JP6103518B2 - 揮発性有機塩素化合物の脱塩素化能を有する新規微生物およびその利用 - Google Patents

揮発性有機塩素化合物の脱塩素化能を有する新規微生物およびその利用 Download PDF

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本発明は、塩素化エチレン類や塩素化エタン類を含む揮発性有機塩素化合物の脱塩素化能を有する新規微生物、および当該微生物を用いて揮発性有機塩素化合物によって汚染された土壌や地下水を浄化する方法に関する。
テトラクロロエチレン(PCE)やトリクロロエチレン(TCE)などの塩素化エチレン類は安価で油に対する洗浄力の強い溶剤として、金属産業、半導体産業、ドライクリーニング店など幅広い分野で使用されている。その一方、塩素化エチレン類による土壌や地下水汚染について多くの報告があり、社会問題となっている。
微生物を用いる浄化技術は、排水処理における活性汚泥法や嫌気処理法などに広く利用されている。また、近年では、有害化学物質で汚染された土壌や地下水を微生物により浄化する技術(バイオレメディエーション)が、環境負荷および浄化コストの小さい浄化方法として着目されている。塩素化エチレン類のバイオレメディエーションには、「テトラクロロエチレン(PCE)→トリクロロエチレン(TCE)→ジクロロエチレン(DCE)→塩化ビニルモノマー(VCM)→エチレン」という還元的脱塩素化反応により塩素化エチレン類を無害化する嫌気性脱塩素化菌が利用されている。例えば、塩素化エチレン類で汚染された地下水の浄化技術として、微生物の栄養源となる有機資材を浄化井戸等から帯水層中に注入して嫌気性脱塩素化菌を活性化させ、無害なエチレンまで脱塩素化する方法が広く実用化されている(非特許文献1)。しかしながら、本技術は有機資材を浄化対象とする環境に導入して嫌気性脱塩素化菌を活性化させる浄化技術(バイオスティミュレーション)であるから、地盤中に嫌気性脱塩素化菌が存在していることが前提条件となる。ところが、上記の塩素化エチレン類の還元的脱塩素化反応のジクロロエチレン以降の反応を行い、エチレンまで完全に脱塩素化できる嫌気性脱塩素化菌が存在しないと考えられるサイトもある(非特許文献2)。そのようなサイトでは、本浄化技術(バイオスティミュレーション)は適用できない。
このような問題を解決するため、有用細菌を人為的に培養して増加させ、浄化対象とする環境に導入して浄化を促進させる方法(バイオオーグメンテーション)が期待されている。しかしながら、これまでジクロロエチレンからエチレンまで脱塩素化できる脱塩素化菌の単離例は国内ではなく、海外ではデハロコッコイデス(Dehalococcoides)属細菌で確認されているものの(非特許文献3)、脱塩素化活性が弱く、中間体である塩化ビニルの蓄積が認められたり、短時間での浄化が困難であるなどの問題があり、実用に供しえるものではなかった。また、デハロコッコイデス(Dehalococcoides)属細菌は、脱塩素化反応の電子供与体として水素のみを利用するなど条件が極めて限られていることからその単離や培養が難しいという問題がある。そのため、これまでデハロコッコイデス(Dehalococcoides)属細菌をバイオオーグメンテーションに使用する例では、当該細菌を含む微生物コンソーシア(複合微生物系)として利用するなど、非単離系のオーグメンテーションについて報告があるだけである(特許文献1〜4)。また、これらの報告例では、いずれもデハロコッコイデス(Dehalococcoides)属細菌の活性を高めるために、特定の培養条件や処理条件を採用している。さらに、コンソーシアにおけるデハロコッコイデス(Dehalococcoides)属細菌の割合も多いもので50%程度にすぎず、脱塩素化速度もばらつきがあった。
特開2006-296303 特開2011-244769 特開2012-86191 特開2011-194307
化学と生物、Vol.49, No.4, pp.256-260, 2011 Appl.Environ.Microbiol., 68, 485-495 (2002) Magnuson, J.K. et al., Appl. Environ. Microbiol. 66:5141-5147 (2000)
