はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明を、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
なお、下記の手段群に記載された発明は、「遊技機の一種であるパチンコ機は、外枠に対して開閉可能に取り付けられた本体枠と、本体枠に対して開閉可能に取り付けられた前面扉とを備えている。また、パチンコ機には、制御装置が設けられているとともに、外枠に対する本体枠の開放や本体枠に対する前面扉の開放を検知する開放スイッチが設けられている。そして、前面扉や本体枠が開放された場合には、それらの開放が開放スイッチにより検知され、その検知結果が制御装置に入力される。制御装置では、開放スイッチからの検知結果に基づいて前面扉や本体枠が開放されたと判断した場合、スピーカ部やランプ部を用いてその旨の報知などを実行する(例えば、特許文献1参照)。ここで、パチンコ機においては、前面扉を開放し、本体枠の前面側に設けられた遊技領域に対して不正を行う行為が想定される。また、本体枠を開放し、本体枠の背面側に搭載された制御装置に対して不正を行う行為が想定される。これに対して、パチンコ機の電源が投入されている状況では、上記のとおり、前面扉や本体枠の開放が制御装置において把握され、それに対して報知処理などが実行されるため、遊技ホールの管理者等は上記不正行為に対処することができる。」という背景技術について、「しかしながら、遊技ホールでは通常、パチンコ機の継続的な通電に起因した遊技部品等の劣化を抑制したり省エネルギ化を実現したりするために、閉店後にはパチンコ機の電源を遮断している。パチンコ機の電源遮断後には、制御装置への電力の供給が停止され、前面扉や本体枠が開放されたことを制御装置にて把握することができず、それに伴って上記のような報知処理などは実行されない。したがって、従来のパチンコ機では、電源遮断中における上記不正行為に対処することができなかった。なお、上記問題は、パチンコ機に限って発生するものではなく、前面扉や本体枠などの開閉体を有する他の遊技機にも同様に発生するものである。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
手段1.支持対象に対して開閉可能に支持された開閉体(遊技機主部12、前扉枠14等)と、当該開閉体の背面側又は後方に設けられ外部電源から供給される電力に基づいて動作する電気機器(可変入賞装置83、主制御装置162、払出装置224、払出制御装置242等)と、を備えている遊技機において、
複数段階の待機状態が予め設定されているとともに、前記外部電源からの電力供給が行われている状況及び電力供給が遮断されている状況のいずれにおいても前記開閉体の開閉操作に応じて動作し、前記開閉体が開閉操作された場合には前記待機状態が当該開閉操作前の状態から変更される監視手段(監視装置250,420等)と、
前記外部電源からの電力供給が遮断された場合における前記監視手段の待機状態とその後に前記外部電源からの電力供給が開始された場合における前記監視手段の待機状態とを比較することにより、前記外部電源からの電力供給が遮断されている状況で前記開閉体が開放操作されたか否かを特定する第1特定手段(CPU311におけるステップS315及びステップS316の処理を実行する機能等、CPU431におけるステップS1115及びステップS1116の処理を実行する機能等)と、
前記外部電源からの電力供給が行われている状況において、前記開閉体が開放操作されたか否かを前記監視手段の前記動作に基づいて特定する第2特定手段(CPU311におけるステップS501及びステップS502の処理を実行する機能等、CPU431におけるステップS1001,ステップS1002,ステップS1004の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
手段1の遊技機では、外部電源から供給された電力に基づいて電気機器が動作することで、遊技が進行することとなる。
当該構成において、複数段階の待機状態を有する監視手段が設けられており、外部電源からの電力供給の遮断中であっても開閉体が開閉操作された場合には、待機状態が当該操作前の状態から変更される。この場合に、外部電源からの電力供給が遮断された場合における監視手段の待機状態とその後に外部電源からの電力供給が開始された場合における監視手段の待機状態とが比較され、外部電源からの電力供給が遮断されている状況で開閉体が開放操作されたか否かが特定される。これにより、電力供給が遮断されている状況において開閉体が不正に開閉操作されていた場合にはその事実を把握することが可能となり、それに対して対処することが可能となる。
また、外部電源からの電力供給が行われている状況において開閉体が開放された場合には、それが監視手段を介して特定される。つまり、監視手段は、外部電源からの電力供給が遮断されている状況及び電力供給が行われている状況のいずれにおいても、開閉体の開放を監視する機能を有することとなり、それぞれの機能を別で設ける構成に比して、遊技機の部品点数の削減が図られる。
なお、「前記開閉体が開閉操作された場合には前記待機状態が当該開閉操作前の状態から変更される」には、「閉鎖状態にある前記開閉体が開放操作されたこと又は開放状態にある前記開閉体が閉鎖操作されたことの少なくとも一方に基づいて前記待機状態が変更されるとともに、閉鎖操作後には前記待機状態が開閉操作前の状態から変更される」構成も含まれる。
手段2.手段1において、前記外部電源からの電力供給が遮断された場合における前記監視手段の待機状態を記憶するとともに、自身に電力が供給されている間は記憶した情報の保持を可能とする記憶手段(RAM313の前扉枠用格納エリア313a,本体枠用格納エリア313b、RAM433の前扉枠用格納エリア441,本体枠用格納エリア442)と、
前記外部電源からの電力供給が遮断されている状況において前記記憶手段に電力を供給する電断時用電源手段(データ記憶保持用コンデンサ321c)と、
前記外部電源からの電力供給が行われている状況において前記監視手段の待機状態を把握する把握手段(CPU311におけるステップS201の処理を実行する機能又はステップS314の処理を実行する機能、CPU431におけるステップS901の処理を実行する機能又はステップS1114の処理を実行する機能等)と、
をさらに備えており、
前記第1特定手段は、前記外部電源からの電力供給が開始された場合に、前記記憶手段に記憶されている待機状態と前記把握手段により把握された待機状態とを比較することにより、前記外部電源からの電力供給が遮断されている状況で前記開閉体が開放操作されたか否かを特定することを特徴とする遊技機。
手段2によれば、外部電源からの電力供給が遮断された場合における待機状態を記憶する記憶手段が設けられているとともに、外部電源からの電力供給が遮断された状況において記憶手段に電力を供給する電断時用電源手段が設けられている。そして、電力供給が遮断された状態から電力供給が開始された場合には、電力供給が遮断された場合における待機状態と、電力供給が開始された後に把握された待機状態とが比較され、外部電源からの電力供給が遮断されている状況で開閉体が開放操作されたか否かが特定される。これにより、電力供給が遮断されている状況において開閉体が不正に開放操作されていた場合にはその事実を把握することが可能となり、それに対して対処することが可能となる。
また、本構成においては、記憶手段では外部電源からの電力供給が遮断された場合における待機状態が記憶されるとともに、電力供給が遮断された状況においては電断時用電源手段から供給される電力により記憶手段にて待機状態が記憶保持される。遊技機において外部電源からの電力供給が遮断されるタイミングは不規則であり、監視手段がいずれの待機状態の場合に電力供給が遮断されるかは予め特定することはできない。この場合に、外部電源からの電力供給が遮断された場合における待機状態の一定化を図ろうとすると、例えば、監視手段の待機状態に初期待機状態を設定しておくとともに、外部電源からの電力供給が遮断された場合に監視手段の待機状態を初期待機状態に変更させる必要が生じる。そうすると、監視手段の構成が複雑化してしまう。これに対して、本手段における構成によれば、上記のような監視手段の構成の複雑化を招くことなく、上記優れた効果を得ることができる。
手段3.手段1又は2において、前記監視手段は、前記支持対象に対して前記開閉体が閉鎖されている場合に第1位置に待機し、前記支持対象に対して前記開閉体が開放された場合に前記第1位置から第2位置に移動する移動体(プッシャ266等)を備えており、当該移動体の移動に基づいて前記待機状態が変更されるものであり、
前記第2特定手段は、前記移動体が前記第1位置から前記第2位置に移動したことに基づいて前記開閉体が開放操作されたことを特定することを特徴とする遊技機。
手段3によれば、外部電源からの電力供給が行われている状況において開閉体が開放操作されたか否かの特定を、監視手段の構成を利用して行うことが可能となる。
手段4.支持対象に対して開閉可能に支持された開閉体(遊技機主部12、前扉枠14等)と、当該開閉体の背面側又は後方に設けられ外部電源から供給される電力に基づいて動作する電気機器(可変入賞装置83、主制御装置162、払出装置224、払出制御装置242等)と、を備えている遊技機において、
複数段階の待機状態が予め設定されているとともに、前記外部電源からの電力供給が行われている状況及び電力供給が遮断されている状況のいずれにおいても前記開閉体の開閉操作に応じて動作し、前記開閉体が開閉操作された場合には前記待機状態が当該開閉操作前の状態から変更される監視手段(監視装置250,420等)と、
前記外部電源からの電力供給が遮断された場合における前記監視手段の待機状態とその後に前記外部電源からの電力供給が開始された場合における前記監視手段の待機状態とを比較することにより、前記外部電源からの電力供給が遮断されている状況で前記開閉体が開放操作されたか否かを特定する第1特定手段(CPU311におけるステップS315及びステップS316の処理を実行する機能等、CPU431におけるステップS1115及びステップS1116の処理を実行する機能等)と、
前記外部電源からの電力供給が行われている状況において前記開閉体が開放操作されたか否かを前記監視手段の待機状態に基づいて特定する第2特定手段(CPU311におけるステップS501及びステップS502の処理を実行する機能等、CPU431におけるステップS1001,ステップS1002,ステップS1004の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
手段4の遊技機では、外部電源から供給された電力に基づいて電気機器が動作することで、遊技が進行することとなる。
当該構成において、複数段階の待機状態を有する監視手段が設けられており、外部電源からの電力供給の遮断中であっても開閉体が開閉操作された場合には、待機状態が当該操作前の状態から変更される。この場合に、外部電源からの電力供給が遮断された場合における監視手段の待機状態とその後に外部電源からの電力供給が開始された場合における監視手段の待機状態とが比較され、外部電源からの電力供給が遮断されている状況で開閉体が開放操作されたか否かが特定される。これにより、電力供給が遮断されている状況において開閉体が不正に開放操作されていた場合にはその事実を把握することが可能となり、それに対して対処することが可能となる。
また、外部電源からの電力供給が行われている状況において開閉体が開放操作された場合には、それが監視手段の待機状態に基づいて特定される。つまり、監視手段は、外部電源からの電力供給が遮断されている状況及び電力供給が行われている状況のいずれにおいても、開閉体の開放操作を監視する機能を有することとなり、それぞれの機能を別で設ける構成に比して、遊技機の部品点数の削減が図られる。
また、外部電源からの電力供給が行われている状況における開閉体の開放操作の監視を、外部電源からの電力供給が遮断されている状況における開閉体の開放操作を監視するための監視手段の構成を利用して行うことが可能となる。よって、外部電源からの電力供給が行われている状況における監視専用の構成を監視手段に付与する場合に比べ、監視手段の構成の簡素化を図りつつ上記優れた効果を得ることができる。
なお、「前記開閉体が開閉操作された場合には前記待機状態が当該開閉操作前の状態から変更される」には、「閉鎖状態にある前記開閉体が開放操作されたこと又は開放状態にある前記開閉体が閉鎖操作されたことの少なくとも一方に基づいて前記待機状態が変更されるとともに、閉鎖操作後には前記待機状態が開閉操作前の状態から変更される」構成も含まれる。
手段5.手段4において、前記外部電源からの電力供給が遮断された場合における前記監視手段の待機状態を記憶するとともに、自身に電力が供給されている間は記憶した情報の保持を可能とする記憶手段(RAM313の前扉枠用格納エリア313a,本体枠用格納エリア313b、RAM433の前扉枠用格納エリア441,本体枠用格納エリア442)と、
前記外部電源からの電力供給が遮断されている状況において前記記憶手段に電力を供給する電断時用電源手段(データ記憶保持用コンデンサ321c)と、
前記外部電源からの電力供給が行われている状況において前記監視手段の待機状態を把握する把握手段(CPU311におけるステップS201の処理を実行する機能又はステップS314の処理を実行する機能、CPU431におけるステップS901の処理を実行する機能又はステップS1114の処理を実行する機能等)と、
をさらに備えており、
前記第1特定手段は、前記外部電源からの電力供給が開始された場合に、前記記憶手段に記憶されている待機状態と前記把握手段により把握された待機状態とを比較することにより、前記外部電源からの電力供給が遮断されている状況で前記開閉体が開放操作されたか否かを特定することを特徴とする遊技機。
手段5によれば、外部電源からの電力供給が遮断された場合における待機状態を記憶する記憶手段が設けられているとともに、外部電源からの電力供給が遮断された状況において記憶手段に電力を供給する電断時用電源手段が設けられている。そして、電力供給が遮断された状態から電力供給が開始された場合には、電力供給が遮断された場合における待機状態と、電力供給が開始された後に把握された待機状態とが比較され、外部電源からの電力供給が遮断されている状況で開閉体が開放操作されたか否かが特定される。これにより、電力供給が遮断されている状況において開閉体が不正に開放操作されていた場合にはその事実を把握することが可能となり、それに対して対処することが可能となる。
また、本構成においては、記憶手段では外部電源からの電力供給が遮断された場合における待機状態が記憶されるとともに、電力供給が遮断された状況においては電断時用電源手段から供給される電力により記憶手段にて待機状態が記憶保持される。遊技機において外部電源からの電力供給が遮断されるタイミングは不規則であり、監視手段がいずれの待機状態の場合に電力供給が遮断されるかは予め特定することはできない。この場合に、外部電源からの電力供給が遮断された場合における待機状態の一定化を図ろうとすると、例えば、監視手段の待機状態に初期待機状態を設定しておくとともに、外部電源からの電力供給が遮断された場合に監視手段の待機状態を初期待機状態に変更させる必要が生じる。そうすると、監視手段の構成が複雑化してしまう。これに対して、本手段における構成によれば、上記のような監視手段の構成の複雑化を招くことなく、上記優れた効果を得ることができる。
手段6.手段5において、前記記憶手段は、前記外部電源からの電力供給が行われている状況においてはその供給されている電力に基づいて記憶した情報の保持を可能とするものであり、
前記外部電源からの電力供給が行われている状況で、少なくとも前記監視手段の待機状態が変更された場合に、その変更された待機状態に前記記憶手段の記憶内容を更新する更新手段(CPU311におけるステップS504の処理を実行する機能、CPU431におけるステップS1210の処理を実行する機能等)をさらに備えていることを特徴とする遊技機。
手段6によれば、外部電源からの電力供給が行われている状況において監視手段の待機状態が変更されると、記憶手段の記憶内容がその変更された待機状態に更新される。遊技機において外部電源からの電力供給が遮断されるタイミングは不規則であり、監視手段がいずれの待機状態の場合に電力供給が遮断されるかは予め特定することはできない。この場合に、上記のように待機状態が変更された場合には記憶手段の記憶内容をその変更された待機状態に更新することで、外部電源からの電力供給がいずれのタイミングで遮断されたとしても、その遮断された場合における待機状態を記憶手段に記憶させておくことができる。
手段7.手段6において、前記監視手段から前記待機状態の情報を入力する入力手段(CPU311の入力ポート等)をさらに備えており、
前記把握手段は前記入力手段にて入力した待機状態の情報を繰り返し確認することで前記待機状態を把握するものであり、
前記更新手段は、少なくとも前記把握手段により把握された待機状態が前記記憶手段に記憶されている待機状態と異なっている場合に、当該記憶手段の記憶内容を前記把握手段により把握された待機状態の情報に更新することを特徴とする遊技機。
手段7によれば、監視手段の待機状態が繰り返し確認され、少なくとも確認された待機状態が記憶手段に記憶されている待機状態と異なっている場合には、記憶手段の記憶内容がその確認された待機状態に更新される。これにより、上記手段6の作用効果を得ることができる。
手段8.手段6又は7において、前記第2特定手段は、前記外部電源からの電力供給が行われている状況において、前記把握手段により把握された待機状態と前記記憶手段にそれまで記憶されていた待機状態とを比較することにより、前記開閉体が開放操作されたか否かを特定することを特徴とする遊技機。
手段8によれば、外部電源からの電力供給が行われている状況では、監視手段の待機状態が把握され、その把握された待機状態とそれまで記憶手段に記憶されていた待機状態とが比較され、開閉体が開放操作されたか否かが特定される。これにより、電力供給が行われている状況において開閉体が不正に開放操作された場合にはその事実を把握することが可能となり、それに対して対処することが可能となる。
また、本構成においては、外部電源からの電力供給が行われている状況における開閉体の開放の監視を、外部電源からの電力供給が遮断されている状況における開閉体の開放を監視するための記憶手段等の構成を利用して行うことが可能となる。
手段9.手段4乃至8のいずれか1において、前記監視手段は、閉鎖状態にある前記開閉体が開放操作された場合に前記待機状態が当該操作前の状態から変更され、開放状態にある前記開閉体が閉鎖操作されたとしても前記待機状態が変更されないものであることを特徴とする遊技機。
手段9によれば、開放状態にある開閉体が閉鎖操作されたとしても待機状態が変更されないため、遊技機のメンテナンス時などといった開閉体が開放状態である状況で外部電源からの電力供給が遮断されたとしても、その後の閉鎖操作により監視手段の待機状態が異なるものとなってしまうことはない。これにより、上記のように電力供給の遮断中における開閉体の不正な開放操作を監視手段により監視するようにした構成において、遊技機のメンテナンス性の低下を極力抑制することが可能となる。一方、閉鎖状態にある開閉体が開放操作されたことに基づいて待機状態が操作前の状態から変更されるため、外部電源からの電力供給が遮断された状況において、開閉体の不正な開閉操作を監視することは可能である。
手段10.手段4乃至8のいずれか1において、前記監視手段は、閉鎖状態にある前記開閉体が開放操作された場合に前記待機状態が当該操作前の状態から変更され、開放状態にある前記開閉体が閉鎖操作されたとしても前記待機状態が変更されないものであり、
前記第2特定手段は、前記外部電源からの電力供給が行われている状況において、前記監視手段の待機状態が変更された場合に前記開閉体が開放されたことを特定することを特徴とする遊技機。
手段10によれば、開放状態にある開閉体が閉鎖操作されたとしても待機状態が変更されないため、遊技機のメンテナンス時などといった開閉体が開放状態である状況で外部電源からの電力供給が遮断されたとしても、その後の閉鎖操作により監視手段の待機状態が異なるものとなってしまうことはない。これにより、上記のように電力供給の遮断中における開閉体の不正な開放操作を監視手段により監視するようにした構成において、遊技機のメンテナンス性の低下を極力抑制することが可能となる。一方、閉鎖状態にある開閉体が開放操作されたことに基づいて待機状態が操作前の状態から変更されるため、外部電源からの電力供給が遮断された状況において、開閉体の不正な開閉操作を監視することは可能である。
また、外部電源からの電力供給が行われている状況においては、監視手段の待機状態が変更された場合に開閉体が開放されたことが特定される。これにより、電力供給が行われている状況において開閉体が不正に開放操作された場合にはその事実を把握することが可能となり、それに対して対処することが可能となる。
特に、上記のように閉鎖状態にある開閉体が開放操作されたことに基づいて待機状態が当該操作前の状態から変更され、開放状態にある開閉体が閉鎖操作されたとしても待機状態が変更されない構成であるため、外部電源からの電力供給が行われている状況において開閉体が開放操作された場合にはその事実を開放操作されたタイミング又はその直後において特定することが可能となる。よって、開閉体が不正に開放操作された場合には、その事実を開放操作後の初期段階で把握することが可能となり、当該不正行為に対して適切に対処することが可能となる。
手段11.手段4乃至7のいずれか1において、前記監視手段は、閉鎖状態にある前記開閉体が開放操作された場合に前記待機状態が当該操作前の状態から変更されるとともに、開放状態にある前記開閉体が閉鎖操作された場合にも前記待機状態が当該操作前の状態から変更されるものであり、さらに前記開閉体が開閉操作された場合には前記待機状態が当該開閉操作前の状態から変更されるものであり、
前記第2特定手段は、前記外部電源からの電力供給が行われている状況において、前記開閉体が開放されているか否かを前記監視手段の待機状態に基づいて特定することを特徴とする遊技機。
手段11によれば、外部電源からの電力供給が行われている状況において開閉体が開放操作された場合には、開閉体が開放状態であることを当該開閉体が閉鎖状態となるまで正確に特定することができる。例えば、外部電源からの電力供給が行われている状況において開閉体が開放操作された場合に報知を行う遊技機においては、当該報知を開閉体が開放状態となってから当該開閉体が閉鎖状態となるまでの間、正確に行うことが可能となる。
手段12.手段11において、前記監視手段は、前記開閉体が閉鎖状態にある場合の閉鎖待機状態と前記開閉体が開放状態にある場合の開放待機状態とがそれぞれ複数設定されており、
前記各閉鎖待機状態の情報又は前記各開放待機状態の情報の少なくとも一方を予め記憶した待機状態記憶手段(ROM432の前扉枠用記憶エリア443、本体枠用記憶エリア444)をさらに備えており、
前記第2特定手段は、前記外部電源からの電力供給が行われている状況において、前記監視手段の待機状態と前記待機状態記憶手段に記憶されている待機状態の情報とを比較することにより前記開閉体が開放されているか否かを特定することを特徴とする遊技機。
手段12によれば、監視手段は閉鎖待機状態と開放待機状態とがそれぞれ複数設定されているため、閉鎖状態にある開閉体が開放操作された場合に待機状態が当該操作前の状態から変更されるとともに、開放状態にある開閉体が閉鎖操作された場合にも待機状態が当該操作前の状態から変更され、さらには開閉体が開閉操作された場合には待機状態が当該開閉操作前の状態から変更される。また、待機状態記憶手段が設けられており、外部電源からの電力供給が行われている状況においては、監視手段の待機状態と待機状態記憶手段に記憶されている待機状態の情報とが比較される構成であるため、外部電源からの電力供給が行われている状況において開閉体が開放操作された場合には、開閉体が開放状態であることを当該開閉体が閉鎖状態となるまで正確に特定することができる。これにより、上記手段11の作用効果を得ることができる。
手段13.手段1乃至12のいずれか1において、前記第1特定手段により前記外部電源からの電力供給が遮断されている状況で前記開閉体が開放操作されたことが特定された場合に第1特定出力処理を実行する第1特定出力処理手段(CPU311における復電時用報知処理を実行する機能、CPU431における復電時用報知処理を実行する機能等)と、
前記第2特定手段により前記外部電源からの電力供給が行われている状況において前記開閉体が開放操作されたことが特定された場合に第2特定出力処理(CPU311における通常時用報知処理を実行する機能、CPU431における通常時用報知処理を実行する機能等)を実行する第2特定出力処理手段と、
をさらに備えていることを特徴とする遊技機。
手段13によれば、電力供給が遮断されている状況において開閉体が開放操作されたことが特定された場合には第1特定出力処理が実行される。また、電力供給が行われている状況において開閉体が開放操作されたことが特定された場合には第2特定出力処理が実行される。例えば、これら第1特定出力処理及び第2特定出力処理として、遊技機に設置されたランプ、スピーカ又は表示画面を有する表示装置の少なくとも1つを駆動制御して報知を行わせるようにすることで、電力供給が遮断されている状況で開閉体が開放操作されていたこと及び電力供給が行われている状況で開閉体が開放操作されたことを遊技機自身において報知することが可能となる。また、第1特定出力処理及び第2特定出力処理として、例えば、遊技ホールの管理装置(例えば、ホールコンピュータ)に報知信号を出力することで、電力供給が遮断されている状況で開閉体が開放操作されていたこと及び電力供給が行われている状況で開閉体が開放操作されたことを、管理装置を通じて遊技ホールの管理者等に報知することが可能となる。
なお、第1特定出力処理及び第2特定出力処理の態様を同一のものとしてもよく、また異なるものとしてもよい。第1特定出力処理及び第2特定出力処理の態様を異なるものとした場合には、例えば上記報知が行われる場合、電力供給が遮断されている状況で開閉体が開放操作された場合における報知の態様と、電力供給が行われている状況で開閉体が開放操作された場合における報知の態様とを異ならせることが可能となる。よって、遊技ホールの管理者等にとってはいずれのことを報知しているのかを識別することが可能となる。
手段14.手段1乃至13のいずれか1において、前記外部電源からの電力供給が開始された場合に予め定められた開始時用処理を実行する開始時用処理手段(CPU311,431におけるメイン処理を実行する機能等)をさらに備えており、
前記開始時用処理において、前記第1特定手段による前記特定が行われることを特徴とする遊技機。
手段14によれば、外部電源からの電力供給が開始される場合には、外部電源からの電力供給が遮断されている状況において開閉体の開放操作が行われていたか否かが特定される。これにより、電力供給が遮断されている状況において開閉体が不正に開放操作されていた場合には、電力供給の開始後に迅速に対処することが可能となる。
手段15.手段1乃至13のいずれか1において、前記外部電源からの電力供給が開始された場合に予め定められた開始時用処理を実行する開始時用処理手段(CPU311,431におけるメイン処理を実行する機能等)と、
当該開始時用処理の終了後に行われ、予め定められた複数の処理を繰り返し実行することで遊技を進行させる繰り返し処理手段(CPU311,431における通常処理を実行する機能等又はタイマ割込み処理を実行する機能等)と、
をさらに備えており、
前記第1特定手段は、前記繰り返し処理手段により実行される前記予め定められた複数の処理における一部の処理として前記特定を行うことを特徴とする遊技機。
外部電源からの電力供給が開始された場合には、短時間で遊技の進行が可能となる状態となることが好ましい。この場合に、手段15によれば、外部電源からの電力供給が遮断されている状況において開閉体が開放操作されたか否かの特定が開始時用処理においてではなく繰り返し処理において実行される。これにより、開始時用処理の処理時間に影響を及ぼすことなく、外部電源からの電力供給が遮断されている状況において開閉体が開放操作されたか否かを監視することが可能となる。
手段16.手段1乃至15のいずれか1において、前記監視手段は、
前記支持対象に対して前記開閉体が閉鎖されている場合に第1位置に待機し、前記支持対象に対して前記開閉体が開放された場合に前記第1位置から第2位置に移動する移動体(プッシャ266等)と、
予め設定された複数の待機位置に段階的に移動可能に設けられ、前記移動体が前記第1位置から前記第2位置に移動したこと又は前記第2位置から前記第1位置に移動したことの少なくとも一方に機械的に連動して、一の待機位置から次の待機位置に移動する連動体(円盤262等)と、
前記複数段階の待機状態として複数段階の検知状態が予め設定されており、前記連動体の待機位置に応じて前記検知状態が変更される検知手段(検知装置258)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
手段16によれば、監視手段が、開閉体の開閉動作に連動して第1位置と第2位置との間を移動する移動体と、当該移動体に連動して一の待機位置から次の待機位置に移動する連動体と、当該連動体の待機位置に応じて検知状態が変更される検知手段と、を備えていることにより、監視手段において外部電源からの電力供給が遮断された状況での開閉体の開閉操作の監視が可能となる。また、監視手段において遊技機の電源機能に対して独立した電源機能が必要なくなるため、遊技ホール等におけるランニングコストの増大化を抑制しつつ、上記手段1や上記手段4等の作用効果において説明した作用効果を得ることができる。
なお、「機械的に連動」とは、電動アクチュエータが介在することなく連動することをいう。
手段17.手段16において、前記連動体は、所定の回転軸を中心として回転可能であって前記複数の待機位置として複数の回転待機位置が設定された回転体であり、
当該回転体は、前記移動体が前記第1位置から前記第2位置に移動したこと又は前記第2位置から前記第1位置に移動したことの少なくとも一方に連動して、一の回転待機位置から次の回転待機位置に回転するものであり、
前記検知手段は、前記連動体の回転待機位置に応じて前記検知状態が変更されることを特徴とする遊技機。
手段17によれば、連動体が回転体として設けられていることにより、連動体を非回転体として設ける構成に比して、移動体に連動した待機位置の変更が良好に行われる。
手段18.手段17において、前記移動体は前記回転軸の軸線上を移動するものであり、
当該移動体と前記回転体との間には、それら移動体及び回転体のそれぞれと当接することで、前記移動体が前記第1位置から前記第2位置に移動すること又は前記第2位置から前記第1位置に移動することの少なくとも一方に基づいて、前記回転体を一の前記回転待機位置から次の回転待機位置に回転させる介在体(回転子264等)をさらに備えていることを特徴とする遊技機。
手段18によれば、移動体と回転体との間に介在体が設けられていることにより、移動体の直線的な動作を回転体の回転動作に変換する場合に、その変換を良好に行うことができる。
手段19.手段18において、前記介在体は、前記移動体が前記第2位置から前記第1位置に移動する場合よりも当該第1位置から前記第2位置に移動する場合の方が前記回転体の回転量が大きくなるように形成されており、
当該回転量の設定により、前記移動体が前記第2位置から前記第1位置に移動した場合には前記検知状態に変更はなく、前記移動体が前記第1位置から前記第2位置に移動した場合に前記検知状態が変更されることを特徴とする遊技機。
手段19によれば、開放状態にある開閉体が閉鎖操作されたとしても待機状態が変更されない。したがって、遊技機のメンテナンス時などといった開閉体が開放状態である状況で外部電源からの電力供給が遮断されたとしても、その後の閉鎖操作により監視手段の待機状態が記憶手段に記憶された待機状態と異なるものとなってしまうことはない。これにより、上記のように電力供給の遮断中における開閉体の不正な開放操作を監視手段により監視するようにした構成において、遊技機のメンテナンス性の低下を極力抑制することが可能となる。一方、閉鎖状態にある開閉体が開放操作されたことに基づいて待機状態が操作前の状態から変更される。したがって、外部電源からの電力供給が遮断された状況において、開閉体の不正な開放操作を監視することは可能である。
手段20.手段18又は19において、前記監視手段はケース体(ハウジング256)をさらに備えており、当該ケース体に前記移動体、前記介在体及び前記回転体が設置されており、
前記ケース体は前記回転軸と同一直線上に軸線を有する筒状領域(筒状領域271)を備えており、
当該筒状領域の内周面には前記軸線方向に延びる溝部(ケース側カム溝278)が当該軸線を中心として等間隔で複数形成されており、
前記移動体及び前記介在体は移動体側突起(突起266c)及び介在体側突起(回転子側リブ285)が前記溝部にガイドされて前記軸線方向に移動可能であるとともに、それら前記移動体及び前記介在体は付勢手段(第1バネ263)により前記第2位置に向けて付勢されており、
前記移動体における前記介在体側の端部には移動体側噛合せ部(プッシャ側カム部290)が形成されているとともに、前記介在体における前記移動体側の端部には前記移動体側噛合せ部と噛み合い可能な介在体側噛合せ部(回転子側カム部289)が形成されており、
前記移動体が前記第2位置にある場合、前記移動体側噛合せ部と前記介在体側噛合せ部とは非噛み合い状態にあり、
前記移動体が前記第1位置に移動する場合、前記介在体は、前記介在体側突起が前記溝部から外れ、前記移動体側噛合せ部と前記介在体側噛合せ部とが噛み合い状態となる位置に前記軸線方向を中心として特定方向に回転し、
その噛み合い状態で前記移動体が前記第2位置に復帰する場合、前記介在体は、前記介在体側突起が前記筒状領域の内周面における前記溝部間のリブ(ケース側リブ277)によりガイドされて、当該介在体側突起が前記溝部にガイドされる位置であって前記移動体側噛合せ部と前記介在体側噛合せ部とが非噛み合い状態となる位置に前記軸線方向を中心として前記特定方向に回転し、
前記回転体は、前記介在体の回転動作に連動して、一の前記回転待機位置から次の回転待機位置に回転することを特徴とする遊技機。
手段20によれば、移動体の移動に連動した回転体の回転待機位置の変更が良好に行われる。
手段21.手段16乃至20のいずれかにおいて、前記連動体は、前記各待機位置に対応させて複数の被検知部(被検知部298a)を備えており、
前記検知手段は、前記被検知部を検知する検知部(金属端子294)を複数備えているとともに、前記被検知部を検知している検知部の組合せにより前記検知状態が変更されるものであることを特徴とする遊技機。
手段21によれば、検知手段では、連動体の被検知部を検知している検知部の組合せにより検知状態が変更される構成であるため、検知部の数を待機位置の数よりも少なくすることが可能となる。これにより、検知手段の小型化を図ることができ、それに伴って監視手段の小型化を図ることができる。
手段22.手段16乃至21のいずれかにおいて、前記検知手段は、複数の金属端子を備えており、
それら金属端子は、前記連動体に形成された被検知部と接触することで、それら被検知部と接触している金属端子同士が前記連動体を介して電気的に導通されるものであり、
前記連動体を介して電気的に導通される前記金属端子の組合せが前記各検知状態と1対1で対応して異なるように、前記金属端子及び前記被検知部が設置されていることを特徴とする遊技機。
手段22によれば、検知手段では、電気的に導通する金属端子の組合せにより検知状態が変更される構成であるため、フォトセンサなどを設ける構成に比して、構成の簡素化を図ることができる。
手段23.手段16乃至22のいずれかにおいて、前記監視手段は、前記支持対象に設置されており、
前記移動体は、前記支持対象に対して前記開閉体が閉鎖されている場合には、前記開閉体により押圧されて又は前記開閉体と前記移動体との間に設置された押圧手段により押圧されて前記第1位置に待機し、前記支持対象に対して前記開閉体が開放された場合には、前記押圧が解除されて前記第1位置から前記第2位置に移動するものであることを特徴とする遊技機。
手段23によれば、移動体は開閉体の開閉動作に連動して、第1位置と第2位置との間を移動する。
手段24.手段16乃至22のいずれかにおいて、前記監視手段は、前記開閉体に設置されており、
前記移動体は、前記支持対象に対して前記開閉体が閉鎖されている場合には、前記支持対象により押圧されて又は前記支持対象と前記移動体との間に設置された押圧手段(押圧片300)により押圧されて前記第1位置に待機し、前記支持対象に対して前記開閉体が開放された場合には、前記押圧が解除されて前記第1位置から前記第2位置に移動するものであることを特徴とする遊技機。
手段24によれば、移動体は開閉体の開閉動作に連動して、第1位置と第2位置との間を移動する。
手段25.手段1乃至24のいずれかにおいて、前記監視手段がいずれの待機状態にあるかが、前記監視手段の外観上、識別不可となっていることを特徴とする遊技機。
手段25によれば、監視手段がいずれの待機状態にあるかが、監視手段の外観上、識別不可となっているため、不正行為者などに監視手段の待機状態がいずれであるかが知られてしまうことが防止できる。
手段26.外部電源から供給される電力に基づいて動作する電気機器(可変入賞装置83、主制御装置162、払出装置224、払出制御装置242等)が搭載された遊技機本体(本体枠13)と、当該遊技機本体に対して開閉可能に支持され遊技機前面部を構成する遊技機前面体(前扉枠14)と、を備えた遊技機において、
複数段階の待機状態が予め設定されているとともに、前記外部電源からの電力供給が行われている状況及び電力供給が遮断されている状況のいずれにおいても前記遊技機前面体の開閉操作に応じて動作し、前記遊技機前面体が開閉操作された場合には前記待機状態が当該開閉操作前の状態から変更される監視手段(監視装置250等)と、
前記外部電源からの電力供給が遮断された場合における前記監視手段の待機状態とその後に前記外部電源からの電力供給が開始された場合における前記監視手段の待機状態とを比較することにより、前記外部電源からの電力供給が遮断されている状況で前記遊技機前面体が開放操作されたか否かを特定する第1特定手段(CPU311におけるステップS315及びステップS316の処理を実行する機能等)と、
前記外部電源からの電力供給が行われている状況において、前記遊技機前面体が開放操作されたか否かを前記監視手段の前記動作に基づいて特定する第2特定手段(CPU311におけるステップS501及びステップS502の処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
手段26の遊技機では、外部電源から供給された電力に基づいて電気機器が動作することで、遊技が進行することとなる。
