JP6110901B2 - ウェッジ・ロック要素を含むロック要素を備えるロスト・モーション・バルブ作動システム - Google Patents

ウェッジ・ロック要素を含むロック要素を備えるロスト・モーション・バルブ作動システム Download PDF

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Description

本出願は、2011年7月27日出願の「統合型エンジン・ブレーキ及び正出力エンジン・ロスト・モーション・バルブ作動システム(Combined Engine Braking And Positive Power Engine Lost Motion Valve Actuation System)」と題する同時継続中の米国特許出願第13/192,330号の一部継続出願であり、その先行出願は、2010年7月27日出願の「統合型エンジン・ブレーキ及び正出力エンジン・ロスト・モーション・バルブ作動システム(Combined Engine Braking And Positive Power Engine Lost Motion Valve Actuation System)」と題する米国特許出願第61/368,248号に基づき優先権を主張しており、それら出願の教示は、参照により本明細書に援用される。
本開示は、全体的に内燃機関中で1つ又は複数のエンジン・バルブを作動させるためのシステム及び方法に関する。具体的には、本開示の実施例は、ロスト・モーション・システムを使用してバルブを作動させるためのシステム及び方法に関する。
内燃機関中でのバルブ作動は、エンジンが正出力(positive power)を生じるようにするために求められ、そしてまた、補助のバルブ・イベントを生成するために使用することができる。正出力の間、燃焼させるために、吸気バルブを開いてシリンダ中に燃料及び空気を入れることができる。1つ又は複数の排気バルブを開いて、燃焼ガスがシリンダから逃げることを可能にすることができる。また、排気を向上させるための排気ガス再循環(EGR:exhaust gas recirculation)のために、正出力の間様々な時間において吸気、排気及び/又は補助バルブを開けることができる。
また、エンジンが正出力を生じるために使用されていないとき、エンジン・バルブ作動は、エンジン・ブレーキ及びブレーキ・ガス再循環(BGR:brake gas recirculation)を生成するために、使用することができる。エンジン・ブレーキの間、少なくとも一時的にエンジンをエア・コンプレッサに変換するために、1つ又は複数の排気バルブを選択的に開けることができる。そうすると、エンジンは、車両の減速を助けるために減速馬力を発揮する。これによって、運転者に、車両に対する強められた制御能力を与えることができ、車両の常用ブレーキの摩耗を実質的に減少させることができる。
エンジン・バルブ(複数可)は、圧縮解放ブレーキ及び/又はブリーダー・ブレーキを構成するように作動させることができる。圧縮解放型エンジン・ブレーキ又は減速機の動作は、よく知られている。ピストンがその圧縮ストローク中に上方に進んだとき、シリンダ中に捕捉されているガスが、圧縮される。圧縮ガスは、ピストンの上方運動に対抗する。エンジン・ブレーキ動作の間、ピストンが上死点(TDC:top dead center)に近付いたとき、少なくとも1つの排気バルブが開かれてシリンダ中の圧縮ガスが排気マニホルドに放出され、それによって圧縮ガス中に蓄えられたエネルギーが、その後に続く膨張の下降ストロークのとき、エンジンに戻らないように防止される。そうすると、エンジンは、車両の減速を助ける減速力を発揮する。先行技術による圧縮解放エンジン・ブレーキの実例は、カミンズ社(Cummins, Inc.)の開示に、すなわち米国特許第3,220,392号に提示され、それは、参照によって本明細書に援用される。
また、ブリーダー型エンジン・ブレーキの動作は、長く知られている。エンジン・ブレーキの間、排気バルブ(複数可)は、通常の排気バルブ・リフトに加えて、残されたエンジン・サイクル(フル・サイクル・ブリーダー・ブレーキ)の間ずっと、又はサイクルの一部(部分サイクル・ブリーダー・ブレーキ)の間、連続的にわずかに開いた状態に保持することができる。部分サイクル・ブリーダー・ブレーキとフル・サイクル・ブリーダー・ブレーキの間の主要な差は、前者が吸気ストロークの大部分の間、排気バルブ・リフトを有さないということである。ブリーダー型エンジン・ブレーキを利用するシステム及び方法の実例は、米国特許第6,594,996号の開示によって提示され、それは、参照によって本明細書に援用される。
また、ブレーキ・ガス再循環(BGR)の基本的な原理は、よく知られている。エンジン・ブレーキの間、エンジンは、吸気マニホルドの圧力より高い圧力で、エンジン・シリンダから排気マニホルドへガスを排気する。BGR動作によって、これら排気ガスの一部が、シリンダ・ピストンの吸気ストローク及び/又は膨張ストロークの間、エンジン・シリンダ中に逆流することが可能になる。具体的には、BGRは、エンジン・シリンダ・ピストンが吸気ストローク及び/又は膨張ストロークの終了時に下死点位置の近くにあるとき、排気バルブを開けることによって達成することができる。このエンジン・シリンダ中へのガスの再循環は、エンジン・ブレーキ・サイクルの間使用することができて、大きい恩恵を受けることができる。
多くの内燃機関では、エンジンの吸気バルブ及び排気バルブは、固定プロフィール・カムによって、より具体的には、カムのそれぞれの不可分の部分とすることができる、1つ又は複数の固定ローブ又は固定バンプによって、開閉することができる。高められた性能、向上した燃費、より少ない排気及びより良好な車両の運転のし易さなどの利点は、吸気バルブ及び排気バルブのタイミング及びリフトを変化させることができる場合、得ることができる。しかし、固定プロフィール・カムを使用すると、タイミング及び/又はエンジン・バルブ・リフト量を、様々なエンジン動作条件に対してそれらを最適化するように調節することが困難になる恐れがある。
固定カム・プロフィールを所与として、バルブのタイミング及びリフトを調節する1つの方法は、バルブとカムの間のバルブ・トレイン・リンケージ中に「ロスト・モーション」装置を設けることであった。「ロスト・モーション(lost motion)」は、可変長の機械的、油圧式又は他のリンケージによる組立体を備えるカム・プロフィールによって禁止されるバルブ運動を修正するための技術的解決法の分野に適用される用語である。ロスト・モーション・システムでは、カム・ローブによって、エンジン動作条件の全範囲にわたって必要な「最大」(最長ドウェル及び最大リフト)の運動を与えることができる。ひいては、カムによってバルブに与えられる運動の一部又は全部を減じる、又は失わせるために、バルブ・トレイン・リンケージ中で、開かれることになるバルブと最大運動を与えるカムとの中間に可変長システムを含むことができる。
いくつかのロスト・モーション・システムは、高速で動作することができ、エンジン・サイクル毎にエンジン・バルブの開時間及び/又は閉時間を変化させることが可能であることができる。そのようなシステムは、本明細書では、可変バルブ作動(VVA:variable valve actuation)システムと呼ぶ。VVAシステムは、油圧ロスト・モーション・システム又は電磁気システムとすることができる。知られたVVAシステムの実例は、米国特許第6,510,824号に開示されており、それは、参照によって本明細書に援用される。
また、エンジン・バルブ・タイミングは、カム位相変位を使用して変化させることができる。カム位相シフタは、カム・ローブが、エンジンのクランク角度に相対的にロッカ・アーム(rocker arm)など、バルブ・トレイン要素を作動させる時間を変化させる。知られたカム位相変位システムの実例は、米国特許第5,934,263号に開示されており、それは、参照によって本明細書に援用される。
コスト、パッケージ及びサイズは、エンジン・バルブ作動システムの望ましさをしばしば決定することがある要因である。既存のエンジンに追加することができる追加システムは、しばしば法外な費用が掛かり、そのサイズが大きすぎるために追加の空間要求を伴う恐れがある。前から存在するエンジン・ブレーキ・システムは、高コスト又は追加のパッケージングを避けることができるが、これらのシステムのサイズ及び追加の構成要素の数のために、しばしば信頼性がより低くなり、サイズに関して問題が生じることになる。それ故、コストを低くすることができ、高い性能及び信頼性をもたらすことができ、なお且つ空間又はパッケージングの課題をもたらさないことができる一体エンジン・バルブ作動システムを提供することは、しばしば望まれる。
本開示のシステム及び方法の実施例は、正出力、エンジン・ブレーキ・バルブ・イベント及び/又はBGRバルブ・イベントのためにバルブ作動を必要とするエンジンにおいて、特に役立つことができる。本開示のいくつかの、ただし必ずしもすべてでないが、実施例は、ロスト・モーション・システムだけを利用して、及び/又はカム位相変位システム、二次ロスト・モーション・システム及び可変バルブ作動システムと組み合わせて、エンジン・バルブを選択的に作動させるためのシステム及び方法を提供することができる。本開示のいくつかの、ただし必ずしもすべてでないが、実施例は、エンジン・ブレーキ動作の間に向上したエンジンの性能及び効率をもたらすことができる。本開示の実施例のさらなる利点は、次に続く本明細書で部分的に述べ、本明細書から、及び/又は本明細書に述べる教示の実施から当業者に部分的に明らかになるはずである。
米国特許第3,220,392号 米国特許第6,594,996号 米国特許第6,510,824号 米国特許第5,934,263号 米国特許第3,809,033号 米国特許第6,422,186号
前述の課題に応答して、出願人は、運動が、選択的に1つ又は複数のエンジン・バルブに加えられる、又は加えられないように防止するように、バルブ・トレイン内に配置された装置中のロック機構を同様に選択的にロックし且つアンロックするロック要素を備えるロスト・モーション組立体を含む、1つ又は複数のエンジン・バルブを作動させるためのシステムの様々な実施例を提示する。
実施例では、ロック要素は、円錐台(cone frustum)に従って画定され、ハウジング中に形成された外側陥没部と係合するように構成される、少なくとも1つのウェッジ傾斜面を含むウェッジを備え、外側陥没部は、やはり円錐台に従って画定された外側陥没部傾斜面を含む。実装形態では、ロック機構は、油圧で作動される。
別の実施例では、装置は、ハウジングと、ハウジング中のハウジング穴内に配置されたロック機構と、やはりハウジング穴に配置されたスナッバ(snubber)とを含む。
また別の実施例では、外側陥没部は、ロック要素が外側陥没部と係合されたとき、ハウジング穴の長手方向軸に沿ったロック要素の移動を許すように構成される。この実施例によると、外側陥没部の垂直高さ(すなわち、長手方向軸に沿った寸法)は、ロック要素の垂直高さより高くすることができ、さらにロック要素の垂直高さの2倍よりも狭い範囲内にする、又はロック要素の垂直高さの2倍よりも広い範囲内にさえすることができる。
前述した全体的な記述及び次の詳細な記述の両方は、例示的であり、且つ説明するためだけのものであり、請求する際、本発明を限定しないことを理解すべきである。
本発明の理解を助けるために、ここで添付図面を参照することにし、図面では同様の参照文字は同様の要素を示す。