本発明の課題は、塩素化エチレン類や塩素化エタン類をエチレンまで完全に脱塩素化できる微生物を単離し、当該微生物を用いてこれまで有用微生物が存在せずに浄化ができなかった汚染環境でも迅速かつ完全に浄化する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、塩素化エチレン類で汚染された地下水に酵母エキスを主要な栄養源とする有機資材を導入して集積培養を行い、得られた微生物コンソーシアからシス-1,2-ジクロロエチレンの完全脱塩素化に関わる微生物の限定化を行ったところ、デハロコッコイデス(Dehalococcoides)属細菌UCH007株、ならびにスルフロスピリラム(Sulfurospirillum)属細菌UCH001株およびUCH003株を単離することに成功した。上記デハロコッコイデス (Dehalococcoides)属細菌は単独でもトリクロロエチレン(TCE)、1,1-ジクロロエチレン (1,1-DCE)、シス-1,2-ジクロロエチレン(cis-1,2-DCE)、塩化ビニルモノマー(VCM)を脱塩素化することができるが、スルフロスピリラム(Sulfurospirillum)細菌との共培養においてTCE、1,1-DCE、cis-1,2-DCE、VCMの全ての脱塩素化が促進されることが確認された。デハロコッコイデス(Dehalococcoides) Victoria groupに属し、シス-1,2-ジクロロエチレンを完全脱塩素化する微生物、およびスルフロスピリラム(Sulfurospirillum)属に属し、デハロコッコイデス(Dehalococcoides)属に属する微生物の上記脱塩素化を促進する微生物は、いずれも従来単離されておらず、本発明者らにより初めて見出されたものである。本発明はかかる知見により完成されたものである。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1) デハロコッコイデス(Dehalococcoides)属に属し、塩素化エチレン類および塩素化エタン類を脱塩素化する能力を有する微生物。
(2) 塩素化エチレン類および塩素化エタン類の脱塩素化が、エチレンまでの完全脱塩素化である、(1)に記載の微生物。
(3) 配列番号1に示す塩基配列と98%以上の相同性を有する塩基配列からなる16S rDNA遺伝子を有することを特徴とする、(1)または(2)に記載の微生物。
(4) デハロコッコイデス・エスピー(Dehalococcoides sp.)UCH007株(NITE AP-1471)。
(5) スルフロスピリラム(Sulfurospirillum)属に属し、デハロコッコイデス(Dehalococcoides)属に属する微生物による塩素化エチレン類および塩素化エタン類の脱塩素化反応を促進させる能力を有する微生物。
(6) 配列番号2または3に示す塩基配列と90%以上の相同性を有する塩基配列からなる16S rDNA遺伝子を有することを特徴とする、(5)に記載の微生物。
(7) スルフロスピリラム・エスピー(Sulfurospirillum sp.)UCH001株(NITE AP-1469)またはスルフロスピリラム・エスピー(Sulfurospirillum sp.)UCH003株(NITE AP-1470)。
(8) (1)〜(4)のいずれかに記載の微生物と(5)〜(7)のいずれかに記載の微生物との混合微生物。
(9) (1)〜(7)のいずれかに記載の微生物を用いて塩素化エチレン類または塩素化エタン類で汚染された環境を浄化する方法。
(10) (8)に記載の混合微生物を用いて塩素化エチレン類または塩素化エタン類で汚染された環境を浄化する方法。
(11) (5)〜(7)のいずれかに記載の微生物を用いて、デハロコッコイデス(Dehalococcoides)属に属する微生物による塩素化エチレン類および塩素化エタン類の脱塩素化反応を促進させる方法。
本発明によれば、塩素化エチレン類および塩素化エタン類の脱塩素化能を有するデハロコッコイデス(Dehalococcoides)属に属する新規な微生物、および該微生物による塩素化エチレン類および塩素化エタン類の脱塩素化反応を促進させる能力を有するスルフロスピリラム(Sulfurospirillum) 属に属する新規な微生物が提供される。本発明の微生物を単独でまたは複数を組み合わせて用いることより、従来は浄化できなかったエリアや浄化に時間がかかったエリアにおいて迅速な浄化を行うことが可能となる。特に上記の2つの微生物の混合微生物を用いることにより脱塩素化を早めることが可能であるため、浄化期間を短縮できる。さらに、本発明は、単離された1種または2種以上の微生物を用いるので、その維持や培養が容易であり、微生物コンソーシアを用いる方法よりも安定なバイオオーグメンテーションが可能となる。
