特図保留ランプ85や、第3図柄表示装置81の画面などによりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図27を参照して、上述した音声ランプ演出処理(S1102)について説明する。図27は、演出制御装置117のメイン処理(図26参照)の中で実行される音声ランプ演出処理(S1102)を示すフローチャートである。
音声ランプ演出処理(S1102)では、まず、後述するS1225の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプ(例えば、電飾部29〜33や、表示ランプ34など)の出力を設定する(S1221)。
S1221の処理後、客待ち演出処理(S1222)を実行する。客待ち演出処理(S1222)では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間(例えば、30秒や、1分など)経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示を客待ち演出に切り換える設定などを行う。
なお、「客待ち演出」とは、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に第3図柄遊技装置81に表示される、遊技状態とは無関係の表示演出(例えば、タイトル表示やデモ表示など)である。パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間は、例えば、変動表示も大当たり演出も実行されない期間や、操作ハンドル51のタッチセンサ51aによる検出のない期間などによって計ることができる。かかる期間(パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間)は、演出制御装置117において計時してもよいし、主制御装置110において計時して演出制御装置117にコマンドによって報せるようにしてもよい。
客待ち演出処理(S1222)の実行後は、保留個数表示更新処理を実行する(S1223)。保留個数表示更新処理(S1223)では、主制御装置110から受信した保留数コマンドに基づいて、特図保留ランプ85の点灯数が更新される。
次いで、枠ボタン入力監視・演出処理を実行する(S1224)。この枠ボタン入力監視・演出処理(S1224)では、演出効果を高めるために遊技者に操作(押下)される枠ボタン22からの入力を監視し、枠ボタン22から入力される信号がローからハイに切り替わった場合(枠ボタン22が非操作状態から操作された場合)に対応した演出を行うよう設定する処理である。例えば、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したりするように設定する。また、枠ボタン22を、複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、パチンコ機に枠ボタン22が配設されていない場合には、S1224の処理を省略することができる。
枠ボタン入力監視・演出処理(S1224)の実行後は、ランプ編集処理を実行し(S1225)、音編集・出力処理を実行する(S1226)。ランプ編集処理(S1225)では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンや、表示ランプ34などを設定する。音編集・出力処理(S1226)では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどを設定し、その設定に応じて音声出力装置226から音を出力させる。
S1206の処理後、液晶演出実行管理処理を実行し(S1227)、音声ランプ演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。液晶演出実行管理処理(S1227)では、主制御装置110から送信されて受信した変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間を設定する。液晶演出実行管理処理(S1227)で設定された時間に基づいてS1225のランプ編集処理やS1226の音編集・出力処理を実行する。
次に、図28を参照して、上述した表示演出処理(S1104)について説明する。図28は、演出制御装置117のメイン処理(図26参照)の中で実行される表示演出処理(S1104)を示すフローチャートである。
表示演出処理(S1104)では、まず、第3図柄表示装置81で実行されている変動演出が大当たり用の演出であるか(即ち、大当たり中であるか)否かを判別し(S1241)、大当たり中であれば(S1241:Yes)、大当たり演出処理を実行する(S1248)。この大当たり演出処理では、第3図柄表示装置81で行われる大当たり演出に応じた演出データをキャラクタROM275から読み出し、ビデオRAM276の所定領域に書き込むことにより、該大当たり演出の画像の更新を行う。大当たり演出処理(S1248)の終了後は、表示演出処理(S1104)を終了して、メイン処理(図26参照)へ戻る。
一方、S1241の処理において、大当たり中でなければ(S1241:No)、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示の実行中であるか(即ち、変動中であるか)否かを判定する(S1242)。このとき、変動中でない場合は(S1242:No)、RAM273内に設けられている変動開始フラグ(図示せず)がオンであるかを判定する(S1243)。
なお、図示されない変動開始フラグは、第3図柄の変動表示の開始を指示するフラグであり、S1243において変動開始フラグがオンであると判定された場合に、第3図柄の変動表示が開始される。この変動開始フラグは、主制御装置110から送信されてくる変動パターンコマンドを受信した場合にオンに設定され(図30参照)、第3図柄の変動表示を開始する際にオフに設定される。
S1243の処理による判定の結果、変動開始フラグがオフであれば(S1243:No)、その他の表示処理を実行する(S1250)。なお、その他の表示処理では、例えば、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に実行する客待ち演出などの表示処理である。その他表示処理(S1250)の実行後は、表示演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
一方、S1243の処理による判定の結果、変動開始フラグがオンであれば(S1243:Yes)、変動開始フラグをオフし(S1244)、RAM273内に設けられている変動時間カウンタ(図示せず)に初期値を設定する(S1245)。なお、図示されない変動時間カウンタは、第3図柄の変動表示が開始されてからの経過時間を計時するためのカウンタである。なお、S1245において変動時間カウンタに設定される初期値は、変動パターンコマンドが示す変動パターンの変動時間と、演出時間加減算コマンドが示す演出時間の加減算値とから得られる時間である。
S1245の処理後、変動時間カウンタの値が0より大きいか否か、即ち、変動時間内であるか否かを判定する(S1246)。一方、S1242の処理による判定の結果、第3図柄の変動表示の実行中(変動中)である場合は(S1242:Yes)、変動時間カウンタの値から1減算して(S1249)、S1246の処理へ移行し、変動時間内であるか否かの判定を行う。
S1246の処理による判定の結果、変動時間内であれば(S1246:Yes)、図柄の変動表示を実行する(S1247)。具体的に、S1247の処理では、ビデオRAM276の変動演出データ記憶領域(図示せず)に記憶されている変動演出データを使用して、第3図柄表示装置(LCD)81に、変動演出データに対応する画像を表示する。S1247の処理後、表示演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
一方で、S1246の処理による判定の結果、変動時間カウンタの値が0、即ち、変動時間が終了している場合には(S1246:No)、主制御装置110から受信した種別コマンドに基づいて設定された停止図柄を第3図柄表示装置(LCD)81に表示し(S1251)、表示演出処理を終了して、メイン処理へ戻る。
次に、図29を参照して、上述した可動表示体制御処理(S1105)について説明する。図29は、演出制御装置117のメイン処理(図26参照)の中で実行される可動表示体制御処理(S1105)を示すフローチャートである。
可動表示体制御処理では、第3図柄の変動表示の実行中(変動中)であるか否かを判別する(S1301)。このとき、変動中であれば(S1301:Yes)、可動表示体501が回転しているか否かを判別する(S1302)。
S1302の処理による判別の結果、可動表示体501が回転していない(即ち、停止している)場合には(S1302:No)、RAM273内に設けられている変動時間カウンタ(図示せず)を参照して、変動表示が開始されてから3秒が経過したか否かを判別する(S1303)。このとき、変動表示が開始されてから未だ3秒が経過していなければ(S1303:No)、可動表示体501の回転(動作)を開始させるタイミングが到来していないので、可動表示体制御処理を終了して、メイン処理へ戻る。
一方、S1303の処理による判別の結果、変動表示が開始されてから3秒が経過した場合には(S1303:Yes)、可動表示体501の回転を開始させるタイミングであるので、可動表示体用モータ520を駆動して可動表示体501の回転(動作)を開始させ(S1304)、可動表示体制御処理を終了して、メイン処理へ戻る。
また、S1302の処理による判別の結果、可動表示体501が回転している場合には(S1302:Yes)、RAM273内に設けられている変動時間カウンタ(図示せず)を参照して、図柄の変動表示が終了するタイミングであるか否かを判別する(S1305)。このとき、図柄の変動表示が終了するタイミングであれば(S1305:Yes)、可動表示体制御処理を終了して、メイン処理へ戻る。
一方、S1305の処理による判別の結果、図柄の変動表示が終了するタイミングでなければ、RAM273内に設けられている変動時間カウンタ(図示せず)を参照して、変動表示中における可動表示体501の停止タイミングであるか否かを判別する(S1306)。なお、可動表示体501の停止タイミングは、演出制御装置117が、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに基づき設定した変動演出に応じて規定されている。
S1306の処理による判別の結果、可動表示体501の停止タイミングでなければ(S1306:No)、可動表示体制御処理を終了して、メイン処理へ戻る。その一方で、S1306の処理による判別の結果、可動表示体501の停止タイミングである場合には(S1306:Yes)、可動表示体501の回転を停止させ(S1307)、可動表示体制御処理を終了して、メイン処理へ戻る。
なお、停止後の可動表示体501において正面側(遊技者に対向する側)を向く面は、主制御装置110から受信した変動パターンコマンドに基づき設定された変動演出に応じて、第2〜第4面501a2〜501a4の中から選択される。よって、S1307では、設定された変動演出に応じて選択される面(第2〜第4面501a2〜501a4のいずれか)が正面側を向くように、可動表示体501の停止が制御される。
また、S1301の処理による判別の結果、第3図柄の変動表示が実行されていない場合には(S1301:No)、可動表示体501を初期位置に復帰させるタイミングであるか否かを判別する(S1308)。即ち、第3図柄の変動表示が終了してから、「図柄の停止表示の確定表示期間(本実施形態では、0.5秒)+初期位置への復帰に十分とされる予め規定される期間(例えば、1秒)」が経過したタイミングであるか否かを判別する。なお、本実施形態では、可動表示体501を初期位置に復帰させるタイミングを、RAM273内に設けられた所定のカウンタや、タイマなどを用いて計時されるものとする。RAM273内に設けられた変動時間カウンタ(図示せず)を利用してもよい。
S1308の処理による判別の結果、可動表示体501を初期位置に復帰させるタイミングでなければ(S1308:No)、可動表示体制御処理を終了して、メイン処理へ戻る。その一方で、S1308の処理による判別の結果、可動表示体501を初期位置に復帰させるタイミングである場合には(S1308:Yes)、可動表示体501を初期位置に復帰させる(S1309)。その後、可動表示体制御処理を終了して、メイン処理へ戻る。
次に、図30を参照して、演出制御装置117内のMPU271により実行されるコマンド受信割込処理について説明する。図30は、コマンド受信割込処理を示すフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、主制御装置110から送信されてくる各種コマンドを受信する毎に実行される割込処理である。
コマンド受信割込処理では、まず、初期化コマンド又は復電コマンドを受信したか否かを判別する(S1401,S1402)。このとき、初期化コマンド又は復電コマンドを受信していない場合には(S1401:No,S1402:No)処理をS1403に移行する。
一方、初期化コマンド又は復電コマンドを受信した場合には(S1401:Yes,S1402:Yes)、可動表示体501を初期位置に復帰させる処理を実行し(S1407)、処理をS1403に移行する。
S1407では、可動表示体501の回動軸に設けられたセンサカットバン503の位置を、フォトセンサ504に検出させてゼロ点を決定し、そのゼロ点に基づいて、可動表示体501を初期位置に復帰させる。
S1403の処理では、変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S1408)。このとき、変動パターンコマンドを受信していない場合には(S1403:No)、処理をS1404に移行する。
一方、変動パターンコマンドを受信した場合には(S1403:Yes)、RAM203内に設けられている変動開始フラグ(図示せず)をオンし(S1408)、第3図柄表示装置81において変動演出を開始するために必要な変動演出データの設定を行う変動演出設定処理を実行し(S1409)、S1404の処理へ移行する。
S1404では、第1報知コマンドを受信したか否かを判定する(S1404)。このとき、第1報知コマンドを受信していない場合には(S1404:No)、S1405の処理へ移行する。
一方、第1報知コマンドを受信した場合には(S1404:Yes)、第1報知を行う第1報知処理を実行し(S1410)、S1405の処理へ移行する。なお、本実施形態では、第1報知は、所定の報知音を音声出力装置226から小音量で出力するとともに、電飾部29〜33及び表示ランプ34を所定間隔で点滅させることによる報知として構成される。
S1405では、第2報知コマンドを受信したか否かを判定する(S1405)。このとき、第2報知コマンドを受信していない場合には(S1405:No)、S1406の処理へ移行する。
一方、第2報知コマンドを受信した場合には(S1405:Yes)、第2報知を行う第2報知処理を実行し(S1411)、S1406の処理へ移行する。なお、本実施形態では、第2報知は、第1報知より報知強度の強い報知であり、本実施形態では、所定の報知音を音声出力装置226から大音量で出力するとともに、電飾部29〜33及び表示ランプ34を第1報知の場合に比べて短い間隔で点滅させることによる報知として構成される。
S1406の処理では、その他のコマンドを受信したかを判定する(S1406)。このとき、その他のコマンドを受信していない場合には(S1406:No)、コマンド受信割込処理を終了する。
一方、その他のコマンドを受信した場合は(S1406:Yes)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S1412)、このコマンド受信割込処理を終了する。なお、その他のコマンドの応じた処理(S1412)としては、例えば、報知解除コマンドを受信した場合に、実行中の第1又は第2報知を解除する(即ち、報知を終了する)処理がある。また、その他にも、種別コマンドを受信した場合に、停止図柄の設定を行う処理や、演出時間加減算コマンドを受信した場合に、演出時間の加減算値に応じた予告演出(例えば、スベリ演出や戻り演出など)の決定を行う処理などがある。
