JP6103463B2 - 車両用クローラの滑り止め構造、板状フック構造および車両用クローラの滑り止め方法 - Google Patents

車両用クローラの滑り止め構造、板状フック構造および車両用クローラの滑り止め方法 Download PDF

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Description

本発明は車両用クローラの滑り止め構造、板状フック構造および車両用クローラの滑り止め方法に係り、特に、農林業、土木・建設業等で用いられるクローラ装備車両において、これに装着することによってクローラの滑り止め効果を得ることのできる、車両用クローラの滑り止め構造、板状フック構造および車両用クローラの滑り止め方法に関するものである。
車両用クローラとして一般的なゴムクローラは、駆動輪に掛渡される所定の幅のループ状の帯体であり、その上に所定間隔で凸条のラグが設けられ、ラグ間には凹条部が形成されている構成である。ゴムクローラは駆動輪の回転を受けて無限軌道で周回し、これによりラグが地面に食い込むことによって、車両は走行することができる。
しかしラグは突出高さが一定に形成されているため、泥濘・積雪・凍結等の悪路の場合には凹条部に土や雪が入り込み、クローラの接地面が平滑、平坦になってしまう。これにより走行面に対するラグの食い込みが不十分または不可能となって滑りが発生し、車両走行に支障を来すことがあった。かかる問題に対処する技術的提案が、従来なされている。
たとえば後掲特許文献1には、車両用クローラに装着される滑り止め具として、クローラの帯体の各側端部に係合するそれぞれ一対のフック部材と、フック部材同士を連結するチェーンと、フック部材に連係しラグの上面よりも突出するように形成された突起部材とを備え、かつ、チェーンを左右に分断可能に連結する連結リンクをチェーンの途中に設けた構成が、開示されている。
特開平10−297556号公報「車両用クローラの滑り止め具」(特許第3272264号)
しかし当該文献開示の滑り止め具には、下記の問題点がある。
ア) 両側端部に係止しラグや凹状部と平行に装着される当該滑り止め具は、その直交方向である車両走行方向に対しては一定の滑り止め効果を期待できるものの、平行方向に対しては滑り止め効果が弱い。つまり、横滑りに対して弱い。
イ) したがって、平行方向の成分を有する斜め方向に対しても、滑り止め効果が弱い。
ウ) したがって、水平な悪路であれば一定の滑り止め効果を得られるものの、山間地など、一箇所において、または走行方向上において、多様に傾斜成分を含むような場合には、安定的な滑り止め効果が得られない。
エ) クローラ帯体への係止が、一方側端部あたり二のフック部材によってなされるため、チェーン間に泥濘や雪が絡まり、詰まり易く、塊ができ、結局、クローラの接地面が平坦になり易く、十分な滑り止め効果が得られない。
オ) 滑り止め効果は二箇所の突起部材のみによるものであるため、不十分であり、より十全な効果が望まれる。
カ) 全体構造が複雑であり、その分、取り扱い方法にも煩雑な点がある。
そこで本発明が解決しようとする課題は、かかる従来技術の問題点をなくし、水平な悪路のみならずあらゆる悪路に対応可能であり、滑り止め効果も安定的かつ十分に得られ、取り扱いもより簡単な、実用性の高い車両用クローラの滑り止め構造を提供することである。
本願発明者は上記課題について検討した結果、クローラの帯体に係止する部材を各側端部あたり板状に形成した単一部材とし、滑り止め機能を発揮する部位をより多く設けること等によって解決できることを見出し、これに基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、以下の通りである。
〔1〕 ループ状の帯体と、該帯体に複数設けられた凸状のラグと、該ラグ間に形成された凹条部とを備えた車両用クローラにおける滑り止め構造であって、該滑り止め構造は、該帯体の各側端部に係止する二の板状フック構造と、各板状フック構造の間を連結する連結構造と、該クローラの滑り止めをするための二以上の制動手段とを備えてなり、該制動手段は該板状フック構造上に設けられるとともに該連結構造自体も該制動手段として機能し、該板状フック構造上の制動手段は突起部であってその一つは該板状フック構造の使用時における外側端部の最外端に設けられていて、該板状フック構造に係る係止部位を構成するところの¬状(かぎ状)部の端部が該制動手段を形成しており、該外側端部の制動手段の先端部における形状は平坦ではなく、食い込み効果および滑り止め効果のための凹部または凸部の少なくともいずれかが一箇所以上設けられている形状であり、該連結構造はチェーンであることを特徴とする、車両用クローラの滑り止め構造。