図1Aは、有機資材未添加培養系における塩素化エチレン類の経時変化を示す(PCE: テトラクロロエチレン、TCE:トリクロロエチレン、cis-1,2-DCE:シス-1,2-ジクロロエチレン、VCM:塩化ビニルモノマー)。図1Bは、有機資材添加培養系における塩素化エチレン類の経時変化を示す(PCE: テトラクロロエチレン、TCE:トリクロロエチレン、cis-1,2-DCE:シス-1,2-ジクロロエチレン、VCM:塩化ビニルモノマー)。図1Cは、有機資材未添加培養系と有機資材添加培養系におけるDehalococcoides属細菌の16S rDNAコピー数の経時変化の比較を示す。図1Dは、有機資材未添加培養系と有機資材添加培養系におけるvcrA遺伝子のコピー数の経時変化の比較を示す。 図2は、デハロコッコイデス・エスピー(Dehalococcoides sp.)UCH007株添加培養系におけるシス-1,2-ジクロロエチレンの脱塩素化状況を示す(Ethylene:エチレン、cis-1,2-DCE:シス-1,2-ジクロロエチレン、VCM:塩化ビニルモノマー)。 図3は、スルフロスピリラム・エスピー(Sulfurospirillum sp.)UCH001株の添加培養系におけるシス-1,2-ジクロロエチレンの脱塩素化状況を示す(Ethylene:エチレン、cis-1,2-DCE:シス-1,2-ジクロロエチレン、VCM:塩化ビニルモノマー)。 図4は、スルフロスピリラム・エスピー(Sulfurospirillum sp.)UCH003株の添加培養系におけるシス-1,2-ジクロロエチレンの脱塩素化状況を示す(Ethylene:エチレン、cis-1,2-DCE:シス-1,2-ジクロロエチレン、VCM:塩化ビニルモノマー)。 図5は、デハロコッコイデス・エスピー(Dehalococcoides sp.)UCH007株とスルフロスピリラム・エスピー(Sulfurospirillum sp.)UCH001株の添加培養系におけるシス-1,2-ジクロロエチレンの脱塩素化状況を示す(Ethylene:エチレン、cis-1,2-DCE:シス-1,2-ジクロロエチレン、VCM:塩化ビニルモノマー)。 図6は、デハロコッコイデス・エスピー(Dehalococcoides sp.)UCH007株とスルフロスピリラム・エスピー(Sulfurospirillum sp.)UCH003株の添加培養系におけるシス-1,2-ジクロロエチレンの脱塩素化状況を示す(Ethylene:エチレン、cis-1,2-DCE:シス-1,2-ジクロロエチレン、VCM:塩化ビニルモノマー)。
以下に、本発明について詳細に述べる。
1.揮発性有機塩素化合物の脱塩素化能を有する微生物
本発明の第1の微生物は、塩素化エチレン類および塩素化エタン類を脱塩素化する能力を有するデハロコッコイデス(Dehalococcoides)属に属する新規微生物である。ここで、「塩素化エチレン類および塩素化エタン類の脱塩素化」とは、特には、塩素化エチレン類および塩素化エタン類の脱塩素化反応経路下流に共通する塩化ビニルモノマー(VCM)を経てエチレンに至るまでの完全な脱塩素化をいう。第1の微生物としては、本発明者らにより日本国内の塩素化エチレンの汚染サイトより集積培養により単離したデハロコッコイデス・エスピー(Dehalococcoides sp.)UCH007株が挙げられる。UCH007株の16S rRNAをコードするDNAの塩基配列を決定し、NCBIのプログラム BLAST (http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/)により同定を行った結果、デハロコッコイデス(Dehalococcoides)属に属することが判明した。しかしながら、本菌株は、デハロコッコイデス(Dehalococcoides)属の公知の菌株の16S rRNA遺伝子の塩基配列、嫌気的条件下での塩素化エチレン類の脱塩素化能、および下記の菌学的性質等を総合的に考慮すると、デハロコッコイデス(Dehalococcoides)属に属する公知の菌株とは異なることから、本菌株をデハロコッコイデス(Dehalococcoides)属に属する新規菌株と認め、デハロコッコイデス・エスピー(Dehalococcoides sp.)UCH007株と命名した。
本発明の第2の微生物は、デハロコッコイデス(Dehalococcoides)属に属する微生物による塩素化エチレン類および塩素化エタン類の脱塩素化反応を促進させる能力を有するスルフロスピリラム(Sulfurospirillum)属に属する新規微生物である。第2の微生物としては、本発明者らにより上記UCH007株とともに塩素化エチレンの汚染サイトより単離されたスルフロスピリラム・エスピー(Sulfurospirillum sp.)UCH001株、スルフロスピリラム・エスピー(Sulfurospirillum sp.)UCH003株が挙げられる。UCH001株、UCH003株の16S rRNAをコードするDNAの塩基配列を決定し、NCBIのプログラム BLAST (http://www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/)により同定を行った結果、いずれもスルフロスピリラム(Sulfurospirillum)属に属することが判明した。しかしながら、これらの菌株は、スルフロスピリラム(Sulfurospirillum)属の公知の菌株の16S rRNA遺伝子の塩基配列、および下記の菌学的性質等を総合的に考慮すると、スルフロスピリラム(Sulfurospirillum)属に属する公知の菌株とは異なることから、これらの菌株をスルフロスピリラム(Sulfurospirillum)属に属する新規菌株と認め、スルフロスピリラム・エスピー(Sulfurospirillum sp.)UCH001株、スルフロスピリラム・エスピー(Sulfurospirillum sp.)UCH003株と命名した。