以上説明した通り、本実施形態のパチンコ機10によれば、振分ローラ410が動作(回動)し、かつ、可動表示体501が停止した状態で、磁気センサ装置601のオフセット設定が実行される。つまり、電源がオンである間(電源が投入されている間)、常時動作する電動役物は動作させた状態とし、かつ、必要に応じて動作したりしなかったりする電動役物は動作していない状態として、磁気センサ装置601のオフセット設定が実行される。よって、遊技中に電動役物により生じる磁場を考慮した上で、その磁場ができるだけ小さい状態で磁気センサ装置601のオフセット設定を行うことにより、適切なオフセット値を設定できる。これにより、不正に印加された磁場を、磁気センサ装置601によって好適に検出させることができるので、磁石などを用いる不正行為を好適に抑制することができる。
また、本実施形態のパチンコ機10によれば、パチンコ機10への電源投入後、投入振分ローラ410の動作を開始させてから、可動表示体501の初期位置への復帰(初期設定、初期位置合わせ)を行う前に、磁気センサ601のオフセット設定を行うように構成されている。よって、パチンコ機10への電源投入後、投入振分ローラ410が動作した状態であり、かつ、可動表示体501が動作していない状態を確実に創出することができるので、磁気センサ装置601のオフセット設定を確実に行うことができる。
パチンコ機10に振動(揺れ)が生じた場合には、ハーネスなどの電気配線の移動などが原因で、磁場が変動する可能性があるが、本実施形態のパチンコ機10によれば、振動センサ装置602により振動(揺れ)が検出された場合、又は、内枠スイッチSW1又は前面枠スイッチSW2の状態が変化した場合には、磁気センサ装置601のオフセット設定を実行するように構成されているので、パチンコ機10の振動に伴う磁場の変化によって磁気センサ装置601のオフセット値が不適切な値になることを防止できる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した各実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施形態では、主制御手段110のタイマ割込処理(図17参照)の中で、磁気センサ装置確認処理(S503)、振動センサ装置確認処理(S504)、扉開閉確認処理(S505)、オフセット設定待機解除処理(S506)を実行する構成としたが、これらの処理(S504〜S506)の一部又は全てを、メイン処理(図13参照)における定期的に(上記実施形態では、4msec毎に)繰り返される部分において実行する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、磁気センサ装置601として、補正値(MIセンサの出力値からオフセット値を差し引いた値)が、予め設定された検知閾値を超えるか否かに応じて、MPU201への出力がオン(検知出力)又はオフ(非検知出力)になるタイプのものを用いたが、これに換えて、例えば、MIセンサの出力値からオフセット値を差し引いて得られた補正値をMPU201へ出力する構成としてもよい。かかる場合には、MPU201が、受信した補正値と、ROM202などに予め記憶されている検知閾値とを比較し、受信した補正値が当該検知閾値を超えるか否かに基づき、磁場の大きさを判断する構成としてもよい。
あるいは、MIセンサの出力値を、MPU201へ出力する構成としてもよい。かかる場合には、立ち上げ処理(図11参照)のS113,S124において、MIセンサの出力値(出力電圧)を取得し、その出力値をオフセット値(オフセット電圧)としてRAM203に記憶させる。そして、磁気センサ装置確認処理(図18参照)のS2002において、MIセンサの出力値を取得させて、RAM203に記憶されているオフセット値により補正し、得られた補正値が、ROM202などに予め記憶されている検知閾値を超えるか否かに基づき、磁場の大きさを判断する構成としてもよい。なお、かかる構成を採用する場合には、上記実施形態と同様の条件(振動センサ装置602により振動が検出された場合、内枠12又は前面枠14の開閉状態の変化が枠スイッチSW1,SW2によって検出された場合)が成立する毎に、MIセンサの出力値を取得することにより、オフセット値の更新(設定)を行う。
また、上記実施形態では、磁気センサ装置601は、MIセンサの出力値とオフセット値とに基づいて得られた補正値が、予め設定された1の検知閾値を超えるか否かに応じて、オン又はオフを出力するものであったが、複数の検知閾値を準備し、複数段階の値を出力できるように構成してもよい。例えば、2つの検知閾値(例えば、第1閾値、第2閾値)を準備し、補正値が第1閾値も第2閾値も超えない場合には「0」を出力し、補正値が第1閾値を超えるが第2の値を超えない場合には「1」を出力し、補正値が第1閾値も第2閾値も超える場合には「2」を出力するように構成してもよい。かかる場合には、例えば、出力される複数段階の値の各値に対し、異なる処理(例えば、異なる報知)を実行させるようにしてもよい。あるいは、複数段階の値のうち、所定値より大きい値をオンとし、所定値以下の値をオフとするようにしてもよい。
また、上記実施形態では、磁気センサ装置601を構成する磁気センサとして、MIセンサを例示したが、MIセンサに限らず、他の種類の磁気センサ(例えば、磁気抵抗素子など)を用いる構成としてもよい。
また、上記実施形態では、振動センサ602は、振動を検出した場合に出力がオンになるタイプのものを用いたが、これに換えて、振動検出を行うための加速度などを測定する装置を設け、その測定値をMPU201に出力し、MPU201が測定値に基づいて振動が生じたか否かの判定を行う構成であってもよい。
また、上記実施形態では、パチンコ機10の電源がオンとなっている間、常時動作する(回動し続ける)電動役物として、溝411を利用して球を特別穴404に案内する振分ローラ410を例示したが、かかるタイプ以外の電動役物を常時動作(回動)する電動役物として採用する構成であってもよい。例えば、磁力を利用して球を特別穴404に案内するタイプの電動役物を、パチンコ機10の電源がオンとなっている間中動作し続ける電動役物として採用してもよい。
ここで、磁力を利用して球を特別穴404に案内するタイプの電動役物としては、例えば、外周に1又は複数個の磁石が配設され円盤体を、その円盤体の直系方向の中心を軸として回転させる電動役物を用いることができる。つまり、例えば、外周に1又は複数個の磁石が配設された円盤体を回転させ、導入経路401を経由してステージ403に誘導された球Pが、磁石に接着するか否かによって、球Pが特別穴404に案内されるか、ステージ403の流下部Uから遊技盤13の前面側に流下するかの事象を生じさせることの電動役物を用いることができる。
また、上記実施形態では、パチンコ機10の電源がオンとなっている間、常時動作する電動役物(振分ローラ410)が主制御手段110に接続される構成としたが、演出制御手段117に接続された電動役物のうち、1又は複数の電動役物を常時動作する電動役物する構成としてもよい。同様に、可動表示体501のように、必要に応じて動作したりしなかったりする電動役物を、主制御装置110に接続させてもよい。
また、上記実施形態では、パチンコ機10の電源がオンとなっている間、常時動作する電動役物として、1の電動役物(振分ローラ410)を例示したが、2以上の電動役物を、常時動作する電動役物とする構成であってもよい。また、上記実施形態では、必要に応じて動作したりしなかったりする電動役物として、1の可動表示体501を例示したが、必要に応じて動作したりしなかったりする電動役物の数は、1に限定されず、2以上であってもよい。
なお、常時動作する電動役物や、必要に応じて動作する電動役物の数が、それぞれ、2以上である場合であっても、上記実施形態と同様に、常時動作する電動役物が動作し、かつ、必要に応じて動作する電動役物が停止した状態で、磁気センサ装置601のオフセット設定を実行することが好ましい。
特に、必要に応じて動作したりしなかったりする可動表示体501のような電動役物であって、パチンコ機10の電源をオンにした場合に初期設定(初期位置の設定)を行う電動役物が複数設けられている場合には、一般的に、瞬間使用電力が高くならないように、全ての電動役物の初期設定を同時に行うのではなく、動作タイミングをばらばらにして行われている。そのため、必要に応じて動作したりしなかったりする電動役物(可動表示体501)が動作していないタイミングを取り難く、磁気センサ装置601のオフセット設定を行い難いという問題がある。これに対し、本実施形態のパチンコ機10によれば、必要に応じて動作したりしなかったりする電動役物の動作が開始する前に、磁気センサ装置601のオフセット設定を行うように構成されているので、磁気センサ装置601のオフセット設定を行うタイミングを容易に取ることができる。
また、上記実施形態では、電源投入時に初期位置設定される電動役物(可動表示体501)を設ける構成としたが、電源投入時に初期位置設定される電動役物を設けない構成であってもよい。かかる場合には、電源投入時に電動役物を初期位置設定のために動作させる必要がないので、パチンコ機10に電源が投入された後、早期の段階で(例えば、電源投入直後に)、磁気センサ装置601のオフセット設定を実行することができる。
また、上記実施形態では、電源投入後の立ち上げ処理(図11参照)において、磁気センサ装置601のオフセット設定を実行した後(S113,S124)、オフセット設定後の磁気センサ装置601の出力確認を行わない構成としたが、磁気センサ装置601のオフセット設定を実行した後に、磁気センサ装置601の出力確認を行う構成としてもよい。
また、上記実施形態では、電源投入後の立ち上げ処理(図11参照)において、オフセット前磁気センサ装置確認処理(S112,S123)の実行後、初期化コマンド又は復電コマンドを演出制御装置117へ出力する前(即ち、可動表示体501の初期位置復帰が行われる前)に、磁気センサ装置601のオフセット設定を実行する構成とした。これに換えて、可動表示体501の初期位置復帰(初期設定)が行われた後に、磁気センサ装置601のオフセット設定を実行する構成としてもよい。磁気センサ装置601のオフセット設定を行うタイミングを、可動表示体501の初期位置復帰後とすることにより、磁気センサ装置601のオフセット設定を確実に行うことができるとともに、当該オフセット設定を行うタイミングを容易に取ることができる。
可動表示体501の初期位置復帰後に、磁気センサ装置601のオフセット設定を実行する構成としては、磁気センサ装置601のオフセット設定を、第2ウエイト処理(S116)の実行後に行う構成が例示される。第2ウエイト処理の実行後には、可動表示体501は初期位置に復帰した状態で確実に停止しているので、磁気センサ装置601のオフセット設定が、可動表示体501が停止する前に行われることを防ぐことができる。これにより、磁気センサ装置601のオフセット設定が不適切に行われることを防止できる。
さらなる別例として、初期化コマンド又は復電コマンドを演出制御装置117へ出力した後に、磁気センサ装置601のオフセット設定を実行する構成としてもよい。なお、初期化コマンド又は復電コマンドを演出制御装置117へ出力した後に、磁気センサ装置601のオフセット設定を実行する構成を採用する場合には、初期化コマンド又は復電コマンドに、第1報知コマンドや第2報知コマンドの機能を持たせるように構成してもよい。即ち、復電コマンドに、第1報知を実行するか否かを示す情報、及び、第2報知を実行するか否かを示す情報を含める構成としてもよい。
また、上記実施形態では、電源投入後の立ち上げ処理(図11参照)において、払出初期化コマンド又は払出復帰コマンドを払出制御装置111へ出力した後(即ち、S108又はS118の処理を実行した後)に、磁気センサ装置601のオフセット設定を実行する(即ち、S113又はS124の処理を実行する)構成としたが、払出制御装置111へへの払出初期化コマンド又は払出復帰コマンドの出力を、磁気センサ装置601のオフセット設定を実行した後(即ち、S113又はS124の処理を実行した後)に行う構成としてもよい。
払出モータ216も、可動表示体用モータ520や振分ローラ用モータ420と同様に、駆動された場合には、その周囲の磁場に変動が生じる。しかし、可動表示体用モータ520や振分ローラ用モータ420が、磁気センサ装置601と同じ遊技盤13に設けられているのに対し、払出モータ216は、内枠12に設けられているため、払出モータ216の駆動によって生じた磁場は、磁気センサ装置601のオフセット設定にあまり影響しない。そのため、上記実施形態では、払出モータ216の駆動を考慮しない実施形態としているが、払出モータ216の駆動による磁場を考慮するようにしてもよい。上述した通り、払出制御装置111へへの払出初期化コマンド又は払出復帰コマンドの出力を、磁気センサ装置601のオフセット設定を実行した後に行う構成を採用することにより、払出モータ216の駆動により発生する磁場の影響をやや考慮できる。
また、上記実施形態では、電源投入後の立ち上げ処理(図11参照)において、RAM203の初期化処理(S119,S120)を実行した後に、確認回数カウンタ203aをゼロクリアする処理(S122)を実行する構成としたが、このS122の処理を省略してもよい。
また、上記実施形態では、電源投入後の立ち上げ処理(図11参照)の中で実行されるオフセット前磁気センサ装置確認処理(S112,S123)において、第1報知の実行後、さらに100回連続して磁気センサ装置601のオン出力が確認された場合には、第2報知コマンドを演出制御装置117へ出力する処理(S148;図12参照)を実行した後、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する構成としたが、S148の処理後は、オフセット前磁気センサ装置確認処理(図12参照)を終了して、立ち上げ処理に戻る構成としてもよい。即ち、第2報知は行うが、主制御装置110による制御は引き続き行うような構成であってもよい。
また、上記実施形態では、電源投入後の立ち上げ処理(図11参照)の中で実行されるオフセット前磁気センサ装置確認処理(S112,S123)において、第1報知の実行後、さらに100回連続して磁気センサ装置601のオン出力が確認された場合には、第2報知コマンドを演出制御装置117へ出力する処理(S148;図12参照)を実行した後、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する構成とした。これに換えて、かかる場合に、第2報知コマンドを演出制御装置117へ出力することなく、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する構成としてもよい。即ち、第2報知は行わず、主制御装置110による制御を停止する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、タイマ割込処理(図17参照)の中で実行される磁気センサ装置確認処理(S503)において、第2報知の実行条件が成立した場合(即ち、S2015においてYesと判断された場合)に、遊技制限中フラグ203eをオンに設定することにより、遊技の進行を制限する構成とした。これに換えて、第2報知の実行条件が成立した場合には、オフセット前磁気センサ装置確認処理(図12参照)と同様に、第2報知コマンドを演出制御装置117へ出力した後、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する構成としてもよい。あるいは、第2報知の実行条件が成立した場合に、S2016の処理は実行するが、S2017及びS2018の処理を省略してもよい。即ち、第2報知は行うが、遊技を制限することなく進行させる構成としてもよい。
また、上記実施形態では、タイマ割込処理(図17参照)の中で実行される磁気センサ装置確認処理(S503)において、第2報知の実行条件が成立した場合(即ち、S2015においてYesと判断された場合)に、遊技制限中フラグ203eをオンに設定することにより、遊技の進行を制限する構成とした。これに換えて、所定の条件(例えば、上記実施形態における第2報知の実行条件)が成立した場合には、第2報知コマンドを演出制御装置117へ出力せず、遊技制限中フラグ203eをオンに設定して遊技を制限する構成としてもよい。あるいは、かかる場合に、第2報知コマンドを演出制御装置117へ出力せず、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する構成としてもよい。即ち、第2報知は行わず、主制御装置110による制御を制限又は停止する構成としてもよい。