本開示の第1の実施例によって構成されるバルブ作動システムの透視図である。 本開示の第1の実施例によって構成される主ロッカ・アーム及びロック・バルブ・ブリッジを横断面図で示す概略図である。 本開示の第1の実施例によって構成されるエンジン・ブレーキ・ロッカ・アームを横断面図で示す概略図である。 本開示の代替実施例による代替エンジン・ブレーキ・バルブ作動手段の概略図である。 本開示の実施例によってもたらされる、2サイクル・エンジン・ブレーキ・モードの動作の間における排気バルブ及び吸気バルブの作動を例示するグラフである。 本開示の実施例によってもたらされる、2サイクル・エンジン・ブレーキ・モードの動作の間における排気バルブ作動を例示するグラフである。 本開示の実施例によってもたらされる、故障モードの動作の間における排気バルブ作動を例示するグラフである。 本開示の実施例によってもたらされる、2サイクル・エンジン・ブレーキ・モードの動作の間における排気バルブ及び吸気バルブの作動を例示するグラフである。 本開示の実施例によってもたらされる、2サイクル圧縮解放及び部分的なブリーダー・エンジン・ブレーキのモードの動作の間における排気バルブ及び吸気バルブの作動を例示するグラフである。 本開示の第2の代替実施例によるロック位置でのデカップリング・エンジン・バルブ・ブリッジ又はエンジン・ブレーキ・バルブ作動手段を横断面図で示す概略図である。 本開示の第2の代替実施例によるアンロック位置でのデカップリング・エンジン・バルブ・ブリッジ又はエンジン・ブレーキ・バルブ作動手段を横断面図で示す概略図である。 本開示の第2の代替実施例において使用されるウェッジ・ロック要素の第1の透視図である。 本開示の第2の代替実施例において使用されるウェッジ・ロック要素の第2の透視図である。 本開示によるウェッジ・ロック要素の側面図及び底面図を例示する図である。 本開示による代替ウェッジ・ロック要素を例示する側面図である。 本開示による外側陥没部を有するハウジングを例示する図である。 本開示による外側陥没部を有するハウジングを例示する図である。 本開示の第2の代替実施例において使用されるウェッジ・ロック要素を横断面図で示す拡大概略図である。 本開示の第2の代替実施例の選択される要素の透視図である。 本開示の第3の代替実施例を部分断面図で例示する透視図である。 図20に示すロスト・モーション・システムを横断面図で示す概略図である。 図20に示すロスト・モーション・システムを横断面図で示す概略図である。 ロッカ・アーム中に設けられた際、本開示の第4の代替実施例を横断面図で例示する概略図である。 プッシュ・チューブ上に取り付けられた際、図23に示すロスト・モーション・システムを横断面図で例示する概略図である。 本開示の第5の代替実施例を横断面図で例示する概略図である。 本開示の第6の代替実施例を横断面図で例示する概略図である。 本開示の第7の代替実施例を横断面図で例示する概略図である。 本開示の第8の代替実施例を横断面図で例示する概略図である。
ここで、本開示のシステム及び方法の実施例を詳細に参照することにし、その実例は、添付図面に例示されている。本開示の実施例は、1つ又は複数のエンジン・バルブを作動させるシステム及び方法を含む。
本開示の第1の実施例をバルブ作動システム10として図1に示す。バルブ作動システム10は、主排気ロッカ・アーム200と、エンジン・ブレーキを構成するように排気バルブを作動させるための手段100と、主吸気ロッカ・アーム400と、エンジン・ブレーキを構成するように吸気バルブを作動させるための手段300とを含むことができる。図1に示す好ましい実施例では、エンジン・ブレーキを構成するように排気バルブを作動させるための手段100は、エンジン・ブレーキ排気ロッカ・アームであり、それは同じ参照番号によって参照され、そしてエンジン・ブレーキを構成するように吸気バルブを作動させるための手段300は、エンジン・ブレーキ排気ロッカ・アームであり、それは同じ参照番号によって参照される。ロッカ・アーム100、200、300及び400は、1つ又は複数のロッカ・シャフト500上で枢動することができ、そのシャフトは、1つ又は複数のロッカ・アームに油圧流体を供給するための1つ又は複数の通路510及び520を含む。
主排気ロッカ・アーム200は、排気バルブ・ブリッジ600の中心部分と接する遠位端230を含むことができ、主吸気ロッカ・アーム400は、吸気バルブ・ブリッジ700の中心部分と接する遠位端420を含むことができる。エンジン・ブレーキ排気ロッカ・アーム100は、排気バルブ・ブリッジ600中に設けられたスライド・ピン650と接する遠位端120を含むことができ、エンジン・ブレーキ吸気ロッカ・アーム300は、吸気バルブ・ブリッジ700中に設けられたスライド・ピン750と接する遠位端320を含むことができる。排気バルブ・ブリッジ600は、2つの排気バルブ組立体800を作動させるために使用することができ、吸気バルブ・ブリッジ700は、2つの吸気バルブ組立体900を作動させるために使用することができる。ロッカ・アーム100、200、300及び400のそれぞれは、カム又はプッシュ・チューブと接するための手段を含む、それらそれぞれの遠位端と対向する端部を含むことができる。そのような手段は、たとえば、カム・ローラを含むことができる。
ロッカ・アーム100、200、300及び400を作動させるカム(以下で述べる)は、それぞれベース円部と、ロッカ・アームに枢動運動を与えるための1つ又は複数のバンプ(bump)又はローブ(lobe)とを含むことができる。好ましくは、主排気ロッカ・アーム200が、カムによって駆動されることであり、そのカムは、エンジン・シリンダのために排気ストロークの間排気バルブを選択的に開くことができる主排気バンプを含み、そして主吸気ロッカ・アーム400がカムによって駆動されることであり、そのカムは、エンジン・シリンダのために吸気ストロークの間吸気バルブを選択的に開くことができる主吸気バンプを含む。
図2は、主排気ロッカ・アーム200及び主吸気ロッカ・アーム400、及びまた排気バルブ・ブリッジ600及び吸気バルブ・ブリッジ700の構成要素を横断面図で例示する。主排気ロッカ・アーム200及び排気バルブ・ブリッジ600を参照することにする、というのは、主吸気ロッカ・アーム400及び吸気バルブ・ブリッジ700は、同じ設計をすることができ、したがって別々に述べる必要がないからである。
図2を参照すると、主排気ロッカ・アーム200は、ロッカ・アームがロッカ・シャフト210のまわりで回転するように適合させるように、ロッカ・シャフト210上に枢動可能に取り付けることができる。運動フォロワ220を主排気ロッカ・アーム200の一端に配置することができ、そして、それは、要素の間で摩擦相互作用の低下を促進するために、ロッカ・アームとカム260の間において接点として働くことができる。カム260は、単独の主排気バンプ262、又は吸気側のために、主吸気バンプを含むことができる。本開示の一実施例では、運動フォロワ220は、図2に示すように、ローラ・フォロワ220を含むことができる。カム260と接するように適合させる運動フォロワの他の実施例は、本開示の範囲及び趣旨に十分含まれると考えられる。任意選択のカム位相変位システム265をカム260に動作可能に接続することができる。
油圧流体は、ソレノイド油圧制御バルブ(図示せず)の制御の下で、油圧流体供給源(図示せず)からロッカ・アーム200に供給することができる。油圧流体は、ロッカ・シャフト210中に形成された通路510を通って、ロッカ・アーム200内に形成された油圧通路215に流れることができる。図2に示すロッカ・シャフト210及びロッカ・アーム200中の油圧通路の配列は、例示する目的だけのためである。ロッカ・アーム200を通じて排気バルブ・ブリッジ600に油圧流体を供給するための他の油圧配列は、本開示の範囲及び趣旨に十分含まれると考えられる。
ロッカ・アーム200の第2の端部230に調整ネジ組立体を配置することができる。調整ネジ組立体は、ラッシュ調節のために設けることができる、ロッカ・アーム200を貫通して伸びるネジ232と、ネジ232を所定の位置にロックすることができるネジ切りナット234とを含むことができる。ロッカ通路215と連通する油圧通路235をネジ232中に形成することができる。ネジ232の一方端に旋回脚部240を配置することができる。本開示の一実施例では、旋回脚部240に油を差すために、ロッカ・アーム200に低圧オイルを供給することができる。
旋回脚部240は、排気バルブ・ブリッジ600と接することができる。排気バルブ・ブリッジ600は、バブル・ブリッジを貫通して伸びる中央開口712と、バブル・ブリッジの第1の端部を貫通して伸びる側部開口714とを備えるバルブ・ブリッジ・ボディ710を含むことができる。側部開口714は、第1の排気バルブ810のバルブ・ステムと接するスライド・ピン650を受け入れることができる。第2の排気バルブ820のバルブ・ステムは、排気バルブ・ブリッジの他方端と接することができる。
排気バルブ・ブリッジ600の中央開口712は、外側プランジャ720と、キャップ730と、内側プランジャ760と、内側プランジャ・スプリング744と、外側プランジャ・スプリング746と、1つ又は複数のウェッジ・ローラ又はボール740とを含むロスト・モーション組立体を受け入れることができる。外側プランジャ720は、内部穴722、及びウェッジ・ローラ又はボール740を受け入れるために外側プランジャ壁を貫通して伸びる側部開口を含むことができる。内側プランジャ760は、内側プランジャが下方に押し込まれたとき、1つ又は複数のウェッジ・ローラ又はボール740をしっかりと受け入れるように形作られた1つ又は複数の陥没部762を含むことができる。また、バブル・ブリッジ700の中央開口712は、1つ又は複数のウェッジ・ローラ又はボール740が、示すように、外側プランジャ720と排気バルブ・ブリッジを一緒にロックするのを許すような方法で、ローラ又はボール740を受け入れるために、1つ又は複数の陥没部770を含むことができる。外側プランジャ・スプリング746は、中央開口712中で外側プランジャ720を上方に付勢することができる。内側プランジャ・スプリング744は、外側プランジャ穴722中で内側プランジャ760を上方に付勢することができる。
油圧流体は、ソレノイド制御バルブから通路510、215及び235を通じて外側プランジャ720に選択的に供給することができる。そのような油圧流体の供給によって、内側プランジャ・スプリング744の付勢に逆らって内側プランジャ760を下方に移すことができる。内側プランジャ760が十分下方に移されたとき、内側プランジャ中の1つ又は複数の陥没部762は、1つ又は複数のウェッジ・ローラ又はボール740に正しく合って受け入れ、次いで、それによって排気バルブ・ブリッジ・ボディ710から外側プランジャ720を切り離す、又はアンロックすることができる。その結果として、この「アンロック」状態の間、主排気ロッカ・アーム200がキャップ730に加えるバルブ作動の運動によって、排気バルブ・ブリッジ・ボディ710が下方に移動されず、排気バルブ810及び820を作動させない。むしろ、この下方への運動によって、外側プランジャ720は、外側プランジャ・スプリング746の付勢に逆らって、排気バルブ・ブリッジ・ボディ710の中央開口712内で下方に摺動する。
図1及び3を参照すると、エンジン・ブレーキ排気ロッカ・アーム100及びエンジン・ブレーキ吸気ロッカ・アーム300は、米国特許第3,809,033号及び米国特許第6,422,186号に例示されているロッカ・アーム中に設けられたロスト・モーション要素など、ロスト・モーション要素を含むことができ、それら特許は、参照によって本明細書に援用される。エンジン・ブレーキ排気ロッカ・アーム100及びエンジン・ブレーキ吸気ロッカ・アーム300は、それぞれ選択的に伸縮可能なアクチュエータ・ピストン132を備えることができ、そのピストンは、それぞれ、伸縮可能なアクチュエータ・ピストンと、エンジン・ブレーキ排気ロッカ・アーム及びエンジン・ブレーキ吸気ロッカ・アームの下にあるバブル・ブリッジ600及び700中に設けられたスライド・ピン650及び750との間にラッシュ・スペース104を占めることができる。
図3を参照すると、ロッカ・アーム100及び300は、同じ構成部品を有することができ、したがって記述を容易にするために、排気側のエンジン・ブレーキ・ロッカ・アーム100の要素を参照することにする。