デハロコッコイデス・エスピー(Dehalococcoides sp.)UCH007株(以下、「UCH007株」という)、スルフロスピリラム・エスピー(Sulfurospirillum sp.)UCH001株(以下、「UCH001株」という)、スルフロスピリラム・エスピー(Sulfurospirillum sp.)UCH003株(以下、「UCH003株」という)は、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(NPMD)(千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8)に以下の受託番号で寄託されている。
デハロコッコイデス・エスピー(Dehalococcoides sp.)UCH007株:NITE AP-1471(寄託日:2012年11月22日、識別の表示:UCH007)
スルフロスピリラム・エスピー(Sulfurospirillum sp.)UCH001株:NITE AP-1469(寄託日:2012年11月22日、識別の表示:UCH001)
スルフロスピリラム・エスピー(Sulfurospirillum sp.)UCH003株 (Sulfurospirillum sp. UCH003株):NITE AP-1470(寄託日:2012年11月22日、識別の表示:UCH003)
UCH007株、UCH001株、UCH003株の菌学的性質を以下に示す。
UCH007株
(a) 形態学的性状
非運動性、胞子非形成、円盤状形態(光学顕微鏡での観察は困難)。
(b) 培地上の特徴
絶対嫌気。電子供与体として水素、電子受容体としてcis-DCE (cis-1,2-dichloroethylene)、炭素源として酢酸塩を使用する。bicarbonate buffer。pH7.2。H2/CO2の混合ガス(80:20)で培地・培養容器内をガス置換する。
(c) 生理学的特徴
絶対嫌気性。脱ハロゲン呼吸によりエネルギーを獲得する。電子供与体として水素を利用、電子受容体として塩素化エチレン類を利用。
トリクロロエチレン(TCE)、シス-1,2-ジクロロエチレン(cis-1,2-DCE)、1,1-ジクロロエチレン (1,1-DCE)、塩化ビニルモノマー(VCM)の脱塩素化能を有する。炭素源として酢酸塩を資化。ビタミンB12要求性。高濃度の硫化物(還元剤として使用)に感受性。
増殖温度:30℃。
至適pH:7.2±0.3。
(d) 16S rRNA遺伝子の塩基配列
UCH007株の16S rRNA遺伝子の塩基配列を配列番号1に示す。なお、塩基配列の決定は、Current Protocols in Molecular Biology (eds.)( Greene Publishing Associates and Wiley-Interscience, N.Y.(1987))に準じて行った。DNAのシーケンスはautomated DNA sequencer (ABI 3730; Perkin Elmer, Inc., USA)を用いて行った。
UCH001株、UCH003株
UCH001株、UCH003株の形態学的性状、培地上の特徴、生理学的特徴は以下のとおりであり、両株で共通していた。
(a) 形態学的性状
湾曲又はらせん状桿菌。
鞭毛を有する。運動性を有する。胞子非形成。
(b) 培地上の特徴
絶対嫌気。フマル酸塩、乳酸塩、酢酸塩を使用する。bicarbonate buffer。pH7.2。H2/CO2の混合ガス(80:20)で培地・培養容器内をガス置換する。
(c) 生理学的特徴
嫌気性。硝酸塩やフマル酸等を電子受容体とする呼吸によりエネルギーを獲得する。電子供与体として水素、ギ酸、ピルビン酸、乳酸などを利用。炭素源として酢酸塩等を資化。
増殖温度:30℃
生育pH:pH7.2。
(d) 16S rRNA遺伝子の塩基配列
UCH001株、UCH003株の16S rRNA遺伝子の塩基配列を、それぞれ配列番号2、配列番号3に示す。なお、塩基配列の決定は、Current Protocols in Molecular Biology (eds.)(Greene Publishing Associates and Wiley-Interscience, N.Y.(1987) ) に準じて行った。DNAのシーケンスはautomated DNA sequencer (ABI 3730; Perkin Elmer, Inc., USA)を用いて行った。