当該構成において、複数段階の待機状態を有する監視手段が設けられており、外部電源からの電力供給の遮断中であっても遊技機前面体が開閉操作された場合には、待機状態が当該操作前の状態から変更される。この場合に、外部電源からの電力供給が遮断された場合における監視手段の待機状態とその後に外部電源からの電力供給が開始された場合における監視手段の待機状態とが比較され、外部電源からの電力供給が遮断されている状況で遊技機前面体が開放操作されたか否かが特定される。これにより、電力供給が遮断されている状況において遊技機前面体が不正に開閉操作されていた場合にはその事実を把握することが可能となり、それに対して対処することが可能となる。
また、外部電源からの電力供給が行われている状況において遊技機前面体が開放された場合には、それが監視手段を介して特定される。つまり、監視手段は、外部電源からの電力供給が遮断されている状況及び電力供給が行われている状況のいずれにおいても、遊技機前面体の開放を監視する機能を有することとなり、それぞれの機能を別で設ける構成に比して、遊技機の部品点数の削減が図られる。
なお、「前記遊技機前面体が開閉操作された場合には前記待機状態が当該開閉操作前の状態から変更される」には、「閉鎖状態にある前記遊技機前面体が開放操作されたこと又は開放状態にある前記遊技機前面体が閉鎖操作されたことの少なくとも一方に基づいて前記待機状態が変更されるとともに、閉鎖操作後には前記待機状態が開閉操作前の状態から変更される」構成も含まれる。
また、上記手段26の構成を手段4に対応した構成に変更してもよく、さらには上記手段26に対して上記手段2,3,5乃至25のいずれか1の構成を適用してもよい。この場合、上記手段26に関わる発明は、より効果的なものとなる。但し、手段4に対応した構成に変更する場合及び手段5乃至25のいずれか1の構成を適用する場合、「支持対象」を「遊技機本体」に代えるとともに、「開閉体」を「遊技機前面体」に代えて適用する。
手段27.支持対象(外枠11)に対して開閉可能に支持され、外部電源から供給される電力に基づいて動作する電気機器(可変入賞装置83、主制御装置162、払出装置224、払出制御装置242等)が搭載された遊技機主体(遊技機主部12)を備えた遊技機において、
複数段階の待機状態が予め設定されているとともに、前記外部電源からの電力供給が行われている状況及び電力供給が遮断されている状況のいずれにおいても前記遊技機主体の開閉操作に応じて動作し、前記遊技機主体が開閉操作された場合には前記待機状態が当該開閉操作前の状態から変更される監視手段(監視装置250等)と、
前記外部電源からの電力供給が遮断された場合における前記監視手段の待機状態とその後に前記外部電源からの電力供給が開始された場合における前記監視手段の待機状態とを比較することにより、前記外部電源からの電力供給が遮断されている状況で前記遊技機主体が開放操作されたか否かを特定する第1特定手段(CPU311におけるステップS315及びステップS316の処理を実行する機能等)と、
前記外部電源からの電力供給が行われている状況において、前記遊技機主体が開放操作されたか否かを前記監視手段の前記動作に基づいて特定する第2特定手段(CPU311における本体枠開放監視処理を実行する機能等)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
手段27の遊技機では、外部電源から供給された電力に基づいて電気機器が動作することで、遊技が進行することとなる。
当該構成において、複数段階の待機状態を有する監視手段が設けられており、外部電源からの電力供給の遮断中であっても遊技機主体が開閉操作された場合には、待機状態が当該操作前の状態から変更される。この場合に、外部電源からの電力供給が遮断された場合における監視手段の待機状態とその後に外部電源からの電力供給が開始された場合における監視手段の待機状態とが比較され、外部電源からの電力供給が遮断されている状況で遊技機主体が開放操作されたか否かが特定される。これにより、電力供給が遮断されている状況において遊技機主体が不正に開閉操作されていた場合にはその事実を把握することが可能となり、それに対して対処することが可能となる。
また、外部電源からの電力供給が行われている状況において遊技機主体が開放された場合には、それが監視手段を介して特定される。つまり、監視手段は、外部電源からの電力供給が遮断されている状況及び電力供給が行われている状況のいずれにおいても、遊技機主体の開放を監視する機能を有することとなり、それぞれの機能を別で設ける構成に比して、遊技機の部品点数の削減が図られる。
なお、「前記遊技機主体が開閉操作された場合、前記待機状態が当該開閉操作前の状態から変更される」には、「閉鎖状態にある前記遊技機主体が開放操作されたこと又は開放状態にある前記遊技機主体が閉鎖操作されたことの少なくとも一方に基づいて前記待機状態が変更されるとともに、閉鎖操作後には前記待機状態が開閉操作前の状態から変更される」構成も含まれる。
また、上記手段27の構成を手段4に対応した構成に変更してもよく、さらには上記手段27に対して上記手段2,3,5乃至25のいずれか1の構成を適用してもよい。この場合、上記手段27に関わる発明は、より効果的なものとなる。但し、手段4に対応した構成に変更する場合及び手段5乃至25のいずれか1の構成を適用する場合、「開閉体」を「遊技機主体」に代えて適用する。
以下に、以上の各手段を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル41)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(内,外レール部101,102)と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の入球部(各種スイッチ152〜155)に遊技球が入球した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に基づいて前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に基づいて前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
(第1の実施形態)
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図、図4はパチンコ機10の背面図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能(開閉可能)に取り付けられた遊技機主部12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機主部12は、ベース体としての本体枠13と、その本体枠13の前方に配置される前扉枠14と、本体枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機主部12のうち本体枠13が外枠11に対して回動可能(開閉可能)に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として本体枠13が前方へ回動可能とされている。
本体枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能とされている。また、本体枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。なお、以下の説明では、図1〜図3を参照するとともに、前扉枠14の背面の構成については図5を参照する。図5は、前扉枠14の背面図である。
前扉枠14は本体枠13の前面側全体を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部21が形成されている。窓部21は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス22が嵌め込まれている。なお、ガラス22に代えて、透明樹脂板を嵌め込むようにしてもよい。
窓部21の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部23が設けられている。環状電飾部23では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部23の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部24が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部25が設けられている。また、左右の賞球ランプ部25に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部26が設けられている。
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図2及び図5に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により形成されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路51と、下皿34に通じる前扉側下皿通路52とが形成されている。通路形成ユニット50において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路51と前扉側下皿通路52の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路51及び前扉側下皿通路52は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路51に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路52に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側(図5の右側)には、その上端部及び下端部に突起軸61,62が設けられている。これら突起軸61,62は本体枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側(図5の左側)には、図2に示すように、後方に延びる鉤金具63が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具63は本体枠13に対する施錠機構を構成する。
次に、本体枠13について詳細に説明する。図6は本体枠13の正面図である。
本体枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース71を主体に構成されている。樹脂ベース71の前面における回動基端側(図6の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具72,73が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具72,73には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸61,62が挿入されることにより、本体枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース71の前面における回動先端側(図6の右側)には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具63を挿入するための挿入孔74がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、本体枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置が本体枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具63が挿入孔74を介して施錠装置に係止されることによって、前扉枠14が本体枠13に対して開放不能に施錠される。
樹脂ベース71の右下隅部には、施錠装置の解錠操作を行うためのシリンダ錠75が設置されている。シリンダ錠75は施錠装置に一体化されており、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと本体枠13に対する前扉枠14の施錠が解かれるようになっている。なお、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する本体枠13の施錠が解かれるようになっている。
樹脂ベース71の中央部には略楕円形状の窓孔76が形成されている。樹脂ベース71には遊技盤81が着脱可能に取り付けられている。遊技盤81は合板よりなり、遊技盤81の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース71の窓孔76を通じて本体枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤81の構成を図7に基づいて説明する。遊技盤81には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口82,可変入賞装置83,作動口84,スルーゲート85及び可変表示ユニット86等がそれぞれ設けられている。一般入賞口82は、左右にそれぞれ2個ずつ合計4個設けられている。一般入賞口82、可変入賞装置83及び作動口84に遊技球が入ると、それが後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤81の最下部にはアウト口87が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口87を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤81には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘88が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット86には、作動口84への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置91が設けられている。また、可変表示ユニット86には、図柄表示装置91を囲むようにしてセンターフレーム92が配設されている。センターフレーム92の上部には、第1特定ランプ部93及び第2特定ランプ部94が設けられている。また、センターフレーム92の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部95,96が設けられている。下側の保留ランプ部95は、図柄表示装置91及び第1特定ランプ部93に対応しており、遊技球が作動口84を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部95の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部96は、第2特定ランプ部94に対応しており、遊技球がスルーゲート85を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部96の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置91は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置91には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
第1特定ランプ部93では、作動口84への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部94では、遊技球のスルーゲート85の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口84に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。
可変入賞装置83は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置83の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置83が繰り返し開放されるものが一般的である。
遊技盤81には、内レール部101と外レール部102とが取り付けられており、これら内レール部101と外レール部102とにより誘導レールが構成され、後述する遊技球発射機構から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
遊技球発射機構110は、図6に示すように、樹脂ベース71における窓孔76の下方に取り付けられている。遊技球発射機構110は、電磁式のソレノイド111と、発射レール112と、球送り機構113とからなり、ソレノイド111への電気的な信号の入力により当該ソレノイド111の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構113によって発射レール112上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。
発射レール112と遊技盤81に取り付けられた内,外レール部101,102との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方には前扉枠14の通路形成ユニット50に形成されたファール球通路55が配設されている。したがって、仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域の上部に到達せずに、内,外レール部101,102によって構成される誘導レールを逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路55内に入る。ファール球通路55は前扉側下皿通路52に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は下皿34に排出される。
樹脂ベース71において発射レール112の左方には、樹脂ベース71を前後方向に貫通させて通路形成部121が設けられている。通路形成部121には図3に示すように本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とが形成されている。本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路51が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路51が配置されている。
樹脂ベース71において通路形成部121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸125により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢する図示しない付勢部材が設けられている。したがって、前扉枠14を本体枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路122又は本体側下皿通路123に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット50に設けられた受口部53により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路51とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路52とが連通している。
次に、本体枠13の背面構成について説明する。図8は本体枠13の背面図である。
樹脂ベース71の背面における回動先端側(図8の左側)には、施錠装置131が設けられており、シリンダ錠75におけるキー操作に対して施錠装置131が連動し、本体枠13及び前扉枠14の解錠が行われる。
樹脂ベース71の背面における回動基端側(図8の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により本体枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、樹脂ベース71の背面には、裏パックユニット15を本体枠13に締結するための被締結孔134が設けられている。
樹脂ベース71の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース71に対して遊技盤81が取り付けられている。ここで、遊技盤81の背面の構成を説明する。図9は遊技盤81を後方より見た斜視図、図10は遊技盤81から主制御装置ユニット160を取り外した状態を示す背面図である。
遊技盤81の中央に配置される可変表示ユニット86には、センターフレーム92を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー141が後方に突出させて設けられており、フレームカバー141に対して後側から上述した図柄表示装置91が取り付けられるとともに、その図柄表示装置を駆動するための表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。これら図柄表示装置91及び表示制御装置は前後方向に重ねて配置され(図柄表示装置が前、表示制御装置が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
遊技盤81の背面には、図10に示すように、可変表示ユニット86の下方に集合板ユニット150が設けられている。集合板ユニット150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板ユニット150には、前記一般入賞口82、可変入賞装置83、作動口84の遊技盤開口部に対応して且つ下流側で1カ所に集合する回収通路151が形成されている。したがって、一般入賞口82等に入賞した遊技球は何れも回収通路151を介して遊技盤81の下方に集合する。遊技盤81の下方には後述する排出通路があり、回収通路151により遊技盤81の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口87も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口87を介して排出通路内に導出される。
入賞検知機構について説明すると、集合板ユニット150には、遊技盤81表側の各一般入賞口82と対応する位置にそれぞれ入賞口スイッチ152a〜152dが設けられている。また、可変入賞装置83と対応する位置にカウントスイッチ153が設けられ、作動口84に対応する位置に作動口スイッチ154が設けられている。これらスイッチ152〜154により遊技球の入賞がそれぞれ検知される。また、集合板ユニット150外における可変表示ユニット86の右側には、スルーゲート85を通過する遊技球を検知するゲートスイッチ155が設けられている。
遊技盤81の背面には、集合板ユニット150を後側から覆うようにして主制御装置ユニット160が搭載されている。主制御装置ユニット160の構成について図11を用いて説明する。図11は主制御装置ユニット160の構成を示す斜視図である。
主制御装置ユニット160は、合成樹脂製の取付台161を有し、取付台161に主制御装置162が搭載されている。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部164は、基板ボックス163の長辺部に5つ設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部164を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、5つの封印部164のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片165が設けられている。これら結合片165は、取付台161に形成された複数の被結合片166と1対1で対応しており、結合片165と被結合片166とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
次に、裏パックユニット15について説明する。図12は裏パックユニット15の正面図、図13は裏パックユニット15の分解斜視図である。
裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤203、及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット86を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には、パチンコ機10に発生した各種のエラー情報を出力するための出力端子、本体枠13の開放時に信号出力するための出力端子、及び前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子等が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置(又はホールコンピュータ)に対して枠側の状態に関する信号が出力される。
ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を本体枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が本体枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211には、本体枠13に設けられた被締結孔134に対して締結するための締結具215が設けられており、当該締結具215を被締結孔134に嵌め込むことで本体枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。すなわち、裏パック201の最上部には上方に開口したタンク221が設けられており、タンク221には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部226が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路51を介して上皿33に通じ、中央の開口部227が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路52を介して下皿34に通じ、外側の開口部228が排出通路に通じるように形成されている。
払出機構部202には、裏パック基板(電力受入部又は外部電力受入部)229が設置されている。裏パック基板229には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ229aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤203及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203は、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路231が形成されており、当該排出通路231の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路231は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路151等から排出通路231に導出された遊技球は当該排出通路231を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源及び発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源及び発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242は、基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されている。なお、払出制御装置242から払出装置224への払出指令の信号は上述した裏パック基板229により中継される。また、払出制御装置242には状態復帰スイッチ245が設けられている。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源及び発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源及び発射制御装置243にはRAM消去スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ247を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
次に、本体枠13(遊技機主部12)や前扉枠14が開放された場合に、その事実を把握するための構成について説明する。
図6及び図14に示すように、本体枠13の樹脂ベース71には、第1監視装置251が設けられている。また、図15に示すように、裏パックユニット15には、第2監視装置252が設けられている。第1監視装置251により前扉枠14の開放が監視され、第2監視装置252により遊技機主部12の開放が監視される。
ここで、第1監視装置251及び第2監視装置252の具体的な構成について説明する。なお、第1監視装置251及び第2監視装置252は共に同一の構成を具備してなるため、これら両監視装置251,252の説明を監視装置250としてまとめて行う。図16は監視装置250の斜視図、図17は監視装置250の分解斜視図、図18は監視装置250の断面図である。
監視装置250は、有色不透明の合成樹脂材料によりそれぞれ形成された土台用ケース体254と蓋用ケース体255とを備えており、これら両ケース体254,255がネジ固定されていることによりハウジング256が形成されている。なお、蓋用ケース体255及び土台用ケース体254のうちいずれか一方又は両方を、無色透明の合成樹脂材料により形成してもよく、また合成樹脂材料ではなく金属材料により形成してもよい。
ハウジング256内には、本体枠13や前扉枠14といった監視対象物の移動に応じて機械的に動作し、その動作により待機位置が変更される機械的動作機構257と、当該機械的動作機構257の待機位置を検知するとともにその検知状態を主制御装置162に出力するための検知装置258とが設置されている。なお、両ケース体254,255のうち、蓋用ケース体255の側面には一対の固定用フランジ259が一体形成されており、これら固定用フランジ259を介して、監視装置250は設置対象にネジ固定(着脱自在に固定)されている。
機械的動作機構257について詳細に説明する。なお、機械的動作機構257の説明では、図16〜図18に加え、図19を参照する。図19は、機械的動作機構257の主要構成部品の側面図である。
機械的動作機構257は、回転軸体261と、連動体としての円盤262と、第1付勢手段としての第1バネ263と、リンク体としての回転子264と、第2付勢手段としての第2バネ265と、移動体としてのプッシャ(押下体又は押圧体)266と、を備えている。なお、図19においては、第1バネ263及び第2バネ265を省略して示す。
回転軸体261は、土台用ケース体254上において円盤262を回転可能に保持するためのものである。具体的には、回転軸体261は、合成樹脂材料により形成されており、図19等に示すように、円柱状をなす基部261aと、当該基部261aの一端面から起立させて形成され角柱状をなす軸部261bとを備えている。軸部261bは基部261aよりもその周縁が一回り小さく形成されており、基部261aと軸部261bとの境界部分には段差面261cが存在している。なお、回転軸体261は、その内部が空洞となっており、基部261aの先端部にて開放されているが、非空洞形状としてもよい。
回転軸体261に対して円盤262が組み付けられて両者が一体化されている。詳細には、円盤262の中央には、図17に示すように、角形(具体的には、四角形状)の貫通孔262aが形成されており、当該貫通孔262aに対して回転軸体261の軸部261bが嵌合されている。この場合、軸部261bの高さ寸法は円盤262の厚み寸法よりも大きくなっており、さらに円盤262の裏面は回転軸体261の上記段差面261cに当接している。したがって、図18に示すように、軸部261bは円盤262の表面よりも軸線方向の外方に突出している(以下、突出部261dともいう)。なお、回転軸体261と円盤262とは別体である必要はなく、両者が一体形成されていてもよい。
円盤262が一体化された回転軸体261は、基部261aにおける段差面261cとは反対側の端部が土台用ケース体254の内側の板面上に載るようにして、土台用ケース体254上に載置されている。この場合、土台用ケース体254には内側の板面から起立させて円形囲い枠254aが一体形成されており、当該円形囲い枠254aにより区画された領域内に基部261aが載置されている。この円形囲い枠254aにより内側の板面上に沿った回転軸体261(及び円盤262)の移動が規制されている。
円盤262が一体化された回転軸体261が土台用ケース体254上に載置された状態において、当該回転軸体261の軸部261bの突出部261dは、図18に示すように、蓋用ケース体255の筒状領域271内に入り込んでいる。
詳細には、蓋用ケース体255には、円盤262の回転軸線と軸線が同一線上に位置するようにして筒状領域271が一体形成されている。筒状領域271は、蓋用ケース体255の表面から外方に起立させて形成された外側筒部272と、蓋用ケース体255の裏面から内方に起立させて形成された内側筒部273とを備えており、蓋用ケース体255を内外に貫通している。
外側筒部272の先端開口部275には、図18に示すように、内側に突出した環状縮径部276が一体形成されており、筒状領域271の内径は外側筒部272の先端開口部275にて縮径されている。また、外側筒部272の内周面には、図19(a)に示すように、環状縮径部276を基端として軸線方向に延びる複数(具体的には、8個)のケース側リブ277が一体形成されている。これら複数のケース側リブ277は、上記軸線を中心として等間隔に形成されており、各ケース側リブ277間にはそれぞれケース側カム溝278が形成されている。任意の一のケース側リブ277は他の一のケース側リブ277と対向しており、任意の一のケース側カム溝278は他の一のケース側カム溝278と対向している。また、ケース側リブ277の数はケース側カム溝278の数と同一となっている。なお、対向するケース側カム溝278間の距離は、筒状領域271におけるケース側リブ277が形成された領域よりも内側筒部273側の領域の内径と同一となっている。
上記構成の筒状領域271内に、図18に示すように、内側筒部273側から突出部261dが入り込んでいる。また、筒状領域271には、第1バネ263、回転子264、第2バネ265及びプッシャ266が設置されている。これら第1バネ263、回転子264、第2バネ265及びプッシャ266は、それらの各軸線が円盤262の回転軸線及び筒状領域271の軸線と同一線上に位置している。
プッシャ266は合成樹脂材料により形成されており、図18に示すように、軸線方向の一端側が開放され他端側が閉塞された形状をなしている。なお、閉塞部266aの周面は外方に凸の曲面状となっている。
プッシャ266の外周面におけるその開放部266b側には、外方に突出した複数の突起266cが一体形成されている。これら複数の突起266cは、上記軸線を中心として等間隔に形成されており、任意の一の突起266cは他の一の突起266cと対向している。突起266cの数は、ケース側リブ277やケース側カム溝278の数よりも少ないが、同数としてもよい。
プッシャ266における、閉塞部266aの周面及び突起266cが形成された領域を除いた部位の外径は、対向するケース側リブ277間の距離と同一又はそれよりも若干小さくなっている。プッシャ266は、筒状領域271内にその内側筒部273側から挿通されており、閉塞部266a側が先端開口部275を通じて筒状領域271の外方に突出しており、開放部266b側が筒状領域271内にある。この場合、各突起266cは、ケース側カム溝278内に入り込んでいる。そして、プッシャ266は、筒状領域271内を軸線方向に移動可能となっている。
筒状領域271内であってプッシャ266と円盤262との間に、回転子264が設けられている。回転子264は合成樹脂材料により形成されており、図19(c)に示すように、軸線方向の途中位置に形成された段差部281を介して、外径が相対的に大小となった小径部282と大径部283とを備えている。
大径部283の外周面には、その先端部から当該大径部283の途中位置まで軸線方向に延びる複数(具体的には、8個)の回転子側カム溝284が形成されている。これら複数の回転子側カム溝284は、上記軸線を中心として等間隔に形成されており、各回転子側カム溝284間にはそれぞれ回転子側リブ285が形成されている。回転子側カム溝284の数は回転子側リブ285の数と同一となっており、さらには回転子側カム溝284及び回転子側リブ285の数はケース側カム溝278及びケース側リブ277の数と同一となっている。
回転子264において回転子側リブ285が形成された部位が最大外径部位となっており、この最大外径部位の外径は筒状領域271におけるケース側リブ277が形成された領域よりも内側筒部273側の領域の内径と同一又はそれよりも若干小さくなっている。また、各回転子側リブ285は各ケース側カム溝278内に入り込み可能に形成されているとともに、各回転子側カム溝284は各ケース側リブ277が入り込み可能に形成されている。したがって、回転子264は筒状領域271内を軸線方向に移動可能となっている。
回転子264は、図18に示すように、その内部が小径部282の先端にて開放された第1開放領域286と、その内部が大径部283の先端にて開放された第2開放領域287とを備えており、これら第1開放領域286と第2開放領域287とは軸線方向に直交する面を有する仕切板部288により区画されている。
第1開放領域286及び第2開放領域287のうち、第1開放領域286は断面が角形状(具体的には、四角形状)をなしており、当該角形状は回転軸体261の軸部261bの角形状と同一の多角形状をなしている。この第1開放領域286に軸部261bが遊挿されている。但し、第1開放領域286の各内面は軸部261bの各外面と近い位置にあり、回転子264は回転軸体261及び円盤262と一体的に回転する。つまり、回転子264がその軸線を中心として回転する場合、それに連動して円盤262が軸線を中心として回転する。ちなみに、第1開放領域286の長さ寸法は、突出部261dの長さ寸法よりも小さくなっている。
これら回転子264と円盤262との間に介在させて、図18に示すように、上記第1バネ263が設置されている。第1バネ263は、その内径が回転子264の小径部282の外径よりも大きくなっており、その一端が円盤262の表面に当接しており、他端が回転子264の段差部281に当接している。また、回転子264とプッシャ266との間に介在させて、上記第2バネ265が設置されている。第2バネ265は、その外径がプッシャ266の内径よりも小さくなっており、プッシャ266の内部空間に収容されている。そして、その一端がプッシャ266の閉塞部内面に当接しており、他端が回転子264の仕切板部288に当接している。第1バネ263及び第2バネ265は、圧縮状態で設置されている。なお、これら第1バネ263及び第2バネ265のうち、第1バネ263の付勢力の方が第2バネ265の付勢力よりも大きい。