〔2〕 ループ状の帯体と、該帯体に複数設けられた凸状のラグと、該ラグ間に形成された凹条部とを備えた車両用クローラにおける滑り止め構造であって、該滑り止め構造は、該帯体の各側端部に係止する二の板状フック構造と、各板状フック構造の間を連結する連結構造と、該クローラの滑り止めをするための二以上の制動手段とを備えてなり、該制動手段は該板状フック構造上に設けられるとともに該連結構造自体も該制動手段として機能し、該板状フック構造上の制動手段は突起部であってその一つは該板状フック構造の使用時における外側端部に設けられており、該外側端部の制動手段の先端部における形状は平坦ではなく、食い込み効果および滑り止め効果のための凹部または凸部の少なくともいずれかが一箇所以上設けられている形状であり、該連結構造はチェーンであって該チェーンは一本のみであることを特徴とする、車両用クローラの滑り止め構造。
〔3〕 前記制動手段の一つは前記板状フック構造の使用時における内側端部側に設けられていることを特徴とする、〔1〕または〔2〕に記載の車両用クローラの滑り止め構造。
〔4〕 前記外側端部の制動手段以外の制動手段の少なくともいずれか一つに、凹部または凸部の少なくともいずれかが一箇所以上設けられていることを特徴とする、〔1〕ないし〔3〕のいずれかに記載の車両用クローラの滑り止め構造。
〔5〕 前記板状フック構造は、前記帯体における一または複数の凸状部を覆うような形状に形成されていることを特徴とする、〔1〕ないし〔4〕のいずれかに記載の車両用クローラの滑り止め構造。
〔6〕 前記連結構造は各板状フック構造に設けられていて相互に係合するように形成されていることを特徴とする、〔1〕ないし〔5〕のいずれかに記載の車両用クローラの滑り止め構造。
〔7〕 前記各板状フック構造上の連結構造同士は別の連結用部材により連結されることを特徴とする、〔6〕に記載の車両用クローラの滑り止め構造。
〔8〕 〔1〕、〔6〕、または〔7〕のいずれかに記載の車両用クローラの滑り止め構造を構成するための、板状フック構造。
〔9〕 〔1〕ないし〔7〕のいずれかに記載の車両用クローラの滑り止め構造を対象の車両用クローラに装着して行う、車両用クローラの滑り止め方法。
本発明の車両用クローラの滑り止め構造、板状フック構造および車両用クローラの滑り止め方法は上述のように構成されるため、これによれば農林業・土木・建設業等で用いられるクローラ装備車両において、水平な悪路のみならず泥濘・積雪・凍結等のあらゆる悪路で、安定的かつ十分なクローラの滑り止め効果を得ることができる。しかも従来技術と比較して取り扱いも簡単であり、実用的である。
また、本発明の車両用クローラの滑り止め構造等によれば、車両走行方向のみならず他の方向に対しても十分な滑り止め効果が得られる。つまり、横滑りにも、斜め方向への滑りに対しても強い。したがって、たとえば山間地など、一箇所において、または走行方向上において多様に傾斜成分を含むような場合であっても、安定的かつ十分な滑り止め効果を得ることができる。
また、本発明の車両用クローラの滑り止め構造等によれば、クローラ帯体への係止が一方側端部あたり一のみの板状フック構造によってなされるため、従来技術のような泥濘や雪が絡まり、詰まり、クローラの接地面が平坦になり易くなる、という問題が全く発生せず、十分な滑り止め効果が持続的に得られる。
さらに、本発明の車両用クローラの滑り止め構造等によれば、各板状フック構造上に設けられる一または複数の制動手段とともに、連結構造自体も制動手段として機能するため、一層確実、強力な滑り止め効果が得られる。加えて本発明の滑り止め構造は、基本的に二の板状フック構造と連結構造からなる簡素な構成のため、製造上、取り扱い上も有利であり、実用性が高い。