本発明の第1の微生物には、UCH007株のほか、UCH007株と同等の塩素化エチレン類および塩素化エタン類の脱塩素化能を有する限り、UCH007株の近縁の菌株も含まれる。デハロコッコイデス(Dehalococcoides)属する微生物は、UCH007株が含まれるVictoria groupのほか、Cornell group、Pinellas groupに分類されるが、これらの16S rRNA遺伝子の塩基配列は全て98%以上の相同性を有する。従って、配列番号1に記載の塩基配列と98%以上の相同性、好ましくは99%以上の相同性、さらに好ましくは99.5%以上の相同性、最も好ましくは100%の相同性を有する塩基配列からなる16S rRNA遺伝子を有する微生物は、UCH007株の近縁の菌株に含まれ、UCH007株と同等の脱塩素化能を有すると考えられる。
同様に、本発明の第2の微生物には、UCH001株、UCH003株のほか、デハロコッコイデス(Dehalococcoides)属に属する微生物による塩素化エチレン類および塩素化エタン類の脱塩素化反応を促進させる能力がUCH001株、UCH003株と同等である限り、UCH001株、UCH003株の近縁の菌株も含まれる。スルフロスピリラム(Sulfurospirillum)属の全ての種であるSulfurospirillum halorespirans 、Sulfurospirillum arsenophilum 、Sulfurospirillum multivorans 、Sulfurospirillum deleyianum 、Sulfurospirillum barnesii、Sulfurospirillum cavolei、Sulfurospirillum carboxydovorans、Sulfurospirillum arcachonenseの16S rRNA遺伝子の塩基配列は全て90%以上の相同性を有している。Sulfurospirillum属内で全く異なる系統学的位置をとるUCH001株およびUCH003株が、共通の上記脱塩素化促進能を有していることから、この脱塩素化促進能は、Sulfurospirillum属に含まれる全ての微生物が共通に有している能力であると考えられる。従って、配列番号2または3に記載の塩基配列と90%以上の相同性、好ましくは95%以上の相同性、より好ましくは98%以上の相同性、さらに好ましくは99.5%以上の相同性、最も好ましくは100%の相同性を有する塩基配列からなる16S rRNA遺伝子を有する微生物は、UCH001株、UCH003株の近縁の菌株に含まれ、それらの菌株と同等の脱塩素化反応促進能を有すると考えられる。
UCH007株、UCH001株、UCH003株およびこれらの近縁の菌株は、塩素化エチレン類や塩素化エタン類により汚染された土壌などから配列番号1〜3に記載の塩基配列を指標として単離してくることができる。
本発明の微生物は、上記UCH007株、UCH001株、UCH003株の突然変異体(変異株)であってもよい。変異株は、従来からよく用いられている変異剤であるエチルメタンスルホン酸による変異処理、ニトロソグアニジン、メチルメタンスルホン酸などの他の化学物質処理、紫外線照射、あるいは、変異剤処理なしで得られる、いわゆる自然突然変異によって取得することも可能である。
本発明の微生物の培養・増殖は、嫌気下で行うが、特にUCH007株およびその近縁株は絶対嫌気性であるという性質上、極めて高度な嫌気性を確保・維持する上で特定の条件を必要とする。
第1は、培地の酸化還元電位をできるだけ下げて培養することが絶対条件であり、その確認は培地に添加したレサズリン(酸化還元指示薬)が無色となることを指標にして行うことができる。第2は、培地作製作成時、試薬添加時、菌液接種時、サンプリング時に極力空気の混入がないようにすることが必要で、例えば、試薬の追加や菌液の接種に用いる滅菌済み注射器は、予め滅菌窒素ガスを用いたガス置換処理をするか、あるいは還元剤で満たし空気の泡を完全に追い出す処理をしておくことが好ましい。また、加熱できないビタミン溶液等はガス置換とフィルター滅菌処理を行うが、滅菌用フィルターは使用する前に一旦内部を還元剤で満たし空気を追い出した後、さらに、ガス置換したビタミン溶液を通し還元剤を追い出す処理をしておくことが好ましい。第3は、UCH007株の培養用培地にはシス-1,2-ジクロロエチレン(cis-1,2-DCE)が必須成分として含まれるので、吸着防止のためにテフロンライナーゴム栓を使用すること、また、このテフロンライナーゴム栓の弾性が低いことによる空気の混入を避けるために培養器内部を常に軽い陽圧に保つことなどが必要である。培養は、ガスクロ測定による常時モニタリングを行い、cis-1,2-DCEが消費されるタイミングで継代を行う必要がある。継代間隔の目安は2ヶ月である。