第1バネ263の付勢力は、円盤262に付与されるとともに、回転子264及びプッシャ266に付与される。この付勢力により、円盤262は土台用ケース体254に向けて付勢され、回転子264及びプッシャ266は外側筒部272の先端開口部275に向けて付勢されている。
この先端開口部275に向けた回転子264及びプッシャ266の移動は、プッシャ266の各突起266cが外側筒部272の環状縮径部276に内側から当接した位置にて規制されている。つまり、プッシャ266の押圧が行われていない自然状態では、プッシャ266は筒状領域271から最も外方に突出した最大突出位置にある。
回転子264は、上記自然状態において、各回転子側リブ285が各ケース側カム溝278に入り込み、さらに各回転子側カム溝284に各ケース側リブ277が入り込んだ状態となっている。つまり、回転子264は、自然状態において、軸線方向を中心とした回転が不可能となっている。なお、回転子264は、自然状態において、その第1開放領域286に突出部261dが遊挿されている。
一方、第2バネ265の付勢力は、回転子264に付与されるとともに、プッシャ266に付与される。この第2バネ265は、プッシャ266における後述する自然状態への復帰動作を良好にするためのものである。なお、当該第2バネ265を不具備としても、プッシャ266の自然状態への復帰動作は可能である。
以上説明した機械的動作機構257では、プッシャ266の自然状態からの移動及び当該自然状態への復帰に連動して円盤262が回転する。そこで、かかる円盤262の回転に関する構成について説明する。
円盤262は上記のとおり回転軸体261と一体化されており、土台用ケース体254上に回転可能に載置されている。この場合に、円盤262は、回転子264の回転移動に連動して回転移動する。詳細には、回転子264の大径部283の先端には、図19(c)に示すように、連続山形状の回転子側カム部289が一体形成されている。この回転子側カム部289は、複数の山部289aから構成されている。具体的には、一対の回転子側リブ285と回転子側カム溝284に対して、一の山部289aが形成されている。この場合、回転子側リブ285の先端面は全て一方向への傾斜面となっており、各回転子側リブ285においてそれら傾斜面の傾斜方向及び傾斜角度は全て同一となっている。同様に、回転子側カム溝284の先端面は全て一方向への傾斜面となっており、各回転子側カム溝284においてそれら傾斜面の傾斜方向及び傾斜角度は全て同一となっている。
上記回転子側カム部289に対応させて、プッシャ266の開放部266bの先端には、図19(b)に示すように、連続山形状のプッシャ側カム部290が一体形成されている。プッシャ側カム部290は、回転子側カム部289の山部289aと同数の山部290aから構成されている。そして、プッシャ側カム部290の山部290aは、回転子側カム部289の山部289aと同一のピッチ、大きさ、傾斜及び形状を有している。したがって、回転子264の大径部283の先端とプッシャ266の開放部266bの先端とをそれらの軸線方向に重ね合わせると、回転子側カム部289とプッシャ側カム部290とが完全に噛み合う。
また、筒状領域271のケース側リブ277の先端面277aは、図19(a)に示すように、全て一方向への傾斜面となっており、各ケース側リブ277においてそれら傾斜面の傾斜方向及び傾斜角度は全て同一となっている。この各ケース側リブ277の先端面277aの傾斜方向は、各回転子側リブ285の先端面の傾斜方向に対して逆方向となっているが、両者の傾斜角度は同一となっている。
上記のように回転子側カム部289、プッシャ側カム部290及びケース側リブ277が形成されていることにより、プッシャ266の自然状態からの移動及び当該自然状態への復帰に連動して円盤262が回転する。かかる円盤262の回転動作について、図20を参照して説明する。図20は、プッシャ266の移動に連動した円盤262の回転動作を説明するための説明図である。なお、図20(a)は自然状態を示し、図20(b)及び図20(c)はプッシャ266が押圧されている状態を示し、図20(d)は自然状態に復帰する過程を示す。また、図20(a)〜(d)において、ドット模様で示す部位は回転子側リブ285であり、格子状模様で示す部位はケース側リブ277であり、黒塗りで示す部位はプッシャ266の突起266cである。
図20(a)に示すように、自然状態では、上述したように、第1バネ263に付勢されて、プッシャ266は最大突出位置にある。この場合、回転子264は、各回転子側リブ285が各ケース側カム溝278に入り込んでいるとともに、各回転子側カム溝284に各ケース側リブ277が入り込んでいる。これにより、回転子264の回転移動は阻止されている。なお、プッシャ266も、その突起266cがケース側カム溝278に入り込んでいるため、回転移動が阻止されている。また、回転子側カム部289は、その一部がプッシャ側カム部290に当接している。但し、これらカム部289,290は完全には噛み合っていない。
その後、プッシャ266が第1バネ263の付勢力に抗する力で押圧されることにより、プッシャ266及び回転子264が円盤262側に向けて移動し、図20(b)に示すように、各回転子側リブ285が各ケース側カム溝278から外れるとともに、各回転子側カム溝284から各ケース側リブ277が外れる。これにより、回転子264の回転移動が許容される。一方、プッシャ266は、その突起266cがケース側カム溝278に入り込んでいるため、回転移動は依然として阻止されている。
ここで、回転子264は上記のとおり第1バネ263の付勢力を受けているため、プッシャ266が押圧されている状況であってもプッシャ266側に向けた力が加わっている。また、回転子側カム部289は、その一部がプッシャ側カム部290に当接している。したがって、回転子264は、回転子側カム部289がプッシャ側カム部290と完全に噛み合う位置に向けて回転移動する。これにより、図20(c)に示すように、回転子264のそれ以上の内側への移動が阻止されたプッシャ266の最大押圧位置では、回転子側カム部289はプッシャ側カム部290と完全に噛み合っている。この場合に、上記のとおり、回転子264と円盤262とは回転軸体261の軸部261bを介して一体的に回転するようになっている。したがって、図20(b)から図20(c)への回転子264の回転移動に合わせて円盤262が回転移動する。この円盤262の回転量(回転角度)は、回転子264の回転量(回転角度)と同一となっている。これは、以下も同様である。
その後、プッシャ266の押圧が解除されることにより、プッシャ266及び回転子264は、第1バネ263の付勢力(及び第2バネ265の付勢力)によって自然状態に向けて移動する。但し、プッシャ側カム部290の谷部分は、回転子264の回転方向で見て、ケース側リブ277の幅方向の中間位置となっている。したがって、図20(d)に示すように、プッシャ266はケース側リブ277と干渉することなく自然状態に向けて移動するが、回転子264は回転子側リブ285がケース側リブ277と干渉する。
この場合に、上記のとおり、各ケース側リブ277の先端面277aの傾斜方向は、各回転子側リブ285の先端面の傾斜方向に対して逆方向となっており、さらに両者の傾斜角度は同一となっている。また、回転子264は上記のとおり第1バネ263の付勢力を受けている。したがって、回転子264は、ケース側リブ277の先端面277aに沿って回転移動する。また、この回転子264の回転移動に合わせて円盤262が回転移動する。これら回転子264及び円盤262の回転方向は、プッシャ266が押圧された際の回転子264及び円盤262の回転方向と同一となっている。そして、最終的に、図20(a)に示すように、プッシャ266及び回転子264が自然状態に復帰する。但し、上記一連の動作により回転子264は所定角度回転し、各回転子側リブ285は当初のケース側カム溝278内からその隣のケース側カム溝278内に移動している。そして、この回転子264の回転移動に合わせて円盤262も回転移動している。
以上説明した本構成では、自然状態にあるプッシャ266が押圧され、その後に自然状態に復帰するという1サイクルの動作が行われた場合には、円盤262は常に同一の規定角度だけ回転移動する(規定回転量だけ回転移動する)。そして、円盤262が一周するためには、上記1サイクルの動作がケース側カム溝278の数分行われる必要がある。かかる構成では、円盤262は、自然状態における待機位置(回転待機位置)が複数段階設定されていると言うことができ、上記1サイクルの動作により1の待機位置から次の待機位置に移動すると言える。
上記のように回転子264及び円盤262が回転する構成において、プッシャ266が最大突出位置(又は、自然状態)から最大押圧位置(又は、プッシャ側カム部290と回転子側カム部289とが完全に噛み合う位置)に移動するまでの回転量(回転角度)は、プッシャ266が最大押圧位置から最大突出位置に移動するまでの回転量(回転角度)よりも小さくなっている。当該構成について図21を参照して説明する。図21は、蓋用ケース体255の筒状領域271、プッシャ266の開放部266b側及び回転子264の大径部283周辺を展開して示す説明図である。なお、図21における寸法や距離の記載は、単一の仮想円周を基準としたものである。
既に説明したように、ケース側リブ277の幅寸法X1とケース側カム溝278の幅寸法X2とは同一(又は略同一)となっており(X1=X2)、図21(a)に示すように、一対のケース側リブ277とケース側カム溝278との各幅寸法X1,X2の和は、距離L1となっている(L1=X1+X2)。そして、上記のとおり、自然状態からプッシャ266が最大押圧位置まで移動し、その後、自然状態に復帰した場合、各回転子側リブ285は当初のケース側カム溝278内からその隣りのケース側カム溝278内に移動する。したがって、プッシャ266が上記のように1サイクルの移動を行った場合、回転子264の回転量はL1となる。
また、プッシャ側カム部290の山部(プッシャ側山部)290aの数と回転子側カム部289の山部(回転子側山部)289aの数とは同一となっており、さらにプッシャ側山部290aの幅寸法と回転子側山部289aの幅寸法とは同一となっている。プッシャ側山部290a及び回転子側山部289aは、共に同一形状及び同一の大きさの二等辺三角形となっており、幅寸法はL1となっている。ちなみに、各山部289a,290aの最大突出箇所から最大凹箇所までの幅寸法は(L1×1/2)となっている。また、各プッシャ側山部290aの最大突出箇所は、ケース側カム溝278の幅方向の中間位置にあり、各プッシャ側山部290aの最大凹箇所は、ケース側リブ277の幅方向の中間位置にある。
図21(a)に示すように、自然状態では、各回転子側リブ285が各ケース側カム溝278内に入り込んでいる。この場合、プッシャ側山部290aと回転子側山部289aとは当接しているが、プッシャ側カム部290と回転子側カム部289とが完全に噛み合った状態のときよりも幅方向に距離L2分ずれた位置にある。この距離L2は、距離L1の1/4となっている。
その後、プッシャ266が押圧され各回転子側リブ285が各ケース側カム溝278から外れることにより、回転子264が距離L2分、すなわち距離(L1×1/4)分だけ回転移動し、図21(b)に示すように、プッシャ側カム部290と回転子側カム部289とが噛み合った状態となる。
その後、プッシャ266の押圧が解除され自然状態に復帰することで、既に説明したように、回転子264が回転移動し、各回転子側リブ285が移動先の各ケース側カム溝278内に入り込んだ状態となる。この際の回転量は、距離(L1−L2)分、すなわち距離(L1×3/4)分である。つまり、本構成においては、自然状態からプッシャ266が最大押圧位置まで移動する際に回転子264が回転移動する回転量(回転角度)は、自然状態に復帰する際に回転子264が回転移動する回転量(回転角度)の1/3となっている。そして、これに伴って、円盤262が回転移動する回転量(回転角度)は、自然状態からプッシャ266が最大押圧位置まで移動する際に対して、自然状態に復帰する際の1/3となっている。
なお、回転子264(及び円盤262)の回転量は上記のものに限定されることはない。すなわち、回転子側リブ285が一のケース側カム溝278からその隣りのケース側カム溝278に回転移動する場合、その回転移動の途中位置にてプッシャ側カム部290と回転子側カム部289とが噛み合い、この噛み合いにより、自然状態からプッシャ266が最大押圧位置に向けて移動する場合の回転子264の回転移動が規制されるものであり、この各カム部289,290が噛み合う位置までの回転子264の回転量(回転角度)が当該噛み合う位置から移動先のケース側カム溝278までの回転子264の回転量(回転角度)よりも小さくなっていればよい。
次に、検知装置258による円盤262の待機位置の検知に関する構成を説明する。図22は検知装置258の平面図である。
検知装置258は、円盤262の回転待機位置を検知し、その検知結果を主制御装置162に出力する機能を有する。具体的には、検知装置258は、合成樹脂材料により形成されたベース部291を備えている。ベース部291は、その中央部分に厚み方向に貫通した矩形の開口部291aを有する略矩形枠状をなしている。ベース部291には、その周縁部の一辺に外方に延出した延出板部291bが一体形成されており、当該延出板部291bの表面にはコネクタ(電気的接続部材)292が設置されている。コネクタ292は複数(具体的には、5個)の接続ピン292aを備えている。当該コネクタ292には、図16や図17に示すように、主制御装置162に向けた信号経路を形成するハーネス293のコネクタ(電気的接続部材)293aが接続される。なお、ハーネス293は、上記接続ピン292aの数と同数の電気配線293bを束ねてなり、各接続ピン292aに対応した信号経路は主制御装置162と検知装置258との間の全体に亘ってそれぞれ独立している。
コネクタ292の接続ピン292aは、図22に示すように、開口部291aに設置された長尺状の金属端子294と電気的に接続されている。金属端子294について詳細には、金属端子294は複数設けられており、各金属端子294は全て同一の形状及び大きさを有している。金属端子294の数は、コネクタ292の接続ピン292aと同数となっている。各金属端子294は、その一端が開口部291aの周縁におけるコネクタ292側の一辺に固定されているとともに、他端が開口部291aの周縁におけるコネクタ292側の一辺に対して対向する一辺に固定されている。つまり、各金属端子294は、開口部291aの周縁におけるコネクタ292側の一辺とそれに対向する一辺とを橋渡すようにして設置されている。
開口部291aにおいて各金属端子294は相互に離間させて設けられており、各金属端子294は相互に接触していない。また、複数の金属端子294は、開口部291aにおける非橋渡し方向の両端部にそれぞれ偏倚させて設置されている。これにより、開口部291aにおいて非橋渡し方向の中央部分は所定範囲に亘って金属端子294が位置していない。
上記のように開口部291aにおける非橋渡し方向の両端部にそれぞれ偏倚させて複数の金属端子294を設置した構成において、非橋渡し方向の一端側に偏倚させて設置された金属端子294の数と他端側に偏倚させて設置された金属端子294の数とは異なっている。具体的には、図22の状態で見て、右端側に偏倚させて設置された金属端子294の数は3個となっており、左端側に偏倚させて設置された金属端子294の数は2個となっている。このうち、右端側の金属端子294は等間隔で離間させて設置されており、この離間させた間隔は金属端子294の幅寸法分となっている。また、左端側の金属端子294は、当該金属端子294の幅寸法分離間させて設置されている。
なお、右端側の金属端子294の数を左端側の金属端子294の数よりも少なくしてもよく、右端側の金属端子294の数と左端側の金属端子294の数とを同数としてもよい。また、右端側又は左端側のいずれか一方にのみ金属端子294を設置するようにしてもよい。また、金属端子294間の距離は、金属端子294の幅寸法分よりも大きくてもよい。
各金属端子294は、その長さ方向の中間部分が、ベース部291の裏面側から表面側に変形されている。つまり、各金属端子294は、その長さ方向の中間部分に隆起接点部295が形成されている。各金属端子294は、隆起接点部295のみが開口部291aの表面側の縁部よりも外方に突出しており、その他の部分は当該表面側の縁部よりも奥まった位置にある。これら隆起接点部295は、検知装置258の上方に位置する円盤262の裏面によって上方から若干押圧されている。金属端子294は、比較的弾性の大きい金属により長尺状に形成されており板バネとしての機能を有しているため、隆起接点部295は自己の付勢力により円盤262の裏面に接した状態が維持されている。
各金属端子294は、ベース部291の裏面に設けられた中継電気線296を介してコネクタ292の接続ピン292aと電気的に接続されている。この中継電気線296は、金属端子294及び接続ピン292aの各組合せと1対1で対応させて設けられており、各中継電気線296は相互に離間されている。
上記の検知装置258は、土台用ケース体254上に載置されているとともに、当該土台用ケース体254と蓋用ケース体255とにより挟持されている。そして、検知装置258は、延出板部291b及びコネクタ292を除いてハウジング256内に収容されている。つまり、延出板部291b及びコネクタ292はハウジング256外に突出している。
検知装置258は、土台用ケース体254上において、円盤262の下方に位置している。この場合に、円盤262と一体化された回転軸体261は土台用ケース体254上に載置されているが、検知装置258のベース部291には開口部291aが形成されており、さらに開口部291aにおいて非橋渡し方向の中央部分は所定範囲に亘って金属端子294が位置していないため、検知装置258と回転軸体261との干渉が防止されている。
円盤262は、検知装置258の上方において回転移動する。この円盤262の構成について図23を用いてより詳細に説明する。図23(a)は円盤262の平面図、図23(b)は図23(a)のA―A線断面図である。
円盤262は、図23(b)に示すように、その厚み方向に複数層構造となっている。具体的には、表側の第1樹脂板層297と、中間の金属板層298と、裏側の第2樹脂板層299と、からなる3層構造となっている。この場合、回転軸体261の軸部261bが嵌合される貫通孔262aは、全ての板層297〜299を貫通するようにして形成されている。
円盤262は、既に説明したように、自然状態における待機位置が複数段階設定されており、プッシャ266の上記1サイクルの動作により、一の待機位置から次の待機位置に回転移動する。ここで、図23(a)において、円盤262の表面に記した数字は待機位置を示しており、当該円盤262は第1待機位置〜第8待機位置を有している。この待機位置について詳細には、第1待機位置では、数字の「1」が記された部位が、検知装置258のコネクタ292と最も近い位置にある。また、円盤262は、図23(a)の状態で見て時計回りに回転移動するものであり、次の第2待機位置では、数字の「2」が記された部位が、検知装置258のコネクタ292と最も近い位置にある。なお、この数字を不具備としてもよい。
円盤262は、各待機位置において、検知装置258の各金属端子294を、所定の組合せで電気的に導通させる。当該機能について詳細に説明する。円盤262の第1樹脂板層297と金属板層298とには、貫通孔262a以外の孔部は形成されていないが、第2樹脂板層299には貫通孔262a以外に複数の孔部299aが形成されている。この孔部299aが形成された位置では、金属板層298の板面が露出している。この露出した板面が、検知装置258による被検知部298aとなっている。
被検知部298aは、図23(a)に示すように、円盤262の周縁寄りの位置に形成されている。これら被検知部298aは、各待機位置にそれぞれ対応させて形成されており、円盤262が対応する待機位置となった際にいずれかの金属端子294の隆起接点部295の上方に位置する。そして、被検知部298aが下方に位置する隆起接点部295と当接するように、第2樹脂板層299の厚み寸法、第2樹脂板層299の柔らかさ、及び隆起接点部295の隆起度合いが設定されている。この場合、一の待機位置に対応する各被検知部298aは、円盤262の中心を通る直線上に並んでいる。また、任意の待機位置から円盤262を180°回転移動させると、他の待機位置となる。したがって、一の待機位置に対応する各被検知部298aが並ぶ直線上には、円盤262を180°回転移動させた場合の待機位置に対応する各被検知部298aも並んでいる。但し、これら待機位置に対応した各被検知部298aは、重複していない。
円盤262によって電気的に導通される金属端子294の組合せと当該円盤262の待機位置との関係について図24及び図25を参照して説明する。なお、以下の説明では、各金属端子294を図24の状態で見て左側から順に、第1金属端子294a、第2金属端子294b、第3金属端子294c、第4金属端子294d及びベース金属端子294eと称する。
図24(a)及び図25に示すように、円盤262が第1待機位置にある場合、第1金属端子294aとベース金属端子294eとが電気的に導通される。また、図24(b)及び図25に示すように、円盤262が第1待機位置にある場合、第2金属端子294bとベース金属端子294eとが電気的に導通される。また、第3待機位置〜第8待機位置については、図25に示すとおりである。そして、図25に示すように、各待機位置において、電気的に導通される金属端子294の組合せは全て異なっている。なお、いずれの待機位置においても、ベース金属端子294eが他の金属端子294a〜294dと電気的に導通される。
上記のとおり、一の待機位置に対応する各被検知部298aが並ぶ直線上には、円盤262を180°回転移動させた場合の待機位置に対応する各被検知部298aも並んでいる。この場合に、一方の待機位置において他の待機位置に対応した被検知部298aが隆起接点部295の上方に位置しないようになっている。
詳細には、各金属端子294は、図24の状態で見て、第1金属端子294aと第2金属端子294bとが開口部291aの左端側にあり、第3金属端子294cと第4金属端子294dとベース金属端子294eとが開口部291aの右端側にある。この場合に、円盤262の回転中心に対する各金属端子294a〜294eの隆起接点部295の距離が異なるように、各金属端子294a〜294eが設置されている。そして、各金属端子294a〜294eの幅寸法は全て同一となっているとともに、円盤262の回転中心に対する各隆起接点部295の距離は当該幅寸法の自然数倍ずつ異なっている。さらに、隆起接点部295の大きさは、接触対象の被検知部のみが接触するように設定されている。したがって、円盤262が1周した場合、各検知部の移動経路上には接触対象の一の隆起接点部295のみが存在することとなり、上記のとおり一方の待機位置において他の待機位置に対応した被検知部298aが隆起接点部295の上方に位置しない。
第1待機位置と第5待機位置について具体的には、図24(a)及び図24(c)に示すように、第1待機位置においていずれかの隆起接点部295の上方に位置している被検知部298aは、第5待機位置においていずれの隆起接点部295の上方にも位置しておらず、さらに第5待機位置においていずれかの隆起接点部295の上方に位置している被検知部298aは、第1待機位置においていずれの隆起接点部295の上方にも位置していない。
また、第2待機位置と第6待機位置について具体的には、図24(b)及び図24(d)に示すように、第2待機位置においていずれかの隆起接点部295の上方に位置している被検知部298aは、第6待機位置においていずれの隆起接点部295の上方にも位置しておらず、さらに第6待機位置においていずれかの隆起接点部295の上方に位置している被検知部298aは、第2待機位置においていずれの隆起接点部295の上方にも位置していない。
上記のように被検知部298aと隆起接点部295との位置関係が設定された構成において、隆起接点部295は、検知対象外の被検知部298aが接しない範囲内において、被検知部298aよりも大きめに形成されている。ここで、プッシャ266の上記1サイクルの動作において、自然状態から最大押圧位置までプッシャ266が移動するまでの円盤262の回転量は、自然状態に復帰する際の円盤262の回転量よりも小さくなっている。そして、隆起接点部295は、自然状態から最大押圧位置までプッシャ266が移動する場合、その移動開始前に接していた被検知部298aとの接触状態が維持される大きさに形成されている。
以上の構成において、検知装置258には、コネクタ292に接続されるハーネス293を介して主制御装置162から電気信号が出力される。この電気信号は、コネクタ292の複数の接続ピン292aのうち、一の接続ピン292aに供給される。この主制御装置162からの電気信号が供給される接続ピン292aは、中継電気線296を介してベース金属端子294eと電気的に接続されている。つまり、主制御装置162からの電気信号は、ベース金属端子294eに供給される。
各金属端子294a〜294eは、既に説明したように、円盤262の待機位置に応じて所定の組合せで電気的に導通される。また、いずれの待機位置においても、ベース金属端子294eが他の金属端子294a〜294dと電気的に導通される。ベース金属端子294eと電気的に導通される金属端子294a〜294dには、ベース金属端子294eから上記電気信号が供給される。そして、この電気信号は、その金属端子294a〜294dと対応する中継電気線296を介して電気的に接続された接続ピン292aに供給される。この接続ピン292aに供給された電気信号は、ハーネス293を介して主制御装置162に入力される。主制御装置162では、この入力した電気信号がいずれの接続ピン292aから供給されたものかを把握可能となっている。つまり、主制御装置162では、検知装置258に電気信号を出力し、その電気信号が返還された場合の出力元の接続ピン292aの種類により、円盤262がいずれの待機位置にあるかを把握する。言い換えると、主制御装置162では、検知装置258からの検知信号パターン(機械的コード)に基づいて、円盤262がいずれの待機位置にあるかを把握する。
ちなみに、本監視装置250において「検知状態」とは、検知装置258において、円盤262により導通が確保されている金属端子294a〜294eの組合せのことであり、主制御装置162から監視装置250に電気信号が供給されている状況では検知状態が検知信号パターンとして主制御装置162に出力されるものである。また、本監視装置250において「待機状態」とは、上記検知状態の概念を含めた状態のことであり、外部電源からパチンコ機10への電力供給が少なくとも行われていない状況であっても維持可能な状態のことである。
なお、待機位置の検知に関する構成は上記のものに限定されることはなく、待機位置の数が2個,3個,4個,5個,6個,7個又は9個以上であってもよい。この場合、ケース側カム溝278、回転子側リブ285及び各カム部289,290の山部289a,290aの数などを待機位置の数に合わせて変更する必要がある。また、検知装置258に関して、長尺状の金属端子294に代えて、突起状の金属端子を設けてもよい。また、金属端子294の数は、各待機位置を個別に検知することができるのであれば、5個未満又は6個以上としてもよい。さらには、第2樹脂板層299に孔部299aを形成することで被検知部298aを形成したが、金属板層298の裏面に突起を形成することで被検知部298aを形成してもよい。
次に、プッシャ266が上記1サイクルの動作を行う場合における検知装置258からの検知信号パターンの切り替わりタイミングについて説明する。図26は上記切り替わりタイミングを説明するための説明図である。なお、図26(a)〜(e)は、プッシャ266の1サイクルの動作を示し、図26(a)及び図26(e)は自然状態、図26(c)は最大押圧状態、図26(b)及び図26(d)は自然状態と最大押圧状態との間の状態を示す。また、第1検知信号パターンはプッシャ266の押圧が行われる前の検知信号パターンであり、第2検知信号パターンはプッシャ266の押圧が行われた後に移行する検知信号パターンである。
既に説明したように、プッシャ266の上記1サイクルの動作において、自然状態から最大押圧位置までプッシャ266が移動するまでの円盤262の回転量は、自然状態に復帰する際の円盤262の回転量よりも小さくなっている。また、隆起接点部295は、自然状態から最大押圧位置までプッシャ266が移動する場合、その移動開始前に接していた被検知部298aとの接触状態が維持される大きさに形成されている。したがって、図26(a)〜(c)に示す自然状態から最大押圧状態へ移行する場合には第1検知信号パターンは維持され、最大押圧状態から自然状態に復帰する途中の図26(d)に示すタイミングで第1検知信号パターンから第2検知信号パターンに切替えられる。
なお、第1検知信号パターンから第2検知信号パターンへ切り替わる際に、所定期間に亘って第1検知信号パターンと第2検知信号パターンとが混在し、いずれの検知信号パターンであるかが認識不可となる構成としてもよい。当該構成であっても、かかる認識不可な期間は、検知信号パターンが切り替わる途中の期間であるため、各待機位置における検知信号パターンの認識は正確に行われる。
以上説明した監視装置250は、上記のとおり第1監視装置251として本体枠13の樹脂ベース71に設置されている(図14(a)参照)。そして、図14(b)に示すように、前扉枠14が閉鎖された状態では当該前扉枠14によってプッシャ266が押圧され、当該プッシャ266は最大押圧位置にある。また、図14(c)に示すように、前扉枠14が開放された状態では当該前扉枠14による押圧が解除され、プッシャ266は自然状態に復帰する。図14(b)の状態から図14(c)の状態に移行するタイミングで、第1監視装置251の検知状態(すなわち、円盤262の待機位置)が切替えられ、それに伴って、第1監視装置251から出力される検知信号パターンが切替えられる。
また、監視装置250は、上記のとおり第2監視装置252として裏パックユニット15に設置されている(図15(a)参照)。この場合、裏パックユニット15には押圧片300が設けられている。押圧片300は、板バネとしての機能を有しており、一端が裏パックユニット15の回動基端側の側面から外方に突出しており、他端が第2監視装置252のプッシャ266の先端と隣接した位置にて対峙している。当該構成においては、図15(b)に示すように、遊技機主部12が閉鎖された状態では外枠11によって押圧片300の外方に突出した端部が押圧される。そして、外枠11によって押圧片300が押圧されることで、押圧片300自体の板バネとしての機能によりプッシャ266が押圧される。したがって、遊技機主部12が閉鎖された状態ではプッシャ266は最大押圧位置にある。また、図15(a)に示すように、遊技機主部12が開放された状態では外枠11による押圧片300の押圧が解除され、それに伴って押圧片300によるプッシャ266の押圧が解除される。これにより、プッシャ266は自然状態に復帰する。図15(b)の状態から図15(a)の状態に移行するタイミングで、第2監視装置252の検知状態(すなわち、円盤262の待機位置)は切替えられ、それに伴って、第2監視装置252から出力される検知信号パターンが切替えられる。
第1監視装置251及び第2監視装置252は、上記のとおり複数段階の検知状態を備えており、監視対象の開放操作が行われる度にその検知状態が順次切替えられる。この場合に、当該検知状態は機械的な検知状態であるため、検知状態の切替えに際しては電力を要しない。よって、パチンコ機10の電源遮断状態において、前扉枠14や遊技機主部12の開放操作が行われたとしても、各監視装置251,252の検知状態は切替えられる。そして、パチンコ機10の電源が投入された状態において、検知状態に対応した検知信号パターンが各監視装置251,252から主制御装置162に出力される。主制御装置162では、各監視装置251,252から入力した検知信号パターンに基づいて、電源遮断状態における前扉枠14や遊技機主部12の不正開放を監視する。また、主制御装置162では、電源遮断状態だけでなく電源投入状態においても、各監視装置251,252から入力した検知信号パターンに基づいて前扉枠14や遊技機主部12の不正開放を監視する。これら主制御装置162における監視処理については、後に説明する。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図27のブロック図に基づいて説明する。図27では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置162に設けられた主制御基板301には、主制御回路302と停電監視回路303(電断監視回路)とが内蔵されている。主制御回路302には、CPU311が搭載されている。
CPU311には、当該CPU311により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM312(不揮発性情報記憶手段)と、そのROM312内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM313(揮発性情報記憶手段)と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。なお、CPU311、ROM312及びRAM313がそれぞれ個別に1チップ化された構成としてもよい。これは、他の制御装置のCPUにおいても同様である。
RAM313は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御装置243に設けられた電源及び発射制御基板321からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
CPU311には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。CPU311の入力側には、主制御基板301に設けられた停電監視回路303、払出制御装置242に設けられた払出制御基板322及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路303には電源及び発射制御基板321が接続されており、CPU311(主制御回路302)には停電監視回路303を介して電力が供給される。
一方、CPU311の出力側には、停電監視回路303、払出制御基板322及び中継端子板323が接続されている。払出制御基板322には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板323を介して主制御回路302から音声ランプ制御装置143に設けられた音声ランプ制御基板324に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路303は、主制御回路302と電源及び発射制御基板321とを中継し、また電源及び発射制御基板321から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。そして、この電圧が22ボルト未満になると電源遮断の発生と判断し、主制御回路302に対して停電信号を送信する。主制御回路302では、この停電信号の入力を確認することにより、その確認結果に基づいて後述する停電時処理(電断時処理)を実行する。
払出制御基板322は、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU331は、そのCPU331により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM332と、ワークメモリ等として使用されるRAM333とを備えている。
払出制御基板322のRAM333は、主制御回路302のRAM313と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御基板321からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
払出制御基板322のCPU331には、入出力ポートが設けられている。CPU331の入力側には、主制御回路302、電源及び発射制御基板321、及び裏パック基板229が接続されている。また、CPU331の出力側には、主制御回路302及び裏パック基板229が接続されている。
電源及び発射制御基板321は、電源部321aと発射制御部321bとを備えている。電源部321aは、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御回路302や払出制御基板322等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて主制御回路302や払出制御基板322等に対して供給する。その概要としては、電源部321aは、裏パック接続基板229を介して供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電力、ロジック用の+5V電力などを生成し、これら+12V電力、+5V電力を主制御回路302や払出制御基板322等に対して供給する。
発射制御部321bは、遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作にしたがって遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
また、電源及び発射制御基板321には、電断時用電源手段としてデータ記憶保持用コンデンサ321cが搭載されている。データ記憶保持用コンデンサ321cには、電源部321aが接続されており、パチンコ機10の電源がON状態の場合(外部電源からの電力供給が行われている場合)には充電される。また、データ記憶保持用コンデンサ321cは主制御回路302におけるCPU311のVBB端子に接続されており、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合や商用電源における停電発生時等といった電源遮断状態(外部電源からの電力供給が遮断されている場合)では、データ記憶保持用コンデンサ321cから放電されRAM313に対してデータ記憶保持用電力が供給される。よって、かかる状況であっても、データ記憶保持用コンデンサ321cからデータ記憶保持用電力が供給されている間はRAM313に記憶されたデータが消去されることなく保持される。
ちなみに、データ記憶保持用コンデンサ321cに充電された電力は主制御回路302のRAM313やその他のRAMにおいてデータを記憶保持するために用いられ、電動アクチュエータなどの機器を動作させるためには用いられない。また、データ記憶保持用コンデンサ321cの容量は比較的大きく確保されており、電源遮断前にRAM313に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。また、電断時用電源手段は、データ記憶保持用コンデンサに限定されることはなく、バッテリや非充電式電池などであってもよい。非充電式電池の場合、パチンコ機10の電源がON状態の際に電断時用電源手段への蓄電を行う必要はないが、定期的に交換する必要が生じる。