車両用クローラの滑り止め構造の構成例を示す説明図である(連結前)。 車両用クローラの滑り止め構造の構成例を示す説明図である(連結後)。 本発明の滑り止め構造の別の構成例を示す説明図である。 本発明の滑り止め構造のまた別の構成例を示す要部説明図である。 本発明の滑り止め構造のまた別の構成例について、その板状フック構造の構成を示す説明図である。 図4に示す滑り止め構造をクローラに装着した状態を示す平面図である。 図5のVI−VI矢視断面図である。 図5のVII−VII矢視断面図である。 図5のVIII矢視側面図である。
本発明実施例をクローラに装着した状態の写真図である(前方から)。 本発明実施例をクローラに装着した状態の写真図である(側方から)。 以下は、本発明実施例の外観形態を示す図である。 連結状態の実施例の正面図である。 図11の背面図である。 図11の左右側面図である(共通)。 図11の平面図である。 図11の底面図である。 図11の左上前方からの斜視図である。 図11の右下後方からの斜視図である。 右方側の板状フック構造の左上前方からの斜視図である。 左方側の板状フック構造の右上前方からの斜視図である。
以下、図面により本発明を詳細に説明する。
図1A、1Bは、車両用クローラの滑り止め構造の構成例を示す説明図であり、図1Aは連結前、図1Bは連結後の状態を示す。これらに示すように本発明の車両用クローラの滑り止め構造50は、ループ状の帯体と、帯体に複数設けられた凸状のラグと、ラグ間に形成された凹条部とを備えた車両用クローラにおける滑り止め構造であって、帯体の各側端部に係止する二の板状フック構造10、20と、各板状フック構造10、20の間を連結する連結構造30と、クローラの滑り止めをするための制動手段とを備えてなり、制動手段は、板状フック構造上に設けられる制動手段14、24の他、連結構造30自体もまた制動手段として機能するようになされていることを、主たる構成とする。
なお図では、各板状フック構造10、20上にはそれぞれ一個ずつの制動手段14、24が設けられた構成であるが、設ける制動手段の数はこれに限定されず、複数個であってもよい。また、板状フック構造10、20上の制動手段14等は、図示するように単純に突起部として形成することで、十分に機能を果たす。なお、突起部の具体的形状は限定されない。つまり、図示する単純な凸状形状のみならず、別の形状であってもよい。
かかる構成により本滑り止め構造50は、車両用クローラのループ状の帯体の各側端部にそれぞれ板状フック構造10、20が係止部位17、27によって係止され、かつ各板状フック構造10、20の間は連結構造30により連結された状態で、帯体上に装着される。装着状態で車両を走行させると、板状フック構造上の制動手段14、24、および同様に制動手段として機能する連結構造30が走行面(地面)に確実かつ強力に食い込み、たとえ泥濘・種々の状態の積雪・凍結による悪路であっても、またたとえば山間地など一箇所において、または走行方向上において多様に傾斜成分を含むような場合であっても、横滑りもせず、安定的、持続的かつ十分な滑り止め効果を得ることができる。
図2は、本発明の滑り止め構造の別の構成例を示す説明図である。
本滑り止め構造における連結構造は、図1A等の構成例の連結構造30のように、各板状フック構造10、20とは独立したものとして、使用時にこれらを連結する構成としてもよいし、図2の例に示す連結構造230のように一方の板状フック構造210に予め固定済みの構成としてもよい。また、連結構造30等と板状フック構造10等との間の連結方式は、各図に示すように、連結構造30等の連結用部位31等と、板状フック構造10等側の連結用部位13等とを、適宜の方法にて連結する方式とすることができる。たとえば環状のフック等である。なお、これに関わらず、二の板状フック構造10、20間を確実、安定的に連結できる手段であれば、後述する実施例のような方式も含め、いかなる方法であってもよい。
図3は、本発明の滑り止め構造のまた別の構成例を示す要部説明図である。図示するように本滑り止め構造の板状フック構造310上の制動手段は、上述したように二以上設けるものとすることができる。図の例では、制動手段314、315の二個が設けられているが、もちろん三個以上であってもよい。また形状に限定されないことも、上述のとおりである。