ロッカ・アーム100の第1の端部は、カム140と接するカム・ローブ・フォロワ111を含むことができる。カム140は、圧縮解放、ブレーキ・ガス再循環、排気ガス再循環及び/又は部分的なブリーダー・バルブ作動を排気側のエンジン・ブレーキ・ロッカ・アーム100にもたらすために、1つ又は複数のバンプ142、144、146及び148備えることができる。カム140は、吸気側のエンジン・ブレーキ・ロッカ・アーム300と接したとき、吸気バルブに1つ、2つ、又は複数の吸気イベントを与えるために、1つ、2つ、又は複数のバンプを備えることができる。エンジン・ブレーキ・ロッカ・アーム100及び300は、カム140から引き出された運動を伝えて、少なくとも1つのエンジン・バルブを、それぞれ、それぞれのスライド・ピン650及び750を介して動作させることができる。
排気側のエンジン・ブレーキ・ロッカ・アーム100は、油圧流体通路510、520及び121を含むロッカ・シャフト500上に枢動可能に配置することができる。油圧通路121は、油圧流体通路520と、ロッカ・アーム100内に設けられたポートとを接続することができる。排気側のエンジン・ブレーキ・ロッカ・アーム100(及び吸気側のエンジン・ブレーキ・ロッカ・アーム300)は、ロッカ・シャフト通路520及び121を通じて、ソレノイド油圧制御バルブ(図示せず)の制御の下で油圧流体を受け入れることができる。ソレノイド制御バルブは、ロッカ・シャフト500上に、又は他のどこかに位置決めることができると考えられる。
また、エンジン・ブレーキ・ロッカ・アーム100は、制御バルブ115を含むことができる。制御バルブ115は、ロッカ・シャフト通路121から油圧流体を受け入れることができ、且つロッカ・アーム100を貫通してロスト・モーション・ピストン組立体113に伸びる流体経路114と連通している。制御バルブ115は、制御バルブ穴中に摺動可能に配置することができ、且つ油圧流体が通路121から通路114に流れることだけを許す内部チェック・バルブを含むことができる。制御バルブ115の設計及び位置は、本開示の意図する範囲から逸脱せずに変更することができる。たとえば、代替実施例では、制御バルブ115は、その長手方向軸が実質的にロッカ・シャフト500の長手方向軸と位置合わせされるように、約90度回転させることができることが考えられる。
エンジン・ブレーキ・ロッカ・アーム100の第2の端部は、ラッシュ調節組立体112を含むことができ、それは、ラッシュ・ネジ及びロック・ナットを含む。また、ロッカ・アーム100の第2の端部は、ラッシュ・アジャスタ組立体112の下にロスト・モーション・ピストン組立体113を含むことができる。ロスト・モーション・ピストン組立体113は、ロッカ・アーム100のヘッド中に設けられた穴131中に摺動可能に配置されたアクチュエータ・ピストン132を含むことができる。穴131は、流体通路114と連通する。アクチュエータ・ピストン132は、アクチュエータ・ピストン及びスライド・ピン650の間にラッシュ・スペースを生成するように、スプリング133によって上方に付勢することができる。ロスト・モーション・ピストン組立体113の設計は、本開示の意図する範囲から逸脱せずに、変更することができる。
通路121から制御バルブ115への油圧流体の注油によって、図3に示すように、制御バルブが上方にスプリングの付勢に逆らってその上に割出しすることができ、それによって油圧流体が通路114を通ってロスト・モーション・ピストン組立体113に流れることが許される。制御バルブ115中に組み込まれたチェック・バルブは、通路114から通路121への油圧流体の逆流を防止する。油圧流体の圧力がアクチュエータ・ピストン131に加えられたとき、そのピストンは、スプリング133の付勢に逆らって下方に移動し、そしてアクチュエータ・ピストンとスライド・ピン650の間においていくらでもラッシュ・スペースを占めることができる。次いで、カム・バンプ142、144、146及び/又は148からエンジン・ブレーキ・ロッカ・アーム100に与えられたバルブ作動の運動は、スライド・ピン650及びその下の排気バルブ810に伝えることができる。油圧がソレノイド制御バルブ(図示せず)の制御の下で、通路121中で減圧されたとき、制御バルブ115は、その穴中に、その上のスプリングの影響の下で落ち込むことができる。その結果、通路114及び穴131中の油圧は、制御バルブ115の上部を通り過ぎてロッカ・アーム100の外部に排出することができる。次いで、スプリング133は、ラッシュ・スペース104がアクチュエータ・ピストンとスライド・ピン650の間に再び生成されるように、アクチュエータ・ピストン132を上方に押し上げることができる。このように、排気及び吸気のエンジン・ブレーキ・ロッカ・アーム100及び300は、スライド・ピン650及び750に、したがってこれらスライド・ピンの下に配置されたエンジン・バルブにバルブ作動の運動を選択的に与えることができる。
図4を参照すると、本開示の別の代替実施例では、エンジン・ブレーキを構成するように排気バルブを作動させるための手段100及び/又はエンジン・ブレーキを構成するように吸気バルブを作動させるための手段300は、ただし限定せずに、アクチュエータ・ピストン102を備える非油圧システムを含む、いずれものロスト・モーション・システム又はいずれもの可変バルブ作動システムによって提供することができると考えられる。ラッシュ・スペース104は、上記に述べたように、アクチュエータ・ピストン102及びその下のスライド・ピン650/750の間に設けることができる。ロスト・モーション又は可変バルブ作動システム100/300は、エンジン・バルブを選択的に作動させることが可能であると知られたいずれものタイプのものとすることができる。
ここで、エンジン・ブレーキ・ロッカ・アーム100の動作を述べることにする。正出力の間、油圧流体を通路121に選択的に供給するソレノイド油圧制御バルブが閉じられる。そのように、油圧流体が通路121からロッカ・アーム100に流れず、油圧流体は、ロスト・モーション・ピストン組立体113に供給されない。ロスト・モーション・ピストン組立体113は、図3に例示する落ち込んだ位置にとどまる。この位置では、ラッシュ・スペース104は、ロスト・モーション・ピストン組立体113とスライド・ピン650/750の間に維持することができる。
エンジン・ブレーキの間、ソレノイド油圧制御バルブは、ロッカ・シャフト中の通路121に油圧流体を供給するために始動させることができる。流体通路121内に油圧流体が存在することによって、制御バルブ115は、示すように、油圧流体が通路114を通ってロスト・モーション・ピストン組立体113に流れるように、上方に移動する。これによって、ロスト・モーション・ピストン132が下方に伸びてラッシュ・スペース104を占める位置にロックされ、したがってロッカ・アーム100が1つ又は複数のカム・バンプ142、144、146及び148から引き出すすべての運動がスライド・ピン650/750に、及びその下のエンジン・バルブに伝えられる。
図2、3及び5を参照すると、第1の方法の実施例では、システム10は、正出力及びエンジン・ブレーキの動作をもたらすように、次のように動作させることができる。正出力動作(ブレーキ・オフ)の間、油圧流体の圧力は、燃料がシリンダに供給される前に、まず、主排気ロッカ・アーム200中で低下させ、又はなくされ、次に、主吸気ロッカ・アーム400中で低下させ、又はなくされる。その結果として、内側プランジャ760が、内側プランジャ・スプリング744によって最上の位置に追い立てられ、それによって内側プランジャの下側部分が1つ又は複数のウェッジ・ローラ又はボール740をバブル・ブリッジ・ボディ710の壁中に設けられた陥没部770に押し進める。これによって、外側プランジャ720及びバブル・ブリッジ・ボディ710は、図2に示すように、互いに「ロックされる」。次いで、主排気ロッカ・アーム及び主吸気ロッカ・アーム200及び400を通じて外側プランジャ720に加えられる主排気バルブ及び主吸気バルブの作動は、バブル・ブリッジ・ボディ710に伝えられ、次いで吸気エンジン・バルブ及び排気エンジン・バルブが、主排気バルブ・イベント及び主吸気バルブ・イベントのために作動される。
この時間の間、低下した、又はなくなった油圧流体の圧力がエンジン・ブレーキ排気ロッカ・アーム100及びエンジン・ブレーキ吸気ロッカ・アーム300(又はエンジン・ブレーキを構成するように排気バルブを作動させるための手段100及びエンジン・ブレーキを構成するように吸気バルブを作動させるための手段300)に加えられ、したがってラッシュ・スペース104がそれぞれ前記のロッカ・アーム又は手段と、それらの下に配置されたスライド・ピン650及び750との間に維持される。その結果として、エンジン・ブレーキ排気ロッカ・アーム又は手段100と、エンジン・ブレーキ吸気ロッカ・アーム又は手段300のどちらも、スライド・ピン650及び750又はこれらスライド・ピンの下に配置されたエンジン・バルブ810及び910に何らもバルブ作動の運動を与えない。
エンジン・ブレーキ動作の間、エンジン・シリンダへの燃料の供給を中止し、燃料をシリンダから一掃するために所定の時間を待った後、増加された油圧流体の圧力をロッカ・アーム又は手段100、200、300及び400のそれぞれに加える。油圧流体の圧力は、まず、主吸気ロッカ・アーム400及びエンジン・ブレーキ吸気ロッカ・アーム又は手段300に供給され、次いで、主排気ロッカ・アーム200及びエンジン・ブレーキ排気ロッカ・アーム又は手段100に加えられる。
主吸気ロッカ・アーム400及び主排気ロッカ・アーム200への油圧流体の注油によって、内側プランジャ760が下方に移動して、1つ又は複数のウェッジ・ローラ又はボール740が陥没部762中に変位することができる。これによって、内側プランジャ760をバブル・ブリッジ・ボディ710から「アンロック」することが許される。その結果として、外側プランジャ720に加えられる主排気バルブ及び主吸気バルブの作動は失われる、というのは、外側プランジャが、スプリング746の付勢に逆らって中央開口712中に摺動して入るからである。これによって、主排気バルブ及び主吸気バルブのイベントが「失われる」。
エンジン・ブレーキ排気ロッカ・アーム100(又はエンジン・ブレーキを構成するように排気バルブを作動させるための手段100)及びエンジン・ブレーキ吸気ロッカ・アーム300(エンジン・ブレーキを構成するように吸気バルブを作動させるための手段300)への油圧流体の注油によって、それぞれ中のアクチュエータ・ピストン132が、下方に伸びて、ロッカ・アーム又は手段と、それらの下に配置されたスライド・ピン650及び750との間で何らかのラッシュ・スペース104を占める。その結果として、エンジン・ブレーキ排気ロッカ・アーム又は手段100及びエンジン・ブレーキ吸気ロッカ・アーム又は手段300に加えられるエンジン・ブレーキ・バルブ作動は、スライド・ピン650及び750、そしてそれらの下のエンジン・バルブに伝えられる。
図5は、直前に述べたように動作させる、バルブ作動システム10を使用してもたらすことができる吸気バルブ及び排気バルブの作動を例示し、その作動システムは、主排気ロッカ・アーム200と、エンジン・ブレーキを構成するように排気バルブを作動させるための手段100と、主吸気ロッカ・アーム400と、エンジン・ブレーキを構成するように吸気バルブを作動させるための手段300とを含む。主排気ロッカ・アーム200は、主排気イベント924を設けるために使用することができ、主吸気ロッカ・アーム400は、正出力動作の間、主吸気イベント932を設けるように使用することができる。
エンジン・ブレーキ動作の間、エンジン・ブレーキを構成するように排気バルブを作動させるための手段100は、標準のBGRバルブ・イベント922、増加されたリフトのBGRバルブ・イベント924及び2つの圧縮解放のバルブ・イベント920を設けることができる。エンジン・ブレーキを構成するように吸気バルブを作動させるための手段300は、エンジン・ブレーキのために、追加の空気をシリンダに供給する2つの吸気バルブ・イベント930を設けることができる。その結果として、システム10は、完全な2サイクル圧縮解放エンジン・ブレーキを構成することができる。