上記の条件以外は、一般的な微生物の通常の培養方法に従って培養すればよい。培養に用いる培地は、電子受容体源、微生物の生育に必要な炭素源、窒素源、無機塩、微量元素、酵母エキス等を含むものであれば特に限定されず、固体培地及び液体培地のいずれも使用することができる。炭素源としては、メタノールやエタノール等のアルコール類、酢酸や乳酸などの有機酸類が挙げられる。窒素源としては、例えば、ペプトン、カシトン、尿素、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、各種アミノ酸が挙げられる。無機塩としては、リン酸塩、マグネシウム塩、カルシウム塩が挙げられる。微量元素としては、鉄、コバルト、銅、亜鉛、ホウ素、ニッケル、モリブデンが挙げられる。上記に例示した炭素源、窒素源、無機塩、微量元素は1種でもよく、2種以上を適宜組み合わせてもよい。さらに、本発明の微生物の増殖を促進するための栄養源として、ビタミン、酵母エキス、麦芽エキスなどを適量添加してもよい。また、培地の滅菌処理の条件は、培地の種類に応じて適宜選択すればよく、例えば、120〜130℃で5〜15分が例示できる。
培養は、静置培養、振盪培養等の各種培養条件を用いて培養を行うことができる。上記培地の成分及び培養方法は本発明の微生物に適するものに適宜選択すればよく、また、温度、pH、培養期間等のその他の培養条件も適宜選択すればよい。例えば、培養温度は、本発明の微生物の生育温度の範囲、好ましくは最適生育温度の範囲に設定すればよく、25〜35℃、好ましくは30℃に設定する。また、培地のpHは、6.5〜7.5の範囲に設定すればよい。培養時間は、栄養源の量や種類により異なるが、通常2ヶ月程度である。
2.揮発性有機塩素化合物の浄化方法
本発明の微生物は、塩素化エチレン類または塩素化エタン類に汚染された環境の浄化に利用することができる。ここで、環境としては、塩素化エチレン類または塩素化エタン類を含む土壌や水環境であれば特に制限はなく、土壌としては、表層付近の不飽和土壌のほか、飽和土壌、汚泥(産業廃棄物汚泥および一般廃棄物汚泥)、河川・湖沼・港湾の底泥などが挙げられ、水環境としては、地下水、工業廃水、家庭排水、工業用水、農業用水、河川、ため池及び湖等などが挙げられる。
ここで、浄化対象となる塩素化エチレン類としては、テトラクロロエチレン(PCE)、トリクロロエチレン(TCE)、cis-1,2-ジクロロエチレン(cis-1,2-DCE)、trans-1,2-ジクロロエチレン(trans-1,2-DCE)、1,1-ジクロロエチレン(1,1-DCE)、塩化ビニルモノマー(VCM)が挙げられ,塩素化エタン類としては、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、1,1-ジクロロエタン、1,2-ジクロロエタン、クロロエタンが挙げられる。
なお、環境に含まれる上記の揮発性有機塩素化合物は一種であってもよいが複数種であってもよい。
本発明の微生物を用いて上記環境に含まれる揮発性有機塩素化合物を脱塩素化して当該環境を浄化する際には、微生物菌株自体を用いてもよいし、上記条件で培養した微生物菌株を含む培養物を用いてもよい。培養物は、本発明の微生物の培養物をそのまま使用してもよいし、培養物を濾過、遠心分離若しくは抽出などの精製処理を行って使用してもよい。
前記の本発明の第1の微生物、第2の微生物はそれぞれ単独で用いてもよいが、第1の微生物と第2の微生物を組み合わせて混合微生物として用いることがより好ましい。組み合わせの具体例としては、UCH007株とUCH001株との混合菌、UCH007株とUCH003株との混合菌、UCH007株とUCH001株とUCH003株の混合菌が挙げられる。
また、本発明の微生物またはその培養物は、担体(増量剤)、界面活性剤、補助剤等の添加剤を1種または2種以上配合し、常法により、液剤、粉剤、粒剤、錠剤、乳剤、噴霧剤、水和剤等の各種形態に製剤化してもよい。微生物製剤の形状は特に限定はされず、汚染対象となる地層や汚染状態に応じ、また製剤化される微生物が良好な塩素化エチレン類および塩素化エタン類の脱塩素化能を発揮できるような形態を適宜選択すればよい。典型的には、凍結乾燥処理した乾燥粉末が好ましい。
本発明の微生物の適用量は任意に設定可能でき、予備実験を通じて汚染環境に適した適用量を設定することができる。例えば、通常汚染土壌1m3または汚染地下水300Lに培養液であれば0.3〜3L程度、乾燥菌体であれば5g〜10g程度が例示できる。しかしながら、これらの量はあくまで例示であり、土壌及び地下水の汚染の状況、汚染の程度、周囲の土壌環境により適宜調整すればよい。