また、上記実施形態では、電源投入後の立ち上げ処理(図11参照)において、演出制御装置117へ初期化コマンド又は復電コマンドを送信した後に、第2ウエイト処理(S116)を実行する構成としたが、かかる第2ウエイト処理を省略する構成であってもよい。
また、上記実施形態では、遊技中に、磁気センサ装置601により磁気が所定期間に亘り検出されると、第2報知を行うとともに、遊技の進行を制限する構成としたが、遊技の進行は制限せず、報知(第2報知)だけを行う構成としてもよい。
また、上記実施形態では、遊技中に、磁気センサ装置601により磁気が所定期間に亘り検出された場合に、遊技の進行が制限され、その制限を解除する条件を、電源をオンの状態としたままでのRAM消去スイッチ122の長押しとした。これに換えて、RAM203を初期化しなければ(即ち、パチンコ機10の電源を落とした後、電源投入時にRAM消去スイッチ122を操作しなければ)、前記制限が解除されない構成としてもよい。あるいは、パチンコ機10の電源を落とした後、電源を再投入した場合(即ち、RAM203を初期化することなく電源を投入した場合)に、前記制限が解除される構成としてもよい。
また、上記実施形態では、上記実施形態では、遊技中に、磁気センサ装置601により磁気が所定期間に亘り検出されると、第2報知を行うとともに、遊技の進行を制限する構成とした。これに加えて、遊技中に、振動センサ装置602により振動が検出された場合にも、第2報知を行うとともに、遊技の進行を制限する構成としてもよい。ただし、遊技の進行を制限するが、オフセットの設定は行うものとする。あるいは、遊技中に、振動センサ装置602により振動が検出された場合に、第2報知のみ行う構成としてもよい。
ここで、振動センサ装置602により振動が検出されたことに基づいて、遊技の進行を制限する場合には、その制限を解除する条件を、磁気センサ装置601の場合と同様に、電源をオンの状態としたままでのRAM消去スイッチ122の長押しとすることができる。あるいは、パチンコ機10の電源を落とした後、電源を再投入した場合(即ち、RAM203を初期化することなく電源を投入した場合)に、前記制限が解除される構成としてもよい。
また、上記実施形態では、内枠スイッチSW1又は前面枠スイッチSW2の状態が変化する毎に(即ち、内枠12又は前面枠14が閉鎖状態から開放された場合、あるいは、内枠12又は前面枠14が開放状態から閉鎖された場合のいずれかが生じる毎に)、磁気センサ装置601のオフセット設定を行う構成としたが、内枠12又は前面枠14が開放状態から閉鎖された場合だけ、磁気センサ装置601のオフセット設定を行う構成としてもよい。
また、上記実施形態では、可動表示体501を、図柄の変動表示の開始後、高速変動が行われている間(3秒間)は動作させないように構成した。これに換えて、高速変動の期間が複数種類(例えば、3秒、5秒、7秒の3種類の期間)ある場合には、可動表示体501の動作を開始させない期間を、最も短い高速変動の期間(上記の例の場合、3秒)としてもよい。
また、上記実施形態では、可動表示体501を、図柄の変動表示の開始後、3秒間は動作させないように構成したが、図柄の変動表示が開始されてから、可動表示体501の動作を開始させない期間は、一律に3秒でなくてもよく、複数種類の期間(例えば、3秒、5秒、7秒の3種類の期間)を設ける構成としてもよい。かかる場合には、図柄の変動中に磁気センサ装置601のオフセット設定を実行可能な期間を、可動表示体501の動作を開始させない期間のうち、最も短い期間だけとしてもよい。
また、上記実施形態では、図柄の変動表示中に必ず可動表示体501が駆動される構成としたが、特定の変動表示である場合にのみ可動表示体501が駆動されたり、可動表示体501を駆動する場合と駆動しない場合とを演出制御装置117において抽選したりする構成としてもよい。かかる構成を採用した場合であっても、主制御手段110は、図柄の変動表示が開始されてから3秒間が経過すると、オフセット待機フラグ203dがオンに設定され、磁気センサ装置601のオフセット設定を待機するように構成されているので、可動表示体501が間違いなく駆動されていない状態で、磁気センサ装置601のオフセット設定を実行することができる。
また、上記実施形態では、図柄の変動表示中に駆動された可動表示体501を、その変動表示が終了した後に初期位置に復帰させる構成としたが、変動表示中に停止させた可動表示体501を、その変動表示中に初期位置に復帰させる構成としてもよい。
また、上記実施形態では、音声出力や各種ランプの点灯の制御と、第3図柄表示装置81の制御とを1の制御装置(即ち、演出制御装置117)によって行う構成としたが、音声出力や各種ランプの点灯の制御と、第3図柄表示装置81の制御とを別々の制御装置により行う構成としてもよい。
例えば、音声出力や各種ランプの点灯の制御を行う制御装置(音声ランプ制御装置)を主制御装置110に接続し、第3図柄表示装置81の制御する制御装置(表示制御装置)を音声ランプ制御装置に接続して、各コマンドを主制御装置110から音声ランプ制御装置に送信し、その音声ランプ制御装置から表示制御装置に表示の指示がなされるよう構成してもよい。
また、音声出力や各種ランプの点灯の制御を行う制御装置(音声ランプ制御装置)を主制御装置110に接続し、第3図柄表示装置81の制御する制御装置(表示制御装置)を音声ランプ制御装置に接続する構成において、表示制御手段を、さらに主制御装置110にも接続して、主制御装置110から表示制御装置に直接コマンドや制御信号を送信するものとしてもよい。
あるいは、第3図柄表示装置81の制御する制御装置(表示制御装置)を主制御装置110に接続し、音声出力や各種ランプの点灯の制御を行う制御装置(音声ランプ制御装置)を表示制御装置に接続して、各コマンドを主制御装置110から表示制御装置に送信し、その表示制御装置から音声ランプ制御装置に、音声出力や各種ランプの点灯の制御指示がなされるよう構成してもよい。また、主制御装置110から表示制御装置に直接コマンドを送信するものとしてもよい。
また、上記実施形態では、振動センサ装置602、内枠スイッチSW1、及び前面枠スイッチSW2が、いずれも主制御装置110に接続される構成としたが、これらの振動センサ装置602及び枠スイッチSW1,SW2のうち、所定のもの(一部又は全部)を演出制御手段117に接続させる構成をしてもよい。かかる構成を採用した場合には、演出制御手段117に接続されたセンサ装置又は枠スイッチからの入力に応じた処理(例えば、図19の振動センサ装置確認処理に相当する処理)を演出制御装置117に実行させ、その実行結果に応じたコマンドを、主制御装置110へ出力するようにすればよい。
また、上記実施形態では、磁気センサ装置601を主制御装置110に接続する構成としたが、磁気センサ装置601を演出制御装置117に接続させる構成としてもよい。かかる場合には、磁気センサ装置601のオフセット設定や、磁気センサ装置601からの出力に基づく制御を、演出制御装置117内のMPU271に実行させればよい。
また、上記実施形態では、主制御装置110の立ち上げ処理(図11参照)が終了した後に、図13に示すメイン処理を実行する構成とした。つまり、立ち上げ処理の後には、メイン処理として、遊技を進行するための主要な処理を4ms間隔で行い、初期値乱数カウンタCINI1,CINI2や変動種別カウンタCS1の更新を残余時間で行う構成とした。また、かかるメイン処理(図13参照)を実行する一方で、2ms毎に起動されるタイマ割込処理(図17参照)を実行し、このタイマ割込処理の中で、始動入賞処理などを行う構成とした。
これに換えて、上記実施形態のメイン処理(図13参照)の中で行われていた遊技を進行するための主要な処理(S201〜S206)を、2ms毎に起動されるタイマ割込処理の中で実行する構成としてもよい。
かかる変形例について、図31及び図32を参照して具体的に説明する。図31は、変形例としてのメイン処理を示すフローチャートであり、図32は、当該変形例におけるタイマ割込処理を示すフローチャートである。なお、図31及び図32に示すフローチャートにおいて、上記実施形態のメイン処理(図13参照)又はタイマ割込処理(図17参照)と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図31に示すメイン処理は、上記実施形態のメイン処理(図13参照)に換わる処理であって、図8に示す立ち上げ処理の後(即ち、S117の処理後)に実行される処理である。図31に示すように、かかる変形例のメイン処理では、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行し(S210)、変動種別カウンタCS1の更新を実行した後(S211)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かの判別を行う(S207)。
このS207の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S207:No)、処理をS210へ移行し、S210,S211の処理を繰り返し実行する。
一方で、S207の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S207:Yes)、各割込処理の発生を禁止し(S212)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置に対して送信する(S213)。次いで、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S214)、RAM203のアクセスを禁止して(S215)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
図32に示すタイマ割込処理は、上記実施形態のタイマ割込処理(図17参照)に換えて実行される処理であり、図17のタイマ割込処理と同様に、主制御装置110のMPU201により例えば2ms毎に実行される。
図32に示すように、かかる変形例のタイマ割込処理では、まず、遊技制限中フラグ203eがオンであるか否かを判別する(S501)。このとき、遊技制限中フラグ203eがオンであれば(S501:Yes)、処理をS507に移行する。
一方で、S501の処理による判別の結果、遊技制限中フラグ203eがオフであれば(S501:No)、外部出力処理を実行し(S201)、変動種別カウンタCS1の値を更新し(S202)、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S203)、上述した変動処理(図10参照)を実行する(S204)。変動処理(S204)の終了後は、大当たり処理を実行し(S205)、第2図柄制御処理を実行する(S206)。
S206の処理後、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行し(S502)、磁気センサ確認処理を実行し(S503)、振動センサ確認処理を実行し(S504)、扉開閉確認処理を実行し(S505)、オフセット設定待機解除処理を実行する(S506)。オフセット設定待機解除処理(S506)の実行後は、処理をS507に移行する。
S507では、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S507)。S507の処理後、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S508)。
S508の処理後は、遊技制限中フラグ203eがオンであるか否かを判別する(S509)。このとき、遊技制限中フラグ203eがオンであれば(S509:Yes)、タイマ割込を終了する。一方、S509の処理による判別の結果、遊技制限中フラグ203eがオフであれば(S509:No)、上述した始動入賞処理(図22参照)を実行し(S509)、発射制御処理を実行して(S510)、タイマ割込処理を終了する。
なお、上述した変形例としてのメイン処理(図31参照)の中で実行されるS207,S212〜S215の処理を、図31のメイン処理では実行せず、当該変形例としてのタイマ割込処理(図32参照)の中で実行するよう構成してもよい。
かかる構成を採用する場合には、図32のタイマ割込処理の中でS207,S212〜S215の処理が実行される位置は特に限定されるものではないが、例えば、図32のタイマ割込処理が起動すると、まず、S207の判別処理を実行し、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S207:Yes)、S212〜S215の処理を実行し、その後、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続するように構成し、その一方で、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていない場合には(S207:No)、S501の判断処理から順に図32に示す各処理を実行するよう構成することができる。
また、当該変形例としてのタイマ割込処理(図32参照)の中で実行される各処理の実行順序は、図32に示す順序に限定されず、例えば、図32に示したタイマ割込処理の中で、S201〜S206の処理の前に、S502〜S506の処理を行い、S206の処理後にS507の処理を実行するなどの処理順序としてもよい。
また、上記実施形態では、磁気センサ装置601のオフセット設定が待機されている場合に、図柄の変動表示の終了タイミングで磁気センサ装置601のオフセット設定を行う構成としたが、上記実施形態では、図柄の変動表示が終了する前に、可動表示体501の回転が停止されているので(S1307;図29参照)、可動表示体501の停止タイミング以降の所定のタイミングで、磁気センサ装置601のオフセット設定を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、振分ローラ410を動作(回動)させた後、可動表示体501の動作設計に基づいて可動表示体501が動作していない状態で、磁気センサ装置601のオフセット設定を行う構成としたが、パチンコ機10に設けられた所定のボタンやスイッチを操作した場合に、可動表示体501を停止させて磁気センサ装置601のオフセット設定を行う構成としてもよい。なお、その場合には、可動表示体501を停止させる操作は、特定の人にしか知ることのできない複雑な操作とすることが好ましい。
また、上記実施形態では、第1入球口64への入賞および第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を、第3図柄表示装置81の一部においても、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良く、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留回数を通知するように構成しても良い。
また、上記実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであっても良い。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
また、上記実施形態では、演出制御装置117は、表示演出処理(図28参照)のS1246において、変動時間カウンタ(図示せず)の値が「0」であった場合に、変動時間が終了したと判定する構成としたが、主制御装置110が、S309(図14参照)において停止表示を設定するタイミングで停止コマンドを出力し、演出制御装置117は、その停止コマンドの受信をもって変動時間が終了したと判定する構成であってもよい。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有するいわゆる第2種パチンコ遊技機などに実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など他の遊技機として実施するようにしても良い。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
なお、上記実施形態の特徴、ならびに、上記変形例の特徴を、適宜組み合わせた実施形態を採用してもよい。
以下に、本発明の遊技機、および、上述した各種実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