板状フック構造ごとに制動手段を複数設ける場合は、図示するように、一つは板状フック構造310の使用時における外側端部に制動手段314のように設け、一つは内側端部側に制動手段315のように設けることが推奨される。本滑り止め構造がクローラに装着された状態において、全体の中央部には制動手段として機能する連結構造が位置しているが、全方向に対する制動効果(走行面に対する食い込み効果)をより良好に得るために、各制動手段相互を適度に離間させることが有効だからである。
図4は、本発明の滑り止め構造のまた別の構成例について、その板状フック構造の構成を示す説明図である。また、
図5は、図4に示す滑り止め構造をクローラに装着した状態を示す平面図、
図6は、図5のVI−VI矢視断面図、
図7は、図5のVII−VII矢視断面図、そして、
図8は、図5のVIII矢視側面図である。なお、これら各図において連結構造430やその連結部位は、概念的に示したものであり、図示する形態に限定されるものではない。
各図に示すように本滑り止め構造450の板状フック構造410等は、帯体Cにおける一または複数の凸状部(凸状のラグ)C8を覆うよう、被覆部位418等を備えた形状に形成されている。これにより、被覆部位418等が帯体Cの凸状部C8を被覆した状態で板状フック構造410等が帯体Cに装着されるため、確実かつ安定した装着状態が維持される。
なお、連結構造430等としてはチェーンを好適に用いることができる。もちろん、二の板状フック構造410、420等を確実、安定的かつ強固に連結でき、しかもそれ自体制動手段として機能し得るものである限り、如何なるものであってもよいが、チェーンは本発明に係る連結構造として、作用効果およびコスト面から最適な一つといえる。
なおまた、上述文献開示技術の滑り止め用具のように、各フック部材にチェーンを設けてそれらを連結リンクでつなぐ、という複雑な構成は、本発明では不要である。本発明の滑り止め構造450においては、一本のみのチェーンによって連結構造430等として機能できる。しかも、一本のチェーンによって連結することにより、雪・氷等が絡まることがなく、したがって塊が発生するということもなく、これらを除去するために作業中断したり、効率が低下する事態を防止することができ、継続的に円滑な作業を実施することができる。
本発明滑り止め構造に係る連結構造の態様は、板状フック構造とは独立した態様(図1A、1B)、一方の板状フック構造に付設された態様(図2)に限定されない。すなわち、図示しないが、各板状フック構造にそれぞれ連結構造が設けられていて、これらが相互に係合するよう形成されている構成であってもよい。この場合、各連結構造同士の連結は直接なされる方式でもよいし、別の連結用部材により連結される方式でもよい。
以上説明した本発明滑り止め構造を構成可能な、あるいは構成するための板状フック構造自体もまた、本発明の範囲内である。また、本発明に係る車両用クローラの滑り止め構造、および板状フック構造の材料や仕様は特に限定されない。要するに車両用クローラに装着して十分な滑り止め機能を維持できる物性を備えた材料であれば、金属その他適宜公知の材料を用いることができる。また、サイズその他の仕様も、クローラの仕様に合わせる等して適宜に設計可能である。
以上説明した車両用クローラの滑り止め構造を、対象の車両用クローラに装着して行う滑り止め方法もまた、本発明の範囲内である。滑り止め構造は、一方のクローラあたり複数個を装着して用いることにより、本発明の所期の目的を十分に果たすことができる。なおクローラあたりの装着個数は、後述するように6個以上とすることが望ましい。また、各滑り止め構造間は等間隔または略等間隔(均等または略均等)とすることが望ましい。効果がより安定、確実となるからである。
以下、本発明の実施例を簡単に説明するが、本発明がこれに限定されるものではない。
<車両用クローラの滑り止め構造、およびそれを用いた滑り止め方法>
図9、10は、本発明実施例をクローラに装着した状態の写真図であり、それぞれ前方からと、側方からの写真図である。なお、装着対象は林業用車両であり、かかる状態で木材を積載して山間地における泥道や積雪の道を走行したところ、横滑りの防止も含め、十分な滑り止め効果を得ることができた。しかも走行中、泥濘や雪が滑り止め構造(用具)に絡まったり詰まったりすることもなく、極めて安定した滑り止め効果を得ることができた。なお、図9、10に示す例では左右各クローラに8個ずつ滑り止め構造を装着する例を示している。8個の滑り止め構造はクローラ全長に対し均等または略均等に装着されており、かかる構成により本実施例では、走行路面に対して常に4箇所で滑り止め構造が機能し、その結果、良好な滑り止め効果を得ることができた。