また、電源及び発射制御基板321には、上記データ記憶保持用コンデンサ321cとは異なる停電時処理用コンデンサが設けられている。電源及び発射制御基板321では、直流安定24ボルトの電源が22ボルト未満になった後においても、停電時処理用コンデンサから放電することにより、後述する停電時処理の実行に十分な時間の間、制御系の駆動電源である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。これにより、主制御回路302などは、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
音声ランプ制御基板324は、各種ランプ部23〜25やスピーカ部26、及び表示制御装置325を制御するものである。演算装置であるCPU341は、そのCPU341により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM342と、ワークメモリ等として使用されるRAM343とを備えている。
音声ランプ制御基板324のCPU341には入出力ポートが設けられている。CPU341の入力側には中継端子板323に中継されて主制御回路302が接続されており、主制御回路302から出力される各種コマンドに基づいて、各種ランプ部23〜25、スピーカ部26、及び表示制御装置325を制御する。表示制御装置325は、音声ランプ制御基板324から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置91を制御する。
次に、主制御装置162のCPU311により実行される各制御処理を図28〜図31のフローチャート等を参照しながら説明する。かかるCPU311の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図28は、NMI割込み処理であり、当該処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号が電源監視回路303からCPU311のNMI端子に出力され、CPU311は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。NMI割込み処理では、ステップS101にてRAM313に設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグをセットし、本処理を終了する。その後、後述する通常処理にて停電フラグがセットされていることが確認されることで、停電時処理が実行される。
次に、タイマ割込み処理について図29のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS201では、各種スイッチや払出制御基板322などからの信号読み込み処理を実行する。その後、ステップS202にて前扉枠開放監視処理を実行するとともに、ステップS203にて本体枠開放監視処理を実行する。前扉枠開放監視処理では、第1監視装置251からの入力信号に基づいて、外部電源からの電力供給が行われている状況における前扉枠14の開放の監視に関する処理を実行する。また、本体枠開放監視処理では、第2監視装置252からの入力信号に基づいて、外部電源からの電力供給が行われている状況における前扉枠14の開放の監視に関する処理を実行する。これらの処理については、後に説明する。その後、ステップS204にて始動入賞処理を実行する。
始動入賞処理では、作動口スイッチ154から入力した信号に基づいて、遊技球が作動口84に入賞したか否かを判定する。そして、遊技球が作動口84に入賞している場合には、第1特定ランプ部93及び図柄表示装置91の作動保留球数が上限値未満であることを条件として、その入賞に対して大当たりを発生させるか否かの指標となるカウンタ値のRAM313への格納処理を実行する。当該カウンタ値が大当たりの発生に対応した値である場合には、その入賞に対応した遊技回において大当たりが発生することとなる。つまり、始動入賞処理において、大当たりといった特別遊技状態への移行抽選機能(移行判定手段)が果たされる。
始動入賞処理の後、CPU311は本タイマ割込み処理を一旦終了する。なお、タイマ割込み処理において、大当たりを発生させるか否かの指標となるカウンタ値を更新する処理なども実行するようにしてもよい。
次に、電源投入時のリセットに伴い起動されるメイン処理について、図30のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS301では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、従側の制御基板(払出制御基板322等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS302では、RAM313のアクセスを許可する。
その後、ステップS303では、電源及び発射制御装置243に設けたRAM消去スイッチ247がオンされているか否かを判定し、続くステップS304ではRAM313の停電フラグ格納バッファに停電フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS305ではRAM判定値を算出し、続くステップS306では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。RAM判定値は、例えばRAM313の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM313の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かにより記憶保持されたデータの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ247を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ247が押されていれば、ステップS307〜S310の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS307〜S310の処理に移行する。
ステップS307では、音声ランプ制御装置143に音声ランプ初期化コマンドを出力する。これにより、RAMデータの初期化やRAM判定値により記憶保持されたデータの異常等が報知される。続くステップS308では、従側の制御基板となる払出制御基板322等を初期化するために、払出初期化コマンド等を出力する。続くステップS309ではRAM313の使用領域を0にクリアし、ステップS310ではRAM313の初期化処理を実行する。その後、ステップS311にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ247が押されていない場合には、停電フラグが格納されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、ステップS312に進む。ステップS312では、停電フラグ格納バッファに格納されている停電フラグをクリアする。続くステップS313では、従側の制御基板を電源遮断前の遊技状態に復帰させるための復電コマンドを出力する。その後、ステップS314〜ステップS318の復電時用開放監視処理を実行する。当該復電時用開放監視処理については後に詳細に説明する。その後、ステップS311にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。これにより、電源遮断前の状態に復帰する。
次に、通常処理について、図31のフローチャートを用いて説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。
通常処理において、ステップS401では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データを従側の各制御基板に出力する。具体的には、後述するコマンド設定処理にてセットされたコマンドを払出制御基板322等に対して出力する。また、図柄表示装置91による第1図柄の変動表示に際して停止図柄コマンド、変動態様コマンド等を音声ランプ制御装置143に出力する。
続くステップS402では、第1特定ランプ部93に表示される色の切り替えを行うための第1特定ランプ部制御処理を実行する。第1特定ランプ部制御処理では、大当たり判定や第1特定ランプ部93に配設されたLEDランプの光源スイッチのオンオフ制御などが行われる。そして、第1特定ランプ制御処理では、始動入賞処理にて格納されたカウンタ値に基づいて大当たりを発生させると判定した場合、遊技状態を大当たり状態に移行させる。つまり、第1特定ランプ制御処理において、特別遊技状態への移行機能(移行手段)が果たされる。なお、第1特定ランプ部制御処理において、図柄表示装置91による第1図柄の変動表示の設定も行われる。
第1特定ランプ部制御処理の後は、ステップS403にて大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大当たり状態である場合において可変入賞装置83の大入賞口を開放又は閉鎖する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。この規定数だけ入賞したか否かの判定は、上述した大入賞口用カウンタを確認することにより行われる。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。つまり、大入賞口開閉処理において、特別遊技状態の進行機能(進行手段)が果たされる。
その後、ステップS404では、第2特定ランプ部94に表示される色の切り替え処理を行うための第2特定ランプ部制御処理を実行する。第2特定ランプ制御処理では、ゲート保留球数が1以上であることを条件に第2特定ランプ部94における表示色の切り換えを開始する。この際、表示色の切り換え時間も設定する。そして、作動口84に付随する電動役物を所定時間開放する場合には、第2特定ランプ部94において所定の色の停止表示が行われる。
ステップS404の後は、ステップS405にて、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御基板321の発射制御部321bから発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、発射レール112上にある遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。ちなみに、発射許可信号は、CPU311における入力ポート311以外の入力ポートに入力されており、当該遊技球発射制御処理にてその入力ポートに発射許可信号があるか否かを確認する。
続くステップS406では、RAM313内に設けられた停電フラグ格納バッファに停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS407にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。所定時間が経過していない場合には、ステップS406に戻り、所定時間が経過している場合には、ステップS401に戻る。
一方、ステップS406にて、停電フラグが格納されている場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS408以降の停電時処理を実行する。つまり、ステップS408では、タイマ割込み処理の発生を禁止する。続くステップS409では、電断時更新処理を実行する。この電断時更新処理については、後に説明する。その後、ステップS410にて電源が遮断されたことを示す停電コマンドを他の制御基板に対して出力する。そして、ステップS411にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS412にてRAM313のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。なお、電源が完全に遮断された後も、電源及び発射制御基板321のデータ記憶保持用コンデンサ321cからデータ記憶保持用電力が供給されるため、電源遮断前にRAM313に記憶されていた情報はそのままの状態で所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
次に、前扉枠14及び遊技機主部12の開放の監視に関する電気的構成について、図32のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置162には、第1監視装置251及び第2監視装置252が電気的に接続されている。第1監視装置251及び第2監視装置252では、既に説明したように、パチンコ機10の電源投入中又は電源遮断中であるかに関係なく、前扉枠14又は遊技機主部12が開閉操作される毎に検知状態が変更され、パチンコ機10の電源投入中においてその検知状態の情報が主制御装置162に入力される。
主制御装置162のCPU311では、第1監視装置251及び第2監視装置252から入力した信号に基づいて、各監視装置251,252の検知状態を把握する。この場合、CPU311のRAM313には、前扉枠用格納エリア313a及び本体枠用格納エリア313bが設けられている。そして、電源投入中において把握した第1監視装置251の検知状態は前扉枠用格納エリア313aに格納され、電源投入中において把握した第2監視装置252の検知状態は本体枠用格納エリア313bに格納される。RAM313は、上記のとおりパチンコ機10の電源遮断中においてもデータ記憶保持用の電力が供給され、データの記憶保持が行われる構成であるため、電源遮断時に各検知状態格納エリア313a,313bに格納されていた検知状態は、データ記憶保持用の電力が供給されている範囲において記憶保持される。CPU311では、各監視装置251,252から入力する検知状態の情報に基づいて、電源投入中及び電源遮断中に前扉枠14及び遊技機主部12の開放が行われたか否かを判定し、その判定結果に基づいて特定出力処理を実行する。
次に、前扉枠14及び遊技機主部12の開放に関して、主制御装置162のCPU311により実行される各制御処理を説明する。
先ず、タイマ割込み処理(図29)にて実行される処理について説明する。
タイマ割込み処理におけるステップS201の信号読み込み処理において、第1監視装置251及び第2監視装置252から入力した信号(電気信号パターン)の読み込みが行われる。この読み込まれた信号の情報は、CPU311のレジスタに記憶保持される。この場合、CPU311には第1レジスタと第2レジスタとが少なくとも設けられており、第1監視装置251の信号の情報は第1レジスタに記憶保持され、第2監視装置252の信号の情報は第2レジスタに記憶保持される。これは、CPU311のレジスタに関する以下の説明においても同様である。続くステップS202では、外部電源からの電力供給が行われている状況における第1監視装置251を介した前扉枠14の監視処理として前扉枠開放監視処理を実行する。
ここで、前扉枠開放監視処理について図33のフローチャートを用いて説明する。
前扉枠開放監視処理では、先ずステップS501にて比較処理を実行する。比較処理では、上記信号読み込み処理にてCPU311のレジスタに記憶した検知状態の情報と、RAM313の前扉枠用格納エリア313aに格納されている検知状態の情報とを比較する。続くステップS502では比較処理にて比較した各検知状態が一致しているか否かを判定する。その結果、一致している場合には、そのまま本前扉枠開放監視処理を終了する。
一方、一致していない場合には、前扉枠14が本体枠13に対して開放されたことを意味する。つまり、既に説明したように第1監視装置251を含めた監視装置250は、閉鎖状態にある開閉体(すなわち、前扉枠14又は遊技機主部12)が開放操作されたことに基づいて検知状態(待機状態)が当該操作前の状態から変更され、開放状態にある開閉体が閉鎖操作されたとしても検知状態が変更されないようになっている。したがって、第1監視装置251の検知状態が変更されたということは、上記のとおり前扉枠14が本体枠13に対して開放されたことを意味する。
比較した各検知状態が一致していない場合には、外部電源から電力供給が行われている状況で前扉枠14が本体枠13に対して開放操作されたことを報知すべく、ステップS503にて通常時用報知処理を実行する。
通常時用報知処理では、通常時報知用コマンドをセットする。このセットされた通常時用報知コマンドは通常処理(図31)の外部出力処理にて音声ランプ制御装置143に出力される。音声ランプ制御装置143では、スピーカ部26から報知音を出力させ、エラー表示ランプ部24を点灯させ、さらに図柄表示装置91にて報知表示を行わせる。音声ランプ制御装置143では、予め定められた報知時間(報知期間)だけ上記各種報知を継続させた後にそれら各種報知を停止させる。この報知時間としては例えば10secなどが考えられる。
また、通常時用報知処理では、遊技ホールに設けられたホールコンピュータに外部端子板213を介して通常時報知用信号を出力する。この場合、ホールコンピュータでは通常時報知用信号をパチンコ機10から入力した日時やパチンコ機10の台番号といった識別情報を履歴として記憶する処理や、遊技ホールに設けられた監視カメラを対象となるパチンコ機10に向けるといった処理を実行する。
外部電源から電力供給が行われている状況においては、前扉枠14が閉鎖されたタイミングではなく、前扉枠14が開放されたタイミングで上記のような通常時用報知処理が実行されれば、遊技ホールの管理者等に対して前扉枠14の不正開放に対処させることが可能である。その一方、前扉枠14が開放状態から閉鎖されたタイミングでは第1監視装置251の検知状態が変更されないようになっていることで、不要なタイミングで上記のような報知が実行されてしまうことが防止されている。
なお、通常時用報知処理は、上記のものに限定されることはなく、通常時報知用コマンド又は通常時報知用信号のいずれか一方のみを出力する構成としてもよい。また、通常時報知用コマンドの出力に基づく処理として、スピーカ部26からの報知音の出力、エラー表示ランプ部24の点灯、又は図柄表示装置91での報知表示のうち一部のみを実行する構成としてもよい。
ステップS503にて通常時用報知処理を実行した後は、ステップS504において、最新の検知状態の情報、すなわちCPU311のレジスタに記憶されている検知状態の情報を前扉枠用格納エリア313aに格納した後に、本前扉枠開放監視処理を終了する。
タイマ割込み処理(図29)の説明に戻り、ステップS202にて前扉枠開放監視処理を実行した後は、ステップS203にて、外部電源からの電力供給が行われている状況における第2監視装置252を介した遊技機主部12の監視処理として本体枠開放監視処理を実行する。
本体枠開放監視処理では、信号読み込み処理にて把握した第2監視装置252の検知状態の情報が、RAM313の本体枠用格納エリア313bに格納されている検知状態の情報と異なっている場合に、上記通常時用報知処理を実行するとともに検知状態の情報の更新を実行する。この具体的な処理構成については、前扉枠開放監視処理と同様であるため、ここでは説明を省略する。
なお、前扉枠開放監視処理における通常時用報知処理と本体枠開放監視処理における通常時用報知処理とで、通常時報知用コマンド又は通常時報知用信号の情報形態を異ならせてもよい。この場合、前扉枠14が開放された場合と遊技機主部12が開放された場合とで、パチンコ機10自身又はホールコンピュータにおいて報知の態様を異ならせることができる。
ステップS203にて本体枠開放監視処理を実行した後は、ステップS204にて始動入賞処理を実行した後に本タイマ割込み処理を終了する。当該始動入賞処理については既に説明したとおりである。
次に、通常処理(図31)にて実行される処理について説明する。
通常処理では、NMI割込み処理において停電フラグがセットされた場合、上記のとおりステップS408〜ステップS412の停電時処理を実行する。そして、停電時処理では第1監視装置251及び第2監視装置252に関して、ステップS409にて電断時更新処理を実行する。
電断時更新処理では、図34のフローチャートに示すように、先ずステップS601にて信号読み込み処理を実行する。この信号読み込み処理では、第1監視装置251及び第2監視装置252から入力した信号(電気信号パターン)の読み込みが行われる。そして、この読み込まれた信号の情報は、CPU311のレジスタに記憶保持される。続くステップS602では、前扉枠更新処理を実行する。
前扉枠更新処理は、信号読み込み処理にて把握した第1監視装置251の検知状態の情報が、RAM313の前扉枠用格納エリア313aに格納されている検知状態の情報と異なっている場合に、検知状態の情報の更新を実行する処理である。
当該前扉枠更新処理について詳細には、図35のフローチャートに示すように、先ずステップS701にて比較処理を実行する。比較処理では、上記信号読み込み処理にてCPU311のレジスタに記憶した検知状態の情報と、RAM313の前扉枠用格納エリア313aに格納されている検知状態の情報とを比較する。続くステップS702では比較処理にて比較した各検知状態が一致しているか否かを判定する。その結果、一致している場合には、そのまま本前扉枠更新処理を終了する。一方、一致していない場合には、ステップS703にて、最新の検知状態の情報、すなわちCPU311のレジスタに記憶されている検知状態の情報を、前扉枠用格納エリア313aに格納した後に、本前扉枠更新処理を終了する。
電断時更新処理の説明に戻り、ステップS602にて前扉枠更新処理を実行した後は、ステップS603にて本体枠更新処理を実行する。本体枠更新処理では、信号読み込み処理にて把握した第2監視装置252の検知状態の情報が、RAM313の本体枠用格納エリア313bに格納されている検知状態の情報と異なっている場合に、検知状態の情報の更新を実行する。この具体的な処理内容については、前扉枠更新処理と同様であるため、ここでは説明を省略する。ステップS603にて本体枠更新処理を実行した後に、本電断時更新処理を終了する。
上記のように電断時更新処理が実行されることにより、パチンコ機10の電源が遮断される時点での各監視装置251,252における検知状態の情報のRAM313への記憶が確実に行われる。
次に、メイン処理(図30)にて実行される処理について説明する。
メイン処理では、各監視装置251,252に関して、ステップS314〜ステップS318の復電時用開放監視処理を実行する。
復電時用開放監視処理では、先ずステップS314にて検知状態把握処理を実行する。検知状態把握処理では、ステップS201の信号読み込み処理と同様に、第1監視装置251及び第2監視装置252から入力した信号の読み込みが行われ、この読み込まれた信号の情報は、CPU311のレジスタに記憶保持される。
続くステップS315では、比較処理を実行する。比較処理では、上記検知状態把握処理にてCPU311のレジスタに記憶した第1監視装置251の検知状態と、RAM313の前扉枠用格納エリア313aに格納されている検知状態の情報とを比較する。また、比較処理では、上記検知状態把握処理にてCPU311のレジスタに記憶した第2監視装置252の検知状態の情報と、RAM313の本体枠用格納エリア313bに格納されている検知状態の情報とを比較する。
続くステップS316では、比較処理にて比較した第1監視装置251の各検知状態が一致しているか否かを判定するとともに、第2監視装置252の各検知状態が一致しているか否かを判定する。その結果、両方がそれぞれ一致している場合には、ステップS311にて割込み許可を設定し、通常処理に移行する。いずれか一方でも一致していない場合には、電源遮断中において前扉枠14又は遊技機主部12が開放されたことを意味するため、ステップS317に進む。
ステップS317では、復電時用報知処理を実行する。復電時用報知処理では、音声ランプ制御装置143に復電時報知用コマンドを出力する。これにより、スピーカ部26からの報知音の出力、エラー表示ランプ部24の点灯、及び図柄表示装置91での報知表示が行われる。但し、これらの報知態様は通常時報知用コマンドに基づく報知の態様とは異なっている。また、音声ランプ制御装置143では、状態復帰スイッチ245などといった報知解除操作が行われるまで各種報知を継続させる。つまり、通常時と復電時とでは、報知の態様だけでなく、報知解除の態様も異なっている。なお、これに限定されることはなく、報知の態様や報知解除の態様が通常時と復電時とで同一であってもよい。
また、復電時用報知処理では、遊技ホールに設けられたホールコンピュータに外部端子板213を介して復電時報知用信号を出力する。この場合、ホールコンピュータでは復電時報知用信号をパチンコ機10から入力した日時やパチンコ機10の台番号といった識別情報を履歴として記憶する処理や、遊技ホールに設けられた監視カメラを対象となるパチンコ機10に向けるといった処理を実行する。
上記復電時用報知処理が実行されることにより、電源遮断中に前扉枠14又は遊技機主部12が開放操作されていた場合には、それを遊技ホールの管理者等に報知することができ、仮にそれが不正開放である場合にはそれに対処させることができる。
なお、復電時用報知処理において前扉枠14が開放操作されていた場合と遊技機主部12が開放操作されていた場合とで、電断時報知用コマンド又は電断時開放検知信号の情報形態を異ならせてもよい。この場合、前扉枠14が電源遮断中に開放された場合と遊技機主部12が電源遮断中に開放された場合とで、パチンコ機10自身又はホールコンピュータにおいて報知の態様を異ならせることができ、遊技ホールの管理者等に対して適切に対処させることが可能となる。また、復電時用報知処理は、上記のものに限定されることはなく、復電時報知用コマンド又は復電時報知用信号のいずれか一方のみを出力する構成としてもよい。また、復電時報知用コマンドの出力に基づく処理として、スピーカ部26からの報知音の出力、エラー表示ランプ部24の点灯、又は図柄表示装置91での報知表示のうち一部のみを実行する構成としてもよい。
ステップS317にて復電時用報知処理を実行した後は、ステップS318に進む。ステップS318では、ステップS314においてCPU311のレジスタに記憶されている各監視装置251,252の検知状態の情報のうち、ステップS316にて一致しないと判定された検知状態の情報を、該当する格納エリア313a,313bに格納する。その後、ステップS311にて割込み許可を設定し、通常処理に移行する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
複数段階の検知状態(待機状態)が予め設定されているとともに、前扉枠14が開閉操作されたことに機械的に連動して検知状態が当該開閉操作前の状態から変更される第1監視装置251を設けた。また、主制御装置162では、外部電源からの電力供給が遮断された時点における第1監視装置251の検知状態をRAM313にて記憶するとともに、電力供給が遮断された状況下においてその記憶内容を保持するようにした。そして、外部電源からの電力供給が開始された場合には、RAM313に記憶保持されている検知状態と、電力供給の開始後に把握した検知状態とを比較し、両者が一致しない場合にはその旨の報知を行うようにした。これにより、外部電源からの電力供給が遮断されている状況において前扉枠14が不正に開閉操作されていた場合には、その旨を遊技ホールの管理者等に報知することができ、上記不正行為に対処するよう促すことができる。
複数段階の検知状態(待機状態)が予め設定されているとともに、遊技機主部12が開閉操作されたことに機械的に連動して検知状態が当該開閉操作前の状態から変更される第2監視装置252を設けた。また、主制御装置162では、外部電源からの電力供給が遮断された時点における第2監視装置252の検知状態をRAM313にて記憶するとともに、電力供給が遮断された状況下においてその記憶内容を保持するようにした。そして、外部電源からの電力供給が開始された場合には、RAN313に記憶保持されている検知状態と、電力供給の開始後に把握した検知状態とを比較し、両者が一致しない場合にはその旨の報知を行うようにした。これにより、外部電源からの電力供給が遮断されている状況において遊技機主部12が不正に開放操作されていた場合には、その旨を遊技ホールの管理者等に報知することができ、上記不正行為に対処するよう促すことができる。
また、上記のように、外部電源から電力供給が遮断された時点における各監視装置251,252の検知状態をRAM313に記憶するとともに、電力供給が遮断された状況下においてその記憶内容を保持するようにした。パチンコ機10において外部電源からの電力供給が遮断されるタイミングは不規則であり、各監視装置251,252がいずれの検知状態の場合に電力供給が遮断されるかは予め特定することはできない。この場合に、外部電源からの電力供給が遮断された時点の検知状態の一定化を図ろうとすると、例えば、各監視装置251,252の検知状態に初期検知状態を設定しておくとともに、外部電源からの電力供給が遮断された時点で各監視装置251,252の検知状態を初期検知状態に変更させる必要が生じる。そうすると、各監視装置251,252の構成が複雑化してしまう。これに対して、本実施形態における構成によれば、上記のような各監視装置251,252の構成の複雑化を招くことなく、上記優れた効果を得ることができる。
外部電源からの電力供給が行われている状況では、タイマ割込み処理(図29)において、各監視装置251,252の検知状態を定期的に確認するとともに、その確認した検知状態がRAM313に記憶されている検知状態と異なっている場合には検知状態を更新するようにした。パチンコ機10において外部電源からの電力供給が遮断されるタイミングは不規則であり、各監視装置251,252がいずれの検知状態の場合に電力供給が遮断されるかは予め特定することはできない。この場合に、上記のように検知状態が変更された場合にはRAM313の記憶内容をその変更された検知状態に更新することで、外部電源からの電力供給がいずれのタイミングで遮断されたとしても、その遮断時点における検知状態をRAM313に記憶させておくことができる。
外部電源からの電力供給の開始時に実行されるメイン処理(図30)において、RAM313に記憶されている各検知状態と、電力供給の開始後に把握した各検知状態とを比較する比較処理を実行するとともに、前者と後者とが一致しない場合には報知処理を実行するようにした。これにより、電力供給が遮断されている状況において開閉体(すなわち、前扉枠14や遊技機主部12)が不正に開放操作されていた場合には、電力供給の開始後に迅速に対処することが可能となる。
各監視装置251,252により、外部電源からの電力供給が遮断されている状況だけでなく、外部電源からの電力供給が行われている状況においても開閉体の開放を監視するようにした。つまり、各監視装置251,252は、外部電源からの電力供給が遮断されている状況及び電力供給が行われている状況のいずれにおいても、開閉体の開放を監視する機能を有することとなり、それぞれの機能を別で設ける構成に比して、パチンコ機10の部品点数の削減が図られる。
特に、外部電源からの電力供給が行われている状況における開閉体の開放の監視を、外部電源からの電力供給が遮断されている状況における開閉体の開放を監視するための監視装置251,252の構成をそのまま利用して行うようにしたことにより、外部電源からの電力供給が行われている状況における監視専用の構成を監視装置251,252に付与する場合に比べ、監視装置251,252の構成の簡素化を図りつつ上記優れた効果を得ることができる。
各監視装置251,252において、閉鎖状態にある開閉体が開放操作されたことに基づいて検知状態が当該操作前の状態から変更され、開放状態にある開閉体が閉鎖操作されたとしても検知状態が変更されないようにした。開放状態にある開閉体が閉鎖操作されたとしても検知状態が変更されないようにすることで、パチンコ機10のメンテナンス時などといった開閉体が開放状態である状況で外部電源からの電力供給が遮断されたとしても、その後の閉鎖操作により各監視装置251,252の検知状態がRAM313に記憶された検知状態と異なるものとなってしまうことはない。これにより、上記のように電力供給の遮断中における開閉体の不正な開放操作を監視装置251,252により監視するようにした構成において、パチンコ機10のメンテナンス性の低下を極力抑制することが可能となる。一方、閉鎖状態にある開閉体が開放操作されたことに基づいて各監視装置251,252が操作前の状態から変更されるため、外部電源からの電力供給が遮断された状況において、開閉体の不正な開閉操作を監視することは可能である。
また、各監視装置251,252において、閉鎖状態にある開閉体が開放操作されたことに基づいて検知状態が当該操作前の状態から変更され、開放状態にある開閉体が閉鎖操作されたとしても検知状態が変更されないようにしたことにより、外部電源からの電力供給が行われている状況において開閉体が開放操作された場合にはその事実を開放操作されたタイミング又はその直後において特定することが可能となる。よって、開閉体が不正に開放操作された場合には、その事実を開放操作後の初期段階で報知することが可能となる。
各監視装置251,252がいずれの検知状態にあるかが、各監視装置251,252の外観上、識別不可とした。これにより、不正行為者などに各監視装置251,252の検知状態がいずれであるかが知られてしまうことが防止できる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、監視装置の構成が上記第1の実施形態と異なっている。そこで、その相違点について図36を参照して説明する。図36(a)は自然状態における監視装置400の断面図、図36(b)は押圧状態における監視装置400の断面図である。なお、図36において上記第1の実施形態と同様の構成については同一の番号を付すとともにその説明を省略する。
図36(a)に示すように、本実施形態の監視装置400は、上記第1の実施形態と異なり、回転軸体261は無底の略筒状をなしている。この回転軸体261の貫通孔401に挿通させて開放センサ402が設けられている。開放センサ402は、土台用ケース体254上に固定されており、回転軸体261の軸部261bの先端から出没可能なピン403を有している。なお、開放センサ402は回転軸体261と干渉しないように設けられており、開放センサ402により回転軸体261の回転移動が阻害されることはない。
上記構成では、図36(b)に示すように、プッシャ266が押圧され最大押圧位置にある場合、開放センサ402のピン403が押し込まれて開閉体の閉鎖が検知され、開閉体を開放した状態では、図36(a)に示すように、ピン403が突出位置に戻って開閉体の開放が検知されるようになっている。そして、開放センサ402は、主制御装置162と電気的に接続されており、検知結果は主制御装置162に対して出力される。なお、この検知結果の出力は、コネクタ292を通じて検知装置258における検知結果とまとめて行われる。
上記監視装置400を前扉枠14の第1監視装置251として適用することにより、上記第1の実施形態と同様に、第1監視装置251では電源遮断中の前扉枠14の不正開放を監視する機能だけでなく、電源投入中において前扉枠14が開放状態か否かを検知する機能も果たされる。
また、上記監視装置400を遊技機主部12(又は本体枠13)の第2監視装置252として適用することにより、上記第1の実施形態と同様に、第2監視装置252では電源遮断中の遊技機主部12の不正開放を監視する機能だけでなく、電源投入中において遊技機主部12が開放状態か否かを検知する機能も果たされる。
但し、本構成においては、監視装置251,252に開放センサ402を内蔵させる必要がある点で、上記第1の実施形態よりも監視装置251,252の構成が複雑化する。この点、上記第1の実施形態における構成の方が好ましい。
(第3の実施形態)
以下、スロットマシンに関する第3の実施形態を、図面に基づいて説明する。図37はスロットマシン410の前面扉412を開いた状態の斜視図である。
図37に示すように、スロットマシン410は前方に開放した箱状の筐体411と、筐体411の前面側に開閉可能に取り付けられた前面扉412とを備えている。前面扉412には表示窓413が形成されており、当該表示窓413を通じて筐体411の内部に設けられた絵柄表示装置としてのリールユニット414による図柄の可変表示が視認可能となっている。当該リールユニット414における図柄の可変表示は、前面扉412の前面に設けられた図示しないスタートレバーが操作されたことに基づいて開始され、同じく前面扉412の前面に設けられた図示しないストップスイッチが操作されたことに基づいて停止される。また、前面扉412にはその裏面に表示制御装置415が設置されている。表示制御装置415は前面扉412に設けられたスピーカ、ランプ、補助表示部等の駆動制御を行う機能を有している。
筐体411内においてリールユニット414の上方には、主制御装置416が設置されている。当該主制御装置416による制御に基づいてリールユニット414において図柄の可変表示が行われるとともに、表示制御装置415におけるスピーカ等の駆動制御が行われる。また、主制御装置416は、入賞役の抽選等といった当否判定機能を有しており、リールユニット414における遊技結果が当否判定結果と一致することで遊技者に特典が付与される。また、筐体411内には、主制御装置162などに電力を供給する電源装置417が設けられている。
上記スロットマシン410においては、パチンコ機10と同様に、電源遮断中や電源投入中において前面扉412を不正に開放する行為が想定される。これに対して、筐体411には上記第1の実施形態と同様の監視装置250が設置されている。監視装置250は、前面扉412の開放状態では自然状態にあり、前面扉412の閉鎖状態では押圧状態にある。そして、電源遮断中及び電源投入中のいずれにおいても前面扉412の開閉操作が行われることで、監視装置250の検知状態が変更される。
本構成によれば、電源遮断中や電源投入中において前面扉412が開放されたとしても、監視装置250の検知状態が変更されることで、主制御装置416などにおいてそれを把握することができる。よって、上記不正行為に対処することができる。なお、スロットマシン410においては、電源遮断中や電源投入中において前面扉412を不正に開放し、主制御装置416を不正な制御装置に交換するといった主制御装置416に対する不正行為が想定される。当該不正行為に対しては、監視装置250を表示制御装置415や監視装置250専用の制御装置と電気的に接続し、その電気的に接続した制御装置において監視装置250の監視処理を行うことで、上記主制御装置416に対する不正行為に対処することができる。
(第4の実施形態)