磁場の大きさに応じた情報又は値を出力する磁場検知手段と、動いた場合に磁場が発生する可動体を備えた遊技機において、前記磁場検知手段は、所定の磁場が検知された場合に、所定の基準に基づいて出力状態を切り換えるための補正手段を含んで構成され、前記可動体は、当該遊技機に電源が投入された後、所定の時期において動作し、それ以外の時期には動作しない第2可動体を含んで構成され、前記遊技機は、前記第2可動体が動作していない場合に、前記基準を設定する基準設定手段を、備えていることを特徴とする遊技機A0。
遊技機A0によれば、動いた場合に磁場が発生する可動体として、遊技機に電源が投入された後、所定の時期において動作し、それ以外の時期には動作しない第2可動体を含んでいる。一方で、所定の磁場が検知された場合には、補正手段による補正に基づいて、磁場検知手段からの出力状態が切り換えられるが、その切り換えの基準は、基準設定手段により、第2可動体が動作していない場合に設定される。よって、第2可動体の動作による磁場の影響がない状態で、前記切り換えの基準を設定するので、磁場検知手段からの出力を適切な出力にすることができる。これにより、不正に印加された磁場を磁場検出手段によって好適に検出させることができるので、磁石などを用いる不正行為を好適に抑制できる。
なお、遊技機A0において、磁場検知手段から出力される「磁場の大きさに応じた情報又は値」は、検知された所定の磁場の大きさを示す数値に限らず、検知された所定の磁場の大きさを示す数値に基づいて設定される情報(データや信号など)又は値を含むことを意図している。例えば、磁場の大きさを示す数値が所定の閾値を超えた場合に、オン信号を出す場合なども、磁場検知手段から出力される「磁場の大きさに応じた情報又は値」に含まれることを意図している。
また、遊技機A0において、「所定の基準に基づいて出力状態の切り換える」としては、所定の基準に基づく、磁場検知手段からのオン/オフ出力の切り換えや、所定の基準に基づく、磁場検知手段からの数値の切り換えなどを含むことを意図している。
上記実施形態において、遊技機A0の磁場検知手段としては、磁気センサ装置601が例示される。また、上記実施形態において、遊技機A0における磁場検知手段の補正手段としては、磁気センサ装置601における図示されない検知回路が例示される。
なお、遊技機A0の磁場検知手段は、上記実施形態において例示した磁気センサ装置601のような、1の装置として構成されるものであってもよいし、磁気センサ又は磁気センサを含む磁気センサ装置と、主制御装置110などの制御装置との組み合わせから構成されていてもよい。
また、上記実施形態において、遊技機A0の可動体である第2可動体としては、可動表示体501及び可動表示体用モータ520が例示される。また、上記実施形態において、遊技機A0の基準設定手段としては、S113,S124,S2024,S2045,S2064の処理が例示される。
磁場の大きさに応じた情報又は値を出力する磁場検知手段と、動いた場合に磁場が発生する可動体とを備えた遊技機において、前記磁場検知手段は、磁場の大きさに応じた値を検知する検知手段と、その検知手段により検知された前記磁場の大きさに応じた値を、較正用の所定値を用いて較正する較正手段と、その較正手段により較正された値に基づいて、磁場の大きさに応じた情報又は値を出力する出力手段とを含んで構成され、前記可動体は、当該遊技機に電源が投入された後に動作を開始し、前記電源が遮断されるまで動作する第1可動体と、当該遊技機に電源が投入された後、所定の時期において動作し、それ以外の時期には動作しない第2可動体とを含んで構成され、前記遊技機は、前記第1可動体が動作し、かつ、前記第2可動体が動作していない場合に、前記較正用の所定値を設定する設定手段を、備えていることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、磁場の大きさに応じた値が検知手段により検知され、そのように検知された値が、較正手段によって、較正用の所定値を用いて較正され、そのように較正された値に基づいて、磁場の大きさに応じた情報又は値が、出力手段によって出力される。一方で、動いた場合に磁場が発生する可動体として、遊技機に電源が投入された後に動作を開始し、前記電源が遮断されるまで動作する第1可動体と、遊技機に電源が投入された後、所定の時期において動作し、それ以外の時期には動作しない第2可動体とを含んでいる。較正用の所定値は、設定手段により設定されるが、その設定は、第1可動体が動作し、かつ、第2可動体が動作していない場合に行われる。よって、常時動作する第1可動の動作によって発生する磁場を考慮した上で、必要に応じて動作したりしなかったりする第2可動体の動作によって発生する磁場を最小限の状態で、設定手段による較正用の所定値(例えば、オフセット値と呼ばれる値)の設定を行うので、較正用の所定値を過大でも過小でもない適切な値に設定できる。これにより、不正に印加された磁場を磁場検出手段によって好適に検出させることができるので、磁石などを用いる不正行為を好適に抑制できる。
なお、遊技機A1において、磁場検知手段(出力手段)から出力される「磁場の大きさに応じた情報又は値」は、較正手段により較正された値を出力するものだけに限らず、較正手段により較正された値に基づいて設定される情報(データや信号など)又は値を含むことを意図している。例えば、較正手段により較正された値が所定の閾値を超えた場合に、オン信号を出す場合なども、磁場検知手段(出力手段)から出力される「磁場の大きさに応じた情報又は値」に含まれることを意図している。
上記実施形態において、遊技機A1の磁場検知手段としては、磁気センサ装置601が例示される。また、上記実施形態において、遊技機A1における磁場検知手段の検知手段としては、磁気センサ装置601における図示されないMIセンサが例示され、遊技機A1における磁場検知手段の較正手段としては、磁気センサ装置601における図示されない検知回路が例示され、遊技機A1における磁場検知手段の出力手段としては、磁気センサ装置601における図示されない検知回路が例示される。
なお、遊技機A1の磁場検知手段は、上記実施形態において例示した磁気センサ装置601のような、1の装置として構成されるものであってもよいし、磁気センサ又は磁気センサを含む磁気センサ装置と、主制御装置110などの制御装置との組み合わせから構成されていてもよい。
また、上記実施形態において、遊技機A1の可動体の1つである第1可動体としては、振分ローラ410及び振分ローラ用モータ420が例示され、遊技機A1の可動体の1つである第2可動体としては、可動表示体501及び可動表示体用モータ520が例示される。また、上記実施形態において、遊技機A1の設定手段としては、S113,S124,S2024,S2045,S2064の処理が例示される。
遊技機A1において、当該遊技機に電源が投入された場合に、前記第1可動体の動作を開始させる第1可動体動作制御手段を備え、前記設定手段は、前記第1可動体動作制御手段により前記第1可動体の動作が開始され、かつ、前記第2可動体が動作していない場合に、前記較正用の所定値を設定することを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、当該遊技機に電源が投入された場合に、第1可動体動作制御手段によって、第1可動体の動作が開始される。設定手段による較正用の所定値の設定は、第1可動体動作制御手段により第1可動体の動作が開始され、かつ、第2可動体が動作していない場合に行われる。よって、遊技機への電源投入後に、較正用の所定値として適切な値を設定できる。
上記実施形態において、遊技機A2の第1可動体動作制御手段としては、S110,S121の処理が例示される。
遊技機A1又はA2において、当該遊技機に電源が投入された場合に、前記第1可動体の動作を開始させる第1可動体動作制御手段と、当該遊技機に電源が投入された場合に、前記第2可動体を初期設定させるために動作させる第2可動体動作制御手段とを備え、前記設定手段は、前記第1可動体動作制御手段により前記第1可動体の動作が開始された後であって、かつ、前記第2可動体動作制御手段により前記第2可動体を動作させる前に、前記較正用の所定値を設定することを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、当該遊技機に電源が投入された場合に、第1可動体動作制御手段によって、第1可動体の動作が開始される。また、当該遊技機に電源が投入された場合には、第2可動体動作制御手段によって、第2可動体が初期設定のために動作される。そして、設定手段による較正用の所定値の設定は、第1可動体動作制御手段により第1可動体の動作が開始された後であって、かつ、第2可動体動作制御手段により第2可動体を動作させる前に行われる。このように、第2可動体動作制御手段により第2可動体の動作が開始する前に、設定手段による設定を行うので、遊技機への電源投入後に行う較正用の所定値の設定を確実に行うことができる。
ところで、複数の第2可動体が設けられている場合、一般的に、電源投入後における第2可動体の初期設定は、瞬間使用電力が高くならないように、全ての第2可動体について同時に行うのではなく、動作タイミングをばらばらにして行われている。そのため、第2可動体が動作していないタイミングを取り難く、較正用の所定値の設定が行い難い。これに対し、遊技機A3によれば、第2可動体動作制御手段により第2可動体の動作が開始する前に、設定手段による設定を行うので、複数の第2可動体が設けられている場合であっても、遊技機への電源投入後に行う較正用の所定値を設定するタイミングを容易に取ることができる。
上記実施形態において、遊技機A3の第1可動体動作制御手段としては、S110,S121の処理が例示され、遊技機A3の第2可動体動作制御手段としては、S114,S125,S1407の処理が例示される。
遊技機A1又はA2において、当該遊技機に電源が投入された場合に、前記第1可動体の動作を開始させる第1可動体動作制御手段と、当該遊技機に電源が投入された場合に、前記第2可動体を初期設定させるために動作させる第2可動体動作制御手段とを備え、前記設定手段は、前記第1可動体動作制御手段により前記第1可動体の動作が開始された後であって、かつ、前記第2可動体動作制御手段によって前記第2可動体を動作させたことにより該第2可動体の初期設定が行われた後に、前記較正用の所定値を設定することを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、当該遊技機に電源が投入された場合に、第1可動体動作制御手段によって、第1可動体の動作が開始される。また、当該遊技機に電源が投入された場合には、第2可動体動作制御手段によって、第2可動体が初期設定のために動作される。そして、設定手段による較正用の所定値の設定は、その立ち上げ処理の中で、第1可動体動作制御手段により第1可動体の動作が開始された後であって、かつ、第2可動体動作制御手段によって第2可動体を動作させたことにより該第2可動体の初期設定が行われた後に行われる。このように、第2可動体動作制御手段により第2可動体を動作させたことにより該第2可動体の初期設定が行われた後に、設定手段による設定を行うので、第2可動体が動作していないタイミングをとり易く、遊技機への電源投入後に行う較正用の所定値の設定を確実に行うことができる。
上記実施形態において、遊技機A4の第1可動体動作制御手段としては、S110,S121の処理が例示され、遊技機A4の第2可動体動作制御手段としては、S114,S125,S1407の処理が例示される。
遊技機A4において、前記第2可動体動作制御手段は、当該遊技機に電源が投入された場合に、所定の指示を出力する指示出力手段と、その指示出力手段により出力された指示に基づき、前記第2可動体を初期設定させるために動作させる動作実行手段とを含んで構成され、前記指示出力手段により前記指示が出力されてから、所定期間、前記設定手段による前記較正用の所定値の設定を待機する待機手段を備えていることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、当該遊技機に電源が投入された場合に、所定の指示が指示手段によって出力され、その指示に基づき、動作実行手段により、第2可動体が、初期設定させるために動作される。これにより、当該遊技機に電源が投入された場合には、第2可動体動作制御手段によって、第2可動体が初期設定のために動作される。一方で、指示出力手段により指示が出力されてから、所定期間、設定手段による較正用の所定値の設定が、待機手段によって待機される。よって、動作実行手段による初期設定のための第2可動体の動作が完了する前に、設定手段による較正用の所定値の設定が行われることを抑制することが可能となり、これにより、較正用の所定値が不適切な値に設定されることを抑制できる。
上記実施形態において、遊技機A5の指示出力手段としては、S114,S125の処理が例示され、遊技機A5の動作実行手段としては、S1407の処理が例示される。また、上記実施形態において、遊技機A5の待機手段としては、S116の処理が例示される。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記磁場検知手段から出力された、前記磁場の大きさに応じた情報又は値が、所定の閾値を超える大きさの磁場が生じていることを示す情報又は値であるか否かを判断する判断手段と、その判断手段により、前記所定の閾値を超える大きさの磁場が生じていることを示す情報又は値であると判断された場合には、前記設定手段による前記較正用の所定値の設定を禁止する禁止手段を備えていることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、磁場検知手段から出力された情報又は値(磁場の大きさに応じた情報又は値)が、判断手段により、所定の閾値を超える大きさの磁場が生じていることを示す情報又は値であると判断された場合には、禁止手段によって、設定手段による較正用の所定値の設定が禁止される。所定の閾値を超える大きさの磁場は、不正に印加された磁場である可能性があるので、かかる可能性がある場合に、設定手段による較正用の所定値の設定を禁止することにより、不正に印加された磁場を基準にした較正用の所定値が設定されることを防ぐことができる。よって、不正に印加された磁場が磁場検出手段によって検出されなくなることを抑制できるので、磁石などを用いる不正行為を好適に抑制できる。
上記実施形態において、遊技機A6の判断手段としては、S142の処理が例示され、遊技機A6の禁止手段としては、S142におけるYes側に分岐する処理が例示される。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、前記磁場検知手段から出力された、前記磁場の大きさに応じた情報又は値が、所定の閾値を超える大きさの磁場が生じていることを示す情報又は値であるか否かを判断する判断手段と、その判断手段により、第1の所定期間、前記所定の閾値を超える大きさの磁場が生じているとの判断がされた場合に、所定の第1報知を実行する第1報知手段とを備えていることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、磁場検知手段から出力された情報又は値(磁場の大きさに応じた情報又は値)が、判断手段により、所定の閾値を超える大きさの磁場が生じていることを示す情報又は値であると判断される。そして、その判断手段により、第1の所定期間、所定の閾値を超える大きさの磁場が生じているとの判断がされた場合には、第1報知手段により、所定の第1報知が実行される。所定の閾値を超える大きさの磁場は、不正に印加された磁場である可能性がある。よって、かかる可能性がある状況が、ある期間(即ち、第1の所定期間)に亘って継続した場合に、第1報知を行うことにより、不正な磁場を印加して、かかる不正な磁場を基準にした較正用の所定値が設定される可能性を、外部に認識させることができる。これにより、外部において何らかの対策を取ることが可能になるので、不正に印加された磁場を基準にした較正用の所定値が設定されることを防止できる。その結果、不正に印加された磁場が磁場検出手段によって検出されなくなることを防止でき、それにより、磁石などを用いる不正行為を好適に抑制できる。また、第1報知がされることにより、不正行為者を警戒させることができるので、不正行為者が磁石などを用いる不正行為を行うことを抑止できる。
上記実施形態において、遊技機A7の判断手段としては、S142,S2002の処理が例示され、遊技機A7の第1報知手段としては、S144,S2012,S1410の処理が例示される。