図5を継続して参照すると、第1の代替形態では、システム10は、エンジン・ブレーキを構成するように吸気バルブを作動させるための手段300として働く可変バルブ作動システムを用いた結果、2つの吸気バルブ・イベント930の一方又は他方だけを設けることができる。可変バルブ作動システム300は、吸気バルブ・イベント930の一方又は他方だけ、又は両方を選択的に設けるために使用することができる。そのような吸気バルブ・イベントの1つだけが設けられた場合、1.5サイクルの圧縮解放エンジン・ブレーキがもたらされる結果となる。
別の代替形態では、システム10は、エンジン・ブレーキを構成するように排気バルブを作動させるための手段100として働く可変バルブ作動システムを用いた結果、2つの圧縮解放バルブ・イベント920の一方又は他方だけを、及び/又はBGRバルブ・イベント922及び924の1つ又は2つを、又はどちらもなしで、設けることができる。可変バルブ作動システム100は、圧縮解放バルブ・イベント920の一方又は他方だけ、又は両方を、及び/又はBGRバルブ・イベント922及び924の1つ又は2つを、又はどちらもなしで、選択的に設けるための使用することができる。システム10がこのように構成されたとき、そのシステムは、BGRを備え、又は備えずに、4サイクル又は2サイクルの圧縮解放エンジン・ブレーキを選択的に構成することができる。
エンジン・ブレーキを構成するように排気バルブを作動させるための手段100を駆動するカム上に、対応する増加された高さのカムのローブ及びバンプを備えることによってもたらされる増加されたリフトのBGRバルブ・イベント922を含めることの重要性は、図6及び7に例示されている。図3、4及び6を参照すると、増加されたリフトのBGRバルブ・イベント922を生じさせるカム・バンプの高さは、エンジン・ブレーキを構成するように排気バルブを作動させるための手段100とスライド・ピン650との間に設けられたラッシュ・スペースの大きさを超える。この増加された高さ又はリフトは、イベント920及び924と比べたとき、図6のイベント922から明らかである。システム10を使用した正出力動作の再設定の間、排気バルブ・ブリッジ600が外側プランジャ720にロックされ損なうことになる恐れがあり、それは、通常、主排気イベント924の喪失となり得、次いで重大なエンジン損傷を引き起こす恐れがある。図7を参照すると、増加されたリフトのBGRバルブ・イベント922を含めることによって、主排気イベント924が故障のために失われた場合、増加されたリフトのBGRバルブ・イベント922は、通常予想される主排気バルブ・イベント924が起きてもよい時間にほぼ間にあって、排気ガスがシリンダから逃げるのを許すことになり、そうでなければ起きる結果になる恐れがあるエンジン損傷を防止する。
上記に述べたシステム10の1つ又は複数を使用して達成することができるバルブ作動の代替セットが図8によって例示されている。図8を参照すると、排気バルブの作動920、922及び924をもたらすために使用されるシステムは、上記に述べたものと同じであり、そして主排気ロッカ・アーム200及びエンジン・ブレーキ排気ロッカ・アーム100(図3)又はエンジン・ブレーキを構成するように排気バルブを作動させるための手段100(図4)の方法も同じである。主吸気ロッカ・アーム400及びそれを動作させる方法は、同様に、前の実施例で述べたものと同じである。
継続して図8を参照すると、吸気バルブ・イベント934及び/又は936の一方又は他方、又は両方は、3つの代替構成の1つを使用して設けることができる。第1の代替形態では、エンジン・ブレーキを構成するように吸気バルブを作動させるための手段300は、ロッカ・アームとして、又は他の方法で設けられるとしてもいずれにしろ、システム10から削除することができる。図2をさらに参照すると、手段300の代わりに、任意選択のカム位相変位システム265を設けて、主吸気ロッカ・アーム400を駆動するカム260上で動作させることができる。カム位相変位システム265は、エンジンのクランク角度に対してカム260の位相を選択的に修正することができる。その結果として、図2及び8を参照すると、吸気バルブ・イベント934は、主吸気カム・バンプ262から生成することができる。吸気バルブ・イベント934は、それが通常生じるよりも遅く生じるように、「変える」ことができる。具体的には、吸気バルブ・イベント934は、第2の圧縮解放バルブ・イベント920を妨げないように遅らせることができる。吸気バルブ・イベント936は、カム位相変位システム265が利用されたとき、設けることができず、そのために1.5サイクル圧縮解放エンジン・ブレーキをもたらすことになる。
カム位相変位システム265を含むシステム10を使用する圧縮解放エンジン・ブレーキの設定は、次の様に行うことができる。まず、問題のエンジン・シリンダへの燃料をシャットオフし、燃料がシリンダから一掃されるのを許すために、所定の遅延を設ける。次に、カム位相変位システム265を始動させて、主吸気バルブ・イベントのタイミングを遅らせる。最後に、排気側のソレノイド油圧制御バルブ(図示せず)を始動させることができ、主排気ロッカ・アーム200及びエンジン・ブレーキを構成するように排気バルブを作動させるための手段100に油圧流体を供給する。これによって、排気バルブ・ブリッジ・ボディ710が外側プランジャ720からアンロックされ、主排気バルブ・イベントを停止させることができる。エンジン・ブレーキを構成するように排気バルブを作動させるための手段100への油圧流体の供給によって、上記に述べたように、1つ又は複数の圧縮解放イベント及び1つ又は複数のBGRイベントを含む、エンジン・ブレーキ排気バルブ・イベントを生成することができる。このシーケンスは、エンジン・ブレーキ・モードの動作から開始される正出力動作に戻る遷移に逆転させることができる。
図4及び8を参照すると、第2及び第3の代替形態では、吸気バルブ・イベント934及び/又は936の一方又は他方、又は両方は、エンジン・ブレーキを構成するように吸気バルブを作動させるための手段300として働くロスト・モーション・システム又は可変バルブ作動システムを用いることによって設けることができる。ロスト・モーション・システムは、両方の吸気バルブ・イベント934及び936を選択的に設けることができ、一方可変バルブ作動システムは、吸気バルブ・イベント934及び936の一方又は他方、又は両方を選択的に設けることができる。
油圧ロスト・モーション・システム又は油圧可変バルブ作動システムを含むシステム10を使用する圧縮解放エンジン・ブレーキの設定は、次の様に行うことができる。まず、問題のエンジン・シリンダへの燃料をシャットオフして、シリンダから燃料が一掃されるのを許すために、所定の遅延が負わされる。次に、吸気側のソレノイド油圧制御バルブを始動させることができ、主吸気ロッカ・アーム400及び吸気バルブ・ブリッジ700に油圧流体を供給する。これによって、吸気バルブ・ブリッジ・ボディ710が外側プランジャ720からアンロックされ、主吸気バルブ・イベントを停止させることができる。最後に、排気側のソレノイド油圧制御バルブを始動させることができ、主排気ロッカ・アーム200及びエンジン・ブレーキを構成するように排気バルブを作動させるための手段100に油圧流体を供給する。これによって、排気バルブ・ブリッジ・ボディ710が外側プランジャ720からアンロックされ、主排気バルブ・イベントを停止させることができる。エンジン・ブレーキを構成するように排気バルブを作動させるための手段100への油圧流体の供給によって、上記に述べたように、1つ又は複数の圧縮解放バルブ・イベント920及び1つ又は複数のBGRバルブ・イベント922及び924を含む、所望のエンジン・ブレーキ排気バルブ・イベントを生成することができる。このシーケンスは、エンジン・ブレーキ・モードの動作から開始される正出力動作に戻る遷移に逆転させることができる。
上記に述べた方法に対する別の代替形態は、図9によって例示されている。図9では、示すすべてのバルブ作動は、上記に述べたものと同じであり、上記に述べたシステム10のいずれも使用してもたらすことができる、ただし1つの例外を除く。部分的なブリーダー排気バルブ・イベント926(図9)が、BGRバルブ・イベント922及び圧縮解放バルブ・イベント920(図5及び8)に取って代わる。これは、そうでなければBGRバルブ・イベント922及び圧縮解放バルブ・イベント920を生成することになるはずの2つのカム・バンプの代わりに、排気カム上に部分的なブリーダー・カム・バンプを含めることによって達成することができる。
また、前述で議論した実施例のいずれも、システム10を使用して達成されるエンジン・ブレーキ・レベルを修正するために、可変形状のターボチャージャー、可変排気スロットル及び/又は外部排気ガス再循環システムの使用と組み合わせることができることを認識されたい。さらに、エンジン・ブレーキ・レベルは、エンジン中の1つ又は複数のバルブ作動システム10をグループ化して、単独のソレノイド油圧制御バルブの制御の下で油圧流体を一緒に受け入れることによって修正することができる。たとえば、6つのシリンダのエンジンにおいて、2つの吸気及び/又は排気のバルブ作動システム10の3つのセットは、それぞれ、3つの別々のソレノイド油圧制御バルブの制御の下に置くことができる。そのような場合、エンジン・ブレーキの可変レベルは、ソレノイド油圧制御バルブを選択的に始動させて吸気及び/又は排気のバルブ作動システム10に油圧流体を供給し、それによって2つ、4つ、又は6つすべてのエンジンのシリンダ中でエンジン・ブレーキを構成することによって、形成することができる。
上記に述べた実施例、特に図2に例示する実施例は、運動が1つ又は複数のエンジン・バルブに選択的に加えられることができるように、バルブ・トレインの特定の構成要素内に(すなわち、バブル・ブリッジ600/700内に)配置されたロック可能なロスト・モーション組立体の具体的な実施例にかかわる。上記に述べた実施例では、ロック可能なロスト・モーション組立体は、ハウジング穴の特定の形態内に、具体的には中央開口712内に配置されていた。バルブ・トレインの他の構成要素内に配置することができるロック可能なロスト・モーション組立体のさらなる実施例は、以下に述べる。さらに、上記に述べた実施例は、ロック能力が、ボールを含むロック要素によってもたらされるロック可能なロスト・モーション組立体にかかわる。代替ロック要素は、以下に述べる様々な実施例で述べる。
ここで図10〜19を参照すると、バブル・ブリッジ600/700の第2の代替実施例が例示されており、同様の参照文字は、同様の要素を示す。図10〜19に示す実施例は、図1〜9に提示したそれらと同様に動作させることができるが、しかし図10〜19の実施例は、エンジン・ブレーキを構成することに限定されないと考えられることに留意されたい。図10〜19の実施例は、ロスト・モーション・システムを含めることから恩恵を受ける、エンジン・バルブ作動のいずれものタイプを提供することができる。図10〜19の実施例は、以下で詳細に述べるように、1つ又は複数のウェッジ形状に形作られたロック要素を使用した結果として、少なくとも部分的に図1〜9の実施例と異なる。
図10を参照すると、バブル・ブリッジ600/700は、バルブ・ブリッジ・ボディ(又は、より一般的にハウジング)710を含むことができ、バルブ・ブリッジ・ボディは、バブル・ブリッジを貫通して伸びるハウジング穴712と、バブル・ブリッジの第1の端部を貫通して伸びる側部開口714とを備える。全体的に、ハウジング穴712は、ハウジングの長さに沿っていずれかの点でハウジングを貫通して伸びることができる、すなわち、ハウジング穴712が中央に位置付けられた穴として配置される必要はないが、ただし、そのような中央に位置付けられた穴は、多くの状況下で望ましい可能性があるといえる。側部開口714は、第1のエンジン・バルブ(図2に示す)のバルブ・ステムと接するスライド・ピン650/750を受け入れることができる。第2の排気バルブ(図2に示す)のバルブ・ステムは、排気バルブ・ブリッジの他方の端部と接することができる。