本実施形態では、前扉枠開放監視処理及び本体枠開放監視処理の処理構成が上記第1の実施形態と異なっている。具体的には、上記第1の実施形態では、電源遮断中に前扉枠14や遊技機主部12が開放操作されたか否かの判定をメイン処理にて行う構成としたが、本実施形態では、電源遮断中に前扉枠14や遊技機主部12が開放操作されたか否かの判定を、タイマ割込み処理における前扉枠開放監視処理及び本体枠開放監視処理にて行う。そこで、その相違する処理構成について以下に説明する。但し、前扉枠開放監視処理と本体枠開放監視処理とは処理構成が同一であるため、前扉枠開放監視処理のみについて説明し、本体枠開放監視処理についてはその説明を省略する。
図38は本実施形態における前扉枠開放監視処理を示すフローチャートである。
図38に示すように、先ずステップS801にて比較処理を実行する。比較処理では、タイマ割込み処理(図29)の信号読み込み処理にてCPU311のレジスタに記憶した検知状態の情報と、RAM313の前扉枠用格納エリア313aに格納されている検知状態の情報とを比較する。続くステップS802では比較処理にて比較した各検知状態が一致しているか否かを判定する。その結果、一致している場合には、ステップS803〜ステップS806の開放検知時処理を実行することなく、ステップS807に進む。一方、一致していない場合には、ステップS803〜ステップS806の開放検知時処理を実行する。
開放検知時処理では、先ずステップS803にてRAM313の復電後フラグ格納エリアに復電後フラグが格納されているか否かを判定する。この復電後フラグは、電源の立ち上げに際して格納されるフラグであり、当該復電後フラグが格納されている状況というのは復電後の最初の前扉枠開放監視処理であることを意味する。当該復電後フラグは、具体的にはメイン処理(図30)の開始時などに格納される。
開放検知時処理が実行されている場合であって復電後フラグが格納されている場合は、電源遮断中に前扉枠14が開放操作されたことを意味するため、ステップS804に進み、復電時用報知処理を実行する。当該復電時用報知処理の具体的な内容は上記第1の実施形態にて説明したとおりであるため、ここでは説明を省略する。当該復電時用報知処理が実行されることにより、電源遮断中に前扉枠14が開放操作されていたことを遊技ホールの管理者等に報知することができ、仮にそれが不正開放である場合にはそれに対処させることができる。
一方、開放検知時処理が実行されている場合であって復電後フラグが格納されていない場合は、外部電源から電力供給が行われている状況において前扉枠14が開放操作されたことを意味するため、ステップS805に進み、通常時用報知処理を実行する。当該通常時用報知処理の具体的な内容は上記第1の実施形態にて説明したとおりであるため、ここでは説明を省略する。当該通常時用報知処理が実行されることにより、外部電源から電力供給が行われている状況において前扉枠14が開放操作されたことを遊技ホールの管理者等に報知することができ、仮にそれが不正開放である場合にはそれに対処させることができる。
ステップS804又はステップS805の処理を実行した後は、ステップS806に進む。ステップS806では、最新の検知状態の情報、すなわちCPU311のレジスタに記憶されている検知状態の情報を前扉枠用格納エリア313aに格納した後に、ステップS807に進む。
ステップS807では、RAM313の復電後フラグ格納エリアに復電後フラグが格納されているか否かを判定する。復電後フラグが格納されていない場合には、そのまま本前扉枠開放監視処理を終了する。一方、復電後フラグが格納されている場合には、ステップS808にて復電後フラグ格納エリアから復電後フラグを消去した後に本前扉枠開放監視処理を終了する。
以上のように本実施形態では、電源の立ち上げ処理であるメイン処理において復電時用開放監視処理を実行するのではなく、タイマ割込み処理において通常時用開放監視処理とともに復電時用開放監視処理を実行するようにした。これにより、メイン処理の処理時間に極力影響を及ぼすことなく、復電時用開放監視処理を実行することが可能となる。
ちなみに、CPU311の通常処理における停電時処理(電断時処理)において電断時更新処理を実行しないようにしてもよい。当該構成であっても、上記のとおりタイマ割込み処理において定期的に第1監視装置251の検知状態が確認され、検知状態が変更されている場合にはその更新処理が実行されるため、電断時における第1監視装置251の検知状態をRAM313において記憶しておくことは可能である。本構成によれば、停電時処理の処理時間に影響を及ぼすこなく、電断時における第1監視装置251の検知状態をRAM313に記憶させることが可能となる。これは第2監視装置252についても同様である。
(第5の実施形態)
本実施形態では、第1監視装置251及び第2監視装置252の構成と、これら監視装置251,252に関する主制御装置162のCPU431における処理構成が異なっている。そこで、これら相違する構成について以下に説明する。
先ず監視装置420の構成について図39〜図41を用いて説明する。
図39に示すように、監視装置420は上記第1の実施形態における監視装置250と同様にハウジング256を備えており、当該ハウジング256に対してプッシャ266やコネクタ292が取り付けられている。また、ハウジング256には、検知装置258、回転軸体261、円盤262、第1バネ263、回転子264及び第2バネ265が内蔵されている。
但し、本実施形態における監視装置420は、ケース側リブ277、ケース側カム溝278、回転子側カム溝284及び回転子側リブ285の数が上記第1の実施形態の半分となっており、代わりに、ケース側リブ277、ケース側カム溝278、回転子側カム溝284及び回転子側リブ285の幅寸法は上記第1の実施形態の倍となっている。また、これに対応させて、回転子側カム部289の山部289a及びプッシャ側カム部290の山部290aの数が上記第1の実施形態の半分となっているとともに、幅寸法は上記第1の実施形態の倍となっている。
これに対して、検知装置258の構成及び円盤262の構成は上記第1の実施形態と同様となっている。つまり、円盤262は上記第1の実施形態と同一の数の待機位置を有しているとともに、図23に示すように各待機位置に対応させて被検知部298aが形成されている。また、検知装置258はベース金属端子294eを含めて5つの金属端子294a〜294eを有している(図22参照)。
上記構成の監視装置420は、上記第1の実施形態における監視装置250と異なり、開閉体が閉鎖状態から開放操作された場合だけでなく、開放状態から閉鎖操作された場合にも検知状態(待機状態)が変更されることとなる。つまり、図40に示すように、円盤262は第1開放待機位置、第1閉鎖待機位置、第2開放待機位置、第2閉鎖待機位置、・・・を有し、これら各待機位置と1対1で対応して検知装置258において導通される金属端子294a〜294eの組合せが異なっている。つまり、円盤262は複数の開放待機位置と複数の閉鎖待機位置とを有しており、これら各待機位置と1対1で対応して検知装置258には検知状態が設定されている。そして、図41に示すように、プッシャ266が自然状態から最大押圧位置に移動するまでの途中のタイミング、及びプッシャ266が最大押圧位置から自然状態に移動するまでの途中のタイミングのそれぞれにおいて、検知装置258(すなわち、監視装置420)から主制御装置162に出力される検知信号パターンが変更されることとなる。
次に、上記監視装置420の構成が反映された第1監視装置251及び第2監視装置252を用いた前扉枠14及び遊技機主部12の開放の監視に関する電気的構成について、図42のブロック図に基づいて説明する。
第1監視装置251及び第2監視装置252は上記第1の実施形態と同様に、主制御装置162に接続されている。主制御装置162のCPU431では、第1監視装置251及び第2監視装置252から入力した信号に基づいて、各監視装置251,252の検知状態(待機状態)を把握する。
CPU431のRAM(揮発性記憶手段)433には、上記第1の実施形態と同様に、前扉枠用格納エリア441及び本体枠用格納エリア442が設けられている。
CPU431のROM(不揮発性記憶手段)432には、上記第1の実施形態と異なり、前扉枠用記憶エリア443及び本体枠用記憶エリア444が設けられている。これら前扉枠用記憶エリア443及び本体枠用記憶エリア444には、それぞれ開放情報記憶エリア(開放情報記憶部)443a,444aと閉鎖情報記憶エリア(閉鎖情報記憶部)443b,444bとが設けられている。開放情報記憶エリア443a,444aには対応する監視装置251,252の円盤262が開放待機位置にある場合の各検知状態の情報が予め記憶されており、閉鎖情報記憶エリア443b,444bには対応する監視装置251,252の円盤262が閉鎖待機位置にある場合の各検知状態の情報が予め記憶されている。
つまり、本実施形態では、CPU431のROM432には、開閉体が開放状態にある場合における監視装置420の全検知状態の情報と、開閉体が閉鎖状態にある場合における監視装置420の全検知状態の情報とが予め記憶されており、CPU431では監視装置420から入力した検知状態の情報により開閉体が開放状態又は閉鎖状態のいずれにあるかの特定を行えるようになっている。
次に、本実施形態のCPU431における処理構成について説明する。
先ず本実施形態におけるタイマ割込み処理について図43のフローチャートを用いて説明する。
タイマ割込み処理では、先ずステップS901にて信号読み込み処理を実行する。この信号読み込み処理では、各種スイッチや払出制御基板322などからの信号読み込みを実行する。また、各種スイッチの一部として、第1監視装置251及び第2監視装置252からの信号読み込みを実行する。続くステップS902では、外部電源からの電力供給が行われている状況における第1監視装置251を介した前扉枠14の監視処理として前扉枠開放監視処理を実行する。
ここで、前扉枠開放監視処理について図44のフローチャートを用いて説明する。
前扉枠開放監視処理では、先ずステップS1001にて、RAM433に設けられた開放中フラグ格納エリアに開放中フラグが格納されているか否かを判定する。開放中フラグは前扉枠14が開放状態であるか否かをCPU431において特定するためのフラグであり、後述するステップS1003の処理にて格納されるとともに、ステップS1005の処理にて消去される。
開放中フラグが格納されていない場合にはステップS1001にて否定判定をし、ステップS1002〜ステップS1003の閉鎖時用処理を実行する。一方、開放中フラグが格納されている場合にはステップS1001にて肯定判定をし、ステップS1004〜ステップS1005の開放時用処理を実行する。
閉鎖時用処理では、先ずステップS1002にて、上記信号読み込み処理にてCPU431のレジスタに記憶した検知状態の情報と、ROM432の前扉枠用記憶エリア443における開放情報記憶エリア443aに記憶されている各情報とを比較する。開放情報記憶エリア443aに一致する情報が1つも存在しない場合には、前扉枠14が閉鎖状態に維持されていることを意味するため、そのままステップS1006に進む。開放情報記憶エリア443aに一致する情報が存在している場合には、前扉枠14が開放操作されたことを意味するため、ステップS1003に進む。
ステップS1003では、通常時用報知処理を実行する。通常時用報知処理では、開放検知コマンドをセットする。このセットされた開放検知コマンドは通常処理(図31)の外部出力処理にて音声ランプ制御装置143に出力される。音声ランプ制御装置143では、スピーカ部26から報知音を出力させ、エラー表示ランプ部24を点灯させ、さらに図柄表示装置91にて報知表示を行わせる。これらの各種報知はステップS1005にてセットされる閉鎖検知コマンドを入力するまで継続される。また、通常時用報知処理では、遊技ホールに設けられたホールコンピュータに外部端子板213を介して開放検知信号を出力する。この場合、ホールコンピュータでは開放検知信号をパチンコ機10から入力した日時やパチンコ機10の台番号といった識別情報を履歴として記憶する処理や、遊技ホールに設けられた監視カメラを対象となるパチンコ機10に向けるといった処理を実行する。さらにまた、通常時用報知処理では、RAM433の開放中フラグ格納エリアに開放中フラグを格納する。
開放時用処理では、先ずステップS1004にて、上記信号読み込み処理においてCPU431のレジスタに記憶した検知状態の情報と、ROM432の前扉枠用記憶エリア443における閉鎖情報記憶エリア443bに記憶されている各情報とを比較する。閉鎖情報記憶エリア443bに一致する情報が1つも存在しない場合には、前扉枠14が開放状態に維持されていることを意味するため、そのままステップS1006に進む。閉鎖情報記憶エリア443bに一致する情報が存在している場合には、前扉枠14が開放操作されたことを意味するため、ステップS1005に進む。
ステップS1005では、報知解除処理を実行する。報知解除処理では、閉鎖検知コマンドをセットする。このセットされた閉鎖検知コマンドは通常処理(図31)の外部出力処理にて音声ランプ制御装置143に出力される。音声ランプ制御装置143では、閉鎖検知コマンドを入力することに基づいて、スピーカ部26、エラー表示ランプ部24及び図柄表示装置91において継続させていた各種報知を終了させる。また、報知解除処理では、遊技ホールに設けられたホールコンピュータに外部端子板213を介して閉鎖検知信号を出力する。この場合、ホールコンピュータでは閉鎖検知信号をパチンコ機10から入力した日時やパチンコ機10の台番号といった識別情報を履歴として記憶する処理や、対象となるパチンコ機10に監視カメラを向けさせた状態を解除するといった処理を実行する。さらにまた、報知解除処理では、RAM433の開放中フラグ格納エリアに格納されている開放中フラグを消去する。
上記のように通常時用報知処理及び報知解除処理が実行されることにより、外部電源から電力供給が行われている状況において前扉枠14が開放状態にある間はパチンコ機10自身及びホールコンピュータにてその旨の報知が継続されることとなる。これにより、前扉枠14が開放状態であることを遊技ホールの管理者等に報知することができ、仮にそれが不正開放である場合にはそれに対処させることができる。
なお、通常時用報知処理は、上記のものに限定されることはなく、通常時報知用コマンド又は通常時報知用信号のいずれか一方のみを出力する構成としてもよい。また、通常時報知用コマンドの出力に基づく処理として、スピーカ部26からの報知音の出力、エラー表示ランプ部24の点灯、又は図柄表示装置91での報知表示のうち一部のみを実行する構成としてもよい。
ステップS1002〜ステップS1003の閉鎖時用処理又はステップS1004〜ステップS1005の開放時用処理のいずれかを実行した後は、ステップS1006にて比較処理を実行する。
比較処理では、上記信号読み込み処理にてCPU431のレジスタに記憶した検知状態の情報と、RAM433の前扉枠用格納エリア441に格納されている検知状態の情報とを比較する。続くステップS1007では比較処理にて比較した各検知状態が一致しているか否かを判定する。その結果、一致している場合には、そのまま本前扉枠開放監視処理を終了する。一方、一致していない場合には、ステップS1008において、最新の検知状態の情報、すなわちCPU431のレジスタに記憶されている検知状態の情報を前扉枠用格納エリア441に格納した後に、本前扉枠開放監視処理を終了する。
タイマ割込み処理(図43)の説明に戻り、ステップS902にて前扉枠開放監視処理を実行した後は、ステップS903にて、外部電源からの電力供給が行われている状況における第2監視装置252を介した遊技機主部12の監視処理として本体枠開放監視処理を実行する。
本体枠開放監視処理では、信号読み込み処理にて把握した第2監視装置252の検知状態の情報と、ROM432の本体枠用記憶エリア444における開放情報記憶エリア444aや閉鎖情報記憶エリア444bに記憶された情報とを用いて、遊技機主部12が開放状態であるか否かを特定し、遊技機主部12が開放状態である場合には上記通常時用報知処理を実行する。また、信号読み込み処理にて把握した第2監視装置420の検知状態の情報が、RAM433の本体枠用格納エリア442に格納されている検知状態の情報と異なっている場合に、検知状態の情報の更新を実行する。これらの具体的な処理構成については、前扉枠開放監視処理と同様であるため、ここでは説明を省略する。
なお、前扉枠開放監視処理における通常時用報知処理と本体枠開放監視処理における通常時用報知処理とで、通常時報知用コマンド又は通常時報知用信号の情報形態を異ならせてもよい。この場合、前扉枠14が開放された場合と遊技機主部12が開放された場合とで、パチンコ機10自身又はホールコンピュータにおいて報知の態様を異ならせることができる。
ステップS903にて本体枠開放監視処理を実行した後は、ステップS904にて始動入賞処理を実行した後に本タイマ割込み処理を終了する。当該始動入賞処理については、上記第1の実施形態にて説明したとおりであるため、ここでは説明を省略する。
次に、本実施形態におけるメイン処理について図45のフローチャートを用いて説明する。
メイン処理では、ステップS1101にて初期設定処理を実行し、ステップS1102にてRAM433のアクセスを許可し、ステップS1103にてRAM消去スイッチ247がオンされているか否かを判定し、ステップS1104にて停電フラグが格納されているか否かを判定し、ステップS1105にてRAM判定値を算出し、ステップS1106にてそのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否かを判定する。これらの処理については、上記第1の実施形態におけるステップS301〜ステップS306にて説明したとおりである。
ステップS1103で肯定判定した場合、ステップS1104にて否定判定した場合又はステップS1106にて否定判定した場合には、ステップS1107〜ステップS1110の処理に移行する。
ステップS1107では、音声ランプ制御装置143に音声ランプ初期化コマンドを出力する。これにより、RAMデータの初期化やRAM判定値により記憶保持されたデータの異常等が報知される。また、ステップS1108〜ステップS1110では、上記第1の実施形態におけるステップS313〜ステップS315と同様の処理を実行する。その後、ステップS1111にて割込み許可を設定し、通常処理に移行する。
一方、ステップS1103で否定判定した場合、ステップS1104にて肯定判定した場合又はステップS1106にて肯定判定した場合には、ステップS1112にて停電フラグをクリアし、ステップS1113にて復電コマンドを出力した後に、ステップS1114〜ステップS1118の復電時用開放監視処理を実行する。
復電時用開放監視処理では、先ずステップS1114にて検知状態把握処理を実行する。検知状態把握処理では、ステップS901の信号読み込み処理と同様に、第1監視装置251及び第2監視装置252から入力した信号の読み込みが行われ、この読み込まれた信号の情報は、CPU431のレジスタに記憶保持される。
続くステップS1115では、比較処理を実行する。比較処理では、上記検知状態把握処理にてCPU431のレジスタに記憶した第1監視装置251の検知状態と、RAM433の前扉枠用格納エリア441に格納されている検知状態の情報とを比較する。また、比較処理では、上記検知状態把握処理にてCPU431のレジスタに記憶した第2監視装置252の検知状態の情報と、RAM433の本体枠用格納エリア442に格納されている検知状態の情報とを比較する。
続くステップS1116では、比較処理にて比較した第1監視装置251の各検知状態が一致しているか否かを判定するとともに、第2監視装置252の各検知状態が一致しているか否かを判定する。その結果、両方がそれぞれ一致している場合には、ステップS1111にて割込み許可を設定し、通常処理に移行する。いずれか一方でも一致していない場合には、電源遮断中において前扉枠14又は遊技機主部12が開放されたことを意味するため、ステップS1117に進む。
ステップS1117では、復電時用報知処理を実行する。復電時用報知処理では、音声ランプ制御装置143に復電時報知用コマンドを出力する。これにより、スピーカ部26からの報知音の出力、エラー表示ランプ部24の点灯、及び図柄表示装置91での報知表示が行われる。但し、これらの報知態様は通常時報知用コマンドに基づく報知の態様とは異なっている。また、音声ランプ制御装置143では、状態復帰スイッチ245などといった報知解除操作が行われるまで各種報知を継続させる。つまり、通常時と復電時とでは、報知の態様だけでなく、報知解除の態様も異なっている。
また、復電時用報知処理では、遊技ホールに設けられたホールコンピュータに外部端子板213を介して復電時報知用信号を出力する。この場合、ホールコンピュータでは復電時報知用信号をパチンコ機10から入力した日時やパチンコ機10の台番号といった識別情報を履歴として記憶する処理や、遊技ホールに設けられた監視カメラを対象となるパチンコ機10に向けるといった処理を実行する。
上記復電時用報知処理が実行されることにより、電源遮断中に前扉枠14又は遊技機主部12が開放操作されていた場合には、それを遊技ホールの管理者等に報知することができ、仮にそれが不正開放である場合にはそれに対処させることができる。
なお、復電時用報知処理において前扉枠14が開放操作されていた場合と遊技機主部12が開放操作されていた場合とで、電断時報知用コマンド又は電断時開放検知信号の情報形態を異ならせてもよい。この場合、前扉枠14が電源遮断中に開放された場合と遊技機主部12が電源遮断中に開放された場合とで、パチンコ機10自身又はホールコンピュータにおいて報知の態様を異ならせることができ、遊技ホールの管理者等に対して適切に対処させることが可能となる。また、復電時用報知処理は、上記のものに限定されることはなく、復電時報知用コマンド又は復電時報知用信号のいずれか一方のみを出力する構成としてもよい。また、復電時報知用コマンドの出力に基づく処理として、スピーカ部26からの報知音の出力、エラー表示ランプ部24の点灯、又は図柄表示装置91での報知表示のうち一部のみを実行する構成としてもよい。
ステップS1117にて復電時用報知処理を実行した後は、ステップS1118に進む。ステップS1118では、ステップS1114においてCPU431のレジスタに記憶されている各監視装置251,252の検知状態の情報のうち、ステップS1116にて一致しないと判定された検知状態の情報を、該当する格納エリア441,442に格納する。その後、ステップS1111にて割込み許可を設定し、通常処理に移行する。
以上詳述した本実施形態によれば上記第1の実施形態と同様に、第1監視装置251及び第2監視装置252により、外部電源からの電力供給が遮断されている状況だけでなく、外部電源からの電力供給が行われている状況においても前扉枠14や遊技機主部12の開放を監視することができる。
また、上記第1の実施形態では、外部電源から電力供給が行われている状況において前扉枠14や遊技機主部12が開放操作されたタイミングのみが監視装置251,252を介して特定される構成であったが、本実施形態では前扉枠14や遊技機主部12が開放状態であることが監視装置251,252を介して特定される。よって、外部電源からの電力供給が行われている状況において前扉枠14や遊技機主部12が開放操作された場合には、その旨の報知をそれら開閉体が開放状態となってから当該開閉体が閉鎖状態となるまでの間、正確に行うことが可能となる。
(第6の実施形態)
本実施形態では、前扉枠開放監視処理及び本体枠開放監視処理の処理構成が上記第5の実施形態と異なっている。具体的には、上記第5の実施形態では、電源遮断中に前扉枠14や遊技機主部12が開放操作されたか否かの判定をメイン処理にて行う構成としたが、本実施形態では、電源遮断中に前扉枠14や遊技機主部12が開放操作されたか否かの判定を、タイマ割込み処理における前扉枠開放監視処理及び本体枠開放監視処理にて行う。そこで、その相違する処理構成について以下に説明する。但し、前扉枠開放監視処理と本体枠開放監視処理とは処理構成が同一であるため、前扉枠開放監視処理のみについて説明し、本体枠開放監視処理についてはその説明を省略する。
図46は本実施形態における前扉枠開放監視処理を示すフローチャートである。
図46に示すように、先ずステップS1201にてRAM433の開放中フラグ格納エリアに開放中フラグが格納されているか否かを判定する。開放中フラグが格納されていない場合にはステップS1202〜ステップS1203の閉鎖時用処理を実行し、開放中フラグが格納されている場合にはステップS1204〜ステップS1205の開放時用処理を実行する。これらステップS1201〜ステップS1205の各処理は、上記第5の実施形態におけるステップS1001〜ステップS1005の各処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
ステップS1202〜ステップS1203の閉鎖時用処理又はステップS1204〜ステップS1205の開放時用処理のいずれかを実行した後は、ステップS1206にて比較処理を実行する。
比較処理では、タイマ割込み処理(図43)における信号読み込み処理にてCPU431のレジスタに記憶した検知状態の情報と、RAM433の前扉枠用格納エリア441に格納されている検知状態の情報とを比較する。続くステップS1207では比較処理にて比較した各検知状態が一致しているか否かを判定する。その結果、一致している場合には、ステップS1208〜ステップS1210の開閉検知処理を実行することなく、ステップS1211に進む。一方、一致していない場合には、ステップS1208〜ステップS1210の開閉検知処理を実行する。
開閉検知処理では、先ずステップS1208にてRAM433の復電後フラグ格納エリアに復電後フラグが格納されているか否かを判定する。この復電後フラグは、電源の立ち上げに際して格納されるフラグであり、当該復電後フラグが格納されている状況というのは復電後の最初の前扉枠開放監視処理であることを意味する。当該復電後フラグは、具体的にはメイン処理(図45)の開始時などに格納される。
復電後フラグが格納されていない場合には、今回の開閉検知処理が、外部電源から電力供給が行われている状況において前扉枠14が開放操作されたこと又は閉鎖操作されたことに基づくものであることを意味するため、ステップS1209の処理を実行することなく、ステップS1210に進む。
一方、復電後フラグが格納されている場合には、電源遮断中に前扉枠14が開放操作されたことを意味するため、ステップS1209に進み、復電時用報知処理を実行する。当該復電時用報知処理の具体的な内容は上記第5の実施形態にて説明したとおりであるため、ここでは説明を省略する。当該復電時用報知処理が実行されることにより、電源遮断中に前扉枠14が開放操作されていたことを遊技ホールの管理者等に報知することができ、仮にそれが不正開放である場合にはそれに対処させることができる。その後、ステップS1210に進む。
ステップS1210では、最新の検知状態の情報、すなわちCPU431のレジスタに記憶されている検知状態の情報を前扉枠用格納エリア441に格納した後に、ステップS1211に進む。
ステップS1211では、RAM433の復電後フラグ格納エリアに復電後フラグが格納されているか否かを判定する。復電後フラグが格納されていない場合には、そのまま本前扉枠開放監視処理を終了する。一方、復電後フラグが格納されている場合には、ステップS1212にて復電後フラグ格納エリアから復電後フラグを消去した後に本前扉枠開放監視処理を終了する。
以上のように本実施形態では、電源の立ち上げ処理であるメイン処理において復電時用開放監視処理を実行するのではなく、タイマ割込み処理において通常時用開放監視処理とともに復電時用開放監視処理を実行するようにした。これにより、メイン処理の処理時間に極力影響を及ぼすことなく、復電時用開放監視処理を実行することが可能となる。
ちなみに、CPU431の通常処理における停電時処理(電断時処理)において電断時更新処理を実行しないようにしてもよい。当該構成であっても、上記のとおりタイマ割込み処理において定期的に第1監視装置251の検知状態が確認され、検知状態が変更されている場合にはその更新処理が実行されるため、電断時における第1監視装置251の検知状態をRAM433において記憶しておくことは可能である。本構成によれば、停電時処理の処理時間に影響を及ぼすことなく、電断時における第1監視装置251の検知状態をRAM433に記憶させることが可能となる。これは第2監視装置252についても同様である。
(第7の実施形態)
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第7の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図47はパチンコ機10の正面図、図48及び図49はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図、図50はパチンコ機10の背面図である。なお、図48では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。また、以下の説明において、特に指示しない限りはパチンコ機10の正面視を基準に上下左右等の方向を特定することとする。例えば、図47の手前側を前側、奥側を後側とする。
なお、本実施の形態においては、上述した各実施の形態と同様の部材名称や部分名称等そしてそれらに付随する部分番号や部材番号等を用いているが、これらは全て上記各実施の形態の部材番号等とは別個独立のものとして取り扱うものとする。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能(開閉可能)に取り付けられた遊技機主部12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機主部12は、ベース体としての本体枠13と、その本体枠13の前方に配置される前扉枠14と、本体枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機主部12のうち本体枠13が外枠11に対して回動可能(開閉可能)に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として本体枠13が前方へ回動可能とされている。
本体枠13には、図48に示すように、前扉枠14が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として前方へ回動可能とされている。また、本体枠13には、図49に示すように、裏パックユニット15が回動可能(開閉可能)に支持されており、正面視で左側を回動基端側(開閉基端側)とし右側を回動先端側(開閉先端側)として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。なお、以下の説明では、図47〜図49を参照するとともに、前扉枠14の背面の構成については図51を参照する。図51は、前扉枠14の背面図である。
前扉枠14は本体枠13の前面側全体を覆うようにして設けられている。前扉枠14には後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部21が形成されている。窓部21は、略楕円形状をなし、透明性を有するガラス22が嵌め込まれている。なお、ガラス22に代えて、透明樹脂板を嵌め込むようにしてもよい。
窓部21の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部23が設けられている。環状電飾部23では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部23の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部24が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部25が設けられている。また、左右の賞球ランプ部25に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部26が設けられている。
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部31と下側膨出部32とが上下に並設されている。上側膨出部31内側には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部32内側には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル41が設けられている。遊技球発射ハンドル41が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、図48及び図51に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により形成されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路51と、下皿34に通じる前扉側下皿通路52とが形成されている。通路形成ユニット50において、その上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路51と前扉側下皿通路52の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路51及び前扉側下皿通路52は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路51に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路52に入った遊技球は下皿34に導かれる。
前扉枠14の背面における回動基端側(図51の右側)には、その上端部及び下端部に突起軸61,62が設けられている。これら突起軸61,62は本体枠13に対する組付機構を構成する。また、前扉枠14の背面における回動先端側(図51の左側)には、図48に示すように、後方に延びる鉤金具63が上下方向に複数並設されている。これら鉤金具63は本体枠13に対する施錠機構を構成する。
次に、本体枠13について詳細に説明する。図52は本体枠13の正面図である。
本体枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース71を主体に構成されている。樹脂ベース71の前面における回動基端側(図52の左側)には、その上端部及び下端部に支持金具72,73が取り付けられている。図示は省略するが、支持金具72,73には軸孔が形成されており、それら軸孔に前扉枠14の突起軸61,62が挿入されることにより、本体枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。
樹脂ベース71の前面における回動先端側(図52の右側)には、前扉枠14の背面に設けられた鉤金具63を挿入するための挿入孔74がそれぞれ設けられている。本パチンコ機10では、本体枠13や前扉枠14を施錠状態とするための施錠装置が本体枠13の背面側に隠れて配置される構成となっている。したがって、鉤金具63が挿入孔74を介して施錠装置に係止されることによって、前扉枠14が本体枠13に対して開放不能に施錠される。
樹脂ベース71の右下隅部には、施錠装置の解錠操作を行うためのシリンダ錠75が設置されている。シリンダ錠75は施錠装置に一体化されており、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと本体枠13に対する前扉枠14の施錠が解かれるようになっている。なお、シリンダ錠75の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する本体枠13の施錠が解かれるようになっている。樹脂ベース71の右上隅部、すなわち前扉枠14の回動先端側には、内外(すなわち前後方向)に貫通する略矩形状の開口部71bが形成されている。この開口部71bには前扉枠14の開放を監視する第1監視装置250が嵌まっている。第1監視装置250についての詳細は後述する。
樹脂ベース71の中央部には略楕円形状の窓孔76が形成されている。樹脂ベース71には遊技盤81が着脱可能に取り付けられている。遊技盤81は合板よりなり、遊技盤81の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース71の窓孔76を通じて本体枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤81の構成を図53に基づいて説明する。遊技盤81には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口82,可変入賞装置83,作動口84,スルーゲート85及び可変表示ユニット86等がそれぞれ設けられている。一般入賞口82は、左右にそれぞれ2個ずつ合計4個設けられている。一般入賞口82、可変入賞装置83及び作動口84に遊技球が入ると、それが後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤81の最下部にはアウト口87が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口87を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤81には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘88が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット86には、作動口84への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置91が設けられている。また、可変表示ユニット86には、図柄表示装置91を囲むようにしてセンターフレーム92が配設されている。センターフレーム92の上部には、第1特定ランプ部93及び第2特定ランプ部94が設けられている。また、センターフレーム92の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部95,96が設けられている。下側の保留ランプ部95は、図柄表示装置91及び第1特定ランプ部93に対応しており、遊技球が作動口84を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部95の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部96は、第2特定ランプ部94に対応しており、遊技球がスルーゲート85を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部96の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
図柄表示装置91は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置91には、例えば左、中及び右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。そして、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示された場合には、特別遊技状態(以下、大当たりという)が発生することとなる。