遊技機A7において、判断手段により、前記第1の所定期間の後の第2の所定期間、前記所定の閾値を超える大きさの磁場が生じているとの判断がされた場合に、前記第1報知とは異なる第2報知を実行する第2報知手段とを備えていることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、判断手段により、第1の所定期間の後の第2の所定期間、所定の閾値を超える大きさの磁場が生じているとの判断がされた場合には、第2報知手段により、第1報知とは異なる第2報知が実行される。不正に印加された磁場である可能性がある状況が、第1報知を行うか否かの閾値となる期間の後の所定期間(即ち、第2の所定期間)に亘って継続した場合には、不正な磁場が印加されている可能性がかなり高い。よって、かかる場合に、第1報知とは異なる第2報知を行うことにより、不正な磁場が印加されている可能性があり、かつ、その可能性がかなり高いことを、外部に認識させることができる。これにより、外部において何らかの対策を取ることが可能になるので、不正に印加された磁場を基準にした較正用の所定値が設定されることを、第1報知を行う場合に比べ、より好適に防止できる。これにより、不正に印加された磁場が磁場検出手段によって検出されなくなることをより好適に防止できるので、磁石などを用いる不正行為をより好適に抑制することができる。また、第2報知がされることにより、不正行為者をより警戒させることができるので、不正行為者が磁石などを用いる不正行為を行うことをより好適に抑止できる。
上記実施形態において、遊技機A8の第2報知手段としては、S149,S2016,S1411の処理が例示される。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、前記磁場検知手段から出力された、前記磁場の大きさに応じた情報又は値が、所定の閾値を超える大きさの磁場が生じていることを示す情報又は値であるか否かを判断する判断手段と、その判断手段により、所定期間、前記所定の閾値を超える大きさの磁場が生じているとの判断がされた場合に、遊技の制御を停止又は制限する制限手段とを備えていることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、磁場検知手段から出力された情報又は値(磁場の大きさに応じた情報又は値)が、判断手段により、所定の閾値を超える大きさの磁場が生じていることを示す情報又は値であると判断される。そして、その判断手段により、所定期間、所定の閾値を超える大きさの磁場が生じているとの判断がされた場合には、制限手段により、遊技の制御が停止又は制限される。所定の閾値を超える大きさの磁場は、不正に印加された磁場である可能性がある。よって、かかる可能性がある状況が、ある期間(即ち、所定期間)に亘って継続した場合に、遊技の制御を停止又は制限することにより、不正な磁場を基準にした較正用の所定値が設定されることを防止することができる。これにより、不正に印加された磁場が磁場検出手段によって検出されなくなることを防止できるので、磁石などを用いる不正行為を好適に抑制できる。また、遊技の制御が停止又は制限されることにより、磁石などを用いる不正行為が行われていても、その不正行為による損失を抑制することができる。
上記実施形態において、遊技機A9の判断手段としては、S142,S2002の処理が例示され、遊技機A9の制限手段としては、S148においてYesと判別された場合に無限ループが実行されることや、S2017において遊技制限中フラグ203eがオンに設定されることが例示される。
遊技機A1からA9のいずれかにおいて、前記磁場検知手段から出力された、前記磁場の大きさに応じた情報又は値が、所定の閾値を超える大きさの磁場が生じていることを示す情報又は値であるか否かを判断する判断手段と、前記設定手段によって前記較正用の所定値の設定が設定された後に、所定期間、前記判断手段により、前記所定の閾値を超える大きさの磁場が生じているとの判断がされた場合に、所定の報知を行う第3報知手段とを備えていることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A10によれば、磁場検知手段から出力された情報又は値(磁場の大きさに応じた情報又は値)が、判断手段により、所定の閾値を超える大きさの磁場が生じていることを示す情報又は値であると判断される。較正用の所定値が設定手段によって設定された後に、所定期間、前記判断手段による、所定の閾値を超える大きさの磁場が生じているとのがされた場合には、所定の報知が、報知手段によって行われる。
較正用の所定値が設定手段によって設定されたにもかかわらず、所定の閾値を超える大きさの磁場が生じていることを示す情報又は値が磁場検知手段から出力される状況は、より高い磁場を基準とした較正用の所定値を不正に設定したり、磁場検知手段に異常が生じている等、適切な較正用の所定値を設定できない状況が生じていることが疑われる。
これに対し、遊技機A10によれば、較正用の所定値が設定手段によって設定された後に、所定期間、所定の閾値を超える大きさの磁場が生じていることを示す情報又は値が磁場検知手段から出力された場合には、第3報知手段により、所定の報知が行われるように構成されているので、上記疑いを外部に認識させることができる。よって、外部において何らかの対策を取ることが可能になるので、不適切な較正用の所定値が設定されることを防止できる。これにより、例えば、不正に印加された磁場が磁場検出手段によって検出されなくなることを抑制できるので、磁石などを用いる不正行為を好適に抑制できる。
上記実施形態において、遊技機A10における第3報知手段としては、S2016,S1411の処理が例示される。
遊技機A0からA11のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機A12。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A0からA11のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機A13。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A0からA11のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機A14。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、前記本体に対して前記扉体が開放された状態と閉鎖された状態とを区別して検知可能な扉開閉検知手段と、磁場の大きさに応じた情報又は値を出力する磁場検知手段を備えた遊技機において、前記磁場検知手段は、所定の磁場が検知された場合に、所定の基準に基づいて出力状態を切り換えるための補正手段を含んで構成され、前記遊技機は、前記扉開閉検知手段により、前記扉体が、前記本体に対して開放された状態から閉鎖された状態へ、又は、前記本体に対して閉鎖された状態から開放された状態へ変化したことが検知された場合に、前記基準を設定する基準設定手段を、備えていることを特徴とする遊技機B0。
遊技機B0によれば、所定の磁場が検知された場合には、補正手段による補正に基づいて、磁場検知手段からの出力状態が切り換えられるが、その切り換えの基準は、扉開閉検知手段により、扉体が、開放された状態から閉鎖された状態へ、又は、閉鎖された状態から開放された状態へ変化したことが検知された場合に、基準設定手段によって設定される。
一般的な遊技機には、複数の制御基板が搭載されており、それらの制御基板が、ハーネスなどの電気配線を用いて、互いに電気的に接続されている。扉体が、本体に対して開放された状態から閉鎖された状態へ、又は、本体に対して閉鎖された状態から開放された状態へ変化した場合には、遊技機に揺れが生じ、その揺れによって電気配線が移動することがある。電気配線が移動すると、その電気配線から発せられる磁場に変動が生じるため、それによって、前記切り換えの基準が適切でなくなる可能性がある。
これに対し、遊技機B0によれば、扉体が、本体に対して開放された状態から閉鎖された状態へ、又は、本体に対して閉鎖された状態から開放された状態へ変化したことが扉開閉検知手段により検知された場合に、基準設定手段によって前記基準が設定されるので、扉体の開閉状態が変化する度に、そのときの磁場に対して適切な基準(切り換えの基準)を設定できる。よって、磁場検知手段からの出力を適切な出力にすることができる。よって、不適切な基準を用いて出力状態が切り換えられることを抑制できるので、不正に印加された磁場が磁場検出手段によって検出されなくなることを抑制でき、磁石などを用いる不正行為を好適に抑制できる。
なお、遊技機B0において、磁場検知手段から出力される「磁場の大きさに応じた情報又は値」は、検知された所定の磁場の大きさを示す数値に限らず、検知された所定の磁場の大きさを示す数値に基づいて設定される情報(データや信号など)又は値を含むことを意図している。例えば、磁場の大きさを示す数値が所定の閾値を超えた場合に、オン信号を出す場合なども、磁場検知手段から出力される「磁場の大きさに応じた情報又は値」に含まれることを意図している。
また、遊技機B0において、「所定の基準に基づいて出力状態の切り換える」としては、所定の基準に基づく、磁場検知手段からのオン/オフ出力の切り換えや、所定の基準に基づく、磁場検知手段からの数値の切り換えなどを含むことを意図している。
上記実施形態において、遊技機B0の磁場検知手段としては、磁気センサ装置601が例示される。また、上記実施形態において、遊技機B0における磁場検知手段の補正手段としては、磁気センサ装置601における図示されない検知回路が例示される。
なお、遊技機B0の磁場検知手段は、上記実施形態において例示した磁気センサ装置601のような、1の装置として構成されるものであってもよいし、磁気センサ又は磁気センサを含む磁気センサ装置と、主制御装置110などの制御装置との組み合わせから構成されていてもよい。
また、上記実施形態において、遊技機B0の本体としては、外枠11、又は、外枠11及び内枠12、が例示される。また、上記実施形態において、遊技機B0の扉体としては、本体が外枠11である場合には、内枠11及び前面枠14が例示され、本体が外枠11及び内枠12である場合には、前面枠14が例示される。また、上記実施形態において、遊技機B0の基準設定手段としては、S2045,S2064の処理が例示される。
本体と、その本体の前面を開閉する扉体と、前記本体に対して前記扉体が開放された状態と閉鎖された状態とを区別して検知可能な扉開閉検知手段と、磁場の大きさに応じた情報又は値を出力する磁場検知手段を備えた遊技機において、前記磁場検知手段は、磁場の大きさに応じた値を検知する検知手段と、その検知手段により検知された前記磁場の大きさに応じた値を、較正用の所定値を用いて較正する較正手段と、その較正手段により較正された値に基づいて、磁場の大きさに応じた情報又は値を出力する出力手段とを含んで構成され、前記遊技機は、前記扉開閉検知手段により、前記扉体が、前記本体に対して開放された状態から閉鎖された状態へ、又は、前記本体に対して閉鎖された状態から開放された状態へ変化したことが検知された場合に、前記較正用の所定値を設定する設定手段を備えていることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、磁場の大きさに応じた値が検知手段により検知され、そのように検知された値が、較正手段によって、較正用の所定値(例えば、オフセット値と呼ばれる値)を用いて較正され、そのように較正された値に基づいて、磁場の大きさに応じた情報又は値が、出力手段によって出力される。一方で、扉開閉検知手段により、本体に対して扉体が開放された状態と閉鎖された状態とを区別して検知することができる。ここで、較正用の所定値は、設定手段により設定されるが、その設定は、扉開閉検知手段により、扉体が、開放された状態から閉鎖された状態へ、又は、閉鎖された状態から開放された状態へ変化したことが検知された場合に行われる。
一般的な遊技機には、複数の制御基板が搭載されており、それらの制御基板が、ハーネスなどの電気配線を用いて、互いに電気的に接続されている。扉体が、本体に対して開放された状態から閉鎖された状態へ、又は、本体に対して閉鎖された状態から開放された状態へ変化した場合には、遊技機に揺れが生じ、その揺れによって電気配線が移動することがある。電気配線が移動すると、その電気配線から発せられる磁場に変動が生じるため、それによって、磁場検知手段の較正手段による較正に用いていた較正用の所定値が適切な値でなくなる可能性がある。
これに対し、遊技機B1によれば、扉体が、本体に対して開放された状態から閉鎖された状態へ、又は、本体に対して閉鎖された状態から開放された状態へ変化したことが扉開閉検知手段により検知された場合には、設定手段によって、較正用の所定値が設定されるので、扉体の開閉状態が変化する度に、そのときの磁場に対して適切な較正用の所定値を設定できる。よって、不適切な較正用の所定値を較正手段による較正に用いることを抑制できるので、不正に印加された磁場が磁場検出手段によって検出されなくなることを抑制でき、磁石などを用いる不正行為を好適に抑制できる。
なお、遊技機B1において、磁場検知手段(出力手段)から出力される「磁場の大きさに応じた情報又は値」は、較正手段により較正された値を出力するものだけに限らず、較正手段により較正された値に基づいて設定される情報(データや信号など)又は値を含むことを意図している。例えば、較正手段により較正された値が所定の閾値を超えた場合に、オン信号を出す場合なども、磁場検知手段(出力手段)から出力される「磁場の大きさに応じた情報又は値」に含まれることを意図している。
上記実施形態において、遊技機B1の磁場検知手段としては、磁気センサ装置601が例示される。また、上記実施形態において、遊技機B1における磁場検知手段の検知手段としては、磁気センサ装置601における図示されないMIセンサが例示され、遊技機B1における磁場検知手段の較正手段としては、磁気センサ装置601における図示されない検知回路が例示され、遊技機B1における磁場検知手段の出力手段としては、磁気センサ装置601における図示されない検知回路が例示される。
なお、遊技機B1の磁場検知手段は、上記実施形態において例示した磁気センサ装置601のような、1の装置として構成されるものであってもよいし、磁気センサ又は磁気センサを含む磁気センサ装置と、主制御装置110などの制御装置との組み合わせから構成されていてもよい。
また、上記実施形態において、遊技機B1の本体としては、外枠11、又は、外枠11及び内枠12、が例示される。また、上記実施形態において、遊技機B1の扉体としては、本体が外枠11である場合には、内枠11及び前面枠14が例示され、本体が外枠11及び内枠12である場合には、前面枠14が例示される。また、上記実施形態において、遊技機B1の設定手段としては、S2045,S2064の処理が例示される。
遊技機B1において、動いた場合に磁場が発生する可動体を備え、前記可動体は、当該遊技機に電源が投入された後に動作を開始し、前記電源が遮断されるまで動作する第1可動体と、当該遊技機に電源が投入された後、所定の時期において動作し、それ以外の時期には動作しない第2可動体とを含んで構成され、前記設定手段は、前記扉開閉検知手段により、前記扉体が、前記本体に対して開放された状態から閉鎖された状態へ、又は、前記本体に対して閉鎖された状態から開放された状態へ変化したことが検知された場合に、前記第1可動体が動作し、かつ、前記第2可動体が動作していない場合には、前記較正用の所定値を設定するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、動いた場合に磁場が発生する可動体として、遊技機に電源が投入された後に動作を開始し、前記電源が遮断されるまで動作する第1可動体と、遊技機に電源が投入された後、所定の時期において動作し、それ以外の時期には動作しない第2可動体とを含んでいる。
ここで、設定手段による較正用の所定値の設定は、第1可動体が動作し、かつ、第2可動体が動作していない場合に、扉開閉検知手段により、扉体が、本体に対して開放された状態から閉鎖された状態へ、又は、本体に対して閉鎖された状態から開放された状態へ変化したことが検知されると行われる。つまり、常時動作する第1可動の動作によって発生する磁場を考慮した上で、必要に応じて動作したりしなかったりする第2可動体の動作によって発生する磁場を最小限の状態で、扉体の開閉状態が変化したことが扉開閉検知手段によって検知された場合に、設定手段による較正用の所定値の設定が行われる。よって、較正用の所定値を過大でも過小でもない適切な値に設定できる。これにより、不正に印加された磁場を磁場検出手段によって好適に検出させることができるので、磁石などを用いる不正行為を好適に抑制できる。