本発明の微生物を用いて汚染された土壌や地下水の浄化を行う場合、その施用方法としては、汚染環境の形態や状況に合わせて添加、散布、混合、注入などが適宜採用できる。例えば、本発明の微生物を用いて汚染された土壌を掘削して浄化を行う場合には、微生物を土壌に直接、散布、混合して浄化を行う。また、土壌の掘削を行わずに深部の土壌や地下水の浄化(原位置浄化)を行う場合は、地盤改良工事で利用される土木機械等を利用して機械的に微生物を原位置攪拌する方法、もしくは汚染土壌や帯水層に注入管を設置し、この注入管から微生物を注入する方法で行えばよい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)塩素化エチレン類の浄化微生物の単離
塩素化エチレンの浄化に関連する微生物を単離するための分離源として塩素化エチレン類で汚染された地下水を用い、酵母エキスを主要な栄養源とする有機資材を添加した集積培地にて長期的に培養を行った。
その結果、塩素化エチレン類(テトラクロロエチレン:PCE、トリクロロエチレン:TCE、シス-1,2-ジクロロエチレン:cis-1,2-DCE、塩化ビニルモノマー:VCM)をエチレンまで脱塩素化する培養系を得た(図1A、B)。
また、脱塩素化細菌であるDehalococcoides属細菌の16SrDNA遺伝子数(Appl. Environ. Microbiol.72:1980-1987, 2006)、及びcis-1,2-DCE以降の脱塩素化に関わる機能遺伝子として知られているvcrA遺伝子数(Appl. Environ. Microbiol.70:4880-4888, 2004)を定量した。その結果、本培養系では、嫌気的な塩素化エチレン類の脱塩素化が進行することにより、Dehalococcoides属細菌の16S rDNA遺伝子数およびvcrA遺伝子数が増加していることが確認され(図1C)、vcrA遺伝子を持つDehalococcoides属細菌が培養液中に増加していることが示された(図1D)。
本集積培地を用いて脱塩素化細菌の分離作業を行った結果、浄化に係わる単離株として、UCH007株、UCH001株、UCH003株の3株を取得した。
(実施例2)塩素化エチレン類浄化微生物による塩素化エチレン類の浄化試験
(1) 試験方法
実施例1で単離した各菌株の16S rDNA塩基配列を決定し、既知菌株との相同性を確認し、塩素化エチレン類の浄化試験を行った。塩素化エチレン類の浄化試験は、20mlのバイアル(ガスクロ用、テフロン加工ブチルゴム栓)に塩素化エチレン類としてcis-1,2-DCEを含む下記表1の重炭酸塩緩衝培地(He, J., Ritalahti, K.M., Yang, K.L., Koenigsberg, S.S. & Loffler, F.E. Detoxification of vinyl chloride to ethene coupled to growth of an anaerobic bacterium. Nature (2003) 424: p62-65.)10mlを分注し、各菌株を植菌量1%で添加し、培養温度30℃で静置培養することにより行なった。
Figure 0006103518
表1中の微量元素溶液、セレナイト・タングステート溶液、ビタミン溶液の組成をそれぞれ下記表2〜5に示す。
Figure 0006103518
Figure 0006103518
Figure 0006103518
Figure 0006103518
表1の培地の調製は次のとおり行った。ビタミン溶液、還元剤溶液、およびcis-1,2-ジクロロエチレンストック溶液以外の成分を混合し、pHを約7.2に調整した。H2/CO2 (80/20) 混合ガスを流しながら適当な培養容器に培地を分注し、テフロンライナーゴム栓で閉じてオートクレーブ処理(121℃、15分)した。
別途、cis-1,2-ジクロロエチレンストック溶液は、遮光バイアル瓶に20mlの蒸留水とスターラーバーを入れ、N2ガスで置換し、テフロンライナーゴム栓とアルミシールで閉じてオートクレーブした後、ガスタイトシリンジを使って3μl のcis-1,2-ジクロロエチレン(cis-1,2-DCE)を入れ、終夜攪拌することによって調製した。還元剤溶液はN2ガス雰囲気下でオートクレーブ処理した。ビタミン溶液はN2 ガスでバブリングした後、濾過することによって滅菌した。無菌的かつ嫌気的にビタミン溶液、還元剤溶液、およびcis-1,2-ジクロロエチレンストック溶液を前記培地に加え、滅菌したシリンジを用いて菌試料を植え付けた。
(2) 結果
(i) UCH007株