第1特定ランプ部93では、作動口84への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部94では、遊技球のスルーゲート85の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口84に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。
可変入賞装置83は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置83の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置83が繰り返し開放されるものが一般的である。
遊技盤81には、内レール部101と外レール部102とが取り付けられており、これら内レール部101と外レール部102とにより誘導レールが構成され、後述する遊技球発射機構から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
遊技球発射機構110は、図52に示すように、樹脂ベース71における窓孔76の下方に取り付けられている。遊技球発射機構110は、電磁式のソレノイド111と、発射レール112と、球送り機構113とからなり、ソレノイド111への電気的な信号の入力により当該ソレノイド111の出力軸が伸縮方向に移動し、球送り機構113によって発射レール112上に置かれた遊技球を遊技領域に向けて打ち出す。
発射レール112と遊技盤81に取り付けられた内,外レール部101,102との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方には前扉枠14の通路形成ユニット50に形成されたファール球通路55が配設されている。したがって、仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域の上部に到達せずに、内,外レール部101,102によって構成される誘導レールを逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路55内に入る。ファール球通路55は前扉側下皿通路52に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は下皿34に排出される。
樹脂ベース71において発射レール112の下方には、内外(すなわち前後方向)に貫通する略矩形状の開口部71cが形成されている(図54参照)。この開口部71bには遊技機主部12の開放を監視する第2監視装置290が嵌まっている。第2監視装置290についての詳細は後述する。
樹脂ベース71において発射レール112の左方には、樹脂ベース71を前後方向に貫通させて通路形成部121が設けられている。通路形成部121には図49に示すように本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とが形成されている。本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路51が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路51が配置されている。
樹脂ベース71において通路形成部121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を開閉する開閉部材124が取り付けられている。開閉部材124はその下端に設けられた支軸125により前後方向に回動可能に支持されており、さらに本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する前方位置に付勢する図示しない付勢部材が設けられている。したがって、前扉枠14を本体枠13に対して開いた状態では開閉部材124が図示の如く起き上がり、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123を閉鎖する。これにより、本体側上皿通路122又は本体側下皿通路123に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が防止できる。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット50に設けられた受口部53により付勢力に抗して開閉部材124が押し開けられる。この状態では、本体側上皿通路122と前扉側上皿通路51とが連通し、さらに本体側下皿通路123と前扉側下皿通路52とが連通している。
次に、本体枠13の背面構成について説明する。図54は本体枠13の背面図である。
樹脂ベース71の背面における回動先端側(図54の左側)には、施錠装置131が設けられており、シリンダ錠75におけるキー操作に対して施錠装置131が連動し、本体枠13及び前扉枠14の解錠が行われる。
樹脂ベース71の背面における回動基端側(図54の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により本体枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、樹脂ベース71の背面には、裏パックユニット15を本体枠13に締結するための被締結孔134が設けられている。
樹脂ベース71の背面には、係止金具135が複数設けられており、これら係止金具135によって上述したように樹脂ベース71に対して遊技盤81が取り付けられている。ここで、遊技盤81の背面の構成を説明する。図55は遊技盤81を後方より見た斜視図、図56は遊技盤81から主制御装置ユニット160を取り外した状態を示す背面図である。
遊技盤81の中央に配置される可変表示ユニット86には、センターフレーム92を背後から覆う合成樹脂製のフレームカバー141が後方に突出させて設けられており、フレームカバー141に対して後側から上述した図柄表示装置91が取り付けられるとともに、その図柄表示装置を駆動するための表示制御装置が取り付けられている(図示は省略)。これら図柄表示装置91及び表示制御装置は前後方向に重ねて配置され(図柄表示装置が前、表示制御装置が後)、さらにその後方に音声ランプ制御装置ユニット142が搭載されている。音声ランプ制御装置ユニット142は、音声ランプ制御装置143と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に音声ランプ制御装置143が装着されている。
音声ランプ制御装置143は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
遊技盤81の背面には、図56に示すように、可変表示ユニット86の下方に集合板ユニット150が設けられている。集合板ユニット150には、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための遊技球回収機構や、各種入賞口等への遊技球の入賞を検知するための入賞検知機構などが設けられている。
遊技球回収機構について説明すると、集合板ユニット150には、前記一般入賞口82、可変入賞装置83、作動口84の遊技盤開口部に対応して且つ下流側で1カ所に集合する回収通路151が形成されている。したがって、一般入賞口82等に入賞した遊技球は何れも回収通路151を介して遊技盤81の下方に集合する。遊技盤81の下方には後述する排出通路があり、回収通路151により遊技盤81の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口87も同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球もアウト口87を介して排出通路内に導出される。
入賞検知機構について説明すると、集合板ユニット150には、遊技盤81表側の各一般入賞口82と対応する位置にそれぞれ入賞口スイッチ152a〜152dが設けられている。また、可変入賞装置83と対応する位置にカウントスイッチ153が設けられ、作動口84に対応する位置に作動口スイッチ154が設けられている。これらスイッチ152〜154により遊技球の入賞がそれぞれ検知される。また、集合板ユニット150外における可変表示ユニット86の右側には、スルーゲート85を通過する遊技球を検知するゲートスイッチ155が設けられている。
遊技盤81の背面には、集合板ユニット150を後側から覆うようにして主制御装置ユニット160が搭載されている。主制御装置ユニット160の構成について図57を用いて説明する。図57は主制御装置ユニット160の構成を示す斜視図である。
主制御装置ユニット160は、合成樹脂製の取付台161を有し、取付台161に主制御装置162が搭載されている。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としての封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。封印部164は、基板ボックス163の長辺部に5つ設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて封印処理が行われる。
封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、封印部164を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、5つの封印部164のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止爪が挿入された封印部と他の封印部との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の封印部の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片165が設けられている。これら結合片165は、取付台161に形成された複数の被結合片166と1対1で対応しており、結合片165と被結合片166とにより基板ボックス163と取付台161との間で封印処理が行われる。
次に、裏パックユニット15について説明する。図58は裏パックユニット15の正面図、図59は裏パックユニット15の分解斜視図である。
裏パックユニット15は、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤203、及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット86を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板213が設けられている。外部端子板213には、パチンコ機10に発生した各種のエラー情報を出力するための出力端子、本体枠13の開放時に信号出力するための出力端子、及び前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子等が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置(又はホールコンピュータ)に対して枠側の状態に関する信号が出力される。
ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を本体枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が本体枠13に対して回動可能に支持されている。また、ベース部211には、本体枠13に設けられた被締結孔134に対して締結するための締結具215が設けられており、当該締結具215を被締結孔134に嵌め込むことで本体枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。すなわち、裏パック201の最上部には上方に開口したタンク221が設けられており、タンク221には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部226が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路51を介して上皿33に通じ、中央の開口部227が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路52を介して下皿34に通じ、外側の開口部228が排出通路に通じるように形成されている。
払出機構部202には、裏パック基板(電力受入部又は外部電力受入部)229が設置されている。裏パック基板229には、例えば交流24ボルトの主電源が供給され、電源スイッチ229aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤203及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤203は、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路231が形成されており、当該排出通路231の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路231は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路151等から排出通路231に導出された遊技球は当該排出通路231を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源及び発射制御装置243(以下、電源装置243ともいう)とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242は、基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されている。なお、払出制御装置242から払出装置224への払出指令の信号は上述した裏パック基板229により中継される。また、払出制御装置242には状態復帰スイッチ245が設けられている。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源装置243は、基板ボックス246内に電源及び発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源装置243にはRAM消去スイッチ247が設けられている。本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。したがって、例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、RAM消去スイッチ247を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
次に、本体枠13(遊技機主部12)や前扉枠14が開放された場合に、その事実を把握するための構成について説明する。
図48や図54等に示すように、本体枠13の樹脂ベース71には、第1監視装置250及び第2監視装置290が装着されている。第1監視装置250は本体枠13の開閉先端側の上部に配置されており、この第1監視装置250によって前扉枠14の開放が監視されている。一方、第2監視装置290は本体枠13の下部に配置されている。詳しくは、裏パックユニット15の閉状態で当該裏パックユニット15の下端縁よりも下方に配置されており、パチンコ機10の後方から視認可能となっている(図50参照)。この第2監視装置290により遊技機主部12の開放が監視されている。
ここで、第1監視装置250及び第2監視装置290の具体的な構成について説明する。第1監視装置250及び第2監視装置290はともに同一の構成を具備してなり、それら監視装置250,290の取り付け方向、及びそれら監視装置250,290に付随して設けられている構成のみ相違している。故に、先ず第1監視装置250について詳細に説明し、その後上述した相違点について説明する。図60はパチンコ機10の前方から見た第1監視装置250の分解斜視図、図61はパチンコ機10の後方から見た第1監視装置250の分解斜視図、図62(a)は図54のA−A線部分断面図、図62(b)は図54のB−B線部分断面図である。
第1監視装置250は収容ケース体251と蓋用ケース体280とを備えている。これら両ケース体251,280がビス等の締結具によって固定されていることにより後述する各種構成を収容可能なハウジング252が形成されている。ハウジング252(両ケース体251,280)は、光透過性を有する透明な合成樹脂材料により形成されており、ハウジング252の内部が視認可能となっている。これにより、メンテナンス等による第1監視装置250の内部確認の容易化が図られている。このように、内部の確認を容易化することで、第1監視装置250自身に対して不正行為が行われ、その監視機能が阻害されている場合であっても、これを発見することが容易となっている。故に、更なる防犯性の向上に貢献を期待することができる。
第1監視装置250は、収容ケース体251を前側、蓋用ケース体280を後側として樹脂ベース71の上側隅部に配置されている。このように配置された状態で、ボルト等の締結具によって樹脂ベース71の背面に固定されている。
収容ケース体251は、天板部253,底板部254,前板部255,左側板部256及び右側板部257を有し、全体としてパチンコ機10の後方に開放された略箱状に形成されている。前板部255は樹脂ベース71の背面と略平行をなしている。前板部255には、天板部253との境界から上方に延びる上側延出部258と、底板部254との境界から下方に延びる下側延出部259とが形成されており、それら両延出部258,259が樹脂ベース71の背面に当接している。
各延出部258,259には、樹脂ベース71に形成された円柱状のボス部71aが嵌まる丸孔258a,259aが設けられている(図62参照)。これら丸孔258a,259aにボス部71aが嵌まることで第1監視装置250の上下及び左右方向の位置決めがなされている。
また、前板部255の下部には前方に段差状に張り出した張出部260が形成されており、樹脂ベース71には張出部260に対応する開口部71bが形成されている。開口部71bは前後方向に貫通しており、その内周は張出部260の外周とほぼ同一形状をなしている。張出部260が開口部71bに嵌まることで、樹脂ベース71と第1監視装置250との境界部位がクランク状をなす構成となっている。これにより、開口部71bと張出部260の境界部位から不正具等が挿入されるといった不都合を抑制している。更に、樹脂ベース71の前面と張出部260の前面とはほぼ同一面上になるように設定されている。すなわち、張出部260は樹脂ベース71よりも前方に突出しない構成となっている。これにより、メンテナンス作業等の際に張出部260が引っ掛かることで、第1監視装置250が位置ずれするといった不都合が回避可能となっている。
ハウジング252の内部(詳しくは収容ケース体251の内部)には、前扉枠14の開閉状態を検知する検知装置265と、電力が供給されることで継続的に動作する動作機構275とが設置されている。
検知装置265について詳細に説明する。検知装置265は、樹脂ベース71の開口部71bの後方、すなわち張出部260の後方に配置されている。より具体的には、収容ケース体251の内部における前扉枠14の回動先端側に配置されている。検知装置265は、光を射出する発光素子266(詳しくは赤外線を発する発光ダイオード)と、発光素子266からの光を受ける受光素子267(詳しくはフォトトランジスタ)と、それら両素子266,267を収容する収容体268とを備えている。
収容体268は略直方体状の本体部269を有し、その前面が前板部255と平行となるように配置されている。本体部269の下部には左右方向に突出する突出部269a,269bが形成されている。各突出部269a,269bは底板部254と平行な板状をなしている。収容ケース体251には、各突出部269a,269bが嵌まる第1ガイド溝270が形成されている。これら第1ガイド溝270は互いに対向するとともに前後方向に延びており、その後端部においてはパチンコ機10の後方に開放されている。第1ガイド溝270の後端側から突出部269a,269bを挿入し、検知装置265を押し込むことで、検知装置265の装着がなされる。このように、突出部269a,269bが第1ガイド溝270に挿入されることで、突出部269a,269bの外周面と第1ガイド溝270の内周面とが接触する。これにより、検知装置265の上下方向及び左右方向の移動が規制されている。
また、第1ガイド溝270の前部には収容体268が当たる当接部271が設けられている。当接部271は、収容ケース体251の内方に隆起しており、底板部254の内面に平行な上側当接面271a及び前板部255の内面に平行な後側当接面271bを有している。第1ガイド溝270に沿って検知装置265が押し込まれた際には、収容体268と後側当接面271bとが当たる。これにより、検知装置265の前方への移動が規制されている。このように前方への移動が規制なされた状態においては、収容ケース体251の前板部255と検知装置265との間に所定の隙間が確保されている。収容体268は、上述の如く前方,左右方向,上下方向の各方向への移動が規制された状態で、収容ケース体251にビス等の締結具によって固定されている。すなわち、検知装置265がハウジング252に装着された状態となっている。
収容体268の本体部269には前後方向に貫通する貫通孔269c,269dが所定の間隔を隔てた状態で左右に並設されている。それら貫通孔269c,269dには、発光素子266及び受光素子267が発光部位及び受光部位を前方に向けた状態で嵌め込まれている。各貫通孔269c,269dは上側当接面271a(当接部271)よりも上方に配置されており、当接部271によって各素子272,273間での光の通過が遮られることはない。例えば、発光素子266から発せられた光は、当接部271によって遮られることなく収容ケース体251から射出され、前扉枠14の背面に向かって照射される。また、貫通孔269c,269dの中心軸線は前板部255と直交しており、両素子266,267の中心軸線も前板部255と直交している。このため、発光素子266からの光が前板部255に入射することで、屈折したり反射したりしにくくなっている。なお、光の通過経路についての詳細は後述する。
図48や図62等に示すように、検知装置265の前方、すなわち前扉枠14の背面側には、発光素子266からの光を受光素子267に向かって反射する光反射部材274が設けられている。光反射部材274は、前扉枠14に形成された収容凹部14aに収容された状態で、ビス等の締結具によって前扉枠14に固定されており、前扉枠14の背面からの突出が抑えられている。光反射部材274は光透過性を有するガラス製のプリズムにより構成されている。具体的には図62(b)に示すように、検知装置265と対向するとともに光の進行方向と直交する対向面274aと、光の進行方向に対して所定の角度(本実施の形態においては45°)で傾いている第1反射面274b及び第2反射面274cとを有している。両反射面274b,274cは対向面274aよりもパチンコ機10における前側に設けられている。第1反射面274bは発光素子266の前方に配置されているとともに、第2反射面274cは受光素子267の前方に配置されており、両反射面274b,274cは相対向している。すなわち、それら反射面274b,274cは、パチンコ機10の平面視において後方に広がる略ハ字状をなしている。
以下、図62(b)に基づいて発光素子266から発せられた光の通過経路について説明する。なお、図62(b)においては光の通過経路の概略を1点鎖線の矢印で示している。
発光素子266から発せられた光は、収容ケース体251の前板部255を通過し、前扉枠14の背面に照射される。具体的には、光の大部分は光反射部材274の対向面274aに入射する。対向面274aを通過した光は、第1反射面274bによって反射されその進行方向が変わる。すなわち、第2反射面274cに向かって反射される。第2反射面に到達した光は、反射することによってその進行方向がパチンコ機10の後方に向かうように変更される。このようにして進行方向が反転した光は、再び対向面274aを通過し、前板部255に向かって射出される。前板部255を通過した光は、受光素子267に到達する。なお、光反射部材274の代わりに鏡等を用いて光の進行方向を変えることも可能である。
次に、動作機構275について詳細に説明する。図60〜図62に示すように、動作機構275は、検知装置265の側方に配置されており、その主要な構成として、動作機構275の動力源として設けられたソレノイド276と、そのソレノイド276に挿通された動作軸277とを備えている。
ソレノイド276は上下方向に延びる略円筒状をなし、その上部には収容ケース体251への取付部278が設けられている。取付部278は収容ケース体251の天板部253と平行な板状をなし、天板部253及び左側板部256に形成された第2ガイド溝279に嵌まっている。これら第2ガイド溝279は互いに対向するとともに前後方向に延びており、その後端部においてはパチンコ機10の後方に開放されている。第2ガイド溝279の後端側から取付部278を挿入し、ソレノイド276を押し込むことで、動作機構275の装着がなされる。このように、取付部278が第2ガイド溝279に挿入されることで、取付部278の外周面と第2ガイド溝279の内周面とが接触する。これにより、動作機構275の上下方向及び左右方向の移動が規制されている。動作機構275をガイド溝279に沿って押し込むことで、取付部278と収容ケース体251の前板部255とが当接し、パチンコ機10前方への移動が規制される。動作機構275は、このように各方向への移動が規制された状態で、ビス等の締結具によって収容ケース体251に固定されている。なお、本実施の形態においては、動作機構275の装着作業性向上のため、第2ガイド溝279を設ける構成としたが、これらを設けない構成としてもよい。
動作軸277は上下方向に延びる鉄製の円柱部277aを有している。その円柱部277aの大部分がソレノイド276の内部に収容された状態となっている。円柱部277aの中心軸線とソレノイド276の中心軸線とが重なっており、動作軸277はソレノイド276の中心軸線方向に移動可能となっている。動作軸277の下端部はソレノイド276の外部に突出しており、その下端部には板状の遮蔽部277bと、動作軸277から遮蔽部277bをパチンコ機10の前方にオフセットするクランク部277cとが一体成形されている。なお、本実施の形態においては動作軸277の円柱部277a及び遮蔽部277b及びクランク部277cを一体成形したが、それらを個々に成形することも可能である。例えば、円柱部277aのみを鉄製とし、遮蔽部277b及びクランク部cを合成樹脂製とするとよい。
遮蔽部277bは、前板部255と略平行に形成されており、動作軸277の上下動に追従して、前板部255と平行に移動する。また、遮蔽部277bはクランク部277cによって検知装置265よりも前側となるように配置されており、検知装置265と前板部255との間に形成された空間によってその作動隙が確保されている。遮蔽部277bの下端部は、その下限位置において前記上側当接面271aと当接する。このような当接状態では、遮蔽部277bは、パチンコ機10の正面視において、受光素子267と重なる構成となっている。すなわち、受光素子267の前側を覆った状態となっている。一方、遮蔽部277bが上限位置にある状態では、遮蔽部277bの下端部は、受光素子267よりも上方となるように設定されている。すなわち、受光素子267の前側を覆わない状態となっている。遮蔽部277bには光を吸収する塗装(光反射率の低い塗装)が付与されており、他の光源からの光が遮蔽部277bにて反射し、受光素子267に到達するといった不都合が回避されている。本実施の形態においては、遮蔽部277bが受光素子267にのみ重なる構成としたが、発光素子266に重なる構成としてもよいし、受光素子267及び発光素子266の両素子に重なる構成としてもよい。
図62に示すように、動作軸277はソレノイド276に電力が供給されている状態では動作範囲の上限位置(以下、第1位置ともいう)にて保持される。詳しくは、ソレノイド276の出力は、動作軸277を重力に抗して持ち上げることができる程度に大きく設定されている。電力の供給が停止されている状態では動作軸277が自重で下がり、動作範囲の下限位置(以下、第2位置ともいう)にて保持される。詳しくは、遮蔽部277bが上側当接面271aに当接することで、動作軸277は第2位置にて保持された状態となる。すなわち、動作軸277においては電力供給の有無により、第1位置と第2位置との両位置間でその位置の切り替えが行われる。換言すれば、動作軸277の位置切り替えに伴い、遮蔽部277bの位置が第1位置及び第2位置間で切り替わる。
第1位置における遮蔽部277bの下端部と、第2位置における遮蔽部277bの上端部との間には所定の隙間領域が設定されている。すなわち、動作軸277の動作距離寸法は遮蔽部277bの軸線方向の長さ寸法よりも大きく設定されている。その隙間領域とパチンコ機10の正面視において重なる前板部255(詳しくは張出部260)の一部には、内外(すなわちパチンコ機10の前後方向)に貫通する挿通孔260aが形成されている。前扉枠14の背面には、その挿通孔260aに挿通可能な突起14bが設けられている。突起14bは前扉枠14と一体成形されており、パチンコ機10の後方に延びている。突起14bの先端は遮蔽部277bの後端部よりも若干後方に位置している。上述の如く突起14bは前扉枠14に設けられているため、前扉枠14の回動に伴って移動する。すなわち、突起14bは、前扉枠14が本体枠13に閉じた状態では挿通孔260aに挿通された状態となり、前扉枠14が所定量以上開放された状態では挿通孔260aに挿通されていない状態となる。
突起14bが挿通孔260aに挿通された状態、すなわち前扉枠14が閉じている状態では、遮蔽部277bと突起14bとが当たることで、遮蔽部277bの第1位置及び第2位置の両位置間での移動が規制される。詳しくは、遮蔽部277bが第1位置にある状態で、突起14bが挿通孔260a挿入されている場合、遮蔽部277bの第2位置への移動は制限される。また、遮蔽部277bが第2位置にある状態で、突起14bが挿入されている場合、遮蔽部277bの第1位置への移動が制限される。
なお、上述の如く前扉枠14は本体枠13に対して回動可能に設けられている。かかる場合、前扉枠14の鉤金具63と鉤受け金具132とが係止状態となる前の段階では、突起14bと遮蔽部277b及び挿通孔260aとの相対位置がばらつく可能性がある。このため、それら突起14b等が引っ掛かることで、前扉枠14の閉作業が妨げられることが懸念される。しかしながら、本実施の形態においては、突起14bは両位置にある状態での遮蔽部277bと所定の隙間を有しているとともに、挿通孔260aはパチンコ機10の前方に拡大するテーパ状をなしている。これにより、突起14b挿入時の引っ掛かりを抑制し、前扉枠14閉時の作業性を担保している。
次に突起14bと遮蔽部277bとの相対関係について詳細に説明する。前扉枠14が閉じている状態において、突起14bの後端は遮蔽部277bの後端部よりも若干後方に突出している。このため、前扉枠14の前後方向位置が若干ばらついたとしても、突起14bの機能が担保される構成となっている。前扉枠14を開放する際には、所定の角度以上に開放することで、突起14bが遮蔽部277bとパチンコ機10の平面視で重ならない位置まで移動する、これにより遮蔽部277bの移動制限が解除される。
本体枠13の周縁部にはパチンコ機10の前方、すなわち前扉枠14に向かって延びる開口フランジ13aが一体成形さている。この開口フランジ13aによって、本体枠13の周縁部と前扉枠14の周縁部とがパチンコ機10の側面視及び平面視において重なる構成となっている。このように両者が重なる構成とすることで、本体枠13と前扉枠14との境界部位から不正具等が挿入されるといった不都合を抑制している。上述した突起14bと遮蔽部277bとの重なり量は、開口フランジ13aと前扉枠14との重なり量よりも小さく設定されている。より具体的には、遮蔽部277bの前面から突起14bの後端部までの前後方向の距離寸法は、開口フランジ13aの前端縁から前扉枠14の後端縁までの前後方向の距離寸法よりも、小さく設定されている。このため、前扉枠14が回動し、突起14bと遮蔽部277bとが重ならない状態に移行した際には、開口フランジ13aによって本体枠13と前扉枠14との境界部位が露出しない。すなわち、本体枠13と前扉枠14との境界部位から本体枠13の前面が視認可能となった際には既に、突起14bによる遮蔽部277bの移動制限が解除された状態となるように構成されている。
次に、前記蓋要ケース体280の主要な構成について説明する。蓋用ケース体280は、天板部281,底板部282,背板部283,左側板部284及び右側板部285を有し、全体としてパチンコ機10の前方に開放された略箱状に形成されている。蓋用ケース体280の開放された部位に収容ケース体251の後端開口縁を収容している。蓋用ケース体280の内部には、検知装置265等と図示せぬハーネスによって電気的に接続された中継基板286が配置されている。中継基板286は背板部283と平行な略板状をなし、背板部283の内面にビス等の締結具によって固定されている。
中継基板286の後方、すなわち背板部283における中継基板286と対向する部位には内外に貫通する連通孔287が形成されている。この連通孔287の後方にはコネクタ288が配置されている。すなわち、連通孔287を挟んで中継基板286とコネクタ288とが対向して設けられており、それら中継基板286及びコネクタ288が図示せぬハーネス等で接続されている。コネクタ288はその挿入口をパチンコ機10の後方に向けた状態でビス等の締結具によって背板部283の背面に固定されている。このコネクタ288を介して図示せぬハーネスにより第1監視装置250と主制御装置162とが電気的に接続されている。なお、本実施の形態においては上述の如く蓋用ケース体280が光透過性を有する構成とすることで、第1監視装置250に対する不正等の確認を容易なものとしている。しかしながら、蓋用ケース体280が、光透過性を有さない構成とすることも可能である。かかる場合、蓋用ケース体280を、例えば不透明性を有する合成樹脂材料や、アルミ等の軽金属材料によって形成するとよい。
以下、第1監視装置250による、前扉枠14の開放検知について図63に基づいて説明する。図63(a)は電力供給状態における前扉枠14の閉状態(通常状態)を示し、図63(b)は電力供給状態における前扉枠14の開放状態を示し、図63(c)は電力供給が停止された状態(待機状態)を示し、図63(d)は電力供給停止中の前扉枠14の開放状態を示し、図63(e)は電力供給停止中に前扉枠14が開放された後再び閉じられた状態を示し、図63(f)は電力供給停止中に前扉枠14が開閉された後に電力の供給が開始された状態を示す。
先ず初めに、パチンコ機10に電力が供給されている状態での、前扉枠14の開放検知について説明する。前扉枠14が開放される際には、図63(a)→図63(b)→図63(a)の順に作業が行なわれる。
図63(a)に示すように、第1監視装置250に電力が供給されている状態、すなわちソレノイド276が通電されている状態においては、ソレノイド276が励磁される。これにより、動作軸277が第1位置に保持された状態となっている。かかる状態においては、受光素子267の前方に遮蔽部277bが存在せず、発光素子266から発せられた光は光反射部材274を介して受光素子267に到達する。受光素子267に光が到達することで受光信号が中継基板286に出力される、この受光信号を読み取ることで前扉枠14が閉じた状態にあることを検出している。
第1監視装置250に電力が供給されている状態で前扉枠14を開放すると、両素子266,267と光反射部材274との相対位置が変化する。かかる場合、発光素子266から射出された光は光反射部材274に到達しなくなるか、仮に光反射部材274に到達したとしても、その反射光が受光素子267以外の部位に向かって射出される。このため、発光素子266からの光は受光素子267に届かなくなる。故に、所定の受光信号が出力されなくなり、受光信号の変化を読み取ることで前扉枠14が閉じた状態にあることを検出することができる。
このように、電力が供給されている状態における前扉枠14の開放を検知可能とすることでホール営業中に行なわれる前扉枠14の不正開放を抑制することができる。故に、パチンコ機10に対する不正の抑制に貢献することができる。
閉店等の際に第1監視装置250に対する電力の供給が停止すると、ソレノイド276への電力の供給が止まり、その励磁状態が解除される。かかる場合、動作軸277(詳しくは遮蔽部277b)は自重により下方に移動し、突起14bに当接する。遮蔽部277bは突起14bに当接することで、その下方への移動が制限された状態となる。すなわち、第2位置への移動が妨げられる。この状態のまま、再び電力の供給が開始されると、ソレノイド276が励磁状態となり、自重作用に勝ることで動作軸277は上方へ持ち上げられる。かかる場合、発光素子266からの光は受光素子267に到達可能であるため、前扉枠14が閉じた状態にあることを検出することができる。すなわち、図63(a)→図63(c)→図63(a)の如く状態が推移することで、電力供給が停止している間に前扉枠14の開放が行なわれなかったことを検出可能となっている。
電力の供給が停止している間に前扉枠14が開閉された場合について説明する。前扉枠14の開閉に伴って突起14bと遮蔽部277bとの相対位置が、図63(c)→図63(d)→図63(e)の順に変化する。
前扉枠14の開放に伴い突起14bが第1監視装置250から離間することで、遮蔽部277bは支えを失い自重により下方(すなわち第2位置)へと移動する。遮蔽部277bは下方へ移動した際に上側当接面271aに当たり、それ以上の下向への移動が制限される。かかる状態で前扉枠14が再び閉じられると、突起14bが元の位置に復帰し遮蔽部277bの上方への移動を制限した状態となる。この状態においては、遮蔽部277bは受光素子267の前方に位置しているとともに、突起14b及び上側当接面271aによってその上下方向の移動が規制された状態となっている。このように遮蔽部277bを第2位置から移動不能とすることで、前扉枠14の開放が行われたという事実を機械的に保存することができる。
遮蔽部277bの第2位置からの移動が規制されている状態で電源の供給が開始されると、ソレノイド276が励磁され、遮蔽部277bが上方(すなわち第1位置)に移動しようとする。しかしながら、遮蔽部277bは突起14bに当たり、その移動が妨げられる。すなわち、遮蔽部277bによって受光素子267が覆われたままの状態が継続される。電力の供給が開始されることで、発光素子266が発光を開始する。発光素子266から発せられた光は、光反射部材274を介して受光素子267に向かって照射される。しかしながら、受光素子267の前方に位置している遮蔽部277bによって、受光素子267への光の到達が遮られる。このため、受光信号の出力が抑えられ、前扉枠14が開放された状態にあると検出される。実際には、前扉枠14は閉じた状態であるが、電源遮断時に開放されたという事実を検出することができる。これら主制御装置162における監視処理についての詳細は後述する。