ハウジング穴712は、例示する実施例では外側プランジャ720と、キャップ730と、内側プランジャ760と、内側プランジャ・スプリング744と、外側プランジャ・スプリング746と、1つ又は複数のロック要素780とを含むロック可能なロスト・モーション組立体701を受け入れることができる。外側プランジャ・スプリング746は、ハウジング穴712中で外側プランジャ720を上方に付勢することができる。内側プランジャ・スプリング744は、外側プランジャ穴中で内側プランジャ760を上方に付勢することができる。外側プランジャ720は、1つ又は複数のロック要素780がその中に配置される外側プランジャの側壁を貫通して伸びる開口を含むことができる。開口は、ロック要素780がその中で自由に前後に(すなわち、半径方向に)摺動することを許すのに十分なサイズのものである。
実施例では、ロック要素780は、特定の特徴を有するウェッジを含むことができる。ここで図12及び13を参照すると、ウェッジ780は、実質的に平坦な上面781と、平坦な底面782と、ウェッジ傾斜面783と、凸状外側面784と、凹状内側面785と、丸められた側部端786とを備えることができる。好ましくは、平坦な上面781及び平坦な底面782は、互いに対して実質的に平行(すなわち、製造公差内で)であることである。以下でさらに詳細に述べるように、ウェッジ780によって、ロック可能なロスト・モーション組立体701の要素が、互いにロックされることが許され(すなわち、それら要素は、全体的に、必ずしも完全にではないにしても、互いに対して動けないロック状態になる)、それによってロスト・モーション組立体701を通じて1つ又は複数のエンジン・バルブに運動を伝えることができる。そうなので、ウェッジ780は、運動源(たとえば、カム)によって加えられ、バルブ・トレインによって伝えられる実質的な力に耐えるように要求される。各ウェッジ780の平坦な上部781によって、これらの力が、より広い表面積に広がることを許され、それによってウェッジ780上のいずれもの所与の点で被る圧力が低下する。その結果として、ウェッジ780は、磨滅する、又は早期故障を被ることがより少なくなりそうである。
各ウェッジ780の別の特徴は、ウェッジ傾斜面783であり、それは、以下に述べるように、ハウジング穴712を画定する表面中に形成された外側陥没部傾斜面773と協同する。現在好ましい実施例では、ウェッジ傾斜面783は、さらに図14で示すように、円錐(cone)の(又は円錐形(conic)の)断体(frustum)に従って画定される。具体的には、図14は、図12及び13に例示するウェッジ780の側面図及び底面図を例示し、さらに、ウェッジ傾斜面783が、やはり円錐(cone)791に従って画定された円錐台(cone frustum)790に従ってどのように画定されるのかを例示する。当技術で知られているように、円錐台790は、円錐の中心軸に対して垂直な、互いから距離Hで離された平行平面R1、R2が円錐791を横切ることによって画定される体積である。円錐台790を画定する距離Hは、ウェッジ780の全厚さ(又は高さ)まで伸ばすことができ、その場合、凸状外側面784は、平坦な上面781とウェッジ傾斜面783の間の縁部まで減少させることができるはずであることに留意されたい。図14の側面図(上部)に示すように、ウェッジ傾斜面783は、円錐の表面によって画定された円錐の中心軸に対して角度をなす。同様に、図14の底面図(底部)に最善に示すように、ウェッジ傾斜面783は、その全長に沿って湾曲し、そのカーブは、ウェッジ780の幅(すなわち、側部端786の間の距離)によって切り取られる円錐791のその部分の曲率に従う。例示する実施例では、凸状外側面784及び凹状内側面785の両方の表面は、円錐の中心軸に対して実質的に平行である(すなわち、製造公差内で)、ただしこれは要件でない。ウェッジ780の厚さ(又は垂直高さ)、幅、長さ、ウェッジ傾斜面角度など含む、そのウェッジ780の具体的な寸法は、設計の選択事項として選択することができる。
代替実施例では、各ウェッジ780は、図15に示すように、ウェッジ傾斜面783だけでなく、第2のウェッジ傾斜面783’も含むように形成することができる。具体的には、第2のウェッジ傾斜面783’は、第1のウェッジ傾斜面783がその上に配置されたウェッジ780側と反対側のウェッジ側に配置することができる。それ故、例示する実例では、第1のウェッジ傾斜面783は、平坦な底面782上に配置され、第2のウェッジ傾斜面783’は、平坦な上面781上に配置される。さらに示すように、第2のウェッジ傾斜面783は、平坦な上面781及び平坦な底面782に対して実質的に平行な、ウェッジのその間の厚さ(又は高さ)を二等分する平面に関して、第1のウェッジ傾斜面783を正確に映している。図15に例示するウェッジ780の実施例は、製造目的に関して特に有利である。第2のウェッジ傾斜面783’が第1のウェッジ傾斜面783の基本的に同一の正確に映された複製であるので、製造の間におけるウェッジ780(すなわち、上方を向く平坦な上面781又は平坦な底面782)の方向付けへの依存性が減少される。
図10及び11に例示する実施例では、外側陥没部772が、ハウジング穴712を画定する表面779中で画定される。実施例では、外側陥没部772は、ハウジング穴712を画定する表面779の全周のまわりに環状チャネルとして形成される。この外側陥没部772の環状構成によって、外側プランジャ720(及び、その結果ロック要素780)が、ロック機構の動作が失われることなしに、ハウジング穴712内を自由に回転することが許される。また、これによって、ハウジング穴712及び外側陥没部772に沿った均等な摩耗が容易になる。ロック要素(複数可)780が、たとえば図11及び18示すように、外側陥没部772と係合されたとき、外側プランジャ720及びハウジング710は、効果的に互いにロックされる。
ここで図16及び17を参照すると、外側陥没部772は、ウェッジ傾斜面783と同様に、円錐791及び円錐台790に従って画定された外側陥没部傾斜面773をさらに含む。それ故、外側陥没部傾斜面773は、ウェッジ傾斜面783と同様に、円錐791の表面によって画定された円錐791の中心軸に対して実質的に同じ角度(すなわち、製造公差内で)をなす。傾斜面773、783の例示する位置合わせを仮定すると、外側プランジャ720が下方に押し下げられたとき、傾斜面773及び783の相互作用によって、ロック要素780が半径方向で内側に押し進められ、それによって外側プランジャ720をハウジング710からアンロックすることが許される。好ましくは、円錐791の中心軸が、図17に示すように、ハウジング穴712の長手方向軸と実質的に位置合わせされることである(すなわち、製造公差内で)。ウェッジ傾斜面783及び外側陥没部傾斜面773の相補的な構成によって、それらの間で実質的に連続する係合が許され、次いで、それによって、加えられた負荷がより広い領域にわたって広がることが可能になる。
図16〜18にさらに示すように、外側陥没部772は、外側陥没部傾斜面773の終点から、ハウジング穴712の長手方向軸に実質的に平行に延在する後面又は壁774をさらに含む。実施例では、後面774は、ウェッジ傾斜面783のすべてでない場合はその大部分が、外側陥没部傾斜面773と嵌合するのに少なくとも十分な半径方向深さに(ハウジング穴712を画定する表面779に対して)位置決めされる。さらにまた、後面774の垂直高さは、ロック要素780が外側陥没部772と嵌合されたとき(すなわち、ロック状態である)、ハウジング穴712の長手方向軸の方向における、製造公差を超えるロック要素780の移動を許すのに十分な垂直高さに(すなわち、ハウジング穴712の長手方向軸に沿った)すべきである。これは、後面774の垂直高さが、外側陥没部772の上側面とロック要素780の間にギャップ787を形成するように選択された場合について、図18に例示されている。ギャップ787は、バルブ作動のための運動源(たとえば、カム)(図示せず)が、バルブ(たとえば、ベース円上の)に運動を与えていないとき、外側プランジャ720をハウジング710にロックすることを容易にすることができる。バルブに運動が与えられていないとき、ロック要素780が半径方向で外側に進んで外側陥没部772と係合することを防止するために、ロック要素780に対して負荷がほとんどない、又は全くないようにすべきである。ギャップ787は、エンジンに対するワーム・ラッシュ(warm lash)を少なくとも均等にする(又は調整する)大きさにすることが好ましい。さらにまた、ギャップ787は、ハウジング710の移動を補償するのに十分な外側プランジャ720の長手方向の運動を可能にするような大きさにすることができる。たとえば、ハウジング710がバブル・ブリッジによって実現される場合、バブル・ブリッジは、ブレーキ・リフトの間傾斜していることができ、それによって、ハウジング710とロッカ・アームのe脚部(e-foot)によって設けられたオイル供給部との接続を断つことができるはずである。この場合、そのような切断を防止するために、ロック部材780の長手方向運動が望ましく、その切断は、そうでなければ、オイル損失と内側プランジャ760の潜在的な再ロックを引き起こす恐れがあるはずである。
図10、11及び18に例示するように、内側プランジャ760は、内側プランジャ760が下方に押し下げられたとき、ロック要素(複数可)780をしっかりと受け入れるように形作られた内側陥没部763を含むことができる。実施例では、内側陥没部763は、内側プランジャ760の全周のまわりに環状チャネルとして形成される。さらにまた、内側陥没部763は、ロック部材(複数可)780が外側陥没部772から完全に後退することが許されるように十分深く構成される。示すように、内側陥没部763は、内側プランジャ760が下方に移されたとき(たとえば、油圧によって)、ロック要素780が漸進的に内側陥没部763中に摺動して入るのを許す傾斜面を備えることができる。ロック要素780が図12〜15に例示するウェッジの形態である、そのような実施例では、ウェッジの凹状内側面785の半径は、内側陥没部763によって画定された内側プランジャ760の外側面と実質的に一致するように(すなわち、製造公差内で)選択される。
図10を再び参照すると、油圧流体は、ソレノイド制御バルブから通路510、215及び235(図2を参照)を通じて外側プランジャ720中のアンロック開口に、アンロック入力として選択的に供給することができる。例示する実施例では、アンロック開口は、ハウジング710から伸びる外側プランジャ720の開端部731である。油圧流体の供給は、内側プランジャ・スプリング744の付勢に逆らって、内側プランジャ760を下方に移すことができる。内側プランジャ760が十分に下方に移されたとき、内側プランジャ中の1つ又は複数の陥没部763は、1つ又は複数のロック要素780に正しく合って受け入れることができ、次いで、それによって、図10に示すように、ハウジング710から外側プランジャ720を切り離す、又はアンロックすることができる。その結果として、このアンロック状態の間、主ロッカ・アーム200(図2参照)によって加えられるキャップ730へのバルブ作動の運動では、バルブ・ブリッジ・ボディ710が下方に移動されず、したがってエンジン・バルブを作動させない。その代り、この下方運動によって、外側プランジャ720が、外側プランジャ・スプリング746の付勢に逆らって、バルブ・ブリッジ・ボディ710のハウジング穴712内で下方に摺動する。例示する実例のアンロック入力がアンロック開口を通じて供給される油圧流体であるが、アンロック入力は、機械的入力(たとえば、ロッド、ピストンなど)、空気圧入力又はそのいずれもの組み合わせの形態で設けることができることを認識されたい。