図11〜17は本発明実施例の外観形態を示す図であり、順に、連結状態の実施例の正面図、背面図、側面図(左右共通)、平面図、底面図、左上前方からの斜視図、右下後方からの斜視図である。また、図18は右方側の板状フック構造の左上前方からの斜視図、図19は左方側の板状フック構造の右上前方からの斜視図である。これら各図に示すように本実施例の車両用クローラの滑り止め構造550は、クローラ帯体(図示せず)の各側端部に係止する二の板状フック構造510、520と、各板状フック構造510、520の間を連結する連結構造530と、クローラの滑り止めをするための制動手段とを備えてなり、制動手段は、板状フック構造510、520上に設けられる制動手段514、524の他、連結構造530自体もまた制動手段として機能するように構成されている。なお、制動手段514、524は、本実施例のように単純に突起部として形成することで十分に機能を果たすことを確認済みだが、上述したように突起部の具体的形状は限定されない。つまり、図示する単純な凸状形状のみならず、別の形状であってもよい。
かかる構成により本滑り止め構造550は、車両用クローラのループ状の帯体の各側端部にそれぞれ板状フック構造510、520が係止部位517、527によって係止され、かつ各板状フック構造510、520の間は連結構造530により連結された状態で、帯体上に装着されて用いられる。実際に、非公開状態にて装着状態で車両を走行させたところ、板状フック構造上の制動手段514、524、および同様に制動手段として機能する連結構造530が走行面(地面)に確実かつ強力に食い込み、たとえ泥濘・種々の状態の積雪・凍結による悪路であっても、またたとえば山間地など一箇所において、または走行方向上において多様に傾斜成分を含むような場合であっても、横滑りもせず、安定的、持続的かつ十分な滑り止め効果を得ることができた。
各図に示すように、本実施例滑り止め構造550の板状フック構造510、520上の制動手段としては、内側端部側の制動手段514、524のみならず、外側端部の制動手段515、525も設けられている。このように、各制動手段相互が適度に離間した構成により、本滑り止め構造がクローラに装着された場合において、全体の中央部には制動手段として機能する連結構造530が位置し、かつ、全方向に対する制動効果すなわち走行面に対する食い込み効果がより良好に得られる。
殊に、突起状をなす外側端部の制動手段515、525により、走行面に対する食い込み効果がより一層向上し、より一層横滑り、斜め方向への滑りに対して強いものとなっている。特に本実施例のように制動手段515、525が板状フック構造510、520の最外端に設けられた構成では、その効果が大きい。
また本実施例では、板状フック構造510、520の係止部位517、527を構成するところの¬状(かぎ状)部の端部がそのまま、制動手段515、525を形成している形態である。かかる構造は、形態としても簡素であって製造上有利である他、デザインとしても好ましい。高い走行面に対する食い込み効果、横滑り、斜め方向への滑りに対する高い滑り止め効果が得られることは、いうまでもない。
さらに本実施例では、制動手段515、525には凹部が一箇所設けられ、その端部の立体形状は平坦ではない。かかる構成は制動効果、滑り止め効果を一層高め、さらなる食い込み効果、横滑り、斜め方向への滑りに対する滑り止め効果を得ることができている。
なお、外側端部の制動手段が本実施例の制動手段515、525のような形態に限定されないことはいうまもない。立体形状も、凹部ではなく凸部でもよいし、両方あってもよいし、さらに凹部・凸部の具体的形状も、またこれらが設けられる数も限定されない。
くわえて、本実施例構成に関わらず、板状フック構造上のもの、連結手段併用のものに限らずに、本発明の制動手段の少なくともいずれかにおいて、凹部または凸部の少なくともいずれかが一箇所以上設けられた構成であっても、本発明の範囲内である。
各図に示すように本実施例滑り止め構造550の板状フック構造510、520は、クローラの帯体における一または複数の凸状部(凸状のラグ 図示せず)を覆うよう、被覆部位518、528を備えた形状に形成されている。これにより、被覆部位518等が帯体Cの凸状部を被覆した状態で板状フック構造510等が帯体に装着されるため、確実かつ安定した装着状態を維持することができた。
