JP6102769B2 - ウォーターアシスト成形品 - Google Patents
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Description
前記成形材料が冷却固化されてなる壁部を備え、
前記壁部は、PA66およびPA612からなる樹脂材料と、強化繊維と、を含むものである。
(1)前記樹脂材料と前記強化繊維との質量の和を100質量%としたときに、
前記PA66、前記PA612および前記強化繊維を、それぞれ、23質量%以上43質量%以下含む。
(2)前記強化繊維の平均繊維長は50μm以上200μm以下である。
(3)前記壁部の肉厚は、1.5mm以上5mm以下である。
(4)前記強化繊維は前記壁部中においてランダムに配向している。
実施例1の成形品は車両用の冷却系ホースであり、より具体的にはロングライフクーラント(LLC)用配管の一部である。実施例の成形品を模式的に表す一部切り欠き斜視図を図1に示す。
比較例1の成形品は、成形材料用の樹脂材料としてPA66のみを用いPA612を用いなかったこと、PA66:グラスファイバーの質量比がPA66:グラスファイバー=70:30であったこと以外は、後述する実施例3の成形品と同じものである。なお、比較例1の成形品においても、強化繊維はランダムに配向していた。
実施例2の成形品は、材料繊維長、および製品繊維長以外は実施例1と同じものである。実施例2の成形品において、製品繊維長は約100μmであった。また、実施例2の成形品においても、強化繊維はランダムに配向していた。
実施例3の成形品は、材料繊維長、および製品繊維長以外は実施例1と同じものである。実施例3の成形品において、製品繊維長は約140.8μmであった。また、実施例3の成形品においても、強化繊維はランダムに配向していた。
実施例4の成形品は、材料繊維長、および製品繊維長以外は実施例1と同じものである。実施例4の成形品において、製品繊維長は約200μmであった。また、実施例4の成形品においても、強化繊維はランダムに配向していた。
参考例1の成形品は、材料繊維長、および製品繊維長以外は実施例1と同じものである。参考例1の成形品において、製品繊維長は約250μmであった。参考例1の成形品においては、強化繊維はランダムに配向していなかった。
参考例2の成形品は、材料繊維長、および製品繊維長以外は実施例1と同じものである。参考例2の成形品において、製品繊維長は約305μmであった。参考例2の成形品においても、強化繊維はランダムに配向していなかった。
参考例3の成形品は、材料繊維長、および製品繊維長以外は実施例1と同じものである。参考例3の成形品において、製品繊維長は約377μmであった。参考例3の成形品においても、強化繊維はランダムに配向していなかった。
比較例2の成形品は、成形材料用の樹脂材料としてPA66のみを用いPA612を用いなかったこと、充填材として平均粒径10μmのグラスビーズとグラスファイバーとを併用したこと、PA66:グラスファイバー:グラスビーズの質量比がPA66:グラスファイバー:グラスビーズ=70:15:15であったこと以外は、実施例3の成形品と同じものである。なお、比較例2の成形品においても、強化繊維はランダムに配向していた。
実施例3および比較例1の各成形品の加水分解性をJISK7162に基づいて評価した。詳しくは、各成形品と同じ成形材料を用い、JISK7162に規定されるダンベルを射出成形した。ダンベル状の成形品は、それぞれ6個ずつ準備した。各成形品をロングライフクーラント(LLC)の水溶液(LLC水溶液)に浸漬し、引張強度の推移を測定した。LLCとしては、90〜95質量部のエチレングリコール、4〜6質量部のリン酸塩系防錆剤および5質量部以下の水を合計100質量部となるように混合したものを用いた。LLC水溶液は、LLCと水とを質量比1:1で混合したものであった。120℃に維持したこのLLC水溶液に各成形品を浸漬した。所定時間(0、120、500、1000、1680、2000時間)が経過する毎に、実施例3と同材料の成形品および比較例1と同材料の成形品をそれぞれ一つずつ取り出した。取り出した各成形品を、120℃の空気中で2時間乾燥した後、120℃の空気中にて200mm/分の引張速度で引っ張り、成形品が切断したときの強度を測定した。耐加水分解性評価試験の結果を図2に示す。