上記実施形態において、遊技機B2の可動体の1つである第1可動体としては、振分ローラ410及び振分ローラ用モータ420が例示され、遊技機B1の可動体の1つである第2可動体としては、可動表示体501及び可動表示体用モータ520が例示される。
遊技機B2において、前記第1可動体及び前記第2可動体の両方が動作している場合に、前記扉開閉検知手段により、前記扉体が、前記本体に対して開放された状態から閉鎖された状態へ、又は、前記本体に対して閉鎖された状態から開放された状態へ変化したことが検知された場合には、前記設定手段による前記較正用の所定値の設定を待機する待機手段と、その待機手段により、前記設定手段による前記較正用の所定値の設定が待機されている場合には、前記第2可動体の動作が停止した場合に、前記設定手段による前記較正用の所定値の設定を実行する待機解除手段とを備えていることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、第1可動体及び前記第2可動体の両方が動作している場合に、扉体が、本体に対して開放された状態から閉鎖された状態へ、又は、本体に対して閉鎖された状態から開放された状態へ変化したことが、扉開閉検知手段により検知された場合には、待機手段により、設定手段による前記較正用の所定値の設定が待機され、その後、第2可動体の動作が停止した場合に、待機解除手段によって、設定手段による較正用の所定値の設定が実行される。
よって、扉体が、前記本体に対して開放された状態から閉鎖された状態へ、又は、前記本体に対して閉鎖された状態から開放された状態へ変化したとしても、そのときに第1可動体及び第2可動体の両方が動作している場合には、第2可動体の動作が停止するのを待って、設定手段による較正用の所定値の設定を行うので、不適切な較正用の所定値が設定されることを抑制でき、不正に印加された磁場が磁場検出手段によって検出されなくなることを抑制できる。
また、動作していた第2可動体の動作が停止した場合に、待機を解除して、設定手段による較正用の所定値の設定を行うので、本体に対する扉体の開閉状態の変化によって生じる揺れに起因する磁場の変動によって不適切な値になった可能性のある、較正用の所定値を較正のために使用する期間を最小限に抑えることができる。これにより、不正に印加された磁場が磁場検出手段によって検出されなくなる可能性のある期間も最小限に抑えることができ、不正に印加された磁場が磁場検出手段によって検出されなくなる期間も最小限に抑えることができる。よって、磁石などを用いる不正行為を好適に抑制できる。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて、前記磁場検知手段から出力された、前記磁場の大きさに応じた情報又は値が、所定の閾値を超える大きさの磁場が生じていることを示す情報又は値であるか否かを判断する判断手段と、前記扉開閉検知手段により、前記扉体が、前記本体に対して開放された状態から閉鎖された状態へ、又は、前記本体に対して閉鎖された状態から開放された状態へ変化したことが検知されたことに基づき、前記設定手段によって前記較正用の所定値の設定が設定された後に、所定期間、前記判断手段により、前記所定の閾値を超える大きさの磁場が生じているとの判断がされた場合に、所定の報知を行う報知手段とを備えていることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、磁場検知手段から出力された情報又は値(磁場の大きさに応じた情報又は値)が、判断手段により、所定の閾値を超える大きさの磁場が生じていることを示す情報又は値であると判断される。扉体が、本体に対して開放された状態から閉鎖された状態へ、又は、本体に対して閉鎖された状態から開放された状態へ変化したことが扉開閉検知手段により検知されたことに基づき、較正用の所定値が設定手段によって設定された後に、所定期間、前記判断手段による、所定の閾値を超える大きさの磁場が生じているとのがされた場合には、所定の報知が、報知手段によって行われる。
較正用の所定値が設定手段によって設定されたにもかかわらず、扉体が、本体に対して開放された状態から閉鎖された状態へ、又は、本体に対して閉鎖された状態から開放された状態へ変化したことが扉開閉検知手段により検知される状況は、より高い磁場を基準とした較正用の所定値を不正に設定したり、磁場検知手段に異常が生じている等、適切な較正用の所定値を設定できない状況が生じていることが疑われる。
これに対し、遊技機B4によれば、較正用の所定値が設定手段によって設定された後に、所定期間、所定の閾値を超える大きさの磁場が生じていることを示す情報又は値が磁場検知手段から出力された場合には、報知手段により、所定の報知が行われるように構成されているので、上記疑いを外部に認識させることができる。よって、外部において何らかの対策を取ることが可能になるので、不適切な較正用の所定値が設定されることを防止できる。これにより、例えば、不正に印加された磁場が磁場検出手段によって検出されなくなることを抑制できるので、磁石などを用いる不正行為を好適に抑制できる。
上記実施形態において、遊技機B4における報知手段としては、S2016,S1411の処理が例示される。
遊技機B0からB4のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機B5。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機B0からB4のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機B6。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機B0からB4のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機B7。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
磁場の大きさに応じた情報又は値を出力する磁場検知手段を備えた遊技機において、
前記磁場検知手段は、所定の磁場が検知された場合に、所定の基準に基づいて出力状態を切り換えるための補正手段を含んで構成され、前記遊技機は、当該遊技機の揺れを検知する揺れ検知手段と、その揺れ検知手段により揺れが検知された場合に、前記基準を設定する基準設定手段を、備えていることを特徴とする遊技機C0。
遊技機C0によれば、所定の磁場が検知された場合には、補正手段による補正に基づいて、磁場検知手段からの出力状態が切り換えられるが、その切り換えの基準は、揺れ検知手段により遊技機に揺れが生じたことが検知された場合に、基準設定手段によって設定される。
一般的な遊技機には、複数の制御基板が搭載されており、それらの制御基板が、ハーネスなどの電気配線を用いて、互いに電気的に接続されている。遊技機に揺れが生じた場合、その揺れによって電気配線が移動することがある。電気配線が移動すると、その電気配線から発せられる磁場に変動が生じるため、それによって、前記切り換えの基準が適切でなくなる可能性がある。
これに対し、遊技機C0によれば、揺れ検知手段により揺れが検知された場合に、基準設定手段によって前記基準が設定されるので、揺れ検知手段によって揺れが検知される度に、そのときの磁場に対して適切な基準(出力状態の切り換えの基準)を設定することができる。よって、不適切な基準を用いて出力状態が切り換えられることを抑制できるので、不正に印加された磁場が磁場検出手段によって検出されなくなることを抑制でき、磁石などを用いる不正行為を好適に抑制できる。
なお、遊技機C0において、磁場検知手段から出力される「磁場の大きさに応じた情報又は値」は、検知された所定の磁場の大きさを示す数値に限らず、検知された所定の磁場の大きさを示す数値に基づいて設定される情報(データや信号など)又は値を含むことを意図している。例えば、磁場の大きさを示す数値が所定の閾値を超えた場合に、オン信号を出す場合なども、磁場検知手段から出力される「磁場の大きさに応じた情報又は値」に含まれることを意図している。
また、遊技機C0において、「所定の基準に基づいて出力状態の切り換える」としては、所定の基準に基づく、磁場検知手段からのオン/オフ出力の切り換えや、所定の基準に基づく、磁場検知手段からの数値の切り換えなどを含むことを意図している。
上記実施形態において、遊技機C0の磁場検知手段としては、磁気センサ装置601が例示される。また、上記実施形態において、遊技機C0における磁場検知手段の補正手段としては、磁気センサ装置601における図示されない検知回路が例示される。
なお、遊技機C0の磁場検知手段は、上記実施形態において例示した磁気センサ装置601のような、1の装置として構成されるものであってもよいし、磁気センサ又は磁気センサを含む磁気センサ装置と、主制御装置110などの制御装置との組み合わせから構成されていてもよい。
また、上記実施形態において、遊技機C0の揺れ検知手段としては、振動センサ602が例示され、遊技機C0の基準設定手段としては、S2024,S2064の処理が例示される。
磁場の大きさに応じた情報又は値を出力する磁場検知手段を備えた遊技機において、前記磁場検知手段は、磁場の大きさに応じた値を検知する検知手段と、その検知手段により検知された前記磁場の大きさに応じた値を、較正用の所定値を用いて較正する較正手段と、その較正手段により較正された値に基づいて、磁場の大きさに応じた情報又は値を出力する出力手段とを含んで構成され、前記遊技機は、当該遊技機の揺れを検知する揺れ検知手段と、その揺れ検知手段により揺れが検知された場合に、前記較正用の所定値を設定する設定手段を備えていることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、磁場の大きさに応じた値が検知手段により検知され、そのように検知された値が、較正手段によって、較正用の所定値(例えば、オフセット値と呼ばれる値)を用いて較正され、そのように較正された値に基づいて、磁場の大きさに応じた情報又は値が、出力手段によって出力される。一方で、遊技機の揺れが生じた場合には、その揺れが揺れ検知手段によって検知される。ここで、較正用の所定値は、設定手段により設定されるが、その設定は、揺れ検知手段により遊技機に揺れが生じたことが検知された場合に行われる。
一般的な遊技機には、複数の制御基板が搭載されており、それらの制御基板が、ハーネスなどの電気配線を用いて、互いに電気的に接続されている。遊技機に揺れが生じた場合、その揺れによって電気配線が移動することがある。電気配線が移動すると、その電気配線から発せられる磁場に変動が生じるため、それによって、磁場検知手段の較正手段による較正に用いていた較正用の所定値が適切な値でなくなる可能性がある。
これに対し、遊技機C1によれば、揺れ検知手段により揺れが検知された場合には、設定手段によって、較正用の所定値が設定されるので、揺れ検知手段によって揺れが検知される度に、そのときの磁場に対して適切な較正用の所定値を設定することができる。よって、不適切な較正用の所定値を較正手段による較正に用いることを抑制できるので、不正に印加された磁場が磁場検出手段によって検出されなくなることを抑制でき、磁石などを用いる不正行為を好適に抑制できる。
なお、遊技機C1において、磁場検知手段(出力手段)から出力される「磁場の大きさに応じた情報又は値」は、較正手段により較正された値を出力するものだけに限らず、較正手段により較正された値に基づいて設定される情報(データや信号など)又は値を含むことを意図している。例えば、較正手段により較正された値が所定の閾値を超えた場合に、オン信号を出す場合なども、磁場検知手段(出力手段)から出力される「磁場の大きさに応じた情報又は値」に含まれることを意図している。
上記実施形態において、遊技機C1の磁場検知手段としては、磁気センサ装置601が例示される。また、上記実施形態において、遊技機C1における磁場検知手段の検知手段としては、磁気センサ装置601における図示されないMIセンサが例示され、遊技機C1における磁場検知手段の較正手段としては、磁気センサ装置601における図示されない検知回路が例示され、遊技機C1における磁場検知手段の出力手段としては、磁気センサ装置601における図示されない検知回路が例示される。
なお、遊技機C1の磁場検知手段は、上記実施形態において例示した磁気センサ装置601のような、1の装置として構成されるものであってもよいし、磁気センサ又は磁気センサを含む磁気センサ装置と、主制御装置110などの制御装置との組み合わせから構成されていてもよい。
また、上記実施形態において、遊技機C1の揺れ検知手段としては、振動センサ602が例示され、遊技機C1の設定手段としては、S2024,S2064の処理が例示される。
遊技機C1において、動いた場合に磁場が発生する可動体を備え、前記可動体は、当該遊技機に電源が投入された後に動作を開始し、前記電源が遮断されるまで動作する第1可動体と、当該遊技機に電源が投入された後、所定の時期において動作し、それ以外の時期には動作しない第2可動体とを含んで構成され、前記設定手段は、前記揺れ検知手段により揺れが検知された場合に、前記第1可動体が動作し、かつ、前記第2可動体が動作していない場合には、前記較正用の所定値を設定するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、動いた場合に磁場が発生する可動体として、遊技機に電源が投入された後に動作を開始し、前記電源が遮断されるまで動作する第1可動体と、遊技機に電源が投入された後、所定の時期において動作し、それ以外の時期には動作しない第2可動体とを含んでいる。
ここで、設定手段による較正用の所定値の設定は、第1可動体が動作し、かつ、第2可動体が動作していない場合に、揺れ検知手段により揺れが検知されると行われる。つまり、常時動作する第1可動の動作によって発生する磁場を考慮した上で、必要に応じて動作したりしなかったりする第2可動体の動作によって発生する磁場を最小限の状態で、揺れ検知手段によって遊技機の揺れが検知された場合に、設定手段による較正用の所定値の設定が行われる。よって、較正用の所定値を過大でも過小でもない適切な値に設定できる。これにより、不正に印加された磁場を磁場検出手段によって好適に検出させることができるので、磁石などを用いる不正行為を好適に抑制できる。
上記実施形態において、遊技機C2の可動体の1つである第1可動体としては、振分ローラ410及び振分ローラ用モータ420が例示され、遊技機C1の可動体の1つである第2可動体としては、可動表示体501及び可動表示体用モータ520が例示される。
遊技機C2において、前記第1可動体及び前記第2可動体の両方が動作している場合に、前記揺れ検知手段により揺れが検知された場合には、前記設定手段による前記較正用の所定値の設定を待機する待機手段と、その待機手段により、前記設定手段による前記較正用の所定値の設定が待機されている場合には、前記第2可動体の動作が停止した場合に、前記設定手段による前記較正用の所定値の設定を実行する待機解除手段とを備えていることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、第1可動体及び前記第2可動体の両方が動作している場合に、揺れ検知手段により揺れが検知された場合には、待機手段により、設定手段による前記較正用の所定値の設定が待機され、その後、第2可動体の動作が停止した場合に、待機解除手段によって、設定手段による較正用の所定値の設定が実行される。
よって、揺れ検知手段により揺れが検出されたとしても、そのときに第1可動体及び第2可動体の両方が動作している場合には、第2可動体の動作が停止するのを待って、設定手段による較正用の所定値の設定を行うので、不適切な較正用の所定値が設定されることを抑制でき、不正に印加された磁場が磁場検出手段によって検出されなくなることを抑制できる。
また、動作していた第2可動体の動作が停止した場合に、待機を解除して、設定手段による較正用の所定値の設定を行うので、揺れに起因する磁場の変動によって不適切な値になった可能性のある、較正用の所定値を較正のために使用する期間を最小限に抑えることができる。これにより、不正に印加された磁場が磁場検出手段によって検出されなくなる期間も最小限に抑えることができ、磁石などを用いる不正行為を好適に抑制できる。
上記実施形態において、遊技機C3の待機手段としては、S2026,S2028の処理、S2062におけるNo側に分岐する処理,S2067におけるNo側に分岐する処理が例示され、遊技機C3の待機解除手段としては、S311,S2062におけるYes側に分岐する処理,S2067におけるYes側に分岐する処理が例示される。