外側プランジャ720をハウジング710に再ロックすることが望まれるとき、アンロック入力は除去することができる、又は別のロック入力を設けることができる。例示する実例では、これは、通路510、215及び235(図2参照)中の油圧流体の圧力を低下させる、又はなくすことによって達成される。その結果として、内側プランジャ760が、内側プランジャ・スプリング744によってその最上の位置に押し進められ、それによって、ロック要素780が外側陥没部772と位置合わせされたとき、内側プランジャの下側部分が1つ又は複数のロック要素780を外側プランジャの側壁中の側部開口(図19参照)を通じて外側陥没部772中に押し込む。これによって、図11に示すように、外側プランジャ720及びハウジング710が互いとロックされる。次いで、ロッカ・アームを通じて外側プランジャ720に加えられるバルブ作動は、ハウジング710に伝えられ、次いで、エンジン・バルブが、バルブ・イベントのために作動される。
この時間の間(すなわち、ロック機構がロック状態にあるとき)、低下させた、又はなくさせた油圧流体の圧力が、スライド・ピン650/750の上に存在するロッカ・アーム(又はエンジン・バルブを作動させるための手段)100/300に加えられ、したがってラッシュ・スペース104(図4参照)がこのロッカ・アーム又は手段と、その下に配置されたスライド・ピン650/750との間に維持される。その結果として、ロッカ・アーム100/300は、バルブ作動の運動の何もスライド・ピン650/750又はこれらスライド・ピンの下に配置されたエンジン・バルブに与えない。
ロック要素を組み込んだロスト・モーション組立体701の第3の代替実施例は、図20〜22に例示されており、同様の参照文字は、他の実施例の同様の要素を示す。図20〜22に示す実施例は、図1〜19に例示するそれらと同様な方法で動作させることができ、それらの実施例の何も、エンジン・ブレーキを構成することに限定されないと考えられることに留意されたい。図20〜22の実施例は、ロスト・モーション・システムを含めることから恩恵を受ける、いずれかのタイプのエンジン・バルブ作動をもたらすことができる。
図20〜22を参照すると、ロスト・モーション組立体701は、ロッカ・ペデスタルによって支持されたロッカ・シャフト500上に設けられたロッカ・アーム200/400中に設けることができる。ロッカ・アーム200/400は、1つ又は複数のエンジン・バルブ(図示せず)を作動させるために、第1の端部に配置された旋回脚部240を備えることができる。ロッカ・アーム200/400は、油圧流体供給部213から油圧流体を受け入れるために、内部通路215を含むことができる。内部通路215は、ハウジング216中に設けられたサイド又は側部開口218を通じて(以下に述べるように、アンロック入力を受け入れるためのアンロック開口として働く)、ロスト・モーション組立体701と連通することができる。
この実施例では、ハウジング216は、プッシュ・チューブ262(又はカムなど、他のバルブ・トレイン要素)の上でロッカ・アーム200/400中に設けられた開口中に取り付けることができる。ハウジング216をロッカ・アームに固定するために、ロック・ナット219を使用することができる。ハウジング216は、ハウジングを貫通して垂直に伸びるハウジング穴712と、ハウジング穴と連通する側部開口218とを備えることができる。この実施例では、油圧流体は、アンロック入力として使用され、そして側部開口218を通じてハウジング216に選択的に供給することができる。
ハウジング216のハウジング穴712は、外側プランジャ720と、内側プランジャ760と、内側プランジャ・スプリング744と、外側プランジャ・スプリング746と、以前にやはりウェッジとして実現された、1つ又は複数のロック要素780とを含むロスト・モーション組立体701を受け入れることができる。外側プランジャ・スプリング746は、ハウジング穴712中で外側プランジャ720を下方に付勢することができる。内側プランジャ・スプリング744は、外側プランジャ穴中で内側プランジャ760を上方に付勢することができる。外側プランジャ720は、ウェッジ780がその中に配置された外側プランジャの側壁を貫通して伸びる開口を含むことができる。開口は、ウェッジ780がそれら中で自由に前後に摺動することを許すのに十分なサイズのものである。例示する実施例では、ウェッジ780は、図15に例示するような2つの互いに反対側に配置されたウェッジ傾斜面を備えたタイプのものである。
図10及び11の実施例と図20〜22の実施例を比較すると容易に明らかになるように、重要な差異は、内側及び外側のプランジャ760、720及びそれらの対応するスプリング744、746の相対的な構成である。全体的に、本明細書で述べるすべての実施例では、外側プランジャ・スプリング746は、バルブ運動源(たとえば、カム、ロッカ・アーム、プッシュ・チューブなど)に逆らう方向で付勢力を外側プランジャ720に加えるように展開され、一方内側プランジャ・スプリング744は、アンロック入力(たとえば、油圧流体)に逆らう方向で付勢力を内側プランジャ760に加えるように展開される。その結果、図20〜22に例示する実施例では、外側プランジャ・スプリング746は、この実施例のバルブ運動源(すなわち、プッシュ・チューブ262)が外側プランジャ720の下に配列される限り、外側プランジャ720の上に配列される。
図10及び11の実施例でのように、ハウジング216は、上記に述べたように、ウェッジ780を受け入れるために、外側陥没部772を含むことができる。この実施例では、外側陥没部772は、上記に述べたような外側陥没部傾斜面773を含むだけでなく、外側陥没部の上側傾斜面775を含むこともでき、それらの表面によって、外側プランジャ720がそれら表面上で下方に、又は上方に、それぞれ押されたとき、ウェッジ780が内側に押し進められる。前述同様に、外側陥没部傾斜面773は、ロッカ・アーム200/400が支援するエンジン・バルブを開くために必要な高負荷を支持するのに十分に広い。図20〜22に示すように、また、外側プランジャ陥没部772の垂直寸法は、任意選択で、ウェッジ780の垂直寸法より大きくできる。
上記に述べたように、内側プランジャ760は、図22に示すように、内側プランジャが下方に押し下げられたとき、ウェッジ780をしっかりと受け入れるように形作られた内側陥没部763を含むことができる。陥没部763は、内側プランジャ760が通路215を通じて加えられた油圧によって下方に移されたとき、ウェッジ780が漸進的に陥没部中に摺動することを許すように設計された傾斜面を備えることができる。
動作において、油圧流体は、ロッカ・アーム200/400中の通路215通じて、ハウジング216を受け入れるロッカ・アーム中の穴中に形成された環状領域に、アンロック入力として供給することができ、その環状領域は、側部開口218と位置合わせされるように配列される。それ故、油圧流体が通路215に供給されたとき、油圧流体は、側部開口218を通じてハウジング216の内部領域中に流入することが許され、それは、その上側端部が閉じられる。その結果、油圧流体は、外側プランジャ720の上側開口を通って、外側プランジャ穴中に流入し、それによって内側プランジャ760が、内側プランジャ・スプリング744の付勢に逆らって下方に移動する。上記に述べたように、この内側プランジャ760の下方移動によって、ウェッジ780が内側プランジャ760の内側陥没部763中に受け入れられることが許され、それによって、外側プランジャ760がハウジング216からアンロックされる(図22参照)。
図20〜22に示すハウジング216及びロスト・モーション組立体701の利点は、ロッカ・アーム(示すように)及びプッシュ・チューブなど、多くのバルブ・トレイン要素のいずれかの中に挿入するためのカートリッジ挿入部として、それらを製造することができることである、ただし、そのようなバルブ・トレイン要素が、上記に述べたように、カートリッジ挿入部を受け入れ、油圧流体を供給するのに適切に寸法に形作られた開口を備えるように構成されるという条件である。
ウェッジを組み込んだロスト・モーション組立体701の第4の代替実施例は、図23及び24に例示されており、同様の参照文字は、他の実施例の同様の要素を示す。図23及び24は、ロスト・モーション組立体701の方向付けとバルブ・トレイン中にそれを取り付ける方法だけが異なる。図23及び24に示すように、図23のロスト・モーション組立体701は、図24のロスト・モーション・システムに対して反転されている。さらに、図23のロスト・モーション組立体701は、ロッカ・アーム200/400内に取り付けられ、一方図24のロスト・モーション・システムは、プッシュ・チューブ262の端部に設けられる。図23及び24の実施例の動作及び組立体は、十分に似ており、1つの説明だけが両方に関して提示される。また、図23及び24に示す実施例は、図1〜22に例示したそれらと同様の方法で動作させることができ、その実施例の何も、エンジン・ブレーキを構成することに限定されないと考えられることに留意されたい。図23及び24の実施例は、ロスト・モーション・システムを含めることから恩恵を受ける、いずれかのタイプのエンジン・バルブ作動をもたらすことができる。
図23及び24を参照すると、ロスト・モーション組立体701は、ロッカ・アーム200/400又はプッシュ・チューブ262中に取り付けられた(カートリッジ挿入部の場合でのように)ハウジング216中に設けることができる。或は、ハウジング216は、ロッカ・アーム200/400又はプッシュ・チューブ262のボディ中に一体で形成することができる。油圧流体は、キャップ730中に設けられた開口を通じてロスト・モーション組立体701に選択的に供給することができる。図23及び24に示す実施例は、図20〜22に示すそれらと、アンロック入力(たとえば、油圧流体)がシステムに与えられる方法の点で主に異なる。図23及び24では、油圧流体は、キャップ730を通じて供給され、一方図20〜22では、油圧流体は、側部通路218を通じて供給される。
続いて図23及び24を参照すると、ハウジング216のハウジング穴712は、外側プランジャ720と、内側プランジャ760と、内側プランジャ・スプリング744と、外側プランジャ・スプリング746と、図15に例示したウェッジと同様のウェッジとしてこれらの実施例中に例示した1つ又は複数のロック要素780とを含むロスト・モーション組立体701を受け入れることができる。外側プランジャ・スプリング746は、図23に示すように(又は図24に示すような反対方向で)、ハウジング穴712中で外側プランジャ720を下方に付勢することができる。内側プランジャ・スプリング744は、図23に示すように(又は図24に示すような反対方向で)、外側プランジャ穴中で内側プランジャ760を下方に付勢することができる。外側プランジャ720は、ウェッジ780がその中に配置された外側プランジャの側壁を貫通して伸びる開口を含むことができる。図23及び24に示す実施例の動作は、図20〜22に示すそれら実施例と基本的に同じである。
ロスト・モーション・システムを組み込んだバルブ・トレイン構成要素600/700の第5の代替実施例は、図25に例示されており、同様の参照文字は、他の実施例の同様の要素を示す。図25に示す実施例は、図1〜24に例示する実施例と同様の方法で動作させることができ、その実施例の何も、エンジン・ブレーキを構成することに限定されないと考えられることに留意されたい。図25の実施例は、ロスト・モーション・システムを含めることから恩恵を受ける、いずれかのタイプのエンジン・バルブ作動をもたらすことができる。