本実施例滑り止め構造550の連結構造530は、図18、19等に示すように、一方の板状フック構造520に予め固定済みのチェーンである。作用効果およびコスト面から、チェーンの使用で十分であることが確認された。そして、連結構造530と板状フック構造510との間の連結方式は、各図に示すように、連結構造530の連結用部位531と、板状フック構造510側の連結用部位513とを、連結用部材56によって連結する方式である。
具体的には、チェーンの末端の環である連結用部位531を、U字状をなす連結用部位513の開口端部より内側に入り込ませ、ピン形の連結用部材56を連結用部位513、連結用部位531に挿通させて固定し、連結する方式である。かかる連結方式により本実施例滑り止め構造550は、両板状フック構造510、520が確実かつ強固に連結された状態でクローラに装着され、作業上、十分な滑り止め効果を得ることができた。なお、図19に示す一方の板状フック構造510斜視図では、連結用部材56が連結用部位513に取り付けられている状態を示すものである。
本実施例の滑り止め構造550においては、先行技術の滑り止め用具のような複雑な構成は不要であり、連結構造530であるところの一本のみのチェーンによって完全に機能できる。しかも、一本のチェーンによって連結する方式により、雪・氷等が絡まって塊ができるということも、全く発生しなかった。したがって、塊を除去するために作業中断したり、作業効率が低下することもまったくなく、継続的に円滑な作業を実施することができた。
クローラあたりの滑り止め構造装着個数について、さらに説明する。
左右各クローラに装着して十分な滑り止め効果を得るための装着個数について実験した。その結果、路面側に対して常に2箇所での滑り止めが機能するよう4個を装着したところ、滑り止め効果は必ずしも十分とはいえなかった。一方、各クローラに6個装着し、路面側に対して常に3箇所での滑り止めが機能するようにした場合には、十分な滑り止め効果を得ることができた。
したがって、本発明の滑り止め構造は、路面に対し3箇所以上で常に滑り止めが機能できるよう、クローラあたり6個以上を装着するようにすることが望ましい。また、各滑り止め構造間ができる限り均等(等間隔)となるよう装着することが望ましい。
本発明の滑り止め構造は、クローラに対して確実・強固に係止、固定できることは上述のとおりであり、通常は、作業中にこれが脱落してしまうことは、まずない。しかしながら、悪路等における不慮の衝撃等により1個が脱落してしまうことはあり得る。実際に各クローラに6個ずつ装着した状態で相当程度の悪路を走行し、強制的に1個を脱落させてみたところ、その後の滑り止め効果は明らかに低下した。このことからも、各クローラあたり常に6個が装着されている状態の維持されることが望ましいと考えられた。
したがって、脱落の発生する場合を想定して、6個より多くの滑り止め構造を装着しておき、走行路面に対して常に3箇所以上において滑り止め機能が維持されるようにすることもできる。たとえば前掲図9等の実施例のように、各クローラに8個装着する方法である。なお、かかる目的のためには、たとえば7個であってもそれなりの補償作用を得られるが、各滑り止め構造をできるだけ均等に配置することで、より安定的な滑り止め効果を得たい観点からは、7個よりも8個とし、脱落の発生しない限りは常に、路面に対して4箇所での滑り止めが機能する装着方法が望ましい。もちろん、9個や10個以上であれば、より高度な滑り止め効果、脱落時を想定した安定性の向上が期待できるが、通常は実施例に示した片側8個ずつの装着方法で、申し分の無い効果を得ることができる。
本発明の車両用クローラの滑り止め構造、板状フック構造および車両用クローラの滑り止め方法によれば、泥濘・積雪・凍結その他のあらゆる悪路で、横滑り防止も含め、安定的かつ十分なクローラの滑り止め効果を得ることができる。しかも従来技術と比較して取り扱いも簡単であり、実用的である。したがって、農林業・土木・建設業分野、その他関連する全分野において、産業上利用性が高い発明である。
10、20、210、220、310、410、420…板状フック構造
13、23、223、413、423…板状フック構造の連結用部位