実施例3および比較例2の各成形品について、リサイクル耐性を評価した。詳しくは、実施例3および比較例2の各成形品を粉砕機で粉砕し、粉砕された成形品を120℃2時間乾燥したものを成形材料としてウォーターアシスト成形を行った。このようにウォーターアシスト成形品を粉砕し、乾燥し、再度ウォーターアシスト成形する工程を10回繰り返した。そして、10回目に成形したウォーターアシスト成形品を粉砕して、上記した耐加水分解性評価試験と同様にダンベル状の評価成形品を成形した。他方、実施例3および比較例2の成形品と同じ成形材料を用いて、ダンベル状の基準成形品を成形した。実施例3の成形品と同じ成形材料を用いた基準成形品を実施例3の基準成形品と呼ぶ。また、実施例3の成形品を用いた評価成形品を実施例3の評価成形品と呼ぶ。また、比較例2の成形品と同じ成形材料を用いた基準成形品を比較例2の基準成形品と呼び、比較例2の成形品を用いた評価成形品を比較例2の評価成形品と呼ぶ。
実施例1〜実施例4および参考例1〜参考例3の各成形品について、真空ボイドの発生量を測定した。真空ボイドの測定には、上記した製品繊維長を測定するのに用いた成形品の断面を用いた。具体的には、当該断面における真空ボイドの長さ(長手方向の長さ)をノギスまたは定規で測定した。複数の真空ボイドが形成されていた場合には、当該長さの総和を真空ボイドの長さとみなした。真空ボイド測定試験で測定した真空ボイドの長さと、製品繊維長と、の関係を図3に示す。図3に示すように、製品繊維長が長ければ長い程、真空ボイドの長さもまた長くなった。また、製品繊維長が200μm以下である実施例1〜4の成形品では真空ボイドは発生せず、製品繊維長が200μmを超える参考例1〜3の成形品では真空ボイドが発生した。つまり、この結果から、製品繊維長が200μm以下である成形品においては、真空ボイドの発生が抑制されているといえる。また、平均繊維長が過小である強化繊維は、強化繊維としての機能つまり成形品を補強する機能を充分に果たし得ないが、実施例1〜実施例4の成形品における製品繊維長は50μm以上であり、成形品の強度は充分に高く維持される。参考までに、製品繊維長140.8μmの実施例3の成形品では、引張強さは41MPaであり、降伏強度は200MPaであった。このように、製品繊維長が50μm以上である成形品は充分な強度を示す。
成形型のキャビティに注入された流体状の成形材料中に液体を圧入することで中空部を形成するウォーターアシスト成形法で成形されてなり、
前記成形材料が冷却固化されてなる壁部を備え、
前記壁部は、樹脂材料と強化繊維とを含み、
前記強化繊維の平均繊維長は50μm以上200μm以下であるウォーターアシスト成形品。
前記壁部の肉厚は、1.5mm以上5mm以下である付記項1に記載のウォーターアシスト成形品。
前記樹脂材料と前記強化繊維との質量の和を100質量%としたときに、前記強化繊維を10質量%以上50質量%以下含む付記項1または付記項2に記載のウォーターアシスト成形品。
前記強化繊維は前記壁部中においてランダムに配向している付記項1〜付記項3の何れか一項に記載のウォーターアシスト成形品。
20:壁部 30:中空部
Claims (4)
- 中空部を有するウォーターアシスト成形品を製造する方法であって、
成形型のキャビティに注入された流体状の成形材料中に水を含む液体を圧入することで前記成形材料を前記キャビティの外部に押し出して中空部を形成し、前記成形材料が冷却固化されてなる壁部と、前記中空部と、を備えるウォーターアシスト成形品を成形する成形工程と、
前記成形工程において前記キャビティの外部に押し出した前記成形材料を、前記成形工程において前記成形材料の少なくとも一部として用いるリサイクル工程と、を有し、
前記成形材料は、樹脂材料であるPA66およびPA612と、強化繊維であるグラスファイバーと、を含み、
前記成形工程の前記成形材料における前記PA66、前記PA612および前記強化繊維の含有量は、それぞれ、前記樹脂材料と前記強化繊維との質量の和を100質量%としたときに23質量%以上43質量%以下である、ウォーターアシスト成形品の製造方法。 - 前記ウォーターアシスト成形品における前記強化繊維の平均繊維長は50μm以上200μm以下である請求項1に記載のウォーターアシスト成形品の製造方法。
- 前記壁部の肉厚は、1.5mm以上5mm以下である請求項1または請求項2に記載のウォーターアシスト成形品の製造方法。
- 前記強化繊維は前記壁部中においてランダムに配向している請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のウォーターアシスト成形品の製造方法。
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