第5の代替実施例は、図10〜11に示す実施例と基本的に同じである、ただし外側陥没部772のサイズ及び形状、及びスナッバ・ピストン830を含むスナッバの追加を除く。外側陥没部772は、その垂直寸法を、外側陥没部が受け入れるロック要素780(たとえば、ウェッジ)の垂直寸法より大きくして設けることができる。外側陥没部772の図10〜11に例示する垂直寸法と比べて外側陥没部772の増加された垂直寸法によって、ウェッジ780が外側陥没部772に正しく合うように、ハウジング穴の長手方向軸に沿った行程距離をより長く設けることができる。外側陥没部772の増加された垂直寸法は、ハウジング穴の長手方向に沿って測定されたとき、ウェッジ780の厚さ(又は垂直高さ)の2倍に、又は2倍よりも大きいことにさえできることを認識されたい。上記に注記したように、外側陥没部772の境界とウェッジ780の間のこの追加の空間又はギャップによって、ハウジングがロック機構のロック状態の間に移動しているときでさえ、ロスト・モーション組立体がアンロック入力と接した状態を保持することが許される。上記に述べた実施例でのように、外側陥没部772は、エンジン・サイクル毎の2つのバルブ開口イベント(2サイクル・エンジン・ブレーキ)のために、ハウジング710の負荷を支持するのに十分なウェッジ780と係合する表面積を有する。雌型円錐陥没部772のサイズ及び形状のこの変更は、本明細書に述べる他の実施例において使用することができることに留意されたい。
図25に示す実施例では、スナッバ・ピストン830は、コップ形状に形作ることができ、外側プランジャ720の下でハウジング穴712の底部中に摺動可能に配置することができる。スナッバ・ピストン830は、その外径が、ハウジング穴712の底部の直径と密に合うようにすることでき、それによって油圧シールをその2つの間に形成することが許される。スプリング834は、外側プランジャ720に向けてスナッバ・ピストン830を付勢することができる。
スナッバ・ピストン830は、油圧流体がスナッバ・ピストン830の内部とハウジング穴712の間で流れることを選択的に許す、1つ又は複数の側部通路832を備えることができる。図25に示す実施例では、2つの側部通路832が、垂直方向に分離されて示されている。スプリング834は、スナッバ・ピストン830がその最上位の位置にあるとき(示すように)、最下位の側部通路がハウジング穴712中に形成された肩部748の上にあり、ハウジング穴712と油圧的に連通しているのに十分に、スナッバ・ピストン830を外側プランジャ720に向けて上方に付勢することができる。
図25に例示するシステムの動作の間、油圧流体は、上記に述べたように、内側プランジャ760を下方に移動させて、ハウジング710から外側プランジャ720がアンロックされるように供給することができる。その結果として、外側プランジャ720は、スナッバ・ピストン830と出会うまで、ハウジング穴712中に急速に降下することができる。外側プランジャ720が降下するので、外側プランジャ720とハウジング710の間の隙間、すなわち漏れ通路によって、ハウジング穴712内のいくらかの油圧流体が逃げることが許される。さらに、スナッバ・ピストン830に出会う前に、外側プランジャ720の下方移動によって移される油圧流体が、1つ又は複数の側部開口832を通ってスナッバ・ピストン830の内部に進む。一度外側プランジャ720がスナッバ・ピストン830と接すると、外側プランジャ720の継続している下方運動は、外側プランジャによって下方に移される結果として、スナッバ・ピストン830によって漸進的に引き止めることができる。より具体的には、スナッバ・ピストン830中の1つ又は複数の側部通路832の位置及び/又はサイズは、スナッバ・ピストン830の内部のハウジング穴712と、バルブ・ブリッジ・ボディ710の内部のハウジング穴712との間における油圧の連通が、バルブ・ブリッジ・ボディ710の内壁上に設けられた肩部748によって選択的に、及びいくつかの実例では漸進的に、カットオフされるように設定することができる。スナッバ・ピストン830とハウジング710の間に捕捉された油圧流体の相対的な非圧縮性の結果として、スナッバ・ピストン830は、図1〜24によって例示された実施例に関して述べたように、外側プランジャ720及びハウジング710が互いからアンロックされたとき、ハウジング710に相対的な外側プランジャ720の下方移動を和らげることができる。外側プランジャ720が、スナッバ・ピストン830から移動して離れたとき(すなわち、運動がロスト・モーション組立体に加えられていないとき、外側プランジャ・スプリング746によって加えられる付勢によって)、外側プランジャ720とスナッバ・ピストン830の間の体積の膨張は、スナッバ・ピストン830とハウジング710の間のキャビティから油圧流体を引き出すことに役立つことができ、次いで、その油圧流体は、その後に続くイベントのために、さらにスナッバ・ピストン830中に戻る、又はそれから出る移動に使用可能である。
ロスト・モーション・システムを組み込んだバルブ・トレイン構成要素600/700の第6の代替実施例は、図26に例示されており、同様の参照文字は、他の実施例の同様の要素を示す。図26に示す実施例は、スナッバの設計に関して主に図21に示す実施例と異なる。図26では、外側プランジャ720は、油圧流体が外側プランジャ720の内部とハウジング穴712の間で流れることを許す、1つ又は複数の側部通路721を含むことができる。前述したように、内側プランジャ・スプリング744は、図26に示すように、ロック要素780が外側陥没部772とそこで係合することになる位置に上方に、内側プランジャ760を付勢するために、外側プランジャ720の内部に設けることができる。
外側プランジャ720は、スナッバ・ピストン840を外側プランジャ720の底に接続するために使用されるロック・リング724を受け入れる下側環状部(annulus)723をさらに含むことができる。下側環状部723は、外側プランジャ720に相対的なスナッバ・ピストン840のいくらかの垂直移動を許し、さらに同時に、そのような移動の範囲を限定するような大きさにすることができる。
スナッバ・ピストン840は、スプリング844及び848によって外側プランジャ720から離れるように付勢することができる。スプリング848は、外側プランジャ720の中間部に形成された肩部からスナッバ・ピストン840の上側縁部に伸びることができる。スナッバ・ピストン840の上側縁部は、陥没部、肩部、又はスプリング848を受け入れて、スナッバ・ピストン上側縁部に接触してそれを係合した状態に保つ、他の構造を含むことができることを認識されたい。また、スプリング844は、スナッバ・ピストン840の底中に設けられた開口842によって形成された座部にぶつかる閉位置中にチェック・バルブ846を付勢することができる。
図26に例示したシステムの動作の間、アンロック入力(たとえば、油圧流体)は、外側プランジャ720をハウジング710からアンロックするために、上記に述べたように、内側プランジャ760を下方に移動させるように供給することができる。外側プランジャ720の内部中への内側プランジャ760の降下によって、いくらかの油圧流体を外側プランジャの内部から側部開口721を通ってハウジング穴712中に移すことができる。同時に、外側プランジャ720は、ハウジング710の底端部の壁に向けてハウジング穴712中に急速に降下することができる。外側プランジャ720及び内側プランジャ760の移動の結果として、油圧流体は、開口842を通ってスナッバ・ピストン840中に入るように、及びまた漏れ通路を通ってハウジング710から出るように押し進めることができる。チェック・バルブ846の存在のために、スナッバ・ピストン840の内部には油圧流体を充満させすることができる。スナッバ・ピストン840の内部の加圧によって、スナッバ・ピストン840が、図26に示すように、外側プランジャ720に対するその最大の下方移動を取ることができる。
次いで、外側プランジャ720は、スナッバ・ピストンがハウジング710の底端部の壁と接するまで、スナッバ・ピストン840を下方に運ぶことができる。外側プランジャ720の下方運動は、スナッバ・ピストン840がハウジング710の端部壁によって上方に押し上げられた結果として、スナッバ・ピストンによって漸進的に引き止めることができる。より具体的には、スナッバ・ピストンの上方移動によって、そのピストン内の油圧流体が、スナッバ・ピストン840と外側プランジャ720の間の直径の小さいギャップを通って移される。スナッバ・ピストン840と外側プランジャ720の間のギャップのサイズは、流体流れを調整し、外側プランジャの下方移動を漸進的に引き止めるようなものである。その結果として、スナッバ・ピストン840は、図1〜24によって例示された実施例に関して述べたように、外側プランジャ720とハウジング710の2つが互いからアンロックされているとき、ハウジング710に相対的な外側プランジャ720の下方移動を和らげることができる。
ロスト・モーション・システムを組み込んだバルブ・トレイン構成要素600/700の第7の代替実施例は、図27に例示されており、同様の参照文字は、他の実施例の同様の要素を示す。図27に示す実施例は、次の方法の点で図25に示す実施例と異なる。図27では、外側プランジャ720は、油圧流体が外側プランジャ720の内部とハウジング710のハウジング穴712の間で流れることを許す1つ又は複数の側部通路721を含むことができる。内側プランジャ・スプリング744は、図27に示すように、ロック要素780が外側陥没部772とそこで係合することになる位置中に内側プランジャ760を上方に付勢するために、外側プランジャ720の内部に設けることができる。
継続して図27を参照すると、キャップ730は、外側プランジャ720の上側端部に接続することができる。1つ又は複数の強いスプリング850は、外側プランジャ720に相対的にハウジング710を下方に付勢するように、キャップ730に対して働くことができる。1つ又は複数の強いスプリング850は、以下で詳細に述べるように、外側プランジャ720及びバルブ・ボディ710の2つが互いからアンロックされたとき、バルブ・ボディ710に相対的な外側プランジャ720の下方運動を引き止める点で支援することができる。
図27に示すスナッバは、コップ形状に形作ることができ、且つ油圧流体がスナッバ・ピストン852の内部とハウジング穴712の間で流れることを許す上側開口858を備えるスナッバ・ピストン852を含む。スプリング854は、外側プランジャ720に向けてスナッバ・ピストン852を付勢することができる。スプリング854は、ロック・リング856によってスナッバ・ピストン852に接続することができる。また、図27に示す実施例は、2つのバルブ・ステムのそれぞれ毎にスライド・ピン650/750を含むことができる。
図27に例示するシステムの動作の間、アンロック入力(たとえば、油圧流体)は、外側プランジャ720をハウジング710からアンロックするために、上記に述べたように、内側プランジャ760を下方に移すために設けることができる。外側プランジャ720の内部中への内側プランジャ760の降下によって、いくらかの油圧流体を、外側プランジャの内部から側部開口721を通ってハウジング穴712中に流入させることができる。同時に、外側プランジャ720は、スナッバ・ピストン852に向けてハウジング穴712中に急速に降下することができる。外側プランジャ720及び内側プランジャ760の移動の結果として、油圧流体は、開口858を通ってスナッバ・ピストン852中に入るように、及びまた漏れ通路を通ってバルブ・ボディ710から出るように押し進めることができる。