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、前記磁場検知手段から出力された、前記磁場の大きさに応じた情報又は値が、所定の閾値を超える大きさの磁場が生じていることを示す情報又は値であるか否かを判断する判断手段と、前記揺れ検知手段により揺れが検知されたことに基づき、前記設定手段によって前記較正用の所定値の設定が設定された後に、所定期間、前記判断手段により、前記所定の閾値を超える大きさの磁場が生じているとの判断がされた場合に、所定の報知を行う報知手段とを備えていることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、磁場検知手段から出力された情報又は値(磁場の大きさに応じた情報又は値)が、判断手段により、所定の閾値を超える大きさの磁場が生じていることを示す情報又は値であると判断される。揺れ検知手段により揺れが検知されたことに基づき、較正用の所定値が設定手段によって設定された後に、所定期間、前記判断手段による、所定の閾値を超える大きさの磁場が生じているとの判断がされた場合には、所定の報知が、報知手段によって行われる。
較正用の所定値が設定手段によって設定されたにもかかわらず、所定の閾値を超える大きさの磁場が生じていることを示す情報又は値が磁場検知手段から出力される状況は、より高い磁場を基準とした較正用の所定値を不正に設定したり、磁場検知手段に異常が生じている等、適切な較正用の所定値を設定できない状況が生じていることが疑われる。
これに対し、遊技機C4によれば、較正用の所定値が設定手段によって設定された後に、所定期間、所定の閾値を超える大きさの磁場が生じていることを示す情報又は値が磁場検知手段から出力された場合には、報知手段により、所定の報知が行われるように構成されているので、上記疑いを外部に認識させることができる。よって、外部において何らかの対策を取ることが可能になるので、不適切な較正用の所定値が設定されることを防止できる。これにより、例えば、不正に印加された磁場が磁場検出手段によって検出されなくなることを抑制できるので、磁石などを用いる不正行為を好適に抑制できる。
上記実施形態において、遊技機C4における報知手段としては、S2016,S1411の処理が例示される。
遊技機C0からC4のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機C5。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機C0からC4のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機C6。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機C0からC4のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機C7。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
磁場の大きさに応じた情報又は値を出力する磁場検知手段を備えた遊技機において、前記磁場検知手段は、所定の磁場が検知された場合に、所定の基準に基づいて出力状態を切り換えるための補正手段を含んで構成され、前記遊技機は、当該遊技機に電源を投入した直後以外の時期に、前記基準を設定する基準設定手段を、備えていることを特徴とする遊技機X0。
遊技機X0によれば、所定の磁場が検知された場合には、補正手段による補正に基づいて、磁場検知手段からの出力状態が切り換えられるが、その切り換えの基準は、基準設定手段により、遊技機に電源を投入した直後以外の時期に行われる。
モータやソレノイドなどを用いて動く可動体が設けられている場合、遊技機への電源投入直後に前記可動体の初期位置合わせなどが行われることがある。可動体の初期位置合わせを行う場合には、可動体が動かされるので、磁場が変動し、前記基準を正確に設定することができない可能性が高い。これに対し、遊技機X0によれば、遊技機への電源投入直後以外の時期に、前記基準の設定が行われるので、前記基準の設定時期を、可動体の初期位置合わせの時期とずらすことができる。よって、前記基準(出力状態の切り換えの基準)を適切な値に設定できる。これにより、不正に印加された磁場を磁場検出手段によって好適に検出させることができるので、磁石などを用いる不正行為を好適に抑制できる。
なお、遊技機X0において、磁場検知手段から出力される「磁場の大きさに応じた情報又は値」は、検知された所定の磁場の大きさを示す数値に限らず、検知された所定の磁場の大きさを示す数値に基づいて設定される情報(データや信号など)又は値を含むことを意図している。例えば、磁場の大きさを示す数値が所定の閾値を超えた場合に、オン信号を出す場合なども、磁場検知手段から出力される「磁場の大きさに応じた情報又は値」に含まれることを意図している。
また、遊技機X0において、「所定の基準に基づいて出力状態の切り換える」としては、所定の基準に基づく、磁場検知手段からのオン/オフ出力の切り換えや、所定の基準に基づく、磁場検知手段からの数値の切り換えなどを含むことを意図している。
上記実施形態において、遊技機X0の磁場検知手段としては、磁気センサ装置601が例示される。また、上記実施形態において、遊技機X0における磁場検知手段の補正手段としては、磁気センサ装置601における図示されない検知回路が例示される。
なお、遊技機X0の磁場検知手段は、上記実施形態において例示した磁気センサ装置601のような、1の装置として構成されるものであってもよいし、磁気センサ又は磁気センサを含む磁気センサ装置と、主制御装置110などの制御装置との組み合わせから構成されていてもよい。
上記実施形態において、遊技機X0の基準設定手段としては、S2024,S2045,S2064の処理が例示される。
磁場の大きさに応じた情報又は値を出力する磁場検知手段を備えた遊技機において、前記磁場検知手段は、磁場の大きさに応じた値を検知する検知手段と、その検知手段により検知された前記磁場の大きさに応じた値を、較正用の所定値を用いて較正する較正手段と、その較正手段により較正された値に基づいて、磁場の大きさに応じた情報又は値を出力する出力手段とを含んで構成され、前記遊技機は、当該遊技機に電源を投入した直後以外の時期に、前記較正用の所定値を設定する設定手段を、備えていることを特徴とする遊技機X1。
遊技機X1によれば、磁場の大きさに応じた値が検知手段により検知され、そのように検知された値が、較正手段によって、較正用の所定値を用いて較正され、そのように較正された値に基づいて、磁場の大きさに応じた情報又は値が、出力手段によって出力される。較正用の所定値は、設定手段により設定されるが、その設定は、遊技機に電源を投入した直後以外の時期に行われる。
モータやソレノイドなどを用いて動く可動体が設けられている場合、遊技機への電源投入直後に前記可動体の初期位置合わせなどが行われることがある。可動体の初期位置合わせを行う場合には、可動体が動かされるので、磁場が変動し、較正用の所定値を正確に設定することができない可能性が高い。これに対し、遊技機X1によれば、遊技機への電源投入直後以外の時期に、設定手段による較正用の所定値の設定が行われるので、較正用の所定値の設定時期を、可動体の初期位置合わせの時期とずらすことができる。よって、較正用の所定値を適切な値に設定できる。これにより、不正に印加された磁場を磁場検出手段によって好適に検出させることができるので、磁石などを用いる不正行為を好適に抑制できる。
なお、遊技機X1において、磁場検知手段(出力手段)から出力される「磁場の大きさに応じた情報又は値」は、較正手段により較正された値を出力するものだけに限らず、較正手段により較正された値に基づいて設定される情報(データや信号など)又は値を含むことを意図している。例えば、較正手段により較正された値が所定の閾値を超えた場合に、オン信号を出す場合なども、磁場検知手段(出力手段)から出力される「磁場の大きさに応じた情報又は値」に含まれることを意図している。
上記実施形態において、遊技機X1の磁場検知手段としては、磁気センサ装置601が例示される。また、上記実施形態において、遊技機X1における磁場検知手段の検知手段としては、磁気センサ装置601における図示されないMIセンサが例示され、遊技機X1における磁場検知手段の較正手段としては、磁気センサ装置601における図示されない検知回路が例示され、遊技機X1における磁場検知手段の出力手段としては、磁気センサ装置601における図示されない検知回路が例示される。
なお、遊技機X1の磁場検知手段は、上記実施形態において例示した磁気センサ装置601のような、1の装置として構成されるものであってもよいし、磁気センサ又は磁気センサを含む磁気センサ装置と、主制御装置110などの制御装置との組み合わせから構成されていてもよい。
上記実施形態において、遊技機X1の設定手段としては、S2024,S2045,S2064の処理が例示される。
遊技機X0又はX1において、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機X2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機X0又はX1において、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機X3。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機X0又はX1において、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機X4。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
なお、遊技機X0〜X4の各遊技機に、遊技機A0〜A14,遊技機B0〜B7,遊技機C0〜C7を適宜組み合わせてもよい。
磁場の大きさに応じた情報又は値を出力する磁場検知手段を備えた遊技機において、前記磁場検知手段は、所定の磁場が検知された場合に、所定の基準に基づいて出力状態を切り換えるための補正手段を含んで構成され、前記遊技機は、電源を投入した後に、当該遊技機に電源を投入した後に当該遊技機を立ち上げる場合に実行される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理の後に繰り返し実行される通常処理とを実行する処理実行手段と、前記処理実行手段により実行される通常処理の中で、前記基準を設定する基準設定手段を、備えていることを特徴とする遊技機Y0。
遊技機Y0によれば、所定の磁場が検知された場合には、補正手段による補正に基づいて、磁場検知手段からの出力状態が切り換えられる。一方で、遊技機に電源を投入した場合には、処理実行手段により、立ち上げ処理が一度だけ実行され、その立ち上げ処理の後に、通常処理が繰り返し実行される。ここで、前記基準(出力状態の切り換えの基準)は、基準設定手段により設定されるが、その設定は、処理実行手段により実行される通常処理の中で行われる。一般的に、可動体の初期位置合わせは、立ち上げ処理の中で行われるので、前記基準の設定を通常処理の中で行うことにより、前記基準の設定時期を、可動体の初期位置合わせの時期とずらすことができ、前記基準を適切な値に設定できる。また、前記基準の設定を、立ち上げ処理の後に繰り返し実行される通常処理の中で行うことにより、遊技中、適切なタイミングで、前記基準を適切な値に設定することができる。これにより、不正に印加された磁場を磁場検出手段によって好適に検出させることができるので、磁石などを用いる不正行為を好適に抑制できる。
なお、遊技機Y0において、磁場検知手段から出力される「磁場の大きさに応じた情報又は値」は、検知された所定の磁場の大きさを示す数値に限らず、検知された所定の磁場の大きさを示す数値に基づいて設定される情報(データや信号など)又は値を含むことを意図している。例えば、磁場の大きさを示す数値が所定の閾値を超えた場合に、オン信号を出す場合なども、磁場検知手段から出力される「磁場の大きさに応じた情報又は値」に含まれることを意図している。
また、遊技機Y0において、「所定の基準に基づいて出力状態の切り換える」としては、所定の基準に基づく、磁場検知手段からのオン/オフ出力の切り換えや、所定の基準に基づく、磁場検知手段からの数値の切り換えなどを含むことを意図している。
上記実施形態において、遊技機Y0の磁場検知手段としては、磁気センサ装置601が例示される。また、上記実施形態において、遊技機Y0における磁場検知手段の補正手段としては、磁気センサ装置601における図示されない検知回路が例示される。
なお、遊技機Y0の磁場検知手段は、上記実施形態において例示した磁気センサ装置601のような、1の装置として構成されるものであってもよいし、磁気センサ又は磁気センサを含む磁気センサ装置と、主制御装置110などの制御装置との組み合わせから構成されていてもよい。
上記実施形態において、遊技機Y0の基準設定手段としては、S2024,S2045,S2064の処理が例示される。
磁場の大きさに応じた情報又は値を出力する磁場検知手段を備えた遊技機において、前記磁場検知手段は、磁場の大きさに応じた値を検知する検知手段と、その検知手段により検知された前記磁場の大きさに応じた値を、較正用の所定値を用いて較正する較正手段と、その較正手段により較正された値に基づいて、磁場の大きさに応じた情報又は値を出力する出力手段とを含んで構成され、前記遊技機は、電源を投入した後に、当該遊技機に電源を投入した後に当該遊技機を立ち上げる場合に実行される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理の後に繰り返し実行される通常処理とを実行する処理実行手段と、前記処理実行手段により実行される通常処理の中で、前記較正用の所定値を設定する設定手段を、備えていることを特徴とする遊技機Y1。
遊技機Y1によれば、磁場の大きさに応じた値が検知手段により検知され、そのように検知された値が、較正手段によって、較正用の所定値を用いて較正され、そのように較正された値に基づいて、磁場の大きさに応じた情報又は値が、出力手段によって出力される。一方で、遊技機に電源を投入した場合には、処理実行手段により、立ち上げ処理が一度だけ実行され、その立ち上げ処理の後に、通常処理が繰り返し実行される。ここで、較正用の所定値は、設定手段により設定されるが、その設定は、処理実行手段により実行される通常処理の中で行われる。一般的に、可動体の初期位置合わせは、立ち上げ処理の中で行われるので、較正用の所定値の設定を通常処理の中で行うことにより、較正用の所定値の設定時期を、可動体の初期位置合わせの時期とずらすことができ、較正用の所定値を適切な値に設定できる。また、較正用の所定値の設定を、立ち上げ処理の後に繰り返し実行される通常処理の中で行うことにより、遊技中、適切なタイミングで、較正用の所定値を適切な値に設定することができる。これにより、不正に印加された磁場を磁場検出手段によって好適に検出させることができるので、磁石などを用いる不正行為を好適に抑制できる。
なお、遊技機Y1において、磁場検知手段(出力手段)から出力される「磁場の大きさに応じた情報又は値」は、較正手段により較正された値を出力するものだけに限らず、較正手段により較正された値に基づいて設定される情報(データや信号など)又は値を含むことを意図している。例えば、較正手段により較正された値が所定の閾値を超えた場合に、オン信号を出す場合なども、磁場検知手段(出力手段)から出力される「磁場の大きさに応じた情報又は値」に含まれることを意図している。
上記実施形態において、遊技機Y1の磁場検知手段としては、磁気センサ装置601が例示される。また、上記実施形態において、遊技機Y1における磁場検知手段の検知手段としては、磁気センサ装置601における図示されないMIセンサが例示され、遊技機Y1における磁場検知手段の較正手段としては、磁気センサ装置601における図示されない検知回路が例示され、遊技機Y1における磁場検知手段の出力手段としては、磁気センサ装置601における図示されない検知回路が例示される。
なお、遊技機Y1の磁場検知手段は、上記実施形態において例示した磁気センサ装置601のような、1の装置として構成されるものであってもよいし、磁気センサ又は磁気センサを含む磁気センサ装置と、主制御装置110などの制御装置との組み合わせから構成されていてもよい。