単離株UCH007株は、配列番号1に示す16S rDNA塩基配列を有していた。UCH007株は、16S rDNA塩基配列による系統解析結果から、未分離株のDehalococcoides sp. strain VS (Cupples, A. M., A. M. Spormann, and P. L. McCarty. 2003. Growth of a Dehalococcoides -like microorganism on vinyl chloride and cis -dichloroethene as electron acceptors as determined by competitive PCR. Appl. Environ. Microbiol. 69: 953-959.)と99.9%の相同性があるDehalococcoides属の新規菌株であると認定した。塩素化エチレンの脱塩素化試験から、UCH007株は、cis-1,2-DCE、VCMを脱塩素化可能であるが(図2)、時間の経過により低下したVCMの脱塩素化反応がUCH001株およびUCH003株の存在下で促進した(図5、6)。また、UCH007株は、cis-1,2-DCEが存在する上記液体培地を用いて継代培養が可能であり、10μMのcis-1,2-DCE を2週間程度でVCMまで脱塩素化できた。
(ii) UCH001株
単離株UCH001株は、配列番号2に示す16S rDNA塩基配列を有していた。UCH001株は、16S rDNA塩基配列による系統解析結果と、前記菌学的性質から、Sulfurospirillumに属する新規菌株であると認定した。塩素化エチレンの脱塩素化試験では、UCH001株単独での脱塩素化活性は無いが(図3)、cis-1,2-DCEが存在する前記液体培地にてUCH007株と共生培養することで、10μMのcis-1,2-DCEを10日以内にVCMに脱塩素化でき、さらにVCMがエチレンまで脱塩素化されることが確認でき、CH007株の脱塩素化反応を促進させることがわかった(図5)。
(iii) UCH003株
単離株UCH003は、配列番号3に示す16S rDNA塩基配列を有していた。UCH003株は、16S rDNA塩基配列による系統解析結果と、前記菌学的性質から、Sulfurospirillumに属する新規菌株であること認定した。UCH001株とは異なる細菌であった。塩素化エチレンの脱塩素化試験から、UCH003株単独での脱塩素化活性は無いが(図4)、cis-1,2-DCEが存在する前記液体培地にてUCH007株と共生培養することで、10μMのcis-1,2-DCEを10日以内にVCMに脱塩素化でき、さらにVCMがエチレンまで脱塩素化されることが確認でき、CH007株の脱塩素化反応を促進させることがわかった(図6)。
本発明は、揮発性有機塩素化合物の浄化資材の製造分野において利用できる。

Claims (8)

  1. 塩素化エチレン類を脱塩素化する能力を有するデハロコッコイデス・エスピー(Dehalococcoides sp.)UCH007株(NITE P-1471)またはその変異株である微生物。
  2. ハロコッコイデス(Dehalococcoides)属に属する微生物による塩素化エチレン類の脱塩素化反応を促進させる能力を有するスルフロスピリラム・エスピー(Sulfurospirillum sp.)UCH001株(NITE P-1469)、スルフロスピリラム・エスピー(Sulfurospirillum sp.)UCH003株(NITE P-1470)、またはそれらの変異株である微生物。
  3. 請求項に記載の微生物と請求項に記載の微生物との混合微生物。
  4. 請求項に記載の微生物を用いて塩素化エチレン類で汚染された環境を浄化する方法。
  5. 請求項1に記載の微生物と、スルフロスピリラム(Sulfurospirillum)属に属し、デハロコッコイデス(Dehalococcoides)属に属する微生物による塩素化エチレン類の脱塩素化反応を促進させる能力を有する微生物との混合微生物を用いて塩素化エチレン類で汚染された環境を浄化する方法
  6. 請求項に記載の混合微生物を用いて塩素化エチレン類で汚染された環境を浄化する方法。
  7. スルフロスピリラム(Sulfurospirillum)属に属する微生物を用いて、デハロコッコイデス(Dehalococcoides)属に属する微生物による塩素化エチレン類の脱塩素化反応を促進させる方法。
  8. スルフロスピリラム(Sulfurospirillum)属に属する微生物が、スルフロスピリラム・エスピー(Sulfurospirillum sp.)UCH001株(NITE P-1469)、スルフロスピリラム・エスピー(Sulfurospirillum sp.)UCH003株(NITE P-1470)、またはそれらの変異株である、請求項7に記載の方法
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