上述の如く、前扉枠14の電力遮断時の開放を検知した状態において、再び前扉枠14を開放することで、突起14bが第1監視装置250から離間し、遮蔽部277bが第1位置に移動する。すなわち、遮蔽部277bの移動制限が解除される。このように図63(f)→図63(b)→図63(a)の順に前扉枠14を操作することで、不正開放検知状態が解除され通常の状態に復帰する。前扉枠14の開放により不正開放検知状態がリセットされるため、リセットスイッチ等を設ける必要が無く構成の簡略化に貢献できる。また、前扉枠14の開放は所定の操作(鍵)によっておこなわれるため、不正開放検知状態が不正に解除されるといった不都合を抑制できる。
第2監視装置290も第1監視装置250と同様に、収容ケース体251,蓋用ケース体280,検知装置265,動作機構275,中継基板286及びコネクタ288を備えている。第2監視装置290に対応する突起及び光反射部材は、本体枠13に設けられている。以下、図64に基づいて第1監視装置250との相違している部分について具体的に説明する。図64は図50のC―C線部分断面図である。
第1監視装置250の挿通孔260aがパチンコ機10の前方に露出しているのに対して、第2監視装置290の挿通孔260aはパチンコ機10の後方に露出している。具体的には、第2監視装置290は、樹脂ベース71に形成された開口部71cに収容ケース体251を前側、蓋用ケース体280を後側として嵌め込まれた状態で固定されている。かかる状態においては、収容ケース体251の前板部255が樹脂ベース71の背面から後方に突出した状態となっている。すなわち、前板部255の挿通孔260aが後方に開放された状態となっている。外枠11の下部には前板部255と対向する基材295が設けられている。基材295は板状をなし、外枠11にビス等の締結具によって固定されている。基材295の前面には、挿通孔260aに挿通可能な突起296が形成されている。突起296の下方、すなわち検知装置265の後方には、パチンコ機10の後方に凹む凹部297が形成されている。この凹部297に光反射部材298が収容され、ビス等の締結具によって固定されている。
第2監視装置290においては、遊技機主部12が外枠11に対して回動することに伴って第2監視装置290自身が移動する。すなわち、突起296及び光反射部材298の位置は固定されており、第2監視装置290が移動することで、両者の相対位置が変化する構成となっている。第2監視装置290は、第1監視装置250と同様に、突起296及び光反射部材298との相対位置が変化することで、遊技機主部12の開放状態を検知可能となっている。なお、その動作態様については、図63に示す第1監視装置250の動作態様と同様であるため、説明を省略する。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図65のブロック図に基づいて説明する。図65では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置162に設けられた主制御基板301には、主制御回路302と停電監視回路303(電断監視回路)とが内蔵されている。主制御回路302には、CPU311が搭載されている。
CPU311には、当該CPU311により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM312(不揮発性情報記憶手段)と、そのROM312内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM313(揮発性情報記憶手段)と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。なお、CPU311、ROM312及びRAM313がそれぞれ個別に1チップ化された構成としてもよい。これは、他の制御装置のCPUにおいても同様である。
RAM313は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御装置243に設けられた電源及び発射制御基板321からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
CPU311には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。CPU311の入力側には、主制御基板301に設けられた停電監視回路303、払出制御装置242に設けられた払出制御基板322及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。この場合に、停電監視回路303には電源及び発射制御基板321が接続されており、CPU311(主制御回路302)には停電監視回路303を介して電力が供給される。
一方、CPU311の出力側には、停電監視回路303、払出制御基板322及び中継端子板323が接続されている。払出制御基板322には、賞球コマンドなどといった各種コマンドが出力される。中継端子板323を介して主制御回路302から音声ランプ制御装置143に設けられた音声ランプ制御基板324に対して各種コマンドなどが出力される。
停電監視回路303は、主制御回路302と電源及び発射制御基板321とを中継し、また電源及び発射制御基板321から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。そして、この電圧が22ボルト未満になると電源遮断の発生と判断し、主制御回路302に対して停電信号を送信する。主制御回路302では、この停電信号の入力を確認することにより、その確認結果に基づいて後述する停電時処理(電断時処理)を実行する。
払出制御基板322は、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU331は、そのCPU331により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM332と、ワークメモリ等として使用されるRAM333とを備えている。
払出制御基板322のRAM333は、主制御回路302のRAM313と同様に、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源及び発射制御基板321からデータ記憶保持用電力が供給されてデータが保持される構成となっている。
払出制御基板322のCPU331には、入出力ポートが設けられている。CPU331の入力側には、主制御回路302、電源及び発射制御基板321、及び裏パック基板229が接続されている。また、CPU331の出力側には、主制御回路302及び裏パック基板229が接続されている。
電源及び発射制御基板321は、電源部321aと発射制御部321bとを備えている。電源部321aは、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御回路302や払出制御基板322等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて主制御回路302や払出制御基板322等に対して供給する。その概要としては、電源部321aは、裏パック接続基板229を介して供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電力、ロジック用の+5V電力などを生成し、これら+12V電力、+5V電力を主制御回路302や払出制御基板322等に対して供給する。
発射制御部321bは、遊技者による遊技球発射ハンドル41の操作にしたがって遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
また、電源及び発射制御基板321には、電断時用電源手段としてデータ記憶保持用コンデンサ321cが搭載されている。データ記憶保持用コンデンサ321cには、電源部321aが接続されており、パチンコ機10の電源がON状態の場合(外部電源からの電力供給が行われている場合)には充電される。また、データ記憶保持用コンデンサ321cは主制御回路302におけるCPU311のVBB端子に接続されており、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合や商用電源における停電発生時等といった電源遮断状態(外部電源からの電力供給が遮断されている場合)では、データ記憶保持用コンデンサ321cから放電されRAM313に対してデータ記憶保持用電力が供給される。よって、かかる状況であっても、データ記憶保持用コンデンサ321cからデータ記憶保持用電力が供給されている間はRAM313に記憶されたデータが消去されることなく保持される。
ちなみに、データ記憶保持用コンデンサ321cに充電された電力は主制御回路302のRAM313やその他のRAMにおいてデータを記憶保持するために用いられ、電動アクチュエータなどの機器を動作させるためには用いられない。また、データ記憶保持用コンデンサ321cの容量は比較的大きく確保されており、電源遮断前にRAM313に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。また、電断時用電源手段は、データ記憶保持用コンデンサに限定されることはなく、バッテリや非充電式電池などであってもよい。非充電式電池の場合、パチンコ機10の電源がON状態の際に電断時用電源手段への蓄電を行う必要はないが、定期的に交換する必要が生じる。
また、電源及び発射制御基板321には、上記データ記憶保持用コンデンサ321cとは異なる停電時処理用コンデンサが設けられている。電源及び発射制御基板321では、直流安定24ボルトの電源が22ボルト未満になった後においても、停電時処理用コンデンサから放電することにより、後述する停電時処理の実行に十分な時間の間、制御系の駆動電源である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。これにより、主制御回路302などは、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
音声ランプ制御基板324は、各種ランプ部23〜25やスピーカ部26、及び表示制御装置325を制御するものである。演算装置であるCPU341は、そのCPU341により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM342と、ワークメモリ等として使用されるRAM343とを備えている。
音声ランプ制御基板324のCPU341には入出力ポートが設けられている。CPU341の入力側には中継端子板323に中継されて主制御回路302が接続されており、主制御回路302から出力される各種コマンドに基づいて、各種ランプ部23〜25、スピーカ部26、及び表示制御装置325を制御する。表示制御装置325は、音声ランプ制御基板324から入力する表示コマンドに基づいて図柄表示装置91を制御する。
検知装置265及び動作機構275は中継基板286を介して主制御基板301に接続されている。検知装置265及び動作機構275は主制御基板301から電力の供給を受けることで作動する。検知装置265においては特に電力供給を受けることで生じる信号(受光信号)を主制御基板301にフィードバックする。
次に、主制御装置162のCPU311により実行される各制御処理を図66〜図69のフローチャート等を参照しながら説明する。かかるCPU311の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図66は、NMI割込み処理であり、当該処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に実行される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号が電源監視回路303からCPU311のNMI端子に出力され、CPU311は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始する。NMI割込み処理では、ステップS101にてRAM313に設けられた停電フラグ格納エリアに停電フラグをセットし、本処理を終了する。その後、後述する通常処理にて停電フラグがセットされていることが確認されることで、停電時処理が実行される。
次に、タイマ割込み処理について図67のフローチャートを用いて説明する。
ステップS201では、各種スイッチや払出制御基板322などからの信号読み込み処理を実行する。その後、ステップS202にて前扉枠開放監視処理を実行するとともに、ステップS203にて本体枠開放監視処理を実行する。前扉枠開放監視処理では、第1監視装置250からの入力信号に基づいて、外部電源からの電力供給が行われている状況における前扉枠14の開放の監視に関する処理を実行する。また、本体枠開放監視処理では、第2監視装置290からの入力信号に基づいて、外部電源からの電力供給が行われている状況における遊技機主部12の開放の監視に関する処理を実行する。その後、ステップS204にて始動入賞処理を実行する。なお、各監視処理についての詳細は後述する。
始動入賞処理では、作動口スイッチ154から入力した信号に基づいて、遊技球が作動口84に入賞したか否かを判定する。そして、遊技球が作動口84に入賞している場合には、第1特定ランプ部93及び図柄表示装置91の作動保留球数が上限値未満であることを条件として、その入賞に対して大当たりを発生させるか否かの指標となるカウンタ値のRAM313への格納処理を実行する。当該カウンタ値が大当たりの発生に対応した値である場合には、その入賞に対応した遊技回において大当たりが発生することとなる。つまり、始動入賞処理において、大当たりといった特別遊技状態への移行抽選機能(移行判定手段)が果たされる。
始動入賞処理の後、CPU311は本タイマ割込み処理を一旦終了する。なお、タイマ割込み処理において、大当たりを発生させるか否かの指標となるカウンタ値を更新する処理なども実行するようにしてもよい。
次に、電源投入時のリセットに伴い起動されるメイン処理について、図68のフローチャートを用いて説明する。
先ずステップS301では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、従側の制御基板(払出制御基板322等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS302では、RAM313のアクセスを許可する。
その後、ステップS303では、電源及び発射制御装置243に設けたRAM消去スイッチ247がオンされているか否かを判定し、続くステップS304ではRAM313の停電フラグ格納バッファに停電フラグが格納されているか否かを判定する。また、ステップS305ではRAM判定値を算出し、続くステップS306では、そのRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータの有効性を判定する。RAM判定値は、例えばRAM313の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM313の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かにより記憶保持されたデータの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ247を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ247が押されていれば、ステップS307〜S310の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS307〜S310の処理に移行する。
ステップS307では、音声ランプ制御装置143に音声ランプ初期化コマンドを出力する。これにより、RAMデータの初期化やRAM判定値により記憶保持されたデータの異常等が報知される。続くステップS308では、従側の制御基板となる払出制御基板322等を初期化するために、払出初期化コマンド等を出力する。続くステップS309ではRAM313の使用領域を0にクリアし、ステップS310ではRAM313の初期化処理を実行する。その後、ステップS314〜S318及びS311を経て、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ247が押されていない場合には、停電フラグが格納されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、ステップS312に進む。ステップS312では、停電フラグ格納バッファに格納されている停電フラグをクリアする。続くステップS313では、従側の制御基板を電源遮断前の遊技状態に復帰させるための復電コマンドを出力する。その後、ステップS314〜ステップS317の復電時用開放監視処理を実行する。当該復電時用開放監視処理については後に詳細に説明する。その後、ステップS311にて割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。これにより、電源遮断前の状態に復帰する。
次に、通常処理について、図69のフローチャートを用いて説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。
通常処理において、ステップS401では、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データを従側の各制御基板に出力する。具体的には、後述するコマンド設定処理にてセットされたコマンドを払出制御基板322等に対して出力する。また、図柄表示装置91による第1図柄の変動表示に際して停止図柄コマンド、変動態様コマンド等を音声ランプ制御装置143に出力する。
続くステップS402では、第1特定ランプ部93に表示される色の切り替えを行うための第1特定ランプ部制御処理を実行する。第1特定ランプ部制御処理では、大当たり判定や第1特定ランプ部93に配設されたLEDランプの光源スイッチのオンオフ制御などが行われる。そして、第1特定ランプ制御処理では、始動入賞処理にて格納されたカウンタ値に基づいて大当たりを発生させると判定した場合、遊技状態を大当たり状態に移行させる。つまり、第1特定ランプ制御処理において、特別遊技状態への移行機能(移行手段)が果たされる。なお、第1特定ランプ部制御処理において、図柄表示装置91による第1図柄の変動表示の設定も行われる。
第1特定ランプ部制御処理の後は、ステップS403にて大入賞口開閉処理を実行する。大入賞口開閉処理では、大当たり状態である場合において可変入賞装置83の大入賞口を開放又は閉鎖する。すなわち、大当たり状態のラウンド毎に大入賞口を開放し、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数だけ入賞したかを判定する。この規定数だけ入賞したか否かの判定は、上述した大入賞口用カウンタを確認することにより行われる。そして、これら何れかの条件が成立すると大入賞口を閉鎖する。つまり、大入賞口開閉処理において、特別遊技状態の進行機能(進行手段)が果たされる。
その後、ステップS404では、第2特定ランプ部94に表示される色の切り替え処理を行うための第2特定ランプ部制御処理を実行する。第2特定ランプ制御処理では、ゲート保留球数が1以上であることを条件に第2特定ランプ部94における表示色の切り換えを開始する。この際、表示色の切り換え時間も設定する。そして、作動口84に付随する電動役物を所定時間開放する場合には、第2特定ランプ部94において所定の色の停止表示が行われる。
ステップS404の後は、ステップS405にて、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御基板321の発射制御部321bから発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構110のソレノイド111を励磁する。これにより、発射レール112上にある遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。ちなみに、発射許可信号は、CPU311における入力ポート311以外の入力ポートに入力されており、当該遊技球発射制御処理にてその入力ポートに発射許可信号があるか否かを確認する。
続くステップS406では、RAM313内に設けられた停電フラグ格納バッファに停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS407にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。所定時間が経過していない場合には、ステップS406に戻り、所定時間が経過している場合には、ステップS401に戻る。
一方、ステップS406にて、停電フラグが格納されている場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS408以降の停電時処理を実行する。つまり、ステップS408では、タイマ割込み処理の発生を禁止する。続くステップS409では、電断時更新処理を実行する。この電断時更新処理においては、遊技状態等の各種情報がRAM313に格納される。その後、ステップS410にて電源が遮断されたことを示す停電コマンドを他の制御基板に対して出力する。そして、ステップS411にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS412にてRAM313のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。なお、電源が完全に遮断された後も、電源及び発射制御基板321のデータ記憶保持用コンデンサ321cからデータ記憶保持用電力が供給されるため、電源遮断前にRAM313に記憶されていた情報はそのままの状態で所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。
次に、前扉枠14及び遊技機主部12の開放の監視に関する電気的構成について、図70のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置162(詳しくは主制御基板301)には、第1監視装置250及び第2監視装置290が電気的に接続されている。主制御装置162のCPU311では、第1監視装置250及び第2監視装置290から入力した信号に基づいて、各監視装置250,290の検知状態を把握する。すなわち、CPU311では、各監視装置250,290から入力する検知状態の情報に基づいて、電源投入中及び電源遮断中に前扉枠14及び遊技機主部12の開放が行われたか否かを判定し、その判定結果に基づいて特定出力処理を実行する。
次に、前扉枠14及び遊技機主部12の開放に関して、主制御装置162のCPU311により実行される各制御処理を説明する。
先ず、タイマ割込み処理(図29)にて実行される処理について説明する。
タイマ割込み処理におけるステップS201の信号読み込み処理において、第1監視装置250及び第2監視装置290から入力した信号(受光信号)の読み込みが行われる。この読み込まれた信号の情報は、CPU311のレジスタに記憶保持される。この場合、CPU311には第1レジスタと第2レジスタとが少なくとも設けられており、第1監視装置250の信号の情報は第1レジスタに記憶保持され、第2監視装置290の信号の情報は第2レジスタに記憶保持される。これは、CPU311のレジスタに関する以下の説明においても同様である。続くステップS202では、外部電源からの電力供給が行われている状況における第1監視装置250を介した前扉枠14の監視処理として前扉枠開放監視処理を実行する。
ここで、前扉枠開放監視処理について図71のフローチャートを用いて説明する。
前扉枠開放監視処理では、先ずステップS501にて比較処理を実行する。比較処理では、上記信号読み込み処理にてCPU311のレジスタに記憶した検知状態の情報(受光信号)と、ROM312に格納されている判定基準値とを比較する。続くステップS502では比較処理にて比較した信号の値が判定基準値を上回っているか否かを判定する。その結果、信号の値が判定基準値以上の場合には、そのまま本前扉枠開放監視処理を終了する。
一方、信号の値が判定基準値よりも小さい場合には、前扉枠14が本体枠13に対して開放されたことを意味する。このように信号の値が判定基準値に満たない場合には、外部電源から電力供給が行われている状況で前扉枠14が本体枠13に対して開放操作されたことを報知すべく、ステップS503にて通常時用報知処理を実行する。
通常時用報知処理では、通常時報知用コマンドをセットする。このセットされた通常時用報知コマンドは通常処理(図69)の外部出力処理にて音声ランプ制御装置143に出力される。音声ランプ制御装置143では、スピーカ部26から報知音を出力させ、エラー表示ランプ部24を点灯させ、さらに図柄表示装置91にて報知表示を行わせる。音声ランプ制御装置143では、予め定められた報知時間(報知期間)だけ上記各種報知を継続させた後にそれら各種報知を停止させる。この報知時間としては例えば10secなどが考えられる。
また、通常時用報知処理では、遊技ホールに設けられたホールコンピュータに外部端子板213を介して通常時報知用信号を出力する。この場合、ホールコンピュータでは通常時報知用信号をパチンコ機10から入力した日時やパチンコ機10の台番号といった識別情報を履歴として記憶する処理や、遊技ホールに設けられた監視カメラを対象となるパチンコ機10に向けるといった処理を実行する。
外部電源から電力供給が行われている状況においては、前扉枠14が閉鎖されたタイミングではなく、前扉枠14が開放されたタイミングで上記のような通常時用報知処理が実行されれば、遊技ホールの管理者等に対して前扉枠14の不正開放に対処させることが可能である。
なお、通常時用報知処理は、上記のものに限定されることはなく、通常時報知用コマンド又は通常時報知用信号のいずれか一方のみを出力する構成としてもよい。また、通常時報知用コマンドの出力に基づく処理として、スピーカ部26からの報知音の出力、エラー表示ランプ部24の点灯、又は図柄表示装置91での報知表示のうち一部のみを実行する構成としてもよい。
ステップS503にて通常時用報知処理を実行した後、本前扉枠開放監視処理を終了する。
タイマ割込み処理(図67)の説明に戻り、ステップS202にて前扉枠開放監視処理を実行した後は、ステップS203にて、外部電源からの電力供給が行われている状況における第2監視装置290を介した遊技機主部12の監視処理として本体枠開放監視処理を実行する。
本体枠開放監視処理では、信号読み込み処理にて把握した第2監視装置290の検知状態の情報(受光信号)が、ROM312に格納されている判定基準値よりも小さい場合に、上記通常時用報知処理を実行するとともに検知状態の情報の更新を実行する。この具体的な処理構成については、前扉枠開放監視処理と同様であるため、ここでは説明を省略する。
なお、前扉枠開放監視処理における通常時用報知処理と本体枠開放監視処理における通常時用報知処理とで、通常時報知用コマンド又は通常時報知用信号の情報形態を異ならせてもよい。この場合、前扉枠14が開放された場合と遊技機主部12が開放された場合とで、パチンコ機10自身又はホールコンピュータにおいて報知の態様を異ならせることができる。
ステップS203にて本体枠開放監視処理を実行した後は、ステップS204にて始動入賞処理を実行した後に本タイマ割込み処理を終了する。当該始動入賞処理については既に説明したとおりである。
次に、メイン処理(図68)にて実行される処理について説明する。
メイン処理では、各監視装置250,290に関して、ステップS314〜ステップS318の復電時用開放監視処理を実行する。
復電時用開放監視処理では、先ずステップS314にて検知状態把握処理を実行する。検知状態把握処理では、ステップS201の信号読み込み処理と同様に、第1監視装置250及び第2監視装置290から入力した信号の読み込みが行われ、この読み込まれた信号の情報は、CPU311のレジスタに記憶保持される。
続くステップS315では、比較処理を実行する。比較処理では、上記検知状態把握処理にてCPU311のレジスタに記憶した第1監視装置250の信号の値と、ROM312に格納されている判定基準値とを比較する。また、比較処理では、上記検知状態把握処理にてCPU311のレジスタに記憶した第2監視装置290の信号の値と、ROM312に格納されている判定基準値とを比較する。
続くステップS316では、比較処理にて比較した第1監視装置250の信号の値が判定基準値を上回っているか否かを判定するとともに、第2監視装置290の信号の値が判定基準値を上回っているか否かを判定する。その結果、両方がそれぞれ判定基準値以上の場合には、ステップS311にて割込み許可を設定し、通常処理に移行する。いずれか一方でも判定基準値よりも小さい場合には、電源遮断中において前扉枠14又は遊技機主部12が開放されたことを意味するため、ステップS317に進む。
ステップS317では、復電時用報知処理を実行する。復電時用報知処理では、音声ランプ制御装置143に復電時報知用コマンドを出力する。これにより、スピーカ部26からの報知音の出力、エラー表示ランプ部24の点灯、及び図柄表示装置91での報知表示が行われる。但し、これらの報知態様は通常時報知用コマンドに基づく報知の態様とは異なっている。また、音声ランプ制御装置143では、遊技機主部12や前扉枠14が開閉されるといった報知解除操作が行われるまで各種報知を継続させる。つまり、通常時と復電時とでは、報知の態様だけでなく、報知解除の態様も異なっている。なお、これに限定されることはなく、報知の態様や報知解除の態様が通常時と復電時とで同一であってもよい。
また、復電時用報知処理では、遊技ホールに設けられたホールコンピュータに外部端子板213を介して復電時報知用信号を出力する。この場合、ホールコンピュータでは復電時報知用信号をパチンコ機10から入力した日時やパチンコ機10の台番号といった識別情報を履歴として記憶する処理や、遊技ホールに設けられた監視カメラを対象となるパチンコ機10に向けるといった処理を実行する。
上記復電時用報知処理が実行されることにより、電源遮断中に前扉枠14又は遊技機主部12が開放操作されていた場合には、それを遊技ホールの管理者等に報知することができ、仮にそれが不正開放である場合にはそれに対処させることができる。
なお、復電時用報知処理において前扉枠14が開放操作されていた場合と遊技機主部12が開放操作されていた場合とで、電断時報知用コマンド又は電断時開放検知信号の情報形態を異ならせてもよい。この場合、前扉枠14が電源遮断中に開放された場合と遊技機主部12が電源遮断中に開放された場合とで、パチンコ機10自身又はホールコンピュータにおいて報知の態様を異ならせることができ、遊技ホールの管理者等に対して適切に対処させることが可能となる。また、復電時用報知処理は、上記のものに限定されることはなく、復電時報知用コマンド又は復電時報知用信号のいずれか一方のみを出力する構成としてもよい。また、復電時報知用コマンドの出力に基づく処理として、スピーカ部26からの報知音の出力、エラー表示ランプ部24の点灯、又は図柄表示装置91での報知表示のうち一部のみを実行する構成としてもよい。
ステップS317にて復電時用報知処理を実行した後は、ステップS311にて割込み許可を設定し、通常処理に移行する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
前扉枠14の開放状態を監視する第1監視装置250を設けた。この第1監視装置250によって、前扉枠14が開放されていることを検知し、エラー表示ランプ部24等を用いて報知することができる。これにより、遊技盤81(遊技領域)に対して行なわれる不正を抑制することができる。
第1監視装置250によって電力供給時の前扉枠14の開放検知と、電力供給遮断時の前扉枠14の開放検知とを実現している。これにより、構成の煩雑化を抑えつつ、不正抑制効を向上することが可能となっている。
本実施の形態においては特に、構造的側面から前扉枠14の不正開放が行なわれた事実を保存する構成とした。電気的側面から前扉枠14の開放履歴を保存する構成と比較すれば、電力供給が遮断された状態で電気機器を動かすための電源(例えばバッテリ等)を必要としない。故に、省エネに貢献しつつ不正抑制効を高めることができる。
遮蔽部277bの第1位置及び第2位置の両位置間での移動に、遮蔽部277bの自重とソレノイド276の磁力とを利用している。このように遮蔽部277bの自重落下を利用することで、付勢部材等を用いることなく、遮蔽部277bの両位置間での移動を実現している。これにより、遮蔽部277bを往復運動させるための構成の簡略化に貢献している。
発光素子266及び受光素子267を本体枠13側に集約し、前扉枠14に光反射部材274を配置することで、発光素子266からの光を受光素子267へ届ける構成とした。このように電気的な接続を必要とする各素子266,267を本体枠13側に集約することで、ハーネス等の取り回しの簡略化を実現している。また、前扉枠13の開放検知に必要な構成(第1監視装置250等)を主として本体枠13側にまとめて配置することで、前扉枠13の重量の増加を抑えている。これにより、前扉枠13の開閉時の作業性を担保している。
また、光反射部材274を用いることで、光の通過経路を長く設定することができる。発光素子266からの光が光反射部材274によって反射され、受光素子267に到達する構成において、光反射部材274からの反射光が到達する位置は、光反射部材274への入射角と光の通過経路の長さとによって変化する。前扉枠14の開放角度が小さい場合、すなわち光反射部材274への入射角の変化が小さい場合であっても、光の通過経路を長く設定することで、反射光の到達位置の変化を大きくすることができる。これにより、受光素子267への反射光の到達を抑え、前扉枠14の開放検知の精度を向上することができる。すなわち、前扉枠14の開放角度が小さい場合でも、開放状態を好適に検知することが可能となっている。例えば、前扉枠14を少しだけ開いた状態で行なわれる不正行為の抑制に貢献することができる。
光反射部材274としてプリズムを用い、発光素子266と受光素子267との中心軸線の方向を前後方向に設定した。前扉枠14が回動する際に、その回動量が微小な状態では、その回動先端部分の初期位置からの変位成分は左右方向よりも前後方向で大きくなりやすい。すなわち、前扉枠14が閉じた状態においては、光反射部材274と各素子266,267との位置関係は左右方向では変わりにくくなっている。このため、仮に、閉状態での前扉枠14の位置が回動方向に若干ばらついた場合であっても、発光素子266から光反射部材274を経由し受光素子267に到達する光の経路が担保されやすくなっている。換言すれば、前扉枠14の位置ばらつきに伴う開放検知精度の低下が抑制されている。
以上のように、光反射部材274と各素子266,267を設けることで、パチンコ機10の前後方向への相対位置の変位を許容しつつ、左右方向への相対位置の変位を精度よく検知することができる。故に、前扉枠14が閉じている状態での開放検知の誤作動を抑制しつつ、前扉枠14が開放された際の検知精度を向上することが可能となっている。
本実施の形態においては、本体枠13と前扉枠14との相対位置の変位を利用することで、遮蔽部277bの位置の切り替えを規制又は許容する構成とした。具体的には、前扉枠14の突起14bが遮蔽部277bの軌道上から離れることで、遮蔽部277bの第1位置及び第2位置の両位置間での移動が可能となる構成とした。前扉枠14の開放角度が同一の場合、回動先端側における変位量は回動基端側における変位量よりも大きくなりやすい。第1監視装置250を、前扉枠14の回動先端側に配置することで、前扉枠14が小さく開放された場合でも、突起14bの移動量を確保しやすくなる。これにより、前扉枠14の開放度合いの大小によらず、第1監視装置250の開放検知機能を担保しやすくできる。
遮蔽部277bによって受光素子267のみを覆う構成とした。両素子266,267を覆う構成とした場合を想定すれば、遮蔽部277bの位置がばらつくことで発光素子266からの光が遮蔽部277bによって反射され受光素子267に届くと可能性がある。かかる場合、前扉枠14や遊技機主部12が電力遮断時の開放事実を検知できないといった不都合が生じ得る。しかしながら、上述の如く受光素子267のみを覆うことで、遮蔽部277bにおける光の反射を抑制し、誤検知の回避に貢献することができる。
電力遮断時における遊技機主部12又は前扉枠14の開放を検知した状態において、開放が検知された対象の開閉によって検知状態がリセットされる構成とした。遊技機主部12及び前扉枠14は所定のキー操作によって開放可能となっている。このため、検知状態が不正にリセットされるといった不都合を回避可能となっている。
前扉枠14を開放する際に、前扉枠14の回転角度が所定の角度に達するまでは、本体枠13の開口フランジ13aによって、前扉枠14の前面が視認しにくくなっている。突起14bによる遮蔽部277bの移動規制が解除されるタイミングは、第1監視装置250が視認可能となるタイミングよりも早く設定されている。このため、本体枠13と前扉枠14との境界部位から不正具を挿入し、その不正具によって遮蔽部277bの移動を妨げようとしても、不正具が挿入容易となった状態では、遮蔽部277bの移動が行なわれた後になる。このため、遮蔽部277bの移動を故意に妨げるといった不正行為を困難なものとすることができる。
以下に、本実施の形態の開示範囲において抽出可能な技術的思想を記載する。
(A1).支持対象(外枠11や本体枠13)に対して開閉可能に支持された開閉体(遊技機主部12や前扉枠14)と、
当該開閉体の背面側又は後方に設けられ、外部電源から供給される電力に基づいて動作する電気機器(主制御装置162や払出制御装置242等)と、
前記外部電源からの電力供給が行われている状況では第1位置に移動し、電力供給が遮断されている状況では第2位置に移動する移動体(動作軸277の遮蔽部277b)と、
前記開閉体が開放された状態では、前記移動体における第1位置及び第2位置の両位置間での移動を許容し、前記開閉体が閉じた状態では、前記移動体における両位置間での移動を規制する規制部(突起14bや突起296)と、
少なくとも前記外部電源から電力供給が開始された場合に、前記移動体の位置を検知する検知手段(検知装置265)と
を備えていることを特徴とする遊技機。
(A1)の遊技機では、少なくとも電力の供給が開始された際に移動体の位置が検知される。その検知結果に基づいて、電力の供給が停止されている間に開閉体が開閉されたかどうかを確認することができる。
電力供給状態で開閉体を閉じている場合、移動体は第1位置に存在している。開閉体が閉じられた状態のまま電力の供給が停止されると、移動体は第2位置へ移動しようとする。しかしながら、その移動体の移動は規制部によって規制される(妨げられる)。以下この状態を待機状態という。この待機状態で電力の供給が再開されると、検知手段によって移動体が第1位置に存在していると検知される。