上記実施形態において、遊技機Y1の設定手段としては、S2024,S2045,S2064の処理が例示される。
遊技機Y0又はY1において、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Y2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機Y0又はY1において、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Y3。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機Y0又はY1において、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Y4。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
なお、遊技機Y0〜Y4の各遊技機に、遊技機A0〜A14,遊技機B0〜B7,遊技機C0〜C7を適宜組み合わせてもよい。
磁場の大きさに応じた情報又は値を出力する磁場検知手段を備えた遊技機において、前記磁場検知手段は、所定の磁場が検知された場合に、所定の基準に基づいて出力状態を切り換えるための補正手段を含んで構成され、前記遊技機は、当該遊技機に電源を投入した直後に、前記基準を設定する基準設定手段を、備えていることを特徴とする遊技機Z0。
遊技機Z0によれば、所定の磁場が検知された場合には、補正手段による補正に基づいて、磁場検知手段からの出力状態が切り換えられるが、その切り換えの基準は、基準設定手段により、遊技機に電源を投入した直後に行われる。よって、前記基準(出力状態の切り換えの基準)の設定が、遊技機に電源を投入した直後に行われるので、電源投入後、早い段階で前記基準を適切に設定することができる。これにより、電源投入後の早い段階で、不正に印加された磁場を磁場検出手段によって好適に検出させることができるので、磁石などを用いる不正行為を好適に抑制できる。
なお、遊技機Z0において、磁場検知手段から出力される「磁場の大きさに応じた情報又は値」は、検知された所定の磁場の大きさを示す数値に限らず、検知された所定の磁場の大きさを示す数値に基づいて設定される情報(データや信号など)又は値を含むことを意図している。例えば、磁場の大きさを示す数値が所定の閾値を超えた場合に、オン信号を出す場合なども、磁場検知手段から出力される「磁場の大きさに応じた情報又は値」に含まれることを意図している。
また、遊技機Z0において、「所定の基準に基づいて出力状態の切り換える」としては、所定の基準に基づく、磁場検知手段からのオン/オフ出力の切り換えや、所定の基準に基づく、磁場検知手段からの数値の切り換えなどを含むことを意図している。
上記実施形態において、遊技機Z0の磁場検知手段としては、磁気センサ装置601が例示される。また、上記実施形態において、遊技機Z0における磁場検知手段の補正手段としては、磁気センサ装置601における図示されない検知回路が例示される。
なお、遊技機Z0の磁場検知手段は、上記実施形態において例示した磁気センサ装置601のような、1の装置として構成されるものであってもよいし、磁気センサ又は磁気センサを含む磁気センサ装置と、主制御装置110などの制御装置との組み合わせから構成されていてもよい。
上記実施形態において、遊技機Z0の基準設定手段としては、S113,S124の処理が例示される。
磁場の大きさに応じた情報又は値を出力する磁場検知手段を備えた遊技機において、前記磁場検知手段は、磁場の大きさに応じた値を検知する検知手段と、その検知手段により検知された前記磁場の大きさに応じた値を、較正用の所定値を用いて較正する較正手段と、その較正手段により較正された値に基づいて、磁場の大きさに応じた情報又は値を出力する出力手段とを含んで構成され、前記遊技機は、当該遊技機に電源を投入した直後に、前記較正用の所定値を設定する設定手段を、備えていることを特徴とする遊技機Z1。
遊技機Z1によれば、磁場の大きさに応じた値が検知手段により検知され、そのように検知された値が、較正手段によって、較正用の所定値を用いて較正され、そのように較正された値に基づいて、磁場の大きさに応じた情報又は値が、出力手段によって出力される。較正用の所定値は、設定手段により設定されるが、その設定は、遊技機に電源を投入した直後に行われる。よって、較正用の所定値の設定が、遊技機に電源を投入した直後に行われるので、電源投入後、早い段階で較正用の所定値を適切に設定することができる。これにより、電源投入後の早い段階で、不正に印加された磁場を磁場検出手段によって好適に検出させることができるので、磁石などを用いる不正行為を好適に抑制できる。
なお、遊技機Z1において、磁場検知手段(出力手段)から出力される「磁場の大きさに応じた情報又は値」は、較正手段により較正された値を出力するものだけに限らず、較正手段により較正された値に基づいて設定される情報(データや信号など)又は値を含むことを意図している。例えば、較正手段により較正された値が所定の閾値を超えた場合に、オン信号を出す場合なども、磁場検知手段(出力手段)から出力される「磁場の大きさに応じた情報又は値」に含まれることを意図している。
上記実施形態において、遊技機Z1の磁場検知手段としては、磁気センサ装置601が例示される。また、上記実施形態において、遊技機Z1における磁場検知手段の検知手段としては、磁気センサ装置601における図示されないMIセンサが例示され、遊技機Z1における磁場検知手段の較正手段としては、磁気センサ装置601における図示されない検知回路が例示され、遊技機Z1における磁場検知手段の出力手段としては、磁気センサ装置601における図示されない検知回路が例示される。
なお、遊技機Z1の磁場検知手段は、上記実施形態において例示した磁気センサ装置601のような、1の装置として構成されるものであってもよいし、磁気センサ又は磁気センサを含む磁気センサ装置と、主制御装置110などの制御装置との組み合わせから構成されていてもよい。
上記実施形態において、遊技機Z1の設定手段としては、S113,S124の処理が例示される。
遊技機Z0又はZ1において、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機Z0又はZ1において、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機Z0又はZ1において、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z4。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
なお、遊技機Z0〜Z4の各遊技機に、遊技機A0〜A14,遊技機B0〜B7,遊技機C0〜C7を適宜組み合わせてもよい。
<その他>
遊技機の一種として、例えば、遊技球を用いて遊技を行うパチンコ機がある。かかるパチンコ機では、遊技球を遊技領域に発射し、その遊技球が遊技領域内に設けられた入賞口に入賞すると、遊技者は、その入賞に基づき、所定の遊技価値を獲得することができる。また、パチンコ機では、所定の始動条件が成立した場合(例えば、始動口などと呼ばれる所定の入賞口に遊技球が入賞した場合)に抽選を行い、その抽選により所定の結果が選ばれると、通常の遊技状態に比べてより多くの遊技価値が可能となる特別遊技状態(例えば、当たりと呼ばれる遊技状態など)を発生させる(例えば、特許文献1:特開2007−14661号公報)。
一般的に、パチンコ機に用いられる遊技球は金属製である。そのため、かかる金属製の遊技球を、例えば、磁石などを用いて入賞口(例えば、始動口などと呼ばれる所定の入賞口)に誘導する不正行為が行われることがあった。
本発明は、上記例示した事情等を鑑みてなされたものであり、不正行為を好適に抑制可能な遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために、技術的思想1記載の遊技機は、磁場の大きさに応じた情報又は値を出力する磁場検知手段を備えたものであって、前記磁場検知手段は、磁場の大きさに応じた値を検知する検知手段と、その検知手段により検知された前記磁場の大きさに応じた値を、較正用の所定値を用いて較正する較正手段と、その較正手段により較正された値に基づいて、磁場の大きさに応じた情報又は値を出力する出力手段とを含んで構成され、前記遊技機は、当該遊技機の揺れを検知する揺れ検知手段と、その揺れ検知手段により揺れが検知された場合に、前記較正用の所定値を設定する設定手段を備えている。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、動いた場合に磁場が発生する可動体を備え、前記可動体は、当該遊技機に電源が投入された後に動作を開始し、前記電源が遮断されるまで動作する第1可動体と、当該遊技機に電源が投入された後、所定の時期において動作し、それ以外の時期には動作しない第2可動体とを含んで構成され、前記設定手段は、前記揺れ検知手段により揺れが検知された場合に、前記第1可動体が動作し、かつ、前記第2可動体が動作していない場合には、前記較正用の所定値を設定するものである。
技術的思想3記載の遊技機は、技術的思想2記載の遊技機において、前記第1可動体及び前記第2可動体の両方が動作している場合に、前記揺れ検知手段により揺れが検知された場合には、前記設定手段による前記較正用の所定値の設定を待機する待機手段と、その待機手段により、前記設定手段による前記較正用の所定値の設定が待機されている場合には、前記第2可動体の動作が停止した場合に、前記設定手段による前記較正用の所定値の設定を実行する待機解除手段とを備えている。
技術的思想4記載の遊技機は、技術的思想1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記磁場検知手段から出力された、前記磁場の大きさに応じた情報又は値が、所定の閾値を超える大きさの磁場が生じていることを示す情報又は値であるか否かを判断する判断手段と、前記揺れ検知手段により揺れが検知されたことに基づき、前記設定手段によって前記較正用の所定値の設定が設定された後に、所定期間、前記判断手段により、前記所定の閾値を超える大きさの磁場が生じているとの判断がされた場合に、所定の報知を行う報知手段とを備えている。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、磁場の大きさに応じた値が検知手段により検知され、そのように検知された値が、較正手段によって、較正用の所定値(例えば、オフセット値と呼ばれる値)を用いて較正され、そのように較正された値に基づいて、磁場の大きさに応じた情報又は値が、出力手段によって出力される。一方で、遊技機の揺れが生じた場合には、その揺れが揺れ検知手段によって検知される。ここで、較正用の所定値は、設定手段により設定されるが、その設定は、揺れ検知手段により遊技機に揺れが生じたことが検知された場合に行われる。
一般的な遊技機には、複数の制御基板が搭載されており、それらの制御基板が、ハーネスなどの電気配線を用いて、互いに電気的に接続されている。遊技機に揺れが生じた場合、その揺れによって電気配線が移動することがある。電気配線が移動すると、その電気配線から発せられる磁場に変動が生じるため、それによって、磁場検知手段の較正手段による較正に用いていた較正用の所定値が適切な値でなくなる可能性がある。
これに対し、技術的思想1記載の遊技機によれば、揺れ検知手段により揺れが検知された場合には、設定手段によって、較正用の所定値が設定されるので、揺れ検知手段によって揺れが検知される度に、そのときの磁場に対して適切な較正用の所定値を設定することができる。よって、不適切な較正用の所定値を較正手段による較正に用いることを抑制できるので、不正に印加された磁場が磁場検出手段によって検出されなくなることを抑制でき、磁石などを用いる不正行為を好適に抑制できるという効果がある。
なお、技術的思想1において、磁場検知手段(出力手段)から出力される「磁場の大きさに応じた情報又は値」は、較正手段により較正された値を出力するものだけに限らず、較正手段により較正された値に基づいて設定される情報(データや信号など)又は値を含むことを意図している。例えば、較正手段により較正された値が所定の閾値を超えた場合に、オン信号を出す場合なども、磁場検知手段(出力手段)から出力される「磁場の大きさに応じた情報又は値」に含まれることを意図している。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。動いた場合に磁場が発生する可動体として、遊技機に電源が投入された後に動作を開始し、前記電源が遮断されるまで動作する第1可動体と、遊技機に電源が投入された後、所定の時期において動作し、それ以外の時期には動作しない第2可動体とを含んでいる。
ここで、設定手段による較正用の所定値の設定は、第1可動体が動作し、かつ、第2可動体が動作していない場合に、揺れ検知手段により揺れが検知されると行われる。つまり、常時動作する第1可動の動作によって発生する磁場を考慮した上で、必要に応じて動作したりしなかったりする第2可動体の動作によって発生する磁場を最小限の状態で、揺れ検知手段によって遊技機の揺れが検知された場合に、設定手段による較正用の所定値の設定が行われる。よって、較正用の所定値を過大でも過小でもない適切な値に設定できる。これにより、不正に印加された磁場を磁場検出手段によって好適に検出させることができるので、磁石などを用いる不正行為を好適に抑制できるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1可動体及び前記第2可動体の両方が動作している場合に、揺れ検知手段により揺れが検知された場合には、待機手段により、設定手段による前記較正用の所定値の設定が待機され、その後、第2可動体の動作が停止した場合に、待機解除手段によって、設定手段による較正用の所定値の設定が実行される。
よって、揺れ検知手段により揺れが検出されたとしても、そのときに第1可動体及び第2可動体の両方が動作している場合には、第2可動体の動作が停止するのを待って、設定手段による較正用の所定値の設定を行うので、不適切な較正用の所定値が設定されることを抑制でき、不正に印加された磁場が磁場検出手段によって検出されなくなることを抑制できるという効果がある。
また、動作していた第2可動体の動作が停止した場合に、待機を解除して、設定手段による較正用の所定値の設定を行うので、揺れに起因する磁場の変動によって不適切な値になった可能性のある、較正用の所定値を較正のために使用する期間を最小限に抑えることができる。これにより、不正に印加された磁場が磁場検出手段によって検出されなくなる期間も最小限に抑えることができ、磁石などを用いる不正行為を好適に抑制できるという効果がある。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想1から3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、次の効果を奏する。磁場検知手段から出力された情報又は値(磁場の大きさに応じた情報又は値)が、判断手段により、所定の閾値を超える大きさの磁場が生じていることを示す情報又は値であると判断される。揺れ検知手段により揺れが検知されたことに基づき、較正用の所定値が設定手段によって設定された後に、所定期間、前記判断手段による、所定の閾値を超える大きさの磁場が生じているとの判断がされた場合には、所定の報知が、報知手段によって行われる。
較正用の所定値が設定手段によって設定されたにもかかわらず、所定の閾値を超える大きさの磁場が生じていることを示す情報又は値が磁場検知手段から出力される状況は、より高い磁場を基準とした較正用の所定値を不正に設定したり、磁場検知手段に異常が生じている等、適切な較正用の所定値を設定できない状況が生じていることが疑われる。
これに対し、技術的思想4記載の遊技機によれば、較正用の所定値が設定手段によって設定された後に、所定期間、所定の閾値を超える大きさの磁場が生じていることを示す情報又は値が磁場検知手段から出力された場合には、報知手段により、所定の報知が行われるように構成されているので、上記疑いを外部に認識させることができる。よって、外部において何らかの対策を取ることが可能になるので、不適切な較正用の所定値が設定されることを防止できる。これにより、例えば、不正に印加された磁場が磁場検出手段によって検出されなくなることを抑制できるので、磁石などを用いる不正行為を好適に抑制できるとう効果がある。