14、24、214、224、314、315、414、415、424、425…制動手段(板状フック構造上の)
17、27、217、227、317、417、427…係止部位
30、230、430…連結構造
31、32、232…連結構造の連結用部位
418、428…被覆部位
50、250、450、550、550A、550B、550C、550D、550E、550F、550G、550H…車両用クローラの滑り止め構造
C…帯体
C8…凸状部(凸状のラグ)
C9…凹条部
510、520…板状フック構造
513…板状フック構造の連結用部位
514、524、515、525…制動手段(板状フック構造上の)
517、527…係止部位
530…連結構造
531…連結構造の連結用部位
518、528…被覆部位
56…連結用部材

Claims (9)

  1. ループ状の帯体と、該帯体に複数設けられた凸状のラグと、該ラグ間に形成された凹条部とを備えた車両用クローラにおける滑り止め構造であって、
    該滑り止め構造は、該帯体の各側端部に係止する二の板状フック構造と、
    各板状フック構造の間を連結する連結構造と、
    該クローラの滑り止めをするための二以上の制動手段とを備えてなり、
    該制動手段は該板状フック構造上に設けられるとともに該連結構造自体も該制動手段として機能し、
    該板状フック構造上の制動手段は突起部であってその一つは該板状フック構造の使用時における外側端部の最外端に設けられていて、該板状フック構造に係る係止部位を構成するところの¬状(かぎ状)部の端部が該制動手段を形成しており、
    該外側端部の制動手段の先端部における形状は平坦ではなく、食い込み効果および滑り止め効果のための凹部または凸部の少なくともいずれかが一箇所以上設けられている形状であり、
    該連結構造はチェーンである
    ことを特徴とする、車両用クローラの滑り止め構造。
  2. ループ状の帯体と、該帯体に複数設けられた凸状のラグと、該ラグ間に形成された凹条部とを備えた車両用クローラにおける滑り止め構造であって、
    該滑り止め構造は、該帯体の各側端部に係止する二の板状フック構造と、
    各板状フック構造の間を連結する連結構造と、
    該クローラの滑り止めをするための二以上の制動手段とを備えてなり、
    該制動手段は該板状フック構造上に設けられるとともに該連結構造自体も該制動手段として機能し、
    該板状フック構造上の制動手段は突起部であってその一つは該板状フック構造の使用時における外側端部に設けられており、
    該外側端部の制動手段の先端部における形状は平坦ではなく、食い込み効果および滑り止め効果のための凹部または凸部の少なくともいずれかが一箇所以上設けられている形状であり、
    該連結構造はチェーンであって該チェーンは一本のみであることを特徴とする、車両用クローラの滑り止め構造。
  3. 前記制動手段の一つは前記板状フック構造の使用時における内側端部側に設けられていることを特徴とする、請求項1または2に記載の車両用クローラの滑り止め構造。
  4. 前記外側端部の制動手段以外の制動手段の少なくともいずれか一つに、凹部または凸部の少なくともいずれかが一箇所以上設けられていることを特徴とする、請求項1ないしのいずれかに記載の車両用クローラの滑り止め構造。
  5. 前記板状フック構造は、前記帯体における一または複数の凸状部を覆うような形状に形成されていることを特徴とする、請求項1ないしのいずれかに記載の車両用クローラの滑り止め構造。
  6. 前記連結構造は各板状フック構造に設けられていて相互に係合するように形成されていることを特徴とする、請求項1ないしのいずれかに記載の車両用クローラの滑り止め構造。
  7. 前記各板状フック構造上の連結構造同士は別の連結用部材により連結されることを特徴とする、請求項に記載の車両用クローラの滑り止め構造。
  8. 請求項1、6、または7のいずれかに記載の車両用クローラの滑り止め構造を構成するための、板状フック構造。
  9. 請求項1ないしのいずれかに記載の車両用クローラの滑り止め構造を対象の車両用クローラに装着して行う、車両用クローラの滑り止め方法。
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