一方、待機状態において開閉体が開放された場合には、移動体の移動が許容される。このため、移動体は第2位置へと移動する。再び開閉体が閉じられることで、規制部は移動体の移動を規制する状態へと移行される。すなわち、移動体の第2位置から第1位置への移動が規制された状態となる。この状態で電力の供給が再開されると、移動体は第1位置へ移動しようとする。しかしながら、規制部によってその移動が妨げられるため、第2位置に留まった状態となる。このため、検知手段によって第2位置に存在していると検知される。
上述の如く、電力の供給が停止した状態で、開閉体の位置が切り替わることで、開閉体の開放が行なわれたことに起因する構造的な変化を生じさせることができる。そして、開閉体が閉じられることで、この変化を構造的に保存することができる。これにより、電力の供給が開始された際に、待機状態にて開閉体の開放が行なわれた事実を確認することができる。このように構造的側面から開閉体の開閉事実を保存することができる構成とすることで、夜間等に電力の供給を継続して行うことを回避しつつ、すなわちエネルギの節約(省エネ)に貢献しつつ、遊技機に対して行なわれる不正行為を抑制することができる。
なお、(A1)に示す「第1位置」及び「第2位置」は所定の場所を示し、移動体が移動可能な所定の範囲を有していてもよい。
また、「少なくとも前記外部電源から電力供給が開始された場合」とは、電力の供給が開始されたその時点や、電力の供給が開始された後を示すものである。
(A2).前記検知手段によって、前記第1位置及び前記第2位置のいずれか一方の位置における前記移動体の有無が判定されることを特徴とする(A1)に記載の遊技機。
移動体の位置を検出するには、各位置に個々に対応する検知手段を設定することが考えられる。このように移動体の存在を全ての位置にて検知する構成とすると、移動体の位置を確実に把握することができる反面、検知手段の構成が煩雑化する可能性が生じる。
(A2)に示すように、第1位置及び前記第2位置のいずれか一方の位置における移動体の有無の判定を行う構成とすることで、移動体の位置検知機能を担保しつつ、検知手段の構成の簡略化に貢献できる。例えば、移動体が第1位置及び第2位置の両位置間でのみ切り替え可能である場合、第1位置及び前記第2位置のいずれか一方の位置における移動体の有無の判定を行う構成とすることで、移動体がいずれの位置にあるかを直接的又は間接的に把握できる。これにより、移動体の位置の検知を確実なものとしつつ、検知手段の構成の簡略化に貢献することができる。
(A3).前記移動体を前記第2位置に向かって常時付勢する第2位置付勢手段(動作軸277の自重)と、
前記外部電源からの電力が供給されている状況にて、前記移動体を前記第1位置に向かって付勢する第1位置付勢手段(動作機構275のソレノイド276)と
を備え、
前記第1位置付勢手段の付勢力が前記第2位置付勢手段の付勢力よりも大きく設定されていることを特徴とする(A1)又は(A2)に記載の遊技機。
移動体を第1位置及び第2位置の両位置にて移動可能とするには、(A3)に示すように、2つの付勢手段を設けるとよい。電力が供給されている状態においては、第1位置付勢手段の付勢力が第2位置付勢手段の付勢力に勝り、移動体は第1位置に移動可能となる。一方、電力の供給が停止している状態においては、第2位置付勢手段の付勢力によって、移動体が第2位置に移動可能となる。これにより、実用上好ましい構成を実現することができる。例えば、第2位置付勢手段としてバネ等の弾性部材を用いるとともに、第1位置付勢手段としてソレノイドアクチュエータ等の電気式アクチュエータを用いるとよい。
(A4).前記第2位置は、前記第1位置よりも下方に設定されていることを特徴とする(A1)乃至(A3)のいずれか1つに記載の遊技機。
(A4)によれば、第2位置が第1位置よりも下方に設定されているため、移動体の移動方向成分には上下方向成分が含まれる。これにより、移動体の自重落下を利用した第1位置から第2位置への移動を可能とし、移動体を移動させるための構成を簡略化できる。
特に(A2)との組み合せに(第1位置付勢手段及び第2位置付勢手段を有する構成)においては、第2位置付勢手段として移動体の自重を利用すればよい。
(A5).前記規制部は、前記移動体の両位置間での移動を規制する規制状態と、前記移動体の移動を許容する許容状態とに、前記開閉体の開閉に伴って切り替え可能に設けられていることを特徴とする(A1)乃至(A4)のいずれか1つに記載の遊技機。
(A5)によれば、規制部を開閉体の開閉に伴って切り替え可能とすることで、規制部の状態切り替えのための動力を別途設ける必要がない。すなわち、電力の供給が停止した状態においても、規制部の切り替えを機械的側面から実現することができる。例えば、規制部が開閉体の開閉運動に追従して移動する構成とすればよい。
(A6).前記規制部は、前記移動体の移動経路上の位置と、移動経路から離れた位置とで切り替え可能に設定され、
前記支持対象及び前記開閉体のうちいずれか一方が前記移動体を備え、他方が前記規制部を備えていることを特徴とする(A1)乃至(A5)のいずれか1つに記載の遊技機。
(A6)によれば、規制部が、移動体の移動経路上に位置することで移動体の移動を規制し、移動体の移動経路から離間することで移動体の移動を許容する構成とすることができる。それら規制部及び移動体が開閉体と支持対象とに別々に設けられていることで、開閉体の開閉動作に伴って両者の位置関係を容易に変化させることができる。すなわち、規制部の移動体に対する相対位置を容易に切り替えることができる。これにより簡易な構成の実現に貢献できる。例えば、両者の相対位置の変位方向を開閉体の開閉方向と同一とすることで、開閉体の開閉による相対位置の変位を積極的に利用することができる。これにより、規制部と移動体(詳しくはその移動経路)と相対位置の変位量を担保しやすい構成とすることができ、より確実な切り替えの実現に貢献することができる。
(A7).前記開閉体は、前記支持対象に対して回動可能に取り付けられており、少なくともと前記移動体及び前記規制部は前記開閉体の回動先端側に配置されていることを特徴とする(A6)に記載の遊技機。
(A7)によれば、少なくとも移動体及び規制部は開閉体の回動先端側に配置されている。このため、両者が回動基端側に配置されている場合と比較して、開閉体の開放角度に対する相対位置の変位量を担保しやすくすることができる。すなわち、開閉体の開放角度が小さい場合であっても、移動体の移動が許容されている状態へ移行されやすい。故に、開閉体の開放度による不正検知機能への影響を受けにくい。例えば、開閉体を少しだけ開けて不正を行うことで、規制部による規制状態の解除が行われにくくするといった不都合を好適に抑制することができる。特に、遊技球が流下する遊技領域を有するパチンコ機等の遊技機においては、開閉体を少しだけ開いた状態での不正が生じ得る。しかしながら上述した構成の適用により、このような不正行為に対する抑制効果を担保することができる。
(A8).前記検知手段は、外部電源からの電力供給が行われている状況において信号を発する送信部(発光素子266)と、前記開閉体が閉じた状態で前記信号を受信可能な受信部(受光素子267)とを少なくとも備え、
前記移動体が第2位置にある状態では、当該移動体によって、前記送信部から発せられた信号が前記受信部に到達する前に遮蔽されることを特徴とする(A7)に記載の遊技機。
(A8)によれば、発信部から発せられた信号が受信部に到達する前に、移動体に遮られることで、移動体が第2位置に存在していることを検知することができる。かかる場合、電力の供給が停止している間に開閉体の開放が行なわれた可能性があることを把握することができる。
また、電力が供給されている状態において送信部から発せられた信号は、開閉体が閉じた状態でのみ受信部に到達する。これにより、開閉体が閉じた状態であることを検知することができる。一方、開閉体が開放された状態では、信号の受信が行なわれない。これにより、開閉体が開放された状態であることを検知することができる。つまり、検知手段は、外部電源からの電力供給が遮断されている状況及び電力供給が行われている状況のいずれにおいても、開閉体の開放を監視する機能を有することとなり、それぞれの機能を別々の構成にて具現化する場合と比べて、遊技機の部品点数の増加を抑えることができる。
例えば、発信部を光を発する発光部とし、受信部を光を受ける受光部とするとよい。
(A9).前記発信部から発せられた信号が前記開閉体の閉状態でのみ通過可能な信号通過経路を備え、前記信号通過経路は少なくとも前記開閉体と前記支持対象との境界領域に設定されていることを特徴とする(A8)に記載の遊技機。
開閉体が閉状態でのみ、信号の送受信が可能な構成とするには、(A9)に示すように、信号通過経路を少なくとも開閉体と支持対象との境界領域に設定するとよい。これにより、開閉体の開閉検知を簡易な構成で実現することができる。
(A10).前記検知手段は、
前記開閉体及び前記支持対象のうち少なくともいずれか一方に配置され、他方に向かって光を発する発光部(発光部266)及びその光を受ける受光部(受光部267)と、
他方に設けられ、前記開閉体が前記支持対象に対して閉じた状態において、前記発光部からの光を前記受光部に向けて反射する反射部(光反射部材274の反射面274b,274c)と
を有し、
前記移動体は光を遮蔽する遮蔽部(遮蔽部277b)を備え、
前記遮蔽部は、前記移動体が第2位置にある状態において、前記発光部及び前記受光部の少なくともいずれかと前記反射部材との間に位置していることを特徴とする(A7)に記載の遊技機。
(A10)によれば、発光部から発せられた光が受光部に到達する前に移動体の遮蔽部によって遮られることで、移動体が第2位置に存在していることを検知することができる。かかる場合、電力の供給が停止している間に開閉体の開放が行なわれた可能性があることを把握することができる。
また、電力が供給されている状態において発光部から発せられた光は、開閉体が閉じた状態でのみ受光部に到達する。これにより、開閉体が閉じた状態であることを検知することができる。一方、開閉体が開放された状態では、光の受け渡しが行なわれない。これにより、開閉体が開放された状態であることを検知することができる。つまり、検知手段は、外部電源からの電力供給が遮断されている状況及び電力供給が行われている状況のいずれにおいても、開閉体の開放を監視する機能を有することとなり、それぞれの機能を別で設ける構成に比して、遊技機の部品点数の削減が図られる。
上述の如く、検知手段を追加することで、構成の煩雑化が生じるおそれがある。特に配線等の取り廻しが煩雑化することで、遊技機の製造工程が複雑化したり、メンテナンス等の際の作業性が悪化したりすると懸念される。(A10)においては、開閉体又は支持対象に発光部と受光部とをまとめて設けることで、配線の取り廻しの煩雑化を抑制することができる。例えば、支持対象に発光部及び受光部を設け、開閉体に反射部を設けるとよい。これにより、開閉体の重量の増加を抑えることができるため、開閉体の建付け等への影響を抑えつつ、開閉体の開放検知を実現することができる。また、近年では機種交換の際に、開閉体を交換し、支持対象を共通で使用することで遊技機のリユース性の向上が図られている。上述の如く、発光部及び受光部を支持対象にまとめて配することで、構成部品が増加しつつも、それらのリユース性の向上に貢献できる。
(A11).前記検知手段は、前記移動体が前記第1位置及び前記第2位置のいずれか一方にある状態において前記移動体に当接するスイッチ(スイッチ410)を有していることを特徴とする(A1)乃至(A7)のいずれか1つに記載の遊技機。
(A11)によれば、スイッチと移動体とが当たるか否かによって、移動体が第1位置及び第2位置のいずれかに存在しているかを検知することができる。光センサ等を用いることで移動体の位置を検知する場合と比較して、検知装置を稼動させるのに必要な電力を抑えることが容易である。これにより、省エネへの貢献度向上に寄与できる。
(A12).前記スイッチは、前記移動体から離間している離間位置と、前記移動体に接触する接触位置との両位置間で変位可能に構成され、
前記スイッチの変位方向が前記移動体の移動方向と同一方向に向けて設定されていることを特徴とする(A11)に記載の遊技機。
(A12)によれば、移動体の移動方向とスイッチの変位方向とを同一とした。これにより、移動体とスイッチとの接触方向に所定の負荷を発生させることが容易となる。例えば、遊技機が揺れる等した場合であっても、移動体とスイッチとの接触状態を保持することが容易となる。
(A3)及び(A4)との組み合わせにおいては特に、移動体が第2位置にある状態にて両者が当接する構成とすればよい。これにより、移動体の自重又は第2位置付勢手段により、移動体とスイッチとの接触状態を一層好適に担保できる。
(A13).前記外部電源に接続され、前記検知手段による検知結果に基づき所定の不正発生及びその可能性を報知する報知手段(エラー表示ランプ部24やスピーカ部26や図柄表示装置91等)を備えていることを特徴とする(A1)乃至(A12)のいずれか1つに記載の遊技機。
(A13)によれば、報知手段を遊技機に設けることで、開閉体の不正開放の検知及びその報知を遊技機にて完結することができる。これにより、ホールの営業形態に左右されず、不正対策機能を有する遊技機の導入を促進することができる。例えば、遊技機が絵柄表示装置(絵柄表示装置91)やランプ部(エラー表示ランプ部24)やスピーカ(スピーカ部26)等を有する構成においては、それら絵柄表示装置等を報知手段として利用すればよい。
(A14).前記支持対象は、少なくとも前記開閉体における回動先端側の外周縁を遊技機側方から覆う遮蔽部(開口フランジ13a)を有し、
前記遮蔽部と前記開閉体との重なりが、前記開閉体の回動が所定の角度に到達するまで維持される遊技機であって、
前記規制部と前記移動体の移動経路との交差状態が維持される前記開閉体の開動角度のが、前記遮蔽部と前記開閉体との重なりが維持される開閉体の回動角度よりも小さく設定されていることを特徴とする(A6)又は(A7)に記載の遊技機。
(A14)によれば、待機状態において開閉体が回動された際には、先ず移動体の移動規制が解除され、移動体の第2位置への移動が可能となる。さらに開閉体を回動することで、遮蔽部と開閉体の重なりが解け、開閉体における支持対象と対向する部位が視認可能となる。すなわち、規制部等が視認可能となる。このように、移動体の移動が、開閉体と遮蔽部との重なりによって遮られることで、遊技機外部からの移動体等への不正なアクセスを困難なものとすることができる。故に、開閉体の不正開放検知を一層好適なものとすることができる。
(A15).前記検知手段によって、前記外部電源からの電力供給が行われている状況及び電力供給が遮断されている状況のいずれにおいても前記移動体の位置を検知が検知されることを特徴とする(A1)乃至(A14)のいずれか1つに記載の遊技機。
(A15)によれば、上記(A1)乃至(A14)に示したように、電力遮断時に開閉体の開放が行われたことを検知することができ、更に同一の構成(詳しくは移動体や規制部等)を用いることで電力供給中における開閉体の開放を検知することもできる。このように、同一の構成を用いることで開閉体の開放を監視することで、それぞれの機能を別で設ける構成に比して、遊技機の部品点数の削減が図られる。開放検知に関する構成が複雑化することを回避することで、開放検知に関する構成自体に不正がなされた場合であってもこれを発見しやすくすることができる。故に、更なる防犯性の向上に貢献することができる。
以下に本実施の形態における変形例を示す。
(a)本実施の形態では、外枠11に対する遊技機主部12の開放を監視する第1監視装置250、及び本体枠13に対する前扉枠14の開放を監視する第2監視装置290を設けたが、必ずしも両者を設ける必要はなく、いずれか一方のみを設ける構成としてもよい。また、本体枠13に対する裏パックユニット15の開放を監視する裏パック監視装置を設けることも可能である。
(b)本実施の形態では、本体枠13に各監視装置250,290を配置したが、これを変更し、第1監視装置250を前扉枠14に配置し、第2監視装置を外枠11に配置することも可能である。また両監視装置250,290をまとめてユニット化し、本体枠13に配置することも可能である。これにより、メンテナンス等の際に確認すべき部位を減らし、作業効率の向上に貢献することができる。
(c)本実施の形態では、光反射部材274をプリズムで構成したが、これを変更し、平面鏡等の鏡で構成することも可能である。例えば、平面鏡を1つだけ用いる場合、発光素子266及び受光素子267の中心軸線が前扉枠14の背面にて互いに交差する構成とし、その交差する位置に平面鏡を配置するとよい。
(d)本実施の形態では、本体枠13に発光素子266及び受光素子267を設けるとともに、前扉枠14に光反射部材274を設けた。これを以下のように変更してもよい。すなわち、図72の(a)に示すように、本体枠13及び前扉枠14のいずれか一方に発光素子400を設け、他方に受光素子401を設ける構成としてもよい。両素子400,401を対向して配置することで、両素子400,401間での光の受け渡しが可能となる。これにより、両素子400,401間での光の拡散を抑制し、受光素子401に到達する光の量を担保しやすくできる。
(e)本実施の形態では、ソレノイド276の動作軸277が通電時には縮み状態となり、電断時には伸び状態となる構成としたが、これを変更し、通電時には伸び状態となり、電断時には縮み状態となる構成とすることも可能である。
(f)本実施の形態では、ソレノイドの276の中心軸線が上下方向を向く構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、ソレノイド276の中心軸線が水平方向を向いてもよい。但し、かかる場合、動作軸277の自重を利用した位置の切り替えが困難となる。そこで、ソレノイド276の通電時の動作方向と反対の方向に動作軸277を付勢する付勢手段を設けるとよい。例えば、コイルバネを用いるとよい。ソレノイド276が励磁されることで、コイルバネの付勢力に抗して動作軸277が移動可能とすることで、第1位置及び第2位置間での切り替えが担保される。
(g)本実施の形態では、収容ケース体251全体が光透過性を有する構成としたが、必ずしも収容ケース体251の全体が光透過性を有する必要はない。少なくとも収容ケース体251の前板部255における両素子266,267と対向する範囲が光透過性を有すればよい。
(h)本実施の形態では、第1監視装置250を本体枠13における、前扉枠14の回動先端側に設けたが、第1監視装置250の位置はこれに限定されるものではない。例えば、本体枠13の回動基端側に設けてもよい。また、第2監視装置290についても同様に、その配置位置は本体枠13の下部に限定されるものではなく、例えば本体枠13の上部に設けることも可能である。
(i)本実施の形態では、各監視装置250,290を主制御装置162に接続する構成としたが、その接続先は主制御装置162に限定されるものではない。例えば、音声ランプ制御装置143等に接続することも可能である。
(j)突起14bの位置検出装置を更に備える構成とすることも可能である。位置検出装置により、前扉枠14が閉じられている状態において突起14bが所定の位置にあるか否かを検知する。これにより、電力遮断時における監視装置250の開放事実保持機能を担保することができる。以下、具体的構成について図72の(b)に基づいて説明する。
ハウジング252の内部には検出スイッチ430が設けられている。検出スイッチ430は、蓋用ケース体280への取り付け対象たる基部431と、基部431に対して変位可能に設けられた可動部432とを備えている。可動部432は突起14bの挿入方向と同一の方向に変位可能に設定されている。より詳しくは、可動部432は伸び位置と縮み位置の2つの位置に切り替え可能となっている。検出スイッチ431は図示せぬ付勢部材(例えばコイルバネ)を備えており、この付勢部材により可動部432は伸び位置に向けて付勢されている。可動部432の先端には、突起14bの先端部が当たる当接部433が設けられている。前扉枠14が閉じた際には、突起14bの先端部が当接部433に当たる。可動部432は付勢部材の付勢力に抗して押し込まれることで、伸び位置から縮み位置へ移行される。例えば、可動部432が縮み位置に切り替えられることで所定の信号が中継基板286に出力される構成とすればよい。信号の出力がなされることで、電力遮断時における前扉枠14等の不正開放を検知することができる。なお、位置検出装置430においては、スイッチに代えて光学センサ等を用いることも可能である。
(k)本実施の形態では、ソレノイド276が励磁されることで、動作軸277が上方に引き上げられる構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、ソレノイド276が励磁されることで、動作軸が下方に引き下げられる構成とすることも可能である。例えば、ソレノイド276を上下逆となるように配置するとよい。かかる場合非励磁状態にて動作軸277を移動させるための手段として、重力に替えバネ等の付勢部材による付勢力を用いるとよい。
(l)本実施の形態では、動作軸277の円柱部277aと遮蔽部277bとを一体として設けたが、これらを別体とすることも可能である。例えば、回動可能に軸支された棒状の中間体を設け、その軸支された部分を挟んで一方に遮蔽部をもうけるとともに、他方に、動作軸の円柱部と当接可能な当接部を設けるとよい。動作軸が当接部を押すことで中間体が回動し、それに伴って遮蔽部が変位する。これにより、遮蔽部の位置を切り替えることができる。なお、動作軸が当接部から離れる方向に移動した際に、遮蔽部を変位させるには、遮蔽部自身の重み(すなわち重量)を利用したり、バネ等の付勢部材によって付勢したりするとよい。
(m)本実施の形態では、ソレノイド276を励磁することで、ソレノイド276に挿通されたプランジャとしての動作軸277を変位させる構成としたが、これを以下のように変更することも可能である。すなわち、プランジャを有するソレノイドタイプの電磁石に代えて、プランジャを有さないタイプの電磁石を用いることも可能である。例えば、動作軸277に代えて、電磁石とは別個独立して設けられた磁性体からなる鉄球等の遮蔽部材を設け、電磁石を励磁することでこの遮蔽部材そのものが電磁石に引き寄せられる構成とするとよい。より具体的には、電磁石の磁力発生部分の下方に遮蔽部材を配置するとよい。電磁石が励磁されることで、遮蔽部材が持ち上げられ磁力発生部分に引き寄せられる。これにより、遮蔽部材の位置の切り替えを実現することができる。
(n)上記第7の実施の形態では、本体枠13や前扉枠14の開放監視処理を、タイマ割込み処理内及びメイン処理内に組み込む構成としたが、これを変更し、本体枠13や前扉枠14の開放監視処理を、通常処理内に組み込むことも可能である。
(他の実施形態)
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を相互に適用してもよい。
(1)上記第1乃至第6の各実施の形態における監視装置の変形例を、図73を参照して説明する。図73は別の監視装置460の内部構成を説明するための説明図であり、図73(a)は自然状態を示し、図73(b)は最大押圧状態を示し、図73(c)は最大押圧状態から自然状態に復帰する途中の状態を示す。
図73(a)に示すように、監視装置460は、四角箱状のハウジング461を備えている。ハウジング461にはプッシャ462が設けられており、プッシャ462はその一端側がハウジング461外に突出している。プッシャ462はバネ463によりハウジング461の外方に向けて付勢されており、その付勢力に抗する力で押圧されることでハウジング461内に向けて移動する。
ハウジング461には、連動ギア464が設けられている。連動ギア464は、その回転軸方向がプッシャ462の移動方向と交差している(具体的には、直交している)。連動ギア464は、第1ギア465と、当該第1ギア465よりも小型の第2ギア466とが一体形成されたものであり、これら第1ギア465及び第2ギア466は各回転軸が同一軸線上に位置するようにして当該軸線方向に並設されている。なお、これら第1ギア465と第2ギア466とが別体であり、両者を一体化して連動ギア464を構成してもよい。連動ギア464のうち第1ギア465は、その外周に、二等辺三角形の歯が連続して形成されたものであり、第2ギア466は、回転方向を一方に制限するためのラチェットとして形成されている。
連動ギア464は、プッシャ462が最大押圧位置から自然状態に復帰する際に回転する。当該構成について詳細には、プッシャ462にはその側面から突出する爪部材467が取り付けられている。爪部材467はプッシャ462の内部に形成された穴部468に一端側が挿入されており、バネ469により外方に向けて付勢されている。そして、爪部材467に対してバネ469の付勢力に抗する力が加えられた場合、爪部材467は穴部468内方に向けて移動する。
爪部材467は、自然状態において第2ギア466の周面と当接している。この場合、第2ギア466は、プッシャ462が最大押圧位置に向けて移動する場合には爪部材467が第2ギア466の歯を乗り越え、プッシャ462が最大押圧位置から自然状態に復帰する際に爪部材467が第2ギア466の歯に食い込むようになっている。
連動ギア464は、ハウジング461に設置されたストッパ470により移動が規制されており、プッシャ462が最大押圧位置から自然状態に復帰するタイミング以外において回転しないようになっている。この場合、ストッパ470の先端は、第1ギア465の歯と噛み合う山形状となっている。また、ストッパ470は、金属(又は合成樹脂)により薄板状に形成されており、板バネとして機能する。そして、この板バネの付勢力は、プッシャ462を押圧するバネ463の付勢力よりも小さくなっている。
上記構成においては、プッシャ462が自然状態から最大押圧位置に移動する場合、爪部材467は第2ギア466の歯を乗り越えるため、図73(b)に示すように、連動ギア464は回転しない。一方、プッシャ462が最大押圧位置から自然状態に復帰する場合、爪部材467は第2ギア466の歯に食い込む。そして、この食い込みにより、図73(c)に示すように、連動ギア464をストッパ470の付勢力に抗して回転させる。その後、図73(a)に示すように、プッシャ462が自然状態に復帰することで、連動ギア464は第1ギア465の歯とストッパ470の先端とが噛み合った状態となる。つまり、連動ギア464は、プッシャ462が最大押圧位置から自然状態に移動する場合に特定方向に回転し、その回転量は第1ギア465の1つの歯分となっている。さらに言うと、連動ギア464は、複数(具体的には、第1ギア465の歯の数分)の待機位置を有しており、プッシャ462が最大押圧位置から自然状態に移動する場合に一の待機位置から次の待機位置に回転する。
上記連動ギア464を備えた構成において、監視装置460には上記第1の実施形態と同様の検知装置が内蔵されている。また、連動ギア464の第1ギア465における第2ギア466側とは反対側の面には被検知部が設けられている。そして、これら検知装置及び被検知部により、連動ギア464の待機位置が検知され、遊技機の電源投入中においてその検知結果が制御装置に出力される。
以上説明した監視装置460によれば、プッシャ462の移動に連動した連動ギア464の回転が確実に行われるように、プッシャ462を押圧するバネ463の付勢力とストッパ470の付勢力とを正確に調整する必要がある点で上記第1の実施形態の監視装置250よりも設計が難化するものの、開閉体の不正開放が行われた場合には検知状態が変更されるため、当該不正開放に対処することができる。また、開閉体が閉鎖操作された場合には検知状態が変更することなく、開閉体が開放操作された場合に検知状態が変更するようにすることができる。
(2)上記第1乃至第6の各実施の形態における監視装置250,420の構成を、複数段階の検知状態の1つを初期検知状態として設定するとともに、監視装置250,420に電動アクチュエータを設け、外部電源からの電力供給が遮断される場合には、当該電動アクチュエータを駆動させることで監視装置250,420の検知状態を初期検知状態に変更させる構成としてもよい。当該構成においては、外部電源からの電力供給が遮断される場合には監視装置250,420の検知状態は必ず初期検知状態となる。したがって、電力供給が遮断される場合にRAM313,433に監視装置250,420の検知状態を記憶させる必要はない。また、ROM312,432に初期検知状態を記憶させておき、外部電源からの電力供給が開始された場合には、ROM312,432に記憶された初期検知状態と、電力供給の開始後に把握した監視装置250,420の検知状態とを比較することで、電力供給が遮断されている状況において開閉体の不正な開閉操作が行われたか否かを確認することができる。
(3)上記第1乃至第6の各実施の形態における監視装置250,420を、開閉体の開閉操作に連動して電気的に動作することで検知状態(待機状態)が変更される構成としてもよい。但し、本構成においては、監視装置250,420に対して、遊技機の電源機能とは独立した電源機能を設ける必要がある点で、上記各実施形態よりも遊技ホール等におけるランニングコストの増加を招くこととなるため、この点、上記各実施形態における構成が好ましい。
(4)検知装置258において待機位置を検知するための構成を、上記第1乃至第6の各実施の形態とは異なるものとしてもよい。例えば、上記第1の実施形態において、円盤262の裏面に発光素子を複数設けるとともに、それら発光素子を各待機位置に対応させて設置する。また、検知装置258には、上記発光素子から照射された光を受光する受光素子を設ける。そして、円盤262の待機位置に応じて、光を受光する受光素子の組合せを異ならせる。当該構成によれば、発光素子及び受光素子を設ける必要がある点で上記第1の実施形態よりも構成が複雑化するものの、検知装置258において円盤262の待機位置を検知することができる。
(5)上記第1乃至第6の各実施の形態では、連動体として、プッシャ266の移動に応じて回転する円盤262を設けたが、これを変更してもよい。例えば、連動体として、プッシャ266の移動に応じて直線的に移動する直線可動部材を設けてもよい。具体的には、プッシャ266の移動方向と同一方向に移動するように直線可動部材を設置する。直線可動部材にはその移動方向に複数の押圧受け部を並設し、プッシャ266が押圧位置に移動する度に移動方向奥側の所定位置にある押圧受け部が押されて直線可動部材が移動するようにすることで、プッシャ266が押圧される度に直線可動部材が奥側に段階的に移動するようにする。そして、直線可動部材の移動方向の位置を検知する検知装置を設ける。当該構成であっても、監視装置250,420において待機状態(又は検知状態)が変更されることとなり、開閉体の不正開放を監視することは可能である。但し、本構成では、直線可動部材を初期状態に復帰させる電動アクチュエータを設ける必要が生じる。
(6)上記第1乃至第6の各実施の形態では、通常時更新処理及び電断時更新処理において、新たに確認した監視装置251,252の検知状態がRAM313,433に記憶されている検知状態と異なっている場合に、RAM313,433における検知状態の情報の更新を行う構成としたが、これに代えて、前者の検知状態と後者の検知状態とが異なっているか否かに関係なく、RAM313,433における検知状態の情報の更新を行うようにしてもよい。当該構成であっても、検知状態が変更された場合にはその検知状態がRAM313,433に記憶されることとなる。
(7)上記第1乃至第6の各実施の形態では、RAM313,433に記憶されている検知状態と、電力供給が開始された後に把握した検知状態とが異なっていると判定した場合には、報知処理に加えて又は代えて、その後の遊技を禁止する遊技禁止処理を実行するようにしてもよい。この場合、電力供給が遮断されている状況において開閉体が不正に開閉操作され、遊技機を構成する構成部品に不正が行われた場合に、その不正が行われた状態で遊技が開始されてしまうことを確実に阻止することができる。
(8)上記第5の実施形態では、主制御装置162のROM432に、開閉体が開放状態にある場合における監視装置420の全検知状態の情報と、開閉体が閉鎖状態にある場合における監視装置420の全検知状態の情報とが記憶されている構成としたが、これを変更してもよい。例えば、開閉体が開放状態にある場合における監視装置420の全検知状態の情報、又は開閉体が閉鎖状態にある場合における監視装置420の全検知状態の情報のいずれかが記憶されている構成としてもよい。例えば、ROM432に、開閉体が開放状態にある場合における監視装置420の全検知状態の情報が記憶されている構成においては、監視装置420の検知状態がROM432に記憶されている検知状態の情報のいずれかと同一である場合には開閉体が開放状態であることを特定でき、監視装置420の検知状態がROM432に記憶されている検知状態の情報のいずれとも同一でない場合には開閉体が閉鎖状態であることを特定できる。よって、当該構成であっても、上記第5の実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、開閉体の開放の監視に関してROM432に必要な記憶容量の削減が図られるというさらなる効果を得ることができる。
(9)上記第5の実施形態において、開閉体が開放状態にある場合における監視装置420の全検知状態に共通の情報を付与するとともに、開閉体が閉鎖状態にある場合における監視装置420の全検知状態にも開放状態の場合とは異なる共通の情報を付与する構成としてもよい。具体的には、検知装置258の金属端子294を上記第5の実施形態よりも多く設ける。そして、開閉体が開放状態にある場合には、円盤262がいずれの待機位置であってもベース金属端子と導通が確保される金属端子群の中に第1特定金属端子が含まれる構成とするとともに、開閉体が閉鎖状態にある場合には、円盤262がいずれの待機位置であってもベース金属端子と導通が確保される金属端子群の中に第2特定金属端子が含まれる構成とする。
本構成の場合、開閉体が開放状態にある場合における監視装置420の全検知状態の情報と、開閉体が閉鎖状態にある場合における監視装置420の全検知状態の情報とを主制御装置162のROM432に記憶させておかなくてもよい。つまり、開放状態における共通の情報と閉鎖状態における共通の情報とをCPU431において特定可能とするとともに、それら共通の情報のみをROM432に記憶させておくことで、外部電源から電力供給が行われている状況において開閉体が開放されたか否かを特定することができる。本構成によれば、検知装置258の構成が上記第5の実施形態よりも複雑化するものの、開閉体の開放の監視に関してROM432に必要な記憶容量の削減が図られる。
(10)上記第1乃至第6の各実施の形態では、メイン処理(図30、図45)にて、RAM313,433に記憶されている検知状態と、電力供給が開始された後に把握した検知状態とが異なっていると判定した場合には、RAM消去スイッチ247が押されていた場合や、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)により記憶保持されたデータの異常が確認された場合と同様に、音声ランプ初期化コマンドを出力する構成としてもよい。
(11)上記第1乃至第6の各実施の形態では、CPU311,431のタイマ割込み処理において実行する第1開放監視処理や第2開放監視処理を通常処理(図31)にて実行してもよい。本構成の場合、2msec周期という比較的短い周期で起動されるタイマ割込み処理の1回の処理時間を上記各実施形態よりも短くすることが可能となる。
(12)監視装置251,252の設置箇所は上記各実施形態における箇所に限定されることはなく、例えば、上記第1の実施形態において監視装置251,252を開閉体の開閉先端側に設置する構成としてもよい。
(13)上記第5の実施形態では、監視装置420のプッシャ266は、支持対象に対して開閉体が閉鎖されている場合に押圧力が付与されて最大押圧位置に待機し、支持対象に対して開閉体が開放された場合に押圧力の付与が解除されて自然状態の位置に移動する構成としたが、これを変更してもよい。例えば、支持対象に対して開閉体が開放されている場合に押圧力が付与されて最大押圧位置に待機し、支持対象に対して開閉体が閉鎖されている場合に押圧力の付与が解除されて自然状態の位置に移動する構成としてもよい。
具体的には、プッシャ266と開閉体との間に介在押圧部材を設ける。当該介在押圧部材は、例えば板状であり、その長手方向の途中位置に回動軸を有している。介在押圧部材の長手方向の一端は、開閉体を閉鎖した場合に当該開閉体の一部と当接するとともに、開閉体を開放した場合にその当接状態が解除されるものとする。また、介在押圧部材における上記回動軸を挟んだ長手方向の他端側に監視装置250を設け、介在押圧部材の上記一端が開閉体の一部と当接している場合に、介在押圧部材の上記他端が監視装置250のプッシャ266を押圧せず、介在押圧部材の上記一端が開閉体の一部と当接しない場合に、介在押圧部材の上記他端が監視装置250のプッシャ266を押圧するようにする。本構成であっても、開閉体の開放を監視することが可能である。
(14)上記第1の実施形態等では、前扉枠14及び遊技機主部12の両方に対して監視装置250を設けたが、いずれか一方に対して監視装置250を設けてもよい。
(15)上記第1の実施形態等では、各監視装置251,252を主制御装置162と電気的に接続し、当該主制御装置162にて開閉体の開放操作の特定や報知処理を行うようにしたが、これを変更してもよい。例えば、音声ランプ制御装置143、払出制御装置242、電源及び発射制御装置243又は表示制御装置324等にて開閉体の開放操作の特定や報知処理を行うようにしてもよい。また、監視装置251,252専用の制御装置を設け、当該専用の制御装置にて開閉体の開放操作の特定や報知処理を行うようにしてもよい。このように主制御装置162以外の制御装置において開閉体の特定や報知処理を行う構成においては、その制御装置の基板ボックスには主制御装置162と同様に、カシメや封印シールといった開放に際して痕跡を残す痕跡手段を設けることが好ましい。
(16)上記第1の実施形態等において、第1監視装置251と前扉枠14との間に押圧片を介在させ、前扉枠14を本体枠13に対して閉鎖した場合にはその押圧片により第1監視装置251のプッシャ266が押圧される構成としてもよい。また、第2監視装置252と外枠11との間に押圧片300を不具備とし、遊技機主部12を外枠12に対して閉鎖した場合には当該外枠12により第2監視装置252のプッシャ266が押圧される構成としてもよい。
(17)上記第1の実施形態では、一般入賞口82、可変入賞装置83、及び作動口84などの入球部に遊技球が入った場合には、遊技球を払い出す特典を付与する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、入球部に遊技球が入った場合に遊技球以外の賞品を払い出す構成であってもよい。
(18)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、例えば、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
以上詳述した各実施の形態や(1)〜(18)の各別例における構成を任意に組み合わせることも可能である。