一度外側プランジャ720がスナッバ・ピストン852と接すると、外側プランジャ720の継続している下方運動は、スナッバ・ピストンが外側プランジャによって下方に移された結果として、スナッバ・ピストンによって漸進的に引き止めることができる。より具体的には、スナッバ・ピストン852中の開口858の位置及び/又はサイズは、スナッバ・ピストン852の内部とバルブ・ブリッジ・ボディ710のハウジング穴712の間の油圧の連通が、選択的に、及びいくつかの実例では漸進的に、カットオフされるように設定することができる。その結果として、図1〜24によって例示した実施例に関して述べたように、外側プランジャ720及びバルブ・ブリッジ・ボディ710の2つが互いからアンロックされたとき、スナッバ・ピストン852は、1つ又は複数の強いスプリング850と協力して、バルブ・ブリッジ・ボディ710に相対的な外側プランジャ720の下方移動を和らげることができる。
ロスト・モーション・システムを組み込んだバルブ・トレイン構成要素600/700の第8の代替実施例は、図28に例示されており、同様の参照文字は、他の実施例の同様の要素を示す。図28に示す実施例は、ハウジング710に対して外側プランジャ720を付勢するために使用されるスプリング(複数可)の位置の点で主に図27に示す実施例と異なる。図28では、スプリング860は、ハウジング710内にその上に対して対向するように設けられる。スプリング860は、ハウジング710及びスナッバ・ピストン852に対して上方に外側プランジャ720を付勢する。
図28に例示するシステムの動作の間、油圧流体は、内側プランジャ760を移して、外側プランジャ720をハウジング710からアンロックするために供給することができる。外側プランジャ720の内部中への内側プランジャ760の降下によって、いくらかの油圧流体を、外側プランジャの内部から側部開口721を通ってハウジング穴712中に移すことができる。同時に、外側プランジャ720は、スナッバ・ピストン852に向けてハウジング穴712中で急速に降下することができる。外側プランジャ720及び内側プランジャ760の移動の結果として、油圧流体は、開口858を通ってスナッバ・ピストン852中に入るように、及びまた漏れ通路を通ってハウジング710から出るように押し進めることができる。
図28の実施例では、スナッバ・ピストン852の移動は、スプリング860、854によって加えられる相対力によって部分的に制御される。具体的には、スナッバ・ピストン852と係合するスプリング860、854は、ハウジング710に対して外側プランジャ720のほぼ中間ストロークにおいて同じ力を持つように構成される。外側プランジャ720がハウジング710内で継続して降下するのにつれて、第1のスプリング860からの力は、その力が第2のスプリング854によって加えられる対抗力よりも大きくなる点まで増加し、それによってスナッバ・ピストン852が下方に押し下げられる。スナッバ・ピストン852の下方速度は、スプリング860、854と、開口858を通って流れるオイルによって生じる圧力差に起因する油圧力との間の力の差によって制御される。その結果、通常のバルブ・イベントに関し、及びロック機構が既にアンロック状態にある場合、外側プランジャ720の下方移動によって、外側プランジャ720がその底に最も近い位置に到達するのに先立ち、スナッバ・ピストン852がそのストロークの底に到達することになる(すなわち、ハウジング710の底壁に当接する)。
しかし、ロック機構が、比較的高リフトのバルブ・イベントの間、ロック状態からアンロック状態に切り替えられることになる実例が存在するはずであることを予測することができる。この場合、外側プランジャ720は、急激に解放されることになり、それによって第1のスプリング860が同様に急激に圧縮される。その結果として、スナッバ・ピストン852が下方に進んで外側プランジャ720との衝突を回避するのに十分な時間がないことになるはずである。しかし、外側プランジャ720がスナッバ・ピストン852と接するので、外側プランジャ720が開口858をふさぐことになり、それによってスナッバ・ピストン852によって捕捉された油圧流体がさらに加圧される。本明細書に述べた他の実施例に関して上記に述べたように、これは、かなりの減速力が外側プランジャ720に加えられることになり、次いで、それによって、スナッバ・ピストン852の存在がなければ起きることになったはずの外側プランジャ720のさらなる急激な落ち込みと、結果として生じるノイズが防止される。
本発明の範囲又は趣旨から逸脱せずに、本開示の変更及び修正を行うことができることは、当業者に明らかであるはずである。たとえば、エンジン・ブレーキを構成するように排気バルブを作動させるための手段100及びエンジン・ブレーキを構成するように吸気バルブを作動させるための手段300は、他の用途においてエンジン・ブレーキでないバルブ作動を実現することができる。
別の実例では、ロック要素及び対応する外側陥没部に対する様々な修正を使用することができる。たとえば、ウェッジ・タイプの実施の場合、ウェッジ及び/又は外側陥没部の傾斜面は、非円錐形表面に従って画定することができる。さらにまた、ハウジング穴を画定する表面の全周のまわりに環状チャネルを含ませるよりむしろ、外側陥没部は、1つ又は複数のウェッジのそれぞれ1つと位置合わせされ、それを受け入れるように構成される1つ又は複数のスロットを含むことができるはずである(そうでなければ互いに接続されない)。或は、これと同じ趣旨で、ロック要素は、それと位置合わせされ、ハウジング穴を画定する表面中に形成された対応する穴中に受け入れられる、1つ又は複数のピンを含むことができるはずである。
また別の実例では、上記に述べた様々なスナッバは、スナッバ・ピストン及び関連する構成要素を含むが、ロック機構の構成要素の様々な要素の間に、たとえば、外側プランジャとハウジングの間に設計された漏れ通路を設置することだけに基づき、スナッバを実現することが可能であるはずである。このように、スナッバの機能は、ハウジングとロック機構の間に設けられた隙間を通る油圧流体の流れだけによって実現される。さらにまた、ロック機構がスナッバと組み合わされる、本明細書に述べた様々な実施例は、特定のタイプのバルブ・トレイン構成要素(すなわち、バブル・ブリッジ)の文脈で述べてきたが、そのようなロック機構/スナッバの組み合わせは、本明細書に述べた様々な他の実施例を含む、いずれものバルブ・トレイン構成要素中に組み込むことができることを認識されたい。
具体的な好ましい実施例を示し述べてきたが、当業者は、本教示から逸脱せずに、変更及び修正を行うことができることを認識されるはずである。したがって、上記に述べた教示のいずれか及びすべての修正、変更又は均等物は、上記で開示し、ここで請求する基本的な根底にある原理の範囲内に含まれることが予期される。
200、400 ロッカ・アーム
216、710 ハウジング
218 側部開口
262 プッシュ・チューブ
700 バルブ・ブリッジ
712 ハウジング穴
720 外側プランジャ
722 内部穴
731 外側プランジャの端部
760 内側プランジャ
763 内側陥没部
772 外側陥没部
773 第1の傾斜面
780 ロック要素
783 第2の傾斜面
783’ 第3の傾斜面
787 ギャップ
790 円錐台
810、820、910、920 1つ又は複数のエンジン・バルブ
830、840、852 スナッバ・ピストン

Claims (14)

  1. 1つ又は複数のエンジン・バルブ(810、820、910、920)を作動させるためのバルブ・トレインを含む内燃機関において、前記1つ又は複数のエンジン・バルブに加えられる運動を制御するための装置であって、
    前記バルブ・トレイン内に配置されたハウジング(710、216)であって、前記ハウジングは、前記ハウジング中に伸びるハウジング穴(712)及び前記ハウジングを画定する表面中に形成された外側陥没部(772)を備え、前記外側陥没部は、第1の傾斜面(773)を含む、ハウジング(710、216)と、
    前記ハウジング穴中に配置され、ロック要素(780)を含むロック機構であって、前記ロック要素は、前記第1の傾斜面を補完する第2の傾斜面(783)を含み、そして前記ロック機構のロック状態において前記外側陥没部と係合し、それによって前記装置を介して1つ又は複数のエンジン・バルブに対して運動を加えることが許され、前記第1の傾斜面は、円錐台(790)に従って画定され、
    前記ロック機構は、ウェッジを含み、前記ウェッジは、前記円錐台に従って画定された前記第2の傾斜面を含み、前記第1の傾斜面と嵌合するように構成され、
    前記第2の傾斜面と前記第1の傾斜面の相互作用によって、前記外側陥没部から前記ウェッジが引き出されて前記ロック機構がアンロックされるように強制され、それによって、前記装置を介して前記1つ又は複数のエンジン・バルブに運動が加えられないように防止する、装置。
  2. 前記外側陥没部は、前記ハウジングの移動を補償するために、前記ハウジング穴の長手方向軸に沿った前記ロック要素の移動を許すように構成される、ロック機構を含む、
    請求項1に記載の装置。
  3. 前記ロック機構は、
    前記ハウジング穴中に摺動可能に配置された外側プランジャ(720)であって、前記外側プランジャは、外側プランジャ側壁を画定する内部穴(722)及び前記外側プランジャ側壁を貫通して伸びる側部開口を備え、前記ウェッジは、前記外側プランジャの前記側部開口中に配置される、外側プランジャ(720)と、
    前記外側プランジャの前記内部穴中に摺動可能に配置された内側プランジャ(760)であって、前記内側プランジャは、その中に形成されて、前記ウェッジを受け入れるように構成される内側陥没部(763)を備える、内側プランジャ(760)とをさらに含む、請求項に記載の装置。
  4. 前記外側プランジャは、アンロック入力を受け入れるように構成されるアンロック開口を含み、
    前記アンロック入力によって、前記内側プランジャが、前記外側プランジャ内で摺動し、それによって前記ウェッジを前記内側陥没部中に受け入れることが許される、請求項3に記載の装置。
  5. 前記アンロック開口は、前記外側プランジャの端部に配置され、前記アンロック入力として油圧流体を受け入れるように構成される、請求項4に記載の装置。
  6. 前記外側プランジャは、前記ハウジング穴の開端部中に受け入れられ、
    前記アンロック開口は、前記ハウジング穴の前記開端部に接近した前記外側プランジャの端部(731)に存在する、請求項5に記載の装置。
  7. 前記ハウジングは、前記ハウジング穴と前記アンロック開口との流体的な連通のために構成され、さらに、前記アンロック入力として油圧流体を受け入れるように構成される側部開口(218)を含む、請求項4に記載の装置。
  8. 前記ハウジングは、バルブ・ブリッジ(700)、ロッカ・アーム(200、400)、プッシュ・チューブ(262)又はカム・フォロワによって設けられる、請求項1に記載の装置。
  9. 前記ハウジングは、プッシュ・チューブとロッカ・アームの間に、又は前記ロッカ・アームとエンジン・バルブの間に設けられる、請求項1に記載の装置。
  10. 前記ハウジングは、前記プッシュ・チューブか、又は前記ロッカ・アーム上に取り付けられるように構成されるカートリッジ挿入部である、請求項9に記載の装置。
  11. 前記外側陥没部は、その垂直高さが前記ウェッジの垂直高さより高い、請求項2に記載の装置。
  12. 前記外側陥没部の垂直高さは、前記ウェッジが前記外側陥没部と係合したとき、前記外側陥没部と前記ウェッジの間にギャップ(787)を設けるのに十分な高さであり、
    前記ギャップによって、前記ロック機構が前記アンロック入力の源と接した状態を維持することが許される、請求項4に記載の装置。
  13. 前記ウェッジは、前記円錐台に従って画定された第3の傾斜面(783’)を含み、
    前記第3の傾斜面は、前記第2の傾斜面に反対側の前記ウェッジ側に配置される、請求項に記載の装置。
  14. 前記ロック機構と前記ハウジングの間で前記ハウジング穴中に配置され、前記ロック機構と連通しており、前記ロック機構の少なくとも一部分の移動を漸進的に引き止めるように構成されるスナッバをさらに含む、請求項1に記載の装置。
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